JP2024034319A - フィルム、及び、積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー加工適性に優れるフィルム、及び、上記フィルムを用いた積層体の提供。【解決手段】層Aと、上記層Aの少なくとも一方の面に層Bとを有し、誘電正接が、0.01以下であり、上記層A及び上記層Bの2層での355nmの波長における厚み方向の拡散反射率が、40%以上であるフィルム、及び、上記フィルムを用いた積層体。【選択図】なし

Description

本開示は、フィルム、及び、積層体に関する。
近年、通信機器に使用される周波数は非常に高くなる傾向にある。高周波帯域における伝送損失を抑えるため、回路基板に用いられる絶縁材料の比誘電率と誘電正接とを低くすることが要求されている。
従来、回路基板に用いられる絶縁材料として、ポリイミドが多く用いられてきたが、高耐熱性及び低吸水性であり、かつ、高周波帯域での損失が小さい液晶ポリマーが注目されている。また、近年通信機器の高性能化により、多層化や、紫外線(UV)レーザーによりブラインドビア、スルーホールビア加工の径を小さくすることが行われている。よって、回路基板に追随、および接着するための層には、優れた低誘電特性、及び優れたUVレーザー加工性が一層求められている。
従来の回路基板に追随及び接着するための樹脂組成物としては、例えば、特許文献1には、スチレン系ポリマーと、無機粒子と、硬化剤と、を含む樹脂組成物であって、上記スチレン系ポリマーが、カルボキシル基を有する酸変性スチレン系ポリマーであり、上記無機粒子は、シリカ及び/ 又は水酸化アルミニウムであり、上記無機粒子の粒径は、1μm以下であり、上記無機粒子の含有量は、前記スチレン系ポリマー100質量部に対して20~80質量部であり、上記樹脂組成物は、25μmの厚さを有するフィルムの形態において、下記式(A)及び(B)を満たす、樹脂組成物が記載されている。
X≦50…(A)
Y≧40…(B)
(式中、Xは、波長355nmの光の吸収率(単位:%)を表し、Yは、ヘイズ値(単位:%)を表す。)
また、特許文献2には、バインダー樹脂と硬化剤とを含む熱硬化性接着シートであって、上記熱硬化性接着シートを180℃で1時間加熱した硬化物が、(i)~(iv)を満たすことを特徴とする熱硬化性接着シートが記載されている。
(i)硬化物の厚みが25μmであるとき、波長355nmのエネルギー線透過率が0~40%である。
(ii)比誘電率が、周波数10GHz、23℃において1.5~3.0である。
(iii)誘電正接が、周波数10GHz、23℃において0.0001~0.01である。
(iv)0℃~ガラス転移温度における線膨張係数α1が100~500ppm/℃である。
特開2019-199612号公報 特開2022-17947号公報
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、レーザー加工適性に優れるフィルムを提供することである。
また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記フィルムを用いた積層体を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 層Aと、上記層Aの少なくとも一方の面に層Bとを有し、誘電正接が、0.01以下であり、上記層A及び上記層Bの2層での355nmの波長における厚み方向の拡散反射率が、40%以上であるフィルム。
<2> 上記層Bが、粒子を含み、上記粒子の平均径が、355nmより小さい<1>に記載のフィルム。
<3> 上記粒子が、無機粒子を含む<2>に記載のフィルム。
<4> 上記粒子が、シリカ粒子を含む<2>に記載のフィルム。
<5> 上記層Bが、空隙を含み、上記空隙の平均径が、355nmより小さい<1>に記載のフィルム。
<6> 上記層Bの160℃における弾性率に対する上記層Aの160℃における弾性率との比が、1.2以上である<1>~<5>のいずれか1つに記載のフィルム。
<7> 上記層Bの160℃における弾性率が、10MPa以下である<1>~<6>のいずれか1つに記載のフィルム。
<8> 上記層Aの誘電正接が、0.01以下である<1>~<7>のいずれか1つに記載のフィルム。
<9> 上記層Aが、液晶ポリマーを含む<1>~<8>のいずれか1つに記載のフィルム。
<10> 上記層Aが、芳香族ポリエステルアミドを含む<1>~<9>のいずれか1つに記載のフィルム。
<11> 上記層Bの誘電正接が、0.01以下である<1>~<10>のいずれか1つに記載のフィルム。
<12> 上記層Bが、液晶ポリマーを含む<1>~<11>のいずれか1つに記載のフィルム。
<13> 上記層Bが、芳香族ポリエステルアミドを含む<1>~<12>のいずれか1つに記載のフィルム。
<14> 上記層Bが、芳香族炭化水素基を有する単量体に基づく構成単位を含む熱可塑性樹脂を含む<1>~<13>のいずれか1つに記載のフィルム。
<15> <1>~<14>のいずれか1つに記載のフィルムと、上記フィルムの少なくとも一方の面に配置された金属層又は金属配線と、を有する積層体。
<16> 層Aと、層Bと、金属層又は金属配線とをこの順で有し、上記層A及び上記層Bの2層での355nmの波長における厚み方向の拡散反射率が、40%以上である積層体。
本発明の実施形態によれば、レーザー加工適性に優れるフィルムを提供することができる。
また、本発明の他の実施形態によれば、上記フィルムを用いた積層体を提供することができる。
以下において、本開示の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの両方を包含する概念で用いられる語であり、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルの両方を包含する概念として用いられる語である。
また、本明細書中の「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。 また、本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
更に、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel SuperHM-H(東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶剤PFP(ペンタフルオロフェノール)/クロロホルム=1/2(質量比)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
以下、本開示を詳細に説明する。
(フィルム)
本開示に係るフィルムは、層Aと、上記層Aの少なくとも一方の面に層Bとを有し、誘電正接が、0.01以下であり、上記層A及び上記層Bの2層での355nmの波長における厚み方向の拡散反射率が、40%以上である。
また、本開示に係るフィルムは、レーザー加工用フィルムであることが好ましく、波長180nm~550nmのレーザー加工用フィルムであることがより好ましく、波長355nmのレーザー加工用フィルムであることが特に好ましい。
なお、上記拡散反射率における波長355nmは、代表値であり、本開示に係るフィルムの層Bは、波長180nm~550nmにおいてもある程度の拡散反射率を有している場合が多い。
従来の複数の層を有するフィルムでは、レーザー加工適性に問題があることを本発明者らは見出した。なお、本開示における「レーザー加工適性」とは、レーザーによる切削加工、特にスルーホール加工を行った場合におけるレーザーによる過剰な切削を少なくできる特性であり、上記特性に優れると、レーザー加工における切削部分の所望の形状への加工性に優れるといえる。
本開示に係るフィルムは、層Aと、上記層Aの少なくとも一方の面に層Bとを有し、誘電正接が、0.01以下であり、上記層A及び上記層Bの2層での355nmの波長における厚み方向の拡散反射率が、40%以上であることにより、層Bがレーザー(特に波長355nmのレーザー)を拡散することにより、特に層Bのレーザーによる過切削を抑制することができることから、レーザー加工適性に優れるフィルムを提供することができる。
<355nmの波長における厚み方向の拡散反射率>
本開示に係るフィルムにおいて、上記層A及び上記層Bの2層での355nmの波長における厚み方向の拡散反射率が、40%以上であり、レーザー加工適性の観点から、40%~90%であることが好ましく、45%~75%であることがより好ましい。
上記拡散反射率は、後述する粒子を含むこと、及び、その粒径等を調整することにより調整することができる。
本開示における拡散反射率は、層の厚み方向において、特定の波長の光を入射した場合における拡散比率を示す値である。
拡散反射率の測定方法は、以下に示す通りである。
(株)島津製作所製の分光光度計UV3100PCに、積分球反射付属装置を取り付けたものを用いる。基準板としては、硫酸バリウム粉末を押し固めたものを用い、25℃にて測定を行い、波長355nmにおける層A及び層Bの厚み方向の拡散反射率を測定する。
<誘電正接>
本開示に係るフィルムの28GHzにおける誘電正接は、0.01以下であり、誘電率、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、0.008以下であることが好ましく、0.005以下であることがより好ましく、0.004以下であることが更に好ましく、0を超え0.003以下であることが特に好ましい。
本開示における誘電正接は、以下の方法により測定するものとする。
誘電正接の測定は、周波数28GHzで共振摂動法により実施する。ネットワークアナライザ(Agilent Technology社製「E8363B」)に28GHzの空洞共振器((株)関東電子応用開発製 CP531)を接続し、空洞共振器に試験片を挿入し、温度25℃、湿度60%RH環境下、96時間の挿入前後の共振周波数の変化からフィルムの誘電正接を測定する。
各層を測定する場合は、カミソリ等で不要な層を削り出し、目的の層だけの評価用サンプルを作製してもよい。また、層の厚みが薄い等の理由で、単膜の取り出しが困難な場合には、カミソリ等で測定する層を削り取り、得られた粉末状の試料を用いてもよい。本開示におけるポリマーの誘電正接の測定は、各層を構成するポリマーの化学構造を特定するか又は単離し、測定するポリマーを粉末としたサンプルを用いて、上記の誘電正接の測定方法に従って行うものとする。
<層A及び層Bの160℃における弾性率>
本開示に係るフィルムにおける層Aの160℃における弾性率は、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、100MPa~2,500MPaであることが好ましく、200MPa~2,500MPaであることがより好ましく、300MPa~1,500MPaであることが更に好ましく、500MPa~2,500MPaであることが特に好ましい。
本開示に係るフィルムにおける層Bの160℃における弾性率は、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、100MPa以下であることが好ましく、10MPa以下であることがより好ましく、0.001MPa~10MPaであることが更に好ましく、0.5MPa~5MPaであることが特に好ましい。
本開示に係るフィルムにおける層Aの160℃における弾性率MDと層Bの160℃における弾性率MDとの比(MD/MD)は、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、1.2以上であることが好ましく、10~1,000であることがより好ましく、100~700であることが更に好ましく、200~400であることが特に好ましい。
