以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」という。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の正面図である。以下の説明では、プリンタを正面から見たときに、プリンタ10から遠ざかる方を前方、プリンタ10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは前後方向であり、平面視において主走査方向Yと直交している。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。また、本実施形態では、ノズル面43(図2参照)をワイピングする方向は、主走査方向Y(即ち左右方向)を意味する。ただし、ノズル面43をワイピングする方向は、副走査方向X(即ち前後方向)であってもよい。
プリンタ10は、インクジェット式のプリンタである。プリンタ10は、家庭用のプリンタと比較すると主走査方向Yに長い、いわゆる大型のプリンタである。例えば、プリンタ10は業務用のプリンタである。本実施形態では、プリンタ10は、ロール状の記録媒体5を順次前方に移動させると共に、主走査方向Yに移動するキャリッジ30に搭載されたインクヘッド40A、40B、40C(図2参照)から画像形成用インク(例えばプロセスカラーインクやホワイトインク等)が吐出することによって、記録媒体5上に画像を印刷する。
記録媒体5は、例えば、記録紙である。ただし、記録媒体5は、記録紙に限定されない。記録媒体5は、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類以外に、ポリ塩化ビニルやポリエステル等の樹脂製のシートやフィルム、織布や不織布等の布帛、その他の媒体であってもよい。
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体10aと、脚11と、操作パネル12と、プラテン16と、制御装置90と、ワイピング装置50と、キャッピング装置80とを備えている。プリンタ本体10aは、主走査方向Yに延びたケーシングを有する。脚11は、プリンタ本体10aを支持するものであり、プリンタ本体10aの下面に設けられている。操作パネル12は、例えばプリンタ本体10aの右側の前面に設けられている。ただし、操作パネル12の位置は特に限定されない。操作パネル12は、例えば、ユーザが印刷に関する操作を行うものである。図示は省略するが、操作パネル12には、例えば、解像度、インクの濃さなどの印刷に関する情報や、印刷中のプリンタ10のステータスなどが表示される表示部、および、印刷に関する情報を入力するための入力部などが備えられている。
プラテン16は、記録媒体5への印刷の際、記録媒体5を支持するものである。プラテン16には、記録媒体5が載置される。記録媒体5への印刷は、プラテン16上で行われる。プラテン16は主走査方向Yに延びている。
図1に示すように、プリンタ10は、キャリッジ30と、ヘッド移動機構31とを備えている。ヘッド移動機構31は、プラテン16に載置された記録媒体5に対してキャリッジ30を相対的に主走査方向Yに移動させる機構である。ヘッド移動機構31は、キャリッジ30を主走査方向Yに移動させる。ヘッド移動機構31は、第3移動機構の一例である。なお、ヘッド移動機構31の構成は特に限定されない。ヘッド移動機構31は、ガイドレール20と、プーリ21と、プーリ22と、無端状のベルト23と、キャリッジモータ24とを備えている。ガイドレール20は、キャリッジ30の主走査方向Yへの移動をガイドするものである。ガイドレール20は、プラテン16の上方に配置されている。ガイドレール20は主走査方向Yに延びている。プーリ21は、ガイドレール20の左端部分に設けられている。プーリ22は、ガイドレール20の右端部分に設けられている。ベルト23は、プーリ21とプーリ22とに巻き掛けられている。右側のプーリ22には、キャリッジモータ24が接続されている。ただし、キャリッジモータ24は、左側のプーリ21に接続されていてもよい。ここでは、キャリッジモータ24が駆動して、プーリ22が回転することで、プーリ21とプーリ22との間においてベルト23が走行する。
キャリッジ30は、ベルト23に取り付けられている。キャリッジ30は、ガイドレール20に係合しており、ガイドレール20に摺動自在に設けられている。キャリッジ30には、インクヘッド40A、40B、40Cが搭載されている。キャリッジモータ24の駆動によってベルト23が走行して、キャリッジ30が主走査方向Yに移動することに伴い、キャリッジ30に搭載されたインクヘッド40A、40B、40Cは主走査方向Yに移動する。
