JP2024017383A - 制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一例として、耐久性を向上可能な制動装置を得る。【解決手段】実施形態に係る制動装置は、回転部材と、前記回転部材が第1の回転方向に回転したときに第1の方向に移動可能であり、前記回転部材が第2の回転方向に回転したときに第2の方向に移動可能である直動部材と、前記直動部材によって前記第1の方向に押されることでブレーキパッドを前記第1の方向に押すことが可能な、ピストンと、前記ブレーキパッドから突出するとともに前記ピストンに設けられた凹部に収容され、前記回転軸に対して斜めに傾く傾斜面を有する、凸部と、を備え、前記第2の回転方向に回転させられた前記ピストンは、前記ブレーキパッドの前記傾斜面に対して、凹部第1端面で接触するとともに、前記ブレーキパッドを前記第1の方向に押し、前記第1の方向に前記凸部を見た場合において、前記傾斜面の投影面積は、前記凸部の投影面積の半分よりも大きい。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、制動装置に関する。
従来、電動モータによって駆動される回転部材の回転を直動部材の直動に変換し、当該直動部材によってピストンを介してブレーキパッドをブレーキロータに押し付ける制動装置が知られる。ピストン及びブレーキパッドには、ピストンが回転することを制限するように互いに嵌合する凸部及び凹部が設けられることがある(特許文献1)。
特開2017-155774号公報
しかしながら、従来の構成では、凸部及び凹部の嵌合によってピストン及びブレーキパッドの回転が制限されると、電動モータや、電動モータと回転部材との間で回転を伝達する機構に、大きな負荷が掛かることがある。当該負荷が低減されれば、制動装置の耐久性が向上し得る。
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、耐久性を向上可能な制動装置を提供する。
本発明の実施形態に係る制動装置は、一例として、雄ネジと、当該雄ネジと噛み合う雌ネジと、のうち一方が設けられ、回転軸まわりに回転可能な回転部材と、前記回転部材を回転駆動する電動モータと、前記雄ネジと前記雌ネジのうち他方が設けられ、前記回転部材が前記回転軸まわりの第1の回転方向に回転したときに前記回転軸に沿う第1の方向に移動可能であり、前記回転部材が前記第1の回転方向の反対の第2の回転方向に回転したときに前記第1の方向の反対の第2の方向に移動可能である、直動部材と、前記直動部材から前記第1の方向に離間したブレーキパッドと、前記直動部材に対して前記回転軸まわりに回転することを制限されるとともに前記直動部材に対して前記回転軸に沿って移動可能であり、前記直動部材によって前記第1の方向に押されることで前記ブレーキパッドを前記第1の方向に押すことが可能な、ピストンと、前記ブレーキパッドから突出するとともに前記ピストンに設けられた凹部に収容され、前記回転軸に対して斜めに傾く傾斜面を有する、凸部と、を備え、前記第2の回転方向に回転させられた前記ピストンは、前記ブレーキパッドの前記傾斜面に対して、凹部第1端面で接触するとともに、前記ブレーキパッドを前記第1の方向に押し、前記第1の方向に前記凸部を見た場合において、前記傾斜面の投影面積は、前記凸部の投影面積の半分よりも大きい。よって、一例としては、傾斜面の投影面積が凸部の投影面積の半分よりも小さい場合に比べ、回転軸と直交する平面に対する傾斜面の傾きが小さい。このため、ピストンが第2の回転方向に回転させられた場合に、凹部第1端面が傾斜面から受ける第1の回転方向の反力が小さくなる。従って、例えば、回転部材を駆動する電動モータや、当該電動モータと回転部材との間で回転を伝達する回転伝達機構に掛かる負荷が軽減され、制動装置の耐久性が向上し得る。
図1は、第1の実施形態に係る制動装置を概略的に示す断面図である。 図2は、第1の実施形態のピストン及びブレーキパッドを図1のF2-F2線に沿って示す断面図である。 図3は、第1の実施形態の凸部を示す平面図である。 図4は、第1の実施形態の制動装置の一部を図3のF4-F4線に沿って示す断面図である。 図5は、第2の実施形態に係るピストン及びブレーキパッドの一部を示す平面図である。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
図1は、第1の実施形態に係る制動装置10を概略的に示す断面図である。制動装置10は、自動車のような車両1に搭載される。なお、制動装置10は、この例に限られない。図1に示すように、制動装置10は、キャリパ11と、ピストン12と、ピストンシール13と、ブレーキロータ14と、ブレーキパッド15と、回転直動変換機構16と、回転伝達機構17と、電動モータ18と、ECU19とを有する。
制動装置10は、液圧ブレーキとして作動することができ、且つ電動ブレーキとしても作動することができる。例えば、キャリパ11、ピストン12、ピストンシール13、ブレーキロータ14、及びブレーキパッド15が液圧ブレーキを構成する。また、キャリパ11、ピストン12、ピストンシール13、ブレーキロータ14、ブレーキパッド15、回転直動変換機構16、回転伝達機構17、及び電動モータ18が電動ブレーキを構成する。なお、制動装置10は、この例に限られない。
電動ブレーキは、いわゆる電動パーキングブレーキ(EPB)である。すなわち、制動装置10は、電動ブレーキ機能による制動状態が駐車時に維持されるよう構成される。なお、電動ブレーキは、走行時や一時停止時に作動しても良い。
