JP2024033727A - 作業車両 - Google Patents

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真吾 高木
Shingo Takagi
英明 黒瀬
Hideaki Kurose
浩二 二宮
Koji Ninomiya
智志 北川
Tomoshi Kitagawa
達哉 後田
Tatsuya Nochida
大翔 鈴木
Hiroto Suzuki
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】電動モータの駆動によりエンジンの出力をアシストする際に、ミッションケースの摩耗、故障を良好に防止できる作業車両を提供する。
【解決手段】
作業車両は、エンジン4からミッションケース18を介して作業機7,8まで動力を伝達する動力伝達経路を備え、動力伝達経路には、ミッションケース18よりも下流側においてエンジン4の出力動力と電動モータ6の出力動力を合成する合成部と、第1作動動力以上の動力が加わるとミッションケース18の上流側においてミッションケース18への動力の伝達を遮断する第1クラッチ41と、第2作動動力以上の動力が加わるとミッションケース18の下流側においてミッションケース18への動力の伝達を遮断する第2クラッチ42が配設されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンをアシストする電動モータを備えた農作業用の作業車両に関するものである。
従来、エンジンから出力される動力を受けて農作業を行う作業機を備え、負荷の大きい作業を行う際に、電動モータを駆動させてエンジンの出力をアシストする作業車両が知られている。
例えば特許文献1には、エンジンから出力された動力が、入力部(入力軸)を介してミッションケース内に入力され、変速された後に、ミッションケースから延びる出力部(PTO軸)を介して、作業機に伝達されるよう構成された作業車両が開示されている。この作業車両においては、エンジンの出力軸にギアを介して電動モータが連結されており、電動モータの駆動により、エンジン出力軸の回転をアシストすることで、動力を上昇させ、スムーズに農作業を進めることができる。
特開2015-101301号公報
しかしながら、特許文献1に記載の作業車両によれば、作業機の作業負荷が高いときなどに、エンジンの動力と電動モータの動力とが合成(=統合)された大きな動力が、入力部を介してミッションケース内に入力されることとなる。その結果、ミッションケースの入力部周辺に過度に高い負荷が加わり、これにより、ミッションケースの摩耗を促進し、故障を誘発する恐れが存在した。
このような問題に鑑みて、本発明は、電動モータの駆動によりエンジンの出力をアシストする際に、ミッションケースの摩耗、故障を良好に防止することができる農作業機を提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、
機体の動力源としてのエンジンと、
前記エンジンから出力される動力を変速するミッションケースと、
前記ミッションケースで変速された動力を受けて駆動し、農作業を行う作業機と、
前記エンジンの出力をアシストする電動モータとを備えた農業用の作業車両であって、
前記エンジンから前記ミッションケースを介して前記作業機まで動力を伝達する動力伝達経路を備え、
前記動力伝達経路には、前記ミッションケースよりも下流側において、前記エンジンの出力動力と前記電動モータの出力動力とを合成する合成部と、
所定の第1作動動力以上の動力が加わると前記ミッションケースの上流側において前記ミッションケースへの動力の伝達を遮断する第1クラッチと、
所定の第2作動動力以上の動力が加わると前記ミッションケースの下流側において前記ミッションケースへの動力の伝達を遮断する第2クラッチとが配設されたことを特徴とする作業車両によって達成される。
本発明によれば、エンジンから出力される動力と、エンジンの出力をアシストする電動モータから出力される動力とが合成(=統合)される合成部が、動力伝達経路において、ミッションケースよりも下流側の位置に配設されているから、電動モータの駆動時(アシスト時)に、電動モータの出力動力が上流側からミッションケースに入力されない。したがって、特許文献1に記載の作業車両のように、エンジンの動力と電動モータの動力とが合成された合成動力がミッションケースの入力側から集中的に入力される場合に比して、ミッションケースにかかる負荷を大きく軽減できる。
さらに、本発明によれば、エンジンから作業機までの動力伝達経路において、ミッションケースよりも上流側と下流側の位置に各々、所定の作動動力以上の動力が加わるとミッションケースへの動力の伝達を遮断するクラッチが配置されているから、ミッションケースの入力側と出力側のいずれから過大な動力が伝達された場合でも、ミッションケースの摩耗、故障を良好に防止できる。
本発明の好ましい実施形態においては、
前記作業機として、根菜類を圃場から引き抜く引抜装置を備え、
前記引抜装置は、圃場に栽培されている根菜類の茎葉部を挟持して搬送する左右一対の無端状の挟持搬送ベルトを有し、各前記挟持搬送ベルトは、前記エンジンの出力動力が入力される第1エンジン駆動プーリと、前記電動モータの出力動力が入力される第1モータ駆動プーリとに巻き掛けられており、
前記電動モータは、その非駆動時に、前記挟持搬送ベルトの回転に伴う前記第1モータ駆動プーリの回転を受けて発電し、バッテリーに蓄電するモータジェネレータとして構成されるとともに、前記エンジンの回転数が所定値以下であるとき、前記バッテリーから供給される電力を受けて前記第1モータ駆動プーリを回転駆動するよう構成され、
前記合成部は、前記第1モータ駆動プーリが前記電動モータにより回転駆動されることによって、前記エンジンの出力動力と前記電動モータの出力動力とを合成するよう構成された前記挟持搬送ベルトであり、また、
