JP6766365B2 - 金属板の耐曲げ性の評価装置および評価方法 - Google Patents

金属板の耐曲げ性の評価装置および評価方法 Download PDF

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本発明は、金属板の耐曲げ性の評価装置および評価方法に関する。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層は、Zn−Fe金属間化合物により構成されるため、硬く脆いという性質があり、プレス成形時の変形によって表面の亜鉛めっき層が粉末状に剥離する「パウダリング」を生じることがある。
パウダリングによって剥離しためっき粉が成形品に付着することによって、押し込み痕や金型への損傷、塗装時の外観劣化といった様々な問題が発生する。パウダリングは、曲げ変形の場合には曲げ部の曲げ半径、合金化溶融亜鉛めっき層の合金化度や合金化処理温度等に影響されるとされている。このため、例えばパウダリングを生じない限界曲げ半径を事前に求め、めっき鋼板のパウダリング特性(例えばパウダリングを生じない限界曲げ半径(限界曲げパンチR))を、合金化溶融亜鉛めっき層の合金化度や合金化処理温度毎に、事前に評価する必要がある。
特許文献1〜3には、めっき鋼板のパウダリング特性の評価に関する発明が開示されている。パウダリング特性の評価方法としては様々なものがあるが、最も一般的には、特許文献1〜3に記載されるように、V形型曲げ曲げ戻しにより評価される。
また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に限らず、曲げにより剥離するおそれのある靭性に乏しい表層を有する金属板に対して、表層が剥離しない限界曲げ半径を評価する必要がある。ここで、「靭性に乏しい表層を有する」とは、金属板の内部の金属より靭性に乏しい層が前記金属と金属板の表面の間に形成されていることを意味し、例えば合金化溶融亜鉛めっき鋼板の他に合金電気めっき鋼板、Al−Zn溶融めっき鋼板、Zn−Al−Mg溶融めっき鋼板、クロムフリー被膜鋼板等の化成被膜鋼板等が挙げられる。
一方、鋼板の高強度化に伴って、鋼板の延性は低下するため、プレス成形された鋼板には割れ(以下、本明細書では「曲げ割れ」という)が生じ易くなる。曲げ割れが発生すると、プレス成形品の歩留まりが低下する。このため、曲げ割れを生じない限界曲げ半径を事前に求め、鋼板の曲げ割れ性(例えば曲げ割れを生じない限界曲げ半径(限界曲げパンチR))を、鋼板の引張強度毎に事前に評価する必要がある。
鋼板の曲げ割れ性を評価する方法として、一般にV曲げ試験方法が知られる。V曲げ試験方法は、先端に複数の異なる曲げRを有する断面V型の複数のパンチとこれに対向するダイを準備し、これら複数のパンチおよびダイで鋼板をそれぞれ挟み込んでプレス成形を多数回行うことにより、鋼板に曲げ割れが生じない最小曲げ半径を求める方法である。
しかし、V曲げ試験方法を行うには、先端に多数の曲げRを有するパンチおよびダイを準備し、多数の実験を行う必要があり、試験に要するコストおよび工数が嵩む。
特許文献4には、V曲げ試験において鋼板の曲げ限界値をパンチの曲げRとV形ダイスのスパンWの関数として決定する方法が開示され、特許文献5には、金属板の曲げ変形後の曲げ戻し変形時に曲げ内側に発生する曲げ内ワレ評価方法が開示されている。
特開2014−201818号公報 特開2014−238282号公報 特開平11−6827号公報 特開2011−173136号公報 特開2015−47605号公報
図8は、従来のV形型曲げ曲げ戻しによるめっき鋼板のパウダリング特性の評価方法を模式的に示す説明図である。
図8に示すように、V形型曲げ曲げ戻しによる評価方法は、所定のパンチ先端半径を有するパンチ1と所定のダイ底半径を有するダイ2とを用いて試験片(合金化溶融亜鉛めっき鋼板)3にV形型曲げを行い、その後にフラットパンチ4およびフラットダイ5を用いて曲げ戻しを行った後に、試験片3の曲げ内面へのテープ6の貼付および剥離を行い、テープ6の濃淡によりパウダリングの有無を評価する。これを、パンチ先端半径,ダイ底半径が異なる多数の他のパンチ,ダイを用いて試験片3に対して行う。このようにして、パウダリングを生じない限界曲げ半径を求めていた。
