JP2023105731A - スパウト及びこれを用いたチューブ包装容器 - Google Patents

スパウト及びこれを用いたチューブ包装容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2023105731A
JP2023105731A JP2022006729A JP2022006729A JP2023105731A JP 2023105731 A JP2023105731 A JP 2023105731A JP 2022006729 A JP2022006729 A JP 2022006729A JP 2022006729 A JP2022006729 A JP 2022006729A JP 2023105731 A JP2023105731 A JP 2023105731A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spout
layer
resin
sheet material
tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022006729A
Other languages
English (en)
Inventor
剛史 齋藤
Takashi Saito
果穂 坂本
Kaho Sakamoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2022006729A priority Critical patent/JP2023105731A/ja
Publication of JP2023105731A publication Critical patent/JP2023105731A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tubes (AREA)

Abstract

【課題】機能性と樹脂量の低減を両立できるスパウト及びこれを用いたチューブ容器を提供する。【解決手段】チューブ容器に用いられるスパウトであって、筒状の注出筒部と、抽出筒部の一方端に接続され、抽出筒部の外方に延伸するフランジ部とを備え、注出筒部及びフランジ部の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂に、紙を含むシート材をインサート成形することにより形成されている、スパウト。【選択図】図3

Description

本発明は、スパウト及びこれを用いたチューブ容器に関する。
医薬品や化粧品、食品等の包装材として、樹脂を主体とした材料からなるチューブ容器が広く用いられている。例えば、特許文献1には、内容物を抽出する注出ユニットと、注出ユニットに溶着され、内容物を収容する胴部とから構成されるチューブ容器が記載されている。
特開2016-199280号公報
近年、環境負荷の軽減や資源保護、廃棄の容易性の観点から、包装容器に使用する樹脂量の低減が要望されており、樹脂の一部を紙に置き換えた包装容器が種々検討されている。チューブ容器に用いられるスパウトとしては、樹脂の成形品が一般的であるが、樹脂量を低減する手法として、例えば、スパウトを薄肉化することが考えられる。
しかしながら、内容物の封止・再封機能や内容物の注出機能といったスパウトの基本的な機能を確保しようとすると、スパウトの構造としては、ある程度の厚みを有するものが必要となる。また、内容物保護のために、液体や気体、光等をある程度遮断できる性能も必要であるため、単純に肉厚を低下させることは難しい。したがって、スパウトを形成するための樹脂量の低減は、これまで十分になされていなかった。
それ故に、機能性と樹脂量の低減を両立できるスパウト及びこれを用いたチューブ容器を提供することを目的とする。
本発明に係るスパウトは、チューブ容器に用いられるものであって、筒状の注出筒部と、抽出筒部の一方端に接続され、抽出筒部の外方に延伸するフランジ部とを備え、注出筒部及びフランジ部の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂に、紙を含むシート材をインサート成形することにより形成されているものである。
また、本発明に係るチューブ容器は、上記のスパウトと、一方端が閉塞され、他方端から所定範囲の部分がスパウトのフランジ部にシールされたチューブ状の胴部とを備えるものである。
