JP2024006008A - 耐火遮音構造及びその作製方法 - Google Patents

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英憲 宮田
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Abstract

【課題】両面張りタイプの間仕切壁の採用が困難な状況下において、片面張りタイプの間仕切壁により所望の耐火性及び遮音性を容易に確保できる耐火遮音構造を提供する。【解決手段】実施の形態による耐火遮音構造100は、建築物1の一部を構成する構造物である内柱7と、内柱7の近傍に設置される間仕切壁としての第1壁部分11と、を備える。第1壁部分11によって仕切られる内柱7側とは反対側の空間Sにおける第1壁部分11の近傍には、建築物の一部を構成する他の構造物は設けられない。そして、第1壁部分11は、間仕切壁の内柱7側の端を形成する下地部分11Bと、内柱7側を向く下地部分11Bの面よりも内柱7から離れた位置で下地部分11Bに保持される面材22及び遮音材23と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、耐火遮音構造及びその作製方法に関する。
建築物の天井躯体(天井スラブ)に支持される上側ランナーと、建築物の床躯体(床スラブ)に支持される下側ランナーと、上側ランナーと下側ランナーとの間で支持され水平方向に間隔を空けて並ぶ複数のスタッドと、複数のスタッドに跨がる状態で支持される壁面部材とを有する間仕切壁が従来から知られている。以下では、上側ランナー、下側ランナー及び複数のスタッドで構成される部分のことを下地部分と呼ぶ場合がある。
間仕切壁は、片面張りタイプと、両面張りタイプと、に大別される。片面張りタイプでは、下地部分の片側のみに壁面部材が支持される。両面張りタイプでは、下地部分の両側に壁面部材が支持される。
例えば、建築物には、スタッドの設置位置の両側の空間のうちの一方の空間は、壁面部材の設置に関して何ら困難性を伴わないが、他方の空間は、壁面部材の設置に関して困難性を伴う部位が存在する。このような部位で間仕切壁を作製する場合には、両面張りタイプの間仕切壁の採用が困難なため、片面張りタイプの間仕切壁が採用されることがある。
より具体的には、エレベータシャフトの周囲に間仕切壁を作製する場合や、ダクトシャフトの周囲に間仕切壁を作製する場合には、片面張りタイプの間仕切壁を採用することが多い。すなわち、エレベータシャフト又はダクトシャフト(以下、シャフトと略す)の周囲に間仕切壁を作製する場合、シャフトの内側には床が存在しないため、シャフト内側からの間仕切壁の作製が困難となる。そこで、片面張りタイプの間仕切壁を採用し、シャフト内側とは反対側のシャフト周囲から片面張りタイプの間仕切壁を作製することが多い。なお、シャフト内側に足場を設けて足場から作業を行ってもよいが、この場合には足場の設置に手間がかかる。
片面張りタイプの間仕切壁ではスタッドなどの下地部分が露出するため、一般に、両面張りタイプよりも耐火性や遮音性を確保し難い。片面張りタイプの間仕切壁において耐火性を向上させるための技術としては、例えば特許文献1に開示される技術が従来から知られている。
特開2002-369891号公報
特許文献1に開示される技術は、エレベータシャフト、ダクトシャフト、配管シャフトといった竪穴の周囲に間仕切壁を作製するための技術である。本件発明者は、竪穴を形成する部位を仕切る場合及びその他の部位を仕切る場合を含め、片面張りタイプの間仕切壁をより有効に活用できる手法について鋭意研究を行った。そして、本件発明者は、片面張りタイプの間仕切壁の有効活用により、良好な耐火性及び遮音性を容易に確保できる仕切り構造の提供手法を見出すに至った。
本発明は、両面張りタイプの間仕切壁の採用が困難な状況下において、片面張りタイプの間仕切壁により所望の耐火性及び遮音性を容易に確保できる耐火遮音構造を提供することを目的とする。