キャリパ11に、シリンダ21が設けられる。シリンダ21は、キャリパ11の外面に開口する略円柱状の穴である。図1は、一点鎖線によりシリンダ21の中心軸Axを示す。すなわち、シリンダ21は、中心軸Axに沿って延びている。中心軸Axは、回転軸の一例である。なお、回転軸は、シリンダ21の中心軸と異なっても良い。
本明細書において、便宜上、軸方向、径方向、及び周方向が定義される。軸方向は、中心軸Axに沿う方向であり、第1の方向Dt1と、第2の方向Dt2とを含む。第2の方向Dt2は、第1の方向Dt1の反対方向である。径方向は、中心軸Axと直交する方向である。周方向は、中心軸Axまわりの方向である。
シリンダ21は、第1の方向Dt1に開放された有底の穴である。ピストン12は、軸方向に移動可能なようにシリンダ21に収容される。シリンダ21において、ピストン12と、第2の方向Dt2におけるシリンダ21の底面21aと、の間に液圧室Rが設けられる。
ピストン12は、外周面12aと、端面12bとを有する。外周面12aは、中心軸Axの径方向の外側に向く略円筒状に形成されている。端面12bは、第1の方向Dt1におけるピストン12の端部に設けられる。端面12bは、略平坦に形成され、第1の方向Dt1に向く。
ピストン12に、凹部12cが設けられる。凹部12cは、第2の方向Dt2に開放された有底の穴である。ピストン12は、液圧室Rの一部を形成する。凹部12cは、例えば、略円柱状に形成される。なお、凹部12cの形状は、この例に限られない。
ピストン12の外周面12aと、シリンダ21の内周面21bとは、互いに向かい合う。内周面21bは、中心軸Axの径方向の内側に向く略円筒状に形成された、キャリパ11の内面である。
ピストン12の外周面12aと、シリンダ21の内周面21bとの間に、微小な隙間(クリアランス)が設けられている。ピストン12は、当該隙間に存在する作動油に潤滑された状態で、内周面21bに沿って軸方向に摺動する。
ピストンシール13は、ピストン12の外周面12aとシリンダ21の内周面21bとの間に介在し、外周面12aと内周面21bとの間の隙間をシールしている。これにより、ピストンシール13は、液圧室Rから隙間を通って作動油が漏れることを抑制する。
ピストンシール13は、シリンダ21の内周面21bに取り付けられ、キャリパ11に対して移動することを制限される。なお、ピストンシール13は、ピストン12の外周面12aに取り付けられても良い。
ブレーキロータ14は、車両1のホイールと一体的に回転する。ブレーキロータ14は、シリンダ21から第1の方向Dt1に離間している。すなわち、シリンダ21は、ブレーキロータ14に向かって開口している。
ブレーキパッド15は、ピストン12とブレーキロータ14との間に位置する。ブレーキパッド15は、軸方向に平行移動可能に、例えばキャリパ11に支持される。ブレーキパッド15は、裏板31と、摩擦材32とを有する。
裏板31は、受け面31aと、取付面31bとを有する。受け面31aは、略平坦に形成され、第2の方向Dt2に向く。ピストン12の端面12bと裏板31の受け面31aとは、互いに向かい合う。取付面31bは、受け面31aの反対側に位置する。取付面31bは、ブレーキロータ14に向く。摩擦材32は、取付面31bに取り付けられ、ブレーキロータ14と裏板31との間に位置する。
液圧室Rにおける液圧が上昇すると、ピストン12は当該液圧によって第1の方向Dt1に押され、第1の方向Dt1に移動する。ピストン12は、裏板31の受け面31aに当接し、裏板31を押圧することで、摩擦材32をブレーキロータ14に押し付ける。これにより、車両1のホイールが制動され、液圧ブレーキによる制動状態が得られる。
ピストンシール13は、液圧室Rにおける液圧の下降に伴って、弾性力によってピストン12を第2の方向Dt2に引き込み、ピストン12の端面12bを裏板31から離間させるリトラクト機能を有する。すなわち、液圧室Rの液圧の低下に伴って、ピストン12の裏板31への押圧が解除されると、ピストン12による摩擦材32のブレーキロータ14への押し付けが解除される。これにより、液圧ブレーキによる制動解除状態が得られる。
回転直動変換機構16は、回転部材41と、直動部材42とを有する。回転部材41及び直動部材42のそれぞれは、少なくとも部分的にシリンダ21に収容されている。回転部材41は、中心軸Axまわりに回転可能にキャリパ11に支持される。直動部材42は、回転部材41の回転に応じて軸方向に直動可能に、当該回転部材41に取り付けられる。
回転伝達機構17は、例えば、ギアのような複数の複数の回転要素を有する減速機である。回転伝達機構17は、シリンダ21の外部に位置し、例えばカバーによって覆われる。回転伝達機構17は、電動モータ18の出力軸の回転を、回転部材41に伝達する。回転部材41は、回転伝達機構17から入力されるトルクにより、中心軸Axまわりに回転する。
回転部材41は、結合部51と、フランジ52と、シャフト53とを有する。結合部51は、例えば、シリンダ21の底面21aに開口する孔を通って回転伝達機構17の出力ギアに結合され、当該出力ギアと一体に回転する。
フランジ52及びシャフト53は、シリンダ21の内部に位置する。フランジ52は、結合部51とシャフト53との間に位置し、結合部51及びシャフト53から径方向に張り出す略円盤状に形成されている。