図1に示すように、プリンタ10は、媒体搬送機構32を備えている。媒体搬送機構32は、プラテン16に載置された記録媒体5をキャリッジ30に対して相対的に副走査方向Xに移動させるものである。ここでは、媒体搬送機構32は、プラテン16に載置された記録媒体5を副走査方向X(図2参照)に移動させる。なお、媒体搬送機構32の構成は特に限定されない。媒体搬送機構32は、グリットローラ25と、ピンチローラ26と、フィードモータ27(図3参照)とを備えている。グリットローラ25は、プラテン16に設けられている。ここでは、グリットローラ25の一部はプラテン16に埋設されている。ピンチローラ26は、記録媒体5を上から押え付けるものである。ピンチローラ26は、グリットローラ25と上下方向で対向するように、グリットローラ25の上方に配置されている。ピンチローラ26は、記録媒体5の厚みに応じて、上下方向に移動可能に構成されていてもよい。なお、グリットローラ25およびピンチローラ26のそれぞれの配置位置および数は特に限定されない。本実施形態では、グリットローラ25およびピンチローラ26は、プラテン16の左端部および右端部にそれぞれ配置されている。フィードモータ27は、グリットローラ25に接続されている。グリットローラ25とピンチローラ26との間に記録媒体5が挟まれた状態で、フィードモータ27が駆動してグリットローラ25が回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。
図2に示すように、インクヘッド40A、40B、40Cは、副走査方向X(前後方向)の長さが主走査方向Y(左右方向)の長さよりも長い形状に形成されている。インクヘッド40A、40B、40Cは、同じ形状かつ同じ大きさに形成されている。インクヘッド40A、40B、40Cは、副走査方向Xに並ぶ複数の第1ノズル41と、副走査方向Xに並ぶ複数の第2ノズル42と、第1ノズル41および第2ノズル42が形成されたノズル面43を備えている。第1ノズル41内および第2ノズル42内は、負圧(大気圧より低い圧力)に設定されている。なお、第1ノズル41および第2ノズル42は微小であるため、図2では複数の第1ノズル41および複数の第2ノズル42を直線で表している。本実施形態では、例えば、インクヘッド40A、40B、40Cの第1ノズル41および第2ノズル42から画像形成用のインク(例えばシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ホワイトインク等)が吐出される。本実施形態では、インクヘッド40A、40B、40Cは、第1ノズル41および第2ノズル42の2種類のノズルを備えているが、3種類以上のノズルを備えていてもよい。インクヘッド40A、40B、40Cは、ノズル面43が外部に露出されるようにキャリッジ30に収容されている。
次に、本実施形態に係るワイピング装置50について説明する。プリンタ10による印刷が行われると、インクヘッド40A、40B、40Cのノズル面43には、インクおよび異物等の付着物が付着することがある。この付着物が付着した状態で印刷を行うと、記録媒体5が汚れてしまうことがあり、印刷品質が低下してしまう。そこで、ワイピング装置50は、ノズル面に付着したインク等の付着物を取り除くために用いられる。図1に示すように、ワイピング装置50は、プリンタ本体10aの内部に設けられている。ここでは、ワイピング装置50は、プラテン16とキャッピング装置80との間に設けられている。図4に示すように、ワイピング装置50は、本体部65と、洗浄液槽60と、支軸53と、ワイパー51と、除去部材71と、駆動機構75とを備えている。洗浄液槽60は、洗浄液供給部材の一例である。除去部材71は、洗浄液除去部材の一例である。
図4に示すように、本体部65は、支持台66と、前板67と、後板68とを備えている。支持台66には、洗浄液槽60が載置される。支持台66は、プリンタ本体10a(図1参照)に固定されている。前板67は、支持台66の前端から上方に延びる。後板68は、支持台66の後端から上方に延びる。
図4に示すように、支軸53は、副走査方向Xに延びる。支軸53は、前板67および後板68に回転可能に支持されている。支軸53は、ワイパー51を保持する保持部材55を回動可能に支持する。支軸53は、洗浄液槽60が支持台66に載置されたとき、洗浄液槽60の上方に位置する。支軸53は、洗浄液槽60が支持台66に載置されたとき、平面視で洗浄液槽60と重なる。
図4に示すように、ワイパー51は、副走査方向Xに延びる。ワイパー51の副走査方向Xの長さは、第1ノズル41および第2ノズル42の副走査方向Xの長さよりも長い。ワイパー51は、保持部材55を介して支軸53に回動可能に支持されている。ワイパー51は、保持部材55に取り換え可能に保持されている。図5に示すように、ワイパー51は、ワイピング位置P1において、インクヘッド40A、40B、40Cのノズル面43(図2も参照)をワイピングする。ワイピング位置P1は、第1の位置の一例である。ワイパー51がインクヘッド40A、40B、40Cのノズル面43を順にワイピングすることで、各ノズル面43に付着した付着物が取り除いたり、ノズル面43に洗浄液64を付着させたり、第1ノズル41および第2ノズル42のメニスカスを整えたりすることができる。ここでは、ワイピング位置P1において、ワイパー51の先端がノズル面43に順に接触する。ワイパー51の先端がノズル面43に接触するとき、ワイパー51の先端は湾曲する。