JP2024025554A - 成形体 - Google Patents

成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2024025554A
JP2024025554A JP2022129072A JP2022129072A JP2024025554A JP 2024025554 A JP2024025554 A JP 2024025554A JP 2022129072 A JP2022129072 A JP 2022129072A JP 2022129072 A JP2022129072 A JP 2022129072A JP 2024025554 A JP2024025554 A JP 2024025554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
molded article
mass
ethylene
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022129072A
Other languages
English (en)
Inventor
進一 金澤
Shinichi Kanazawa
泰久 湯塩
Yasuhisa Yushio
将人 馬場
Masato Baba
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2022129072A priority Critical patent/JP2024025554A/ja
Publication of JP2024025554A publication Critical patent/JP2024025554A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】高温環境下での変形を抑制できる成形体を提供する。【解決手段】本開示の一態様に係る成形体は、樹脂組成物の架橋体からなる成形体であって、上記樹脂組成物が、主成分としてのエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体と、カーボンナノチューブとを含有し、上記カーボンナノチューブの含有量が3質量%以上20質量%以下である。【選択図】なし

Description

本開示は、成形体に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEともいう。)を素材とする成形体は、耐薬品性、耐熱性などの材質的に優れた特徴を有し、多く利用されている。
従来技術においては、耐摩擦性等の機械的特性に優れたポリテトラフルオロエチレンの成形体を得る方法として、例えば、特許文献1では、ポリテトラフルオロエチレンを含む成形材料に電離性放射線を照射する工程を備えるポリテトラフルオロエチレン成形体の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
国際公開第2017/043372号
本開示の一態様に係る成形体は、樹脂組成物の架橋体からなる成形体であって、上記樹脂組成物が、主成分としてのエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体と、カーボンナノチューブとを含有し、上記カーボンナノチューブの含有量が3質量%以上20質量%以下である。
[発明が解決しようとする課題]
上記ポリテトラフルオロエチレンは溶融成形などの加工成形が容易ではない。これに対し、フッ素樹脂の中でも、耐候性や耐薬品性などの特性を有しつつ、成型性が改善されたエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEともいう。)が従来から利用されている。
しかしながら、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体においては、成型性が改善されたものの、融点が300℃を越える他のフッ素樹脂に比べると耐熱性が劣り、高温環境下での形状維持が十分ではないという課題がある。
本開示は、高温環境下での変形を抑制できる成形体の提供を目的とする。
[本開示の効果]
本開示の成形体は高温環境下での変形を抑制できる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の一態様に係る成形体は、樹脂組成物の架橋体からなる成形体であって、上記樹脂組成物が、主成分としてのエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体と、カーボンナノチューブとを含有し、上記カーボンナノチューブの含有量が3質量%以上20質量%以下である。
当該成形体は、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする樹脂組成物から構成されているので、溶融成形が容易となる。また、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分とする成形品では、外力により高分子鎖の相対的位置関係の変化が起こりやすく、塑性変形しやすい。当該成形体は、樹脂組成物の架橋体からなる成形体であるため、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の高分子鎖が相互に架橋されているため、外力により高分子鎖の相対的位置関係の変化が起こりにくいとともに、塑性変形しにくくなる。さらに、上記カーボンナノチューブの含有量が3質量%以上20質量%以下であることで、高温環境下での変形に対する抑制効果及び成型性を良好にできる。従って、当該成形体は高温環境下での変形を抑制できる。本開示において、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば含有量が51質量%以上の成分をいう。
