JP2024070723A - チューブ容器 - Google Patents

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果穂 坂本
Kaho Sakamoto
賢 岩田
Masaru Iwata
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Abstract

【課題】使用する樹脂量を低減し、かつ、十分な遮光性を有するチューブ容器を提供する。【解決手段】最外層側から順に、紙層32、フィルム層33、遮光インキ層39及びシーラント層35を有する厚さ30μm以上300μm以下のシートで形成され、一方端が閉塞されたチューブ状の胴部と、胴部の一方端に取り付けられた注出口部と、を備える、チューブ容器。【選択図】図3

Description

本発明は、チューブ容器に関する。
医薬品や化粧品、食品等の包装材として、樹脂を主体とした材料からなるチューブ容器が広く用いられている。例えば、特許文献1には、内容物を抽出する注出ユニットと、注出ユニットに溶着され、内容物を収容する胴部とから構成されるチューブ容器が記載されている。
特開2016-199280号公報
チューブ容器の内容物としては、例えば、化粧品や食品などが挙げられる。これらの内容物は、光を吸収することで変色や品質の劣化が起こるため、チューブ容器は遮光性を有することが好ましい。そして、チューブ容器の遮光性を高めるためには、チューブ容器の胴部を構成するシート材に厚い着色フィルムやアルミニウム、そしてアルミ蒸着フィルム等を使用するのが一般的である。
一方、近年では環境負荷の軽減や資源保護の観点から、包装容器に使用する樹脂量の低減が要望されている。そのため、特許文献1に記載されるような樹脂性のチューブ容器においては、胴部を構成するフィルムを薄膜化することや脱アルミニウムが望まれている。従って、チューブ容器の遮光性の向上と樹脂量の低減や環境対応とはトレードオフの関係となっており、両者を満たすことは困難であった。
それ故に、本発明は、使用する樹脂量を低減し、かつ、アルミニウム材料を使用せず十分な遮光性を有するューブ容器を提供することを目的とする。
本発明に係るチューブ容器は、最外層側から順に、紙層、フィルム層、遮光インキ層及びシーラント層を有する厚さ30μm以上300μm以下のシートで形成され、一方端が閉塞されたチューブ状の胴部と、胴部の一方端に取り付けられた注出口部と、を備える。
本発明によれば、使用する樹脂量を低減し、かつ、十分な遮光性を有するューブ容器を提供できる。
実施形態に係るチューブ容器の概略構成を示す正面図 図1に示したII-IIラインに沿う断面図 チューブ容器の胴部を構成するシートの一例を示す断面図 テープ材の断面図 図1に示した注出口部の概略図 胴部の透過率を示すグラフ
図1は、実施形態に係るチューブ容器の概略構成を示す正面図であり、図2は、図1に示したII-IIラインに沿う断面図であり、図3は、チューブ容器の胴部を構成するシートの一例を示す断面図であり、図4は、テープ材の断面図であり、図5は、図1に示した注出口部の概略図である。なお、図4(a)は、単層のテープ材の断面図であり、図4(b)は、多層のテープ材の断面図である。また、図5(a)は、図1に示した注出口部の斜視図であり、図5(b)は図5(a)に示したV-V’ラインに沿う断面図である。
チューブ容器100は、チューブ状の胴部1と、胴部1に取り付けられた注出口部2と、テープ材20とを備える。
胴部1は、内容物を収容するための部材であり、略平行な対向する一対の端縁を有するシート41を筒状に丸めて形成される。シート41の両端を貼り合わせる方法としては、シート41の一対の端縁どうしを重ねたオーバーラップ部7を、内側からテープ材20で貼り合わせる封筒貼りが用いられる。胴部1の一方の端部5a(図1における下端)はシールされて閉塞されている。一方、胴部1の他方の端部5b(図1における上端)の近傍部分は、折り畳まれた状態で、フランジ部4の外面8にシールされている。胴部1とフランジ部4との溶着部には、胴部1を構成するシート41が折り畳まれてなるプリーツ12が複数形成される。また、胴部1には、オーバーラップ部7(背貼り部)が形成される。なお、図1においては、オーバーラップ部7の内側からテープ材20を貼っているが、これに加えて外側からもテープ材20を貼ってもよい。
