JP2024010655A - ポリエステルフィルム - Google Patents

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Tomoya Namba
麻由美 松本
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Kyosuke Harada
純 坂本
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Abstract

【課題】本発明は、リサイクル樹脂を適用し、フィルム幅方向の結晶化温度のばらつきが小さいポリエステルフィルムを提供することにある。【解決手段】ポリエステルを解重合するケミカルリサイクルを実施したポリエステル樹脂組成物とポリエステルを再溶融するマテリアルリサイクルを実施したポリエステル樹脂組成物を含み、フィルム幅方向で10点サンプリングした際の昇温結晶化温度の標準偏差(σc)が下記式(i)を満たすポリエステルフィルム。σc<3℃ (i)【選択図】なし

Description

本発明は、ケミカルリサイクルおよびマテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含むポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエステルは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。ポリエステルの中でも、特にポリエチレンテレフタレート(以降PETと記す)は、透明性や加工性に優れていることから、光学用フィルムや離型用フィルムなど高品位性が求められる用途に幅広く使われているが、離型用フィルムのような工程用フィルムでは使用後廃棄となることから、近年環境負荷低減が求められている。
環境負荷の低減として、廃棄となるポリエステル樹脂を燃焼させ熱エネルギーを得るサーマルリサイクルがあるが、サーマルリサイクルを行うと、二酸化炭素の発生があること、またポリエステル原料が損失することから、ポリエステルを再生産するためには新たに石油原料を使用する必要がある。
これらの課題に対して、特許文献1では、ペットボトルから回収されたフィルムに関する技術が開示されている。
特開2017-7175号
特許文献1には、ペットボトルからリサイクルされたポリエステル樹脂を用いた積層フィルムが開示されている。しかしながら、ポリエステルを再溶融するマテリアルリサイクルを繰り返すことで、ポリエステル樹脂は熱分解・加水分解・酸化分解が進行し、着色や異物の発生、分子量の低下による機械強度の低下といった品位の低下が課題となる。
本発明の目的は、リサイクル樹脂を適用し、フィルム幅方向の品位のばらつき、特に結晶化温度のばらつきが小さいポリエステルフィルムを提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、リサイクル樹脂を適用し、フィルム幅方向の結晶化温度のばらつきが小さいポリエステルフィルムに到達した。
本発明の目的は以下の手段によって達成される。
(1)ポリエステルを解重合するケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物とポリエステルを再溶融するマテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含むポリエステルフィルムであって、フィルム幅方向で10点サンプリングした際の昇温結晶化温度の標準偏差(σc)が下記式(i)を満たすポリエステルフィルム。
σc<3℃ (i)
(2)フィルム幅方向で10点サンプリングした際の融点の標準偏差(σm)が下記式(ii)を満たす(1)に記載のポリエステルフィルム。
σm<3℃ (ii)
(3)2層以上積層していることを特徴とする(1)に記載のポリエステルフィルム。
(4)いずれかの片表層にケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含む(3)に記載のポリエステルフィルム。
(5)工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムである(1)に記載のポリエステルフィルム。
(6)工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムが積層セラミックコンデンサー製造用離型フィルム、ドライフィルムレジスト用フィルム、偏光板離型用フィルム、光学離型用フィルムから選択されるいずれかである(5)に記載のポリエステルフィルム。
本発明は、リサイクル樹脂を適用し、フィルムの品位のばらつきが小さいポリエステルフィルムを提供することができるものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステルフィルムとは、ジカルボン酸成分とジオール成分を重縮合して得られるポリエステル樹脂組成物を用いてなるフィルムである。ジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、鎖状脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸など種々のジカルボン酸成分を用いることができる。その中でも、ポリエステル樹脂組成物の機械的特性、耐熱性、耐加水分解性の観点から、芳香族ジカルボン酸及びそのエステル形成誘導体成分であることが好ましい。特には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びこれらのエステル形成誘導体成分が重合性、機械的特性から好ましく、テレフタル酸であることが最も好ましい。
ジオール成分としては、各種ジオールを用いることができる。例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノールなどの脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS,スチレングリコール、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香環式ジオールが例示できる。この中で、機械的特性の観点からエチレングリコールが特に好ましい。
また、本発明の効果を損ねない範囲で、前記ジカルボン酸成分やジオール成分、さらにはヒドロキシカルボン酸などを複数種類もちいて共重合されたものでも構わない。
