JP2024032518A - 画像処理装置、撮影システム、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、撮影システム、画像処理方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】放射線の強度画像と光子計数技術を用いて得られた物質弁別画像とを対比し易いように表示できる画像処理装置を提供する。【解決手段】放射線を用いて被写体を撮影して得られた放射線の強度画像と、放射線の光子を計数することで被写体を撮影して得られた画像であって、弁別された物質を示す物質弁別画像とを取得する取得部と、放射線の強度画像と物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示部に表示させる表示制御部とを備える画像処理装置。【選択図】図5

Description

本開示は、画像処理装置、撮影システム、画像処理方法、及びプログラムに関する。
X線CT(Computed Tomography)装置などの放射線撮影システムにおいて使用される放射線検出器として、光子計数(フォトンカウンティング)型の放射線検出器が知られている。例えば、光子計数型のX線検出器は、入射するX線の1つ1つを光子として捕捉し、光子数をカウントすることにより、X線の強度を計測する。また、光子計数型のX線検出器では、X線光子を電荷に変換する際に、X線光子がもつエネルギーに応じた電荷量が発生するため、X線光子1つ1つのエネルギーを測定することができる。このため、光子計数型のX線検出器は、X線のエネルギースペクトルも計測することが可能である。
また、物質ごとに放射線の吸収特性が異なることを利用して、複数のエネルギー帯(エネルギービン)に対応するデータを用いて被検体に含まれる物質を弁別する物質弁別の技術が知られている。光子計数型のX線検出器を用いて計測されたX線のエネルギースペクトルについて、物質弁別の技術を適用することで、放射線撮影された被写体について弁別された物質を示す物質弁別画像を取得することができる。特許文献1には、フォトンカウンティングCTにより得られた物質弁別の結果を表示する画像を表示部に表示することが開示されている。
特開2016-52349号公報
しかしながら、このような光子計数技術を用いた物質弁別画像では、弁別された特定の物質のみ示されるため、当該物質の周辺の他の物質による組織の構造を把握することが難しかったり、確認できない部位があったりする場合がある。また、弁別された物質について、注目部位との位置関係等を考慮しながら確認することが望まれたり、医師等にとって見慣れた従来の放射線の強度画像であるCT画像等を確認しながら物質弁別画像を確認することが望まれたりする場合がある。
そこで、本開示の一実施態様では、放射線の強度画像と光子計数技術を用いて得られた物質弁別画像とを対比し易いように表示できる画像処理装置を提供する。
本開示の一実施態様に係る画像処理装置は、放射線を用いて被写体を撮影して得られた放射線の強度画像と、放射線の光子を計数することで前記被写体を撮影して得られた画像であって、弁別された物質を示す物質弁別画像とを取得する取得部と、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示部に表示させる表示制御部とを備える。
本開示の一実施態様によれば、放射線の強度画像と光子計数技術を用いて得られた物質弁別画像とを対比し易いように表示できる。
実施例1に係るCTシステムの構成の一例を概略的に示す。 実施例1に係る複数のエネルギー帯のデータの一例を示す。 実施例1に係る一連の処理のフローチャートを示す。 実施例1に係る放射線の強度画像及び物質弁別画像の例を示す。 実施例1に係る表示画面の一例を示す。 実施例1に係る表示画面の別例を示す。 実施例1に係る表示画面の別例を示す。 実施例1に係る表示画面の別例を示す。 実施例2に係るCTシステムの構成の一例を概略的に示す。 実施例2に係る機械学習モデルの一例を示す。 実施例2に係る一連の処理のフローチャートを示す。 実施例2に係る表示画面の一例を示す。 変形例5に係る機械学習モデルの一例を示す。 変形例5に係る機械学習モデルの別例を示す。
本開示の例示的な実施例を、図面を参照して以下に詳細に説明する。ただし、以下の実施例で説明する寸法、材料、形状、及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本開示が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更可能である。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。
なお、以下の実施例では、放射線の例としてX線を用いた撮影システムについて説明するが、本開示に係る撮影システムは他の放射線を用いてもよい。ここで、放射線という用語は、例えば、X線及びγ線等の電磁放射線、並びにα線、β線、粒子線、陽子線、重イオン線、及び中間子線等の粒子放射線を含むことができる。なお、本願では、X線及びγ線等の光子と、β線やα線などの粒子をまとめて放射線光子と記載する場合がある。また、以下において、放射線撮影により得られたデータを用いて、物質を弁別した画像を物質弁別画像という。これに対し、CTシステムや放射線撮影装置等により得られるCT画像や放射線画像等の透視画像であって、物質弁別を行っていない画像を放射線の強度画像という。また、以下の実施例では、本開示が適用される画像として静止画像について説明するが、本開示が適用される画像は動画像であってもよい。
また、以下の実施例では、放射線撮影システムの一例として、CTを用いた撮影システムについて説明するが、本開示に係る撮影システムはこれに限られない。例えば、FPD(Flat Panel Detector)を用いたDR(Digital Radiography)の撮影システムやPET(Positron Emission Tomography)の撮影システムを用いてもよい。また、SPECT(Signal Photon Emission Computed Tomography)の撮影ステム等を用いてもよい。なお、上述した放射線撮影システムは放射線診断装置として用いられてもよい。
さらに、以下の実施例では、医療分野等において被写体として人体を撮影する撮影システムについて説明する。しかしながら、本開示は、例えば、工業分野等において非破壊検査のために被写体として製品等を撮影する撮影システムに適用することもできる。
(実施例1)
以下、図1乃至図8(b)を参照して、実施例1に係るX線を用いたCTシステム1及び画像処理方法について説明する。なお、本実施例に係るCTシステム1は、フォトンカウンティングCTを実行可能なシステムである。フォトンカウンティングCTでは、放射線の光子を計数可能なフォトンカウンティング方式の放射線検出器を用いて被検体を透過した放射線を計数することで、SN比の高いCT画像を再構成することができる。
図1は、実施例1に係るX線を用いたCTシステム1の構成の一例を概略的に示す。図1に示すように、本実施例に係るCTシステム1には、架台装置10と、寝台装置20と、画像処理装置30とが設けられている。
ここで、図1においては、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置20の天板23の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。なお、図1は、説明のために架台装置10を複数方向から描画したものであり、CTシステム1が架台装置10を1つ有する場合を示す。
架台装置10には、X線管11と、X線検出器12と、回転フレーム13と、X線高電圧装置14と、制御装置15と、ウェッジ16と、コリメータ17と、DAS(Data Acquisition System)18とが設けられている。
X線管11は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、被検体Sに対し照射するX線を発生する。例えば、X線管11には、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向するように支持し、制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム13は、アルミニウムを材料とした鋳物であってよい。なお、回転フレーム13は、X線管11及びX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やウェッジ16、コリメータ17、DAS18等を更に支持することもできる。回転フレーム13は、図示しない種々の構成を更に支持することもできる。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Sへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工したフィルタであってよい。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ17は、X線絞りと呼ばれる場合もある。また、図1においては、X線管11とコリメータ17との間にウェッジ16が配置される場合を示すが、X線管11とウェッジ16との間にコリメータ17が配置されてもよい。この場合、ウェッジ16は、X線管11から照射され、コリメータ17により照射範囲が制限されたX線を透過して減衰させる。
X線高電圧装置14には、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管11が発生するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とが設けられている。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置14は、回転フレーム13に設けられてもよいし、図示しない固定フレームに設けられてもよい。
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置15は、入力部308からの入力信号に応じて、架台装置10及び寝台装置20の動作制御を行う。例えば、制御装置15は、回転フレーム13の回転や架台装置10のチルト、寝台装置20及び天板23の動作等について制御を行う。一例を挙げると、制御装置15は、架台装置10をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム13を回転させる。なお、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、画像処理装置30に設けられてもよい。
X線検出器12は、X線光子が入射するごとに、当該X線光子のエネルギー値を計測可能な信号を出力する。X線光子は、例えば、X線管11から照射され被検体Sを透過したX線光子である。X線検出器12は、X線光子が入射するごとに、1パルスの電気信号(アナログ信号)を出力する複数の検出素子を有する。このため、各検出素子から出力された電気信号(パルス)の数を計数することで、各検出素子に入射したX線光子の数を計数可能である。また、この信号に対して、演算処理を行うことで、当該信号の出力を引き起こしたX線光子のエネルギー値を計測することができる。
上記した検出素子は、例えば、CdTe(テルル化カドミウム:Cadmium Telluride)やCdZnTe(テルル化カドミウム亜鉛:Cadmium Zinc Telluride)などの半導体検出素子に電極が配置されたものである。すなわち、X線検出器12は、入射したX線光子を電気信号に直接変換する直接変換型の検出器である。なお、X線検出器12は、直接変換型の検出器に限られず、例えばシンチレータ等を用いてX線光子を一旦可視光に変換し、光センサ等により可視光を電気信号に変換するような間接変換型の検出器であってもよい。
X線検出器12には、上記した検出素子と、検出素子に接続されて、検出素子が検出したX線光子を計数するASIC(Application Specific Integrated Circuit)とが複数設けられている。ASICは、検出素子が出力した個々の電荷を弁別することで、検出素子に入射したX線光子の数を計数する。また、ASICは、個々の電荷の大きさに基づく演算処理を行うことで、計数したX線光子のエネルギーを計測する。さらに、ASICは、X線光子の計数結果をデジタルデータとしてDAS18に出力する。
DAS18は、X線検出器12から入力された計数処理の結果に基づいて検出データを生成する。検出データは、例えば、サイノグラムである。サイノグラムは、X線管11の各位置において各検出素子に入射した計数処理の結果を並べたデータである。サイノグラムは、ビュー方向及びチャンネル方向を軸とする2次元直交座標系に、計数処理の結果を並べたデータである。DAS18は、例えば、X線検出器12におけるスライス方向の列単位で、サイノグラムを生成する。DAS18は、生成した検出データを画像処理装置30へ転送する。DAS18は、例えば、CPU等のプロセッサにより実現されることができる。
ここで、計数処理の結果は、図2に示すようなエネルギービン(エネルギー帯E1~E4)ごとのX線の光子数を割り当てたデータである。例えば、DAS18は、X線管11から照射されて被検体Sを透過したX線に由来する光子(X線光子)を計数し、当該計数したX線光子のエネルギーを弁別して計数処理の結果とする。なお、図2は、複数のエネルギー帯の一例を示すが、弁別するエネルギー帯の数や幅はこれに限られず、所望の構成に応じて設定されてよい。
DAS18が生成したデータは、回転フレーム13に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、画像処理装置30へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム13を回転可能に支持する不図示の固定フレーム等であってよい。なお、回転フレーム13から架台装置10の非回転部分へのデータの送信方法は、光通信に限らず、非接触型の任意のデータ伝送方式を採用してもよいし、接触型のデータ伝送方式を採用してもよい。