本開示における弾性率は、以下の方法により測定するものとする。
まず、フィルム又は積層体をミクロトーム等で断面切削し、光学顕微鏡で観察した画像から、層A又は層Bを特定する。次に、特定した層A又は層Bにおける弾性率を、ナノインデンテーション法を用いて、押し込み弾性率として測定した。押し込み弾性率は、微小硬度計(製品名「DUH-W201」、(株)島津製作所製)を用い、160℃において、ビッカース圧子により0.28mN/秒の荷重速度で負荷をかけ、最大荷重10mNを10秒間保持した後に、0.28mN/秒の荷重速度で除荷を行うことにより、測定する。
上記層A及び層B以外の層についても、同様に測定する。また、各層を測定する場合は、カミソリ等で不要な層を削り出し、目的の層だけの評価用サンプルを作製してもよい。また、層の厚みが薄い等の理由で、単膜の取り出しが困難な場合には、カミソリ等で測定する層を削り取り、得られた粉末状の試料を用いてもよい。
<層A>
本開示に係るフィルムは、層Aを有する。
更に、フィルムにおける層構成、及び、各層の厚み等の検出又は判定方法としては、以下の方法が挙げられる。
まず、ミクロトームによりフィルムの断面サンプルを切り出し、光学顕微鏡により層構成、及び、各層の厚みを判定する。光学顕微鏡での判定が困難な場合、走査型電子顕微鏡(SEM)による形態観察、又は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)等による成分分析を行って判定してもよい。
層Aの誘電正接は、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、0.01以下が好ましく、0.005以下がより好ましく、0.004以下であることが更に好ましく、0.003以下であることが特に好ましい。下限値は特に設定されないが、例えば、0超が挙げられる。
層Aは、フィルムの誘電正接、及び、レーザー加工適性の観点から、誘電正接が0.01以下であるポリマーを含むことが好ましい。
また、層Aは、フィルムの誘電正接、及び、レーザー加工適性の観点から、芳香環を有するポリマーを含むことが好ましく、芳香環を有し、かつ誘電正接が0.01以下であるポリマーを含むことがより好ましい。
更に、層Aは、フィルムの誘電正接、及び、レーザー加工適性の観点から、ポリマー、及び、ポリマー粒子を含むことが好ましく、誘電正接が0.01以下であるポリマー、及び、誘電正接が0.01以下であるポリマーの粒子を含むことがより好ましい。
〔誘電正接が0.01以下であるポリマー〕
本開示に係るフィルムの層Aに含まれるポリマーの誘電正接は、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、0.01以下が好ましく、0.005以下がより好ましく、0.004以下であることが更に好ましく、0.003以下であることが特に好ましい。下限値は特に設定されないが、例えば、0超が挙げられる。
誘電正接が0.01以下であるポリマーの融点Tm又は5質量%減量温度Tdは、フィルムの誘電正接、金属(例えば、金属層、金属配線等)との密着性、及び、耐熱性の観点から、200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、280℃以上であることが更に好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。なお、上限値について、特に制限はないが、例えば、500℃以下が好ましく、420℃以下がより好ましい。
本開示における融点Tmは、示差走査熱量分析(DSC)装置を用いて測定するものとする。DSCの測定パンにサンプルを5mg入れ、これを窒素気流中で10℃/分で30℃から昇温した際に現れた吸熱ピークのピーク温度をフィルムのTmとした。
また、本開示における5質量%減量温度Tdは、熱質量分析(TGA)装置を用いて測定するものとする。すなわち、測定パンに入れたサンプルの質量を初期値とし、昇温によって上記初期値に対して質量が5質量%低下したときの温度を5質量%減量温度Tdとする。
誘電正接が0.01以下であるポリマーのガラス転移温度Tgは、フィルムの誘電正接、金属との密着性、及び、耐熱性の観点から、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが特に好ましい。なお、上限値について、特に制限はないが、例えば、350℃未満が好ましく、280℃未満、より好ましくは280℃以下である。
本開示におけるガラス転移温度Tgは、示差走査熱量分析(DSC)装置を用いて測定するものとする。
誘電正接が0.01以下であるポリマーの重量平均分子量Mwは、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、5,000以上であることが特に好ましい。また、誘電正接が0.01以下であるポリマーの重量平均分子量Mwは、50,000以下であることが好ましく、20,000以下であることがより好ましく、13,000未満であることが特に好ましい。
本開示において、誘電正接が0.01以下であるポリマーの種類は特に限定されず、公知のポリマーを用いることができる。
誘電正接が0.01以下であるポリマーとしては、液晶ポリマー、フッ素系ポリマー、環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂;グリシジルメタクリレートとポリエチレンとの共重合体等のエラストマー;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
これらの中でも、フィルムの誘電正接、金属との密着性、及び、耐熱性の観点から、液晶ポリマー、フッ素系ポリマー、環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物、ポリフェニレンエーテル及び芳香族ポリエーテルケトンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーであることが好ましく、液晶ポリマー及びフッ素系ポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーであることがより好ましい。
フィルムの密着性、及び、力学強度の観点からは、液晶ポリマーであることが好ましく、耐熱性、及び、誘電正接の観点からは、フッ素系ポリマーが好ましい。
-液晶ポリマー-
本開示に係るフィルムにおける層Aは、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、液晶ポリマーを含むことが好ましい。
本開示において、液晶ポリマーは、その種類は特に限定されず、公知の液晶ポリマーを用いることができる。
また、液晶ポリマーは、溶融状態で液晶性を示すサーモトロピック液晶ポリマーであってもよく、溶液状態で液晶性を示すリオトロピック液晶ポリマーであってもよい。また、液晶ポリマーがサーモトロピック液晶ポリマーである場合には、450℃以下の温度で溶融する液晶ポリマーであることが好ましい。
液晶ポリマーとしては、例えば、液晶ポリエステル、液晶ポリエステルにアミド結合が導入された液晶ポリエステルアミド、液晶ポリエステルにエーテル結合が導入された液晶ポリエステルエーテル、液晶ポリエステルにカーボネート結合が導入された液晶ポリエステルカーボネートなどを挙げることができる。
また、液晶ポリマーは、フィルムの誘電正接、液晶性、及び、熱膨張係数の観点から、芳香環を有するポリマーであることが好ましく、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドであることがより好ましく、芳香族ポリエステルアミドであることが特に好ましい。
更に、液晶ポリマーは、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドに、更にイミド結合、カルボジイミド結合やイソシアヌレート結合などのイソシアネート由来の結合等が導入されたポリマーであってもよい。
また、液晶ポリマーは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリマーであることが好ましい。
液晶ポリマーの例としては、例えば、以下の液晶ポリマーが挙げられる。
1)(i)芳香族ヒドロキシカルボン酸と、(ii)芳香族ジカルボン酸と、(iii)芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重縮合させてなるもの。
2)複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重縮合させてなるもの。
3)(i)芳香族ジカルボン酸と、(ii)芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重縮合させてなるもの。
4)(i)ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと、(ii)芳香族ヒドロキシカルボン酸と、を重縮合させてなるもの。
ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンはそれぞれ独立に、重縮合可能な誘導体に置き換えてもよい。
例えば、カルボキシ基をアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基に変換することにより、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸を、芳香族ヒドロキシカルボン酸エステル及び芳香族ジカルボン酸エステルに置き換えることができる。
カルボキシ基をハロホルミル基に変換することにより、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸を、芳香族ヒドロキシカルボン酸ハロゲン化物及び芳香族ジカルボン酸ハロゲン化物に置き換えることができる。
カルボキシ基をアシルオキシカルボニル基に変換することにより、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸を、芳香族ヒドロキシカルボン酸無水物及び芳香族ジカルボン酸無水物に置き換えることができる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシ基をアシル化してアシルオキシ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
例えば、ヒドロキシ基をアシル化してアシルオキシ基に変換することにより、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール、及び芳香族ヒドロキシアミンをそれぞれ、アシル化物に置き換えることができる。
芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
例えば、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換することにより、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンをそれぞれ、アシル化物に置き換えることができる。
液晶ポリマーは、液晶性、フィルムの誘電正接、及び、金属との密着性の観点から、下記式(1)~式(3)のいずれかで表される構成単位(以下、式(1)で表される構成単位等を、構成単位(1)等ということがある。)を有することが好ましく、下記式(1)で表される構成単位を有することがより好ましく、下記式(1)で表される構成単位と、下記式(2)で表される構成単位と、下記式(3)で表される構成単位とを有することが特に好ましい。
