JP2024007080A - 回転電機用ロータ製造方法 - Google Patents

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尚実 井上
Naomi Inoue
翔 龍谿
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美穂 林
Miho Hayashi
麻衣 鈴木
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Abstract

【課題】磁石孔内への非磁性体の挿入に係る作業性を良好化しつつ、フラックスバリア部へのボンド磁石用の材料の回り込みを低減又は無くす。【解決手段】磁石孔を有する回転電機用ロータコアのワークを準備する工程と、磁石孔内の一部に、非磁性体を挿入する挿入工程と、挿入工程の前に又は挿入工程の後に、ワークを加熱する加熱工程と、加熱工程の後の冷却後に又は加熱工程に後続して、磁石孔内の非磁性体に隣接する部分に、磁石粉末と結合材とを混合したボンド磁石用の材料を充填する充填工程とを含む、回転電機用ロータ製造方法が開示される。【選択図】図5

Description

本開示は、回転電機用ロータ製造方法に関する。
ロータコアの磁石孔内を、非磁性材(樹脂等)からなるスペーサーにより2つの空間部に仕切った状態で、一方の空間部(ボンド磁石となる空間部)にボンド磁石用の材料を充填(射出)することで、他方の空間部(フラックスバリア部となる空間部)にボンド磁石用の材料が充填されないようにする技術が知られている。
特開2013-143791号公報
しかしながら、磁石孔内に非磁性体(スペーサ)を挿入する際、ロータコアと非磁性体間にクリアランスが生じる。かかるクリアランスが生じると、一方の空間部(ボンド磁石となる空間部)に射出したボンド磁石用の材料がクリアランスを介して他方の空間部(フラックスバリア部となる空間部)に回り込み、最終的に得られる回転電機用ロータの磁気特性が悪化するおそれがある。
そこで、1つの側面では、本開示は、磁石孔内への非磁性体の挿入に係る作業性を良好化しつつ、フラックスバリア部へのボンド磁石用の材料の回り込みを低減又は無くすことを目的とする。
1つの側面では、磁石孔を有する回転電機用ロータコアのワークを準備する工程と、
前記磁石孔内の一部に、非磁性体を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の前に又は前記挿入工程の後に、前記ワークを加熱する加熱工程と、
前記加熱工程の後の冷却後に又は前記加熱工程に後続して、前記磁石孔内の前記非磁性体に隣接する部分に、磁石粉末と結合材とを混合したボンド磁石用の材料を充填する充填工程とを含む、回転電機用ロータ製造方法が提供される。
1つの側面では、本開示によれば、磁石孔内への非磁性体の挿入に係る作業性を良好化しつつ、フラックスバリア部へのボンド磁石用の材料の回り込みを低減又は無くすことが可能となる。
一実施例によるモータの断面構造を概略的に示す断面図である。 ロータの断面図(軸方向に垂直な平面による断面図)である。 図2に示した一の磁極に係る部分の拡大図である。 変形例による一の磁極に係る部分の拡大図である。 本実施例のロータの製造方法の流れを概略的に示すフローチャートである。 準備工程で準備される初期のワークを示す平面図である。 図6のQ1部の拡大図である。 挿入工程の直後のロータコアと非磁性体との関係を軸方向視で模式的に示す図である。 冷却工程後のロータコアと非磁性体との関係を軸方向視で模式的に示す図である。 充填工程中の状態を軸方向視で模式的に示す図である。 比較例による製造方法の説明図である。 本製造方法による加熱工程等に伴うワークの温度変化態様の一例を示す図である。 本製造方法による加熱工程等に伴うワークの温度変化態様の他の一例を示す図である。 本変形例による製造方法における加熱工程等に伴うワークの温度変化態様の他の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