寝台装置20は、撮影対象の被検体Sを載置、移動させる装置であり、寝台装置20には、基台21と、寝台駆動装置22と、天板23と、支持フレーム24とが設けられている。基台21は、支持フレーム24を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置22は、被検体Sが載置された天板23を、天板23の長軸方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム24の上面に設けられた天板23は、被検体Sが載置される板である。なお、寝台駆動装置22は、天板23に加え、支持フレーム24を天板23の長軸方向に移動してもよい。
画像処理装置30には、取得部301、生成部302、解析部303、表示制御部304、撮影制御部305、及び記憶部306が設けられている。また、画像処理装置30には、表示部307と、入力部308と、架台装置10と、寝台装置20とが通信可能に接続されている。なお、本実施例では、画像処理装置30と架台装置10とを別体として説明するが、架台装置10に画像処理装置30又は画像処理装置30の構成要素の一部が含まれてもよい。
なお、画像処理装置30は、プロセッサ及びメモリが設けられたコンピュータによって構成されることができる。画像処理装置30の記憶部306以外の各構成要素は、例えば、一つ又は複数のCPU等のプロセッサ、及び記憶部306から読み込んだプログラムを用いて機能構成される。なお、プロセッサは、例えば、MPU(Micro Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等であってもよい。また、画像処理装置30の記憶部306以外の各構成要素は、ASIC等の特定の機能を果たす集積回路などで構成してもよい。また、画像処理装置30の内部構成として、GPU等のグラフィック制御部、ネットワークカード等の通信部、及びキーボード、ディスプレイ又はタッチパネル等の入出力制御部等を含む構成も可能である。
取得部301は、DAS18が生成したデータ、及び入力部308を介して操作者から入力された各種操作や患者情報等を取得することができる。また、取得部301は、画像処理装置30に任意のネットワークを介して接続された不図示の画像処理装置や記憶装置から、被検体Sを撮影して得たデータ、被検体SのCT画像、被検体Sの物質弁別画像、及び患者情報等を取得してもよい。なお、任意のネットワークには、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネットやインターネット等が含まれてよい。
生成部302は、DAS18から出力されたデータに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施して投影データを生成する。また、生成部302は、生成された投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像を生成する。生成部302は、再構成したCT画像を記憶部306に格納する。
ここで、フォトンカウンティングCTで得られる計数結果から生成された投影データには、被検体Sを透過することで減弱されたX線のエネルギーの情報が含まれている。このため、生成部302は、特定のエネルギー帯のCT画像を再構成することができる。生成部302は、複数のエネルギー帯それぞれのCT画像を再構成することができる。なお、エネルギー帯で分けずに再構成した(全エネルギー帯の)CT画像は放射線の強度画像に対応する。
また、生成部302は、例えば、各エネルギー帯のCT画像について、エネルギー帯に応じた色調を割り当てることで、色分けされた複数のCT画像を生成することができる。さらに、生成部302は、エネルギー帯に応じて色分けされた複数のCT画像を重畳した画像を生成することもできる。
また、生成部302は、例えば、物質固有のK吸収端を利用して、当該物質の同定が可能となる物質弁別画像を生成することができる。なお、物質弁別画像を生成する方法はK吸収端を利用する方法に限られず、公知の任意の方法を用いてよい。生成部302は、当該物質弁別画像についても、上記エネルギー帯に応じて色分けされたCT画像と同様に、物質に応じて色分けされた物質弁別画像や色分けされた複数の物質弁別画像を重畳した画像を生成することができる。生成部302は、その他にも、例えば、単色X線画像や密度画像、実効原子番号画像等を生成することができる。
CT画像を再構成するには被検体Sの周囲一周360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ファン角度分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式に対しても本実施例の適用が可能である。以下、説明を簡単にするため、被検体Sの周囲一周、360°分の投影データを用いて再構成する再構成(フルスキャン再構成)方式を用いるものとする。
また、生成部302は、入力部308を介した操作者からの入力に基づいて、生成されたCT画像を公知の方法により、任意断面の断層画像やレンダリング処理による3次元画像等に変換することができる。生成部302は、生成したCT画像や物質弁別画像等、及び変換した断層画像や3次元画像等を記憶部306に格納する。
解析部303は、生成部302によって生成された各種画像を用いて、所望の解析処理を行う。解析部303は、例えば、生成部302によって生成されたCT画像や物質弁別画像等について画像処理を行い、被検体Sの異常部位の大きさや組織に含まれる物質の密度等の解析結果を取得する。なお、解析部303は、画像化される前の投影データを用いて解析処理を行ってもよい。解析部303は、生成した解析結果を記憶部306に格納する。
表示制御部304は、記憶部306に記憶された患者情報、各種画像、解析結果、及び各種画像に関する情報等を表示部307に表示させる。特に、本実施例に係る表示制御部304は、放射線の強度画像であるCT画像と、光子計数技術を用いて生成された物質弁別画像とを対比し易いような態様で表示部307に表示させる。例えば、表示制御部304は、CT画像と物質弁別画像を、並べて、切り替えて、又は重畳して表示させる。
撮影制御部305は、架台装置10で行われるCTスキャンを制御する。例えば、撮影制御部305は、X線高電圧装置14、X線検出器12、制御装置15、DAS18、及び寝台駆動装置22の動作を制御することで、架台装置10における計数結果の収集処理を制御する。例えば、撮影制御部305は、位置決め画像(スキャノ画像)を収集する撮影及び観察に用いる画像を収集する本撮影(スキャン)における投影データの収集処理をそれぞれ制御する。
記憶部306は、例えば、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。記憶部306は、例えば、患者情報、投影データ、CT画像や物質弁別画像等の各種画像、解析結果、及び各種画像に関する情報等を記憶する。また、例えば、記憶部306は、上述した各構成要素の機能を実現するためのプログラムを記憶することができる。なお、記憶部306は、CTシステム1とネットワークを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。
表示部307は、各種の情報を表示する。例えば、表示部307は、生成部302によって生成された各種の画像を表示したり、操作者から各種の操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。表示部307は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の任意のディスプレイであってよい。表示部307は、デスクトップ型であってもよいし、画像処理装置30本体と無線通信可能なタブレット端末等であってもよい。
入力部308は、操作者から各種の入力操作を受け付けて、受け付けた入力操作を電気信号に変換して画像処理装置30に出力する。また、例えば、入力部308は、CT画像を再構成する際の再構成条件や、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等の入力操作を操作者から受け付ける。
例えば、入力部308は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、及び表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン等により実現される。なお、入力部308は、光学センサを用いた非接触入力回路や音声入力回路等により実現されてもよい。なお、入力部308は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力部308は、画像処理装置30本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしてよい。また、入力部308は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、画像処理装置30とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を画像処理装置30へ出力する電気信号の処理回路も入力部308の例に含まれる。
次に、図3乃至図8(b)を参照して、本実施例に係る画像処理を含む一連の処理について説明する。図3は、本実施例に係る一連の処理のフローチャートである。操作者からの指示等に応じて本実施例に係る処理が開始されると、処理はステップS301に移行する。
ステップS301では、取得部301は、操作者によって入力された撮影条件等に基づいて架台装置10を用いて被検体Sを撮影したデータを取得する。ここで、取得されるデータには、フォトンカウンティングCTで得られる計数結果が含まれる。また、取得部301は、任意のネットワークを介して、不図示の画像処理装置や記憶装置から被検体Sを撮影したデータ等を取得してもよい。
次に、ステップS302では、生成部302が、取得されたデータに基づいて、CT画像を生成する。また、生成部302は、取得されたデータに含まれる計数結果に基づいて、物質弁別画像を生成する。なお、上記したように、物質弁別画像の生成方法は、K吸収端を利用した方法であってもよいし、他の公知の任意の方法であってもよい。
ここで、図4(a)乃至図4(c)は、被検体Sの一断面に関する概略的なCT画像及び物質弁別画像の例を示す。図4(a)は、CT画像401を示す。CT画像401は、従来のCT画像に対応する放射線の強度画像であり、投影データに含まれる全てのエネルギー帯のデータを用いて求めたCT値を画素値とした画像である。図4(b)は、投影データを用いて求められたヨードに関する物質弁別画像402を示す。また、図4(c)は、投影データを用いて求められたガドリニウムに関する物質弁別画像403を示す。
なお、物質弁別画像はヨード及びガドリニウムに関するものに限られず、生成部302は、例えば、カルシウムや、骨、軟部組織等の他の物質について弁別した物質弁別画像を生成してもよい。また、図4(b)及び図4(c)では、物質弁別画像ごとの違いを分かり易くするため、所定のパターンのハッチングを用いているが、実際には各画素値として物質に応じた色調が割り当てられた値が用いられてよい。
なお、生成部302は、投影データを用いて生成した3次元のCT画像や物質弁別画像について、操作者の指示や事前の設定に応じた断面の画像を生成することができる。以下では、説明の簡略化のため、CT画像及び物質弁別画像について、断面の画像として説明を行う。また、生成部302は、上述したように、エネルギー帯ごとの画像や単色X線画像等を生成してもよい。なお、事前の設定は、撮影部位等を含む撮影条件ごとに予め定められた設定、及び疾病等に応じた撮影モードごとに予め定められた設定の少なくとも一方を含んでよい。
次に、ステップS303では、解析部303がステップS302で生成された各種画像を用いて解析処理を行う。解析処理としては、異常部位の検出や所定の物質の密度の算出等が含まれてよい。しかしながら、解析処理はこれらに限られず、所望の構成に応じて、医療分野や工業分野において求められる任意の解析処理が行われてよい。なお、解析部303は画像化される前の投影データを用いて解析処理を行ってもよい。また、解析処理は、操作者の指示や事前の設定に応じて省略されてもよい。
ステップS304では、表示制御部304が、CT画像と物質弁別画像とを対比し易いような表示態様で表示部307に表示させる。上述したように、光子計数技術を用いることで、所望の物質を弁別した物質弁別画像を生成することができる。しかしながら、図4(b)や図4(c)に示されるような物質弁別画像402,403では、弁別の対象となる物質を含んだ組織を把握することができるが、弁別の対象となる物質を含んでいない周辺の組織については把握することが難しい。そのため、それぞれの組織の関係を把握しづらい場合がある。また、見慣れた従来の放射線の強度画像であるCT画像等を確認しながら物質弁別画像を確認することが望まれる場合がある。
このため、本実施例に係る表示制御部304は、CT画像と物質弁別画像とを互いに対比し易いように、並べて、切り替えて、又は重畳して表示する。ここで、図5乃至図8(b)を用いて、本実施例に係る表示制御部304が表示部307に表示させる表示画面について説明する。
図5は、本実施例に係る表示画面の一例として、CT画像540と物質弁別画像550とを並べて表示する表示画面501を示す。なお、表示画面501では、ヨードについて弁別を行った物質弁別画像550の例が示されている。表示画面501には、患者ID510、患者の氏名520、患者や画像についてのコメント530、CT画像540、及び物質弁別画像550が示されている。また、CT画像540及び物質弁別画像550の周囲には、画像の種類541,551、画像の撮影日542,552、及び解析結果543,553が示されている。さらに、物質弁別画像550の周囲には、弁別される物質の種類554及び物質に対応する色調等の表示例555が示されている。
