JP2024009959A - Btn1a1に免疫特異的に結合する抗体及び分子並びにその治療的使用 - Google Patents

Btn1a1に免疫特異的に結合する抗体及び分子並びにその治療的使用 Download PDF

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Abstract

【課題】BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子、例えば、抗BTN1A1抗体を提供する。【解決手段】単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗体又はその抗原結合断片であって、(a)該抗体又はその抗原結合断片が単量体BTN1A1に対して示されるKDの半分未満のKDで二量体BTN1A1に結合し;又は(b)該抗体又はその抗原結合断片が非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDの半分未満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合し、ただし、該抗体又はその抗原結合断片がSTC810ではない、前記抗体又はその抗原結合断片を提供する。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年5月31日に出願された米国仮出願第62/513,389号の恩典を主張するも
のであり;その開示は、引用により完全に本明細書中に組み込まれる。
(配列表の参照)
本出願は、2018年5月25日に作成された、サイズが118,784バイトである、13532-018-22
8_ST25.txtという名前の配列表のコンピュータ可読形態(CRF)コピーとともに提出されて
おり;これは、引用により完全に本明細書中に組み込まれる。
(1.分野)
本発明は、全体として、癌免疫学及び分子生物学の分野に関する。本明細書に提供され
るのは、抗BTN1A1抗体又はBTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する他の分子
及びその治療的使用である。
(2.背景)
ヒト及び他の哺乳動物の免疫系は、それらを感染及び疾患から防御する。いくつかの刺
激性及び抑制性のリガンド及び受容体は、感染に対する免疫応答を最大化すると同時に、
自己免疫を制限する厳格な制御系を提供する。最近、抗PD1抗体又は抗PDL1抗体などの、
免疫応答を調節する治療法が、一部の癌治療において有効であることが見出された。しか
しながら、免疫系を調節することにより疾患を安全かつ効果的に治療する新しい治療法の
開発は、とりわけ、転移性癌にとって、差し迫ったニーズであり続けている。本明細書に
記載される組成物及び方法は、これらのニーズを満たし、かつ他の関連する利点を提供す
る。
(3.概要)
本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子
である。いくつかの実施態様において、該分子は、抗BTN1A1抗体である。
いくつかの実施態様において、該分子は、二量体に免疫特異的に結合する抗原結合断片
を有し、ここで、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体よりもBTN1A1二量体に優先的に結合す
る。いくつかの実施態様において、該BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中の一方又は両方
のBTN1A1単量体の位置N55、N215、又はN449のうちの1つ又は複数においてグリコシル化さ
れている。
いくつかの実施態様において、該分子は、グリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N21
5、及び/又はN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55でグリコシル化されているBTN1A1に免疫
特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N215でグリコ
シル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原
結合断片は、位置N449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつ
かの実施態様において、該抗原結合断片は、1以上のグリコシル化モチーフに免疫特異的
に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及びN215でグリ
コシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗
原結合断片は、位置N215及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合す
る。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及びN449でグリコシル化
されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断
片は、位置N55、N215、及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合す
る。いくつかの実施態様において、該グリコシル化BTN1A1は、二量体である。
いくつかの実施態様において、該分子は、グリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有し、ここで、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシ
ル化BTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グ
リコシル化BTN1A1よりも位置N55、N215、及び/又はN449でグリコシル化されているBTN1A1
に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化
BTN1A1よりも位置N55でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N215でグリコシ
ル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断
片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に
結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、1以上のグリコシル化モチ
ーフに優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシ
ル化BTN1A1よりも位置N55及びN215でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する
。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N2
15及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様に
おいて、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55及びN449でグリコシル
化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片
は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55、N215、及びN449でグリコシル化されているBTN
1A1に優先的に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体、例えば、グリコシル
化BTN1A1単量体に対して示されるKDの半分未満のKDでBTN1A1二量体、例えば、グリコシル
化BTN1A1二量体に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単
量体、例えば、グリコシル化BTN1A1単量体に対して示されるKDよりも少なくとも2倍小さ
い、少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも2
0倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又
は少なくとも50倍小さいKDでBTN1A1二量体、例えば、グリコシル化BTN1A1二量体に結合す
る。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体、例えば、グリコシル
化BTN1A1単量体に対して示されるMFIの少なくとも2倍高い蛍光強度(MFI)でBTN1A1二量体
、例えば、グリコシル化BTN1A1二量体に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原
結合断片は、BTN1A1単量体、例えば、グリコシル化BTN1A1単量体に対して示されるMFIの
少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、
少なくとも30倍、少なくとも40倍、又は少なくとも50倍高いMFIでBTN1A1二量体、例えば
、グリコシル化BTN1A1二量体に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示さ
れるKDの半分未満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、
該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDよりも少なくとも2倍小さ
い、少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも2
0倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又
は少なくとも50倍小さいKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示さ
れる平均蛍光強度(MFI;フローサイトメトリーでの相対測定単位)の少なくとも2倍高いMFI
でグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非
グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも
15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、又は少なく
とも50倍高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及び/又はN449にお
けるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗
原結合断片は、位置N55におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつ
かの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N215におけるBTN1A1グリコシル化を免疫
特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N449におけ
るBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原
結合断片は、BTN1A1の1以上のグリコシル化モチーフを免疫特異的にマスクする。いくつ
かの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及びN215におけるBTN1A1グリコシル
化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N2
15及びN449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、位置N55及びN449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異
的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及
びN449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合
し、かつ表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC
820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781
のVH又はVLドメインを含む抗原結合断片を有する分子である。一実施態様において、該分
子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC82
0、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のV
HドメインとVLドメインの両方を含む抗原結合断片を有することができる。別の実施態様
において、該分子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703
、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778
、又はSTC2781のVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1以上のVH CDRを含む抗原
結合断片を有することができる。別の実施態様において、該分子は、表2a~12bに示され
ているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、ST
C1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVL CDRのいずれか1つのア
ミノ酸配列を有する1以上のVL CDRを含む抗原結合断片を有することができる。さらに別
の実施態様において、該分子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル
抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739
、STC2778、又はSTC2781の少なくとも1つのVH CDR及び少なくとも1つのVL CDRを含む抗原
結合断片を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号7、10、1
3、16、35、38、41、及び44からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)
配列番号8、11、14、17、36、39、42、及び45からなる群から選択されるアミノ酸配列を
有するVH CDR2;並びに(3)配列番号9、12、15、18、37、40、43、及び46からなる群から選
択されるアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;又は(b)(1)配列番号19
、22、25、28、47、50、53、及び56からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL C
DR1;(2)配列番号20、23、26、29、48、51、54、及び57からなる群から選択されるアミノ
酸配列を有するVL CDR2;並びに(3)配列番号21、24、27、30、49、52、55、及び58からな
る群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域:を含む抗原
結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該分子は、STC703又はSTC810である。
いくつかの実施態様において、該分子は、表3a及び3bに示されているようなモノクロー
ナル抗体STC810のVHドメイン、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR3、VH CDR3、VL CDR1、VL C
DR2、又はVL CDR3を含む抗原結合ドメインを含まない。
いくつかの実施態様において、該分子は、STC810ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号63、66、
69、及び72からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号64、67
、70、及び73からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2;並びに(3)配列番
号65、68、71、及び74からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重
鎖可変(VH)領域;又は(b)(1)配列番号75、78、81、及び84からなる群から選択されるアミ
ノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号76、79、82、及び85からなる群から選択されるア
ミノ酸配列を有するVL CDR2;並びに(3)配列番号77、80、83、及び86からなる群から選択
されるアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域:を含む抗原結合断片を有
する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号91、94、
97、100、119、122、125、128、147、150、153、及び156からなる群から選択されるアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号92、95、98、101、120、123、126、129、148、151
、154、及び157からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2;並びに(3)配列
番号93、96、99、102、121、124、127、130、149、152、155、及び158からなる群から選
択されるアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;又は(b)(1)配列番号103
、106、109、112、131、134、137、140、159、162、165、及び168からなる群から選択さ
れるアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号104、107、110、113、132、135、138、14
1、160、163、166、及び169からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2;並
びに(3)配列番号105、108、111、114、133、136、139、142、161、164、167、及び170か
らなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域:を含む
抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号203、206
、209、及び212からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号204
、207、210、及び213からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2;並びに(3)
配列番号205、208、211、及び214からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR
3:を含む重鎖可変(VH)領域;又は(b)(1)配列番号215、218、221、及び224からなる群から
選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号216、219、222、及び225からなる
群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2;並びに(3)配列番号217、220、223、及び
226からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域:を
含む抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該分子は、STC2602ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号231、234
、237、及び240からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号232
、235、238、及び241からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2;並びに(3)
配列番号233、236、239、及び242からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR
3:を含む重鎖可変(VH)領域;又は(b)(1)配列番号243、246、249、及び252からなる群から
選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号244、247、250、及び253からなる
群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2;並びに(3)配列番号245、248、251、及び
254からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域:を
含む抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該分子は、STC2714である。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号259、262
、265、及び268からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号260
、263、266、及び269からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2;並びに(3)
配列番号261、264、267、及び270からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR
3:を含む重鎖可変(VH)領域;又は(b)(1)配列番号271、274、277、及び280からなる群から
選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号272、275、278、及び281からなる
群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2;並びに(3)配列番号273、276、279、及び
282からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域:を
含む抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該分子は、STC2739である。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号287、290
、293、及び296からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号288
、291、294、及び297からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2;並びに(3)
配列番号289、292、295、及び298からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR
3:を含む重鎖可変(VH)領域;又は(b)(1)配列番号299、302、305、及び308からなる群から
選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号300、303、306、及び309からなる
群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2;並びに(3)配列番号301、304、307、及び
310からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域:を
含む抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該分子は、STC2778である。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号315、318
、321、及び324からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号316
、319、322、及び325からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR2;並びに(3)
配列番号317、320、323、及び326からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH CDR
3:を含む重鎖可変(VH)領域;又は(b)(1)配列番号327、330、333、及び336からなる群から
選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号328、331、334、及び337からなる
群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR2;並びに(3)配列番号329、332、335、及び
338からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域:を
含む抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該分子は、STC2781である。
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される抗BTN1A1抗体のVH鎖、VL鎖、VH
ドメイン、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL C
DR3をコードする単離された核酸分子である。さらに提供されるのは、これらの核酸分子
を含むベクター及び宿主細胞である。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、BTN1A1エピトープ、例え
ば、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739
、STC2778、又はSTC2781のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮
断する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分
子は、抗グリコシル化BTN1A1抗体を含む、抗BTN1A1抗体である。該抗体は、モノクローナ
ル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。該抗体は、ヒト
抗体であることができる。該抗体は、IgG、IgM、又はIgAであることができる。
いくつかの実施態様において、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分
子は、Fab'、F(ab')2、F(ab')3、一価scFv、二価scFv、又は単一ドメイン抗体である。
いくつかの実施態様において、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分
子は、組換えにより産生される。いくつかの実施態様において、該分子は、イメージング
剤、化学療法剤、毒素、又は放射性核種にコンジュゲートされる。
また本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する
分子及び医薬として許容し得る担体を含む組成物である。いくつかの実施態様において、
該組成物は、非経口投与用に製剤化されている。さらに本明細書に提供されるのは、BTN1
A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子及び補助剤を含むキットである。
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるBTN1A1に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する分子を含む抗体-薬物コンジュゲート(ADC)である。また本明細書に
提供されるのは、本明細書に提供される分子を用いて、細胞を化合物とコンジュゲートさ
れた本明細書に提供される分子と接触させることにより、化合物をBTN1A1を発現する細胞
に送達する方法である。該化合物は、本明細書に記載されるイメージング剤、治療剤、毒
素、又は放射性核種であることができる。該化合物は、抗BTN1A1抗体とコンジュゲートさ
れることができる。該コンジュゲートは、ADCなどの、本明細書に記載される任意のコン
ジュゲートであることができる。該細胞は、癌細胞であることができる。該細胞は、癌細
胞と正常細胞の両方を含む細胞の集団であることもできる。
また本明細書に提供されるのは、抗BTN1A1抗体を含む、BTN1A1に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子の有効量を投与することにより、対象に
おける免疫応答を調節する方法である。免疫応答を調節することは、(a)T細胞活性化を増
大させること;(b)T細胞増殖を増大させること;及び/又は(c)サイトカイン産生を増大させ
ることを含むことができる。いくつかの実施態様において、免疫応答を調節することは、
CD8+ T細胞の活性化を含む。いくつかの実施態様において、CD8+ T-細胞活性化は、IFNγ
分泌の誘導又はT細胞クラスター形成の誘導を含む。
また本明細書に提供されるのは、BTN1A1を発現する細胞を、抗BTN1A1抗体を含む、BTN1
A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子の有効量と接
触させることにより、該細胞のT細胞依存的アポトーシスを増強する方法である。また本
明細書に提供されるのは、BTN1A1を発現する細胞を、抗BTN1A1抗体を含む、BTN1A1に免疫
特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子の有効量と接触させる
ことにより、該細胞の増殖を阻害する方法である。該細胞は、癌細胞であることができる
さらに、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるBTN1A1に免疫特異的に結合
する抗原結合断片を有する分子の有効量を対象に投与することにより、該対象の癌を治療
する方法である。いくつかの実施態様において、該分子は、抗BTN1A1抗体である。いくつ
かの実施態様において、該分子は、抗グリコシル化BTN1A1抗体である。いくつかの実施態
様において、該治療は、免疫応答を活性化するか、又は対象におけるT細胞の活性化及び
増殖を促進することができる。いくつかの実施態様において、該分子は癌細胞に結合し、
癌細胞の破壊をもたらす免疫応答を誘導する。いくつかの実施態様において、癌細胞の破
壊は、該分子のADCC活性によって媒介される。いくつかの実施態様において、癌細胞の破
壊は、該分子のCDC活性によって媒介される。いくつかの実施態様において、該分子は、
高線量の放射線と組み合わせて投与される。
いくつかの実施態様において、該対象は、転移性癌を有する。該癌は、血液癌又は固形
腫瘍であることができる。いくつかの実施態様において、該癌は、白血病、リンパ腫、及
び骨髄腫からなる群から選択される血液癌である。いくつかの実施態様において、該癌は
、乳癌、肺癌、胸腺癌、甲状腺癌、頭頸部癌、前立腺癌、食道癌、気管癌、脳腫瘍、肝臓
癌、膀胱癌、腎臓癌、胃癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮癌、子宮頸癌、精巣癌、結腸癌、直腸
癌、及び皮膚癌からなる群から選択される固形腫瘍である。該皮膚癌は、黒色腫性皮膚癌
又は非黒色腫性皮膚癌のいずれかであることができる。
いくつかの実施態様において、該方法は、本明細書に記載されるBTN1A1に免疫特異的に
結合する抗原結合断片を有する分子の対象への全身投与を含む。いくつかの実施態様にお
いて、該分子は、静脈内、皮内、腫瘍内、筋肉内、腹腔内、皮下、又は局所に投与される
。いくつかの実施態様において、該方法は、第二の抗癌療法を対象に投与することを含み
、これは、外科的療法、化学療法、生物学的標的療法、低分子標的療法、放射線療法、凍
結療法、ホルモン療法、免疫療法、又はサイトカイン療法であることができる。いくつか
の実施態様において、該分子は、非経口投与される。
さらに、本明細書に提供されるのは、単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合
する抗原結合断片を含む分子を産生する方法であって、BTN1A1抗原を提供して、BTN1A1に
免疫特異的に結合する抗原結合断片を含む分子を産生すること、及び該BTN1A1に免疫特異
的に結合する抗原結合断片を含む分子を、単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結
合する抗原結合断片を含む分子についてスクリーニングすることを含む、方法である。い
くつかの実施態様において、該BTN1A1抗原は、BTN1A1単量体である。いくつかの実施態様
において、該BTN1A1抗原は、BTN1A1二量体である。また本明細書に提供されるのは、本明
細書に提供される方法を用いて産生される分子である。
(4.図面の簡単な説明)
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の実施態様をさらに示すために
含まれる。本発明は、これらの図面のうちの1つ又は複数を、本明細書に提示される具体
的な実施態様の詳細な説明と組み合わせて参照することにより、より良く理解することが
できる。
図1-ヒトBTN1A1の線形構造。図1は、2つの免疫グロブリンドメイン(V-セット、C2-セット_2)及び2つのタンパク質相互作用ドメイン(PRY、SPRY)を含む、ヒトBTN1A1の線形構造を示している。
図2-ヒトBTN1A1のサブクローニング。C-末端flagタグを有するヒトBTN1A1の全コード配列(CD)を、標準的なクローニング法を用いて、pcDNA3にサブクローニングした。図2に示されているように、上のバンドはベクター骨格に対応し、下のバンドはflagタグを有するヒトBTN1A1のCDに対応する。
図3-293T細胞におけるグリコシル化特異的突然変異体及び野生型BTN1A1の発現。部位特異的突然変異誘発を用いて、特異的突然変異をヒトBTN1A1の細胞外ドメインにおけるグリコシル化部位(N55Q、N215Q、及びN55QとN215Qの複合)で行った。野生型BTN1A1とその突然変異体形態の両方の発現が図3に示されている。示されているように、BTN1A1の複合突然変異体(N55QとN215Q)は発現せず、BTN1A1のグリコシル化がその発現に極めて重要であることを示した。
図4A及び図4B-免疫療法標的としてのBTN1A1。図4A及び図4Bは、非放射線照射腫瘍対非放射線照射脾臓(図4A)及び放射線照射腫瘍対非放射線照射脾臓(図4B)からのshRNA配列の読取りを陰性対照と併せてプロットしたグラフを示している。
図5-活性化CD8+ T細胞に対するBTN1A1誘導。図5は、フローサイトメトリー(FACS)解析の結果を示すグラフを示している。BTN1A1細胞表面発現をコンカナバリンA(ConA)又は抗CD3/抗CD28で活性化されたマウスCD8+ T細胞で解析した。
図6A及び図6B-BTN1A1はCD8+ T細胞活性化を選択的に阻害することができる。図6A及び図6Bは、T細胞活性化のマスサイトメトリー解析(CyTOF; Fluidigim, South San Francisco, CA)の結果を示している。図6Aは、活性化Tキラー細胞を用いて得られたCyTOFの結果を示している。図6Bは、ナイーブTキラー細胞及びエフェクターTキラー細胞を用いて得られたCyTOFの結果を示している。
図7-BTN1A1生物学的活性を特徴付けるのに有用な細胞ベースのアッセイフォーマット。図7は、ビーズベースのアッセイ(左のパネル)、共培養アッセイ(真ん中のパネル)、及びBTN1A1コーティングアッセイ(右のパネル)を示すグラフを示している。
図8A及び図8B-BTN1A1でコーティングされたビーズはヒト全T細胞増殖を阻害することができる。図8A及び図8Bは、図7によるビーズベースのT細胞増殖アッセイ(左のパネル)の結果を示している。図8Aは、フローサイトメトリー読取り値を示している。図8Bは、棒グラフでの相対的T細胞増殖を示している。
図9A及び図9B-mBTN1A1を過剰発現する4T1細胞はマウスT細胞増殖を阻害することができる。図9A及び図9Bは、BTN1A1を過剰発現する4T1細胞及びCFSE染色マウス脾臓細胞を用いた図7による共培養アッセイ(真ん中のパネル)の結果を示している。図9Aは、フローサイトメトリー読取り値を示している。図9Bは、棒グラフでの相対的T細胞増殖を示している。
図10-mBTN1A1はマウスT細胞増殖を抑制することができる。図10は、コーティングされたBTN1A1及びCFSE染色マウス脾臓細胞を用いた図7によるヘテロジニアスアッセイ(右のパネル)の結果を示している。
図11-mBTN1A1は高線量の放射線により腫瘍微小環境で誘導することができる。図11は、マウスの放射線処置後にマウス腫瘍から単離されたCD8+細胞におけるBTN1A1発現レベルフローサイトメトリー解析の結果を示している。
図12-mBTN1A1は高線量の放射線により腫瘍微小環境で誘導することができる。図12は、非放射線照射対照マウス(上の列)及び2Gy×5の放射線線量で放射線照射されたマウス(真ん中の列)又は12Gy×3の放射線線量で放射線照射されたマウス(下の列)由来のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE) LLC同系腫瘍の免疫組織化学解析からの画像を示している。
図13-BTN1A1はN-結合型グリコシル化される。細胞外ドメインを発現する組換えヒトBTN1A1タンパク質を模擬(-)又はPNGアーゼFのいずれかで1時間処理し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に供し、クマシー染色した。図13に示されているように、明白なシフトがPNGアーゼF処理レーンで認められ、BTN1A1のN-結合型グリコシル化を示している。矢印に対応するバンドはPNGアーゼFタンパク質である。
図14-全長ヒトBTN1A1タンパク質における推定グリコシル化部位。ヒトBTN1A1の全長配列(配列番号1)をN-結合型グリコシル化部位(Nx[ST]パターン予測ソフトウェア(http://www.hiv.lanl.gov/content/sequence/GLYCOSITE/glycosite.html)に入力した。このソフトウェアによって同定された3つの候補グリコシル化部位は、図14に示される配列において赤で強調されている。
図15-BTN1A1の細胞外ドメインのグリコシル化部位における高度の相同性。3つの種(ヒト(Homo sapiens)、マウス(Mus musculus)、及びウシ(Bos taurus))由来の確認済みのBTN1A1配列をuniprot(www.uniprot.org)から収集し、グリコシル化部位予測ソフトウェア(http://www.hiv.lanl.gov/content/sequence/GLYCOSITE/glycosite.html)に供し、clustal W2(http://www.ebi.ac.uk/Tools/msa/clustalw2/)を用いて整列させた。図15に示されているように、グリコシル化部位(出現順に、それぞれ、配列番号189~194)は、種を越えて進化的に保存されている。
図16A-抗CD3/CD28刺激による活性化後のマウスT細胞における細胞表面BTN1A1の高い誘導。未感作のマウスT細胞を、2日間、模擬刺激するか(左)又は抗CD3(5μg/ml)及び抗CD28(5μg/ml)で刺激し、フローサイトメトリー解析に供した。図16Aは、模擬処理細胞と比較したCD3/CD28刺激細胞における細胞表面BTN1A1の高い誘導を示している。
図16B-抗CD3/CD28刺激による活性化後のマウスT細胞における細胞表面BTN1A1の高い
誘導。未感作のマウスT細胞を、2日間、模擬刺激するか(赤色)又は抗CD3(5μg/ml)及び抗
CD28(5μg/ml)(オレンジ色)で刺激し、フローサイトメトリー解析に供した。BTN1A1の発
現を二次抗体のみの対照と比較した。図16Bは、模擬処理細胞と比較したCD3/CD28刺激細
胞における細胞表面BTN1A1の高い誘導を示している。青色の曲線は、アイソタイプ対照で
ある。
図17-骨髄細胞はB16-Ova黒色腫細胞のBTN1A1発現を誘導する。B16-Ova細胞の細胞外BTN1A1を抗体のみの対照又はFITC-BTN1A1抗体で染色することにより検出し、BTN1A1発現レベルを、フローサイトメトリーを用いて調べた。「BM」という用語は骨髄を表す。
図18A及び図18B-BTN1A1は細胞内で二量体を形成する。図18A及び図18Bは、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)又はGlu(グルタルアルデヒド)架橋剤で処理されたBTN1A1-flag発現HEK293T細胞由来の溶解物のウェスタンブロット解析を示している。図18Aは、還元変性条件下で泳動されたウェスタンブロットを示している。図18Bは、未変性条件下で泳動されたウェスタンブロットを示している。
図19A及び図19B-マウス抗ヒトBTN1A1抗体のドットブロット解析。図19Aは、ドットブロット解析の結果を示している。これを用いて、マウス抗ヒトBTN1A1モノクローナル抗体の糖特異性を解析した。6×Hisがタグ付けされた抗原BTN1A1-ECDをPNGアーゼFで処理して、N-グリコシル化を除去した。ポリクローナル抗体を陽性対照に使用した。BTN1A1の種特異性を試験するために、ヒトIgG1 Fc領域がタグ付けされたヒト及びマウスBTN1A1を使用した(ヒトBTN1A1-Fcについては、レーン1~4及びマウスBTN1A1-Fcについては、レーン5~8)。「ECD」という用語は、細胞外ドメインを表す。図19Bは、図9Aに示されたドットブロットの配置図を提供している。
図20-BTN1A1-ECD-His6及びBTN1A1-ECD-FcはN結合型グリコシル化される。細胞外ドメインを発現する組換えヒトBTN1A1-ECD-His6及びBTN1A1-ECD-Fcタンパク質コンストラクトを模擬(-)又はPNGアーゼFのいずれかで1時間処理し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に供し、クマシー染色した。図20に示されているように、明白なシフトがPNGアーゼF処理したレーン2及び4で観察され、BTN1A1-ECD-His6及びBTN1A1-ECD-FcのN-結合型グリコシル化が示された。アステリスクに対応するバンドは、PNGアーゼFタンパク質である。
図21A~C-マウス抗ヒトBTN1A1モノクローナル抗体のFACS解析。ヒトBTN1A1-2NQ(すなわち、N55QとN215Q)及びヒトBTN1A1 WTを一過性トランスフェクションによりHEK293T細胞で発現させた。hBTN1A1の表面発現を、STC703(図21A)、STC810(図21B)、又はSTC820(図21C)と表される抗BTN1A1モノクローナル抗体を用いるFACS解析により測定した。抗BTN1A1ポリクローナル抗体を陽性対照として使用した。
図22A~F-固定されたSTC703、STC810、又はSTC820 MAbに対するBTN1A1-Fc及びBTN1A1-His結合の表面プラズモン共鳴解析。図22A、図22C、及び図22E:マウスIgG捕捉-CM5チップ(BIAcore)上に固定されたSTC703(図22A)、STC810(図22C)、又はSTC820(図22E)に対する可溶性BTN1A1-Fcタンパク質(2倍希釈で、2~64nM)のリアルタイム結合を示すセンサーグラム。図22B、図22D、及び図22F:マウスIgG捕捉-CM5チップ(BIAcore)上に固定されたSTC703(図22B)、STC810(図22D)、又はSTC820(図22F)に対する可溶性BTN1A1-Hisタンパク質(2倍希釈で、2~64nM)のリアルタイム結合を示すセンサーグラム。固定されたタンパク質を含まないフローセルを非特異的結合の対照として使用し、試験フローセルから差し引いた。
図23A~C-BTN1A1 WT、N55Q、N215Q、及び2NQ突然変異体のウェスタンブロット解析。図23Aは、BTN1A1 WT並びにその突然変異体N55Q、N215Q、及び2NQ(すなわち、N55QとN215Q)の略図を示している。図23Bは、抗体STC810、STC812、STC819、STC820、STC821、STC838、STC848、又はSTC859でプロービングしたBTN1A1 WT及びその突然変異体形態のウェスタンブロットを示している。図23Cは、ゲルローディング対照を示している。
図24-BTN1A1 WT、N55Q、N215Q、及び2NQ突然変異体のウェスタンブロット解析。図24は、抗体STC703(左のパネル)、STC810(真ん中のパネル)、又はSTC820(右のパネル)を用いたBTN1A1 WT又はその突然変異体形態のウェスタンブロットを示している。
図25-共焦点顕微鏡法によるSTC703及びSTC810抗体の免疫蛍光解析。HEK293T細胞に、野生型BTN1A1(BTN1A1 WT)及び突然変異体BTN1A1(BTN1A1-2NQ(すなわち、N55QとN215Q))の発現ベクターを一過性にトランスフェクトした。細胞をカバーガラスの上にプレーティングし、BTN1A1に対する一次抗体(STC703又はSTC810)及びマウスIgGに対する二次抗体でプロービングした。青色の染色は、核を染色するDAPIである。
図26A及び図26B-蛍光標識STC810はグリコシル化BTN1A1 WTを過剰発現する細胞により内在化される。図26Aは、IncuCyte ZOOM(登録商標)生細胞解析からの代表的な画像を示している。内在化されたphRodo(商標)標識STC810を示す赤色の蛍光は、右上のパネルでは見えるが、他の3つのパネルでは見えない。図26Bは、内在化されたSTC810-phRodo(商標)蛍光を経時的にプロットしたグラフを示している。内在化されたSTC810-phRodo(商標)蛍光の増加は、グリコシル化BTN1A1 WTを発現する細胞では観察されるが、非グリコシル化BTN1A1 2NQを発現する細胞では観察されない。
図27A及び図27B-STC810は抗PD-1抗体と相乗作用して、混合リンパ球反応でIL-2及びIFNγ分泌を誘導する。図27A及び図27Bは、IL-2(図27A)又はIFNγ(図27B)分泌に関する混合リンパ球培養物に対する表示された抗体処理の効果を示した棒グラフを示している。
図28A及び図28B-STC810はIFNγの分泌及び活性化CD8+ T細胞のクラスタリングを促進する。図28Aは、IgG対照抗体(右上のパネル)、BTN1A1-Fc(左下のパネル)、又はBTN1A1-FcとSTC810の組合せ(右下のパネル)で処理した後の活性化されていない(左上のパネル)又は抗CD3抗体で活性化されたT細胞培養物の画像を示している。図28Bは、ELISAにより決定される、表示された濃度のSTC810で処理したときにConA及びIL-2で活性化されたT細胞の上清中で検出されたIFNγレベルをプロットしたグラフを示している。
図29A~C-固定されたSTC1011、STC1012、又はSTC1029 MAbに対するBTN1A1-Fc結合の表面プラズモン共鳴解析。図29A、図29B、及び図29C:プロテインA-CM5チップ(BIAcore)上に固定されたSTC1011(図29A)、STC1012(図29B)、又はSTC1029(図29C)に対する可溶性BTN1A1-Fcタンパク質(2倍希釈で、2~64nM)のリアルタイム結合を示すセンサーグラム。固定されたタンパク質を含まないフローセルを非特異的結合の対照として使用し、試験フローセルから差し引いた。
図30A~C-蛍光標識STC1012はグリコシル化マウスBTN1A1 WT又は非グリコシル化マウスBTN1A1 2NQを過剰発現する細胞により内在化される。図30Aは、IncuCyte ZOOM(登録商標)生細胞解析からの代表的な画像を示している。内在化されたphRodo(商標)標識STC1012を示す赤色の蛍光は、上の列の真ん中のパネル(293T mBTN1A1(WT))及び右上のパネル(293T mBTN1A1(2NQ))では見えるが、対照パネルでは見えない。図30Bは、内在化されたSTC1012-phRodo(商標)蛍光を経時的にプロットしたグラフを示している。内在化されたSTC810-phRodo(商標)蛍光の増加は、グリコシル化BTN1A1 WTを発現する細胞及び非グリコシル化BTN1A1 2NQを発現する細胞で観察される。図30Cは、pHRodo(商標)標識対照mIgG1を用いた対照実験の結果を示している。
図31A及び図31B-抗mBTN1A1抗体はmBTN1A1過剰発現4T1細胞と共培養されたT細胞の増殖を促進する。図31A及び図31Bは、図7による共培養実験(真ん中のパネル)の結果を示している。BTN1A1を過剰発現する4T1細胞をマウス脾臓細胞及び表示された抗マウスBTN1A1抗体と共培養した。図31Aは、共培養物中の増殖しているT細胞のフローサイトメトリー解析の結果を示している。図31Bは、共培養物におけるT細胞増殖に対するSTC1011、STC1012、及びSTC1029の効果を示した棒グラフを示している。
図32A-BTN1A1-Fcのエピトープマッピング。STC810及びBTN1A1(ECD)-FcをAg-Ab架橋に供し、高質量MALDIにより分析した。図11は、R41、K42、K43、T185、及びK188を含む、STC810に架橋されたBTN1A1(ECD)-Fcのアミノ酸残基を示している。
図32B-BTN1A1-Hisのエピトープマッピング。STC810及びBTN1A1(ECD)-HisをAg-Ab架
橋に供し、高質量MALDIにより分析した。図32Bは、R68、K78、T175、S179、及びT185を含
む、STC810に架橋されたBTN1A1(ECD)-Hisのアミノ酸残基を示している。
図33-BTN1A1抗体のT細胞殺傷効果。図33は、陰性対照とともに、STC810、STC2602、STC2714、又はSTC2781 BTN1A1抗体の存在下でPC3ヒト前立腺癌細胞のT細胞媒介アポトーシスをプロットしたグラフを示している。
図34-BTN1A1抗体の二量体特異的結合。図34の一番左のパネルは、サイズ標準とともに、未変性条件と還元条件の両方における単量体及び二量体形態のBTN1A1タンパク質の位置を示した、クマシーブルー染色SDS-PAGEゲルの画像である。2番目から5番目のパネルは、それぞれ、STC810、STC2602、STC2714、及びSTC2781抗体を用いて未変性条件と還元条件の両方における単量体及び二量体形態のBTN1A1タンパク質を可視化したウェスタンブロットを示している。
図35A~B-単量体及び二量体形態のBTN1A1に対するSTC2714の結合親和性(KD)。図35A:プロテインA-CM5チップ(Biacore)上に固定されたSTC2714に対する可溶性BTN1A1-Fcタンパク質(図35A)(2倍希釈で、2~64nm)のリアルタイム結合を示すセンサーグラム。図35B:プロテインA-CM5チップ(Biacore)上に固定されたSTC2714に対する可溶性BTN1A1-Hisタンパク質(2倍希釈で、2~64nm)のリアルタイム結合を示すセンサーグラム。
(5.詳細な説明)
B7ファミリーの共刺激分子は、免疫細胞の活性化及び阻害を推進することができる。関
連ファミリーの分子-ブリロフィリン(buryrophilin)-も、B7ファミリーメンバーと同様
の免疫調節機能を有する。ブチロフィリン、サブファミリー1、メンバーA1(「BTN1A1」)
は、I型膜糖タンパク質かつ乳脂肪球皮膜の主要成分であり、B7ファミリーとの構造的類
似性を有する。BTN1A1は、乳中の脂肪滴の形成を調節する主要なタンパク質として知られ
る(Oggらの文献、PNAS, 101(27):10084-10089(2004))。BTN1A1は、T細胞を含む免疫細胞
で発現される。組換えBTN1A1による処理は、T細胞活性化を阻害し、EAEの動物モデルを防
御することが見出された(Stefferlらの文献、J. Immunol. 165(5):2859-65(2000))。
BTN1A1は、癌細胞でも特異的かつ高度に発現される。癌細胞のBTN1A1はグリコシル化さ
れてもいる。BTN1A1の発現を用いて、癌診断を助けるだけでなく、癌治療の有効性を評価
することもできる。
本明細書に提供されるのは、抗BTN1A1抗体及びBTN1A1に免疫特異的に結合することがで
きる他の分子、並びに癌診断を提供し、癌治療を評価し、又は免疫細胞の活性を調節する
際の及び癌を治療する際のそれらの使用方法である。
(5.1.定義)
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「a」、「an」、及び「the」
という冠詞は、1つ又は複数の該冠詞の文法的対象を指す。例として、抗体(an antibody)
は、1つの抗体又は複数の抗体を指す。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「ブチロフィリン、サブファ
ミリー1、メンバーA1」又は「BTN1A1」という用語は、哺乳動物、例えば、霊長類(例えば
、ヒト、カニクイザル(cyno))、イヌ、並びに齧歯類(例えば、マウス及びラット)を含む
、任意の脊椎動物源由来のBTN1A1を指す。別途規定されない限り、BTN1A1は、様々なBTN1
A1アイソフォーム、そのSNP変異体を含む関連BTN1A1ポリペプチド、並びに限定されない
が、リン酸化BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、及びユビキチン化BTN1A1を含む、BTN1A1の様
々な修飾形態も含まれる。本明細書で使用される場合、グリコシル化BTN1A1は、N55、N21
5、及び/又はN449グリコシル化を有するBTN1A1を含む。
ヒトBTN1A1(BC096314.1 GI: 64654887)の例示的なアミノ酸配列を、潜在的グリコシル
化部位を太字にしかつ下線を付して、以下に提供する:
Figure 2024009959000002
ヒトBTN1A1(BC096314.1 GI: 64654887)の例示的なコード核酸配列を以下に提供する:
Figure 2024009959000003
マウスBTN1A1(GenBank: AAH11497.1)の例示的なアミノ酸配列を、潜在的グリコシル化
部位を太字にしかつ下線を付して、以下に提供する:
Figure 2024009959000004
マウスBTN1A1(GenBank: BC011497.1)の例示的なコード核酸配列を以下に提供する:
Figure 2024009959000005
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「抗体」という用語は、特異
的な分子抗原に結合することができ、かつ2つの同一のポリペプチド鎖対(ここで、各々の
対は、1つの重鎖(約50~70kDa)及び1つの軽鎖(約25kDa)を有し、各々の鎖の各々のアミノ
末端部分は、約100~約130又はそれより多くのアミノ酸の可変領域を含み、かつ各々の鎖
の各々のカルボキシ末端部分は定常領域を含む)から構成される、ポリペプチドの免疫グ
ロブリン(又は「Ig」)クラス内のB細胞のポリペプチド産物を指す(Borrebaeck(編)(1995)
、抗体エンジニアリング(Antibody Engineering)、第2版、Oxford University Press.; K
ubyの文献(1997)、免疫学(Immunology)、第3版、W.H. Freeman and Company, New Yorkを
参照)。ここで、特異的な分子抗原には、標的BTN1A1が含まれ、これは、BTN1A1ポリペプ
チド、BTN1A1断片、又はBTN1A1エピトープであることができる。本明細書に提供される抗
体としては、モノクローナル抗体、合成抗体、組換え産生抗体、二重特異性抗体、多重特
異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化抗体、キメラ抗体、イントラボディ、抗イデ
ィオタイプ(抗Id)抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「モノクローナル抗体」とい
う用語は、単一の細胞クローンもしくはハイブリドーマ又は単一の細胞に由来する細胞の
集団の産物である抗体を指す。モノクローナル抗体は、単一分子免疫グロブリン種を産生
するために、免疫グロブリン遺伝子をコードする重鎖及び軽鎖から組換え法によって産生
された抗体を指すことも意図される。モノクローナル抗体調製物内の抗体のアミノ酸配列
は実質的に均一であり、そのような調製物内の抗体の結合活性は実質的に同じ抗原結合活
性を示す。対照的に、ポリクローナル抗体は、集団内の様々なB細胞から得られ、これは
、特異的抗原に結合する免疫グロブリン分子の組合せである。ポリクローナル抗体の各々
の免疫グロブリンは、同じ抗原の異なるエピトープに結合することができる。モノクロー
ナル抗体とポリクローナル抗体の両方を産生する方法は当技術分野で周知である(Harlow
及びLaneの文献、抗体:実験マニュアル(Antibodies: A Laboratory Manual)、Cold Sprin
g Harbor Laboratory Press(1989)及びBorrebaeck(編)、抗体エンジニアリング:実践ガイ
ド(Antibody Engineering: A Practical Guide)、W.H. Freeman and Co., Publishers, N
ew York, pp. 103-120(1991))。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「ヒト抗体」という用語は、
ヒト可変領域及び/もしくはヒト定常領域又はヒト生殖系列免疫グロブリン配列に対応す
るこれらの部分を有する抗体を指す。そのようなヒト生殖系列免疫グロブリン配列は、Ka
batらの文献(1991)、免疫学的に興味深いタンパク質の配列(Sequences of Proteins of I
mmunological Interest)、第5版、U.S. Department of Health and Human Services, NIH
Publication No. 91-3242に記載されている。ここで、ヒト抗体は、BTN1A1に結合し、か
つヒト生殖系列免疫グロブリン核酸配列の天然の体細胞変異体である核酸配列によってコ
ードされる抗体を含むことができる。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「キメラ抗体」という用語は
、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種に由来し又は特定の抗体クラスもしくはサブク
ラスに属する抗体中の対応する配列と同一又は相同である一方、該鎖の残りが、別の種に
由来し又は別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一又は
相同である抗体、並びに所望の生物学的活性を示す限り、そのような抗体の断片を指す(
米国特許第4,816,567号;及びMorrisonらの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-
6855(1984)を参照)。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「ヒト化抗体」という用語は
、ネイティブな相補性決定領域(「CDR」)残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有
する、マウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長類などの非ヒト種の対応するCDR(例えば
、ドナー抗体)由来の残基に置き換えられているヒト免疫グロブリン(例えば、レシピエン
ト抗体)を含むキメラ抗体を指す。場合によっては、ヒト免疫グロブリンの1以上のFR領域
残基が対応する非ヒト残基に置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体
にもドナー抗体にも見られない残基を有することができる。これらの修飾は、抗体性能を
さらに精緻化するために行われる。ヒト化抗体の重鎖又は軽鎖は、少なくとも1つ又は複
数の可変領域の実質的に全てを含むことができ、該可変領域では、CDRの全て又は実質的
に全てが非ヒト免疫グロブリンのCDRに対応し、FRの全て又は実質的に全てがヒト免疫グ
ロブリン配列のFRである。ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部
、通常、ヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を有し得る。さらなる詳細につ
いては、Jonesらの文献、Nature, 321:522-525(1986); Riechmannらの文献、Nature, 332
:323-329(1988);及びPrestaの文献、Curr. Op. Struct. Biol., 2:593-596(1992); Carte
rらの文献、Proc. Natl. Acd. Sci. USA 89:4285-4289(1992);並びに米国特許第6,800,73
8号、第6,719,971号、第6,639,055号、第6,407,213号、及び第6,054,297号を参照された
い。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「組換え抗体」という用語は
、組換え手段によって調製、発現、作製、又は単離される抗体を指す。組換え抗体は、宿
主細胞内にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを用いて発現された抗体、組換え
コンビナトリアル抗体ライブラリーから単離された抗体、ヒト免疫グロブリン遺伝子につ
いてトランスジェニック及び/もしくはトランスクロモソーマルである動物(例えば、マウ
スもしくはウシ)から単離された抗体(例えば、Taylor, L. D.らの文献、Nucl. Acids Res
. 20:6287-6295(1992)を参照)、又は免疫グロブリン遺伝子配列の他のDNA配列へのスプラ
イシングを伴う任意の他の手段によって調製、発現、作製、もしくは単離された抗体であ
ることができる。そのような組換え抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する
ものを含む、可変及び定常領域を有することができる(Kabat, E. A.らの文献(1991)、免
疫学的に興味深いタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Interest
)、第5版、U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3
242を参照)。組換え抗体は、インビトロ突然変異誘発(又はヒトIg配列についてトランス
ジェニックな動物を使用する場合は、インビボ体細胞突然変異誘発)を受けることもあり
、そのため、該組換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列のVH及びVL配
列に由来し、かつこれに関連するが、インビボのヒト抗体生殖系列レパートリーに天然に
は存在しない配列であり得る。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「中和抗体」は、BTN1A1とそ
の天然のリガンドとの結合を遮断し、BTN1A1によって媒介されるシグナル伝達経路及び/
又はその他の生理的活性を阻害する抗体を指す。中和抗体のIC50は、中和アッセイでBTN1
A1の50%を中和するのに必要とされる抗体の濃度を指す。中和抗体のIC50は、中和アッセ
イで0.01~10μg/mlの範囲に及ぶことができる。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「抗原結合断片」という用語
及び類似の用語は、抗原に免疫特異的に結合し、かつ抗原に対するその特異性及び親和性
を抗体に付与するアミノ酸残基を含む抗体の部分を指す。抗原結合断片は、抗体の機能性
断片と呼ぶことができる。抗原結合断片は、一価、二価、又は多価であることができる。
抗原結合断片を有する分子としては、例えば、Fd、Fv、Fab、F(ab')、F(ab)2、F(ab')2
、単鎖Fv(scFv)、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、又は単一ド
メイン抗体が挙げられる。scFvは、一価scFv又は二価scFvであることができる。抗原結合
断片を有する他の分子としては、例えば、そのような抗原結合断片が結合活性を保持する
限り、重鎖もしくは軽鎖ポリペプチド、可変領域ポリペプチド、もしくはCDRポリペプチ
ド、又はこれらの部分を挙げることができる。そのような抗原結合断片は、例えば、Harl
ow及びLaneの文献、抗体:実験マニュアル(Antibodies: A Laboratory Manual)、Cold Spr
ing Harbor Laboratory, New York(1989); Myers(編)、分子生物学及び生物工学:包括的
卓上参考書(Molec. Biology and Biotechnology: A Comprehensive Desk Reference)、Ne
w York: VCH Publisher社; Hustonらの文献、Cell Biophysics, 22:189-224(1993); Plu
ckthun及びSkerraの文献、Meth. Enzymol., 178:497-515(1989)、並びにDay, E.D.の文献
、先端免疫化学(Advanced Immunochemistry)、第2版、Wiley-Liss社、New York, NY(1990
)に記載されているのを見出すことができる。抗原結合断片は、少なくとも5個の連続する
アミノ酸残基、少なくとも10個の連続するアミノ酸残基、少なくとも15個の連続するアミ
ノ酸残基、少なくとも20個の連続するアミノ酸残基、少なくとも25個の連続するアミノ酸
残基、少なくとも40個の連続するアミノ酸残基、少なくとも50個の連続するアミノ酸残基
、少なくとも60個の連続するアミノ残基、少なくとも70個の連続するアミノ酸残基、少な
くとも80個の連続するアミノ酸残基、少なくとも90個の連続するアミノ酸残基、少なくと
も100個の連続するアミノ酸残基、少なくとも125個の連続するアミノ酸残基、少なくとも
150個の連続するアミノ酸残基、少なくとも175個の連続するアミノ酸残基、少なくとも20
0個の連続するアミノ酸残基、又は少なくとも250個の連続するアミノ酸残基のアミノ酸配
列を有するポリペプチドであることができる。
抗体の重鎖は、アミノ末端部分が約120~130個又はそれより多くのアミノ酸の可変領域
を含み、かつカルボキシ末端部分が定常領域を含む、約50~70kDaのポリペプチド鎖を指
す。定常領域は、重鎖定常領域のアミノ酸配列に基づいて、アルファ(α)、デルタ(δ)、
イプシロン(ε)、ガンマ(γ)、及びミュー(μ)と呼ばれる、5つの異なるタイプのうちの1
つであることができる。異なる重鎖はサイズが異なり:α、δ、及びγは、約450個のアミ
ノ酸を含有し、一方、μ及びεは、約550個のアミノ酸を含有する。軽鎖と組み合わされ
ると、これらの異なるタイプの重鎖は、IgGの4つのサブクラス、すなわち、IgG1、IgG2、
IgG3、及びIgG4を含め、それぞれ、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMという、抗体の5つの周
知のクラスを生じる。重鎖はヒト重鎖であることができる。
抗体の軽鎖は、アミノ末端部分が約100~約110個又はそれより多くのアミノ酸の可変領
域を含み、かつカルボキシ末端部分が定常領域を含む、約25kDaのポリペプチド鎖を指す
。軽鎖のおおよその長さは、211~217アミノ酸である。定常ドメインのアミノ酸配列に基
づいて、カッパ(κ)又はラムダ(λ)と呼ばれる、2つの異なるタイプがある。軽鎖アミノ
酸配列は当技術分野で周知である。軽鎖はヒト軽鎖であることができる。
抗体の可変ドメイン又は可変領域は、通常、軽鎖又は重鎖のアミノ末端に位置し、重鎖
では約120~130アミノ酸の長さ、軽鎖では約100~110アミノ酸の長さを有し、各々の特定
の抗体のその特定の抗原に対する結合及び特異性に関して使用される抗体の軽鎖又は重鎖
の部分を指す。可変ドメインは、異なる抗体間で配列が大きく異なる。配列のばらつきは
CDRに集中しており、一方、可変ドメイン内のばらつきの小さい部分はフレームワーク領
域(FR)と呼ばれる。軽鎖及び重鎖のCDRは、主に、抗体と抗原との相互作用に関与する。
本明細書で使用されるアミノ酸位置の付番は、Kabatらの文献(1991)、免疫学的に興味深
いタンパク質の配列(Sequences of proteins of immunological interest)(U.S. Departm
ent of Health and Human Services, Washington, D.C.)、第5版に見られるような、EUイ
ンデックスによるものである。可変領域はヒト可変領域であることができる。
CDRは、免疫グロブリン(Igもしくは抗体)VH β-シートフレームワークの非フレームワ
ーク領域内の3つの超可変領域(H1、H2、もしくはH3)のうちの1つ、又は抗体VL β-シート
フレームワークの非フレームワーク領域内の3つの超可変領域(L1、L2、もしくはL3)のう
ちの1つを指す。したがって、CDRは、フレームワーク領域配列内に散在する可変領域配列
である。CDR領域は当業者に周知であり、例えば、抗体可変(V)ドメイン内の最も超可変性
の領域として、Kabatによって定義されている(Kabatらの文献、J. Biol. Chem. 252:6609
-6616(1977); Kabatの文献、Adv. Prot. Chem. 32:1-75(1978))。また、CDR領域配列は、
保存されたβ-シートフレームワークの一部ではなく、そのため、様々な立体構造を取る
ことができる残基として、Chothiaによって構造的に定義されている(Chothia及びLeskの
文献、J. Mol. Biol. 196:901-917(1987))。両方の用語法が当技術分野で十分に認識され
ている。標準的な抗体可変ドメイン内のCDRの位置は、数多くの構造の比較によって決定
されている(Al-Lazikaniらの文献、J. Mol. Biol. 273:927-948(1997); Moreaらの文献、
Methods 20:267-279(2000))。超可変領域内の残基の数は異なる抗体で様々に異なるので
、標準的な可変ドメイン付番方式では、標準的な位置に対する追加の残基に、従来、残基
番号の次にa、b、cなどの番号が付けられている(Al-Lazikaniらの文献、上記(1997))。そ
のような術語体系も同様に当業者に周知である。
例えば、標準的な表記に従って定義されるCDRを下の表1に示す。
表1:CDR定義
Figure 2024009959000006
また、1以上のCDRを共有結合的に又は非共有結合的に分子に組み込んで、それをイムノ
アドヘシンにすることができる。イムノアドヘシンは、CDRをより大きいポリペプチド鎖
の一部として組み込むことができるか、CDRを別のポリペプチド鎖に共有結合的に連結す
ることができるか、又はCDRを非共有結合的に組み込むことができる。CDRは、イムノアド
ヘシンが対象となる特定の抗原に結合するのを可能にする。
「フレームワーク」又は「FR」残基は、CDRに隣接する可変ドメイン残基を指す。FR残
基は、例えば、キメラ、ヒト化、ヒト、ドメイン抗体、ダイアボディ、直鎖抗体、及び二
重特異性抗体中に存在する。FR残基は、本明細書で定義される超可変領域残基以外の可変
ドメイン残基である。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、抗体との関連において使用さ
れるときの「単離された」という用語は、抗体が、細胞物質又は細胞もしくは組織源由来
の他の夾雑タンパク質及び/又は抗体が由来する他の夾雑成分を実質的に含まないか、或
いは化学合成される場合、化学前駆物質又は他の化学物質を実質的に含まないことを意味
する。「細胞物質を実質的に含まない」という言葉は、抗体が、それが単離されるか又は
組換えにより産生される細胞の細胞成分から分離されている抗体の調製物を含む。したが
って、細胞物質を実質的に含まない抗体には、(乾燥重量で)約30%、20%、10%、又は5
%未満の異種タンパク質(本明細書において「夾雑タンパク質」とも呼ばれる)を有する抗
体の調製物が含まれる。ある実施態様において、抗体が組換えにより産生される場合、そ
れは、培養培地を実質的に含まず、例えば、培養培地は、タンパク質調製物の容量の約20
%、10%、又は5%未満に相当する。ある実施態様において、抗体が化学合成によって産
生される場合、それは、化学前駆物質又は他の化学物質を実質的に含まず、例えば、それ
は、タンパク質の合成に関与する化学前駆物質又は他の化学物質から分離されている。し
たがって、そのような抗体の調製物は、(乾燥重量で)約30%、20%、10%、5%未満の化
学前駆物質又は目的の抗体以外の化合物を有する。夾雑成分としては、限定されないが、
抗体の治療的使用を妨害する物質を挙げることもでき、また、酵素、ホルモン、及び他の
タンパク質性又は非タンパク質性溶質を挙げることができる。ある実施態様において、抗
体は、(1)Lowry法(Lowryらの文献、J. Bio. Chem. 193: 265-275, 1951)によって決定し
たとき、抗体の95重量%超、例えば、99重量%まで、(2)スピニングカップシーケネータ
ーを用いて、N-末端もしくは内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度
まで、又は(3)クマシーブルー染色もしくは好ましくは銀染色を用いた還元もしくは非還
元条件下でのSDS-PAGEによって均一になるまで精製される。抗体の天然環境の少なくとも
1つの成分が存在しないので、単離された抗体には、組換え細胞内のインサイチュの抗体
が含まれる。しかしながら、通常、単離された抗体は、少なくとも1つの精製工程によっ
て調製される。具体的な実施態様において、本明細書に提供される抗体は単離されている
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「ポリヌクレオチド」、「ヌ
クレオチド」、「核酸」、「核酸分子」という用語及び他の類似の用語は互換的に使用さ
れており、DNA、RNA、mRNAなどを含む。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、核酸分子との関連において使
用される「単離された」という用語は、核酸分子が、該核酸分子の天然の源に存在する他
の核酸分子から分離されている核酸分子であることを意味する。さらに、「単離された」
核酸分子、例えば、cDNA分子は、他の細胞物質、又は組換え技法によって産生される場合
は、培養培地を実質的に含まないものであるか、又は化学合成される場合は、化学前駆物
質もしくは他の化学物質を実質的に含まないものであることができる。具体的な実施態様
において、本明細書に提供される抗体をコードする核酸分子は単離又は精製されている。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「結合する」又は「結合する
こと」という用語は、分子間の相互作用を指す。相互作用は、例えば、水素結合、イオン
結合、疎水性相互作用、及び/又はファンデルワールス相互作用を含む、非共有結合的相
互作用であることができる。抗体と標的分子、例えば、BTN1A1の単一のエピトープとの間
の全体的な非共有結合的相互作用の強度が、そのエピトープに対する抗体の親和性である
。「結合親和性」は、通常、分子(例えば、結合タンパク質、例えば、抗体)の単一の結合
部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合的相互作用の合計の強度を
指す。
結合分子X、例えば、抗体のその結合パートナーY、例えば、抗体の同族抗原に対する親
和性は、通常、解離定数(KD)によって表すことができる。低親和性抗体は、通常、抗原に
ゆっくりと結合し、速やかに解離する傾向があるのに対し、高親和性抗体は、通常、抗原
により速く結合し、より長く結合した状態に留まる傾向がある。結合親和性を測定する様
々な方法が当技術分野で公知であり、これらのいずれかを本開示の目的のために使用する
ことができる。「KD」又は「KD値」は、当技術分野で公知のアッセイによって、例えば、
結合アッセイによって測定することができる。KDは、例えば、対象となるFab型の抗体及
びその抗原を用いて実施される、放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)で測定することがで
きる(Chenらの文献(1999) J. Mol Biol 293:865-881)。KD又はKD値は、例えば、BIAcore(
商標)-2000もしくはBIAcore(商標)-3000(BIAcore社, Piscataway, NJ)を用いたBiacoreに
よる表面プラズモン共鳴アッセイを使用することによるか、又は例えば、OctetQK384シス
テム(ForteBio, Menlo Park, CA)を用いたバイオレイヤー干渉法によって測定することも
できる。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、分子は、そのような結合が抗
体のその同族抗原に対する特異性及び親和性を示す場合、第二の分子に「免疫特異的に結
合する」ことができると言われる。抗体は、そのような結合が抗体の抗原認識部位を含む
場合、抗原の標的領域又は立体構造(「エピトープ」)に免疫特異的に結合する。特定の抗
原に免疫特異的に結合する抗体は、他の抗原が、例えば、免疫アッセイ、BIACORE(登録商
標)アッセイ、又は当技術分野で公知の他のアッセイによって決定したとき、抗原認識部
位によって認識されるある程度の配列又は立体構造類似性を有する場合、他の抗原により
低い親和性で結合することができる。抗体一般は、全く無関係な抗原に結合しない。一部
の抗体(及びその抗原結合断片)は、他の抗原と交差反応しない。抗体は、他の分子に、免
疫特異的ではない形で、例えば、FcR受容体に、抗原認識部位を含まない抗体の他の領域/
ドメイン、例えば、Fc領域中の結合ドメインのおかげで結合することもできる。
グリコシル化部位を含む抗原又は抗原のエピトープに免疫特異的に結合する抗体又は抗
原結合断片は、グリコシル化形態又は非グリコシル化形態の両方の抗原又はエピトープに
結合することができる。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、非グ
リコシル化抗原又はエピトープよりもグリコシル化抗原又はエピトープに優先的に結合す
る。優先的結合は、結合親和性によって決定することができる。例えば、非グリコシル化
BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に優先的に結合する抗体又は抗原結合断片は、非グリコ
シル化BTN1A1に対して示されるKD未満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合することができる
。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対
して示されるKDの半分未満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様に
おいて、該抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDよりも少
なくとも10倍小さいKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、
該抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDの約75%、約50%
、約25%、約10%、約5%、約2.5%、又は約1%であるKDでグリコシル化BTN1A1に結合す
る。
BTN1A1に免疫特異的に結合する抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体又はBTN1A1二量
体に結合することができる。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、
BTN1A1単量体よりもBTN1A1二量体に優先的に結合する。BTN1A1結合は、例えば、細胞表面
に発現されたBTN1A1に対して又は可溶性のBTN1A1ドメインコンストラクト、例えば、BTN1
A1細胞外ドメイン(ECD)コンストラクト(例えば、flagタグ化BTN1A1-ECDもしくはBTN1A1-C
ED-Fc融合コンストラクト)に対して生じることができる。いくつかの実施態様において、
BTN1A1単量体又は二量体は、1以上の位置でグリコシル化されている。いくつかの実施態
様において、該抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体に対して示されるKDの半分未満の
KDでBTN1A1二量体に結合する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は
、BTN1A1単量体に対して示されるKDよりも少なくとも10倍小さいKDでBTN1A1二量体に結合
する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体に対して
示されるKDの約75%、約50%、約25%、約10%、約5%、約2.5%、又は約1%のKDでBTN1A
1二量体に結合する。
いくつかの実施態様において、BTN1A1(例えば、BTN1A二量体又はグリコシル化BTN1A1)
に免疫特異的に結合する抗体又は抗原結合断片のKDは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA
)、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学発光免疫吸着アッセイ(CLIA)、放射免疫アッセイ(R
IA)、酵素多重化免疫アッセイ(EMI)、固相放射免疫アッセイ(SPROA)、蛍光偏光(FP)アッ
セイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイ、時間分解蛍光共鳴エネルギー移動(TR-FR
ET)アッセイ、又は表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイを用いて決定される。
いくつかの実施態様において、BTN1A1(例えば、BTN1A二量体又はグリコシル化BTN1A1)
に免疫特異的に結合する抗体又は抗原結合断片のKDは、SPRアッセイを用いて決定される
。いくつかの実施態様において、SPRアッセイは、Biacore製のSPR装置、例えば、BIAcore
(商標)-2000又はBIAcore(商標)-3000(BIAcore社、Piscataway, NJ)を用いて実施される。
優先的結合は、結合アッセイによって決定し、かつ例えば、平均蛍光強度(「MFI」)に
よって示すこともできる。例えば、グリコシル化BTN1A1に優先的に結合する抗体又は抗原
結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIよりも高いMFIでグリコシル化BT
N1A1に結合することができる。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は
、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも2倍高いMFIでグリコシル化BTN
1A1に結合する。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル
化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも3倍高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する
。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対し
て示されるMFIの少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、又は少なくとも20倍
高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、分子は、抗原もしくはエピト
ープ、又はその特定のグリコシル化部位のグリコシル化を「免疫特異的にマスクする」と
言われ、(1)抗原又はエピトープがグリコシル化されることができないように、非グリコ
シル化抗原又はエピトープのグリコシル化部位を遮断するか、又は(2)グリコシル化抗原
もしくはエピトープに又はグリコシル化抗原もしくはエピトープの特定のグリコシル化部
位で結合し、グリコシル化の生理的効果、例えば、グリコシル化によって媒介される下流
のシグナル伝達を妨げるかのいずれかのその能力を指す。例えば、BTN1A1グリコシル化を
免疫特異的にマスクする抗体又は抗原結合断片は、(1)非グリコシル化BTN1A1のグリコシ
ル化部位を遮断し、そのグリコシル化を妨げるか、又は(2)グリコシル化BTN1A1に結合し
、グリコシル化の生理的効果、例えば、グリコシル化によって媒介される免疫抑制効果を
妨げるかのいずれかの抗体又は抗原結合断片を指す。別の例として、N55及びN215におけ
るBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする抗体又は抗原結合断片は、(1)非グリコ
シル化BTN1A1のN55及びN215を遮断し、N55及びN215のグリコシル化を妨げるか、又は(2)N
55及びN215でグリコシル化されているBTN1A1に結合し、グリコシル化の生理的効果、例え
ば、グリコシル化によって媒介される免疫抑制効果を妨げるかのいずれかの抗体又は抗原
結合断片を指す。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「担体」という用語は、それ
とともに治療薬が投与される希釈剤、アジュバント(例えば、フロイントのアジュバント(
完全もしくは不完全))、賦形剤、安定化剤、又はビヒクルを指す。「医薬として許容し得
る担体」は、利用される投薬量及び濃度でそれに曝露されている細胞又は哺乳動物にとっ
て無毒である担体であり、これは、水及び油などの、滅菌液であることができ、油には、
石油、動物、植物、又は合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油
などが含まれる。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「ベクター」という用語は、
核酸分子を宿主細胞に導入するために使用される物質を指す。使用のために適用可能なベ
クターとしては、例えば、発現ベクター、プラスミド、ファージベクター、ウイルスベク
ター、エピソーム、及び人工染色体が挙げられ、これらは、宿主細胞の染色体への安定な
組込みのために作動可能な選択配列又はマーカーを含むことができる。さらに、ベクター
は、1以上の選択可能マーカー遺伝子及び適切な発現制御配列を含むことができる。含め
ることができる選択可能マーカー遺伝子は、例えば、抗生物質もしくは毒素に対する耐性
を提供し、独立栄養欠損を補い、又は培養培地中にない重要な栄養を供給する。発現制御
配列は、当技術分野で周知である構成的及び誘導性プロモーター、転写エンハンサー、転
写ターミネーターなどを含むことができる。2以上の核酸分子(例えば、抗体の重鎖と軽鎖
の両方)が共発現されることになる場合、両方の核酸分子を、例えば、単一の発現ベクタ
ー又は別々の発現ベクターに挿入することができる。単一ベクター発現のために、コード
核酸を、1つの共通の発現制御配列に機能的に連結するか、又は異なる発現制御配列、例
えば、1つの誘導性プロモーター及び1つの構成的プロモーターに連結することができる。
核酸分子の宿主細胞への導入は、当技術分野で周知の方法を用いて確認することができる
。そのような方法としては、例えば、核酸解析、例えば、mRNAのノーザンブロットもしく
はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、又は遺伝子産物の発現についての免疫ブロッティン
グ、又は導入された核酸配列もしくはその対応する遺伝子産物の発現を試験する他の好適
な解析方法が挙げられる。核酸分子は、所望の産物(例えば、本明細書に提供される抗BTN
1A1抗体)を産生するのに十分な量で発現されることが当業者によって理解され、また、発
現レベルを当技術分野で周知の方法を用いて最適化して、十分な発現を得ることができる
ことがさらに理解される。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「宿主細胞」という用語は、
核酸分子をトランスフェクトされた特定の対象細胞及びそのような細胞の子孫又は潜在的
な子孫を指す。そのような細胞の子孫は、後続の世代で生じ得る突然変異もしくは環境的
影響又は宿主細胞ゲノムへの核酸分子の組込みが原因で、核酸分子をトランスフェクトさ
れた親細胞と同一でなくてもよい。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「対象」という用語は、治療
、観察、及び/又は実験の対象となる動物を指す。「動物」には、脊椎動物及び無脊椎動
物、例えば、魚類、甲殻類、爬虫類、鳥類、特に、哺乳動物が含まれる。「哺乳動物」に
は、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、霊
長類、例えば、サル、チンパンジー、類人猿、及びヒトが含まれるが、これらに限定され
ない。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「癌」又は「癌性」という用
語は、典型的には、調節されない細胞増殖を特徴とする哺乳動物における生理的状態を指
す。癌の例としては、血液癌及び固形腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、癌患者に関して使用されると
きの「治療する」、「治療すること」、「治療」という用語は、癌の重症度を低下させる
か、又は癌の進行を阻止しもしくは減速させる行為を指し、これは、(a)癌の増殖を阻害
するか、又は癌の発症を停止させること、及び(b)癌の退縮を引き起こすか、又は癌の存
在と関連する1以上の症状を遅延もしくは最小化することを含む。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「治療有効量」という用語は
、所与の疾患、障害、もしくは疾病、及び/又はこれらに関連する症状の重症度及び/又は
持続期間を低下させ及び/又は改善するのに十分である薬剤(例えば、本明細書に記載され
る抗体又は本明細書に記載される任意の他の薬剤)の量を指す。治療剤を含む、薬剤の治
療有効量は、(i)所与の疾患、障害、もしくは疾病の進展もしくは進行の低下もしくは改
善、(ii)所与の疾患、障害、もしくは疾病の再発、発症、もしくは発生の低下もしくは改
善、及び/又は(iii)別の療法(例えば、本明細書に提供される抗体の投与以外の療法)の予
防もしくは治療効果の向上もしくは増強に必要な量であることができる。本開示の物質/
分子/薬剤(例えば、抗BTN1A1抗体)の治療有効量は、個体の病状、年齢、性別、及び重量
、並びに該物質/分子/薬剤が個体において所望の応答を誘発する能力などの要因によって
異なり得る。治療有効量は、該物質/分子/薬剤の任意の毒性又は有害効果を治療的に有益
な効果が上回る量を包含する。
本明細書で使用される場合、及び別途規定されない限り、「投与する」又は「投与」と
いう用語は、体外に存在している状態の物質を、患者に、例えば、粘膜、皮内、静脈内、
筋肉内送達、及び/又は本明細書に記載されるもしくは当技術分野で公知の任意の他の物
理的送達方法によって注射するか又は別の方法で物理的に送達する行為を指す。疾患、障
害、もしくは疾病、又はこれらの症状を治療する場合、該物質の投与は、通常、該疾患、
障害、もしくは疾病、又はこれらの症状の発症後に行われる。疾患、障害、もしくは疾病
、又はこれらの症状を予防する場合、該物質の投与は、通常、該疾患、障害、もしくは疾
病、又はこれらの症状の発症前に行われる。
(5.2 BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子)
本明細書に提供されるのは、抗BTN1A1抗体を含む、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する分子である。いくつかの実施態様において、BTN1A1に免疫特異的に結合
する抗原結合断片は、BTN1A1の断片、又はエピトープに結合する。いくつかの実施態様に
おいて、該抗原結合断片は、BTN1A1二量体に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、STC810の抗原結合断片ではない。いくつかの実施態様にお
いて、該BTN1A1エピトープは、線状エピトープであることができる。いくつかの実施態様
において、該BTN1A1エピトープは、立体構造エピトープであることができる。いくつかの
実施態様において、該BTN1A1エピトープは、BTN1A1二量体に見られ、BTN1A1単量体に見ら
れない。いくつかの実施態様において、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有
する本明細書に提供される分子は、BTN1A1の免疫抑制機能を阻害する。
N-グリコシル化は、小胞体(ER)で開始され、その後、ゴルジでプロセシングされる翻訳
後修飾である(Schwarz及びAebiの文献、Curr. Opin. Struc. Bio., 21(5): 576-582(2011
)。このタイプの修飾は、オリゴ糖から構成される予め形成されたグリカンを、NXTモチー
フ(-Asn-X-Ser/Thr-)の内部に位置するアスパラギン(Asn)側鎖アクセプターに転移する膜
関連型オリゴサッカリルトランスフェラーゼ(OST)複合体によってまず触媒される(Cheung
及びReithmeierの文献、Methods, 41: 451-459 2007); Helenius及びAebiの文献、Scienc
e, 291(5512):2364-9(2001)。予め形成されたグリカンからのサッカリドの付加又は除去
は、それぞれ、N-グリコシル化カスケードを細胞及び位置依存的な形で厳密に調節する一
群のグリコシルトランスフェラーゼ及びグリコシダーゼによって媒介される。
いくつかの実施態様において、該分子は、BTN1A1の1以上のグリコシル化モチーフに選
択的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は
、グリコシル化モチーフを有する糖ペプチド及び隣接するペプチドに免疫特異的に結合す
る。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、3次元でグリコシル化モチーフの
うちの1つ又は複数の近くに位置するペプチド配列に免疫特異的に結合する。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体の1以上のグリコシル化モチーフよ
りもBTN1A1二量体の1以上のグリコシル化モチーフに選択的に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示さ
れるKDの少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%未満のKDでグリコシ
ル化BTN1A1(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。ある実施態様において、該
抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDの50%未満のKDでグリコシル
化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化
BTN1A1に対して示されるKDの1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15
%、20%、30%、40%、50%未満であるKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDよりも
少なくとも10倍小さいKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。
特定のBTN1A1アイソフォーム又は変異体の特異的グリコシル化部位は、その特定のBTN1
A1アイソフォーム又は変異体の位置55、215、又は449のアミノ酸と様々であり得る。これ
らの状況において、当業者であれば、配列アラインメント及び当技術分野における他の共
通の知識に基づいて、上で例示されているヒトBTN1A1のN55、N215、及びN449に対応する
任意の特定のBTN1A1アイソフォーム又は変異体のグリコシル化部位を決定することができ
るであろう。したがって、本明細書に提供されるのは、非グリコシル化BTN1A1アイソフォ
ーム又は変異体と比べてグリコシル化形態のBTN1A1アイソフォーム又は変異体に免疫特異
的に結合する抗原結合断片を有する分子でもある。BTN1A1アイソフォーム又は変異体のグ
リコシル化部位は、上で提供されているヒトBTN1A1配列のN55、N215、及びN449の対応す
る部位であることができる。
いくつかの実施態様において、該分子は、グリコシル化BTN1A1(例えば、グリコシル化B
TN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様におい
て、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及び/又はN449でグリコシル化されているBTN1A1
に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55で
グリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、
該抗原結合断片は、位置N215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N449でグリコシル化されているBT
N1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、1以上
のグリコシル化モチーフに免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原
結合断片は、位置N55及びN215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する
。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N215及びN449でグリコシル化さ
れているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片
は、位置N55及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつ
かの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及びN449でグリコシル化さ
れているBTN1A1に免疫特異的に結合する。
いくつかの実施態様において、該分子は、グリコシル化BTN1A1(例えば、グリコシル化B
TN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有し、ここで、該抗原結合断片は、
非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態
様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55、N215、及び/又は
N449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において
、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55でグリコシル化されているBTN
1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシ
ル化BTN1A1よりも位置N215でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつ
かの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N449でグリ
コシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結
合断片は、1以上のグリコシル化モチーフに優先的に結合する。いくつかの実施態様にお
いて、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55及びN215でグリコシル化
されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は
、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N215及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に優先
的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1
よりも位置N55及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつか
の実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55、N215、
及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。
優先的結合は、結合親和性によって決定することができる。例えば、グリコシル化BTN1
A1(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に優先的に結合する抗体又は抗原結合断片は、非
グリコシル化BTN1A1に対して示されるKD未満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合することが
できる。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1
A1に対して示されるKDの半分未満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施
態様において、該抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKD
りも少なくとも10倍小さいKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様にお
いて、該抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDの約75%で
あるKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原
結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDの約50%であるKDでグリコシル化
BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、非グリコ
シル化BTN1A1に対して示されるKDの約25%であるKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。い
くつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して
示されるKDの約10%であるKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様にお
いて、該抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDの約5%で
あるKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原
結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDの約2.5%であるKDでグリコシル
化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、非グリ
コシル化BTN1A1に対して示されるKDの約1%であるKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。
優先的結合は、例えば、蛍光強度(「MFI」)によって示される結合アッセイで決定する
こともできる。例えば、グリコシル化BTN1A1(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に優先
的に結合する抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIより
も高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合することができる。いくつかの実施態様において
、該抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも2
倍高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、抗体又は抗
原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも3倍高いMFIでグ
リコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原結合断片は、
非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも5倍高いMFIでグリコシル化BTN1A
1に結合する。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化B
TN1A1に対して示されるMFIの少なくとも10倍高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する。
いくつかの実施態様において、抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して
示されるMFIの少なくとも15倍高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施
態様において、抗体又は抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの
少なくとも20倍高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、(例えば、グリコシル化BTN1A1二量
体中の)位置N55、N215、及び/又はN449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマス
クする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55におけるBTN1A1グリ
コシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、
位置N215におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様に
おいて、該抗原結合断片は、位置N449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスク
する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1の1以上のグリコシル化
モチーフを免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、
位置N55及びN215におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実
施態様において、該抗原結合断片は、位置N215及びN449におけるBTN1A1グリコシル化を免
疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及びN
449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様におい
て、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及びN449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特
異的にマスクする。
いくつかの実施態様において、該分子は、BTN1A1単量体よりもBTN1A1二量体に選択的に
結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、該BTN1A1二量体は、細胞
表面で発現される。いくつかの実施態様において、該BTN1A1二量体は、BTN1A1の可溶性タ
ンパク質断片、例えば、BTN1A1の細胞外ドメインコンストラクト、例えば、Fc-融合タン
パク質コンストラクト(例えば、BTN1A1-ECD-Fc)である。いくつかの実施態様において、
該BTN1A1単量体は、BTN1A1の細胞外ドメインコンストラクト、例えば、Flagタグ化又はHi
s6タグ化BTN1A1-ECDコンストラクトである。いくつかの実施態様において、BTN1A1二量体
に選択的に結合する分子は、グリコシル化BTN1A1に選択的に結合する本明細書に提供され
る分子である。いくつかの実施態様において、BTN1A1単量体と比べたBTN1A1二量体に対す
る優先的結合は、例えば、表面プラズモン共鳴アッセイ(例えば、BIAcore)を用いて、BTN
1A1-ECD-His6又はBTN1A1-ECD-Flagコンストラクトと比べたBTN1A1-ECD-Fcコンストラクト
に対する優先的結合を決定することにより決定される。いくつかの実施態様において、該
分子は、STC703又はSTC810である。いくつかの実施態様において、該分子は、STC810では
ない。いくつかの実施態様において、該分子は、表3a及び3bに記載されているようなモノ
クローナル抗体STC810のVHドメイン、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1
、VL CDR2、及び/又はVL CDR3を含む抗原結合ドメインを含まない。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル
化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%
、又は90%未満のKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。あ
る実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単
量体)に対して示されるKDの50%未満のKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二
量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例え
ば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの1%、2%、3%、4%、5%、6%、7
%、8%、9%、10%、15%、20%、30%、40%、50%未満であるKDでBTN1A1二量体(例え
ば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合
断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDよりも少
なくとも10倍小さいKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。
いくつかの実施態様において、該分子は、STC703又はSTC810である。いくつかの実施態様
において、該分子は、STC810ではない。いくつかの実施態様において、該分子は、表3a及
び3bに記載されているようなモノクローナル抗体STC810のVHドメイン、VLドメイン、VH C
DR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3を含む抗原結合ドメイン
を含まない。
優先的結合は、結合親和性によって決定することができる。例えば、BTN1A1二量体(例
えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に優先的に結合する抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1
単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKD未満のKDでBTN1A1二量体
(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合することができる。いくつかの実施態様にお
いて、該抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に
対して示されるKDの半分未満のKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に
結合する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例
えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDよりも少なくとも10倍小さいKDでB
TN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様にお
いて、該抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に
対して示されるKDの約75%であるKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)
に結合する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(
例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの約50%であるKDでBTN1A1二量
体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗
体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示さ
れるKDの約25%であるKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する
。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グ
リコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの約10%であるKDでBTN1A1二量体(例えば、
グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原
結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの約
5%であるKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつか
の実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化B
TN1A1単量体)に対して示されるKDの約2.5%であるKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル
化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は
、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの約1%であるK
DでBTN1A1二量体に結合する。いくつかの実施態様において、該分子は、STC703又はSTC81
0である。いくつかの実施態様において、該分子は、STC810ではない。いくつかの実施態
様において、該分子は、表3a及び3bに記載されているようなモノクローナル抗体STC810の
VHドメイン、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL
CDR3を含む抗原結合ドメインを含まない。
優先的結合は、例えば、蛍光強度(「MFI」)によって示される結合アッセイで決定する
こともできる。例えば、BTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に優先的に結
合する抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対
して示されるMFIよりも高いMFIでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結
合することができる。いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1
単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくとも2倍高いMF
IでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様
において、抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)
に対して示されるMFIの少なくとも3倍高いMFIでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1
A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1
単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくとも5倍高いMF
IでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様
において、抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)
に対して示されるMFIの少なくとも10倍高いMFIでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN
1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1
単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくとも15倍高いM
FIでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様
において、抗体又は抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)
に対して示されるMFIの少なくとも20倍高いMFIでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN
1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該分子は、STC703又はSTC810であ
る。いくつかの実施態様において、該分子は、STC810ではない。いくつかの実施態様にお
いて、該分子は、表3a及び3bに記載されているようなモノクローナル抗体STC810のVHドメ
イン、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3
を含む抗原結合ドメインを含まない。
いくつかの実施態様において、該抗体又は抗原結合断片は、グリコシル化単量体BTN1A1
よりもグリコシル化二量体BTN1A1に優先的に結合する。グリコシル化BTN1A1二量体中の2
つのBTN1A1単量体は、独立に、同じ位置で又は異なる位置でグリコシル化されていてもよ
い。いくつかの実施態様において、BTN1A1二量体中の単量体のうちの1つは、グリコシル
化されていない。グリコシル化BTN1A1二量体中のグリコシル化BTN1A1単量体は、位置N55
、N215、及び/又はN449でグリコシル化されていてもよい。いくつかの実施態様において
、グリコシル化BTN1A1単量体は、位置N55でグリコシル化されている。いくつかの実施態
様において、グリコシル化BTN1A1単量体は、位置N215でグリコシル化されている。いくつ
かの実施態様において、グリコシル化BTN1A1単量体は、位置N449でグリコシル化されてい
る。いくつかの実施態様において、グリコシル化BTN1A1単量体は、位置N55及びN215でグ
リコシル化されている。いくつかの実施態様において、グリコシル化BTN1A1単量体は、位
置N55及びN449でグリコシル化されている。いくつかの実施態様において、グリコシル化B
TN1A1単量体は、位置N215及びN449でグリコシル化されている。いくつかの実施態様にお
いて、グリコシル化BTN1A1単量体は、位置N55、N215、及びN449でグリコシル化されてい
る。
(5.2.1.抗体及び抗原結合断片を有する他の分子)
いくつかの実施態様において、抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化BTN1A1抗体、又は抗BTN1
A1二量体抗体は、IgG、IgM、IgA、IgD、又はIgEであることができる。抗BTN1A1抗体又は
抗グリコシル化BTN1A1抗体又は抗BTN1A1二量体抗体は、キメラ抗体、親和性成熟抗体、ヒ
ト化抗体、又はヒト抗体であることもできる。抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化BTN1A1抗体
、又は抗BTN1A1二量体抗体は、ラクダ化抗体、イントラボディ、抗イディオタイプ(抗Id)
抗体であることもできる。いくつかの実施態様において、抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化
BTN1A1抗体、又は抗BTN1A1二量体抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体で
あることができる。いくつかの実施態様において、該分子は、STC703又はSTC810である。
いくつかの実施態様において、該分子は、STC810ではない。いくつかの実施態様において
、該分子は、表3a及び3bに記載されているようなモノクローナル抗体STC810のVHドメイン
、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3を含
む抗原結合ドメインを含まない。
抗体は、鳥類及び哺乳動物を含む、任意の動物源から産生することができる。いくつか
の実施態様において、抗体は、ヒツジ、ネズミ(例えば、マウス及びラット)、ウサギ、ヤ
ギ、モルモット、ラクダ、ウマ、又はニワトリのものである。さらに、より新しい技術は
、ヒトコンビナトリアル抗体ライブラリー由来のヒト抗体の開発及びそのスクリーニング
を可能にする。例えば、バクテリオファージ抗体発現技術は、引用により完全に本明細書
中に組み込まれる米国特許第6,946,546号に記載されているように、特異的抗体が動物免
疫の非存在下で産生されるのを可能にする。これらの技法は、Marksの文献(1992); Stemm
erの文献(1994); Gramらの文献(1992); Barbasらの文献(1994);及びSchierらの文献(1996
)にさらに記載されており;これらの文献は、引用により完全に本明細書中に組み込まれる
様々な動物種でポリクローナル抗体を産生する方法、並びにヒト化、キメラ、及び完全
ヒトを含む、様々なタイプのモノクローナル抗体を産生する方法は当技術分野で周知であ
る。例えば、以下の米国特許は、そのような方法の実施可能な説明を提供しており、引用
により本明細書中に組み込まれる:米国特許第3,817,837号;第3,850,752号;第3,939,350号
;第3,996,345号;第4,196,265号;第4,275,149号;第4,277,437号;第4,366,241号;第4,469,7
97号;第4,472,509号;第4,606,855号;第4,703,003号;第4,742,159号;第4,767,720号;第4,8
16,567号;第4,867,973号;第4,938,948号;第4,946,778号;第5,021,236号;第5,164,296号;
第5,196,066号;第5,223,409号;第5,403,484号;第5,420,253号;第5,565,332号;第5,571,69
8号;第5,627,052号;第5,656,434号;第5,770,376号;第5,789,208号;第5,821,337号;第5,84
4,091号;第5,858,657号;第5,861,155号;第5,871,907号;第5,969,108号;第6,054,297号;第
6,165,464号;第6,365,157号;第6,406,867号;第6,709,659号;第6,709,873号;第6,753,407
号;第6,814,965号;第6,849,259号;第6,861,572号;第6,875,434号;第6,891,024号;第7,407
,659号;及び第8,178,098号(これらの文献は、引用により完全に本明細書中に組み込まれ
る)。
抗BTN1A1抗体又は抗グリコシル化BTN1A1抗体又は抗BTN1A1二量体抗体(例えば、STC703
もしくはSTC810)を含む、BTN1A1に免疫特異的に結合するか又はグリコシル化BTN1A1に特
異的に結合するか又はBTN1A1二量体に特異的に結合する抗原結合断片を有する分子は、ポ
リペプチドの産生に有用な当技術分野で公知の任意の方法、例えば、インビトロ合成、組
換えDNA産生などによって産生することもできる。ヒト化抗体は、組換えDNA技術によって
産生することができる。本明細書に記載される抗体は、組換え免疫グロブリン発現技術を
用いて産生することもできる。ヒト化抗体を含む免疫グロブリン分子の組換え産生は、米
国特許第4,816,397号(Bossら)、米国特許第6,331,415号及び第4,816,567号(どちらもCabi
llyらに対するもの)、英国特許GB 2,188,638号(Winterら)、並びに英国特許GB 2,209,757
号に記載されており;これらの文献は、引用により完全に本明細書中に組み込まれる。ヒ
ト化免疫グロブリンを含む免疫グロブリンの組換え発現のための技法は、Goeddelらの文
献、遺伝子発現技術(Gene Expression Technology)、酵素学の方法(Methods in Enzymolo
gy)、第185巻、Academic Press(1991)、及びBorrebackの文献、抗体エンジニアリング(An
tibody Engineering)、W. H. Freeman(1992)に見出すこともでき;これらの文献は、引用
により完全に本明細書中に組み込まれる。組換え抗体の作製、設計、及び発現に関するさ
らなる情報は、Mayforthの文献、抗体の設計(Designing Antibodies)、Academic Press,
San Diego(1993)に見出すことができる。
ある実施態様において、抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化BTN1A1抗体、又は抗BTN1A1二量
体抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列由来の抗体ライブラリ
ーを用いる上記のファージディスプレイ法を含む、当技術分野で公知の種々の方法によっ
て作製することができる(米国特許第4,444,887号及び第4,716,111号;並びに国際公開WO 9
8/46645号、WO 98/50433号、WO 98/24893号、WO 98/16654号、WO 96/34096号、WO 96/337
35号、及びWO 91/10741号を参照)。ヒト抗体は、機能的な内在性免疫グロブリンを発現す
ることはできないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができるトランスジェニ
ックマウスを用いて産生することができる。例えば、ヒト重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺
伝子複合体をランダムに又は相同組換えによってマウス胚性幹細胞に導入することができ
る。或いは、ヒト重鎖及び軽鎖遺伝子に加えて、ヒト可変領域、定常領域、及び多様性領
域をマウス胚性幹細胞に導入することができる。マウス重鎖及び軽鎖免疫グロブリン遺伝
子を、相同組換えによるヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入によって個別に又は同時に機
能しないようにすることができる。特に、JH領域のホモ接合性欠失は、内在性抗体産生を
妨げる。修飾された胚性幹細胞を増殖させ、胚盤胞に顕微注入して、キメラマウスを生じ
させる。その後、キメラマウスを交配させて、ヒト抗体を発現するホモ接合性子孫を生じ
させる。トランスジェニックマウスを、従来の方法を用いて、選択された抗原、例えば、
BTN1A1ポリペプチド又はグリコシル化BTN1A1ポリペプチド又はBTN1A1ポリペプチド二量体
の全て又は一部で免疫する。該抗原に対するモノクローナル抗体は、従来のハイブリドー
マ技術を用いて、免疫されたトランスジェニックマウスから得ることができる(例えば、
米国特許第5,916,771号を参照)。このトランスジェニックマウスが有するヒト免疫グロブ
リン導入遺伝子は、B細胞分化の間に再編成し、その後、クラススイッチング及び体細胞
突然変異を経る。したがって、そのような技法を用いて、治療的に有用なIgG、IgA、IgM
、及びIgE抗体を産生することができる。ヒト抗体を産生するためのこの技術の概説につ
いては、Lonberg及びHuszarの文献(1995、引用により完全に本明細書中に組み込まれる、
Int. Rev. Immunol. 13:65-93)を参照されたい。ヒト抗体及びヒトモノクローナル抗体を
産生するこの技術並びにそのような抗体を産生するためのプロトコルの詳細な議論につい
ては、例えば、引用により完全に本明細書中に組み込まれる、国際公開WO 98/24893号、W
O 96/34096号、及びWO 96/33735号;並びに米国特許第5,413,923号、第5,625,126号、第5,
633,425号、第5,569,825号、第5,661,016号、第5,545,806号、第5,814,318号、及び第5,9
39,598号を参照されたい。さらに、Abgenix社(Freemont, Calif.)及びMedarex(Princeton
, N.J.)などの会社に、上記の技術と同様の技術を用いて、選択された抗原に対するヒト
抗体を提供することを請け負わせることができる。
いくつかの実施態様において、抗BTN1A1抗体又は抗グリコシル化BTN1A1抗体又は抗BTN1
A1二量体抗体は、キメラ抗体、例えば、非ヒトドナー由来の抗原結合配列が異種の非ヒト
、ヒト、又はヒト化配列(例えば、フレームワーク及び/又は定常ドメイン配列)に移植さ
れている抗体である。一実施態様において、非ヒトドナーはラットである。一実施態様に
おいて、抗原結合配列は合成によるものであり、例えば、突然変異誘発(例えば、ヒトフ
ァージライブラリーのファージディスプレイスクリーニングなど)によって得られる。一
実施態様において、キメラ抗体は、マウスV領域及びヒトC領域を有することができる。一
実施態様において、マウス軽鎖V領域はヒトκ軽鎖に融合している。一実施態様において
、マウス重鎖V領域はヒトIgG1 C領域に融合している。
キメラ抗体を産生する方法は当技術分野で公知である。例えば、Morrisonの文献、1985
, Science 229:1202; Oiらの文献、1986, BioTechniques 4:214; Gilliesらの文献、1989
, J. Immunol. Methods 125:191-202;並びに米国特許第6,311,415号、第5,807,715号、第
4,816,567号、及び第4,816,397号を参照されたく;これらの文献は全て、引用により完全
に本明細書中に組み込まれる。非ヒト種由来の1以上のCDR及びヒト免疫グロブリン分子由
来のフレームワーク領域を含むキメラ抗体は、例えば、CDR-グラフティング(EP 239,400
号;国際公開WO 91/09967号;及び米国特許第5,225,539号、第5,530,101号、及び第5,585,0
89号)、ベニアリング又はリサーフェシング(EP 592,106号; EP 519,596号; Padlanの文献
、1991, Molecular Immunology 28(4/5):489-498; Studnickaらの文献、1994, Protein E
ngineering 7:805;及びRoguskaらの文献、1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:969)、
並びに鎖シャッフリング(米国特許第5,565,332号)を含む、当技術分野で公知の種々の技
法を用いて産生することができ;これらの文献は全て、引用により完全に本明細書中に組
み込まれる。
組換えキメラ抗BTN1A1抗体の産生のための例示的なプロセスは、以下のこと: a)従来の
分子生物学の方法によって、マウス抗BTN1A1(又は抗グリコシル化BTN1A1又は抗BTNA1二量
体)モノクローナル抗体のCDR及び可変領域がヒト免疫グロブリン由来のFc領域に融合して
いる抗体重鎖をコードし、それを発現する発現ベクターを構築し、それにより、キメラ抗
体重鎖の発現用のベクターを産生すること; b)従来の分子生物学の方法によって、マウス
抗BTN1A1(又は抗グリコシル化BTN1A1又は抗BTN1A1二量体)モノクローナル抗体の抗体軽鎖
をコードし、それを発現する発現ベクターを構築し、それにより、キメラ抗体軽鎖の発現
用のベクターを産生すること; c)これらの発現ベクターを従来の分子生物学の方法によっ
て宿主細胞に移して、キメラ抗体の発現用のトランスフェクトされた宿主細胞を産生する
こと;並びにd)キメラ抗体を産生するように、従来の細胞培養技法によって、トランスフ
ェクトされた細胞を培養することを含むことができる。
組換えヒト化抗BTN1A1抗体の産生のための例示的なプロセスは、以下のこと: a)従来の
分子生物学の方法によって、CDR及びドナー抗体結合特異性を保持するのに必要とされる
可変領域フレームワークの最小部分がマウス抗BTN1A1(又は抗グリコシル化BTN1A1又は抗B
TN1A1二量体)モノクローナル抗体などの非ヒト免疫グロブリンに由来し、抗体の残りの部
分がヒト免疫グロブリンに由来する抗体重鎖をコードし、それを発現する発現ベクターを
構築し、それにより、ヒト化抗体重鎖の発現用のベクターを産生すること; b)従来の分子
生物学の方法によって、CDR及びドナー抗体結合特異性を保持するのに必要とされる可変
領域フレームワークの最小部分がマウス抗BTN1A1(又は抗グリコシル化BTN1A1又は抗BTN1A
1二量体)モノクローナル抗体などの非ヒト免疫グロブリンに由来し、抗体の残りの部分が
ヒト免疫グロブリンに由来する抗体軽鎖をコードし、それを発現する発現ベクターを構築
し、それにより、ヒト化抗体軽鎖の発現用のベクターを産生すること; c)これらの発現ベ
クターを従来の分子生物学の方法によって宿主細胞に移して、ヒト化抗体の発現用のトラ
ンスフェクトされた宿主細胞を産生すること;並びにd)ヒト化抗体を産生するように、従
来の細胞培養技法によって、トランスフェクトされた細胞を培養することを含むことがで
きる。
どちらの例示的な方法に関しても、宿主細胞に、そのような発現ベクターを共トランス
フェクトすることができ、これらの発現ベクターは、異なる選択可能マーカーを含有する
ことができるが、重鎖及び軽鎖をコードする配列を除いて、同一であることが好ましい。
この手順は、重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドの同等の発現をもたらす。或いは、
重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドの両方をコードする単一のベクターを使用してもよ
い。重鎖及び軽鎖のコード配列は、cDNAもしくはゲノムDNA又はその両方を含むことがで
きる。組換え抗体を発現させるために使用される宿主細胞は、大腸菌(Escherichia coli)
などの細菌細胞、又はより好ましくは、真核細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(
CHO)細胞もしくはHEK-293細胞)のいずれかであることができる。発現ベクターの選択は宿
主細胞の選択に依存し、選択された宿主細胞において所望の発現及び調節特徴を有するよ
うに選択することができる。使用することができる他の細胞株としては、CHO-K1、NSO、
及びPER.C6(Crucell, Leiden, Netherlands)が挙げられるが、これらに限定されない。さ
らに、種特異的なコドン使用バイアスを占め、タンパク質発現を増強するように宿主細胞
を選択する場合、コドン使用を最適化することができる。例えば、CHO細胞発現の場合、
抗体をコードするDNAは、モンゴルキヌゲネズミ(Cricetulus griseus)(チャイニーズハム
スター卵巣細胞はこれに由来している)によって優先的に使用されるコドンを組み込むこ
とができる。コドン最適化の方法を利用して、所望の宿主細胞による発現の改善を促進す
ることができる(例えば、Wohlgemuth, I.らの文献、Philos. Trans. R. Soc. Lond. B Bi
ol. Sci. 366(1580):2979-2986(2011); Jestin, J. L.らの文献、J. Mol. Evol. 69(5):4
52-457(2009); Bollenbach, T.らの文献、Genome Res. 17(4):401-404(2007); Kurland,
C. G.らの文献、Prog. Nucleic Acid Res. Mol. Biol. 31:191-219(1984); Grosjean, H.
らの文献、Gene 18(3): 199-209(1982)を参照)。
いくつかの実施態様において、抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化BTN1A1抗体、又は抗BTN1
A1二量体抗体は、モノクローナル抗体であることができる。いくつかの実施態様において
、抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化BTN1A1抗体、又は抗BTN1A1二量体抗体は、ポリクローナ
ル抗体であることができる。BTN1A1ポリペプチド、グリコシル化BTN1A1ポリペプチド、又
はBTN1A1二量体に特異的な抗体を産生するために、動物に、抗原、例えば、BTN1A1ポリペ
プチド、グリコシル化BTN1A1ポリペプチド、又はBTN1A1二量体ポリペプチドを接種するこ
とができる。多くの場合、抗原を別の分子に結合させ又はコンジュゲートして、免疫応答
を増強する。コンジュゲートは、動物で免疫応答を誘発するために使用される抗原に結合
している任意のペプチド、ポリペプチド、タンパク質、又は非タンパク質性物質であるこ
とができる。抗原接種に応答して動物で産生される抗体は、種々の個々の抗体産生Bリン
パ球から作られる種々の非同一分子(ポリクローナル抗体)を有する。動物におけるポリク
ローナル抗体産生のための正確な条件を考慮すると、動物の血清中の抗体のほとんどは、
動物が免疫された抗原性化合物上の集合的エピトープを認識する。
この特異性を親和性精製によってさらに増強し、対象となる抗原又はエピトープを認識
する抗体のみを選択することができる。モノクローナル抗体(MAb)を作製する方法は、ポ
リクローナル抗体を調製する方法と同じように始めることができる。いくつかの実施態様
において、マウス及びラットなどの齧歯類をモノクローナル抗体の作製において使用する
。いくつかの実施態様において、ウサギ、ヒツジ、又はカエル細胞をモノクローナル抗体
の作製において使用する。ラットの使用は周知であり、特定の利点を提供することができ
る。マウス(例えば、BALB/cマウス)がルーチンに使用され、通常、高い割合の安定融合体
を生じる。
ハイブリドーマ技術は、BTN1A1ポリペプチド又はグリコシル化BTN1A1ポリペプチド又は
BTN1A1二量体ポリペプチドで既に免疫されたマウス由来の単一のBリンパ球と不死骨髄腫
細胞(通常、マウス骨髄腫)との融合を伴う。この技術は、同じ抗原又はエピトープ特異性
を有する無制限の量の構造的に同一の抗体(モノクローナル抗体)を産生することができる
ように、単一の抗体産生細胞を無限の数の世代にわたって増殖させる方法を提供する。
一実施態様において、抗体は、軽鎖を欠く、ラクダ科動物抗体に由来する、好ましくは
、重鎖ラクダ科動物抗体に由来する免疫グロブリンの単一可変ドメインであり、これは、
VHHドメイン配列又はNanobodies(商標)として知られている。Nanobody(商標)(Nb)は、天
然に存在する単鎖抗体の最小機能性断片又は単一可変ドメイン(VHH)であり、当業者に公
知である。これらは、ラクダ科動物に見られる重鎖のみの抗体に由来する(Hamers-Caster
manらの文献、Nature, 363(6428):446-8(1993); Desmyterらの文献、Nat Struct Biol.,
3(9):803-11.(1996))。「ラクダ科動物」の科においては、軽ポリペプチド鎖を欠く免疫
グロブリンが見られる。「ラクダ科動物」には、旧世界ラクダ科動物(フタコブラクダ(Ca
melus bactrianus)及びヒトコブラクダ(Camelus dromedarius))並びに新世界ラクダ科動
物(例えば、アルパカ(Lama paccos)、リャマ(Lama glama)、グアナコ(Lama guanicoe)、
及びビクーニャ(Lama vicugna))が含まれる。単一可変ドメイン重鎖抗体は、本明細書に
おいて、Nanobody(商標)又はVHH抗体と表される。Nbの小さいサイズ及び特有の生物物理
的特性は、一般的でない又は隠れたエピトープの認識に関して及びタンパク質標的の空洞
又は活性部位内への結合に関して、従来の抗体断片を凌駕する。さらに、Nbは、多重特異
性及び多価抗体として設計し、レポーター分子に結合させ、又はヒト化することができる
。Nbは安定であり、胃腸系の中で存在し続け、かつ容易に製造することができる。
特異性が異なる2つの抗原結合部位を一体化して、単一のコンストラクトにすると、二
重特異性抗体は、優れた特異性を有する2つの別々の抗原を1つにまとめることができ、し
たがって、治療剤としての大きな可能性を有する。二重特異性抗体は、各々異なる免疫グ
ロブリンを産生することができる2つのハイブリドーマを融合することにより作製するこ
とができる。二重特異性抗体は、2つのscFv抗体断片を接続すると同時に、完全な免疫グ
ロブリン中に存在するFc部分を削除することにより産生することもできる。そのようなコ
ンストラクト中の各々のscFv単位は、合成ポリペプチドリンカーによって互いに接続され
た重(VH)及び軽(VL)抗体鎖の各々に由来する1つの可変ドメインから構成されることがで
き、後者は、免疫原性を最小限に抑えながら、タンパク質分解に対する耐性を最大限に残
すように、遺伝子改変されていることが多い。それぞれのscFv単位を、2つのscFv単位を
架橋する短い(通常、10アミノ酸未満の)ポリペプチドスペーサーの組込みを含む、いくつ
かの技法によって接続し、それにより、二重特異性単鎖抗体を生成させることができる。
したがって、得られる二重特異性単鎖抗体は、単一のポリペプチド鎖上に特異性の異なる
2つのVH/VL対を含有する種であり、ここで、それぞれのscFv単位中のVHドメイン及びVLド
