JP2024006542A - 金属板の成形限界取得方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
FLDはプレス成形における各変形様式(等二軸変形、不等二軸変形、平面ひずみ変形、単軸変形)での成形限界を実験室規模での成形試験により測定して作成するものである。そして、成形限界線図の作成においては、試験片の幅をいくつかの水準に変更して試験片の長軸方向と短軸方向の変形比率を変化させることにより、試験片の破断発生時における長軸方向と短軸方向それぞれのひずみを測定している。
さらに、引張強度が980MPaを超えるような高強度鋼板においては、10%程度の低ひずみ量でネッキングが発生し、その直後に破断が発生する。そのため、成形限界を精度よく判定する方法が提案されてきた。
中島法は、図9(a)に示すように、球頭パンチ43と上型ダイ45としわ押さえ47とを備えた成形金型41を用いて試験片100を張出成形する張出試験により成形限界を求める方法である。
一方、マルシニアック法は、図9(b)に示すように、平頭パンチ53と、上型ダイ55としわ押さえ57とを備えた成形金型51を用いるものである。そして、マルシニアック法では、平頭パンチ53と試験片100との間にドライビングシート110を挟んで試験片100を張出成形する張出試験により成形限界を求める。
これに対し、マルシニアック法は、先端部53aが平面の平頭パンチ53を用いて張出成形するものである。そのため、試験片100は曲げ変形されず、得られる成形限界は試験片100の曲げ変形の影響を受けない。
このように、FLDに基づいた割れ発生有無の予測結果と実際のプレス成形品での割れ発生の有無とで大きく乖離している事例が多々発生して問題があった。
前述したように、中島法とマルシニアック法によるFLDの差は、ひずみで1~2%程度と小さいものの、延性の低い高張力鋼板ではわずかなひずみ(成形量)の差により破断の発生に違いが生じる。
発明者らは、中島法とマルシニアック法による成形限界に差が生じる原因の一つとして、成形限界試験における試験片の曲げ変形の有無に着目した。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には、以下の構成を備えたものである。
張出成形した前記試験片の曲げ変形度と、該曲げ変形度で張出成形した前記試験片の最大主ひずみ及び最小主ひずみと、の関係で表される前記金属板の成形限界を求めることを特徴とするものである。
前記曲げ変形度は、前記球頭パンチの前記先端部の曲率で表わすことを特徴とするものである。
成形試験ステップと、成形限界解析ステップと、成形限界面作成ステップと、を含み、
前記成形試験ステップは、
前記金属板の表面に所定の格子又はひずみ解析用パターンを付した試験片を準備する試験片準備工程と、
前記格子又はひずみ解析用パターンを付した前記試験片の表面を撮影しながら、先端部の曲率が異なる複数の球頭パンチを用いて、前記試験片を種々の曲げ変形度で張出成形する張出成形工程と、
該張出成形工程において撮影した前記試験片表面の画像を解析し、前記張出成形した前記試験片の曲げ変形度ごとに、前記試験片に生じるひずみを測定するひずみ測定工程と、
張出成形した前記試験片の曲げ変形度ごとに測定した前記ひずみを成形開始から破断までの時系列順に記憶し、ひずみデータベースを構築するひずみデータベース構築工程と、を備え、
前記成形限界解析ステップは、
張出成形された前記試験片の曲げ変形度ごとに、前記試験片の破断発生部近傍のひずみ分布を前記ひずみデータベースから抽出するひずみ分布抽出工程と、
該抽出したひずみ分布から、前記試験片の曲げ変形度ごとに、該試験片の破断発生部における最大主ひずみと最小主ひずみとで表される成形限界ひずみを求める成形限界取得工程と、を備え、
前記成形限界面作成ステップは、
最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度を三軸とする三次元座標空間に、前記成形限界解析ステップにおいて前記曲げ変形度ごとに求めた前記成形限界ひずみをプロットする成形限界プロット工程と、
前記三次元座標空間にプロットした前記曲げ変形度ごとの前記成形限界ひずみに基づいて、最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度の関係で表される成形限界面を作成する成形限界面作成工程と、を備えることを特徴とするものである。
