JP6788716B2 - ゴム製品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
以下の実施例1〜2及び比較例1〜3のゴム組成物を調製した。それぞれの構成については表1にも示す。
ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体からなる水素含有フッ素ゴム(ダイエルG912 ダイキン工業社製)に、この水素含有フッ素ゴム100質量部に対して、熱架橋剤のパーオキサイドである2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B 日本油脂社製)1.5質量部、水素サイト保護剤の一液型の液状材料である分子内にビニル基を有するパーフルオロ骨格の化合物(SIFEL3590−N 信越化学工業社製、粘度(23℃)::50Pa・s)10質量部、及び架橋助剤のトリアリルイソシアヌレート(タイク 日本化成社製)4質量部を配合して混練した未架橋ゴム組成物を調製した。続いて、この未架橋ゴム組成物を、成形温度165℃、成形圧力5MPa、及び成形時間15分としてプレス成形した後、加熱温度200℃及び加熱時間4時間で熱処理してシート状のゴム組成物を得た。そして、このシート状のゴム組成物に対して、照射線量30kGyのγ線を照射した。このγ線を照射したシート状のゴム組成物を実施例1とした。
水素サイト保護剤として、一液型の液状材料である分子内にビニル基を有するシロキサン骨格の化合物(KE−1830 信越化学工業社製、粘度(23℃):130Pa・s)を配合したことを除いて実施例1と同様にして作製したシート状のゴム組成物を実施例2とした。
水素サイト保護剤を配合していないことを除いて実施例1と同様にして作製したシート状のゴム組成物を比較例1とした。
水素サイト保護剤を配合せず、水素含有フッ素ゴム100質量部に対して、シリコーンゴム(KE−941−U 信越化学工業社製)を20質量部配合したことを除いて実施例1と同様にして作製したシート状のゴム組成物を比較例2とした。
水素サイト保護剤を配合せず、水素含有フッ素ゴム100質量部に対して、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテルとの共重合体(FFKM:AFLASPremiumPM1100 旭硝子社製)を20質量部配合したことを除いて実施例1と同様にして作製したシート状のゴム組成物を比較例3とした。
<耐プラズマ性>
実施例1〜2及び比較例1〜3のそれぞれについて、マイクロ波プラズマ発生機を用いて、伸張率10%として、O2プラズマ照射試験及びCF4プラズマ照射試験を行い、質量減量、クラックの有無、及びパーティクルの発生の有無を調べた。試験では、反応ガスとしてO2及びCF4を用い、O2プラズマ照射試験では、それらの流量比を50:1とし、CF4プラズマ照射試験では、それらの流量比を1:50とした。また、反応圧力を100Pa及びプラズマ照射時間を60分とした。
実施例1〜2及び比較例1〜3のそれぞれについて、JIS K6251に基づいて引張試験を行い、100%モジュラス(M100:100%伸び時における引張応力)、引張強さ(TB)、及び切断時伸び(EB)を測定した。
実施例1〜2及び比較例1〜3のそれぞれについて、JIS K6262:2013に基づき、試験時間72時間及び試験温度200℃として圧縮永久ひずみの測定を行った。
試験結果を表1に示す。
Claims (10)
- 未架橋ゴム組成物を用いて製造されるゴム製品であって、
前記未架橋ゴム組成物は、水素含有フッ素ゴムと、所定の温度に加熱されたときに前記水素含有フッ素ゴムを架橋させる熱架橋剤と、放射線が照射されたときに前記水素含有フッ素ゴムの炭素−水素間の結合が切断されて生じる炭素のラジカルに結合する水素サイト保護剤と、前記水素含有フッ素ゴムが前記熱架橋剤により架橋するときに、前記水素含有フッ素ゴムの分子間に介在するように前記水素含有フッ素ゴムと結合する架橋助剤とを含有し、
前記水素サイト保護剤は、分子内に前記炭素のラジカルに結合するアルケニル基を2以上有するパーフルオロ骨格の化合物を含み、
前記未架橋ゴム組成物における前記水素サイト保護剤の含有量の前記熱架橋剤の含有量に対する比が5.0以上10以下であり、
前記未架橋ゴム組成物における前記架橋助剤の含有量の前記熱架橋剤の含有量に対する比が2.0以上3.0以下であり、
前記未架橋ゴム組成物が、所定の温度に加熱されて前記水素含有フッ素ゴムが前記熱架橋剤により架橋するとともに、前記架橋助剤が前記水素含有フッ素ゴムの分子間に介在するように前記水素含有フッ素ゴムと結合した後、放射線が照射されて前記水素含有フッ素ゴムの炭素−水素間の結合が切断された後の炭素に前記水素サイト保護剤が結合したゴム組成物で形成されているゴム製品。 - 請求項1に記載されたゴム製品において、