本発明のポリエステルフィルムは、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物と、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含んでいることが必要である。
ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物とは、ペットボトルやポリエステルフィルム、衣服、容器など使用済みのポリエステルや、成形加工工程において発生した屑を用い、これらを解重合し、精製処理等して再重合を行ったポリエステル樹脂組成物である。ポリエステルフィルムをリサイクルの元原料とする場合は、工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
ポリエステル樹脂組成物の解重合の手法は、エチレングリコールにて解重合を行い、ビスヒドロキシエチルテレフタレートやその数量体を得、再重合する手法、エチレングリコールにて解重合を行った後、メタノール分解を行い、ジメチルテレフタレートを得、再重合する手法、加水分解を行いテレフタル酸を得、再重合する手法があるが、これらに限定されない。ケミカルリサイクルでは、ビスヒドロキシエチルテレフタレートやその数量体、ジメチルテレフタレート、テレフタル酸といったモノマーやオリゴマーへと解重合し、精製を行い、これらを原料として再重合するので、リサイクルを実施していないバージンポリエステル樹脂組成物と同等の物性を得ることが可能となる。バージンポリエステル樹脂組成物とは、石油由来原料もしくはバイオ由来原料を用いて製造された、未使用のポリエステル樹脂組成物である。なお、必要に応じて、ケミカルリサイクルで解重合された低重合体に対し、新たなジカルボン酸成分やグリコール成分を混入させても構わない。
マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物とは、ペットボトルやポリエステルフィルム、衣服、容器など使用済みのポリエステルや、成形加工工程において発生した屑を回収し、これらを必要に応じて粉砕、洗浄、異物除去等を行い、フレーク状や溶融成形してペレット状へと成形したポリエステル樹脂組成物を溶融してフィルムなどにする際の、当該ポリエステル樹脂である。ポリエステルフィルムをリサイクルの元原料とする場合は、工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物は、複数回の熱成形や成形品としての使用履歴があるため、ポリエステル樹脂自体の劣化が進んでおり、バージンポリエステル樹脂組成物よりも品位は低くなる。
本発明のポリエステルフィルムは、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物と、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含んでいることが必要であり、他の成分として、リサイクルを実施していないバージンポリエステル樹脂組成物などを含んでいても構わない。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物は、全体の3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上である。また上限としては、環境負荷やコストの点から、80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは60重量%以下である。また、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物は、全体の10重量%以上であることが好ましく、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上である。上限としては、フィルム品位の点から、90重量%以下であることが好ましく、より好ましくは80重量%以下である。マテリアルリサイクルは、環境負荷やコストの点で好ましいリサイクル手法であるが、溶融成形や、ペレット化など、繰り返しポリエステル樹脂組成物には熱履歴がかかる。この熱履歴によって、熱分解や加水分解、酸化分解が進行し、フィルム品位の低下を招く。またマテリアルリサイクルは、様々な履歴を持つリサイクル元原料が混在しており、その品位は必ずしも一定ではない。このようなリサイクル原料を用いてポリエステルフィルムを製造すると、元原料の品位のばらつきに由来するフィルム品位のばらつき、特にフィルム幅方向の結晶特性にばらつきが発生する。結晶化特性のばらつきによって、フィルム製膜やフィルム加工時に破れや欠点が生じるなどフィルム品位の低下を招く。ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物は、その品位が一定であるため、これを併用することでフィルム幅方向の物性ばらつきを抑制させる。
本発明では、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物と、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を共に使用することで、リサイクルフィルムとして環境負荷低減を図りつつ、高いフィルム品位を実現することが可能である。
また、環境負荷低減のため、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物とマテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物の総和として、ポリエステルフィルム全体の80重量%以上であることが好ましく、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは100重量%である。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム幅方向で10点サンプリングした際の昇温結晶化温度の標準偏差(σc)が下記式(i)を満たす必要がある。
σc<3℃ (i)