式(1) -O-Ar-CO-
式(2) -CO-Ar-CO-
式(3) -X-Ar-Y-
式(1)~式(3)中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表し、Ar及びArはそれぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表し、X及びYはそれぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表し、Ar~Arにおける水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。
式(4) -Ar-Z-Ar
式(4)中、Ar及びArはそれぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキレン基を表す。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
上記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-オクチル基及びn-デシル基が挙げられる。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは1~10である。
上記アリール基としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、1-ナフチル基及び2-ナフチル基が挙げられる。上記アリール基の炭素数は、好ましくは6~20である。
上記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その置換数は、Ar、Ar又はArにおいて、それぞれ独立に、好ましくは2個以下であり、より好ましくは1個である。
上記アルキレン基としては、メチレン基、1,1-エタンジイル基、1-メチル-1,1-エタンジイル基、1,1-ブタンジイル基及び2-エチル-1,1-ヘキサンジイル基が挙げられる。上記アルキレン基の炭素数は、好ましくは1~10である。
構成単位(1)は、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位である。
構成単位(1)としては、Arがp-フェニレン基である態様(p-ヒドロキシ安香酸に由来する構成単位)、及びArが2,6-ナフチレン基である態様(6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に由来する構成単位)、又は、4,4’-ビフェニリレン基である態様(4’-ヒドロキシ-4-ビフェニルカルボン酸に由来する構成単位)が好ましい。
構成単位(2)は、芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位である。
構成単位(2)としては、Arがp-フェニレン基である態様(テレフタル酸に由来する構成単位)、Arがm-フェニレン基である態様(イソフタル酸に由来する構成単位)、Arが2,6-ナフチレン基である態様(2,6-ナフタレンジカルボン酸に由来する構成単位)、又は、Arがジフェニルエーテル-4,4’-ジイル基である態様(ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸に由来する構成単位)が好ましい。
構成単位(3)は、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する構成単位である。
構成単位(3)としては、Arがp-フェニレン基である態様(ヒドロキノン、p-アミノフェノール又はp-フェニレンジアミンに由来する構成単位)、Arがm-フェニレン基である態様(イソフタル酸に由来する構成単位)、又は、Arが4,4’-ビフェニリレン基である態様(4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4-アミノ-4’-ヒドロキシビフェニル又は4,4’-ジアミノビフェニルに由来する構成単位)が好ましい。
構成単位(1)の含有量は、全構成単位の合計量(液晶ポリマーを構成する各構成単位(「モノマー単位」ともいう。)の質量をその各構成単位の式量で割ることにより、各構成単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、好ましくは30モル%以上、より好ましくは30モル%~80モル%、更に好ましくは30モル%~60モル%、特に好ましくは30モル%~40モル%である。
構成単位(2)の含有量は、全構成単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10モル%~35モル%、更に好ましくは20モル%~35モル%、特に好ましくは30モル%~35モル%である。
構成単位(3)の含有量は、全構成単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10モル%~35モル%、更に好ましくは20モル%~35モル%、特に好ましくは30モル%~35モル%である。
構成単位(1)の含有量が多いほど、耐熱性、強度及び剛性が向上し易いが、あまり多いと、溶媒に対する溶解性が低くなり易い。
構成単位(2)の含有量と構成単位(3)の含有量との割合は、[構成単位(2)の含有量]/[構成単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、好ましくは0.9/1~1/0.9、より好ましくは0.95/1~1/0.95、更に好ましくは0.98/1~1/0.98である。
なお、液晶ポリマーは、構成単位(1)~(3)をそれぞれ独立に、2種以上有してもよい。また、液晶ポリマーは、構成単位(1)~(3)以外の構成単位を有してもよいが、その含有量は、全構成単位の合計量に対して、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。
液晶ポリマーは、溶媒に対する溶解性の観点から、構成単位(3)として、X及びYの少なくとも一方がイミノ基である構成単位(3)を有すること、すなわち、構成単位(3)として、芳香族ヒドロキシルアミンに由来する構成単位及び芳香族ジアミンに由来する構成単位の少なくとも一方を有することが好ましく、X及びYの少なくとも一方がイミノ基である構成単位(3)のみを有することがより好ましい。
液晶ポリマーは、液晶ポリマーを構成する構成単位に対応する原料モノマーを溶融重合させることにより製造することが好ましい。溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよい。触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、1-メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物などが挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく挙げられる。なお、溶融重合は、必要に応じて、更に固相重合させてもよい。
液晶ポリマーの流動開始温度の下限値としては、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上、更に好ましくは250℃以上であり、流動開始温度の上限値としては、350℃が好ましく、330℃がより好ましく、310℃が更に好ましい。液晶ポリマーの流動開始温度が上記範囲であると、溶解性、耐熱性、強度及び剛性に優れ、また、溶液の粘度が適度である。
流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリマーを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに、4,800Pa・s(48,000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリマーの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー-合成・成形・応用-」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
また、液晶ポリマーの重量平均分子量は、1,000,000以下であることが好ましく、3,000~300,000であることがより好ましく、5,000~100,000であることが更に好ましく、5,000~30,000であることが特に好ましい。この液晶ポリマーの重量平均分子量が上記範囲であると、熱処理後のフィルムにおいて、厚さ方向の熱伝導性、耐熱性、強度及び剛性に優れる。
-フッ素系ポリマー-
誘電正接が0.01以下であるポリマーは、耐熱性、及び、力学的強度の観点から、フッ素系ポリマーであることが好ましい。
本開示において、誘電正接が0.01以下であるポリマーとして用いるフッ素系ポリマーは、誘電正接が0.01以下であれば、フッ素系ポリマーの種類は特に限定されず、公知のフッ素系ポリマーを用いることができる。
フッ素系ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン共重合体、エチレン/四フッ化エチレン共重合体、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。
中でも、ポリテトラフルオロエチレンが好ましく挙げられる。
また、フッ素系ポリマーは、フッ素化α-オレフィンモノマー、すなわち、少なくとも1つのフッ素原子を含むα-オレフィンモノマー、及び、必要に応じ、フッ素化α-オレフィンモノマーに対して反応性の非フッ素化エチレン性不飽和モノマーから誘導される構成単位を含むホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。
フッ素化α-オレフィンモノマーとしては、CF=CF、CHF=CF、CH=CF、CHCl=CHF、CClF=CF、CCl=CF、CClF=CClF、CHF=CCl、CH=CClF、CCl=CClF、CFCF=CF、CFCF=CHF、CFCH=CF、CFCH=CH、CHFCH=CHF、CFCF=CF、パーフルオロ(炭素数2~8のアルキル)ビニルエーテル(例えば、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、パーフルオロオクチルビニルエーテル)等が挙げられる。中でも、テトラフルオロエチレン(CF=CF)、クロロトリフルオロエチレン(CClF=CF)、(パーフルオロブチル)エチレン、フッ化ビニリデン(CH=CF)、及び、ヘキサフルオロプロピレン(CF=CFCF)よりなる群から選ばれた少なくとも1種のモノマーが好ましい。
非フッ素化モノエチレン性不飽和モノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、エチレン性不飽和芳香族モノマー(例えば、スチレン及びα-メチルスチレン)等が挙げられる。