本発明によれば、機能性と樹脂量の低減を両立できるスパウト及びこれを用いたチューブ容器を提供できる。
実施形態に係るチューブ容器の斜視図 図1に示したスパウトの拡大図 図2に示したIII-IIIラインに沿う拡大断面図 シート材がインサート成形された部分の一例を示す模式断面図 シート材がインサート成形された部分の他の一例を示す模式断面図 シート材がインサート成形された部分の他の一例を示す模式断面図
図1は、実施形態に係るチューブ容器の斜視図である。
チューブ容器100は、チューブ状の胴部1と、胴部1に取り付けられたスパウト(注出口部)2とを備える。
チューブ容器100は、スパウト2の注出筒部3に着脱可能なキャップ11を更に備えていても良い。チューブ容器100がキャップ11を備える場合、チューブ容器100の開封後に再封することが容易となる。キャップ11は、螺合により注出筒部3に着脱可能であっても良いし、嵌合により注出筒部3に着脱可能であっても良い。また、チューブ容器100は、スクリューキャップ111に代えて、ヒンジキャップを備えていても良い。ヒンジキャップを設ける場合、図1に示した注出筒部3に螺合によりヒンジキャップをスパウト2に取り付けても良い。あるいは、注出筒部3の外面にネジ山の代わりにリブを設け、リブを介した嵌合によりヒンジキャップをスパウト2に取り付けても良い。
胴部1は、内容物を収容するための部材であり、略平行な一対の端縁を有するシートを筒状に丸めて部分的にシールすることにより形成されている。胴部1は、例えば、シートの一対の端縁のそれぞれを含む帯状の部分の内面同士を合掌状に突き合わせて溶着させることにより、筒状に形成されている。胴部1の一方の端部5a(図1における下端)はシールされて閉鎖されている。一方、胴部1の他方の端部5b(図1における上端)の近傍部分は、折り畳まれた状態で、後述するフランジ部4の外面8にシールされている。胴部1とフランジ部4との溶着部には、胴部1を構成するシートが折り畳まれてなるプリーツ12が複数形成される。シートの一対の端縁のそれぞれを含む帯状の部分を貼り合わせることにより、胴部1には、貼り合わせ部7(背貼り部)が形成されている。貼り合わせ部7は、胴部1の外面に沿うように折り曲げられて胴部1に貼り合わされていても良い。貼り合わせ部7の胴部1への貼合方法は特に限定されず、胴部1を構成するフィルムの表面全体または部分的に設けられるヒートシール性の樹脂を介して両者を溶着しても良いし、ホットメルト等の接着剤を介して両者を接着しても良い。図1の例では、丸めたシートを合掌状に突き合わせて貼り合わせているが、一方の端縁に沿う帯状の部分の外面に、他方の端縁に沿う帯状の部分の内面を貼り合わせることによって、胴部1を形成しても良い。
チューブ容器100の胴部1は、樹脂量を低減する観点で、紙を主体とするシートで形成することが好ましい。胴部1を形成するためのシートは、紙層の一方面側及び他方面側に1層以上の樹脂層を積層した多層シートであることが好ましい。胴部1を形成するシートの層構成は、少なくとも一方の最表面にチューブ容器100の内側となるシーラント層を有している限り特に限定されない。一例として、胴部1を形成するシートとして、紙層の一方面側に、基材フィルム層、バリア層及びシーラント層をこの順に積層し、紙層の他方面側に、紙保護層を積層し、更に紙保護層上にインキ層及びオーバーコートニス層を積層した多層シートを使用することができる。各層間には接着剤を介在しても良い。
紙層は、チューブ容器に強度及びコシを付与する構造層である。紙層を構成する用紙の種類は特に限定されないが、強度、屈曲耐性、印刷適性を備える点で、片艶クラフト紙または両艶クラフト紙を用いることが好ましい。また、紙層を構成する用紙として、必要に応じて、耐水紙、耐油紙、またはカップ原紙等を使用しても良い。紙層に用いる紙の坪量は、30~300g/mであることが好ましく、50~170g/mであることがより好ましい。胴部1を構成するシートの樹脂比率を低減するため、シートの質量のうち、紙層の占める割合が50%以上であることが好ましい。樹脂の使用量を低減する観点では紙層の割合は高いほど好ましい。