そして、ワイパー51の先端がノズル面43に接触した状態で、キャリッジ30が主走査方向Y(例えば図5の矢印Y1の方向)に移動することで、ワイパー51がノズル面43をワイピングする。即ち、ワイパー51がワイピング位置P1に位置するときに、キャリッジ30を主走査方向Yに移動させることによって、ノズル面43はワイパー51にワイピングされる。なお、後述するように、「ワイパー51がノズル面43をワイピングする」には、ワイパー51に洗浄液64が供給された状態でそのままノズル面43をワイピングする場合(即ち除去部材71によって洗浄液64を除去しない)と、ワイパー51に供給された洗浄液64を除去部材71によって所定の量だけ取り除いた状態でノズル面43をワイピングする場合とが含まれる。ノズル面43から取り除かれた付着物は、ワイパー51に付着する。ワイパー51の材質は特に限定されないが、可撓性を有する材質であることが好ましい。例えば、ワイパー51は、ゴム製である。
図4に示すように、洗浄液槽60は、洗浄液64を貯留する部材である。洗浄液槽60は、ワイパー51に洗浄液64を供給する部材である。洗浄液64は、ワイパー51を洗浄するための液である。洗浄液64の種類は特に限定されない。洗浄液64としては、例えば、水、または、有機溶剤などを適宜に用いることができる。洗浄液槽60は、支持台66に対して取り外し可能に構成されている。
図4に示すように、洗浄液槽60は、矩形状に形成されている。洗浄液槽60は、底壁60A(図5参照)と、前壁60Bと、左壁60Cと、右壁60Dと、後壁60Eとを備えている。前壁60Bは、底壁60Aの前端から上方に延びる。左壁60Cは、底壁60Aの左端から上方に延びる。右壁60Dは、底壁60Aの右端から上方に延びる。後壁60Eは、底壁60Aの後端から上方に延びる。底壁60Aと、前壁60Bと、左壁60Cと、右壁60Dと、後壁60Eとによって、洗浄液64が貯留される空間が形成される。図5に示すように、底壁60A(図5参照)の上面60AAは、左下に向かって傾斜している。洗浄液槽60は、載置部材61を備えている。載置部材61は、底壁60Aから上方に延びる。載置部材61は、載置部材61上に洗浄液64が流れ込まないように形成されている。即ち、載置部材61の上端は、洗浄液64の液面64Aより上方に位置する。載置部材61には、除去部材71が交換可能に載置される。
図5に示すように、洗浄液槽60の底壁60Aの上面60AAの少なくとも一部には、フィルタ69が配置されている。フィルタ69は、洗浄液槽60に貯留された洗浄液64を用いてワイパー51を洗浄した際に、ワイパー51から取り除かれた付着物を付着させるものである。ここでは、洗浄液槽60内で取り除かれた付着物は、下方に移動し、洗浄液槽60に沈殿する。そして、沈殿した付着物は、フィルタ69に付着される。フィルタ69の材質は特に限定されない。例えば、フィルタ69は、多孔質状のポリエチレン系の繊維フィルタであることが好ましい。
図6に示すように、ワイパー51は、洗浄位置P2において、洗浄液槽60に貯留された洗浄液64に浸漬する。ワイパー51のうち、ノズル面43をワイピングしたときにノズル面43に接触した部分が少なくとも洗浄液64に浸漬する。ワイパー51が洗浄液64に浸漬することによって、ワイパー51に付着した付着物が取り除かれる。また、ワイパー51が洗浄液64に浸漬することによって、ワイパー51に洗浄液64が供給される。洗浄位置P2は、第2の位置の一例である。
本実施形態では、後述する駆動機構75(図4参照)は、洗浄位置P2においてワイパー51を以下のように回動させるように構成されている。図6に示すように、ここでは、洗浄液槽60に貯留された洗浄液64の液面64Aよりも上方の位置を洗浄液非浸漬位置P2Aとし、洗浄液非浸漬位置P2Aよりも下方であって、洗浄液64内の位置を洗浄液浸漬位置P2Bとする。このとき、駆動機構75は、洗浄位置P2において、ワイパー51の少なくとも一部を洗浄液非浸漬位置P2Aと洗浄液浸漬位置P2Bとの間を所定の回数往復するように構成されている。すなわち、洗浄液64の液面64Aを複数回(例えば2回~10回程度)通過するようにワイパー51が往復移動する。
図7に示すように、除去部材71は、ワイパー51につけられた洗浄液64を所定の量だけ取り除く。除去部材71は、ワイパー51に付着したインクを取り除くように構成されていてもよい。除去部材71は、支軸53より右方に配置されている。なお、除去部材71は、支軸53より左方に配置されていてもよい。除去部材71は、除去部材71の上面71Tが支軸53に対向するように配置されている。即ち、除去部材71は、左下に向かって傾斜している。除去部材71は、洗浄液槽60内に配置されているが、洗浄液64が付着しないように構成されている。除去部材71の上面71Tは、洗浄液64の液面64Aより上方に位置する。除去部材71は、洗浄液64を吸収可能な多孔質体である。本実施形態では、除去部材71は、例えば、吸水性を有するパッドである。パッドは、例えば、ポリオレフィンシートによって形成されている。ポリオレフィンシートは、吸収性が高く、かつ、耐溶剤性が高い。
