JP2024033630A - スチルベン化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的および選択的なトランス-スチルベン化合物の製造方法の提供。【解決手段】本発明によるスチルベン化合物の製造方法は、少なくとも1種のスチレン原料化合物を、担体上にモリブデン、タングステン、またはレニウムを担持した固体酸化物触媒の存在下、特定の反応温度で交差メタセシス反応によって、下記式(2):TIFF2024033630000035.tif41170(式(2)中、R1は、式(1)と同様である。)で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、交差メタセシス反応を用いるスチルベン化合物の製造方法に関する。
従来、スチルベン等のオレフィン化合物は、例えば、医薬、農薬、電子材料、金属錯体の配位子等の様々な製品に幅広く使用されている化学物質である。一般的に、オレフィン化合物のシス体とトランス体の精製による分離は煩雑であり、反応工程によってシス体とトランス体を選択的に合成することが望まれている。
上記の課題に対して、例えば、特許文献1には、スチレンと2-メチル-2-ペンテンを原料として、室温で、かつ、七酸化レニウムを含有する不均化触媒の存在下で不均化反応を行うことが開示されている(実施例16)。
特開昭62-501911号公報
しかし、特許文献1に記載の不均化反応で得られた反応生成物中、シス-スチルベンの選択率は0.9%であり、トランス-スチルベンの選択率は7.9%であった。そのため、トランス-スチルベン化合物の選択率は改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、効率的および選択的なトランス-スチルベン化合物の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、スチレン化合物を原料として、特定の金属(モリブデン、タングステン、またはレニウム)を担持した固体酸化物触媒の存在下、特定の温度で交差メタセシス反応を行うことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 下記式(1):
Figure 2024033630000001
(式(1)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にモリブデンを担持した固体酸化物触媒の存在下、120℃以上230℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
下記式(2):
Figure 2024033630000002
(式(2)中、Rは、式(1)と同様である。)
で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
[2] 前記反応温度が、160℃以上210℃以下である、[1]に記載の製造方法。
[3] 下記式(1):
Figure 2024033630000003
(式(1)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にタングステンを担持した固体酸化物触媒の存在下、250℃以上360℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
下記式(2):
Figure 2024033630000004
(式(2)中、Rは、式(1)と同様である。)
で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
[4] 前記反応温度が、280℃以上340℃以下である、[3]に記載の製造方法。
[5] 下記式(1):
Figure 2024033630000005
(式(1)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にレニウムを担持した固体酸化物触媒の存在下、90℃以上190℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
下記式(2):
Figure 2024033630000006
(式(2)中、Rは、式(1)と同様である。)
で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
[6] 前記反応温度が、110℃以上170℃以下である、[5]に記載の製造方法。
[7] 前記反応工程の前に、前記固体酸化物触媒に活性化処理を施す前処理工程をさらに含む、[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] 前記担体が、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および、二酸化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9] 上記式(1)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基を示し、nは0~3である、[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10] 前記交差メタセシス反応の反応生成物中、前記トランス-スチルベン化合物のシス-スチルベン化合物およびトランス-スチルベン化合物の合計に対するモル比率が85%以上である、[1]~[9]のいずれかに記載の製造方法。
[11] 前記交差メタセシス反応の反応生成物中、前記トランス-スチルベン化合物の選択率が10%以上である、[1]~[10]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、効率的および選択的なトランス-スチルベン化合物の製造方法を提供することができる。
[スチルベン化合物の製造方法]
本発明のオレフィン化合物の製造方法は、交差メタセシス反応を用いてトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む。また、反応工程の前に前処理工程をさらに含んでもよく、反応工程の後に精製工程をさらに含んでもよい。以下、各工程について詳述する。
(反応工程)
反応工程では、下記式(1):
Figure 2024033630000007
で表される原料化合物を用いる。反応工程では、1種類の原料化合物のみを用いてもよいし、2種類以上の原料化合物を併用してもよい。 式(1)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基である。また、式(1)中、nは0~5であり、好ましくは0~3であり、より好ましくは0または1である。なお、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを意味する。
