JP2024021800A - 脳血流量増加剤、脳活動促進剤及び覚醒度向上剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】イソマルツロースの新規な用途を提供すること。【解決手段】イソマルツロースを有効成分として含有する、脳血流量増加剤。【選択図】なし

Description

本発明は、脳血流量増加剤、脳活動促進剤及び覚醒度向上剤に関する。
イソマルツロースは6-O-α-D-グルコピラノシル-D-フルクトース(商標としてはパラチノース)とも称される化合物であり、様々な機能性を有する糖質として知られている。例えば、特許文献1には、イソマルツロースの摂取により糖尿病性腎症の悪化が抑制されることが記載されている。
特開2016-41661号公報
Joel S. Warm et al., Vigilance requires hard mental work and isstressful, Human Factors, Vol.50(3), pp.433-41, 2008 Watson, et al., The impact of blackcurrant juice on attention, moodand brain wave spectral activity in young healthy volunteers, NutritionalNeuroscience, Vol.22(8), pp.596-606, 2019
本発明は、イソマルツロースの更なる有効活用のため、イソマルツロースの新規な用途を提供することを目的とする。
本発明者らは、イソマルツロースが脳血流量増加作用、脳活動促進作用、及び覚醒度向上作用を有することを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明は、一態様として、イソマルツロースを有効成分として含有する、脳血流量増加剤、脳活動促進剤、又は覚醒度向上剤を提供する。イソマルツロースは、上述のとおり、脳血流量増加作用、脳活動促進作用、及び覚醒度向上作用を有するため、上記の剤によれば、脳血流量を増加させることができ、これに伴い、脳活動を促進させ、覚醒度を向上させることができる。
本発明によれば、イソマルツロースの新規な用途が提供される。
DVT実施における被験者の反応時間の推移を示したグラフである。 DVT開始時の脳血流量を0としたときの、経過時間に伴う脳血流変化量の平均値の推移を示したグラフである。 図2に示した脳血流変化量の平均値の推移において、経過時間0秒~120秒までの脳血流変化量について更に平均値を求めたグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る脳血流量増加剤は、イソマルツロースを有効成分として含有する。
イソマルツロース(isomaltulose)は、グルコースとフルクトースとがα-1,6結合してなる化合物であり、6-O-α-D-グルコピラノシル-D-フルクトースとも称される。また、イソマルツロースは、パラチノース(palatinose)とも称される。なお、「パラチノース/PALATINOSE」は、三井製糖株式会社の登録商標である。
イソマルツロースは、天然において蜂蜜中に見出される。また、細菌や酵母に由来するα-グルコシルトランスフェラーゼ(イソマルツロースシンターゼ)がショ糖に作用した場合に生じる転移生成物中にも存在する。工業的には、イソマルツロースは、プロタミノバクター・ルブラム(Protaminobacter rubrum)やセラチア・プリムチカ(Serratia plymuthica)等の細菌に由来するα-グルコシルトランスフェラーゼをショ糖に作用させることにより製造される。
脳血流量増加剤に用いるイソマルツロースとしては、天然由来のものを用いてもよく、酵素作用等により合成されたものを用いてもよい。
イソマルツロースは、結晶粒子として脳血流量増加剤に含有されてもよいし、顆粒状粒子として含有されてもよい。顆粒状粒子は、例えば、イソマルツロースの複数の結晶粒子の集合体と、非晶質の糖分とを含み、該糖分が結晶粒子の集合体に内包されている、(球状)粒子であってもよい。このような顆粒状粒子は、例えば、イソマルツロースと非晶質の糖分とを含む糖液からイソマルツロースの結晶粒子を析出させ、該結晶粒子を含む糖液をスプレードライする方法により、得ることができる。あるいは、上記糖液を加熱しながらこれに剪断力を加えてイソマルツロースの結晶核を析出させ、該結晶核を含む混合物を冷却する方法により、イソマルツロースを含む顆粒状の粒子を得ることもできる。上記の糖液は、例えば、スクロースに酵素を作用させることにより得ることができる。この場合、糖液及び得られる顆粒状粒子は、トレハロース、フルクトース、グルコース、スクロース及びイソマルトース等を非晶質の糖分として含む。顆粒状粒子は、特開2012-179045号公報等に記載されている固形物であってもよい。