前記第1クラッチの前記第1作動動力と前記第2クラッチの前記第2作動動力が、各々、前記エンジンの標準時の出力動力と前記電動モータの標準時の出力動力との合算値を上回り、且つ、左右一対の前記挟持搬送ベルトがスリップし始めるのに要する所定の動力値未満の範囲となるように構成されている。
本発明のこの好ましい実施形態によれば、従来の引抜装置にも搭載されている挟持搬送ベルトにおいて、エンジンと電動モータの出力動力を合成できるから、動力の合成部として遊星歯車機構等の高価な機構を用いることなく、安価且つ簡潔な構成でエンジン出力の電動アシストを実現できるとともに、電動モータ周りのメンテナンスが容易となる。
さらに、エンジン出力をアシストする電動モータがモータジェネレータにより構成されており、エンジン回転数が所定の回転数を上回るときに発電した電力を用いてエンジン出力をアシストでき、作業者が電動モータを充電する手間を省くことができる。
加えて、ミッションケースへの動力伝達を遮断する第1、第2クラッチの作動動力が、エンジンの標準時の出力動力と電動モータの標準時の出力動力の合算値を上回り、且つ、挟持搬送ベルトがスリップし始める動力値未満の範囲に設定されているから、根菜類の茎葉部が引抜装置に詰まったときなどに、エンジン及び電動モータから掛かる負荷からミッションケース及び挟持搬送ベルトを効果的に保護しつつ、第1、第2クラッチの作動が頻発してしまう事態を防止できる。
本発明のさらに好ましい実施形態においては、
前記作業機として、圃場に栽培されている根菜類の茎葉部を引き起こす引起し装置を備え、
前記引起し装置は、根菜類の茎葉部を引き起こす無端状の引起しベルトを有し、前記引起しベルトは、前記エンジンの出力動力が入力される第2エンジン駆動プーリと、前記電動モータの出力動力が入力される第2モータ駆動プーリとに巻き掛けられており、
前記電動モータは、その非駆動時に、前記エンジンの出力動力による前記引起しベルトの回転に伴う前記第2モータ駆動プーリの回転を受けて発電し、バッテリーに蓄電するモータジェネレータとして構成され、さらに、前記エンジンの回転数が所定の回転数以下であるとき、前記バッテリーから供給される電力を受けて前記第2モータ駆動プーリを回転駆動するよう構成されており、
前記合成部は、前記第2モータ駆動プーリが前記電動モータにより回転駆動されることによって、前記エンジンの出力動力と前記電動モータの出力動力とを合成するよう構成された前記引起しベルトである。
本発明のこの好ましい実施形態によれば、従来の引起し装置にも搭載されている引起しベルトにおいて、エンジンと電動モータの出力動力を合成できるから、動力の合成部として遊星歯車機構等の高価な機構を用いることなく、安価且つ簡潔な構成でエンジン出力の電動アシストを実現できるとともに、電動モータ周りのメンテナンスが容易となる。
さらに、エンジン出力をアシストする電動モータがモータジェネレータにより構成されており、エンジン回転数が所定の回転数を上回るときに発電した電力を用いてエンジン出力をアシストでき、作業者が電動モータを充電する手間を省くことができる。
本発明のさらに好ましい実施形態においては、
前記作業機として、前記引抜装置の前方に配置され、圃場に栽培されている根菜類の茎葉部を引き起こす引起し装置をさらに備えるとともに、
前記引起し装置の上部に配置され、圃場に栽培されている根菜類の茎葉部を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置により取得された画像から、茎葉部の繁茂量の評価値を算出する評価値算出部と、
前記電動モータの駆動を制御するモータ制御部とを備え、
前記モータ制御部は、前記評価値算出部により算出された評価値の情報を取得するよう構成され、前記評価値が所定の閾値以上であることを条件として、前記電動モータを駆動させるよう構成されている。
本発明のこの好ましい実施形態によれば、圃場に栽培されている根菜類の茎葉部の画像を取得し、当該画像に基づき算出された茎葉部の繁茂量の評価値が閾値以上である場合に、電動モータが自動的に駆動されるよう構成されているから、茎葉部が比較的大きく育った根菜類を圃場から引き抜くのに先立って、予め電動モータによりエンジン出力をアシストでき、したがって、根菜類をスムーズに引き抜くことができる。
本発明によれば、電動モータの駆動によりエンジンの出力をアシストする際に、ミッションケースの摩耗、故障を良好に防止できる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる作業車両の要部左側面図である。 図2は、図1に示された作業車両の略平面図である。 図3は、図1に示された作業車両の制御ブロック図である。 図4は、制御装置によるアシスト制御を示すフローチャートである。 図5は、電動モータによるアシストの前後のエンジン回転数を示すグラフである。 図6は、本発明の第2実施形態にかかる作業車両の要部平面図である。 図7は、図6に示された作業車両の動力機構の模式的平面図である。 図8は、図6に示された作業車両の略背面図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施形態につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる作業車両1の要部左側面図であり、図2は、図1に示された作業車両1の略平面図である。以下においては、作業車両1(以下、単に「車両」ともいう。)の進行方向となる側を「前」、その反対側を「後」とし、進行方向である前方を向いた状態での左側を「左」、その反対側を「右」として説明を進める。また、本明細書において、「・」は乗算を表す記号である。
本実施形態にかかる作業車両1は、前後方向に延びる左右一対のメインフレーム2と、車両1の動力源としてのエンジン4と、メインフレーム2の後端部に取り付けられた走行トランスミッション3を含む動力伝動装置52と、エンジン4から受けた動力を変速するミッションケース18と、メインフレーム2の前部に取り付けられた引抜装置7と、大根の茎葉部w1を上方へ引き起こす引起し装置8と、根菜類Wが引抜装置7により引き抜かれる間に根菜類Wの肩部分(根w2の上部)の上下位置を揃える肩揃え装置9と、左右一対の後輪5と、車両1の右側かつ前部に設けられた遊転輪としての単一の前輪36と、エンジン4の出力をアシストする電動モータ6(6a、6b)と、車両1全体を制御する制御装置20(図3参照)を備えている。