メインは、これら2つのドメイン間の分子内会合を可能にするのに十分に長いポリペプチ
ドリンカーによって隔てられており、かつこのように形成されるscFv単位は、例えば、一
方のscFv単位のVHドメインともう一方のscFv単位のVLの間の望ましくない会合を妨げるの
に十分に短く保たれたポリペプチドスペーサーによって互いに近接して繋がれている。
BTN1A1又はグリコシル化BTN1A1又はBTN1A1二量体に免疫特異的に結合する抗原結合断片
を有する分子の例としては:(i)VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなるFab断片;(ii)VH及
びCH1ドメインからなる「Fd」断片;(iii)単一の抗体のVL及びVHドメインからなる「Fv」
断片;(iv)VHドメインからなる「dAb」断片;(v)単離されたCDR領域;(vi)2つの連結されたF
ab断片を含む二価断片であるF(ab')2断片;(vii)VHドメイン及びVLドメインが、これら2つ
のドメインを会合させて、結合ドメインを形成するのを可能にするペプチドリンカーによ
って連結されている、単鎖Fv分子(「scFv」);(viii)二重特異性単鎖Fv二量体(米国特許第
5,091,513号を参照);並びに(ix)遺伝子融合によって構築された多価又は多重特異性断片
であるダイアボディ(米国特許出願公開第20050214860号)が挙げられるが、これらに限定
されない。Fv、scFv、又はダイアボディ分子は、VHドメインとVLドメインを連結するジス
ルフィド架橋の組込みによって安定化することができる。scFvがCH3ドメインに接続して
いるミニボディを作製することもできる(Huらの文献、Cancer Res., 56(13):3055-61(199
6))。
抗体様結合ペプチドミメティックスも実施態様において企図される。Muraliらの文献、
Cell Mol. Biol., 49(2):209-216(2003)には、軽装化抗体として作用し、かつより長い血
清半減期及びあまり煩雑でない合成方法という特定の利点を有するペプチドである、「抗
体様結合ペプチドミメティックス」(ABiPs)が記載されており、この文献は、引用により
完全に本明細書中に組み込まれる。
(5.2.2.抗BTN1A1抗体)
ヒトBTN1A1に免疫特異的に結合する計68種のマウスモノクローナル抗体をクローニング
し、特徴付けた(実施例8;下の表10を参照)。さらに、マウスBTN1A1に免疫特異的に結合す
る3種のマウスモノクローナル抗体をクローニングし、特徴付けた(実施例14を参照)。STC
703及びSTC820は、BTN1A1単量体よりもBTN1A1二量体に優先的に結合することが分かった(
STC810とhBTN1A1-Fc(二量体)の間のKDは、Biacoreによると0.92nMであると決定され、STC
810とhBTN1A1-His(単量体)の間のKDは、Biacoreによると12.4nMであると決定された)。ST
C703、STC810、及びSTC820と表される抗体は、高い親和性を伴うグリコシル化特異的結合
を示した(例えば、図21A~F及び図23を参照)。モノクローナル抗BTN1A1抗体による処理は
、癌細胞のT細胞依存的アポトーシスを増強し、癌細胞の増殖を阻害し、CD8+ T細胞を活
性化し、また、BTN1A1のリソソームへのグリコシル化依存的内在化をもたらした。したが
って、特異的な配列特徴を有する抗BTN1A1抗体、特異的エピトープに免疫特異的に結合す
る抗BTN1A1抗体、及び癌治療におけるこれらの使用も本明細書に提供される。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される抗BTN1A1抗体は、本明細書に記載
されるモノクローナル抗体STC703、STC810、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2
714、STC2739、STC2778、もしくはSTC2781、又はこれらのヒト化変異体のVHドメイン、VL
ドメイン、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3を含む。
ある実施態様において、該抗BTN1A1抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリンアミノ酸配列又
はその変異体のVH FR1、VH FR2、VH FR3、VH FR4、VL FR1、VL FR2、VL FR3、及び/又はV
L FR4をさらに含むことができる。いくつかの実施態様において、該抗BTN1A1抗体は、表3
a及び3bに記載されているようなモノクローナル抗体STC810のVHドメイン、VLドメイン、V
H CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3を含まない。
いくつか実施態様において、該抗BTN1A1抗体は、6つ未満のCDRを含む。いくつかの実施
態様において、該抗体は、VH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及び/又はVL
CDR3からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは5つのCDRを含むか又はこ
れらからなる。具体的な実施態様において、該抗体は、本明細書に記載されるモノクロー
ナル抗体STC703、STC810、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、ST
C2778、もしくはSTC2781、又はこれらのヒト化変異体のVH CDR1、VH CDR2、VH CDR3、VL
CDR1、VL CDR2、及び/又はVL CDR3からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、もし
くは5つのCDRを含むか又はこれらからなる。具体的な実施態様において、該抗体は、ヒト
生殖系列免疫グロブリンアミノ酸配列又はその変異体のVH FR1、VH FR2、VH FR3、VH FR4
、VL FR1、VL FR2、VL FR3、及び/又はVL FR4をさらに含む。
いくつかの実施態様において、該抗体は、ヒト化抗体、モノクローナル抗体、組換え抗
体、抗原結合断片、又はこれらの任意の組合せである。いくつかの実施態様において、該
抗体は、ヒト化モノクローナル抗体又はその抗原結合断片である。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、(i)本明細書に提供される
抗BTN1A1抗体がBTN1A1ポリペプチド(例えば、細胞表面に発現されたもしくは可溶性のBTN
1A1)、BTN1A1断片、又はBTN1A1エピトープに結合するのを(例えば、用量依存的な様式で)
競合的に遮断する、及び/或いは(ii)本明細書に提供される抗BTN1A1抗体(例えば、ヒト化
抗BTN1A1抗体)によって結合されるBTN1A1エピトープに結合する、ヒト化抗体を含む、抗
体である。いくつかの実施態様において、該抗体は、本明細書に記載されるモノクローナ
ル抗体STC703、STC810、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2
778、もしくはSTC2781、又はこれらのヒト化変異体がBTN1A1ポリペプチド(例えば、細胞
表面に発現されたもしくは可溶性のBTN1A1)、BTN1A1断片、又はBTN1A1エピトープに結合
するのを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する。他の実施態様において、該抗
体は、本明細書に記載されるモノクローナル抗体BTN1A1又はそのヒト化変異体(例えば、
ヒト化抗BTN1A1抗体)によって結合される(例えば、認識される)BTN1A1エピトープに結合
する。
表2a:マウスモノクローナル抗ヒトBTN1A1抗体STC703の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可変(VL
)領域の配列
Figure 2024009959000007
表2b:マウスモノクローナル抗ヒトBTN1A1抗体STC703のCDR配列
Figure 2024009959000008
表3a:マウスモノクローナル抗ヒトBTN1A1抗体STC810の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可変(VL
)領域の配列
Figure 2024009959000009
表3b:マウスモノクローナル抗ヒトBTN1A1抗体STC810のCDR配列
Figure 2024009959000010
表4a:マウスモノクローナル抗ヒトBTN1A1抗体STC820の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可変(VL
)領域の配列
Figure 2024009959000011
表4b:マウスモノクローナル抗ヒトBTN1A1抗体STC820のCDR配列
Figure 2024009959000012
表5a:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC1011の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可変
(VL)領域の配列
Figure 2024009959000013
表5b:マウスモノクローナル抗ヒトBTN1A1抗体STC1011のCDR配列
Figure 2024009959000014
表6a:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC1012の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可変
(VL)領域の配列
Figure 2024009959000015
表6b:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC1012のCDR配列
Figure 2024009959000016
表7a:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC1029の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可変
(VL)領域の配列
Figure 2024009959000017
表7b:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC1029のCDR配列
Figure 2024009959000018
表8a:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2602の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可変
(VL)領域の配列
Figure 2024009959000019
表8b:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2602のCDR配列
Figure 2024009959000020
表9a:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2714の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可変
(VL)領域の配列
Figure 2024009959000021
表9b:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2714のCDR配列
Figure 2024009959000022
表10a:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2739の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可
変(VL)領域の配列
Figure 2024009959000023
表10b:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2739のCDR配列
Figure 2024009959000024
表11a:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2778の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可
変(VL)領域の配列
Figure 2024009959000025
表11b:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2778のCDR配列
Figure 2024009959000026
表12a:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2781の重鎖可変(VH)領域及び軽鎖可
変(VL)領域の配列
Figure 2024009959000027
表12b:マウスモノクローナル抗マウスBTN1A1抗体STC2781のCDR配列
Figure 2024009959000028
したがって、本明細書に提供されるのは、以下の配列特徴を有するBTN1A1又はグリコシ
ル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子である。いくつかの実施態
様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号7、10、13、16、35、38、41
、もしくは44のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号8、11、14、17、36、39、42、
もしくは45のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号9、12、15、18、37、40、43
、もしくは46のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに/又は(b)(
1)配列番号19、22、25、28、47、50、53、もしくは56のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2
)配列番号20、23、26、29、48、51、54、もしくは57のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及
び(3)配列番号21、24、27、30、49、52、55、もしくは58のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、(a)(1)配列番号7、10、13
、16、35、38、41、又は44のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号8、11、14、17、
36、39、42、又は45のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号9、12、15、18、37
、40、43、又は46のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1
)配列番号19、22、25、28、47、50、53、又は56のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列
番号20、23、26、29、48、51、54、又は57のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列
番号21、24、27、30、49、52、55、又は58のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可
変(VL)領域を有する抗体である。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該
抗体は、ヒト化抗体であることができる。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、以下の配列特徴を有するBTN1A1又はグ
リコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子である。いくつかの
実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号63、66、69、もしくは
72のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号64、67、70、もしくは73のアミノ酸配列
を有するVH CDR2;及び(3)配列番号65、68、71、もしくは74のアミノ酸配列を有するVH CD
R3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに/又は(b)(1)配列番号75、78、81、もしくは84のアミ
ノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号76、79、82、もしくは85のアミノ酸配列を有するV
L CDR2;及び(3)配列番号77、80、83、もしくは86のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む
軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、(a)(1)配列番号63、66、69
、又は72のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号64、67、70、又は73のアミノ酸配
列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号65、68、71、又は74のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号75、78、81、又は84のアミノ酸配列を有
するVL CDR1;(2)配列番号76、79、82、又は85のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配
列番号77、80、83、又は86のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有
する抗体である。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化
抗体であることができる。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、以下の配列特徴を有するBTN1A1又はグ
リコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子である。いくつかの
実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号91、94、97、100、119
、122、125、128、147、150、153、もしくは156のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列
番号92、95、98、101、120、123、126、129、148、151、154、もしくは157のアミノ酸配
列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号93、96、99、102、121、124、127、130、149、152、
155、もしくは158のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに/又は
(b)(1)配列番号103、106、109、112、131、134、137、140、159、162、165、もしくは168
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号104、107、110、113、132、135、138、141
、160、163、166、もしくは169のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号105、10
8、111、114、133、136、139、142、161、164、167、もしくは170のアミノ酸配列を有す
るVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、(a)(1)配列番号91、94、97
、100、119、122、125、128、147、150、153、又は156のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(
2)配列番号92、95、98、101、120、123、126、129、148、151、154、又は157のアミノ酸
配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号93、96、99、102、121、12のアミノ酸配列を有す
るVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を、(1)配列番号103、106、109、112、131、134、137
、140、159、162、165、又は168のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号104、107、
110、113、132、135、138、141、160、163、166、又は169のアミノ酸配列を有するVL CDR
2;及び(3)配列番号105、108、111、114、133、136、139、142、161、164、167、又は170
のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含めて有する抗体である。該抗体は、モノクローナル
抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、以下の配列特徴を有するBTN1A1又はグ
リコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子である。いくつかの
実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号203、206、209、もし
くは212のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号204、207、210、もしくは213のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号205、208、211、もしくは214のアミノ酸配列
を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに/又は(b)(1)配列番号215、218、221、
もしくは224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号216、219、222、もしくは225の
アミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号217、220、223、もしくは226のアミノ酸
配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、(a)(1)配列番号203、206、
209、又は212のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号204、207、210、又は213のア
ミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号205、208、211、又は214のアミノ酸配列を
有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号215、218、221、又は224
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号216、219、222、又は225のアミノ酸配列を
有するVL CDR2;及び(3)配列番号217、220、223、又は226のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗体である。該抗体は、モノクローナル抗体であるこ
とができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、以下の配列特徴を有するBTN1A1又はグ
リコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子である。いくつかの
実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号231、234、237、もし
くは240のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号232、235、238、もしくは241のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号233、236、239、もしくは242のアミノ酸配列
を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに/又は(b)(1)配列番号243、246、249、
もしくは252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号244、247、250、もしくは253の
アミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号245、248、251、もしくは254のアミノ酸
配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、(a)(1)配列番号231、234、
237、又は240のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号232、235、238、又は241のア
ミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号233、236、239、又は242のアミノ酸配列を
有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号243、246、249、又は252
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号244、247、250、又は253のアミノ酸配列を
有するVL CDR2;及び(3)配列番号245、248、251、又は254のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗体である。該抗体は、モノクローナル抗体であるこ
とができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、以下の配列特徴を有するBTN1A1又はグ
リコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子である。いくつかの
実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号259、262、265、もし
くは268のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号260、263、266、もしくは269のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号261、264、267、もしくは270のアミノ酸配列
を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに/又は(b)(1)配列番号271、274、277、
もしくは280のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号272、275、278、もしくは281の
アミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号273、276、279、もしくは282のアミノ酸
配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、(a)(1)配列番号63、66、69
、又は72のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号64、67、70、又は73のアミノ酸配
列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号65、68、71、又は74のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号75、78、81、又は84のアミノ酸配列を有
するVL CDR1;(2)配列番号76、79、82、又は85のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配
列番号77、80、83、又は86のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有
する抗体である。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化
抗体であることができる。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、以下の配列特徴を有するBTN1A1又はグ
リコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子である。いくつかの
実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号287、290、293、もし
くは296のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号288、291、294、もしくは297のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号289、292、295、もしくは298のアミノ酸配列
を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに/又は(b)(1)配列番号299、302、305、
もしくは308のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号300、303、306、もしくは309の
アミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号301、304、307、もしくは310のアミノ酸
配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、(a)(1)配列番号287、290、
293、又は296のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号288、291、294、又は297のア
ミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号289、292、295、又は298のアミノ酸配列を
有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号299、302、305、又は308
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号300、303、306、又は309のアミノ酸配列を
有するVL CDR2;及び(3)配列番号301、304、307、又は310のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗体である。該抗体は、モノクローナル抗体であるこ
とができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、以下の配列特徴を有するBTN1A1又はグ
リコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子である。いくつかの
実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号315、318、321、もし
くは324のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号316、319、322、もしくは325のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号317、320、323、もしくは326のアミノ酸配列
を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに/又は(b)(1)配列番号327、330、333、
もしくは336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号328、331、334、もしくは337の
アミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号329、332、335、もしくは338のアミノ酸
配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、(a)(1)配列番号315、318、
321、又は324のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号316、319、322、又は325のア
ミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号317、320、323、又は326のアミノ酸配列を
有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号327、330、333、又は336
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号328、331、334、又は337のアミノ酸配列を
有するVL CDR2;及び(3)配列番号329、332、335、又は338のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗体である。該抗体は、モノクローナル抗体であるこ
とができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号7、10、13、
16、35、38、41、もしくは44のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号8、11、14、17
、36、39、42、もしくは45のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号9、12
、15、18、37、40、43、もしくは46のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)
領域を有する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域
は、(1)配列番号7、10、13、16、35、38、41、又は44のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及
び(2)配列番号8、11、14、17、36、39、42、又は45のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含
む。いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)配列番号7、10、13、16、
35、38、41、又は44のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(3)配列番号9、12、15、18、37
、40、43、又は46のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。いくつかの実施態様において
、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号8、11、14、17、36、39、42、又は45のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号9、12、15、18、37、40、43、又は46のアミノ
酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号63、66、69
、もしくは72のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号64、67、70、もしくは73のア
ミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号65、68、71、もしくは74のアミノ酸配
列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。いくつかの
実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)配列番号63、66、69、又は72のアミノ酸
配列を有するVH CDR1;及び(2)配列番号64、67、70、又は73のアミノ酸配列を有するVH CD
R2を含む。いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)配列番号63、66、6
9、又は72のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(3)配列番号65、68、71、又は74のアミノ
酸配列を有するVH CDR3を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分
子は、(2)配列番号64、67、70、又は73のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番号
65、68、71、又は74のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗
原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号91、94、97
、100、119、122、125、128、147、150、153、もしくは156のアミノ酸配列を有するVH CD
R1;(2)配列番号92、95、98、101、120、123、126、129、148、151、154、もしくは157の
アミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号93、96、99、102、121、124、127、
130、149、152、155、もしくは158のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)
領域を有する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域
は、(1)配列番号91、94、97、100、119、122、125、128、147、150、153、又は156のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;及び(2)配列番号92、95、98、101、120、123、126、129、148
、151、154、又は157のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む。いくつかの実施態様におい
て、該重鎖可変(VH)領域は、(1)配列番号91、94、97、100、119、122、125、128、147、1
50、153、又は156のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(3)配列番号93、96、99、102、12
1、124、127、130、149、152、155、又は158のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。い
くつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号92、95、98、101
、120、123、126、129、148、151、154、又は157のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3
)配列番号93、96、99、102、121、124、127、130、149、152、155、又は158のアミノ酸配
列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号203、206、2
09、もしくは212のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号204、207、210、もしくは2
13のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号205、208、211、もしくは214の
アミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)配列番号203、206、209、又は
212のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(2)配列番号204、207、210、又は213のアミノ酸
配列を有するVH CDR2を含む。いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)
配列番号203、206、209、又は212のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(3)配列番号205、
208、211、又は214のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。いくつかの実施態様において
、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号204、207、210、又は213のアミノ酸配列を
有するVH CDR2;及び(3)配列番号205、208、211、又は214のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号231、234、2
37、もしくは240のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号232、235、238、もしくは2
41のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号233、236、239、もしくは242の
アミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)配列番号231、234、237、又は
240のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(2)配列番号232、235、238、又は241のアミノ酸
配列を有するVH CDR2を含む。いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)
配列番号231、234、237、又は240のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(3)配列番号233、
236、239、又は242のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。いくつかの実施態様において
、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号232、235、238、又は241のアミノ酸配列を
有するVH CDR2;及び(3)配列番号233、236、239、又は242のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号259、262、2
65、もしくは268のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号260、263、266、もしくは2
69のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号261、264、267、もしくは270の
アミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)配列番号259、262、265、又は
268のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(2)配列番号260、263、266、又は269のアミノ酸
配列を有するVH CDR2を含む。いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)
配列番号259、262、265、又は268のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(3)配列番号261、
264、267、又は270のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。いくつかの実施態様において
、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号260、263、266、又は269のアミノ酸配列を
有するVH CDR2;及び(3)配列番号261、264、267、又は270のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号287、290、2
93、もしくは296のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号288、291、294、もしくは2
97のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号289、292、295、もしくは298の
アミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)配列番号287、290、293、又は
296のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(2)配列番号288、291、294、又は297のアミノ酸
配列を有するVH CDR2を含む。いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)
配列番号287、290、293、又は296のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(3)配列番号289、
292、295、又は298のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。いくつかの実施態様において
、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号288、291、294、又は297のアミノ酸配列を
有するVH CDR2;及び(3)配列番号289、292、295、又は298のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号315、318、3
21、もしくは324のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号316、319、322、もしくは3
25のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号317、320、323、もしくは326の
アミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)配列番号315、318、321、又は
324のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(2)配列番号316、319、322、又は325のアミノ酸
配列を有するVH CDR2を含む。いくつかの実施態様において、該重鎖可変(VH)領域は、(1)
配列番号315、318、321、又は324のアミノ酸配列を有するVH CDR1;及び(3)配列番号317、
320、323、又は326のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む。いくつかの実施態様において
、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号316、319、322、又は325のアミノ酸配列を
有するVH CDR2;及び(3)配列番号317、320、323、又は326のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号7、10、13、16
、35、38、41、44、63、66、69、72、91、94、97、100、119、122、125、128、147、150
、153、156、203、206、209、212、231、234、237、240、259、262、265、268、287、290
、293、296、315、318、321、又は324のアミノ酸配列を有するVH CDR1を含む重鎖可変(VH
)領域を有する抗原結合断片を有する。該VH CDR1は、配列番号7のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR1は、配列番号10のアミノ酸配列を有することができる。該VH CD
R1は、配列番号13のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号16のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号35のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR1は、配列番号38のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1
は、配列番号41のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号44のアミ
ノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号63のアミノ酸配列を有すること
ができる。該VH CDR1は、配列番号66のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は
、配列番号69のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号72のアミノ
酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号91のアミノ酸配列を有することが
できる。該VH CDR1は、配列番号94のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、
配列番号97のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号100のアミノ酸
配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号119のアミノ酸配列を有することがで
きる。該VH CDR1は、配列番号122のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、
配列番号125のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号128のアミノ
酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号147のアミノ酸配列を有することが
できる。該VH CDR1は、配列番号150のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は
、配列番号153のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号156のアミ
ノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号203のアミノ酸配列を有すること
ができる。該VH CDR1は、配列番号206のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1
は、配列番号209のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号212のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号231のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR1は、配列番号234のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR
1は、配列番号237のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号240のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号259のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR1は、配列番号262のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR
1は、配列番号265のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号268のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号287のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR1は、配列番号290のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR
1は、配列番号293のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号296のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号315のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR1は、配列番号318のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR
1は、配列番号321のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR1は、配列番号324のア
ミノ酸配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号8、11、14、17
、36、39、42、45、64、67、70、73、92、95、98、101、120、123、126、129、148、151
、154、157、204、207、210、213、232、235、238、241、260、263、266、269、288、291
、294、297、316、319、322、又は325のアミノ酸配列を有するVH CDR2を含む重鎖可変(VH
)領域を有する抗原結合断片を有する。該VH CDR2は、配列番号8のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR2は、配列番号11のアミノ酸配列を有することができる。該VH CD
R2は、配列番号14のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号17のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号36のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR2は、配列番号39のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2
は、配列番号42のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号45のアミ
ノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号64のアミノ酸配列を有すること
ができる。該VH CDR2は、配列番号67のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は
、配列番号70のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号73のアミノ
酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号92のアミノ酸配列を有することが
できる。該VH CDR2は、配列番号95のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、
配列番号98のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号101のアミノ酸
配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号120のアミノ酸配列を有することがで
きる。該VH CDR2は、配列番号123のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、
配列番号126のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号129のアミノ
酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号148のアミノ酸配列を有することが
できる。該VH CDR2は、配列番号151のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は
、配列番号154のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号157のアミ
ノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号204のアミノ酸配列を有すること
ができる。該VH CDR2は、配列番号207のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2
は、配列番号210のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号213のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号232のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR2は、配列番号235のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR
2は、配列番号238のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号241のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号260のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR2は、配列番号263のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR
2は、配列番号266のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号269のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号288のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR2は、配列番号291のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR
2は、配列番号294のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号297のア
ミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号316のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VH CDR2は、配列番号319のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR
2は、配列番号322のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR2は、配列番号325のア
ミノ酸配列を有することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される
分子は、配列番号9、12、15、18、37、40、43、46、65、68、71、74、93、96、99、102、
121、124、127、130、149、152、155、158、205、208、211、214、233、236、239、242、
261、264、267、270、289、292、295、298、317、320、323、又は326のアミノ酸配列を有
するVH CDR3を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該VH CDR3は、配列
番号9のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号12のアミノ酸配列を
有することができる。該VH CDR3は、配列番号15のアミノ酸配列を有することができる。
該VH CDR3は、配列番号20のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号
37のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号40のアミノ酸配列を有
することができる。該VH CDR3は、配列番号43のアミノ酸配列を有することができる。該V
H CDR3は、配列番号46のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号65
のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号68のアミノ酸配列を有す
ることができる。該VH CDR3は、配列番号71のアミノ酸配列を有することができる。該VH
CDR3は、配列番号74のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号93の
アミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号96のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR3は、配列番号99のアミノ酸配列を有することができる。該VH CD
R3は、配列番号102のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号121の
アミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号124のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR3は、配列番号127のアミノ酸配列を有することができる。該VH C
DR3は、配列番号130のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号149の
アミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号152のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR3は、配列番号155のアミノ酸配列を有することができる。該VH C
DR3は、配列番号158のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号205の
アミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号208のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR3は、配列番号211のアミノ酸配列を有することができる。該VH C
DR3は、配列番号214のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号233の
アミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号236のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR3は、配列番号239のアミノ酸配列を有することができる。該VH C
DR3は、配列番号242のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号261の
アミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号264のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR3は、配列番号267のアミノ酸配列を有することができる。該VH C
DR3は、配列番号270のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号289の
アミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号292のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR3は、配列番号295のアミノ酸配列を有することができる。該VH C
DR3は、配列番号298のアミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号317の
アミノ酸配列を有することができる。該VH CDR3は、配列番号320のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VH CDR3は、配列番号323のアミノ酸配列を有することができる。該VH C
DR3は、配列番号326のアミノ酸配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号7のアミノ酸
配列を有するVH CDR1;(2)配列番号8のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番
号9のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有
する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号10のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号13のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号14のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号15のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号16のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号17のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号18のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号35のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号36のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号37のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号38のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号39のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号40のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号41のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号42のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号43のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号44のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号45のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号46のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号63のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号64のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号65のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号66のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号67のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号68のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号69のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号70のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号71のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号72のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号73のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号74のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号91のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号92のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号93のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号94のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号95のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号96のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号97のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号98のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号99のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片
を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号100のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号101のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号102のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号119のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号120のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号121のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号122のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号123のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号124のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号125のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号126のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号127のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号128のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号129のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号130のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号147のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号148のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号149のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号150のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号151のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号152のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号153のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号154のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号155のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号156のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号157のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号158のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号203のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号204のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号205のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号206のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号207のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号208のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号209のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号210のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号211のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号212のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号213のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号214のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号231のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号232のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号233のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号234のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号235のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号236のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号237のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号238のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号239のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号240のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号241のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号242のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号259のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号260のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号261のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号262のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号263のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号264のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号265のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号266のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号267のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号268のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号269のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号270のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号287のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号288のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号289のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号290のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号291のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号292のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号293のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号294のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号295のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号296のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号297のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号298のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号315のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号316のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号317のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号318のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号319のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号320のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号321のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号322のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号323のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号324のアミノ
酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号325のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号326のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号3のアミノ酸配
列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であること
ができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体で
あることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号31のアミノ酸配
列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であること
ができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体で
あることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号59のアミノ酸配
列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であること
ができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体で
あることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号87のアミノ酸配
列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であること
ができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体で
あることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号115のアミノ酸
配列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号143のアミノ酸
配列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号199のアミノ酸
配列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号227のアミノ酸
配列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号255のアミノ酸
配列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号283のアミノ酸
配列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号311のアミノ酸
配列を有する重鎖可変(VH)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)
配列番号19、22、25、28、47、50、53、もしくは56のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)
配列番号20、23、26、29、48、51、54、もしくは57のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
/又は(3)配列番号21、24、27、30、49、52、55、もしくは58のアミノ酸配列を有するVL C
DR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号75、78、81
、もしくは84のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号76、79、82、もしくは85のア
ミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号77、80、83、もしくは86のアミノ酸配
列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号103、106、1
09、112、131、134、137、140、159、162、165、もしくは168のアミノ酸配列を有するVL
CDR1;(2)配列番号104、107、110、113、132、135、138、141、160、163、166、もしくは1
69のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号105、108、111、114、133、136
、139、142、161、164、167、もしくは170のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可
変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号215、218、2
21、もしくは224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号216、219、222、もしくは2
25のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号217、220、223、もしくは226の
アミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号243、246、2
49、もしくは252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号244、247、250、もしくは2
53のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号245、248、251、もしくは254の
アミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号271、274、2
77、もしくは280のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号272、275、278、もしくは2
81のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号273、276、279、もしくは282の
アミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号299、302、3
05、もしくは308のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号300、303、306、もしくは3
09のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号301、304、307、もしくは310の
アミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号327、330、3
33、もしくは336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号328、331、334、もしくは3
37のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号329、332、335、もしくは338の
アミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号19、22、25
、28、47、50、53、又は56のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び (2)配列番号20、23、26
、29、48、51、54、又は57のアミノ酸配列を有するVL CDR2:を含む軽鎖可変(VL)領域を有
する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は
、(1)配列番号19、22、25、28、47、50、53、又は56のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及
び(3)配列番号21、24、27、30、49、52、55、又は58のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を
含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、本
明細書に提供される分子は、(2)配列番号20、23、26、29、48、51、54、又は57のアミノ
酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号21、24、27、30、49、52、55、又は58のアミノ
酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号75、78、81
、又は84のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(2)配列番号76、79、82、又は85のアミノ
酸配列を有するVL CDR2:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。いくつ
かの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号75、78、81、又は84
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(3)配列番号77、80、83、又は86のアミノ酸配列を
有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。いくつかの実施
態様において、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号76、79、82、又は85のアミノ
酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号77、80、83、又は86のアミノ酸配列を有するVL
CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号103、106、1
09、112、131、134、137、140、159、162、165、又は168のアミノ酸配列を有するVL CDR1
;及び(2)配列番号104、107、110、113、132、135、138、141、160、163、166、又は169の
アミノ酸配列を有するVL CDR2:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号103、106、109
、112、131、134、137、140、159、162、165、又は168のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
及び(3)配列番号105、108、111、114、133、136、139、142、161、164、167、又は170の
アミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号104、107、110
、113、132、135、138、141、160、163、166、又は169のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号105、108、111、114、133、136、139、142、161、164、167、又は170の
アミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号215、218、2
21、又は224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(2)配列番号216、219、222、又は225の
アミノ酸配列を有するVL CDR2:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号215、218、221
、又は224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(3)配列番号217、220、223、又は226のア
ミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。い
くつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号216、219、222、
又は225のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号217、220、223、又は226のアミ
ノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号243、246、2
49、又は252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(2)配列番号244、247、250、又は253の
アミノ酸配列を有するVL CDR2:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号243、246、249
、又は252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(3)配列番号245、248、251、又は254のア
ミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。い
くつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号244、247、250、
又は253のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号245、248、251、又は254のアミ
ノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号271、274、2
77、又は280のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(2)配列番号272、275、278、又は281の
アミノ酸配列を有するVL CDR2:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号271、274、277
、又は280のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(3)配列番号273、276、279、又は282のア
ミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。い
くつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号272、275、278、
又は281のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号273、276、279、又は282のアミ
ノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号299、302、3
05、又は308のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(2)配列番号300、303、306、又は309の
アミノ酸配列を有するVL CDR2:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号299、302、305
、又は308のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(3)配列番号301、304、307、又は310のア
ミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。い
くつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号300、303、306、
又は309のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号301、304、307、又は310のアミ
ノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号327、330、3
33、又は336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(2)配列番号328、331、334、又は337の
アミノ酸配列を有するVL CDR2:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号327、330、333
、又は336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;及び(3)配列番号329、332、335、又は338のア
ミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。い
くつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(2)配列番号328、331、334、
又は337のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配列番号329、332、335、又は338のアミ
ノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号19、22、25、28
、47、50、53、56、75、78、81、84、103、106、109、112、131、134、137、140、159、1
62、165、168、215、218、221、224、243、246、249、252、271、274、277、280、299、3
02、305、308、327、330、333、又は336のアミノ酸配列を有するVL CDR1を含む軽鎖可変(
VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該VL CDR1は、配列番号19のアミノ酸配列を有す
ることができる。該VL CDR1は、配列番号22のアミノ酸配列を有することができる。該VL
CDR1は、配列番号25のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号28の
アミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号47のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VL CDR1は、配列番号50のアミノ酸配列を有することができる。該VL CD
R1は、配列番号53のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号56のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号75のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR1は、配列番号78のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1
は、配列番号81のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号84のアミ
ノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号103のアミノ酸配列を有すること
ができる。該VL CDR1は、配列番号106のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1
は、配列番号109のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号112のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号131のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR1は、配列番号134のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
1は、配列番号137のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号140のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号159のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR1は、配列番号162のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
1は、配列番号165のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号168のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号215のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR1は、配列番号218のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
1は、配列番号221のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号224のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号243のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR1は、配列番号246のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
1は、配列番号249のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号252のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号271のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR1は、配列番号274のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
1は、配列番号277のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号280のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号215のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR1は、配列番号218のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
1は、配列番号221のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号224のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号299のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR1は、配列番号302のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
1は、配列番号305のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR1は、配列番号308のア
ミノ酸配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号20、23、26、29
、48、51、54、57、76、79、82、85、104、107、110、113、132、135、138、141、160、1
63、166、169、204、207、210、213、232、235、238、241、260、263、266、269、288、2
91、294、297、316、319、322、又は325のアミノ酸配列を有するVL CDR2を含む軽鎖可変(
VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該VL CDR2は、配列番号20のアミノ酸配列を有す
ることができる。該VL CDR2は、配列番号23のアミノ酸配列を有することができる。該VL
CDR2は、配列番号26のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号29の
アミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号48のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VL CDR2は、配列番号51のアミノ酸配列を有することができる。該VL CD
R2は、配列番号54のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号57のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号76のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR2は、配列番号79のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2
は、配列番号82のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号85のアミ
ノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号104のアミノ酸配列を有すること
ができる。該VL CDR2は、配列番号107のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2
は、配列番号110のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号113のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号132のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR2は、配列番号135のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
2は、配列番号138のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号141のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号160のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR2は、配列番号163のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
2は、配列番号166のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号169のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号204のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR2は、配列番号207のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
2は、配列番号210のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号213のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号232のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR2は、配列番号235のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
2は、配列番号238のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号241のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号260のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR2は、配列番号263のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
2は、配列番号266のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号269のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号288のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR2は、配列番号291のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
2は、配列番号294のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号297のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号316のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR2は、配列番号319のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
2は、配列番号322のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR2は、配列番号325のア
ミノ酸配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号21、24、27、30
、49、52、55、58、77、80、83、86、105、108、111、114、133、136、139、142、161、1
64、167、170、217、220、223、又は226、245、248、251、又は254、273、276、279、又
は282、301、304、307、又は310、329、332、335、又は338のアミノ酸配列を有するVL CD
R3を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該VL CDR3は、配列番号21の
アミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号24のアミノ酸配列を有する
ことができる。該VL CDR3は、配列番号27のアミノ酸配列を有することができる。該VL CD
R3は、配列番号30のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号49のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号52のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR3は、配列番号55のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3
は、配列番号58のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号77のアミ
ノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号80のアミノ酸配列を有すること
ができる。該VL CDR3は、配列番号83のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は
、配列番号86のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号105のアミノ
酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号108のアミノ酸配列を有することが
できる。該VL CDR3は、配列番号111のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は
、配列番号114のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号133のアミ
ノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号136のアミノ酸配列を有すること
ができる。該VL CDR3は、配列番号139のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3
は、配列番号142のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号161のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号164のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR3は、配列番号167のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
3は、配列番号170のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号217のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号220のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR3は、配列番号223のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
3は、配列番号226のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号245のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号248のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR3は、配列番号251のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
3は、配列番号254のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号273のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号276のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR3は、配列番号279のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
3は、配列番号282のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号301のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号304のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR3は、配列番号307のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
3は、配列番号310のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号329のア
ミノ酸配列を有することができる。該VL CDR3は、配列番号332のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該VL CDR3は、配列番号335のアミノ酸配列を有することができる。該VL CDR
3は、配列番号338のアミノ酸配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号19のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号20のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号21のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号22のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号23のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号24のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号25のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号26のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号27のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号28のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号29のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号30のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号47のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号48のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号49のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号50のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号52のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号53のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号54のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号55のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号56のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号57のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号58のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号75のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号76のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号77のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号78のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号79のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号80のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号81のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号82のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号83のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号84のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号85のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号86のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号103のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号104のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号105のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号106のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号107のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号108のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号109のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号110のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号111のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号112のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号113のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号114のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号131のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号132のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号133のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号134のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号135のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号136のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号137のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号138のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号139のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号140のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号141のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号142のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号159のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号160のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号161のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号162のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号163のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号164のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号165のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号166のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号167のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号168のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号169のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号170のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号215のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号216のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号217のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号218のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号219のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号220のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号221のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号222のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号223のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号224のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号225のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号226のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号243のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号244のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号245のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号246のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号247のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号248のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号249のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号250のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号251のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号252のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号253のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号254のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号271のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号272のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号273のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号274のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号275のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号276のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号277のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号278のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号279のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号280のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号281のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号282のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号299のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号300のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号301のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号302のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号303のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号304のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号305のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号306のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号307のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号308のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号309のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号310のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号327のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号328のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号329のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号330のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号331のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号332のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号333のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号334のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(1)配列番号336のアミノ
酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号337のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配
列番号338のアミノ酸配列を有するVL CDR3を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号5のアミノ酸配
列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であること
ができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体で
あることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号33のアミノ酸配
列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であること
ができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体で
あることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号61のアミノ酸配
列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であること
ができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体で
あることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号89のアミノ酸配
列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であること
ができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体で
あることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号117のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号145のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号201のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号229のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号257のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号285のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号313のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であるこ
とができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体
であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号7、10、1
3、16、35、38、41、もしくは44のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号8、11、14
、17、36、39、42、もしくは45のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号9
、12、15、18、37、40、43、もしくは46のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変
(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号19、22、25、28、47、50、53、もしくは56のアミノ酸配
列を有するVL CDR1;(2)配列番号20、23、26、29、48、51、54、もしくは57のアミノ酸配
列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号21、24、27、30、49、52、55、もしくは58のア
ミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該
分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。
該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号63、66、
69、もしくは72のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号64、67、70、もしくは73の
アミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号65、68、71、もしくは74のアミノ酸
配列を有するVH CDR2:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号65、68、71、もし
くは74のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号65、68、71、もしくは74のアミノ酸
配列を有するVL CDR3;及び/又は(3)配列番号77、80、83、もしくは86のアミノ酸配列を有
するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体で
あることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト
化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号91、94、
97、100、119、122、125、128、147、150、153、もしくは156のアミノ酸配列を有するVH
CDR1;(2)配列番号92、95、98、101、120、123、126、129、148、151、154、もしくは157
のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号93、96、99、102、121、124、127
、130、149、152、155、もしくは158のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH
)領域;並びに(b)(1)配列番号103、106、109、112、131、134、137、140、159、162、165
、もしくは168のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号104、107、110、113、132、1
35、138、141、160、163、166、もしくは169のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(
3)配列番号105、108、111、114、133、136、139、142、161、164、167、もしくは170のア
ミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有する。該
分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。
該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号203、206
、209、もしくは212のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号204、207、210、もしく
は213のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号205、208、211、もしくは21
4のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号215、2
18、221、もしくは224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号216、219、222、もし
くは225のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号217、220、223、もしくは
226のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有
する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることが
できる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号231、234
、237、もしくは240のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号232、235、238、もしく
は241のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号233、236、239、もしくは24
2のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号243、2
46、249、もしくは252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号244、247、250、もし