このため、試験を行う試験片3の合金化度および合金化処理温度が1条件である場合であっても、複数固の金型を用いる必要であるとともに複数回のV形型曲げ曲げ戻しを行う必要がある。このため、評価試験に要する工数およびコストの増加が避けられなかった。他の曲げにより剥離するおそれのある表層を有する金属板に対して、表層が剥離しない許容される限界曲げ半径を評価する場合も事情は同じである。
また、特許文献4,5により開示された発明においても多数の金型を準備し、多数回の実験を行う必要があり、試験に要するコストおよび工数が嵩む。
本発明は、V形型曲げ曲げ戻しによる例えばめっき金属板のパウダリング性の従来の評価方法や、V形型曲げ試験方法による鋼板の曲げ割れの従来の評価方法が有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、従来の評価方法よりも評価試験に要する工数およびコストの増加を大幅に抑制できる、例えば合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパウダリング特性といった、曲げにより剥離するおそれのある表層を有する金属板や、曲げ割れを生じおそれがある金属板の限界曲げ半径の評価装置および評価方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、
(A)パンチ先端半径,ダイ底半径がいずれも連続的に変化するパンチおよびダイを用いて金属板に曲げ半径を連続的に変化させたV形型曲げ曲げ戻しを行い、金属板の表面に圧縮ひずみを付与して表層の剥離を発生させれば、曲げ半径Rの連続変化に伴う表層剥離の発生から金属板の耐曲げ性を、一回の曲げ成形により適正に評価できること、および
(B)パンチ先端半径,ダイ底半径がいずれも連続的に変化するパンチおよびダイを用いて金属板に曲げ半径を連続的に変化させたV形型曲げを行い、曲げ加工された金属板の稜線の方向へひずみを連続的に変化させれば、曲げ半径Rの連続変化に伴う金属板の曲げ割れを、一回の曲げ成形により適正に評価できることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。本発明は以下に列記の通りである。
(1)パンチおよびダイを備え、金属板に一の方向へのV形型曲げ加工を行うことにより前記金属板の限界曲げ半径を評価する装置であって、
前記パンチの先端の曲げ半径、および前記ダイの底の曲げ半径が、いずれも、前記一の方向と交差する方向へ連続的かつ徐々に変化する、金属板の限界曲げ半径の評価装置。
(2)前記金属板は靭性に乏しい表層を有する金属板であるとともに、前記限界曲げ半径は表層剥離を生じない限界曲げ半径である、1項に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
(3)前記パンチの先端の曲げ半径には、前記金属板の板厚の10倍の箇所がある、2項に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
(4)前記パンチの先端の曲げ半径には、3〜26mmの範囲内の箇所がある、2項に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
(5)前記パンチの先端の曲げ半径には、3mm未満の箇所と26mm超の箇所がある、2項に記載された金属板の限界曲げ半径の評価装置。
(6)前記金属板は合金化溶融亜鉛めっき鋼板である、2〜5項のいずれかに記載の金属板のパウダリング特性の評価装置。
(7)前記金属板は曲げ割れを生じる金属板であるとともに、前記限界曲げ半径は曲げ割れを生じない限界曲げ半径である、1項に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
(8)前記パンチの先端には、該先端の曲げ半径をR(mm)とするとともに前記金属板の板厚をt(mm)とした場合に、R/tが3以下である箇所がある、7項に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