本発明にかかる耐火遮音構造は、建築物の一部を構成する構造物と、前記構造物の近傍に設置される間仕切壁と、を備え、前記間仕切壁によって仕切られる前記構造物側とは反対側の空間における前記間仕切壁の近傍には、前記建築物の一部を構成する他の構造物は設けられず、前記間仕切壁は、前記間仕切壁の前記構造物側の端を形成する下地部分と、前記構造物側を向く前記下地部分の面よりも前記構造物から離れた位置で前記下地部分に保持される面材及び遮音材と、を有する、耐火遮音構造である。
この耐火遮音構造では、間仕切壁の設置位置の近傍に位置する構造物の存在により、構造物側からの間仕切壁の作製が困難になり得るが、間仕切壁の設置位置の構造物側とは反対側の空間における間仕切壁の設置位置近傍には他の構造物が存在しないため、間仕切壁の作製に制約が生じない。そして、間仕切壁の構造物側の端を形成する下地部分に保持される面材及び遮音材は、構造物側を向く下地部分の面よりも構造物から離れた位置で下地部分に保持される。これにより、面材及び遮音材を、構造物側とは反対側から容易に且つ種別、厚さ、数などについて選択自由度高く、下地部分に設けることが可能となる。
したがって、両面張りタイプの間仕切壁の採用が困難な状況下において、片面張りタイプの間仕切壁により所望の耐火性及び遮音性を容易に確保できる。
前記間仕切壁は、その少なくとも一部から前記構造物までの距離が600mm未満となるように設置されてもよい。
この場合、構造物側から間仕切壁を作製する際の作業性が著しく低下するか又は不可能となる状況において、片面張りタイプの間仕切壁により耐火遮音構造における所望の耐火性及び遮音性を容易に確保できる。詳しくは、例えば面材にスクリューネジを通すための電動式の工具を手で把持して作業する場合、工具から肘までの距離は、通常500mm以上となり得るため、構造物と間仕切壁との距離が600mm未満である場合には、構造物側から間仕切壁を作製する際の作業性が著しく低下するか又は不可能となる。これに対して、本発明に係る耐火遮音構造では、片面張りタイプの有効活用により間仕切壁を容易に作製でき、そして耐火遮音構造における所望の耐火性及び遮音性を容易に確保できる。
前記下地部分は、間隔を空けて並ぶように設置される複数のスタッドを有し、前記遮音材は、前記間仕切壁の厚さ方向における前記スタッドの両端間に配置されてもよい。
この場合、厚さを増加させることなく遮音性を確保できるため、スペース確保の点で有利となる。
前記間仕切壁は複数の前記面材を有し、各前記面材は石膏ボードであり、複数の前記面材は、前記間仕切壁の厚さ方向に並んでもよい。
この場合、作業負荷を抑制しつつ面材を多層的に設けることが可能となり、間仕切壁の耐火性を容易に向上させることができる。
前記間仕切壁は、前記構造物側を向く前記面材の面とは反対側の面と隣り合う中間下地部分と、前記構造物側を向く前記中間下地部分の面とは反対側の面に保持される他の面材と、をさらに有してもよい。
この場合、中間下地部分が形成する又は占有する空間を有効に活用して、耐火遮音構造の機能性を向上できる。例えば中間下地部分で熱伝導性を低下させることができ、遮熱性を向上させることができる。
以上のような耐火遮音構造において、前記構造物は、柱又は梁でもよい。
また、本発明にかかる耐火遮音構造の作製方法は、建築物の一部を構成する構造物の近傍に設置される間仕切壁によって空間を仕切る耐火遮音構造の作製方法であって、前記間仕切壁の前記構造物側の端を形成する下地部分を形成する工程と、前記下地部分に、前記構造物側とは反対側から面材及び遮音材を保持する工程と、を備え、前記面材及び前記遮音材を、前記構造物側を向く前記下地部分の面よりも前記構造物から離れた位置に設け、前記下地部分、前記面材及び前記遮音材により前記間仕切壁を形成する、耐火遮音構造の作製方法である。
この作製方法では、間仕切壁の設置位置の近傍に位置する構造物の存在により、構造物側からの間仕切壁の作製が困難になり得るが、間仕切壁の設置位置の構造物側とは反対側の空間における間仕切壁の設置位置近傍には他の構造物が存在しないため間仕切壁の作製に制約が生じない。そして、構造物側の反対側から、間仕切壁の構造物側の端を形成する下地部分を形成し、面材及び遮音材を下地部分に保持できる。これにより、面材及び遮音材を、構造物側とは反対側から容易に且つ種別、厚さ、数などについて選択自由度高く、下地部分に設けることが可能となる。