本実施形態において、農業用の作業車両1は、大根等の根菜類Wを圃場から引き抜く歩行型(乗用型でない)の根菜類引抜機として構成されている。引抜装置7、引起し装置8、及び肩揃え装置9は、農作業を行う「作業機」の例であり、これらはミッションケース18で変速されたエンジン動力を受けて駆動し、農作業を行う。
走行トランスミッション3の上方には、ハンドル61が設けられている。ハンドル61が作業者により把持されたままで、車両1が前方へ走行すると、引起し装置8により根菜類Wの茎葉部w1が上方に起こされた状態で、引抜装置7により茎葉部w1が上方へ引張されることで、根菜類Wが圃場から引き抜かれる。根菜類Wは上方へ引き抜かれる間に、肩揃え装置9の近傍に設けられた葉切り回転刃10により、茎葉部w1の下部の位置で水平方向に切断される。その結果、根w2及び茎葉部w1の下部が圃場へと戻される。これに対し、葉切り回転刃10により切断された箇所より上の部分は、引抜装置7の後ろ上端部まで搬送された後に、機体の右方へ排出される。
エンジン4は、走行トランスミッション3の後方に設けられている。エンジン4から出力される動力は、入力軸3aを通じて走行トランスミッション3に入力された後、走行トランスミッション3内で走行系の動力と作業系の動力に分配される。入力軸3aには、所定の作動動力以上の動力が加わったときに走行トランスミッション3への動力の伝達を遮断する安全クラッチ38が設けられている。
走行系の動力は、走行トランスミッション3から左右方向(機体の幅方向)外側に延びる出力軸12及びチェーンケース13に内蔵されたチェーンを介して左右一対の後輪5に伝達される。
一方、走行トランスミッション3から出力される作業系の動力は、ミッションケース18の入力軸14を介してミッションケース18へ入力され、ミッションケース18内で変速される。その後、ミッションケース18の出力軸15、ユニバーサルジョイント16及び伝達軸19を介して引抜装置7に伝達される他、出力軸15からギアボックス23に分配されて、引起し装置8に伝達される。また、伝達軸19に伝達された回転動力は肩揃え装置9及び葉切り回転刃10にも分配される。
電動モータ6(6a,6b)は、図3に示されるエンジン回転数センサ4aにより検出されるエンジン4の回転数が所定の基準回転数以下である場合と、圃場の根菜類Wの茎葉部w1の繁茂量が閾値以上である場合に駆動されて、エンジン4の出力をアシストする。電動モータ6はモータジェネレータにより構成されており、非駆動時、すなわち、上記2つの場合以外のときにはエンジン4の出力動力を受けて発電を行う。電動モータ6により発電された電力はバッテリー17に蓄電され、電動モータ6の駆動時には、バッテリー17から電動モータ6に電力が供給される。このため、作業者が電動モータ6を充電する手間を省くことができる。
引起し装置8は、周縁部にパドル8a1を有する無端状(=閉ループ状)の引起しベルト8aと、エンジン4の出力動力が入力されて回転する第2エンジン駆動プーリ8bと、電動モータ6bの出力動力が入力される第2モータ駆動プーリ8cを備えている(図1参照)。
引起しベルト8aは、第2エンジン駆動プーリ8bと第2モータ駆動プーリ8cに巻き掛けられている。
第2エンジン駆動プーリ8bは、エンジン4の作動時に、ギアボックス23を通じてエンジン4の出力動力を受けて回転する。
第2モータ駆動プーリ8cは、電動モータ6bの駆動時に、その出力動力を受けて回転するプーリである。エンジン4の作動時で、且つ、電動モータ6bの非駆動時には、第2モータ駆動プーリ8cは、第2エンジン駆動プーリ8bの回転に伴う引起しベルト8aの回転を受けて回転する従動プーリとなる。このとき、第2モータ駆動プーリ8cの回転は電動モータ6bに伝達され、電動モータ6bによる発電が行われる。
引起しベルト8aは、第2エンジン駆動プーリ8bのみ、又は第2エンジン駆動プーリ8bに加えて、第2モータ駆動プーリ8cが回転駆動されたときに、図1に矢印αで示される方向に回転される。その結果、根菜類Wの茎葉部w1が上方へ引き起こされる(=立てられる)。
ここで、エンジン4の出力動力は第2エンジン駆動プーリ8bを介して引起しベルト8aに伝達され、電動モータ6bの出力動力は第2モータ駆動プーリ8cを介して引起しベルト8aに入力される。このため、引起しベルト8aにおいてエンジン4の出力動力と電動モータ6bの出力動力が合成(=統合)される。このように、従来の根菜類引抜機にも用いられている引起しベルトを用いて動力を合成することで、遊星歯車機構等の高価な機構を用いることなく、安価且つ簡潔な構成でエンジン出力の電動アシストを実現できるとともに、電動モータ6b周りのメンテナンスが容易となる。加えて、エンジン4から作業機の1つである引起し装置8までの動力伝達経路において、エンジン4の出力動力と電動モータ6bの出力動力とが合成される合成部が、ミッションケース18よりも下流側に設定(=配設)されているから、電動モータ6bの駆動時に、電動モータ6bの出力動力が上流側からミッションケース18に入力されない。したがって、ミッションケース18にかかる負荷を大きく軽減できる。
引抜装置7は、茎葉部w1を挟持して搬送する左右一対の無端状(=閉ループ状)の挟持搬送ベルト7aと、エンジン4の出力動力が入力される第1エンジン駆動プーリ7bと、電動モータ6aの出力動力が入力される第1モータ駆動プーリ7cと、挟持搬送ベルト7aにテンションを加える多数のテンションプーリを備えている(図2参照)。
左側の挟持搬送ベルト7aは、左側の第1エンジン駆動プーリ7b、左側の第1モータ駆動プーリ7c及び左側のテンションプーリに巻き掛けられている。右側の挟持搬送ベルト7aは、右側の第1エンジン駆動プーリ7b、右側の第1モータ駆動プーリ7c及び右側のテンションプーリに巻き掛けられている。
