JP2024021777A - クリーニング装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル面に残留したインクへの洗浄液の浸透を促進することを目的とする。【解決手段】クリーニング装置30は、帯状の払拭部材32を繰り出す繰出部33と、払拭部材32を巻き取る巻取部34と、繰出部33と巻取部34との間で払拭部材32をインクジェットヘッド12のノズル面に押圧する第1押圧部35と、繰出部33と巻取部34と第1押圧部35とを支持する支持体31とインクジェットヘッド12とのいずれかをノズル面に沿う方向にスライドさせるスライド機構と、繰出部33と第1押圧部35との間で払拭部材32を案内するガイド部36と、払拭部材32に洗浄液を供給する洗浄液供給部37と、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面に接触する接触位置と、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面に接触しない非接触位置と、にガイド部36を移動させる移動機構と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、インクジェットヘッドのノズル面を清掃するクリーニング装置及びクリーニング装置を備えるインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置においては、インクジェットヘッドのノズル面にインクが残留、固着して吐出不良を起こすおそれがある。そこで、従来、ノズル面を清掃する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、洗浄液を含浸させた帯状の布をノズル面に押し当て、インクジェットヘッドをスライドさせて残留インクを拭き取る装置が記載されている。特許文献2には、インクジェットヘッドをスライドさせながらノズル面に洗浄液を噴射し、帯状の布をノズル面に押し当てて残留インクを拭き取る装置が記載されている。
しかし、特許文献1、2に記載された装置においては、残留インクに洗浄液が十分に浸透せずに拭き残しが生じるおそれがある。
本発明は、上記事情を考慮し、ノズル面に残留したインクへの洗浄液の浸透を促進することのできるクリーニング装置及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るクリーニング装置は、帯状の払拭部材を繰り出す繰出部と、前記払拭部材を巻き取る巻取部と、前記繰出部と前記巻取部との間で前記払拭部材をインクジェットヘッドのノズル面に押圧する第1押圧部と、前記繰出部と前記巻取部と前記第1押圧部とを支持する支持体と前記インクジェットヘッドとのいずれかを前記ノズル面に沿う方向にスライドさせるスライド機構と、前記繰出部と前記第1押圧部との間で前記払拭部材を案内するガイド部と、前記ガイド部よりも前記払拭部材の繰出方向上流側で前記払拭部材に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、前記第1押圧部と前記ガイド部との間の前記払拭部材が前記ノズル面に接触する接触位置と、前記第1押圧部と前記ガイド部との間の前記払拭部材が前記ノズル面に接触しない非接触位置と、に前記ガイド部を移動させる移動機構と、を備える。
前記巻取部は、前記ガイド部が前記接触位置に位置する期間内に前記払拭部材を巻き取ってもよい。
前記移動機構は、前記接触位置に前記ガイド部を移動させてから所定時間経過後に前記非接触位置に前記ガイド部を移動させ、その後、前記スライド機構が前記支持体又は前記インクジェットヘッドをスライドさせて前記ノズル面を清掃してもよい。
前記スライド機構が前記支持体又は前記インクジェットヘッドをスライドさせるのと並行して、前記巻取部が前記払拭部材を巻き取ってもよい。
前記接触位置に前記ガイド部を移動させる場合に、前記繰出部が前記払拭部材を繰り出してもよい。
前記非接触位置に前記ガイド部を移動させる場合に、前記巻取部が前記払拭部材を巻き取ってもよい。
前記クリーニング装置は、前記第1押圧部と前記ガイド部との間の前記払拭部材を前記ノズル面に押圧する第2押圧部を備え、前記移動機構は、前記ガイド部とともに前記第2押圧部を移動させてもよい。
また、本発明に係るインクジェット記録装置は、前記クリーニング装置と、前記インクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる搬送部と、を備える。