図7に示すように、ワイパー51は、除去位置P3において、除去部材71と接触する。即ち、ワイパー51は、除去部材71の上面71Tに押し当てられる。ワイパー51が除去部材71に押し当てられることによって、ワイパー51に付けられた洗浄液64は所定の量だけ取り除かれる。取り除かれた洗浄液64は、除去部材71に吸収される。除去位置P3は、第3の位置の一例である。
駆動機構75は、ワイパー51を移動させる機構である。駆動機構75は、支軸53を中心にワイパー51を回動させることによって、ワイパー51の先端の位置を移動させる。駆動機構75は、ワイパー51を図5の矢印R1および矢印R2の方向に回動させる。駆動機構75は、ワイパー51を、少なくともワイピング位置P1(図8参照)と、洗浄位置P2(図6参照)と、除去位置P3(図7参照)との間で移動させる。駆動機構75は、第1移動機構の一例である。
図4に示すように、駆動機構75は、駆動プーリ77と、従動プーリ78と、無端状のベルト76と、駆動モータ79とを備えている。従動プーリ78は、支軸53の後端に設けられている。駆動プーリ77は、他の支軸54の後端に設けられている。他の支軸54は、本体部65の後壁60Eから後方に延びる。ベルト76は、駆動プーリ77および従動プーリ78に巻き掛けられている。駆動プーリ77には、駆動モータ79が接続されている。駆動モータ79が駆動することで、駆動プーリ77が回転する。駆動プーリ77の回転に伴ってベルト76が走行し、従動プーリ78が回転する。従動プーリ78の回転に伴って支軸53が回転することで、ワイパー51が回動する。ワイパー51が回動することによって、ワイパー51は、ワイピング位置P1と、洗浄位置P2と、除去位置P3との間を移動する。図8に示すように、ワイパー51がワイピング位置P1位置するとき、ワイパー51の先端は、支軸53よりも上方に位置する。
次に、本実施形態に係るキャッピング装置80について説明する。図9に示すように、キャッピング装置80は、第1キャップ81Aと、第2キャップ81Bと、第3キャップ81Cと、キャップ移動機構82と、吸引ポンプ83とを備えている。第1キャップ81A、第2キャップ81B、第3キャップ81Cおよびキャップ移動機構82は、ガイドレール20の右端部に位置するホームポジションHPに配置されている。ここで、ホームポジションHPとは、印刷待機時、すなわち、印刷が行われていないときに、キャリッジ30およびインクヘッド40A、40B、40Cが待機する位置である。ただし、ホームポジションHPの位置は特に限定されず、ガイドレール20の左端部であってもよい。ここでは、図1に示すように、キャッピング装置80は、プラテン16より右方に配置されている。
第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cは、それぞれ、インクヘッド40A、40B、40Cの第1ノズル41および第2ノズル42(図2参照)に付着したインクが硬化して第1ノズル41および第2ノズル42が目詰まりすることを抑制する部材である。第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cは、印刷待機時において、インクヘッド40A、40B、40Cにそれぞれ装着され、ノズル面43を覆う。即ち、図9に示すように、キャリッジ30がホームポジションHPに移動すると、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cは、インクヘッド40A、40B、40Cにそれぞれ装着される。
キャップ移動機構82は、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを支持している。キャップ移動機構82は、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cをインクヘッド40A、40B、40Cに対してそれぞれ着脱可能なように移動させる機構である。本実施形態では、キャップ移動機構82は、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを上下方向に移動させるものである。キャップ移動機構82は、第2移動機構の一例である。キャップ移動機構82の構成は特に限定されないが、例えば、駆動モータ82Aを備えている。駆動モータ82Aを駆動させることによって、キャップ移動機構82は、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを上下方向に移動させる。キャップ移動機構82は、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを上方に移動させることによって、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを、キャップ位置CP(図9参照)に移動させる。ここで、キャップ位置CPとは、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cがインクヘッド40A、40B、40Cのノズル面43を覆う位置である。