基材フィルム層は、耐熱性と強靱性等の物理的強度とを付与する層である。基材フィルム層は、バリア層の基材となる層でもある。基材フィルム層を構成するフィルムの材質は特に限定されないが、耐熱性及び物理的強度の観点から、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の延伸フィルムを用いることが好ましい。
バリア層は、酸素や水蒸気等を遮断して、内容物の保存性を向上させる機能層である。バリア層は、例えば、シリカやアルミナ等の無機化合物の蒸着膜、アルミニウム等の金属蒸着膜、アルミニウム等の金属箔、板状鉱物及び/またはバリア性樹脂を含むバリアコート剤の塗膜の1種以上により構成することができる。バリア層を金属の蒸着膜または金属箔により形成した場合、胴部1に遮光性を付与することもできる。バリアコート剤に用いるバリア性樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)等を使用することができ、バリアコート剤にはバリア性樹脂以外のバインダー樹脂が適宜配合される。バリア層は、予め基材フィルム層上に積層されてバリアフィルムを構成していても良いし、単層膜として設けられても良い。
シーラント層は、貼り合わせ部7の溶着のため、及び、スパウト2と胴部1との溶着のために設けられる層である。シーラント層の材質は特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂であることが好ましい。シーラント層に用いる熱可塑性樹脂は、後述するスパウト2の材料を構成する熱可塑性樹脂に対して接着性を有するものであれば良いが、スパウト2に用いる熱可塑性樹脂と同じ材質であることが好ましい。シーラント層に用いる熱可塑性樹脂とスパウト2に用いる熱可塑性樹脂層とを同じにすることにより、胴部1とスパウト2とのシール強度を向上させることができる。
紙保護層は、紙層への内容物や汚れの付着から保護するための層である。紙保護層の材料や形成方法は特に限定されないが、熱可塑性樹脂の押出コートや、耐水剤あるいは耐油剤等のコート剤のコートにより紙保護層を積層することができる。紙保護層の厚みは、0.2~50μmであることが好ましく、0.5~20μmであることがより好ましい。
インキ層は、各種表示を行うために印刷により施される層であり、オーバーコートニス層は、耐摩性等を付与するための層である。インキ層とオーバーコートニス層の積層順序は特に限定されない。また、オーバーコートニス層が紙保護層を兼ねていても良い。
胴部1を構成するシートの厚み(総厚)は、特に限定されないが、30~300μmであることが好ましい。胴部1を構成するシートの厚みが、この範囲であれば、製袋機やピロー・スティック包装機等を用いて胴部1を容易に筒状に加工することができる。また、紙層によって強度とコシが付与されるため、一般的なラミネートチューブ(厚み300~500μm)と比べて、薄くすることができ、樹脂使用量も低減できる。
尚、上述したシートの層構成は一例であり、バリア層、紙保護層、インキ層及びオーバーコートニス層の1層以上を省略しても良い。
図2は、図1に示したスパウトの拡大図であり、図3は、図2に示したIII-IIIラインに沿う拡大断面図である。尚、図2及び図3は、注出口部に胴部をシールする前の状態を示している。
スパウト2は、胴部1に収容された内容物を外部に抽出するための部材である。スパウト2は、筒状の注出筒部3とフランジ部4とを備える。フランジ部4は、注出筒部3の一方の端部6a(図1における下端)に接続され、注出筒部3の外方に延伸する平板状の部分である。本実施形態では、フランジ部4は、注出筒部3の中心軸(一点鎖線)と直交する方向(図3における左右方向)に延伸するように形成されている。ただし、フランジ部4の延伸方向は必ずしも注出筒部3の軸方向と直交する方向である必要はなく、また、本実施形態では、フランジ部4は、円環状に形成されているが、胴部1を接合することができる限り、フランジ部4の形状は限定されず、楕円形、長円形、トラック形、多角形等であっても良い。