本発明によれば、ノズル面に残留したインクへの洗浄液の浸透を促進することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係るクリーニング装置30及びインクジェット記録装置1について説明する。インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド12と、インクジェットヘッド12のノズル面12Fを清掃するクリーニング装置30と、インクジェットヘッド12と記録媒体とを相対的に移動させる搬送部5と、を備える。
まず、図1乃至3を参照して、インクジェット記録装置1の全体の構成について説明する。図1は、インクジェット記録装置1の内部構成を模式的に示す図である。図2は、インク供給路60を模式的に示す図である。図3は、インクジェットヘッド12を示す左側面図である。以下、図1における紙面左側をインクジェット記録装置1の正面とし、左右の向きはインクジェット記録装置1を正面から見た方向を基準として説明する。各図において、U、Lo、L、R、Fr、Rrは、それぞれ上、下、左、右、前、後を示す。
インクジェット記録装置1は、箱形の本体ハウジング3と、シートS(記録媒体の一例)を搬送する搬送部5と、を備える。搬送部5は、繰出ロール4と、巻取ロール9と、プラテン7と、搬送路10と、を備える。具体的には、本体ハウジング3内の下部には、印刷前のシートSが紙管に巻き付けられた繰出ロール4と、印刷後のシートSが紙管に巻き付けられた巻取ロール9と、が装着されている。本体ハウジング3の上部には、作像ユニット6が設けられ、作像ユニット6の下面に対向するようにプラテン7が設けられている。繰出ロール4からプラテン7の上面を経て巻取ロール9に至る搬送路10が設けられている。巻取ロール9が駆動されることで、プラテン7上をシートSがY方向に搬送される。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、固定されたインクジェットヘッド12に対して、搬送部5が記録媒体を搬送するラインプリンターである。他の実施形態として、インクジェットヘッド12を搭載したキャリッジを記録媒体に対して往復させる走査と、走査の方向と交差する方向に記録媒体を移動させる搬送とを交互に行うシリアルプリンターに本発明が適用されてもよい(図示省略)。
インクジェット記録装置1は、インク供給路60を備える(図2参照)。同図では、1色のインクに対応するインク供給路60が示されているが、本実施形態では4色のインクを用いるため、4系統のインク供給路60が設けられている。インクジェット記録装置1は、インクコンテナ20が装着されるコンテナ装着部61と、インクを濾過するフィルター62と、インクコンテナ20からフィルター62を介してインクを吸引するポンプ63と、ポンプ63から送り出されたインクを貯留するサブタンク64と、を備える。
作像ユニット6は、ヘッドユニット11Y、11Bk、11C、11M(ヘッドユニット11と総称する)を備える。ヘッドユニット11は、1つ以上のインクジェットヘッド12、例えば、千鳥に配置された3つのインクジェットヘッド12を備える(図2、3参照)。ヘッドユニット11Y、11Bk、11C、11Mには、それぞれイエロー、ブラック、シアン、マゼンタのインクが充填されたインクコンテナ20が接続されている。
インクジェットヘッド12は、左右方向を長手方向とする直方体状の筐体12Hと、筐体12Hの底部に設けられたノズルプレート12Pと、を備える。ノズルプレート12Pは、左右方向に並ぶ多数のノズル12Nを備えている。ノズル12Nは、サブタンク64につながる流路から分岐した分岐流路12Bと、ノズルプレート12Pの下面(ノズル面12Fという。)に設けられた吐出口12Aと、を含む。振動板12Vは、分岐流路12Bの内壁の一部を兼ねている。振動板12Vには加圧素子12Zが設けられている。加圧素子12Zとしては、圧電素子、静電アクチュエータ、ヒーター等が用いられる。インクジェットヘッド12は、加圧素子12Zを駆動する駆動回路(図示省略)を備える。
制御部2(図1参照)は、演算部と記憶部とを備える(図示省略)。演算部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の記憶媒体を含む。演算部は、記憶部に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することで各種処理を実施する。なお、制御部2は、ソフトウェアを用いない集積回路によって実現されてもよい。
