JP2024007078A - 回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用ロータ - Google Patents

回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用ロータ Download PDF

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Shunsuke Osono
美海 山田
Miu Yamada
康頌 塩月
Yasunobu SHIOTSUKI
祥多 廣瀬
Shota Hirose
尚登 齋藤
Naoto Saito
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Abstract

【課題】フラックスバリア部への樹脂材料の射出成形を不要としつつ、ボンド磁石を適切に形成する。【解決手段】軸方向に視て凹凸形状の孔縁部を有する磁石孔を備える回転電機用ロータコアのワークを準備する工程と、磁石孔内の一部に挿入可能な非磁性体を準備する工程と、磁石孔内の一部に非磁性体を挿入する挿入工程と、挿入工程の後に、磁石孔内の非磁性体に隣接する部分に、磁石粉末と結合材とを混合したボンド磁石用の材料を充填する充填工程とを含み、充填工程において、非磁性体は、磁石孔内におけるボンド磁石用の材料が充填される空間部を境界付ける態様で、凹凸形状の孔縁部に当接する、回転電機用ロータの製造方法が開示される。【選択図】図8

Description

本開示は、回転電機用ロータの製造方法及び回転電機用ロータに関する。
ロータコアの磁石孔において、フラックスバリア部に樹脂材料を射出成形した後、同磁石孔における樹脂部分に隣接する部分に、磁性材(磁石粉末)と非磁性の樹脂材(結合材)とを混合してなるボンド磁石用の材料を射出成形する技術が知られている。
特開2014-147142号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、フラックスバリア部への樹脂材料の射出成形と、ボンド磁石用の材料の射出成形との2種類の射出成形を行うため、ボンド磁石を形成するための製造設備(例えば磁石成型用治具)が複雑化(及び高コスト化)する傾向がある。
そこで、1つの側面では、本開示は、フラックスバリア部への樹脂材料の射出成形を不要としつつ、ボンド磁石を適切に形成することを目的とする。
1つの側面では、軸方向に視て凹凸形状の孔縁部を有する磁石孔を備える回転電機用ロータコアのワークを準備する工程と、
前記磁石孔内の一部に挿入可能な非磁性体を準備する工程と、
前記磁石孔内の一部に前記非磁性体を挿入する挿入工程と、
前記挿入工程の後に、前記磁石孔内の前記非磁性体に隣接する部分に、磁石粉末と結合材とを混合したボンド磁石用の材料を充填する充填工程とを含み、
前記充填工程において、前記非磁性体は、前記磁石孔内における前記ボンド磁石用の材料が充填される空間部を境界付ける態様で、前記凹凸形状の孔縁部に当接する、回転電機用ロータの製造方法が提供される。
1つの側面では、本開示によれば、フラックスバリア部への樹脂材料の射出成形を不要としつつ、ボンド磁石を適切に形成することが可能となる。
一実施例によるモータの断面構造を概略的に示す断面図である。 ロータの断面図(軸方向に垂直な平面による断面図)である。 図2に示した一の磁極に係る部分の拡大図である。 変形例による一の磁極に係る部分の拡大図である。 本実施例のロータの製造方法の流れを概略的に示すフローチャートである。 準備工程で準備される初期のワークを示す平面図である。 図6のQ1部の拡大図である。 挿入工程で挿入された非磁性体の状態を概略的に示す図である。 充填工程で充填されたボンド磁石材料の状態を概略的に示す図である。 比較例による製造方法の説明図である。 実施例2による磁石孔の孔縁部の形状を概略的に示す図である。 実施例2による製造方法における挿入工程の説明図である。 実施例2による製造方法における充填工程の説明図である。 実施例3による非磁性体を示す斜視図である。 実施例3による磁石孔の孔縁部の形状を概略的に示すとともに、実施例2による製造方法における挿入工程を説明する概略図である。 実施例3による磁石孔の孔縁部の形状を概略的に示すとともに、実施例2による製造方法における充填工程を説明する概略図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
