JP2024016992A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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麻由美 松本
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Abstract

【課題】本発明は、リサイクル樹脂を適用し、フィルム表面粗さのばらつきが小さく、ハンドリング性の良いポリエステルフィルムを提供することにある。【解決手段】リサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含み、下記式(I)を満たすポリエステルフィルム。(Ra-σ)/Ra<15% (I)ここで、(Ra-σ)/Raは以下により得られる値である。ポリエステルフィルムを10cm四方に切り出し、非接触光学式粗さ測定器(Zygo社製NewView7300)を用い、50倍対物レンズを使用して測定面積139μm×104μmで、場所をランダムに変えて40視野測定を行い、該測定器に内蔵された表面解析ソフトMetroProにより、波長1.65~50μmの帯域通過フィルタを用いて、算術平均粗さ(Ra)およびその標準偏差(Ra-σ)を求める。【選択図】なし

Description

本発明は、リサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含むポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエステルは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。ポリエステルの中でも、特にポリエチレンテレフタレート(以降PETと記す)は、透明性や加工性に優れていることから、光学用フィルムや離型用フィルムなど高品位性が求められる用途に幅広く使われているが、離型用フィルムのような工程用フィルムでは使用後廃棄となることから、近年環境負荷低減が求められている。
環境負荷の低減として、廃棄となるポリエステル樹脂を燃焼させ熱エネルギーを得るサーマルリサイクルがあるが、サーマルリサイクルを行うと、二酸化炭素の発生があること、またポリエステル原料が損失することから、ポリエステルを再生産するためには新たに石油原料を使用する必要がある。
これらの課題に対して、特許文献1では、ペットボトルから回収されたフィルムに関する技術が開示されている。
特開2017-7175号
特許文献1には、ペットボトルからリサイクルされたポリエステル樹脂を用いた積層フィルムが開示されている。しかしながら、ポリエステル樹脂を再溶融するマテリアルリサイクルを繰り返すことで、ポリエステル樹脂は熱分解・加水分解・酸化分解が進行し、着色や異物の発生、分子量の低下により、フィルム表面の品位、特に表面粗さのバラツキが大きく、ハンドリング性が悪いといった品位の低下が発生する。
本発明の目的は、リサイクル樹脂を用いた上で、フィルム表面品位のばらつき、特に表面粗さのばらつきが小さく、ハンドリング性に優れたポリエステルフィルムを提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、リサイクル樹脂を適用し、フィルム表面粗さのばらつきが小さいポリエステルフィルムに到達した。
本発明の目的は以下の手段によって達成される。
(1)リサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含み、下記式(I)を満たすポリエステルフィルム。
(Ra-σ)/Ra<15% (I)
ここで、(Ra-σ)/Raは以下により得られる値である。ポリエステルフィルムを10cm四方に切り出し、非接触光学式粗さ測定器(Zygo社製NewView7300)を用い、50倍対物レンズを使用して測定面積139μm×104μmで、場所をランダムに変えて40視野測定を行い、該測定器に内蔵された表面解析ソフトMetroProにより、波長1.65~50μmの帯域通過フィルタを用いて、算術平均粗さ(Ra)およびその標準偏差(Ra-σ)を求める。
(2)ポリエステル樹脂組成物が、ポリエステル樹脂を解重合するケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物とポリエステルを再溶融するマテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含む(1)に記載のポリエステルフィルム。
(3)2層以上積層していることを特徴とする(1)に記載のポリエステルフィルム。
(4)いずれかの片表層にケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含む(3)に記載のポリエステルフィルム。
(5)工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムである(1)に記載のポリエステルフィルム。
(6)工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムが積層セラミックコンデンサー製造用離型フィルム、ドライフィルムレジスト用フィルム、偏光板離型用フィルム、光学離型用フィルムから選択されるいずれかである(5)記載のポリエステルフィルム。
本発明は、リサイクル樹脂を用いた上で、フィルム表面粗さのばらつきが小さく、ハンドリング性に優れたポリエステルフィルムを提供するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムとは、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重縮合して得られるポリエステル樹脂組成物を用いてなるフィルムである。ジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、鎖状脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸など種々のジカルボン酸成分を用いることができる。その中でも、ポリエステル樹脂組成物の機械的特性、耐熱性、耐加水分解性の観点から、芳香族ジカルボン酸及びそのエステル形成誘導体成分であることが好ましい。特には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びこれらのエステル形成誘導体成分が重合性、機械的特性から好ましく、テレフタル酸であることが最も好ましい。