したがって、両面張りタイプの間仕切壁の採用が困難な状況下において、片面張りタイプの間仕切壁により所望の耐火性及び遮音性を容易に確保できる耐火遮音構造を作製できる。
本発明によれば、両面張りタイプの間仕切壁の採用が困難な状況下において、片面張りタイプの間仕切壁により所望の耐火性及び遮音性を容易に確保できる。
本発明の一実施の形態にかかる耐火遮音構造を含む建築物の横断面図である。 図1の領域Aの拡大図である。 図2のIII-III線に沿う断面図である。 図1に示す一実施の形態にかかる耐火遮音構造の作製方法を説明する図である。 他の実施の形態にかかる耐火遮音構造の一部を示す図である。 図1及び図5に示す耐火遮音構造を構成する間仕切壁の変形例を示す図である。 図1及び図5に示す耐火遮音構造を構成する間仕切壁のさらに他の変形例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、一実施の形態にかかる耐火遮音構造100を含む建築物1の横断面図である。建築物1は、一例として複数の部屋Rを含む建築物である。図1における二点鎖線DLで囲む範囲は、複数の部屋Rを含む室内区画10を示す。本実施の形態にかかる耐火遮音構造100は、室内区画10の一部を構成している。
建築物1は、窓枠などが形成された外壁2を備える。室内区画10は、外壁2と対向するように位置する内側間仕切壁3と、内側間仕切壁3の水平方向における一方の端部側から外壁2まで延びる第1側方間仕切壁4と、内側間仕切壁3の水平方向における他方の端部側から外壁2まで延びる第2側方間仕切壁5と、外壁2に一体化された建築物1の一部である外柱6と、内側間仕切壁3の近傍に位置する建築物1の一部である内柱7と、を備える。
言い換えると、室内区画10は、一例として、内側間仕切壁3と、第1側方間仕切壁4と、第2側方間仕切壁5と、外柱6と、内柱7と、を含む範囲の部分である。
室内区画10は、内側間仕切壁3、第1側方間仕切壁4、第2側方間仕切壁5、及び外壁2の一部により、部屋Rを形成するための空間Sを形成する。本実施の形態では、空間Sに配置される横断間仕切壁8により、空間Sが2つの部屋Rに区画されている。
外柱6は、外壁2における空間S側の部分で外壁2に一体化され、上下方向に延びる。内柱7は、内側間仕切壁3の空間S側とは反対側の空間及び床に位置し、上下方向に延びる。外柱6及び内柱7は本実施の形態において鉄骨の柱であるが、木製の柱でもよい。外柱6及び内柱7の横断面は矩形であるが、特に限られず円形などもよい。
横断間仕切壁8は、水平方向の一端部で内側間仕切壁3に接するとともに、水平方向の他端部で外柱6に接する。なお、横断間仕切壁8は無くてもよい。また、さらに他の横断間仕切壁を設けることにより、空間Sは3以上の部屋に区画されてもよい。
第1側方間仕切壁4、第2側方間仕切壁5及び横断間仕切壁8は、下地部分、面材などで構成される間仕切壁であり、片面張りタイプの間仕切壁で構成されてもよいし、両面張りタイプの間仕切壁で構成されてもよい。
一方で、内側間仕切壁3は、片面張りタイプの間仕切壁で構成される。図2は、図1の領域Aの拡大図であって、内側間仕切壁3を拡大して示す。図3は、図2のIII-III線に沿う断面図であって、内側間仕切壁3の縦断面を示す。以下、内側間仕切壁3について詳述する。
内側間仕切壁3は、図1に示すように第1壁部分11と、一対の第2壁部分12と、一対の第3壁部分13と、を有する。図2に示すように、一対の第2壁部分12のうちの一方は、第1壁部分11の水平方向における一方の端部に接している。同様に、一対の第2壁部分12のうちの他方は、第1壁部分11の水平方向における他方の端部に接している。ここで、第1壁部分11と第2壁部分12はジグザグ状の界面を形成するように接している。このような第1壁部分11と第2壁部分12との当接状態の詳細は後述する。図示省略するが、一対の第3壁部分13のうちの一方は、一対の第2壁部分12のうちの一方に接し、一対の第3壁部分13のうちの他方は、一対の第2壁部分12のうちの他方に接している。