前記成形限界面作成工程において、前記成形限界面として、曲げ変形度が同じ成形限界ひずみ群のプロットのうち隣接する2つのプロットと、該2つのプロットとは曲げ変形度が異なる成形限界ひずみ群のプロットのうち前記2つのプロットを結ぶ線分との距離がもっとも小さい1つのプロットと、を結ぶ複数の三角形平面からなる多角面を作成することを特徴とするものである。
前記成形限界面作成工程において、成形限界平面又は成形限界曲面を仮定し、該仮定した成形限界平面又は成形限界曲面と前記三次元座標空間における曲げ変形度ごとの成形限界ひずみのプロットとの垂直距離の二乗和を求め、該求めた二乗和が最小となる前記成形限界平面又は前記成形限界曲面を決定することにより前記成形限界面を作成する、ことを特徴とするものである。
前記成形限界面作成工程において、成形限界平面又は成形限界曲面を仮定し、該仮定した成形限界平面又は成形限界曲面と、前記三次元座標空間における曲げ変形度ごとの成形限界ひずみのプロットと、の垂直距離に重み付けをした二乗和を求め、該求めた二乗和が最小となるように前記成形限界平面又は成形限界曲面を決定することにより前記成形限界面を作成する、ことを特徴とするものである。
前記成形限界面作成工程において、複数の成形限界平面及び成形限界曲面を組み合わせて前記成形限界面を作成することを特徴とするものである。
成形試験部と、成形限界解析部と、成形限界面作成部と、を備え、
前記成形試験部は、
先端部の曲率が異なる複数の球頭パンチを有し、該複数の球頭パンチを用いて、表面に所定の格子又はひずみ解析パターンが付された前記金属板の試験片を種々の曲げ変形度で張出成形する成形金型と、
前記成形金型により前記試験片を張出成形する過程における前記試験片の表面を撮影する撮影装置と、
該撮影装置により撮影した前記試験片表面の画像を解析し、前記曲げ変形度ごとに、前記試験片に生じるひずみを測定するひずみ測定装置と、
前記測定した前記ひずみを、張出成形した前記試験片の曲げ変形度ごとに、成形開始から破断までの時系列順に記憶したひずみデータベースを構築するひずみデータベース構築装置と、を有し、
前記成形限界解析部は、
張出成形された前記試験片の曲げ変形度ごとに、前記試験片の破断発生部近傍のひずみ分布を前記ひずみデータベースから抽出するひずみ分布抽出装置と、
該抽出したひずみ分布から、前記試験片の曲げ変形度ごとに、該試験片の破断発生部における最大主ひずみと最小主ひずみとで表される成形限界ひずみを求める成形限界取得装置と、を有し、
前記成形限界面作成部は、
最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度を三軸とする三次元座標空間に、前記成形限界解析部により前記曲げ変形度ごとに求めた前記成形限界ひずみをプロットする成形限界プロット装置と、
前記三次元座標空間にプロットした前記成形限界に基づいて、最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度の関係で表される成形限界面を作成する成形限界面作成装置と、を有することを特徴とするものである。
さらに、本発明によれば、曲げ変形度と、最大主ひずみと、最小主ひずみと、の関係で表される成形限界面を求めることができる。
本実施の形態に係る金属板の成形限界取得方法(以下、単に「成形限界取得方法」ともいう)は、図2に例示するように、先端部11a1の曲率が異なる複数の球頭パンチ11aを用いて、金属板の試験片100を種々の曲げ変形度で張出成形するものである。そして、当該成形限界取得方法は、張出成形した試験片の曲げ変形度と、当該曲げ変形度で張出成形した試験片の破断発生部における最大主ひずみ及び最小主ひずみと、の関係で表される金属板の成形限界を求めるものである。
試験片101は、図3(a)に示すように、円板状のものであり、等二軸変形の成形限界を求めるものである。
一方、試験片103は、図3(b)及び(c)に示すように、円板状の周縁部の直径方向に対向する位置に円弧状に切り欠いた形状の切り欠き部103aを形成したものである。そして、試験片103については、中央部103bの最も幅狭の部位の幅Wを種々に変更し、幅Wを狭くするに従い、等二軸変形から不等二軸変形、平面ひずみ変形となり、次第に単軸引張に近づけ、各変形様式での成形限界を求めるものである。