図1は、一実施例によるモータ1の断面構造を概略的に示す断面図である。図2は、ロータ30の断面図(軸方向に垂直な平面による断面図)である。なお、図2等では、見易さのために、複数存在する同一属性の部位には、一部のみしか参照符号が付されていない場合がある。
図1には、モータ1の回転軸12が図示されている。以下の説明において、軸方向とは、モータ1の回転軸(回転中心)12が延在する方向を指し、径方向とは、回転軸12を中心とした径方向を指す。従って、径方向外側とは、回転軸12から離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸12に向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸12まわりの回転方向に対応する。
モータ1は、例えばハイブリッド車両や電気自動車で使用される車両駆動用のモータであってよい。ただし、モータ1は、他の任意の用途に使用されるものであってもよい。
モータ1は、インナロータタイプであり、ステータ21がロータ30の径方向外側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、径方向外側がモータハウジング10に固定される。ステータ21は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板からなるステータコア211を備え、ステータコア211の径方向内側には、コイル22が巻回される複数のスロット(図示せず)が形成される。
ロータ30は、ステータ21の径方向内側に配置される。
ロータ30は、ロータコア32と、ロータシャフト34と、エンドプレート35A、35Bと、ボンド磁石61、62とを備える。
ロータコア32は、ロータシャフト34の径方向外側の表面に固定され、ロータシャフト34と一体となって回転する。ロータコア32は、軸孔320(図2参照)を有し、軸孔320にロータシャフト34が嵌合される。ロータシャフト34は、モータハウジング10にベアリング14a、14bを介して回転可能に支持される。なお、ロータシャフト34は、モータ1の回転軸12を画成する。
ロータコア32は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板により形成される。なお、変形例では、ロータコア32は、磁性粉末が圧縮して固められた圧粉体により形成されてもよい。ロータコア32の内部には、ボンド磁石61、62(図2参照)が配置される。すなわち、ロータコア32は、軸方向に貫通する磁石孔321、322(図2参照)を有し、磁石孔321、322内にボンド磁石61、62が形成される。複数のボンド磁石61、62のそれぞれは、磁石粉末と結合材とを混合したボンド磁石用の材料(以下、単に「ボンド磁石材料」とも称する)を射出成形して形成される。射出成形の方法は任意であり、例えば、トランスファ成形や、シリンダを使用した圧縮成形による樹脂注入等を含んでよい。ボンド磁石の形成方法の詳細は、後述する製造方法に関連して説明する。
ロータコア32は、図2に示すように、軸方向に視て、回転軸12を中心とした回転対称の形態を有する。図2に示す例では、ロータコア32は、回転軸12を中心として45度回転するごとに、各組のボンド磁石61、62が重なる形態である。
図2に示す例では、複数のボンド磁石61、62は、軸方向に視て、2種類のボンド磁石61、62がそれぞれ対をなして略V字状(径方向外側が開く態様の略V字状)に配置されている。この場合、対のボンド磁石61の間及び対のボンド磁石62の間に、共通の磁極が形成される。なお、複数のボンド磁石61、62は、周方向でS極とN極とが交互に現れる態様で配置される。なお、本実施例では、磁極数が8つであるが、磁極数は任意である。
なお、図1には、特定の構造を有するモータ1が示されるが、モータ1の構造は、かかる特定の構造に限定されない。例えば、図1では、ロータシャフト34は、中空であるが、中実であってもよい。
次に、図3以降を参照して、ロータコア32及びボンド磁石61、62を更に説明する。以下では、ある一の磁極に係る構成について説明するが、他の磁極に係る構成についても同様であってよい。