上記式(1)で表される原料化合物の好ましい実施形態としては、以下の化合物が挙げられる。下記式中、tBuはターシャリーブチル基を示し、Meはメチル基を示し、Etはエチル基を示す。
Figure 2024033630000008
Figure 2024033630000009
Figure 2024033630000010
Figure 2024033630000011
(触媒)
触媒としては、担体上に触媒活性を有する特定の金属を担持した固体酸化物触媒を用いることができる。
担体は、触媒活性を有する金属を担持することができるものであり、例えば、無機酸化物が挙げられる。無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び酸化ケイ素等が挙げられる。これらの中でも、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、酸化アルミニウムがより好ましい。
担体としての粒子の一次粒子の粒径は、特に限定されないが、例えば、10nm以上1000nm以下である。当該粒径の上限値は、500nm以下であってもよく、200nm以下であってもよく、100nm以下であってもよく、50nm以下であってもよい。なお、粒径は、X線回折法によって求めることができる。
触媒活性を有する金属としては、モリブデン、タングステン、およびレニウムからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。これらの中でも、モリブデンおよびタングステンが好ましく、モリブデンがより好ましい。
固体酸化物触媒中の上記の金属の含有量は、固体酸化物触媒の総質量を基準として、好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上9質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以上8質量%以下である。金属の含有量が上記数値範囲内にあると、交差メタセシス反応が進行し易い傾向がある。
固体酸化物触媒は、通常の方法によって調製することができる。例えば、担体に金属化合物の水溶液を接触させる工程と、担体および金属化合物の水溶液の混合物から水を除去し、残留した固形物を焼成する工程とを含む方法によって、固体酸化物触媒を得ることができる。
(反応条件)
反応温度は、固体酸化物触媒に担時する金属の種類によって異なる。
金属としてモリブデンを用いる場合、反応温度は、120℃以上230℃以下であり、好ましくは160℃以上210℃以下であり、より好ましくは170℃以上200℃以下である。
金属としてタングステンを用いる場合、反応温度は、250℃以上360℃以下であり、好ましくは280℃以上340℃以下であり、より好ましくは290℃以上330℃以下である。
金属としてレニウムを用いる場合、反応温度は、90℃以上190℃以下であり、好ましくは110℃以上170℃以下であり、より好ましくは120℃以上160℃以下である。
反応温度が上記数値範囲内であれば、原料化合物の転化率およびトランス-スチルベン化合物の選択率が向上するため、効率的および選択的にトランス-スチルベン化合物を製造することができる。
原料化合物と固体酸化物触媒を反応させる反応器としては、プラグフロー反応器、バッチ式反応器、連続槽型反応器のいずれで行っても構わない。
プラグフロー反応器を用いた場合、原料化合物は液相、気相いずれの状態で固体酸化物触媒と反応させてもよいが、液相での反応の方がより好ましい。気相で反応を行う場合には触媒の長寿命化の点で、不活性気体を随伴させてもよく、窒素またはアルゴン雰囲気下がより好ましい。
バッチ式、連続槽型反応器で行う場合は、原料化合物は液相の状態で固体酸化物触媒と反応させるが、他の副反応を防止する観点から不活性気体雰囲気下が好ましく、窒素またはアルゴン雰囲気下がより好ましい。
原料化合物と固体酸化物触媒を接触させる時間としては、通常、液空間速度LHSVとして、0.1~20h-1の範囲であり、好ましくは0.2~15h-1であり、より好ましくは0.25~10h-1である。
(溶媒)
溶媒としては、触媒活性に影響を与えないものであれば特に限定されない。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o-,m-,p-キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、グライム、ジグライム等のエーテル系溶媒;ヘキサフルオロベンゼン、m-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、p-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、α,α,α-トリフルオロメチルベンゼン、ジクロロペンタフルオロプロパン等の含フッ素有機溶媒等を用いることができる。
(前処理工程)
前処理工程では、固体酸化物触媒に活性化処理を施すことが好ましい。活性化処理の方法は特に限定されないが、例えば、高温水素処理および高温窒素処理を挙げることができる。高温水素処理または高温窒素処理とは、固体酸化物触媒を、水素または窒素流通下、200~800℃、および0.1~5時間の条件で加熱処理を施すことである。
(反応生成物)
交差メタセシス反応により得られる反応生成物は、下記式(2):
Figure 2024033630000012
で表されるトランス-スチルベン化合物を含む。反応生成物には、シス-スチルベン化合物および他の副生成物が含まれてもよい。
式(2)中、Rは、式(1)と同様である。
交差メタセシス反応により得られるトランス-スチルベン化合物の好ましい実施形態としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2024033630000013
Figure 2024033630000014
Figure 2024033630000015
Figure 2024033630000016
Figure 2024033630000017
Figure 2024033630000018
Figure 2024033630000019
Figure 2024033630000020
Figure 2024033630000021
Figure 2024033630000022
Figure 2024033630000023
Figure 2024033630000024