シャフト53は、フランジ52から第1の方向Dt1に突出している。シャフト53は、中心軸Axに沿って軸方向に延びる略円柱状に形成される。本実施形態において、中心軸Axは、フランジ52及びシャフト53の中心軸でもある。
フランジ52とシリンダ21の底面21aとの間に、スラストベアリング55が設けられている。キャリパ11は、スラストベアリング55を介して、回転部材41を軸方向に支持している。
シャフト53は、外周面53aを有する。外周面53aは、軸方向に延びるとともに径方向の外側に向く略円筒状の曲面である。外周面53aに、雄ネジ57が設けられている。
直動部材42は、軸方向に延びるとともに中心軸Axを囲む略円筒状に形成されている。直動部材42は、内周面42a及び外周面42bを有する。内周面42aは、軸方向に延びるとともに径方向の内側に向く略円筒状の曲面である。外周面42bは、内周面42aの反対側に位置する。外周面42bは、軸方向に延びるとともに径方向の外側に向く略円筒状の曲面である。
内周面42aに、雌ネジ58が設けられている。雌ネジ58は、回転部材41の雄ネジ57と噛み合っている。なお、回転部材41に雌ネジが設けられ、直動部材42に雄ネジが設けられても良い。
回転直動変換機構16の一部は、ピストン12の凹部12cの内部に収容されている。回転部材41のシャフト53の一部は、ピストン12の凹部12cの内部に位置している。また、直動部材42は、凹部12cの内部で軸方向に移動可能に設けられている。
ピストン12の凹部12cに、軸方向に延びるガイド溝12dが設けられている。例えば、直動部材42の外周面42bから突出した突起42cが、ガイド溝12dに嵌められている。これにより、ピストン12は、直動部材42に対して中心軸Axまわりに回転することを制限されるとともに、直動部材42に対して軸方向に移動することができる。なお、ピストン12と直動部材42とは、中心軸Axまわりに相対的に若干回転可能であっても良い。
以上のように、回転部材41の雄ネジ57と直動部材42の雌ネジ58とが噛み合うとともに、ピストン12と直動部材42との相対的な回転が制限される。これにより、直動部材42は、回転部材41の回転に応じて軸方向に直動できる。別の表現によれば、直動部材42は、軸方向に略平行移動できる。
電動モータ18は、制御信号に基づく駆動電力によって駆動される。電動モータ18は、当該電動モータ18の出力軸を回転させることで、回転伝達機構17を介して、回転部材41を中心軸Axまわりに回転駆動する。
ブレーキパッド15は直動部材42から第1の方向Dt1に離間しており、ピストン12はブレーキパッド15と直動部材42との間に位置する。直動部材42は、回転部材41の回転に応じて、ピストン12を介してブレーキパッド15を押すことができる。
図2は、第1の実施形態のピストン12及びブレーキパッド15を図1のF2-F2線に沿って示す断面図である。図1に示す回転部材41は、図2に示す第1の回転方向Dr1と、第2の回転方向Dr2とに回転可能である。第1の回転方向Dr1と第2の回転方向Dr2とは、周方向に含まれる。第2の回転方向Dr2は、第1の回転方向Dr1の反対方向である
電動モータ18の出力軸が一方向に回転すると、回転部材41は第1の回転方向Dr1に回転する。回転部材41が第1の回転方向Dr1に回転するとき、直動部材42は第1の方向Dt1に直進(移動)する。
第1の方向Dt1に移動する直動部材42は、ピストン12を第1の方向Dt1に押す。直動部材42に押されたピストン12は、第1の方向Dt1に移動することで、ブレーキパッド15の裏板31の受け面31aに当接する。
ピストン12は、直動部材42によって第1の方向Dt1に押されることで、ブレーキパッド15の裏板31を第1の方向Dt1に押す。これにより、ピストン12は、裏板31を介して摩擦材32をブレーキロータ14に押圧させる。以上により、ブレーキロータ14と一体に回転する車両1のホイールが制動された、電動ブレーキ機能による制動状態が得られる。
電動モータ18の出力軸が逆方向に回転すると、回転部材41が第2の回転方向Dr2に回転する。回転部材41が第2の回転方向Dr2に回転するとき、直動部材42は第2の方向Dt2に直進(移動)し、ピストン12から遠ざかる。直動部材42の第2の方向Dt2への移動により、裏板31へのピストン12の押圧力が低下され、ピストン12による摩擦材32のブレーキロータ14への押し付けが解除される。これにより、電動ブレーキ機能による制動の解除状態(非制動状態)が得られる。
本実施形態において、図1のECU19が電動モータ18を制御する。ECU19は、ソフトウエアを実行するCPUやコントローラのようなハードウェアによって一部を構成されても良いし、ハードウェアによって全体を構成されても良い。なお、電動モータ18は、ECU19に限らず、例えば、制動装置10の専用のコントローラによって制御されても良い。
ECU19は、例えば、電動ブレーキ機能の操作スイッチ(SW)から、制動状態へ移行する指示信号を受け取ると、回転部材41が第1の回転方向Dr1に回転するように電動モータ18を制御する。一方、ECU19は、操作スイッチから、制動状態を解除する指示信号を受け取ると、回転部材41が第2の回転方向Dr2に回転するように電動モータ18を制御する。
図2に示すように、制動装置10は、係合構造60をさらに有する。係合構造60は、ピストン12に設けられた凹部61,62,63と、ブレーキパッド15から突出する凸部65とを有する。