本実施の形態では、内側間仕切壁3と内柱7とが、耐火遮音構造100を構成している。ここで、本明細書でいう耐火遮音構造という用語における「耐火」の意味は、内側間仕切壁3が耐火性能を有することを意味する。具体的には、内側間仕切壁3は、建築基準法で定める1時間耐火構造以上を満たす耐火性能を有してもよい。正確には、内側間仕切壁3を構成する第1壁部分11、第2壁部分12、及び第3壁部分13のそれぞれが、1時間耐火構造以上を満たす耐火性能を有してもよい。本実施の形態では、第1壁部分11、第2壁部分12、及び第3壁部分13のそれぞれが、1時間耐火構造を満たす耐火性能を有している。1時間耐火構造は、ISO834に準拠する防耐火性能試験の評価において所定の基準を満たす場合に認定される。
また、本明細書でいう耐火遮音構造という用語における「遮音」は、内側間仕切壁3が遮音性能を有することを意味する。具体的には、内側間仕切壁3は、TL値が40以上となる遮音性能を有してもよい。正確には、内側間仕切壁3を構成する後述の第1壁部分11、第2壁部分12、及び第3壁部分13のそれぞれが、TL値が40以上となる遮音性能を有してもよい。本実施の形態では、第1壁部分11、第2壁部分12、及び第3壁部分13のそれぞれが、TL値が40以上となる遮音性能を有する。第1壁部分11、第2壁部分12、及び第3壁部分13のそれぞれは、構造によるが、好ましく45以上、より好ましくは50以上のTL値を有することが好ましい。TL値(D-Number of Sound Transmission Loss)は、JIS A 1416(ISO0140-3)に規定された測定方法に従って測定された音響透過損失の測定結果を間仕切壁の遮音効果又は遮音性能として示す数値である。
平面視において、一方の第2壁部分12は、第1壁部分11の水平方向における一方の端部から折れ曲がるように延び、他方の第2壁部分12は、第1壁部分11の水平方向における他方の端部から折れ曲がるように延びる。本実施の形態では、第1壁部分11が、一対の第2壁部分12のそれぞれと直角をなすように接続され、第1壁部分11と一対の第2壁部分12とがコ字形状をなす。ただし、このような第1壁部分11と第2壁部分12との接続態様は特に限られるものではない。
図1に示すように、一対の第3壁部分13の一方は、一対の第2壁部分12のうちの一方の第1壁部分11側の端部とは反対側の端部に接している。一対の第3壁部分13のうちの他方は、一対の第2壁部分12のうちの他方の第1壁部分11側の端部とは反対側の端部に接している。
一対の第3壁部分13はそれぞれ、第2壁部分12から折れ曲がるように延びる。なお、図示の例では、第3壁部分13の第2壁部分12側とは反対の側の端部が戸先に対応するドア枠の一部を構成している。内側間仕切壁3の形状は特に限られるものではないが、その少なくとも一部は内柱7の近傍に位置する。本実施の形態では、内側間仕切壁3のうちの第1壁部分11及び第2壁部分12が内柱7の近傍に位置している。
第1壁部分11は、外壁2と対向するように位置し且つ内柱7の近傍に設置されている。第1壁部分11は内柱7に接していないが、接してもよい。図2及び図3における符号D1は、第1壁部分11の厚さ方向に沿う方向又は厚さ方向の延長方向での第1壁部分11と内柱7との間の距離を示している。距離D1は、図示の例で約200mmである。そのため、作業者は、第1壁部分11と内柱7との間で第1壁部分11の作製作業を行うことが困難である。
特に図示の例では、第1壁部分11の厚さ方向に直交する第1方向(図示の水平方向)での内柱7の寸法Wが約350mmである。また、内柱7は床から天井に跨がって上下方向に延びる。そのため、第1壁部分11の厚さ方向及び第1方向に直交する第2方向(図示の垂直方向)での内柱7の床から天井までの寸法は、例えば2500mm以上である。そのため、内柱7が位置する側から第1壁部分11における内柱7と対向する部分にスクリュービスやステープル等の締結部材を複数設ける作業が特に困難となる。
