JP2004507406A - 包装積層材およびそれにより製造された包装容器 - Google Patents

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Abstract

本明細書の開示は、包装積層材、およびその包装積層材から製造される液体食品用の包装容器に関する。包装積層材(10)は紙または厚紙層(11)と、その紙または厚紙層(11)の両面に備えられた液密な外側被覆(13,14)を含む。包装積層材(10)に改良された剛性を与え、これにより把持性の改良された包装容器の製造に寄与するために、紙または厚紙層(11)と、2つの液密な外側被覆のうちの一方の外側被覆(14)との間に鉱物を充填したポリオレフィンの付加層(12)を包装積層材(10)が有する。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、液体食品用の包装容器を製造するための紙または厚紙のコアー層を含む包装積層材に関する。本発明はまた、その包装積層材で製造した包装容器にも関する。
【0002】
(背景技術)
包装産業界では、例えばミルクやジュースのような液体食品の搬送に1回使用して使い捨てる形式の包装容器がしばしば使用されており、また非常に大きな群をなすそのようないわゆる1回使用のパッケージは、紙または厚紙のコアー層と、そのコアー層の両面の通常はポリエチレンとされるプラスチック製の液密な外側被覆とで構成された包装積層材から製造されている。例えば、ミルク用の従来の1回使用のパッケージは、紙または厚紙の剛いが折曲げ可能なコアー層と、そのコアー層の両面のポリエチレンとされることが好ましいプラスチック製の液密な外側被覆とを有する包装積層材でしばしば製造されている。そのような1回使用のパッケージは、通常の搬送および取扱い時に包装容器が曝される外部応力に十分に耐える機械的強度と安定性とを有すると同時に、包装した液体食品が液体に影響を受けやすい紙または厚紙の層内部に侵入することを効果的に防止する十分な液密性を有している。
【0003】
しかしながら上述した1回使用のパッケージとして紙または厚紙およびポリエチレン製の液密な外側被覆だけで構成された包装積層材により製造された1回使用のパッケージはガスに対する気密性を全く、または十分に有しておらず、従って、例えば酸素ガスに触れると非常に急激に破壊され、分解されてしまうジュースや調理油の包装には使用することができない。その1回使用のパッケージに、ガス、特に酸素ガスに対する十分な気密性を与えて酸素ガスの影響を受けやすい製品を包装して保存できるようにするために、従来の包装積層材は要求されるガス遮断特性を有する少なくとも1つの追加の材料層によって補完された。
【0004】
このような材料の例は、有機材料または無機材料とすることができるが、通常はコアー層と、1回使用のパッケージの内側に位置する液密なプラスチック製の外側被覆との間のアルミニウム箔(アリフォイル)である。アルミニウム箔は特に完全な気密材であり、さらに加えて、例えば誘導熱シールにより包装積層材の熱シールを簡単であるが素早い効果的なものにする他の有機遮蔽重合体、例えば水酸化エチレン・ビニル・アセテート共重合体(いわゆるEVOH)を超える大きな利点を得られる。上述したように、液体食品用のさまざまなサイズおよび形状の市販されている1回使用のパッケージでの非常に大きい一定した成長指数が長期間に亘って存在している。非常によく知られている例は、テトラ・ブリック(登録商標)のトレードマークの下に販売され、ミルク、ジュース等の種類の液体食品に最もしばしば使用されている平行六面体の1回使用のパッケージである。テトラ・ブリツク(登録商標)のパッケージは、長方形の横断面をしたチューブ状の容器本体を有し、この容器本体は、折曲げられてパッケージの外部の隣接する外壁に対して固定シールされた4つの二重壁の三角形をしたコーナー折曲げ代を有して実質的に平坦な端部蓋と連結されている。液体食品用の市販されている1回使用のパッケージの他の良く知られている例は、テトラ・レック(登録商標)のトレードマークの下に販売されている1回使用のパッケージである。このパッケージは正方形の横断面をしたチューブ状の容器本体と、そのチューブ状の容器本体と一体の実質的に平坦な底部蓋および山形頂部蓋とを有する。液体食品用の良く知られている市販の1回使用のパッケージのさらに他の例はテトラ・トップ(登録商標)のトレードマークの下に販売されているパッケージであり、これは先に留意した1回使用のパッケージの両方に似て、チューブ状の容器本体と、そのチューブ状の容器本体と一体の実質的に平坦な底部蓋とを有している。テトラ・トップ(登録商標)のパッケージは、特にチューブ状容器本体が実質的に円形断面をしていること、また周縁の下方へ向いたフランジを有する射出モールド成形されたプラスチック製リッドでパッケージの頂部蓋が構成され、そのフランジによってチューブ状の容器本体の内部に対して液密形式で固定的にシールされていることが、先に留意した2つのパッケージの基本とは異なる。