(9)靭性に乏しい表層を有する金属板に曲げ半径が連続的に変化するV形型曲げ加工を行った後に曲げ戻すことにより前記金属板の表面に圧縮ひずみを付与して表層剥離を発生させ、曲げ半径の連続的な変化に伴う表層剥離の発生から、前記金属板の、表層剥離を生じない限界曲げ半径を求める、金属板の限界曲げ半径の評価方法。
(10)曲げ割れを発生する金属板に曲げ半径が連続的に変化するV形型曲げ加工を行うことにより、曲げ加工された金属板の稜線の方向へひずみを断続的に変化させて曲げ割れを発生することにより、前記金属板の、曲げ割れを生じない限界曲げ半径を求める、金属板の限界曲げ半径の評価方法。
(11)曲げ曲げ戻し割れを発生する金属板に、曲げ半径が連続的に変化するV形型曲げ加工を行い、曲げ加工された金属板の稜線の方向へひずみを断続的に変化させた後に、曲げ戻すことによって曲げ曲げ戻し割れを発生させることにより、前記金属板の、曲げ曲げ戻し割れを生じない限界曲げ半径を求める、金属板の限界曲げ半径の評価方法。
(12)前記V形型曲げ加工は、パンチ先端の曲げ半径、およびダイ底の曲げ半径が、いずれも、加工方向と交差する一の方向へ連続的かつ徐々に変化するパンチおよびダイを用いて行う、9〜11項のいずれかに記載の金属板の限界曲げ半径の評価方法。
本発明により、V形型曲げ曲げ戻しによる例えば合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパウダリング特性評価といった、金属板の表層剥離の従来の評価方法よりも評価試験に要する工数およびコストの増加や、V形型曲げによる鋼板の曲げ割れ性評価の試験に要する工数およびコストの増加を、いずれも大幅に抑制できる。
図1は、本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパウダリング特性の評価装置の構成例を示す分解斜視図である。 図2は、曲げ戻し後の合金化溶融亜鉛めっき鋼板にテープを貼付した状態を示す説明図である。 図3は、剥離されたテープの状態を模式的に示す説明図である。 図4は、パウダリング特性の評価において、本発明により測定された限界曲げ半径と、図8に示す従来の方法により測定された限界曲げ半径との関係を示すグラフである。 図5は、曲げ加工された鋼板の形状例を示す説明図である。 図6は、図5におけるA矢視図である。 図7は、曲げ割れ特性の評価において、本発明により測定された限界曲げ半径と、図8に示す従来の方法により測定された限界曲げ半径との関係を示すグラフである。 図8は、従来のV形型曲げ曲げ戻しによるめっき鋼板のパウダリング特性、および曲げ曲げ戻し割れ特性の評価方法を模式的に示す説明図である。なお,曲げ戻しをせずにV曲げ後に割れを評価した場合は曲げ割れ特性の評価方法となる。
添付図面を参照しながら、本発明を説明する。
1.パウダリング特性の評価
以降の説明では、本発明における靭性に乏しい表層を有する金属板が合金化溶融亜鉛めっき鋼板である場合を例にとる。
(1−1)本発明に係る評価装置10
図1は、本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板13のパウダリング特性の評価装置10の構成例を示す分解斜視図である。
図1に示すように、評価装置10は、パンチ11およびダイ12を備える。評価装置10は、パンチ11およびダイ12により、合金化溶融亜鉛めっき鋼板13に一の方向(曲げ加工方向)へのV形型曲げ加工を行う。
パンチ11の先端11aの曲げ半径R1、およびダイ12の底12aの曲げ半径R2が、いずれも、一の方向と交差する方向へ連続的かつ徐々に変化する。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の評価では一桁%のひずみでパウダリング特性の評価がなされることが多い。したがって、パンチ11の先端11aの曲げ半径R1に、例えば5%のひずみを与えるよう、評価対象の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の板厚の10倍の曲げ半径の箇所を設ける必要がある。
具体的には、評価対象の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の板厚は0.3〜2.6mmの範囲であることが多いため、パンチ11の先端11aの曲げ半径R1に3〜26mmの範囲内の箇所があればよい。