くは253のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号245、248、251、もしくは
254のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有
する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることが
できる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号259、262
、265、もしくは268のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号260、263、266、もしく
は269のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号261、264、267、もしくは27
0のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号271、2
74、277、もしくは280のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号272、275、278、もし
くは281のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号273、276、279、もしくは
282のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有
する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることが
できる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号287、290
、293、もしくは296のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号288、291、294、もしく
は297のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号289、292、295、もしくは29
8のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号299、3
02、305、もしくは308のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号300、303、306、もし
くは309のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号301、304、307、もしくは
310のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有
する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることが
できる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号315、318
、321、もしくは324のアミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号316、319、322、もしく
は325のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配列番号317、320、323、もしくは32
6のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号327、3
30、333、もしくは336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号328、331、334、もし
くは337のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/又は(3)配列番号329、332、335、もしくは
338のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片を有
する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることが
できる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号7のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号8のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)配
列番号9のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号
19のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号20のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び/
又は(3)配列番号21のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号10のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)
配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列
番号22のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号23のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び/又は(3)配列番号24のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有す
る抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナ
ル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号13のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号14のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(3)
配列番号15のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列
番号25のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号26のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び/又は(3)配列番号27のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有す
る抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナ
ル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号16のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号17のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号18のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号28
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号29のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号30のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号35のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号36のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号37のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号47
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号48のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号49のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号38のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号39のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号40のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号50
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号52のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号41のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号42のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号43のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号53
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号54のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号55のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号44のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号45のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号46のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号56
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号57のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号58のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号63のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号64のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号65のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号75
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号76のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号77のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号66のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号67のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号68のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号78
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号79のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号80のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号69のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号70のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号71のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号81
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号82のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号83のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号72のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号73のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号74のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号84
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号85のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号86のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号91のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号92のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号93のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号103
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号104のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3
)配列番号105のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合
断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であ
ることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号94のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号95のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号96のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号106
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号107のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3
)配列番号108のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合
断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であ
ることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号97のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号98のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号99のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号109
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号110のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3
)配列番号111のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合
断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であ
ることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号100のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号101のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号102のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号112のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号113のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号114のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号1119のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号120のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号121のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号131のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号132のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号133のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号122のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号123のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号124のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号134のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号135のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号136のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号125のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号126のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号127のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号137のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号138のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号139のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号128のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号129のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号130のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号140のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号141のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号142のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号147のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号148のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号149のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号159のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号160のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号161のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号150のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号151のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号152のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号162のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号163のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号164のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号153のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号154のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号155のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号165のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号166のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号167のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号156のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号157のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号158のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号168のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号169のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号170のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号203のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号204のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号205のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号215のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号216のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号217のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号206のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号207のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号208のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号218のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号219のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号220のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号209のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号210のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号211のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号221のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号222のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号223のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号212のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号213のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号214のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号225のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号226のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号231のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号232のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号233のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号243のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号244のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号245のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号234のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号235のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号236のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号246のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号247のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号248のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号237のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号238のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号239のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号249のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号250のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号251のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号240のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号241のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号242のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号253のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号254のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号259のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号260のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号261のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号271のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号272のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号273のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号262のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号263のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号264のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号274のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号275のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号276のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号265のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号266のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号267のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号277のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号278のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号279のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号268のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号269のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号270のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号280のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号281のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号282のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号287のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号288のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号289のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号299のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号300のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号301のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号290のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号291のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号292のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号302のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号303のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号304のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号293のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号294のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号295のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号305のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号306のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号307のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号296のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号297のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号298のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号308のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号309のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号310のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号315のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号316のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号317のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号327のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号328のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号329のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号318のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号319のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号320のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号330のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号331のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号332のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号321のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号322のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号323のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号333のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号334のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号324のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号325のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び/又は(
3)配列番号326のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配
列番号336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号337のアミノ酸配列を有するVL CD
R2;及び/又は(3)配列番号338のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を
有する抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクロ
ーナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC703と表されるマウス
モノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC703抗体は、本明細
書に記載されるSTC703のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有することができ
る。ヒト化STC703抗体は、本明細書に記載されるSTC703の6つのCDR領域(VH CDR1、VH CDR
2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化STC703抗体
は、STC703の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様において、ヒ
ト化STC703抗体は、STC703の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CDR1、VH CDR2
、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号7のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号8のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号9のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号19の
アミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号20のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)配
列番号21のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断片
を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であるこ
とができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号10のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号22
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号23のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号24のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号13のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号14のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号15のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号25
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号26のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号27のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号16のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号17のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号18のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号28
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号29のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号30のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号3のアミノ酸配
列を有するVH領域及び配列番号5のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断片を
有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であること
ができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC810と表されるマウス
モノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC810抗体は、本明細
書に記載されるSTC810のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有することができ
る。ヒト化STC810抗体は、本明細書に記載されるSTC810の6つのCDR領域(VH CDR1、VH CDR
2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化STC810抗体
は、STC810の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様において、ヒ
ト化STC810抗体は、STC810の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CDR1、VH CDR2
、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号35のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号36のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号37のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号47
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号48のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号49のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号38のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号39のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号40のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号50
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号52のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号41のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号42のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号43のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号53
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号54のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号55のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号44のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号45のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号46のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号56
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号57のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号58のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号31のアミノ酸配
列を有するVH領域及び配列番号35のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断片を
有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であること
ができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC820と表されるマウス
モノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC820抗体は、本明細
書に記載されるSTC820のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有することができ
る。ヒト化STC820抗体は、本明細書に記載されるSTC820の6つのCDR領域(VH CDR1、VH CDR
2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化STC820抗体
は、STC820の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様において、ヒ
ト化STC820抗体は、STC820の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CDR1、VH CDR2
、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号63のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号64のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号65のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号75
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号76のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号77のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号66のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号67のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号68のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号78
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号79のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号80のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号69のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号70のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号71のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号81
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号82のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号83のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号72のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号73のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号74のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号84
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号85のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3)
配列番号86のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号59のアミノ酸配
列を有するVH領域及び配列番号61のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断片を
有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であること
ができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC1011と表されるマウ
スモノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC1011抗体は、本
明細書に記載されるSTC1011のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有すること
ができる。ヒト化STC1011抗体は、本明細書に記載されるSTC1011の6つのCDR領域(VH CDR1
、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化ST
C1012抗体は、STC1011の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様に
おいて、ヒト化STC1011抗体は、STC1011の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CD
R1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号91のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号92のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号93のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号103
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号104のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3
)配列番号105のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合
断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であ
ることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号94のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号95のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号96のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号106
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号107のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3
)配列番号108のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合
断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であ
ることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号97のアミ
ノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号98のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配列番
号99のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番号109
のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号110のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び(3
)配列番号111のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗原結合
断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であ
ることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号100のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号101のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号102のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号112のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号113のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号114のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号87のアミノ酸配
列を有するVH領域及び配列番号89のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断片を
有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であること
ができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC1012と表されるマウ
スモノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC1012抗体は、本
明細書に記載されるSTC1012のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有すること
ができる。ヒト化STC1012抗体は、本明細書に記載されるSTC1012の6つのCDR領域(VH CDR1
、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化ST
C1012抗体は、STC1012の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様に
おいて、ヒト化STC1012抗体は、STC1012の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CD
R1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号119のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号120のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号121のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号131のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号132のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号133のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号122のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号123のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号124のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号134のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号135のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号136のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号125のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号126のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号127のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号137のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号138のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号139のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号128のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号129のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号130のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号140のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号141のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号142のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号87のアミノ酸配
列を有するVH領域及び配列番号89のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断片を
有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であること
ができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC1029と表されるマウ
スモノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC1029抗体は、本
明細書に記載されるSTC1029のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有すること
ができる。ヒト化STC1029抗体は、本明細書に記載されるSTC1029の6つのCDR領域(VH CDR1
、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化ST
C1029抗体は、STC1029の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様に
おいて、ヒト化STC1029抗体は、STC1029の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CD
R1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号147のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号148のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号149のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号159のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号160のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号161のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号150のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号151のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号152のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号162のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号163のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号164のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号153のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号154のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号155のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号165のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号166のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号167のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号156のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号157のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号158のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号168のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号169のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号170のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号143のアミノ酸
配列を有するVH領域及び配列番号145のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC2602と表されるマウ
スモノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC2602抗体は、本
明細書に記載されるSTC2602のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有すること
ができる。ヒト化STC2602抗体は、本明細書に記載されるSTC2602の6つのCDR領域(VH CDR1
、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化ST
C703抗体は、STC2602の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様に
おいて、ヒト化STC703抗体は、STC2602の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CDR
1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号203のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号204のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号205のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号215のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号216のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号217のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号206のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号207のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号208のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号218のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号219のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号220のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号209のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号210のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号211のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号221のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号222のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号223のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号212のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号213のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号214のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号225のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号226のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号199のアミノ酸
配列を有するVH領域及び配列番号201のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC2714と表されるマウ
スモノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC2714抗体は、本
明細書に記載されるSTC2714のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有すること
ができる。ヒト化STC2714抗体は、本明細書に記載されるSTC2714の6つのCDR領域(VH CDR1
、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化ST
C2714抗体は、STC2714の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様に
おいて、ヒト化STC2714抗体は、STC2714の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CD
R1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号231のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号232のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号233のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号243のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号244のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号245のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号234のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号235のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号236のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号246のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号247のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号248のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号237のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号238のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号239のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号249のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号250のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号251のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号240のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号241のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号242のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号253のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号254のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号227のアミノ酸
配列を有するVH領域及び配列番号229のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC2739と表されるマウ
スモノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC2739抗体は、本
明細書に記載されるSTC2739のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有すること
ができる。ヒト化STC2739抗体は、本明細書に記載されるSTC2739の6つのCDR領域(VH CDR1
、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化ST
C2739抗体は、STC2739の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様に
おいて、ヒト化STC2739抗体は、STC2739の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CD
R1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号259のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号260のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号261のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号271のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号272のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号273のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号262のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号263のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号264のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号274のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号275のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号276のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号265のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号266のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号267のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号277のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号278のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号279のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号268のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号269のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号270のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号280のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号281のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号282のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号255のアミノ酸
配列を有するVH領域及び配列番号257のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC2778と表されるマウ
スモノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC2778抗体は、本
明細書に記載されるSTC2778のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有すること
ができる。ヒト化STC2778抗体は、本明細書に記載されるSTC2778の6つのCDR領域(VH CDR1
、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化ST
C2778抗体は、STC2778の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様に
おいて、ヒト化STC703抗体は、STC2778の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CDR
1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号287のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号288のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号289のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号299のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号300のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号301のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号290のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号291のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号292のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号302のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号303のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号304のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号293のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号294のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号295のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号305のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号306のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号307のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号296のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号297のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号298のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号308のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号309のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号310のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号283のアミノ酸
配列を有するVH領域及び配列番号285のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC2781と表されるマウ
スモノクローナル抗体又はそのヒト化抗体バージョンである。ヒト化STC2781抗体は、本
明細書に記載されるSTC2781のVH領域、VL領域、又はVH領域とVL領域の両方を有すること
ができる。ヒト化STC2781抗体は、本明細書に記載されるSTC2781の6つのCDR領域(VH CDR1
、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。ヒト化ST
C2781抗体は、STC2781の6つ未満のCDR領域を有することもできる。いくつかの実施態様に
おいて、ヒト化STC2781抗体は、STC2781の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのCDR領域(VH CD
R1、VH CDR2、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、及びVL CDR3)を有することもできる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号315のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号316のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号317のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号327のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号328のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号329のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号318のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号319のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号320のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号330のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号331のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号332のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号321のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号322のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号323のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号333のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号334のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、(a)(1)配列番号324のア
ミノ酸配列を有するVH CDR1;(2)配列番号325のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び(3)配
列番号326のアミノ酸配列を有するVH CDR3:を含む重鎖可変(VH)領域;並びに(b)(1)配列番
号336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;(2)配列番号337のアミノ酸配列を有するVL CDR2;
及び(3)配列番号338のアミノ酸配列を有するVL CDR3:を含む軽鎖可変(VL)領域を有する抗
原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗
体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、配列番号311のアミノ酸
配列を有するVH領域及び配列番号313のアミノ酸配列を有するVL領域を有する抗原結合断
片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体である
ことができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
例えば、アミノ酸置換を生じさせる部位特異的突然変異誘発及びPCR媒介性突然変異誘
発を含む、当業者に公知の標準的な技法を用いて、本明細書に提供される抗原結合断片又
は抗体をコードするヌクレオチド配列に突然変異を導入することができる。ある実施態様
において、誘導体は、もとの分子と比べて、25未満のアミノ酸置換、20未満のアミノ酸置
換、15未満のアミノ酸置換、10未満のアミノ酸置換、5未満のアミノ酸置換、4未満のアミ
ノ酸置換、3未満のアミノ酸置換、又は2未満のアミノ酸置換を含む。具体的な実施態様に
おいて、誘導体は、1以上の予測される非必須アミノ酸残基で行われる保存的アミノ酸置
換を有する。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の電荷を有する側鎖を有す
るアミノ酸残基で置き換えられる置換である。類似の電荷を有する側鎖を有するアミノ酸
残基のファミリーは当技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖
を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ
酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、電荷を持たない極性側鎖を有するアミノ酸
(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、シス
テイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイ
シン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β-分岐側鎖を有す
るアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖を有するアミ
ノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含まれる。
或いは、突然変異を、例えば、飽和突然変異誘発によって、コード配列の全て又は一部に
沿ってランダムに導入することができ、得られる突然変異体を生物学的活性についてスク
リーニングして、活性を保持する突然変異体を同定することができる。突然変異誘発の後
、コードされているタンパク質を発現させることができ、かつ該タンパク質の活性を決定
することができる。
いくつかの実施態様において、BTN1A1、二量体BTN1A1、又はグリコシル化BTN1A1に免疫
特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に提供される分子は、マウスモノクロー
ナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1012、STC1011、STC1029、STC2602、STC2714、STC
2739、STC2778、もしくはSTC2781、又はこれらの抗原結合断片、例えば、VHドメイン又は
VLドメインのアミノ酸配列と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なく
とも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なく
とも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少
なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有することができる。一実施態様において、本明
細書に提供される分子は、配列番号3、5、31、33、59、61、87、89、115、117、143、145
、199、201、227、229、255、257、283、285、311、又は313に示されるアミノ酸配列と少
なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少
なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少
なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%同一であるアミノ
酸配列を有することができる。さらに別の実施態様において、本明細書に提供される分子
は、上の表2a~12bのいずれか1つに示されるVH CDRアミノ酸配列及び/又はVL CDRアミノ
酸配列と少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくと
も55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくと
も80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%同一で
あるVH CDR及び/又はVL CDRアミノ酸配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、ストリンジェントな条件
下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(S
SC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1%SDS中、約50~65
℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合し
た核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.1×SSC/0.2
%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、又は当業者に公知の他のストリンジェントなハイ
ブリダイゼーション条件下で、表2a~12bのいずれか1つに示されるVH及び/又はVLドメイ
ンのうちのいずれか1つをコードするヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズするヌ
クレオチド配列によってコードされるVHドメインのアミノ酸配列及び/又はVLドメインの
アミノ酸配列を有することができる(例えば、Ausubel, F.M.ら編、1989、分子生物学の最
新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、第I巻、Green Publishing As
sociates社及びJohn Wiley & Sons社、New York、6.3.1~6.3.6及び2.10.3ページを参照)
別の実施態様において、本明細書に提供される分子は、ストリンジェントな条件下(例
えば、フィルターに結合したDNAに対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーション
と、その後の0.2×SSC/0.1%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジ
ェントな条件下(例えば、フィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイ
ブリダイゼーションと、その後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、又
は当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、表2a~12b
のいずれか1つに示されるVH CDR及び/又はVL CDRのうちのいずれか1つをコードするヌク
レオチド配列の相補体にハイブリダイズするヌクレオチド配列によってコードされるVH C
DRのアミノ酸配列又はVL CDRのアミノ酸配列を有することができる(例えば、Ausubel, F.
M.ら編、1989、分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)
、第I巻、Green Publishing Associates社及びJohn Wiley & Sons社、New York、6.3.1~
6.3.6及び2.10.3ページを参照)。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、表2a~12bのいずれか1つに
示されるVH CDRのアミノ酸配列もしくはVL CDRのアミノ酸配列をコードする単離された核
酸、又はストリンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化
ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後
の0.2×SSC/0.1%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条
件下(例えば、フィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼ
ーションと、その後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業
者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、表2a~12bのいず
れか1つに示されるVH CDR及び/もしくはVL CDRのいずれか1つをコードする核酸配列の相
補体にハイブリダイズする単離された核酸でもある。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、表2a~12bのいずれか1つに
示されるVHドメインのアミノ酸配列及び/もしくはVLドメインのアミノ酸配列をコードす
る単離された核酸、又はストリンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに
対する6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーシ
ョンと、その後の0.2×SSC/0.1%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃での
ハイブリダイゼーションと、その後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)
、もしくは当業者に公知の他のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、表
2a~12bのいずれか1つに示されるVH及び/もしくはVLドメインのいずれか1つをコードする
ヌクレオチド配列の相補体にハイブリダイズする単離された核酸でもある。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号4の配列、又はストリン
ジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエン
酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1%S
DS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フィ
ルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後
の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のスト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号4のヌクレオチド配列の相補
体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号6の配列、又はストリン
ジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエン
酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1%S
DS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フィ
ルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後
の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のスト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号6のヌクレオチド配列の相補
体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号32の配列、又はストリン
ジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエン
酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1%S
DS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フィ
ルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後
の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のスト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号32のヌクレオチド配列の相補
体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号36の配列、又はストリン
ジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエン
酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1%S
DS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フィ
ルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後
の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のスト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号36のヌクレオチド配列の相補
体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号60の配列、又はストリン
ジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエン
酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1%S
DS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フィ
ルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後
の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のスト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号60のヌクレオチド配列の相補
体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号62の配列、又はストリン
ジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエン
酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1%S
DS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フィ
ルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後
の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のスト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号62のヌクレオチド配列の相補
体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号88の配列、又はストリン
ジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエン
酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1%S
DS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フィ
ルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後
の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のスト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号88のヌクレオチド配列の相補
体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号90の配列、又はストリン
ジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエン
酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1%S
DS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フィ
ルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後
の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のスト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号90のヌクレオチド配列の相補
体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号116の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号116のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号118の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号118のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号144の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号144のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号146の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号146のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号200の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号200のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号202の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号202のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号228の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号228のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号230の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号230のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号256の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号256のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号258の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号258のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号284の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号284のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号286の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号286のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号312の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号312のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
いくつかの実施態様において、該単離された核酸は、配列番号314の配列、又はストリ
ンジェントな条件下(例えば、フィルターに結合したDNAに対する6×塩化ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム(SSC)中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その後の0.2×SSC/0.1
%SDS中、約50~65℃での1回以上の洗浄)、極めてストリンジェントな条件下(例えば、フ
ィルターに結合した核酸に対する6×SSC中、約45℃でのハイブリダイゼーションと、その
後の0.1×SSC/0.2%SDS中、約68℃での1回以上の洗浄)、もしくは当業者に公知の他のス
トリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号314のヌクレオチド配列の
相補体にハイブリダイズする配列を有することができる。
STC810のBTN1A1エピトープを架橋解析によってマッピングした。表13は、BTN1A1-FcとS
TC810の架橋ペプチドをまとめたものであり、これは、STC810のBTN1A1エピトープ(配列番
号171~173)を表している。図29Aは、STC810についてのBTN1A1(ECD)-Fc抗原の合成エピト
ープを示している:
Figure 2024009959000029
表14は、BTN1A1-HisとSTC810の架橋ペプチドをまとめたものであり、これは、STC810の
BTN1A1エピトープ(配列番号176~179)を表している。図29Bは、STC810についてのBTN1A1(
ECD)-His抗原の合成エピトープを示している:
Figure 2024009959000030
表13: nLC-orbitrap MS/MSによって解析されたBTN1A1-FcとSTC810との架橋ペプチド。
Figure 2024009959000031
表14: nLC-orbitrap MS/MSによって解析されたBTN1A1-HisとSTC810との架橋ペプチド。
Figure 2024009959000032
したがって、また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるBTN1A1エピトープ
を(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗原結合断片を有する分子である分子
である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、STC703、STC810、ST
C820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781
のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗原結合断片を有
する分子である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、STC703、ST
C810、又はSTC820のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する
抗原結合断片を有する分子である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される
のは、STC703又はSTC810のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮
断する抗原結合断片を有する分子である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供
されるのは、STC810のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断す
る抗原結合断片を有する分子である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供され
るのは、STC810のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断しない
抗原結合断片を有する分子である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される
分子は、本明細書に記載されるBTN1A1のエピトープに免疫特異的に結合する抗原結合断片
を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、STC703、STC810
、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC
2781のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施
態様において、本明細書に提供される分子は、STC703、STC810、又はSTC820のBTN1A1エピ
トープに免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、本
明細書に提供される分子は、STC703又はSTC810のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結合す
る抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、
STC810のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実
施態様において、本明細書に提供される分子は、STC810のBTN1A1エピトープに免疫特異的
に結合しない抗原結合断片を有する。該分子は、抗体であることができる。該抗体は、モ
ノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるBTN1
A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗BTN1A1抗体である。い
くつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるSTC703、
STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、
又はSTC2781のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗BTN
1A1抗体である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に
記載されるBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗BTN1A1
抗体である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載
されるSTC703、STC810、又はSTC820のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)
競合的に遮断する抗BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供さ
れるのは、本明細書に記載されるSTC703又はSTC810のBTN1A1エピトープを(例えば、用量
依存的な様式で)競合的に遮断する抗BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様において、
本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるSTC810のBTN1A1エピトープを(例えば
、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様にお
いて、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるSTC810のBTN1A1エピトープを(
例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断しない抗BTN1A1抗体である。いくつかの実施
態様において、本明細書に提供される抗BTN1A1抗体は、本明細書に記載されるBTN1A1のエ
ピトープに免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される
抗BTN1A1抗体は、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2
714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結合する。いく
つかの実施態様において、本明細書に提供される抗BTN1A1抗体は、STC703、STC810、又は
STC820のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、本明
細書に提供される抗BTN1A1抗体は、STC703又はSTC810のBTN1A1エピトープに免疫特異的に
結合する。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される抗BTN1A1抗体は、STC810
のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、本明細書に
提供される抗BTN1A1抗体は、STC810のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結合しない。
いくつかの実施態様において、該分子は、BTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な
様式で)競合的に遮断する抗原結合断片を有し、ここで、該BTN1A1エピトープは、配列番
号171~181のアミノ酸配列の少なくとも5個の連続するアミノ酸を有する。いくつかの実
施態様において、本明細書に提供される分子は、BTN1A1のエピトープに免疫特異的に結合
する抗原結合断片を有し、ここで、該BTN1A1エピトープは、配列番号171~181のアミノ酸
配列の少なくとも5個の連続するアミノ酸を有する。該BTN1A1のエピトープは、配列番号1
71~181のアミノ酸配列の少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9
個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14
個、又は少なくとも15個の連続するアミノ酸を有することができる。該BTN1A1のエピトー
プは、配列番号171~181のアミノ酸配列の少なくとも6個の連続するアミノ酸を有するこ
とができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号171~181のアミノ酸配列の少なくとも7
個の連続するアミノ酸を有することができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号171~1
81のアミノ酸配列の少なくとも8個の連続するアミノ酸を有することができる。該BTN1A1
のエピトープは、配列番号171~181のアミノ酸配列の少なくとも9個の連続するアミノ酸
を有することができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号171~181のアミノ酸配列の少
なくとも10個の連続するアミノ酸を有することができる。該BTN1A1のエピトープは、配列
番号171~181のアミノ酸配列の少なくとも11個の連続するアミノ酸を有することができる
。該BTN1A1のエピトープは、配列番号171~181のアミノ酸配列の少なくとも12個の連続す
るアミノ酸を有することができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号171~181のアミノ
酸配列の少なくとも13個の連続するアミノ酸を有することができる。該BTN1A1のエピトー
プは、配列番号171~181のアミノ酸配列の少なくとも14個の連続するアミノ酸を有するこ
とができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号171~181のアミノ酸配列の少なくとも15
個の連続するアミノ酸を有することができる。該分子は、抗体であることができる。該抗
体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗体は、ヒト化抗体であることができ
る。
いくつかの実施態様において、該分子は、BTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な
様式で)競合的に遮断する抗原結合断片を有し、ここで、該BTN1A1エピトープは、配列番
号171~181のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に提供され
る分子は、BTN1A1のエピトープに免疫特異的に結合する抗原結合断片を有し、ここで、該
BTN1A1エピトープは、配列番号171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、又
は181のアミノ酸配列を有する。該BTN1A1のエピトープは、配列番号171のアミノ酸配列を
有することができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号172のアミノ酸配列を有するこ
とができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号173のアミノ酸配列を有することができ
る。該BTN1A1のエピトープは、配列番号174のアミノ酸配列を有することができる。該BTN
1A1のエピトープは、配列番号175のアミノ酸配列を有することができる。該BTN1A1のエピ
トープは、配列番号176のアミノ酸配列を有することができる。該BTN1A1のエピトープは
、配列番号177のアミノ酸配列を有することができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番
号178のアミノ酸配列を有することができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号179のア
ミノ酸配列を有することができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号180のアミノ酸配
列を有することができる。該BTN1A1のエピトープは、配列番号181のアミノ酸配列を有す
ることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、例えば、抗体への任意の
タイプの分子の共有結合的付着によって化学的に修飾することができる。例えば、限定さ
れないが、抗体誘導体には、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、ア
ミド化、既知の保護基/遮断基による誘導体化、タンパク質分解的切断、細胞性リガンド
又は他のタンパク質への連結などによって化学的に修飾されている抗体が含まれる。数多
くの化学修飾のいずれかを、限定されないが、特異的な化学的切断、アセチル化、製剤化
、ツニカマイシンの代謝的合成などを含む、既知の技法によって実施することができる。
さらに、抗体は、1以上の非古典的アミノ酸を含むことができる。
本明細書に提供される分子は、当業者に公知のフレームワーク領域(例えば、ヒト又は
非ヒト断片)を有することができる。該フレームワーク領域は、例えば、天然又はコンセ
ンサスフレームワーク領域であることができる。具体的な実施態様において、本明細書に
提供される抗体のフレームワーク領域はヒトのものである(例えば、ヒトフレームワーク
領域のリストについては、Chothiaらの文献、1998, J. Mol. Biol. 278:457-479を参照さ
れたく、これは、引用により完全に本明細書中に組み込まれる)。Kabatらの文献(1991)、
免疫学的に関心のあるタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological Inte
rest)(U.S. Department of Health and Human Services, Washington, D.C.)、第5版も参
照されたい。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される抗BTN1A1抗体の
BTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗原結合断片を有す
る分子である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、STC703、STC8
10、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はS
TC2781のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗原結合断
片を有する分子である。いくつかの実施態様において、該分子は、STC810のBTN1A1エピト
ープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断しない抗原結合断片を有する。いくつ
かの実施態様において、本明細書に提供される分子は、本明細書に記載されるBTN1A1のエ
ピトープに免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、
本明細書に提供される分子は、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、S
TC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結
合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子
は、STC810のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結合しない抗原結合断片を有する。該分子
は、抗体であることができる。該抗体は、モノクローナル抗体であることができる。該抗
体は、ヒト化抗体であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるBTN1
A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗BTN1A1抗体である。い
くつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、STC703、STC810、STC820、STC1
011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781などの抗BT
N1A1抗体のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗BTN1A1
抗体である。いくつかの実施態様において、該抗BTN1A1抗体は、STC810のBTN1A1エピトー
プを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断しない。いくつかの実施態様において、
本明細書に提供される抗BTN1A1抗体は、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、ST
C1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781などの抗BTN1A1抗体のエピト
ープに免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗BTN1A1抗体は、STC810
のエピトープに免疫特異的に結合しない。いくつかの実施態様において、本明細書に提供
される抗BTN1A1抗体は、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602
、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のBTN1A1エピトープに免疫特異的に結合する
。いくつかの実施態様において、該抗BTN1A1抗体は、STC810のBTN1A1エピトープに免疫特
異的に結合しない。
ある実施態様において、本明細書に提供される分子は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、
BTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)、又はこれらのポリペプチドもしくは
ポリペプチド断片もしくはエピトープに対する高い親和性を有する。一実施態様において
、本明細書に提供される分子は、既知の抗体(例えば、本明細書の別所で論じられている
市販のモノクローナル抗体)よりもBTN1A1抗体に対する高い親和性を有する抗BTN1A1抗体
であることができる。具体的な実施態様において、本明細書に提供される分子は、本明細
書に記載される又は当業者に公知の技法(例えば、BIAcoreアッセイ)によって評価したと
き、既知の抗BTN1A1抗体よりも2~10倍(又はそれよりも)高いBTN1A1抗原に対する親和性
を有することができる抗BTN1A1抗体であることができる。これらの実施態様に従って、抗
体の親和性は、一実施態様において、BIAcoreアッセイによって評価される。
ある実施態様において、本明細書に提供される分子は、1μM以下、100nM以下、10nM以
下、1nM以下、又は0.1nM以下の解離定数(KD)でBTN1A1、グリコシル化BTN1A1、BTN1A1二量
体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)、又はこれらのポリペプチドもしくはそのポリペ
プチド断片もしくはエピトープに結合する抗原結合断片を有することができる。いくつか
の実施態様において、本明細書に提供される分子は、500nM以下のKDを有する抗BTN1A1抗
体であることができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、20
0nM以下のKDを有する抗BTN1A1抗体であることができる。いくつかの実施態様において、
本明細書に提供される分子は、100nM以下のKDを有する抗BTN1A1抗体であることができる
。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、50nM以下のKDを有する抗
BTN1A1抗体であることができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分
子は、20nM以下のKDを有する抗BTN1A1抗体であることができる。いくつかの実施態様にお
いて、本明細書に提供される分子は、10nM以下のKDを有する抗BTN1A1抗体であることがで
きる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、5nM以下のKDを有す
る抗BTN1A1抗体であることができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供され
る分子は、2nM以下のKDを有する抗BTN1A1抗体であることができる。いくつかの実施態様
において、本明細書に提供される分子は、1nM以下のKDを有する抗BTN1A1抗体であること
ができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子は、0.5nM以下のKD
を有する抗BTN1A1抗体であることができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提
供される分子は、0.1nM以下のKDを有する抗BTN1A1抗体であることができる。
ある実施態様において、本明細書に提供される分子は、BTN1A1の活性を遮断又は中和す
ることができる。該分子は、中和抗体であることができる。中和抗体は、BTN1A1とその天
然リガンドとの結合を遮断し、BTN1A1及び/又はその他の生理的活性によって媒介される
シグナル伝達経路を阻害することができる。中和抗体のIC50は、中和アッセイで0.01~10
μg/mlの範囲であることができる。中和抗体のIC50は、10μg/ml以下であることができる
。中和抗体のIC50は、8μg/ml以下であることができる。中和抗体のIC50は、6μg/ml以下
であることができる。中和抗体のIC50は、4μg/ml以下であることができる。中和抗体のI
C50は、2μg/ml以下であることができる。中和抗体のIC50は、1μg/ml以下であることが
できる。中和抗体のIC50は、0.8μg/ml以下であることができる。中和抗体のIC50は、0.6
μg/ml以下であることができる。中和抗体のIC50は、0.4μg/ml以下であることができる
。中和抗体のIC50は、0.2μg/ml以下であることができる。中和抗体のIC50は、0.1μg/ml
以下であることができる。中和抗体のIC50は、0.08μg/ml以下であることができる。中和
抗体のIC50は、0.06μg/ml以下であることができる。中和抗体のIC50は、0.04μg/ml以下
であることができる。中和抗体のIC50は、0.02μg/ml以下であることができる。中和抗体
のIC50は、0.01μg/ml以下であることができる。
BTN1A1又はグリコシル化BTN1A1又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)
に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に提供される分子は、抗BTN1A1抗
体であることができる。本明細書に提供される抗体には、合成抗体、モノクローナル抗体
、組換え産生抗体、多重特異性抗体(二重特異性抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラ
クダ化抗体、キメラ抗体、イントラボディ、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及び上記のも
ののいずれかの機能性断片が含まれるが、これらに限定されない。機能性断片の非限定的
な例としては、単鎖Fv(scFv)(例えば、単一特異性、二重特異性などを含む)、Fab断片、F
(ab')断片、F(ab)2断片、F(ab')2断片、ジスルフィド連結Fv(sdFv)、Fd断片、Fv断片、ダ
イアボディ、トリアボディ、テトラボディ、及びミニボディが挙げられる。
特に、本明細書に提供される分子には、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の
免疫学的活性部分、例えば、BTN1A1又はグリコシル化BTN1A1又はBTN1A1二量体(例えば、
グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を含む分子が含まれる
。本明細書に提供される免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子の任意のタイプ(例
えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、
IgA1、及びIgA2)、又はサブクラスのものであることができる。
本明細書に提供される分子は、単一特異性、二重特異性、三重特異性抗体、又はより高
次の多重特異性抗体であることができる。多重特異性抗体は、本明細書に記載されるBTN1
A1の異なるエピトープに特異的であることができ、又はBTN1A1ポリペプチドと異種エピト
ープ、例えば、異種ポリペプチドもしくは固体支持体材料の両方に特異的であることがで
きる。具体的な実施態様において、本明細書に提供される抗体は、BTN1A1ポリペプチドの
所与のエピトープに単一特異的であり、他のエピトープに結合しない。
(5.2.3.修飾及び誘導体)
BTN1A1又はグリコシル化BTN1A1又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)
に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する上記の分子のいずれかの結合特性を、所望
の特性を示す変異体のスクリーニングによってさらに改善することができる。例えば、そ
のような改善は、当技術分野で公知の様々なファージディスプレイ法を用いて行うことが
できる。ファージディスプレイ法において、機能的抗体ドメインは、それらをコードする
ポリヌクレオチド配列を保有するファージ粒子の表面に提示される。特定の実施態様にお
いて、そのようなファージを用いて、レパートリー又はコンビナトリアル抗体ライブラリ
ー(例えば、ヒト又はマウス)から発現される、Fab及びFv又はジスルフィド結合安定化Fv
などの抗原結合断片を提示することができる。対象となる抗原に結合する抗原結合断片を
発現するファージは、抗原を用いて、例えば、標識抗原又は固体表面もしくはビーズに結
合したもしくは捕捉された抗原を用いて選択又は同定することができる。これらの方法で
使用されるファージは、通常、fd及びM13を含む繊維状ファージである。抗原結合断片は
、ファージ遺伝子III又は遺伝子VIIIタンパク質のいずれかとの組換え融合タンパク質と
して発現される。抗体又は本明細書に記載される抗原結合断片を有する他の分子を作製す
るために使用することができるファージディスプレイ法の例としては、Brinkmanらの文献
、J Immunol Methods, 182:41-50(1995); Amesらの文献、J. Immunol. Methods, 184:177
-186(1995); Kettleboroughらの文献、Eur. J. Immunol., 24:952-958(1994); Persicら
の文献、Gene, 187:9-18(1997); Burtonらの文献、Adv. Immunol. 57:191-280(1994); PC
T公開WO 92/001047号; WO 90/02809号; WO 91/10737号; WO 92/01047号; WO 92/18619号;
WO 93/11236号; WO 95/15982号; WO 95/20401号;及び米国特許第5,698,426号;第5,223,4
09号;第5,403,484号;第5,580,717号;第5,427,908号;第5,750,753号;第5,821,047号;第5,5
71,698号;第5,427,908号;第5,516,637号;第5,780,225号;第5,658,727号;第5,733,743号、
及び第5,969,108号に開示されている方法が挙げられ;これらの文献は全て、引用により完
全に本明細書中に組み込まれる。
上の参考文献に記載されているように、ファージ選択の後、ファージ由来の抗体コード
領域を単離し、これを用いて、ヒト化抗体を含む全抗体又は任意の他の所望の断片を作製
し、例えば、以下で詳細に記載されているように、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、
酵母、及び細菌を含む、任意の所望の宿主で発現させることができる。例えば、当技術分
野で公知の方法、例えば、PCT公開WO 92/22324号; Mullinax, R. L.らの文献、BioTechni
ques, 12(6):864-869(1992);及びSawaiらの文献、Am. J. Reprod. Immunol. 34:26-34(19
95);並びにBetter, M.らの文献、Science 240:1041-1043(1988)に開示されている方法を
用いて、Fab、Fab'、及びF(ab')2断片を組換えにより産生するための技法を利用すること
もでき;これらの文献は全て、引用により完全に本明細書中に組み込まれる。単鎖Fv及び
抗体を産生するために使用することができる技法の例としては、米国特許第4,946,778号
及び第5,258,498号; Huston, J. S.らの文献、Methods in Enzymology 203:46-88(1991);
Shu, L.らの文献、Proc. Natl. Acad. Sci.(USA) 90:7995-7999;並びにSkerra. A.らの
文献、Science 240:1038-1040(1988)に記載されている技法が挙げられ;これらの文献は全
て、引用により完全に本明細書中に組み込まれる。
ファージディスプレイ技術を用いて、抗BTN1A1抗体もしくは抗グリコシル化BTN1A1抗体
もしくはBTN1A1二量体抗体、又は本明細書に記載されるBTN1A1もしくはグリコシル化BTN1
A1もしくはBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗
原結合断片を有する他の分子の親和性を増大させることができる。この技法は、本明細書
に記載されるコンビナトリアル法で使用し得る高親和性抗体を得るのに使用することがで
きる。親和性成熟と呼ばれるこの技術は、突然変異誘発又はCDRウォーキング及びそのよ
うな受容体もしくはリガンド(又はこれらの細胞外ドメイン)又はその抗原性断片を用いた
再選択を利用して、初期抗体又は親抗体と比較したときにより高い親和性で抗原に結合す
る抗体を同定する(例えば、Glaser, S. M.らの文献、J. Immunol. 149:3903-3913(1992)
を参照)。単一のヌクレオチドではなく、全コドンを突然変異誘発すると、アミノ酸突然
変異の半ランダムレパートリーが得られる。その各々が単一のCDR中で1アミノ酸変化だけ
異なり、かつ各々のCDR残基に対して各々の可能なアミノ酸置換を表す変異体を含有する
、変異体クローンのプールからなるライブラリーを構築することができる。固定された突
然変異体を標識抗原と接触させることにより、抗原に対する結合親和性が増大した突然変
異体をスクリーニングすることができる。当技術分野で公知の任意のスクリーニング法を
用いて、抗原に対する結合力が増大した突然変異抗体を同定することができる(例えば、E
LISA)(例えば、Wu, H.らの文献、Proc. Natl. Acad. Sci.(USA) 95(11):6037-6042(1998)
; Yelton, D. E.らの文献、J. Immunol. 155:1994-2004(1995)を参照)。軽鎖をランダム
化するCDRウォーキングを使用することもできる(Schierらの文献、J. Mol. Biol. 263:55
1-567(1996)を参照)。
ランダムな突然変異誘発をファージディスプレイの方法と協調して用いて、改善された
CDR及び/又は可変領域を同定することができる。或いは、ファージディスプレイ技術を用
いて、有向突然変異誘発(例えば、親和性成熟又は「CDR-ウォーキング」)により、CDR親
和性を増大させる(又は減少させる)ことができる。この技法は、標的抗原又はその抗原性
断片を用いて、初期抗体又は親抗体と比較したときにより高い(又は低い)親和性で抗原に
結合するCDRを有する抗体を同定する(例えば、Glaser, S. M.らの文献、J. Immunol. 149
:3903-3913(1992)を参照)。
そのような親和性成熟を達成する方法は、例えば: Krause, J. C.らの文献、MBio. 2(1
) pii: e00345-10. doi: 10.1128/mBio.00345-10(2011); Kuan, C. T.らの文献、Int. J.