インクジェット記録装置1の基本的な画像形成動作は、次のとおりである。外部のコンピューター等からインクジェット記録装置1に画像形成ジョブが入力されると、巻取ロール9がシートSを巻き取ってY方向にシートSを搬送する。制御部2がシートSの搬送と同期させてラスター形式の画像データを駆動回路に供給すると、駆動回路が画像データの階調に応じた吐出信号を加圧素子12Zに供給してノズル12Nからインクが吐出され、シートSに画像が形成される。
[クリーニング装置]
次に、クリーニング装置30の構成について説明する。図4は、クリーニング装置30を示す斜視図である。図5は、クリーニング装置30の電気的構成を示すブロック図である。図6は、ガイド部36が非接触位置に位置する様子を示す正面図である。図7は、ガイド部36が接触位置に位置する様子を示す正面図である。図8、9は、インクジェットヘッド12がスライドする様子を示す正面図である。
次に、クリーニング装置30の構成について説明する。図4は、クリーニング装置30を示す斜視図である。図5は、クリーニング装置30の電気的構成を示すブロック図である。図6は、ガイド部36が非接触位置に位置する様子を示す正面図である。図7は、ガイド部36が接触位置に位置する様子を示す正面図である。図8、9は、インクジェットヘッド12がスライドする様子を示す正面図である。
本実施形態に係るクリーニング装置30は、帯状の払拭部材32を繰り出す繰出部33と、払拭部材32を巻き取る巻取部34と、繰出部33と巻取部34との間で払拭部材32をインクジェットヘッド12のノズル面12Fに押圧する第1押圧部35と、繰出部33と巻取部34と第1押圧部35とを支持する支持体31とインクジェットヘッド12とのいずれかをノズル面12Fに沿う方向にスライドさせるスライド機構41と、繰出部33と第1押圧部35との間で払拭部材32を案内するガイド部36と、ガイド部36よりも払拭部材32の繰出方向上流側で払拭部材32に洗浄液を供給する洗浄液供給部37と、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面12Fに接触する接触位置と、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面12Fに接触しない非接触位置と、にガイド部36を移動させる移動機構42と、を備える。具体的には、以下のとおりである。
インクジェットヘッド12毎に1つのクリーニング装置30が設けられている。図4に示されるとおり、インクジェットヘッド12を清掃する場合には、インクジェットヘッド12の下方にクリーニング装置30を配置することが必要となる。インクジェットヘッド12の清掃は、例えば、前回の清掃後のインクジェット記録装置1の稼働時間が所定時間に達した場合や、画質の低下が見られた場合など、随時実行可能であることが求められる。ところが、作像ユニット6の下方にはプラテン7(図1参照)が設けられている。プラテン7を前後左右のいずれか又は下方に移動させ、作像ユニット6の下方の空間にクリーニング装置30を移動させる構成も考えられるが、プラテン7上にシートSが停止しているときに清掃が必要になった場合には、シートSを撤去する必要が生じる。しかし、清掃のたびにシートSを撤去するのは非効率的であるから、シートSを撤去せずに清掃可能であることが望ましい。
シートSを撤去せずに清掃を実行可能な構成としては、例えば、プラテン7の左方又は右方にクリーニング装置30を設け、作像ユニット6をクリーニング装置30の上方にスライドさせる機構を設けることが考えられる。あるいは、作像ユニット6の前後左右のいずれかにクリーニング装置30を設け、作像ユニット6を昇降させる機構と、上昇させた作像ユニット6の下方にクリーニング装置30をスライドさせる機構を設けることが考えられる。後者については、12個のクリーニング装置30をユニット化してもよいが、4つのヘッドユニット11を間隔を空けて配置し、3つのクリーニング装置30をユニット化したものを各ヘッドユニット11の前方又は後方に隣り合わせて配置してもよい。
クリーニング装置30は、左右方向を長手方向とする直方体状の支持体31を備える。直方体の上面に相当する部分は開口している。支持体31には、繰出部33、巻取部34、第1押圧部35、ガイド部36が設けられている。支持体31は、繰出部33等の下方および側方を囲う枠形状の部材である。支持体31が枠形状であることで、洗浄液がインクジェット記録装置1の他の部分に飛散する可能性を少なくすることができる。また、払拭部材32からの洗浄液の揮発が抑制されるため、払拭部材32に含まれる洗浄液の量を適正に保つことができる。
[繰出部、払拭部材]