ジオール成分としては、各種ジオールを用いることができる。例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノールなどの脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS,スチレングリコール、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香環式ジオールが例示できる。この中で、機械的特性の観点からエチレングリコールが特に好ましい。
また、本発明の効果を損ねない範囲で、前記ジカルボン酸成分やジオール成分、さらにはヒドロキシカルボン酸などを複数種類もちいて共重合されたものでも構わない。
本発明のポリエステルフィルムは、リサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含んでいることが必要である。リサイクルは、後述のマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルが挙げられる。環境負荷低減の観点からは、使用済みポリエステルはマテリアルリサイクルすることが好ましいが、マテリアルリサイクルによって得られるポリエステル樹脂組成物には、使用済みポリエステル由来の異物やリサイクルにおける熱劣化で発生する異物が含まれる場合がある。ケミカルリサイクルは、そのリサイクル工程において使用済みポリエステルに含まれた不純物を取り除きやすい。これら各種リサイクルされたポリエステル樹脂組成物を必要に応じて組み合わせることにより、環境負荷を最小限に抑えた高品位のポリエステルフィルムを得ることが可能となる。
本発明のポリエステルフィルムは下記式(I)を満たす必要がある。
(Ra-σ)/Ra<15% (I)
(Ra-σ)およびRaは、ポリエステルフィルムを10cm四方に切り出し、非接触光学式粗さ測定器(Zygo社製NewView7300)を用い、50倍対物レンズを使用して測定面積139μm×104μmで、場所をランダムに変えて40視野測定を行い、該測定器に内蔵された表面解析ソフトMetroProにより、波長1.65~50μmの帯域通過フィルタを用いて算出される値である。式(I)におけるRaは算術平均表面粗さであり、Ra-σはそのRaの標準偏差である。式(I)は標準偏差を平均値で割ったものであり、変動係数を表すものであり、その値が小さいほど均一な表面粗さを有している。本発明のポリエステルフィルムにおいて、この変動係数(Ra-σ)/Raが15%未満であることが必要であり、より好ましくは7%未満であり、さらに好ましくは6%未満である。このRa-σは、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物の品位に影響されやすいが、上記範囲を満たすことで、表面の均一性が求められる工程離型用フィルム等に適したハンドリング性を有したポリエステルフィルムとなる。
本発明のポリエステルフィルムは、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物と、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含んでいることが好ましい。
ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物とは、ペットボトルやポリエステルフィルム、衣服、容器など使用済みのポリエステル製品や、成形加工工程において発生した屑を用い、これらを解重合し、精製処理等して再重合を行ったポリエステル樹脂組成物である。ポリエステルフィルムをリサイクルの元原料とする場合は、工程離型用二軸延伸ポリエステルを用いることが好ましい。
ポリエステル樹脂組成物のケミカルリサイクルの手法は、エチレングリコールにて解重合を行い、ビスヒドロキシエチルテレフタレートやその数量体を得、再重合する手法、エチレングリコールにて解重合を行った後、メタノール分解を行い、ジメチルテレフタレートを得、再重合する手法、加水分解を行いテレフタル酸を得、再重合する手法があるが、これらに限定されない。ケミカルリサイクルでは、ビスヒドロキシエチルテレフタレートやその数量体、ジメチルテレフタレート、テレフタル酸といったモノマーやオリゴマーへと解重合し、精製を行い、これらを原料として再重合するので、リサイクルを実施していないバージンポリエステル樹脂組成物と同等の物性を得ることが可能となる。バージンポリエステル樹脂組成物とは、石油由来原料もしくはバイオ由来原料を用いて製造された、未使用のポリエステル樹脂組成物である。なお、必要に応じて、ケミカルリサイクルで解重合された低重合体に対し、新たなジカルボン酸成分やグリコール成分を混入させても構わない。
マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物とは、ペットボトルやポリエステルフィルム、衣服、容器など使用済みのポリエステルや、成形加工工程において発生した屑を回収し、これらを必要に応じて粉砕、洗浄、異物除去等を行い、フレーク状や溶融成型してペレット状へと成形したポリエステル樹脂組成物を溶融してフィルムなどにした際の、当該ポリエステル樹脂である。ポリエステルフィルムをリサイクルの元原料とする場合は、工程離型用二軸延伸ポリエステルを用いることが好ましい。
マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物は、複数回の熱成形や成形品としての使用履歴があるため、ポリエステル樹脂自体の劣化が進んでおり、バージンポリエステル樹脂組成物よりも品位は低くなる。