Cancer 10.1002/ijc.25645; Hackel, B. J.らの文献、J. Mol. Biol. 401(1):84-96(201
0); Montgomery, D. L.らの文献、MAbs 1(5):462-474(2009); Gustchina, E.らの文献、
Virology 393(1):112-119(2009); Finlay, W. J.らの文献、J. Mol. Biol. 388(3):541-5
58(2009); Bostrom, J.らの文献、Methods Mol. Biol. 525:353-376(2009); Steidl, S.
らの文献、Mol. Immunol. 46(1):135-144(2008);及びBarderas, R.らの文献、Proc. Natl
. Acad. Sci.(USA) 105(26):9029-9034(2008)に記載されており;これらの文献は全て、引
用により完全に本明細書中に組み込まれる。
本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体(例えば
、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する上記の分子
のいずれかの誘導体であって、抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化BTN1A1抗体、又は抗BTN1A1
二量体抗体であり得るが、「親」(又は野生型)分子と比べて、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ
、又はそれより多くのアミノ酸置換、付加、欠失、又は修飾を有する、誘導体でもある。
そのようなアミノ酸置換又は付加は、天然の(すなわち、DNAによってコードされた)又は
非天然のアミノ酸残基を導入することができる。そのようなアミノ酸は、グリコシル化さ
れたり(例えば、マンノース、2-N-アセチルグルコサミン、ガラクトース、フコース、グ
ルコース、シアル酸、5-N-アセチルノイラミン酸、5-グリコールノイラミン酸などの含有
量が改変されたり)、アセチル化されたり、ペグ化されたり、リン酸化されたり、アミド
化されたり、既知の保護/遮断基によって誘導体化されたり、タンパク質分解的切断を受
けたり、細胞性リガンド又は他のタンパク質に連結されたりなどすることができる。いく
つかの実施態様において、炭水化物修飾の改変は、以下のもの:抗体の可溶化、抗体の細
胞内輸送及び分泌の円滑化、抗体会合の促進、立体構造完全性、並びに抗体媒介性エフェ
クター機能のうちの1つ又は複数を調節する。いくつかの実施態様において、炭水化物修
飾の改変は、炭水化物修飾を欠く抗体と比べて、抗体媒介性エフェクター機能を増強する
。抗体媒介性エフェクター機能の改変をもたらす炭水化物修飾は当技術分野で周知である
(例えば、Shields, R. L.らの文献、J. Biol. Chem. 277(30): 26733-26740(2002); Davi
es J.らの文献、Biotechnology & Bioengineering 74(4): 288-294(2001)を参照されたく
;これらの文献は全て、引用により完全に本明細書中に組み込まれる)。炭水化物含有量を
改変する方法は当業者に公知であり、例えば、Wallick, S. C.らの文献、J. Exp. Med. 1
68(3): 1099-1109(1988); Tao, M. H.らの文献、J. Immunol. 143(8): 2595-2601(1989);
Routledge, E. G.らの文献、Transplantation 60(8):847-53(1995); Elliott, S.らの文
献、Nature Biotechnol. 21:414-21(2003); Shields, R. L.らの文献、J. Biol. Chem. 2
77(30): 26733-26740(2002)を参照されたく;これらの文献は全て、引用により完全に本明
細書中に組み込まれる。
いくつかの実施態様において、ヒト化抗体は誘導性抗体である。そのようなヒト化抗体
は、1以上の非ヒトCDR中に、アミノ酸残基の置換、欠失、又は付加を含む。ヒト化抗体誘
導体は、非誘導性ヒト化抗体と比較したとき、実質的に同じ結合、より良い結合、又はよ
り悪い結合を有することができる。いくつかの実施態様において、CDRの1つ、2つ、3つ、
4つ、又は5つのアミノ酸残基は突然変異させられており、例えば、置換され、欠失させら
れ、又は付加されている。
本明細書に記載される分子及び抗体は、限定されないが、特異的な化学的切断、アセチ
ル化、製剤化、ツニカマイシンの代謝的合成などを含む、当業者に公知の技法を用いる化
学修飾によって修飾することができる。一実施態様において、誘導性分子又は誘導性抗体
は、親分子又は親抗体と同様又は同一の機能を保有する。別の実施態様において、誘導性
分子又は誘導性抗体は、親分子又は親抗体と比べて改変された活性を示す。例えば、誘導
性抗体(又はその断片)は、親抗体よりも強固にそのエピトープに結合するか、又は親抗体
よりもタンパク質分解に耐性があることができる。
誘導体化抗体における置換、付加、又は欠失は、抗体のFc領域中のものであることがで
き、それにより、1以上のFcγRに対する抗体の結合親和性を修飾する役割を果たすことが
できる。1以上のFcγRに対する結合が修飾された抗体を修飾する方法は当技術分野で公知
であり、例えば、PCT公開WO 04/029207号、第WO 04/029092号、第WO 04/028564号、第WO
99/58572号、第WO 99/51642号、第WO 98/23289号、第WO 89/07142号、第WO 88/07089号、
並びに米国特許第5,843,597号及び5,642,821号を参照されたく;これらの文献は全て、引
用により完全に本明細書中に組み込まれる。いくつかの実施態様において、該抗体又は他
の分子は、活性化FcγR、例えば、FcγRIIIAに対する改変された親和性を有することがで
きる。好ましくは、そのような修飾は、改変されたFc媒介性エフェクター機能も有する。
Fc媒介性エフェクター機能に影響を及ぼす修飾は当技術分野で周知である(米国特許第6,1
94,551号、及びWO 00/42072号を参照)。いくつかの実施態様において、Fc領域の修飾は、
改変された抗体媒介性エフェクター機能、他のFc受容体(例えば、Fc活性化受容体)への改
変された結合、改変された抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)活性、改変されたC1q
結合活性、改変された補体依存的細胞傷害性活性(CDC)、貪食活性、又はこれらの任意の
組合せを有する抗体を生じさせる。
ADCCは、FcRを発現する抗原非特異的細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細
胞、好中球、及びマクロファージ)が標的細胞の表面に結合した抗体を認識し、その後、
標的細胞の溶解を引き起こす(すなわち、標的細胞を「殺傷する」)細胞媒介性反応である
。主なメディエーター細胞はNK細胞である。NK細胞はFcγRIIIのみを発現し、FcγRIIIA
は活性化受容体であり、かつFcγRIIIBは阻害受容体であり;単球は、FcγRI、FcγRII、
及びFcγRIIIを発現する(Ravetchらの文献(1991) Annu. Rev. Immunol., 9:457-92)。ADC
C活性は、標的細胞の溶解が半最大となる抗体又はFc融合タンパク質の濃度として表すこ
とができる。したがって、いくつかの実施態様において、溶解レベルが野生型対照による
半最大溶解レベルと同じとなる、本発明の抗体又はFc融合タンパク質の濃度は、野生型対
照自体の濃度よりも少なくとも2、3、5、10、20、50、100倍低い。さらに、いくつかの実
施態様において、本発明の抗体又はFc融合タンパク質は、野生型対照と比較して、より高
い最大標的細胞溶解を示すことができる。例えば、抗体又はFc融合タンパク質の最大標的
細胞溶解は、野生型対照の最大標的細胞溶解よりも10%、15%、20%、25%、又はそれよ
り大きいものであることができる。
本明細書に記載される分子及び抗体は、増強された効力を有するように修飾されること
ができる。いくつかの実施態様において、該分子及び抗体は、エフェクター機能に関して
、例えば、ADCC及び/又は補体依存的細胞傷害性(CDC)を増強するように修飾される。いく
つかの実施態様において、これらの治療的分子又は抗体は、Fc受容体を保有するキラー細
胞との増強された相互作用を有する。ADCCなどのエフェクター機能の増強は、Fc領域に1
以上のアミノ酸置換を導入することを含む、様々な手段によって達成することができる。
また、システイン残基をFc領域に導入し、この領域における鎖間ジスルフィド結合形成を
可能にすることができる。ホモ二量体抗体は、改善された内在化能力並びに/又は増大し
たCDC及びADCCを有することもできる。Caronらの文献、J. Exp Med., 176:1191-95(1992)
及びShopes, Bの文献、J. Immunol., 148:2918-22(1992)。増強された抗癌活性を有する
ホモ二量体抗体を、ヘテロ官能性クロスリンカーを用いて調製することもできる。Wolff
らの文献、Cancer Research, 53:2560-65(1993)。さらに、二重のFc領域を有し、それに
より、増強されたCDC及びADCC能力を有することができる抗体又は分子を人為的に作製す
ることができる。Stevensonらの文献、Anti-Cancer Drug Design 3:219-30(1989)。
Fc領域のグリコシル化パターンを改変することもできる。いくつかの抗体グリコシル化
形態は、ADCCを含むエフェクター機能に対するプラスの効果を有すると報告されている。
したがって、Fc領域の炭水化物成分の改変、特に、コアフコシル化の低下も、増強された
治療効力を有することができる。Shinkawa T,らの文献、J Biol. Chem., 278:3466-73(20
03); Niwa R,らの文献、Cancer Res., 64:2127-33(2004); Okazaki A,らの文献、J Mol.
Biol. 336:1239^19(2004);及びShields RL,らの文献、J Biol. Chem.277:26733-40(2002)
。選択されたグライコフォームを有する本明細書に記載される抗体又は分子を、グリコシ
ル化経路阻害剤、グリコシル化経路内の特定の酵素の活性が欠如又は低下している突然変
異体細胞株、グリコシル化経路内の遺伝子発現が増強されているか又はノックアウトされ
ているかのいずれかの改変細胞、並びにグリコシダーゼ及びグリコシルトランスフェラー
ゼによるインビトロリモデリングの使用を含む、いくつかの手段によって産生することが
できる。Fc領域のグリコシル化を修飾し、抗体又は抗原結合断片を有する他の分子の治療
効力を増強する方法は当技術分野で公知である。Rothmanらの文献、Molecular Immunolog
y 26: 1113-1123(1989); Umanaらの文献、Nature Biotechnology 17: 176-180(1999); Sh
ieldsらの文献、JBC 277:26733-26740(2002); Shinkawaらの文献、JBC 278: 3466-3473(2
003); Bischoffらの文献、J. Biol. Chem. 265(26):15599-15605(1990);米国特許第6,861
,242号及び第7,138,262号、並びに米国公開第2003/0124652号;これらの文献は全て、引用
により完全に本明細書中に組み込まれる。当業者であれば、本明細書に提供される抗体及
び分子を、増強された治療効力を有するように、当技術分野で公知の任意の方法によって
修飾することができることを理解するであろう。
誘導性分子又は抗体は、哺乳動物、好ましくは、ヒトにおいて、親分子又は抗体の改変
された半減期(例えば、血清半減期)を有することもできる。いくつかの実施態様において
、そのような改変は、15日超、好ましくは、20日超、25日超、30日超、35日超、40日超、
45日超、2カ月超、3カ月超、4カ月超、又は5カ月超の半減期をもたらす。哺乳動物、好ま
しくは、ヒトにおけるヒト化抗体又は他の分子の増大した半減期は、哺乳動物における該
抗体又は他の分子のより高い血清力価をもたらし、そのため、該抗体もしくは他の分子の
投与の頻度を低下させ、かつ/又は投与されることになる該抗体もしくは他の分子の濃度
を低下させる。増大したインビボ半減期を有する分子又は抗体は、当業者に公知の技法に
よって作製することができる。例えば、増大したインビボ半減期を有する分子又は抗体は
、FcドメインとFcRn受容体の相互作用に関与することが確認されたアミノ酸残基を修飾す
る(例えば、置換する、欠失させる、又は付加する)ことにより作製することができる。本
明細書に記載されるヒト化抗体を改変して、生物学的半減期を増大させることができる(
例えば、米国特許第6,277,375号を参照)。例えば、本明細書に記載されるヒト化抗体を、
増大したインビボ又は血清半減期を有するように、Fc-ヒンジドメインで改変することが
できる。
増大したインビボ半減期を有する本明細書に記載される分子又は抗体は、該抗体又は抗
体断片に高分子量ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー分子を付着させることに
より作製することができる。PEGは、多官能性リンカーの有無を問わず、PEGの該分子もし
くは抗体のN-又はC-末端への部位特異的コンジュゲーションによるか、又はリジン残基上
に存在するε-アミノ基を介して、該分子又は抗体に付着させることができる。生物学的
活性の最小限の損失をもたらす線状又は分岐状ポリマーの誘導体化を使用することができ
る。コンジュゲーションの程度をSDS-PAGE及び質量分析によって厳重にモニタリングし、
PEG分子の抗体への適切なコンジュゲーションを保証することができる。未反応のPEGは、
例えば、サイズ排除又はイオン交換クロマトグラフィーによって、抗体-PEGコンジュゲー
トから分離することができる。
本明細書に記載される分子又は抗体は、免疫原性応答を実質的に伴わずに哺乳動物循環
系に注射することができる組成物を提供するために、Davisらの文献(米国特許第4,179,33
7号を参照)に記載されている方法及びカップリング剤によって修飾することもできる。Fc
部分の除去は、抗体断片が望ましくない免疫学的応答を誘発する可能性を低下させ、した
がって、Fcがない抗体を予防的又は治療的処置に使用することができる。上記のように、
抗体は、他の種で産生された又は他の種由来の配列を有する抗体を動物に投与することに
より生じる有害な免疫学的帰結を軽減し又は消失させるために、キメラ、部分的に又は完
全にヒトのものになるように構築することもできる。
(5.2.3.融合体及びコンジュゲート)
本明細書に提供されるのは、抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化BTN1A1抗体、及び抗BTN1A1
二量体抗体を含む、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシ
ル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子である。いくつか
の実施態様において、そのような分子は、他のタンパク質との融合タンパク質として発現
されるか、又は別の部分に化学的にコンジュゲートされる。
いくつかの実施態様において、該分子は、Fc部分を有する融合タンパク質であり、ここ
で、該Fc部分は、アイソタイプもしくはサブクラスによって異なることができ、キメラも
しくはハイブリッドであることができ、及び/又は例えば、エフェクター機能、半減期の
制御、組織への接近可能性を改善し、安定性などの生物物理学的な特性を強化し、かつ産
生の効率を改善する(より低コストにする)ように修飾することができる。開示されている
融合タンパク質の構築において有用な多くの修飾及びそれを行う方法は当技術分野で公知
であり、例えば、Mueller, J. P.らの文献、Mol. Immun. 34(6):441-452(1997), Swann,
P. G.の文献、Curr. Opin. Immun. 20:493-499(2008)、及びPresta, L. G.の文献、Curr.
Opin. Immun. 20:460-470(2008)を参照されたい。いくつかの実施態様において、該Fc領
域は、ネイティブのIgG1、IgG2、又はIgG4 Fc領域である。いくつかの実施態様において
、該Fc領域は、ハイブリッド、例えば、IgG2/IgG4 Fc定常領域を有するキメラである。該
Fc領域に対する修飾には、Fcγ受容体及び補体への結合を妨げるように修飾されたIgG4、
1以上のFcγ受容体への結合を改善するように修飾されたIgG1、エフェクター機能(アミノ
酸変化)を最小化するように修飾されたIgG1、(典型的には、発現宿主を変更することによ
り)グリカンが改変された/グリカンを含まないIgG1、並びにFcRnへのpH依存的結合が改変
されたIgG1が含まれるが、これらに限定されない。該Fc領域は、ヒンジ領域全体、又はヒ
ンジ全体に満たない領域を含むことができる。
別の実施態様は、その半減期を増大させるFcRへの結合が低下しているIgG2-4ハイブリ
ッド及びIgG4突然変異体を含む。代表的なIG2-4ハイブリッド及びIgG4突然変異体は、Ang
alらの文献、Molec. Immunol. 30(1):105-108(1993); Muellerらの文献、Mol. Immun. 34
(6):441-452(1997);及び米国特許第6,982,323号に記載されており;これらの文献は全て、
引用により完全に本明細書中に組み込まれる。いくつかの実施態様において、IgG1及び/
又はIgG2ドメインは欠失しており、例えば、Angalらの文献には、セリン241がプロリンと
置き換えられているIgG1及びIgG2が記載されている。
いくつかの実施態様において、該分子は、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくと
も30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくと
も80個、少なくとも90個、又は少なくとも100個のアミノ酸を有するポリペプチドである
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子であって、少な
くとも1つの部分に連結しているか、又は該部分に共有結合しているか、又は該部分との
複合体を形成する分子である。そのような部分は、診断剤又は治療剤としての分子の効力
を増大させる部分であることができるが、それに限定されない。いくつかの実施態様にお
いて、該部分は、イメージング剤、毒素、治療的酵素、抗生物質、放射性標識ヌクレオチ
ドなどであることができる。
本明細書に提供される分子は、治療的部分(又は1以上の治療的部分)を含むことができ
る。本明細書に提供される分子は、細胞毒素、例えば、細胞増殖抑制剤もしくは細胞破壊
剤、治療剤、又は放射性金属イオン、例えば、α-放射体などの、治療的部分にコンジュ
ゲートされた又は組換え融合させられた抗体であることができる。細胞毒素又は細胞毒性
剤には、細胞にとって有害である任意の薬剤が含まれる。治療的部分としては、代謝拮抗
薬(例えば、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-
フルオロウラシル、デカルバジン(decarbazine));アルキル化剤(例えば、メクロレタミン
、チオエパ(thioepa)、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BCNU)、及びロム
スチン(CCNU)、シクロトスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニ
トール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、及びシスジクロロジアミン白金(II)(DD
P)、並びにシスプラチン);アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(旧名、ダウノマ
イシン)及びドキソルビシン);抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(旧名、アクチノマイ
シン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、及びアントラマイシン(AMC));オーリスタチン
分子(例えば、オーリスタチンPHE、オーリスタチンF、モノメチルオーリスタチンE、ブリ
オスタチン1、及びソラスタチン10; Woykeらの文献、Antimicrob. Agents Chemother. 46
:3802-8(2002)、Woykeらの文献、Antimicrob. Agents Chemother. 45:3580-4(2001)、Moh
ammadらの文献、Anticancer Drugs 12:735-40(2001)、Wallらの文献、Biochem. Biophys.
Res. Commun. 266:76-80(1999)、Mohammadらの文献、Int. J. Oncol. 15:367-72(1999)
を参照されたく、これらは全て、引用により本明細書中に組み込まれる);ホルモン(例え
ば、グルココルチコイド、プロゲスチン、アンドロゲン、及びエストロゲン)、DNA修復酵
素阻害剤(例えば、エトポシド又はトポテカン)、キナーゼ阻害剤(例えば、化合物ST1571
、メシル酸イマチニブ(Kantarjianらの文献、Clin Cancer Res. 8(7):2167-76(2002));細
胞毒性剤(例えば、パクリタキセル、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム
、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチ
ン、コルヒチン(colchicin)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラ
シンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテス
トステロン、グルコルチコイド(glucorticoid)、プロカイン、テトラカイン、リドカイン
、プロプラノロール、及びピューロマイシン並びにこれらの類似体又はホモログ、並びに
米国特許第6,245,759号、第6,399,633号、第6,383,790号、第6,335,156号、第6,271,242
号、第6,242,196号、第6,218,410号、第6,218,372号、第6,057,300号、第6,034,053号、
第5,985,877号、第5,958,769号、第5,925,376号、第5,922,844号、第5,911,995号、第5,8
72,223号、第5,863,904号、第5,840,745号、第5,728,868号、第5,648,239号、第5,587,45
9号に開示されている化合物);ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、R115777
、BMS-214662、並びに例えば、米国特許第6,458,935号、第6,451,812号、第6,440,974号
、第6,436,960号、第6,432,959号、第6,420,387号、第6,414,145号、第6,410,541号、第6
,410,539号、第6,403,581号、第6,399,615号、第6,387,905号、第6,372,747号、第6,369,
034号、第6,362,188号、第6,342,765号、第6,342,487号、第6,300,501号、第6,268,363号
、第6,265,422号、第6,248,756号、第6,239,140号、第6,232,338号、第6,228,865号、第6
,228,856号、第6,225,322号、第6,218,406号、第6,211,193号、第6,187,786号、第6,169,
096号、第6,159,984号、第6,143,766号、第6,133,303号、第6,127,366号、第6,124,465号
、第6,124,295号、第6,103,723号、第6,093,737号、第6,090,948号、第6,080,870号、第6
,077,853号、第6,071,935号、第6,066,738号、第6,063,930号、第6,054,466号、第6,051,
582号、第6,051,574号、及び第6,040,305号によって開示されているもの);トポイソメラ
ーゼ阻害剤(例えば、カンプトテシン;イリノテカン; SN-38;トポテカン; 9-アミノカンプ
トテシン; GG-211(GI 147211); DX-8951f; IST-622;ルビテカン;ピラゾロアクリジン; XR
-5000;サイントピン; UCE6; UCE1022; TAN-1518A; TAN 1518B; KT6006; KT6528; ED-110;
NB-506; ED-110; NB-506;及びレベッカマイシン);ブルガレイン; DNAマイナーグルーブ
結合剤、例えば、Hoescht色素33342及びHoechst色素33258;ニチジン;ファガロニン;エピ
ベルベリン;コラリン;β-ラパコン; BC-4-1;ビスホスホネート(例えば、アレンドロネー
ト、シマドロント(cimadronte)、クロドロネート、チルドロネート、エチドロネート、イ
バンドロネート、ネリドロネート、オルパンドロネート、リセドロネート、ピリドロネー
ト、パミドロネート、ゾレンドロネート)、HMG-CoA還元酵素阻害剤(例えば、ロバスタチ
ン、シンバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、スタチン、
セリバスタチン、レスコール、ルピトール、ロスバスタチン、及びアトルバスタチン);ア
ンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、米国特許第6,277,832号、第5,998,596号、第5,8
85,834号、第5,734,033号、及び第5,618,709号に開示されているもの);アデノシンデアミ
ナーゼ阻害剤(例えば、リン酸フルダラビン及び2-クロロデオキシアデノシン);イブリツ
モマブチウキセタン(Zevalin(登録商標));トシツモマブ(Bexxar(登録商標)))、並びにこ
れらの医薬として許容し得る塩、溶媒和物、包摂化合物、及びプロドラッグが挙げられる
が、これらに限定されない。
さらに、本明細書に提供される分子は、所与の生物学的応答を修飾する治療的部分又は
薬物部分にコンジュゲートするか、又は組換え融合させることができる抗体である。治療
的部分又は薬物部分は、古典的な化学治療剤に限定されるものとみなすべきではない。例
えば、薬物部分は、所望の生物学的活性を保有するタンパク質、ペプチド、又はポリペプ
チドであることができる。そのようなタンパク質としては、例えば、毒素、例えば、アブ
リン、リシンA、緑膿菌外毒素、コレラ毒素、もしくはジフテリア毒素;タンパク質、例え
ば、腫瘍壊死因子、γ-インターフェロン、α-インターフェロン、神経成長因子、血小板
由来成長因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、アポトーシス物質、例えば、TNF-γ、
TNF-γ、AIM I(国際公開WO 97/33899号を参照)、AIM II(国際公開WO 97/34911号を参照)
、Fasリガンド(Takahashiらの文献、1994、J. Immunol.、6:1567-1574)、及びVEGF(国際
公開WO 99/23105号を参照)、抗血管形成物質、例えば、アンギオスタチン、エンドスタチ
ン、もしくは凝固経路の構成要素(例えば、組織因子);又は生物応答修飾物質、例えば、
リンホカイン(例えば、インターフェロンγ、インターロイキン-1(「IL-1」)、インター
ロイキン-2(「IL-2」)、インターロイキン-5(「IL-5」)、インターロイキン-6(「IL-6」)
、インターロイキン-7(「IL-7」)、インターロイキン9(「IL-9」)、インターロイキン-10
(「IL-10」)、インターロイキン-12(「IL-12」)、インターロイキン-15(「IL-15」)、イ
ンターロイキン-23(「IL-23」)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM-CSF」)、
及び顆粒球コロニー刺激因子(「G-CSF」)など)、もしくは成長因子(例えば、成長ホルモ
ン(「GH」))、又は凝固作用物質(例えば、カルシウム、ビタミンK、組織因子、例えば、
限定されないが、ハーゲマン因子(第XII因子)、高分子量キニノーゲン(HMWK)、プレカリ
クレイン(PK)、凝固タンパク質-第II因子(プロトロンビン)、第V因子、第XIIa因子、第V
III因子、第XIIIa因子、第XI因子、第XIa因子、第IX因子、第IXa因子、第X因子、リン脂
質、及びフィブリン単量体)を挙げることができる。
さらに、本明細書に提供される抗体は、治療的部分、例えば、放射性金属イオン、例え
ば、α-放射体、例えば、213Bi、又は限定されないが、131In、131LU、131Y、131Ho、131
Smを含む、放射性金属イオンをポリペプチドにコンジュゲートするのに有用な大環状キレ
ート化剤にコンジュゲートすることができる。ある実施態様において、該大環状キレート
化剤は、リンカー分子を介して抗体に結合させることができる1,4,7,10-テトラアザシク
ロドデカン-N,N',N'',N'''-四酢酸(DOTA)である。そのようなリンカー分子は、当技術分
野で一般に知られており、各々引用により完全に組み込まれる、Denardoらの文献、1998,
Clin Cancer Res. 4(10):2483-90; Petersonらの文献、1999, Bioconjug. Chem. 10(4):
553-7;及びZimmermanらの文献、1999, Nucl. Med. Biol. 26(8):943-50に記載されている
BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)
に免疫特異的に結合する本明細書に提供される抗体にコンジュゲートされる又は組換え融
合させられる治療的部分又は薬物は、所望の予防的又は治療的効果を達成するように選択
されるべきである。ある実施態様において、該抗体は、修飾抗体である。臨床医又は他の
医療従事者は、どの治療的部分又は薬物を本明細書に提供される抗体にコンジュゲートし
又は組換え融合させるかを決定するときに、以下のこと:疾患の性質、疾患の重症度、及
び対象の状態を考慮すべきである。
いくつかの実施態様において、該部分は、酵素、ホルモン、細胞表面受容体、毒素(例
えば、アブリン、リシンA、緑膿菌外毒素(すなわち、PE-40)、ジフテリア毒素、リシン、
ゲロニン、又はヨウシュヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質)、タンパク質(例えば、腫瘍壊
死因子、インターフェロン(例えば、α-インターフェロン、β-インターフェロン)、神経
成長因子、血小板由来成長因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、又はアポトーシス物
質(例えば、腫瘍壊死因子-α、腫瘍壊死因子-β))、生物応答修飾物質(例えば、例えば、
リンホカイン(例えば、インターロイキン-1(「IL-1」)、インターロイキン-2(「IL-2」)
、インターロイキン-6(「IL-6」))、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM-CSF」
)、顆粒球コロニー刺激因子(「G-CSF」)、もしくはマクロファージコロニー刺激因子(「M
-CSF」))、又は成長因子(例えば、成長ホルモン(「GH」)))、細胞毒素(例えば、細胞増殖
抑制剤又は細胞破壊剤、例えば、パクリタキソール(paclitaxol)、サイトカラシンB、グ
ラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、
ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン(colchicin)、ドキソルビシン、ダウノル
ビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチ
ノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカ
イン、リドカイン、プロプラノロール、モノメチルオーリスタチンF(MMAF)、モノメチル
オーリスタチンE(MMAE;例えば、ベドチン)、及びピューロマイシン、並びにこれらの類似
体又はホモログ)、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-チオ
グアニン、シタラビン、5-フルオロウラシル、デカルバジン(decarbazine))、アルキル化
剤(例えば、メクロレタミン、チオエパ(thioepa)、クロラムブシル、メルファラン、BiCN
U(登録商標)(カルムスチン; BSNU)、及びロムスチン(CCNU)、シクロトスファミド(cyclot
hosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイ
シンC、並びにシスジクロロジアミン白金(II)(DDP)、シスプラチン)、アントラサイクリ
ン(例えば、ダウノルビシン(旧名、ダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生物質(例
えば、ダクチノマイシン(旧名、アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、
及びアントラマイシン(AMC))、或いは抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブ
ラスチン)であることができる。
そのような治療的部分を抗体にコンジュゲートする技法は周知であり;例えば、Amonら
の文献、「癌療法における薬物の免疫標的化のためのモノクローナル抗体(Monoclonal An
tibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy)」、モノクローナル抗体及
び癌療法(MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY)、Reisfeldら(編), 1985, pp. 24
3-56, Alan R. Liss社に所収); Hellstromらの文献、「薬物送達のための抗体(Antibodie
s For Drug Delivery)」、制御薬物送達(CONTROLLED DRUG DELIVERY)(第2版)、Robinson
ら(編), 1987, pp. 623-53, Marcel Dekker社に所収); Thorpeの文献、「癌療法における
細胞毒性剤の抗体担体:概説(Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therap
y: A Review)」、モノクローナル抗体, 84:生物学的及び臨床的応用(MONOCLONAL ANTIBOD
IES '84: BIOLOGICAL AND CLINICAL APPLICATIONS)、Pincheraら(編), 1985, pp. 475-50
6に所収);「癌療法における放射性標識抗体の治療的使用の解析、結果、及び将来的展望(
Analysis, Results, And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled
Antibody In Cancer Therapy」、癌の検出及び治療のためのモノクローナル抗体(MONOCL
ONAL ANTIBODIES FOR CANCER DETECTION AND THERAPY)、Baldwinら(編), 1985, pp. 303-
16, Academic Pressに所収; Thorpeらの文献、Immunol. Rev. 62:119-158(1982); Carter
らの文献、Cancer J. 14(3):154-169(2008); Alleyらの文献、Curr. Opin. Chem. Biol.
14(4):529-537(2010); Carterらの文献、Amer. Assoc. Cancer Res. Educ. Book. 2005(1
):147-154(2005); Carterらの文献、Cancer J. 14(3):154-169(2008); Chariの文献、Acc
. Chem Res. 41(1):98-107(2008); Doroninaらの文献、Nat. Biotechnol. 21(7):778-784
(2003); Ducryらの文献、Bioconjug Chem. 21(1):5-13(2010); Senterの文献、Curr. Opi
n. Chem. Biol. 13(3):235-244(2009);及びTeicherの文献、Curr Cancer Drug Targets.
9(8):982-1004(2009)を参照されたい。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載される分子をペプチドなどのマーカーに
コンジュゲートして、精製を容易にすることができる。いくつかの実施態様において、該
マーカーは、ヘキサ-ヒスチジンペプチド、インフルエンザ血球凝集素タンパク質に由来
するエピトープに対応する血球凝集素「HA」タグ(Wilson, I. A.らの文献、Cell, 37:767
-778(1984))、又は「flag」タグ(Knappik, A.らの文献、Biotechniques 17(4):754-761(1
994))である。
いくつかの実施態様において、該部分は、アッセイで検出することができるイメージ剤
であることができる。そのようなイメージ剤は、酵素、補欠分子族、放射性標識、非放射
性常磁性金属イオン、ハプテン、蛍光標識、リン光分子、化学発光分子、発色団、発光分
子、生体発光分子、光親和性分子、有色粒子、又はリガンド、例えば、ビオチンであるこ
とができる。
いくつかの実施態様において、酵素には、限定されないが、西洋ワサビペルオキシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼ
が含まれ;補欠分子族複合体には、限定されないが、ストレプトアビジン/ビオチン及びア
ビジン/ビオチンが含まれ;蛍光物質には、限定されないが、ウンベリフェロン、フルオレ
セイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン
フルオレセイン、ダンシルクロリド、又はフィコエリスリンが含まれ;発光物質、例えば
、限定されないが、ルミノール;生体発光物質には、限定されないが、ルシフェラーゼ、
ルシフェリン、及びイクオリンが含まれ;放射性物質には、限定されないが、ビスマス(21
3Bi)、炭素(14C)、クロム(51Cr)、コバルト(57Co)、フッ素(18F)、ガドリニウム(153Gd、
159Gd)、ガリウム(68Ga、67Ga)、ゲルマニウム(68Ge)、ホルミウム(166Ho)、インジウム(
115In、113In、112In、111In)、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、ランタニウム(140La)
、ルテチウム(177Lu)、マンガン(54Mn)、モリブデン(99Mo)、パラジウム(103Pd)、リン(3
2P)、プラセオジム(142Pr)、プロメチウム(149Pm)、レニウム(186Re、188Re)、ロジウム(
105Rh)、ルテミウム(97Ru)、サマリウム(153Sm)、スカンジウム(47Sc)、セレン(75Se)、
ストロンチウム(85Sr)、硫黄(35S)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Ti)、スズ(113Sn
117Sn)、トリチウム(3H)、キセノン(133Xe)、イッテルビウム(169Yb、175Yb)、イット
リウム(90Y)、亜鉛(65Zn);様々な陽電子放射断層撮影法を用いる陽電子放射金属、並びに
非放射性常磁性金属イオンが含まれる。
イメージ剤は、当技術分野で公知の技法を用いて、直接的に、又は中間体(例えば、例
えば、当技術分野で公知のリンカー)を介して間接的に、抗原結合断片を有する分子にコ
ンジュゲートすることができる。診断薬として使用される本明細書に記載される抗体及び
他の分子にコンジュゲートすることができる金属イオンについては、例えば、米国特許第
4,741,900号を参照されたい。いくつかのコンジュゲーション法は、例えば、抗体に付着
した、ジエチレントリアミン五酢酸無水物(DTPA);エチレントリアミン四酢酸; N-クロロ-
p-トルエンスルホンアミド;及び/又はテトラクロロ-3-6α-ジフェニルグリコウリル-3な
どの有機キレート化剤を利用する金属キレート錯体の使用を含む。モノクローナル抗体を
、グルタルアルデヒド又は過ヨウ素酸塩などのカップリング剤の存在下で、酵素と反応さ
せることもできる。フルオレセインマーカーとのコンジュゲートを、これらのカップリン
グ剤の存在下で又はイソチオシアネートとの反応によって調製することができる。
本明細書に記載される分子を第二の抗体にコンジュゲートして、Segalによって米国特
許第4,676,980号に記載されている抗体ヘテロコンジュゲートを形成させることができる
。そのようなヘテロコンジュゲート抗体は、ハプテン(例えば、フルオレセイン)に、又は
細胞マーカー(例えば、4-1-BB、B7-H4、CD4、CD8、CD14、CD25、CD27、CD40、CD68、CD16
3、CTLA4、GITR、LAG-3、OX40、TIM3、TIM4、TLR2、LIGHT、ICOS、B7-H3、B7-H7、B7-H7C
R、CD70、CD47)に、又はサイトカイン(例えば、IL-7、IL-15、IL-12、IL-4、TGF-β、IL-
10、IL-17、IFNγ、Flt3、BLys)もしくはケモカイン(例えば、CCL21)にさらに結合するこ
とができる。
本明細書に記載される分子は、固体支持体に付着させることができ、これは、免疫アッ
セイ又は標的抗原の精製もしくは本明細書に記載される抗体もしくは抗原結合断片への結
合を介して該支持体に固定されている標的抗原に結合することができる他の分子の精製に
有用であることができる。そのような固体支持体としては、ガラス、セルロース、ポリア
クリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はポリプロピレンが挙げら
れるが、これらに限定されない。
本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体(例えば
、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する任意のそのような抗体、抗原結合
断片、及び該抗原結合断片を有する分子をコードする核酸分子(DNA又はRNA)でもある。本
明細書に提供されるのは、そのような核酸分子の伝達又は複製が可能であるベクター分子
(例えば、プラスミド)でもある。該核酸は、一本鎖、二本鎖であることができ、かつ一本
鎖部分と二本鎖部分の両方を含むことができる。
(抗体-薬物コンジュゲート(ADC))
本明細書に提供される分子は、BTN1A1の細胞への内在化をもたらすことができるので。
本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される任意の抗BTN1A1抗体を含む抗体-薬物
コンジュゲート(ADC)でもある。具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは
、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、
STC2778、もしくはSTC2781、又はこれらのヒト化変異体を抗体として有するADCである。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、以下の式(Ia)及び(Ib)の抗
体-薬物コンジュゲートを含む、抗体-薬物コンジュゲート:又はその医薬として許容し得
る塩である;
Figure 2024009959000033
(式中:
Aは、抗原結合断片を有する分子であり;
2つの図示されたシステイン残基は、A中の開裂したシステイン-システインジスルフィ
ド結合に由来するものであり;
各々のX及びX'は、独立に、O、S、NH、又はNR1であり、ここで、R1はC1-6アルキルであ
り;
Waは、=N-、=CH-、=CHCH2-、=C(R2)-、又は=CHCH(R2)-であり; Wbは、-NH-、-N(R1)-、
-CH2-、-CH2-NH-、-CH2-N(R1)-、-CH2CH2-、-CH(R2)-、又は-CH2CH(R2)-であり;ここで、
R1及びR2は、独立に、C1-6アルキルであり;
CTXは細胞毒素であり;
Rは任意の化学基であるか;又はRは存在せず;
各々のL1、L2、及びL3は、独立に、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-NH-、-NCH3
-、-(CH2)q-、-NH(CH2)2NH-、-OC(O)-、-CO2-、-NHCH2CH2C(O)-、-C(O)NHCH2CH2NH-、-NH
CH2C(O)-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-NCH3C(O)-、-C(O)NCH3-、-(CH2CH2O)p、-(CH2CH2O)pCH
2CH2-、-CH2CH2-(CH2CH2O)p-、-OCH(CH2O-)2、-(AA)r-、シクロペンタニル、シクロヘキ
サニル、非置換フェニレニル、並びにハロ、CF3-、CF3O-、CH3O-、-C(O)OH、-C(O)OC1-3
アルキル、-C(O)CH3、-CN、-NH-、-NH2、-O-、-OH、-NHCH3、-N(CH3)2、及びC1-3アルキ
ルからなる群から選択される1又は2個の置換基によって置換されたフェニレニルからなる
群から選択されるリンカーであり;
a、b、及びcは、各々独立に、0、1、2、又は3の整数であり、但し、a、b、又はcのうち
の少なくとも1つは1であり;
各々のk及びk'は、独立に、0又は1の整数であり;
各々のpは、独立に、1~14の整数であり;
各々のqは、独立に、1~12の整数であり;
各々のAAは、独立に、アミノ酸であり;
各々のrは、1~12であり;
mは、1~4の整数であり;
nは、1~4の整数であり;かつ
Figure 2024009959000034
結合は、単結合又は二重結合を表す)。
式(Ib)の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)のある実施態様において、Rは、本明細書に定
義される、W、(L1)a、(L2)b、(L3)c、Z、W-(L1)a-(L2)b-(L3)c、(L1)a-(L2)b-(L3)c-Z、
及びW-(L1)a-(L2)b-(L3)c-Zからなる群から選択される。ある実施態様において、Rは、W
、(L1)a、(L2)b、(L3)c、及びW-(L1)a-(L2)b-(L3)cからなる群から選択される。ある実施
態様において、Rは、Z、(L1)a-(L2)b-(L3)c-Z、及びW-(L1)a-(L2)b-(L3)c-Zからなる群か
ら選択される。
式(Ib)の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)のある実施態様において、Rは、検出可能なプ
ローブである。ある実施態様において、Rは、蛍光団、発色団、放射性標識、酵素、リガ
ンド、抗体、又は抗体断片である。ある実施態様において、Rは、リガンド(例えば、前立
腺特異的膜抗原などの腫瘍細胞、又はHIV感染細胞などのウイルス感染細胞上の受容体に
特異的なリガンド)である。
式(Ib)の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)のある実施態様において、Rは、アミド、N-(C1
-6アルキル)アミド、カルバメート、N-(C1-6アルキル)カルバメート、アミン、N-(C1-6
ルキル)アミン、エーテル、チオエーテル、ウレア、N-(C1-6アルキル)ウレア、又はN,N-
ジ(C1-6アルキル)ウレア結合を介して、リンカー分子の残りの部分に結合している。
式(Ia)又は(Ib)の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)のある実施態様において、各々のL1
L2、及びL3は、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-(CH2CH2O)p、-(CH2CH2O)pCH2CH2-、-CH2CH2-(CH2C
H2O)p-、-OCH(CH2O-)2、-(AA)r-、非置換フェニレニル、並びにハロ、CF3-、CF3O-、CH3O
-、-C(O)OH、-C(O)OC1-3アルキル、-C(O)CH3、-CN、-NH-、-NH2、-O-、-OH、-NHCH3、-N(
CH3)2、及びC1-3アルキルからなる群から選択される1又は2個の置換基によって置換され
たフェニレニルからなる群から独立に選択され;ここで、a、b、及びcは、各々独立に、0
又は1であり;かつ各々のp及びrは、独立に、1、2、又は3である。ある実施態様において
、L1、L2、及びL3のうちの1つ又は複数は、-(AA)r-であり、ここで、-(AA)r-はValCitで
ある(例えば、第一のアミノ酸はバリンであり、第二のアミノ酸はシトルリンであり、か
つrは1である)。ある実施態様において、L1、L2、及びL3のうちの1つ又は複数は、-(AA)r
-であり、ここで、-(AA)r-はValAlaである(例えば、第一のアミノ酸はバリンであり、第
二のアミノ酸はアラニンであり、かつrは1である)。ある実施態様において、L1、L2、及
びL3のうちの1つ又は複数は、-C(O)OH及び-NH2によって置換されたフェニレニルである。
ある実施態様において、L1、L2、及びL3のうちの1つ又は複数は、-C(O)O-及び-NH-によっ
て置換されたフェニレニルである。ある実施態様において、L1、L2、及びL3のうちの1つ
又は複数は、-OC(O)-及び-NH-によって置換されたフェニレニルである。ある実施態様に
おいて、L1、L2、及びL3のうちの1つ又は複数は、-O-及び-NH-によって置換されたフェニ
レニルである。ある実施態様において、L1、L2、及びL3のうちの1つ又は複数はパラアミ
ノベンジル(PAB)であり、これは、-C(O)O-、-OC(O)-、又は-O-で任意に置換されている。
ある実施態様において、L1は-(CH2)q-であり、L2は存在せず、L3は存在せず、CTXは、ア
ミド結合を介して(L1)a-(L2)b-(L3)cに結合している。ある実施態様において、L1は-(CH2
)q-であり、L2は-(OCH2CH2)p-であり、L3は存在せず、CTXは、アミド結合を介して(L1)a-
(L2)b-(L3)cに結合している。ある実施態様において、L1は-(CH2CH2O)p-であり、L2は-(C
H2)q-であり、L3は存在せず、CTXは、アミド結合を介して(L1)a-(L2)b-(L3)cに結合して
いる。ある実施態様において、各々のL1は、-(CH2CH2O)pCH2CH2-及び-CH2CH2-(CH2CH2O)p
-からなる群から独立に選択され、L2は存在せず、L3は存在せず、CTXは、アミド結合を介
して(L1)a-(L2)b-(L3)cに結合している。ある実施態様において、各々のL1は、-(CH2)q-
、-(CH2CH2O)p、-(CH2CH2O)pCH2CH2-、-CH2CH2-(CH2CH2O)p-、及び-C(O)-からなる群から
独立に選択され、L2はVal-Citであり、L3はPABであり、CTXは、アミド結合を介して(L1)a
-(L2)b-(L3)cに結合している。ある実施態様において、各々のL1は、-(CH2)q-、-(CH2CH2
O)p、-(CH2CH2O)pCH2CH2-、-CH2CH2-(CH2CH2O)p-、及び-C(O)-からなる群から独立に選択
され、L2はVal-Citであり、L3はPABであり、CTXは、アミド結合を介して(L1)a-(L2)b-(L3
)cに結合している。ある実施態様において、各々のL1は、-(CH2)q-、-(CH2CH2O)p、-(CH2
CH2O)pCH2CH2-、-CH2CH2-(CH2CH2O)p-、及び-C(O)-からなる群から独立に選択され、L2
Val-Alaであり、L3はPABであり、CTXは、アミド結合を介して(L1)a-(L2)b-(L3)cに結合し
ている。
式(Ia)又は(Ib)の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)のある実施態様において、CTXは、チ
ューブリン安定化剤、チューブリン脱安定化剤、DNAアルキル化剤、DNAマイナーグルーブ
結合剤、DNAインターカレーター、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤
、ジャイレース阻害剤、タンパク質合成阻害剤、プロテオソーム阻害剤、及び代謝拮抗物
質からなる群から選択される。
式(Ia)又は(Ib)の抗体-薬物コンジュゲート(ADC)のある実施態様において、CTXは化学
療法剤である。当業者は、例えば、Chu, E.、DeVite, V. T.の文献、2012、医師の癌化学
療法薬マニュアル2012(Physicians' Cancer Chemotherapy Drug Manual 2012)(Jones & B
artlett Learning Oncology)及び同様の文書に開示されている適切な化学療法剤を認識し
ているであろう。
ある実施態様において、CTXは、任意のFDA承認化学療法剤であってもよい。ある実施態
様において、CTXは、癌治療に利用可能な任意のFDA承認化学療法剤であってもよい。
ある実施態様において、CTXは、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊物
質(タキサン)、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC)、トポイソメラーゼI
の阻害剤、トポイソメラーゼIIの阻害剤、キナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、ヌクレ
オチド類似体、ペプチド抗生物質、白金系薬剤、レチノイド、ビンカアルカロイド又はそ
の誘導体、及び放射性同位体からなる群から選択される。
ある実施態様において、CTXは、アクチノマイシン、全トランス型レチノイン酸、アザ
シチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カルボプラチン、カペシタ
ビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシ
ン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エ
トポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イマチ
ニブ、イリノテカン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサ
ントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグア
ニン、トポテカン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、及び
ビノレルビンからなる群から選択される。
ある実施態様において、CTXは、チューブリン安定化剤、チューブリン脱安定化剤、DNA
アルキル化剤、DNAマイナーグルーブ結合剤、DNAインターカレーター、トポイソメラーゼ
I阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、ジャイレース阻害剤、タンパク質合成阻害剤、プ
ロテオソーム阻害剤、及び代謝拮抗物質からなる群から選択される。
ある実施態様において、CTXは、アクチノマイシンD、アモナファイド、オーリスタチン
、ベンゾフェノン、ベンゾチアゾール、カリケアマイシン、カンプトテシン、CC-1065(NS
C 298223)、セマドチン、コルヒチン、コンブレタスタチンA4、ドラスタチン、ドキソル
ビシン、エリナファイド、エムタンシン(DM1)、エトポシド、KF-12347(レイナマイシン)
、メイタンシノイド、メトトレキセート、ミトキサントロン、ノコダゾール、プロテオソ
ーム阻害剤1(PSI 1)、ロリジンA、T-2毒素(トリコテセン類似体)、タキソール、チューブ
リシン、Velcade(登録商標)、及びビンクリスチンからなる群から選択される。ある実施
態様において、CTXは、オーリスタチン、カリケアマイシン、メイタンシノイド、又はチ
ューブリシンである。
ある実施態様において、CTXは、モノメチルオーリスタチンE(MMAE)、モノメチルオーリ
スタチンF(MMAF)、ピロロベンゾジアゼピン(PDB)、カリケアマイシンγ、メルタンシン、
又はチューブリシンT2である。ある実施態様において、CTXは、MMAE又はMMAFである。あ
る実施態様において、CTXはPDBである。ある実施態様において、CTXはチューブリシンT2
である。ある実施態様において、CTXは、チューブリシンT3又はチューブリシンT4であり
、これらの構造は、以下に提供されている:
Figure 2024009959000035
したがって、本明細書に提供されるコンジュゲートタンパク質又は融合タンパク質は、
本明細書に記載される任意の抗BTN1A1抗体又は抗原結合断片を含むことができる。いくつ
かの実施態様において、本明細書に提供されるコンジュゲートタンパク質又は融合タンパ
ク質は、表2a~12bのいずれか1つに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703
、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778
、又はSTC2781のVH又はVLドメインを含む。いくつかの実施態様において、本明細書に提
供されるコンジュゲートタンパク質又は融合タンパク質は、表3aに示されるマウスモノク
ローナル抗体STC810のVH又はVLドメインを含まない。いくつかの実施態様において、本明
細書に提供されるコンジュゲートタンパク質又は融合タンパク質は、表2a~12bのいずれ
か1つに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011
、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVHドメイン
とVLドメインの両方を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるコンジ
ュゲートタンパク質又は融合タンパク質は、表3aに示されるマウスモノクローナル抗体ST
C810のVHドメインとVLドメインの両方を含まない。いくつかの実施態様において、本明細
書に提供されるコンジュゲートタンパク質又は融合タンパク質は、表2a~12bのいずれか1
つに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、S
TC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVH CDRのいずれ
か1つのアミノ酸配列を有する1以上のVH CDRを含む。いくつかの実施態様において、本明
細書に提供されるコンジュゲートタンパク質又は融合タンパク質は、表3aに示されるマウ
スモノクローナル抗体STC810のVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1以上のVH C
DRを含まない。いくつかの実施態様において、コンジュゲートタンパク質又は融合タンパ
ク質は、表2a~12bのいずれか1つに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703
、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778
、又はSTC2781のVL CDRのいずれか1つアミノ酸配列を有する1以上のVL CDRを含む。いく
つかの実施態様において、コンジュゲートタンパク質又は融合タンパク質は、表3aに示さ
れるマウスモノクローナル抗体STC810のVL CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1以
上のVL CDRを含まない。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるコンジュゲ
ートタンパク質又は融合タンパク質は、表2a~12bのいずれか1つに示されているようなマ
ウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602
、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781の少なくとも1つのVH CDR及び少なくとも1つ
のVL CDRを含む。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるコンジュゲートタ
ンパク質又は融合タンパク質は、表3bに示されるマウスモノクローナル抗体STC810の少な
くとも1つのVH CDR及び少なくとも1つのVL CDRを含まない。
いくつかの実施態様において、提供されるコンジュゲートタンパク質又は融合タンパク
質は、本明細書に記載されるBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に
遮断する抗原結合断片を含むことができる。該BTN1A1エピトープは、STC703、STC810、ST
C820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781
のエピトープであることができる。いくつかの実施態様において、該BTN1A1エピトープは
、STC810のエピトープではない。いくつかの実施態様において、提供されるコンジュゲー
トタンパク質又は融合タンパク質は、本明細書に記載されるBTN1A1抗体のエピトープに免
疫特異的に結合する抗原結合断片を含むことができる。該BTN1A1エピトープは、STC703、
STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、
又はSTC2781のエピトープであることができる。いくつかの実施態様において、該エピト
ープは、STC810のエピトープではない。
(5.3 組成物)
本明細書に提供されるのは、BTN1A1(グリコシル化BTN1A1又は二量体BTN1A1を含む)に免
疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子を有する組成物でもある。いくつかの実施
態様において、該分子は、表3a及び3bに示されているようなモノクローナル抗体STC810の
VHドメイン、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR3、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、又はVL CDR3
を含む抗原結合ドメインを含まない。いくつかの実施態様において、該分子は、STC810で
はない。いくつかの実施態様において、該組成物は、抗BTN1A1抗体(抗グリコシル化BTN1A
1抗体及び抗BTN1A1二量体抗体を含む)を有する。いくつかの実施態様において、該抗原結
合断片は、位置N55、N215、及び/又はN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的
に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55でグリコシル化
されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断
片は、位置N215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実
施態様において、該抗原結合断片は、位置N449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特
異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、1以上のグリコシル
化モチーフに免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、
位置N55及びN215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、位置N215及びN449でグリコシル化されているBTN1
A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55
及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及びN449でグリコシル化されているBTN1A
1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、 BTN1A1二
量体、例えば、BTN1A1二量体中の1以上の該BTN1A1単量体の位置N55、N215、及びN449の1
つ又は複数でグリコシル化されているBTN1A1二量体に免疫特異的に結合する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合
する抗原結合断片を有する分子を有する組成物であり、ここで、該抗原結合断片は、非グ
リコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様に
おいて、該グリコシル化BTN1A1は、BTN1A1二量体である。いくつかの実施態様において、
該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55、N215、及び/又はN449でグリコ
シル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合
断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55でグリコシル化されているBTN1A1に優先的
に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よ
りも位置N215でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N449でグリコシル化され
ているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、1
以上のグリコシル化モチーフに優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原
結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55及びN215でグリコシル化されているBTN
1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシ
ル化BTN1A1よりも位置N215及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する
。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N5
5及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様に
おいて、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55、N215、及びN449でグ
リコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される組成物は、BTN1A1に免疫特異的に
結合する抗原結合断片を有する分子を含み、ここで、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体よ
りもBTN1A1二量体に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、BTN1A1二量体は、
該BTN1A1二量体中の1以上の該BTN1A1単量体の位置N55、N215、及びN449の1つ又は複数で
グリコシル化されている。いくつかの実施態様において、該組成物は、非経口投与(例え
ば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、及び皮下)用に製剤化されている。いくつかの実施
態様において、該分子は、表3a及び3bに示されているようなモノクローナル抗体STC810の
VHドメイン、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR3、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、又はVL CDR3
を含む抗原結合ドメインを含まない。いくつかの実施態様において、該分子は、STC810で
はない。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示さ
れるKDの半分未満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、
該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDよりも少なくとも2倍小さ
い、少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも2
0倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又
は少なくとも50倍小さいKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル
化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの半分未満のKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル
化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1
単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDよりも少なくとも2倍小
さい、少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくと
も20倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、
又は少なくとも50倍小さいKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合
する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示さ
れるMFIの少なくとも2倍高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも2
倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25
倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、又は少なくとも50倍高いMFIでグリコシル化BTN1A
1に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル
化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくとも2倍高いMFIでBTN1A1二量体(例えば、
グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片
は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくと
も2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも
25倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、又は少なくとも50倍高いMFIでBTN1A1二量体(例
えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、位置N55、N215、及び/又はN449におけ
るBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする抗原結合断片を有する分子を有する組成
物である。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55におけるBTN1A1グ
リコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は
、位置N215におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、位置N449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマス
クする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1の1以上のグリコシル
化モチーフを免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は
、位置N55及びN215におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、位置N215及びN449におけるBTN1A1グリコシル化を
免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及
びN449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様にお
いて、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及びN449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫
特異的にマスクする。
いくつかの実施態様において、該組成物は、表2a~12bに示されているようなマウスモ
ノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2
714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVH又はVLドメインを含む抗原結合断片を有する分
子を有することができる。いくつかの実施態様において、該組成物は、表2a~12bに示さ
れているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、
STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVHドメインとVLドメイン
の両方を含む抗原結合断片を有する分子を有することができる。いくつかの実施態様にお
いて、該組成物は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、S
TC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又
はSTC2781のVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1以上のVH CDRを含む抗原結合
断片を有する分子を有することができる。別の実施態様において、該組成物は、表2a~12
bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、ST
C1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVL CDRのいずれ
か1つアミノ酸配列を有する1以上のVL CDRを含む抗原結合断片を有する分子を有すること
ができる。さらに別の実施態様において、該組成物は、表2a~12bに示されているような
マウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC26
02、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781の少なくとも1つのVH CDR及び少なくとも1
つのVL CDRを含む抗原結合断片を有する分子を有することができる。いくつかの実施態様
において、該分子は、表3a及び3bに示されているようなモノクローナル抗体STC810のVHド
メイン、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR3、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、又はVL CDR3を含
む抗原結合ドメインを含まない。いくつかの実施態様において、該分子は、STC810ではな
い。
いくつかの実施態様において、該組成物は、本明細書に記載される抗BTN1A1抗体、例え
ば、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739
、STC2778、又はSTC2781のBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮
断する抗原結合断片を有する分子を有することができる。いくつかの実施態様において、
該組成物は、本明細書に記載される抗BTN1A1抗体、例えば、STC703、STC810、STC820、ST
C1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のエピト
ープに免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子を有することができる。
いくつかの実施態様において、該組成物は、少なくとも0.1重量%の本明細書に記載さ
れる抗体又は他の分子を有することができる。いくつかの実施態様において、該組成物は
、少なくとも0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重
量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量
%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量
%、80重量%、85重量%、90重量%、又はそれを上回る抗BTN1A1抗体又はBTN1A1に免疫特
異的に結合する抗原結合断片を有する他の分子を有することができる。他の実施態様にお
いて、例えば、該抗BTN1A1抗体又はBTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する
他の分子は、該組成物の重量の約2%~約75%、約25%~約60%、約30%~約50%、又は
これらの中の任意の範囲を占めることができる。
該組成物は、活性成分としての抗BTN1A1抗体又はBTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結
合断片を有する他の分子と医薬として許容し得る担体とを有する医薬組成物であることが
できる。該医薬組成物は、1以上のさらなる活性成分をさらに含むことができる。医薬と
して許容し得る担体は、動物における、より詳細には、ヒトにおける使用について、連邦
政府もしくは州政府の規制当局に承認されているか、又は米国薬局方、欧州薬局方、もし
くは他の一般に認められた薬局方に記載されている担体であることができる。
本明細書に記載される抗体又は他の分子を活性成分として有する医薬組成物の調製は、
引用により本明細書中に組み込まれる、レミントンの医薬化学(Remington's Pharmaceuti
cal Sciences)、第18版、1990によって例示されているように、本開示に照らして、当業
者に公知である。さらに、動物(ヒトを含む)への投与については、調製物が、FDA生物学
的製剤基準室(FDA Office of Biological Standards)によって要求される、滅菌性、発熱
性、一般的な安全性、及び純度の標準を満たすべきであるということが理解される。
医薬として許容し得る担体には、液体、半固体、すなわち、ペースト、又は固体の担体
が含まれる。担体又は希釈剤の例としては、脂肪、油、水、生理食塩水溶液、脂質、リポ
ソーム、樹脂、結合剤、増量剤など、又はこれらの組合せが挙げられる。医薬として許容
し得る担体としては、当業者に知られているような、水性溶媒(例えば、水、アルコール/
水溶液、エタノール、生理食塩水溶液、非経口ビヒクル、例えば、塩化ナトリウム、リン
ガーのデキストロースなど)、非水性溶媒(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、植物油、及び注射可能な有機エステル、例えば、エチルオレエート)、分散
媒体、コーティング(例えば、レシチン)、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗菌
剤又は抗真菌剤、抗酸化剤、キレート化剤、不活性ガス、パラベン(例えば、メチルパラ
ベン、プロピルパラベン)、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール)
、等張剤(例えば、糖類、塩化ナトリウム)、吸収遅延剤(例えば、モノステアリン酸アル
ミニウム、ゼラチン)、塩類、薬物、薬物安定化剤(例えば、緩衝剤、アミノ酸、例えば、
グリシン及びリジン、炭水化物、例えば、デキストロース、マンノース、ガラクトース、
フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、ソルビトール、マンニトールなど
)、ゲル、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、色素、水分(fluid)及び栄
養補給剤、同様のこのような材料、並びにこれらの組合せを挙げることができる。任意の
従来の媒体、薬剤、希釈剤、又は担体が、レシピエントにとって有害であり、又はそれに