患者ID510、氏名520、及びコメント530について、表示制御部304は記憶部306に格納されている情報を読み出して表示させることができる。なお、患者ID510、氏名520、及びコメント530は、CT画像540や物質弁別画像550と関連付けて記憶部306に格納されていてよい。コメント530としては、例えば、病名、検査部位、及び画像における写損の有無や写損理由等が表示されてよい。
また、患者ID510、氏名520、及びコメント530は、操作者によって入力部308を介して追加で入力されてもよく、表示制御部304は入力された情報をCT画像540や物質弁別画像550と関連付けて記憶部306に格納させてもよい。また、写損の有無や理由については、別個の選択ボタンや入力枠等を設けて操作者の入力を受け付けてもよい。
画像の種類541,551は、それぞれ、表示されているCT画像540及び物質弁別画像550の画像の種類を示すものである。図5に示す例では、画像の種類541はCT画像を示し、画像の種類551はPCCT画像(光子計数に基づく物質弁別画像)を示している。
画像の撮影日542,552は、表示されているCT画像540及び物質弁別画像550が撮影された日付を示す。なお、CT画像540及び物質弁別画像550は、例えば、組織間の関係を把握し易くすること等を目的とした対比のために表示されてよく、同じ撮影で取得された画像同士でなくてもよい。このため、画像の撮影日542,552を表示することで、操作者はそれぞれの画像がいつ撮影されたものかを把握でき、画像における組織構造の相違についても経時変化によるもの等として把握できる。
解析結果543,553は、各画像を用いて行われた解析処理の結果を示す。なお、解析結果は画像毎に表示されなくてもよく、単一の表示枠を設けて表示されてもよい。なお、解析結果は値である必要はなく、例えば、解析の結果として異常部位の領域等が検出され、表示されてもよい。この場合には、例えば不図示のボタンのON/OFF等の操作者の指示に応じて、検出された異常部位に対応する領域が把握し易いように、対応する画像において当該領域を強調表示させてもよい。
物質の種類554は、物質弁別画像550で弁別の対象とされている物質を示し、表示画面501では例としてヨードが示されている。表示制御部304は、物質の種類554について、操作者が弁別するべき物質を選択可能なように表示させることができ、例えば、操作者が選択可能な選択肢を表示させることができる。また、表示制御部304は、操作者の指示に応じて選択された物質に対応する物質弁別画像を物質弁別画像550として表示させることができる。
なお、物質の種類としては、医用分野であれば、例えば、ヨード、ガドリニウム、カルシウム、骨、軟部組織、及び任意の金属等を含んでよく、工業分野であれば、例えば、はんだやシリコン等を含んでもよい。また、物質の種類には、所望の構成に応じて他の物質が含まれてもよい。なお、物質の種類としては、複数の物質が選択されてもよく、例えば、ヨード及びガドリニウム等が選択されてもよい。この場合には、ヨードの物質弁別画像とガドリニウムの物質弁別画像が互いに重畳された画像が物質弁別画像550として表示されることができる。
物質に対応する色調等の表示例555は、物質弁別画像550に表示されている物質に対応する色調等を例示する。なお、表示例555は、色調や表示パターン等を含んでもよい。物質に対応する色調等の表示例555は、操作者による物質弁別画像550や物質弁別画像550が重畳された画像における弁別された物質の識別等に役立つことができる。
表示画面501では、CT画像540と物質弁別画像550とが並べて表示されるため、操作者はこれらの画像を容易に対比することができる。そのため、操作者は、物質弁別画像550を単独で観察する場合に比べて、弁別の対象となる物質を含んでいる組織と、弁別の対象となる物質を含んでいない組織との関係を把握し易く、より効率的に観察を行うことができる。
なお、図5に示す例では、CT画像540と1枚の物質弁別画像550とを並べて表示した。これに対し、CT画像と複数の種類の物質弁別画像とを並べて表示してもよい。図6は、本実施例に係る表示画面の一例として、CT画像540と、2枚の物質弁別画像550,660とを並べて表示する表示画面601を示す。図6に示す例では、図5に示す例と比べて、物質弁別画像660と、画像の撮影日662と、解析結果663と、物質の種類664と、物質に対応する色調等の表示例665とが示されている。
物質弁別画像660は、ガドリニウムについて弁別を行った物質弁別画像の例である。画像の撮影日662、解析結果663、物質の種類664、及び物質に対応する色調等の表示例665の各々は、物質弁別画像660に対応するものである。なお、画像の撮影日662、解析結果663、物質の種類664、及び物質に対応する色調等の表示例665は、画像の撮影日552、解析結果553、物質の種類554、及び物質に対応する色調等の表示例555と同様のものであってよい。
このような表示画面601でも、CT画像540と物質弁別画像550,660が並べて表示されているため、操作者はCT画像と物質弁別画像を容易に対比することができる。加えて、異なる種類の物質に関する複数の物質弁別画像550,660が並べて表示されているため、操作者は異なる物質について当該物質が含まれている組織同士を容易に対比することができる。このため、操作者は異なる物質を含んでいる組織の関係を把握し易く、より効率的に観察を行うことができる。
なお、CT画像540と複数の物質弁別画像550,660を並べて表示させる場合には、CT画像540の上下及び/又は左右に隣接するように複数の物質弁別画像550,660のそれぞれを並べてもよい。例えば、CT画像540の左側に物質弁別画像550を表示し、CT画像540の右側に物質弁別画像660を表示してもよい。この場合には、操作者は、それぞれの物質弁別画像550,660とCT画像540とをより対比し易く、効率的に観察を行うことができる。
なお、図5及び図6に示す例では、物質弁別画像として一つの物質について弁別を行った物質弁別画像を表示した。これに対して、異なる種類の物質についてそれぞれ弁別を行った複数の物質弁別画像を重畳した物質弁別画像をCT画像と並べて表示してもよい。
図7(a)及び図7(b)は、本実施例に係る表示画面の一例として、CT画像540と物質弁別画像550とを切り替えて表示する表示画面701,702を示す。なお、図5と同様の構成については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。また、図7(a)及び図7(b)では、説明の簡略化のため、画像の撮影日を省略しているが、各表示画面において画像の撮影日を示してもよい。
図7(a)に示す表示画面701では、表示画像としてはCT画像540のみが示され、切替ボタン780が示されている。操作者の指示に応じて切替ボタン780が操作されると、表示画面701は図7(b)に示す表示画面702に切り替わる。表示画面702では、表示画像としては物質弁別画像550のみが示されている。また、操作者の指示に応じて切替ボタン780が更に操作されると、表示画面702は図7(a)に示す表示画面701に切り替わる。
このため、表示画面701,702では、CT画像540と物質弁別画像550とが切り替えて表示されるため、操作者はこれらの画像を容易に対比することができる。そのため、操作者は、物質弁別画像550を単独で観察する場合に比べて、対象となる物質を含んでいる組織と、対象となる物質を含んでいない組織との関係を把握し易く、より効率的に観察を行うことができる。
なお、表示画面701と表示画面702では、CT画像540と物質弁別画像550を表示する位置や大きさ等を一致させることで、操作者がこれらの画像をより対比し易い態様で観察することができる。また、CT画像と切り替えて表示される物質弁別画像は一つに限られず、異なる種類の物質について弁別を行った複数の物質弁別画像であってもよい。この場合、切替ボタン780が操作されることで、複数の物質弁別画像が予め設定された順番で切り替わるように表示されることができる。また、物質弁別画像として、異なる種類の物質についてそれぞれ弁別を行った複数の物質弁別画像を重畳した物質弁別画像を表示してもよい。
なお、図7(a)及び図7(b)では、切替ボタン780の操作に応じて、CT画像540を表示する表示画面701と物質弁別画像550を表示する表示画面702とを切り替えた。しかしながら、表示制御部304は、例えば、不図示のスライダを設け、スライダの操作に応じたブレンド比でCT画像540と物質弁別画像550とを互いにブレンディング(重畳)した画像を表示部307に表示させてもよい。ここで、ブレンド比は、互いに重畳させる画像の透明度のうち一方を大きくすると他方が小さくなるような関係を有する透明度の比率であってよい。この場合には、表示制御部304は、操作者の指示に応じて、CT画像540と物質弁別画像550とのブレンド比を設定し、設定されたブレンド比でCT画像540と物質弁別画像550とを互いに重畳して表示部307に表示させることができる。また、表示制御部304は、いずれかの画像について、スライダの操作に応じた透明度を設定し、他方の画像に重畳して表示部307に表示させてもよい。これらの場合でも、操作者はCT画像540と物質弁別画像550とを容易に対比することができる。
図7(c)は、CT画像540に物質弁別画像550を重畳して表示する表示画面703を示す。なお、図5と同様の構成については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。また、図7(c)では、説明の簡略化のため、画像の撮影日を省略しているが、表示画面において画像の撮影日を示してもよい。
図7(c)に示される表示画面703では、CT画像540に物質弁別画像550を重畳した重畳画像770が示されている。また、画像の種類771、解析結果773、物質の種類774、及び物質に対応する色調等の表示例775の各々は、重畳画像770に対応するものである。なお、解析結果773、物質の種類774、及び物質に対応する色調等の表示例775は、解析結果553、物質の種類554、及び物質に対応する色調等の表示例555と同様のものであってよい。なお、画像の種類771は、CT画像に物質弁別画像が重畳されていることを示すようにCT+PCCTとされている。また、解析結果773は、CT画像540及び/又は物質弁別画像550に対応するものであってもよい。
なお、重畳画像770は、物質弁別画像550にCT画像540が重畳された重畳画像であってもよい。また、物質弁別画像としては、1つの種類の物質弁別画像に限られず、異なる種類の物質についてそれぞれ弁別を行った複数の物質弁別画像を重畳した物質弁別画像が用いられてもよい。
表示制御部304は、図7(a)や図7(b)に示される切替ボタン780が操作された際に、表示画面701や表示画面702を表示画面703に切り替えてもよい。この場合には、CT画像540と物質弁別画像550とが重畳して表示されるため、操作者はこれらの画像を容易に対比することができる。また、互いに重畳されていないCT画像540や物質弁別画像550と重畳画像770とが切り替えて表示されるため、操作者はこれらの画像を容易に対比することができる。
なお、重畳画像770に関して、CT画像540に対して操作者の指示や所定の設定に応じた透明度が設定された物質弁別画像550が重畳されてもよいし、物質弁別画像550に対して同様に透明度が設定されたCT画像540が重畳されてもよい。
また、図5及び図6に示した、CT画像と物質弁別画像とを並べて表示させる例においても、切替ボタン780を設け、切替ボタン780の操作に応じて、それぞれの画像と重畳画像とを切り替えて表示させてもよい。この場合、切替ボタン780は、CT画像や物質弁別画像ごとに設けられてもよい。例えば、CT画像に対応する切替ボタン780が操作されると、CT画像の表示をCT画像に物質弁別画像が重畳された重畳画像の表示に切り替えることができる。同様に、物質弁別画像に対応する切替ボタン780が操作されると、物質弁別画像の表示を物質弁別画像にCT画像が重畳された重畳画像の表示に切り替えることができる。この場合でも操作者はこれらの画像を容易に対比することができる。
なお、CT画像と複数の物質弁別画像が並べて表示される場合には、操作者の指示に応じてCT画像に重畳させる物質弁別画像を選択できるように選択肢が設けられてもよい。また、複数の物質弁別画像にCT画像を重畳させる場合には、切替ボタン780の操作に応じて、一括して複数の物質弁別画像が重畳画像に切り替えられることができる。なお、複数の物質弁別画像ごとに、物質弁別画像と重畳画像とを切り替える切替ボタンを設けてもよい。
図8(a)及び図8(b)は、本実施例に係る表示画面の一例として、複数のCT画像と複数の物質弁別画像を切り替えて表示する経過観察用の表示画面801,802を示す。なお、図5と同様の構成については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。また、図8(a)及び図8(b)では、説明の簡略化のため、解析結果を省略しているが、各表示画面において解析結果を示してもよい。
図8(a)に示す表示画面801には、異なる時間に取得されたCT画像8401,8402,8403,8404,8405が示されている。また、表示画面801には、画像の種類841と、各画像に対応する画像の撮影日8421,8422,8423,8424,8425と、切替ボタン880とが示されている。操作者の指示に応じて切替ボタン880が操作されると、表示画面801は図8(b)に示す表示画面802に切り替わる。
表示画面802には、異なる時間で取得されたCT画像8401,8402,8403,8404,8405に対応する物質弁別画像8501,8502,8503,8504,8505が示されている。また、表示画面802には、画像の種類851と、各画像に対応する画像の撮影日8521,8522,8523,8524,8525と、物質の種類854と、物質に対応する色調等の表示例855と、切替ボタン880とが示されている。なお、画像の種類841,851、物質の種類854、及び物質に対応する色調等の表示例855は、図5における画像の種類541,551、物質の種類554、及び物質に対応する色調等の表示例555と同様のものであってよい。また、操作者の指示に応じて切替ボタン880が更に操作されると、表示画面802は図8(a)に示す表示画面801に切り替わる。