パンチ11の先端11aの曲げ半径R1に3mm未満の箇所と26mmより大の箇所があれば、一つの金型でほぼ全ての合金化溶融亜鉛めっき鋼板の評価を行うことができる。
評価装置10は、このようなパンチ11およびダイ12を備えることにより、合金化溶融亜鉛めっき鋼板13の、パウダリングを生じない限界曲げ半径を評価する。
上記以外のパンチ11およびダイ12の構成は、この種のパンチおよびダイとして慣用されるパンチおよびダイと同じでよく、これは当業者には周知であるので、これ以上の説明は省略する。
評価装置10は以上のように構成される。次に、本発明に係る評価方法を説明する。以降の説明では、図1に示す評価装置10を用いる場合を例にとるが、本発明に係る評価方法は評価装置10を用いない場合にも適用される。
(1−2)本発明に係る評価方法
はじめに、図1に示すように、パンチ11およびダイ12を用いて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板13に、曲げ半径が連続的に変化するV形型曲げ加工を行う。
次に、例えば図に示すフラットパンチ4およびフラットダイ5を用いて、V形型曲げ加工された合金化溶融亜鉛めっき鋼板13を平板に曲げ戻す。
V形型曲げによって合金化溶融亜鉛めっき鋼板13の表面に圧縮ひずみが付与され,さらに曲げ戻しにより引張りひずみが付与され,パウダリングを生じない限界曲げ半径よりも曲げ半径が小さい部分にはパウダリングが発生する。
試験片3の曲げ内面へのテープの貼付および剥離を行う。なお,テープの貼付はV形型曲げの前、V形型曲げの後、平板に曲げ戻した後のいずれでもよい。但しテープの剥離は平板に曲げ戻した後である必要がある。
図2は、曲げ戻し後の合金化溶融亜鉛めっき鋼板13にテープ6を貼付した状態を示す説明図である。
図2における符号14は、曲げ半径R1が0mm,曲げ半径R2がtmmであった側を示し、符号15は、曲げ半径R1が20mm,曲げ半径R2が20+tmmであった側を示す。また、直線L1,L2に囲まれた領域はテープの貼付範囲を示し、直線L3は、V形型曲げにより曲げの稜線であった部位を示す。
図3は、剥離されたテープ6の状態を模式的に示す説明図である。
剥離されたテープには、図3に示すように、V形型曲げの曲げ半径の連続的な変化に伴ってめっき粉16の付着量、すなわちパウダリング量が徐々に変化する。このため、曲げ半径R1が0mm,曲げ半径R2がtmmであった側14から、めっき粉が付着していない位置17までの距離Dを測定することにより、合金化溶融亜鉛めっき鋼板13におけるパウダリングを生じない限界曲げ半径を、一回のV形型曲げ曲げ戻しにより、求めることができる。
なお、本発明により測定された限界曲げ半径は、図8に示す従来の方法により測定された限界曲げ半径に一致していた。
このため、本発明によれば、V形型曲げ曲げ戻しによる合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパウダリング性の従来の評価方法よりも評価試験に要する工数およびコストの増加を大幅に抑制できる。
また、板厚が異なる複数種の合金化溶融亜鉛めっき鋼板に評価試験を行う場合には、ダイ12を、評価試験に供される合金化溶融亜鉛めっき鋼板13の板厚に合わせて一の方向(曲げ加工方向)と交差する方向へ移動させてV形型曲げを行うことにより、パンチ11−合金化溶融亜鉛めっき鋼板13−ダイ12に沿った形状にV形型曲げすることができる。すなわち、1セットのパンチ11およびダイ12により様々な板厚の多種の合金化溶融亜鉛めっき鋼板のパウダリング性を評価でき、このような観点からも、評価試験に必要な金型数を削減して評価試験に要するコストを削減できる。
2.曲げ割れ性の評価
(2−1)本発明に係る評価装置10
以降の説明では、本発明における金属板が曲げ割れを生じる可能性がある鋼板(例えば引張強度が300MPa以上の高張力鋼板)13である場合を例にとる。
図1に示す装置10を用いて鋼板13の曲げ割れ性を評価する場合を説明する。