図1は、一実施例によるモータ1の断面構造を概略的に示す断面図である。図2は、ロータ30の断面図(軸方向に垂直な平面による断面図)である。なお、図2等では、見易さのために、複数存在する同一属性の部位には、一部のみしか参照符号が付されていない場合がある。
図1には、モータ1の回転軸12が図示されている。以下の説明において、軸方向とは、モータ1の回転軸(回転中心)12が延在する方向を指し、径方向とは、回転軸12を中心とした径方向を指す。従って、径方向外側とは、回転軸12から離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸12に向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸12まわりの回転方向に対応する。
モータ1は、例えばハイブリッド車両や電気自動車で使用される車両駆動用のモータであってよい。ただし、モータ1は、他の任意の用途に使用されるものであってもよい。
モータ1は、インナロータタイプであり、ステータ21がロータ30の径方向外側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、径方向外側がモータハウジング10に固定される。ステータ21は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板からなるステータコア211を備え、ステータコア211の径方向内側には、コイル22が巻回される複数のスロット(図示せず)が形成される。
ロータ30は、ステータ21の径方向内側に配置される。
ロータ30は、ロータコア32と、ロータシャフト34と、エンドプレート35A、35Bと、ボンド磁石61、62とを備える。
ロータコア32は、ロータシャフト34の径方向外側の表面に固定され、ロータシャフト34と一体となって回転する。ロータコア32は、軸孔320(図2参照)を有し、軸孔320にロータシャフト34が嵌合される。ロータシャフト34は、モータハウジング10にベアリング14a、14bを介して回転可能に支持される。なお、ロータシャフト34は、モータ1の回転軸12を画成する。
ロータコア32は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板により形成される。なお、変形例では、ロータコア32は、磁性粉末が圧縮して固められた圧粉体により形成されてもよい。ロータコア32の内部には、ボンド磁石61、62(図2参照)が配置される。すなわち、ロータコア32は、軸方向に貫通する磁石孔321、322(図2参照)を有し、磁石孔321、322内にボンド磁石61、62が形成される。複数のボンド磁石61、62のそれぞれは、磁石粉末と結合材とを混合したボンド磁石用の材料(以下、単に「ボンド磁石材料」とも称する)を射出成形して形成される。射出成形の方法は任意であり、例えば、トランスファ成形や、シリンダを使用した圧縮成形による樹脂注入等を含んでよい。ボンド磁石の形成方法の詳細は、後述する製造方法に関連して説明する。
ロータコア32は、図2に示すように、軸方向に視て、回転軸12を中心とした回転対称の形態を有する。図2に示す例では、ロータコア32は、回転軸12を中心として45度回転するごとに、各組のボンド磁石61、62が重なる形態である。
図2に示す例では、複数のボンド磁石61、62は、軸方向に視て、2種類のボンド磁石61、62がそれぞれ対をなして略V字状(径方向外側が開く態様の略V字状)に配置されている。この場合、対のボンド磁石61の間及び対のボンド磁石62の間に、共通の磁極が形成される。なお、複数のボンド磁石61、62は、周方向でS極とN極とが交互に現れる態様で配置される。なお、本実施例では、磁極数が8つであるが、磁極数は任意である。
なお、図1には、特定の構造を有するモータ1が示されるが、モータ1の構造は、かかる特定の構造に限定されない。例えば、図1では、ロータシャフト34は、中空であるが、中実であってもよい。
次に、図3以降を参照して、ロータコア32及びボンド磁石61、62を更に説明する。以下では、ある一の磁極に係る構成について説明するが、他の磁極に係る構成についても同様であってよい。
図3は、図2に示した一の磁極に係る部分の拡大図である。一の磁極に係る構成は、基本的に、d軸に関して対称である。以下では、周方向外側とは、d軸から離れる側を指す。
ロータコア32には、径方向外側の磁石孔321(以下、「第1磁石孔321」とも称する)と、径方向内側の磁石孔322(以下、「第2磁石孔322」とも称する)とが、形成される。