繰出部33は、支持体31の左下部に設けられている。繰出部33は、前後方向を軸方向とする軸33Sを備える。軸33Sの前後両端部は、支持体31に支持されている。軸33Sには、モーター、減速ギア等を備える駆動部(図示省略)が設けられている。軸33Sには、払拭部材32が巻き付けられている。払拭部材32は、不織布、織布、多孔質の樹脂等、吸液性を有する素材で形成された帯状の部材である。
繰出部33は、支持体31の左下部に設けられている。繰出部33は、前後方向を軸方向とする軸33Sを備える。軸33Sの前後両端部は、支持体31に支持されている。軸33Sには、モーター、減速ギア等を備える駆動部(図示省略)が設けられている。軸33Sには、払拭部材32が巻き付けられている。払拭部材32は、不織布、織布、多孔質の樹脂等、吸液性を有する素材で形成された帯状の部材である。
[巻取部]
巻取部34は、支持体31の右下部に設けられている。巻取部34は、前後方向を軸方向とする軸34Sを備える。軸34Sの前後両端部は、支持体31に支持されている。軸34Sには、モーター、減速ギア等を備える駆動部(図示省略)が設けられている。軸34Sには、繰出部33から繰り出された払拭部材32が巻き付けられている。
巻取部34は、支持体31の右下部に設けられている。巻取部34は、前後方向を軸方向とする軸34Sを備える。軸34Sの前後両端部は、支持体31に支持されている。軸34Sには、モーター、減速ギア等を備える駆動部(図示省略)が設けられている。軸34Sには、繰出部33から繰り出された払拭部材32が巻き付けられている。
[第1押圧部]
第1押圧部35は、支持体31の上部、且つ、巻取部34の左上方に設けられている。第1押圧部35は、前後両端部を支持体31に支持された従動ローラーである。第1押圧部35は、前後方向を軸方向とする軸と、軸の周りにシリコーンゴム等を用いて形成された弾性層と、を備える。弾性層の上部は、支持体31から露出している。第1押圧部35は、例えば、圧縮コイルばね(図示省略)によって上方に付勢されることでノズル面12Fに押圧されている。
第1押圧部35は、支持体31の上部、且つ、巻取部34の左上方に設けられている。第1押圧部35は、前後両端部を支持体31に支持された従動ローラーである。第1押圧部35は、前後方向を軸方向とする軸と、軸の周りにシリコーンゴム等を用いて形成された弾性層と、を備える。弾性層の上部は、支持体31から露出している。第1押圧部35は、例えば、圧縮コイルばね(図示省略)によって上方に付勢されることでノズル面12Fに押圧されている。
[スライド機構]
スライド機構41(図5参照)は、支持体31又は作像ユニット6をノズル面12Fに沿ってノズル面12Fの長手方向(左右方向)にスライドさせる。具体的には、前述のように、プラテン7の左方又は右方にクリーニング装置30を設け、作像ユニット6をクリーニング装置30の上方にスライドさせるスライド機構41を設けてもよい。あるいは、作像ユニット6の前後左右のいずれかにクリーニング装置30を設け、作像ユニット6を昇降させる機構と、上昇させた作像ユニット6の下方にクリーニング装置30をスライドさせるスライド機構41を設けてもよい。後者については、12個のクリーニング装置30をユニット化してもよいが、4つのヘッドユニット11を間隔を空けて配置し、3つのクリーニング装置30をユニット化したものを各ヘッドユニット11の前又は後に隣り合わせて配置してもよい。スライド機構41としては、例えば、無端ベルトをプーリーで駆動するもの、ラックアンドピニオン、送りねじ、ボールねじ等が用いられる。
スライド機構41(図5参照)は、支持体31又は作像ユニット6をノズル面12Fに沿ってノズル面12Fの長手方向(左右方向)にスライドさせる。具体的には、前述のように、プラテン7の左方又は右方にクリーニング装置30を設け、作像ユニット6をクリーニング装置30の上方にスライドさせるスライド機構41を設けてもよい。あるいは、作像ユニット6の前後左右のいずれかにクリーニング装置30を設け、作像ユニット6を昇降させる機構と、上昇させた作像ユニット6の下方にクリーニング装置30をスライドさせるスライド機構41を設けてもよい。後者については、12個のクリーニング装置30をユニット化してもよいが、4つのヘッドユニット11を間隔を空けて配置し、3つのクリーニング装置30をユニット化したものを各ヘッドユニット11の前又は後に隣り合わせて配置してもよい。スライド機構41としては、例えば、無端ベルトをプーリーで駆動するもの、ラックアンドピニオン、送りねじ、ボールねじ等が用いられる。
[ガイド部]
ガイド部36は、支持体31の上部、且つ、繰出部33の上方に設けられている。ガイド部36は、前後方向を軸方向とする従動ローラーである。ガイド部36は、軸と、軸の周りにシリコーンゴム等を用いて形成された弾性体の層と、を備える。