凹部61,62,63は、ピストン12の端面12bから第2の方向Dt2に窪んでいる。凹部61,62は、中心軸Axから径方向の外側に離間しており、ピストン12の外周面12a及び端面12bに開口している。凹部63は、中心軸Axに沿って設けられ、凹部61と凹部62とに連通する。なお、ピストン12は、凹部61のみが設けられても良い。
ピストン12は、第2の回転方向Dr2に回転させられた場合に裏板31の凸部65と接触する凹部第1端面61aと、第1の回転方向Dr1に回転させられた場合に裏板31の凸部65と接触する凹部第2端面61bとを有する。本実施形態において、凹部第1端面61a及び凹部第2端面61bは、中心軸Axと略平行な平面である。なお、凹部第1端面61a及び凹部第2端面61bは、この例に限られない。
凹部第1端面61aは、略平坦に形成され、第2の回転方向Dr2に向く。凹部第2端面61bは、略平坦に形成され、第1の回転方向Dr1に向く。第2の方向Dt2にピストン12を見た投影面(projection plane)において、凹部第1端面61a及び凹部第2端面61bのそれぞれは、直線状に延びている。本実施形態では、当該投影面において、凹部第1端面61aの延長線と、凹部第2端面61bの延長線とは、中心軸Axで交差する。なお、凹部第1端面61a及び凹部第2端面61bは、この例に限られない。
凸部65は、中心軸Axから径方向の外側に離間した位置で、裏板31の受け面31aから第2の方向Dt2に突出している。凸部65は、凹部61に少なくとも部分的に収容される。すなわち、凸部65は、周方向において、凹部61の凹部第1端面61aと凹部第2端面61bとの間に位置する。周方向において、凸部65の長さは、凹部61の凹部第1端面61aと凹部第2端面61bとの間の距離よりも短い。
図3は、第1の実施形態の凸部65を示す平面図である。図3に示すように、凸部65は、中心軸Axに向かって先細るような略台形の断面を有するブロック状に形成される。なお、凸部65は、この例に限られない。本実施形態の凸部65は、端面71と、内面72と、外面73と、規制面74と、傾斜面75とを有する。
端面71は、第2の方向Dt2における凸部65の端部に設けられる。端面71は、略平坦に形成され、第2の方向Dt2に向く。すなわち、端面71は、軸方向と略直交する平面である。
軸方向における凸部65の長さは、軸方向における凹部61の深さよりも短い。このため、凸部65の全体が、凹部61に収容され得る。軸方向における凸部65の長さは、軸方向における受け面31aと端面71との間の距離である。
内面72は、略平坦に形成され、径方向の内側に向く。言い換えると、内面72は、中心軸Axに向く。外面73は、内面72の反対側に位置する。外面73は、略平坦に形成され、径方向の外側に向く。
規制面74は、第1の回転方向Dr1にピストン12が回転された場合に凹部第2端面61bと接触する側に設けられた、凸部65の端部である。規制面74は、中心軸Axと略平行な平面である。なお、規制面74は、この例に限られない。規制面74は、略平坦に形成される。規制面74は、凹部第2端面61bが凸部65に接触したときに、凹部第2端面61bと向かい合う。また、規制面74は、凹部第2端面61bが凸部65に接触したときに、凹部第2端面61bが向く方向のおおよそ反対側に向く。しかし、本実施形態において、規制面74が向く方向は、凹部第2端面61bが向く方向の反対方向とは若干異なる。
規制面74は、角部76を介して内面72の凹部第2端面61bに近い方の端に接続される。さらに、規制面74は、角部77を介して外面73の凹部第2端面61bに近い方の端に接続される。角部76,77は、略半円筒状の曲面である。なお、角部76,77は、この例に限られない。
図4は、第1の実施形態の制動装置10の一部を図3のF4-F4線に沿って示す断面図である。図4に示すように、傾斜面75は、中心軸Axに対して斜めに傾いている。言い換えると、傾斜面75は、中心軸Axと直交せず、且つ中心軸Axと平行でもない。
傾斜面75は、第1の縁81と、第2の縁82とを有する。第1の縁81は、第1の回転方向Dr1における傾斜面75の端部に設けられる。別の表現によれば、第1の縁81は、傾斜面75の凹部第1端面61aに近い方の端に設けられる。第2の縁82は、第2の回転方向Dr2における傾斜面75の端部に設けられる。別の表現によれば、第2の縁82は、傾斜面75の凹部第2端面61bに近い方の端に設けられる。このため、第2の縁82は、第1の縁81よりも規制面74に近い。
図3に示すように、第1の縁81の一方の端81aは、角部85を介して内面72の凹部第1端面61aに近い方の端に接続される。さらに、第1の縁81の他方の端81bは、角部86を介して外面73の凹部第1端面61aに近い方の端に接続される。角部85,86は、略半円筒状の曲面である。なお、角部85,86は、この例に限られない。
第1の縁81は、第2の縁82よりも受け面31aに近い。第2の縁82は、端面71に接続される。別の表現によれば、第2の縁82は、端面71と傾斜面75との間の境界を形成する。以上の傾斜面75が設けられることで、凸部65は、第2の方向Dt2に向かって先細る。
本実施形態において、第1の縁81及び第2の縁82のそれぞれは、直線状に延びている。第1の縁81と第2の縁82とは、互いに略平行である。傾斜面75は、第1の縁81と第2の縁82との間で、平坦に延びている。
図2のように第1の方向Dt1に凸部65を見た投影面において、第1の縁81及び規制面74のそれぞれは、直線状に延びている。当該投影面において、第1の縁81の延長線と規制面74の延長線とは、凸部65と中心軸Axとの間の領域Abで交差する。領域Abは、例えば、中心軸Axと、第1の回転方向Dr1における凸部65の端と、第2の回転方向Dr2における凸部65の端と、を結んだ領域である。