より具体的には、間仕切壁では、耐火性向上のために300mm以下や200mm以下の間隔で並んで面材を貫通する複数の締結部材により、面材を下地部分に保持することが求められる場合がある。上述のように内柱7の水平方向での寸法Wが350mm以上で且つ垂直方向での寸法が2500mm以上であると、内柱7が位置する側から第1壁部分11における内柱7と対向する部分に300mm以下や200mm以下の間隔で複数の締結部材を設けることは極めて困難である。
また、間仕切壁における面材を重ねて保持する場合には、200mm~230mm以下の間隔で並ぶ複数の締結部材を互いに重なり合う2つの面材に通し、2つの面材を互いに固定することが求められる場合がある。このような締結部材の設置も、内柱7が位置する側からでは極めて困難である。なお、200mm程度の間隔での締結部材の設置は、間仕切壁に近接する構造物の水平方向での寸法Wが200mm以上で且つ垂直方向での寸法が200mm以上となる場合から困難になると言える。
一方で、図1に示す横断間仕切壁8は、内側間仕切壁3の作製後に設置されるため、内側間仕切壁3の作製前の状態では、空間S側には、第1壁部分11の近傍に作業員の作業に制約を与える構造物は存在しない。したがって、本実施の形態では、第1壁部分11が、空間S側から面材22などの設置を進める片面張りタイプの間仕切壁で構成されている。
なお、本実施の形態で言う第1壁部分11の近傍とは、第1壁部分11の厚さ方向に沿う方向での第1壁部分11からの距離が600mm未満となる範囲のことを意味する。また、内柱7の近傍とは、内柱7からの距離が600mm未満の範囲のことを意味する。本実施の形態では、内側間仕切壁3が構造物である内柱7の近傍に設置される。内側間仕切壁3が内柱7の近傍に設置される状態とは、内側間仕切壁3の少なくとも一部が構造物である内柱7の近傍に位置するように、内側間仕切壁3が設置されることを意味する。そして、内側間仕切壁3の少なくとも一部が構造物である内柱7の近傍に位置する状態とは、内側間仕切壁3の少なくとも一部から内柱7までの距離が600mm未満の状態にあることを意味する。本実施の形態では、具体的には、内側間仕切壁3の一部である第1壁部分11及び第2壁部分12それぞれからの内柱7までの距離が600mm未満になっている。
第1壁部分11について詳述すると、図2に示すように、第1壁部分11は、複数のスタッド21と、複数の面材22と、遮音材23と、を有する。スタッド21は、本実施の形態において下地部分11Bの一部を構成する部材である。
下地部分11Bは、第1壁部分11(間仕切壁)の厚さ方向での内柱7側の端を形成する部位であり、本実施の形態では、上側ランナーと、下側ランナーと、それぞれ上側ランナーと下側ランナーとに保持されて垂直方向に延びる複数のスタッド21と、で構成される。複数のスタッド21は、上側ランナーと下側ランナーとに保持されて水平方向に並ぶ。
スタッド21は、金属製の板材(例えば、板厚0.4mmの溶融亜鉛メッキ鋼板)が略コの字型に加工されてなる部材である。スタッド21は、全体的には、垂直方向(上下方向)に沿って延びた長手状をなしている。スタッド21は矩形断面の角スタッド等でもよい。
複数の面材22及び遮音材23は、内柱7側を向く下地部分11Bの面よりも内柱7から離れた位置で下地部分11Bに保持されている。複数の面材22はそれぞれ板状部材であり、本実施の形態では石膏ボードからなる。石膏ボードである面材22は、石膏の他に、ガラス繊維等の無機繊維及び無機骨材のうちの少なくともいずれかを含むことにより、耐火性能を向上させてもよい。面材22の材質は、耐火性の確保のために不燃性の材料であることが好ましいが、特に限られるものではない。面材22は、例えばケイ酸カルシウム板などでもよい。
面材22の厚さは、図示の例では9.5mmである。後述するように面材22は4層で重ねられる。この場合、重なった面材22の厚さは38mmとなり、良好な耐火性を確保できる。ただし、面材22の厚さは特に限られない。例えば、石膏ボードである面材22の厚さは21mm以上27mm以下でもよく、この場合、2層で重ねられれば、4層で38mmの厚さを確保する場合と同等以上の耐火性を確保できる。