ガイド部36は、支持体31の上部、且つ、繰出部33の上方に設けられている。ガイド部36は、前後方向を軸方向とする従動ローラーである。ガイド部36は、軸と、軸の周りにシリコーンゴム等を用いて形成された弾性体の層と、を備える。
[移動機構]
移動機構42(図5参照)は、ガイド部36の前後両端部を支持するとともに、ガイド部36を昇降させる。移動機構42としては、例えば、無端ベルトをプーリーで駆動するもの、ラックアンドピニオン、送りねじ、ボールねじ等が用いられる。移動機構42は、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面12Fに接触する接触位置(図7参照)と、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面12Fに接触しない非接触位置(図6参照)と、に移動させる。
移動機構42(図5参照)は、ガイド部36の前後両端部を支持するとともに、ガイド部36を昇降させる。移動機構42としては、例えば、無端ベルトをプーリーで駆動するもの、ラックアンドピニオン、送りねじ、ボールねじ等が用いられる。移動機構42は、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面12Fに接触する接触位置(図7参照)と、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面12Fに接触しない非接触位置(図6参照)と、に移動させる。
[洗浄液供給部]
洗浄液供給部37は、例えば、従動ローラーであり、繰出部33の左上方、且つ、ガイド部36の左下方に設けられている。洗浄液供給部37は、中空構造を有し、放射方向に貫通した多数の微細な孔を備えている(図示省略)。洗浄液供給部37の内部には、洗浄液が充填されている。払拭部材32の繰り出しに伴って洗浄液供給部37が回転し、孔から滲み出た洗浄液が払拭部材32に染み込む。インクが水系インクの場合、洗浄液の主成分は水である。洗浄液には界面活性剤等が添加されていてもよい。
洗浄液供給部37は、例えば、従動ローラーであり、繰出部33の左上方、且つ、ガイド部36の左下方に設けられている。洗浄液供給部37は、中空構造を有し、放射方向に貫通した多数の微細な孔を備えている(図示省略)。洗浄液供給部37の内部には、洗浄液が充填されている。払拭部材32の繰り出しに伴って洗浄液供給部37が回転し、孔から滲み出た洗浄液が払拭部材32に染み込む。インクが水系インクの場合、洗浄液の主成分は水である。洗浄液には界面活性剤等が添加されていてもよい。
[ガイドローラー]
ガイドローラー38は、巻取部34の上方、且つ、第1押圧部35の右下方に設けられている。繰出部33から繰り出された払拭部材32は、順に、洗浄液供給部37、ガイド部36、第1押圧部35、ガイドローラー38に巻き掛けられ、最後に巻取部34に巻き取られる。
ガイドローラー38は、巻取部34の上方、且つ、第1押圧部35の右下方に設けられている。繰出部33から繰り出された払拭部材32は、順に、洗浄液供給部37、ガイド部36、第1押圧部35、ガイドローラー38に巻き掛けられ、最後に巻取部34に巻き取られる。
次に、クリーニング装置30の動作について説明する(図6乃至9参照)。制御部2が、繰出部33、巻取部34、スライド機構41、移動機構42を制御することで下記の処理が実行される。なお、前述のとおり、スライド機構41は、支持体31又は作像ユニット6をスライドさせるが、ここでは、一例として、クリーニング装置30がプラテン7の右方又は左方に設けられ、作像ユニット6を左右方向にスライドさせる場合について説明する。なお、作像ユニット6に含まれる12個のインクジェットヘッド12は一体となってスライドするため、ここでは、1個のインクジェットヘッド12のみを図示し、作像ユニット6をインクジェットヘッド12と読み換えて説明する。
最初に、制御部2は、スライド機構41を動作させて、プラテン7の上方に位置するインクジェットヘッド12をクリーニング装置30の上方にスライドさせる。制御部2は、ノズル面12Fの右端部が第1押圧部35に到達したところでスライドを停止させる(図6参照)。このとき、ガイド部36は、非接触位置に位置している。非接触位置において、ガイド部36の最上部は、第1押圧部35の最上部よりも低い位置に位置するため、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32は、第1押圧部35側が高く、ガイド部36側が低くなるように傾斜している。ノズル面12Fは水平なため、払拭部材32は、第1押圧部35の上方においてノズル面12Fに線接触している。