図2及び図3に示すように、フランジ部4の外面8(注出筒部3の端部6b側の面)には、環状の凸部9及び凹部10が設けられている。スパウト2のフランジ部104に胴部1を溶着する際、凸部9が最初に溶融し、溶融した樹脂が胴部1の内面とフランジ部4との間に広がる。また、溶融した樹脂の一部は凹部10に流れ込む。この結果、凸部9が溶融した樹脂を介して、胴部1の内面とフランジ部4の外面8とを面で溶着することができ、溶着強度を向上できる。凸部9及び凹部10の数は特に限定されず、それぞれ2以上であっても良い。また、凸部9と凹部10の数は同数でなくても良く、例えば、1本の凸部9の内側及び外側に2本の凹部10を設けても良い。凸部9の高さ(フランジ部4の外面8からの高さ)は、0.05~2mmであることが好ましく、0.1~1mmであることがより好ましい。凹部10の深さ(フランジ部4の外面8からの深さ)は、0~2mmであることが好ましく、0~1mmであることが好ましい。凸部9が低い場合は、凹部10はなくても良い。尚、凸部9及び凹部10は必須ではなく、一方及び両方を省略しても良い。
チューブ容器100の製造時に胴部1及びスパウト2を溶着する方法としては、超音波溶着、高周波溶着、ヒートシール溶着、ホットエア溶着等を利用することができるが、紙の断熱性に左右されにくい点で超音波溶着を採用することが好ましい。
また、注出筒部3の端部6bには、チューブ容器100の未開封状態において注出筒部3を閉鎖するフィルムがシールされていても良い。
更に、注出筒部3の内部は、チューブ容器100の未開封状態において容器内部を密閉状態に保つために、隔壁により閉鎖されていても良い。隔壁を設ける場合、注出筒部3の内周に沿って円形状のハーフカットを設けると共に、ハーフカットによって囲まれた部分に接続されるプルリングを設けることが好ましい。このように構成すれば、チューブ容器100の開封時には、使用者がプルリングを引っ張って隔壁のハーフカットの部分を破断させることにより、ハーフカットで囲まれた隔壁の一部を除去して、胴部1から注出筒部3へと内容物を注出するための開口部を形成することができる。
スパウト2は、紙を含むシート材20及び21を、熱可塑性樹脂内にインサート成形することにより形成されている。スパウト2は、例えば、成形用の金型内にシート材20及び21を収容した状態で、溶融樹脂を射出成形することによって成型することができる。スパウト2に紙を含むシート材20及び21をインサートすることにより、スパウト2の成形に使用する熱可塑性樹脂の使用量を低減することができる。
図3の例では、注出筒部3にシート材20がインサートされ、フランジ部4にシート材21がインサートされている。ただし、注出筒部3及びフランジ部4のいずれか一方にシート材をインサートした構成であっても良い。この場合でもスパウト2の成形に用いる熱可塑性樹脂の使用量を低減することが可能である。ただし、スパウト2の全体に占める樹脂量の割合をより低減するためには、インサートされる紙が多い方が好ましい。したがって、樹脂使用量を低減する観点では、図3の例のように、注出筒部3及びフランジ部4の両方にシート材20及び21をそれぞれインサートすることが好ましい。
シート材20を埋め込む箇所は特に限定されず、注出筒部3のいずれかの部分に埋め込まれていれば良いが、図3に示すように、注出筒部3の内側面にインサートされていることが、外観の面で好ましい。同様に、シート材21を埋め込む箇所も特に限定されず、フランジ部4のいずれかの部分に埋め込まれていれば良いが、図3に示すように、フランジ部4の両面のうち、チューブ容器100を構成したときに容器の内側となる面にインサートされていることが、外観の面で好ましい。ただし、シート材20及び21の一方または両方が、チューブ容器100の外側となる面にインサートされていても良いし、熱可塑性樹脂中に完全に埋め込まれていても良い。
スパウト2の成型に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド及びシクロポリオレフィンのいずれか1種、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。熱可塑性樹脂には、フィラーとして、タルク、カオリン、紙粉及びセルロース繊維のいずれか1種以上を配合しても良い。
スパウト2にインサートされるシート材20及び21としては、基材となる紙の一方面側及び他方面側のそれぞれに樹脂層を積層した積層シートを使用することができる。スパウト2にインサートされたシート材20および21の一方面がスパウト2から露出している場合、露出面が樹脂層となる。したがって、スパウト2から露出したシート材20及び21に内容物や外部からの液体等が付着した場合、液体等が紙に染み込むことを防止できる。尚、シート材20及び21の紙の端面は、図3に示すように、熱可塑性樹脂によって封止されているため、端面からの液体等の染み込みは防止されている。また、シート材20及び21の両面のうち、外部に露出していない面(熱可塑性樹脂に埋め込まれる面)にも樹脂層が積層されていることにより、シート材20及び21と熱可塑性樹脂との溶着強度を確保することができ、シート材20及び21の剥離を抑制できる。