図3は、図2に示した一の磁極に係る部分の拡大図である。一の磁極に係る構成は、基本的に、d軸に関して対称である。以下では、周方向外側とは、d軸から離れる側を指す。
ロータコア32には、径方向外側の磁石孔321(以下、「第1磁石孔321」とも称する)と、径方向内側の磁石孔322(以下、「第2磁石孔322」とも称する)とが、形成される。
第1磁石孔321は、2つが対となって略V字状(径方向外側が開く態様の略V字状)に形成される。ただし、変形例では、第1磁石孔321は、2つが対となって直線状に形成されてもよいし、1つだけが直線状(d軸に垂直な直線状)に形成されてもよい。第1磁石孔321のそれぞれには、ボンド磁石61が設けられる。なお、第1磁石孔321には、ボンド磁石61の長手方向両端部において隙間(空洞)が形成される。この隙間は、フラックスバリア部として機能する。本実施例では、フラックスバリア部に係る隙間には、非磁性体71が配置される。非磁性体71は、ボンド磁石61に隣接する態様で設けられる。例えば、ボンド磁石61の両側の非磁性体71のうちの、径方向外側の非磁性体71は、ボンド磁石61の径方向外側の端面に当接(この場合、面接触)する。非磁性体71は、フラックスバリア部全体を埋める態様で設けられてもよいし、フラックスバリア部の一部に空洞が残る態様で設けられてもよい。非磁性体71の更なる詳細は、後述する製造方法に関連して説明する。なお、変形例では、非磁性体71は、後述の製造方法で説明するように、最終製品に至る前に(製造工程中の適切な段階で)除去されてもよい。
第2磁石孔322は、第1磁石孔321よりも径方向内側に設けられる。第2磁石孔322は、2つが対となって略V字状(径方向外側が開く態様の略V字状)に形成される。なお、対の第2磁石孔322は、対の第1磁石孔321よりも周方向の延在範囲が広い。第2磁石孔322のそれぞれには、ボンド磁石62が設けられる。なお、第2磁石孔322には、ボンド磁石62の長手方向両端部において隙間(空洞)が形成される。この隙間は、フラックスバリア部として機能する。本実施例では、フラックスバリア部に係る隙間には、非磁性体72が配置される。非磁性体72は、ボンド磁石62に隣接する態様で設けられる。非磁性体72の構成自体は、上述した非磁性体71と同様であってよい。なお、変形例では、非磁性体72は、最終製品に至る前に(製造工程中の適切な段階で)除去されてもよい。
ロータコア32は、このような第1磁石孔321及び第2磁石孔322を有することで、径方向にブリッジ部を介してのみ接続される3つの部位3211、3212、3213(以下、第1部位3211、第2部位3212、第3部位3213とも称する)を有する。
具体的には、第1部位3211は、第1磁石孔321よりも径方向外側に延在する。第1部位3211は、ロータコア32の外周面328の一部を形成する。
第2部位3212は、第2磁石孔322と第1磁石孔321との間を通って周方向両側がロータコア32の外周面328まで延在する。第2部位3212は、第1部位3211の周方向両側において、ロータコア32の外周面328の一部を形成する。第2部位3212は、q軸磁束の磁路を形成する。具体的には、q軸磁束は、第2部位3212の一端から他端に向けて第2磁石孔322と第1磁石孔321との間を通って流れる。
第3部位3213は、第2磁石孔322よりも径方向内側を通って周方向両側がロータコア32の外周面328まで延在する。第3部位3213は、第2部位3212の周方向両側において、ロータコア32の外周面328の一部を形成する。
また、ロータコア32は、このような3つの部位3211、3212、3213を有することで、3つの部位3211、3212、3213を繋ぐ複数のブリッジ部41、42、43、44を有する。
ブリッジ部41(以下、「第1ブリッジ部41」とも称する)は、第2部位3212に対して第1部位3211を径方向外側で支持する。第1ブリッジ部41は、第1部位3211の周方向両側(周方向外側)に対で設けられる。第1ブリッジ部41は、ロータコア32の外周面328と第1磁石孔321の間に延在する。