このため、表示画面801,802では、複数のCT画像8401,8402,8403,8404,8405と複数の物質弁別画像8501,8502,8503,8504,8505とが一括して切り替えて表示される。そのため、操作者はこれらの画像を容易に対比することができる。なお、切替ボタン880は、画像毎に設けられてもよい。
なお、CT画像8401,8402,8403,8404,8405と、これに対応する物質弁別画像8501,8502,8503,8504,8505が重畳された重畳画像とが切り替えて表示されてもよい。同様に、物質弁別画像8501,8502,8503,8504,8505と、これに対応するCT画像8401,8402,8403,8404,8405が重畳された重畳画像とが切り替えて表示されてもよい。これらの場合であっても、操作者はこれらの画像を容易に対比することができる。
さらに、経過観察用の画像として、異なる時間に取得された複数のCT画像と対応する複数の物質弁別画像とが並べて表示されてもよい。また、異なる時間に取得された複数のCT画像又は複数の物質弁別画像と、これらの一方に対して他方が重畳された複数の重畳画像が並べて表示されてもよい。これらの場合であっても、操作者はこれらの画像を容易に対比することができる。この場合、対応するCT画像及び物質弁別画像、又は対応するCT画像若しくは物質弁別画像とこれらの重畳画像が隣接するように、複数の種類の画像が互い違いになるように表示されてもよい。この場合には、操作者はCT画像と物質弁別画像とをより対比し易い態様で観察することができる。
なお、3次元CT画像に含まれる各断層画像のサムネイルの一覧表示や、画像めくりと呼ばれる連続する位置の断層画像を順に表示する場合にも、表示制御部304は、CT画像と物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示させてもよい。なお、この場合には、表示制御部304は、連続して断層画像を切り替えて表示するためのボタンやスライダを表示画面に表示させてよい。例えば、CT画像と物質弁別画像を並べて表示させる場合には、表示制御部304は、当該ボタンやスライダの操作に応じた位置の画像に、CT画像及び物質弁別画像を一括して切り替えて表示させてもよい。また、異なる時間に得た複数の画像の差分と基準画像とを並べて表示する経時差分の表示においても、CT画像の差分や基準画像と物質弁別画像の差分や基準画像とを並べて表示したり、切り替えて表示したり、これらの重畳画像を表示したりしてもよい。
また、異なる時間に得た複数のCT画像を連続して切り替えて表示する場合にも、対応する物質弁別画像を並べて表示したり、切り替えて表示したり、これらの重畳画像を表示したりしてもよい。なお、この場合にCT画像と物質弁別画像とを切り替えて表示するときには、切替ボタンの操作のタイミングに応じて、以降の連続する画像についてCT画像と物質弁別画像とを切り替えて表示することができる。
ステップS304において、表示制御部304による表示制御処理が終了すると、本実施例に係る一連の処理が終了する。
上記のように、本実施例に係る画像処理装置30は、取得部301と表示制御部304とを備える。取得部301は、放射線を用いて被写体を撮影して得られた放射線の強度画像と、放射線の光子を計数することで被写体を撮影して得られた画像であって、弁別された物質を示す物質弁別画像とを取得する。表示制御部304は、放射線の強度画像と物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示部307に表示させる。
このような構成によれば、操作者はCT画像と物質弁別画像を容易に対比することができる。そのため、操作者は、物質弁別画像を単独で観察する場合に比べて、対象となる物質を含んでいる組織と、対象となる物質を含んでいない組織との関係を把握し易く、より効率的に観察を行うことができる。
また、表示制御部304は、物質弁別画像の周囲に弁別の対象の物質を選択するための選択肢を表示部307に表示させることができる。この場合には、操作者は、観察の目的に応じて物質弁別画像を適宜切り替えながら、放射線の強度画像と物質弁別画像とを容易に対比することができ、より効率的に観察を行うことができる。
なお、放射線の強度画像と物質弁別画像とは、放射線を用いて被写体を撮影して得られた共通のデータを用いて生成された画像とすることができる。本実施例では、上述のように、架台装置10を用いた撮影により得られたデータから投影データを取得し、投影データに基づいて、CT画像と物質弁別画像が生成される。この場合には、放射線の強度画像と物質弁別画像によって共通した形状等を有する組織が示されるため、放射線の強度画像と物質弁別画像がより対比し易いものとなる。
ただし、表示制御部304が表示部307に表示させる放射線の強度画像と物質弁別画像は、例えば、組織間の関係を把握し易くすること等を目的とした対比のために表示されてよく、共通のデータを用いて生成された画像でなくてもよい。そのため、表示制御部304が表示部307に表示させる放射線の強度画像と物質弁別画像は異なるデータを用いて生成されたものであってもよい。例えば、放射線の強度画像は光子計数技術を用いていないCTシステムで得られたデータを用いて生成され、物質弁別画像は光子計数技術を用いるCTシステムで得られたデータを用いて生成されてもよい。
また、表示部307に表示される物質弁別画像は、異なる種類の物質を弁別した複数の物質弁別画像を互いに重畳した画像を含んでもよい。この場合には、操作者は、異なる種類の物質を含む組織と、それらの物質を含まない組織の関係を把握しやすく、より効率的に観察を行うことができる。
また、表示部307に表示される物質弁別画像は、異なる種類の物質を弁別した複数の物質弁別画像を含んでもよい。この場合には、複数の種類の物質に関する複数の物質弁別画像が表示されるため、操作者は、異なる物質について当該物質が含まれている組織同士を容易に対比することができ、より効率的に観察を行うことができる。
なお、表示制御部304は、放射線の強度画像に隣接するように複数の物質弁別画像のそれぞれを並べて表示部307に表示させることができる。この場合には、操作者は、それぞれの物質弁別画像と放射線の強度画像とをより対比し易く、効率的に観察を行うことができる。
また、表示制御部304は、複数の放射線の強度画像と複数の物質弁別画像とを一括して切り替えて表示部307に表示させることができる。なお、表示制御部304は、複数の放射線の強度画像若しくは複数の物質弁別画像と、複数の放射線の強度画像及び複数の物質弁別画像の複数の重畳画像とを一括して切り替えて表示部307に表示させてもよい。これらの場合には、操作者は、より簡易な操作で、複数の放射線強度画像と複数の物質弁別画像とを対比し易い態様で観察することができ、より効率的に観察を行うことができる。
さらに、表示制御部304は、操作者の指示に応じて、放射線の強度画像と物質弁別画像との一方について透明度を設定し、放射線の強度画像と物質弁別画像との他方に重畳して表示部307に表示させることができる。この場合には、操作者は、放射線の強度画像と物質弁別画像について、所望の透明度で重畳された重畳画像を確認することができる。そのため、操作者は自分が観察し易い態様の重畳画像を観察することができ、より効率的に観察を行うことができる。
さらに、表示制御部304は、放射線の強度画像と物質弁別画像とを被写体の異なる位置の放射線の強度画像と物質弁別画像とに切り替える際に、操作者の指示に応じて、放射線の強度画像と物質弁別画像とを一括して切り替えて表示部307に表示させることができる。この場合には、操作者は、所望する位置の断面に関する放射線の強度画像と物質弁別画像を簡易な操作により観察することができ、より効率的に観察を行うことができる。
また、画像処理装置30は、放射線の強度画像と物質弁別画像との少なくとも一方を解析する解析部303を更に備えることができる。この場合、表示制御部304は解析部303による解析結果を、解析した画像の周囲に、又は放射線の強度画像と物質弁別画像の一方に重畳して表示部307に表示させることができる。この場合には、操作者は、放射線の強度画像と物質弁別画像に加えて、画像を解析して得られた解析結果を容易に対比することができ、より効率的に観察を行うことができる。
さらに、表示制御部304は、操作者の指示に応じて、放射線の強度画像と物質弁別画像との少なくとも一方についての写損に関する情報を表示部307に表示させることができる。この場合には、操作者は、当該画像を観察する際に写損の有無やその理由等を容易に把握することができ、より効率的に観察を行うことができる。
(変形例1)
実施例1では、放射線の強度画像であるCT画像と物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示する表示画面について述べた。これに対し、表示制御部304は、操作者の指示や事前の設定に応じて、これらの表示画面のいずれかを選択して表示部307に表示させてもよい。
この場合には、表示制御部304は、操作者の指示や事前の設定に応じて表示する表示画面を選択し、表示部307に表示させる。例えば、操作者が、CT画像と物質弁別画像とを並べて表示する表示画面を選択するように指示した場合には、表示制御部304は、当該指示に応じて図5に示す表示画面501を表示部307に表示させることができる。
また、表示制御部304は、操作者の指示に応じて、表示すべき表示画面を切り替えて表示部307に表示させてもよい。例えば、操作者が、CT画像と物質弁別画像とを切り替えて表示する表示画面を選択するように更に指示した場合、表示制御部304は、当該指示に応じて、図5に示す表示画面501を図7(a)に示す表示画面701に切り替えて表示部307に表示させてよい。
(変形例2)
また、実施例1において示した表示画面は、詳細な解析結果を表示可能な解析画面や画像観察を行うための表示画面に相当する。これに対して、実施例1に係る画像処理は、被検体Sの撮影直後に撮影した画像を確認するための確認画面においてCT画像等のプレビュー画像を表示する際にも同様に適用できる。なお、確認画面では、処理時間が短いCT画像を物質弁別画像に先立って表示させ、物質弁別画像を後から切り替えて表示させてもよい。この場合には、操作者は処理時間の短いCT画像を早期に確認することができ、撮影の成否等を早期に判断することができる。
なお、確認画面で表示される画像や画像の解析結果は、上述した解析画面や表示画面で表示される画像や画像の解析結果に比べて簡易なものであってもよい。すなわち、表示制御部304は、被写体の撮影の直後に表示させる確認画面における画像や解析結果として、被写体の詳細を解析するための解析画面における画像や解析結果よりも簡易な画像や解析結果を表示部307に表示させてもよい。例えば、所定のデータが省かれるなどしてデータ量が間引かれたデータに基づく画像やその画像の解析結果等が確認画面に表示されることができる。この場合には、確認画面を表示するまでの処理時間を短縮することができ、操作者は撮影の成否等を早期に判断することができる。
また、画像処理装置30は、確認画面を表示する際に、撮影した画像の評価値を算出することができる。画像処理装置30は、算出された評価値が閾値以下の場合には、再撮影が必要であると判断し、確認画面に再撮影を推奨する表示を示してもよい。なお、画像の評価指標としては、例えば、Qインデックス値を用いることができるが、これに限られず、SN比やコントラスト値などの公知の任意の評価指標を用いてもよい。なお、Qインデックス値の算出方法は公知の任意の方法を用いてよい。また、表示制御部304は、算出された画像の評価値を確認画面に表示してもよい。これらの場合には、操作者は、再撮影の要否をより効率的に判断することができる。
(変形例3)
また、実施例1において示した表示画面は一例である。そのため、表示事項は所望の構成に応じて追加されたり省略されたりしてよく、表示画面の構成や配置も所望の構成に応じて変更されてよい。例えば、放射線の強度画像と物質弁別画像は上下に並べて表示されてもよい。また、画像の種類や、画像の撮影日、解析結果、及び物質の種類等は、対応する画像に重畳して表示されてもよいし、対応する画像の上下左右の近傍の位置に表示されてもよい。例えば、表示制御部304は、画像の種類を示す情報を放射線の強度画像と物質弁別画像との周囲に、又は放射線の強度画像と物質弁別画像とに重畳して表示させることができる。さらに、例えば、撮影に用いた放射線の線量、及び造影剤の量や種類、並びに撮影部位等を含む撮影情報が画像の上下左右等の周囲に表示されたり、画像に重畳して表示されたりしてもよい。
また、上述したように、対比のために表示される画像同士は、別々の撮影装置を用いて取得された画像であってもよく、例えば、CT画像は光子計数技術を用いていないCT装置で取得されたものであってもよい。このため、画像の取得に用いられた装置の種類や機種等を画像の上下左右等の周囲や画像に重畳して表示してもよい。
また、不図示のボタンの操作に応じて、解析結果を各種画像に重畳して表示してもよい。また、CT画像と物質弁別画像の解析結果について、一方の画像の解析結果を他方の画像に重畳して表示させてもよい。例えば、操作者の操作等に応じて、CT画像について、物質弁別画像の解析結果を重畳表示させてもよいし、物質弁別画像にCT画像の解析結果を重畳表示させてもよい。
(変形例4)
なお、実施例1では、撮影したデータの転送順や画像の生成順、画像の表示順については特に限定していない。これに対し、これらの順番は操作者の指示や事前の設定によって定められていてもよい。なお、事前の設定は、上述のように、撮影部位等を含む撮影条件ごとに予め定められた設定、及び疾病等に応じた撮影モードごとに予め定められた設定の少なくとも一方を含んでよい。