当該成形体においては、溶融潜熱が4.0J/g以下であることが好ましい。上記溶融潜熱は、結晶量の指標となる単位質量当たりの結晶の融解に必要な熱量である。結晶は融点以上の温度で溶けて流動するが、当該成形体においては、架橋によって融点で溶融する結晶の量が低減される。当該成形体は、溶融潜熱が4.0J/g以下であることで結晶量が少なく、融点以上の高温でも流動性がなくなって変形しにくくなる。従って、当該成形体は、高温環境下での変形に対する抑制効果を向上できる。上記「溶融潜熱」は、示差走査熱量計分析により測定することができる。
当該成形体の溶融潜熱が未架橋のエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の溶融潜熱に対して10%以下であることが好ましい。当該成形体の溶融潜熱が未架橋のエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の溶融潜熱に対して10%以下であることで、当該成形体は、結晶量がより低減されるので、高温環境下での変形に対する抑制効果をより向上できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の好適な実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。
<成形体>
当該成形体は、樹脂組成物の架橋体からなる。上記樹脂組成物は主成分としてのエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体と、カーボンナノチューブとを含有する。当該成形体は、上記樹脂組成物の架橋体からなることで、成型性が良好であるとともに、高温環境下での変形に対する抑制効果を向上できる。当該成形体は、成形体は高温環境下での変形を抑制できることから、自動車における、自動変速機、ブレーキパッド、ベアリング、排気ガスのセンサー等エンジン周りの、シール材、被覆材、成形部品)等に好適に用いることができる。
当該成形体においては、溶融潜熱の上限としては、4.0J/gが好ましく、3.5J/gがより好ましく、3.0J/gがさらに好ましく、2.5J/gがよりさらに好ましい。上記溶融潜熱は、結晶量の指標となる単位質量当たりの結晶の融解に必要な熱量である。従って、上記溶融潜熱は当該成形体の結晶の含有量と相関があるとみなすことができる。結晶は融点以上の温度で溶けて流動するが、当該成形体においては、架橋によって融点で溶融する結晶の量が低減される。当該成形体は、溶融潜熱が4.0J/g以下であることで結晶量が少なく、融点以上の高温でも流動性がなくなって変形しにくくなる。従って、当該成形体は、高温環境下での変形に対する抑制効果を向上できる。なお、当該成形体の上記溶融潜熱の下限は特に限定されないが、例えば1.0J/g以下であってもよい。
当該成形体の溶融潜熱が未架橋のエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の溶融潜熱に対して10%以下であることが好ましい。当該成形体の溶融潜熱が未架橋のエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の溶融潜熱に対して10%以下であることで、当該成形体は、結晶量がより低減されるので、高温環境下での変形に対する抑制効果をより向上できる。
[樹脂組成物]
(エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体)
エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)は、エチレン(C)とテトラフルオロエチレン(C)とが重合したフッ素樹脂である。上記エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)は、耐候性、耐薬品性、成形性が良好である。
樹脂組成物におけるエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の含有量の下限としては、51質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、70質量%がさらに好ましく、75質量%がよりさらに好ましい。上記エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の含有量が上記範囲であることで、当該成形体の成型性をより向上できる。
なお、当該成形体の樹脂成分としては、本発明の効果を損なわない範囲において、上記エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体以外の他の共重合性モノマーに由来する重合単位を含んでいてもよい。例えばパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、クロロトリフルオロエチレン等の共重合性モノマーの重合単位を含んでいてもよい。上記他の共重合性モノマーに由来する重合単位の含有割合の上限としては、上記エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を構成する全重合単位に対して、例えば3モル%である。
(カーボンナノチューブ)