また、イソマルツロースは、市販されているものを用いてもよい。市販品としては、例えば、結晶パラチノース(商品名「結晶パラチノースPST-N」、三井製糖株式会社製)、粉末パラチノース(商品名「粉末パラチノースPST-NP」、三井製糖株式会社製)、パラチノースシロップ(商品名「パラチノースシロップ-ISN」及び「パラチノースシロップ-TN」、三井製糖株式会社製)等が挙げられる。
本実施形態に係る脳血流量増加剤は、脳血流量(脳内の血流量)を増加させる作用を有する。「脳血流量を増加させる」ことは、脳内のいずれかの部位において血流量を増加させることであってよく、例えば、学習・推測・抑制等を司る背外側前頭前野の血流量を増加させることであってよい。本明細書における脳血流量を増加させる作用は、脳血流量を改善する作用(減少した脳血流量を回復させる作用)、脳血流量の減少を抑制する作用を含む。
脳血流量は、組織の酸素状態をモニタリングする非侵襲的な光イメージング技術である、近赤外分光分析法(fNIRS)に基づき測定することができる。fNIRSは太陽光にも含まれる微弱な近赤外線分光(650~1000nm)を頭に照射することで脳血流量の変化を確認する方法であるため、計測の安全性が高く、また装置を小型化することができる。fNIRSを利用した脳血流量の測定は、例えば、株式会社NeU製の携帯型脳活動計測装置(HOT-2000)により行うことができる。
本実施形態の脳血流量増加剤は、脳血流量を増加させる作用に基づき、脳活動を促進させる作用を有する。本明細書における脳活動を促進させる作用は、脳活動を改善する作用(低下した脳活動を回復させる作用)、脳活動の低下を抑制する作用を含む。
本実施形態の脳血流量増加剤は、脳血流量を増加させる作用に基づき、覚醒度を向上させる作用を有する。覚醒度(ビジランス)とは、長時間にわたって注意力を維持し、刺激に注意を払い続ける能力をいう。本明細書における覚醒度を向上させる作用は、覚醒度を改善させる作用(低下した覚醒度を回復させる作用)、覚醒度の低下を抑制する作用、覚醒度の高い状態を維持する作用を含む。また、本明細書における覚醒度を向上させる作用は、認知課題等の所定の課題に対する処理時間、回答時間、又は反応時間が速い状態を長時間持続させる作用も含む。
本実施形態の脳血流量増加剤は、脳血流量を増加させる作用に基づき、頭痛を改善する作用、疲労感を改善する作用、イライラ感を改善する作用、集中力を維持する作用、勉強や事務作業能力を維持する作用、スポーツにおいて作戦や身体機能を改善する作用、作業に対するモチベーションを維持する作用も有する。
本実施形態に係る脳血流量増加剤は、イソマルツロースを有効成分として含んでいればよく、イソマルツロースのみからなるものであってもよく、イソマルツロースを含有する組成物であってもよい。脳血流量増加剤が組成物である場合、これに含まれるイソマルツロースは、イソマルツロース単体として含有されてもよく、いくつかの糖類を含有する市販のイソマルツロース製剤として含有されてもよい。イソマルツロース製剤は、イソマルツロースの他に、他の成分を含むことがある。
他の成分としては、食品、医薬部外品又は医薬品に使用可能な素材であってよい。食品、医薬部外品又は医薬品に使用可能な素材としては、特に制限されるものではないが、例えば、アミノ酸、タンパク質、炭水化物、油脂、甘味料、ミネラル、ビタミン、香料、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、基剤、溶解補助剤、懸濁化剤等が挙げられる。
タンパク質としては、ミルクカゼイン、ホエイ、大豆タンパク、小麦タンパク、卵白等が挙げられる。炭水化物としては、コーンスターチ、セルロース、α化デンプン、小麦デンプン、米デンプン、馬鈴薯デンプン等が挙げられる。油脂としては、サラダ油、コーン油、大豆油、ベニバナ油、オリーブ油、パーム油等が挙げられる。甘味料としては、ブドウ糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖等の糖類、キシリトール、エリスリトール、マルチトール等の糖アルコール、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK等の人工甘味料、ステビア甘味料などが挙げられる。ミネラルとしては、カルシウム、カリウム、リン、ナトリウム、マンガン、鉄、亜鉛、マグネシウム等、及びこれらの塩類等が挙げられる。ビタミンとしては、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンB類、ビオチン、ナイアシン等が挙げられる。賦形剤としては、デキストリン、デンプン、乳糖、結晶セルロース等が挙げられる。結合剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。崩壊剤としては、結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、デキストリン等が挙げられる。乳化剤又は界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、クエン酸、乳酸、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。基剤としては、セトステアリルアルコール、ラノリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。懸濁化剤としては、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