交差メタセシス反応の反応生成物中、トランス-スチルベン化合物のシス-スチルベン化合物およびトランス-スチルベン化合物の合計に対するモル比率(トランス比率)は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは86%以上であり、さらに好ましくは91%以上であり、さらにより好ましくは93%以上であり、最も好ましくは95%以上である。
交差メタセシス反応の反応生成物中、トランス-スチルベン化合物の選択率は、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは30%以上であり、さらにより好ましくは40%以上であり、最も好ましくは50%以上である。
(精製工程)
精製工程は、未反応原料化合物と反応生成物を含む反応溶液を従来公知の精製手段によって分離した後、反応生成物中のスチルベン化合物純度を高める工程である。精製によって分離した未反応原料化合物をリサイクルして、原料化合物とともに固体酸化物触媒との反応に用いることができる。また、従来公知の精製手段としては、特に限定されないが、例えば、蒸留、晶析、ろ過、再結晶、分液、および溶媒留去等を行うことができる。なお、精製手段は、1回のみ行ってもよいし、複数回行ってもよい。
(用途)
本発明のスチルベン化合物は、医薬、農薬、電子材料、有機金属錯体の配位子等に有用である。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記の実施例および比較例において、原料スチレンの転化率、反応生成物中のスチルベン化合物の選択率およびスチルベン化合物のトランス比率は、下記条件のガスクロマトグラフ(GC)によって分析した。なお、反応生成物中、スチルベン化合物の選択率とは、スチルベン化合物および他の反応生成物の合計に対するスチルベン化合物のモル比率であり、スチルベン化合物のトランス比率とは、シス-スチルベン化合物およびトランス-スチルベン化合物の合計に対するトランス-スチルベン化合物のモル比率とする。また、原料スチレンに対する生成したトランス-スチルベン化合物の比率は、「原料スチレンの転化率」と「トランス-スチルベン化合物の選択率」の積で算出することができる。
(GC条件)
・GC装置:GC-2010 (SHIMADZU)
・カラム:Rtx-1 PONA、長さ50m、内径0.2mmID、液相の膜厚:0.33μm
・運転条件:50℃で5分保持→10℃/分で260℃まで加温→260℃で24分保持→10℃/分で300℃まで加温→300℃で4分保持→50℃/分で50℃まで冷却→50℃で3分保持(終了)
・キャリアガス:N
[実施例1]
(触媒の製造例1)
担体として、市販のγ-Al(球体、直径2mm)を準備した。
また、モリブデン酸アンモニウムを、予め測定した上記担体の吸水量に相当するイオン交換水に溶解して、モリブデン酸アンモニウム含浸溶液を得た。この含浸溶液を、上記担体に初期湿潤法により含浸し、上記担体の質量を基準として、原子換算のMo含有量が5質量%となるように担持を行った。次に、得られた含浸物(触媒前駆体)を110℃で2時間乾燥した。その後、触媒前駆体を空気流通下、550℃で3時間焼成して、モリブデンを担持した固体酸化物触媒1(モリブデン含有量:5質量%)を得た。
(原料溶液の製造例1)
市販のトルエンに、濃度が1質量%となるように市販のスチレンを溶解させて原料溶液1を得た。
(触媒の活性化処理)
上記で製造した触媒をリアクターに充填し、水素流通下、550℃で3時間還元した後、窒素流通下、550℃で1.5時間保持して、触媒の活性化処理を行った。
(交差メタセシス反応)
上記の活性化処理を施した触媒を充填したリアクターに、反応圧力0.9MPaG、反応温度140℃、LHSV=7.3h-1の条件にて原料溶液1を流通させてメタセシス反応を行い、反応溶液を得た。
(精製工程)
得られた反応溶液を濃縮し、結晶化を繰り返すことによって、未反応原料化合物等の不純物を除去し、スチルベン化合物(スチルベン)および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は35%であり、スチルベン化合物の選択率は20%であり、スチルベン化合物のトランス比率は97%であった。
[実施例2]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から180℃に変更した以外は実施例1と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は37%であり、スチルベン化合物の選択率は37%であり、スチルベン化合物のトランス比率は97%であった。
[実施例3]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から200℃に変更した以外は実施例1と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は60%であり、スチルベン化合物の選択率は23%であり、スチルベン化合物のトランス比率は96%であった。
[実施例4]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から220℃に変更した以外は実施例1と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は68%であり、スチルベン化合物の選択率は11%であり、スチルベン化合物のトランス比率は95%であった。
[比較例1]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から100℃に変更した以外は実施例1と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は22%であり、スチルベン化合物の選択率は5%であり、スチルベン化合物のトランス比率は98%であった。
[比較例2]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から240℃に変更した以外は実施例1と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は75%であり、スチルベン化合物の選択率は8%であり、スチルベン化合物のトランス比率は74%であった。
実施例1~4および比較例1~2の結果を表1に示す。表1に示す通り、実施例1~4では、比較例1~2に比べて、原料スチレンに対する生成したトランス-スチルベン化合物の比率が高く、反応温度を調節することで効率的および選択的にトランス-スチルベン化合物を製造できることが分かった。
Figure 2024033630000025
[実施例5]
(原料溶液の製造例2)