左右の各第1エンジン駆動プーリ7bは、エンジン4の作動時に、伝達軸19を通じてエンジン4の出力動力を受けて回転する。
左右の各第1モータ駆動プーリ7cは、電動モータ6aの駆動時に電動モータ6aの出力動力を受けて回転するプーリである。エンジン4の作動時で、且つ、電動モータ6aの非駆動時には、左右の各第1モータ駆動プーリ7cは、第1エンジン駆動プーリ7bの回転に伴う挟持搬送ベルト7aの回転に伴って回転する従動プーリとなる。このとき、第1モータ駆動プーリ7cの回転は電動モータ6aに伝達され、電動モータ6aによる発電が行われる。
左右の挟持搬送ベルト7aは、各々、第1エンジン駆動プーリ7bのみ、又は第1エンジン駆動プーリ7bに加えて第1モータ駆動プーリ7cが回転駆動されたときに、図2に矢印βで示される方向に回転する。引起し装置8により引き起こされた根菜類Wの茎葉部w1は、後ろ上方へ向けて斜めに延びる左右一対の挟持搬送ベルト7aの間の隙間37に挟まれた状態で、一対の挟持搬送ベルト7aの回転により、後ろ上方へ引張される。その結果、根菜類Wが圃場から引き抜かれる。
ここで、エンジン4の出力動力は左右の第1エンジン駆動プーリ7bを介して左右の挟持搬送ベルト7aに伝達され、左右の電動モータ6aの出力動力は左右の第1モータ駆動プーリ7cを介して左右の挟持搬送ベルト7aに入力される。このため、挟持搬送ベルト7aにおいてエンジン4の出力動力と電動モータ6aの出力動力が合成(=統合)される。このように、従来の根菜類引抜機にも用いられている挟持搬送ベルトを用いて動力を合成することで、遊星歯車機構等の高価な機構を用いることなく、安価且つ簡潔な構成でエンジン出力の電動アシストを実現できるとともに、電動モータ6a周りのメンテナンスが容易となる。加えて、エンジン4から作業機の1つである引抜装置7へ至る動力伝達経路において、エンジン4の出力動力と電動モータ6aの出力動力とが合成される合成部が、ミッションケース18よりも下流側の位置に設定(=配置)されているから、電動モータ6bの駆動時に、電動モータ6bの出力動力がエンジン4の出力動力とともに上流側からミッションケース18に入力されない。したがって、ミッションケース18にかかる負荷を大きく軽減できる。
一方、ミッションケース18への入力軸14には、所定の作動動力以上の動力が加わるとエンジン4側(=エンジンから作業機までの動力伝達経路における上流側)からミッションケース18への動力の伝達を遮断する第1クラッチ41が配設されている。また、ミッションケース18からの出力軸15には、所定の作動動力以上の動力が加わると電動モータ6側(上記動力伝達経路における下流側)からミッションケース18への動力の伝達を遮断する第2クラッチ42が配設されている。すなわち、エンジン4からミッションケース18を介して作業機までの動力伝達経路には、第1クラッチ41、第2クラッチ42が配設されている。第1クラッチ41の作動時には入力軸14の上流側が回転しているときに、下流側の回転数が0となり、第2クラッチ42の作動時には、出力軸15の下流側が回転しているときに、上流側の回転数が0となる。このように、ミッションケース18の上流側に位置するエンジン4からの動力伝達経路と、下流側に位置する電動モータ6からの動力伝達経路がいずれも遮断(=切断)されることで、ミッションケース18への過剰な動力の入力を防止でき、ミッションケース18を効果的に保護できる。
第1クラッチ41及び第2クラッチ42は、所定の作動動力(8.4[kW])以上の動力が加わると摩擦が大きくなり、空回りする機械式の摩擦クラッチにより構成されており、過大な負荷が解消されると、動力伝達が可能な状態に自動的に復帰する。しかしながら、クラッチの種類はこれに限定されるものではない。したがって、例えば、電子制御により動力伝達を遮断可能なタイプのクラッチであってもよく、一度作動すると再起不能なタイプでも良い。
本実施形態においては、エンジン4の出力動力と、電動モータ6(6a、6b)の出力動力と、挟持搬送ベルト7aがスリップしてしまう動力と、ミッションケース18が故障してしまう動力は、値が小さい方から順に、以下の値となっている。
左右の電動モータ6a(各々):0.5[kW]
電動モータ6b:1[kW]
電動モータ6:2[kW]
(電動モータ6a:0.5[kW]・2+電動モータ6b:1[kW]=2[kW])
エンジン4の標準時の出力動力:5[kW]
エンジン4の標準時の出力動力と電動モータ6の標準時の出力動力の合算値:7kW
(エンジン4:5[kW]+電動モータ6a:0.5[kW]・2+電動モータ6b:1[kW]=7[kW])
挟持搬送ベルト7aがスリップし始める動力:10kW
ミッションケース18が故障する動力:約12kW
エンジン4のロック時の出力動力と電動モータ6のロック時の出力動力の合算値:12.8kW以上
なお、エンジン4の標準時の出力動力とは、100%出力となるとき(=いわゆる最大トルクとなるとき)の動力を指し、電動モータ6の標準時の出力動力とは、各電動モータ6a,6bのモータ定格での100%の出力動力の合算値である。また、エンジン4のロック時の出力動力とは、エンジン4がロックされたときの出力動力であり、一般に、標準時の200%ほどとなる。同様に、電動モータ6のロック時の出力動力とは、各電動モータ6a、6bがロックされたときの出力動力の合算値であり、一般に、標準時の160~180%程度となる。
これに対し、第1、第2クラッチ41,42の各々の作動に要する動力(以下、「作動動力」という。)は、以下の式(1)に基づき、8.4[kW]に設定されている。なお、第1クラッチ41の作動動力は本発明の「第1作動動力」に相当し、第2クラッチ42の作動動力は本発明の「第2作動動力」に相当する。
各クラッチの作動動力=7[kW]・1.2=8.4[kW]...(1)