さらに、試験片100は、金属板の表面に所定の格子又はひずみ解析パターンが付されたものとする。
例えば、破断が発生するまで張出成形した試験片100の破断発生部の近傍において、試験片100の表面に付したマーキングの形状から破断発生時の最大主ひずみと最小主ひずみを求めても良いし、後述する方法により求めてもよい。
成形試験ステップS10は、図1に示すように、試験片準備工程S11と、張出成形工程S13と、ひずみ測定工程S15と、ひずみデータベース構築工程S17と、備える。
試験片準備工程S11は、金属板の表面に所定の格子又はひずみ解析用パターンが付された試験片100を準備する工程である。
試験片100としては、前述した図3に示すように、円形状の試験片101と、円形状の外縁部に切り欠き部103aを形成した形状の試験片103と、を準備する。そして、切り欠き部103aを形成した試験片103については、中央部103bの幅Wを複数の水準で変更したものを準備する。
張出成形工程S13は、格子又はひずみ解析用パターンが付された試験片100の表面を撮影しながら、先端部11a1の曲率が異なる複数の球頭パンチ11aを用いて、試験片100を種々の曲げ変形度で張出成形する工程である。
ひずみ測定工程S15は、張出成形工程S13において撮影した試験片100表面の画像を解析し、曲げ変形度ごとに、試験片100に生じるひずみを測定する工程である。ひずみを測定する方法としては、例えば、デジタル画像相関法(Digital Image Correlation、以下、「DIC」という)を用いる。張出成形過程における試験片100表面を所定の時間間隔で撮像し、各時間ステップで撮像した画像を画像解析して格子又はひずみ解析用パターンの変形具合より試験片100に生じる面内2方向のひずみとして、最大主ひずみと最小主ひずみを測定する。
ひずみデータベース構築工程S17は、ひずみ測定工程S15において測定したひずみを、曲げ変形度ごとに、成形開始から破断までの時系列順に記憶してひずみデータベースを構築する工程である。
次に、張出成形工程S13において試験片100の張出成形を行いながら、ひずみ測定工程S15ではおいて画像解析装置を用いて試験片100表面のひずみを測定し、試験片100に発生する最大主ひずみ及び最小主ひずみをひずみデータベースに記録する。
そして、成形を徐々に進めて試験片100に破断が発生するまで、ひずみの測定と時系列変化の記録を繰り返すことにより、成形開始から破断までのひずみデータベースを構築する。
以上の作業を、試験片100の形状、先端部11a1の曲率が異なる球頭パンチ11aごとに行う。
成形限界解析ステップS20は、図1に示すように、ひずみ分布抽出工程S21と、成形限界取得工程S23と、を備える。
ひずみ分布抽出工程S21は、種々の曲げ変形度で張出成形された試験片100の破断発生部近傍のひずみ分布を、ひずみデータベース構築工程S17において構築したひずみデータベースから抽出する工程である。
本実施の形態では、ひずみ分布抽出工程S21において抽出するひずみ分布は、ひずみデータベースに曲げ変形度ごとに記憶されたひずみの時系列データとする。
成形限界取得工程S23は、ひずみ分布抽出工程S21において抽出したひずみ分布から、試験片100の曲げ変形度ごとに、試験片100の破断発生部における最大主ひずみと最小主ひずみとで表される成形限界ひずみを求める工程である。
まず、ひずみ分布抽出工程S21では、曲げ変形度ごとに成形開始から破断までの所定の時間ステップごとに、試験片100の破断発生部近傍の最大主ひずみと最小主ひずみを抽出して時系列データを作成する。
このように、曲げ変形度ごとに成形限界ひずみを求めることにより、曲げ変形度と、最大主ひずみと、最小主ひずみとの関係で表される成形限界を求めることができる。
成形限界面作成ステップS30は、図1に示すように、成形限界プロット工程S31と、成形限界面作成工程S33と、を備えるものである。
成形限界プロット工程S31は、最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度を三軸とする三次元座標空間に、成形限界解析ステップS20において前記曲げ変形度ごとに求めた成形限界ひずみをプロットする工程である。