図1に示すように、評価装置10は、パンチ11およびダイ12を備える。評価装置10は、パンチ11およびダイ12により、鋼板13に一の方向(曲げ加工方向)へのV形型曲げ加工を行う。
パンチ11の先端11aの曲げ半径R1、およびダイ12の底12aの曲げ半径R2が、いずれも、一の方向と交差する方向へ連続的かつ徐々に変化する。
鋼板13の曲げ割れ性は、鋼板13の曲げ半径をR(mm)とするとともに鋼板13の板厚をt(mm)とした場合に、比(R/t)との間に相関があり、比(R/t)が3以下であると曲げ割れが生じる可能性が高まるとされる。また,鋼板13の延性が高い場合は2以下で、さらに高い場合は1以下であると割れが生じる可能性が高まる。したがって、パンチ11の先端11aには、比(R/t)が3以下である箇所が存在することが好ましい。
具体的には、評価対象の鋼板13が薄板の場合の板厚は0.3〜3.2mmの範囲であることが多いため、パンチ11の先端11aの曲げ半径R1に0〜10mm程度の範囲内の箇所があればよい。つまり、割れが生じる箇所と生じない箇所ができるように曲げ半径R1を設定すれば良い。
評価対象が薄板の場合はパンチ11の先端11aの曲げ半径R1に0.3mm未満の箇所と3.2mmより大の箇所があれば、一つの金型でほぼ全ての鋼板13の曲げ割れ性を評価することができる。
評価装置10は、このようなパンチ11およびダイ12を備えることにより、鋼板13の、曲げ割れを生じない限界曲げ半径を評価する。
上記以外のパンチ11およびダイ12の構成は、この種のパンチおよびダイとして慣用されるパンチおよびダイと同じでよく、これは当業者には周知であるので、これ以上の説明は省略する。
評価装置10は以上のように構成される。次に、本発明に係る評価方法を説明する。以降の説明では、図1に示す評価装置10を用いる場合を例にとるが、本発明に係る評価方法は評価装置10を用いない場合にも適用される。
(2−2)本発明に係る評価方法
図1に示すように、パンチ11およびダイ12を用いて、鋼板13に、曲げ半径が連続的に変化するV形型曲げ加工を行う。
図5は、曲げ加工された鋼板13の形状例を示す説明図であり、図6は図5におけるA矢視図である。
図5,6に示すように、曲げ加工された鋼板13には、その稜線13aが延びて存在する方向へ、曲げ半径R1が最小の部位(例えばR:0mm)から最大の部位(例えばR:5.0mm)へ向けて、曲げ割れ20が発生する。
このため、図6に示すように、曲げ半径R1が最小の部位から曲げ割れ20の端部までの距離を求めることにより、曲げ割れを生じない限界曲げ半径を求めることができる。
なお、本発明により測定された限界曲げ半径は、図8に示す従来の方法により測定された限界曲げ半径に一致していた。
このため、本発明によれば、V形型曲げによる鋼板の曲げ割れ性の従来の評価方法よりも評価試験に要する工数およびコストの増加を大幅に抑制できる。
また、板厚が異なる複数種の鋼板に評価試験を行う場合には、ダイ12を、評価試験に供される鋼板13の板厚に合わせて一の方向へ移動させてV形型曲げを行うことにより、パンチ11−合金化溶融亜鉛めっき鋼板13−ダイ12に沿った形状にV形型曲げすることができる。すなわち、1セットのパンチ11およびダイ12により様々な板厚の多種の鋼板のパウダリング性を評価でき、このような観点からも、評価試験に必要な金型数を削減して評価試験に要するコストを削減できる。
図1に示す装置10と、図8に示す従来の試験装置をそれぞれ用い、表1に示す5種類の合金化溶融亜鉛めっき鋼板A〜E(引張強度340MPa,板厚0.7mm)、図2,3に示すようにV形型曲げ曲げ戻しによる評価試験を行って、限界曲げ半径を測定した。
Figure 0006766365
図4は、本発明により測定された限界曲げ半径と、図8に示す従来の方法により測定された限界曲げ半径との関係を示すグラフである。
図4のグラフに示すように、本発明により測定された限界曲げ半径は、図8に示す従来の方法により測定された限界曲げ半径に完全に一致しており、本発明の信頼性が確認された。
図1に示す装置10と、図8に示す従来の試験装置をそれぞれ用い、表2に示す5種類の高聴力鋼板A〜E(引張強度1025〜1189MPa,板厚1.0〜2.0mm)に、図1に示すようにV形型曲げによる評価試験を行って、曲げ割れを生じない限界曲げ半径を測定した。なお、この評価試験ではV曲げ後に、曲げ戻しを行わず、V曲げした状態において評価した。