ブリッジ部42(以下、「第2ブリッジ部42」とも称する)は、第3部位3213に対して第2部位3212を径方向外側で支持する。第2ブリッジ部42は、第2部位3212の周方向両側(周方向外側)に対で設けられる。第2ブリッジ部42は、ロータコア32の外周面328と第2磁石孔322の間に延在する。
ブリッジ部43は、第2部位3212に対して第1部位3211をd軸上で支持する。
ブリッジ部44は、第3部位3213に対して第2部位3212をd軸上で支持する。
なお、ロータコア32におけるボンド磁石61、62に関連した構成は、任意であり、図2及び図3に示した構成に限られない。例えば、図2及び図3に示す例ではボンド磁石61が設けられるが、図4に示す変形例によるロータ30A(ロータコア32A)のように、ボンド磁石61は省略されてもよい。この場合、第1部位3211と第2部位3212とは一体化され、第1ブリッジ部41は実質的に存在しなくなる。あるいは、第3部位3213がq軸磁束の磁路となる態様で、更なるボンド磁石がボンド磁石62よりも径方向内側に配置されてもよい。
次に、上述したロータコア32(ロータコア32Aについても同様)の製造方法について詳説する。
図5は、本実施例のロータ30の製造方法の流れを概略的に示すフローチャートである。図6から図9は、図5に示す製造方法における特定の工程の説明図である。
本製造方法は、まず、ロータコア32のワークWを準備する準備工程(ステップS500)を含む。なお、ロータコア32は、上述したように、磁石孔321、322を有する。図6Aは、図6のQ1部の拡大図である。図6は、準備工程で準備される初期のワーク(ロータコア32)を示す平面図である。準備工程の段階では、図6に示すように、磁石孔321、322には、何も配置されていない。
ついで、本製造方法は、非磁性体71、72を準備する準備工程(ステップS502)を含む。非磁性体71、72は、挿入対象の磁石孔321、322におけるフラックスバリア部に挿入可能なサイズを有する。本製造方法では、一例として、非磁性体71、72は、挿入対象の磁石孔321、322におけるフラックスバリア部と同じサイズ又はフラックスバリア部よりもわずかに大きいサイズを有する。図6Aには、磁石孔322内のうちの、上述したボンド磁石62となる空間部SC0と、その両側の他の空間部(フラックスバリア部となる空間部)SC1、SC2とが示されている。なお、図6Aでは、図示の都合上、磁石孔322の孔縁部3221よりもわずかに内側に空間部SC0、SC1、SC2が図示されているが、孔縁部3221は、空間部SC0、SC1、SC2を境界付ける。
なお、空間部SC0の位置(境界等)は、設計上、決まる。この場合、例えば、空間部SC1に係るフラックスバリア部に配置される非磁性体72は、常温範囲(例えば20℃±15℃)内の特定温度(例えば20℃)の環境下で、空間部SC1の断面形状と同じサイズ又は空間部SC1の断面形状よりもわずかに大きい断面形状を有する。なお、断面形状とは、軸方向に垂直な平面で切断した際の断面形状をいう(以下も同様)。この際、空間部SC1に係るフラックスバリア部に配置される非磁性体72は、軸方向に視て、空間部SC1の断面形状と実質的に相似となる断面形状を有してよい。これは、他のフラックスバリア部に配置される各非磁性体71、72も同様である。
また、非磁性体71、72は、ロータコア32よりも線膨張係数が有意に大きい。非磁性体71、72は、例えば、熱硬化性の樹脂材料やゴム材料(例えばシリコンゴムやフッ素ゴム)等により形成されてよい。また、非磁性体71、72は、有意な弾性を有してもよいし、有さなくてもよい。例えば、非磁性体71、72は、ステンレスやマンガン鋼を含んでもよい。
以下では、主に、空間部SC1に挿入される非磁性体72について説明するが、空間部SC2に挿入される非磁性体72や、磁石孔321の同様の空間部に挿入される非磁性体71についても同様である。