例えば、架台装置10のDAS18から画像処理装置30に転送されるデータについて、放射線のエネルギー帯ごとにデータの転送の順番が定められてもよい。観察目的に応じて、高エネルギー帯のデータに基づく画像や低エネルギー帯のデータに基づく画像の表示がより望まれる場合がある。このため、事前の設定や観察の目的に応じて、DAS18から画像処理装置30に転送されるデータについて、エネルギー帯ごとにデータの送信の順番が定められていてもよい。この場合には、取得部301は、事前の設定又は観察の目的に応じて、被写体を撮影して得られた特定のエネルギー帯に関するデータを他のエネルギー帯に関するデータよりも早く取得することができる。このため、操作者はより効率的に所望する画像を確認することができる。
また、表示するために生成される画像について、最初に表示・確認することが望まれる断面の画像を優先的に生成するように画像の生成順が定められてもよい。CT画像や物質弁別画像を観察する際に、観察目的に応じて、所定の位置の断面画像や所定の組織の断面画像を優先的に確認することが望まれる場合がある。このため、生成部302は、事前の設定や観察の目的に応じて、画像の生成順を定めてもよい。具体的には、生成部302は、事前の設定や観察の目的に応じて、被写体の特定の位置に関する放射線の強度画像及び物質弁別画像を被写体の他の位置の放射線の強度画像及び物質弁別画像よりも早く生成することができる。なお、優先的に画像を生成すべき断面は、事前の設定や観察の目的に応じて定められていてもよいし、画像の生成に先立って行われた物質弁別の結果を用いて自動的に定められてもよい。
また、画像の表示順について、表示制御部304は、操作者の指示や事前の設定に応じて、CT画像等の放射線の強度画像を表示させた後に、物質弁別画像を表示部307に表示させてもよい。例えば、表示制御部304は、比較的処理時間が短い放射線の強度画像が生成された後に放射線の強度画像を表示部307に表示させ、その後、比較的処理時間が長い物質弁別画像が生成された後に物質弁別画像を表示部307に表示させることができる。なお、このような場合には、放射線の強度画像と物質弁別画像とは、放射線を用いて被写体を撮影して得られた共通のデータを用いて生成された画像であってよい。
ただし、表示順については、放射線の強度画像の表示と物質弁別画像の表示が同時に行われることが望まれる場合もある。そのため、操作者の指示に応じて、物質弁別画像を放射線の強度画像よりも後に表示したり、放射線の強度画像と物質弁別画像を同時に表示したりすることを選択できるようにしてもよい。なお、これらの場合において、観察の目的については、撮影部位等の撮影条件に関する操作者の指示や観察目的に関する操作者の指示に基づいて判断されてよい。また、上述した変形例1乃至4は、以下の実施例についても適用可能である。
(実施例2)
本開示の実施例2では、放射線の強度画像や物質弁別画像について、学習を行った機械学習モデルを用いて、画像の画質を向上させる高画質化処理を行う例について説明する。以下、図9乃至図12を用いて、本実施例に係るCTシステム9について、実施例1に係るCTシステム1との違いを中心として説明する。なお、本実施例に係るCTシステム9の構成のうち、実施例1に係るCTシステムの構成と同様の構成については、同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
なお、以下において、機械学習モデルとは、機械学習アルゴリズムによる学習モデルをいう。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシンなどが挙げられる。また、ニューラルネットワークを利用して、学習するための特徴量、結合重み付け係数を自ら生成する深層学習(ディープラーニング)も挙げられる。また、決定木を用いたアルゴリズムとして、LightGBMやXGBoostのように勾配ブースティングを用いた手法も挙げられる。適宜、上記アルゴリズムのうち利用できるものを用いて以下の実施例及び変形例に適用することができる。また、教師データとは、学習データのことをいい、入力データ及び出力データのペアで構成される。
また、学習済モデルとは、ディープラーニング等の任意の機械学習アルゴリズムに従った機械学習モデルに対して、事前に適切な教師データ(学習データ)を用いてトレーニング(学習)を行ったモデルをいう。ただし、学習済モデルは、事前に適切な学習データを用いて得ているが、それ以上の学習を行わないものではなく、追加の学習を行うこともできるものとする。追加学習は、装置が使用先に設置された後も行われることができる。
図9は、本実施例に係るCTシステム9の構成の一例を概略的に示す。本実施例に係るCTシステム9に係る画像処理装置930は、実施例1に係る画像処理装置30の構成要素に加えて、高画質化部907を備える。高画質化部907は、生成部302によって生成されたCT画像や物質弁別画像を学習済モデルへの入力として用いて、画質が向上されたCT画像や物質弁別画像を取得する。
なお、本実施例に係る解析部303は、高画質化部907によって取得された高画質なCT画像や物質弁別画像等に対して解析処理を行うことができる。また、本実施例に係る表示制御部304は、高画質化部907によって取得された高画質なCT画像や物質弁別画像等を表示部307に表示させることができる。
(高画質化モデル)
以下、本実施例に係る画像の画質を向上させる学習済モデル(高画質化モデル)について図10を参照して説明する。なお、本実施例では高画質化モデルは記憶部306に記憶され、高画質化部907が高画質化処理に用いる構成とするが、高画質化モデルは画像処理装置930に接続される不図示の外部装置に設けられてもよい。
本実施例に係る高画質化モデルは、機械学習アルゴリズムに係るトレーニング(学習)を行って得た学習済モデルである。本実施例では、機械学習アルゴリズムに係る機械学習モデルのトレーニングに、処理対象として想定される特定の撮影条件を持つ低画質画像である入力データと、入力データに対応する高画質画像である出力データのペア群で構成された学習データを用いる。なお、特定の撮影条件には、具体的には、予め決定された撮影部位、撮影方式、X線の管電圧、及び画像サイズ等が含まれる。
本実施例に係る高画質化モデルは、入力された低画質な画像に基づいて、高画質な画像を出力するモジュールとして構成される。ここで、本明細書における高画質化とは、入力された画像から画像検査により適した画質の画像を生成することをいい、高画質画像とは、画像検査により適した画質にされた画像をいう。また、低画質画像とは、例えば、CT等により取得された二次元画像や三次元画像、又は連続撮影したCTの三次元動画像等の特に高画質になるような設定をされずに撮影されたものである。具体的には、低画質画像は、例えば、CT等により低線量で撮影された画像等を含む。
また、ノイズが少なかったり、高コントラストであったりする高画質画像を、各種解析処理や、CT等の画像の領域セグメンテーション処理等の画像解析に利用すると、低画質画像を利用するよりも精度よく解析が行えることが多い。そのため、高画質化エンジンによって出力された高画質画像は、画像検査だけでなく、画像解析にも有用である場合がある。
また、画像検査に適した画質の内容は、各種の画像検査で何を検査したいのかということに依存する。そのため一概には言えないが、例えば、画像検査に適した画質は、ノイズが少なかったり、高コントラストであったり、撮影対象を観察しやすい色や階調で示していたり、画像サイズが大きかったり、高解像度であったりする画質を含む。また、画像生成の過程で描画されてしまった実際には存在しないオブジェクトやグラデーションが画像から除去されているような画質を含むことができる。
本実施例における高画質化部907で実行される高画質化処理では、ディープラーニング等の各種機械学習アルゴリズムを用いた処理を行う。なお、当該高画質化処理では、機械学習アルゴリズムを用いた処理に加えて、各種画像フィルタ処理、類似画像に対応する高画質画像のデータベースを用いたマッチング処理、及び知識ベース画像処理等の既存の任意の処理を行ってもよい。
以下、図10を参照して、本実施例に係る高画質化モデルに係るCNN(Convolutional Neural Network)の構成例を説明する。図10は、高画質化モデルの構成の一例を示している。図10で示す構成は、入力値群を加工して出力する処理を担う、複数の層群によって構成される。当該構成に含まれる層の種類としては、図10に示すように、畳み込み(Convolution)層、ダウンサンプリング(Downsampling)層、アップサンプリング(Upsampling)層、及び合成(Merger)層がある。
畳み込み層は、設定されたフィルタのカーネルサイズ、フィルタの数、ストライドの値、及びダイレーションの値等のパラメータに従い、入力値群に対して畳み込み処理を行う層である。なお、入力される画像の次元数に応じて、フィルタのカーネルサイズの次元数も変更してもよい。
ダウンサンプリング層は、入力値群を間引いたり、合成したりすることによって、出力値群の数を入力値群の数よりも少なくする処理を行う層である。具体的には、このような処理として、例えば、Max Pooling処理がある。
アップサンプリング層は、入力値群を複製したり、入力値群から補間した値を追加したりすることによって、出力値群の数を入力値群の数よりも多くする処理を行う層である。具体的には、このような処理として、例えば、線形補間処理がある。
合成層は、ある層の出力値群や画像を構成する画素値群といった値群を、複数のソースから入力し、それらを連結したり、加算したりして合成する処理を行う層である。
このような構成では、入力された画像1010を構成する画素値群が畳み込み処理ブロックを経て出力された値群と、入力された画像1010を構成する画素値群が、合成層で合成される。その後、合成された画素値群は最後の畳み込み層で高画質画像1020に成形される。
なお、ニューラルネットワークを構成する層群やノード群に対するパラメータの設定が異なると、学習データからトレーニングされた傾向について、推論時に再現可能な程度が異なる場合があるので注意が必要である。つまり、多くの場合、実施する際の形態に応じて適切なパラメータは異なるので、必要に応じて好ましい値に変更することができる。
また、上述したようなパラメータを変更するという方法だけでなく、CNNの構成を変更することによって、CNNがより良い特性を得られる場合がある。より良い特性とは、例えば、より精度良くノイズが低減された放射線画像を出力したり、処理時間が短かったり、機械学習モデルのトレーニングにかかる時間が短かったりする等である。
なお、本実施例で用いるCNNの構成は、複数のダウンサンプリング層を含む複数の階層からなるエンコーダーの機能と、複数のアップサンプリング層を含む複数の階層からなるデコーダーの機能とを有するU-net型の機械学習モデルである。すなわち、CNNの構成は、エンコーダー機能とデコーダー機能とを有するU字型の構造を含む。U-net型の機械学習モデルでは、エンコーダーとして構成される複数の階層において曖昧にされた位置情報(空間情報)を、デコーダーとして構成される複数の階層において、同次元の階層(互いに対応する階層)で用いることができるように(例えば、スキップコネクションを用いて)構成される。
なお、図示はしないが、CNNの構成の変更例として、例えば、畳み込み層の後にバッチ正規化(Batch Normalization)層や、正規化線形関数(Rectifier Linear Unit)を用いた活性化層を組み込む等をしてもよい。
ここで、GPUは、データをより多く並列処理することで効率的な演算を行うことができる。このため、ディープラーニングのような機械学習アルゴリズムを用いて複数回に渡り学習を行う場合には、GPUで処理を行うことが有効である。そこで、本実施例では、学習部の一例として機能する高画質化部907による処理には、CPUに加えてGPUを用いる。具体的には、学習モデルを含む学習プログラムを実行する場合に、CPUとGPUが協働して演算を行うことで学習を行う。なお、学習部の処理では、CPU又はGPUのみにより演算が行われてもよい。また、本実施例に係る高画質化処理についても、学習部と同様にGPUを用いて実現してもよい。なお、学習済モデルが外部装置に設けられている場合には、高画質化部907は学習部として機能しなくてもよい。
また、学習部は、不図示の誤差検出部と更新部とを備えてもよい。誤差検出部は、入力層に入力される入力データに応じてニューラルネットワークの出力層から出力される出力データと、正解データとの誤差を得る。誤差検出部は、損失関数を用いて、ニューラルネットワークからの出力データと正解データとの誤差を計算するようにしてもよい。また、更新部は、誤差検出部で得られた誤差に基づいて、その誤差が小さくなるように、ニューラルネットワークのノード間の結合重み付け係数等を更新する。この更新部は、例えば、誤差逆伝播法を用いて、結合重み付け係数等を更新する。誤差逆伝播法は、上記の誤差が小さくなるように、各ニューラルネットワークのノード間の結合重み付け係数等を調整する手法である。
なお、CNNを用いた画像処理等、一部の画像処理手法を利用する場合には画像サイズについて注意する必要がある。具体的には、高画質画像の周辺部が十分に高画質化されない問題等の対策のため、入力する低画質画像と出力する高画質画像とで異なる画像サイズを要する場合があることに留意すべきである。
明瞭な説明のため、本実施例において明記はしないが、高画質化モデルに入力される画像と出力される画像とで異なる画像サイズを要する高画質化モデルを採用した場合には、適宜画像サイズを調整しているものとする。具体的には、機械学習モデルをトレーニングするための学習データに用いる画像や、高画質化モデルに入力される画像といった入力画像に対して、パディングを行ったり、該入力画像の周辺の撮影領域を結合したりして、画像サイズを調整する。なお、パディングを行う領域は、効果的に高画質化できるように高画質化手法の特性に合わせて、一定の画素値で埋めたり、近傍画素値で埋めたり、ミラーパディングしたりすることができる。