イソマルツロースはショ糖の1/2程度ではあるが甘味を有することから、本実施形態に係る脳血流量増加剤は、甘味料として主にイソマルツロースを含むものであってもよい。イソマルツロースはその加水分解速度がスクロースの1/5と遅く、摂取後の血糖値の上昇を抑制することができるため、甘味料として主にイソマルツロースを含むものとすることにより、血糖コントロールが容易になるという効果も得られる。
脳血流量増加剤がイソマルツロース以外の成分を含有する場合、イソマルツロースの含有量は、脳血流量増加剤の形態、使用目的等により適宜設定してよいが、例えば、脳血流量増加剤全量基準で、10質量%以上、20質量%以上、又は30質量%以上であってよく、70質量%以下、60質量%以下、又は50質量%以下であってよい。
脳血流量増加剤は、食品組成物又は医薬組成物として用いることができる。本実施形態に係る食品組成物又は医薬組成物は、例えば、健康食品、特定保健用食品、機能性食品、栄養機能食品、サプリメント、医薬部外品、医薬品等の形態で提供されてもよい。本実施形態に係る食品組成物は、例えば、脳血流量を増加させる旨、脳活動を促進させる旨、覚醒度を向上させる旨の表示が付されたものであってもよい。また、剤の形態は固体(粉末、顆粒等)、液体(溶液、懸濁液等)、ペースト等のいずれの形状であってもよく、散剤、丸剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、液剤、懸濁剤等のいずれの剤形であってもよい。
脳血流量増加剤は、非経口投与されてもよいが、経口投与されることが好ましい。投与量としては、例えば、1回当たりのイソマルツロースの投与量が、3g以上、5g以上、7g以上、又は10g以上であってよく、40g以下、30g以下、20g以下、15g以下、12g以下、又は10g以下であってよい。また、1日当たりのイソマルツロースの投与量が、3g以上、5g以上、又は10g以上であってよく、40g以下、30g以下、又は20g以下であってよい。本実施形態に係る脳血流量増加剤は、従来よりも少ない投与量であっても所望の効果が発揮される。イソマルツロースは他の糖質よりゆっくり消化吸収されるため、緩やかに血糖値が上昇し、空腹時より高い状態が長時間持続する特徴を有しており、この特徴に基づいて種々の機能を発揮するが、本実施形態に係る脳血流量増加剤においては、血糖値がより上昇しにくい量の投与量であっても、脳血流量を増加させる作用を有している。
本実施形態に係る脳血流量増加剤は、脳活動を促進させる作用、覚醒度を向上させる作用も有するため、本発明は、イソマルツロースを有効成分として含有する、脳活動促進剤、又は覚醒度向上剤と捉えることもできる。脳活動促進剤、又は覚醒度向上剤の具体的な実施形態としては、上述した脳血流量増加剤で説明した実施形態を適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
20~60歳の健康な男女64名を対象とし、認知課題(Digit vigilance task(DVT))の反応時間、及び脳血流変化量の測定によって、イソマルツロースの摂取が脳血流量及び脳活動に与える影響について下記の試験により評価した。具体的な試験方法を以下に示す。
<試験スケジュール>
試験は、表1に示すスケジュールに基づいて各対象者に実施した。試験においては、表1に示す工程を含む各ブロックを1時間で実施し、1ブロック目から5ブロック目まで同日に連続して実施した。表1に示すように、本試験ではDVT(詳細は後述)を計5回実施し、2回目のDVT開始前に、試験食として、イソマルツロース10.0gを100mLの水に溶解させた水溶液を摂取させた。また、DVT終了後、次のDVTを実施する前には、内田クレペリン検査を実施した。内田クレペリン検査は、隣り合う1桁の数字の足し算を行うものであり、本試験においては、被験者に疲労等の負荷をかけて休憩時間の統制を行うために実施されたものである。
Figure 2024021800000001
<DVT>