本発明のポリエステルフィルムは、リサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含んでいることが必要であり、他の成分として、リサイクルを実施していないバージンポリエステル樹脂組成物などを含んでいても構わない。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物は、全体の3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上である。また上限としては、環境負荷やコストの点から、80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは60重量%以下である。また、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物は、全体の60重量%以上であることが好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。上限としては、フィルム品位の点から、90重量%以下であることが好ましい。マテリアルリサイクルは、環境負荷やコストの点で好ましいリサイクル手法であるが、溶融成形や、ペレット化など、繰り返しポリエステル樹脂組成物には熱履歴がかかる。この熱履歴によって、熱分解や加水分解、酸化分解が進行し、フィルム品位の低下を招く場合がある。またマテリアルリサイクルは、様々な履歴を持つリサイクル元原料が混在しており、その品位は必ずしも一定ではない。このようなリサイクル原料を用いてポリエステルフィルムを製造すると、元原料の品位のばらつきに由来するフィルム品位のばらつき、特に表面粗さにばらつきが発生する場合がある。そこで、表面の均一性が求められる離型用フィルムでは、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成地物とケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を併用する方法や、またはマテリアルリサイクル由来の樹脂組成物を用いながらフィルム表面にコーティングを施すことで、均一な表面粗さを有するポリエステルフィルムを得ることができる。本発明では、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物と、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を共に使用することが好ましく、リサイクルフィルムとして環境負荷低減を図りつつ、高いフィルム品位を実現することが可能である。
また、環境負荷低減とフィルム品位のため、リサイクル由来のポリエステル樹脂組成物の総和として、ポリエステルフィルム全体の70重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
本発明のポリエステルフィルムは、2層以上の積層フィルムであることが好ましい。その中でも、いずれかの片表層にケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含んでいることが好ましい。ケミカルリサイクルでは、成形加工時やマテリアルリサイクルが繰り返され、熱履歴がかかったポリエステル樹脂を元原料としても、バージンポリエステル樹脂組成物と同等まで品位を再生することが可能であり、再重合時には必要に応じて粒子やその他添加物を添加することが可能であることから、特に表層に用いることで、品位の高いポリエステルフィルムとすることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどいずれの延伸形態でも構わないが、機械強度の点から、二軸延伸フィルムであることが好ましい。さらに本発明のポリエステルフィルムは、工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムに好適に使用することができる。これは、該用途のフィルムは離型後に不要となり、リサイクルの元原料として活用することが好適であり、さらに該用途へリサイクルすることがサーキュラーエコノミーの観点から好ましい。このような工程用離型フィルムとしては、具体的には積層セラミックコンデンサー(MLCC)製造用離型フィルム、ドライフィルムレジスト用フィルム、偏光板離型用フィルム、光学離型用フィルムに好適に使用することができる。
以下、二軸延伸ポリエステルフィルムを得る方法を例示する。
ポリエステル樹脂を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する手法(溶融キャスト法)、ポリエステル樹脂を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いでかかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も使用することができる。
また、積層フィルムの場合は、積層する各層のポリエステル樹脂を別の押出機に投入し溶融してから合流させ、口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出し法により溶融製膜する方法)を好ましく用いることができる。以下、本方法について詳細に説明する。
まず、各層に対応する押出機にポリエステル樹脂をそれぞれ投入し、加熱溶融押出する。合流ブロックを用いて積層し、口金から表面温度10~60℃に冷却したキャストドラム上に共押出し、静電気により密着冷却固化させ、未延伸フィルムを作成する。この時、押出機で溶融したポリエステル樹脂は、フィルタにより濾過することが好ましい。ごく小さな異物もフィルム中にて粗大な突起や欠点となるため、フィルタには5μm以上の異物を95%以上捕集する高精度のものを用いることが有効である。