フッ素化α-オレフィンモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、非フッ素化エチレン性不飽和モノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系ポリマーとしては、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン-プロピレン)、ポリ(エチレン-テトラフルオロエチレン)(ETFE)、ポリ(エチレン-クロロトリフルオロエチレン)(ECTFE)、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリ(テトラフルオロエチレン-エチレン-プロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン)(FEP)、ポリ(テトラフルオロエチレン-プロピレン)(FEPM)、ポリ(テトラフルオロエチレン-パーフルオロプロピレンビニルエーテル)、ポリ(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル)(PFA)(例えば、ポリ(テトラフルオロエチレン-パーフルオロプロピルビニルエーテル))、ポリビニルフルオリド(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-クロロトリフルオロエチレン)、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロスルホン酸、パーフルオロポリオキセタン等が挙げられる。
フッ素系ポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系ポリマーは、FEP、PFA、ETFE、又は、PTFEの少なくとも1つであることが好ましい。FEPは、デュポン(DuPont)社よりテフロン(登録商標)FEP(TEFLON(登録商標)FEP)の商品名、又は、ダイキン工業(株)よりネオフロンFEP(NEOFLON FEP)の商品名で入手可能であり;PFAは、ダイキン工業(株)よりネオフロンPFA(NEOFLON PFA)の商品名、デュポン(DuPont)社よりテフロン(登録商標)PFA(TEFLON(登録商標)PFA)の商品名、又は、ソルベイ・ソレクシス(Solvay Solexis)社よりハイフロンPFA(HYFLON PFA)の商品名で入手可能である。
フッ素系ポリマーは、PTFEを含むことが好ましい。PTFEは、PTFEホモポリマー、一部が変性されたPTFEホモポリマー、又は、これらの一方若しくは両方を含む組合せを含むことができる。一部が変性されたPTFEホモポリマーは、ポリマーの全質量を基準として、テトラフルオロエチレン以外のコモノマーに由来する構成単位を1質量%未満含むことが好ましい。
フッ素系ポリマーは、架橋性基を有する架橋性フルオロポリマーであってもよい。架橋性フルオロポリマーは、従来公知の架橋方法によって架橋させることができる。代表的な架橋性フルオロポリマーの1つは、(メタ)アクリロキシ基を有するフルオロポリマーである。例えば、架橋性フルオロポリマーは式:
C=CR’COO-(CH-R-(CH-OOCR’=CH
で表すことができ、式中、Rは、フッ素化α-オレフィンモノマー又は非フッ素化モノエチレン性不飽和モノマーに由来する構成単位を2以上有するフッ素系オリゴマー鎖であり、R’はH又は-CHであり、nは1~4である。Rは、テトラフルオロエチレンに由来する構成単位を含むフッ素系オリゴマー鎖であってよい。
フッ素系ポリマー上の(メタ)アクリロキシ基を介してラジカル架橋反応を開始するために、(メタ)アクリロキシ基を有するフルオロポリマーをフリーラジカル源に曝露することによって、架橋フルオロポリマー網目構造を形成することができる。フリーラジカル源は、特に制限はないが、光ラジカル重合開始剤、又は、有機過酸化物が好適に挙げられる。適切な光ラジカル重合開始剤及び有機過酸化物は当技術分野においてよく知られている。架橋性フルオロポリマーは市販されており、例えば、デュポン社製バイトンBが挙げられる。
-環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物-
誘電正接が0.01以下であるポリマーは、環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物であってもよい。
環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物の例としては、例えば、ノルボルネン又は多環ノルボルネン系モノマーのような環状オレフィンからなるモノマーから形成される構成単位を有する熱可塑性の樹脂が挙げられ、熱可塑性環状オレフィン系樹脂とも呼ばれる。
環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物は、上記環状オレフィンの開環重合体や2種以上の環状オレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であってもよく、環状オレフィンと、鎖状オレフィン又はビニル基の如きエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物などとの付加重合体であってもよい。また、環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物には、極性基が導入されていてもよい。
環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
環状脂肪族炭化水素基の環構造としては、単環であっても、2以上の環が縮合した縮合環であっても、橋掛け環であってもよい。
環状脂肪族炭化水素基の環構造としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、イソボロン環、ノルボルナン環、ジシクロペンタン環等が挙げられる。
環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物は、単官能エチレン性不飽和化合物であっても、多官能エチレン性不飽和化合物であってもよい。
環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物における環状脂肪族炭化水素基の数は、1以上であればよく、2以上有していてもよい。
環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物は、少なくとも1種の環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物を重合してなる重合体であればよく、2種以上環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物であってもよいし、環状脂肪族炭化水素基を有しない他のエチレン性不飽和化合物との共重合体であってもよい。
また、環状脂肪族炭化水素基とエチレン性不飽和結合を有する基とを有する化合物の重合物は、シクロオレフィンポリマーであることが好ましい。
-ポリフェニレンエーテル-
層Aは、ポリフェニレンエーテルを含むことが好ましい。
ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量(Mw)は、製膜後に熱硬化する場合には、耐熱性、及び、膜形成性の観点から、500~5,000であることが好ましく、500~3,000であることが好ましい。また、熱硬化しない場合には、特に限定されないが、3,000~100,000であることが好ましく、5,000~50,000であることが好ましい。
ポリフェニレンエーテルとしては、分子末端のフェノール性水酸基の1分子当たりの平均個数(末端水酸基数)が、誘電正接、及び、耐熱性の観点から、1個~5個であることが好ましく、1.5個~3個であることがより好ましい。
ポリフェニレンエーテルの水酸基数又はフェノール性水酸基は、例えば、ポリフェニレンエーテルの製品の規格値からわかる。また、末端水酸基数又は末端フェノール性水酸基数としては、例えば、ポリフェニレンエーテル1モル中に存在する全てのポリフェニレンエーテルの1分子あたりの水酸基又はフェノール性水酸基の平均値を表した数値等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテルは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、2,6-ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリフェニレンエーテル、又は、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルとを主成分とするもの等が挙げられる。より具体的には、例えば、式(PPE)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
式(PPE)中、Xは、炭素数1~3のアルキレン基又は単結合を表し、mは、0~20の整数を表し、nは、0~20の整数を表し、mとnとの合計は、1~30の整数を表す。
上記Xにおける上記アルキレン基としては、例えば、ジメチルメチレン基等が挙げられる。
-芳香族ポリエーテルケトン-
誘電正接が0.01以下であるポリマーは、芳香族ポリエーテルケトンであってもよい。
芳香族ポリエーテルケトンとしては、特に限定されず、公知の芳香族ポリエーテルケトンを用いることができる。
芳香族ポリエーテルケトンは、ポリエーテルエーテルケトンであることが好ましい。
ポリエーテルエーテルケトンは、芳香族ポリエーテルケトンの1種であり、エーテル結合、エーテル結合、カルボニル結合(ケトン)の順に結合が配置されたポリマーである。各結合間は、2価の芳香族基により連結されていることが好ましい。
芳香族ポリエーテルケトンは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリエーテルケトンとしては、例えば、下記式(P1)で表される化学構造を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、下記式(P2)で表される化学構造を有するポリエーテルケトン(PEK)、下記式(P3)で表される化学構造を有するポリエーテルケトンケトン(PEKK)、下記式(P4)で表される化学構造を有するポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、下記式(P5)で表される化学構造を有するポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)が挙げられる。
式(P1)~(P5)の各々のnは、機械的特性の観点から、10以上が好ましく、20以上がより好ましい。一方、芳香族ポリエーテルケトンを容易に製造できる点では、nは、5,000以下が好ましく、1,000以下がより好ましい。すなわち、nは、10~5,000が好ましく、20~1,000がより好ましい。
誘電正接が0.01以下であるポリマーは、特定の有機溶媒に可溶性のポリマー(以下、「可溶性ポリマー」ともいう。)であることが好ましい。
具体的には、本開示における可溶性ポリマーは、25℃において、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、N,N-ジメチルアセトアミド、γ-ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノブチルエーテル及びエチレングリコールモノエチルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒100gに、0.1g以上溶解する液晶ポリマーである。
層Aは、誘電正接が0.01以下であるポリマーを1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