以下、シート材20及び21の層構成の具体例を説明する。
図4A~図4Cは、シート材がインサート成形された部分の例を示す模式断面図である。
図4Aに示すシート材20及び21は、紙30と、紙30の一方面に積層された樹脂層31と、紙30の他方面に積層された樹脂層32とを含む。図4Aの例では、樹脂層31がスパウト2の外部に露出している。樹脂層32が熱可塑性樹脂に埋め込まれた面である。紙30としては、しなやかさと、ある程度の剛性とを兼ね備え、更に、反りが少ないものを使用することが好ましい。紙30の厚みは、スパウト2の肉厚に応じて選択することができるが、樹脂量低減と剛性確保を両立できる点で、例えば、200~500μmであることが好ましい。樹脂層31及び32は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂により形成することが好ましい。少なくとも樹脂層32は、スパウト2を構成する熱可塑性樹脂に溶着性を有する樹脂で形成するが、スパウト2を構成する熱可塑性樹脂と同種の樹脂する(例えば、スパウト2を構成する樹脂がポリエチレンの場合は、樹脂層もポリエチレンで形成し、スパウト2を構成する樹脂がポリプロピレンの場合は、樹脂層もポリプロピレンで形成する)ことが好ましい。
図4Bに示すシート材20及び21は、紙30と、紙30の一方面に積層された樹脂層33と、紙30の他方面に積層された樹脂層32とを含む。図4Bの例では、樹脂層33がスパウト2の外部に露出している。樹脂層33がチューブ容器の内側(注出筒部の内側及びフランジ部の内面)に露出している場合、樹脂層33は、内容物に対する吸着性が低い低吸着性樹脂で形成することが好ましい。低吸着性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムを好適に使用することができる。シート材20及び21の両面のうち、チューブ容器の内側に露出する面を、低吸着性樹脂からなる樹脂層33とすることにより、内容物自体または内容物に含まれる成分がスパウト2の内面に吸着することを抑制できる。
また、樹脂層33は、ガスバリア性フィルムであっても良い。ガスバリア性フィルムとしては、ポリプロピレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド等の延伸フィルムに、上述したバリア層が積層されたフィルムを用いることができる。
尚、樹脂層33は、紙30側から順にガスバリア性フィルムと低吸着性樹脂層とが積層されたものであっても良い。また、樹脂層33の更に外面に、上述した樹脂層31を積層しても良い。
図4Cに示すシート材20及び21は、紙30の一方面に、酸素吸収樹脂層34及び樹脂層31をこの順に積層し、紙30の他方面に樹脂層33及び樹脂層32をこの順に積層したものである。図4Aの例では、樹脂層31がスパウト2の外部に露出している。樹脂層33は、例えば、上述したガスバリア性フィルムである。酸素吸収樹脂層34は、脱酸素剤を混合した熱可塑性樹脂により形成される。脱酸素剤の種類は特に限定されないが、例えば、鉄系の脱酸素剤、有機系の脱酸素剤(アスコルビン酸類、還元糖類、多価アルコール類、フェノール類、フェノールカルボン酸類等)のうち、チューブ容器の用途に応じて適宜選択することができる。シート材20及び21に酸素吸収樹脂層34を設けることにより、チューブ容器の内容物の酸化による劣化を抑制することが可能となる。図4Cの例において、樹脂層33(ガスバリア層)と酸素吸収樹脂層34の積層位置は逆であっても良い。また、樹脂層31に代えて低吸着性樹脂層が設けられても良い。
上述した樹脂層31~33及び酸素吸収樹脂層34の積層方法は特に限定されず、例えば、溶融樹脂の押出成形により形成しても良いし、予め成形されたフィルムをドライラミネート等で貼り合わせることにより形成しても良い。
また、図4A~図4Cに示したシート材20及び21の層構成は例示であり、紙30と、シート材20及び21の両面の最表面のそれぞれに樹脂層が設けられていれば、層数や各層の積層順序は適宜選択することができる。