Figure 0006766365
図7は、本発明により測定された限界曲げ半径と、図8に示す従来の方法においてV曲げ後に測定された限界曲げ半径との関係を示すグラフである。
図7のグラフに示すように、本発明により測定された限界曲げ半径は、図8に示す従来の方法により測定された限界曲げ半径に完全に一致しており、本発明の信頼性が確認された。
10 本発明に係る評価装置
11 パンチ
11a 先端
12 ダイ
12a ダイ
13 合金化溶融亜鉛めっき鋼板

Claims (11)

  1. パンチおよびダイを備え、金属板に一の方向(曲げ加工方向)へのV形型曲げ加工を行うことにより前記金属板の限界曲げ半径を評価する装置であって、
    前記パンチの先端の曲げ半径、および前記ダイの底の曲げ半径が、いずれも、前記一の方向と交差する方向へ連続的かつ徐々に変化しており、
    前記ダイは、前記金属板に対し相対的に、前記一の方向と交差する方向に移動可能である、金属板の限界曲げ半径の評価装置。
  2. 前記金属板は靭性に乏しい表層を有する金属板であるとともに、前記限界曲げ半径は表層剥離を生じない限界曲げ半径である、請求項1に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
  3. 前記パンチの先端の曲げ半径には、前記金属板の板厚の10倍の箇所がある、請求項2に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
  4. 前記パンチの先端の曲げ半径には、3〜26mmの範囲内の箇所がある、請求項2に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
  5. 前記パンチの先端の曲げ半径には、3mm未満の箇所と26mm超の箇所がある、請求項2に記載された金属板の限界曲げ半径の評価装置。
  6. 前記金属板は合金化溶融亜鉛めっき鋼板である、請求項2〜5のいずれかに記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
  7. 前記金属板は曲げ割れを生じる金属板であるとともに、前記限界曲げ半径は曲げ割れを生じない限界曲げ半径である、請求項1に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
  8. 前記パンチの先端には、該先端の曲げ半径をR(mm)とするとともに前記金属板の板厚をt(mm)とした場合に、R/tが3以下である箇所がある、請求項7に記載の金属板の限界曲げ半径の評価装置。
  9. 請求項2から請求項5のいずれか一つに記載の前記評価装置を用いた金属板の限界曲げ半径の評価方法であって、
    靭性に乏しい表層を有する金属板に曲げ半径が連続的に変化するV形型曲げ加工を行った後に曲げ戻すことにより前記金属板の表面に圧縮ひずみを付与して表層剥離を発生させ、曲げ半径の連続的な変化に伴う表層剥離の発生から、前記金属板の、表層剥離を生じない限界曲げ半径を求める、金属板の限界曲げ半径の評価方法。
  10. 請求項7または請求項8に記載の前記評価装置を用いた金属板の限界曲げ半径の評価方法であって、
    曲げ割れを発生する金属板に曲げ半径が連続的に変化するV形型曲げ加工を行うことにより、曲げ加工された金属板の稜線の方向へひずみを連続的に変化させて曲げ割れを発生することにより、前記金属板の、曲げ割れを生じない限界曲げ半径を求める、金属板の限界曲げ半径の評価方法。
  11. 請求項7または請求項8に記載の前記評価装置を用いた金属板の限界曲げ半径の評価方法であって、
    曲げ曲げ戻し割れを発生する金属板に、曲げ半径が連続的に変化するV形型曲げ加工を行い、曲げ加工された金属板の稜線の方向へひずみを連続的に変化させた後に、曲げ戻すことによって曲げ曲げ戻し割れを発生させることにより、前記金属板の、曲げ曲げ戻し割れを生じない限界曲げ半径を求める、金属板の限界曲げ半径の評価方法。
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