含まれる組成物の治療的有効性にとって有害である場合を除き、それを、本方法を実施す
る際に使用するための投与可能な組成物中で使用するのが適切である。医薬組成物中の様
々な成分のpH及び正確な濃度は、周知のパラメータに従って調整される。本開示のある態
様に従って、該組成物を、任意の好都合かつ実際的な方法で、すなわち、溶解、懸濁、乳
化、混合、カプセル化、吸収、摩砕などによって、担体と組み合わせることができる。そ
のような手順は、当業者にとってルーチンである。
いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る担体は、水性pH緩衝溶液であるこ
とができる。例としては、緩衝剤、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸;ア
スコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量((例えば、約10アミノ酸残基未満の)ポリペプチド
;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリン;親水性ポリ
マー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アス
パラギン、アルギニン、もしくはリジン;単糖、二糖、及びグルコース、マンノース、も
しくはデキストリンを含む他の炭水化物;キレート化剤、例えば、EDTA;糖アルコール、例
えば、マンニトールもしくはソルビトール;塩形成対イオン、例えば、ナトリウム;並びに
/又は非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、及
びPLURONICS(商標)が挙げられる。
いくつかの実施態様において、医薬として許容し得る担体は、滅菌液、例えば、水及び
石油、動物、植物、又は合成起源の油を含む油、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、
ゴマ油などであることができる。水は、特に、医薬組成物が静脈内投与されるときの担体
であることができる。生理食塩水溶液並びに水性デキストロース及びグリセロール溶液も
、特に、注射溶液用の液体担体として利用することができる。好適な医薬賦形剤としては
、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チ
ョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク
、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール
、ポリソルベート-80などが挙げられる。該組成物は、微量の湿潤剤もしくは乳化剤、又
はpH緩衝化剤を含むこともできる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠
剤、丸薬、カプセル、粉末、持続放出製剤などの形態を取ることができる。
本開示のある実施態様は、それが、固体、液体、又はエアロゾルの形態で投与されるか
どうか、及びそれが注射などの投与経路のために滅菌されている必要があるかどうかに応
じて、異なるタイプの担体を有することができる。該組成物は、静脈内、皮内、経皮、髄
腔内、動脈内、腹腔内、鼻腔内、膣内、直腸内、筋肉内、皮下、粘膜、経口、局所(topic
ally)、局所(locally)への、吸入(例えば、エアロゾル吸入)による、注射による、注入に
よる、連続注入による、標的細胞の直接的な局所灌流浴(localized perfusion bathing)
による、カテーテルによる、洗浄液による、脂質組成物(例えば、リポソーム)中での、又
は当業者に知られているような他の方法もしくは上記の任意の組合せによる投与のために
製剤化されることができる(例えば、引用により本明細書中に組み込まれる、レミントン
の医薬化学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、第18版、1990を参照)。通常、その
ような組成物は、液体の溶液又は懸濁液のいずれかとして調製することができ;注射前に
液体を添加することにより、溶液又は懸濁液を調製するための使用に好適な固体形態を調
製することもでき;かつ調製物を乳化することもできる。
抗BTN1A1抗体又はBTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する他の分子を遊離
塩基形態、中性形態、又は塩形態の組成物へと製剤化することができる。医薬として許容
し得る塩としては、酸付加塩、例えば、タンパク質性組成物の遊離アミノ基とともに形成
されるもの、或いは例えば、塩酸もしくはリン酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒
石酸、もしくはマンデル酸のような有機酸とともに形成されるものが挙げられる。遊離カ
ルボキシル基とともに形成される塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、
カルシウム、もしくは水酸化第二鉄などの無機塩基;又はイソプロピルアミン、トリメチ
ルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、もしくはプロカインのような有機塩
基から誘導することもできる。
さらなる実施態様において、本明細書に提供されるのは、脂質を有する医薬組成物であ
る。脂質は、特徴として水に不溶性であり、かつ有機溶媒で抽出可能である物質のクラス
を広範に含むことができる。例としては、長鎖脂肪族炭化水素及びその誘導体を含有する
化合物が挙げられる。脂質は、天然のものであるか又は合成されたものである(すなわち
、人間によって設計もしくは産生される)ことができる。脂質は、生体物質であることが
できる。生体脂質は当技術分野で周知であり、これには、例えば、中性脂肪、リン脂質、
ホスホグリセリド、ステロイド、テルペン、リゾ脂質、スフィンゴ糖脂質、糖脂質、スル
ファチド、エーテル及びエステル結合脂肪酸を含む脂質、重合性脂質、及びこれらの組合
せが含まれる。当業者により脂質と理解される本明細書に具体的に記載される化合物以外
の化合物を使用することもできる。
当業者であれば、組成物を脂質ビヒクル中に分散させるのに利用することができる技法
の範囲に精通しているであろう。例えば、抗体を、当業者に公知の任意の手段によって、
脂質を含む溶液中に分散させ、脂質とともに溶解させ、脂質とともに乳化させ、脂質と混
合し、脂質と組み合わせ、脂質と共有結合させ、脂質中の懸濁物として含有させ、ミセル
もしくはリポソームとともに含有させもしくはミセルもしくはリポソームと複合体化させ
、又は別の形で脂質もしくは脂質構造と関連させることができる。分散は、リポソームの
形成をもたらすこともあるし、もたらさないこともある。
通常、組成物の成分は、別々に又は単位剤形中で混合されて、例えば、ドライ凍結乾燥
粉末又は無水濃縮物として、活性剤の量を表示したアンプル又はサシェなどの密閉容器中
に供給される。組成物が注入によって投与されることになる場合、それを、滅菌された医
薬品等級の水又は生理食塩水を含む注入ボトルで分配することができる。組成物が注射に
よって投与される場合、成分が投与前に混合され得るように、滅菌注射用水又は生理食塩
水のアンプルを提供することができる。
各々の治療的に有用な組成物中の活性成分の量は、好適な投薬量が化合物の任意の所与
の単位用量で得られるように調製することができる。溶解度、バイオアベイラビリティ、
生物学的半減期、投与経路、製品の棚寿命、及び他の薬理学的検討事項などの因子は、そ
のような医薬製剤を調製する当業者によって企図されることができ、したがって、種々の
投薬量及び治療レジメンが望ましい場合がある。
単位用量又は投薬量は、対象における使用に好適な物理的に分離された単位を指し、各
々の単位は、その投与、すなわち、適切な経路及び治療レジメンとの関連において上で考
察された所望の応答を生じるように計算された所定の量の医薬組成物を含む。治療の回数
と単位用量の両方に従って、投与される量は、所望の効果によって決まる。患者又は対象
に投与される本実施態様の組成物の実際の投薬量は、身体的及び生理的な要因、例えば、
対象の体重、年齢、健康、及び性別、治療されている疾患の種類、疾患浸透の程度、過去
の又は併用している治療的介入、患者の特発性疾患、投与経路、並びに特定の治療物質の
有効性、安定性、及び毒性によって決定されることができる。他の非限定的な例において
、用量は、投与1回当たり、約1マイクログラム/kg/体重、約5マイクログラム/kg/体重、
約10マイクログラム/kg/体重、約50マイクログラム/kg/体重、約100マイクログラム/kg/
体重、約200マイクログラム/kg/体重、約350マイクログラム/kg/体重、約500マイクログ
ラム/kg/体重、約1ミリグラム/kg/体重、約5ミリグラム/kg/体重、約10ミリグラム/kg/体
重、約50ミリグラム/kg/体重、約100ミリグラム/kg/体重、約200ミリグラム/kg/体重、約
350ミリグラム/kg/体重、約500ミリグラム/kg/体重から約1000ミリグラム/kg/体重以上ま
で、及びその中から引き出される任意の範囲であることができる。本明細書に記載される
数から引き出される範囲の非限定的な例において、約5ミリグラム/kg/体重~約100ミリグ
ラム/kg/体重、約5マイクログラム/kg/体重~約500ミリグラム/kg/体重などの範囲を上記
の数に基づいて投与することができる。投与に対して責任がある医師は、いかなる場合も
、組成物中の活性成分の濃度及び個々の対象についての適切な用量を決定することになる
当業者であれば理解しているように、本明細書に記載される組成物は、治療調製物の特
定の性質によって限定されない。例えば、そのような組成物は、生理的に許容される液体
、ゲル、又は固体担体、希釈剤、及び賦形剤と一緒に製剤中に提供することができる。こ
れらの治療調製物は、他の治療剤と同様の方法で、例えば、家畜を用いる獣医学的使用の
ために、及びヒトにおける臨床的使用のために、哺乳動物に投与することができる。一般
に、治療効力に必要とされる投薬量は、使用の種類及び投与の様式、並びに個々の対象の
特定の必要性によって異なる。ヒト患者を含む、動物患者に投与される組成物の実際の投
薬量は、身体的及び生理的な要因、例えば、体重、疾患の重症度、治療されている疾患の
種類、過去の又は併用している治療的介入、患者の特発性疾患、及び投与経路によって決
定されることができる。投薬量及び投与経路に応じて、好ましい投薬量及び/又は有効量
の投与の回数は、対象の応答によって異なり得る。投与に対して責任がある医師は、いか
なる場合も、組成物中の活性成分の濃度及び個々の対象についての適切な用量を決定する
ことになる。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結
合断片(例えば、抗BTN1A1抗体)を有する分子を含む、非経口投与用に製剤化された組成物
であり、ここで、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体よりもBTN1A1二量体に優先的に結合す
る。いくつかの実施態様において、BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中の1以上の該BTN1A
1単量体の位置N55、N215、及びN449の1つ又は複数でグリコシル化されている。いくつか
の実施態様において、該組成物は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、又は皮下投与用のも
のである。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グ
リコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの半分未満のKDでBTN1A1二量体(例えば、グ
リコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は
、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDよりも少なくと
も2倍小さい、少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少
なくとも20倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小
さい、又は少なくとも50倍小さいKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)
に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、
グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくとも2倍高いMFIでBTN1A1二量体
(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原
結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの
少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少
なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、又は少なくとも50倍高いMFIでBTN1A1
二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。
(5.4 治療的使用及び治療方法)
BTN1A1は、癌細胞で特異的かつ高度に発現される。いくつかの実施態様において、本明
細書に提供されるのは、癌治療におけるBTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体
(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子
の治療的使用である。いくつかの実施態様において、これらの分子は、BTN1A1を発現する
癌細胞に結合し、これらの癌細胞の破壊をもたらす免疫応答を誘導する。抗BTN1A1抗体(
例えば、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC
2739、STC2778、もしくはSTC2781、又はこれらのヒト化変異体)を含む、本明細書に提供
される分子は、癌細胞のT細胞依存的アポトーシスを増強し、CD8+ T細胞を活性化し、癌
細胞の増殖を阻害することができる。いくつかの実施態様において、該分子は、表3a及び
3bに示されているようなモノクローナル抗体STC810のVHドメイン、VLドメイン、VH CDR1
、VH CDR3、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、又はVL CDR3を含む抗原結合ドメインを含まな
い。いくつかの実施態様において、該分子は、STC810ではない。
抗BTN1A1抗体(例えば、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC260
2、STC2714、STC2739、STC2778、もしくはSTC2781、又はこれらのヒト化変異体)を含む、
BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に提供される分子は、BTN1
A1のリソソームへの内在化を引き起こすことができる。したがって、また本明細書に提供
されるのは、本明細書に提供される分子を用いて、細胞を化合物とコンジュゲートされた
本明細書に提供される分子と接触させることにより、化合物をBTN1A1を発現する細胞に送
達する方法である。該化合物は、本明細書に記載される、イメージング剤、治療剤、毒素
、又は放射性核種であることができる。該化合物は、抗BTN1A1抗体とコンジュゲートする
ことができる。該コンジュゲートは、ADCなどの、本明細書に記載される任意のコンジュ
ゲートであることができる。該細胞は、癌細胞であることができる。該細胞は、癌細胞と
正常細胞の両方を含む細胞の集団であることもできる。癌細胞はBTN1A1を特異的かつ高度
に発現するので、本明細書に記載される分子を用いて、正常細胞ではなく、癌細胞への特
異的な薬物送達を達成することができる。
抗BTN1A1抗体(例えば、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC260
2、STC2714、STC2739、STC2778、もしくはSTC2781、又はこれらのヒト化変異体)を含む、
BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に提供される分子は、対象
における免疫応答を調節することができる。本明細書に提供される分子は、T細胞活性化
を促進することができる。本明細書に提供される分子は、T細胞増殖を促進することがで
きる。本明細書に提供される分子は、サイトカイン産生を増大させることができる。本明
細書に提供される分子は、BTN1A1を発現する細胞のT細胞依存的アポトーシスを増強し、
又はBTN1A1を発現する細胞の増殖を阻害することもできる。
したがって、本明細書に提供されるのは、抗BTN1A1抗体(例えば、STC703、STC810、STC
820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、もしくはSTC2
781、又はこれらのヒト化変異体)を含む、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を
有する本明細書に記載される分子の有効量を投与することにより、対象における免疫応答
を調節する方法である。免疫応答を調節することは、(a)T細胞活性化(例えば、CD8+ T細
胞活性化)を増大させること;(b)T細胞増殖を増大させること;及び/又は(c)サイトカイン
産生を増大させることを含むことができる。
また本明細書に提供されるのは、BTN1A1を発現する細胞を、抗BTN1A1抗体(例えば、STC
703、STC810、STC820、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、もし
くはSTC2781、又はこれらのヒト化変異体)を含む、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結
合断片を有する本明細書に記載される分子の有効量と接触させることにより、該細胞のT
細胞依存的アポトーシスを増強する方法である。本明細書に提供されるのは、BTN1A1を発
現する細胞を、抗BTN1A1抗体(例えば、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC
1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、もしくはSTC2781、又はこれらのヒト化変
異体)を含む、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載され
る分子の有効量と接触させることにより、該細胞の増殖を阻害する方法でもある。該細胞
は、癌細胞であることができる。
いくつかの実施態様において、これらの分子を用いて、T細胞の活性化又は増殖におけ
るBTN1A1の抑制的活性を阻害することにより、癌を治療することができる。したがって、
本明細書に提供されるのは、BTN1A1シグナル伝達を阻害又は遮断することにより、対象の
免疫系を上方調節する際のこれらの分子の使用である。いくつかの実施態様において、本
明細書に提供されるのは、BTN1A1がT細胞に結合するのを遮断するためのこれらの分子の
使用である。
いくつかの実施態様において、これらの分子は、ADCC又はCDC機構を介する癌細胞の破
壊をもたらす。いくつかの実施態様において、これらの分子は、増強されたADCC活性を有
するように改変される。いくつかの実施態様において、これらの分子は、増強されたCDC
活性を有するように改変される。例えば、これらの分子は、Fc受容体を保有するキラー細
胞との増強された相互作用を有するように改変されることができる。改変抗体又はFc-融
合タンパク質を含む、そのような改変分子を産生する方法は本明細書に記載されており、
かつ当技術分野で公知でもある。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1を過剰発現する対象
の疾患又は障害を治療するための、抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化BTN1A1抗体、及び抗BT
N1A1二量体抗体を含む、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリ
コシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子の使用である
。いくつかの実施態様において、該対象におけるBTN1A1の発現レベルは、参照レベルより
も高い。参照レベルは、健常個体の集団におけるBTN1A1の平均又は中位の発現レベルであ
ることができる。参照レベルは、試料集団の発現レベルの統計解析によって決定すること
もできる。
また本明細書に提供されるのは、抗BTN1A1抗体、抗グリコシル化BTN1A1抗体、及び抗BT
N1A1二量体抗体を含む、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体に免疫特異的に
結合する抗原結合断片を有する分子の治療的使用である。いくつかの実施態様において、
該分子は、グリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつか
の実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及び/又はN449でグリコシル化
されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断
片は、位置N55でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実
施態様において、該抗原結合断片は、位置N215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特
異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N449でグリコシ
ル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結
合断片は、1以上のグリコシル化モチーフに免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、位置N55及びN215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫
特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N215及びN449
でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において
、該抗原結合断片は、位置N55及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に
結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及びN449
でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において
、該抗原結合断片は、BTN1A1二量体、例えば、BTN1A1二量体中の1以上の該BTN1A1単量体
の位置N55、N215、及びN449の1つ又は複数でグリコシル化されているBTN1A1二量体に免疫
特異的に結合する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、非グリコシル化BTN1A1より
もグリコシル化BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片を有する分子の治療的使用である
。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N5
5、N215、及び/又はN449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつか
の実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55でグリコ
シル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合
断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N215でグリコシル化されているBTN1A1に優先的
に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よ
りも位置N449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、1以上のグリコシル化モチーフに優先的に結合する。いく
つかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N55及びN
215でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において
、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりも位置N215及びN449でグリコシル化され
ているBTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非
グリコシル化BTN1A1よりも位置N55及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に
結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1より
も位置N55、N215、及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に優先的に結合する。いく
つかの実施態様において、該グリコシル化BTN1A1は、BTN1A1二量体である。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1単量体よりもBTN1A1
二量体に優先的に結合する抗原結合断片を有する分子の治療的使用である。いくつかの実
施態様において、BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中の1以上の該BTN1A1単量体の位置N55
、N215、及びN449の1つ又は複数でグリコシル化されている。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示さ
れるKDの半分未満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、
該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDよりも少なくとも2倍小さ
い、少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも2
0倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又
は少なくとも50倍小さいKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル
化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの半分未満のKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル
化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1
単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDよりも少なくとも2倍小
さい、少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくと
も20倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、
又は少なくとも50倍小さいKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合
する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示さ
れるMFIの少なくとも2倍高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも2
倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25
倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、又は少なくとも50倍高いMFIでグリコシル化BTN1A
1に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル
化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくとも2倍高いMFIでBTN1A1二量体(例えば、
グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片
は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくと
も2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも
25倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、又は少なくとも50倍高いMFIでBTN1A1二量体(例
えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、位置N55、N215、及び/又は
N449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする抗原結合断片を有する分子の
治療的使用である。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55におけるB
TN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結
合断片は、位置N215におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、位置N449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異
的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1の1以上のグ
リコシル化モチーフを免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結
合断片は、位置N55及びN215におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。い
くつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N215及びN449におけるBTN1A1グリコ
シル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位
置N55及びN449におけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施
態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及びN449におけるBTN1A1グリコシル
化を免疫特異的にマスクする。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、表2a~12bに示されている
ようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、又はSTC1
1029のVH又はVLドメインを含む抗原結合断片を有する分子の治療的使用である。一実施態
様において、該分子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC70
3、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778
、又はSTC2781のVHドメインとVLドメインの両方を含む抗原結合断片を有することができ
る。別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、表2a~12bに示されているよう
なマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC
2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列
を有する1以上のVH CDRを含む抗原結合断片を有する分子の治療的使用である。別の実施
態様において、該分子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC
703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC27
78、又はSTC2781のVL CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1以上のVL CDRを含む抗
原結合断片を有することができる。さらに別の実施態様において、該分子は、表2a~12b
に示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC
1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781の少なくとも1つのV
H CDR及び少なくとも1つのVL CDRを含む抗原結合断片を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるBTN1
A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗原結合断片を有する分
子の治療的使用である。該BTN1A1エピトープは、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC
1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のエピトープである
ことができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に記
載されるBTN1A1抗体のBTN1A1のエピトープに免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する
分子の治療的使用である。該BTN1A1エピトープは、STC703、STC810、STC820、STC1011、S
TC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のエピトープであ
ることができる。
(5.4.1.疾患及び障害)
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、IFN-γなどのサイトカイン
の産生の増大を媒介するための抗体又は他の分子の使用である。したがって、本明細書に
提供されるのは、サイトカインで治療することができる疾患及び状態、例えば、卵巣癌及
び他の形態の癌の治療における、そのような抗体又は他の分子の使用である。いくつかの
実施態様において、本明細書に提供されるのは、T細胞(例えば、CD8+ T細胞)の活性又は
増殖の増大を媒介する際の抗体及び他の分子の使用である。したがって、いくつかの実施
態様において提供されるのは、T細胞の活性又は増殖を増大させることにより治療可能で
ある疾患及び状態、例えば、癌の治療における、そのような抗体及び他の分子の使用であ
る。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、T細胞活性の増大とT細胞
増殖の増大の両方を媒介するための本明細書に記載される抗体又は他の分子の使用である
免疫系の上方調節は、癌の治療において特に望ましい。さらに、BTN1A1は、癌細胞で特
異的かつ高度に発現する。本明細書に記載される分子は、癌細胞に結合し、直接的な細胞
毒性によるか、又はADCCもしくはCDC機構によるかのいずれかで、その破壊を引き起こす
こともできる。したがって、本明細書に提供されるのは、癌治療の方法である。癌は、細
胞の異常な制御不能の成長によって生じる新生物又は腫瘍を指す。癌は、原発性癌又は転
移性癌であることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する分子を投与することにより、対象の癌を治療する方法である。該治療方
法が有用であり得る癌には、任意の悪性細胞型、例えば、固形腫瘍又は血液癌に見られる
ものが含まれる。例示的な固形腫瘍としては、膵臓、結腸、盲腸、食道、胃、脳、頭部、
頸部、甲状腺、胸腺、卵巣、腎臓、喉頭、肉腫、肺、膀胱、黒色腫、前立腺、及び乳房か
らなる群から選択される臓器の腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な血
液癌としては、骨髄の腫瘍、T又はB細胞悪性腫瘍、白血病、リンパ腫、芽細胞腫、骨髄腫
などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に提供される方法を用いて治療することができる癌のさらなる例としては、癌
腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、白血病、扁平上皮細胞癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞
肺癌、肺の腺癌、及び肺の扁平上皮癌、中皮腫を含む)、腹膜の癌、肝細胞癌、胃(gastri
c)又は胃(stomach)癌(消化器癌及び消化管間質性癌を含む)、食道癌、膵臓癌、膠芽腫、
子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌又は子宮癌
、唾液腺癌、腎臓(kidney)又は腎臓(renal)癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、様々なタ
イプの頭頸部癌、黒色腫、表在拡大型黒色腫、悪性黒子型黒色腫、末端性黒子性黒色腫、
結節型黒色腫、ブドウ膜黒色腫、胚細胞腫瘍(卵黄嚢腫瘍、精巣癌、絨毛腫)、並びにB細
胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小型リンパ球性(SL)NHL;中悪性度
/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高
悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL;巨大腫瘤(bulky disease)NHL;マントル細胞リンパ腫;
AIDS関連リンパ腫;及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症を含む)、慢性リン
パ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、有毛細胞白血病、多発性骨髄腫、急
性骨髄性白血病(AML)、並びに慢性骨髄芽球性白血病が挙げられるが、これらに限定され
ない。
癌は、以下の組織学的タイプのいずれかのものであることもできる:新生物、悪性;癌腫
;癌腫、未分化;巨大紡錘細胞癌;小細胞癌;乳頭癌;扁平上皮細胞癌;リンパ上皮癌;基底細
胞癌;毛母癌;移行細胞癌;乳頭状移行細胞癌;腺癌;ガストリノーマ、悪性;胆管癌;肝細胞
癌;混合型肝細胞癌及び胆管癌;索状腺癌;腺様嚢胞癌;腺腫様ポリープにおける腺癌;腺癌
、家族性大腸ポリポーシス;固形癌;カルチノイド腫瘍、悪性;細気管支肺胞腺癌;乳頭状腺
癌;色素嫌性癌;好酸性癌;好酸性腺癌;好塩基性癌;明細胞腺癌;顆粒細胞癌;濾胞性腺癌;乳
頭状濾胞性腺癌;非被包性硬化性癌;副腎皮質癌;類内膜癌;皮膚付属器癌;アポクリン腺癌;
皮脂腺癌;耳垢腺癌;粘液性類表皮癌;嚢胞腺癌;乳頭状嚢胞腺癌;乳頭状漿液嚢胞腺癌;粘液
性嚢胞腺癌;粘液性腺癌;印環細胞癌;浸潤性腺管癌;髄様癌;小葉癌;炎症性癌;パジェット
病、乳腺;腺房細胞癌;腺扁平上皮癌;扁平上皮化生を伴う腺癌;胸腺腫、悪性;卵巣間質性
腫瘍、悪性;莢膜腫、悪性;顆粒膜細胞腫瘍、悪性;アンドロブラストーマ、悪性;セルトリ
細胞癌;ライディッヒ細胞腫、悪性;脂質細胞腫瘍、悪性;傍神経節腫、悪性;乳腺外傍神経
節腫、悪性;褐色細胞腫;グロムス血管肉腫;悪性黒色腫;メラニン欠乏性黒色腫;表在拡大
型黒色腫;巨大色素性母斑における悪性黒色腫;類上皮細胞黒色腫;青色母斑、悪性;肉腫;
線維肉腫;線維性組織球腫、悪性;粘液肉腫;脂肪肉腫;平滑筋肉腫;横紋筋肉腫;胎児性横紋
筋肉腫;肺胞性横紋筋肉腫;間質肉腫;混合腫瘍、悪性;ミューラー管混合腫瘍;腎芽腫;肝芽
腫;癌肉腫;間葉腫、悪性;ブレンナー腫瘍、悪性;葉状腫瘍、悪性;滑膜肉腫;中皮腫、悪性
;未分化胚細胞腫;胎生期癌;奇形腫、悪性;卵巣甲状腺腫、悪性;絨毛腫;中腎腫、悪性;血
管肉腫;血管内皮腫、悪性;カポジ肉腫;血管周囲細胞腫、悪性;リンパ管肉腫;骨肉腫;傍骨
性骨肉腫;軟骨肉腫;軟骨芽細胞腫、悪性;間葉性軟骨肉腫;骨の巨細胞腫瘍;ユーイング肉
腫;歯原性腫瘍、悪性;エナメル上皮歯牙肉腫;エナメル上皮腫、悪性;エナメル上皮線維肉
腫;松果体腫、悪性;脊索腫;神経膠腫、悪性;上衣腫;星細胞腫;原形質性星細胞腫;原線維
性星細胞腫;星芽細胞腫;膠芽腫;希突起膠腫;乏突起神経膠芽細胞腫;原始神経外胚葉性;小
脳肉腫;神経節芽細胞腫;神経芽腫;網膜芽腫;嗅覚神経原性腫瘍;髄膜腫、悪性;神経線維肉
腫;神経鞘腫、悪性;顆粒細胞腫瘍、悪性;悪性リンパ腫;ホジキン病;ホジキン;側肉芽腫;
悪性リンパ腫、小リンパ球性;悪性リンパ腫、大細胞型、びまん性;悪性リンパ腫、濾胞性
;菌状息肉腫;他の特定非ホジキンリンパ腫;悪性組織球増加症;多発性骨髄腫;肥満細胞肉
腫;免疫増殖性小腸疾患;白血病;リンパ様白血病;形質細胞白血病;赤白血病;リンパ肉腫細
胞白血病;骨髄性白血病;好塩基球性白血病;好酸球性白血病;単球性白血病;肥満細胞白血
病;巨核芽球性白血病;骨髄性肉腫;並びに有毛細胞白血病。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する本明細書に記載される分子を投与することにより、対象の癌を治療する
方法であり、ここで、該癌は、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、卵巣癌、肝臓癌、頭頸部癌、乳
癌、又は胃癌である。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1
、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特
異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子を投与することにより、
対象の癌を治療する方法であり、ここで、該癌は、肺癌であることができる。肺癌は、非
小細胞肺癌(NSCLC)であることができる。肺癌は、小細胞肺癌(SCLC)であることができる
。NSCLCは扁平上皮NSCLCであることができる。肺癌を治療するために使用される分子は、
BTN1A1又はグリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に
記載される任意の分子であることができる。いくつかの実施態様において、該抗原結合断
片は、非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に優先的に結合する。いくつかの
態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、N449、又はこれらの任意の組合せに
おけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、肺
癌を治療するために使用される分子は、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、ST
C1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781である。いくつかの実施態様
において、NSCLCを治療するために使用される分子は、STC703、STC810、STC820、STC1011
、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781である。いく
つかの実施態様において、扁平上皮NSCLCを治療するために使用される分子は、STC703、S
TC810、STC820、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781
である。いくつかの実施態様において、NSCLCを治療するために使用される分子は、STC81
0ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する本明細書に記載される分子を投与することにより、対象の癌を治療する
方法であり、ここで、該癌は、前立腺癌であることができる。前立腺癌を治療するために
使用される分子は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体に免疫特異的に結合
する抗原結合断片を有する本明細書に記載される任意の分子であることができる。いくつ
かの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BT
N1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量
体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)よりもBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A
1二量体)に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N5
5、N215、N449、又はこれらの任意の組合せにおけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的に
マスクする。いくつかの実施態様において、前立腺癌を治療するために使用される分子は
、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、
STC2778、又はSTC2781である。いくつかの実施態様において、前立腺癌を治療するために
使用される分子は、STC810ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する本明細書に記載される分子を投与することにより、対象の癌を治療する
方法であり、ここで、該癌は、膵臓癌であることができる。膵臓癌を治療するために使用
される分子は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する本明細書に記載される任意の分子であることができる。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1
に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(
例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)よりもBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二
量体)に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、
N215、N449、又はこれらの任意の組合せにおけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマス
クする。いくつかの実施態様において、膵臓癌を治療するために使用される分子は、STC7
03、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC277
8、又はSTC2781である。いくつかの実施態様において、膵臓癌を治療するために使用され
る分子は、STC810ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する本明細書に記載される分子を投与することにより、対象の癌を治療する
方法であり、ここで、該癌は、卵巣癌であることができる。卵巣癌を治療するために使用
される分子は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する本明細書に記載される任意の分子であることができる。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1
に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(
例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)よりもBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二
量体)に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、
N215、N449、又はこれらの任意の組合せにおけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマス
クする。いくつかの実施態様において、卵巣癌を治療するために使用される分子は、STC7
03、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC277
8、又はSTC2781である。いくつかの実施態様において、卵巣癌を治療するために使用され
る分子は、STC810ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する本明細書に記載される分子を投与することにより、対象の癌を治療する
方法であり、ここで、該癌は、肝臓癌であることができる。肝臓癌を治療するために使用
される分子は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する本明細書に記載される任意の分子であることができる。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1
に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(
例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)よりもBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二
量体)に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、
N215、N449、又はこれらの任意の組合せにおけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマス
クする。いくつかの実施態様において、肝臓癌を治療するために使用される分子は、STC7
03、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC277
8、又はSTC2781である。いくつかの実施態様において、肝臓癌を治療するために使用され
る分子は、STC810ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する本明細書に記載される分子を投与することにより、対象の癌を治療する
方法であり、ここで、該癌は、頭頸部癌であることができる。頭頸部癌を治療するために
使用される分子は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体に免疫特異的に結合
する抗原結合断片を有する本明細書に記載される任意の分子であることができる。いくつ
かの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BT
N1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量
体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)よりもBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A
1二量体)に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N5
5、N215、N449、又はこれらの任意の組合せにおけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的に
マスクする。いくつかの実施態様において、頭頸部癌を治療するために使用される分子は
、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、
STC2778、又はSTC2781である。いくつかの実施態様において、頭頸部癌を治療するために
使用される分子は、STC810ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する本明細書に記載される分子を投与することにより、対象の癌を治療する
方法であり、ここで、該癌は、乳癌であることができる。乳癌を治療するために使用され
る分子は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A
1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される任意の分子
であることができる。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化
BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該
抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)よりもBTN1A1二量体
(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に優先的に結合する。いくつかの実施態様において
、該抗原結合断片は、位置N55、N215、N449、又はこれらの任意の組合せにおけるBTN1A1
グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、乳癌を治療する
ために使用される分子は、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC26
02、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781である。いくつかの実施態様において、乳
癌を治療するために使用される分子は、STC810ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する本明細書に記載される分子を投与することにより、対象の癌を治療する
方法であり、ここで、該癌は、胃癌であることができる。胃癌を治療するために使用され
る分子は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A
1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される任意の分子
であることができる。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化
BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に優先的に結合する。いくつかの実施態様において、該
抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)よりもBTN1A1二量体
(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に優先的に結合する。いくつかの実施態様において
、該抗原結合断片は、位置N55、N215、N449、又はこれらの任意の組合せにおけるBTN1A1
グリコシル化を免疫特異的にマスクする。いくつかの実施態様において、胃癌を治療する
ために使用される分子は、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC26
02、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781である。いくつかの実施態様において、胃
癌を治療するために使用される分子は、STC810ではない。
癌を治療するために使用される分子は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量
体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本
明細書に記載される任意の分子であることができる。いくつかの実施態様において、該抗
原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に優先的に結合する。い
くつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示される
KDの半分未満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、該抗
原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDよりも少なくとも2倍小さい、
少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも20倍
小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又は少
なくとも50倍小さいKDでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、
該抗原結合断片は、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも2倍高いMFI
でグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、非
グリコシル化BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも1
0倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも4
0倍、又は少なくとも50倍高いMFIでグリコシル化BTN1A1に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)より
もBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に優先的に結合する。いくつかの
実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量
体)に対して示されるKDの半分未満のKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二
量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1単量体(例
えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDよりも少なくとも2倍小さい、少
なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも20倍小
さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又は少な
くとも50倍小さいKDでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、BTN1A1二量体(例えば、グリコシル化B
TN1A1二量体)に対して示されるMFIの少なくとも2倍高いMFIでBTN1A1二量体(例えば、グリ
コシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、B
TN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくとも2倍
、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍
、少なくとも30倍、少なくとも40倍、又は少なくとも50倍高いMFIでBTN1A1二量体(例えば
、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、N449、又はこれら
の任意の組合せにおけるBTN1A1グリコシル化を免疫特異的にマスクする。
いくつかの実施態様において、いくつかの実施態様において、癌治療に有用な分子は、
STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、ST
C2778、又はSTC2781である。いくつかの実施態様において、癌を治療するために使用され
る分子は、STC810ではない。
(5.4.2.投与方法)
本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される抗体又は分子の治療有効量をそれを
必要としている患者に投与することにより、抗BTN1A1抗体又はBTN1A1、グリコシル化BTN1
A1、もしくはBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する他の分子を抗腫瘍剤として使用する方法でもある。いくつかの実施
態様において、該患者は癌患者である。
様々な送達系も公知であり、これらを用いて、抗BTN1A1抗体又はBTN1A1、グリコシル化
BTN1A1、もしくはBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合
する抗原結合断片を有する他の分子、或いは関連医薬組成物を投与することができ、該送
達系には、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセルへの封入、該抗体又は融合タ
ンパク質を発現することができる組換え細胞、受容体媒介性エンドサイトーシス(例えば
、Wu及びWuの文献、1987, J. Biol. Chem. 262:4429-4432)、レトロウイルス又は他のベ
クターの一部としての核酸の構築などがある。
本明細書に提供される投与方法としては、注射、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内、
腹腔内、静脈内、及び皮下)、硬膜外投与、並びに粘膜(例えば、鼻腔内及び経口経路)投
与によるものが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、本
明細書に提供される抗体、他の分子、又は医薬組成物は、筋肉内、静脈内、皮下、静脈内
、腹腔内、経口、筋肉内、皮下、腔内、経皮、又は皮膚投与される。該組成物は、任意の
好都合な経路によって、例えば、注入又はボーラス注射によって、上皮又は粘膜皮膚層(
例えば、口腔粘膜、直腸、及び腸粘膜など)からの吸収によって投与することができ、か
つ他の生物学的活性剤と一緒に投与することができる。投与は、全身性又は局所性である
ことができる。さらに、例えば、吸入器又はネブライザー、及びエアロゾル化剤を含む製
剤を用いて、肺投与を利用することもできる。例えば、米国特許第6,019,968号;第5,985,
20号;第5,985,309号;第5,934,272号;第5,874,064号;第5,855,913号;第5,290,540号;及び
第4,880,078号; PCT公開WO 92/19244号;WO 97/32572号;WO 97/44013号;WO 98/31346号;並
びにWO 99/66903号を参照されたく;これらの文献は全て、引用により完全に本明細書中に
組み込まれる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される抗体、他の分子、又
は医薬組成物は、治療を必要としている部分に局所投与され、これは、例えば、局所注入
によるか、注射によるか、又はインプラントによって達成することができ、該インプラン
トは、多孔性、無孔性、又はゼラチン状材料のものであり、これには、シアラスティック
(sialastic)膜などの膜、又は繊維が含まれる。いくつかの実施態様において、本明細書
に記載される抗体又は他の分子を投与する場合、該抗体又は他の分子が吸収しない材料を
使用することに留意する。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるヒト化又はキメラ抗体は、標的送
達のためにリポソーム中に製剤化される。リポソームは、水相を封入する同心円状に配列
されたリン脂質二重層から構成された小胞である。リポソームは、通常、様々なタイプの
脂質、リン脂質、及び/又は界面活性物質を有する。リポソームの成分は、生体膜の脂質
配置と同様の二重層立体配置で配置される。リポソームは、一つには、その生体適合性、
低免疫原性、及び低毒性のために、有用な送達ビヒクルであり得る。リポソームの調製方
法は当技術分野で公知であり、かつ本明細書に提供されている。例えば、Epsteinらの文
献、1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82: 3688; Hwangらの文献、1980 Proc. Natl.
Acad. Sci. USA, 77: 4030-4; 米国特許第4,485,045号及び第4,544,545号を参照されたく
;これらの文献は全て、引用により完全に本明細書中に組み込まれる。
本明細書に提供されるのは、血清半減期が延長された、すなわち、循環時間が改善され
たリポソーム、例えば、米国特許第5,013,556号に開示されているリポソームを調製する
方法でもある。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法において使用さ
れるリポソームは、循環から速やかには消失しない、すなわち、単核食細胞系(MPS)に取
り込まれない。本明細書に提供されるのは、当業者に公知の一般的な方法を用いて調製さ
れる立体的に安定化されたリポソームでもある。立体的に安定化されたリポソームは、嵩
高くかつ可撓性の高い親水性部分を有する脂質成分を含むことができ、これにより、リポ
ソームと血清タンパク質との望ましくない反応が低下し、血清成分とのオプソニン作用が
低下し、かつMPSによる認識が低下する。立体的に安定化されたリポソームは、ポリエチ
レングリコールを用いて調製することができる。リポソーム及び立体的に安定化されたリ
ポソームの調製については、例えば、引用により完全に本明細書中に組み込まれる、Bend
asらの文献、2001 BioDrugs, 15(4): 215-224; Allenらの文献、1987 FEBS Lett. 223: 4
2-6; Klibanovらの文献、1990 FEBS Lett., 268: 235-7; Blumらの文献、1990, Biochim.
Biophys. Acta., 1029: 91-7; Torchilinらの文献、1996, J. Liposome Res. 6: 99-116
; Litzingerらの文献、1994, Biochim. Biophys. Acta, 1190: 99-107; Maruyamaらの文
献、1991, Chem. Pharm. Bull., 39: 1620-2; Klibanovらの文献、1991, Biochim Biophy
s Acta, 1062; 142-8; Allenらの文献、1994, Adv. Drug Deliv. Rev, 13: 285-309を参
照されたい。
本明細書に提供されるのは、特定臓器ターゲッティング(例えば、米国特許第4,544,545
号を参照)、又は特定細胞ターゲッティング(例えば、米国特許出願第2005/0074403号を参
照)に適応しているリポソームでもあり、これらの文献は、引用により完全に本明細書中
に組み込まれる。本明細書に提供される組成物及び方法において使用するための特に有用
な免疫リポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、及びPEG誘導体化ホスフ
ァチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を用いた逆相蒸発法によって作製す
ることができる。リポソームを規定の孔径のフィルターから押し出して、所望の直径を有
するリポソームを生じさせる。いくつかの実施態様において、抗原結合断片、例えば、F(
ab')を有する分子を、以前に記載されている方法を用いて、リポソームにコンジュゲート
することができる。例えば、引用により完全に本明細書中に組み込まれる、Martinらの文
献、1982, J. Biol. Chem. 257: 286-288を参照されたい。
本明細書に記載されるヒト化又はキメラ抗体は、免疫リポソームとして製剤化すること
もできる。免疫リポソームは、抗体又はその断片が、共有結合的に又は非共有結合的に、
リポソーム表面に連結されているリポソーム組成物を指す。抗体をリポソーム表面に連結
する化学反応は当技術分野で公知であり、例えば、引用により完全に本明細書中に組み込
まれる、米国特許第6,787,153; Allenらの文献、1995, Stealth Liposomes, Boca Rotan:
CRC Press, 233-44; Hansenらの文献、1995, Biochim. Biophys. Acta, 1239: 133-144
を参照されたい。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法及び組成物に
おいて使用するための免疫リポソームはさらに立体的に安定化される。いくつかの実施態
様において、本明細書に記載されるヒト化抗体は、リポソームの脂質二重層中に安定に根
を下ろしている疎水性アンカーに共有結合的に又は非共有結合的に連結される。疎水性ア
ンカーの例としては、リン脂質、例えば、ホソアチジルエタノールアミン(phosoatidylet
hanolamine)(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)が挙げられるが、これらに限定され
ない。抗体と疎水性アンカーの間の共有結合的連結を達成するために、当技術分野におけ
る既知の生化学的戦略のいずれかを使用することができ、例えば、引用により完全に本明
細書中に組み込まれる、J. Thomas August編、1997、遺伝子治療:薬理学の進歩(Gene The
rapy: Advances in Pharmacology)、第40巻、Academic Press, San Diego, Calif., p. 3
99-435を参照されたい。例えば、抗体分子上の官能基は、リポソーム関連疎水性アンカー
上の活性基と反応することができ、例えば、抗体上のリジン側鎖のアミノ基を水溶性カル
ボジイミドで活性化されたリポソーム関連N-グルタリル-ホスファチジルエタノールアミ
ンにカップリングさせることができるか;又は還元された抗体のチオール基を、ピリジル
チオプロピオニルホスファチジルエタノールアミンなどのチオール反応性アンカーを介し
てリポソームにカップリングさせることができる。例えば、引用により完全に本明細書中
に組み込まれる、Dietrichらの文献、1996, Biochemistry, 35: 1100-1105; Loughreyら
の文献、1987, Biochim. Biophys. Acta, 901: 157-160; Martinらの文献、1982, J. Bio
l. Chem. 257: 286-288; Martinらの文献、1981, Biochemistry, 20: 4429-38を参照され
たい。抗BTN1A1抗体又はBTN1A1もしくはグリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する他の分子を有する免疫リポソーム製剤は、活性成分を、標的細胞、すな
わち、抗体が結合する受容体を含む細胞の細胞質に送達するので、治療剤として特に有効
であることができる。いくつかの実施態様において、該免疫リポソームは、血液、特に、
標的細胞における増大した半減期を有することができ、該標的細胞の細胞質へと内在化さ
れることができ、それにより、治療剤の消失又はエンドリソソーム経路による分解を回避
する。
本明細書に提供される免疫リポソーム組成物は、1以上の小胞形成脂質、本発明の抗体
もしくは他の分子、又はこれらの断片もしくは誘導体、及び任意に、親水性ポリマーを有
することができる。小胞形成脂質は、アシル鎖と極性頭部基などの、2つの炭化水素鎖を
有する脂質であることができる。小胞形成脂質の例としては、リン脂質、例えば、ホスフ
ァチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジル
イノシトール、スフィンゴミエリン、及び糖脂質、例えば、セレブロシド、ガングリオシ
ドが挙げられる。本明細書に提供される製剤において有用なさらなる脂質は当業者に公知
であり、本記載に包含される。いくつかの実施態様において、免疫リポソーム組成物は、
リポソームの血清半減期を増大させる親水性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール
及びガングリオシドGM1をさらに含む。親水性ポリマーをリポソームにコンジュゲートす
る方法は当技術分野で周知であり、本記載に包含される。さらなる例示的な免疫リポソー
ム及びその調製方法は、例えば、米国特許出願公開第2003/0044407号; PCT国際公開WO 97
/38731号、Vingerhoeadsらの文献、1994, Immunomethods, 4: 259-72; Maruyamaの文献、
2000, Biol. Pharm. Bull. 23(7): 791-799; Abraらの文献、2002, Journal of Liposome
Research, 12(1&2): 1-3; Parkの文献、2002, Bioscience Reports, 22(2): 267-281; B
endasらの文献、2001 BioDrugs, 14(4): 215-224, J. Thomas August編、1997、遺伝子治
療:薬理学の進歩(Gene Therapy: Advances in Pharmacology)、第40巻、Academic Press,
San Diego, Calif., p. 399-435に見出すことができ;これらの文献は全て、引用により
完全に本明細書中に組み込まれる。
本明細書に提供されるのは、抗BTN1A1抗体又はBTN1A、特異的にグリコシル化されたBTN
1A1、もしくはBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合す
る抗原結合断片を有する他の分子を癌患者に単位用量で投与することにより、該患者を治
療する方法でもある。単位用量は、対象のための単位投薬量として好適な物理的に分離さ
れた単位を指し、各々の単位は、必要とされる希釈剤、すなわち、担体、又はビヒクルと
関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定の量の活性材料を含む。
該抗体、分子、又は組成物は、投薬製剤に適合するようにかつ治療有効量で投与される
。投与されるべき量は、治療を受けることになる対象、活性成分を利用する対象のシステ
ムの能力、及び所望の治療効果の程度によって決まる。投与される必要がある活性成分の
正確な量は医師の判断によって決まり、各々の個々の対象に特有である。しかしながら、
全身適用のための好適な投薬量範囲が本明細書に開示されており、これは投与経路によっ
て決まる。初期投与及びブースター投与のための好適なレジメンも企図されており、これ
には、通常、初期投与と、それに続く、後の注射又は他の投与による1時間以上の間隔を
おいた反復投与が含まれる。例示的な複数回投与が本明細書に記載されており、これは、
ポリペプチド又は抗体の絶え間なく高い血清及び組織レベルを維持するために有用である
。或いは、血中濃度をインビボ療法に対して規定された範囲に維持するのに十分な連続的
な静脈内注入が企図される。
治療有効量は、所望の効果を達成するように計算された所定の量である。通常、投薬量
は、患者の年齢、状態、性別、及び疾患の度合いによって異なり、当業者によって決定さ
れることができる。投薬量は、何らかの合併症の場合には、個々の医師によって調整され
ることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される抗体、分子、又は医薬組成物は、
アンプル又はサシェなどの密閉容器中に包装される。一実施態様において、本明細書に提
供される抗体、分子、又は医薬組成物は、密閉容器中に、乾燥滅菌された凍結乾燥粉末又
は無水濃縮物として供給され、例えば、対象への投与に適切な濃度まで、水又は生理食塩
水で再構成されることができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供される抗
体、分子、又は医薬組成物は、密閉容器中に、乾燥滅菌された凍結乾燥粉末として、少な
くとも5mg、より好ましくは、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少な
くとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、又は少なくとも75mgの単位投薬量で供給
される。本明細書に提供される凍結乾燥抗体、分子、又は医薬組成物は、そのもとの容器
中に2~8℃で保存されるべきであり、かつ再構成されてから12時間以内、好ましくは、6
時間以内、5時間以内、3時間以内、又は1時間以内に投与されるべきである。代わりの実
施態様において、本明細書に提供される抗体、分子、又は医薬組成物は、液体形態で、該
抗体、分子、又は医薬組成物の量及び濃度を示す密閉容器中に供給される。いくつかの実
施態様において、本明細書に提供される抗体、分子、又は医薬組成物の液体形態は、密閉
容器中に、少なくとも1mg/ml、より好ましくは、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml
、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも25mg/ml、少
なくとも50mg/ml、少なくとも100mg/ml、少なくとも150mg/ml、少なくとも200mg/mlで供
給される。
製剤中で利用されるべき正確な用量は、投与経路、及び疾病の重篤度によって決まり、
医師の判断及び各々の患者の状況によって決定されるべきである。有効用量は、インビト
ロ又は動物モデル試験系から導き出される用量応答曲線から推定することができる。抗BT
N1A1抗体又はBTN1A1、グリコシル化BTN1A1、もしくはBTN1A1二量体(例えば、グリコシル
化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する他の分子について、患者
に投与される投薬量は、通常、患者の体重1kg当たり0.01mg~100mgである。いくつかの実
施態様において、患者に投与される投薬量は、患者の体重1kg当たり0.01mg~20mg、0.01m
g~10mg、0.01mg~5mg、0.01~2mg、0.01~1mg、0.01mg~0.75mg、0.01mg~0.5mg、0.01m
g~0.25mg、0.01~0.15mg、0.01~0.10mg、0.01~0.05mg、又は0.01~0.025mgである。特
に、患者に投与される投薬量は、0.2mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、6mg/kg、又は10
mg/kgであることができる。0.01mg/kg程度の低い用量でもかなりの薬力学的効果を示すと
予測される。0.10~1mg/kgの用量レベルが最も適切であると予想される。より高い用量(
例えば、1~30mg/kg)も活性があると予測することができる。通常、ヒト抗体は、外来ポ
リペプチドに対する免疫応答のために、ヒト体内で他の種由来の抗体よりも長い半減期を
有する。したがって、より少ない投薬量のヒト抗体及びより低い頻度の投与を実施するこ
とができる。さらに、本明細書に提供される抗体又は他の分子の投薬量及び投薬頻度は、
例えば、脂質化などの修飾によって、抗体の取込み及び組織浸透を増強することにより低
下させることができる。
さらに別の実施態様において、該組成物は、制御放出系又は持続放出系で送達すること
ができる。当業者に公知の任意の技法を用いて、本明細書に提供される1以上の抗体、分
子、又は医薬組成物を有する持続放出製剤を産生することができる。例えば、米国特許第
4,526,938号; PCT公開WO 91/05548号; PCT公開WO 96/20698号; Ningらの文献、Radiother
apy & Oncology 39:179-189(1996)、Songらの文献、PDA Journal of Pharmaceutical Sci
ence & Technology 50:372-397(1995); Cleekらの文献、Pro. Int'l. Symp. Control. Re
l. Bioact. Mater. 24:853-854(1997);及びLamらの文献、Proc. Int'l. Symp. Control R
el. Bioact. Mater. 24:759-760(1997)を参照されたく;これらの文献は全て、引用により
完全に本明細書中に組み込まれる。一実施態様において、ポンプを制御放出系において使
用することができる(Langerの文献、上記; Seftonの文献、1987, CRC Crit. Ref Biomed.
Eng. 14:20; Buchwaldらの文献、1980, Surgery 88:507;及びSaudekらの文献、1989, N.