チューブ容器100の胴部1を構成するシート41は、図3に示すように、紙層32の一方面側に、基材フィルム層33、バリア層34、遮光インキ層39、及びシーラント層35をこの順に積層し、紙層32の他方面側に、インキ層38をおよび紙保護層37を積層した多層シートである。インキ層38と紙保護層37の積層順は図3と逆であってもよく、また、各層間には各層どうしを接着する接着剤が使用さてもよい。
(紙層)
紙層32は、チューブ容器100に強度やコシ、及び遮光性を付与する構造層である。紙層32を構成する用紙の種類は特に限定されないが、晒クラフト紙や未晒クラフト紙を用いることができ、遮光性を高める観点からは特に未晒クラフト紙を用いることが好ましい。チューブ容器100の遮光性を紙層32で補うことができるため、後述する遮光インキ層39で使用するインク量を減らすことができ、リサイクル性が向上する。
紙層32に用いる紙の坪量は、30~250g/mであり、単層で使用する場合は40~200g/mであることが好ましい。紙層の坪量を多くする場合は複数の紙をラミネートしたもので坪量をあげることが好ましい。紙層32に用いる紙の坪量が30g/m未満である場合、胴部1のコシが不足し、チューブ容器100の自立が困難となる。コシを補うためには、例えば、紙層32より内側に設ける樹脂フィルムを厚くする必要があるが、樹脂比率の上昇に繋がり、環境負荷低減の面で望ましくない。また、紙層32に用いる紙の坪量が250g/mを超える場合、紙のコシや断熱性により、製筒性(製袋性)、成型性及び溶着性が悪化する上、製造コストも増加するため好ましくない。坪量が200g/mを超える場合は単層で使用するよりも複数の紙層を使用することが紙の領袖剥離を抑制する意味でも好ましい。また、チューブ容器100の遮光性は紙の坪量にも依存するため、必要とする遮光性能に応じて上記坪量の範囲から適宜選択できる。なお、紙層32に含まれるセルロース繊維の質量は、紙層32の全質量の50%以上である。
(基材フィルム層)
基材フィルム層33は、シート41に耐熱性と強靱性等の物理的強度とを付与する層である。基材フィルム層33は、バリア層34の基材となる層でもある。基材フィルム層33を構成するフィルムの材質は特に限定されないが、耐熱性及び物理的強度の観点から、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等の延伸フィルムを用いることが好ましい。また、基材フィルム層33の代わりに紙層を設けても良い。
(バリア層)
バリア層34は、酸素や水蒸気等を遮断して、内容物の保存性を向上させる機能層である。バリア層34は、例えば、シリカやアルミナ等の無機化合物の蒸着膜、板状鉱物及び/またはバリア性樹脂を含むバリアコート剤の塗膜の1種以上により構成することができる。バリアコート剤に用いるバリア性樹脂としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)等を使用することができ、バリアコート剤にはバリア性樹脂以外のバインダー樹脂が適宜配合される。バリア層34は、予め基材フィルム層33などの基材上に積層されてバリアフィルムを構成していても良いし、単層膜として設けられても良い。本発明においては、環境対応としてバリア層は透明層とすることが好ましい。
(遮光インキ層)
遮光インキ層39は、チューブ容器100に遮光性を付与する層である。遮光インキ層39は、一般的なインクで構成されるインキ層を単一または複数積層することで構成される。インキ層に用いられるインクの色、インキ層の厚み、及びインキ層の積層数は、求められる遮光性に応じて適宜選択される。インキ層が3層積層される場合、例えば、白/白/セピアや、白/白/黒などのインクの色の組み合わせが挙げられる。チューブ容器100には、遮光インキ層39に加えて遮光性を有する紙層32が設けられる。そのため、遮光インキ層39を薄くしても十分な遮光性を有するチューブ容器100を得ることができる。なお、使用されるインク量が多いとリサイクル性が低下するため、遮光インキ層39は薄い方が好ましい。