より好ましくは「σc<2℃」である。この結晶化温度の標準偏差は、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物の品位によって大きくなるものであり、ポリエステルフィルムの品位低下の原因となる。上記範囲を満たすことで、工程離型用フィルム等に供しても問題のない品位とすることができる。なお、結晶化温度は、測定するサンプル10mgをアルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン製:DSC250)によって測定した。測定においては窒素雰囲気中で285℃まで16℃/分の速度で昇温、5分間保持して急冷し、再び窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温する。前記2度目の16℃/分の速度で昇温した際に観察される結晶化に由来するピークの温度を結晶化温度とした。
また、フィルム幅方向で10点サンプリングするとは、フィルムの幅方向に10等分した領域をとり、各領域の幅方向における中心部からサンプリングすることを指す。
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム幅方向で10点サンプリングした際の融点の標準偏差(σm)が下記式(ii)を満たすことが好ましい。
σm<3℃ (ii)
より好ましくは「σm<2℃」である。この融点の標準偏差は、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物の品位によって大きくなるものであり、ポリエステルフィルムの品位低下の原因となる。上記範囲を満たすことで、工程離型用フィルム等に供しても問題のない品位とすることができる。なお、前記結晶化温度と同様にして示差走査熱量計を用いて測定し、2度目の16℃/分の速度で昇温した際に観察される融点に由来するピークの温度を融点とした。
本発明のポリエステルフィルムは、2層以上の積層フィルムであることが好ましい。その中でも、いずれかの片表層にケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含んでいることが好ましい。ケミカルリサイクルでは、成形加工時やマテリアルリサイクルが繰り返され、熱履歴がかかったポリエステル樹脂を元原料としても、バージンポリエステル樹脂組成物と同等まで品位を再生することが可能であることから、特に表層に用いることで、品位の高いポリエステルフィルムとすることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどいずれの延伸形態でも構わないが、機械強度の点から、二軸延伸フィルムであることが好ましい。さらに本発明のポリエステルフィルムは、工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムに好適に使用することができる。これは、該用途のフィルムは離型後に不要となり、リサイクルの元原料として活用することが好適であり、さらに該用途へリサイクルすることがサーキュラーエコノミーの観点から好ましい。このような工程用離型フィルムとしては、具体的には積層セラミックコンデンサー(MLCC)製造用離型フィルム、ドライフィルムレジスト用フィルム、偏光板離型用フィルム、光学離型用フィルムに好適に使用することができる。
以下、二軸延伸ポリエステルフィルムを得る方法を例示する。
ポリエステル樹脂を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押し出してシート状に加工する手法(溶融キャスト法)、ポリエステル樹脂を溶媒に溶解させ、その溶液を口金からキャストドラム、エンドレスベルト等の支持体上に押し出して膜状とし、次いでかかる膜層から溶媒を乾燥除去させてシート状に加工する方法(溶液キャスト法)等も使用することができる。
また、積層フィルムの場合は、積層する各層のポリエステル樹脂を別の押出機に投入し溶融してから合流させ、口金から冷却したキャストドラム上に共押出してシート状に加工する方法(共押出し法により溶融製膜する方法)を好ましく用いることができる。以下、本方法について詳細に説明する。
まず、各層に対応する押出機にポリエステル樹脂をそれぞれ投入し、加熱溶融押出する。合流ブロックを用いて積層し、口金から表面温度10~60℃に冷却したキャストドラム上に共押出し、静電気により密着冷却固化させ、未延伸フィルムを作成する。この時、押出機で溶融したポリエステル樹脂は、フィルターにより濾過することが好ましい。ごく小さな異物もフィルム中にて粗大な突起や欠点となるため、フィルターには5μm以上の異物を95%以上捕集する高精度のものを用いることが有効である。
次にこの未延伸フィルムを70~140℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に3~4倍延伸し、20~50℃の温度のロール群で冷却する。続いて、シートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、80~240℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3~4倍に延伸する。また、延伸後に、長手及び/幅方向に0.1~5%の弛緩処理を施してもよい。なお、二軸延伸する方法としては、上述のように長手方向と幅方向の延伸を分離して行う逐次二軸延伸方法のほかに、長手方向と幅方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸方法のどちらであっても構わない。
以下実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の物性値は以下の方法で測定した。
(1)ポリエステルフィルムの熱特性(Tcc、Tm)
サンプル10mgをアルミニウム製パン、パンカバーを用いて封入し、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン製:DSC250)によって測定した。測定においては窒素雰囲気中で285℃まで16℃/分の速度で昇温、5分間保持して急冷し、再び窒素雰囲気中で20℃から285℃まで16℃/分の速度で昇温した。前記2度目の16℃/分の速度で昇温した際に観察される結晶化に由来するピークの温度を結晶化温度(Tcc)、同じく2度目の16℃/分の速度で昇温した際に観察される融点に由来するピークの温度を融点(Tm)とした。
(2)ポリエステルフィルムの熱特性の標準偏差(σc、σm)