ついで、本製造方法は、ロータコア32のワークを加熱する加熱工程(ステップS504)を含む。加熱工程は、ロータコア32を熱膨張させるための工程である。ロータコア32が熱膨張すると、それに伴い磁石孔322内の断面形状も拡大する。加熱工程は、磁石孔322内の空間部SC1の断面形状が、非磁性体72の断面形状と同じ又は非磁性体72の断面形状よりも大きくなるような加熱条件で実行される。本製造方法では、一例として、加熱工程は、磁石孔322内の空間部SC1の断面形状が、非磁性体72の断面形状よりも有意に大きくなるような加熱条件で実行される。
なお、加熱工程(ステップS504)は、ロータコア32のワークに対して適用され、非磁性体71、72には適用されない。従って、次の挿入工程(ステップS506)の直前における非磁性体71、72のサイズは、準備工程(ステップS502)の時点(すなわち常温の環境下の時点)から実質的に変わらない。
ついで、本製造方法は、加熱工程(ステップS504)により高温化したロータコア32のワークに対して、磁石孔321、322のそれぞれの一部であるフラックスバリア部に係る空間部SC1、SC2に、非磁性体71、72をそれぞれ挿入する挿入工程(ステップS506)を含む。
本製造方法では、上述したように加熱工程を実行することで、磁石孔322内の空間部SC1の断面形状が、非磁性体72の断面形状よりも有意に大きくなるため、本挿入工程(磁石孔322内の空間部SC1への非磁性体72の挿入)の作業性が良好となる。図7は、挿入工程(ステップS506)が完了した直後の状態を模式的に示す図である。図7には、図6Aと同様に、磁石孔322内のうちの、上述したボンド磁石62となる空間部SC0や空間部SC1が示されている。挿入工程(ステップS506)が完了した直後では、図7に模式的に示すように、磁石孔322内の空間部SC1の断面形状が、非磁性体72の断面形状よりも有意に大きいため、非磁性体72とロータコア32との間にクリアランスΔが形成されている。
ついで、本製造方法は、非磁性体71、72が挿入されたロータコア32のワークを冷却する冷却工程(ステップS508)を含む。冷却工程(ステップS508)は、加熱工程(ステップS506)で上昇したロータコア32の温度を、例えば常温まで低下させることを含んでよい。なお、冷却工程(ステップS508)の実行方法は、任意であり、自然冷却であってもよいし、冷却装置(例えば送風装置)を用いた強制冷却であってもよい。図8は、冷却工程(ステップS508)が完了した直後の状態を模式的に示す図である。ロータコア32の温度が常温まで低下すると、ロータコア32を熱収縮し、上述したように挿入工程(ステップS506)が完了した直後に存在していたクリアランスΔが実質的に0になる。すなわち、クリアランスΔが実質的になくなる。
ついで、本製造方法は、磁石成型用治具(図示せず)に、非磁性体71、72が挿入された後に冷却されたロータコア32(ワーク)をセットする工程(ステップS510)を含む。なお、磁石成型用治具は、ワークを上下で挟む上型及び下型を有する金型装置と、射出装置とを含んでよい。
ついで、本製造方法は、射出成形機(図示せず)を利用して、磁石孔321、322における非磁性体71、72に隣接する部分に、ボンド磁石材料を充填する充填工程(ステップS512)を含む。充填工程(ステップS512)は、配向磁場を印加した状態で実行されてよい。なお、充填工程は、射出成形前にワークを、射出成形に適した開始温度まで加熱する工程(以下、「予熱工程」とも称する)に後続して、実行されてもよい。図9は、空間部SC1内の一の非磁性体72に隣接する部分に、ボンド磁石材料90を充填している際の、非磁性体72が発生する力(反力等)の状態を、軸方向視で模式的に示す図である。ボンド磁石材料90が射出成形されると、射出圧に応じた流体圧でボンド磁石材料90が空間部SC0に充填される。
図9は、空間部SC1内の一の非磁性体72に隣接する部分に、ボンド磁石材料90を充填している際の、非磁性体72が発生する力(反力等)の状態を、軸方向視で模式的に示す図である。ボンド磁石材料90が射出成形されると、射出圧に応じた流体圧でボンド磁石材料90が空間部SC0に充填される。本製造方法では、充填工程(ステップS512)は、上述したように、ロータコア32と非磁性体71、72との間のクリアランスΔが実質的にない状態で、実行されるので、空間部SC1や空間部SC2に、ボンド磁石材料が回り込む可能性を低減できる。