ここでの「7kW」とは、上記の「エンジン4の出力動力と電動モータ6の出力動力の合算値(標準時)」の値であり、これに安全率である1.2の値を掛けることで、第1、第2クラッチ41,42の作動が頻発してしまう事態を防止できる。上記の各動力の値の一覧と、式(1)とから見てとれるように、第1、第2クラッチ41,42それぞれの作動動力は、エンジン4の標準時の出力動力:5[kW]と、電動モータ6の標準時の出力動力:2[kW]との合算値を上回り、且つ、挟持搬送ベルト7aがスリップし始める動力値:約10[kW]未満の範囲に設定されている。これにより、特に、根菜類Wの茎葉部w1が引抜装置7に詰まってしまった際に、エンジン4及び電動モータ6から掛かる負荷から挟持搬送ベルト7a及びミッションケース18を効果的に保護しつつ、第1、第2クラッチ41,42の作動が頻発してしまう事態を防止できる。なお、第1、第2クラッチ41,42の作動動力や、電動モータ6、エンジン4の出力動力、挟持搬送ベルト7aがスリップし始めるのに要する動力等の値は、上記の値に限定されるものではない。
第1、第2クラッチ41,42の作動の有無(断接状態)は、図3に示されるクラッチ状態検知センサ43により検知される。そして、第1、第2クラッチ41,42の少なくとも一方が作動しミッションケース18への動力伝達が遮断されると、制御装置20は電動モータ6の駆動を停止させる。これにより、電動モータ6への負担を軽減できるとともに、損傷を防止できる。
図3は、図1に示された作業車両1の制御ブロック図である。
制御装置20は、CPU等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成された情報処理装置である。制御装置20は、後に詳述する撮像装置24により取得される画像から、茎葉部w1の繁茂量の評価値を算出する評価値算出部20aと、電動モータ6の駆動を制御するモータ制御部20bを備え、根菜類Wの引抜作業中に、図4に示されるアシスト制御を行う。アシスト制御において、制御装置20は、エンジン回転数が所定の回転数以下である場合と、圃場の根菜類Wの茎葉部w1の繁茂量の評価値が閾値以上である場合に、電動モータ6を駆動し、エンジン4の出力をアシストする。
制御装置20には、エンジン4の回転数を検出するエンジン回転数センサ4aと、第1、第2クラッチ41,42の状態を検知するクラッチ状態検知センサ43と、圃場に栽培されている根菜類Wの茎葉部w1を撮像する撮像装置24と、計時部39と、エンジン4の出力をアシストする電動モータ6(6a,6b)が接続されている。
クラッチ状態検知センサ43は、入力軸14における第1クラッチ41の上流側と下流側の回転数を各々検出するとともに、出力軸15における第2クラッチ42の上流側と下流側の回転数を各々検出する。これにより、第1、第2クラッチ42の断接状態(作動の有無)を検知する。
撮像装置24は、圃場に栽培されている根菜類Wの茎葉部w1を含むカラー画像を取得するよう、引起し装置8の上部に設けられた広角カメラである。撮像装置24により撮像される根菜類Wは、引起し装置8及び引抜装置7よりも前方に位置し、引起し装置8により茎葉部w1が引き起こされる前のものである。
計時部39は、特定の時点からの経過時間の計測等を行う電子装置であり、計測結果を制御装置Cへ出力する。
図4は、制御装置20によるアシスト制御を示すフローチャートであり、図5は、電動モータ6によるアシストの前後のエンジン回転数を示すグラフである。
アシスト制御において、まず、制御装置20は、エンジン4の回転数を検出するエンジン回転数センサ4aの検出値(=検出結果)を取得する(ステップs1)。
次いで、制御装置20は、取得したエンジン4の回転数が、エンジンストールの危険性が高まる所定の第1の基準回転数以下であるか否かを判定する(ステップs2)。
判定の結果、エンジン4の回転数が第1の基準回転数以下である場合、制御装置20のモータ制御部20bは、電動モータ6(6a,6b)の駆動を開始し、エンジン4の出力をアシストする(ステップs3)。引抜装置7の隙間37への茎葉部w1の詰まり等により、エンジン4に過度な負荷がかかった場面でも、電動モータ6でエンジン出力をアシストすることで、エンジンストールを防止し、根菜類Wを圃場からスムーズに引抜くことができる。
こうしてエンジン4のアシストを開始すると、制御装置20は、エンジン回転数センサ4aの検出値を取得し、エンジン4の回転数が所定の第2の基準回転数以上となったか否かを判定する(ステップs4)。第2の基準回転数は、上記ステップs2に記載した第1の基準回転数よりも高い値とすることが好ましい。判定の結果、エンジン4の回転数が第2の基準回転数以上となっていない場合、制御装置20は、エンジン4の回転数が第2の基準回転数以上となるまで検出値の取得と判定を繰り返す。
これに対し、判定の結果、エンジン4の回転数が第2の基準回転数以上である場合、制御装置20は、エンジン4の回転数が第2の基準回転数以上となってから所定のアシスト時間が経過したか否かを判定する(ステップs5)。判定の結果、所定のアシスト時間が経過していない場合、アシスト時間が経過するまで判定を繰り返す。
これに対し、判定の結果、所定のアシスト時間が経過している場合、制御装置20のモータ制御部20bは、電動モータ6(6a,6b)の駆動を停止させる。(ステップs6)。そして、処理はステップs1へ戻る。
このように、エンジン4の回転数が第2の基準回転数まで上昇してから、所定のアシスト時間が経過するまで電動モータ6の駆動を継続することで、電動モータ6によるアシスト停止後のハンチングを防止できる。
一方、ステップs2の判定の結果、エンジン4の回転数が第1の基準回転数を上回る場合、制御装置20は、撮像装置24に撮像指示信号を出力する(ステップs7)。制御装置20から撮像指示信号を受信すると、撮像装置24は、根菜類Wの茎葉部w1を含むカラー画像を取得し、制御装置20に送信する。
次いで、制御装置20の評価値算出部20aが、撮像装置24により取得されたカラー画像から、茎葉部w1の繁茂量の評価値を算出する(ステップs8)。具体的には、評価値算出部20aは、撮像されたカラー画像に対し彩度と色相を閾値処理することで根菜類Wの茎葉部w1のみを抽出した茎葉部抽出画像を生成する。そして、当該茎葉部抽出画像中の茎葉部w1を示す画素数をカウントすることで、茎葉部w1の繁茂量の評価値を算出する。すなわち、本実施形態においては、カラー画像中の茎葉部w1を示す画素数自体が、繁茂量の評価値である。しかしながら、茎葉部w1を示す画素数に応じて、例えば5段階評価で繁茂量の評価値を判定するよう構成してもよい。