本実施形態では、第1の方向Dt1に凸部65を見た投影面において、第1の縁81の延長線と規制面74の延長線との交点は、周方向における凸部65の中心と中心軸Axとを結んだ線の上に位置する。なお、第1の縁81の延長線と規制面74の延長線との交点は、この例に限られない。
一方、第1の方向Dt1に凸部65を見た投影面において、凹部第1端面61aの延長線と凹部第2端面61bの延長線とは、第1の縁81の延長線と規制面74の延長線との交点よりも中心軸Axに近い位置で交差する。本実施形態では、上述のように、凹部第1端面61aの延長線と凹部第2端面61bの延長線とは、中心軸Axで交差する。なお、凹部第1端面61aの延長線と凹部第2端面61bの延長線とは、他の位置で交差しても良い。
凸部65は、例えば、プレス加工により裏板31に形成される。このため、裏板31の取付面31bにおける凸部65の反対側の位置に窪みが設けられる。なお、凸部65は、この例に限られず、例えば裏板31と異なる部品が裏板31に取り付けられることで形成されても良い。
回転部材41が回転して直動部材42が軸方向に移動するとき、例えば雄ネジ57と雌ネジ58との間の摩擦により、直動部材42が回転部材41とともに中心軸Axまわりに回転することがある。回転する直動部材42は、突起42c及びガイド溝12dが互いに嵌合するため、ピストン12を中心軸Axまわりに回転させる。すなわち、ピストン12に、回転部材41及び直動部材42との連れ回り(co-rotation)が生じる。
ピストン12が第1の回転方向Dr1に回転させられた場合、凸部65の規制面74が、凹部第2端面61bに当接する。ブレーキパッド15は、当該ブレーキパッド15の回転を制限するようにキャリパ11に支持されている。このため、ブレーキパッド15に設けられた凸部65は、ピストン12が第1の回転方向Dr1にさらに回転することを制限する。すなわち、凸部65は、ピストン12が第1の回転方向Dr1に回転させられた場合に、凹部第2端面61bに当接することで、ピストン12が第1の回転方向Dr1に回転することを制限する。このように、係合構造60は、ピストン12の第1の回転方向Dr1の連れ回りを制限する。
凹部第2端面61b及び規制面74は共に、中心軸Axと略平行な平面である。このため、凹部第2端面61b及び規制面74は、凹部第2端面61bが規制面74を押している間、ピストン12がブレーキパッド15をブレーキロータ14に押し付ける力(制動力)が変化することを抑制できる。
図4に示すように、ピストン12が第2の回転方向Dr2に回転すると、凸部65の傾斜面75が、凹部第1端面61aに接触する。第2の回転方向Dr2に駆動されるピストン12の凹部第1端面61aは、傾斜面75を第2の回転方向Dr2に押す。
雄ネジ57と雌ネジ58との間の摩擦がピストン12を第2の回転方向Dr2に駆動する力は、比較的小さい。このため、傾斜面75から凹部第1端面61aに作用する反力は、ピストン12が第2の回転方向Dr2に回転することを制限する。すなわち、凸部65は、ピストン12が第2の回転方向Dr2にさらに回転することを制限する。
一方、例えばブレーキパッド15の交換のために、回転部材41が第2の回転方向Dr2に回転し、直動部材42が第2の方向Dt2に最大限移動させられることがある。直動部材42が第2の方向Dt2に最大限移動すると、直動部材42が回転部材41のフランジ52に当接する。この場合、雄ネジ57と雌ネジ58とが締まりきり、回転部材41と直動部材42とが一体的に回転する状態(ロック状態)となる。ロック状態において、回転部材41が直動部材42及びピストン12を第2の回転方向Dr2に駆動する力は、より大きくなる。
ピストン12が第2の回転方向Dr2に駆動されることで、凹部第1端面61aが傾斜面75を第2の回転方向Dr2に押す。傾斜面75が上述のように傾斜しているため、ピストン12が傾斜面75を押す力の分力は、傾斜面75を第1の方向Dt1に押す。すなわち、第2の回転方向Dr2に回転させられたピストン12は、傾斜面75に対して凹部第1端面61aで接触するとともに、ブレーキパッド15を第1の方向Dt1に押す。これにより、ブレーキパッド15とピストン12とはお互いに離間する。
ピストン12が傾斜面75を押すエネルギーは、ブレーキパッド15とピストン12とが移動することで消費される。このため、ロック状態において、電動モータ18及び回転伝達機構17に掛かる負荷が低減する。ブレーキパッド15とピストン12とがお互いに離間することで凸部65が凹部61から外れると、電動モータ18及び回転伝達機構17に掛かる負荷はさらに低減する。
図3のように第1の方向Dt1に凸部65を見た場合において、傾斜面75の投影面積(projected area)は、凸部65の投影面積の半分よりも大きい。本実施形態では、第2の縁82の一方の端82aは、角部76に接続される。第2の縁82の端82aは、内面72に接続されても良い。このように、第2の縁82の端82aは、規制面74よりも、第1の縁81に近い。すなわち、傾斜面75が設けられることによって規制面74は欠けず、規制面74が凹部第2端面61bに当接するときの凸部65の耐久性が向上する。