成形限界面作成工程S33は、成形限界プロット工程S31において最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度を座標軸とする三次元座標空間にプロットした成形限界に基づいて、成形限界面を作成する工程である。そして、成形限界面作成工程S33において作成される成形限界面は、最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度の関係で表されるものである。
成形限界面作成工程S33において成形限界面を作成する方法としては、例えば、以下のものがある。
次に、この2つの成形限界ひずみとは曲げ変形度の異なる成形限界ひずみ群のうち当該2つの成形限界ひずみのプロットを結ぶ線分との距離が最も小さい1つの成形限界ひずみのプロットを選択する。
続いて、抽出した2つの成形限界ひずみのプロットと、選択した1つの成形限界ひずみのプロットと、により三角形平面を形成する。
このような三角形平面の作成を全ての成形ひずみ群のプロットについて行う。そして、作成された三角形平面を組み合わせた多角面を成形限界面とする。
例えば、最小主ひずみが負の領域と正の領域のそれぞれに成形限界平面又は成形限界曲面を仮定し、各領域について成形限界ひずみのプロットとの垂直距離の二乗和が最小となるように、成形限界平面又は成形限界曲面を決定すればよい。成形限界ひずみのプロットとの垂直距離に重みをつけた二乗和が最小となるように成形限界面を作成する場合においても同様とする。
上記の説明は、最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度の関係で表させる金属板の成形限界面を求める方法についてのものであった。もっとも、本発明は、金属板の成形限界面を作成する装置として構成することもできる。
すなわち、本実施の形態に係る金属板の成形限界取得装置(以下、単に「成形限界取得装置」という)は、曲げ変形度を考慮した金属板の成形限界を求めるものである。そして、成形限界取得装置1は、図4に示すように、成形試験部10と、成形限界解析部20と、成形限界面作成部30と、を備えたものである。
成形試験部10は、成形金型11と、撮影装置13と、ひずみ測定装置15と、ひずみデータベース構築装置17と、を有する。
成形限界解析部20は、図4に示すように、ひずみ分布抽出装置21と、成形限界取得装置23と、を有する。
ひずみ分布抽出装置21は、張出成形された試験片100の曲げ変形度ごとに、試験片100の破断発生部近傍のひずみ分布をひずみデータベース構築装置17により構築されたひずみデータベースから抽出するものである。
成形限界取得装置23は、ひずみ分布抽出装置21により抽出したひずみ分布から、試験片100の曲げ変形度ごとに、試験片100の破断発生部における最大主ひずみと最小主ひずみとで表される成形限界ひずみを求めるものである。
成形限界面作成部30は、図4に示すように、成形限界プロット装置31と、成形限界面作成装置33と、を有する。
成形限界プロット装置31は、最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度を三軸とする三次元座標空間に、成形限界解析部20により求めた曲げ変形度と、最大主ひずみ及び最小主ひずみの関係で表される成形限界をプロットするものである。
成形限界面作成装置は、成形限界プロット装置31により三次元座標空間にプロットした成形限界に基づいて、最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度の関係で表される成形限界面を作成するものである。
そのため、各成形限界ひずみ群における曲げ変形度を新たな評価軸とし、最大主ひずみと最小主ひずみと曲げ変形度を座標軸とする三次元座標空間に成形限界をプロットすることができる。これにより、最大主ひずみ及び最小主ひずみに加えて、曲げ変形度との関係で表される成形限界面を求めることができる。
また、プレス成形品の曲げ変形度として、プレス成形品のプレス成形解析より、最大主ひずみ、最小主ひずみ、及び最大主ひずみの方向の曲率(たとえば、最大主曲率等)を曲げ変形度として取得する。そして、取得した最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度と成形限界面との関係より、曲げ変形の影響を考慮したプレス成形における割れ発生の事前予測を精度良く行うことができる。