こうして、評価値算出部20aが繁茂量を評価すると、制御装置20のモータ制御部20bは、繁茂量の評価値の情報を取得し、取得した評価値が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップs9)。判定の結果、茎葉部w1の繁茂量の評価値が閾値未満である場合、処理はステップs1へと戻る。
これに対し、判定の結果、茎葉部w1の繁茂量の評価値が閾値以上である場合、引起し装置8、引抜装置7及びエンジン4等に負荷がかかることが見込まれる。このため、モータ制御部20bは、電動モータ6(6a,6b)の駆動を開始し、エンジン4の出力をアシストする(ステップs10)。このように、算出された繁茂量の評価値が閾値以上のときに、電動モータ6を駆動させることで、茎葉部w1が茂った根菜類Wの茎葉部w1を引き起こして引き抜くのに先立って、予めエンジン出力をアシストできる。このため、茂った茎葉部w1を確実に引き起こせるとともに、引抜装置7において、隙間37内に茎葉部w1が詰まってしまうことなく、根菜類Wを圃場からスムーズに引き抜くことができる。
こうして、電動モータ6の駆動を開始させると、制御装置20は、再び撮像装置24に撮像指示信号を出力する(ステップs11)。そして、評価値算出部20aは、新たに取得されたカラー画像に基づき、上述のようにして圃場に栽培される根菜類Wの茎葉部w1の繁茂量の評価値を算出する(ステップs12)。
次いで、モータ制御部20bは、繁茂量の評価値を取得し、取得した評価値が所定の閾値未満であるか否かを判定する(ステップs13)。ここにいう閾値とは、ステップs9の閾値と同一の値である。判定の結果、取得した評価値が閾値以上である場合、制御装置20は、電動モータ6(6a,6b)の駆動を継続させつつ、ステップs11へ戻り、次の根菜類Wの撮像を行わせる。
これに対し、判定の結果、取得した評価値が閾値未満である場合、制御装置20のモータ制御部20bは電動モータ6(6a,6b)の駆動を停止させ、処理はステップs1に戻る。このように、電動モータ6の駆動を開始した後に、車両1が、繁茂量が閾値未満の根菜類Wに接近した場合、電動モータ6の駆動を停止させることで、茎葉部w1との絡みを抑制出来る。
<第1実施形態の技術的意義>
図1ないし図5に示された第1実施形態によれば、エンジン4から出力される動力と、エンジン4の出力をアシストする電動モータ6(6a,6b)から出力される動力とが合成(=統合)される合成部(挟持搬送ベルト7a、引起しベルト8a)が、エンジン4から作業機(引抜装置7、引起し装置8等)までの動力伝達経路において、ミッションケース18よりも下流側の位置に設定されているから、電動モータ6の駆動時(アシスト時)に、電動モータ6の出力動力が上流側からミッションケース18に入力されない。したがって、特許文献1に記載の作業車両のように、エンジンの動力と電動モータの動力とが合成された合成動力がミッションケースの入力側から集中的に入力される場合に比して、ミッションケース18にかかる負荷を大きく軽減できる。
さらに、第1実施形態によれば、エンジン4から作業機(引抜装置7、引起し装置8等)までの動力伝達経路において、ミッションケース18よりも上流側と下流側に各々、所定の作動動力以上の動力が加わるとミッションケース18への動力の伝達を遮断する第1、第2クラッチ41,42が配置されているから、ミッションケース18の入力側と出力側のいずれから過大な動力が伝達された場合でも、ミッションケース18の摩耗、故障を良好に防止できる。
加えて、第1実施形態によれば、従来の引抜装置にも搭載されている挟持搬送ベルト7aにおいて、エンジン4と電動モータ6の出力動力を合成できるから、動力の合成部として遊星歯車機構等の高価な機構を用いることなく、安価且つ簡潔な構成でエンジン出力の電動アシストを実現できるとともに、電動モータ6周りのメンテナンスが容易となる。
さらに、第1実施形態によれば、エンジン4の出力をアシストする電動モータ6がモータジェネレータにより構成されており、エンジン回転数が第1の基準回転数を上回るときに発電した電力を用いてエンジン出力をアシストでき、省エネである。
また、第1実施形態によれば、ミッションケース18への動力伝達を遮断する第1、第2クラッチ41,42の作動動力が、エンジン4の標準時の出力動力と電動モータ6の標準時の出力動力の合算値を上回り、且つ、挟持搬送ベルト7aがスリップし始める動力値未満の範囲に設定されているから、根菜類Wの茎葉部w1が引抜装置7の挟持搬送ベルト7a間の隙間37に詰まったときなどに、エンジン4及び電動モータ6から掛かる高負荷からミッションケース18及び挟持搬送ベルト7aを効果的に保護しつつ、第1、第2クラッチ41,42の作動が頻発してしまう事態を防止できる。
加えて、第1実施形態によれば、従来の引起し装置8にも搭載されている引起しベルト8aにおいて、エンジン4と電動モータ6の出力動力を合成できるから、動力の合成部として遊星歯車機構等の高価な機構を用いることなく、安価且つ簡潔な構成でエンジン出力の電動アシストを実現できるとともに、電動モータ6周りのメンテナンスが容易となる。
さらに、第1実施形態によれば、圃場に栽培されている根菜類Wの茎葉部w1のカラー画像を撮像装置24により取得し、当該カラー画像に基づき算出された茎葉部w1の繁茂量の評価値が閾値以上である場合に、電動モータ6が自動的に駆動されるよう構成されているから、茎葉部w1が比較的大きく育った根菜類Wを圃場から引き抜くのに先立って、予め電動モータ6によりエンジン4の出力をアシストでき、したがって、根菜類Wをスムーズに引き抜くことができる。
図6は、本発明の第2実施形態にかかる作業車両1の要部平面図であり、図7は、図6に示された作業車両1の動力機構の模式的平面図である。