また、高画質化部907における高画質化処理は、一つの画像処理手法だけで実施されてもよいし、二つ以上の画像処理手法を組み合わせて実施されてもよい。また、複数の高画質化手法群を並列に実施し、複数の高画質画像群を生成した上で、最も高画質な高画質画像を最終的に高画質画像として選択してもよい。なお、最も高画質な高画質画像の選択は、画質評価指数を用いて自動的に行われてもよいし、表示部307等に備えられたUI(User Interface)に複数の高画質画像群を表示して、検者(操作者)の指示に応じて行われてもよい。
なお、高画質化していない画像の方が、画像検査に適している場合もあるので、最終的な画像の選択の対象には高画質化していない画像を加えてよい。また、高画質化モデルに対して、低画質画像とともにパラメータを入力してもよい。高画質化モデルに対して、入力画像とともに、例えば、高画質化を行う程度を指定するパラメータや、画像処理手法に用いられる画像フィルタサイズを指定するパラメータを入力してもよい。
(高画質化モデルの学習データ)
次に、本実施例に係る高画質化モデルの学習データについて説明する。本実施例に係る学習データの入力データは、架台装置10と同じ機種、架台装置10と同じ設定により取得された低画質な画像である。また、高画質化モデルの学習データの出力データは、例えば重ね合わせ処理等の画像処理を用いて取得された高画質な画像である。具体的には、出力データは、例えば、複数回撮影することにより取得した画像群に対して加算平均等の重ね合わせ処理を行うことにより得られる高画質な画像とすることができる。また、学習データの出力データは、例えば、入力データに関する線量よりも高い線量での撮影で取得した高画質な画像から算出される高画質な画像とすることもできる。
このように学習を行った高画質化モデルを用いることで、高画質化部907は、重ね合わせ処理等によってノイズ低減等が行われたような高画質な画像を出力できる。このため、高画質化部907は、入力画像である低画質画像に基づいて、画像検査に適した高画質な画像を生成することができる。
なお、ここでは学習データの出力データとして重ね合わせ画像を用いる例について説明したが、高画質化モデルの学習データの出力データはこれに限られない。学習データの出力データは、入力データに対応する高画質画像であればよく、例えば、検査に適するようにコントラスト補正を行った画像、高解像度化した画像等であってもよい。また、入力データである低画質な画像に最大事後確率推定(MAP推定)処理等の統計処理を用いた画像処理を施した画像から得た画像を、学習データの出力データとして用いることもできる。なお、高画質画像の生成方法は、公知の任意の手法を用いてよい。
また、高画質化モデルとしては、ノイズ低減やコントラスト調整、さらに高解像度化など種々の高画質化処理をそれぞれ単独で行う複数の高画質化モデルを用意してもよい。また、少なくとも2つの高画質化処理を行うひとつの高画質化モデルを用意してもよい。なお、これらの場合には、学習データの出力データとしては、所望の処理に応じた高画質な画像を用いればよい。例えば、ノイズ低減処理等の個々の処理を含む高画質モデルに関しては、ノイズ低減処理等の個々の処理を施した高画質な画像を学習データの出力データとすればよい。また、複数の高画質化処理を行う高画質化モデルに関しては、例えば、ノイズ低減処理及びコントラスト補正処理等を施した高画質な画像を学習データの出力データとすればよい。
このような学習データを用いることで、画像の画質を向上させたような高画質な画像を生成する学習済モデルを構築することができる。なお、このような学習済モデルによれば、例えば、低線量で撮影した低画質な撮影画像を入力として用いて高画質な画像を取得できるため、撮影に用いる放射線量を低減することができ光子計数技術におけるパイルアップ等の発生を抑制できることが期待できる。
なお、学習済モデルは画像の種類ごとに用意されてよく、例えば、低画質なCT画像と高画質なCT画像のペアで構成した学習データを用いて学習を行うことで、低画質なCT画像を入力として高画質なCT画像を出力する学習済モデルを取得することができる。同様に、低画質な物質弁別画像と高画質な物質弁別画像のペアで構成した学習データを用いて学習を行うことで、低画質な物質弁別画像を入力として高画質な物質弁別画像を出力する学習済モデルを取得することができる。
次に、図11及び図12を参照して、本実施例に係る画像処理を含む一連の処理について説明する。図11は、本実施例に係る一連の処理のフローチャートを示す。なお、図11における処理について、図3に示す実施例1に係る一連の処理と同様の処理には実施例1に係る処理と同じ参照符号を用いて詳細な説明を省略する。処理が開始され、ステップS301及びステップS302が行われると、処理はステップS1105に移行する。なお、ステップS301では、取得部301は、例えば、被検体Sを低線量で撮影したデータを取得することができる。
ステップS1105では、高画質化部907が、生成部302によって生成されたCT画像や物質弁別画像を高画質化モデルの入力として用いることで、高画質なCT画像や高画質な物質弁別画像を取得する。なお、高画質化モデルは、画像の種類ごとや物質の種類ごとに用意されてよく、高画質化部907は、高画質化する画像の種類や弁別の対象とされた物質の種類に応じて、高画質化処理に用いる高画質化モデルを選択して用いることができる。また、高画質化モデルは、線量や撮影部位等の撮影条件に応じて複数設けられてもよい。この場合、高画質化部907は、入力として用いる画像の撮影条件に応じた高画質化モデルを用いて高画質化処理を行うことができる。なお、画像の種類や物質の種類、撮影条件に応じた学習済モデルは、画像の種類ごとの学習データや物質の種類ごとの学習データ、撮影条件ごとの学習データを用いた学習により得ることができる。
ステップS303では、解析部303が、高画質化部907によって取得された高画質なCT画像や物質弁別画像に対して解析処理を行う。解析処理としては、実施例1に係るステップS303で行われる解析処理と同様であってよい。なお、解析部303は、実施例1と同様に、高画質化される前のCT画像や物質弁別画像に対して解析処理を行うこともできる。
ステップS304では、表示制御部304が、高画質化部907によって取得された高画質なCT画像と高画質な物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示部307に表示させる。また、表示制御部304は、解析部303による高画質な画像を用いた解析結果を表示部307に表示させる。なお、表示制御部304によって表示部307に表示される表示画面は実施例1において述べた表示画面と同様のものであってよく、表示されるCT画像や物質弁別画像として、高画質なCT画像や物質弁別画像が表示されることができる。
なお、表示制御部304によって表示される表示画面では、高画質化される前の画像と高画質化された後の画像を切り替えて表示させることもできる。図12は、本実施例に係る表示画面1201の一例を示す。表示画面1201は、図5に示す表示画面501と同様の表示画面であるが、表示画面1201では、高画質化ボタン1280が更に設けられている。表示制御部304は、高画質化ボタン1280が入力部308を介して操作者によって操作された場合に、CT画像540及び物質弁別画像550を高画質化された後のCT画像及び物質弁別画像に一括して切り替える。なお、高画質化ボタン1280は、高画質化したい画像ごとに設けられてもよい。
当該処理は、実施例1で述べた他の表示画面601,701,702,703,801,802等についても同様に適用できる。また、実施例1で述べたサムネイルの一覧や経時差分等の画面についても同様に適用できる。
また、表示制御部304は、高画質化される前の画像と高画質化された後の画像を切り替えて表示させる際に、表示されている解析結果を、切り替えて表示させる画像に対応する解析結果に切り替えて表示させることができる。例えば、表示制御部304は、高画質化ボタン1280が操作され、CT画像540及び物質弁別画像550を高画質化された後の画像に切り替える際に、解析結果543,553を高画質化された後の画像についての解析結果に一括して切り替えることができる。なお、高画質化ボタンが画像ごとに設けられる場合には、表示制御部304は、切り替えられる画像に対応する解析結果を高画質化される前の画像の解析結果と高画質化された後の画像の解析結果との間で切り替えることができる。ステップS304において、表示制御部304による表示制御処理が終了すると本実施例に係る一連の処理が終了する。
上記のように、本実施例に係る表示制御部304は、放射線の強度画像及び物質弁別画像の少なくとも一方の画像を学習済モデルの入力として用いて取得した当該少なくとも一方の画像よりも高画質な画像を、操作者の指示に応じて、当該少なくとも一方の画像に切り替えて表示部307に表示させる。この場合には、操作者は、適宜、高画質化された放射線の強度画像と物質弁別画像とを対比し易い状態で観察することができ、より効率的に観察を行うことができる。
学習済モデルは、画像の種類に応じた複数の学習済モデルと、弁別される物質の種類に応じた複数の学習済モデルとの少なくとも一方を含んでよい。この場合には、学習済モデルにより、画像の種類や弁別される物質の種類に応じて、より適切に高画質化処理が行われたような画像を取得することができ、操作者はより高画質な画像を観察することで、より効率的に観察を行うことができる。
なお、本実施例では、高画質化処理を行うための高画質化モデルを用いる例について述べた。しかしながら、学習済モデルを用いた処理は高画質化処理に限られず、セグメンテーション処理等であってもよい。この場合、学習済モデルの学習データとしては、CT画像や物質弁別画像を入力データとし、入力データについて医師等が領域ごとにラベル付けを行ったラベル画像を出力データとすることができる。なお、出力データは、公知のルールベースのセグメンテーション処理によりラベル付けされたラベル画像であってもよい。なお、ルールベースとは、組織の規則性等に基づいた処理をいう。また、機械学習モデルの構成は、上述した高画質化モデルと同様の構成であってよい。
この場合には、画像処理装置930は、生成部302で生成された放射線の強度画像や物質弁別画像の少なくとも一方の画像を学習済モデルへの入力として用いることで、入力として用いられた当該少なくとも一方の画像の各領域にラベルが付された画像を取得できる。なお、当該学習済モデルも、画像の種類や物質の種類ごとに用意されてよい。この場合には、画像処理装置930は、セグメンテーションを行う画像の種類や弁別の対象とされた物質の種類に応じて、セグメンテーション処理に用いる学習済モデルを選択して用いることができる。また、当該学習済モデルも、線量や撮影部位等の撮影条件に応じて複数設けられてもよい。この場合には、画像処理装置930は、入力として用いる画像の撮影条件に応じた学習済モデルを用いてセグメンテーション処理を行うことができる。なお、画像の種類や物質の種類、撮影条件に応じた学習済モデルは、画像の種類ごとの学習データや物質の種類ごとの学習データ、撮影条件ごとの学習データを用いた学習により得ることができる。
表示制御部304は、取得されたラベル画像を解析結果として表示画面に表示することができる。なお、学習済モデルを用いた解析結果の表示についても、対応する切替ボタンを設け、表示制御部304が操作者による当該切替ボタンの操作に応じて解析結果のON/OFF等を制御してもよい。なお、表示制御部304は、取得されたラベル画像を、対応する放射線の強度画像又は物質弁別画像の少なくとも一方の画像に切り替えて表示部307に表示させることもできる。
また、表示制御部304は、画像の撮影条件に応じて、高画質化ボタンやセグメンテーション用の学習済モデルを用いた処理に関して操作者の指示を受け付けるための切替ボタンの表示の有無を変更してもよい。例えば、表示制御部304は、用意している学習済モデルの学習データの撮影条件と一致しない撮影条件による画像を表示させる場合には、高画質化ボタンやセグメンテーション用の切替ボタンを表示部307に表示させないことができる。一方で、表示制御部304は、用意している学習済モデルの学習データの撮影条件と一致する撮影条件による画像を表示させる場合には、高画質化ボタンやセグメンテーション用の切替ボタンを表示部307に表示させることができる。
ここで、撮影条件には画像の種類が含まれてもよい。この場合、表示制御部304は、例えば、CT画像に関する学習済モデルが用意されていない場合には、CT画像を表示する表示画面においてCT画像に関する学習済モデルを用いた処理に関する切替ボタンを表示させないことができる。
なお、高画質化部907や画像処理装置930は、高画質化処理や学習済モデルを用いたセグメンテーション処理を行う際に、撮影条件に基づいて、処理を行うことができるか否かを判断してもよい。この場合、表示制御部304は、高画質化部907や画像処理装置930による当該判断結果に応じて、高画質化ボタンやセグメンテーションに関する切替ボタンを表示するか否かを変更してよい。例えば、高画質化部907が撮影条件に基づいて、高画質化処理を行えないと判断した場合には、表示制御部304は、高画質化部907の判断に基づき、高画質化ボタンを表示画面に表示させないことができる。
これらの場合において、学習済モデルを用いた処理が行えないときには、表示画面上に当該処理に関するボタンが表示されなくなるため、操作者が不適切な操作を行うことを防止することができる。なお、表示制御部304は、学習済モデルを用いた処理が行えない場合に表示画面に当該処理が行えない旨のメッセージを表示してもよい。
なお、高画質化処理や学習済モデルを用いたセグメンテーション処理は、対応する高画質化ボタンや切替ボタンの操作に応じて、処理が実行されてもよい。この場合にも、表示制御部304は、撮影条件等に基づいて学習済モデルを用いた処理が行えない場合には、表示画面に当該処理が行えない旨のメッセージを表示してもよい。
なお、機械学習モデルを用いて画像を取得する場合、実際には存在していない組織等を示す画像が生成されてしまう場合がある。そのため、表示制御部304は、学習済モデルを用いて取得した高画質画像やラベル画像を表示させる場合には、これら画像が機械学習モデルを用いて取得された画像である旨を表示させてもよい。この場合には、操作者は機械学習モデルを用いて取得され画像であることを把握したうえで画像を観察することで、機械学習モデルを用いた処理に起因する誤判断等を抑止することができる。