ここで、比較例による製造方法と対比して、上述した本製造方法に係る充填工程(ステップS512)の効果について更に説明する。
図10は、比較例による製造方法の説明図であり、本製造方法に係る図9と同様のビューで、一の磁石孔における非磁性体72’及びボンド磁石材料90’の状態を示す。比較例では、空間部SC1に挿入される非磁性体72’は、その断面形状が空間部SC1と同じである点が、本実施例の非磁性体72(上述したように断面形状が空間部SC1よりも大きい)と異なる。
比較例では、ロータコア32と非磁性体71、72との間に、わずかなクリアランスΔが存在する状態で、ボンド磁石材料90が射出成形される。この場合、「発明が解決しようとする課題」の欄で上述したように、わずかなクリアランスΔを介して、空間部SC1や空間部SC2に、ボンド磁石材料90’が回り込むおそれがある。このようなボンド磁石材料90’の回り込みは、最終的に得られる回転電機用ロータの磁気特性の悪化の原因となりうる。
この点、本製造方法によれば、上述したように、加熱工程(ステップS504)等を有することで、充填工程(ステップS512)は、ロータコア32と非磁性体71、72との間のクリアランスΔが実質的にない状態で、実行される。これにより、空間部SC1や空間部SC2に、ボンド磁石材料90が回り込む可能性を低減できる。
非磁性体71、72が弾性を有する場合は、充填工程(ステップS512)の際にボンド磁石材料90から非磁性体72が圧力を受けることで、非磁性体71、72が弾性力を発生しうる。この弾性力は、クリアランスΔがなくなる方向の反力(図9の圧力p91参照)として機能する。すなわち、非磁性体72は、ボンド磁石材料90の射出圧に応じた反力(図9の圧力p91参照)を発生でき、空間部SC1へとボンド磁石材料が広がることはない。非磁性体72は、わずかに弾性変形した状態で空間部SC1、SC2に収容されるので、非磁性体72と磁石孔322の孔縁部3221との間の密着性が非常に高くなる。これにより、上述した比較例で生じる不都合(ボンド磁石材料90’の回り込み及びそれに起因したモータ1の磁気特性の劣化)を防止できる。
なお、本実施例では、ロータコア32と非磁性体72(非磁性体71についても同様)との間のクリアランスΔは、軸方向に視て非磁性体72の全周のうちの、空間部SC0に対向する範囲を除く全体範囲にわたって0とされているが、これに限られない。例えば、非磁性体72は、軸方向に視て非磁性体72の全周のうちの、空間部SC0に対向する範囲の両端部を含む一部の範囲だけ、ロータコア32に対するクリアランスΔが0になるように構成されてもよい。
このようにして充填工程(ステップS512)が終了すると、本製造方法は、その他の後工程(ステップS520)を含む。後工程は、例えば、ステップS512で充填したボンド磁石材料90を硬化させることでボンド磁石61、62を形成する工程や、ロータシャフト34等を組み付ける工程等を含む。
このようにして、本製造方法によれば、あらかじめ準備した非磁性体71、72を利用することで、射出成形により空間部SC1、SC2に同様の非磁性体を形成する場合に比べて、射出成形機の数や種類を低減できる。すなわち、非磁性体用の射出成形と、ボンド磁石材料の射出成形との2種類の射出成形を行う場合とは異なり、製造装置の構造の簡易化(及び低コスト化)を図ることができる。
なお、本製造方法では、挿入工程(ステップS506)及び冷却工程(ステップS508)は、セット工程(ステップS510)の前に実行されているが、セット工程(ステップS510)の後に実行されてもよい。すなわち、挿入工程(ステップS506)及び冷却工程(ステップS508)は、磁石成型用治具(図示せず)にセットされた状態のロータコア32(ワーク)に対して実行されてもよい。この場合、加熱工程(ステップS504)についても、セット工程(ステップS510)の後に実行されてもよい。
次に、図11及び図12を参照して、上述した本製造方法による加熱工程等に伴うワークの温度変化態様のいくつかの例について説明する。