【0005】
上述した形式の1回使用のパッケージは、最も一般的には、包装積層材のウェブまたは事前に形成された素材からいわゆる形成/充填/シール技術により完成品の消費者用パッケージを形成、充填およびシールする最新式の充填機械を使用して製造される。
【0006】
包装した液体食品の信頼性の高い搬送および保存を促進するために、紙または厚紙のコアー層と、ポリエチレンであることが好ましいプラスチック製の液密外側被覆とにより構成されたシートまたはウェブ形状の包装積層材により機械的に強く寸法の安定した1回使用のパッケージがこのようにして、必要とされる液体およびガス、特に酸素ガス、の両方に対する物理的な気液密性を有して製造される。
【0007】
紙または厚紙のコアー層およびポリエチレンであることが好ましいプラスチック製の液密な外側被覆により構成された上述の周知の包装積層材は、包装食品の信頼性の高い搬送および保存を促進するが、消費が進み、パッケージがそのチューブ状の容器本体の少なくとも一部のまわりを片手で握って持ち上げられるときに問題が起きることはよくあることである。さらに詳しくは、消費が進むと、パッケージを握って持ち上げるときにそのパッケージが受ける把持力は、パッケージの機械的把持剛性を超え、これにより与えられた把持力の作用でパッケージがその内部へ向けて座屈を生じ、その結果として容積の減少が生じるために内容物が不用意に流出および飛散する傾向を見せるほど、しばしば必然的に大きくなることが立証されている。
【0008】
パッケージの消費が進むことで生じるこの意図しない溢出の問題は、多少厄介で消費者をイライラさせる問題と認識されるが、大量の液体を収容しているパッケージは少量の液体を収容しているパッケージよりも重く、従ってパッケージの内容物を注ぎ出すときに持ち上げられるためにそれ相応に手による大きな把持力が必要とされる理由から、包装された液体量が多いほど顕著となる。この問題は、パッケージの幾何形状およびその寸法にも一部が関与し、容器本体の長さおよびその直径または最小横断面寸法の間の比が非常に大きいチューブ状の容器本体をパッケージが有するならば、特に顕著となる。しかしながらこの問題は、パッケージの底部蓋および頂部蓋の間の全長を延在する垂直方向の剛性補強のための折曲げ縁またはコーナー縁の無いチューブ状の容器本体を有する1回使用のパッケージに関して特に厄介でイライラする問題となる。
【0009】
従来の1回使用のパッケージに関する上述した問題を関係する初期の試みは、使用されている紙または厚紙の厚さを増大させることで包装積層材の剛性を高めることが起点となった。しかしながら厚さを増大した紙または厚紙の層は包装積層材を過度に厚くし、それにより折曲げ形成が、特に、包装積層材を仕上がった1回使用のパッケージとして再形成するときにほとんど常に行われるように、重なり合う材料層が二重に折曲げられる領域においての折曲げ形成が、不必要に困難になる。さらに、紙または厚紙の材料費が非常に高くなり、増大した紙または厚紙の厚さは包装積層材の材料費を比較的急激に増大させることになる。
【0010】
上述の問題を解決する他の初期の試みは、紙または厚紙ウェブの片面にアルミニウム薄膜の付加層を備えることにより包装積層材の剛性を高めることが起点となったが、この解決法は、アルミニウム薄膜の製造費および材料費が非常に高価であるために包装積層材の費用も急激に高めることになる。さらに、アルミニウム薄膜は非常に低いレベルの延性および伸びを有し、その結果として強力な引張り応力および弾性応力に露出されると非常に早期に亀裂を生じ、これは包装積層材をパッケージに再形成するときに、特に包装積層材の重なりあった部分が二重に折曲げられる箇所において、生じる。
【0011】
従って、この分野には時にの1回使用のパッケージに関連する上述した問題を解決する簡単で費用効果の大きい方法が依然として要求されている。
【0012】
(発明の目的)
従って本発明の1つの目的は、液体食品用の従来技術による繊維質を基本とした1回使用のパッケージに関する上述した消費されるに連れての問題を解消し、または少なくともかなり減少させることである。