上記樹脂組成物は、カーボンナノチューブ(CNT)を含有する。上記樹脂組成物がカーボンナノチューブを含有することで、高温環境下での変形に対する抑制効果及び機械的強度を向上することができる。さらに、当該成形体の導電性及び帯電防止性を向上することができる。
カーボンナノチューブは、グラフェン系炭素であり、樹脂組成物において導電剤として機能する成分である。カーボンナノチューブとしては、例えば1層のグラフェンにより形成されるシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)、2層以上(例えば2層から20層、典型的には2層から60層)のグラフェンにより形成されるマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)等が挙げられる。グラフェン系炭素の構造は特に限定されず、カイラル(らせん)型、ジグザグ型、アームチェア型の何れのタイプであってもよい。樹脂組成物がカーボンナノチューブを含有することは、電子顕微鏡での観察により確認することができる。
樹脂組成物におけるカーボンナノチューブの含有量の下限としては、3質量%が好ましく、4質量%がより好ましい。カーボンナノチューブの含有量を3質量%以上とすることで、高温環境下での変形に対する抑制効果、導電性及び帯電防止性を向上できる。一方、樹脂組成物におけるカーボンナノチューブの含有量の上限としては、20質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。カーボンナノチューブの含有量を20質量%以下とすることで、成型性を良好にできる。
カーボンナノチューブの平均直径としては、特に限定されないが、樹脂組成物の導電性を向上する観点から、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、20nm以下がさらに好ましく、10nm以下がよりさらに好ましい。
カーボンナノチューブの平均長さとしては、取扱いが容易であることや、より良好な導電性を発揮すること等の観点から、1μm以上500μm以下が好ましく、1μm以上100μm以下がより好ましく、1μm以上20μm以下がさらに好ましい。
なお、上記平均直径及び平均長さとは、電子顕微鏡で観察される任意の10個のカーボンナノチューブの平均値とする。
(架橋助剤)
当該成形体は架橋助剤を含有してもよい。上記樹脂組成物が架橋助剤を含有することで、樹脂組成物の架橋を促進し、高温環境下での変形に対する抑制効果を高めることができる。上記樹脂組成物における架橋助剤の含有量の下限としては、2質量%が好ましく、3質量%がより好ましい。上記樹脂組成物における上記架橋助剤の含有量が2質量%以上であることで、高温環境下での変形に対する抑制効果をより高めることができる。上記樹脂組成物における架橋助剤の含有量の上限としては、12質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。上記樹脂組成物における上記架橋助剤の含有量が12質量%以下であることで、成型性をより良好に維持することができる。
架橋助剤としては、例えばトリアリルイソシアヌレート(以下、TAICともいう。)、ヘキサメチレンジアリルナジイミド、ジアリルイタコネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等のアリル化合物類;p-キノンジオキシム、p,p’-ジベンゾイルキノンジオキシム等のオキシム類;エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アクリル酸/酸化亜鉛混合物、アリルメタクリレート、トリメタクリルイソシアヌレート(以下、TMICともいう。)等のアクリレート又はメタクリレート類;ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルピリジン等のビニルモノマー類;N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-(4,4’-メチレンジフェニレン)ジマレイミド等のマレイミド化合物類等が挙げられる。これらの架橋助剤は単独で用いてもよいし、組み合わせて使用することもできる。これらの中でも、架橋促進効果の観点から、アリル化合物類が好ましく、トリアリルイソシアヌレートがより好ましい。
[成形体の製造方法]
当該成形体の製造方法は、主成分としてのエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体と、カーボンナノチューブとを含有する樹脂組成物を用いて成型する工程と、上記成型する工程で得られた成形体に対して電子線を照射する工程とを備える。
上記成形体の製造方法は、主成分としてのエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体と、カーボンナノチューブとを含有する樹脂組成物を電子線の照射により架橋するので、成型性を良好に維持しつつ、高温環境下での変形を抑制できる成形体を製造できる。
(成型する工程)
成型する工程では、上述のように主成分としてのエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体と、カーボンナノチューブとを含有する樹脂組成物を成形体として用いられる部材の形状に成型する。上記樹脂組成物は、上記エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体及びカーボンナノチューブと、必要により加えられる任意成分とを混練機等により混合して作製される。混練機としては公知の混練機を用いることができる。