市販のトルエンに、濃度が1質量%となるように市販のビニルトルエンを溶解させて原料溶液2を得た。
上記の交差メタセシス反応において原料溶液1の代わりに原料溶液2を用いた以外は実施例1と同様にして、スチルベン化合物(ジメチルスチルベン)および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料ビニルトルエンの転化率は29%であり、スチルベン化合物の選択率は17%であり、スチルベン化合物のトランス比率は96%であった。
[実施例6]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から180℃に変更した以外は実施例5と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料ビニルトルエンの転化率は32%であり、スチルベン化合物の選択率は19%であり、スチルベン化合物のトランス比率は98%であった。
[実施例7]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から200℃に変更した以外は実施例5と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料ビニルトルエンの転化率は51%であり、スチルベン化合物の選択率は26%であり、スチルベン化合物のトランス比率は99%であった。
[実施例8]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から220℃に変更した以外は実施例5と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料ビニルトルエンの転化率は70%であり、スチルベン化合物の選択率は11%であり、スチルベン化合物のトランス比率は99%であった。
[比較例3]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から100℃に変更した以外は実施例5と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料ビニルトルエンの転化率は18%であり、スチルベン化合物の選択率は6%であり、スチルベン化合物のトランス比率は99%であった。
[比較例4]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を140℃から240℃に変更した以外は実施例5と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料ビニルトルエンの転化率は72%であり、スチルベン化合物の選択率は7%であり、スチルベン化合物のトランス比率は68%であった。
実施例5~8および比較例3~4の結果を表2に示す。表2に示す通り、実施例5~8では、比較例3~4に比べて、原料ビニルトルエンに対する生成したトランス-スチルベン化合物の比率が高く、反応温度を調節することで効率的および選択的にトランス-スチルベン化合物を製造できることが分かった。
Figure 2024033630000026
[実施例9]
(触媒の製造例2)
上記の触媒の製造例1においてモリブデン酸アンモニウムの代わりにタングステン酸アンモニウムを用いた以外は実施例1と同様にして、タングステンを担持した固体酸化物触媒2(タングステン含有量:5質量%)を得た。
上記の触媒の活性化処理および交差メタセシス反応において固体酸化物触媒1の代わりに固体酸化物触媒2を用い、反応温度を140℃から270℃に変更した以外は実施例1と同様にして、スチルベン化合物(スチルベン)および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は80%であり、スチルベン化合物の選択率は12%であり、スチルベン化合物のトランス比率は92%であった。
[実施例10]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を270℃から310℃に変更した以外は実施例9と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は75%であり、スチルベン化合物の選択率は21%であり、スチルベン化合物のトランス比率は93%であった。
[実施例11]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を270℃から350℃に変更した以外は実施例9と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は78%であり、スチルベン化合物の選択率は17%であり、スチルベン化合物のトランス比率は94%であった。
[比較例5]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を270℃から240℃に変更した以外は実施例9と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は79%であり、スチルベン化合物の選択率は5%であり、スチルベン化合物のトランス比率は98%であった。
[比較例6]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を270℃から370℃に変更した以外は実施例9と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は77%であり、スチルベン化合物の選択率は7%であり、スチルベン化合物のトランス比率は84%であった。
実施例9~11および比較例5~6の結果を表3に示す。表3に示す通り、実施例9~11では、比較例5~6に比べて、原料スチレンに対する生成したトランス-スチルベン化合物の比率が高く、反応温度を調節することで効率的および選択的にトランス-スチルベン化合物を製造できることが分かった。
Figure 2024033630000027
[実施例12]
(触媒の製造例3)
上記の触媒の製造例1においてモリブデン酸アンモニウムの代わりに酸化レニウムを用いた以外は実施例1と同様にして、レニウムを担持した固体酸化物触媒3(レニウム含有量:5質量%)を得た。
上記の触媒の活性化処理および交差メタセシス反応において固体酸化物触媒1の代わりに固体酸化物触媒3を用い、反応温度を140℃から100℃に変更した以外は実施例1と同様にして、スチルベン化合物(スチルベン)および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は49%であり、スチルベン化合物の選択率は11%であり、スチルベン化合物のトランス比率は91%であった。