【0013】
本発明の他の目的は、包装積層材の材料費を過度に増大すること無く優れた把持性および優れた使用性を有する、寸法の安定した、繊維質を基本とした1回使用のパッケージ用の冒頭に記載した形式の包装積層材を提供することである。
【0014】
本発明の1つの特定の目的は、パッケージの頂部蓋と底部蓋との間の全長を延在する垂直方向の剛性強化する折曲げ縁またはコーナー縁の無いチューブ状の容器本体を有する1回使用のパッケージ用の紙または厚紙のコアー層を含む包装積層材を提供することである。
【0015】
(解決法)
これらのおよびその他の目的および利点は本発明により、独立した請求項1に記載された特徴を有する包装積層材、および独立した請求項7に記載された特徴を有す1回使用のパッケージによって、それぞれ達成される。本発明による包装積層材および1回使用のパッケージの有利な実用的な実施例は、それぞれ従属した請求項2〜請求項6、および請求項8および請求項9に記載された特徴をさらに与えられる。
【0016】
(発明の概要)
従って本発明の第1の見地において、剛性を増大する目的で紙または厚紙の層の片面に付与される鉱物を充填したポリオレフィンの層を含み、鉱物の%重量比が鉱物充填層の全重量の40〜70%を占める包装積層材を提供する。
【0017】
紙または厚紙のコアー層と、鉱物を充填したポリオレフィンの層とを含む包装積層材は、上述した従来技術による包装積層材よりも大きな利点を有する。
【0018】
本発明による包装積層材は製造のために複雑な装置も複雑な工程も必要とせず、既存の工程設備を使用して簡単に製造できる。
【0019】
本発明による包装積層材は、鉱物を充填したポリオレフィンの層自体が比較的経済的であり、例えばアルミニウム薄膜を有する包装積層材や、厚さの増大された紙または厚紙の層を示す包装積層材と比較して比較的僅かな費用増大しか伴わないことから、大きな費用上の利点をさらに有する。
【0020】
本発明による包装積層材はまた、従来技術の包装積層材と比較して、或る種の従来技術の包装積層材、特に張力の影響を受けやすいアルミニウム薄膜または厚さを増大した紙または厚紙の層を有する包装積層材の再形成に関して滅多に生じないということではない亀裂発生の危険やその他の気液密不良を生じること無く、把持剛性および把持性を改良された寸法の安定した液密の1回使用のパッケージとして容易に再形成することができるという利点を有する。
【0021】
さらに、鉱物を充填したポリオレフィンの層は湿気およびガス、特に酸素ガスに対する或る程度の気液密性を有しており、従って本発明の包装積層材に増大された湿気およびガスの遮蔽特性の付与に寄与する。
【0022】
本発明の他の見地において、本発明の包装積層材を折曲げ形成およびシールして製造されたチューブ状の容器本体を備えた冒頭に記載した形式の1回使用のパッケージが提供される。
【0023】
本発明による1回使用のパッケージは優れた良好な把持剛性および把持性を有しており、またパッケージが消費されたとき、実際的に容器壁が過度の座屈を生じることが無く、従ってパッケージの内容物の不用意な流出が生じることは無く、チューブ状の容器本体のまわりを片手で握ることで、好ましく把持して持ち上げることができる。
【0024】
パネルおよび実施した比較テストは、本発明の包装積層材を折曲げ形成およびシールして製造された1回使用のパッケージは、その把持性に関して、従来技術による包装積層材、すなわち鉱物を充填したポリオレフィンの層が無い包装積層材により製造された比較のための1回使用のパッケージよりも非常に優れていると認められることを示した。この結果は特に驚きである。何故なら、テストした比較パッケージの少なくとも1つのは、本発明の包装積層材よりも高い湾曲剛性(曲げに対するより高い固有の抵抗性)を有し、従ってその製造された比較パッケージに比較的良好な把持剛性および良好な把持性を与えることを期待された包装積層材から製造されたからである。
【0025】
本発明による包装積層材および1回使用のパッケージの両方における他の利点、特徴および改良は、添付図面を参照することで以下の詳細な説明から明白となるであろう。
【0026】
本発明は当然ながら図面に示した1回使用のパッケージの実施例に独占的に制限される者ではなく、図面は端に本発明を適用できる1回使用のパッケージの多くの例を示すことを意図しているに過ぎない。当業者には、特許請求の範囲の請求項で定められるような本発明の範囲から逸脱することなく、図1の包装積層材と図2〜図4の1回使用のパッケージとの両方に多様な変形および変更が可能であることは明白となるであろう。