遮光インキ層39は、チューブ容器100において、紙層32より内側に位置する。そのため、外装のデザインに影響することなくチューブ容器100に遮光性を付与することができる。また、遮光インキ層39を紙層32などの表面の粗い層の上に積層した場合、紙の表面粗さに起因して印刷ムラが生じて遮光層がまばらとなってしまうため、遮光性能が低下する恐れがある。そのため、遮光インキ層39は、バリア層34上などのフィルム層上に設けられることが好ましい。
(シーラント層)
シーラント層35は、オーバーラップ部7におけるテープ材20と胴部1との溶着および注出口部2と胴部1との溶着のために設けられる層である。シーラント層35の材質は特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂であることが好ましい。シーラント層35は、軟化温度が基材フィルム層33の軟化温度より20℃以上低い樹脂を用いる。シーラント層35の軟化温度が、基材フィルム層33の軟化温度より20℃以上低くない場合、シール時に基材フィルム層33が軟化してピンホールが発生する可能性が高くなるため好ましくない。シーラント層35の軟化温度は、基材フィルム層33の軟化温度より40℃以上低いことが好ましい。
シーラント層35に用いる熱可塑性樹脂は、後述する注出口部2の材料を構成する熱可塑性樹脂に対して接着性を有するものであれば良いが、注出口部2に用いる熱可塑性樹脂と同じ材質であることが好ましい。シーラント層35に用いる熱可塑性樹脂と注出口部2に用いる熱可塑性樹脂層とを同じにすることにより、胴部1と注出口部2とのシール強度を向上させることができる。
(紙保護層)
紙保護層37は、シート41を構成する紙層32への内容物や汚れの付着から保護するための層である。紙保護層37の材料は特に限定されないが、胴部1のシーラント層35と溶着可能な材料により構成されることでオーバーラップ部7においてシーラント層35と紙保護層37とが完全溶着され、オーバーラップ部7の捲れを抑制することができ、また、胴部1のバリア性および耐久性も高めることができる。紙保護層37の形成方法についても特に限定されないが、熱可塑性樹脂の押出コートや、耐水剤あるいは耐油剤等のコート剤のコートにより紙保護層37を積層することができる。紙保護層37の厚みは、0.2~100μmであることが好ましく、0.5~20μmであることがより好ましい。紙保護層37の厚みが0.2μm未満である場合、紙保護層37にピンホールが発生する可能性があり、紙層32の保護が不十分となる場合がある。また、紙保護層37の厚みが100μmを超える場合、樹脂使用量や製造コストの面で好ましくない。
(インキ層)
インキ層38は、各種表示を行うために印刷により施される層である。インキ層38と紙保護層37の積層順序が図3と逆の場合は、耐摩性等を付与するために、インキ層38上にオーバーコートニス層や熱可塑性樹脂の押出コート層を積層してもよい。
胴部1を構成するシート41の厚み(総厚)は、30~300μmである。胴部1を構成するフィルムの厚みが、この範囲であれば、製袋機やピロー・スティック包装機等を用いて胴部1を容易に筒状に加工することができる。また、紙層32によって強度とコシが付与されるため、一般的なラミネートチューブ(厚み300~500μm)と比べて、薄くすることができ、樹脂使用量も低減できる。
胴部1を構成するシート41の樹脂比率を低減するため、シート41の質量のうち、紙層32の占める割合が50%以上であることが好ましい。樹脂の使用量を低減し、遮光性を向上させる観点では紙層32の割合は高いほど好ましい。
チューブ容器100は、PE、PET、イロポリ、GL及びPEを順に積層したシートで形成されたチューブ容器に対して、400~700nmにおける透過率の比が、1.0未満となることが好ましい。尚、胴部1を構成するシート41は、基材フィルム層33、インキ層38の1層以上を省略しても良い。
(テープ材)
テープ材20は、シーラント層35と接着可能なフィルムからなり、胴部1の最内層側に位置するシート41の端縁全体を覆うように胴部1の内側にシールされる。テープ材20は、テープ材20のセンターと最内層側に位置するシート41の端縁とが略一致するように設けられる。テープ材20は、シーラント層45から構成される単層構造でもよいし、基材フィルム層43の両面にシーラント層45が設けられた多層構造でもよい。シーラント層45は、シート41のシーラント層35と同じ材料を用いることができ、基材フィルム層43は、シート41の基材フィルム層33と同じ材料を用いることができる。