前記未架橋ゴム組成物における前記水素サイト保護剤の含有量が、前記水素含有フッ素ゴム100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であるゴム製品。 - 請求項1又は2に記載されたゴム製品において、
前記未架橋ゴム組成物における無機充填剤の含有量が、前記水素含有フッ素ゴム100質量部に対して5質量部以下であるゴム製品。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載されたゴム製品において、
前記ゴム製品がシール材であるゴム製品。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載されたゴム製品において、
前記未架橋ゴム組成物における前記熱架橋剤の含有量が、前記水素含有フッ素ゴム100質量部に対して0.5質量部以上2.5質量部以下であるゴム製品。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載されたゴム製品において、
前記未架橋ゴム組成物における前記架橋助剤の含有量が、前記水素含有フッ素ゴム100質量部に対して1質量部以上10質量部以下であるゴム製品。 - 請求項1乃至6のいずれかに記載されたゴム製品において、
前記未架橋ゴム組成物における前記架橋助剤の含有量の前記熱架橋剤の含有量に対する比が1.0以上であるゴム製品。 - 未架橋ゴム組成物を用いて製造されるゴム製品であって、
前記未架橋ゴム組成物は、水素含有フッ素ゴムと、所定の温度に加熱されたときに前記水素含有フッ素ゴムを架橋させる熱架橋剤と、放射線が照射されたときに前記水素含有フッ素ゴムの炭素−水素間の結合が切断されて生じる炭素のラジカルに結合する水素サイト保護剤と、前記水素含有フッ素ゴムが前記熱架橋剤により架橋するときに、前記水素含有フッ素ゴムの分子間に介在するように前記水素含有フッ素ゴムと結合する架橋助剤とを含有し、
前記水素含有フッ素ゴムは、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体であり、
前記熱架橋剤は、パーオキサイドであり、
前記水素サイト保護剤は、分子内に前記炭素のラジカルに結合するビニル基を2以上有するパーフルオロ骨格の化合物であり、
前記架橋助剤は、トリアリルイソシヌレートであり、
前記未架橋ゴム組成物における前記水素サイト保護剤の含有量が、前記水素含有フッ素ゴム100質量部に対して5質量部以上15質量部以下であり、
前記未架橋ゴム組成物における前記熱架橋剤の含有量が、前記水素含有フッ素ゴム100質量部に対して0.5質量部以上2.0質量部以下であり、
前記未架橋ゴム組成物における前記架橋助剤の含有量が、前記水素含有フッ素ゴム100質量部に対して2質量部以上5質量部以下であり、
前記未架橋ゴム組成物における前記水素サイト保護剤の含有量の前記熱架橋剤の含有量に対する比が5.0以上10以下であり、
前記未架橋ゴム組成物における前記架橋助剤の含有量の前記熱架橋剤の含有量に対する比が2.0以上3.0以下であり、
前記未架橋ゴム組成物が、所定の温度に加熱されて前記水素含有フッ素ゴムが前記熱架橋剤により架橋するとともに、前記架橋助剤が前記水素含有フッ素ゴムの分子間に介在するように前記水素含有フッ素ゴムと結合した後、放射線が照射されて前記水素含有フッ素ゴムの炭素−水素間の結合が切断された後の炭素に前記水素サイト保護剤が結合したゴム組成物で形成されているゴム製品。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載されたゴム製品において、
前記水素サイト保護剤は、23℃における粘度が30Pa・s以上100Pa・s以下の一液型の液状材料であるゴム製品。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載されたゴム製品の製造方法であって、
前記未架橋ゴム組成物を、所定の温度に加熱して前記水素含有フッ素ゴムを前記熱架橋剤により架橋させるとともに、前記架橋助剤を前記水素含有フッ素ゴムの分子間に介在させるように前記水素含有フッ素ゴムと結合させた後、放射線を照射して前記水素含有フッ素ゴムの炭素−水素間の結合を切断して生じる炭素のラジカルに前記水素サイト保護剤を結合させるゴム製品の製造方法。
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