以上説明された第1の実施形態に係る制動装置10において、凸部65は、ブレーキパッド15から突出するとともにピストン12に設けられた凹部61に収容される。凸部65は、中心軸Axに対して斜めに傾く傾斜面75を有する。第2の回転方向Dr2に回転させられたピストン12は、傾斜面75に対して凹部第1端面61aで接触するとともに、ブレーキパッド15を第1の方向Dt1に押す。第1の方向Dt1に凸部65を見た場合において、傾斜面75の投影面積は、凸部65の投影面積の半分よりも大きい。例えばブレーキパッド15を交換するために、直動部材42が第2の方向Dt2に最大限移動するまで回転部材41が第2の回転方向Dr2に回転させられることがある。直動部材42が第2の方向Dt2に最大限移動すると、直動部材42と回転部材41とが一体的に回転する状態(ロック状態)となり、回転部材41、直動部材42、及びピストン12が第2の回転方向Dr2に一体に回転し得る。上述の制動装置10では、傾斜面75の投影面積が凸部65の投影面積の半分よりも小さい場合に比べ、中心軸Axと直交する平面に対する傾斜面75の傾きが小さい。このため、ピストン12が第2の回転方向Dr2に回転させられた場合に、凹部第1端面61aが傾斜面75から受ける第1の回転方向Dr1の反力が小さくなる。従って、例えば、回転部材41を駆動する電動モータ18や、当該電動モータ18と回転部材41との間で回転を伝達する回転伝達機構17に掛かる負荷が軽減され、制動装置10の耐久性が向上し得る。また、上述の制動装置10の傾斜面75は、当該傾斜面75の投影面積が凸部65の投影面積の半分よりも小さい場合に比べ、ピストン12が第2の回転方向Dr2に回転し始めてから凹部第1端面61aが傾斜面75に当接するまでの時間を長くすることができる。従って、例えば凹部第1端面61aが傾斜面75に当接する前にピストン12の回転が停止されることで電動モータ18や回転伝達機構17に負荷が掛かる頻度が低減可能となり、制動装置10の耐久性が向上し得る。
傾斜面75は、第1の縁81と、第2の縁82とを有する。第1の縁81は、第1の回転方向Dr1における傾斜面75の端部に設けられる。第2の縁82は、第2の回転方向Dr2における傾斜面75の端部に設けられるとともに、第1の縁81と平行である。傾斜面75は、第1の縁81と第2の縁82との間で平坦に延びる。これにより、ピストン12が第2の回転方向Dr2に回転させられた場合に、凹部第1端面61aが傾斜面75を押す距離が長くなる。また、ピストン12が第2の回転方向Dr2に回転させられた場合に、凹部第1端面61aが傾斜面75から受ける第1の回転方向Dr1の反力が変動することが抑制される。従って、電動モータ18や回転伝達機構17に掛かる負荷が緩和され、制動装置10の耐久性が向上し得る。
凹部第1端面61aと、ピストン12が第1の回転方向Dr1に回転させられた場合に凸部65と接触する凹部第2端面61bと、のそれぞれは、中心軸Axと平行に設けられる。もしも凹部第1端面61aが中心軸Axに対して斜めに傾けられた場合、凹部第1端面61aが中心軸Axと平行である本実施形態に比べ、ピストン12とブレーキパッド15との接触面積が減少する。本実施形態の制動装置10は、凹部第1端面61aが中心軸Axと平行であるため、ピストン12が第2の回転方向Dr2に回転させられた場合にブレーキパッド15を第1の方向Dt1に押すような傾斜面75を設ける設計を行うことによる、ピストン12とブレーキパッド15との間の面圧の変化を小さくできる。従って、制動装置10は、鳴き(騒音)が生じる懸念を排除できる。
凸部65は、ピストン12が第1の回転方向Dr1に回転させられた場合に凹部第2端面61bと接触することでピストン12が第1の回転方向Dr1に回転することを制限する規制面74を有する。第1の方向Dt1に凸部65を見た投影面において、第1の縁81及び規制面74のそれぞれは、直線状に延びる。当該投影面において、第1の縁81の延長線と規制面74の延長線とは、凸部65と中心軸Axとの間の領域Abで交差する。一方、当該投影面において、凹部第1端面61aの延長線と凹部第2端面61bの延長線とは、第1の縁81の延長線と規制面74の延長線との交点よりも中心軸Axに近い位置で交差する。これにより、凹部第1端面61aと傾斜面75とが、中心軸Axからより遠い位置で当接することができる。従って、ピストン12が第2の回転方向Dr2に回転させられた場合に、凹部第1端面61aと傾斜面75との間で生じる荷重が小さくなり、制動装置10の耐久性が向上し得る。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図5を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図5は、第2の実施形態に係るピストン12及びブレーキパッド15の一部を示す平面図である。なお、図5では、ピストン12の断面が示される。図5に示すように、第2の実施形態の凸部65は、傾斜面75の代わりに、傾斜面90を有する。傾斜面90は、以下に説明する点を除き、第1の実施形態の傾斜面75と実質的に等しい。
傾斜面90は、第2の縁82の代わりに、第2の縁92を有する。第2の縁92は、以下に説明する点を除き、第1の実施形態の第2の縁82と実質的に等しい。第2の縁92は、直線状に延びている。しかし、第2の実施形態の第2の縁92は、第1の実施形態の第2の縁82と異なり、第1の縁81と平行ではない。
図5のように第1の方向Dt1に凸部65を見た投影面において、第1の縁81の延長線と第2の縁92の延長線とは、凸部65と中心軸Axとの間の領域Abで交差する。なお、第1の縁81の延長線と第2の縁92の延長線とは、中心軸Axで交差しても良い。