次に、制御部2は、繰出部33と巻取部34を動作させて、払拭部材32の未使用部分を繰り出す。具体的には、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32は前回の清掃で使用済みであるから、ガイド部36よりも繰出方向上流側の払拭部材32を第1押圧部35とガイド部36との間に繰り出す。このとき、洗浄液供給部37から払拭部材32に洗浄液が供給される。なお、ガイド部36と洗浄液供給部37との間の払拭部材32は水分が蒸発している可能性があるため、洗浄液供給部37よりも繰出方向上流側の払拭部材32を第1押圧部35とガイド部36との間に繰り出してもよい。
次に、制御部2は、移動機構42を動作させて、ガイド部36を接触位置に移動させる(図7参照)。ガイド部36の移動と並行して、制御部2は、繰出部33を動作させて、払拭部材32を繰り出す。ここで払拭部材32を繰り出すのは、巻取部34が逆回転して使用済みの払拭部材32がノズル面12Fに戻って来るのを防ぐためである。
接触位置においては、払拭部材32に含まれる洗浄液の表面張力により、払拭部材32がノズル面12Fに吸着され、洗浄液がノズル面12Fに供給される。制御部2は、ガイド部36が接触位置に位置する状態を所定時間だけ維持する。この間に、洗浄液が残留インクに浸透する。所定時間の間、払拭部材32の繰り出しは停止していてもよいが、払拭部材32の繰り出しを行ってもよい。払拭部材32を繰り出すことで、より多くの洗浄液がノズル面12Fに供給される。
制御部2は、ガイド部36が接触位置に位置する状態を所定時間だけ維持した後、非接触位置にガイド部36を移動させる(図6参照)。ガイド部36の移動と平行して、制御部2は、巻取部34を動作させて払拭部材32を巻き取る。ここで払拭部材32を巻き取るのは、払拭部材32の弛みを防ぐためである。
次に、制御部2は、インクジェットヘッド12を右方にスライドさせる(図8参照)。制御部2は、ノズル面12Fの左端部が第1押圧部35に到達したところでスライドを停止させる(図9参照)。このスライド動作によって、洗浄液が浸透した残留インクを第1押圧部35がノズル面12Fから拭き取る。このとき、払拭部材32の繰り出しは停止していてもよいが、払拭部材32の繰り出しを行ってもよい。ただし、インクジェットヘッド12のスライド速度と払拭部材32の繰出速度が等しいと拭き取りができないため、スライド速度と繰出速度を異ならせることが必要である。
最後に、制御部2は、インクジェットヘッド12をプラテン7の上方にスライドさせる。ノズル面12Fから残留インクが除去されたため、インクの吐出の乱れが抑制され、高画質の画像が形成される。
以上説明した本実施形態に係るクリーニング装置30によれば、帯状の払拭部材32を繰り出す繰出部33と、払拭部材32を巻き取る巻取部34と、繰出部33と巻取部34との間で払拭部材32をインクジェットヘッド12のノズル面12Fに押圧する第1押圧部35と、繰出部33と巻取部34と第1押圧部35とを支持する支持体31とインクジェットヘッド12とのいずれかをノズル面12Fに沿う方向にスライドさせるスライド機構41と、繰出部33と第1押圧部35との間で払拭部材32を案内するガイド部36と、ガイド部36よりも払拭部材32の繰出方向上流側で払拭部材32に洗浄液を供給する洗浄液供給部37と、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面12Fに接触する接触位置と、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32がノズル面12Fに接触しない非接触位置と、にガイド部36を移動させる移動機構42と、を備える。この構成によれば、接触位置にガイド部36を移動させることで、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32からノズル面12Fに洗浄液が供給される。よって、ガイド部36と移動機構42を備えない場合と比べて、ノズル面12Fに残留したインクへの洗浄液の浸透を促進することができる。その結果、残留インクの拭き残しを減らすことができる。
また、本実施形態に係るクリーニング装置30によれば、巻取部34は、ガイド部36が接触位置に位置する期間内に払拭部材32を巻き取る。この構成によれば、洗浄液を含んだ払拭部材32がノズル面12Fに繰り出されるから、ノズル面12Fにより多くの洗浄液を供給することができる。