DVTは主に覚醒度を測定することを目的として用いられる課題である(非特許文献1(Joel S. Warm et al., Vigilance requires hard mental work and isstressful, Human Factors, Vol.50(3), pp.433-41, 2008))。また、DVTは注意力、精神的な疲労等を測定することにも用いられる(非特許文献2(Watson, et al., The impact of blackcurrant juice on attention, moodand brain wave spectral activity in young healthy volunteers, NutritionalNeuroscience, Vol.22(8), pp.596-606, 2019))。具体的な方法としては、ターゲットとなる数字又は文字が画面の右側に常時表示されている状態で、画面中央に他の数字又は文字が表示される。被験者には、画面中央に表示される数字又は文字が、画面右側に表示されている数字又は文字と一致した場合にのみ、キーボードを操作することにより反応してもらい、数字又は文字が表示されてから被験者が反応するまでの時間を計測する。今回の試験においては、所定の課題数の課題を2分間継続して行った後に30秒間の休憩を挟み、それを6回繰り返した(課題時間は合計15分間)。
<被験者アンケート>
最初に「昨夜、いつもよりよく眠れたか」を質問し、DVT又は内田クレペリン検査の後には、「今の気分状態について」、「今、疲れを感じているか」、「今、イライラを感じているか」、「今、眠気を感じているか」、「課題を最後まで真面目に取り組めたか」について、被験者への主観アンケートを実施した。アンケートは両端の評定語に対し相対的な位置を表す方法である、VAS(Visual Analogue Scale)法に基づいて実施した。
<コントロール群>
上述の対象者に対して、別の日にイソマルツロースに代えてグルコースを含有する試験食を摂取させて同様の試験を行い(クロスオーバー試験)、これをコントロール群とした。
<評価>
[DVTにおける反応時間の評価]
DVTにおいて、画面中央に数字又は文字が表示されてから、画面右側に表示されている数字又は文字と一致していると被験者が反応するまでの時間を測定し、全被験者の反応時間の平均値を求めた。具体的には、課題時間15分間の間に繰り返した6回分の課題の反応時間について被験者毎の平均値を求め、これについて更に全被験者の平均値を算出した。図1には、1回目のDVT(1ブロック目に実施)の際の反応時間の平均値を0として、DVTの回数を重ねるごとに反応時間の平均値がどのように変化するかを示している。すなわち、図1のグラフにおいては、縦軸に示す反応時間の値が大きい程、1回目のDVTよりも反応時間が上昇している(反応に時間を要している)ことを意味する。
図1に示すように、グルコースを摂取したコントロール群においては、DVTを実施した際の反応時間が徐々に長くなっているが、イソマルツロースを摂取した群においては、DVTを複数回実施しても、コントロール群よりも反応時間が長くなりにくいことが分かる。すなわち、イソマルツロースを摂取することにより、処理速度が速い状態をより長時間維持でき、覚醒度が高い状態をより長時間維持することができるといえる。また、DVTは注意力、精神的な疲労等を測定するための課題でもあることから、イソマルツロースの摂取により、注意力の高い状態を長時間維持でき、また、精神的な疲労を抑制することができるともいえる。
[脳血流量の評価]
fNIRS(近赤外分光分析法)を原理とする脳活動計測装置(HOT-2000、株式会社NeU製)を用いて、DVT実施中の背外側前頭前野における脳血流量の変化を測定した。この機器によれば、血液中のヘモグロビン濃度の変化を近赤外光の照射によって検出することができるため、結果として脳の活動領域における脳血流量の変化を測定することができる。
図2は、1ブロック目~5ブロック目に実施された計5回のDVTにおける、DVT開始時の脳血流量の平均値を0としたときの、経過時間に伴う脳血流変化量の平均値の推移を示すグラフである。一方、図3は、図2に示した脳血流変化量の平均値の推移において、経過時間0秒~120秒までの脳血流変化量について更に平均値を求めたものである。図2及び図3に示すように、イソマルツロースを摂取した群においては、グルコースを摂取した群(コントロール群)と比較して、計5回のDVTを通して脳血流変化量が有意に大きかった。したがって、イソマルツロースを摂取した場合、グルコースを摂取した場合と比較して脳血流量が増加し、その結果脳活動がより活発に行われていることが分かる。
[被験者アンケートの結果]
課題後にアンケートを実施した結果、3~5ブロック目に実施したアンケートにおける「課題を最後まで真面目に取り組めたか」という質問について、イソマルツロースを摂取した群が、コントロール群よりも「真面目に取り組めた」と回答していた。したがって、イソマルツロースの摂取により、作業に対するモチベーションを長時間維持できたといえる。

Claims (3)

  1. イソマルツロースを有効成分として含有する、脳血流量増加剤。
  2. イソマルツロースを有効成分として含有する、脳活動促進剤。
  3. イソマルツロースを有効成分として含有する、覚醒度向上剤。
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