層Aにおける誘電正接が0.01以下であるポリマー、好ましくは液晶ポリマーの含有量は、フィルムの誘電正接、及び、金属との密着性の観点から、層Aの全質量に対し、10質量%~100質量%であることが好ましく、20質量%~100質量%であることがより好ましく、30質量%~100質量%であることが更に好ましく、40質量%~100質量%であることが特に好ましい。
フィルムにおける誘電正接が0.01以下であるポリマー、好ましくは液晶ポリマーの含有量は、フィルムの誘電正接、及び、金属との密着性の観点から、フィルムの全質量に対し、20質量%~100質量%であることが好ましく、30質量%~100質量%であることがより好ましく、40質量%~100質量%であることが更に好ましく、50質量%~100質量%であることが特に好ましい。
なお、上記誘電正接が0.01以下であるポリマーの含有量には、後述する粒子状の誘電正接が0.01以下であるポリマーも含めるものとする。
-粒子-
層Aは、熱膨張係数、及び、金属との密着性の観点から、粒子を含んでいてもよい。
粒子としては、粒子状でも繊維状のものでもよく、無機粒子であっても、有機粒子であってもよいが、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、有機粒子であることが好ましい。
本開示に係るフィルムにおいて、上記粒子の数密度は、熱膨張係数、及び、金属との密着性の観点から、上記フィルムの表面より内部の方が大きいことが好ましい。
ここで、フィルムにおける表面とは、フィルムの外側の面(空気又は基板に接する面)を指し、最も表面から深さ方向に3μmの範囲、または、最も表面からフィルム全体の厚みに対して10%以下の範囲のうち、小さい方を「表面」とする。フィルムの内部とは、フィルムの表面以外の部分、即ち、フィルムの内側の面(空気又は基板に接しない面)を指し、限定的ではないが、フィルムの厚み方向の中心から±1.5μmの範囲、または、フィルムの厚み方向の中心から総厚みの±5%の範囲、のうち、数値の小さい方を「内部」とする。
有機粒子としては、公知の有機粒子を用いることができる。
有機粒子の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、尿素-ホルマリン粒子、ポリエステル、セルロース、アクリル樹脂、フッ素樹脂、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリル樹脂、液晶ポリマー、及び、これらを2種以上含む材質が挙げられる。
また、有機粒子は、ナノファイバーのような繊維状であってもよく、中空樹脂粒子であってもよい。
中でも、有機粒子としては、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、フッ素樹脂粒子、ポリエステル系樹脂粒子、ポリエチレン粒子、液晶ポリマー粒子、又は、セルロース系樹脂のナノファイバーであることが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン粒子、ポリエチレン粒子、又は、液晶ポリマー粒子であることがより好ましく、液晶ポリマー粒子であることが特に好ましい。ここで、液晶ポリマー粒子とは、限定的ではないが、液晶ポリマーを重合させ、粉砕機等で粉砕して、粉末状の液晶としたものをいう。液晶ポリマー粒子は、各層の厚みよりも小さいことが好ましい。
有機粒子の平均径は、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、5nm~20μmであることが好ましく、100nm~10μmであることがより好ましい。
無機粒子としては、公知の無機粒子を用いることができる。
無機粒子の材質としては、例えば、BN、Al、AlN、TiO、SiO、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、及び、これらを2種以上含む材質が挙げられる。
中でも、無機粒子としては、熱膨張係数、及び、金属との密着性の観点から、金属酸化物粒子、又は、繊維が好ましく、シリカ粒子、又は、チタニア粒子、又は、ガラス繊維がより好ましく、シリカ粒子、又は、ガラス繊維が特に好ましい。
無機粒子の平均径は、層Aの厚みの約20%~約40%であることが好ましく、例えば、層Aの厚みの25%、30%又は35%にあるものを選択してもよい。粒子、又は、繊維が扁平状の場合には、短辺方向の長さを示す。
また、無機粒子の平均径は、熱膨張係数、及び、金属との密着性の観点から、5nm~20μmであることが好ましく、10nm~10μmであることがより好ましく、20nm~1μmであることが更に好ましく、25nm~500nmであることが特に好ましい。
ここでいう平均径は、粒子の一次粒径の平均値(平均一次粒径)を意味する。
粒子の平均径は、層Aの断面を走査電子顕微鏡にて50視野を1,000倍観察し、得られた粒子の一次粒径から算出することができる。
層Aは、粒子を1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
層Aにおける粒子の含有量は、金属との密着性の観点から、層Bにおける粒子の含有量よりも少ないことが好ましい。
また、層Aにおける粒子の含有量は、レーザー加工適性、及び、金属との密着性の観点から、層Aの全質量に対して、10質量%~90質量%が好ましく、30質量%~80質量%がより好ましい。
ポリエチレン、オレフィン系エラストマーなどの粒子は、例えば、50体積%~90体積%が好ましく、75体積%~85体積%が更に好ましい。この場合、層Aにおける粒子の含有量は、層Aの全質量に対して、55質量%~90質量%が好ましく、80質量%~85質量%がより好ましい。
-その他の添加剤-
層Aは、上述した成分以外のその他の添加剤を含んでいてもよい。
その他の添加剤としては、公知の添加剤を用いることができる。具体的には、例えば、硬化剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤等が挙げられる。
また、層Aは、その他の添加剤として、上述したポリマー及びポリマー粒子以外のその他の樹脂を含んでいてもよい。
その他の樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂;グリシジルメタクリレートとポリエチレンとの共重合体等のエラストマー;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
層Aにおけるその他の添加剤の総含有量は、誘電正接が0.01以下であるポリマーの含有量100質量部に対して、好ましくは25質量部以下であり、より好ましくは10質量部以下であり、更に好ましくは5質量部以下である。
層Aの平均厚みは、フィルムの誘電正接、及び、金属との密着性の観点から、層Bの平均厚みよりも厚いことが好ましい。
層Aの平均厚みTと層Bの平均厚みTとの比であるT/Tの値は、フィルムの誘電正接、及び、金属との密着性の観点から、0.8~10であることが好ましく、1~5であることがより好ましく、1を超え3以下であることが更に好ましく、1を超え2以下であることが特に好ましい。
また、層Aの平均厚みは、特に制限はないが、フィルムの誘電正接、及び、金属との密着性の観点から、5μm~90μmであることが好ましく、10μm~70μmであることがより好ましく、15μm~60μmであることが特に好ましい。
本開示に係るフィルムにおける各層の平均厚みの測定方法は、以下の通りである。
フィルムをミクロトームで切削し、断面を光学顕微鏡で観察して、各層の厚みを評価する。断面サンプルは3ヶ所以上切り出し、各断面において、3点以上厚みを測定し、それらの平均値を平均厚みとする。
<層B>
本開示に係るフィルムは、上記層Aの少なくとも一方の面に層Bを有する。
上記層Bは、フィルムの誘電正接、及び、金属との密着性の観点から、誘電正接が0.01以下であるポリマーを含むことが好ましい。
層Bの誘電正接は、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、0.01以下が好ましく、0.005以下がより好ましく、0.004以下であることが更に好ましく、0.003以下であることが特に好ましい。いずれの下限値は特に設定されないが、例えば、0超が挙げられる。
層Bに用いられる誘電正接が0.01以下であるポリマーの好ましい態様は、後述する以外、層Aに用いられる誘電正接が0.01以下であるポリマーの好ましい態様と同様である。
層Bに含まれる誘電正接が0.01以下であるポリマーは、層Aに含まれる誘電正接が0.01以下であるポリマーと同じものであっても、異なるものであってもよいが、層Aと層Bとの密着性、及び、レーザー加工適性の観点から、層Aに含まれる誘電正接が0.01以下であるポリマーと同じものを含むことが好ましい。
層Bは、誘電正接が0.01以下であるポリマーを1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
層Bにおける誘電正接が0.01以下であるポリマーの含有割合は、層Aにおける誘電正接が0.01以下であるポリマーの含有割合以上であることが好ましい。
層Bにおける誘電正接が0.01以下であるポリマーの含有量は、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、金属との密着性の観点から、層Bの全質量に対し、20質量%~100質量%であることが好ましく、30質量%~100質量%であることがより好ましく、40質量%~100質量%であることが特に好ましい。
また、層Bは、バインダーポリマーとして、誘電正接が0.01以下であるポリマー以外の他のポリマーを含んでいてもよい。
他のポリマーとしては、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂等が好ましく挙げられる。なお、エラストマーとは、弾性変形を示す高分子化合物を表す。すなわち外力を加えたときに、その外力に応じて変形し、かつ外力を除いたときには、短時間に元の形状を回復する性質を有する高分子化合物が該当する。
熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状オレフィンコポリマーからなる樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、スチレン由来の構成繰り返し単位を含むエラストマー(ポリスチレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリアクリル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ポリイミド系エラストマー等が挙げられる。なお、熱可塑性エラストマーは、水添物であってもよい。
ポリスチレン系エラストマーとしては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン)ジブロック共重合体(SEP)、ポリスチレン-ポリ(エチレン-プロピレン)-ポリスチレントリブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、及びポリスチレン-ポリ(エチレン/エチレン-プロピレン)-ポリスチレントリブロック共重合体(SEEPS)、並びに、これらの水添物が挙げられる。
中でも、層Bは、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、他のポリマーとして、芳香族炭化水素基を有する構成単位を有する熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、ポリスチレン系エラストマーを含むことがより好ましく、水添スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体を含むことが特に好ましい。