ポリエステルフィルムを幅方向に10等分した領域をとり、各領域の幅方向における中心部から計10点をサンプリングし、全てのサンプルについて前記結晶化温度、融点の測定を行い、得られた結晶化温度、および融点から標準偏差(σc、σm)を計算した。このとき得られた結晶化温度の標準偏差(σc)について、「σc<3℃」を満たす場合、ポリエステルフィルムの幅方向の特性が均一で欠点が発生しにくい。一方で「σc<3℃」を満たさない場合、フィルム製膜時にすじ欠点が発生したり、加工時に破れや欠点が発生したりするため、本発明のポリエステルフィルムには不適である。
(3)ポリエステルフィルムの口金すじ欠点
ポリエステルフィルムを500mmの幅で口金から吐出した際に、目視ですじ状欠点を観察した。このとき、すじ状欠点の本数をカウントし、下記基準に従い評価した。
○:すじ状欠点が1本未満
△:すじ状欠点が1本以上3本未満
×:すじ状欠点が3本以上。
(参考例)
樹脂A:ケミカルリサイクルを実施したポリエステル樹脂
樹脂B:マテリアルリサイクルを実施したポリエステル樹脂
樹脂C:リサイクルを実施していないバージンポリエステル樹脂
なお、ケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂は、工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムを回収し、エチレングリコールにて解重合を行い、濾過・精製後、再重合を行ったポリエステル樹脂である。また、マテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂は、工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムを回収し裁断や洗浄し、再溶融しペレット化したポリエステル樹脂である。
実施例1
第1層および第3層を構成する樹脂として樹脂Aを90重量部、樹脂Bを10重量部となるようにブレンドし、160℃で2時間減圧乾燥した後、第1層および第3層用の押出機に投入した。また第2層を構成する樹脂として、樹脂Aを35重量部、樹脂Bを65重量部となるようにブレンドし、160℃で2時間減圧乾燥した後、第2層用の押出機に投入した。押出機内でそれぞれの原料を280℃で溶融させ、積層用合流ブロックで合流積層し、第1層、第2層および第3層からなる3層積層とした。その後、表面温度25℃のキャスティングドラム上に押し出し、3層構成をもつ積層シートを作成した。続いて、該シートを加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度で長手方向(縦方向、すなわちシートの進行方向)に3.3倍延伸を行った後、25℃のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の110℃の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.5倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで230℃の温度で10秒間熱固定を施した。次いで、冷却ゾーンで均一に徐冷後、テンタークリップが把持していたフィルム両端部を切り取り、これを巻き取って厚み25μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムについて、幅方向に10点サンプリングして熱特性を測定したところ、結晶化温度の標準偏差は1.37、融点の標準偏差は1.40であり、フィルム吐出時の口金すじ欠点は確認されなかった。
実施例2、3、4、比較例1
第1層、第2層および第3層の樹脂構成を表1に示すように変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例2、3および4については、実施例1と比較してσcおよびσmが大きくなったが、本発明のポリエステルフィルムとして問題のない特性であった。
比較例1で得られたポリエステルフィルムについて、幅方向に10点サンプリングして熱特性を測定したところ、結晶化温度の標準偏差は3.38、融点の標準偏差は3.27であり、口金すじ欠点が3本確認され、本発明のポリエステルフィルムとして特性を満たさないものであった。
Figure 2024010655000001
このようにして得られたポリエステルフィルムは、光学用途、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、自動車用部品、電気・電子部品またはその他の用途として有用であり、特に高い品位が求められる工程離型用フィルムに好適である。

Claims (6)

  1. ポリエステルを解重合するケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物とポリエステルを再溶融するマテリアルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含むポリエステルフィルムであって、フィルム幅方向で10点サンプリングした際の昇温結晶化温度の標準偏差(σc)が下記式(i)を満たすポリエステルフィルム。
    σc<3℃ (i)
  2. フィルム幅方向で10点サンプリングした際の融点の標準偏差(σm)が下記式(ii)を満たす請求項1に記載のポリエステルフィルム。
    σm<3℃ (ii)
  3. 2層以上積層していることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  4. いずれかの片表層にケミカルリサイクル由来のポリエステル樹脂組成物を含む請求項3に記載のポリエステルフィルム。
  5. 工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムである請求項1に記載のポリエステルフィルム。
  6. 工程離型用二軸延伸ポリエステルフィルムが積層セラミックコンデンサー製造用離型フィルム、ドライフィルムレジスト用フィルム、偏光板離型用フィルム、光学離型用フィルムから選択されるいずれかである請求項5記載のポリエステルフィルム。
JP2023102251A 2022-07-12 2023-06-22 ポリエステルフィルム Pending JP2024010655A (ja)

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