なお、上述した高画質化モデルやセグメンテーション用の学習済モデルの学習データは、実際の撮影を行う撮影装置自体を用いて得たデータに限られない。当該画像データは、所望の構成に応じて、同型の撮影装置を用いて得たデータや、同種の撮影装置を用いて得たデータ等であってもよい。
(変形例5)
上述した様々な実施例及び変形例において、表示や解析、高画質化処理、セグメンテーション処理等に関する検者からの指示は、手動による指示(例えば、ユーザーインターフェース等を用いた指示)以外にも、音声等による指示であってもよい。このとき、例えば、機械学習により得た音声認識モデル(音声認識エンジン、音声認識用の学習済モデル)を含む機械学習モデルが用いられてもよい。また、手動による指示は、キーボードやタッチパネル等を用いた文字入力等による指示であってもよい。このとき、例えば、機械学習により得た文字認識モデル(文字認識エンジン、文字認識用の学習済モデル)を含む機械学習モデルが用いられてもよい。また、検者からの指示は、ジェスチャー等による指示であってもよい。このとき、機械学習により得たジェスチャー認識モデル(ジェスチャー認識エンジン、ジェスチャー認識用の学習済モデル)を含む機械学習モデルが用いられてもよい。
また、検者からの指示は、モニタ上の検者の視線検出結果等であってもよい。視線検出結果は、例えば、モニタ周辺から撮影して得た検者の動画像を用いた瞳孔検出結果であってもよい。このとき、動画像からの瞳孔検出は、上述したような物体認識エンジンを用いてもよい。また、検者からの指示は、脳波、体を流れる微弱な電気信号等による指示であってもよい。
このような場合、例えば、学習データとしては、放射線の強度画像や物質弁別画像、重畳画像等の表示の指示を示す文字データ又は音声データ(波形データ)等を入力データとし、各種画像を実際に表示部307に表示させるための実行命令を出力データとする学習データであってもよい。また、学習データとしては、例えば、高画質化モデルで得た高画質画像の表示の指示を示す文字データ又は音声データ等を入力データとし、高画質画像の表示の実行命令及び高画質化ボタンをアクティブ状態に変更するための実行命令を正解データとする学習データであってもよい。同様に、学習データとしては、例えば、セグメンテーション用の学習済モデルで得たラベル画像の表示の指示を示す文字データ又は音声データ等を入力データとし、ラベル画像の表示の実行命令及び対応する切替ボタンをアクティブ状態に変更するための実行命令を正解データとする学習データであってもよい。学習データとしては、例えば、文字データ又は音声データ等が示す指示内容と実行命令内容とが互いに対応するものであれば何でもよい。また、音響モデルや言語モデル等を用いて、音声データから文字データに変換してもよい。さらに、複数のマイクで得た波形データを用いて、音声データに重畳しているノイズデータを低減する処理を行ってもよい。また、文字又は音声等による指示と、マウス、タッチパネル等による指示とを、検者からの指示に応じて選択可能に構成されてもよい。さらに、文字又は音声等による指示のオン・オフを、検者からの指示に応じて選択可能に構成されてもよい。
ここで、機械学習には、上述したような深層学習があり、また、多階層のニューラルネットワークの少なくとも一部には、例えば、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)を用いることができる。ここで、本変形例に係る機械学習モデルの一例として、時系列情報を扱うニューラルネットワークであるRNNに関して、図13(a)及び図13(b)を参照して説明する。また、RNNの一種であるLong short-term memory(以下、LSTM)に関して、図14(a)及び図14(b)を参照して説明する。
図13(a)は、機械学習モデルであるRNNの構造を示す。RNN1320は、ネットワークにループ構造を持ち、時刻tにおいてデータx1310を入力し、データh1330を出力する。RNN1320はネットワークにループ機能を持つことから、現時刻の状態を次の状態に引き継ぐことが可能であるため、時系列情報を扱うことができる。図13(b)には時刻tにおけるパラメータベクトルの入出力の一例を示す。データx1310にはN個(Params1~ParamsN)のデータが含まれる。また、RNN1320より出力されるデータh1330には入力データに対応するN個(Params1~ParamsN)のデータが含まれる。
しかしながら、RNNでは誤差逆伝搬時に長期時間の情報を扱うことができないため、LSTMが用いられることがある。LSTMは、忘却ゲート、入力ゲート、及び出力ゲートを備えることで長期時間の情報を学習することができる。ここで、図14(a)にLSTMの構造を示す。LSTM1440において、ネットワークが次の時刻tに引き継ぐ情報は、セルと呼ばれるネットワークの内部状態ct-1と出力データht-1である。なお、図の小文字(c、h、x)はベクトルを表している。
次に、図14(b)にLSTM1440の詳細を示す。図14(b)において、FGは忘却ゲートネットワーク、IGは入力ゲートネットワーク、OGは出力ゲートネットワークを示し、それぞれはシグモイド層である。そのため、各要素が0から1の値となるベクトルを出力する。忘却ゲートネットワークFGは過去の情報をどれだけ保持するかを決め、入力ゲートネットワークIGはどの値を更新するかを判定するものである。CUは、セル更新候補ネットワークであり、活性化関数tanh層である。これは、セルに加えられる新たな候補値のベクトルを作成する。出力ゲートネットワークOGは、セル候補の要素を選択し、次の時刻にどの程度の情報を伝えるか選択する。
なお、上述したLSTMのモデルは基本形であるため、ここで示したネットワークに限らない。ネットワーク間の結合を変更してもよい。LSTMではなく、QRNN(Quasi Recurrent Neural Network)を用いてもよい。さらに、機械学習モデルは、ニューラルネットワークに限定されるものではなく、ブースティングやサポートベクターマシン等が用いられてもよい。また、検者からの指示が文字又は音声等による入力の場合には、自然言語処理に関する技術(例えば、Sequence to Sequence)が適用されてもよい。また、検者に対して文字又は音声等による出力で応答する対話エンジン(対話モデル、対話用の学習済モデル)が適用されてもよい。
なお、実施例2で説明した高画質化モデルやセグメンテーション用の学習済モデルでは、入力データの画像の輝度値の大小、明部と暗部の順番や傾き、位置、分布、連続性等を特徴量の一部として抽出して、推論処理に用いているものと考えらえる。一方で、音声認識用や文字認識用、ジェスチャー認識用等の学習済モデルでは、時系列のデータを用いて学習を行っているため、入力される連続する時系列のデータ値間の傾きも特徴量の一部として抽出し、推定処理に用いているものと考えられる。そのため、このような学習済モデルは、具体的な数値の時間的な変化による影響を推定処理に用いることで、精度のよい推定を行うことができると期待される。
また、上述した高画質化モデルやセグメンテーション用の学習済モデルは画像処理装置930に設けられることができる。学習済モデルは、例えば、CPUや、MPU、GPU、FPGA等のプロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール等で構成されてもよいし、ASIC等の特定の機能を果たす回路等によって構成されてもよい。また、学習済モデルは、画像処理装置930と接続される別のサーバの装置等に設けられてもよい。この場合には、画像処理装置930は、インターネット等の任意のネットワークを介して学習済モデルを備えるサーバ等に接続することで、学習済モデルを用いることができる。ここで、学習済モデルを備えるサーバは、例えば、クラウドサーバや、フォグサーバ、エッジサーバ等であってよい。なお、施設内や、施設が含まれる敷地内、複数の施設が含まれる地域内等のネットワークを無線通信可能に構成する場合には、例えば、施設や、敷地、地域等に限定で割り当てられた専用の波長帯域の電波を用いるように構成することで、ネットワークの信頼性を向上させてもよい。また、高速や、大容量、低遅延、多数同時接続が可能な無線通信によりネットワークが構成されてもよい。
なお、実施例1乃至3では、生成部302がCT画像等の放射線の強度画像や物質弁別画像を生成する例について述べた。しかしながら、取得部301が、任意のネットワークを介して、不図示の画像処理装置や記憶装置から放射線の強度画像や物質弁別画像を取得し、取得した画像が表示処理や他の画像処理等に用いられてもよい。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。コンピュータは、1つ又は複数のプロセッサ若しくは回路を有し、コンピュータ実行可能命令を読み出し実行するために、分離した複数のコンピュータ又は分離した複数のプロセッサ若しくは回路のネットワークを含みうる。
プロセッサ又は回路は、中央演算処理装置(CPU)、マイクロプロセッシングユニット(MPU)、グラフィクスプロセッシングユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はフィールドプログラマブルゲートウェイ(FPGA)を含みうる。また、プロセッサ又は回路は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、データフロープロセッサ(DFP)、又はニューラルプロセッシングユニット(NPU)を含みうる。
上記開示は、以下の構成、方法、及びプログラムを含む。
(構成1)
放射線を用いて被写体を撮影して得られた放射線の強度画像と、放射線の光子を計数することで前記被写体を撮影して得られた画像であって、弁別された物質を示す物質弁別画像とを取得する取得部と、
前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示部に表示させる表示制御部と、
を備える画像処理装置。
(構成2)
前記表示制御部は、前記物質弁別画像の周囲に弁別の対象の物質を選択するための選択肢を前記表示部に表示させる、構成1に記載の画像処理装置。
(構成3)
前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とは、放射線を用いて前記被写体を撮影して得られた共通のデータを用いて生成された画像である、構成1又は2に記載の画像処理装置。
(構成4)
前記物質弁別画像は、異なる種類の物質を弁別した複数の物質弁別画像を互いに重畳した画像を含む、構成1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成5)
前記物質弁別画像は、異なる種類の物質を弁別した複数の物質弁別画像を含む、構成1乃至4のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成6)
前記表示制御部は、前記放射線の強度画像に隣接するように前記複数の物質弁別画像のそれぞれを並べて前記表示部に表示させる、構成5に記載の画像処理装置。
(構成7)
前記表示制御部は、
複数の放射線の強度画像と、複数の物質弁別画像とを一括して切り替えて前記表示部に表示させる、又は、
前記複数の放射線の強度画像若しくは前記複数の物質弁別画像と、前記複数の放射線の強度画像及び前記複数の物質弁別画像の複数の重畳画像とを一括して切り替えて前記表示部に表示させる、構成1乃至5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成8)
前記表示制御部は、操作者の指示に応じて、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像との一方について透明度を設定し、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像の他方に重畳して前記表示部に表示させる、構成1乃至5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成9)
前記表示制御部は、操作者の指示に応じた前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とのブレンド比で前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを互いに重畳して前記表示部に表示させ、該ブレンド比は、前記放射線の強度画像の透明度と前記物質弁別画像の透明度とのうち一方を高くすると他方が低くなる関係を有する透明度の比率である、構成1乃至5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成10)
前記表示制御部は、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを前記被写体の異なる位置の放射線の強度画像と物質弁別画像とに切り替える際に、操作者の指示に応じて、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを一括して切り替えて前記表示部に表示させる、構成1乃至9のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成11)
前記表示制御部は、画像の種類を示す情報を前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像との周囲に、又は前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とに重畳して前記表示部に表示させる、構成1乃至10のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成12)
前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像との少なくとも一方を解析する解析部を更に備え、