上記樹脂組成物を成型する方法としては、特に限定されず、公知の押出成型、射出成型、切削工程等を用いることができる。成型する工程での成型方法としては、射出成型が好ましい。上記成形体の製造方法ではエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体を主成分として用いるので、成型性が容易である。
(電子線を照射する工程)
電子線を照射する工程では、上述のように成型する工程で得られた成形体に対して電子線を照射する。
電子線は上記成形体を構成する樹脂組成物に照射される。この電子線の照射により樹脂組成物の架橋が進み、得られる成形体の高温環境下での変形に対する抑制効果及び機械的強度を高めることができる。
電子線を照射する工程の雰囲気温度としては、常温以上樹脂組成物の融点以下とすることができる。
また、上記電子線を照射する工程においては、大気中で電子線の照射を行うこともできる。従って、雰囲気を調整する設備やエネルギーを必要としないため、より製造効率を高めることができる。
電子線を照射する工程での電子線の照射線量としては、50kGy以上250kGy以下が好ましく、100kGy以上200kGy以下がより好ましい。上記電子線の照射線量が50kGy未満であると、得られる成形体の高温環境下での変形を抑制効果が十分に向上しないおそれがある。一方、上記電子線の照射線量が250kGyを超えると、電子線照射の費用対効果が十分得られないおそれがある。
当該成形体によれば、成型性が良好であるとともに、高温環境下での変形を抑制できるので高温環境下での耐久性に優れる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記実施形態では、電子線を照射する工程での電子線を照射する条件が無酸素雰囲気ではなく、かつ溶融状態ではない場合を説明したが、上記条件は無酸素雰囲気かつ溶融状態とすることもできる。あるいは、無酸素雰囲気ではあるが溶融状体ではない条件や、逆に無酸素雰囲気ではないが溶融状体である条件することもできる。
以下、実施例によって本開示をさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。
[No.1~No.6]
(1)樹脂プレートの作製
樹脂組成物の材料として、下記に示すエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)及びカーボンナノチューブ(CNT)を用いた。表1に示す含有割合の材料を混合機としてブラベンダー社製「プラスチコーダー」を用いて混合した。混合条件としては、50mlの混合容器に対して混合量を40mlとした。具体的には、230℃でETFE及びCNTの混合粉末を混練した。なお、No.1及びNo.2は、樹脂組成物の材料として、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体のみを用いた。そして、全成分添加後、50rpmで5分混練して混合物を得た後、ペレット化した。得られたペレットを用いて、成形体として型締め力18tの射出成型機(住友重機械工業社製)で厚さ2mm、20mm×50mmの長方形の樹脂プレート(樹脂板)を作製した。
ETFE:AGC社製ETFE樹脂LM-2150(粉末)
CNT:OCSiAl社製TUBALL SWCNT (微粉末)
(2)電子線照射
次に、この樹脂プレートに、表1に示す照射線量[kGy]の電子線を照射した。電子線照射条件としては、加速電圧1.5MeV、1回の照射線量を20kGyとし、照射回数により全体の照射線量を調整した。電子線を照射した条件は空気雰囲気で、加熱及び冷却を伴わない常温とした。このようにしてNo.1~No.6の成形体を得た。なお、照射線量0kGyは、電子線非照射であることを示す。
[評価]
(溶融潜熱の測定)
各成形体の溶融潜熱は、事前に標準サンプルとしてインジウム及び鉛を用いて温度校正した示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社の「X-DSC7000」)を使用して測定を行った。
各成形体を粉末にした試料10mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、50m1/分の窒素気流下で、100℃~300℃の温度領域を昇温速度10℃/分で昇温させた。その後、300℃~100℃の温度領域を-50℃/分の冷却速度で降温させた。さらに、100℃まで降温した後、再度100℃~300℃の温度領域を昇温速度10℃/分で昇温させて、各成形体を粉末にした試料の溶融潜熱を測定した。結果を表1に示す。
(高温環境下での変形)
得られたNo.1~No.6の成形体について、長手方向両端部を質量5gダブルクリップにより挟み、一方のダブルクリップを上部にして固定することにより、下部ダブルクリップ側を宙づりにして、350℃の恒温槽内で30分間静置した。そして、恒温槽に入れる前の形状を基準として静置後の外観を、下記の5項目について目視にて観察した。結果を表1に示す。
(1)上部ダブルクリップの挟持部による切断の有無
(2)下部ダブルクリップの挟持部による切断の有無
(3)板状体の維持性
(4)ダブルクリップの挟持部によるへこみの状態
(5)表面の平坦性
Figure 2024025554000001
表1に示すように、主成分としてのエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体と、カーボンナノチューブとを含有し、上記カーボンナノチューブの含有量が3質量%以上20質量%以下である樹脂組成物に架橋体からなるNo.6は、高温環境下においてもダブルクリップの挟持部による切断及びへこみが生じず、板状体の形状及び表面の平坦性が維持されていた。