更に、シート材20及び21を構成するいずれかの層が遮光性を有することが好ましい。熱可塑性樹脂の成形品からなる通常のスパウト(特にフランジ部)は、遮光性が乏しい。そこで、紙30またはいずれかの樹脂層に遮光印刷を施したり、シート材20及び21に金属箔や遮光フィルムを積層したりすることにより、スパウトに遮光性を付与することができる。このようにして遮光性を付与したスパウトを用い、更に、胴部を構成するシートに、遮光印刷や金属箔、遮光フィルム等の遮光層を設けることにより、全体として遮光性を有するチューブ容器を構成することが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係るチューブ容器100のスパウト2には、紙を含むシート材がインサートされている。スパウト2に紙を含むシート材をインサートしたことにより、スパウト2に使用する熱可塑性樹脂の量を低減することができる。また、シート材を構成する紙30にコシがあるため、スパウトの剛性を維持することができ、スパウト2の基本的な機能である、封止・再封機能や内容物の注出機能を確保できる。
また、シート材の両面に樹脂層を設け、一方面の樹脂層がチューブ容器100の内側となる面(注出筒部3の内面及びフランジ部4の内面)に露出した状態でシート材をインサートすることにより、スパウト2の外観を良好としつつ、シート材への液体の染み込みも防止できる。また、シート材の両面の樹脂層のうち、少なくとも熱可塑性樹脂に埋め込まれる側の樹脂層(図4A~図4Cの樹脂層32)を、スパウト2の成形に用いる熱可塑性樹脂との溶着性を有する樹脂で形成することにより、成形部分に対するシート材の密着性を向上させ、スパウト2からのシート材の剥離等を防止できる。
また、図4A~図4Cに例示したように、インサートするシート材を構成する層として、遮光層、ガスバリア層、酸素吸収層、低吸着層等の機能層を設けることにより、樹脂のみの成形品では実現が困難であった各種の機能をスパウトに付与することでできる。したがって、本実施形態に係るスパウト2を用いることにより、従来のスパウトを用いた場合よりも機能を向上させたチューブ容器を実現できる。
尚、本実施形態においては、紙を含むシート構成した胴部と組み合わせてチューブ容器を構成する例を説明したが、本発明に係るスパウトは、この用途に限定されない。例えば、上述したスパウトに、樹脂を主体とする薄手(厚さ30~300μm)の積層フィルムで構成した胴部をシールすることによりチューブ容器を構成しても良い。あるいは、従来のラミネートチューブようのスパウトに本発明を適用し、ラミネートチューブ用の厚手の積層シート(厚さ300~500μmm)で構成した胴部と組み合わせて、ラミネートチューブを構成しても良い。いずれの場合でも、スパウトに紙を含むシート材をインサート成形することにより、上述した効果を奏することができる。
本発明は、医薬品や化粧品、食品等の包装用途のチューブ容器に利用できる。
1 胴部
2 スパウト
3 注出筒部
4 フランジ部
5a、5b 端部
6a、6b 端部
20、21 シート材
31、32 樹脂層
33 樹脂層
34 酸素吸収樹脂層
100 チューブ容器

Claims (7)

  1. チューブ容器に用いられるスパウトであって、
    筒状の注出筒部と、
    前記抽出筒部の一方端に接続され、前記抽出筒部の外方に延伸するフランジ部とを備え、
    前記注出筒部及び前記フランジ部の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂に、紙を含むシート材をインサート成形することにより形成されている、スパウト。
  2. 前記シート材の両面に樹脂層が設けられ、
    前記シート材の一方面の前記樹脂層が、前記注出筒部の内面、または、前記チューブ容器の内側となる前記フランジ部の一面に露出した状態で、前記シート材がインサートされており、
    少なくとも前記シート材の他方面の前記樹脂層が、前記熱可塑性樹脂に対する溶着性を有する樹脂からなる、請求項1に記載のスパウト。
  3. 前記シート材の前記一方面の前記樹脂層が、前記チューブ容器に収容される内容物の吸着性が低い低吸着性樹脂からなる、請求項2に記載のスパウト。
  4. 前記シート材が遮光性を有する層を含む、請求項1~3のいずれかに記載のスパウト。