これにより、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cは、インクヘッド40A、40B、40Cにそれぞれ装着される。第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cがインクヘッド40A、40B、40Cにそれぞれ取り付けられたときに、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cとノズル面43との間に密閉空間48(図9参照)がそれぞれ形成される。キャップ移動機構82は、後述する第1ワイピング動作および第2ワイピング動作を行うときや印刷を開始するとき、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを下方に移動させることによって、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを、キャップ位置CP(図9参照)から離隔位置DP(図10参照)に移動させる。ここで、離隔位置DPとは、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cがノズル面43から離隔した位置である。これにより、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cは、それぞれ、インクヘッド40A、40B、40Cから取り外される。
図9に示すように、吸引ポンプ83は、インクヘッド40A、40B、40Cに第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cがそれぞれ装着されている状態において、密閉空間48内の流体(例えば画像形成用インク)を吸引する吸引動作を行う。これにより、密閉空間48内は、大気圧より低い圧力となる。この結果、インクヘッド40A、40B、40Cの第1ノズル41および第2ノズル42から画像形成用インクが強制的に排出される。吸引ポンプ83の吸引口は、可撓性を有するチューブ84を介して第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cに接続されている。吸引ポンプ83の排出口は、廃液タンク85に接続されている。吸引ポンプ83に吸引された密閉空間48内の流体は、廃液タンク85に貯留される。上記吸引動作は、第1ノズル41および第2ノズル42の吐出不良を解消させる作業であり、インクヘッド40A、40B、40Cの第1ノズル41および第2ノズル42の詰まりを予防するための作業である。吸引ポンプ83は、吸引装置の一例である。
図3に示すように、制御装置90は、記録媒体5への印刷およびインクヘッド40A、40B、40Cのクリーニング動作を制御する装置である。制御装置90の構成は特に限定されない。制御装置90は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェアの構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置と、を備えている。図1に示すように、制御装置90は、プリンタ本体10aの内部に設けられている。ただし、制御装置90はプリンタ本体10aの内部に設けられていなくてもよい。例えば、制御装置90は、プリンタ本体10aの外部に設置されたコンピュータなどであってもよい。この場合、制御装置90は、有線または無線を介してプリンタ本体10aと通信可能に接続されている。
図3に示すように、制御装置90は、操作パネル12と、ヘッド移動機構31のキャリッジモータ24と、媒体搬送機構32のフィードモータ27と、インクヘッド40A、40B、40Cと、キャッピング装置80の駆動モータ82Aと、吸引ポンプ83と、ワイピング装置50の駆動モータ79と通信可能に接続している。制御装置90は、キャリッジモータ24、フィードモータ27、インクヘッド40A、40B、40C、駆動モータ82A、吸引ポンプ83、および、駆動モータ79を制御する。
図3に示すように、制御装置90は、キャリッジモータ24の駆動を制御することで、プーリ22の回転、および、ベルト23(図1参照)の走行を制御する。これにより、制御装置90は、インクヘッド40A、40B、40Cの主走査方向Yへの移動を制御する。制御装置90は、フィードモータ27の駆動を制御してグリットローラ25の回転を制御する。これにより、プラテン16に載置された記録媒体5の副走査方向Xへの移動を制御する。制御装置90は、インクヘッド40A、40B、40Cが画像形成用インクを吐出するタイミングや画像形成用インクの吐出量等を制御する。制御装置90は、駆動モータ82Aの駆動を制御することによって、キャップ81A、81B、81Cの上下方向への移動を制御する。制御装置90は、吸引ポンプ83の吸引のタイミングや出力を制御する。制御装置90は、駆動モータ79の駆動を制御することによって、ワイパー51の移動を制御する。