はじめに、成形試験ステップS10において、図2に示す球頭パンチ11aと、上型ダイ11bと、しわ押さえ11cと、を備えた成形金型11を用いて、試験片100を張出成形した。
球頭パンチ11aは、図6に示すように、先端部11a1の曲率半径がR25mm、R50mm、R100m及びR=∞(図9(b)に示す平頭パンチ53に相当)の4種類を準備した。先端部11a1の曲率は、それぞれ、0.04、0.02、0.01及び0.00となる。
本実施例では、試験片100の形状は、前掲した図3に示すように、直径φ180mmの円形状の試験片101と、これを基準として幅方向に切り欠いた形状の試験片103とした。さらに、試験片103については、中央部103bの幅Wが25mmから160mmまでの5種類の形状とした。一例として、図3(b)に幅Wが60mm、図3(c)に幅Wが80mmの試験片103を示す。
このように形状を決定した試験片100の表面に、ひずみ測定用の格子状のパターン(グリッド)を転写した。
そして、試験片100に破断が発生したか否かを目視にて判定した。破断が発生していないと判定された場合、張出成形を進め、試験片100の表面の撮影、画像解析によるひずみ量の測定、ひずみデータベースへの記憶を繰り返した。
このように、本実施例では、成形開始から破断発生まで1回/秒の間隔で試験片表面を撮影し、撮影した各画像についてひずみ量の測定を行い、破断が発生したと判定されるまで継続した。
次に、設定した各評価点について,ひずみデータベースから最大主ひずみ及び最小主ひずみの時系列データを抽出した。
さらに、この操作を張出試験に用いた先端部11a1の曲率半径の異なる全ての球頭パンチ11aについて行い、曲げ変形度ごとに成形限界ひずみ(最大主ひずみ、最小主ひずみ)を求めた。
本実施例では、最小主ひずみが負の領域と正の領域のそれぞれについて、以下の式(1)で表される成形限界平面を仮定した。
10 成形試験部
11 成形金型
11a 球頭パンチ
11a1 先端部
11b 上型ダイ
11c しわ押さえ
13 撮影装置
15 ひずみ測定装置
17 ひずみデータベース構築装置
20 成形限界解析部
21 ひずみ分布抽出装置
23 成形限界取得装置
30 成形限界面作成部
31 成形限界プロット装置
33 成形限界面作成装置
41 成形金型
43 球頭パンチ
43a 先端部
45 上型ダイ
47 しわ押さえ
51 成形金型
53 平頭パンチ
53a 先端部
55 上型ダイ
57 しわ押さえ
100 試験片
101 試験片
103 試験片
103a 切り欠き部
103b 中央部
110 ドライビングシート
Claims (8)
- 先端部の曲率が異なる複数の球頭パンチを用いて、金属板の試験片を種々の曲げ変形度で張出成形し、
張出成形した前記試験片の曲げ変形度と、該曲げ変形度で張出成形した前記試験片の最大主ひずみ及び最小主ひずみと、の関係で表される前記金属板の成形限界を求めることを特徴とする金属板の成形限界取得方法。 - 前記曲げ変形度は、前記球頭パンチの前記先端部の曲率で表わすことを特徴とする請求項1記載の金属板の成形限界取得方法。
- 曲げ変形度を考慮して金属板の成形限界を求める金属板の成形限界取得方法であって、
成形試験ステップと、成形限界解析ステップと、成形限界面作成ステップと、を含み、
前記成形試験ステップは、
前記金属板の表面に所定の格子又はひずみ解析用パターンを付した試験片を準備する試験片準備工程と、
前記格子又はひずみ解析用パターンを付した前記試験片の表面を撮影しながら、先端部の曲率が異なる複数の球頭パンチを用いて、前記試験片を種々の曲げ変形度で張出成形する張出成形工程と、
該張出成形工程において撮影した前記試験片表面の画像を解析し、前記張出成形した前記試験片の曲げ変形度ごとに、前記試験片に生じるひずみを測定するひずみ測定工程と、
張出成形した前記試験片の曲げ変形度ごとに測定した前記ひずみを成形開始から破断までの時系列順に記憶し、ひずみデータベースを構築するひずみデータベース構築工程と、を備え、
前記成形限界解析ステップは、
張出成形された前記試験片の曲げ変形度ごとに、前記試験片の破断発生部近傍のひずみ分布を前記ひずみデータベースから抽出するひずみ分布抽出工程と、