[実施例13]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を100℃から140℃に変更した以外は実施例12と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は98%であり、スチルベン化合物の選択率は13%であり、スチルベン化合物のトランス比率は89%であった。
[実施例14]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を100℃から180℃に変更した以外は実施例12と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は100%であり、スチルベン化合物の選択率は12%であり、スチルベン化合物のトランス比率は85%であった。
[比較例7]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を100℃から30℃に変更した以外は実施例12と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は27%であり、スチルベン化合物の選択率は6%であり、スチルベン化合物のトランス比率は90%であった。
[比較例8]
上記の交差メタセシス反応において反応温度を100℃から200℃に変更した以外は実施例12と同様にして、スチルベン化合物および他の反応生成物を得た。
得られたスチルベン化合物および他の反応生成物を上記の条件でGC測定を行ったところ、原料スチレンの転化率は86%であり、スチルベン化合物の選択率は5%であり、スチルベン化合物のトランス比率は82%であった。
実施例12~14および比較例7~8の結果を表4に示す。表4に示す通り、実施例12~14では、比較例7~8に比べて、原料スチレンに対する生成したトランス-スチルベン化合物の比率が高く、反応温度を調節することで効率的および選択的にトランス-スチルベン化合物を製造できることが分かった。
Figure 2024033630000028

Claims (11)

  1. 下記式(1):
    Figure 2024033630000029
    (式(1)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
    で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にモリブデンを担持した固体酸化物触媒の存在下、120℃以上230℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
    下記式(2):
    Figure 2024033630000030
    (式(2)中、Rは、式(1)と同様である。)
    で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
  2. 前記反応温度が、160℃以上210℃以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 下記式(1):
    Figure 2024033630000031
    (式(1)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
    で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にタングステンを担持した固体酸化物触媒の存在下、250℃以上360℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
    下記式(2):
    Figure 2024033630000032
    (式(2)中、Rは、式(1)と同様である。)
    で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
  4. 前記反応温度が、280℃以上340℃以下である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 下記式(1):
    Figure 2024033630000033
    (式(1)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、または1以上の炭素数1~6のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、nは0~5である。但し、nが0の場合、フェニル基の水素原子は置換されていないことを示す。)
    で表される少なくとも1種の原料化合物を、担体上にレニウムを担持した固体酸化物触媒の存在下、90℃以上190℃以下の反応温度で交差メタセシス反応によって、
    下記式(2):
    Figure 2024033630000034
    (式(2)中、Rは、式(1)と同様である。)
    で表されるトランス-スチルベン化合物を合成する反応工程を含む、スチルベン化合物の製造方法。
  6. 前記反応温度が、110℃以上170℃以下である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記反応工程の前に、前記固体酸化物触媒に活性化処理を施す前処理工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記担体が、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および、二酸化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 上記式(1)中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1~6のアルキル基を示し、nは0~3である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記交差メタセシス反応の反応生成物中、前記トランス-スチルベン化合物のシス-スチルベン化合物およびトランス-スチルベン化合物の合計に対するモル比率が85%以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記交差メタセシス反応の反応生成物中、前記トランス-スチルベン化合物の選択率が10%以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
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