【0027】
図1は簡単ではあるが、優れた把持性を有する1回使用のパッケージ用の包装積層材の実用的な実施例を示す。包装積層材10は比較的厚いが折曲げ可能な紙または厚紙のコアー層11と、剛性を増大する目的で付与された鉱物を充填したポリオレフィンの層12とを有しており、鉱物流出の%重量比は鉱物充填ポリオレフィン層の全重量の約40〜約70%の間である。包装積層材10に必要な、または望まれる液密性を与えるために、包装積層材10は紙または厚紙層11の両面にポリオレフィンの液密な外側被覆13,14をさらに有する。
【0028】
鉱物充填ポリオレフィン層12は押出し加工で製造され、この押出し加工時に溶融して鉱物流出を含むポリオレフィンのフィルムが紙または厚紙のウェブの片面に対して押出されると同時に、適当な接着剤または結合剤のフィルム15がその溶融した鉱物充填ポリオレフィン・フィルムと紙または厚紙のウェブとの間に押出し加工される。これに代えて、鉱物充填ポリオレフィン層12はフィルム・ブロー加工によって吹き出されたフィルムとして製造され、その後当業者には周知の簡単な積層作業により、紙または厚紙ウェブに積層され、適当な積層または接着層15で紙または厚紙ウェブに永久的に結合される。しかしながら、鉱物充填ポリオレフィン層12は押出し加工によって吐出フィルムとして製造され、その間、冷えた表面に最初に押出し加工されることが好ましい。その後この吐出フィルムはそれ自体周知の方法で積層作業により紙または厚紙に積層される。
【0029】
鉱物充填ポリオレフィン層12の厚さは、その関係する1回使用のパッケージの寸法および形状によって変化し、一般に約30〜約100tmの範囲の厚さの鉱物充填ポリオレフィン層でさえ、求められた改良された把持性を有する1回使用のパッケージを製造するために十分な剛性の包装積層材10を与える。
【0030】
鉱物充填ポリオレフィン層12に適用可能なポリオレフィンの例は、本発明によればエチレンおよびプロピレンのホモ重合体および共重合体の両方を基にすることができる。そのようにホモ重合体の例は、10以下のASTMの溶融指数(2.16kg;230゜C)を有するプロピレン・ホモ重合体であり、エチレンおよびプロピレンの共重合体の例は、0.5〜5のASTMの溶融指数(2.16kg;230゜C)を有するエチレン/プロピレン共重合体である。
【0031】
鉱物充填ポリオレフィン層12に使用される適当な鉱物粒子は、この分野で周知のいずれの鉱物粒子とすることができるが、ドロマイト、チョーク(白亜)、カルシウム、タルカム、雲母、カオリン、粘度およびウォラストナイト(平スパー)を基本的に含んで成る群から選ばれた鉱物粒子が好ましい。さらに、鉱物充填ポリオレフィン層12に含まれる鉱物粒子の%重量比は広い範囲内で変化するが、一般に鉱物充填ポリオレフィン層12の全重量の約40〜約70%の範囲である。40%の下限より少ない重量比の鉱物粒子は、包装積層材10に要求される剛性を与えるために鉱物充填ポリオレフィン層12が過大な粘性となる一方、70%の上限より多い重量比の鉱物粒子は、亀裂の発生を生じることなく折曲げ形成により形成することができる用にするために鉱物充填ポリオレフィン層12が脆くなりすぎる。従って包装積層材10に最適な剛性および成形性を与えるために、鉱物粒子の%重量比は鉱物充填ポリオレフィン層12の全重量の約40〜約70%の開示範囲内になければならない。
【0032】
2つの液密な外側被覆13,14に適当なポリオレフィンはポリエチレン、好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)であり、これは液体に対する優れた液密性を有することに加えて、包装積層材10を優れた機械的把持剛性および改良された把持性を有する寸法の安定した1回使用のパッケージに再形成する間に簡単ではあるが効果的な熱シールを行うことで、機械的に強力な液密シール結合を形成できるようにする。液密なポリオレフィンの外側被覆13,14の適当な厚さまたは被覆量は、本発明によれば変化するが、一般に一方の外側被覆13に関しては約10〜約20g/m、他方の外側被覆14に関しては約20〜約50g/mの範囲内とされる。
【0033】
図1に図示された包装積層材10により、寸法の安定した液密な1回使用のパッケージが図2〜図4に幾つかのよく知られた例を示した本発明により、製造される。
【0034】