また、本実施形態に係るクリーニング装置30によれば、移動機構42は、接触位置にガイド部36を移動させてから所定時間経過後に非接触位置にガイド部36を移動させ、その後、スライド機構41が支持体31又はインクジェットヘッド12をスライドさせてノズル面12Fを清掃する。この構成によれば、第1押圧部35とガイド部36との間の払拭部材32によって残留インクに洗浄液を浸透させてからノズル面12Fを清掃するから、残留インクの拭き残しを減らすことができる。また、払拭部材32との摩擦によるノズル面12Fの摩耗を抑制することができる。
また、本実施形態に係るクリーニング装置30によれば、スライド機構41が支持体31又はインクジェットヘッド12をスライドさせるのと並行して、巻取部34が払拭部材32を巻き取る。この構成によれば、払拭部材32の未使用部分がノズル面12Fに繰り出されるから、拭き取り能力を高く保つことができる。
また、本実施形態に係るクリーニング装置30によれば、接触位置にガイド部36を移動させる場合に、繰出部33が払拭部材32を繰り出す。この構成によれば、払拭部材32の使用済みの部分がノズル面12Fに戻ってくることを防ぐことができる。
また、本実施形態に係るクリーニング装置30によれば、非接触位置にガイド部36を移動させる場合に、巻取部34が払拭部材32を巻き取る。この構成によれば、払拭部材32の弛みを防ぐことができる。
上記実施形態は以下のように変形されてもよい。
図10、11は、上記実施形態の変形例に係るクリーニング装置30を示す正面図である。本変形例は、上記実施形態の構成に加えて、第2押圧部39を備えている。第2押圧部39は、左右方向を長手方向とする直方体状の部材である。第2押圧部39は、シリコーンゴム、ウレタンフォーム等の弾性体で形成されている。第2押圧部39が多孔質である場合には、洗浄液の吸収を防ぐために、吸液性のない材料で第2押圧部39を被覆する。第2押圧部39の上面は、水平に保たれており、ガイド部36の最上部よりも若干上方に位置する。移動機構42は、ガイド部36とともに第2押圧部39を移動させる。そのため、ガイド部36が非接触位置に位置する場合(図10参照)、第2押圧部39は払拭部材32から離間している。一方、ガイド部36が接触位置に位置する場合(図11参照)、第2押圧部39は、第1押圧部35とともに、払拭部材32をノズル面12Fに押圧する。接触位置において、第2押圧部39の上面は第1押圧部35の最上部よりも若干上方に位置し、第2押圧部39の払拭部材32への食い込み量は、第1押圧部35よりも大きい。この構成によれば、残留インクにより多くの洗浄液を浸透させることができる。
上記実施形態の構成に加えて、インクジェット記録装置1は、ノズル面12Fに押し当てた樹脂製のブレードをスライドさせて残留インクを掻き取るワイプユニットを備えていてもよい(図示省略)。この構成と、上記実施形態で示された払拭部材32による拭き取りとを併用することで、残留インクをより確実に除去することができる。あるいは、ブレードは払拭部材32と比べてノズル面12Fに対する摩擦抵抗が低いため、上記実施形態の手順で洗浄液を残留インクに浸透させた後、ブレードで残留インクを掻き取ることで、ノズル面12Fの寿命を延ばすことができる。
上記実施形態では、繰出部33に駆動部が設けられている例が示されたが、駆動部に代えてトルクリミッター(図示省略)が設けられていてもよい。この構成によっても、張力を保ったまま払拭部材32を繰り出すことができる。
上記実施形態では、第1押圧部35とガイド部36が従動ローラーである例が示されたが、第1押圧部35とガイド部36は、回転しない部材でもよい。
上記実施形態では、洗浄液供給部37の一例として、従動ローラーの孔から洗浄液が滲み出る構成が示されたが、洗浄液供給部37は、繰出部33とガイド部36との間で払拭部材32に上方から洗浄液を垂らすように構成されていてもよい。あるいは、洗浄液供給部37は、繰出部33とガイド部36との間で払拭部材32に洗浄液を噴射するように構成されていてもよい。あるいは、洗浄液供給部37は、繰出部33とガイド部36との間で、洗浄液を貯留した水槽に払拭部材32を浸漬するように構成されていてもよい。あるいは、洗浄液供給部37は、洗浄液を貯留した水槽に繰出部33に巻き付けられた払拭部材32の下部を浸漬するように構成されていてもよい(いずれも図示省略)。
上記実施形態では、ロールのシートSに印刷するインクジェット記録装置1の例が示されたが、枚葉のシートに印刷するインクジェット記録装置に本発明が適用されてもよい。
1 インクジェット記録装置
5 搬送部
12 インクジェットヘッド
12F ノズル面
30 クリーニング装置
31 支持体
32 払拭部材
33 繰出部
34 巻取部
35 第1押圧部
36 ガイド部
37 洗浄液供給部
39 第2押圧部