図3に示すように、制御装置90は、第1ワイピング制御部91と、吸引制御部92と、第2ワイピング制御部93と、を備えている。これら各部は、プログラムによって実現されている。このプログラムは、例えばCDやDVDなどの記録媒体から読み込まれる。なお、このプログラムは、インターネットを通じてダウンロードされるものであってもよい。また、制御装置90の各部の機能は、プロセッサおよび/または回路などによって実現可能なものであってもよい。なお、これら各部の具体的な機能については後述する。
第1ワイピング制御部91は、第1ワイピング動作を行うように駆動機構75の駆動モータ79およびヘッド移動機構31のキャリッジモータ24を制御する。即ち、第1ワイピング制御部91は、ワイパー51およびキャリッジ30の移動を制御する。第1ワイピング動作とは、ワイパー51を洗浄位置P2(図6参照)に移動させてワイパー51に洗浄液64を供給し、かつ、ワイパー51をワイピング位置P1(図8参照)に移動させて洗浄液64が供給されたワイパー51によってインクヘッド40A、40B、40Cのノズル面43をワイピングすることである。第1ワイピング制御部91は、洗浄液64が供給されたワイパー51を除去位置P3に移動させない。第1ワイピング動作は、インクヘッド40A、40B、40Cのそれぞれに対して行われる。例えば、インクヘッド40A、40B、40Cの順に第1ワイピング動作がそれぞれ行われる。
吸引制御部92は、第1ワイピング動作の後かつ後述する第2ワイピング動作の前に、吸引動作を行うようにキャッピング装置80のキャップ移動機構82および吸引ポンプ83を制御する。即ち、吸引制御部92は、駆動モータ82Aおよび吸引ポンプ83を制御する。吸引動作とは、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを離隔位置DP(図10参照)からキャップ位置CP(図9参照)に移動させ、かつ、密閉空間48内の流体を吸引することである。
第2ワイピング制御部93は、第1ワイピング動作が行われた後に、第2ワイピング動作を行うように駆動機構75の駆動モータ79およびヘッド移動機構31のキャリッジモータ24を制御する。即ち、第2ワイピング制御部93は、ワイパー51およびキャリッジ30の移動を制御する。第2ワイピング動作とは、ワイパー51を洗浄位置P2(図6参照)に移動させてワイパー51に洗浄液64を供給し、かつ、ワイパー51を除去位置P3(図7参照)に移動させて除去部材71によってワイパー51に供給された洗浄液64を所定の量だけ取り除き、かつ、ワイパー51をワイピング位置P1に移動させて洗浄液64が所定の量だけ取り除かれたワイパー51によってインクヘッド40A、40B、40Cのノズル面43をワイピングすることである。第2ワイピング動作は、インクヘッド40A、40B、40Cのそれぞれに対して行われる。例えば、インクヘッド40A、40B、40Cの順に第2ワイピング動作がそれぞれ行われる。なお、第1ワイピング動作が行われるときにワイパー51に付着している洗浄液64の第1洗浄液量は、第2ワイピング動作が行われるときにワイパー51に付着している洗浄液64の第2洗浄液量よりも多い。例えば、第1洗浄液量は、第2洗浄液量の2~7倍程度である。また、第1ワイピング動作のときのキャリッジ30の主走査方向Yの第1移動速度は、第2ワイピング動作のときのキャリッジ30の主走査方向Yの第2移動速度よりも速い。例えば、第1移動速度は、第2移動速度の1.5倍~5倍程度である。
次に、プリンタ10におけるインクヘッド40A、40B、40Cのクリーニング動作の手順について説明する。図11は、プリンタ10のクリーニング動作の手順を示したフローチャートである。ここでは、キャリッジ30がホームポジションHP(図9参照)に位置し、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cが、インクヘッド40A、40B、40Cにそれぞれ装着されている。
ステップS10において、制御装置90は、キャッピング装置80のキャップ移動機構82を制御して、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを下方に移動させることによって、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを、キャップ位置CP(図9参照)から離隔位置DP(図10参照)に移動させる。
ステップS20において、第1ワイピング制御部91は、上述した第1ワイピング動作を行うように駆動機構75の駆動モータ79およびヘッド移動機構31のキャリッジモータ24を制御する。これにより、インクヘッド40A、40B、40Cのノズル面43から付着物が取り除かれると共にノズル面43に洗浄液64が付着される。
ステップS30において、吸引制御部92は、上述した吸引動作を行う。これにより、第1ノズル41および第2ノズル42から強制的に画像形成用インクを吐出させつつ、ノズル面43に付着した洗浄液64が第1ノズル41および第2ノズル42内に逆流することを抑制することができる。このとき、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cのうちノズル面43と接触する接触部分(例えばリップ部分)には、ノズル面43に付着した洗浄液64が付着し得る。これにより、接触部分を洗浄液64によって洗浄することができる。
