JP2024029575A - 免震機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな地震力でも免震層の変位を抑制することができる免震機構を提供する。【解決手段】免震機構1は、下部構造体11と下部構造体11の上方に配置された上部構造体16との間に形成される免震層Sに配置され、下部構造体11及び上部構造体16のいずれか一方に固定され、地震時に、上部構造体16を水平方向に移動可能に支持する複数の免震装置2A,2Bと、下部構造体11及び上部構造体16の他方における免震装置2を向く面に固定され、地震時に、免震装置2のそれぞれを水平方向に移動可能に支持する変位制御装置3A,3Bと、を備え、複数の免震装置2A,2Bを支持する変位制御装置3A,3Bにおいて、摩擦係数が異なり、摩擦係数が小さい方の免震装置2Bの外周側に壁部4が設置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、免震機構に関するものである。
近年、建築構造物において、従来想定されていた耐震設計用入力地震動を上回る地震動に対する対策が求められる場合がある。この場合、免震構造では、免震層に許容される最大変位や最大速度などについて、従来考えられていた許容値を上回る値が必要になることになる。
このため、上部被支持体と下部支持体との間に弾性体を設置して、弾性体の上下両面に滑り材を設けることで、免震層の可動範囲を倍増させる構成が提案されている(下記の特許文献1参照)。
しかしながら、上記の免震機構では、大きな地震力が生じると、免震層が過度に変位してしまうというという問題点がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大きな地震力でも免震層の変位を抑制することができる免震機構を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る免震機構は、下部構造体と前記下部構造体の上方に配置された上部構造体との間に形成される免震層に配置され、前記下部構造体及び前記上部構造体のいずれか一方に固定され、地震時に、前記上部構造体を水平方向に移動可能に支持する複数の免震装置と、前記下部構造体及び前記上部構造体の他方における前記免震装置を向く面に固定され、前記地震時に、前記免震装置のそれぞれを水平方向に移動可能に支持する変位制御装置と、を備え、前記複数の免震装置を支持する前記変位制御装置において、摩擦係数が異なり、前記摩擦係数が小さい方の前記免震装置の外周側に壁部が設置されている。
すなわち、本発明に係る免震機構は、下部構造体と前記下部構造体の上方に配置された上部構造体との間に形成される免震層に配置され、前記下部構造体及び前記上部構造体のいずれか一方に固定され、地震時に、前記上部構造体を水平方向に移動可能に支持する複数の免震装置と、前記下部構造体及び前記上部構造体の他方における前記免震装置を向く面に固定され、前記地震時に、前記免震装置のそれぞれを水平方向に移動可能に支持する変位制御装置と、を備え、前記複数の免震装置を支持する前記変位制御装置において、摩擦係数が異なり、前記摩擦係数が小さい方の前記免震装置の外周側に壁部が設置されている。
このように構成された免震機構では、上部構造体に水平荷重が作用した第1段階では、摩擦係数が小さい方の変位制御装置が水平方向に変位するとともに、剛性の小さい方の免震装置が変位する。摩擦係数が小さい方の変位制御装置に支持された免震装置が壁部に当接すると、第1段階が終了する。上部構造体に生じる水平荷重がさらに増大した第2段階では、摩擦係数が大きい方の変位制御装置が水平方向に変位するとともに、剛性の大きい方の免震装置が変位する。このように、摩擦係数の異なる変位制御装置を設置することで、複数の免震装置において地震力(水平荷重)を負担し始める時期をずらすことができるため、大きな地震力でも免震層の変位を抑制することができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記変位制御装置は、前記下部構造体及び前記上部構造体の他方における前記免震装置を向く面に固定された滑り板と、前記免震装置における前記下部構造体及び前記上部構造体の他方を向く面に固定され、前記滑り板に対して滑動可能な滑り材と、を有し、前記壁部が設置されているのは、前記滑り板と前記滑り材との間の前記摩擦係数が小さい方の前記免震装置の外周側であってもよい。