41 スライド機構
42 移動機構
5 搬送部
12 インクジェットヘッド
12F ノズル面
30 クリーニング装置
31 支持体
32 払拭部材
33 繰出部
34 巻取部
35 第1押圧部
36 ガイド部
37 洗浄液供給部
39 第2押圧部
41 スライド機構
42 移動機構
Claims (8)
- 帯状の払拭部材を繰り出す繰出部と、
前記払拭部材を巻き取る巻取部と、
前記繰出部と前記巻取部との間で前記払拭部材をインクジェットヘッドのノズル面に押圧する第1押圧部と、
前記繰出部と前記巻取部と前記第1押圧部とを支持する支持体と前記インクジェットヘッドとのいずれかを前記ノズル面に沿う方向にスライドさせるスライド機構と、
前記繰出部と前記第1押圧部との間で前記払拭部材を案内するガイド部と、
前記ガイド部よりも前記払拭部材の繰出方向上流側で前記払拭部材に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
前記第1押圧部と前記ガイド部との間の前記払拭部材が前記ノズル面に接触する接触位置と、前記第1押圧部と前記ガイド部との間の前記払拭部材が前記ノズル面に接触しない非接触位置と、に前記ガイド部を移動させる移動機構と、を備えることを特徴とするクリーニング装置。 - 前記巻取部は、前記ガイド部が前記接触位置に位置する期間内に前記払拭部材を巻き取ることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
- 前記移動機構は、前記接触位置に前記ガイド部を移動させてから所定時間経過後に前記非接触位置に前記ガイド部を移動させ、その後、前記スライド機構が前記支持体又は前記インクジェットヘッドをスライドさせて前記ノズル面を清掃することを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニング装置。
- 前記スライド機構が前記支持体又は前記インクジェットヘッドをスライドさせるのと並行して、前記巻取部が前記払拭部材を巻き取ることを特徴とする請求項3に記載のクリーニング装置。
- 前記接触位置に前記ガイド部を移動させる場合に、前記繰出部が前記払拭部材を繰り出すことを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
- 前記非接触位置に前記ガイド部を移動させる場合に、前記巻取部が前記払拭部材を巻き取ることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
- 前記第1押圧部と前記ガイド部との間の前記払拭部材を前記ノズル面に押圧する第2押圧部を備え、
前記移動機構は、前記ガイド部とともに前記第2押圧部を移動させることを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。 - 請求項1に記載のクリーニング装置と、
前記インクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる搬送部と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022124858A JP2024021777A (ja) | 2022-08-04 | 2022-08-04 | クリーニング装置及びインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022124858A JP2024021777A (ja) | 2022-08-04 | 2022-08-04 | クリーニング装置及びインクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024021777A true JP2024021777A (ja) | 2024-02-16 |
Family
ID=89855467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022124858A Pending JP2024021777A (ja) | 2022-08-04 | 2022-08-04 | クリーニング装置及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024021777A (ja) |
-
2022
- 2022-08-04 JP JP2022124858A patent/JP2024021777A/ja active Pending
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