Engl. J. Med. 321:574を参照)。別の実施態様において、ポリマー材料を用いて、抗体
の制御放出を達成することができる(例えば、制御放出の医学的応用(Medical Applicatio
ns of Controlled Release)、Langer及びWise(編)、CRC Pres., Boca Raton, Fla.(1974)
;制御された薬物バイオアベイラビリティ、医薬品設計、及び性能(Controlled Drug Bioa
vailability, Drug Product Design and Performance)、Smolen及びBall(編)、Wiley, Ne
w York(1984); Ranger及びPeppasの文献、1983, J., Macromol. Sci. Rev. Macromol. Ch
em. 23:61を参照されたく; Levyらの文献、1985, Science 228:190; Duringらの文献、19
89, Ann. Neurol. 25:351; Howardらの文献、1989, J. Neurosurg. 7 1:105);米国特許第
5,679,377号;米国特許第5,916,597号;米国特許第5,912,015号;米国特許第5,989,463号;米
国特許第5,128,326号; PCT公開WO 99/15154号;及びPCT公開WO 99/20253号も参照);これら
の文献は全て、引用により完全に本明細書中に組み込まれる。
持続放出製剤において使用することができるポリマーの例としては、ポリ(-ヒドロキシ
メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン-
コ-酢酸ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N-ビニ
ルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコー
ル)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLGA)、及びポリオルトエステ
ルが挙げられるが、これらに限定されない。さらに別の実施態様において、制御放出系を
治療標的(例えば、肺)の近傍に配置することができ、そのため、ごくわずかの全身用量し
か必要とされない(例えば、Goodsonの文献、制御放出の医学的応用(Medical Application
s of Controlled Release)、上記、第2巻、pp. 115-138(1984)を参照)。別の実施態様に
おいて、制御放出インプラントとして有用なポリマー組成物は、引用により完全に本明細
書中に組み込まれる、Dunnらの文献(米国特許第5,945,155号を参照)に従って使用される
。ポリマー系からの生体活性材料のインサイチュ制御放出の治療効果に基づいて、埋込み
は、通常、治療的処置を必要としている患者の体内のどこにでも行うことができる。
別の実施態様において、対象の体内の非ポリマー性インプラントが薬物送達系として使
用される、非ポリマー性の持続送達系が使用される。体内に埋め込むと、インプラントの
有機溶媒が組成物から周囲の組織液中に放散、分散、又は浸出し、非ポリマー性材料が徐
々に凝固又は沈殿して、固体の微孔性マトリックスを形成する(米国特許第5,888,533号を
参照)。制御放出系は、Langerによる総説(1990, Science 249:1527-1533)でも考察されて
いる。当業者に公知の任意の技法を用いて、本明細書に提供される1以上の治療剤を含む
持続放出製剤を産生することができる。例えば、米国特許第4,526,938号;国際公開WO 91/
05548号及び第WO 96/20698号; Ningらの文献、1996, Radiotherapy & Oncology 39:179-1
89; Songらの文献、1995, PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 50:37
2-397; Cleekらの文献、1997, Pro. Int'l. Symp. Control. Rel. Bioact. Mater. 24:85
3-854;及びLamらの文献、1997, Proc. Int'l. Symp. Control Rel. Bioact. Mater. 24:7
59-760を参照されたく;これらの文献は全て、引用により完全に本明細書中に組み込まれ
る。
本明細書に提供されるのは、組成物が本明細書に提供される抗体又は他の分子をコード
する核酸を有する実施態様でもあり、ここで、該核酸を適切な核酸発現ベクターの一部と
して構築し、例えば、レトロウイルスベクターの使用によるか(米国特許第4,980,286号を
参照)、又は直接注射によるか、又は微粒子衝撃(例えば、遺伝子銃; Biolistic, Dupont)
の使用によるか、又は脂質もしくは細胞表面受容体もしくはトランスフェクション剤をコ
ーティングすることによるか、又は核に進入することが知られているホメオボックス様ペ
プチドに連結させて投与することによって、該核酸が細胞内となるように投与することに
より、該核酸をインビボで投与し、それがコードする抗体又は他の分子の発現を促進する
ことができる(例えば、Joliotらの文献、1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1864-18
68を参照)。或いは、核酸を細胞内に導入し、発現のために相同組換えによって宿主細胞D
NA内に組み込むことができる。
本明細書に提供される抗体、他の分子、又は医薬組成物の治療有効量による対象の治療
は、単一の治療又は一連の治療を含むことができる。本明細書に提供される抗体、分子、
又は医薬組成物を全身又は局所投与して、疾患を治療する、例えば、腫瘍細胞成長を阻害
するか、又は局所的な進行性もしくは転移性癌を有する癌患者の癌細胞を殺傷することが
できることが企図される。これらは、静脈内、髄腔内、及び/又は腹腔内に投与すること
ができる。これらは、単独で又は抗増殖薬と組み合わせて投与することができる。一実施
態様において、これらを投与して、手術又は他の処置の前に患者における癌負荷を低下さ
せることができる。或いは、これらを手術後に投与して、残存する癌(例えば、手術で除
去することができなかった癌)が生存しないようにすることができる。いくつかの実施態
様において、これらを原発性癌の退縮後に投与して、転移を予防することができる。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される抗BTN1A1二量体
抗体の治療有効量をそれを必要としている患者に非経口投与することにより、抗BTN1A1二
量体抗体を抗腫瘍剤として使用する方法である。いくつかの実施態様において、該組成物
は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、又は皮下投与により投与される。いくつかの実施態
様において、該患者は、癌患者である。いくつかの実施態様において、BTN1A1二量体は、
該BTN1A1二量体中の1以上の該BTN1A1単量体の位置N55、N215、及びN449の1つ又は複数で
グリコシル化されている。いくつかの実施態様において、該抗BTN1A1二量体抗体は、BTN1
A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるKDの半分未満のKDでBTN1
A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において
、該抗BTN1A1二量体抗体は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して
示されるKDよりも少なくとも2倍小さい、少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、
少なくとも15倍小さい、少なくとも20倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍
小さい、少なくとも40倍小さい、又は少なくとも50倍小さいKDでBTN1A1二量体(例えば、
グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。いくつかの実施態様において、該抗BTN1A1二量
体抗体は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少
なくとも2倍高いMFIでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に結合する。い
くつかの実施態様において、該抗BTN1A1二量体抗体は、BTN1A1単量体(例えば、グリコシ
ル化BTN1A1単量体)に対して示されるMFIの少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10
倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも40
倍、又は少なくとも50倍高いMFIでBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に
結合する。
(5.5 組合せ療法)
また本明細書に提供されるのは、第二の療法と組み合わせた、組成物並びに抗BTN1A1抗
体(抗グリコシル化BTN1A1抗体及び抗BTN1A1二量体抗体を含む)又はBTN1A1、グリコシル化
BTN1A1、もしくはBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合
する抗原結合断片を有する他の分子の、それを必要としている対象への投与を含む方法で
ある。いくつかの実施態様において、該対象は、癌患者であり、該第二の療法は、抗癌療
法又は抗過剰増殖療法である。
いくつかの実施態様において、組成物及び本明細書に提供される抗体又は他の分子の投
与を含む方法は、別の抗癌療法又は抗過剰増殖療法と組み合わせて使用されたとき、他の
抗癌療法又は抗過剰増殖療法の治療効力を増強することができる。したがって、本明細書
に記載される方法及び組成物を第二の療法と組み合わせて提供して、癌細胞の殺傷、細胞
過剰増殖の阻害、及び/又は癌転移の阻害などの所望の効果を達成することができる。
いくつかの実施態様において、化学療法、標的療法、凍結療法、温熱療法、光線力学療
法、高密度焦点式超音波(HIFU)療法、放射線療法、又は外科的療法などの第二の療法は、
直接的な細胞傷害性効果を有する。標的療法は、生物学的標的療法又は低分子標的療法で
あることができる。他の実施態様において、第二の療法は、直接的な細胞傷害性効果を有
さない。例えば、第二の療法は、直接的な細胞傷害性効果を有さずに、免疫系を上方調節
する薬剤であることができる。
本明細書に提供されるのは、第二の又はさらなる療法と組み合わせた、抗BTN1A1抗体又
はBTN1A1、グリコシル化BTN1A1、もしくはBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二
量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する他の分子の、それを必要としている
対象への投与を含む方法である。本明細書に提供される抗体、他の分子、又は医薬組成物
は、第二の抗癌療法の前に、その間に、その後に、又はそれに対する様々な組合せで投与
することができる。投与は、同時から数分まで、数日まで、数週間までに及ぶ間隔である
ことができる。本明細書に記載される抗体又は他の分子が第二の抗癌剤とは別に患者に提
供されるいくつかの実施態様においては、2つの化合物が依然として有利に組み合わされ
た効果を患者に対して発揮することができるように、一般に、各々の送達の時間の間で相
当な時間が過ぎないことが保証されることになる。そのような状況においては、互いに約
12~24又は72時間以内に、より詳細には、互いに約6~12時間以内に、本明細書に提供さ
れる抗体又は他の分子及び第二の抗癌療法を患者に提供することができることが企図され
る。いくつかの状況においては、それぞれの投与の間に、数日(2、3、4、5、6、又は7日)
から数週間(1、2、3、4、5、6、7、又は8週間)が経過する場合、治療の期間をかなり延長
することができる。
いくつかの実施態様において、一連の治療は、1~90日又はそれより長く続く(そのよう
なこの範囲には介入日が含まれる)。ある薬剤が1日目~90日目(そのようなこの範囲には
介入日が含まれる)のいずれかの日又はその任意の組合せに投与されることができ、別の
薬剤が1日目~90日目(そのようなこの範囲には介入日が含まれる)のいずれかの日又はそ
の任意の組合せに投与されることが企図される。1日(24時間の期間)のうちに、患者は、1
回又は複数回の薬剤の投与を受けることができる。さらに、一連の治療の後、抗癌治療が
投与されない期間があることが企図される。この期間は、患者の状態、例えば、その予後
、強度、健康などに応じて、1~7日及び/又は1~5週間及び/又は1~12カ月又はそれより
長い間(そのようなこの範囲には介入日が含まれる)続くことができる。治療サイクルは、
必要に応じて、反復することができる。
様々な組合せを利用することができる。下記は、本明細書に記載される抗BTN1A1抗体又
は他の分子を「A」とし、第二の抗癌療法を「B」とする治療に関するいくつかの例である
:
A/B/A B/A/B B/B/A A/A/B A/B/B B/A/A A/B/B/B B/A/B/B B/B/B/A B/B/
A/B A/A/B/B A/B/A/B A/B/B/A B/B/A/A B/A/B/A B/A/A/B A/A/A/B B/A/A/
A A/B/A/A A/A/B/A
第二の療法と組み合わせた、本明細書に提供される任意の抗体、分子、又は医薬組成物
の患者への投与は、もしあれば、第二の療法の毒性を考慮して、そのような第二の療法の
投与についての一般的なプロトコルに従う。したがって、いくつかの実施態様において、
組合せ療法に起因する毒性をモニタリングする工程がある。
(化学療法)
多種多様な化学療法剤を、本実施態様に従い、第二の療法として使用することができる
。化学療法剤は、癌の治療において投与される化合物又は組成物であることができる。こ
れらの薬剤又は薬物を、細胞内でのその活性の様式、例えば、それらが細胞周期に影響を
及ぼすかどうかということ及びそれらがどの段階で細胞周期の影響を及ぼすかということ
によって分類することができる。或いは、薬剤は、DNAを直接架橋するその能力、DNAにイ
ンターカレートするその能力、又は核酸合成に影響を及ぼすことにより染色体及び有糸分
裂異常を誘発するその能力に基づいて特徴付けることができる。
化学療法剤の例としては、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロホスファミド;
スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン
;アジリジン、例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパ;エチ
レンイミン、並びにアルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド
(trietylenephosphoramide)、トリエチレンチオホスホラミド(triethiylenethiophosphor
amide)、及びトリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)を含むメチラメラミン(met
hylamelamine);アセトゲニン(とりわけ、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(
合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン; CC-1065(そのアドゼレシ
ン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特に、クリプ
トフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体のKW
-2189及びCB1-TM1を含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポ
ンギスタチン;窒素マスタード、例えば、クロラムブシル、クロロナファジン、コロホス
ファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩
酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノブエンビキン、フェネステリン、プレドニ
ムスチン、トロホスファミド、及びウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えば、カルム
スチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン;
抗生物質、例えば、エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、とりわけ、カリケ
アマイシンγII及びカリケアマイシンωII);ダインマイシンAを含むダインマイシン;ビス
ホスホネート、例えば、クロドロネート;エスペラマイシン;並びにネオカルジノスタチン
発色団及び関連色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチ
ノマイシン、オースラルナイシン(authrarnycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチ
ノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chr
omomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L
-ノルロイシン、ドキソルビシン(モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソ
ルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビ
シン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えば、マイ
トマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラルナイシン(nogalarnycin)、オリボマイシン、
ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン
、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス
、ジノスタチン、及びゾルビシン;代謝拮抗薬、例えば、メトトレキセート及び5-フルオ
ロウラシル(5-FU);葉酸類似体、例えば、デノプテリン、プテロプテリン、及びトリメト
レキセート;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン
、及びチオグアニン;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザ
ウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシ
タビン、及びフロクスウリジン;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ド
ロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、及びテストラクトン;抗副腎薬(
anti-adrenal)、例えば、ミトタン及びトリロスタン;葉酸補給剤、例えば、フロリン酸(f
rolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニル
ウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デホファミン;
デメコルシン;ジアジコン;エルホルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム;エポチロ
ン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシ
ノイド、例えば、メイタンシン及びアンサミトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モ
ピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;
ロソキサントロン;ポドフィリン酸; 2-エチルヒドラジド;プロカルバジン; PSK多糖複合
体;ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコ
ン; 2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(とりわけ、T-2トキシン、ベラ
クリンA、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノム
スチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ar
a-C」);シクロホスファミド;タキソイド、例えば、パクリタキセル及びドセタキセル ゲ
ムシタビン; 6-チオグアニン;メルカプトプリン;白金配位錯体、例えば、シスプラチン、
オキサリプラチン、及びカルボプラチン;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホ
スファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;
エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;イリノ
テカン(例えば、CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメトルヒルオルニ
チン(difluorometlhylornithine)(DMFO);レチノイド、例えば、レチノイン酸;カペシタビ
ン;カルボプラチン、プロカルバジン、プリコマイシン(plicomycin)、ゲムシタビエン(ge
mcitabien)、ナベルビン、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、トランス
白金、並びに上記のもののいずれかの医薬として許容し得る塩、酸、又は誘導体が挙げら
れる。
(放射線療法)
本明細書に記載される方法及び組成物と組み合わせて使用することができる別の従来の
抗癌療法は、放射線療法(radiotherapy)、又は放射線療法(radiation therapy)である。
放射線療法には、腫瘍細胞へのγ線、X線、及び/又は放射性同位体の有向送達の使用が含
まれる。マイクロ波、プロトンビーム照射(米国特許第5,760,395号及び第4,870,287号;こ
れらは全て引用により完全に本明細書中に組み込まれる)、並びにUV照射などの、他の形
態のDNA損傷因子も企図される。これらの因子は全て、DNAに対する、DNAの前駆体に対す
る、DNAの複製及び修復に対する、並びに染色体の集合及び維持に対する広範囲の損傷に
影響を及ぼす可能性が最も高い。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される分子又は組成物は、高線量の放射
線(HDR)療法と組み合わせて投与される。いくつかの実施態様において、HDR療法は、放射
性インプラント、例えば、ペレットを、対象の体内の腫瘍の近く又は内部に配置すること
(近接照射療法)により、対象に投与される。いくつかの実施態様において、HDR療法は、
外部ビーム放射線と組み合わせて投与される。
腫瘍微小環境は、腫瘍に浸潤し、かつ免疫応答を抑制するように機能する骨髄由来サプ
レッサー細胞及び調節性T細胞が存在するため、本質的に抑制性である。さらに、T細胞及
び抗原提示細胞(APC)上での特定の抑制性分子の発現は、効果的な免疫応答を制限するこ
とができる。放射線は、腫瘍細胞のアポトーシス、老化、オートファジーの誘導によって
抗腫瘍効果を媒介し、いくつかの状況では、より効果的な免疫応答を刺激することができ
る。
放射線は、腫瘍細胞がストレスを生き延びる機構を活性化することができるように、腫
瘍細胞をストレス条件下に置く手段であり得る。そのようなストレス条件下で活性化され
る分子は、放射線と組み合わせて使用される療法の標的としての役割を果たすことができ
る。BTN1A1は、そのような条件下で過剰発現する潜在的標的として同定された。
BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)
に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子は、局所及び全
身免疫応答を刺激することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載され
る抗体、他の分子、又は医薬組成物の治療有効量を、放射線療法の前に、それと同時に、
又はその後に投与して、相乗効果を達成する。
いくつかの実施態様において、照射に対して宿主の腫瘍を効果的に増感させる本明細書
に記載される抗体、他の分子、又は医薬組成物の治療有効量が投与される。照射は、電離
放射線、特に、γ線であることができる。いくつかの実施態様において、γ線は、線形加
速器によるか又は放射性核種によって放出される。放射性核種による腫瘍への照射は、外
部から又は内部からであることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載される抗体、他の分子、又は医薬組成物
の投与は、腫瘍への照射より最大1カ月、特に、最大10日又は1週間前に開始する。さらに
、腫瘍への照射を分割し、本明細書に記載される抗体、他の分子、又は医薬組成物の投与
を最初の照射期間と最後の照射期間の合間で維持する。
照射は、X線照射、γ線照射、又は荷電粒子照射(陽子ビーム、炭素ビーム、ヘリウムビ
ーム)(すなわち、「放射線」一般)であることもできる。放射線の線量範囲は、ある間隔
の期間(2日以上~数週間)にわたる50~600レントゲンの1日線量から800~6000レントゲン
の単一線量にまで及ぶ。放射線は、1日に1回、1日に2回、1日に3回、又は1日に4回投与す
ることができる。放射性同位体の線量範囲はばらつきが大きく、同位体の半減期、放出さ
れる放射線の強さ及び種類、並びに腫瘍性細胞による取込みによって決まる。
(標的療法)
標的癌療法は、癌の成長、進行、及び拡大に関与する特定の分子(「分子標的」)を妨害
することにより、癌の成長及び拡大を阻止する薬物又は他の物質である。標的癌療法は、
「分子標的薬」、「分子標的療法」、「精密医療」として、又は類似の名前でも呼ばれる
。標準的な化学療法とは異なり、標的療法は、癌と関連する特定の分子標的に作用するが
、標準的な化学療法は、通常、急速に分裂する全ての正常及び癌性細胞に作用する。
標的療法には、低分子標的療法と、モノクローナル抗体などの生物学的標的療法の両方
が含まれる。低分子化合物は、通常、細胞の内部にある標的向けに開発されるが、それは
、そのような薬剤が比較的容易に細胞に侵入することができるからである。モノクローナ
ル抗体などの生物学的標的療法は、細胞の外部又は細胞の表面にある標的に一般に使用さ
れる。
いくつかの異なる標的療法が癌治療での使用に承認されている。これらの療法には、ホ
ルモン療法、シグナル伝達阻害剤、遺伝子発現調節物質、アポトーシス誘導物質、血管新
生阻害剤、免疫療法、及び毒素送達分子が含まれる。
ホルモン療法は、成長するのに特定のホルモンを必要とするホルモン感受性腫瘍の成長
を減速又は停止させる。ホルモン療法は、体がホルモンを産生するのを妨げることによる
か、又はホルモンの作用を妨害することにより作用する。ホルモン療法は、乳癌と前立腺
癌の両方に承認されている。
シグナル伝達阻害剤は、細胞がその環境からのシグナルに応答するプロセスであるシグ
ナル伝達に関与する分子の活性を遮断する。このプロセスにおいて、ひとたび細胞が特定
のシグナルを受容すれば、該シグナルは、一連の生化学的反応を通じて、細胞内に伝えら
れ、この反応によって、最終的に適切な応答が生じる。一部の癌において、悪性細胞は、
外部の成長因子によって分裂するように促されることなく、連続して分裂するように刺激
される。シグナル伝達阻害剤は、この不適切なシグナル伝達を妨害する。
遺伝子発現調節物質は、遺伝子発現の制御において役割を果たすタンパク質の機能を修
飾する。アポトーシス誘導物質は、癌細胞に、アポトーシスと呼ばれる制御された細胞死
のプロセスを経させる。アポトーシスは、体が不要な又は異常な細胞を取り除くために用
いる1つの方法であるが、癌細胞は、アポトーシスを回避する戦略を有する。アポトーシ
ス誘導物質は、こうした戦略の裏をかいて、癌細胞の死を引き起こすことができる。
血管新生阻害剤は、腫瘍に至る新しい血管の成長(腫瘍血管新生と呼ばれるプロセス)を
遮断する。血液は、腫瘍が持続的成長のために必要とする酸素及び栄養を供給するので、
血液供給は、腫瘍がある大きさを超えて成長するために必要である。血管新生を妨害する
治療は、腫瘍成長を遮断することができる。血管新生を阻害するいくつかの標的療法は、
新しい血管の形成を刺激する物質である血管内皮成長因子(VEGF)の作用を妨害する。他の
血管新生阻害剤は、新しい血管の成長を刺激する他の分子を標的とする。
免疫療法は、免疫系が癌細胞を破壊するのを誘発する。ある免疫療法は、癌細胞の表面
の特異的分子を認識するモノクローナル抗体である。標的分子へのモノクローナル抗体の
結合は、その標的分子を発現する細胞の免疫破壊をもたらす。他のモノクローナル抗体は
、特定の免疫細胞に結合して、これらの細胞が癌細胞をより良好に殺傷するのを助ける。
毒性分子を送達するモノクローナル抗体は、癌細胞の死を特異的に引き起こすことがで
きる。ひとたび抗体がその標的細胞に結合すると、抗体に連結されている毒性分子-例え
ば、放射性物質又は有害性化学物質-が細胞によって取り込まれ、最終的には、その細胞
を殺傷する。毒素は、抗体の標的を欠く細胞-すなわち、体内の圧倒的多数の細胞には影
響を及ぼさない。
癌ワクチン及び遺伝子療法は特定の癌細胞の成長を妨害するので、これらも標的療法と
みなされる。
説明のために、以下に提供されるのは、本実施態様に従って第二の療法として使用する
ことができるFDA承認標的療法のリストである。
・胃又は胃食道接合部の腺癌:トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、ラムシルマブ(Cyr
amza(登録商標))
・基底細胞癌:ビスモデギブ(Erivedge(商標))、ソニデギブ(Odomzo(登録商標))
・脳腫瘍:ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標))
・乳癌:エベロリムス(Afinitor(登録商標))、タモキシフェン、トレミフェン(Fareston(
登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、フルベストラント(Faslodex(登録
商標))、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、エキセメスタン(Aromasin(登録商標))
、ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、レトロゾール(Femara(登録商標))、ペルツズマブ(Per
jeta(登録商標))、アド-トラスツズマブエムタンシン(Kadcyla(商標))、パルボシクリブ(
Ibrance(登録商標))
・子宮頸癌:ベバシズマブ(Avastin(登録商標))
・結腸直腸癌:セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、パニツムマブ(Vectibix(登録商標))、
ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、ジブ-アフリベルセプト(Zaltrap(登録商標))、レゴ
ラフェニブ(Stivarga(登録商標))、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))
・隆起性皮膚線維肉腫:メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標))
・内分泌/神経内分泌腫瘍:酢酸ランレオチド(Somatuline(登録商標)デポー)
・頭頸部癌:セツキシマブ(Erbitux(登録商標))
・消化管間質腫瘍:メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標))、スニチニブ(Sutent(登録商
標))、レゴラフェニブ(Stivarga(登録商標))
・骨の巨細胞腫瘍:デノスマブ(Xgeva(登録商標))
・カポジ肉腫:アリトレチノイン(Panretin(登録商標))
・腎臓癌:ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、スニ
チニブ(Sutent(登録商標))、パゾパニブ(Votrient(登録商標))、テムシロリムス(Torisel
(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、アキシチニブ(Inlyta(登録商標))
・白血病:トレチノイン(Vesanoid(登録商標))、メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標))
、ダサチニブ(Sprycel(登録商標))、ニロチニブ(Tasigna(登録商標))、ボスチニブ(Bosul
if(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、アレムツズマブ(Campath(登録商標)
)、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))、オビヌツズマブ(Gazyva(商標))、イブルチニブ
(Imbruvica(商標))、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、ブリナツモマブ(Blincyto(商標
))
・肝臓癌:ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))
・肺癌:ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、クリゾチニブ(Xalkori(登録商標))、エルロ
チニブ(Tarceva(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、アファチニブ二マレイ
ン酸塩(Gilotrif(登録商標))、セリチニブ(LDK378/Zykadia)、ラムシルマブ(Cyramza(登
録商標))、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録商標))
・リンパ腫:イブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標))、デニロイキンディフチト
クス(Ontak(登録商標))、ブレンツキシマブベドチン(Adcetris(登録商標))、リツキシマ
ブ(Rituxan(登録商標))、ボリノスタット(Zolinza(登録商標))、ロミデプシン(Istodax(
登録商標))、ベキサロテン(Targretin(登録商標))、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、
プララトレキセート(Folotyn(登録商標))、レナリオミド(lenaliomide)(Revlimid(登録商
標))、イブルチニブ(Imbruvica(商標))、シルツキシマブ(Sylvant(商標))、イデラリシブ
(Zydelig(登録商標))、ベリノスタット(Beleodaq(商標))
・黒色腫:イピリムマブ(Yervoy(登録商標))、ベムラフェニブ(Zelboraf(登録商標))、ト
ラメチニブ(Mekinist(登録商標))、ダブラフェニブ(Tafinlar(登録商標))、ペンブロリズ
マブ(Keytruda(登録商標))、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))
・多発性骨髄腫:ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、カルフィルゾミブ(Kyprolis(登録商
標))、レナリオミド(lenaliomide)(Revlimid(登録商標))、ポマリドミド(Pomalyst(登録
商標))、パノビノスタット(Farydak(登録商標))
・骨髄異形成/骨髄増殖性障害:メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標))、リン酸ルクソ
リチニブ(Jakafi(商標))
・神経芽腫:ジヌツキシマブ(Unituxin(商標))
・卵巣上皮/ファローピウス管/原発性腹膜癌:ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、オラパ
リブ(Lynparza(商標))
・膵臓癌:エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、スニ
チニブ(Sutent(登録商標))
・前立腺癌:カバジタキセル(Jevtana(登録商標))、エンザルタミド(Xtandi(登録商標))、
酢酸アビラテロン(Zytiga(登録商標))、塩化ラジウム223(Xofigo(登録商標))
・軟部組織肉腫:パゾパニブ(Votrient(登録商標))
・全身肥満細胞症:メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標))
・甲状腺癌:カボザンチニブ(Cometriq(商標))、バンデタニブ(Caprelsa(登録商標))、ソ
ラフェニブ(Nexavar(登録商標))、メシル酸レンバチニブ(Lenvima(商標))
(免疫療法)
当業者は、免疫療法を本実施態様の方法と組み合わせて又は一緒に使用することができ
ることを理解しているであろう。癌治療との関連において、免疫療法薬は、通常、癌細胞
の標的化及び破壊を免疫エフェクター細胞及び免疫エフェクター分子の使用に頼っている
。リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))は、そのような例である。例えば、イピルミマブ(ip
ilumimab)などのチェックポイント阻害剤は、別のそのような例である。免疫エフェクタ
ーは、例えば、腫瘍細胞の表面のあるマーカーに特異的な抗体であることができる。該抗
体のみで、療法のエフェクターとしての役割を果たすことができるか、又は該抗体が、他
の細胞を動員して、細胞の殺傷に実際に影響を及ぼすことができる。該抗体を、薬物又は
毒素(例えば、化学療法薬、放射性核種、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素)にコンジ
ュゲートして、単に標的化剤としての役割を果たすこともできる。或いは、エフェクター
は、腫瘍細胞標的と直接的に又は間接的に相互作用する表面分子を保有するリンパ球であ
ることができる。様々なエフェクター細胞には、細胞傷害性T細胞及びNK細胞が含まれる
免疫療法の一態様において、腫瘍細胞は、標的化に適している、すなわち、大多数の他
の細胞には存在しない何らかのマーカーを有する。多くの腫瘍マーカーが存在し、これら
はいずれも、本実施態様との関連における標的化に好適であることができる。一般的な腫
瘍マーカーとしては、CD20、癌胎児性抗原、チロシナーゼ(p97)、gp68、TAG-72、HMFG、
シアリルルイス抗原、MucA、MucB、PLAP、ラミニン受容体、erb B、及びp155が挙げられ
る。免疫療法の代わりの態様は、抗癌作用を免疫刺激作用と組み合わせることである。免
疫刺激分子も存在し、これには: IL-2、IL-4、IL-12、GM-CSF、γ-IFNなどのサイトカイ
ン、MIP-1、MCP-1、IL-8などのケモカイン、及びFLT3リガンドなどの成長因子が含まれる
現在研究中又は使用中の免疫療法の例としては、免疫アジュバント、例えば、ウシ型結
核菌(Mycobacterium bovis)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、ジニトロク
ロロベンゼン、及び芳香族化合物(米国特許第5,801,005号及び第5,739,169号; Hui及びHa
shimotoの文献、Infect Immun., 66(11):5329-36(1998); Christodoulidesらの文献、Mic
robiology, 66(11):5329-36(1998));サイトカイン療法、例えば、インターフェロンα、
β、及びγ、IL-1、GM-CSF、並びにTNF(Bukowskiらの文献、Clin Cancer Res., 4(10):23
37-47(1998); Davidsonらの文献、J Immunother.,21(5):389-98(1998); Hellstrandらの
文献、Acta Oncol. 37(4):347-53(1998));遺伝子療法、例えば、TNF、IL-1、IL-2、及びp
53(Qinらの文献、Proc Natl Acad Sci U S A, 95(24):14411-6(1998); Austin-Ward及びV
illasecaの文献、Rev Med Chil, 126(7):838-45(1998);米国特許第5,830,880号及び第5,8
46,945号);並びにモノクローナル抗体、例えば、抗PD1、抗PDL1、抗CD20、抗ガングリオ
シドGM2、及び抗p185(Topalianらの文献、The New England journal of medicine, 366:2
443-2454(2012); Brahmerらの文献、The New England journal of medicine 366:2455-24
65(2012); Hollanderの文献、Front Immunol(2012): 3:3. doi: 10.3389/fimmu.2012.000
03; Hanibuchiらの文献、Int J Cancer, 78(4):480-5(1998);米国特許第5,824,311号)が
あり;これらの文献は全て、引用により完全に本明細書中に組み込まれる。1以上の抗癌療
法を、BTN1A1又はグリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子
の使用を含む本明細書に記載される療法とともに利用することができることが企図される
(手術)
癌を有する人の約60%が何らかのタイプの手術を受けることになり、これには、予防手
術、診断又はステージング手術、根治手術、及び緩和手術が含まれる。根治手術には、癌
性組織の全て又は一部が物理的に除去、摘出、及び/又は破壊され、本実施態様の治療、
化学療法、放射線療法、ホルモン療法、遺伝子療法、免疫療法、及び/又は代替療法など
の他の療法と一緒に使用し得る切除が含まれる。腫瘍切除とは、腫瘍の少なくとも一部の
物理的除去を指す。腫瘍切除に加えて、手術による治療には、レーザー手術、凍結手術、
電気手術、及び顕微鏡下手術(モース術)が含まれる。
癌性細胞、組織、又は腫瘍の一部又は全てを摘出するときに、体内に空洞が形成される
場合がある。治療は、この部分へのさらなる抗癌療法の灌流、直接注射、又は局所適用に
よって達成することができる。そのような治療は、例えば、1、2、3、4、5、6、もしくは
7日毎に、又は1、2、3、4、及び5週間毎に、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、
もしく12カ月毎に反復することができる。これらの治療は、様々な投薬量のものであるこ
ともできる。
(さらなるタイプの療法)
当技術分野で公知のさらなるタイプの癌療法を、限定されないが、凍結療法、温熱療法
、光線力学療法、及び高密度焦点式超音波(HIFU)療法を含む、本明細書に提供される方法
及び組成物と組み合わせて又は一緒に使用することができる。
凍結療法(別名、凍結手術)は、液体窒素(又はアルゴンガス)によってもたらされる極度
の低温を用いて、異常な組織を破壊することである。凍結手術は、外部腫瘍、例えば、皮
膚の腫瘍を治療するために使用される。外部腫瘍については、液体窒素を綿棒又はスプレ
ー装置で癌細胞に直接適用する。凍結手術は、体内の腫瘍(内部腫瘍及び骨内の腫瘍)を治
療するために使用することもできる。内部腫瘍については、液体窒素又はアルゴンガスを
、腫瘍と接触した状態で置かれる、クライオプローブと呼ばれる中空の器具に通して循環
させる。このプローブを、手術時に又は皮膚を通して(経皮的に)、腫瘍の中に入れ込むこ
とができる。凍結手術後、凍結した組織が解けて、自然に体に吸収されるか(内部腫瘍の
場合)、又は該組織が溶解して、かさぶたを形成する(外部腫瘍の場合)。
温熱療法(hyperthermia therapy)(別名、温熱療法(thermal therapy)又は温熱療法(the
rmotherapy))は、体組織が高温(最大113°F)に曝露される癌治療の一種である。温熱療法
のいくつかの方法があり、これには、局所、局部、及び全身温熱療法が含まれる。
局所温熱療法では、エネルギーを供給する様々な技法を用いて、熱を腫瘍などの小さい
領域に適用して、腫瘍を熱する。マイクロ波、高周波、及び超音波を含む、様々なタイプ
のエネルギーを用いて、熱を加えることができる。腫瘍の位置によって、外部アプローチ
、管腔内法又は空洞内法、及び間隙内技法を含む、いくつかの局所温熱療法のアプローチ
がある。
局部温熱療法では、深部組織アプローチ、局部灌流技法、及び持続温熱腹膜灌流(CHPP)
を含む、様々なアプローチを用いて、体腔、臓器、又は肢などの、大きい組織部分を熱す
ることができる。
全身温熱療法を用いて、全身に広がった転移性癌を治療することができ、これは、(巨
大インキュベーターに類似した)サーマルチャンバー又は温水ブランケットの使用を含む
、体温を107~108°Fにまで上昇させるいくつかの技法によって達成することができる。
光線力学療法(PDT)は、光増感剤又は光感作性薬剤と呼ばれる薬物及び特定の種類の光
を使用する治療である。 光増感剤を特定の波長の光に曝露させると、それは、すぐ近く
の細胞を殺傷する一種の酸素を生成する。癌治療のためのPDTの第一段階において、光感
作性薬剤が血流中に注射される。該薬剤は、体中の細胞によって吸収されるが、正常細胞
に留まるよりも長く癌細胞に留まる。薬剤のほとんどが正常細胞からなくなるが、癌細胞
に残っている、注射から約24~72時間後に、腫瘍を光に曝露させる。腫瘍内の光増感剤は
光を吸収し、すぐ近くの癌細胞を破壊する活性型の酸素を生成する。
PDTに使用される光は、レーザー又は他の源に由来することができる。レーザー光を、
光ファイバーケーブル(光を伝達する薄いファイバー)を通過するように導いて、光を体内
の領域に送達することができる。他の光源としては、皮膚癌などの表面腫瘍に使用するこ
とができる発光ダイオード(LED)が挙げられる。体外循環光療法(ECP)は、PDTの一種であ
り、この場合、機械を用いて患者の血液細胞を回収し、それを体外で光感作性薬剤で処理
し、それを光に曝露させ、その後、それを患者に戻す。
高密度焦点式超音波療法(又はHIFU)は、癌治療の一種である。医師は、癌の特定の部分
に強いビームを送達して癌細胞を殺傷する高周波音波を放出する機械を用いて、HIFU治療
を施す。
(他の薬剤)
他の薬剤を本実施態様のある態様と組み合わせて用いて、治療の治療有効性を改善する
ことができることが企図される。これらのさらなる薬剤としては、細胞表面受容体及びGA
P結合の上方調節に影響を及ぼす薬剤、細胞増殖抑制剤及び分化剤、細胞接着の阻害剤、
アポトーシス誘導物質に対する過剰増殖細胞の感受性を増大させる薬剤、又は他の生物学
的薬剤が挙げられる。GAP結合の数を増加させることによる細胞間シグナル伝達の増大は
、隣接する過剰増殖細胞集団への抗過剰増殖効果を増大させることができる。他の実施態
様において、細胞増殖抑制剤又は分化剤を本実施態様のある態様と組み合わせて用いて、
治療の抗過剰増殖効力を改善することができる。細胞接着の阻害剤は本実施態様の有効性
を改善することが企図される。細胞接着阻害剤の例は、焦点接着キナーゼ(FAK)阻害剤及
びロバスタチンである。アポトーシスに対する過剰増殖細胞の感受性を増大させる他の薬
剤、例えば、抗体c225を本実施態様のある態様と組み合わせて用いて、治療有効性を改善
することができることがさらに企図される。
(5.6 コンパニオン診断法)
BTN1A1は、癌細胞で高度かつ特異的に発現する。本明細書に提供されるのは、BTN1A1に
免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子を用いて、対象由
来の試料中のBTN1A1の発現を検出する方法でもある。したがって、本明細書に提供される
のは、癌診断薬としての本明細書に記載される分子の使用でもある。いくつかの実施態様
において、本明細書に提供されるのは、対象由来の試料を本明細書に記載される分子と接
触させて、該分子とBTN1A1の複合体を形成させること、及び該試料中の該複合体を検出す
ることにより、該試料中のBTN1A1を検出する方法である。いくつかの実施態様において、
本明細書に提供されるのは、対象の癌診断を提供又は補助する方法であって、該対象由来
の試料を本明細書に記載される分子と接触させて、該分子とBTN1A1の複合体を形成させる
こと、該複合体を検出すること、及び該複合体が該試料中で検出される場合、該対象が癌
を有する可能性が高いと診断することを含む、方法である。いくつかの実施態様において
、該方法は、グリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書
に記載される分子を用いて、試料中のグリコシル化BTN1A1の存在を検出することを含む。
いくつかの実施態様において、該分子は、グリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、該分子は、位置N55、N215、及び/
又はN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する
。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55でグリコシル化されているB
TN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N
215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様にお
いて、該抗原結合断片は、位置N449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合
する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、1以上のグリコシル化モチーフ
に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及
びN215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様に
おいて、該抗原結合断片は、位置N215及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特
異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及びN449で
グリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、
該抗原結合断片は、位置N55、N215、及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特
異的に結合する。いくつかの実施態様において、該分子は、BTN1A1二量体(例えば、グリ
コシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施
態様において、BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中の一方又は両方のBTN1A1単量体のN55
、N215、及びN449のいずれか1つ又は複数の位置でグリコシル化されている。例えば、グ
リコシル化BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中のN55、N215、及びN449のいずれか1つ、2
つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの位置でグリコシル化されていてもよい。
いくつかの実施態様において、該分子は、抗BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様に
おいて、該分子は、抗グリコシル化BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様において、該
分子は、抗BTN1A1二量体抗体である。
本明細書に提供されるのは、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗
体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、
STC2778、又はSTC2781のVH又はVLドメインを含む抗原結合断片を有する本明細書に記載さ
れる分子を用いて、対象由来の試料中のBTN1A1の発現を検出する方法でもある。いくつか
の実施態様において、該分子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル
抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739
、STC2778、又はSTC2781のVHドメインとVLドメインの両方を含む抗原結合断片を有するこ
とができる。
また本明細書に提供されるのは、表2a~12に示されているようなマウスモノクローナル
抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739
、STC2778、又はSTC2781のVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1以上のVH CDRを
含む抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子を用いて、対象由来の試料中のBTN1
A1の発現を検出する方法である。いくつかの実施態様において、該分子は、表2a~12bに
示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC10
12、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVL CDRのいずれか1
つのアミノ酸配列を有する1以上のVL CDRを含む抗原結合断片を有することができる。い
くつかの実施態様において、該分子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクロ
ーナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、S
TC2739、STC2778、又はSTC2781の少なくとも1つのVH CDR及び少なくとも1つのVL CDRを含
む抗原結合断片を有することができる。
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるBTN1A1エピトープを(例えば、
用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子
を用いて、対象由来の試料中のBTN1A1の発現を検出する方法である。該BTN1A1エピトープ
は、STC703、STC820、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はST
C2781のエピトープであることができる。
また本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるBTN1A1のエピトープに免疫特異
的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子を用いて、対象由来の試料
中のBTN1A1の発現を検出する方法である。該BTN1A1エピトープは、STC703、STC810、STC8
20、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781の
エピトープであることができる。
いくつかの実施態様において、試料中のBTN1A1を検出することは、本明細書に記載され
る分子を用いて、該試料中のBTN1A1の発現レベルを測定することを含む。いくつかの実施
態様において、BTN1A1を検出することは、対象由来の試料中のBTN1A1の発現レベルを参照
レベルと比較することをさらに含む。いくつかの実施態様において、該方法は、本明細書
に記載される分子を用いて、試料中のBTN1A1の発現レベルを測定すること、該試料中のBT
N1A1の発現レベルを参照レベルと比較すること、及び該試料中のBTN1A1の発現レベルが該
参照レベルよりも高い場合、対象が癌を有する可能性が高いと診断することを含む。
いくつかの実施態様において、BTN1A1レベルを測定することは、グリコシル化BTN1A1に
免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子、例えば、抗グリコシル化BTN1A1抗体を
用いて、グリコシル化BTN1A1のレベルを測定することを含む。いくつかの実施態様におい
て、試料中のグリコシル化BTN1A1のレベルを測定することは、該試料中のグリコシル化BT
N1A1のレベルを参照レベルと比較すること、及び該試料中のグリコシル化BTN1A1のレベル
が該参照レベルよりも高い場合、対象が癌を有する可能性が高いと診断することをさらに
含む。
いくつかの実施態様において、BTN1A1レベルを測定することは、BTN1A1二量体に免疫特
異的に結合する抗原結合断片を有する分子、例えば、抗BTN1A1二量体抗体を用いて、BTN1
A1二量体のレベルを測定することを含む。いくつかの実施態様において、試料中のBTN1A1
二量体のレベルを測定することは、該試料中のグリコシル化BTN1A1のレベルを参照レベル
と比較すること、及び該試料中のBTN1A1二量体のレベルが該参照レベルよりも高い場合、
対象が癌を有する可能性が高いと診断することをさらに含む。
いくつかの実施態様において、参照レベルは、健常個体由来の試料中のBTN1A1の発現レ
ベルであることができる。いくつかの実施態様において、参照レベルは、健常個体の集団
由来の試料中のBTN1A1の平均又は中位の発現レベルであることができる。参照レベルは、
集団の試料由来のBTN1A1の発現レベル統計解析によって決定されるカットオフ値であるこ
ともできる。そのようなカットオフ値を決定するために使用することができる統計法は当
技術分野で周知である。例えば、受動者動作特性(ROC)解析を用いて、参照発現比を決定
することができる。ROC解析の概説は、引用により完全に本明細書中に組み込まれる、Sor
eideの文献、J Clin Pathol, 10:1136(2008)に見出すことができる。
いくつかの実施態様において、対象は、ルーチンの健康診断を受けている健常対象であ
ることができる。いくつかの実施態様において、該健常対象は、当技術分野で周知である
特定のリスク因子の存在によって決定したとき、癌を有するリスクがある。そのようなリ
スク因子には、限定するものではないが、遺伝的素質、個人の病歴、家族の病歴、生活様
式因子、環境因子、診断指標などが含まれる。いくつかの実施態様において、対象は無症
状である。無症状の対象には、癌の軽度の初期診断指標を示すが、それ以外は症状も病状
もない癌患者がさらに含まれる。いくつかの実施態様において、対象は癌を有する。
いくつかの実施態様において、対象は、癌を有する疑いがある。いくつかの実施態様に
おいて、対象は、癌を発症する遺伝的素質又は癌の家族歴を有する。いくつかの実施態様
において、対象は、癌の発症を促進する特定の生活様式因子に曝されているか、又は対象
は、癌の臨床疾患症状を示す。いくつかの実施態様において、対象は、癌を診断するため
に又は癌を発症するリスクを評価するために、臨床的精密検査を受けている患者である。
癌は、転移性癌であることができる。癌は、血液癌又は固形腫瘍であることができる。
いくつかの実施態様において、癌は、白血病、リンパ腫、及び骨髄腫からなる群から選択
される血液癌である。いくつかの実施態様において、癌は、乳癌、肺癌、胸腺癌、甲状腺
癌、頭頸部癌、前立腺癌、食道癌、気管癌、脳腫瘍、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、胃癌、膵
臓癌、卵巣癌、子宮癌、子宮頸癌、精巣癌、結腸癌、直腸癌、又は黒色腫皮膚癌と非黒色
腫皮膚癌の両方の皮膚癌からなる群から選択される固形腫瘍である。癌は、本明細書に記
載される任意の他のタイプの癌であることもできる。
いくつかの実施態様において、対象は治療を受けたことがない。いくつかの実施態様に
おいて、対象は癌の治療(例えば、化学療法)を受けている。いくつかの実施態様において
、対象は寛解期にある。いくつかの実施態様において、寛解は薬物によって誘発される。
いくつかの実施態様において、寛解は薬物に頼らないものである。
いくつかの実施態様において、BTN1A1又はグリコシル化BTN1A1を検出する方法は、対象
由来の試料を得ることを含む。対象はヒトであることができる。対象は癌患者であること
ができる。試料は、全血試料、骨髄試料、部分精製血試料、PBMC、組織生検、循環腫瘍細
胞、循環要素、例えば、タンパク質複合体又はエキソソームであることができる。いくつ
かの実施態様において、試料は、血液試料である。いくつかの実施態様において、試料は
、組織生検である。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供される方法は、抗BTN1A1抗体及び抗グリ
コシル化BTN1A1抗体を含む、本明細書に記載される分子を用いる種々の免疫組織化学(IHC
)手法又は他の免疫アッセイ法を用いて、試料中のBTN1A1を検出することを含む。
組織切片のIHC染色は、試料中のタンパク質の存在を評価又は検出する信頼性のある方
法であることが示されている。免疫組織化学技法は、抗体を用いて、通常は発色法又は蛍
光法によって、細胞抗原をインサイチュで探索及び可視化する。したがって、BTN1A1に特
異的な抗体又は抗血清、好ましくは、ポリクローナル抗血清、最も好ましくは、モノクロ
ーナル抗体を使用することができる。以下でさらに詳細に論じられるように、抗体は、例
えば、放射性標識、蛍光標識、ハプテン標識、例えば、ビオチン、又は酵素(例えば、西
洋ワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリホスファターゼ)による抗体自体の直接的な
標識によって検出することができる。或いは、非標識一次抗体を、一次抗体に特異的な抗
血清、ポリクローナル抗血清、又はモノクローナル抗体を含む、標識二次抗体と一緒に使
用する。免疫組織化学プロトコル及びキットは当技術分野で周知であり、かつ市販されて
いる。スライド調製及びIHC処理の自動システムは市販されている。Ventana(登録商標) B
enchMark XTシステムは、そのような自動システムの一例である。
標準的な免疫学的手順及び免疫アッセイ手順は、基礎及び臨床免疫学(Basic and Clini
cal Immunology)(Stites及びTerr編、第7版、1991)に見出すことができる。さらに、免疫
アッセイは、酵素免疫アッセイ(Enzyme Immunoassay)(Maggio編、1980);並びにHarlow及
びLaneの文献(上記)で広範に概説されているいくつかの構成のうちのいずれかで実施する
ことができる。一般的な免疫アッセイの概説については、細胞生物学における方法:細胞
生物学における抗体(Methods in Cell Biology: Antibodies in Cell Biology)、第37巻(
Asai編、1993);基礎及び臨床免疫学(Basic and Clinical Immunology)(Stites及びTen編
、第7版、1991)も参照されたい。
BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体を検出するための一般的に使用される
アッセイとしては、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化
学発光免疫吸着アッセイ(CLIA)、放射免疫アッセイ(RIA)、酵素多重化免疫アッセイ(EMI)
、固相放射免疫アッセイ(SPROA)、蛍光偏光(FP)アッセイ、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET
)アッセイ、時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(TR-FRET)アッセイ、及び表面プラズモン共
鳴(SPR)アッセイが挙げられる。
いくつかの実施態様において、ELISAはサンドイッチELISAである。いくつかの実施態様
において、ELISAは直接ELISAである。いくつかの実施態様において、ELISAは、本明細書
に記載される分子を固体支持体に(例えば、マイクロタイタープレートウェルの壁又はキ
ュベットの壁に)固定する最初の工程を含む。
BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体を検出するためのアッセイには、非競
合的アッセイ、例えば、サンドイッチアッセイ、及び競合的アッセイが含まれる。通常、
ELISAアッセイなどのアッセイを使用することができる。例えば、血液、血漿、血清、又
は骨髄を含む、多種多様な組織及び試料をアッセイするためのELISAアッセイが当技術分
野で公知である。
そのようなアッセイ形式を用いる広範な免疫アッセイ技法が利用可能であり、例えば、
引用により完全に本明細書中に組み込まれる、米国特許第4,016,043号、第4,424,279号、
及び第4,018,653号を参照されたい。これらは、非競合型の単一部位アッセイと二部位ア
ッセイの両方又は「サンドイッチ」アッセイ及び従来的な競合的結合アッセイを含む。こ
れらのアッセイは、標的抗原に対する標識抗体の直接的な結合も含む。サンドイッチアッ
セイは一般的に使用されるアッセイである。サンドイッチアッセイ技法のいくつかのバリ
エーションが存在する。例えば、典型的な前向きアッセイでは、非標識抗BTN1A1抗体を固
体基板上に固定し、試験すべき試料をその結合抗体と接触させる。抗体-抗原複合体の形
成を可能にするのに十分な期間にわたる好適なインキュベーション期間の後、検出可能な
シグナルを産生することができるレポーター分子で標識された、第二の抗BTN1A1抗体を添
加し、別の抗体-抗原-標識抗体複合体の形成に十分な時間を考慮して、インキュベートす
る。全ての未反応材料を洗い流し、抗原の存在を、レポーター分子によって産生されるシ
グナルの観察により測定する。結果は、可視シグナルの単純な観察による定性的なもので
あり得るか、又は標準的な量の抗原を含む対照試料と比較することにより定量され得るか
のいずれかである。
前向きアッセイのバリエーションには、試料と標識抗体の両方が同時に結合抗体に添加
される同時アッセイが含まれる。これらの技法は当業者に周知であり、これには、すぐに
明白である任意のマイナーなバリエーションが含まれる。典型的な前向きサンドイッチア
ッセイでは、例えば、第一の抗BTN1A1抗体を共有結合的にか又は受動的にかのいずれかで
固体表面に結合させる。固体表面はガラス又はポリマーであることができ、最も一般的に
使用されるポリマーは、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、又はポリプロピレンである。固体支持体は、チューブ、ビーズ、マイクロ
プレートのディスク、又は免疫アッセイを実施するのに好適な任意の他の表面の形態のも
のであることができる。結合プロセスは当技術分野で周知であり、かつ通常、架橋、共有
結合、又は物理的吸着からなり、ポリマー-抗体複合体を試験試料に備えて洗浄する。そ
の後、試験すべき試料のアリコートを固相複合体に添加し、抗体中に存在する任意のサブ
ユニットの結合を可能にするのに十分な期間(例えば、2~40分、又はより好都合な場合、
一晩)及び好適な条件下(例えば、室温~40℃、例えば、25℃~32℃(25℃と32℃を含む))
でインキュベートする。インキュベーション期間の後、抗体サブユニット固相を洗浄し、
乾燥させ、抗原の部分に特異的な第二の抗体とともにインキュベートする。第二の抗BTN1
A1抗体は、該第二の抗体と分子マーカーとの結合を示すために使用されるレポーター分子
に連結される。
いくつかの実施態様において、フローサイトメトリー(FACS)を用いて、試料中のBTN1A1
、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体のレベルを検出することができる。フローサイ
トメーターは、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体のレベルを示す蛍光色素
タグ化抗体の強度を検出及び報告する。非蛍光性の細胞質タンパク質も、透過処理した細
胞を染色することにより観察することができる。染色剤は、特定の分子に結合することが
できる蛍光化合物、又は選択された分子に結合する蛍光色素タグ化抗体のいずれかである
ことができる。
酵素免疫アッセイの場合、酵素は、通常、グルタルアルデヒド又は過ヨウ素酸塩によっ
て、第二の抗体にコンジュゲートされる。しかしながら、すぐに認識されるように、当業
者にすぐに利用可能である、多種多様な異なるコンジュゲーション技法が存在する。一般
的に使用される酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、
β-ガラクトシダーゼ、及びアルカリホスファターゼが挙げられ、その他のものは、本明
細書で論じられている。特定の酵素とともに使用されることになる基質は、通常、対応す
る酵素によって加水分解されたときの、検出可能な色の変化の生成が理由で選ばれる。好
適な酵素の例としては、アルカリホスファターゼ及びペルオキシダーゼが挙げられる。上
で述べられた発色基質ではなく、蛍光産物を産出する蛍光基質を利用することも可能であ
る。いかなる場合でも、酵素標識抗体を第一の抗体-分子マーカー複合体に添加し、結合
させておき、その後、余分な試薬を洗い流す。その後、適当な基質を含む溶液を抗体-抗
原-抗体の複合体に添加する。基質は、第二の抗体に連結された酵素と反応して、定性的
な視覚的シグナルを生じ、これを、通常は分光学的に、さらに定量して、試料中に存在す
るBTN1A1又はグリコシル化BTN1A1の量を示すことができる。或いは、蛍光化合物、例えば
、フルオレセイン及びローダミンを、その結合能力を変化させることなく、抗体に化学的
にカップリングすることができる。特定の波長の光による照射によって活性化されると、
蛍光色素標識抗体は光エネルギーを吸着し、状態を分子の興奮状態に誘導し、その後、光
学顕微鏡で視覚的に検出可能な特徴的な色で光が放出される。EIAと同様に、蛍光標識抗
体を第一の抗体-分子マーカー複合体に結合させておく。結合しなかった試薬を洗い落と
した後、残りの三成分複合体を適当な波長の光に曝露させ、観察される蛍光は、BTN1A1又
はグリコシル化BTN1A1の存在を示す。免疫蛍光技法とEIA技法はどちらも当技術分野で十
分に確立されており、本明細書で論じられている。
したがって、本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片
を有する本明細書に記載される分子を用いて、対象由来の試料中のBTN1A1の存在又は発現
レベルを検出することを含む癌診断の方法である。いくつかの実施態様において、該方法
は、癌を有すると診断された対象に癌治療を施すことをさらに含む。癌治療は、本明細書
に記載されているか又はさもなければ当技術分野で公知の任意の癌療法であることができ
る。いくつかの実施態様において、癌治療は、抗BTN1A1抗体の治療有効量を該対象に投与
することを含む。
(5.7 治療の有効性の評価)
対象におけるBTN1A1の発現レベルは癌の発症と相関し得る。BTN1A1レベルの増加は癌の
進行を示すことができ、BTN1A1レベルの減少は癌の退縮を示すことができる。したがって
、本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明
細書に記載される分子を用いて、一連の治療にわたる対象の試料中のBTN1A1レベルをモニ
タリングすることにより、対象における特定の癌治療の有効性を評価する方法でもある。
いくつかの実施態様において、該方法は、BTN1A1の発現レベルを検出することを含む。い
くつかの実施態様において、該方法は、グリコシル化BTN1A1のレベルを検出することを含
む。
いくつかの実施態様において、該分子は、グリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、該分子は、位置N55、N215、及び/
又はN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する
。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55でグリコシル化されているB
TN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N
215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様にお
いて、該抗原結合断片は、位置N449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合
する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、1以上のグリコシル化モチーフ
に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及
びN215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様に
おいて、該分子は、抗BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様において、該分子は、抗グ
リコシル化BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様において、該分子は、BTN1A1二量体(
例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。い
くつかの実施態様において、BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中の一方又は両方のBTN1A1
単量体のN55、N215、及びN449のいずれか1つ又は複数の位置でグリコシル化されている。
例えば、グリコシル化BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中のN55、N215、及びN449のいず
れか1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの位置でグリコシル化されていてもよい。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合
する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子を用いて、一連の治療にわたる対象
の試料中のBTN1A1レベルをモニタリングすることにより、対象における特定の癌治療の有
効性を評価する方法でもある。一実施態様において、該分子は、表2a~12bに示されてい
るようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC102
9、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVH又はVLドメインを含む抗原結
合断片を有することができる。一実施態様において、該分子は、表2a~12bに示されてい
るようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC102
9、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVHドメインとVLドメインの両方
を含む抗原結合断片を有することができる。別の実施態様において、該分子は、表2a~12
bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、ST
C1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVH CDRのいずれ
か1つのアミノ酸配列を有する1以上のVH CDRを含む抗原結合断片を有することができる。
別の実施態様において、該分子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナ
ル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC27
39、STC2778、又はSTC2781のVL CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1以上のVL CDR
を含む抗原結合断片を有することができる。さらに別の実施態様において、該分子は、表
2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC10
11、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781の少なくと
も1つのVH CDR及び少なくとも1つのVL CDRを含む抗原結合断片を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、抗原結合断片を有する本明
細書に記載される分子を用いて、一連の治療にわたる対象の試料中のBTN1A1レベルをモニ
タリングすることにより、対象における特定の癌治療の有効性を評価する方法でもある。
いくつかの実施態様において、該分子は、本明細書に記載されるBTN1A1エピトープを(例
えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗原結合断片を有することができる。該BTN
1A1エピトープは、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC
2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のエピトープであることができる。いくつかの実
施態様において、該分子は、本明細書に記載されるBTN1A1のエピトープに免疫特異的に結
合する抗原結合断片を有することができる。該BTN1A1エピトープは、STC703、STC810、ST
C820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781
のエピトープであることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、患者における特定の癌治療
の有効性を評価する方法であって: a)治療の全期間を通じた第一の時点及び少なくとも1
つの後の時点で患者から得られた2以上の試料を本明細書に記載される分子と接触させる
こと; b)該2以上の試料中のBTN1A1のレベルを測定すること、並びにc)該2以上の試料中の
BTN1A1のレベルを比較することを含み、ここで、第一の時点で得られた試料中のBTN1A1レ
ベルと比べた、後の時点で得られた試料中のBTN1A1レベルの減少によって、癌治療が有効
であることが示される、方法である。該分子は、抗BTN1A1抗体であることができる。いく
つかの実施態様において、BTN1A1レベルは、グリコシル化BTN1A1のレベルであることがで
きる。いくつかの実施態様において、BTN1A1レベルは、BTN1A1二量体(例えば、グリコシ
ル化BTN1A1二量体)のレベルであることができる。該分子は、抗グリコシル化BTN1A1抗体
又は抗BTN1A1二量体抗体であることもできる。いくつかの実施態様において、該分子は、
STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、ST
C2778、又はSTC2781である。
いくつかの実施態様において、該方法は、治療の全期間を通じた第一の時点及び少なく
とも1つの後の時点で患者から得られた2以上の試料を本明細書に記載される分子と接触さ
せて、該試料中で該分子とBTN1A1の複合体を形成させること、並びに該試料中の該複合体
を測定することにより、該2以上の試料中のBTN1A1のレベルを測定することを含む。
いくつかの実施態様において、2以上の試料由来のBTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はB
TN1A1二量体のレベルは、1回のアッセイで測定される。他の実施態様において、2以上の
試料由来のBTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体のレベルは、複数回のアッセ
イで測定される。いくつかの実施態様において、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1
A1二量体のレベルは、試料が対象から得られるのと同じ日に測定される。いくつかの実施
態様において、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体のレベルは、対象から得
られた試料を保存することなく測定される。
癌患者由来の試料は、全血試料、骨髄試料、部分精製血試料、PBMC、組織生検、循環腫
瘍細胞、循環要素、例えば、タンパク質複合体又はエキソソームであることができる。い
くつかの実施態様において、該試料は血液試料である。いくつかの実施態様において、該
試料は組織生検である。当業者であれば理解しているように、本明細書に記載されている
か又はさもなければ当技術分野で公知の試料中のタンパク質の発現のレベルを決定する任
意の方法を用いて、癌患者由来の試料中のBTN1A1のレベルを決定することができる。いく
つかの実施態様において、該方法は免疫アッセイを含む。免疫アッセイは、免疫組織化学
アプローチであることができ、これは、本明細書に記載される分子を用いて、BTN1A1を探
索及び可視化することを含む。免疫アッセイとしては、FIA、CLIA、RIA、EMI、SPROA、FP
アッセイ、FRETアッセイ、TR-FRETアッセイ、又はSPRアッセイを挙げることができる。
癌治療又は癌療法は、本明細書に記載されているか又はさもなければ当技術分野で公知
の任意の療法であることができ、これには:外科的療法、化学療法、生物学的標的療法、
低分子標的療法、放射線療法、凍結療法、ホルモン療法、免疫療法、及びサイトカイン療
法が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、癌治療には、臨
床開発中の実験的癌治療を含む、FDA承認癌治療が含まれる。いくつかの実施態様におい
て、癌治療には、2以上の薬物、又は2以上の療法の組合せによる治療が含まれる。
いくつかの実施態様において、癌治療は、癌患者に抗BTN1A1抗体を投与することを含む
いくつかの実施態様において、1以上の試料が癌治療の期間の開始時に得られ、1以上の
試料が治療の全期間を通じた後の時点で得られた。いくつかの実施態様において、後の時
点は、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、15以上、20
以上、25以上、又は30以上の時点である。
いくつかの実施態様において、該方法は、治療が有効でないと決定された場合に治療を
調整することをさらに含む。治療を調整することは、例えば、薬物治療の用量を調整する
こと、薬物治療の頻度を増加させること、異なる薬物もしくは薬物の組合せで治療するこ
と、又は治療を終了することを含むことができる。
いくつかの実施態様において、該方法は、治療が有効であると決定された場合に治療を
反復することをさらに含む。
いくつかの実施態様において、第一の時点で得られた試料中のBTN1A1、グリコシル化BT
N1A1二量体のレベルは、後の時点で10%よりも大きく、20%よりも大きく、30%よりも大
きく、40%よりも大きく、50%よりも大きく、60%よりも大きく、70%よりも大きく、80
%よりも大きく、90%よりも大きく、95%よりも大きく、又は99%よりも大きく減少して
いる。
(5.8 患者選択)
本明細書に提供されるのは、患者由来の試料中のBTN1A1の存在又は発現レベルを決定す
ることにより、癌治療に対する癌患者の応答性を予測するためのBTN1A1に免疫特異的に結
合する抗原結合断片を有する分子の使用である。いくつかの実施態様において、該方法は
、癌患者由来の試料を本明細書に記載される分子と接触させて、該分子とBTN1A1の複合体
を形成させることにより、該試料中でBTN1A1を検出すること、及び該複合体が検出された
場合に、該対象が癌治療に応答する可能性が高いと予測することを含む。いくつかの実施
態様において、該方法は、グリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有
する分子を用いて、試料中のグリコシル化BTN1A1の存在を検出することを含む。いくつか
の実施態様において、該方法は、BTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免
疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子を用いて、試料中のBTN1A1二量体(例えば
、グリコシル化BTN1A1二量体)の存在を検出することを含む。
いくつかの実施態様において、該分子は、グリコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する
抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、該分子は、位置N55、N215、及び/
又はN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する
。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55でグリコシル化されているB
TN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N
215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様にお
いて、該抗原結合断片は、位置N449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合
する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、1以上のグリコシル化モチーフ
に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及
びN215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様に
おいて、該抗原結合断片は、位置N215及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特
異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及びN449で
グリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、
該抗原結合断片は、位置N55、N215、及びN449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特
異的に結合する。いくつかの実施態様において、該分子は、BTN1A1二量体(例えば、グリ
コシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施
態様において、BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中の一方又は両方のBTN1A1単量体のN55
、N215、及びN449のいずれか1つ又は複数の位置でグリコシル化されている。例えば、グ
リコシル化BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中のN55、N215、及びN449のいずれか1つ、2
つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの位置でグリコシル化されていてもよい。
いくつかの実施態様において、該分子は、抗BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様に
おいて、該分子は、抗グリコシル化BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様において、該
分子は、抗BTN1A1二量体抗体である。
一実施態様において、患者選択に使用することができる本明細書に提供される分子は、
表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC
1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVH又はV
Lドメインを含む抗原結合断片を有することができる。一実施態様において、該分子は、
表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC
1011、STC11012、又はSTC1029のVHドメインとVLドメインの両方を含む抗原結合断片を有
することができる。別の実施態様において、該分子は、表2a~12bに示されているような
マウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC26
02、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を
有する1以上のVH CDRを含む抗原結合断片を有することができる。別の実施態様において
、該分子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810
、STC820、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVL
CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1以上のVL CDRを含む抗原結合断片を有するこ
とができる。さらに別の実施態様において、該分子は、表2a~12bに示されているような
マウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1012、STC1029、STC2602、STC27
14、STC2739、STC2778、又はSTC2781の少なくとも1つのVH CDR及び少なくとも1つのVL CD
Rを含む抗原結合断片を有することができる。
いくつかの実施態様において、患者選択に使用することができる本明細書に提供される
分子は、本明細書に記載されるBTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的
に遮断する抗原結合断片を有することができる。該BTN1A1エピトープは、STC703、STC810
、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC
2781であることができる。いくつかの実施態様において、該分子は、本明細書に記載され
るBTN1A1抗体のエピトープに免疫特異的に結合する抗原結合断片を有することができる。
該BTN1A1エピトープは、STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602
、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のエピトープであることができる。
他の実施態様において、試料中のBTN1A1を検出することは、本明細書に記載される分子
を用いて、該試料中のBTN1A1の発現レベルを測定することを含む。いくつかの実施態様に
おいて、BTN1A1を検出することは、該対象由来の試料中のBTN1A1の発現レベルを参照レベ
ルと比較することをさらに含む。いくつかの実施態様において、該方法は、抗BTN1A1抗体
を用いて、試料中のBTN1A1の発現レベルを測定すること、該試料中のBTN1A1の発現レベル
を参照レベルと比較すること、及び該試料中のBTN1A1の発現レベルが該参照レベルよりも
高い場合、該対象が癌治療に応答する可能性が高いと予測することを含む。
いくつかの実施態様において、BTN1A1レベルを測定することは、抗グリコシル化BTN1A1
抗体を用いて、グリコシル化BTN1A1のレベルを測定することを含む。いくつかの実施態様
において、試料中のグリコシル化BTN1A1のレベルを測定することは、該試料中のグリコシ
ル化BTN1A1のレベルを参照レベルと比較すること、及び該試料中のBTN1A1の発現レベルが
該参照レベルよりも高い場合、該対象が癌治療に応答する可能性が高いと予測することを
さらに含む。
いくつかの実施態様において、BTN1A1レベルを測定することは、抗BTN1A1二量体抗体(
例えば、STC703又はSTC810)を用いて、BTN1A1二量体のレベルを測定することを含む。い