このように構成された免震機構では、変位制御装置は、滑り板と滑り材とを備えた構成であり、滑り板と滑り材との間の摩擦係数を変更することで、変位制御装置の摩擦係数を変更することができ、簡易な方法で摩擦係数を制御することができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記摩擦係数が小さい方の前記変位制御装置は、リニアガイドであり、前記摩擦係数が大きい方の前記変位制御装置は、前記下部構造体及び前記上部構造体の他方における前記免震装置を向く面に固定された滑り板と、前記免震装置における前記下部構造体及び前記上部構造体の他方を向く面に固定され、前記滑り板に対して滑動可能な滑り材と、を有していてもよい。
このように構成された免震機構では、摩擦係数が小さい方の変位制御装置は、リニアガイドである。摩擦係数が大きい方の変位制御装置は、滑り板と滑り材とを備えた構成であり、滑り板と滑り材との間の摩擦係数を変更することで、変位制御装置の摩擦係数を変更することができ、簡易な方法で摩擦係数を制御することができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記滑り板は、前記下部構造体の上面に固定され、
前記滑り材は、前記免震装置の下面に固定されていてもよい。
前記滑り材は、前記免震装置の下面に固定されていてもよい。
このように構成された免震機構では、滑り板は下部構造体の上面に固定され、滑り材は免震装置の下面に固定されている。よって、滑り板及び滑り材を容易に設置することができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記壁部は、前記下部構造体から上方に立設するように設けられていてもよい。
このように構成された免震機構では、壁部は、下部構造体から上方に立設するように設けられている。よって、壁部を下部構造体と一体として施工したり、下部構造体に固定したりすればよいため、壁部の施工性が良い。
また、本発明に係る免震機構では、前記壁部は、前記免震装置の外周を全周にわたって配置されていてもよい。
このように構成された免震機構では、壁部は、免震装置の外周を全周にわたって配置されている。よって、免震装置の水平面に沿う任意の方向への移動を規制することができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記壁部における前記免震装置を向く面には、緩衝材が設けられていてもよい。
このように構成された免震機構では、壁部における免震装置を向く面には、緩衝材が設けられている。よって、免震装置が壁部に衝突した際の衝撃を緩和したり、免震装置及び壁部の損傷を抑制したりすることができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記免震装置は、積層ゴム及び鋼板が積層して形成されていてもよい。
このように構成された免震機構では、免震装置は、積層ゴム及び鋼板が積層して形成されている。よって、水平面に沿う任意の方向に追従でき、大きな復元力を有する積層ゴムによって地震後の残留変位を抑制することができる。
本発明に係る免震機構によれば、大きな地震力でも免震層の変位を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る免震機構について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る免震機構を示す模式的に立面図である。
図1に示すように、免震機構1は、下部構造体11と下部構造体11の上方に配置された上部構造体16との間の免震層Sに設置されている。下部構造体11は、例えば基礎であり、鉄筋コンクリートで形成されている。上部構造体16は、例えば建物であり、鉄筋コンクリートで形成されている。なお、下部構造体11の構造及び上部構造体16の構造は、鉄筋コンクリートに限られない。
図1は、本発明の一実施形態に係る免震機構を示す模式的に立面図である。
図1に示すように、免震機構1は、下部構造体11と下部構造体11の上方に配置された上部構造体16との間の免震層Sに設置されている。下部構造体11は、例えば基礎であり、鉄筋コンクリートで形成されている。上部構造体16は、例えば建物であり、鉄筋コンクリートで形成されている。なお、下部構造体11の構造及び上部構造体16の構造は、鉄筋コンクリートに限られない。