図2はテトラ・ブリック(登録商標)のトレードマークの下に販売されている形式の商業用の1回使用のパッケージの斜視図である。この1回使用のパッケージ20は実質的に長方形の横断面をしたチューブ状の容器本体21を有しており、この容器本体21は対を成す4つの対向側壁(2つの隣接する側壁22a,22bのみ示されている)を含み、それらの側壁は隣接する2つの側壁22a,22bの間に示されたコーナー縁23のような垂直折曲げ縁またはコーナー縁に沿って互いに連結されている。パッケージ20はさらに、容器本体21と一体の実質的に平坦な頂部蓋および底部蓋(頂部蓋24のみ示されている)を有し、図示したコーナー折曲げ代25のような対をなす4つの対向する二重壁の三角形のコーナー折曲げ代を備えており、それらは折曲げられ、隣接するパッケージの外部の平坦な壁面に対して永久シールされる。
【0035】
図2に示された形式(テトラ・ブリック(登録商標))の1回使用のパッケージは包装積層材10のウェブから製造され、ウェブの長手方向の縁がチューブを形成するための長手方向の重ね合わせ結合部で互いに向けて折曲げられて連結される。チューブは関係する内容物、例えばミルクやジュースを充填され、そのチューブの長手方向の箇所でチューブを横方向に押圧して熱シールすることを繰り返すことにより個々のパッケージ・ユニットに分けると同時に、横方向シール箇所で切断することにより互いにパッケージ・ユニットを分離して充填済みの枕形状のパッケージを形成する。その後、引き続く成形およびシール作業において、枕形状のパッケージは最終的な幾何形状、通常は平行六面体、を与えられると同時に、4つの形成された対を成す対向した三角形のコーナー折曲げ代が折曲げられて、パッケージの外部の隣接する平坦な壁面に永久シールされる。
【0036】
図3はテトラ・レックス(登録商標)のトレードマークの下に販売されている形式の商業用の1回使用のパッケージの斜視図である。この周知の1回使用のパッケージ30パージに従って正方形の断面をしたチューブ状の容器本体31を有しており、容器本体31は対を成す4つの対向する側壁(2つの隣接する側壁32a,32bのみ示されている)を含み、それらの側壁は隣接する2つの側壁31a,31bの間に示されたコーナー縁33のような垂直折曲げ縁またはコーナー縁に沿って互いに連結されている。パッケージ30はさらに、容器本体31に一体の実質的に平坦な底部蓋(図示せず)およびチューブ状の容器本体31に一体に連結された山形頂部蓋34を有する。
【0037】
図3に示された形式(テトラ・レックス(登録商標))の1回使用のパッケージは図1の包装積層材10のチューブ状の平坦に折畳まれたパッケージ素材から製造され、パッケージ素材は最初に実質的に正方形の横断面を有する開放されたチューブ状の容器本体となるように立ち上げられる。容器本体の一方の開口端は折曲げ形成およびシール作業によって閉じられ、この間に容器本体の4つの連続した対を成す対向する端部パネルが互いに向けて折曲げられてシールされ、実質的に平坦な底部蓋を形成する。このように閉じられた容器本体はその他方の開口端を通して関係する内容物、例えばミルクやジュースを充填され、その後更なる折曲げ形成およびシール作業によって閉じられ、その間、パッケージが山形頂部の形状をした頂部蓋を与えられるように、容器本体の4つの連続する対をなす対向した端部パネルまたは頂部パネルが互いに向けて折曲げられてシールされる。
【0038】
図4は、テトラ・トップ(登録商標)のトレードマークの下に販売されている形式の商業的な1回使用のパッケージの斜視図である。この周知の1回使用のパッケージ40は実質的に円形断面をしたチューブ状の容器本体41と、このチューブ状の容器本体41と連結された実質的に平坦な底部蓋(図示せず)とを有する。この形式(テトラ・トップ(登録商標))の1回使用のパッケージは、基本的にチューブ状の容器本体41は全体として垂直方向の折曲げ縁またはコーナー縁の無いこと、および射出モールド成形されたプラスチック製リッド44の形態をした別個の頂部蓋を有しており、このリッドは周縁の環状な下方へ向いたフランジを有し、そのフランジで円筒形の容器本体41内部に固定シールされるようになされていることが、先に説明した1回使用のパッケージ20,30と相違する。
【0039】