また、他のポリマーとしては、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、水添ポリスチレン系エラストマーが好ましい。
誘電正接が0.01以下であるポリマー以外の他のポリマーの含有量は、特に限定されないが、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、金属との密着性の観点から、層Bの全質量に対し、10質量%~100質量%であることが好ましく、10質量%~70質量%であることがより好ましく、10質量%~60質量%であることが特に好ましい。
層Bが、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、金属との接着性、及び、段差追随性の観点から、粒子を含むことが好ましく、無機粒子を含むことがより好ましく、シリカ粒子を含むことが特に好ましい。
層Bに用いられる粒子の好ましい態様は、後述する以外、層Aに用いられる粒子の好ましい態様と同様である。
また、層Bに用いられる粒子としては、上述した熱可塑性樹脂の粒子も好ましく挙げられる。
更にまた、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、層Bは、液晶ポリマー粒子を含むことが好ましく、芳香族ポリアミドエステル粒子を含むことがより好ましい。
上記粒子の平均径は、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、550nmより小さいことが好ましく、355nmより小さいことがより好ましく、10nm以上355nm未満であることが特に好ましい。
上記粒子の平均径が、入射するレーザーの波長よりも小さいとより拡散性に優れ、レーザー加工適性がより向上する。また、粒径が小さいと、段差追随性にもより優れる。
また、層Bは、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、粒子として、架橋樹脂粒子を含むことが好ましい。
架橋樹脂粒子における架橋樹脂としては、特に制限はなく、公知の架橋樹脂を用いることができる。例えば、重合時に架橋剤を用いた架橋樹脂であってもよいし、樹脂に対し架橋剤を反応させた架橋樹脂であってもよい。
中でも、架橋樹脂粒子としては、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、上記熱可塑性エラストマー粒子が好ましく、ポリスチレン系エラストマー粒子がより好ましく、水添ポリスチレン系エラストマーが特に好ましい。
層Bは、粒子を1種のみ含んでいても、2種以上含んでいてもよい。
また、層Bにおける粒子の含有量は、レーザー加工適性、及び、金属との密着性の観点から、層Bの全質量に対して、10質量%~90質量%が好ましく、20質量%~80質量%がより好ましい。
層Bは、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、金属との接着性、及び、段差追随性の観点から、空隙を含むことが好ましく、中空粒子を含むことがより好ましい。
また、上記空隙の平均径は、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、550nmより小さいことが好ましく、355nmより小さいことがより好ましく、10nm以上355nm未満であることが特に好ましい。
上記空隙の平均径が、入射するレーザーの波長よりも小さいとより拡散性に優れ、レーザー加工適性がより向上する。また、粒径が小さいと、段差追随性にもより優れる。
空隙の平均径は、層Bの厚さ方向における断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、30,000倍で撮影することにより、各空隙を最大径を測定し、最大径が大きいほうから10個の測定の平均値をとることにより測定できる。
層Bは、レベリング剤を含んでいてもよい。例えば、炭化水素系、シリコーン系又はフッ素系の化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、メガファックF-444等のDIC(株)製メガファックシリーズ、サーフロンS-221等のAGCセイミケミカル(株)製サーフロンシリーズ、及び、フタージェント100等の(株)ネオス製フタージェントシリーズが挙げられる。更に、界面活性剤は、ポリマーでもよく、フッ素化アルキル基含有した単量体を必須成分としたアクリル重合体、鎖骨格がSi-O結合からなるシロキサン系の重合体が挙げられる。
層Bは、上記以外のその他の添加剤を含んでいてもよい。
層Bに用いられるその他の添加剤の好ましい態様は、後述する以外、層Aに用いられるその他の添加剤の好ましい態様と同様である。
また、層Bの平均厚みは、特に制限はないが、フィルムの誘電正接、レーザー加工適性、及び、段差追随性の観点から、1μm~90μmであることが好ましく、5μm~60μmであることがより好ましく、10μm~40μmであることが特に好ましい。
本開示に係るフィルムは、層Bを有することにより、金属との密着性に優れるフィルムが得られる。例えば、層Aが粒子を有する場合、粒子添加で脆化した層Aを、層Bを有することにより、フィルムの表面が改善し、密着性向上等の効果が得られると推定している。
また、層Bは、表面層(最外層)であることが好ましい。フィルムを、例えば、金属層/層A/層Bの層構成である積層体(金属層付積層板)として用いる場合、層B側に、更に、別の金属層又は金属層付積層板を配置することがある。この場合、積層体における層Bと別の金属層間での界面破壊が抑制され、金属との密着性が向上することになる。
また、層Bに含まれるポリマーは、層Aに含まれるポリマーよりも破断強度(靭性)が高いポリマーを含むことが好ましい。
破断強度の測定は、以下の方法により行うものとする。
測定するポリマーからなるサンプルを作製し、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機“STM T50BP”を用い、25℃、60%RH雰囲気中、引張速度10%/分で伸びに対する応力を測定し、破断強度を求める。
本開示に係るフィルムの平均厚みは、強度、及び、金属層との積層体にした際の電気特性(特性インピーダンス)の観点から、6μm~200μmであることが好ましく、12μm~100μmであることがより好ましく、20μm~80μmであることが特に好ましい。
フィルムの平均厚みは、任意の5箇所について、接着式の膜厚計、例えば、電子マイクロメータ(製品名「KG3001A]、アンリツ社製)を用いて測定し、それらの平均値とする。
本開示に係るフィルムの誘電正接は、誘電率の観点から、0.008以下であることが好ましく、0.005以下であることがより好ましく、0.004以下であることが更に好ましく、0を超え0.003以下であることが特に好ましい。
<フィルムの製造方法>
〔製膜〕
本開示に係るフィルムの製造方法は、特に制限はなく、公知の方法を参照することができる。
本開示に係るフィルムの製造方法としては、例えば、共流延法、重層塗布法、共押出法等が好適に挙げられる。中でも、比較的薄手の製膜には共流延法が特に好ましく、厚手の製膜には共押出法が特に好ましい。
共流延法及び重層塗布法により製造する場合、誘電正接が0.01以下であるポリマー又は液晶ポリマー、及び、官能基を有する化合物等の各層の成分をそれぞれ溶媒に溶解又は分散した層A形成用組成物、層B形成用組成物等として、共流延法又は重層塗布法を行うことが好ましい。
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、1-クロロブタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;p-クロロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノール等のハロゲン化フェノール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル;アセトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート;トリエチルアミン等のアミン;ピリジン等の含窒素複素環芳香族化合物;アセトニトリル、スクシノニトリル等のニトリル;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド、テトラメチル尿素等の尿素化合物;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物;ヘキサメチルリン酸アミド、トリn-ブチルリン酸等のリン化合物等が挙げられ、それらを2種以上用いてもよい。
溶媒としては、腐食性が低く、取り扱い易いことから、非プロトン性化合物(特に好ましくはハロゲン原子を有しない非プロトン性化合物)を含むことが好ましい。溶媒全体に占める非プロトン性化合物の割合は、好ましくは50質量%~100質量%、より好ましくは70質量%~100質量%、特に好ましくは90質量%~100質量%である。また、上記非プロトン性化合物としては、液晶ポリマーを溶解し易いことから、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N-メチルピロリドン等のアミド又はγ-ブチロラクトン等のエステルを含むことが好ましく、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、又は、N-メチルピロリドンがより好ましい。
また、溶媒としては、液晶ポリマー等の上記ポリマーを溶解し易いことから、双極子モーメントが3~5である化合物を含むことが好ましい。溶媒全体に占める双極子モーメントが3~5である化合物の割合は、好ましくは50質量%~100質量%、より好ましくは70質量%~100質量%、特に好ましくは90質量%~100質量%である。
上記非プロトン性化合物として、双極子モーメントが3~5である化合物を用いることが好ましい。
また、溶媒としては、除去し易いことから、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を含むことが好ましい。溶媒全体に占める1気圧における沸点が220℃以下である化合物の割合は、好ましくは50質量%~100質量%、より好ましくは70質量%~100質量%、特に好ましくは90質量%~100質量%である。
上記非プロトン性化合物として、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を用いることが好ましい。
また、本開示に係るフィルムの製造方法は、上記共流延法、重層塗布法及び共押出法等により製造する場合、支持体を使用してもよい。また、後述する積層体に用いる金属層(金属箔)等を支持体として使用する場合、剥離せずそのまま使用してもよい。
支持体としては、例えば、金属ドラム、金属バンド、ガラス板、樹脂フィルム又は金属箔が挙げられる。中でも、金属ドラム、金属バンド、樹脂フィルムが好ましい。
樹脂フィルムとしては、例えばポリイミド(PI)フィルムを挙げることができ、市販品の例としては、宇部興産(株)製U-ピレックスS及びU-ピレックスR、東レデュポン(株)製カプトン、並びに、SKCコーロンPI社製IF30、IF70及びLV300等が挙げられる。
また、支持体は、容易に剥離できるように、表面に表面処理層が形成されていてもよい。表面処理層は、ハードクロムメッキ、フッ素樹脂等を用いることができる。