本実施形態におけるチューブ容器100の胴部1は、テープ材20が胴部1の内側に位置するシート41の端面を覆うように設けられることにより、シート41の端面保護が可能となり、端面からシート41に含まれる接着剤がチューブ容器内に溶出すること、および、端面からチューブ容器100の内容物が紙層32に染み出ることを抑制できる。また、テープ材20はチューブ内側だけでなく、内側と外側の両方に設けても良い。
注出口部2は、胴部1に収容された内容物を外部に抽出するためのスパウトであり、筒状の注出筒部3とフランジ部4とを備える。フランジ部4は、注出筒部3の一方の端部6a(図1における下端)に接続され、注出筒部3の外方に延伸する平板状の部分である。本実施形態では、フランジ部4は、注出筒部3の軸方向と直交する方向(図1における左右方向)に延伸するように形成されている。本実施形態では、フランジ部4は、円環状に形成されているが、胴部1を接合することができる限り、フランジ部4の形状は限定されず、楕円形、長円形、トラック形、多角形等であっても良い。
注出口部2は、熱可塑性樹脂により成型されてもよいし、熱可塑性樹脂と樹脂以外のフィラーを含む材料により成型されてもよい。注出口部2の材料に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド及びシクロポリオレフィンのいずれか1種、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。フィラーとしては、タルク、カオリン、紙粉及びセルロース繊維のいずれか1種、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。注出口部2の材料として、熱可塑性樹脂と、樹脂以外のフィラーの混合物を用いることにより、成型性や胴部1のシート材との熱溶着性を維持しつつ、樹脂の使用量を低減することが可能となる。注出口部2の成型方法は特に限定されないが、射出成形、真空成形・熱板圧空成型等のサーモフォーミング、コンプレッション成型等の既存の成型方法を利用可能である。
図5に示すように、フランジ部4の外面8(注出筒部3の端部6b側の面)には、円環状の凸部9及び凹部10が設けられている。注出口部2のフランジ部4に胴部1を溶着する際、凸部9が最初に溶融し、溶融した樹脂が胴部1の内面とフランジ部4との間に広がる。また、溶融した樹脂の一部は凹部10に流れ込む。この結果、凸部9が溶融した樹脂を介して、胴部1の内面とフランジ部4の外面8とを面で溶着することができ、溶着強度を向上できる。
チューブ容器100の製造時に胴部1及び注出口部2を溶着する方法としては、超音波溶着、高周波溶着、ヒートシール溶着、ホットエア溶着、胴部インサートのコンプレッション成型等を利用することができるが、紙の断熱性に左右されにくい点で超音波溶着を採
用することが好ましい。
チューブ容器100は、図1に示すように、注出口部2の注出筒部3に螺合により着脱可能なスクリューキャップ11を更に備えていても良い。チューブ容器100がスクリューキャップ11を備える場合、チューブ容器100の開封後に再封することが容易と
なる。
また、チューブ容器100は、スクリューキャップ11に代えて、ヒンジキャップを備えていても良い。ヒンジキャップを設ける場合、図1に示した注出筒部3に螺合によりヒンジキャップを注出口部2に取り付けても良い。あるいは、注出筒部3の外面にネジ山の代わりにリブを設け、リブを介した嵌合によりヒンジキャップを注出口部2に取り付けても良い。
また、チューブ容器100は、スクリューキャップ11に代えて、注出筒部3と打栓により嵌合するキャップを備えてもよい。
また、注出筒部3の端部6bには、チューブ容器100の未開封状態において注出筒部3を閉鎖するフィルムがシールされていても良い。
更に、注出筒部3の内部は、チューブ容器100の未開封状態において容器内部を密閉状態に保つために、隔壁により閉鎖されていても良い。隔壁を設ける場合、注出筒部3の内周に沿って円形状のハーフカットを設けると共に、ハーフカットによって囲まれた部分に接続されるプルリングを設けることが好ましい。このように構成すれば、チューブ容器100の開封時には、使用者がプルリングを引っ張って隔壁のハーフカットの部分を破断させることにより、ハーフカットで囲まれた隔壁の一部を除去して、胴部1から注出筒部3へと内容物を注出するための開口部を形成することができる。