第1磁石孔321は、2つが対となって略V字状(径方向外側が開く態様の略V字状)に形成される。ただし、変形例では、第1磁石孔321は、2つが対となって直線状に形成されてもよいし、1つだけが直線状(d軸に垂直な直線状)に形成されてもよい。第1磁石孔321のそれぞれには、ボンド磁石61が設けられる。なお、第1磁石孔321には、ボンド磁石61の長手方向両端部において隙間(空洞)が形成される。この隙間は、フラックスバリア部として機能する。本実施例では、フラックスバリア部に係る隙間には、非磁性体71が配置される。非磁性体71は、ボンド磁石61に隣接する態様で設けられる。例えば、ボンド磁石61の両側の非磁性体71のうちの、径方向外側の非磁性体71は、ボンド磁石61の径方向外側の端面に当接(この場合、面接触)する。非磁性体71は、フラックスバリア部全体を埋める態様で設けられてもよいし、フラックスバリア部の一部に空洞が残る態様で設けられてもよい。非磁性体71の更なる詳細は、後述する製造方法に関連して説明する。
第2磁石孔322は、第1磁石孔321よりも径方向内側に設けられる。第2磁石孔322は、2つが対となって略V字状(径方向外側が開く態様の略V字状)に形成される。なお、対の第2磁石孔322は、対の第1磁石孔321よりも周方向の延在範囲が広い。第2磁石孔322のそれぞれには、ボンド磁石62が設けられる。なお、第2磁石孔322には、ボンド磁石62の長手方向両端部において隙間(空洞)が形成される。この隙間は、フラックスバリア部として機能する。本実施例では、フラックスバリア部に係る隙間には、非磁性体72が配置される。非磁性体72は、ボンド磁石62に隣接する態様で設けられる。非磁性体72の構成自体は、上述した非磁性体71と同様であってよい。
本実施例では、第2磁石孔322は、図6A等に示すように、凹凸形状の孔縁部3220を有する。凹凸形状の孔縁部3220は、第2磁石孔322の全周にわたる孔縁部3221のうちの、一部であってよい。凹凸形状の孔縁部3220は、フラックスバリア部におけるボンド磁石62に隣接する位置、又は、フラックスバリア部とボンド磁石62との間の境界位置に形成されてよい。また、凹凸形状の孔縁部3220は、好ましくは、周方向で互いに対向する態様で、周方向両側に設けられる。本実施例では、凹凸形状の孔縁部3220は、周方向でd軸に近い側の凸部32221と、周方向でd軸から遠い側の凸部32222を含む。この場合、孔縁部3220は、凸部32221、32222のそれぞれの両側が凹むことで、凹凸形状を有することになる。なお、ここでは、第2磁石孔322の径方向外側での凹凸形状の孔縁部3220について説明したが、同様の凹凸形状の孔縁部は、第2磁石孔322の径方向内側に形成されてもよいし、第1磁石孔321に関連して形成されてもよい。
ロータコア32は、このような第1磁石孔321及び第2磁石孔322を有することで、径方向にブリッジ部を介してのみ接続される3つの部位3211、3212、3213(以下、第1部位3211、第2部位3212、第3部位3213とも称する)を有する。
具体的には、第1部位3211は、第1磁石孔321よりも径方向外側に延在する。第1部位3211は、ロータコア32の外周面328の一部を形成する。
第2部位3212は、第2磁石孔322と第1磁石孔321との間を通って周方向両側がロータコア32の外周面328まで延在する。第2部位3212は、第1部位3211の周方向両側において、ロータコア32の外周面328の一部を形成する。第2部位3212は、q軸磁束の磁路を形成する。具体的には、q軸磁束は、第2部位3212の一端から他端に向けて第2磁石孔322と第1磁石孔321との間を通って流れる。
第3部位3213は、第2磁石孔322よりも径方向内側を通って周方向両側がロータコア32の外周面328まで延在する。第3部位3213は、第2部位3212の周方向両側において、ロータコア32の外周面328の一部を形成する。
また、ロータコア32は、このような3つの部位3211、3212、3213を有することで、3つの部位3211、3212、3213を繋ぐ複数のブリッジ部41、42、43、44を有する。
ブリッジ部41(以下、「第1ブリッジ部41」とも称する)は、第2部位3212に対して第1部位3211を径方向外側で支持する。第1ブリッジ部41は、第1部位3211の周方向両側(周方向外側)に対で設けられる。第1ブリッジ部41は、ロータコア32の外周面328と第1磁石孔321の間に延在する。