くつかの実施態様において、試料中のBTN1A1二量体のレベルを測定することは、該試料中
のBTN1A1二量体のレベルを参照レベルと比較すること、及び該試料中のBTN1A1二量体のレ
ベルが該参照レベルよりも高い場合、該対象が癌治療に応答する可能性が高いと予測する
ことをさらに含む。
癌患者由来の試料は、全血試料、骨髄試料、部分精製血試料、PBMC、組織生検、循環腫
瘍細胞、循環要素、例えば、タンパク質複合体又はエキソソームであることができる。い
くつかの実施態様において、該試料は血液試料である。BTN1A1の存在を検出する方法又は
BTN1A1の発現レベルを測定する方法は、本明細書に記載されているか又はさもなければ当
技術分野で公知である。
癌治療又は癌療法は、本明細書に記載されているか又はさもなければ当技術分野で公知
の任意の療法であることができ、これには:外科的療法、化学療法、生物学的標的療法、
低分子標的療法、放射線療法、凍結療法、ホルモン療法、免疫療法、及びサイトカイン療
法が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、癌治療には、臨
床開発中の実験的癌治療を含む、FDA承認癌治療が含まれる。いくつかの実施態様におい
て、いくつかの実施態様において、癌治療には、2以上の薬物、又は2以上の療法の組合せ
による治療が含まれる。
いくつかの実施態様において、癌治療は、癌患者に抗BTN1A1抗体を投与することを含む
(5.9 キット)
本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される分子及び1以上の補助剤を含むキッ
トである。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供さ
れる療法を準備し及び/又は施すためのキットである。該キットは、本明細書に記載され
る医薬組成物のいずれかを含む1以上の密閉バイアルを有することができる。該キットは
、例えば、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する分子、並びに該分子を調製、製剤化、及び/もしくは投与し、又は本明
細書に開示される方法の1以上の工程を実施するための試薬を含むことができる。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、グリコシル化BTN1A1に免疫特異的に
結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55、N215、及び/又は
N449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様にお
いて、該抗原結合断片は、位置N55でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合
する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N215でグリコシル化されて
いるBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、
位置N449でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、1以上のグリコシル化モチーフに免疫特異的に結合する。
いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N55及びN215でグリコシル化され
ているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は
、BTN1A1二量体(例えば、グリコシル化BTN1A1二量体)に免疫特異的に結合する。いくつか
の実施態様において、BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中の一方又は両方のBTN1A1単量体
のN55、N215、及びN449のいずれか1つ又は複数の位置でグリコシル化されている。例えば
、グリコシル化BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中のN55、N215、及びN449のいずれか1つ
、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの位置でグリコシル化されていてもよい。
いくつかの実施態様において、該分子は、抗BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様に
おいて、該抗BTN1A1抗体は、抗グリコシル化BTN1A1抗体である。いくつかの実施態様にお
いて、該抗BTN1A1抗体は、抗BTN1A1二量体抗体(例えば、STC703又はSTC810)である。いく
つかの実施態様において、該抗BTN1A1抗体は、ヒト化抗体又はヒト抗体である。
一実施態様において、本明細書に提供されるキットは、表2a~12bに示されているよう
なマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC
2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVH又はVLドメインを含む抗原結合断片
を有する分子を含むことができる。一実施態様において、本明細書に提供されるキットは
、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、S
TC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVHド
メインとVLドメインの両方を含む抗原結合断片を有する分子を含むことができる。別の実
施態様において、本明細書に提供されるキットは、表2a~12bに示されているようなマウ
スモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、
STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781のVH CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有す
る1以上のVH CDRを含む抗原結合断片を有する分子を含むことができる。別の実施態様に
おいて、該分子は、表2a~12bに示されているようなマウスモノクローナル抗体STC703、S
TC810、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又
はSTC2781のVL CDRのいずれか1つのアミノ酸配列を有する1以上のVL CDRを含む抗原結合
断片を有することができる。さらに別の実施態様において、該分子は、表2a~12bに示さ
れているようなマウスモノクローナル抗体STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、
STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781の少なくとも1つのVH CDR
及び少なくとも1つのVL CDRを含む抗原結合断片を有することができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるキットは、本明細書に記載される
BTN1A1エピトープを(例えば、用量依存的な様式で)競合的に遮断する抗原結合断片を有す
る分子を含むことができる。該BTN1A1エピトープは、本明細書に記載されるSTC703、STC8
10、STC820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はS
TC2781のエピトープであることができる。いくつかの実施態様において、本明細書に提供
されるキットは、本明細書に記載されるBTN1A1のエピトープに免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する分子を含むことができる。該BTN1A1エピトープは、STC703、STC810、ST
C820、STC1011、STC1012、STC1029、STC2602、STC2714、STC2739、STC2778、又はSTC2781
のエピトープであることができる。
いくつかの実施態様において、該キットは、第二の抗癌剤をさらに含む。第二の抗癌剤
は、化学療法剤、免疫療法剤、ホルモン療法剤、又はサイトカインであることができる。
本明細書に提供されるのは、癌のコンパニオン診断薬として使用することができるキッ
トでもある。いくつかの実施態様において、該キットを用いて、癌診断を提供又は補助す
ることができる。いくつかの実施態様において、該キットを用いて、癌治療の有効性を評
価することができる。いくつかの実施態様において、該キットを用いて、癌治療に対する
患者の応答性を予測することができる。いくつかの実施態様において、該キットを用いて
、特定の癌治療のための患者を選択することができる。該キットは、例えば、試料中のBT
N1A1を検出するための試薬を含むことができる。
試薬は、BTN1A1、グリコシル化BTN1A1、又はBTN1A1二量体に免疫特異的に結合する抗原
結合断片を有する分子であることができる。いくつかの実施態様において、該分子は、グ
リコシル化BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様に
おいて、該分子は、位置N55、N215、及び/又はN449でグリコシル化されているBTN1A1に免
疫特異的に結合する抗原結合断片を有する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断
片は、位置N55でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実
施態様において、該抗原結合断片は、位置N215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫特
異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結合断片は、位置N449でグリコシ
ル化されているBTN1A1に免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該抗原結
合断片は、1以上のグリコシル化モチーフに免疫特異的に結合する。いくつかの実施態様
において、該抗原結合断片は、位置N55及びN215でグリコシル化されているBTN1A1に免疫
特異的に結合する。いくつかの実施態様において、該分子は、抗BTN1A1抗体である。いく
つかの実施態様において、該分子は、抗グリコシル化BTN1A1抗体である。いくつかの実施
態様において、該分子は、抗BTN1A1二量体抗体(例えば、STC703又はSTC810)である。いく
つかの実施態様において、BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中の一方又は両方のBTN1A1単
量体のN55、N215、及びN449のいずれか1つ又は複数の位置でグリコシル化されている。例
えば、グリコシル化BTN1A1二量体は、該BTN1A1二量体中のN55、N215、及びN449のいずれ
か1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの位置でグリコシル化されていてもよい。
癌療法は、本明細書に記載されているか又はさもなければ当技術分野で公知の任意の療
法であることができ、これには:外科的療法、化学療法、生物学的標的療法、低分子標的
療法、放射線療法、凍結療法、ホルモン療法、免疫療法、及びサイトカイン療法が含まれ
るが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、癌療法は、癌患者に、BTN1
A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子、例えば、抗
グリコシル化BTN1A1抗体及び抗BTN1A1二量体抗体を含む、抗BTN1A1抗体を投与することを
含む。
いくつかの実施態様において、診断キット用の補助試薬は、二次抗体、検出試薬、固定
バッファー、ブロッキングバッファー、洗浄バッファー、検出バッファー、又はこれらの
任意の組合せであることができる。
二次抗体としては、例えば、抗ヒトIgA抗体、抗ヒトIgD抗体、抗ヒトIgE抗体、抗ヒトI
gG抗体、又は抗ヒトIgM抗体を挙げることができる。いくつかの実施態様において、二次
抗体は、抗ウシ抗体である。二次検出抗体は、モノクローナル又はポリクローナル抗体で
あることができる。二次抗体は、マウス、ラット、ハムスター、ヤギ、ラクダ、ニワトリ
、ウサギ、及びその他を含む、任意の哺乳動物生物から得ることができる。二次抗体は、
酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ルシフ
ェラーゼなど)又は色素(例えば、発色色素、蛍光色素、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)色
素、時間分解(TR)-FRET色素など)にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施態
様において、二次抗体は、HRPコンジュゲートされているポリクローナルウサギ抗ヒトIgG
抗体である。
いくつかの実施態様において、検出試薬は、蛍光検出試薬又は発光検出試薬を含む。い
くつかの他の実施態様において、発光検出試薬は、ルミノール又はルシフェリンを含む。
幅広く選択される洗浄バッファーは当技術分野で公知であり、これには、トリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン(Tris)系バッファー(例えば、Tris緩衝生理食塩水、TBS)又は
リン酸バッファー(例えば、リン酸緩衝生理食塩水、PBS)がある。洗浄バッファーは、洗
剤、例えば、イオン性又は非イオン性洗剤を含むことができる。いくつかの実施態様にお
いて、洗浄バッファーは、Tween(登録商標)20(例えば、約0.05%Tween(登録商標)20)を含
むPBSバッファー(例えば、約pH 7.4)である。
当技術分野で公知の任意の希釈バッファーを本開示のキットに含めることができる。希
釈バッファーは、キャリアタンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン、BSA)及び洗剤(例え
ば、Tween(登録商標)20)を含むことができる。いくつかの実施態様において、希釈バッフ
ァーは、BSA(例えば、約1%BSA)及びTween(登録商標)20(例えば、約0.05%Tween(登録商
標)20)を含むPBS(例えば、約pH 7.4)である。
いくつかの実施態様において、検出試薬は、発色検出試薬、蛍光検出試薬、又は化学発
光検出試薬である。いくつかの実施態様において、発色検出試薬としては、PNPP(p-ニト
ロフェニルホスフェート)、ABTS(2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホ
ン酸))、又はOPD(o-フェニレンジアミン)が挙げられる。いくつかの実施態様において、
蛍光検出試薬としては、QuantaBlu(商標)又はQuantaRed(商標)(Thermo Scientific, Walt
ham, MA)が挙げられる。いくつかの実施態様において、発光検出試薬としては、ルミノー
ル又はルシフェリンが挙げられる。いくつかの実施態様において、検出試薬には、トリガ
ー(例えば、H2O2)及びトレーサー(例えば、イソルミノールコンジュゲート)が含まれる。
当技術分野で公知の任意の検出バッファーを本開示のキットに含めることができる。い
くつかの実施態様において、該検出バッファーは、クエン酸塩-リン酸塩バッファー(例え
ば、約pH 4.2)である。
当技術分野で公知の任意の停止溶液を本開示のキットに含めることができる。本開示の
停止溶液は、検出試薬及び対応するアッセイシグナルのさらなる顕色を終結又は遅延させ
る。停止溶液としては、例えば、低pHバッファー(例えば、グリシンバッファー、pH 2.0)
、カオトロピック剤(例えば、塩化グアニジウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))、又は
還元剤(例えば、ジチオスレイトール、メルカプトエタノール)などを挙げることができる
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるキットは、自動アッセイシステム
のためのクリーニング試薬を含む。自動アッセイシステムは、任意の製造業者によるシス
テムを含むことができる。いくつかの実施態様において、自動アッセイシステムとしては
、例えば、BIO-FLASHTM、BEST 2000TM、DS2TM、ELx50 WASHER、ELx800 WASHER、ELx800 R
EADER、及びAutoblot S20TMが挙げられる。クリーニング試薬としては、当技術分野で公
知の任意のクリーニング試薬を挙げることができる。いくつかの実施態様において、クリ
ーニング試薬は、自動アッセイシステムの製造業者によって推奨されるクリーニング試薬
である。
いくつかの実施態様において、該キットは、好適な容器手段を含むこともでき、これは
、該キットの構成要素と反応しない容器、例えば、エッペンドルフチューブ、アッセイプ
レート、シリンジ、ボトル、又はチューブである。該容器は、滅菌可能な材料、例えば、
プラスチック又はガラスから作られたものであることができる。
いくつかの実施態様において、該キットは、固体支持体をさらに含む。固体支持体とし
ては、本開示のタンパク質を固定することができる当技術分野で公知の任意の支持体を挙
げることができる。いくつかの実施態様において、固体基材は、マイクロタイターウェル
プレート、スライド(例えば、スライドガラス)、チップ(例えば、タンパク質チップ、バ
イオセンサーチップ、例えば、Biacoreチップ)、マイクロ流体カートリッジ、キュベット
、ビーズ(例えば、磁気ビーズ)、又は樹脂である。
いくつかの他の実施態様において、本明細書に提供されるキットは、対象由来の試料中
のBTN1A1又はグリコシル化BTN1A1を検出するためのキットのサブユニットの使用説明書を
含む。
本明細書に提供されるキットは、特定のアッセイ技術に合わせることができる。いくつ
かの実施態様において、該キットは、ELISAキット、ドットブロットキット、化学発光免
疫アッセイ(CIA)キット、又はマルチプレックスキットである。いくつかの実施態様にお
いて、ELSAキットは、洗浄バッファー、試料希釈剤、二次抗体-酵素コンジュゲート、検
出試薬、及び停止溶液を含むことができる。いくつかの実施態様において、ドットブロッ
トキットは、洗浄バッファー、試料希釈剤、二次抗体-酵素コンジュゲート、検出試薬、
及び停止溶液を含む。いくつかの実施態様において、CIAキットは、洗浄バッファー、試
料希釈剤、トレーサー(例えば、イソルミノール-コンジュゲート)、及びトリガー(例えば
、H2O2)を含む。いくつかの実施態様において、マルチプレックスキットは、洗浄バッフ
ァー、試料希釈剤、及び二次抗体-酵素コンジュゲートを含む。
いくつかの実施態様において、本発明のキットは、該キットが、癌の診断、予後判定、
又はモニタリングに使用されることを示すラベルを含む包装を有する。いくつかの実施態
様において、該キットは、癌治療のコンパニオン診断薬として使用される。いくつかの他
の実施態様において、該包装は、該キットが制癌剤とともに使用されることを示すラベル
を有する。いくつかの実施態様において、該キットは、特定の癌治療のための患者を選択
するために使用される。
いくつかの実施態様において、キットの包装はFDA承認ラベルを含む。FDA承認ラベルは
、FDA承認済みの使用の通知及び説明を含むことができる。いくつかの実施態様において
、該キットは、研究専用(RUO)又は調査専用(IUO)のラベルがされている。いくつかの実施
態様において、該キットは、インビトロ診断用(IVD)のラベルがされている。いくつかの
実施態様において、該キットは、米国連邦規則第21編、第809節、サブパートB(21 CFR 89
、サブパートB)に従ってラベルがされている。
(5.10 産生及びスクリーニングの方法)
通常、単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片を含む本明細
書に提供される分子は、マウスなどの生物を、BTN1A1単量体抗原又はBTN1A1二量体抗原で
免疫して、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗体を惹起することにより産生することができ
る。その後、そのような免疫特異的抗BTN1A1抗体を、単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に
優先的に結合する抗体についてスクリーニングすることができる。当技術分野で公知の任
意の細胞ベースの又は精製抗体に基づくスクリーニング方法を用いて、抗BTN1A1二量体抗
体を同定することができる。
一態様において、本明細書に提供されるのは、単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先
的に結合する抗原結合断片を含む分子を産生する方法であって、(a)BTN1A1抗原を提供し
て、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を含む分子を産生すること、及び(b)該B
TN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片含む分子を、単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A
1に優先的に結合する抗原結合断片を含む分子についてスクリーニングすることを含む、
方法である。
いくつかの実施態様において、該BTN1A1抗原は、BTN1A1単量体である。いくつかの実施
態様において、該BTN1A1単量体は、BTN1A1-ECD-His6である。例えば、実施例9を参照され
たい。
いくつかの実施態様において、該BTN1A1抗原は、BTN1A1二量体である。いくつかの実施
態様において、該BTN1A1二量体は、BTN1A1-ECD-Fcである。例えば、実施例9を参照された
い。
いくつかの実施態様において、スクリーニングすることは、BTN1A1に免疫特異的に結合
する抗原結合断片を含む分子の単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は親
和性を決定することを含む。いくつかの実施態様において、分子が単量体BTN1A1よりも二
量体BTN1A1に対するより高い結合レベル又はより高い親和性を有する場合、該分子は、単
量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片を含む。
いくつかの実施態様において、単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は
親和性は、細胞ベースのアッセイで決定される。いくつかの実施態様において、該細胞ベ
ースのアッセイは、フローサイトメトリーアッセイである。いくつかの実施態様において
、単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片は、単量体BTN1A1に
対して示されるMFIよりも少なくとも2倍高いMFIで二量体BTN1A1に結合し、ここで、任意
に、該抗原結合断片は、単量体BTN1A1に対して示されるMFIよりも少なくとも5倍高い、少
なくとも10倍高い、少なくとも15倍高い、少なくとも20倍高い、少なくとも25倍高い、少
なくとも30倍高い、少なくとも40倍高い、又は少なくとも50倍高いMFIで二量体BTN1A1に
結合する。
いくつかの実施態様において、単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は
親和性は、精製された単量体又は二量体BTN1A1タンパク質を用いて決定される。いくつか
の実施態様において、精製された単量体BTN1A1タンパク質は、BTN1A1-ECD-Hisであり、精
製された二量体BTN1A1タンパク質は、BTN1A1-ECD-Fcである。いくつかの実施態様におい
て、単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は親和性は、酵素結合免疫吸着
アッセイ(ELISA)、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学発光免疫吸着アッセイ(CLIA)、放射
免疫アッセイ(RIA)、酵素多重化免疫アッセイ(EMI)、固相放射免疫アッセイ(SPROA)、蛍
光偏光(FP)アッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイ、時間分解蛍光共鳴エネル
ギー移動(TR-FRET)アッセイ、又は表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイを用いて決定される
。いくつかの実施態様において、二量体BTN1A1又は単量体BTN1A1に対する試験分子の親和
性は、SPRアッセイを用いて決定される。いくつかの実施態様において、単量体BTN1A1よ
りも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片は、単量体BTN1A1に対して示されるKD
の半分未満のKDで二量体BTN1A1に結合し、ここで、任意に、該抗原結合断片は、単量体BT
N1A1に対して示されるKDよりも少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくと
も15倍小さい、少なくとも20倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、
少なくとも40倍小さい、又は少なくとも50倍小さいKDで二量体BTN1A1に結合する。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供されるスクリーニング
方法で同定される分子である。
(6.実施例)
本明細書に記載される様々な実施態様の性質及び精神を実質的には変化させない修飾も
企図されることが理解される。したがって、以下の例は、例示するものであるが、決して
限定するものではないことが意図される。
(6.1 実施例1:癌療法の標的としてのBTN1A1の同定)
放射線は、腫瘍細胞がストレスを生き延びる機構を活性化することができるように、腫
瘍細胞をストレス条件下に置くことができ、そのような条件下で活性化される分子は、独
立した療法又は放射線との組合せ療法のいずれかの標的としての役割を果たすことができ
る。BTN1A1は、そのような条件下で過剰発現する標的として同定された。未感作T細胞を
非腫瘍担持マウスから単離し、96ウェルプレートに入れた。目的のshRNAを含むレンチウ
イルスベクターを用いて、T細胞に感染させることにより、未感作のT細胞を、ノックダウ
ンされる目的の特定遺伝子を含むように改変した。特定の候補遺伝子のノックダウンを1
度に1ウェルずつ行った。
安定な表現型を獲得した後、shRNA処理したT細胞を、2組のサプレッサー細胞:(1)放射
線照射された動物から単離されたサプレッサー細胞;及び(2)放射線照射されていない動物
から単離されたサプレッサー細胞を用いて、抗原又は抗CD3+抗CD28の存在下で、サプレ
ッサー細胞とともにインキュベートした。その後、引用により完全に本明細書中に組み込
まれる、Dolcettiらの文献、Current Protocols in Immunlogy, 14.17.1-14.17.25(2010)
に記載されている手順と実質的に同様の手順を用いて、3[H]-チミジン取込みをモニタリ
ングすることにより、T細胞増殖を個々のウェルで評価した。
放射線照射された動物から単離されたT細胞の応答と放射線照射されていない動物から
単離されたT細胞の応答を同じインビトロ抑制アッセイで比較した。増殖は、非標的対照s
hRNAで処理したT細胞で抑制されたのに対し、免疫応答を負に調節する(阻害する)標的遺
伝子の不活性化は、応答の増強(抑制の低下)をもたらした。顕著により良好なT細胞増殖(
すなわち、T細胞抑制の低下)がBTN1A1のノックダウンを含む試料で観察され、放射線照射
された動物から単離されたサプレッサー細胞と組み合わせたとき、BTN1A1がT細胞応答の
阻害に関与することを裏付けた。
図4A及び図4Bは、非放射線照射腫瘍対非放射線照射脾臓(図4A)及び放射線照射腫瘍対非
放射線照射脾臓(図4B)由来のshRNA配列の読取りを陰性対照と併せてプロットしたグラフ
を示している。BTN1A1のノックダウン後の特異的T細胞蓄積を、マウスBTN1A1を標的とす
る3種の異なるshRNAを用いて観察した。破線は、斜線からのLog2による偏差を示している
図5は、コンカナバリンA(ConA)又は抗CD3/抗CD28で活性化されたマウスCD8+ T細胞にお
けるBTN1A1細胞表面発現をプロービングしたFACS解析の結果を示している。BTN1A1は、コ
ンカナバリンA(ConA)又は抗CD3/抗CD28によって活性化されたCD8+ T細胞で誘導されるこ
とが分かった。簡潔に述べると、脾臓から単離されたマウスCD8+ T細胞を2*105/ウェルで
播種した。CD8+ T細胞をConA(コンカナバリンA)(2μg/mL)及びmIL-2(20U/mL)又はマウス
抗CD3/CD28 T細胞活性化ビーズ(T細胞:ビーズ=1:3)で処理した。96時間後、細胞をAlexa
488コンジュゲート抗マウスBTN1A1抗体(STC1012)を用いるフローサイトメトリー解析に供
した。
図6A及び図6Bは、BTN1A1が細胞傷害性T細胞活性化を選択的に阻害することができるこ
とを示したマスサイトメトリー解析(CyTOF; Fluidigim, South San Francisco, CA)の結
果を示している。簡潔に述べると、ヒトPBMC(1*105/ウェル)を、96ウェルプレートにコー
ティングされた組換えBTN1A1とともに又はそれなしで、抗ヒトCD3抗体(UHCT1)とともに96
時間培養した。細胞をヒト末梢血表現型決定パネルを用いるCyTOF解析に供した。FCSファ
イルを作成し、FlowJoソフトウェアを用いることにより、マスサイトメトリーデータを解
析した。図6Aは、活性化Tキラー細胞についての結果を示している。図6Bは、ナイーブエ
フェクター及びナイーブTキラー細胞についての結果を示している。Tキラー細胞の活性化
は、組換えBTN1A1の存在下で低下していることが分かった。BTN1A1がナイーブキラーT細
胞又はナイーブエフェクターT細胞の活性化を阻害することは分からなかった。
図7は、BTN1A1の生物学的活性を特徴付けるために有用な3つの異なる細胞ベースのアッ
セイフォーマットを説明した略図を示している。第一のアッセイにおいて、T細胞活性化
を、フローサイトメトリー(CFSE染色(カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステ
ル);フローサイトメトリー用のCellTrace(商標) CFSE細胞増殖キット、ThermoFisher, Wa
ltham, MA;真ん中のパネル)と、その後の抗CD3/CD28及びBTN1A1コーティングしたビーズ
とのインキュベーション(左のパネル)により測定することができる。第二のアッセイにお
いて、CFSE染色マウス脾臓細胞をBTN1A1発現4T1細胞と共培養することができる(真ん中の
パネル)。第三のアッセイにおいて、CFSE染色マウス脾臓細胞を表面にコーティングしたB
TN1A1と接触させることができる(右のパネル)。
図8A及び図8Bは、図7(左のパネル)で示されたビーズベースのT細胞増殖アッセイの結果
を示している。簡潔に述べると、トシル活性化Dynabeads(登録商標)(M-450; Thermofishe
r, Waltham, MA)を、抗CD3、抗CD28、及びBTN1A1-Fc又はPD-L1-Fcのいずれかとコンジュ
ゲートした。T細胞をPBMCから濃縮し、CFSEで染色した。コンジュゲートされたビーズを
細胞(1×105/ウェル)に表示された比(T細胞:ビーズ=1:1、1:2、1:3、及び1:5)で添加し
た。5日後、CFSE染色細胞をフローサイトメトリーにより解析して、T細胞増殖を測定した
(図8A)。T細胞増殖は、IgG対照と比べて、PD-L1-Fc及びBTN1A1-Fcの存在下で有意に阻害
された(図8B)。
図9A及び図9Bは、BTN1A1を過剰発現する4T1細胞及びCFSE染色マウス脾臓細胞を用いた
共培養アッセイの結果を示している。図7(真ん中のパネル)も参照されたい。簡潔に述べ
ると、4T1-EV又は4T1-mBTN1A1を過剰発現する細胞を96ウェルプレートにプレーティング
した。12時間後、細胞を50μg/mLのマイトマイシンCで1時間処理した。Balb/cマウスから
単離され、CFSEで染色された脾臓細胞を4T1細胞に添加した。T細胞を可溶性抗CD3(5μg/m
L)及び抗CD28(2μg/mL)で96時間活性化した。T細胞増殖を、フローサイトメトリーを用い
て、CFSEにより評価した(図9A)。T細胞増殖は、mBTN1A1を発現する4T1細胞により、用量
依存的な様式で阻害されることが分かった(図9B)。
図10は、固定されたBTN1A1及びCFSE染色マウス脾臓細胞を用いた異種アッセイの結果を
示している。図7(右のパネル)も参照されたい。簡潔に述べると、抗マウスCD3抗体及びmB
TN1A1-Fc(10mg/mL)又はマウスIgGを表示された濃度で96ウェルプレートにコーティングし
た。マウスT細胞をBalb/cマウスの脾臓から単離し、5μMのCFSEで染色し、各々のウェル
に添加した(2×105細胞/ウェル)。96時間後、FACS解析を用いて、脾臓細胞増殖の度合い
を決定した。数字は、フローサイトメトリー中にゲートを掛けた細胞のパーセントを示し
ている。mBTN1A1-Fcは、CD3活性化マウスT細胞の増殖を抑制することが分かった。
図11及び図12は、放射線処置が腫瘍微小環境で誘導されるBTN1A1を誘導することができ
ることを示した実験の結果を示している。簡潔に述べると、雌C57BL6/Jマウスに、5×105
個のルイス肺癌細胞を皮下注射した。マウス#178、#183、及び#186は、3日間にわたって3
回の12Gyの放射線の投与を受け;マウス#180、#182、及び#185は、5日間にわたって5回の2
Gyの放射線の投与を受け;マウス#179及び#184は、放射線照射されなかった。腫瘍をコラ
ゲナーゼIVを用いて単離し、パラホルムアルデヒド固定細胞に対して、mCD8及びmBTN1A1
についてFACSを実施した。放射線療法を受けているマウスは、非放射線照射マウスと比べ
て、CD8+細胞におけるBTN1A1発現レベルの増加を示した。BTN1A1発現の誘導は、適用され
た放射線の量に依存的であることが分かり、最も大きいレベルの放射線を受けているマウ
スは、非放射線照射アイソタイプ対照マウスと比べて、CD8+細胞での20倍を上回るBTN1A1
の誘導を示した(図11)。
図12は、上記の非放射線照射対照マウス、2Gy×5線量のマウス、及び12Gy×3線量のマ
ウス由来のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE) LLC同系腫瘍の免疫組織化学解析の結果
を示している。切片を、マウスIgG、抗mBTN1A1、又は抗PCNAで染色した。BTN1A1は、腫瘍
微小環境で高線量放射線により誘導されることが分かった(図12、真ん中のパネル、最下
段)。
上記の例示的な結果を考慮して、BTN1A1が癌療法の標的であることが確認された。具体
的には、BTN1A1の阻害又は中和は、癌細胞によってもたらされる免疫抑制効果を解除する
ことにより、患者自身の免疫系を活性化することができると考えられる。さらに、BTN1A1
の阻害又は中和は、放射線療法などのさらなる抗癌療法に対して腫瘍を感受性にすると考
えられる。
(6.2 実施例2:ヒトBTN1A1のグリコシル化の解析)
N-グリコシル化は、オリゴ糖から構成される予め形成されたグリカンをNXTモチーフ(-A
sn-X-Ser/Thr-)内に位置するアスパラギン(Asn)側鎖アクセプターに転移する膜関連型オ
リゴサッカリルトランスフェラーゼ(OST)複合体によってまず触媒される翻訳後修飾であ
る(Cheung及びReithmeierの文献、2007; Helenius及びAebiの文献、2001)。図13に示され
ているように、ヒトBTN1A1のN-グリコシル化は、PNGアーゼFによる処理の後のクマシー染
色PAGEゲル上でのタンパク質の下方シフトによって確認された。
ヒトBTN1A1の全長配列をN-結合型グリコシル化部位(Nx[ST]パターン予測ソフトウェア(
http://www.hiv.lanl.gov/content/sequence/GLYCOSITE/glycosite.html)に入力した。3
つの潜在的なグリコシル化部位がこのソフトウェアによって同定された。これらは、N55
、N215、及び/又はN449である。図14に示されているように、N55及びN215はBTN1A1の細胞
外ドメインにあり、N449は細胞内ドメインにある。
グリコシル化部位を正確に示すために、異なる種由来のBTN1A1アミノ酸配列の配列アラ
インメントを行って、進化的に保存されているNXTモチーフである、コンセンサスN-グリ
コシル化認識配列を探索した。図15に示されているように、BTN1A1の細胞外ドメインのグ
リコシル化部位における高度の相同性が認められた。したがって、該グリコシル化部位は
種を越えて進化的に保存されている。
本明細書に記載される抗BTN1A1抗体を用いて、BTN1A1のグリコシル化パターンを調べる
ことができる。配列アラインメントによって同定された潜在的なグリコシル化部位が実際
にグリコシル化されるかどうかをさらに確認するために、精製ヒトBTN1A1のトリプシン消
化ペプチドをナノLC-MS/MSによって分析する。複合型N-グリカンを保有する糖ペプチドを
N-グリコシル化部位について確認することができる。
(6.3 実施例3:ヒト化抗BTN1A1抗体の産生)
標準的な技法を用いて(例えば、BTN1A1エピトープを免疫原として含むポリペプチドを
ラットに注射することにより(Aurrand-Lionsらの文献、Immunity, 5(5):391-405(1996))
、一連のモノクローナル抗体を組換えBTN1A1ポリペプチドに対して産生する。BTN1A1ポリ
ペプチドは、全長ヒトBTN1A1、又はBTN1A1エピトープを有するその断片であることができ
る。簡潔に述べると、100μgのKLHキャリアタンパク質(キーホールリンペットヘモシアニ
ン、Pierce)にカップリングされ、アジュバントS6322(Sigma)と混合されたヒトBTN1A1ポ
リペプチドを用いて、雌Wisterラットを免疫する。合計、3回の注射を9日毎に行う。ヒト
BTN1A1ポリペプチドの最後のs.c.注射から2日後、流入領域リンパ節由来の芽球をSp2/0細
胞と融合させ、ハイブリドーマを選択する。成長しているクローンを、ヒトBTN1A1を特異
的に認識するモノクローナル抗体の産生について、ELISAによりスクリーニングする。陽
性クローンをサブクローニングし、再スクリーニングし、さらに試験する。抗体を、製造
業者の指示に従って、プロテインG-セファロースカラム(GE HealthCare)で精製する。抗
体のVH鎖及びVL鎖をシークエンシングし、CDRをIMGT付番体系によって決定することがで
きる(Lefrancらの文献、Nucleic Acids Res., 27(1):209-12(1999))。
上に示されているように、例えば、ヒト疾患のインビボ治療における使用を含む、特定
の目的のために、マウスモノクローナル抗体のヒト化誘導体を利用することが好ましい。
そのようなヒト化抗体を形成させるためには、フレームワーク配列中の差異を同定する
ために、マウスモノクローナル抗体のフレームワーク配列(「親」配列)を最初に1組の「
アクセプター」ヒト抗体のフレームワーク配列と整列させる。ヒト化を、親とアクセプタ
ーの間で一致しないフレームワーク残基を置換することにより達成する。潜在的に重要な
位置における置換、例えば、バーニアゾーン、VH/VL鎖間接触面、又はCDRの標準的なクラ
スを決定する位置における置換を予想される復帰突然変異について解析した(Foote, J.ら
の文献、J. Molec. Biol. 224:487-499(1992)を参照)。
保存ドメインデータベース(COD)(Marchler-Bauerらの文献(2011) Nucleic Acids Res.
39:D225-D229)を用いて、各々のアミノ酸鎖のドメインの中身及び各々のドメインのおお
よその境界を決定することができる。いくつかの一般的に使用される定義に従って、可変
ドメイン境界をCDRの境界とともに正確に決定することができる(Kabat, E. A.らの文献(1
991)「免疫学的に興味深いタンパク質の配列(Sequences of Proteins of Immunological
Interest)」、 第5版、NIH Publication No. 91-3242; Chothia, C.らの文献、J. Mol. B
iol. 196:901-917(1987); Honegger, A.らの文献、J. Molec. Biol. 309(3):657-670(200
1))。
マウス及びヒト生殖系列配列に対する親配列の多重アラインメントをMAFFT(Katoh, K.
らの文献、Nucleic Acids Res. 30: 3059-3066(2002))を用いて作成し、各々のアライン
メントのエントリーを親配列との配列同一性に従って順序付ける。100%の配列同一性で
クラスタリングし、冗長なエントリーを除外することにより、参照セットを唯一の配列セ
ットにまで減らす。
最適なアクセプターフレームワーク選択は、両鎖のフレームワークにわたるアクセプタ
ーに対する親抗体全体の配列同一性に基づくが; VH/VL鎖間接触面を含む位置は、特に関
心のある対象である。さらに、どの生殖系列フレームワークが同じ接触面残基を有し、な
おかつ同様のCDR-ループ立体構造を支持することが知られるかを決定するために、CDRの
うちの5つについて定義されている一連の個別の標準構造の原因となるCDR-ループの長さ
及びCDRの位置(Chothia, C.らの文献、J. Mol. Biol. 196:901-917(1987); Martin, A. C
.らの文献、J. Molec. Biol 263:800-815(1996); Al-Laziniki, B.らの文献、J. Molec.
Biol. 273:927-948(1997))を生殖系列と比較する。
ヒト生殖系列に対する親抗体の配列アラインメントに基づいて、最も厳密に一致するエ
ントリーを同定する。好ましいヒト生殖系列の選択は、順序付けされた基準:(1)フレーム
ワークにわたる配列同一性;(2)同一又は同等の鎖間接触面残基;(3)親CDRの標準的な立体
構造によるループの支持;(4)発現抗体に見られる重生殖系列と軽生殖系列の組合せ;及び(
5)除去する必要のあるN-グリコシル化部位の存在に基づく。
ヒト化抗体のFv-領域の構造モデルを作成する。FR及びCDR並びに完全なFvの構造鋳型断
片候補を、標的に対するその配列同一性、及び鋳型構造の定性的な結晶学的尺度、例えば
、分解能(単位はオングストローム(Å))に基づいて、スコア化し、ランク付けし、抗体デ
ータベースから選択する。
CDRをFR鋳型に対して構造的に整列させるために、CDRのどちらかの側の5残基をCDR鋳型
に含める。断片のアラインメントを重複するセグメントに基づいて作成し、構造的配列ア
ラインメントを作成する。鋳型断片を該アラインメントと一緒にMODELLER(SalI, A.らの
文献; J. Molec. Biol. 234:779-815(1993))によって処理した。このプロトコルは、整列
させられた構造鋳型のセットから導き出される立体構造の制限を生み出す。この制約を満
たした構造の集合を共役勾配手順及び模擬アニーリング最適化手順によって作り出す。タ
ンパク質構造のスコア及び立体構造上の制限の充足から導き出されるエネルギースコアに
基づいて、モデル構造をこの集合から選択した。モデルを精査し、標的と鋳型の間で異な
っていた位置の側鎖を、側鎖最適化アルゴリズム及び最小化エネルギーを用いて最適化し
た。視覚化及び計算ツール一式を用いて、CDR立体構造の可変性、局所充填、及び表面解
析の評価を行い、1以上の好ましいモデルを選択する。
親抗体の構造モデルを構築し、原子充填の不足、結合長、結合角、又は二面角の歪みな
どの欠陥について精査する。これらの欠陥は、抗体の構造的安定性に関する潜在的な問題
を示し得る。モデル化プロトコルは、そのような欠陥を最小限に抑えることを追求する。
ヒト化Fvの初期の構造モデルは、全ての安全な置換(すなわち、結合親和性にも安定性に
も影響を及ぼさないはずである置換)及び慎重な置換(すなわち、位置置換は行われるが、
位置は結合親和性に重要であり得る)を含む。結合親和性の減少又は安定性の低下のリス
クと関連すると考えられる位置での置換は改変されない。親の厳密一致変異体モデルでは
なく、優れた独自モデルを作り出すために、親鋳型の検索とは別に、鋳型の検索及び選択
を行う。潜在的置換の評価を行うときに、好ましい置換及び復帰突然変異の効果を反映す
るように、モデルをアップデートする。
(6.4 実施例4: BTN1A1のグリコシル化の機能解析)
グリコシル化部位を確認するために、突然変異誘発解析を行った。一連のアスパラギン
(N)からグルタミン(Q)への置換を作成して、BTN1A1の特異的なグリコシル化部位を決定し
、NからQへの突然変異体が野生型と比較してグリコシル化の低下を示すかどうか、該グリ
コシル化部位を確認した。部位特異的突然変異誘発を用いて、細胞外ドメイン中のグリコ
シル化部位(N55Q、N215Q、及び複合のN55QとN215Q)での突然変異を含む、ヒトBTN1A1突然
変異を行った。これらのグリコシル化特異的突然変異体を、野生型BTN1A1とともに、標準
的な分子生物学の技法を用いて、293T細胞で発現させた。細胞を溶解させ、グリコシル化
特異的突然変異体の発現を、野生型BTN1A1とともに、ウェスタンブロットによって検出し
た。図3に示されているように、N55Q及びN215Qは各々、ブロット上でのタンパク質の下方
シフトを生じさせ、これらの突然変異体形態におけるグリコシル化の喪失を示した。さら
に、複合のN55Q突然変異とN215Q突然変異を有するBTN1A1突然変異は、293T細胞で発現す
ることができず、これら2つの部位のうちの少なくとも1つにおけるBTN1A1のグリコシル化
がその発現に極めて重要であることを示した。
(6.5 実施例5:抗CD3/CD28刺激によるマウスT細胞における細胞表面BTN1A1の誘導)
未感作マウスT細胞を、2日間、模擬刺激するか(左)又は抗CD3(5μg/ml)及び抗CD28(5μ
g/ml)で刺激し、フローサイトメトリー解析に供した。図16Aと図16Bの両方に示されてい
るように、模擬処理細胞と比較して、CD3/CD28刺激細胞における細胞表面BTN1A1の高い誘
導が観察され、CD3/CD28によって刺激されたT細胞の活性化がBTN1A1の発現の増大をもた
らすことができることを示している。図5も参照されたい。
(6.6 実施例6: B16-Ova黒色腫細胞におけるBTN1A1発現の誘導)
B16-Ova細胞における細胞外BTN1A1を抗体のみの対照又はFITC-BTN1A1抗体で染色するこ
とにより検出し、BTN1A1発現レベルをフローサイトメトリーを用いて調べた。図17に示さ
れているように、骨髄細胞は、B16-ova黒色腫細胞における細胞外BTN1A1の発現を誘導し
た。
(6.7 実施例7: BTN1A1は細胞内で二量体を形成する)
図18A及び図18Bに示されているように、BTN1A1は、細胞内で発現させたとき、二量体を
形成する。
簡潔に述べると、BTN1A1-Flag全長タンパク質をBTN1A1-flagを発現するHEK293T細胞か
ら取得し、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)又はGlu(
グルタルアルデヒド)で架橋した。RIPA溶解及び抽出バッファー(Pierce)を添加すること
により、細胞を溶解させ、BCAタンパク質アッセイキット(ThermoFisher)を用いて、タン
パク質濃度を決定した。ウェスタンブロット解析を還元変性条件下(図18A)又は未変性条
件下(図18B)で実施した。変性条件は、5%のβ-メルカプトエタノールの存在下、95℃で1
0分間のウェスタンブロット試料を必要とした。BTN1A1-Flagタンパク質を抗Flag抗体及び
HRPでコンジュゲートされた二次抗体で検出した。
HEK293T細胞由来のBTN1A1は、タンパク質二量体を形成することが分かった。図18Bに示
されているように、未変性条件下では、BTN1A1二量体が架橋剤の存在下又は非存在下で観
察された。図18Aは、変性条件下では、BTN1A1二量体が、低濃度の架橋剤、例えば、1mM E
DC又は0.0008%の存在下で観察されたが、架橋剤の非存在下では観察されなかったことを
示している。
(6.8 実施例8:マウス抗ヒトBTN1A1抗体の産生及び特徴付け)
BTN1A1に対する抗体産生ハイブリドーマを、SP2/0マウス骨髄腫細胞と、標準プロトコ
ルに従ってBTN1A1免疫BALB/cマウスから単離された脾細胞との融合によって取得した。融
合前に、FACSを用いて、マウス由来の血清を免疫原との結合について検証した。計68種の
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ(mAb)を作製した。
モノクローナル抗体のアイソタイプをELISAによって決定し、下の表15に提供した。ハ
イブリドーマ培養上清中のmAbのアイソタイプをELISA技法(Sigma-Aldrich ISO2 SIGMAマ
ウスモノクローナル抗体アイソタイピング試薬)によって決定した。
表15.マウス抗ヒトBTN1A1モノクローナル抗体のアイソタイプ
Figure 2024009959000036
モノクローナル抗BTN1A1抗体の糖特異性をドットプロット解析によって特徴付けた。各
々の抗BTN1A1 mAb(0.5μg/ウェルで充填)をグリコシル化BTN1A1(PNGaseF「-」)又は脱グ
リコシル化BTN1A1(PNGaseF「+」)との結合について試験した。非特異的抗体対照(「IgG」
、 0.25μg/ウェルで充填)もアッセイに含めた。図19A~19Bに示されているように、グリ
コシル化BTN1A1タンパク質と非グリコシル化BTN1A1(PNGアーゼFで処理したBTN1A1タンパ
ク質)の両方を固相にコーティングし、mAbと抗原の結合親和性について試験した。試験さ
れた13種全てのmAb(STC703、STC709、STC710、STC713、STC715、STC717、STC725、STC738
、STC810、STC819、STC820、STC822、及びSTC838)は、より高いバンド強度によって示さ
れているように、非グリコシル化BTN1A1タンパク質(PNGアーゼF処理タンパク質)と比較し
て、より高いグリコシル化BTN1A1タンパク質との親和性を示した。モノクローナル抗BTN1
A1抗体の糖特異性をFACS解析によっても特徴付けた。BTN1A1 WT(完全にグリコシル化され
ているもの)及び2NQ(完全に非グリコシル化されているもの)を過剰発現する293T細胞をBT
N1A1に対する一次抗体とともにインキュベートし、洗浄し、FITCとコンジュゲートされた
二次抗体とともにインキュベートした。さらに洗浄した後、蛍光強度(MFI)を測定して、
抗体の膜結合型グリコシル化又は非グリコシル化BTN1A1に対する相対的結合を評価した。
非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に対して有意により高いMFIを示す抗体
を糖特異的抗体として同定した。例えば、STC703、STC810、及びSTC820は、非グリコシル
化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に対して約2倍以上のMFIを示した。例えば、図21A~C
及び表16を参照されたい。
表16.マウス抗ヒトBTN1A1モノクローナル抗体のFACS解析
Figure 2024009959000037
(6.9 実施例9: BiacoreによるSTC703、STC810、及びSTC820のKD解析)
BTN1A1とモノクローナル抗BTN1A1抗体STC703、STC810、及びSTC820の結合親和性を表面
プラズモン共鳴(BIAcore)により測定した。6×Hisタグ化又はヒトIgG1-Fcタグ化BTN1A1-E
CDを用いた抗体力価のセンサーグラム及び飽和曲線を記録した。
例示的なBTN1A1-ECD-Fcコンストラクト(BTN1A1二量体)のアミノ酸配列を以下に提供す
る。
Figure 2024009959000038
例示的なBTN1A1-His6コンストラクト(BTN1A1単量体)のアミノ酸配列を以下に提供する

Figure 2024009959000039
Hisタグ化及びFcタグ化BTN1A1-ECDタンパク質の産生のために、pFUSE-hIgG1-Fc2(Inviv
oGen)をクローニングベクターとして使用した。Hisタグ化BTN1A1-ECD及びFcタグ化BTN1A1
-ECDのPCR産物を、それぞれ、EcoRI-NheI及びEcoRI-BglII制限酵素部位にサブクローニン
グした。該コンストラクトを293F懸濁細胞に5日間トランスフェクトし、分泌タンパク質
を、Hisタグ化タンパク質についてはHisTrap Excel(GE Healthcare)を、Fcタグ化タンパ
ク質についてはMabSelectプロテインA(GE Healthcare)を用いる親和性クロマトグラフィ
ーにより精製した。
6×Hisタグ化BTN1A1-ECDが溶液中で単量体を形成し、IgG1-Fcタグ化BTN1A1-ECDが二量
体を形成することが確認された。例えば、未変性ゲル電気泳動を用いると、Hisタグ化BTN
1A1の分子量は25KD(計算上のMW=24.8kDa)であると決定され、Fcタグ化BTN1A1の分子量は
、~100kDa(単量体形態について、計算上のMW=49.5kDa)であると決定された。これらの
結果は、未変性条件下、溶液中で、未変性のHisタグ化BTN1A1が単量体を形成し、未変性
のFcタグ化BTN1A1が二量体を形成することを示している。
さらに、Hisタグ化BTN1A1-ECD及びFcタグ化BTN1A1-ECDコンストラクトがグリコシル化
されていることがPNGアーゼ処理及び及び未変性ゲル-電気泳動により確認された。図20は
、Hisタグ化BTN1A1-ECD及びFcタグ化BTN1A1-ECDのPNGアーゼ消化物の代表的な結果を示し
ている。Hisタグ化BTN1A1-ECD及びFcタグ化BTN1A1-ECDのPNGアーゼ処理により、オリゴ糖
部分が除去され、処理されたタンパク質のサイズが低下した。例えば、図20のレーン2及
び4を参照されたい。
mIgG捕捉チップ(BIAcore(商標))に、抗体を600応答単位(RU)でコーティングし、BTN1A1
-ECDをマイクロ流体チャネルに注入した。KD値をBIAevaluationソフトウェア(BIAcore)の
フィッティングツールを用いて取得した。図22A~Fは、mIgG捕捉CM5チップ上に固定され
たSTC703、STC810、又はSTC820に対する二量体BTN1A1-ECD-Fc(2倍希釈で、2~64nM;図22A
、C、及びE)又は単量体BTN1A1-ECD-His(2倍希釈で、2~64nM;図22B、D、及びF)のリアル
タイム結合を示したセンサーグラムを提供している。固定されたタンパク質を含まないフ
ローセルを非特異的結合の対照として使用し、対照セルのシグナルを試験セルのシグナル
から差し引いて、図22A~Fに示されているセンサーグラムを作成した。
Biacoreアッセイにより測定されたSTC703、STC810、及びSTC820に対するBTN1A1-ECD-Fc
又はBTN1A1-ECD-His結合のKD値は、下の表17に提供されている。STC703が二量体BTN1A1-F
c(KD=286nM)に結合することが分かったのに対し、単量体BTN1A1-Hisに対するSTC703の特
異的結合は検出されなかった。STC810は、単量体BTN1A1-ECD-His(KD=12.4nM)に対してよ
りも>100倍高い親和性で二量体BTN1A1-ECD-Fc(KD=0.92nM)に結合することが分かった。
STC820は、二量体BTN1A1-ECD-Fc(KD=501nM)よりも単量体BTN1A1-ECD-His(KD=16.2nM)に
優先的に結合することが分かった。
したがって、本実施例は、抗グリコシル化BTN1A1抗体をSTC820などのBTN1A1単量体特異
的抗体とSTC703及びSTC810などのBTN1A1二量体特異的抗体に分類することができることを
示している。
表17: Biacore(商標)によって決定されたSTC703、STC810、又はSTC820のKD
Figure 2024009959000040
NC=曲線フィッティングなし(結合は検出されず)。
(6.10 実施例10: STC703、STC810、及びSTC820の特徴付け)
STC703、STC810、又はSTC820とBTN1A1 WT及びその非グリコシル化BTN1A1変異体の免疫
特異的結合をウェスタンブロットによって試験し、共焦点顕微鏡法によっても試験した。
HEK293T細胞に、野生型BTN1A1並びにN55Q、N215Q、及び2NQ(すなわち、N55QとN215Q)を含
む突然変異体BTN1A1の発現ベクターを一過性にトランスフェクトした。例えば、図23Aを
参照されたい。トランスフェクションから48時間後のウェスタンブロット解析において、
全細胞溶解物を調製し、タンパク質を未変性SDS-PAGEで分離した。ゲルを、STC703、STC8
10、STC820、又は他の同定された抗体(抗体シークエンシングデータにより、STC810とSTC
838の同じ配列、及びSTC819とSTC820とSTC821の同じ配列が示された)に対する抗体を用い
る免疫ブロット解析に供した。例えば、図23B及び図23C(ローディング対照)を参照された
い。STC703、STC810、STC820、又は他の被験抗体によって検出された野生型BTN1A1及び突
然変異体BTN1A1の発現は、図23B及び図24に提供されている。図24(上のパネル)に示され
ているように、STC703、STC810、又はSTC820によって検出可能なBTN1A1 N55Q突然変異体
及び突然変異体N215Qの発現はBTN1A1と比較して低下し、BTN1A1 2NQ突然変異体の発現は
さらに有意に低下した。
HEK293T細胞における野生型BTN1A1の発現を、STC703及びSTC810で染色することにより
、共焦点顕微鏡でも観察した。図25に示されているように、BTN1A1は、HEK293T細胞にお
いて、ほとんどは細胞表面で、STC703とSTC810の両方により陽性に染色された。
(6.11 実施例11:抗グリコシル化BTN1A1及びグリコシル化BTN1A1を過剰発現する細胞によ
る内在化)
理論に束縛されるものではないが、N-結合型グリコシル化は、通常、糖タンパク質、例
えば、VEGFR、ニューロキニン1受容体、DC-SIGN、MUC1、及びC-タイプレクチンの結合及
びその後のクラスリン依存的内在化を増強すると考えられる。BTN1A1は、膜結合型糖タン
パク質でもあり、抗体が結合したときに内在化し、分解されることが観察されている。本
実施例は、STC810のBTN1A1グリコシル化依存的内在化を示している。完全グリコシル化BT
N1A1-WT又は非グリコシル化BTN1A1-2NQを過剰発現するHEK293T細胞によるSTC810の内在化
を生細胞イメージングを用いて可視化した。
簡潔に述べると、BTN1A1 WT又はBTN1A1 2NQを発現するHEK293T細胞を96ウェルプレート
にプレーティングし、pHrodo(登録商標)標識(ThermoFisher社、Waltham, MA)したSTC810
又はIgG対照抗体を各々のウェルに添加した。赤色の蛍光を、IncuCyte ZOOM(登録商標)生
細胞イメージングシステム(Essen Bioscience社; Ann Arbor, MI)を用いて、18時間にわ
たって追跡した。
図26Aは、18時間での内在化されたSTC810の蛍光の代表的な画像を示している。STC810
内在化を示す特異的な蛍光は、BTN1A1 WT発現細胞で観察されたが、BTN1A1-2NQ発現細胞
では観察されなかった。
図26Bは、経時的なSTC810の内在化を示す蛍光カウントの散乱プロットを示している。1
8時間にわたるSTC810の内在化の着実な増加がBTN1A1-WT発現細胞で観察されたが、BTN1A1
-2NQ発現細胞では観察されなかった。
本実施例は、細胞へのSTC810内在化がBTN1A1グリコシル化に依存的であることを示して
いる。
(6.12 実施例12:抗グリコシル化BTN1A1抗体は抗PD1抗体と相乗作用して、混合リンパ球
反応でIL-2及びIFNγ分泌を誘導する)
混合リンパ球反応(MLR)を用いて、抗PD1抗体と相乗作用する抗グリコシル化BTN1A1抗体
の能力を評価した。
簡潔に述べると、300ng/mLのSTC810を、単独で又は20ng/mLのSTM418(STCubeにより開発
された抗PD-1遮断mAb)との組合せで試験した。同種異系樹状細胞及び全T細胞をPBMCから
濃縮し、抗体の存在下で72時間共培養した(DC:T=1:10)。培養上清をIL-2及びIFNγ定量
のためのELISAに供した。
図27A及び図27Bに示されているように、IL-2又はIFNγ分泌に対する効果は、20ng/mLの
抗PD-1 mAb STM418単独では観察されなかった。しかしながら、抗PD-1との組合せは、STC
810誘導性のIL-2及びIFNγ分泌を増大させることが分かった。1000ng/mlのSTC810は、300
ng/mlのSTC810と同程度のレベルまでIL-2及びIFNγ分泌を増大させることが分かった(デ
ータは示さない)。マウスIgGを陰性対照として使用した。P値をスチューデントのt-検定(
n=3)により計算した。
本実施例は、抗グリコシル化BTN1A1抗体が抗PD1抗体と相乗作用して、混合リンパ球反
応でIL-2及びIFNγ分泌を誘導することができることを示している。
(6.13 実施例13:抗グリコシル化BTN1A1抗体はIFNγの分泌及び活性化CD8+ T細胞のクラ
スタリングを促進することができる)
CD8+ T細胞活性化に対する抗グリコシル化BTN1A1抗体の効果をさらに解明するために、
抗CD3活性化PBMCを+/- BTN1A1-Fc(10μg/mL)及び+/- STC810(50μg/mL)で処理した。CD8+
T細胞クラスター形成を顕微鏡法により評価した。クラスター直径は、T細胞活性化を示
すものである。図28Aに示されているように、BTN1A1-Fcは、IgG対照抗体と比べて、抗CD3
誘導性のCD8+ T細胞クラスター形成を低下させることが分かった(右上のパネルと左下の
パネル)。STC810は、抗CD3誘導性のCD8+ T細胞クラスター形成に対するBTN1A1-Fcの阻害
効果を覆すことが分かった(右下のパネルと左下のパネル)。
別の実験において、CD8+ T細胞をConAで活性化し、IL-2及びIFNγ分泌をELISAにより測
定した。STC810による処理は、IFNγ分泌により測定されるT細胞活性化を回復させること
が分かった。
(6.14 実施例14:抗グリコシル化マウスBTN1A1抗体の開発)
動物研究を容易にするために、3種の異なる抗マウスBTN1A1抗体、STC1011、STC1012、
及びSTC1029がSTCubeにより開発され、特徴付けられた。
BTN1A1とモノクローナル抗BTN1A1抗体STC1011、STC1012、及びSTC1029の結合親和性を
表面プラズモン共鳴(BIAcore(商標))により測定した。ヒトIgG1-Fcタグ化マウスBTN1A1-E
CD(二量体)を用いた抗体力価測定のセンサーグラム及飽和曲線を記録した。
タンパク質捕捉チップ(BIAcore(商標))に、STC1011、STC1012、STC1029、又は対照IgG1
抗体をコーティングした。IgG1対照とマウスBTN1A1-Hisの相互作用は観察されなかった。
マウスBTN1A1-ECD-FcをBIAcore(商標) X-100装置上のマイクロ流体チャネルに注入した。
KD値をBIAevaluationソフトウェア(BIAcore)のフィッティングツールを用いて取得した。
図29A~Cは、固定されたSTC1011、STC1012、及びSTC1029に対する二量体BTN1A1-ECD-Fc(2
倍希釈で、2~64nM)のリアルタイム結合を示したセンサーグラムを提供している。IgG1抗
体対照セルのシグナルを試験セルのシグナルから差し引いて、図29A~Cに示されているセ
ンサーグラムを作成した。
Biacore(商標)アッセイにより測定されたSTC1011、STC1012、及びSTC1029に対するBTN1
A1-ECD-Fc結合のKD値は、下の表18に提供されている。STC1011、STC1012、及びSTC1029は
、高い親和性でBTN1A1-ECD-Fcに結合することが分かった。
表18: Biacore(商標)により決定されたSTC1011、STC1012、又はSTC1029のKD
Figure 2024009959000041
STC1012のBTN1A1-グリコシル化依存的細胞内在化を生細胞イメージングを用いて解析し
た。このアッセイを容易にするために、pHRodo標識STC1012抗体を開発した。pHRodoは、
中性pHでは不活性であり、低いpH環境、例えば、細胞のリソソーム内の酸性環境では活性
化される、コンジュゲート可能な蛍光タグである。通常、pH-Rodo標識抗体が、細胞表面
上のその標的に結合した後、細胞に内在化されて、分解されると、赤色の蛍光が細胞の細
胞質ゾルで観察されることになる。そのような蛍光を、蛍光顕微鏡法によって、例えば、
赤色の物体を画像中で又は画像毎の赤色の蛍光の相対単位としてカウントすることにより
定量することができる。簡潔に述べると、BTN1A1 WT又はBTN1A1 2NQを発現するHEK293T細
胞を96ウェルプレートに2000細胞/ウェルでプレーティングし、pHrodo(登録商標)標識(Th
ermoFisher社、Waltham, MA)したSTC1012(5μg/ml)又はIgG対照抗体(5μg/ml)を各々のウ
ェルに添加した。赤色の蛍光を、IncuCyte ZOOM(登録商標)生細胞イメージングシステム(
Essen Bioscience社; Ann Arbor, MI)を用いて、40時間にわたって追跡した。
図30Aは、内在化されたSTC1012の蛍光の代表的な画像を示している。STC1012内在化を
示す特異的な蛍光は、BTN1A1 WT発現細胞で及びBTN1A1-2NQ発現細胞で観察された。
図30Bは、経時的なSTC1012の内在化を示す蛍光カウントの散乱プロットを示している。
40時間にわたるSTC810の内在化の着実な増加がBTN1A1 WT発現細胞で及びBTN1A1-2NQ発現
細胞で観察された。
図30A及び図30Bは、細胞へのSTC1012内在化がBTN1A1グリコシル化に依存的ではないこ
とを示している。
簡潔に述べると、マイトマイシンC処理した4T1-BTN1A1細胞(4×104/ウェル)をマウス脾
臓細胞(2×105/ウェル)及び抗マウスBTN1A1抗体(50μg/mL)と72時間共培養し、T細胞増殖
をCFSE染色細胞のフローサイトメトリーにより測定した。図31A及び図31Bに示されている
ように、STC1011、STC1012、及びSTC1029は、IgG対照抗体と比べて、T細胞増殖を増大さ
せることが分かった。P値をスチューデントのt-検定(n=3)により計算した。
(6.15 実施例15)
BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に提供される分子は、イ
メージング剤、治療剤、毒素、又は放射性核種にコンジュゲートすることができる。治療
剤は化学療法剤である。治療剤は細胞毒素である。本明細書に提供される分子は、イメー
ジング剤にコンジュゲートすることができる。
本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明
細書に提供される分子、及び医薬として許容し得る担体を有する組成物である。本明細書
に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に提供
される分子、及び補助剤を有する組成物である。
本明細書に提供されるのは、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明
細書に提供される分子のVH領域又はVL領域をコードする単離された核酸である。該分子は
STC703、STC810、STC820、STC1011、STC1012、又はSTC1029、STC2602、STC2714、STC2739
、STC2778、又はSTC2781であることができる。単離された核酸は、配列番号4、32、60、8
8、116、144、200、228、256、284、312の配列を有することができる。単離された核酸は
、配列番号6、34、62、90、118、146、202、230、258、286、又は314の配列を有すること
ができる。
本明細書に提供されるのは、本明細書に記載される核酸分子を有するベクターでもある
。本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるベクターを有する宿主細胞でもある
本明細書に提供されるのは、BTN1A1を発現する細胞に化合物を送達する方法であって、
該細胞をBTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子
と接触させることを含み、ここで、該分子が該化合物とコンジュゲートされる、方法でも
ある。該細胞は、癌細胞であることができる。該化合物は、イメージング剤、治療剤、毒
素、又は放射性核種であることができる。
本明細書に提供されるのは、対象における免疫応答を調節する方法であって、本明細書
に記載される分子の有効量を対象に投与することを含み、ここで、該分子がBTN1A1に免疫
特異的に結合する抗原結合断片を有する、方法である。調節することは:(a)T細胞活性化
を増大させること;(b)T細胞増殖を増大させること;又は(c)サイトカイン産生を増大させ
ることを含み得る。
本明細書に提供されるのは、BTN1A1を発現する細胞のT細胞依存的アポトーシスを増強
する方法であって、該細胞を、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明
細書に記載される分子の有効量と接触させることを含む、方法でもある。
本明細書に提供されるのは、癌を有する対象を治療する方法であって、本明細書に記載
される分子の治療有効量を該対象に投与することを含み、ここで、該分子がBTN1A1に免疫
特異的に結合する抗原結合断片を有する、方法でもある。癌は血液癌又は固形腫瘍である
。癌は、固形腫瘍、例えば、乳癌、肺癌、甲状腺癌、胸腺癌、頭頸部癌、前立腺癌、食道
癌、気管癌、脳腫瘍、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、胃癌、膵臓癌、卵巣癌、子宮癌、子宮頸
癌、精巣癌、結腸癌、直腸癌、又は皮膚癌であることができる。癌は、血液癌、例えば、
白血病、リンパ腫、又は骨髄腫であることができる。該分子は全身投与される。該分子は
、静脈内、皮内、腫瘍内、筋肉内、腹腔内、皮下、又は局所投与することができる。
該方法は、少なくとも第二の抗癌療法を対象に施すことをさらに含むことができる。第
二の抗癌療法は、外科的療法、化学療法、放射線療法、凍結療法、温熱療法、高密度焦点
式超音波療法、ホルモン療法、免疫療法、又はサイトカイン療法であることができる。第
二の抗癌療法は放射線療法である。
本明細書に提供されるのは、対象由来の試料中のBTN1A1を検出する方法であって、該試
料を本明細書に記載される分子と接触させて、該分子とBTN1A1の複合体を形成させること
、及び該試料中の該複合体を検出することを含み、ここで、該分子がBTN1A1に免疫特異的
に結合する抗原結合断片を有する、方法でもある。
該方法は、該複合体が検出された場合、対象が癌を有する可能性が高いと診断すること
をさらに含むことができる。該方法は、該複合体が検出された場合、該対象が癌治療に応
答する可能性が高いと予測することをさらに含むことができる。該方法は、対象由来の試
料中のBTN1A1の発現レベルを参照レベルと比較すること、及び該試料中のBTN1A1の発現レ
ベルが該参照レベルよりも高い場合、該対象が癌を有する可能性が高いと診断することを
さらに含むことができる。参照レベルは、健康個体由来の試料中のBTN1A1の発現レベルで
あることができる。該試料は、例えば、全血試料、骨髄試料、部分精製血試料、PBMC、組
織生検、循環腫瘍細胞、循環タンパク質複合体、又は循環エキソソームであることができ
る。該複合体は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学
発光免疫吸着アッセイ(CLIA)、放射免疫アッセイ(RIA)、酵素多重化免疫アッセイ、固相
放射免疫アッセイ(SPROA)、蛍光偏光(FP)アッセイ、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)アッ
セイ、時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(TR-FRET)アッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR)ア
ッセイ、又は免疫組織化学(IHC)手法などのアッセイによって検出することができる。
本明細書に提供されるのは、患者における特定の癌治療の有効性を評価する方法であっ
て: a)治療の全期間を通じた第一の時点及び少なくとも1つの後の時点で患者から得られ
た2以上の試料をBTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載さ
れる分子と接触させること; b)該2以上の試料中のBTN1A1のレベルを測定すること、並び
にc)該2以上の試料中のBTN1A1のレベルを比較することを含み、ここで、第一の時点で得
られた試料中のBTN1A1レベルと比べた、後の時点で得られた試料中のBTN1A1レベルの減少
によって、癌治療が有効であることが示される、方法でもある。
本明細書に提供されるのは、以下の式(Ia)もしくは(Ib)の抗体-薬物コンジュゲート:又
はその医薬として許容し得る塩でもある;
Figure 2024009959000042
(式中:
Aは、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する本明細書に記載される分子
であり;
2つの図示されたシステイン残基は、A中の開裂したシステイン-システインジスルフィ
ド結合に由来するものであり;
各々のX及びX'は、独立に、O、S、NH、又はNR1であり、ここで、R1はC1-6アルキルであ
り;
Waは、=N-、=CH-、=CHCH2-、=C(R2)-、又は=CHCH(R2)-であり; Wbは、-NH-、-N(R1)-、
-CH2-、-CH2-NH-、-CH2-N(R1)-、-CH2CH2-、-CH(R2)-、又は-CH2CH(R2)-であり;ここで、
R1及びR2は、独立に、C1-6アルキルであり;
CTXは細胞毒素であり;
Rは任意の化学基であるか;又はRは存在せず;
各々のL1、L2、及びL3は、独立に、-O-、-C(O)-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-NH-、-NCH3
-、-(CH2)q-、-NH(CH2)2NH-、-OC(O)-、-CO2-、-NHCH2CH2C(O)-、-C(O)NHCH2CH2NH-、-NH
CH2C(O)-、-NHC(O)-、-C(O)NH-、-NCH3C(O)-、-C(O)NCH3-、-(CH2CH2O)p、-(CH2CH2O)pCH
2CH2-、-CH2CH2-(CH2CH2O)p-、-OCH(CH2O-)2、-(AA)r-、シクロペンタニル、シクロヘキ
サニル、非置換フェニレニル、並びにハロ、CF3-、CF3O-、CH3O-、-C(O)OH、-C(O)OC1-3
アルキル、-C(O)CH3、-CN、-NH-、-NH2、-O-、-OH、-NHCH3、-N(CH3)2、及びC1-3アルキ
ルからなる群から選択される1又は2個の置換基によって置換されたフェニレニルからなる
群から選択されるリンカーであり;
a、b、及びcは、各々独立に、0、1、2、又は3の整数であり、但し、a、b、又はcのうち
の少なくとも1つは1であり;
各々のk及びk'は、独立に、0又は1の整数であり;
各々のpは、独立に、1~14の整数であり;
各々のqは、独立に、1~12の整数であり;
各々のAAは、独立に、アミノ酸であり;
各々のrは、1~12であり;
mは、1~4の整数であり;
nは、1~4の整数であり;かつ
Figure 2024009959000043
結合は、単結合又は二重結合を表す)。
Aは、抗BTN1A1抗体であることができる。CTXは、例えば、チューブリン安定化剤、チュ
ーブリン脱安定化剤、DNAアルキル化剤、DNAマイナーグルーブ結合剤、DNAインターカレ
ーター、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、ジャイレース阻害剤、
タンパク質合成阻害剤、プロテオソーム阻害剤、又は代謝拮抗物質である。CTXは、例え
ば、アクチノマイシン-D、アモナファイド、オーリスタチン、ベンゾフェノン、ベンゾチ
アゾール、カリケアマイシン、カンプトテシン、CC-1065(NSC 298223)、セマドチン、コ
ルヒチン、コンブレタスタチンA4、ドラスタチン、ドキソルビシン、エリナファイド、エ
ムタンシン(DM1)、エトポシド、KF-12347(レイナマイシン)、メイタンシノイド、メトト
レキセート、ミトキサントロン、ノコダゾール、プロテオソーム阻害剤1(PSI 1)、ロリジ
ンA、T-2毒素(トリコテセン類似体)、タキソール、チューブリシン、Velcade(登録商標)
、又はビンクリスチンであることができる。CTXは、オーリスタチン、カリケアマイシン
、メイタンシノイド、又はチューブリシンであることができる。CTXは、モノメチルオー
リスタチンE、モノメチルオーリスタチンF、カリケアマイシンγ、メルタンシン、ピロロ
ベンゾジアゼピン、チューブリシンT2、チューブリシンT3、又はチューブリシンT4である
ことができる。
(6.16 実施例16:二量体特異的BTN1A1モノクローナル抗体の産生及びスクリーニング)
(免疫)
二量体特異的BTN1A1モノクローナル抗体を作製するために、該遺伝子の細胞外ドメイン
をFc融合ベクター(pFUSE-hIgG1-Fc、Invivogen)に挿入することにより、二量体形態のBTN
1A1(BTN1A1-Fc)を産生した。二量体形態のBTN1A1に対して作製されたモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマを、標準的なプロトコルに従って、SP2/0マウス骨髄腫細胞と
ヒトBTN1A1-Fc免疫BALB/cマウス(n=6)(Antibody Solution社)から単離された脾臓細胞と
の融合により取得した。融合前に、免疫マウス由来の血清をBTN1A1免疫原に対する結合に
ついてFACS解析を用いて確認した。抗体を産生するハイブリドーマを特異性について再び
試験した。
(FACS)
ヒトBTN1A1-Fc抗原に特異的であり、かつヒトBTN1A1-Fc抗原に優先的に結合する抗BTN1
A1-Fc MAbを同定するために、異なるタイプのアッセイを実施した。BTN1A1に対するMAbの
優先的結合を検出するためのスクリーニングアッセイでは、抗体結合を(細胞膜結合タン
パク質を用いる)FACS解析による蛍光強度の測定に基づいて決定した。例として、このア
ッセイをHEK293Tヒト胎児腎臓細胞株を用いて実施した。実例として、BTN1A1を過剰発現
するHEK293T細胞をハイブリドーマ培養上清中に存在する抗BTN1A1抗体とともにインキュ
ベートした。洗浄後、FITCとコンジュゲートされた二次抗体を検出剤として添加した。蛍
光強度(測定蛍光強度、MFI)をFACS Iフローサイトメトリー解析により測定して、細胞上
の膜結合型BTN1A1 WTに対する抗BTN1A1抗体の相対的な結合を評価した。WT BTN1A1に対す
る有意に高いMFIを示す抗体をさらなる評価のために選択した。結合解析に基づいて、67
の候補MAb産生ハイブリドーマを選択し、ADCF培地中で成長させ、モノクローナル抗体を
含有するその上清を濃縮し、精製した。
(ELISA)
観察された結合がヒトFc結合によるものである可能性を排除するために、ヒトBTN1A1-F
c及びヒトIgG1対照を用いて、ELISAを実施した。抗原のBTN1A1-Fc及びヒトIgG1をELISAプ
レートにコーティングした。抗体を各々のウェルに添加し、各々の抗体についての結合を
抗原に対する標準的な直接ELISAにより決定した。ヒトIgG1結合抗体を候補から除去した
(Octet)
結合親和性を決定するために、FACS及びELISAで高い結合活性を示す選択された抗体をO
ctet反応速度解析に供した。抗マウスFc捕捉抗体をコーティングしたバイオセンサーを用
いて、KDを会合速度(Kon)及び解離速度(Koff)により決定した。より高い親和性(ナノモル
濃度範囲)を有する抗体を選択した。単一の標的に対する抗体のパネルのエピトープ結合
特徴を分類するために、エピトープビニングも使用した。このエピトープビニング実験は
、2つの異なる抗体が同じエピトープに結合するかどうかを決定するように設計した。2つ
の抗体が抗原の同じエピトープに結合する場合、第一の抗体の結合は、第二の抗体の結合
を妨げることになる。被験ペアの各々の抗体が競合的に独立したエピトープに結合する場
合、第一の抗体の結合は、第二のものの結合に全く影響がないことになる。試験の反復を
通じて、これらの抗体をエピトープ結合特異性に従ってグループ化する。この実験を、バ
イオレイヤー干渉法(BLI)を用いるOctet Red96システム(Pall ForteBio)を用いて実施し
て、生体分子の相互作用を検出し、解析した。抗原を使い捨てのセンサーに結合させ、そ
の後、該センサーを通過する光の反射の遅延の変化により、該抗原に対する抗体の追加の
結合を測定した。より長い遅延は、より多くの量がセンサーに結合したことを示し、この
値を用いて、タンパク質-抗体相互作用の度合いを決定する。この実験において、抗体を
結合部位を共有しない5つの異なるクラスに分類した。
表16: FACS、ELISA、及びOctetによる抗体のスクリーニング結果
Figure 2024009959000044
Figure 2024009959000045
Figure 2024009959000046
(抗体のシークエンシング)
抗体のDNA配列を同定するために、RNeasy Mini RNAキット(Qiagen)を用いて、全RNAを
ハイブリドーマ細胞から単離し、SuperScript II One-Step RT-PCRシステム(ThermoFishe
r)を用いて、cDNAを作製した。相補性決定領域(CDR)を含む重鎖の可変領域(VH)及び軽鎖
の可変領域(VL)を、SMARTer(登録商標) RACE cDNA増幅キット(Takara/Clontech)の特異的
プライマーセットを用いて増幅させ、その後、これを鋳型としてPCRで使用した。この産
物をpRACE発現ベクターにライゲーションした。pRACE in-fusionベクターにライゲーショ
ンしたPCR産物をTop10コンピテント大腸菌細胞(ThermoFisher)に形質転換した。クローニ
ングしたベクターを選択し、精製し、シークエンシングした。シークエンシングの結果を
abYsisウェブサイト(www.bioinf.org.uk/abysis2.7)を用いて解析した。CDR領域のペプチ
ド配列を3つの異なる予測方法により裏付けた。各々の抗体のHC及びLCの配列をClustal O
mega(www.ebi.ac.uk/Tools/msa/clustalo/)を用いて整列させた。抗体シークエンシング
の結果から、ほとんどの抗体が重鎖及び軽鎖中に同じ配列を有することが明らかになった
(癌細胞のT細胞媒介性殺傷)
T細胞殺傷アッセイは、免疫チェックポイント遮断剤の効力を試験するための、しかし
、BTN1A1及びその受容体が、各々、複数の細胞型によって発現されていてもよく、T細胞
が癌細胞に対する免疫応答の唯一の成分である、最小化された効果的なシステムである。
したがって、癌細胞殺傷が生じなければならない免疫環境をより良好に代表するインビト
ロモデルを開発するために、STCubeは、全ナイーブ末梢血単球集団由来のT細胞を用いる
癌細胞殺傷アッセイを開発した。ナイーブT細胞による癌細胞の殺傷を評価するために、P
C3ヒト前立腺癌細胞をヒトBTN1A1で安定にトランスフェクトし、その後、96ウェルプレー
トにプレーティングした。単離されたT細胞を、表示された濃度のBTN1A1抗体とともに、
各々のウェルに添加した。最後に、カスパーゼ3/7による切断の後にのみ蛍光性となる細
胞透過性試薬をアポトーシス指示薬として添加した。培地中にSTC2714を含めることによ
り、アポトーシスがPC3細胞で増強され、STC2714が、全循環免疫成分との関連において、
癌細胞からT細胞へと媒介される抑制シグナルを遮断することを示した(図33)。
(二量体特異的BTN1A1抗体の検出のためのウェスタンブロット)
立体構造特異性を決定するために、二量体形態のBTN1A1(BTN1A1の細胞外ドメインのFc
融合タンパク質)と単量体形態のBTN1A1(BTN1A1細胞外ドメインのHisタグ化タンパク質)の
両方を用いて、ウェスタンブロット解析を実施した。タンパク質を、DTT(還元剤)及び煮
沸で、又は還元及び煮沸による変性なしで処理した。タンパク質をSDS-PAGEで泳動させた
後、ウェスタンブロットを標準的なプロトコルにより実施した(図34)。未変性条件(還元
剤及び煮沸なし)では、STC2714は、二量体形態のBTN1A1 ECDであるFc融合タンパク質のみ
を認識したが、単量体形態のBTN1A1 ECDであるHisタグ化タンパク質を認識しなかった。
還元されたBTN1A1-FcもSTC2714によって検出されることができ、このタンパク質はインキ
ュベーション中にメンブレン上で二量体形態に戻ることができることが示唆された。この
結果から、STC2714が二量体特異的抗体であることが提示された。
(二量体形態のBTN1A1に対するSTC2714の結合親和性)
Biacore X-100システム(GE Healthcare Life Science)を用いて、STC2714のKD値を決定
した。抗マウスIgG抗体が固定された金のセンサーチップに結合したSTC2714に対する移動
相中でのBTN1A1-Fc(二量体形態)及びBTN1A1-His(単量体形態)の会合及び解離のプロセス
により、KD値を取得した。代表的な会合/解離グラフが図35A及びBに示されている。STC27
14は、高い親和性(KD=2.5nM)でBTN1A1-Fcに結合し;その一方、この抗体は、BTN1A1-His
に対する31.4nMのKDを有する。これは、STC2714が単量体形態のBTN1A1よりも二量体形態
のBTN1A1に対して強い親和性を有することを示唆している。
* * *
本明細書の全体を通じて、様々な刊行物が参照されている。これらの刊行物の完全な開
示は、本開示が関連する最先端の技術をより完全に記載するために本出願における引用に
より本明細書中に組み込まれる。ある特定の実施態様の例が本明細書に提供されているが
、様々な変更及び修飾を行い得ることが当業者には明白であろう。そのような修飾もまた
、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片を含む分子。
(態様2)
前記抗原結合断片が単量体BTN1A1に対して示されるKDの半分未満のKDで二量体BTN1A1に
結合し、ここで、任意に、該抗原結合断片が、該単量体BTN1A1に対して示されるKDよりも
少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも20倍
小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又は少
なくとも50倍小さいKDで二量体BTN1A1に結合する、態様1記載の分子。
(態様3)
前記抗原結合断片が非グリコシル化BTN1A1よりもグリコシル化BTN1A1に優先的に結合す
る、態様1記載の分子。
(態様4)
前記抗原結合断片が非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDの半分未満のKDでグリコ
シル化BTN1A1に結合し、ここで、任意に、該抗原結合断片が、該非グリコシル化BTN1A1に
対して示されるKDよりも少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍
小さい、少なくとも20倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なく
とも40倍小さい、又は少なくとも50倍小さいKDでグリコシル化BTN1A1に結合する、態様3
記載の分子。
(態様5)
BTN1A1がヒトBTN1A1である、態様1記載の分子。
(態様6)
前記抗原結合断片が、
(a):
1)配列番号7、10、13、16、35、38、41、及び44からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有するVH CDR1;
(2)配列番号8、11、14、17、36、39、42、及び45からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有するVH CDR2;並びに
(3)配列番号9、12、15、18、37、40、43、及び46からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、又は
(b)
(1)配列番号19、22、25、28、47、50、53、及び56からなる群から選択されるアミノ酸
配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号20、23、26、29、48、51、54、及び57からなる群から選択されるアミノ酸
配列を有するVL CDR2;並びに
(3)配列番号21、24、27、30、49、52、55、及び58からなる群から選択されるアミノ酸
配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様1記載の分子。
(態様7)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号7、10、13、16、35、38、41、及び44からなる群から選択されるアミノ酸配列
を有するVH CDR1;
(2)配列番号8、11、14、17、36、39、42、45からなる群から選択されるアミノ酸配列を有
するVH CDR2;並びに
(3)配列番号9、12、15、18、37、40、43、46からなる群から選択されるアミノ酸配列を有
するVH CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域を含む、態様6記載の分子。
(態様8)
前記重鎖可変(VH)領域が、
(a)(1)配列番号7もしくは35のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号8もしくは36のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号9もしくは37のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(b)(1)配列番号10もしくは38のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号11もしくは39のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号12もしくは40のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(c)(1)配列番号13もしくは41のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号14もしくは42のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号15もしくは43のアミノ酸配列を有するVH CDR3;又は
(d)(1)配列番号16もしくは44のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号17もしくは45のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号18もしくは46のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む、態様6記載の分子。
(態様9)
前記重鎖可変(VH)領域が配列番号3又は31のアミノ酸配列を含む、態様6記載の分子。
(態様10)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号19、22、25、28、47、50、53、及び56からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有するVL CDR1;
(2)配列番号20、23、26、29、48、51、54、及び57からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有するVL CDR2;並びに
(3)配列番号21、24、27、30、49、52、55、及び58からなる群から選択されるアミノ酸配
列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を含む、態様6記載の分子。