本実施形態にかかる作業車両1は、補助者を含む作業者が搭乗する乗用型の根菜類収穫機として構成されており、以下に述べる点を除き、図1ないし図5に示された第1実施形態の作業車両1と同様に構成されている。
作業車両1は、図示しない引起し装置8(第1実施形態の図1等参照)と、根菜類Wを引き抜く引抜装置7と、引き抜かれた根菜類Wを載置台27へ搬送する搬送部28と、運転者が着座する運転席29と、搬送部28により搬送される根菜類Wを選別する補助者が着座する補助者席30と、エンジン4を含み、運転席29の近傍の下方に配置された動力機構25(図7参照)と、引抜装置7及び引起し装置8に設けられた電動モータ6a,6bと、クローラにより構成された走行装置40(図8参照)を備えている。
動力機構25は、車両1の動力源としての電動モータ31及びエンジン4と、電動モータ31に電力を供給するバッテリー17と、電動モータ31又はエンジン4から伝達される動力を変速して走行装置40(図8参照)に伝達する静油圧式無段変速装置(以下、「HST」という。)46と、発電した電力をバッテリー17に蓄電する発電機54と、引抜装置7及び引起し装置8側へ伝達される動力を変速するミッションケース18への入力軸14に伝動するベルト式伝達機構56を備えている。
エンジン4の出力軸4bと電動モータ31の出力軸31aは同一軸芯上に配置され、互いに接続されている。エンジン4の作動時で、且つエンジン4の出力軸4bに設けられた接続クラッチ57が繋がれている間、電動モータ31は駆動されず、電動モータ31の駆動時には接続クラッチ57が切られた状態となっている。このため、電動モータ31の出力動力はエンジン4へ伝達されないが、エンジン4の出力動力は出力軸4b及び出力軸31aを通じて電動モータ31へ伝達される。電動モータ31はモータジェネレータにより構成されており、エンジン4の出力動力を受けて電動モータ31により発電された動力はバッテリー17に蓄電される。
電動モータ31の出力軸31aとHST46への入力軸46aはベルト式伝達機構47により連結されており、電動モータ31の出力軸31aの回転はHST46への入力軸46aに伝達され、HST46に入力される。
HST46への入力軸46aにはプロペラファン48が取り付けられており、エンジン4又は電動モータ31の出力動力により入力軸46aが回転するのに伴い、プロペラファン48が回転駆動される。このため、プロペラファン48から発生する風でHST46を冷却することができる。
ここで、HST46を基準にしたときに、プロペラファン48と反対側の位置(換言すれば、プロペラファン48に対向する位置であって、HST46を挟んだ向こう側の位置)には、プロペラファン48から送られる風を受けて回転する発電用のプロペラ49が配置されている。プロペラ49には回転軸50が接続されており、プロペラ49の回転に伴い回転軸50が回転すると、ベルト式伝達機構53を通じて、発電機54への入力軸55に回転が伝達され、発電機54による発電が行われる。このように、HST46を冷却するプロペラファン48の冷却風を利用して動力の一部を回生し、バッテリー17に蓄電できるから、電動モータ6及び31に電力を供給するバッテリー17に充電する手間を省くことができる。また、プロペラファン48とプロペラ49の周りはシュラウド51で覆われており、プロペラファン48から送られる風をプロペラ49に効率的に供給することができる。
図8は、図6に示された作業車両1の略背面図である。
図8に示されるように、補助者席30の下方には発電機59が装着された尾輪58が設けられており、尾輪58が圃場上を転動することで発電機59により発電が行われ、発電された電力はバッテリー17に蓄電される。尾輪58はキャスターにより構成され、車両1の左右、前後移動に合わせて回動されるため、尾輪58の回転を安定させることができる。また、キャスター回動軸62にも発電機63が設けられており、尾輪58が左右方向に回動するときにも発電を行うことができる。尾輪58は収納可能となっており、トラックでの輸送時などに尾輪58が邪魔にならない。
尾輪58はサスペンションにより圃場面の凹凸に追従するよう構成されている。これにより、尾輪58の回転を安定させ、回生電力を安定的にバッテリー17に供給できる。また、サスペンションにはコイル及び磁石が内蔵されており、サスペンションが上下するときにも発電が行われる。尾輪58からバッテリー17へ延びる配線は補助者席30のフレーム内を通されており、配線が巻き込まれることを防止でき、安全で且つ見栄えも良い。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、図1ないし図8に示された各実施形態においては、作業車両1は根菜類引抜機として構成されているが、作業車両の種類はこれに限定されるものではなく、トラクター、田植機、コンバイン等により構成してもよい。
さらに、図1ないし図8に示された各実施形態においては、第2クラッチ42は出力軸15に配置されているが、第2クラッチ42の配置位置はこれに限定されるものではなく、例えば挟持搬送ベルト7aと電動モータ6aとの間に配置し、電動モータ6aから挟持搬送ベルト7aへの動力伝達を遮断できるように構成してもよい。すなわち、動力の合成部及び第1、第2クラッチ41,42が配置される「エンジンから作業機に至る動力伝達経路」には、作業機も含まれる。
また、図1ないし図8に示された各実施形態においては、引起し装置8と引抜装置7に電動モータ6a,6bを設け、エンジン4の出力をアシストするよう構成されているが、さらに肩揃え装置9にもアシスト用の電動モータを別途設けてもよい。この場合には、肩揃え装置9の下方に根菜類Wの根w2の肩部分を水平方向に切断可能な回転刃を着脱自在に設け、エンジン4の回転数に拘わらず、当該回転刃を電動モータで回転駆動することが好ましい。