ブリッジ部42(以下、「第2ブリッジ部42」とも称する)は、第3部位3213に対して第2部位3212を径方向外側で支持する。第2ブリッジ部42は、第2部位3212の周方向両側(周方向外側)に対で設けられる。第2ブリッジ部42は、ロータコア32の外周面328と第2磁石孔322の間に延在する。
ブリッジ部43は、第2部位3212に対して第1部位3211をd軸上で支持する。
ブリッジ部44は、第3部位3213に対して第2部位3212をd軸上で支持する。
なお、ロータコア32におけるボンド磁石61、62に関連した構成は、任意であり、図2及び図3に示した構成に限られない。例えば、図2及び図3に示す例ではボンド磁石61が設けられるが、図4に示す変形例によるロータ30A(ロータコア32A)のように、ボンド磁石61は省略されてもよい。この場合、第1部位3211と第2部位3212とは一体化され、第1ブリッジ部41は実質的に存在しなくなる。あるいは、第3部位3213がq軸磁束の磁路となる態様で、更なるボンド磁石がボンド磁石62よりも径方向内側に配置されてもよい。
次に、上述したロータコア32(ロータコア32Aについても同様)の製造方法について詳説する。
図5は、本実施例のロータ30の製造方法の流れを概略的に示すフローチャートである。図6から図8は、図5に示す製造方法における特定の工程の説明図である。
本製造方法は、まず、ロータコア32のワークを準備する準備工程(ステップS500)を含む。なお、ロータコア32は、上述したように、磁石孔321、322を有する。図6は、準備工程で準備される初期のワーク(ロータコア32)を示す平面図である。図6Aは、図6のQ1部の拡大図である。準備工程の段階では、図6に示すように、磁石孔321、322には、何も配置されていない。
ついで、本製造方法は、非磁性体71、72を準備する準備工程(ステップS502)を含む。非磁性体71、72は、それぞれ、磁石孔321、322における挿入対象空間部に挿入可能なサイズを有する。この場合、非磁性体71、72は、後述するように、製造途中の射出圧に起因してそれぞれの磁石孔321、322内でわずかに移動可能となる。
非磁性体72(非磁性体71も同様、以下同じ)は、好ましくは、融点が比較的高い材料により形成される。具体的には、非磁性体72は、好ましくは、ボンド磁石材料90の充填工程(後述)における到達温度(例えばボンド磁石材料90の温度又はロータコア32の温度)よりも有意に高い融点を有する。例えば、非磁性体72は、SUS(Steel Use Stainless:ステンレス鋼)や、熱硬化性樹脂全般であって断熱性のある材料から形成されるのが好適である。
図6Aには、磁石孔322内のうちの、上述したボンド磁石62となる空間部SC0と、その径方向外側のフラックスバリア部となる空間部SC1とが示されている。なお、図6Aでは、図示の都合上、磁石孔322の孔縁部3221よりもわずかに内側に空間部SC0、SC1が図示されているが、孔縁部3221は、空間部SC0、SC1を境界付ける。なお、本実施例では、空間部SC1のうちの、非磁性体72が配置される空間部は、図6A及び図7に示すように、上述した凹凸形状の孔縁部3220の凸部32221、32222の近傍の空間部を含む。
また、非磁性体72は、軸方向に視て、凹凸形状の孔縁部3220に対応する凹凸状の外周縁部を有する。具体的には、非磁性体72の外周縁部は、孔縁部3220の凸部32221、32222に、それぞれ対応する凹部721、722を有する。
ついで、本製造方法は、磁石孔321、322内の対応する挿入対象空間部に、非磁性体71、72をそれぞれ挿入する挿入工程(ステップS504)を含む。図7は、挿入工程で挿入された非磁性体72の状態(磁石孔322における状態)を概略的に示す図である。非磁性体72は、図7に示すように、上述した凹凸形状の孔縁部3220の凸部32221、32222に、凹部721、722がそれぞれ周方向に対向する態様で、磁石孔322内に配置されてよい。
ここで、本実施例では、非磁性体72は、上述したように、磁石孔322に挿入可能な形態であり、具体的には、軸方向に視て、磁石孔322における挿入対象空間部よりも断面形状が小さい。従って、非磁性体72を磁石孔322に挿入することが容易となる。
ついで、本製造方法は、射出成形機(図示せず)を利用して、磁石孔321、322における非磁性体71、72に隣接する部分に、ボンド磁石材料90を充填する充填工程(ステップS510)を含む。例えば、磁石孔322に対しては、空間部SC0にボンド磁石材料90を充填する。充填工程(ステップS510)は、配向磁場を印加した状態で実行されてよい。図8は、充填工程で充填されたボンド磁石材料90の状態(磁石孔322における状態)を概略的に示す図である。本製造方法における充填工程に係る効果は、図8及び図9を対比しつつ後述する。