免震機構1は、複数の免震装置2と、複数の免震装置2のそれぞれに設けられた変位制御装置3と、ストッパー4と、を備えている。ストッパー4は、請求項の壁部に対応する。図1では、建物の免震層Sに設置される免震装置2のうち2台の免震装置2を示している。
免震装置2は、上部構造体16に固定され、地震時に、上部構造体16を水平方向に移動可能に支持している。
免震装置2は、下側フランジ21と、上側フランジ22と、積層ゴム23と、を有している。免震装置2は、天然ゴム系積層ゴム、鉛プラグ入り積層ゴム、高減衰系積層ゴム等の周知の構成である。
下側フランジ21は、平板状に形成されている。下側フランジ21の板面は、上下方向を向いている。下側フランジ21は、後述する滑り板31の上側に設置されている。
上側フランジ22は、下側フランジ21の上方に配置されている。上側フランジ22は、平板状に形成されている。上側フランジ22の板面は、上下方向を向いている。上側フランジ22は、不図示の固定具によって上部構造体16に固定されている。
積層ゴム23は、下側フランジ21と上側フランジ22との間に配置されている。積層ゴム23は、例えば複数の円盤状の積層ゴムと複数の円盤状の鋼板とが交互に積層されて構成されている。
変位制御装置3は、下部構造体11の上面11uに固定されている。変位制御装置3は、複数の免震装置2のそれぞれの下側に設置されている。変位制御装置3は、免震装置2を水平方向に移動可能に支持している。変位制御装置3は、滑り板31と、滑り材32と、を有している。下部構造体11の上面11uは、請求項の下部構造体11における免震装置2を向く面に対応する。
滑り板31は、下部構造体11の上面11uに不図示の固定具で固定されている。滑り板31は、高摩擦性材料で形成されている。滑り板31は、例えばステンレス製の鋼板で形成されている。
滑り材32は、下側フランジ21の下面21dに固定されている。滑り材32は、滑り摩擦係数を低減させるための部材である。滑り材32は、滑り板31の上側に配置されている。滑り材32は、滑り板31に対して滑動可能である。滑り材32は、例えばポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene:PTFE)、いわゆるテフロン(登録商標)等を採用することができる。下側フランジ21の下面21dは、請求項の免震装置における下部構造体11を向く面に対応する。
図1に示す2台の免震装置2にそれぞれ設置される変位制御装置3において、図1の左側に示す変位制御装置3を変位制御装置3Aとして、右側に示す変位制御装置3を変位制御装置3Bとする。
変位制御装置3A,3Bにおいて、摩擦係数が異なる。変位制御装置3Bの滑り板31(「滑り板31B」とする)と滑り材32(「滑り材32B」とする)との間の摩擦係数は、変位制御装置3Aの滑り板31(「滑り板31A」とする)と滑り材32(「滑り材32A」とする)との間の摩擦係数よりも小さい。
ストッパー4は、摩擦係数が小さい変位制御装置3Bが設置される免震装置2(「免震装置2B」とする)の外周側に設置されている。ストッパー4と免震装置2Bの下側フランジ21との離間長さを長さA0で示す。ストッパー4は、免震装置2Bの外周側の全周にわたって配置されている。ストッパー4は、平面視環状や四方枠状に配置されている。なお、ストッパー4は、免震装置2と水平方向に離間して配置されていれば、外周側の全周に配置されていなくてもよい。ストッパー4が設置されていない免震装置2を「免震装置2A」とする。
ストッパー4は、下部構造体11から上方に立設されている。ストッパー4は、下部構造体11と一体に形成されていてもよく、あるいは下部構造体11に固定された構成であってもよい。
ストッパー4の内側の面4aには、不図示の緩衝材が設けられていてもよい。ストッパー4の内側の面4aは、請求項のストッパー4における変位制御装置3B側を向く面に対応する。
図2は、免震機構1の挙動を示す図であり、(a)平時を示し、(b)第1段階の挙動を示し、(c)第2段階の挙動を示す。
図2(a)に示すように、平時では、免震装置2の積層ゴム23は変形しておらず、上側フランジ22は、下側フランジ21の直上に配置されている。
図2(a)に示すように、平時では、免震装置2の積層ゴム23は変形しておらず、上側フランジ22は、下側フランジ21の直上に配置されている。