(態様11)
前記軽鎖可変(VL)領域が、
(a)(1)配列番号19もしくは47のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号20もしくは48のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号21もしくは49のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(b)(1)配列番号22もしくは50のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号23もしくは51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号24もしくは52のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(c)(1)配列番号25もしくは53のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号26もしくは54のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号27もしくは55のアミノ酸配列を有するVL CDR3;又は
(d)(1)配列番号28もしくは56のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号29もしくは57のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号30もしくは58のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む、態様6記載の分子。
(態様12)
前記軽鎖可変(VL)領域が配列番号5又は33のアミノ酸配列を含む、態様6記載の分子。
(態様13)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号7、10、13、16、35、38、41、44からなる群から選択されるアミノ酸配列を
有するVH CDR1;
(2)配列番号8、11、14、17、36、39、42、45からなる群から選択されるアミノ酸配列を
有するVH CDR2;及び
(3)配列番号9、12、15、18、37、40、43、46からなる群から選択されるアミノ酸配列を
有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号19、22、25、28、47、50、53、56からなる群から選択されるアミノ酸配列
を有するVL CDR1;
(2)配列番号20、23、26、29、48、51、54、57からなる群から選択されるアミノ酸配列
を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号21、24、27、30、49、52、55、58からなる群から選択されるアミノ酸配列
を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様6記載の分子。
(態様14)
前記抗原結合断片が、
(i)(a)
(1)配列番号7もしくは35のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号8もしくは36のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号9もしくは37のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号19もしくは47のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号20もしくは48のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号21もしくは49のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(ii)(a)
(1)配列番号10もしくは38のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号11もしくは39のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号12もしくは40のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号22もしくは50のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号23もしくは51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号24もしくは52のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(iii)(a)
(1)配列番号13もしくは41のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号14もしくは42のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号15もしくは43のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号25もしくは50のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号26もしくは51のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号27もしくは52のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域、又は
(iv)(a)
(1)配列番号16もしくは44のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号17もしくは45のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号18もしくは46のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号28もしくは56のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号29もしくは57のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号30もしくは58のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様6記載の分子。
(態様15)
前記VH領域が配列番号3のアミノ酸配列を含み、前記VL領域が配列番号5のアミノ酸配列
を含む、態様6記載の分子。
(態様16)
前記VH領域が配列番号31のアミノ酸配列を含み、前記VL領域が配列番号33のアミノ酸配
列を含む、態様6記載の分子。
(態様17)
前記分子がSTC703又はSTC810である、態様1~16のいずれか一項記載の分子。
(態様18)
前記抗原結合ドメインが、表3a及び3bに示されているようなモノクローナル抗体STC810
のVHドメイン、VLドメイン、VH CDR1、VH CDR3、VH CDR3、VL CDR1、VL CDR2、又はVL CD
R3を含まない、態様1~17のいずれか一項記載の分子。
(態様19)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号231、234、237、及び240からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号232、235、238、及び241からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号233、236、239、及び242からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、又は
(b)
(1)配列番号243、246、249、及び252からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号244、247、250、及び253からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号245、248、251、及び254からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様1記載の分子。
(態様20)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号231、234、237、及び240からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR1;
(2)配列番号232、235、238、及び241からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR2;並びに
(3)配列番号233、236、239、及び242からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域を含む、態様19記載の分子。
(態様21)
前記重鎖可変(VH)領域が、
(a)(1)配列番号231のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号232のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号233のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(b)(1)配列番号234のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号235のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号236のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(c)(1)配列番号237のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号238のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号239のアミノ酸配列を有するVH CDR3;又は
(d)(1)配列番号240のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号241のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号242のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む、態様19記載の分子。
(態様22)
前記重鎖可変(VH)領域が配列番号227のアミノ酸配列を含む、態様19記載の分子。
(態様23)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号243、246、249、及び252からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR1;
(2)配列番号244、247、250、及び253からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR2;並びに
(3)配列番号245、248、251、及び254からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を含む、態様19記載の分子。
(態様24)
前記軽鎖可変(VL)領域が、
(a)(1)配列番号243のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号244のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号245のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(b)(1)配列番号246のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号247のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号248のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(c)(1)配列番号249のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号250のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号251のアミノ酸配列を有するVL CDR3;又は
(d)(1)配列番号252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号253のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号254のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む、態様19記載の分子。
(態様25)
前記軽鎖可変(VL)領域が配列番号229のアミノ酸配列を含む、態様19記載の分子。
(態様26)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号231、234、237、及び240からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号232、235、238、及び241からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号233、236、239、及び242からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号243、246、249、及び252からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号244、247、250、及び253からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号245、248、251、及び254からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様19記載の分子。
(態様27)
前記抗原結合断片が、
(i)(a)
(1)配列番号231のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号232のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号233のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号243のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号244のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号245のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(ii)(a)
(1)配列番号234のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号235のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号236のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号246のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号247のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号248のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域;
(iii)(a)
(1)配列番号237のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号238のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号239のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号249のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号250のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号251のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域、又は
(iv)(a)
(1)配列番号240のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号241のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号242のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号253のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号254のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様19記載の分子。
(態様28)
前記VH領域が配列番号227のアミノ酸配列を含み、前記VL領域が配列番号229のアミノ酸
配列を含む、態様19記載の分子。
(態様29)
前記分子がSTC2714である、態様19~28のいずれか一項記載の分子。
(態様30)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号203、206、209、及び212からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号204、207、210、及び213からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号205、208、211、及び214からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、又は
(b)
(1)配列番号215、218、221、及び224からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号216、219、222、及び225からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号217、220、223、及び226からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様1記載の分子。
(態様31)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号203、206、209、又は212からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR1;
(2)配列番号204、207、210、又は213からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR2;及び
(3)配列番号205、208、211、又は214からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域を含む、態様30記載の分子。
(態様32)
前記重鎖可変(VH)領域が、
(a)(1)配列番号203のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号204のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号205のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(b)(1)配列番号206のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号207のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号208のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(c)(1)配列番号209のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号210のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号211のアミノ酸配列を有するVH CDR3;又は
(d)(1)配列番号212のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号213のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号214のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む、態様30記載の分子。
(態様33)
前記重鎖可変(VH)領域が配列番号199のアミノ酸配列を含む、態様30記載の分子。
(態様34)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号215、218、221、及び224からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR1;
(2)配列番号216、219、222、及び225からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR2;並びに
(3)配列番号217、220、223、及び226からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を含む、態様30記載の分子。
(態様35)
前記軽鎖可変(VL)領域が、
(a)(1)配列番号215のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号216のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号217のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(b)(1)配列番号218のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号219のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号220のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(c)(1)配列番号221のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号222のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号223のアミノ酸配列を有するVL CDR3;又は
(d)(1)配列番号224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号225のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号226のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む、態様30記載の分子。
(態様36)
前記軽鎖可変(VL)領域が配列番号201のアミノ酸配列を含む、態様30記載の分子。
(態様37)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号203、206、209、及び212からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号204、207、210、及び213からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号205、208、211、及び214からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号215、218、221、及び224からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号216、219、222、及び225からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号217、220、223、及び226からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様30記載の分子。
(態様38)
前記抗原結合断片が、
(i)(a)
(1)配列番号203のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号204のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号205のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号215のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号216のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号217のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域;
(ii)(a)
(1)配列番号206のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号207のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号208のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号218のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号219のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号220のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(iii)(a)
(1)配列番号209のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号210のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号211のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号221のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号222のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号223のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域、又は
(iv)(a)
(1)配列番号212のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号213のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号214のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号225のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号226のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様30記載の分子。
(態様39)
前記VH領域が配列番号199のアミノ酸配列を含み、前記VL領域が配列番号201のアミノ酸
配列を含む、態様30記載の分子。
(態様40)
前記分子がSTC2602である、態様30~39のいずれか一項記載の分子。
(態様41)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号259、262、265、及び268からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号260、263、266、及び269からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号261、264、267、及び270からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、又は
(b)
(1)配列番号271、274、277、及び280からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号272、275、278、及び281からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号273、276、279、及び282からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様1記載の分子。
(態様42)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号259、262、265、及び268からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR1;
(2)配列番号260、263、266、及び269からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR2;並びに
(3)配列番号261、264、267、及び270からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域:を含む、態様41記載の分子。
(態様43)
前記重鎖可変(VH)領域が、
(a)(1)配列番号259のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号260のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号261のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(b)(1)配列番号262のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号263のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号264のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(c)(1)配列番号265のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号266のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号267のアミノ酸配列を有するVH CDR3;又は
(d)(1)配列番号268のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号269のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号270のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む、態様41記載の分子。
(態様44)
前記重鎖可変(VH)領域が配列番号255のアミノ酸配列を含む、態様41記載の分子。
(態様45)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号271、274、277、及び280からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR1;
(2)配列番号272、275、278、及び281からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR2;並びに
(3)配列番号273、276、279、及び282からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を含む、態様41記載の分子。
(態様46)
前記軽鎖可変(VL)領域が、
(a)(1)配列番号271のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号272のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号273のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(b)(1)配列番号274のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号275のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号276のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(c)(1)配列番号277のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号278のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号279のアミノ酸配列を有するVL CDR3;又は
(d)(1)配列番号280のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号281のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号282のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む、態様41記載の分子。
(態様47)
前記軽鎖可変(VL)領域が配列番号257のアミノ酸配列を含む、態様41記載の分子。
(態様48)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号259、262、265、及び268からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号260、263、266、及び269からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号261、264、267、及び270からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号271、274、277、及び280からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号272、275、278、及び281からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号273、276、279、及び282からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様41記載の分子。
(態様49)
前記抗原結合断片が、
(i)(a)
(1)配列番号259のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号260のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号261のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号271のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号272のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号273のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(ii)(a)
(1)配列番号262のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号263のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号264のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号274のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号275のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号276のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(iii)(a)
(1)配列番号265のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号266のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号267のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号277のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号278のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号279のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域、又は
(iv)(a)
(1)配列番号268のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号269のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号270のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号280のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号281のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号282のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様41記載の分子。
(態様50)
前記VH領域が配列番号255のアミノ酸配列を含み、前記VL領域が配列番号257のアミノ酸
配列を含む、態様41記載の分子。
(態様51)
前記分子がSTC2739である、態様41~50のいずれか一項記載の分子。
(態様52)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号287、290、293、及び296からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号288、291、294、及び297からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号289、292、295、及び298からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、又は
(b)
(1)配列番号299、302、305、及び308からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号300、303、306、及び309からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号301、304、307、及び310からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様1記載の分子。
(態様53)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号287、290、293、及び296からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR1;
(2)配列番号288、291、294、及び297からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR2;並びに
(3)配列番号289、292、295、及び298からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域:を含む、態様52記載の分子。
(態様54)
前記重鎖可変(VH)領域が、
(a)(1)配列番号287のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号288のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号289のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(b)(1)配列番号290のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号291のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号292のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(c)(1)配列番号293のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号294のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号295のアミノ酸配列を有するVH CDR3;又は
(d)(1)配列番号296のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号297のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号298のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む、態様52記載の分子。
(態様55)
前記重鎖可変(VH)領域が配列番号283のアミノ酸配列を含む、態様52記載の分子。
(態様56)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号299、302、305、及び308からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR1;
(2)配列番号300、303、306、及び309からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR2;並びに
(3)配列番号301、304、307、及び310からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を含む、態様52記載の分子。
(態様57)
前記軽鎖可変(VL)領域が、
(a)(1)配列番号299のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号300のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号301のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(b)(1)配列番号302のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号303のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号304のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(c)(1)配列番号305のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号306のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号307のアミノ酸配列を有するVL CDR3;又は
(d)(1)配列番号308のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号309のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号310のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む、態様52記載の分子。
(態様58)
前記軽鎖可変(VL)領域が配列番号285のアミノ酸配列を含む、態様52記載の分子。
(態様59)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号287、290、293、及び296からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号288、291、294、及び297からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号289、292、295、及び298からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号299、302、305、及び308からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号300、303、306、及び309からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号301、304、307、及び310からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様52記載の分子。
(態様60)
前記抗原結合断片が、
(i)(a)
(1)配列番号287のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号288のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号289のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号299のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号300のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号301のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(ii)(a)
(1)配列番号290のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号291のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号292のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号302のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号303のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号304のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(iii)(a)
(1)配列番号293のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号294のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号295のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号305のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号306のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号307のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域、又は
(iv)(a)
(1)配列番号296のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号297のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号298のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号308のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号309のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号310のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様52記載の分子。
(態様61)
前記VH領域が配列番号199のアミノ酸配列を含み、前記VL領域が配列番号285のアミノ酸
配列を含む、態様52記載の分子。
(態様62)
前記分子がSTC2778である、態様52~61のいずれか一項記載の分子。
(態様63)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号315、318、321、及び324からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号316、319、322、及び325からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号317、320、323、及び326からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、又は
(b)
(1)配列番号327、330、333、及び336からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号328、331、334、及び337からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号329、332、335、及び338からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様1記載の分子。
(態様64)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号315、318、321、及び324からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR1;
(2)配列番号316、319、322、及び325からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR2;並びに
(3)配列番号317、320、323、及び326からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVH
CDR3
:を含む重鎖可変(VH)領域を含む、態様63記載の分子。
(態様65)
前記重鎖可変(VH)領域が、
(a)(1)配列番号315のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号316のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号317のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(b)(1)配列番号318のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号319のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号320のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
(c)(1)配列番号321のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号322のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号323のアミノ酸配列を有するVH CDR3;又は
(d)(1)配列番号324のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号325のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号326のアミノ酸配列を有するVH CDR3
:を含む、態様63記載の分子。
(態様66)
前記重鎖可変(VH)領域が配列番号311のアミノ酸配列を含む、態様63記載の分子。
(態様67)
前記抗原結合断片が、
(1)配列番号327、330、333、及び336からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR1;
(2)配列番号328、331、334、及び337からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR2;並びに
(3)配列番号329、332、335、及び338からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するVL
CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域を含む、態様63記載の分子。
(態様68)
前記軽鎖可変(VL)領域が、
(a)(1)配列番号327のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号328のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号329のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(b)(1)配列番号330のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号331のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号332のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
(c)(1)配列番号333のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号334のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR3;又は
(d)(1)配列番号336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号337のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号338のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む、態様63記載の分子。
(態様69)
前記軽鎖可変(VL)領域が配列番号313のアミノ酸配列を含む、態様63記載の分子。
(態様70)
前記抗原結合断片が、
(a)
(1)配列番号315、318、321、及び324からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR1;
(2)配列番号316、319、322、及び325からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR2;並びに
(3)配列番号317、320、323、及び326からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
H CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号327、330、333、及び336からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR1;
(2)配列番号328、331、334、及び337からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR2;並びに
(3)配列番号329、332、335、及び338からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するV
L CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様63記載の分子。
(態様71)
前記抗原結合断片が、
(i)(a)
(1)配列番号315のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号316のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号317のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号327のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号328のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号329のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(ii)(a)
(1)配列番号318のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号319のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号320のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号330のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号331のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号332のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域
(iii)(a)
(1)配列番号321のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号322のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号323のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号333のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号334のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR3;
:を含む軽鎖可変(VL)領域、又は
(iv)(a)
(1)配列番号324のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
(2)配列番号325のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
(3)配列番号326のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
:を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
(b)
(1)配列番号336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
(2)配列番号337のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
(3)配列番号338のアミノ酸配列を有するVL CDR3
:を含む軽鎖可変(VL)領域
:を含む、態様63記載の分子。
(態様72)
前記VH領域が配列番号311のアミノ酸配列を含み、前記VL領域が配列番号313のアミノ酸
配列を含む、態様63記載の分子。
(態様73)
前記分子がSTC2781である、態様63~72のいずれか一項記載の分子。
(態様74)
前記分子がSTC810ではない、態様18記載の分子。
(態様75)
BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を有する分子であって、該BTN1A1との結合
が態様1~74のいずれか一項記載の分子とBTN1A1との結合を用量依存的な様式で競合的に
遮断する、前記分子。
(態様76)
前記抗原結合断片が1μM以下の解離定数(KD)で二量体BTN1A1に免疫特異的に結合する、
態様1~75のいずれか一項記載の分子。
(態様77)
前記抗原結合断片が、500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、50n
M以下、10nM以下、又は5nM以下の解離定数(KD)で、二量体BTN1A1に免疫特異的に結合する
、態様76記載の分子。
(態様78)
前記二量体BTN1A1がグリコシル化BTN1A1である、態様77記載の分子。
(態様79)
前記分子が抗体である、態様1~78のいずれか一項記載の分子。
(態様80)
前記抗体がモノクローナル抗体である、態様79記載の分子。
(態様81)
前記抗体がヒト抗体又はヒト化抗体である、態様80記載の分子。
(態様82)
前記抗体が、IgG、IgM、又はIgAである、態様80記載の分子。
(態様83)
前記分子が、Fab'、F(ab')2、F(ab')3、一価scFv、二価scFv、又は単一ドメイン抗体で
ある、態様1~78のいずれか一項記載の分子。
(態様84)
前記分子が組換えにより産生される、態様1~83のいずれか一項記載の分子。
(態様85)
態様1~84のいずれか一項記載の分子、及び医薬として許容し得る担体を含む医薬組成
物。
(態様86)
前記医薬組成物が非経口投与用に製剤化されている、態様85記載の医薬組成物。
(態様87)
対象の癌を治療する方法であって、該対象に、態様1~84のいずれか一項記載の分子又
は態様85記載の医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
(態様88)
投与が前記分子又は医薬組成物の非経口投与を含む、態様87記載の方法。
(態様89)
高線量の放射線療法を前記患者に投与することをさらに含む、態様87記載の方法。
(態様90)
前記癌が、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、卵巣癌、肝臓癌、頭頸部癌、乳癌、及び胃癌から
なる群から選択される、態様87記載の方法。
(態様91)
前記癌が肺癌である、態様90記載の方法。
(態様92)
前記肺癌が非小細胞肺癌(NSCLC)である、態様91記載の方法。
(態様93)
前記NSCLCが扁平上皮NSCLCである、態様92記載の方法。
(態様94)
CD8+細胞を活性化する方法であって、該細胞を態様1~84のいずれか一項記載の分子の
有効量と接触させることを含む、前記方法。
(態様95)
CD8+細胞活性化がIFNγ分泌の誘導又はCD8+細胞クラスター形成の誘導を含む、態様94
記載の方法。
(態様96)
単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片を含む分子を産生す
る方法であって、
a.BTN1A1抗原を提供して、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を含む分子を産
生すること、及び
b.該BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を含む分子を、単量体BTN1A1よりも二
量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片を含む分子についてスクリーニングすること
を含む、前記方法。
(態様97)
前記BTN1A1抗原がBTN1A1単量体である、態様96記載の方法。
(態様98)
前記BTN1A1単量体がBTN1A1-ECD-His6である、態様97記載の方法。
(態様99)
前記BTN1A1抗原がBTN1A1二量体である、態様96記載の方法。
(態様100)
前記BTN1A1二量体がBTN1A1-ECD-Fcである、態様99記載の方法。
(態様101)
スクリーニングが前記BTN1A1に免疫特異的に結合する抗原結合断片を含む分子の単量体
BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は親和性を決定することを含む、態様96記
載の方法。
(態様102)
分子が単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に対するより高い結合レベル又はより高い親和
性を有する場合、該分子が単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合
断片を含む、態様101記載の方法。
(態様103)
前記単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は親和性が細胞ベースのアッ
セイで決定される、態様101記載の方法。
(態様104)
前記細胞ベースのアッセイがフローサイトメトリーアッセイである、態様103記載の方
法。
(態様105)
前記単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片が単量体BTN1A1
に対して示されるMFIの少なくとも2倍高いMFIで二量体BTN1A1に結合し、ここで、任意に
、該抗原結合断片が、単量体BTN1A1に対して示されるMFIよりも、少なくとも5倍高い、少
なくとも10倍高い、少なくとも15倍高い、少なくとも20倍高い、少なくとも25倍高い、少
なくとも30倍高い、少なくとも40倍高い、又は少なくとも50倍高いMFIで二量体BTN1A1に
結合する、態様104記載の方法。
(態様106)
前記単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は親和性が精製された単量体
又は二量体BTN1A1タンパク質を用いて決定される、態様101記載の方法。
(態様107)
前記精製された単量体BTN1A1タンパク質がBTN1A1-ECD-Hisであり、前記精製された二量
体BTN1A1タンパク質がBTN1A1-ECD-Fcである、態様106記載の方法。
(態様108)
前記単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は親和性が、酵素結合免疫吸
着アッセイ(ELISA)、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学発光免疫吸着アッセイ(CLIA)、放
射免疫アッセイ(RIA)、酵素多重化免疫アッセイ(EMI)、固相放射免疫アッセイ(SPROA)、
蛍光偏光(FP)アッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイ、時間分解蛍光共鳴エネ
ルギー移動(TR-FRET)アッセイ、又は表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイを用いて決定され
る、態様106記載の方法。
(態様109)
前記二量体BTN1A1又は前記単量体BTN1A1に対する試験分子の親和性がSPRアッセイを用
いて決定される、態様106記載の方法。
(態様110)
前記単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗原結合断片が単量体BTN1A1
に対して示されるKDの半分未満のKDで二量体BTN1A1に結合し、ここで、任意に該抗原結合
断片が、単量体BTN1A1に対して示されるKDよりも少なくとも5倍小さい、少なくとも10倍
小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも20倍小さい、少なくとも25倍小さい、少なく
とも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又は少なくとも50倍小さいKDで二量体BTN1A1結
合する、態様106記載の方法。
(態様111)
態様96~110のいずれか一項記載の方法で同定される分子。

Claims (40)

  1. 単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗体又はその抗原結合断片であっ
    て、
    (a) 該抗体又はその抗原結合断片が単量体BTN1A1に対して示されるKDの半分未満のKD
    二量体BTN1A1に結合し;又は
    (b) 該抗体又はその抗原結合断片が非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDの半分未
    満のKDでグリコシル化BTN1A1に結合し、
    ただし、該抗体又はその抗原結合断片がSTC810ではない、前記抗体又はその抗原結合断
    片。
  2. 前記抗体又はその抗原結合断片が、単量体BTN1A1に対して示されるKDよりも少なくとも
    5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも20倍小さい、少
    なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又は少なくとも50
    倍小さいKDで二量体BTN1A1に結合する、請求項1記載の抗体又はその抗原結合断片。
  3. 前記抗体又はその抗原結合断片が、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDよりも少
    なくとも5倍小さいKDでグリコシル化BTN1A1に結合する、請求項1記載の抗体又はその抗原
    結合断片。
  4. 前記抗体又はその抗原結合断片が、非グリコシル化BTN1A1に対して示されるKDよりも少
    なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも20倍小さい、少なくとも25倍小
    さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又は少なくとも50倍小さいKDでグ
    リコシル化BTN1A1に結合する、請求項1記載の抗体又はその抗原結合断片。
  5. BTN1A1がヒトBTN1A1である、請求項1~4のいずれか一項記載の抗体又はその抗原結合断
    片。
  6. 前記抗体又はその抗原結合断片が、
    (i)
    (a)
    (1)配列番号7のアミノ酸配列を有するVH 相補性決定領域(CDR)1;
    (2)配列番号8のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号9のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号19のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号20のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号21のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含む軽鎖可変(VL)領域
    (ii)
    (a)
    (1)配列番号10のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号11のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号12のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号22のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号23のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号24のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域
    (iii)
    (a)
    (1)配列番号13のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号14のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号15のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号25のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号26のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号27のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域
    又は
    (iv)
    (a)
    (1)配列番号16のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号17のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号18のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号28のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号29のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号30のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、を含む、請求項1~4のいずれか一項記載の抗体又はその抗原結合断片。
  7. 前記重鎖可変(VH)領域が配列番号3のアミノ酸配列を含み、かつ前記軽鎖可変(VL)領域
    が配列番号5のアミノ酸配列を含む、請求項6記載の抗体又はその抗原結合断片。
  8. 前記抗体又はその抗原結合断片がSTC703である、請求項1~7のいずれか一項記載の抗体
    又はその抗原結合断片。
  9. 前記抗体又はその抗原結合断片が、
    (i)
    (a)
    (1)配列番号231のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号232のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号233のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号243のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号244のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号245のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含む軽鎖可変(VL)領域、
    (ii)
    (a)
    (1)配列番号234のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号235のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号236のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号246のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号247のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号248のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、
    (iii)
    (a)
    (1)配列番号237のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号238のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号239のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号249のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号250のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号251のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、又は
    (iv)
    (a)
    (1)配列番号240のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号241のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号242のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号252のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号253のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号254のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、を含む、請求項1~4のいずれか一項記載の抗体又はその抗原結合断片。
  10. (a) 前記重鎖可変(VH)領域が配列番号227のアミノ酸配列を含み、かつ
    (b) 前記軽鎖可変(VL)領域が配列番号229のアミノ酸配列を含む、請求項9記載の抗体又
    はその抗原結合断片。
  11. 前記抗体又はその抗原結合断片がSTC2714である、請求項9又は10記載の抗体又はその抗
    原結合断片。
  12. 前記抗体又はその抗原結合断片が、
    (i)
    (a)
    (1)配列番号203のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号204のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号205のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号215のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号216のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号217のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含む軽鎖可変(VL)領域、
    (ii)
    (a)
    (1)配列番号206のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号207のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号208のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号218のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号219のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号220のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、
    (iii)
    (a)
    (1)配列番号209のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号210のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号211のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号221のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号222のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号223のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、又は
    (iv)
    (a)
    (1)配列番号212のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号213のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号214のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号224のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号225のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号226のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、を含む、請求項1~4のいずれか一項記載の抗体又はその抗原結合断片。
  13. (a) 前記重鎖可変(VH)領域が配列番号199のアミノ酸配列を含み、かつ
    (b) 前記軽鎖可変(VL)領域が配列番号201のアミノ酸配列を含む、請求項12記載の抗体
    又はその抗原結合断片。
  14. 前記抗体又はその抗原結合断片がSTC2602である、請求項12又は13記載の抗体又はその
    抗原結合断片。
  15. 前記抗体又はその抗原結合断片が、
    (i)
    (a)
    (1)配列番号315のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号316のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号317のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含む重鎖可変(VH)領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号327のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号328のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号329のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含む軽鎖可変(VL)領域、
    (ii)
    (a)
    (1)配列番号318のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号319のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号320のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号330のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号331のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号332のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、
    (iii)
    (a)
    (1)配列番号321のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号322のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号323のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号333のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号334のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号335のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、又は
    (iv)
    (a)
    (1)配列番号324のアミノ酸配列を有するVH CDR1;
    (2)配列番号325のアミノ酸配列を有するVH CDR2;及び
    (3)配列番号326のアミノ酸配列を有するVH CDR3;
    を含むVH領域、並びに
    (b)
    (1)配列番号336のアミノ酸配列を有するVL CDR1;
    (2)配列番号337のアミノ酸配列を有するVL CDR2;及び
    (3)配列番号338のアミノ酸配列を有するVL CDR3
    を含むVL領域、を含む、請求項1~4のいずれか一項記載の抗体又はその抗原結合断片。
  16. (a) 前記重鎖可変(VH)領域が配列番号311のアミノ酸配列を含み、かつ
    (b) 前記軽鎖可変(VL)領域が配列番号313のアミノ酸配列を含む、請求項15記載の抗体
    又はその抗原結合断片。
  17. 前記抗体又はその抗原結合断片がSTC2781である、請求項15又は16記載の抗体又はその
    抗原結合断片。
  18. 前記抗体又はその抗原結合断片が
    (a) 1μM以下の解離定数(KD)で二量体BTN1A1に、又は
    (b) 500nM以下、400nM以下、300nM以下、200nM以下、100nM以下、50nM以下、10nM以下
    、又は5nM以下の解離定数(KD)で、二量体BTN1A1に免疫特異的に結合する、請求項1~17の
    いずれか一項記載の抗体又はその抗原結合断片。
  19. 前記二量体BTN1A1がグリコシル化BTN1A1である、請求項18記載の抗体又はその抗原結合
    断片。
  20. 前記抗原結合断片がFab'、F(ab')2、F(ab')3、一価scFv、二価scFv、又は単一ドメイン
    抗体である、請求項1~19のいずれか一項記載の抗体又はその抗原結合断片。
  21. (a) 前記抗体がモノクローナル抗体又はヒト化抗体であり;
    (b) 該抗体が、IgG、IgM、又はIgAであり;又は
    (c) 前記抗体又はその抗原結合断片が組換えにより産生される、請求項20記載の抗体又
    はその抗原結合断片。
  22. 請求項1~21のいずれか一項記載の抗体又はその抗原結合断片を含む医薬組成物。
  23. 非経口投与用に製剤化されている、請求項22記載の医薬組成物。
  24. 対象の癌を治療するための医薬を製造するための、請求項1~21のいずれか一項記載の
    抗体若しくはその抗原結合断片又は請求項22若しくは23記載の医薬組成物の使用。
  25. (a) 前記抗体若しくはその抗原結合断片又は前記医薬組成物が、非経口投与のために製
    剤化され;
    (b) 前記医薬が、前記対象に高線量の放射線療法を施すことと組み合わせて使用され;
    かつ
    (c) 前記癌が、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、卵巣癌、肝臓癌、頭頸部癌、乳癌、及び胃癌
    からなる群から選択される、請求項24記載の使用。
  26. 前記肺癌が、非小細胞肺癌(NSCLC)又は扁平上皮NSCLCである、請求項24記載の使用。
  27. CD8+細胞を活性化するための医薬組成物であって、請求項1~21のいずれか一項記載の
    抗体又はその抗原結合断片を含む、前記医薬組成物。
  28. CD8+細胞活性化がIFNγ分泌の誘導又はCD8+細胞クラスター形成の誘導を含む、請求項2
    7記載の医薬組成物。
  29. 単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗体又はその抗原結合断片を産生
    する方法であって、
    (a) BTN1A1抗原を提供して、BTN1A1に免疫特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片
    を産生すること、及び
    (b) 該BTN1A1に免疫特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片を、単量体BTN1A1より
    も二量体BTN1A1に優先的に結合する抗体又はその抗原結合断片についてスクリーニングす
    ること
    を含む、前記方法。
  30. 前記BTN1A1抗原がBTN1A1単量体又はBTN1A1二量体である、請求項29記載の方法。
  31. 前記BTN1A1単量体がBTN1A1-ECD-His6である、請求項30記載の方法。
  32. 前記BTN1A1二量体がBTN1A1-ECD-Fcである、請求項30記載の方法。
  33. スクリーニングが単量体BTN1A1及び二量体BTN1A1のそれぞれに免疫特異的に結合する前
    記抗体又はその抗原結合断片の結合レベル又は親和性を決定することを含む、請求項29~
    32のいずれか一項記載の方法。
  34. (a) 前記抗体又はその抗原結合断片が単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に対するより高
    い結合レベル又はより高い親和性を有する場合、該抗体又はその抗原結合断片が単量体BT
    N1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合し;あるいは
    (b) 単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は親和性が細胞ベースのアッ
    セイで決定される、請求項33記載の方法。
  35. 前記細胞ベースのアッセイがフローサイトメトリーアッセイである、請求項34記載の方
    法。
  36. 単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗体又はその抗原結合断片が単量
    体BTN1A1に対して示されるMFIの少なくとも2倍高いMFIで二量体BTN1A1に結合する、請求
    項35記載の方法。
  37. 前記抗体又はその抗原結合断片が、単量体BTN1A1に対して示されるMFIよりも、少なく
    とも5倍高い、少なくとも10倍高い、少なくとも15倍高い、少なくとも20倍高い、少なく
    とも25倍高い、少なくとも30倍高い、少なくとも40倍高い、又は少なくとも50倍高いMFI
    で二量体BTN1A1に結合する、請求項35記載の方法。
  38. 単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は親和性が精製された単量体又は
    二量体BTN1A1タンパク質を用いて決定される、請求項33~37のいずれか一項記載の方法。
  39. (a) 前記精製された単量体BTN1A1タンパク質がBTN1A1-ECD-Hisであり、前記精製された
    二量体BTN1A1タンパク質がBTN1A1-ECD-Fcであり;
    (b) 単量体BTN1A1又は二量体BTN1A1に対する結合レベル又は親和性が、酵素結合免疫吸
    着アッセイ(ELISA)、蛍光免疫吸着アッセイ(FIA)、化学発光免疫吸着アッセイ(CLIA)、放
    射免疫アッセイ(RIA)、酵素多重化免疫アッセイ(EMI)、固相放射免疫アッセイ(SPROA)、
    蛍光偏光(FP)アッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)アッセイ、時間分解蛍光共鳴エネ
    ルギー移動(TR-FRET)アッセイ、又は表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイを用いて決定され
    ;あるいは
    (c) 単量体BTN1A1よりも二量体BTN1A1に優先的に結合する抗体又はその抗原結合断片が
    単量体BTN1A1に対して示されるKDの半分未満のKDで二量体BTN1A1に結合する、請求項38記
    載の方法。
  40. 前記抗体又はその抗原結合断片が、単量体BTN1A1に対して示されるKDよりも少なくとも
    5倍小さい、少なくとも10倍小さい、少なくとも15倍小さい、少なくとも20倍小さい、少
    なくとも25倍小さい、少なくとも30倍小さい、少なくとも40倍小さい、又は少なくとも50
    倍小さいKDで二量体BTN1A1と結合する、請求項39記載の方法。
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