ついで、本製造方法は、その他の後工程(ステップS520)を含む。後工程は、例えば、ステップS510で充填したボンド磁石材料90を硬化させることでボンド磁石61、62を形成する工程や、エンドプレート35A、35Bやロータシャフト34等を組み付ける工程等を含んでよい。
このようにして、本製造方法によれば、あらかじめ準備した非磁性体71、72を利用することで、射出成形により磁石孔321、322内に同様の非磁性体を形成する場合に比べて、使用する射出成形機の数や種類を低減できる。すなわち、非磁性体用の射出成形と、ボンド磁石材料の射出成形との2種類の射出成形を行う場合とは異なり、製造装置(例えば磁石成型用治具)の構造の簡易化(及び低コスト化)を図ることができる。
次に、本製造方法における充填工程(ステップS510)の詳細とともに、本実施例の効果について説明する。
図9は、比較例による製造方法の説明図であり、本製造方法に係る図8と同様のビューで、一の磁石孔322’における非磁性体72’及びボンド磁石材料90’の状態を示す。比較例では、磁石孔322’が凹凸形状の孔縁部を有しない点が、本実施例の磁石孔322と異なる。
このような比較例では、非磁性体72’と磁石孔322’の孔縁部3221’との間の密着性が低くなり、図9に模式的に示すように、ボンド磁石材料90’が空間部SC1へと回り込むおそれがある。このようなボンド磁石材料90’の回り込みが発生すると、モータの磁気特性が劣化する。すなわち、フラックスバリア部にボンド磁石が浸入すると、ロータの磁束の流れが変化してしまい、モータの磁気特性が劣化する。
これに対して、本製造方法では、非磁性体72(非磁性体71も同様、以下同じ)は、充填工程(ステップS510)における射出圧(充填するボンド磁石材料90の圧力)に起因して移動できる。その結果、非磁性体72は、磁石孔322内におけるボンド磁石材料90が充填される空間部を境界付ける態様で、磁石孔322の凹凸形状の孔縁部3220に当接できる。具体的には、本実施例では、磁石孔322は、凹凸形状の孔縁部3220を有するので、射出圧に起因して径方向外側へと移動しようとする非磁性体72が、凹凸形状の孔縁部3220によって係止される。すなわち、図8に矢印R80で模式的に示すように、非磁性体72は、凸部32221、32222から、径方向内側に向かう成分を含む反力を受けることで、径方向外側への移動が係止される。このようにして、充填工程において、凹凸形状の孔縁部3220は、射出圧が付与される非磁性体72に対して、射出圧に対抗する力を付与する。これにより、充填工程(ステップS510)において非磁性体72と磁石孔322の孔縁部3221との間の密着性が非常に高くなり、上述した比較例で生じる不都合(ボンド磁石材料90の回り込み及びそれに起因したモータ1の磁気特性の劣化)を防止できる。
換言すると、本実施例によれば、ボンド磁石材料90の射出圧を高めても、空間部SC1へのボンド磁石材料90の回り込み及びそれに起因したモータ1の磁気特性の劣化を防止できる。これにより、比較的流動性が低い(それ故に比較的高い射出圧で射出する必要がある)が磁気特性の良好なボンド磁石材料(例えば磁粉含有量の高いボンド磁石材料)を利用することも可能となり、モータ1の磁気特性を高めることも可能となる。
また、本実施例によれば、凹凸形状の孔縁部3220は、ブリッジ部42から比較的離れた位置(ボンド磁石材料90に近い側の位置)に設定されるので、射出圧に起因して非磁性体72を介して凹凸形状の孔縁部3220が受ける力が、ブリッジ部42に伝達し難くなる。すなわち、射出圧に起因してボンド磁石材料90から非磁性体72が受ける力のうち、非磁性体72を介してブリッジ部42に伝達される力(径方向外側に向かう力)を低減できる。その結果、ブリッジ部41、42の幅を過大とすることなく、射出圧に起因して生じうるブリッジ部42における応力集中を低減できる。また、ボンド磁石材料90の射出圧を高めても、ブリッジ部41、42における応力集中を低減できるので、比較的流動性が低い(それ故に比較的高い射出圧で射出する必要がある)が磁気特性の良好なボンド磁石材料90(例えば磁粉含有量の高いボンド磁石材料)を利用することも可能となり、モータ1の磁気特性を高めることも可能となる。
次に、図10から図12を参照して、他の実施例について説明する。以下、区別のため、上述した実施例を「実施例1」とも称し、図10から図12を参照して以下で説明する他の実施例を、「実施例2」とも称する。