本実施形態では、第1の方向Dt1に凸部65を見た投影面において、第1の縁81の延長線と第2の縁92の延長線との交点は、周方向における凸部65の中心と中心軸Axとを結んだ線の上に位置する。なお、第1の縁81の延長線と第2の縁92の延長線との交点は、この例に限られない。
以上説明された第2の実施形態の制動装置10において、傾斜面90は、第1の縁81と第2の縁92とを有する。第1の縁81は、第1の回転方向Dr1における傾斜面90の端部に設けられるとともに直線状に延びる。第2の縁92は、第2の回転方向Dr2における傾斜面90の端部に設けられるとともに直線状に延びる。第1の方向Dt1に凸部65を見た投影面において、第1の縁81の延長線と第2の縁92の延長線とは、中心軸Axで、又は凸部65と中心軸Axとの間の領域Abで、交差する。すなわち、第1の縁81と第2の縁92とは、中心軸Ax近傍の点から放射状に延びている。これにより、ピストン12が第2の回転方向Dr2に回転させられた場合に、凹部第1端面61aと傾斜面90とが常に線接触することができる。従って、凹部第1端面61aと傾斜面90との間の面圧が低減され、ブレーキパッド15及びピストン12が損傷することが抑制される。
以上の実施形態において、傾斜面75,90の第1の縁81及び第2の縁82,92は、直線状に延びている。しかし、傾斜面の第1の縁及び第2の縁は、これらの例に限られず、曲線状に延びても良い。
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係る制動装置は、一例として、雄ネジと、当該雄ネジと噛み合う雌ネジと、のうち一方が設けられ、回転軸まわりに回転可能な回転部材と、前記回転部材を回転駆動する電動モータと、前記雄ネジと前記雌ネジのうち他方が設けられ、前記回転部材が前記回転軸まわりの第1の回転方向に回転したときに前記回転軸に沿う第1の方向に移動可能であり、前記回転部材が前記第1の回転方向の反対の第2の回転方向に回転したときに前記第1の方向の反対の第2の方向に移動可能である、直動部材と、前記直動部材から前記第1の方向に離間したブレーキパッドと、前記直動部材に対して前記回転軸まわりに回転することを制限されるとともに前記直動部材に対して前記回転軸に沿って移動可能であり、前記直動部材によって前記第1の方向に押されることで前記ブレーキパッドを前記第1の方向に押すことが可能な、ピストンと、前記ブレーキパッドから突出するとともに前記ピストンに設けられた凹部に収容され、前記回転軸に対して斜めに傾く傾斜面を有する、凸部と、を備え、前記第2の回転方向に回転させられた前記ピストンは、前記ブレーキパッドの前記傾斜面に対して、凹部第1端面で接触するとともに、前記ブレーキパッドを前記第1の方向に押し、前記第1の方向に前記凸部を見た場合において、前記傾斜面の投影面積は、前記凸部の投影面積の半分よりも大きい。例えば、ブレーキパッドを交換するために、直動部材が第2の方向に最大限移動するまで回転部材が第2の回転方向に回転させられることがある。直動部材が第2の方向に最大限移動すると、直動部材と回転部材とが一体的に回転する状態(ロック状態)となり、回転部材、直動部材、及びピストンが第2の回転方向に一体に回転し得る。上述の制動装置では、傾斜面の投影面積が凸部の投影面積の半分よりも小さい場合に比べ、回転軸と直交する平面に対する傾斜面の傾きが小さい。このため、ピストンが第2の回転方向に駆動されるときに、凹部第1端面が傾斜面から受ける第1の回転方向の反力が小さくなる。従って、例えば、回転部材を駆動する電動モータや、当該電動モータと回転部材との間で回転を伝達する回転伝達機構に掛かる負荷が軽減され、制動装置の耐久性が向上し得る。また、上述の制動装置の傾斜面は、当該傾斜面の投影面積が凸部の投影面積の半分よりも小さい場合に比べ、ピストンが第2の回転方向に回転し始めてから凹部第1端面が傾斜面に当接するまでの時間を長くすることができる。従って、例えば凹部第1端面が傾斜面に当接する前にピストンの回転が停止されることで電動モータや駆動機構に負荷が掛かる頻度が低減可能となり、制動装置の耐久性が向上し得る。
上記制動装置では、一例として、前記傾斜面は、前記第1の回転方向における当該傾斜面の端部に設けられた第1の縁と、前記第2の回転方向における当該傾斜面の端部に設けられるとともに前記第1の縁と平行な第2の縁と、を有し、前記第1の縁と前記第2の縁との間で平坦に延びる。よって、一例としては、ピストンが第2の回転方向に駆動されるときに、凹部第1端面が傾斜面を押す距離が長くなる。また、ピストンが第2の回転方向に駆動されるときに、凹部第1端面が傾斜面から受ける第1の回転方向の反力が変動することが抑制される。従って、電動モータや駆動機構に掛かる負荷が緩和され、制動装置の耐久性が向上し得る。
上記制動装置では、一例として、前記凹部第1端面と、前記ピストンが前記第1の回転方向に回転させられた場合に前記凸部と接触する凹部第2端面と、のそれぞれは、前記回転軸と平行に設けられる。例えば、もしも凹部第1端面及び凹部第2端面が回転軸に対して斜めに傾けられた場合、凹部第1端面及び凹部第2端面が回転軸と平行である場合に比べ、ピストンとブレーキパッドとの接触面積が減少する。上述の制動装置は、凹部第1端面及び凹部第2端面が回転軸と平行であるため、ピストンが第2の回転方向に駆動された場合にブレーキパッドを第1の方向に押すような傾斜面を設ける設計を行うことによる、ピストンとブレーキパッドとの間の面圧の変化を小さくできる。従って、制動装置は、鳴き(騒音)が生じる懸念を排除できる。