図2(b)に示すように、上部構造体16に水平荷重が作用すると、滑り板31と滑り材32との摩擦係数が小さい方の免震装置2B側において、滑り材32Bが滑り板31B上を滑動し始める。滑り材32Bの滑動にともなって、滑り材32Bが固定された免震装置2Bに支持された上部構造体16が水平方向に変位する。上部構造体16の水平方向に変位にともなって、免震装置2Aの積層ゴム23(以下、「積層ゴム23A」とする)が変形する。この第1段階では、免震装置2Bの積層ゴム23(以下、「積層ゴム23B」とする)は変形しておらず、免震装置2A側の滑り材32Aは滑動していない。第1段階では、水平荷重を積層ゴム23Aが負担している。なお、この場合、積層ゴム23Aの剛性は、積層ゴム23Bの剛性よりも低いものとする。
滑り材32Bの水平方向の滑動長さ、上部構造体16の水平方向の変位長さ及び積層ゴム23Aの水平方向の変形長さを長さA1で示す。長さA1が長さA0と等しくなると、免震装置2Bの下側フランジ21がストッパー4に当接して、滑り材32Bの滑動が停止する。
図2(c)に示すように、上部構造体16に生じる水平荷重が更に増加すると、滑り板31と滑り材32との摩擦係数が大きい方の免震装置2A側において、滑り材32Aが滑り板31A上を滑動し始める。滑り材32Aの滑動にともなって、滑り材32Aが固定された免震装置2Aに支持された上部構造体16が水平方向に更に変位する。上部構造体16の水平方向に変位にともなって、積層ゴム23Bが変形する。この第2段階では、積層ゴム23Aは第1段階で変形したよりも更に変形することはない。第2段階では、水平荷重を積層ゴム23Bが負担している。
滑り材32Aの水平方向の滑動長さ、上部構造体16の水平方向の変位長さ及び積層ゴム23Bの水平方向の変形長さを長さA2で示す。第1段階と第2段階を合わせて長さA3=A1+A2は、積層ゴム23Aの水平方向の変形可能長さと積層ゴム23Bの水平方向の変形可能長さの合計に等しい。
図3は、免震機構1における荷重と変形の関係を示す図である。横軸に荷重を示し、縦軸に変形を示す。左側の図は、免震装置2A及び変位制御装置3Aによる荷重と変形の関係を示している。中央の図は、免震装置2B及び変位制御装置3Bによる荷重と変形の関係を示している。右側の図は、免震機構1全体の荷重と変形の関係を示している。第1段階で変形した後に、更に第2段階で変形していることが分かる。
次に、上記に示す免震機構1の解析結果について説明する。
解析対象を、平面規模32m×28m=896m2、単位面積当たりの質量を0.6ton/m2として、基準階質量を538ton、10階建て(ただし、免震上部1階を基準階の2倍とする)として、6456tonの建物とし、全体を1質点としてモデル化する。
解析対象を、平面規模32m×28m=896m2、単位面積当たりの質量を0.6ton/m2として、基準階質量を538ton、10階建て(ただし、免震上部1階を基準階の2倍とする)として、6456tonの建物とし、全体を1質点としてモデル化する。
免震装置2Aの剛性を15120kN/m(周期4.1秒)、粘性減衰係数を4940kNsec/m(減衰25%)とする。免震装置2Aに直列した滑り面(滑り板31Aと滑り材32Aとの摺動面)の滑り荷重を7560kN(建物重量の1/2を支持しているとすると、滑り係数=7560/(0.5×6456×9.8)=0.239、滑動した際の免震装置2Aの変形は0.5m)とする。
免震装置2Bの剛性を免震装置2Aの剛性の2倍として、30240kN/m、免震装置2Bに直列した滑り面(滑り板31Bと滑り材32Bとの摺動面)の滑り荷重を355kN(建物重量の1/2を支持しているとすると、滑り係数=355/(0.5×6456×9.8)=0.011)、滑り機構に並列したストッパー4までのストロークA0=0.5mとする。
入力地震動は、レベル2としてOS1(国土交通省「超高層建築物等における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動対策について」(2016年、国住指第1111号)に示された大阪地方の加速度データから)、より大きい長周期地震動としてTCU068(1999年台湾・集集地震の際の石岡での観測記録で、ここでは主軸方向を求めて使用する)を採用する。