図10から図12は、実施例2の説明図であり、一の磁石孔322Aに係る構成のみを概略的に示す図である。
図10は、実施例2による磁石孔322Aの凹凸形状の孔縁部3220Aの形状を概略的に示す図である。なお、磁石孔322Aまわりは、図示しないが、ロータコア(図2の磁石孔322まわりのロータコア32参照)である。
実施例2による磁石孔322Aの凹凸形状の孔縁部3220Aは、上述した実施例1による磁石孔322の凹凸形状の孔縁部3220に対して、凸部32221、32222が、凸部32221A、32222Aで置換された点が異なる。この場合、凸部32221A、32222Aは、凹部32213A、32223Aの径方向外側の角部を形成する。すなわち、この場合、孔縁部3220Aは、凹部32213A、32223Aの両側が突出することで、凹凸形状を有することになる。
実施例2による非磁性体72Aは、上述した実施例1と同様、磁石孔322Aに挿入可能な形態であり、軸方向に視て、磁石孔322Aにおける挿入対象空間部よりも、断面形状が小さい。この場合、非磁性体72Aは、周方向に対向する凹部32213A、32223Aに周方向両端部が嵌まる形態であってよい。
また、実施例2による非磁性体72Aは、上述した実施例1による非磁性体72と同様、好ましくは、融点が比較的高い材料により形成される。例えば、非磁性体72Aは、SUSや任意の熱硬化性樹脂等の材料から形成されるのが好適である。
実施例2においても、図5を参照して上述した製造方法を同様に適用できる。図11及び図12は、製造方法における特定の工程の説明図である。
実施例2の場合、挿入工程(ステップS504)では、非磁性体72Aは、図11に示すように、磁石孔322Aの凹部32213A、32223Aに周方向両端部が嵌まる態様で、磁石孔322Aに挿入されてよい。
このような実施例2によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。すなわち、本製造方法では、非磁性体72Aは、充填工程(ステップS510)における射出圧に起因して移動でき、その結果、磁石孔322A内におけるボンド磁石材料90が充填される空間部を境界付ける態様で、磁石孔322Aの凹凸形状の孔縁部3220Aに当接できる。具体的には、本実施例では、磁石孔322Aは、凹凸形状の孔縁部3220Aを有するので、射出圧に起因して径方向外側へと移動しようとする非磁性体72Aが、凹凸形状の孔縁部3220Aによって係止される。すなわち、図12に矢印F120で模式的に示すように、非磁性体72Aは、凸部32221A、32222Aから、径方向内側に向かう成分を含む反力を受けることで、径方向外側への移動が係止される。これにより、非磁性体72Aと磁石孔322Aの孔縁部3221Aとの間の密着性が非常に高くなり、上述した比較例で生じる不都合(ボンド磁石材料90の回り込み及びそれに起因したモータ1の磁気特性の劣化)を防止できる。
次に、図13から図15を参照して、更なる他の実施例について説明する。以下、区別のため、図13から図15を参照して以下で説明する更なる他の実施例を、「実施例3」とも称する。
図13は、実施例3による非磁性体72Bを示す斜視図である。実施例3による非磁性体72Bは、薄肉の筒状の部材である。なお、非磁性体72Bは、軸方向両端が開口する形態であるが、軸方向一端側だけが開口する形態であってもよい。
非磁性体72Bは、板厚の比較的薄いフィルムの形態であってよく、可撓性を有してよい。非磁性体72Bは、上述した実施例1による非磁性体72と同様、好ましくは、融点が比較的高い材料により形成される。例えば、非磁性体72Bは、シリコンフィルム、フッ素ゴムフィルム、ガラスペーパーなど(非磁性・断熱性に加えて、薄く柔軟性のある材料)が好適である。
非磁性体72Bは、ボンド磁石62の表面のうちの、軸方向に交差する方向の側面全体をカバーする。この目的のため、非磁性体72Bは、ロータコア(本実施例では図示せず)の軸方向全長に対応した軸方向の長さを有してよい。
非磁性体72Bは、上述した実施例1と同様、磁石孔322Bに挿入可能な形態であり、軸方向に視て、磁石孔322Bにおける挿入対象空間部よりも、断面形状がわずかに小さい。
実施例3においても、図5を参照して上述した製造方法を同様に適用できる。図14及び図15は、実施例3による磁石孔322Bの孔縁部3221Bの形状を概略的に示しつつ、製造方法における特定の工程を説明する図である。