図11は、上述した本製造方法による加熱工程等に伴うワークの温度変化態様の一例を示す図である。図11には、横軸に時間を取り、縦軸に温度を取り、ロータコア32の温度(図11では、“コア温度”と表記)の時系列とともに、非磁性体71、72の温度(図11では、“非磁性体温度”と表記)の時系列が概略的に示されている。図11では、常温範囲(例えば20℃±15℃)内の特定温度(例えば20℃)の環境下で、非磁性体72は、空間部SC1の断面形状と同じ断面形状を有するものとする。
図11では、原点に対応する時点から、加熱工程が開始され、ロータコア32の温度が上昇している。ロータコア32の温度があらかじめ規定された温度(例えば200度付近)まで上昇すると、加熱工程が終了する。そして、時点t1にて、挿入工程が実行される。なお、非磁性体71、72は、加熱工程を受けないため、時点t1では、当初の温度のままである。ついで、時点t2にて、ロータコア32の温度(≒非磁性体71、72の温度)が常温となることで冷却工程が完了すると、ロータコア32と非磁性体71、72との間のクリアランスΔ(図7参照)が0となる。ついで、時点t3から、ワーク(非磁性体71、72が組み付けられたロータコア32)を、射出成形に適した開始温度まで加熱し、開始温度に達した後の時点t4にて、充填工程(射出成形)が実行される。射出成形に適した開始温度は、例えば60℃~90℃であってよい。なお、上述したように、非磁性体71、72の線膨張係数は、ロータコア32の線膨張係数よりも大きいため、予熱工程中や充填工程中(射出成形中)の温度に起因して、0よりも有意に大きいクリアランスが発生することはない。
図12は、上述した本製造方法による加熱工程等に伴うワークの温度変化態様の他の一例を示す図である。図12には、横軸に時間を取り、縦軸に温度を取り、ロータコア32の温度(図12では、“コア温度”と表記)の時系列とともに、非磁性体71、72の温度(図12では、“非磁性体温度”と表記)の時系列が概略的に示されている。
図12に示す例では、図11に示す例に対して、非磁性体71、72の温度が冷却工程中に、ロータコア32からの受熱により増加する点が異なる。この場合、ロータコア32の温度(≒非磁性体71、72の温度)が常温となる前の時点t12にて、ロータコア32と非磁性体71、72との間のクリアランスΔ(図7参照)が0となることで冷却工程が完了する。従って、冷却工程を短縮し、射出成形の開始時点t14を早めることができる。すなわち、図11に示す例で実行する予熱工程が不要となるので、図11に示す例に比べて、工程時間の短縮とともにエネルギ効率の向上を図ることができる。
なお、図12に示す例では、冷却工程に後続して充填工程(射出成形)が実行されるので、上述したセット工程(ステップS510)の後に、加熱工程(ステップS504)、挿入工程(ステップS506)及び冷却工程(ステップS508)が実行されてもよい。
次に、図13を参照して、上述した実施例に対する変形例について説明する。
上述した実施例では、前提として、常温範囲(例えば20℃±15℃)内の特定温度(例えば20℃)の環境下で、非磁性体72(非磁性体71も同様)は、空間部SC1の断面形状と同じ又は空間部SC1の断面形状よりもわずかに大きい断面形状を有するが、これに限られない。
本変形例では、常温範囲(例えば20℃±15℃)内の特定温度(例えば20℃)の環境下で、非磁性体72(非磁性体71も同様)は、空間部SC1の断面形状と同じ又はそれよりもわずかに小さい断面形状を有する。
図13は、本変形例による製造方法における加熱工程等に伴うワークの温度変化態様の他の一例を示す図である。図13には、横軸に時間を取り、縦軸に温度をとり、ロータコア32の温度(図13では、“コア温度”と表記)の時系列とともに、非磁性体71、72の温度(図13では、“非磁性体温度”と表記)の時系列が概略的に示されている。