加えて、図1ないし図8に示された各実施形態においては、電動モータ6は、エンジン4の回転数が第1の基準回転数以下である場合と、圃場の根菜類Wの茎葉部w1の繁茂量が閾値以上である場合に電動モータ6を駆動させるよう構成されているが、圃場の根菜類Wの茎葉部w1の繁茂量が閾値以上である場合に、電動モータ6を駆動させることは必ずしも必要でない。すなわち、電動モータ6は、エンジン4の回転数が第1の基準回転数を上回る時に、エンジン4の動力を受けて発電するよう構成してもよい。
1 作物引抜機
2 メインフレーム
3 走行トランスミッション
4 エンジン
5 後輪
6 電動モータ
7 引抜装置
8 引起し装置
9 肩揃え装置
10 葉切り回転刃
11 胴切り回転刃
12 出力軸
13 チェーンケース
14 (ミッションケースへの)入力軸
15 (ミッションケースの)出力軸
16 ユニバーサルジョイント
17 バッテリー
18 ミッションケース
19 伝達軸
20 制御装置
21 チェーンケース
23 ギアボックス
24 撮像装置
25 動力機構
26 隙間
27 載置台
28 搬送部
29 運転席
30 補助者席
31 電動モータ
32 支持アーム
33 回動軸
34 フレーム
35 ガイドバー
36 前輪
37 隙間
38 安全クラッチ
39 計時部
40 走行装置
41 第1クラッチ
42 第2クラッチ
43 クラッチ状態検知センサ
45 接続クラッチ
46 静油圧式無段変速装置
47 ベルト式伝達機構
48 プロペラファン
49 プロペラ
50 回転軸
51 シュラウド
52 動力伝動装置
53 ベルト式伝達機構
54 発電機
55 (発電機への)入力軸
56 ベルト式伝達機構
57 接続クラッチ
58 尾輪
59 発電機
61 ハンドル
62 キャスター回動軸
63 発電機

Claims (4)

  1. 機体の動力源としてのエンジンと、
    前記エンジンから出力される動力を変速するミッションケースと、
    前記ミッションケースで変速された動力を受けて駆動し、農作業を行う作業機と、
    前記エンジンの出力をアシストする電動モータとを備えた農業用の作業車両であって、
    前記エンジンから前記ミッションケースを介して前記作業機まで動力を伝達する動力伝達経路を備え、
    前記動力伝達経路には、前記ミッションケースよりも下流側において、前記エンジンの出力動力と前記電動モータの出力動力とを合成する合成部と、
    所定の第1作動動力以上の動力が加わると前記ミッションケースの上流側において前記ミッションケースへの動力の伝達を遮断する第1クラッチと、
    所定の第2作動動力以上の動力が加わると前記ミッションケースの下流側において前記ミッションケースへの動力の伝達を遮断する第2クラッチとが配設されたことを特徴とする作業車両。
  2. 前記作業機として、根菜類を圃場から引き抜く引抜装置を備え、
    前記引抜装置は、圃場に栽培されている根菜類の茎葉部を挟持して搬送する左右一対の無端状の挟持搬送ベルトを有し、各前記挟持搬送ベルトは、前記エンジンの出力動力が入力される第1エンジン駆動プーリと、前記電動モータの出力動力が入力される第1モータ駆動プーリとに巻き掛けられており、
    前記電動モータは、その非駆動時に、前記挟持搬送ベルトの回転に伴う前記第1モータ駆動プーリの回転を受けて発電し、バッテリーに蓄電するモータジェネレータとして構成されるとともに、前記エンジンの回転数が所定値以下であるとき、前記バッテリーから供給される電力を受けて前記第1モータ駆動プーリを回転駆動するよう構成され、
    前記合成部は、前記第1モータ駆動プーリが前記電動モータにより回転駆動されることによって、前記エンジンの出力動力と前記電動モータの出力動力とを合成するよう構成された前記挟持搬送ベルトであり、また、
    前記第1クラッチの前記第1作動動力と前記第2クラッチの前記第2作動動力が、各々、前記エンジンの標準時の出力動力と前記電動モータの標準時の出力動力との合算値を上回り、且つ、左右一対の前記挟持搬送ベルトがスリップし始めるのに要する所定の動力値未満の範囲となるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記作業機として、圃場に栽培されている根菜類の茎葉部を引き起こす引起し装置を備え、
    前記引起し装置は、根菜類の茎葉部を引き起こす無端状の引起しベルトを有し、前記引起しベルトは、前記エンジンの出力動力が入力される第2エンジン駆動プーリと、前記電動モータの出力動力が入力される第2モータ駆動プーリとに巻き掛けられており、
    前記電動モータは、その非駆動時に、前記エンジンの出力動力による前記引起しベルトの回転に伴う前記第2モータ駆動プーリの回転を受けて発電し、バッテリーに蓄電するモータジェネレータとして構成され、さらに、前記エンジンの回転数が所定の回転数以下であるとき、前記バッテリーから供給される電力を受けて前記第2モータ駆動プーリを回転駆動するよう構成されており、
    前記合成部は、前記第2モータ駆動プーリが前記電動モータにより回転駆動されることによって、前記エンジンの出力動力と前記電動モータの出力動力とを合成するよう構成された前記引起しベルトであることを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  4. 前記作業機として、前記引抜装置の前方に配置され、圃場に栽培されている根菜類の茎葉部を引き起こす引起し装置をさらに備えるとともに、
    前記引起し装置の上部に配置され、圃場に栽培されている根菜類の茎葉部を撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置により取得された画像から、茎葉部の繁茂量の評価値を算出する評価値算出部と、
    前記電動モータの駆動を制御するモータ制御部とを備え、
    前記モータ制御部は、前記評価値算出部により算出された評価値の情報を取得するよう構成され、前記評価値が所定の閾値以上であることを条件として、前記電動モータを駆動させるよう構成されたことを特徴とする請求項2に記載の作業車両。
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