次にこの未延伸フィルムを70~140℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に3~4倍延伸し、20~50℃の温度のロール群で冷却する。続いて、シートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、80~240℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3~4倍に延伸する。また、延伸後に、長手及び/幅方向に0.1~5%の弛緩処理を施してもよい。なお、二軸延伸する方法としては、上述のように長手方向と幅方向の延伸を分離して行う逐次二軸延伸方法のほかに、長手方向と幅方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸方法のどちらであっても構わない。
以下実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下の方法で測定した。
(1)ポリエステルフィルムの表面粗さ(Ra)および標準偏差(Ra-σ)
ポリエステルフィルムを10cm四方に切り出し、非接触光学式粗さ測定器(Zygo社製NewView7300)を用い、50倍対物レンズを使用して測定面積139μm×104μmで、場所をランダムに変えて40視野測定を行った。該測定器に内蔵された表面解析ソフトMetroProにより、波長1.65~50μmの帯域通過フィルタを用いて、算術平均粗さ(Ra)およびその標準偏差である(Ra-σ)を求めた。
(2)ポリエステルフィルムの全層厚み(単位:μm)
フィルムの全層厚みはダイヤルゲージを用い、JIS K7130(1992年)A-2法に準じて、フィルムを10枚重ねた状態で任意の5か所についてフィルム面の法線方向の厚みを測定し、その平均値を10で除して全層厚みとした。
(3)ポリエステルフィルムの積層厚み(単位:μm)
積層フィルムの各層の厚みは、フィルム幅方向に平行な方向にミクロトームを用いてフィルム断面を切り出し、該断面を日立製電界放射型走査電子顕微鏡(型番S-4000)で5000倍の倍率で観察し、全層厚みに対する粒子含有層の比率を求め、(2)にて測定した全層厚みより粒子含有層厚みを算出した。
(4)ハンドリング性評価
東洋精機(株)製スリップテスターを用いて、JIS K7125(1999年)に準じて、2枚のフィルムの最上層面と最下層面を重ねて摩擦させたときの値を3回測定し、その平均値から静摩擦係数μsを求めた。静摩擦係数をハンドリング性の指標として、下記基準に従い評価した。◎と○を合格とした。
◎:0.1を超えて0.3以下
〇:0.3を超えて0.5以下
×:0.5を超える。
(5)粒子脱落評価
二軸延伸ポリエステルフィルムの第1層面を、東レ(株)トレシー(登録商標)を使用し、荷重500g/cm、速度60mm/秒、往復移動距離120mmで100往復させた。耐摩耗試験装置として、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業(株)製AB-301)を用い、試験後のトレシー(登録商標)表面の粉を目視で観察し、下記基準に従い評価した。◎と○を合格とした。
◎:トレシー(登録商標)上に全く粉がない
○:トレシー(登録商標)上の所々に粉がみられる
×:トレシー(登録商標)全体に粉がみられる。
(参考例)
樹脂A:ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂
樹脂B:マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂
樹脂C:バージンポリエステル樹脂
樹脂D:体積平均粒径が1.1μmのシリカ粒子を1wt%含有したケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂
なお、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂は、工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムを回収し、エチレングリコールにて解重合を行い、濾過・精製後、再重合を行ったポリエステル樹脂である。また、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂は、粒子を含有した工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムを回収し裁断や洗浄をおこない、再溶融しペレット化したポリエステル樹脂である。
(実施例1)
ポリエステルフィルムの第1層および第3層を構成する樹脂として、樹脂Aを50重量部、樹脂Dを50重量部となるようにブレンドし、160℃で2時間減圧乾燥した後、第1層用の押出機および第3層用の押出機に投入した。またポリエステルフィルムの第2層を構成する樹脂として、樹脂Aを20重量部、樹脂Bを80重量部となるようにブレンドし、160℃で2時間減圧乾燥した後、第2層用の押出機に投入した。押出機内でそれぞれの原料を280℃で溶融させ、積層用合流ブロックで合流積層し、フィルムの厚み方向に第1層、第2層、第3層の順番となる3層積層とした。その後、表面温度25℃のキャスティングドラム上に押し出し、3層構成をもつ積層シートを作成した。続いて、該シートを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に3.5倍延伸を行った後、25℃の温度ロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.8倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで230℃の温度で10秒間熱固定を施した。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って厚み25μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
実施例1にて得られたポリエステルフィルムは、工程離型用フィルム等に好適な表面特性であった。
(実施例2~7)
表1に示す通りに樹脂の配合を変更した以外は実施例1と同様にポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
実施例2、3にて得られたポリエステルフィルムは、工程離型用フィルム等に好適な表面特性であった。
実施例4にて得られたポリエステルフィルムは、表面粗さにばらつきはみられたものの、工程離型用フィルム等に好適な表面特性であった。