図13に示す例では、ロータコア32への非磁性体71、72の挿入工程が、ロータコア32の加熱工程の前に実行される。本変形例では、ロータコア32の加熱工程の前であっても、非磁性体72(非磁性体71も同様)は、空間部SC1の断面形状と同じ又はそれよりもわずかに小さい断面形状を有するので、挿入工程が容易である。具体的には、時点t31でロータコア32への非磁性体71、72の挿入工程が実行された後、時点t32から、ワークの加熱工程が開始される。この場合、加熱工程は、予熱工程と同様の態様で実行されてよい。なお、加熱工程は、ワークに対して実行されるので、ロータコア32の温度とともに非磁性体71、72の温度も上昇する。非磁性体71、72の線膨張係数は、ロータコア32の線膨張係数よりも大きいため、時点t33で、ロータコア32と非磁性体71、72との間のクリアランスΔ(図7参照)が0となる。従って、クリアランスΔが0になった後の時点t34にて、充填工程(射出成形)が実行される。
このような変形例によっても、射出成形の際の温度範囲でクリアランスΔを0に維持できるので、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。このように、非磁性体72は、ロータコア32の磁石孔322に挿入される前の状態(配置工程の際)において、空間部SC1の断面形状と同じ又はそれよりもわずかに小さい断面形状を有し、かつ、ロータコア32の磁石孔322に挿入された状態において射出成形の際の温度範囲で、空間部SC1の断面形状よりもわずかに大きい断面形状を有すればよい。これは、非磁性体71についても同様である。
なお、図13に示す例では、充填工程後にワークの温度が常温まで低下すると、ロータコア32と非磁性体71、72との間のクリアランスΔ(図7参照)が0又はわずかに0より大きくなりうる。従って、この場合、充填工程後に、非磁性体71、72は、磁石孔321、322から除去されてもよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例では、非磁性体72(非磁性体71も同様)は、空間部SC1全体を埋めるような形態を有するが、これに限られない。非磁性体72は、空間部SC1のうちの、空間部SC0に隣接する部分(空間部SC0を境界付けることができる部分)だけを埋めるような形態を有してもよい。この場合、上述した実施例における「非磁性体72の断面形状と空間部SC1の断面形状との関係」は、「非磁性体72の断面形状と、空間部SC1のうちの空間部SC0に隣接する部分の断面形状との関係」で読み替えることで、同様に適用可能である。
1・・・モータ(回転電機)、30・・・ロータ(回転電機用ロータ)、32、32A・・・ロータコア(回転電機用ロータコア)、321、322・・・磁石孔、71、72・・・非磁性体、61、62・・・ボンド磁石

Claims (4)

  1. 磁石孔を有する回転電機用ロータコアのワークを準備する工程と、
    前記磁石孔内の一部に、非磁性体を挿入する挿入工程と、
    前記挿入工程の前に又は前記挿入工程の後に、前記ワークを加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程の後の冷却後に又は前記加熱工程に後続して、前記磁石孔内の前記非磁性体に隣接する部分に、磁石粉末と結合材とを混合したボンド磁石用の材料を充填する充填工程とを含む、回転電機用ロータ製造方法。
  2. 前記非磁性体は、前記回転電機用ロータコアを形成する材料よりも線膨張係数が高く、かつ、前記挿入工程の際の前記回転電機用ロータコアにおける前記磁石孔に挿入可能なサイズを有する、請求項1に記載の回転電機用ロータ製造方法。
  3. 前記加熱工程は、前記挿入工程の前に実行され、前記挿入工程の際に前記磁石孔に前記非磁性体を挿入可能とする隙間が形成されるように、前記磁石孔のサイズを大きくすることを含み、
    前記充填工程は、前記加熱工程の後の冷却に伴って前記隙間が無くなった後に、実行される、請求項1又は2に記載の回転電機用ロータ製造方法。
  4. 前記加熱工程は、前記挿入工程の後に実行され、前記挿入工程の際に前記磁石孔に前記非磁性体を挿入可能とした隙間を無くならせることを含み、
    前記充填工程は、前記加熱工程に後続して、前記加熱工程に伴って前記隙間が無くなった後に、実行される、請求項2に記載の回転電機用ロータ製造方法。
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