テトラ・トップ(登録商標)形式の1回使用のパッケージは、テトラ・レックス(登録商標)形式の1回使用のパッケージと同様に、図1の包装積層材10で形成されたチューブ状の平坦に折畳まれたパッケージ素材から製造され、そのチューブ状のパッケージ素材は先ず立ち上げられて実質的に円形の横断面を有する開放されたチューブ状の容器本体を形成される。容器本体の一方の開口端は、射出モールド成形作業によって閉じられるのであって、その間、溶融プラスチック材が噴射されて円形の実質的に平坦なリッドに形成されるのであり、リッドは環状な周縁から下方へ向いたフランジを有し、このフランジによって射出モールド成形されたリッドが容器本体の内側に固定シールされる。このように閉じられた容器本体は関係する内容物、例えばミルク、を容器本体の他方の開口端を通して充填され、その後容器本体は折曲げ形成およびシール加工によって閉じられ、その間に連続した4つの対を成す対向した端部パネルまたは底部パネルは互いに向けて折曲げられてシールされると同時に、その折曲げ作業で形成される2つの二重壁の三角形をしたコーナー折曲げ代は折曲げられ、パッケージの外部の平坦な底部蓋に対して固定シールされる。
【0040】
本発明による1回使用のパッケージ20,30,40は寸法の安定性および液密性の両方を備え、さらに同様な従来の1回使用のパッケージに勝る大きな利点を有しており、それぞれ容器本体21,31,41の少なくとも一部のまわりの単純な手持ちグリップによって持ち上げることおよび内容物を消費することができ、パッケージが消費されても握ったパッケージ壁が内方へ向けて過度に座屈することで不必要な溢れ出しの生じる危険はほとんど無い。本発明によるこの1回使用のパッケージの改良された把持性は、例えばテトラ・トップ(登録商標)の形式の1回使用のパッケージ、すなわち長手方向の剛いコーナーまたは折曲げ縁が無く、本明細書で対処する問題点が特に顕著で厄介となる1回使用のパッケージにおいて特に有利で望まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による包装積層材の横断面を模式的に示す。
【図2】
従来形式の1回使用のパッケージを模式的に示しており、テトラ・ブリック(登録商標)のトレードマークの下に販売されている形式の1回使用のパッケージを示す。
【図3】
従来形式の1回使用のパッケージを模式的に示しており、テトラ・レックス(登録商標)のトレードマークの下に販売されている形式の1回使用のパッケージを示す。
【図4】
従来形式の1回使用のパッケージを模式的に示しており、テトラ・トップ(登録商標)のトレードマークの下に販売されている形式の1回使用のパッケージを示す。

Claims (9)

  1. コアー層(11)の片面に鉱物を充填したポリオレフィンの層(12)を有することを特徴とする紙または厚紙のコアー層(11)を含む包装積層材(10)。
  2. 鉱物を充填した層(12)がポリオレフィンの積層した層によってコアー層(11)に結合されたことを特徴とする請求項1に記載された包装積層材(10)。
  3. 鉱物を充填した層(12)が、その全重量に基づいて計算して40〜70%の量の鉱物粒子を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された包装積層材(10)。
  4. 鉱物を充填した層(12)が、プロピレン基ベース化合物を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載された包装積層材(10)。
  5. コアー層(11)の両面にポリオレフィンの外側被覆(13および14)を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載された包装積層材(10)。
  6. 2つの外側被覆(13および14)がポリエチレンで構成されていることを特徴とする請求項5に記載された包装積層材(10)。
  7. 紙または厚紙のコアー層(11)と、包装容器(20;30;40)の内側に位置する鉱物を充填したポリオレフィンの層(12)とを含んでなる包装積層材(10)からチューブ状の容器本体の少なくとも一部が製造されたことを特徴とするチューブ状の容器本体(21;31;41)を含む包装容器(20;30;40)。
  8. チューブ状の容器本体(21;31;41)が、実質的に平坦でチューブ状容器本体と一体の端部蓋を一端に有することを特徴とする請求項7に記載された包装容器(20;30;40)。
  9. チューブ状の容器本体(41)が、その他端に開口可能な射出モールド成形された端部蓋(44)を有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載された包装容器(40)。
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