一方、上記カーボンナノチューブの含有量が3質量%未満であり、未架橋の樹脂組成物からなるNo.1及びNo.3は、上部ダブルクリップ及び下部ダブルクリップの挟持部により切断され、不定形な形状の状態で溶け落ちていた。
上記カーボンナノチューブの含有量が3質量%未満である樹脂組成物の架橋体からなるNo.2及びNo.4は、上部ダブルクリップ及び下部ダブルクリップの挟持部による切断は見られなかったが、1対のダブルクリップの挟持部により挟まれた部分はへこんで薄くなっていた。また、板状体の形状は維持されていたが、表面全体に歪みがあり、平坦ではなくなっていた。
上記カーボンナノチューブの含有量が10質量%であるが、未架橋の樹脂組成物からなるNo.5は、板状体の形状は維持されていたが、板状体全体が湾曲し、上部ダブルクリップの挟持部で切断されていた。また、下部ダブルクリップの挟持部により挟まれた部分はへこんで薄くなっていた。
以上の結果から、当該成形体は高温環境下での変形を抑制できることが示された。

Claims (3)

  1. 樹脂組成物の架橋体からなる成形体であって、
    上記樹脂組成物が、主成分としてのエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体と、カーボンナノチューブとを含有し、
    上記カーボンナノチューブの含有量が3質量%以上20質量%以下である成形体。
  2. 溶融潜熱が4.0J/g以下である請求項1に記載の成形体。
  3. 上記溶融潜熱が未架橋のエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体の溶融潜熱に対して10%以下である請求項2に記載の成形体。
JP2022129072A 2022-08-12 2022-08-12 成形体 Pending JP2024025554A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022129072A JP2024025554A (ja) 2022-08-12 2022-08-12 成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022129072A JP2024025554A (ja) 2022-08-12 2022-08-12 成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024025554A true JP2024025554A (ja) 2024-02-26

Family

ID=90010801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022129072A Pending JP2024025554A (ja) 2022-08-12 2022-08-12 成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024025554A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5598579B2 (ja) 改質フッ素樹脂混合物、フッ素樹脂成形品、及び、フッ素樹脂成形品の製造方法
US8231974B2 (en) Fluoropolymer molding method and molded article
US6528574B1 (en) Blends of aqueous dispersions of fluoropolymers and aqueous dispersions of ethylene/acid or ionomeric copolymers
CN101942162B (zh) 改性氟树脂及其成型体
JP4778782B2 (ja) シール材
EP3039073B1 (en) Fluoropolymer blend
JP5392433B1 (ja) 改質含フッ素共重合体、フッ素樹脂成形品、及び、フッ素樹脂成形品の製造方法
JP6788716B2 (ja) ゴム製品及びその製造方法
JP2021105179A (ja) 未架橋ゴム組成物並びにそれを用いて製造されるゴム製品及びその製造方法
JP2020070326A (ja) 未架橋フッ素ゴム組成物及びそれを用いて製造されるゴム製品
JP3730533B2 (ja) フッ素樹脂の改質方法
JP2024025554A (ja) 成形体
JP3948313B2 (ja) 摺動部材
JP2007186676A (ja) 改質ふっ素樹脂組成物及び成形体
JP2004331814A (ja) 改質ふっ素樹脂組成物及び改質ふっ素樹脂成形体
JP2024034457A (ja) 樹脂成形体
JP4956505B2 (ja) 改質ふっ素樹脂組成物及び改質ふっ素樹脂成形体
JP2003026883A (ja) 耐摩耗性弗素樹脂組成物および摺動用部材
JP3750569B2 (ja) 弗素樹脂の改質方法および耐摩耗性弗素樹脂粉末
JP3903547B2 (ja) 配向ふっ素樹脂成形体及びその製造方法
JP3702801B2 (ja) 改質ふっ素樹脂の製造方法
JP4645453B2 (ja) 改質ふっ素樹脂組成物及びそれからなる成形体
JP2004018816A (ja) 撥水性塗膜形成用塗料
JP4973021B2 (ja) 改質ふっ素樹脂組成物及び成形体
JP3624730B2 (ja) 改質ふっ素樹脂