  5. 前記シート材がガスバリア性を有する層を含む、請求項1~4のいずれかに記載のスパウト。
  6. 前記シート材が脱酸素剤を含有する層を含む、請求項1~5のいずれかに記載のスパウト。
  7. チューブ容器であって、
    筒状の注出筒部と、前記抽出筒部の一方端に接続され、前記抽出筒部の外方に延伸するフランジ部とを有するスパウトと、
    一方端が閉塞され、他方端から所定範囲の部分が前記スパウトのフランジ部にシールされたチューブ状の胴部とを備え、
    前記注出筒部及び前記フランジ部の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂に、紙を含むシート材をインサート成形することにより形成されている、チューブ容器。
JP2022006729A 2022-01-19 2022-01-19 スパウト及びこれを用いたチューブ包装容器 Pending JP2023105731A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022006729A JP2023105731A (ja) 2022-01-19 2022-01-19 スパウト及びこれを用いたチューブ包装容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022006729A JP2023105731A (ja) 2022-01-19 2022-01-19 スパウト及びこれを用いたチューブ包装容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023105731A true JP2023105731A (ja) 2023-07-31

Family

ID=87468737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022006729A Pending JP2023105731A (ja) 2022-01-19 2022-01-19 スパウト及びこれを用いたチューブ包装容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023105731A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5401369B2 (ja) 自立袋およびその製造方法、ならびに内容物入り自立袋
RU2321496C1 (ru) Контурная полоска, упаковочный контейнер, имеющий такую контурную полоску, и способ получения такой контурной полоски
CN112823127B (zh) 管容器及其制造方法
JP2014227206A (ja) 筒型容器
EP4108589A1 (en) Tube container
EP3543161B1 (en) Self-standing bag and method for manufacturing same
JP5002908B2 (ja) 包装体
JP2023105731A (ja) スパウト及びこれを用いたチューブ包装容器
JP2022111610A (ja) チューブ容器
JP7543664B2 (ja) チューブ容器
JP2022114207A (ja) チューブ容器
US20120014623A1 (en) Stand-up bag
JP2022120374A (ja) 収納容器
JP2011121628A (ja) 液体用紙容器
JP2022128043A (ja) チューブ容器及びチューブ容器の製造方法
JP2022132880A (ja) チューブ容器
JP2022124704A (ja) チューブ容器
JP2024070723A (ja) チューブ容器
JP2024008601A (ja) チューブ容器
JP2021142995A (ja) チューブ容器
JP2022142186A (ja) チューブ容器
JP2013028113A (ja) 液体包装用積層包材及びその包材を用いた紙製容器
JP2022138463A (ja) チューブ状容器の胴部、チューブ状容器
JP2024038839A (ja) チューブ容器
JP2022108015A (ja) チューブ状容器