以上、説明したように、本実施形態においては、チューブ容器100の胴部1を構成するシート41に紙層32が設けられる。そのため、チューブ容器100の樹脂使用量を減らすことができ、さらに遮光性も付与することができる。
また、シート41には紙層32に加えて遮光インキ層39も設けられる。そのため、紙層32の厚みを、加工しやすい程度に抑えながらも、さらに遮光性を高めることができる。
また、紙層32によって遮光性が付与されたことで、遮光インキ層39に使用されるインク量を減らすことができる。そのため、リサイクル性に優れたチューブ容器100を提供することができる。
また、紙層32は、未晒クラフト紙である。このため、晒クラフト紙を用いる場合よりも遮光性を高めることができる。
以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。
(実施例1)
構成が、CPP20/晒クラフト紙150/GL-PET12/遮光印刷/ONY15/CPP50であるシートを作製した。具体的には、坪量150g/mの晒クラフト紙紙(王子製紙株式会社製)と、厚み12μmの透明バリアフィルム(凸版印刷株式会社製、商品名:GL-PET)とを、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートにより貼り合わせた。透明バリアフィルム上に白/白/セピアのインキで遮光印刷を施し、遮光インキ層を成形した。遮光インキ層上に、厚み15μmの延伸ナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製、商品名:ONBC)と、厚み50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP、東洋紡株式会社製、商品名:P1128)とをこの順に、2液硬化型ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートにより貼り合わせた。晒クラフト紙上に裏刷りした二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムを貼り合わせ、胴部形成用のシートを作製した。
作製したシートを、幅10mmのテープ材を挿入しながら背張り製袋機で加工し、直径35mm×長さ180mmの封筒貼りのパウチ(胴部)を作製した。用いたテープ材は、厚み50μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP、東洋紡株式会社製、商品名:P1128)の単一フィルムをマイクロスリットして得たものである。
注出口栓を、ポリプロピレン樹脂を用いて射出成型により成型した。
作製した胴部及び注出口部を専用の加工装置を用いて熱溶着することにより、内径35mmのチューブ容器を作製した。
(実施例2)
構成が、CPP20/未晒クラフト紙70/GL-PET12/遮光印刷/ONY15/CPP50あるシートを作製したことを除き、実施例1と同様にチューブ容器を作製した。
(実施例3)
構成が、CPP20/未晒クラフト紙100/GL-PET12/遮光印刷/ONY15/CPP50あるシートを作製したことを除き、実施例1と同様にチューブ容器を作製した。
(参考例1)
構成が、CPP20/晒クラフト紙150/GL-PET12/ONY15/CPP50であるシートを作製したことを除き、実施例1と同様にチューブ容器を作製した。
(参考例2)
構成が、OPP20/未晒クラフト紙70/GL-PET12/ONY15/CPP50であるシートを作製したことを除き、実施例1と同様にチューブ容器を作製した。なお、未晒クラフト紙は、王子製紙株式会社製のものを使用した。
(参考例3)
構成が、GL-PET12/遮光印刷/ONY15/CPP100であるシートを作製したことを除き、実施例1と同様にチューブ容器を作製した。
(参考例4)
構成が、PET12/VMPET12/ONY15/CPP100であるシートを作製したことを除き、実施例1と同様にチューブ容器を作製した。なお、PET(ポリエチレンテレフタレート)としては、製品名:E5100(東洋紡株式会社製)を使用し、VMPET(アルミ蒸着PET)としては、製品名:ML-PET(三井化学東セロ株式会社製)を使用した。