ステップS40において、制御装置90は、キャッピング装置80のキャップ移動機構82を制御して、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを下方に移動させることによって、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを、キャップ位置CP(図9参照)から離隔位置DP(図10参照)に移動させる。このとき、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81C内には、第1ノズル41および第2ノズル42から吐出された画像形成用インクやノズル面43に付着していた付着物が残存している。なお、ステップS30の吸引動作が行われた後には密閉空間48内は負圧になっているため、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを下方に移動させる前に、吸引ポンプ83を停止して所定の時間待機することによって、密閉空間48内の負圧を解除する。
ステップS50において、第2ワイピング制御部93は、上述した第2ワイピング動作を行うように駆動機構75の駆動モータ79およびヘッド移動機構31のキャリッジモータ24を制御する。第2ワイピング動作を行う前には、ノズル面43に洗浄液64が付着しているため、インクヘッド40A、40B、40Cのノズル面43からより確実に付着物が取り除かれる。また、第2ワイピング動作においては、除去部材71によってワイパー51に供給された洗浄液64が所定の量だけ取り除かれているため、ノズル面43に付着した洗浄液64がワイパー51によって取り除かれると共に、第1ノズル41および第2ノズル42のメニスカスが整えられる。
ステップS60において、制御装置90は、吸引ポンプ83を駆動して、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81C内に残存している画像形成用インクや付着物を吸引し、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81C内を空にする(即ち空吸引が行われる)。
ステップS70において、制御装置90は、キャップ移動機構82を制御して、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを上方に移動させることによって、第1キャップ81A、第2キャップ81Bおよび第3キャップ81Cを、離隔位置DP(図10参照)からキャップ位置CP(図9参照)に移動させる。このようにして、クリーニング動作が行われる。
以上のように、本実施形態のプリンタ10によると、第1ワイピング制御部91は、ワイパー51に洗浄液64を供給し、除去部材71によってワイパー51から洗浄液64を取り除くことなくノズル面43をワイパー51によってワイピングするように駆動機構75を制御する。これにより、ノズル面43に付着した付着物を取り除きつつ、ノズル面43に洗浄液64を付着させることができる。そして、第2ワイピング制御部93は、ワイパー51に付着した洗浄液やインク等を除去部材71によってワイパー51から取り除いた後に、ノズル面43をワイパー51によってワイピングするように駆動機構75を制御する。これにより、ノズル面43に付着している洗浄液64を取り除くと共にノズル面に付着している付着物を取り除くことができる。このように、ワイパー51によってノズル面43から洗浄液64が取り除かれるため、同時に複数の第1ノズル41および第2ノズル42のメニスカスを整えることができる。
本実施形態のプリンタ10によれば、第2ワイピング動作は、第1ワイピング動作が行われた後に、ワイパー51を洗浄位置P2に移動させてワイパー51に洗浄液64を供給し、かつ、ワイパー51を除去位置P3に移動させて除去部材71によってワイパー51に供給された洗浄液64を所定の量だけ取り除き、かつ、ワイパー51をワイピング位置P1に移動させて洗浄液64が所定の量だけ取り除かれたワイパー51によってノズル面43をワイピングすることを含む。このように、第2ワイピング制御部93は、除去部材71によってワイパー51から所定量の洗浄液64を取り除いた後に、洗浄液64が付着しているノズル面43をワイパー51によってワイピングするように駆動機構75を制御する。これにより、ノズル面43に付着している洗浄液64を取り除くと共にノズル面に付着している付着物をより確実に取り除くことができる。