前記表示制御部は前記解析部による解析結果を解析した画像の周囲に、又は前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像の一方に重畳して前記表示部に表示させる、構成1乃至11のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成13)
前記表示制御部は、前記被写体の撮影の直後に表示させる確認画面における解析結果として、前記被写体の詳細を解析するための解析画面における解析結果よりも簡易な解析結果を前記表示部に表示させる、構成12に記載の画像処理装置。
(構成14)
前記表示制御部は、操作者の指示に応じて、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像との少なくとも一方についての写損に関する情報を前記表示部に表示させる、構成1乃至13のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成15)
前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とは、放射線を用いて前記被写体を撮影して得られた共通のデータを用いて生成された画像であり、
前記表示制御部は、前記放射線の強度画像を前記表示部に表示させた後に、前記物質弁別画像を前記表示部に表示させる、構成1乃至14のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成16)
前記取得部は、事前の設定又は操作者の指示に応じて、前記被写体を撮影して得られた特定のエネルギー帯に関するデータを他のエネルギー帯に関するデータよりも早く取得する、構成1乃至15のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成17)
前記被写体を撮影して得たデータを用いて前記放射線の強度画像及び前記物質弁別画像を生成する生成部を更に備え、
前記生成部は、事前の設定又は操作者の指示に応じて、前記被写体の特定の位置に関する放射線の強度画像及び物質弁別画像を前記被写体の他の位置に関する放射線の強度画像及び物質弁別画像よりも早く生成する、構成1乃至16のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成18)
前記事前の設定は、撮影部位を含む撮影条件ごとに予め定められた設定、及び疾病に応じた撮影モードごとに予め定められた設定の少なくとも一方を含む、構成16又は17に記載の画像処理装置。
(構成19)
前記表示制御部は、前記放射線の強度画像及び前記物質弁別画像の少なくとも一方の画像を学習済モデルの入力として用いて取得した前記少なくとも一方の画像よりも高画質な画像を、操作者の指示に応じて、前記少なくとも一方の画像に切り替えて前記表示部に表示させる、構成1乃至18のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成20)
前記表示制御部は、前記放射線の強度画像及び前記物質弁別画像の少なくとも一方の画像を学習済モデルの入力として用いて取得した前記少なくとも一方の画像の各領域にラベルが付された画像を、操作者の指示に応じて、前記少なくとも一方の画像に切り替えて前記表示部に表示させる、構成1乃至19のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成21)
前記表示制御部は、前記少なくとも一方の画像の撮影条件に基づいて、前記操作者の指示を受け付けるための表示の有無を変更する、構成19又は20に記載の画像処理装置。
(構成22)
前記学習済モデルは、画像の種類に応じた複数の学習済モデルと、弁別される物質の種類に応じた複数の学習済モデルとの少なくとも一方を含む、構成19乃至21のいずれか一つに記載の画像処理装置。
(構成23)
表示に関する操作者の指示は、文字認識用の学習済モデルと、音声認識用の学習済モデルと、ジェスチャー認識用の学習済モデルとのうち少なくとも1つの学習済モデルを用いて得た情報である、構成1乃至22のいずれか1つに記載の画像処理装置。
(構成24)
放射線の光子を計数可能な放射線検出器を備え、前記被写体を撮影する撮影装置と、
構成1乃至23のいずれか一つに記載の画像処理装置と、
を備える、撮影システム。
(方法1)
放射線を用いて被写体を撮影して得られた放射線の強度画像と、放射線の光子を計数することで前記被写体を撮影して得られた画像であって、弁別された物質を示す物質弁別画像とを取得することと、
前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示部に表示させることと、
を含む画像処理方法。
(プログラム1)
コンピュータによって実行されると、該コンピュータに方法1に記載の画像処理方法の各工程を実行させるプログラム。
以上、実施例を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述の各実施例及び変形例は、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
30:画像処理装置、301:取得部、302:生成部、304:表示制御部

Claims (26)

  1. 放射線を用いて被写体を撮影して得られた放射線の強度画像と、放射線の光子を計数することで前記被写体を撮影して得られた画像であって、弁別された物質を示す物質弁別画像とを取得する取得部と、
    前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示部に表示させる表示制御部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記表示制御部は、前記物質弁別画像の周囲に弁別の対象の物質を選択するための選択肢を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とは、放射線を用いて前記被写体を撮影して得られた共通のデータを用いて生成された画像である、請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記物質弁別画像は、異なる種類の物質を弁別した複数の物質弁別画像を互いに重畳した画像を含む、請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記物質弁別画像は、異なる種類の物質を弁別した複数の物質弁別画像を含む、請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 前記表示制御部は、前記放射線の強度画像に隣接するように前記複数の物質弁別画像のそれぞれを並べて前記表示部に表示させる、請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記表示制御部は、
    複数の放射線の強度画像と複数の物質弁別画像とを一括して切り替えて前記表示部に表示させる、又は、
    前記複数の放射線の強度画像若しくは前記複数の物質弁別画像と、前記複数の放射線の強度画像及び前記複数の物質弁別画像の複数の重畳画像とを一括して切り替えて前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 前記表示制御部は、操作者の指示に応じて、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像との一方について透明度を設定し、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像との他方に重畳して前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  9. 前記表示制御部は、操作者の指示に応じた前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とのブレンド比で前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを互いに重畳して前記表示部に表示させ、該ブレンド比は、前記放射線の強度画像の透明度と前記物質弁別画像の透明度とのうち一方を高くすると他方が低くなる関係を有する透明度の比率である、請求項1に記載の画像処理装置。
  10. 前記表示制御部は、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを前記被写体の異なる位置の放射線の強度画像と物質弁別画像とに切り替える際に、操作者の指示に応じて、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを一括して切り替えて前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  11. 前記表示制御部は、画像の種類を示す情報を前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像との周囲に、又は前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とに重畳して前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  12. 前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像との少なくとも一方を解析する解析部を更に備え、
    前記表示制御部は前記解析部による解析結果を解析した画像の周囲に、又は前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像の一方に重畳して前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  13. 前記表示制御部は、前記被写体の撮影の直後に表示させる確認画面における解析結果として、前記被写体の詳細を解析するための解析画面における解析結果よりも簡易な解析結果を前記表示部に表示させる、請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記表示制御部は、操作者の指示に応じて、前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像との少なくとも一方についての写損に関する情報を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  15. 前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とは、放射線を用いて前記被写体を撮影して得られた共通のデータを用いて生成された画像であり、
    前記表示制御部は、前記放射線の強度画像を前記表示部に表示させた後に、前記物質弁別画像を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  16. 前記取得部は、事前の設定又は操作者の指示に応じて、前記被写体を撮影して得られた特定のエネルギー帯に関するデータを他のエネルギー帯に関するデータよりも早く取得する、請求項1に記載の画像処理装置。
  17. 前記被写体を撮影して得たデータを用いて前記放射線の強度画像及び前記物質弁別画像を生成する生成部を更に備え、
    前記生成部は、事前の設定又は操作者の指示に応じて、前記被写体の特定の位置に関する放射線の強度画像及び物質弁別画像を前記被写体の他の位置に関する放射線の強度画像及び物質弁別画像よりも早く生成する、請求項1に記載の画像処理装置。
  18. 前記事前の設定は、撮影部位を含む撮影条件ごとに予め定められた設定、及び疾病に応じた撮影モードごとに予め定められた設定の少なくとも一方を含む、請求項16又は17に記載の画像処理装置。
  19. 前記表示制御部は、前記放射線の強度画像及び前記物質弁別画像の少なくとも一方の画像を学習済モデルの入力として用いて取得した前記少なくとも一方の画像よりも高画質な画像を、操作者の指示に応じて、前記少なくとも一方の画像に切り替えて前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  20. 前記表示制御部は、前記放射線の強度画像及び前記物質弁別画像の少なくとも一方の画像を学習済モデルの入力として用いて取得した前記少なくとも一方の画像の各領域にラベルが付された画像を、操作者の指示に応じて、前記少なくとも一方の画像に切り替えて前記表示部に表示させる、請求項1に記載の画像処理装置。
  21. 前記表示制御部は、前記少なくとも一方の画像の撮影条件に基づいて、前記操作者の指示を受け付けるための表示の有無を変更する、請求項19又は20に記載の画像処理装置。
  22. 前記学習済モデルは、画像の種類に応じた複数の学習済モデルと、弁別される物質の種類に応じた複数の学習済モデルとの少なくとも一方を含む、請求項19又は20に記載の画像処理装置。
  23. 表示に関する操作者の指示は、文字認識用の学習済モデルと、音声認識用の学習済モデルと、ジェスチャー認識用の学習済モデルとのうち少なくとも1つの学習済モデルを用いて得た情報である、請求項1に記載の画像処理装置。
  24. 放射線の光子を計数可能な放射線検出器を備え、前記被写体を撮影する撮影装置と、
    請求項1に記載の画像処理装置と、
    を備える、撮影システム。
  25. 放射線を用いて被写体を撮影して得られた放射線の強度画像と、放射線の光子を計数することで前記被写体を撮影して得られた画像であって、弁別された物質を示す物質弁別画像とを取得することと、
    前記放射線の強度画像と前記物質弁別画像とを並べて、切り替えて、又は重畳して表示部に表示させることと、
    を含む画像処理方法。
  26. コンピュータによって実行されると、該コンピュータに請求項25に記載の画像処理方法の各工程を実行させるプログラム。
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