支持体の平均厚みは、特に制限はないが、好ましくは25μm以上75μm以下であり、より好ましくは50μm以上75μm以下である。
また、流延、又は、塗布された膜状の組成物(流延膜又は塗膜)から溶媒の少なくとも一部を除去する方法としては、特に制限はなく、公知の乾燥方法を用いることができる。
〔延伸〕
本開示に係るフィルムは、分子配向を制御し、線膨張係数や力学物性を調整する観点で、適宜、延伸を組み合わせることができる。延伸の方法は、特に制限はなく、公知の方法を参照することができ、溶媒を含んだ状態で実施してもよく、乾膜の状態で実施してもよい。溶媒を含んだ状態での延伸は、フィルムを把持して伸長してもよく、伸長せずに乾燥による自己収縮を利用して実施してもよい。延伸は、無機粒子等の添加によってフィルム脆性が低下した場合に、破断伸度や破断強度を改善する目的で特に有効である。
また、本開示に係るフィルムの製造方法は、必要に応じて、光又は熱により重合する工程を含んでいてもよい。
光の照射手段、及び、熱の付与手段としては、特に制限はなく、メタルハライドランプ等の公知の光の照射手段、及び、ヒーター等の公知の熱の付与手段を用いることができる。
光照射条件、及び、熱付与条件としては、特に制限はなく、所望の温度及び時間、並びに、公知の雰囲気で行うことができる。
〔熱処理〕
本開示に係るフィルムの製造方法は、フィルムを熱処理(アニール)する工程を含むことが好ましい。
上記熱処理する工程における熱処理温度として具体的には、誘電正接と剥離強度の観点から、260℃~370℃であることが好ましく、280℃~360℃であることがより好ましく、300℃~350℃であることが更に好ましい。熱処理時間は、15分~10時間であることが好ましく、30分~5時間であることが更に好ましい。
また、本開示に係るフィルムの製造方法は、必要に応じ、他の公知の工程を含んでいてもよい。
<用途>
本開示に係るフィルムは、種々の用途に用いることができる、中でも、プリント配線板などの電子部品用フィルムに好適に用いることができ、フレキシブルプリント回路基板により好適に用いることができる。
また、本開示に係るフィルムは、金属接着用フィルムとして好適に用いることができる。
(積層体)
本開示に係る積層体は、本開示に係るフィルムが積層したものであればよいが、本開示に係るフィルムと、上記フィルムの少なくとも一方の面に配置された金属層又は金属配線と、を有する積層体であることが好ましい。
また、本開示に係る積層体は、層Aと、層Bと、金属層又は金属配線とをこの順で有し、上記層A及び上記層Bの2層での355nmの波長における厚み方向の拡散反射率が、50%以上であることが好ましい。
また、本開示に係る積層体は、本開示に係るフィルムと、上記フィルムにおける上記層B側の面に配置された金属層とを有することが好ましく、上記金属層が、銅層であることがより好ましい。
上記層B側の面に配置された金属層は、上記層Bの表面に配置された金属層であることが好ましい。
本開示に係るフィルムと金属層とを貼り付ける方法としては、特に制限はなく、公知のラミネート方法を用いることができる。
上記金属層が、上記銅層である場合、上記フィルムと上記銅層との剥離強度は、0.5kN/m以上であることが好ましく、0.7kN/m以上であることがより好ましく、0.7kN/m~2.0kN/mであることが更に好ましく、0.9kN/m~1.5kN/mであることが特に好ましい。
本開示において、フィルムと金属層(例えば、銅層)との剥離強度は、以下の方法により測定するものとする。
フィルムと金属層との積層体から1.0cm幅の剥離用試験片を作製し、フィルムを両面接着テープで平板に固定し、JIS C 5016(1994)に準じて180°法により、50mm/分の速度で金属層からフィルムを剥離したときの強度(kN/m)を測定する。
上記フィルムに接する側の上記金属層の表面粗さRzは、高周波信号の伝送損失低減の観点から、1μm未満が好ましく、0.5μm以下がより好ましく、0.3μm以下が特に好ましい。
なお、上記金属層の表面粗さRzは、少ないほど好ましいため、下限値は特に設定されないが、例えば、0以上が挙げられる。
本開示において「表面粗さRz」とは、基準長さにおける粗さ曲線で観察される山の高さの最大値と谷の深さの最大値との合計値をマイクロメートルで表した値を意味する。
本開示において、金属層(例えば、銅層)の表面粗さRzは、以下の方法により測定するものとする。
非接触表面・層断面形状計測システムVertScan(菱化システム社製)を用い、縦465.48μm、横620.64μm四方を測定して、測定対象物(金属層)の表面における粗さ曲線及び上記粗さ曲線の平均線を作成する。粗さ曲線から基準長さに相当する部分を抜き取る。抜き出した粗さ曲線で観察される山の高さ(すなわち、平均線から山頂までの高さ)の最大値と谷の深さ(すなわち、平均線から谷底までの高さ)の最大値との合計値を求めることで、測定対象物の表面粗さRzを測定する。
金属層は、銅層であることが好ましい。銅層としては、圧延法により形成された圧延銅箔、電解法により形成された電解銅箔、スパッタリング法を用いて形成された銅箔、又は、蒸着法を用いて形成された銅箔であることが好ましい。
金属層、好ましくは銅層の平均厚みは、特に限定されないが、0.1nm~30μmであることが好ましく、0.1μm~20μmであることがより好ましく、1μm~18μmであることが更に好ましい。銅箔は、支持体(キャリア)上に剥離可能に形成されているキャリア付き銅箔であってもよい。キャリアとしては、公知のものを用いることができる。キャリアの平均厚みは、特に限定されないが、5μm~100μmであることが好ましく、10μm~50μmであることがより好ましい。
また、上記金属層は、本開示における効果をより発揮する観点から、上記フィルムに接する側の面に、樹脂との接着力を確保するための公知の表面処理層(例えば、化学処理層)を有することが好ましい。また、上記相互作用可能な基は、例えば、アミノ基とエポキシ基、ヒドロキシ基とエポキシ基のように、上記フィルムが含有する官能基を有する化合物の官能基に対応する基であることが好ましい。
相互作用可能な基としては、上記官能基を有する化合物において官能基をして挙げた基が挙げられる。
中でも、密着性、及び、処理容易性の観点から、共有結合可能な基であることが好ましく、アミノ基、又は、ヒドロキシ基であることがより好ましく、アミノ基であることが特に好ましい。
本開示に係る積層体における金属層は、回路パターンを有する金属層であってもよい。 本開示に係る積層体における金属層を、例えば、エッチングにより所望の回路パターンに加工し、フレキシブルプリント回路基板することも好ましい。エッチング方法としては、特に制限はなく、公知のエッチング方法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて本開示を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。したがって、本開示の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
また、本実施例において、「%」、「部」とは、特に断りのない限り、それぞれ「質量%」、「質量部」を意味する。
<<測定法>>
〔160℃における弾性率〕
まず、フィルムをミクロトーム等で断面切削し、光学顕微鏡で層A又は層Bを特定した。次に、特定した層A又は層Bにおける弾性率を、ナノインデンテーション法を用いて、押し込み弾性率として測定した。押し込み弾性率は、微小硬度計(製品名「DUH-W201」、(株)島津製作所製)を用い、160℃において、ビッカース圧子により0.28mN/秒の荷重速度で負荷をかけ、最大荷重10mNを10秒間保持した後に、0.28mN/秒の荷重速度で除荷を行うことにより、測定した。
〔質量残存率〕
層A、又は、層Bをフィルムから切削し、5mgを白金パンに加え、示差熱天秤(TG-DTA)((株)リガク製TG-8120)にて昇温速度:10℃/分、測定温度:25℃~900℃にて測定した。質量残存率(L又はL)は、以下の値とした。
質量残存率(%、L又はL)=440℃における質量残存率(%)-900℃における質量残存率(%)
<<製造例>>
<ポリマー又はポリマー粒子>
P1:下記製造方法に従って作製した芳香族ポリエステルアミド(液晶ポリマー)
-芳香族ポリエステルアミドP1の合成-
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計、及び還流冷却器を備えた反応器に、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸940.9g(5.0モル)、イソフタル酸415.3g(2.5モル)、アセトアミノフェン377.9g(2.5モル)、及び無水酢酸867.8g(8.4モル)を入れ、反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下、撹拌しながら、室温(23℃、以下同じ)から140℃まで60分かけて昇温し、140℃で3時間還流させた。
次いで、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から300℃まで5時間かけて昇温し、300℃で30分保持した。その後、反応器から内容物を取り出し、室温まで冷却した。得られた固形物を、粉砕機で粉砕して、粉末状の芳香族ポリエステルアミドA1aを得た。芳香族ポリエステルアミドA1aの流動開始温度は、193℃であった。また、芳香族ポリエステルアミドA1aは、全芳香族ポリエステルアミドであった。
芳香族ポリエステルアミドA1aを、窒素雰囲気下、室温から160℃まで2時間20分かけて昇温し、次いで160℃から180℃まで3時間20分かけて昇温し、180℃で5時間保持することにより固相重合させた後、冷却した。次いで、粉砕機で粉砕して、粉末状の芳香族ポリエステルアミドA1bを得た。芳香族ポリエステルアミドA1bの流動開始温度は、220℃であった。
芳香族ポリエステルアミドA1bを、窒素雰囲気下、室温から180℃まで1時間25分かけて昇温し、次いで180℃から255℃まで6時間40分かけて昇温し、255℃で5時間保持することにより固相重合させた後、冷却して、粉末状の芳香族ポリエステルアミドP1を得た。
芳香族ポリエステルアミドP1の流動開始温度は、302℃であった。また、芳香族ポリエステルアミドP1の融点を、示差走査熱量分析装置を用いて測定した結果、311℃であった。芳香族ポリエステルアミドP1は、140℃のN-メチルピロリドンに対する溶解度は、1質量%以上であった。
PP-1:下記製造方法に従って作製した液晶ポリマー粒子
-液晶ポリマー粒子PP-1の作製-
撹拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2-ヒドロキシ-6-ナフトエ酸1034.99g(5.5モル)、2,6-ナフタレンジカルボン酸89.18g(0.41モル)、テレフタル酸236.06g(1.42モル)、4,4-ジヒドロキシビフェニル341.39g(1.83モル)及び触媒として酢酸カリウムと酢酸マグネシウムを入れた。反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、無水酢酸(水酸基に対して1.08モル当量)を更に添加した。窒素ガス気流下、撹拌しながら、室温から150℃まで15分かけて昇温し、150℃で2時間還流させた。