(参考例5)
構成が、OPP20/紙150/PET12/AL9/CPP50であるシートを作製したことを除き、実施例1と同様にチューブ容器を作製した。なお、AL(アルミニウム)としては、製品名:1N30(東洋アルミニウム株式会社製)を使用した。
(比較例1)
構成が、PE/PET/イロポリ/GL/PEであるシートを作製したことを除き、実施例1と同様にチューブ容器を作製した。なお、PE(ポリエチレン)としは、製品名:MZ-430(タマポリ株式会社製)を使用し、PET(ポリエチレンテレフタレート)としは、製品名:E5100(東洋紡株式会社製)を使用し、GL(透明バリアフィルム)としては製品名:GL-AE(凸版印刷株式会社製)を使用した。イロポリとしては、白く着色された樹脂を用いた。
実施例1、参考例1~5及び比較例1のチューブ容器の胴部の透過率を、分光光度計(積分球)を用いて200nm~900nmの範囲で測定した。測定結果を図6のグラフに示す。当該測定結果から、可視光領域(400nm~700nm)における透過率の曲線の積分値(面積)を求めた。比較例1(一般的なラミネートチューブ容器)の積分値に対する比を実施例1及び参考例1~5の透過率の評価値とした。当該透過率の算出結果及び樹脂の使用量を表1に纏めて記載する。
表1に示すように、比較例1に係るチューブ容器は、樹脂のみで構成され、樹脂使用量は7.2gであった。また、胴部を構成するシートの樹脂に厚みがあったため、遮光性もあった。
実施例1~3に係るチューブ容器においては、胴部を構成するシートに紙層が設けられており、かつ、遮光印刷も施されていた。そのため、樹脂使用量を2.4gに抑えることができ、さらに、比較例1のチューブ容器に対して透過率を0.1~0.6倍に抑えることができた。また、実施例2~3においては、紙層の厚みが実施例1よりも薄かったが、紙層として未晒クラフト紙を用いたため、晒クラフト紙を用いた実施例1よりも透過率を抑えることができた。
参考例1おいては、紙層が設けられているため、樹脂使用量は実施例1と同程度まで軽減できたが、遮光インキ層が設けられていなかったため、遮光性は比較例1のチューブ容器よりも悪かった。
参考例2おいては、紙層が設けられているため、樹脂使用量は実施例1と同程度まで軽減できた。また、紙層の紙が未晒のものであったため、参考例1よりも遮光性は優れていたが、実施例1と比較すると劣っていた。
参考例3おいては、紙層が設けられていなかったため、チューブ容器を自立させるために樹脂量を増やす必要があり、樹脂使用量が実施例1よりも増加した。また、遮光インキ層が設けられていたが、紙層が設けられていなかったため、遮光性は実施例1よりも悪かった。
参考例4においては、紙層が設けられていなかったため、チューブ容器を自立させるために樹脂量を増やす必要があり、樹脂使用量が実施例1よりも増加した。一方で、アルミニウムが蒸着されたVMPETを用いたため、遮光性は高かった。しかし、アルミニウムが使用されているためリサイクルしにくく、好ましくない。
参考例5においては、紙層が設けられていたため、樹脂使用量は実施例1と同程度まで軽減できた。一方で、アルミニウムが用いられていたため遮光性は高かった。しかし、アルミニウムが使用されているためリサイクルしにくく、好ましくない。
本発明に係るチューブ容器は、医薬品、化粧品、及び食品等の包装材として利用できる。
1 :胴部
2 :注出口部
32 :紙層
33 :基材フィルム層
34 :バリア層
35 :シーラント層
37 :紙保護層
38 :インキ層
39 :遮光インキ層
41 :シート
100 :チューブ容器

Claims (4)

  1. 最外層側から順に、紙層、基材フィルム層、遮光インキ層及びシーラント層を有する厚さ30μm以上300μm以下のシートで形成され、一方端が閉塞されたチューブ状の胴部と、
    前記胴部の一方端に取り付けられた注出口部と、を備える、チューブ容器。
  2. 400~700nmにおける透過率が1.0未満となる、請求項1に記載のチューブ容器。
  3. 前記紙層は未晒クラフト紙である、請求項1に記載のチューブ容器。
  4. 前記遮光インキ層は複数のインキ層を積層して構成される、請求項1~3のいずれかに記載のチューブ容器。
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