OS1、TCU068に対する免震機構1(免震装置2A+変位制御装置3A+免震装置2B+変位制御装置3B)、オイルダンパ、オイルダンパを含めた免震層S全体の荷重変形関係を図4及び図5に示す。図4は、入力地震波OS1の荷重変形結果を示す図であり、(a)は免震機構のみの場合を示し、(b)オイルダンパの場合を示し、(c)はオイルダンパを含めた免震層全体を示す。図5は、入力地震波TCU068の荷重変形結果を示す図であり、(a)は免震機構のみの場合を示し、(b)オイルダンパの場合を示し、(c)はオイルダンパを含めた免震層全体を示す。
また、比較のため、免震装置2A及び変位制御装置3Aのみの場合(免震装置2B及び変位制御装置3Bを設置しない場合)を図6及び図7に示す。免震装置2Aに直列した滑り面が滑動した場合、反力の増加がわずかで、変位が進行する。図4~図7において、単位はN、mである。図6は、比較例において、入力地震波OS1の荷重変形結果を示す図であり、(a)は免震装置2A及び変位制御装置3Aの場合を示し、(b)オイルダンパの場合を示し、(c)は免震装置2A、変位制御装置3A及びオイルダンパの場合を示す。図7は、比較例において、入力地震波TCU068の荷重変形結果を示す図であり、(a)は免震装置2A及び変位制御装置3Aの場合を示し、(b)オイルダンパの場合を示し、(c)は免震装置2A、変位制御装置3A及びオイルダンパの場合を示す。
また、応力結果を下記の表1に纏めて示す。
OS1に対しては、免震機構1と比較例とでは、免震装置2Bと直列の摩擦係数が低い変位制御装置3B(低摩擦滑り機構)の挙動が異なるだけであり、何れも免震層の変位は50cm以下となっている。
一方、TCU068に対しては、免震機構1は免震層Sの変位が50cmを超えると反力が大きくなり、最終的には最大83cmであった。それに対して比較例では変形が進み、最大変位は161cmとなっている。
以上のように、免震機構1によれば、従来の免震装置2を利用して、免震層S全体の可動変位を倍増することが可能となるとともに、免震装置2Bの剛性が地震力の増加に抵抗するため、免震層Sの変位は単に滑り面を拡大した場合よりも抑制することができる。
このように構成された免震機構1では、上部構造体16に水平荷重が作用した第1段階では、摩擦係数が小さい方の変位制御装置3Bが水平方向に変位するとともに、剛性の小さい方の免震装置2Aが変位する。摩擦係数が小さい方の変位制御装置3Bに支持された免震装置2Bがストッパー4に当接すると、第1段階が終了する。上部構造体16に生じる水平荷重がさらに増大した第2段階では、摩擦係数が大きい方の変位制御装置3Aが水平方向に変位するとともに、剛性の大きい方の免震装置2Bが変位する。このように、摩擦係数の異なる変位制御装置3を設置することで、複数の免震装置2A,2Bにおいて地震力(水平荷重)を負担し始める時期をずらすことができるため、大きな地震力でも免震層の変位を抑制することができる。
また、変位制御装置3は、滑り板31と滑り材32とを備えた構成であり、滑り板31と滑り材32との間の摩擦係数を変更することで、変位制御装置3の摩擦係数を変更することができ、簡易な方法で摩擦係数を制御することができる。
また、滑り板31は下部構造体11の上面11uに固定され、滑り材32は免震装置2の下面21dに固定されている。よって、滑り板31及び滑り材32を容易に設置することができる。
また、ストッパー4は、下部構造体11から上方に立設するように設けられている。よって、ストッパー4を下部構造体11と一体として施工したり、下部構造体11に固定したりすればよいため、ストッパー4の施工性が良い。
また、ストッパー4は、免震装置2Bの外周を全周にわたって配置されている。よって、免震装置2Bの水平面に沿う任意の方向への移動を規制することができる。
また、ストッパー4の面4aには、緩衝材が設けられていてもよい。これによって、免震装置2がストッパー4に衝突した際の衝撃を緩和したり、免震装置2及びストッパー4の損傷を抑制したりすることができる。
また、免震装置2は、積層ゴム及び鋼板が積層して形成されている。よって、水平面に沿う任意の方向に追従でき、大きな復元力を有する積層ゴムによって地震後の残留変位を抑制することができる。
なお、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記に示す実施形態では、変位制御装置3は、滑り板31と滑り材32とを備えた構成であるが、本発明はこれに限られない。摩擦係数が小さい方の変位制御装置3は、リニアガイドであってもよい。リニアガイドは、周知の構成であり、不図示のレールとレールに案内されてレールの延設方向に移動自在に支持されたガイドと、を有し、レール及びガイドのいずれか一方が免震装置2の下側フランジ21に固定され、レール及びガイドの他方が下部構造体11に固定された構成であってもよい。