該抽出したひずみ分布から、前記試験片の曲げ変形度ごとに、該試験片の破断発生部における最大主ひずみと最小主ひずみとで表される成形限界ひずみを求める成形限界取得工程と、を備え、
前記成形限界面作成ステップは、
最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度を三軸とする三次元座標空間に、前記成形限界解析ステップにおいて前記曲げ変形度ごとに求めた前記成形限界ひずみをプロットする成形限界プロット工程と、
前記三次元座標空間にプロットした前記曲げ変形度ごとの前記成形限界ひずみに基づいて、最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度の関係で表される成形限界面を作成する成形限界面作成工程と、を備えることを特徴とする金属板の成形限界取得方法。 - 前記成形限界面作成工程において、前記成形限界面として、曲げ変形度が同じ成形限界ひずみ群のプロットのうち隣接する2つのプロットと、該2つのプロットとは曲げ変形度が異なる成形限界ひずみ群のプロットのうち前記2つのプロットを結ぶ線分との距離がもっとも小さい1つのプロットと、を結ぶ複数の三角形平面からなる多角面を作成することを特徴とする請求項3記載の金属板の成形限界取得方法。
- 前記成形限界面作成工程において、成形限界平面又は成形限界曲面を仮定し、該仮定した成形限界平面又は成形限界曲面と前記三次元座標空間における曲げ変形度ごとの成形限界ひずみのプロットとの垂直距離の二乗和を求め、該求めた二乗和が最小となる前記成形限界平面又は前記成形限界曲面を決定することにより前記成形限界面を作成する、ことを特徴とする請求項3記載の金属板の成形限界取得方法。
- 前記成形限界面作成工程において、成形限界平面又は成形限界曲面を仮定し、該仮定した成形限界平面又は成形限界曲面と、前記三次元座標空間における曲げ変形度ごとの成形限界ひずみのプロットと、の垂直距離に重み付けをした二乗和を求め、該求めた二乗和が最小となるように前記成形限界平面又は成形限界曲面を決定することにより前記成形限界面を作成する、ことを特徴とする請求項3記載の金属板の成形限界取得方法。
- 前記成形限界面作成工程において、複数の成形限界平面及び成形限界曲面を組み合わせて前記成形限界面を作成することを特徴とする請求項5又は6に記載の金属板の成形限界取得方法。
- 曲げ変形度を考慮して金属板の成形限界を求める金属板の成形限界取得装置であって、
成形試験部と、成形限界解析部と、成形限界面作成部と、を備え、
前記成形試験部は、
先端部の曲率が異なる複数の球頭パンチを有し、該複数の球頭パンチを用いて、表面に所定の格子又はひずみ解析パターンが付された前記金属板の試験片を種々の曲げ変形度で張出成形する成形金型と、
前記成形金型により前記試験片を張出成形する過程における前記試験片の表面を撮影する撮影装置と、
該撮影装置により撮影した前記試験片表面の画像を解析し、前記曲げ変形度ごとに、前記試験片に生じるひずみを測定するひずみ測定装置と、
前記測定した前記ひずみを、張出成形した前記試験片の曲げ変形度ごとに、成形開始から破断までの時系列順に記憶したひずみデータベースを構築するひずみデータベース構築装置と、を有し、
前記成形限界解析部は、
張出成形された前記試験片の曲げ変形度ごとに、前記試験片の破断発生部近傍のひずみ分布を前記ひずみデータベースから抽出するひずみ分布抽出装置と、
該抽出したひずみ分布から、前記試験片の曲げ変形度ごとに、該試験片の破断発生部における最大主ひずみと最小主ひずみとで表される成形限界ひずみを求める成形限界取得装置と、を有し、
前記成形限界面作成部は、
最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度を三軸とする三次元座標空間に、前記成形限界解析部により前記曲げ変形度ごとに求めた前記成形限界ひずみをプロットする成形限界プロット装置と、
前記三次元座標空間にプロットした前記成形限界に基づいて、最大主ひずみ、最小主ひずみ及び曲げ変形度の関係で表される成形限界面を作成する成形限界面作成装置と、を有することを特徴とする金属板の成形限界取得装置。
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