実施例3の場合、挿入工程(ステップS504)では、非磁性体72Bは、図14に示すように、磁石孔322Bに挿入される。非磁性体72Bは、上述したように、軸方向に視て、磁石孔322Bにおける挿入対象空間部よりも断面形状がわずかに小さい。従って、非磁性体72Bを磁石孔322Bに挿入することが容易である。そして、充填工程(ステップS510)では、非磁性体72Bの内部(筒状の部材の内部)に、ボンド磁石材料90を充填することを含む。なお、ボンド磁石材料90を充填する際の射出圧により非磁性体72Bの断面形状が拡大する。なお、このような拡大は、非磁性体72Bの弾性変形、塑性変形又はこれらの組み合わせにより実現されてよい。この場合、非磁性体72Bが磁石孔322Bに密着させることができる。この結果、ボンド磁石62を磁石孔322Bに対して非磁性体72Bを介して支持できる。
このような実施例3によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。すなわち、本製造方法では、非磁性体72Bは、径方向が全周にわたって閉じた筒状の形態に起因して、磁石孔322B内におけるボンド磁石材料90が充填される空間部を境界付けることができる。具体的には、本実施例では、非磁性体72Bは、筒状の形態を有するので、非磁性体72Bよりも外側へ(すなわちフラックスバリア部へ)漏れ出るボンド磁石材料90が発生しない。これにより、上述した比較例で生じる不都合(ボンド磁石材料90の回り込み及びそれに起因したモータ1の磁気特性の劣化)を防止できる。
なお、本実施例では、非磁性体72Bは、磁石孔322Bにおける挿入対象空間部よりも断面形状がわずかに小さいが、実質的に同じであってもよい。この場合、非磁性体72Bは、弾性を有してもよいし、実質的に剛体であってよい。後者の場合、非磁性体72Bは、接着剤等により磁石孔322Bに固定されてもよい。また、非磁性体72Bは、磁石孔322Bにおける挿入対象空間部よりも断面形状がわずかに大きくてもよい。この場合、非磁性体72Bは、磁石孔322Bへの圧入(締め代を有する圧入)により固定されてもよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
1・・・モータ(回転電機)、32、32A・・・ロータコア(回転電機用ロータコア)、321、322・・・磁石孔、3221、3221A、3221B・・・孔縁部、71、72、72A、72B・・・非磁性体、61、62・・・ボンド磁石

Claims (5)

  1. 軸方向に視て凹凸形状の孔縁部を有する磁石孔を備える回転電機用ロータコアのワークを準備する工程と、
    前記磁石孔内の一部に挿入可能な非磁性体を準備する工程と、
    前記磁石孔内の一部に前記非磁性体を挿入する挿入工程と、
    前記挿入工程の後に、前記磁石孔内の前記非磁性体に隣接する部分に、磁石粉末と結合材とを混合したボンド磁石用の材料を充填する充填工程とを含み、
    前記充填工程において、前記非磁性体は、前記磁石孔内における前記ボンド磁石用の材料が充填される空間部を境界付ける態様で、前記凹凸形状の孔縁部に当接する、回転電機用ロータの製造方法。
  2. 前記充填工程において、前記凹凸形状の孔縁部は、充填する前記材料の圧力が付与される前記非磁性体に対して、前記圧力に対抗する力を付与する、請求項1に記載の回転電機用ロータの製造方法。
  3. 磁石孔を備える回転電機用ロータコアのワークを準備する工程と、
    前記磁石孔内に挿入可能な非磁性体であって、軸方向が開口する筒状の形態を有する非磁性体を準備する工程と、
    前記磁石孔内に前記非磁性体を挿入する挿入工程と、
    前記挿入工程の後に、前記非磁性体の筒状の内部に、磁石粉末と結合材とを混合したボンド磁石用の材料を充填する充填工程とを含む、回転電機用ロータの製造方法。
  4. 磁石孔を有するロータコアと、
    前記磁石孔内に配置されるボンド磁石と、
    前記磁石孔内において前記ボンド磁石に隣接する非磁性体とを備え、
    前記磁石孔は、軸方向に視て、前記非磁性体に当接する孔縁部に凹凸形状を有する、回転電機用ロータ。
  5. 磁石孔を有するロータコアと、
    前記磁石孔内に配置されるボンド磁石と、
    前記磁石孔内において前記ボンド磁石をカバーする筒状の部材とを有し、
    前記筒状の部材は、前記ボンド磁石の表面のうちの、軸方向に交差する方向の側面全体をカバーする、回転電機用ロータ。
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