実施例5にて得られたポリエステルフィルムは、ハンドリング性はやや悪化したものの工程離型用フィルム等に供することができる品位であった。
実施例6、7にて得られたポリエステルフィルムは、表面粗さにばらつきがみられハンドリング性がやや悪化したものの工程離型用フィルム等に供することができる品位であった。
(実施例8)
ポリエステルフィルムの第1層を構成する樹脂として、樹脂Aを50重量部、樹脂Dを50重量部となるようにブレンドし、160℃で2時間減圧乾燥した後、第1層用の押出機に投入した。またポリエステルフィルムの第2層を構成する樹脂として、樹脂Aを10重量部、樹脂Bを80重量部、樹脂Cを10重量部となるようにブレンドし、160℃で2時間減圧乾燥した後、第2層用の押出機に投入した。押出機内でそれぞれの原料を280℃で溶融させ、積層用合流ブロックで合流積層し、第1層および第2層とからなる2層積層とした。その後、表面温度25℃のキャスティングドラム上に押し出し、2層構成をもつ積層シートを作成した。続いて、該シートを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に3.5倍延伸を行った後、25℃の温度ロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.8倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで230℃の温度で10秒間熱固定を施した。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って厚み25μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
実施例8にて得られたポリエステルフィルムは、工程離型用フィルム等に好適な表面特性であった。
(実施例9)
実施例4のフィルム製造において、縦延伸工程と横延伸工程の間に、コーティング工程を設け、フィルムの両表面に平均径0.3μmのシリカ粒子を含有したコート層を50nm設けた。物性を表1に示す。
実施例9にて得られたポリエステルフィルムは、工程離型用フィルム等に好適な表面特性であった。
(比較例1)
ポリエステルフィルムの第1層を構成する樹脂として、樹脂Bを160℃で2時間減圧乾燥した後、第1層用の押出機に投入した。押出機内でそれぞれの原料を280℃で溶融させ、表面温度25℃のキャスティングドラム上に押し出し、シートを作成した。続いて、該シートを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に3.5倍延伸を行った後、25℃の温度ロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.8倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで230℃の温度で10秒間熱固定を施した。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、巻き取って厚み25μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
比較例1にて得られたポリエステルフィルムは、表面粗さのばらつきが大きく、ハンドリング性も悪化し、工程離型用フィルム用途に不適であった。
Figure 2024016992000001
このようにして得られたポリエステルフィルムは、光学用途、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、自動車用部品、電気・電子部品またはその他の用途として有用であり、特に高い品位が求められる工程離型用フィルムに好適である。

Claims (6)

  1. リサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含み、下記式(I)を満たすポリエステルフィルム。
    (Ra-σ)/Ra<15% (I)
    ここで、(Ra-σ)/Raは以下により得られる値である。ポリエステルフィルムを10cm四方に切り出し、非接触光学式粗さ測定器(Zygo社製NewView7300)を用い、50倍対物レンズを使用して測定面積139μm×104μmで、場所をランダムに変えて40視野測定を行い、該測定器に内蔵された表面解析ソフトMetroProにより、波長1.65~50μmの帯域通過フィルタを用いて、算術平均粗さ(Ra)およびその標準偏差(Ra-σ)を求める。
  2. ポリエステル樹脂組成物が、ポリエステル樹脂を解重合するケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物とポリエステルを再溶融するマテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含む請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  3. 2層以上積層していることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  4. いずれかの片表層にケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含む請求項3に記載のポリエステルフィルム。
  5. 工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムである請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  6. 工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムが積層セラミックコンデンサー製造用離型フィルム、ドライフィルムレジスト用フィルム、偏光板離型用フィルム、光学離型用フィルムから選択されるいずれかである請求項5に記載のポリエステルフィルム。
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