次いで、副生した酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、150℃から310℃まで5時間かけて昇温し、重合物を取り出して室温まで冷却した。得られた重合物を室温から295℃まで14時間かけて昇温し、295℃で1時間固相重合した。固相重合後、5時間かけて室温冷却し、液晶ポリマー粒子PP-1を得た。液晶ポリマー粒子PP-1は、メジアン径(D50)7μm、誘電正接0.0007、融点334℃であった。
P2:水添スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体、旭化成ケミカルズ(株)製タフテックM1913
PP-2:水添スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体粒子、旭化成ケミカルズ(株)製タフテックM1913の凍結粉砕品(平均粒径5.0μm(D50))
PP-3:スチレンーブタジエンのブロック共重合体粒子、旭化成ケミカルズ(株)製タフプレン912の凍結粉砕品(平均粒径5.0μm(D50)
ポリイミド:PIAD-100H、荒川化学工業(株)製、熱可塑性ポリイミドワニス
<添加剤>
C1:硬化剤、jER YX8800、三菱化学(株)製、縮合多縮型エポキシ樹脂
A1:シリカ粒子、SC2050-MB、(株)アドマテックス製、粒径0.5μm
A2:シリカ粒子、粒径350nm
A3:シリカ粒子、QSG-170、信越化学工業(株)製、粒径170nm
A4:シリカ粒子、QSG-30、信越化学工業(株)製、粒径30nm
A5:中空シリカ粒子、シリナックス、日鉄鉱業(株)製、粒径105nm
A6:水酸化アルミニウム粒子、AO-502、(株)アドマテックス製、粒径0.25μm
<銅箔>
M1:CF-T9DA-SV-18、福田金属箔粉工業(株)製、平均厚み18μm
M2:MT18FL、三井金属鉱業(株)製、平均厚み1.5μm
(実施例1~13、並びに、比較例1及び2)
-下塗り層コーティング液の調製-
芳香族ポリエステルアミドP1 8部を、N-メチルピロリドン92部に加え、窒素雰囲気下、140℃4時間撹拌し、芳香族ポリエステルアミド溶液P1(固形分濃度8質量%)を得た。
芳香族ポリエステルアミド溶液P1(10.0質量部)に対して、アミノフェノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「jER630」、0.04部)を混合し、下塗り層コーティング液を調製した。
-層A用コーティング液の調製-
表1に記載のポリマー及びポリマー粒子を表1に記載の質量部比で混合し、N-メチルピロリドンを加え固形分濃度が25質量%となるように調整し、層A用コーティング液を得た。
-層B用コーティング液の調製-
表1に記載のポリマー、ポリマー粒子、硬化剤、及び、添加剤(粒子又は空隙)を表1に記載の質量部比で混合し、N-メチルピロリドンを加え固形分濃度が20質量%となるように調整し、層B用コーティング液を得た。
-片面銅張積層板の作製-
得られた下塗り層コーティング液、層A用コーティング液、及び、層B用コーティング液を、スライドコーターを装備したスロットダイコーターに送液し、表2に記載の銅箔の処理面上に表1に記載する膜厚になるように流量を調整して3層構成(下塗り層/層A/層B)で塗布した。40℃にて4時間乾燥することにより、塗膜から溶媒を除去した。更に窒素雰囲気下で室温から300℃まで1℃/分で昇温し、その温度で2時間保持する熱処理を行い、銅層を有するポリマーフィルム(片面銅張積層板)を得た。
<<評価>>
作製したフィルムについて、下記の方法で評価を行い、結果を表2に記載した。
〔拡散反射率〕
(株)島津製作所製の分光光度計UV3100PCに、積分球反射付属装置を取り付けたものを用いた。基準板としては、硫酸バリウム粉末を押し固めたものを用い、25℃にて測定を行い、波長355nmにおける層Bの厚み方向の拡散反射率を測定した。
〔誘電正接〕
誘電正接の測定は、周波数28GHzで共振摂動法により実施した。ネットワークアナライザ(Agilent Technology社製「E8363B」)に28GHzの空洞共振器((株)関東電子応用開発製 CP531)を接続し、空洞共振器に試験片を挿入し、温度25℃、湿度60%RH環境下、96時間の挿入前後の共振周波数の変化からフィルムの誘電正接を測定した。
〔段差追随性(配線追随性)〕
(1)サンプルの作製
-配線パターン付き基材Aの作製-
銅箔(製品名「CF-T9DA-SV-18」、平均厚み18μm、福田金属箔粉工業(株)製)と、基材として液晶ポリマーフィルム(製品名「CTQ-50」、平均厚み50μm、クラレ社製)を準備した。銅箔の処理面が基材と接するように、銅箔と基材と銅箔とをこの順に重ねた。ラミネータ(製品名「真空ラミネータV-130」、ニッコー・マテリアルズ社製)を使用して、140℃及びラミネート圧0.4MPaの条件で1分間のラミネート処理を行い、両面銅箔積層板の前駆体を得た。続いて、熱圧着機(製品名「MP-SNL」、(株)東洋精機製作所製)を用いて、得られた両面銅張積層板の前駆体を、300℃及び4.5MPaの条件で10分間熱圧着することにより、両面銅張積層板を作製した。
上記両面銅張積層板の両面の銅箔に対して表面粗化し、ドライフィルムレジストを貼合した。配線パターンが残るように露光、現像をし、エッチングし、更にドライフィルムを除去することで、基材の両側にグランド線及び3対の信号線を含むライン/スペースが100μm/100μmとなる配線パターン付き基材を作製した。信号線の長さは50mm、幅は特性インピーダンスが50Ωになるように設定した。
-配線パターン付き基材Bの作製-
銅箔(製品名「MT18FL」、平均厚み1.5μm、キャリア銅箔(厚み18μm)付き、三井金属鉱業(株)製)と、基材として液晶ポリマーフィルム(製品名「CTQ-50」、平均厚み50μm、(株)クラレ製)を準備した。銅箔の処理面が基材と接するように、銅箔と基材と銅箔とをこの順に重ねた。ラミネータ(製品名「真空ラミネータV-130」、ニッコー・マテリアルズ(株)製)を使用して、140℃及びラミネート圧0.4MPaの条件で1分間のラミネート処理を行い、片面銅箔積層板の前駆体を得た。続いて、熱圧着機(製品名「MP-SNL」、(株)東洋精機製作所製)を用いて、得られた片面銅張積層板の前駆体を、300℃及び4.5MPaの条件で10分間熱圧着することにより、片面銅張積層板を作製した。片面銅張積層板の基材と反対面にあるキャリア銅箔とを剥離し、露出した1.5μmの銅箔を表面粗化し、ドライフィルムレジストを貼合した。配線パターン露光、現像し、レジストパターンが配置されていない領域にめっき処理をした。さらに、ドライフィルムレジストを剥離し、剥離工程によって露出した銅をフラッシュエッチングにより除去することで、ライン/スペースが20μm/20μmとなる配線パターン付き基材を作製した。
-配線基板の作製-
作製した片面銅張積層板の層B側に上記で作製した配線パターン付き基材を重ね合わせ、160℃及び4MPaの条件で、1時間の熱プレスを行うことにより、配線基板を得た。
得られた配線基板は、配線パターン(グランド線及び信号線)が埋設されており、配線パターン付き基材Aを用いた場合は配線パターンの厚みは18μm、配線パターン付き基材Bを用いた場合は配線パターンの厚みは12μmであった。
(2)測定方法
配線基板をミクロトームで厚み方向に沿って切削し、断面を光学顕微鏡で観察した。樹脂層と配線パターン間において面内方向に生じる隙間の長さLを測定した。10箇所における平均値を算出した。評価基準は以下のとおりである。
A:Lは1μm未満である。
B:Lは1μm以上2μm未満である。
C:Lは2μm以上である。
〔レーザー加工適性〕
(1)サンプルの作製
作製した片面銅張積層板のうち、銅箔M2を積層したものは、電解銅めっきにより、銅箔厚みを18μmにした。更に、全てのサンプルの層B面側に、銅箔(製品名「CF-T9DA-SV-18」、平均厚み18μm、福田金属箔粉工業(株)製)の処理面が接するように重ねた。ラミネータ(製品名「真空ラミネータV-130」、ニッコー・マテリアルズ社製)を使用して、160℃及びラミネート圧4MPaの条件で60分間のラミネート処理を行い、両面銅箔積層板を得た。
(2)測定方法
ESI社製のUV-YAGレーザー Model5330を用いて、両面銅張積層板の片面銅張積層板側から、スルーホールビア加工を行った。ビア部の断面を光学顕微鏡にて観察し、層A及び層Bのケズレの長さ(すなわち、切断部位の水平方向の切断面に形成される凹みの水平方向の最大長)を測定した。
表1及び表2に記載の結果から、本開示に係るフィルムである実施例1~13のフィルムは、比較例1及び2のフィルムよりも、レーザー加工適性に優れる。
また、表1及び表2に記載の結果から、本開示に係るフィルムである実施例1~13のフィルムは、低誘電正接であり、段差追随性にも優れる。

Claims (16)

  1. 層Aと、前記層Aの少なくとも一方の面に層Bとを有し、
    誘電正接が、0.01以下であり、
    前記層A及び前記層Bの2層での355nmの波長における厚み方向の拡散反射率が、40%以上である
    フィルム。
  2. 前記層Bが、粒子を含み、
    前記粒子の平均径が、355nmより小さい請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記粒子が、無機粒子を含む請求項2に記載のフィルム。
  4. 前記粒子が、シリカ粒子を含む請求項2に記載のフィルム。
  5. 前記層Bが、空隙を含み、
    前記空隙の平均径が、355nmより小さい請求項1に記載のフィルム。
  6. 前記層Bの160℃における弾性率に対する前記層Aの160℃における弾性率との比が、1.2以上である請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  7. 前記層Bの160℃における弾性率が、10MPa以下である請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  8. 前記層Aの誘電正接が、0.01以下である請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  9. 前記層Aが、液晶ポリマーを含む請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  10. 前記層Aが、芳香族ポリエステルアミドを含む請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  11. 前記層Bの誘電正接が、0.01以下である請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  12. 前記層Bが、液晶ポリマーを含む請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  13. 前記層Bが、芳香族ポリエステルアミドを含む請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  14. 前記層Bが、芳香族炭化水素基を有する構成単位を含む熱可塑性樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載のフィルム。
  15. 請求項1又は請求項2に記載のフィルムと、前記フィルムの少なくとも一方の面に配置された金属層又は金属配線と、を有する積層体。
  16. 層Aと、層Bと、金属層又は金属配線とをこの順で有し、
    前記層A及び前記層Bの2層での355nmの波長における厚み方向の拡散反射率が、40%以上である
    積層体。
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