本実施形態のプリンタ10によれば、吸引制御部92は、第1ワイピング動作の後かつ第2ワイピング動作の前に、第1キャップ81A、第2キャップ81B、第3キャップ81Cをキャップ位置CPに移動させ、かつ、密閉空間48内の流体を吸引する吸引動作を行うようにキャップ移動機構82および吸引ポンプ83を制御する。第1ワイピング動作をした後には、ノズル面43に洗浄液64が付着しているため、一部の洗浄液64は第1ノズル41および第2ノズル42内に侵入する虞がある。しかし、吸引ポンプ83によって密閉空間48内の流体が吸引されるため、第1ノズル41および第2ノズル42内に侵入した洗浄液64は第1ノズル41および第2ノズル42から第1キャップ81A、第2キャップ81B、第3キャップ81C内に吐出される。また、第1キャップ81A、第2キャップ81B、第3キャップ81Cがノズル面43と接触するときに、第1キャップ81A、第2キャップ81B、第3キャップ81Cのうちノズル面43と接触する部分がノズル面43に付着した洗浄液64と接触することによって、該接触部分を洗浄することができる。なお、吸引ポンプ83によって密閉空間48内の流体が吸引されることによって、ノズル面43に付着した洗浄液64の一部はノズル面43から取り除かれるが、ノズル面43には未だ洗浄液64が付着している。
本実施形態のプリンタ10によれば、第1ワイピング動作のときのキャリッジ30の主走査方向Yの第1移動速度は、第2ワイピング動作のときのキャリッジ30の主走査方向Yの第2移動速度よりも速い。第1移動速度を相対的に速くすることによって、ノズル面43により多くの洗浄液64を付着させることができる。また、第2移動速度を相対的に遅くすることによって、ノズル面43に付着した洗浄液64および付着物をより確実に取り除くことができる。
本実施形態のプリンタ10によれば、除去部材71は、吸収性を有するパッドである。これにより、ワイパー51から洗浄液64を適切な量だけ取り除くことができる。
本実施形態のプリンタ10によれば、パッドは、ポリオレフィンシートによって形成されている。これにより、ワイパー51から洗浄液64を取り除きやすくなる。
本実施形態のプリンタ10によれば、除去部材71は、洗浄液64が貯留される洗浄液槽60である。そして、洗浄位置P2は、洗浄液槽60に貯留された洗浄液64にワイパー51の少なくとも一部が浸される位置である。これにより、ワイパー51に容易に洗浄液64を供給することができる。
本実施形態のプリンタ10は、洗浄液槽60の上方に配置され、ワイパー51を回動可能に支持する支軸53と、支軸53に接続された駆動モータ79と、を備えている。このように、支軸53を中心にワイパー51を回動させるという簡単な構成によって、ワイパー51をワイピング位置P1、洗浄位置P2および除去位置P3の間で移動させることができる。また、ワイピング位置P1にワイパー51が位置するとき、ワイパー51の先端は、支軸53より上方に位置する。これにより、ワイパー51によってノズル面43をより確実にワイピングすることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
上述した実施形態では、ステップS50を実施した後にステップS60を実施しているが、ステップS60を実施した後にステップS50を実施してもよいし、ステップS50とステップS60とを同時に実施してもよい。
上述した実施形態では、第1ワイピング動作の後に吸引動作を行い、その後に第2ワイピング動作を行っているが、これに限定されない。例えば、吸引動作を行うことなく、第1ワイピング動作の後に第2ワイピング動作を行ってもよい。
上述したクリーニング動作は、通常の印刷の合間に行うと共に、定期的なメンテナンス(例えば1日に1回のメンテナンス)時に行うようにしてもよいし、定期的なメンテナンス時にのみ行い、通常の印刷の合間には第1ワイピング動作が省略された吸引動作および第2ワイピング動作のみが行われてもよい。第1ワイピング動作が省略された場合には、第2ワイピング動作においてワイパー51によってノズル面43をワイピングするときに、ノズル面43には洗浄液64は付着していない。
上述した実施形態では、洗浄液供給部材として、ワイパー51に洗浄液64を供給するために洗浄液64を貯留する洗浄液槽60を用いていたが、これに限定されない。洗浄液供給部材は、例えば、ワイパー51に向けて洗浄液64を噴射したり、ワイパー51に洗浄液64を流したりする等して、ワイパー51に直接的に洗浄液64を供給するような部材であってもよい。
上述した実施形態では、第2ワイピング動作において、ワイパー51を洗浄位置P2に移動させ、かつ、ワイパー51を除去位置P3に移動させ、かつ、ワイパー51をワイピング位置P1に移動させていたが、これに限定されない。例えば、第2ワイピング動作では、第1ワイピング動作が行われた後に、ワイパー51を除去位置P3に移動させ、かつ、ワイパー51をワイピング位置P1に移動させてもよい。即ち、第1ワイピング動作が行われた後に、ワイパー51を洗浄位置P2に移動させさせることなくワイパー51を除去位置P3に移動させ、かつ、ワイパー51をワイピング位置P1に移動させてもよい。この場合、第1ワイピング動作によってワイパー51には洗浄液64やインクが付着し得るが、これらはワイパー51を除去位置P3に移動させることによって除去部材71に取り除かれる。そして、ワイパー51から洗浄液64やインクが取り除かれた状態で、再度ノズル面43がワイピングされる。