また、上記に示す実施形態では、免震装置2が上部構造体16に固定され変位制御装置3が下部構造体11に固定されているが、本発明はこれに限られない。免震装置2が下部構造体11に固定され変位制御装置3が上部構造体16に固定される構成であってもよい。この場合には、変位制御装置3の滑り板31は上部構造体16の下面に固定され、滑り材32は免震装置2の上面に固定されていればよい。
また、免震装置2は3台以上設置されていてもよい。この場合には、少なくとも2台の変位制御装置3において摩擦係数が異なるようにすればよい。
2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。本実施形態に係る接合構造100は、このSDGsの17の目標のうち、例えば「11.住み続けられるまちづくりを」の目標などの達成に貢献し得る。
1 免震機構
2,2A,2B 免震装置
3,3A,3B 変位制御装置
4 ストッパー(壁部)
11 下部構造体
16 上部構造体
31,31A,31B 滑り板
32,32A,32B 滑り材
S 免震層
2,2A,2B 免震装置
3,3A,3B 変位制御装置
4 ストッパー(壁部)
11 下部構造体
16 上部構造体
31,31A,31B 滑り板
32,32A,32B 滑り材
S 免震層
Claims (8)
- 下部構造体と前記下部構造体の上方に配置された上部構造体との間に形成される免震層に配置され、前記下部構造体及び前記上部構造体のいずれか一方に固定され、地震時に、前記上部構造体を水平方向に移動可能に支持する複数の免震装置と、
前記下部構造体及び前記上部構造体の他方における前記免震装置を向く面に固定され、前記地震時に、前記免震装置のそれぞれを水平方向に移動可能に支持する変位制御装置と、を備え、
前記複数の免震装置を支持する前記変位制御装置において、摩擦係数が異なり、
前記摩擦係数が小さい方の前記免震装置の外周側に壁部が設置されている免震機構。 - 前記変位制御装置は、
前記下部構造体及び前記上部構造体の他方における前記免震装置を向く面に固定された滑り板と、
前記免震装置における前記下部構造体及び前記上部構造体の他方を向く面に固定され、前記滑り板に対して滑動可能な滑り材と、を有し、
前記壁部が設置されているのは、前記滑り板と前記滑り材との間の前記摩擦係数が小さい方の前記免震装置の外周側である請求項1に記載の免震機構。 - 前記摩擦係数が小さい方の前記変位制御装置は、リニアガイドであり、
前記摩擦係数が大きい方の前記変位制御装置は、
前記下部構造体及び前記上部構造体の他方における前記免震装置を向く面に固定された滑り板と、
前記免震装置における前記下部構造体及び前記上部構造体の他方を向く面に固定され、前記滑り板に対して滑動可能な滑り材と、を有する請求項1に記載の免震機構。 - 前記滑り板は、前記下部構造体の上面に固定され、
前記滑り材は、前記免震装置の下面に固定されている請求項2または3に記載の免震機構。 - 前記壁部は、前記下部構造体から上方に立設するように設けられている請求項1または2に記載の免震機構。
- 前記壁部は、前記免震装置の外周側の全周にわたって配置されている請求項1または2に記載の免震機構。
- 前記壁部における前記免震装置を向く面には、緩衝材が設けられている請求項1または2に記載の免震機構。
- 前記免震装置は、積層ゴム及び鋼板が積層して形成された請求項1に記載の免震機構。
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JP2022131907A JP2024029575A (ja) | 2022-08-22 | 2022-08-22 | 免震機構 |
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ID=90104690
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-
2022
- 2022-08-22 JP JP2022131907A patent/JP2024029575A/ja active Pending
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