上記制動装置では、一例として、前記凸部は、前記ピストンが前記第1の回転方向に回転させられた場合に前記凹部第2端面と接触することで前記ピストンが前記第1の回転方向に回転することを制限する、規制面を有し、前記第1の方向に前記凸部を見た投影面において、前記第1の縁及び前記規制面のそれぞれは直線状に延び、前記第1の縁の延長線と前記規制面の延長線とは前記凸部と前記回転軸との間の領域で交差し、前記凹部第1端面の延長線と前記凹部第2端面の延長線とは前記第1の縁の延長線と前記規制面の延長線との交点よりも前記回転軸に近い位置で交差する。よって、一例としては、凹部第1端面と傾斜面とが、回転軸からより遠い位置で互いに当接することができる。従って、ピストンが第2の回転方向に回転させられた場合に、凹部第1端面と傾斜面との間で生じる荷重が小さくなり、制動装置の耐久性が向上し得る。
上記制動装置では、一例として、前記傾斜面は、前記第1の回転方向における当該傾斜面の端部に設けられるとともに直線状に延びた第1の縁と、前記第2の回転方向における当該傾斜面の端部に設けられるとともに直線状に延びた第2の縁と、を有し、前記第1の方向に前記凸部を見た投影面において、前記第1の縁の延長線と前記第2の縁の延長線とは、前記回転軸で、又は前記凸部と前記回転軸との間の領域で、交差する。よって、一例としては、第1の縁と第2の縁とは、回転軸近傍の点から放射状に延びている。これにより、ピストンが第2の回転方向に駆動されるときに、凹部第1端面と傾斜面とが常に線接触することができる。従って、凹部第1端面と傾斜面との間の面圧が低減され、ブレーキパッド及びピストンが損傷することが抑制される。
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
10…制動装置、12…ピストン、15…ブレーキパッド、41…回転部材、42…直動部材、57…雄ネジ、58…雌ネジ、61…凹部、61a…凹部第1端面、61b…凹部第2端面、65…凸部、74…規制面、75,90…傾斜面、81…第1の縁、82,92…第2の縁、Ax…中心軸(回転軸)、Dt1…第1の方向、Dt2…第2の方向、Dr1…第1の回転方向、Dr2…第2の回転方向、Ab…領域。

Claims (5)

  1. 雄ネジと、当該雄ネジと噛み合う雌ネジと、のうち一方が設けられ、回転軸まわりに回転可能な回転部材と、
    前記回転部材を回転駆動する電動モータと、
    前記雄ネジと前記雌ネジのうち他方が設けられ、前記回転部材が前記回転軸まわりの第1の回転方向に回転したときに前記回転軸に沿う第1の方向に移動可能であり、前記回転部材が前記第1の回転方向の反対の第2の回転方向に回転したときに前記第1の方向の反対の第2の方向に移動可能である、直動部材と、
    前記直動部材から前記第1の方向に離間したブレーキパッドと、
    前記直動部材に対して前記回転軸まわりに回転することを制限されるとともに前記直動部材に対して前記回転軸に沿って移動可能であり、前記直動部材によって前記第1の方向に押されることで前記ブレーキパッドを前記第1の方向に押すことが可能な、ピストンと、
    前記ブレーキパッドから突出するとともに前記ピストンに設けられた凹部に収容され、前記回転軸に対して斜めに傾く傾斜面を有する、凸部と、
    を具備し、
    前記第2の回転方向に回転させられた前記ピストンは、前記ブレーキパッドの前記傾斜面に対して、凹部第1端面で接触するとともに、前記ブレーキパッドを前記第1の方向に押し、
    前記第1の方向に前記凸部を見た場合において、前記傾斜面の投影面積は、前記凸部の投影面積の半分よりも大きい、
    制動装置。
  2. 前記傾斜面は、前記第1の回転方向における当該傾斜面の端部に設けられた第1の縁と、前記第2の回転方向における当該傾斜面の端部に設けられるとともに前記第1の縁と平行な第2の縁と、を有し、前記第1の縁と前記第2の縁との間で平坦に延びる、請求項1の制動装置。
  3. 前記凹部第1端面と、前記ピストンが前記第1の回転方向に回転させられた場合に前記凸部と接触する凹部第2端面と、のそれぞれは、前記回転軸と平行に設けられる、
    請求項2の制動装置。
  4. 前記凸部は、前記ピストンが前記第1の回転方向に回転させられた場合に前記凹部第2端面と接触することで前記ピストンが前記第1の回転方向に回転することを制限する、規制面を有し、
    前記第1の方向に前記凸部を見た投影面において、前記第1の縁及び前記規制面のそれぞれは直線状に延び、前記第1の縁の延長線と前記規制面の延長線とは前記凸部と前記回転軸との間の領域で交差し、前記凹部第1端面の延長線と前記凹部第2端面の延長線とは前記第1の縁の延長線と前記規制面の延長線との交点よりも前記回転軸に近い位置で交差する、
    請求項3の制動装置。
  5. 前記傾斜面は、前記第1の回転方向における当該傾斜面の端部に設けられるとともに直線状に延びた第1の縁と、前記第2の回転方向における当該傾斜面の端部に設けられるとともに直線状に延びた第2の縁と、を有し、
    前記第1の方向に前記凸部を見た投影面において、前記第1の縁の延長線と前記第2の縁の延長線とは、前記回転軸で、又は前記凸部と前記回転軸との間の領域で、交差する、
    請求項1の制動装置。
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