図2に示すように、面材22は、第1壁部分11の厚さ方向で4層(第1層L1~第4層L4)で並び、詳しくは、4層で重ねられている。各層L1~L4における面材22の個数は、1枚でもよいし、複数枚でもよい。各層L1~L4における面材22の個数が複数枚である場合、複数の面材22が各層で平面状に配列されて面構造物を構成する。本実施の形態では、各層L1~L4における面材22の個数が複数枚であり、各層L1~L4において、複数の面材22が複数のスタッド21の全体を覆うように配列される。そして、厚さ方向では、第1層L1~第4層L4の順で面材22が空間S側からの作業で順次重ねられている。
第1層L1の面材22は、スタッド21における内柱7側の面とは反対側の面に締結部材としての複数のスクリューネジ24を介して固定されている。複数のスクリューネジ24は、空間S側から第1層L1における面材22及びスタッド21を貫通し、面材22とスタッド21とに跨がる。図2に示す拡大領域A1には、第1層L1の面材22における内柱7と対向する部分で面材22を貫通するスクリューネジ24が示されている。拡大領域A1に示されるスクリューネジ24は、内柱7と対向する位置に設けられるが、空間S側からの作業により容易に面材22に設けられる。
また、第2層L2における面材22は、第1層L1における面材22に接着剤で接着されるとともに、締結部材としての複数のステープル25により第1層L1における面材22に固定される。第3層L3における面材22も、第2層L2における面材22に接着剤で接着されるとともに、複数のステープル25により第2層L2における面材22に固定される。第4層L4における面材22も、第3層L3における面材22に接着剤で接着されるとともに、複数のステープル25により第3層L3における面材22に固定される。
図2に示す拡大領域A2には、第2層L2の面材22における内柱7と対向する部分で面材22を貫通するステープル25と、第3層L3の面材22における内柱7と対向する部分で面材22を貫通するステープル25とが示されている。拡大領域A2に示されるステープル25は、内柱7と対向する位置に設けられるが、空間S側からの作業により容易に面材22に設けられる。
また、上述したように第1壁部分11と第2壁部分12とはジグザグ状の界面を形成するように接する。このような界面を形成するために、本実施の形態では、第1層L1~第4層L4の端部が、面一でなく階段状にずらされることにより、第1壁部分11の端部が階段状に形成される。具体的には、第2層L2の端部を形成する面材22の端部は、第1層L1の端部を形成する面材22の端部よりも延び出し、第3層L3の端部を形成する面材22の端部は、第2層L2の端部を形成する面材22の端部よりも延び出し、第4層L4の端部を形成する面材22の端部は、第3層L3の端部を形成する面材22の端部よりも延び出す。これにより、第1壁部分11の端部が階段状をなす。第2壁部分12の端部も、第1壁部分11と同様の手法で階段状に形成される。これにより、第1壁部分11と第2壁部分12はジグザグ状の界面で接する。この場合、第1壁部分11と第2壁部分12との界面から空気が抜け難く、且つ熱が抜け難くなるため、耐火性能及び遮音性能の両方で有利になる。
遮音材23は、隣り合うスタッド21の間を埋めるように設けられるとともに、スタッド21の第1壁部分11の厚さ方向におけるスタッド21の両端間に配置される。遮音材23の材質は、ロックウール、ガラスウール、ウレタン樹脂などでもよい。遮音材23は例えばパネル状であり、隣り合うスタッド21の間に嵌め込まれるようにして設けられてもよい。耐火性の観点では、遮音材23の材質は、ロックウール又はガラスウールであることが好ましい。遮音材23も、空間S側からの作業により、容易に隣り合うスタッド21の間に設けられる。
また、第2壁部分12も第1壁部分11と同様に内柱7の近傍に設置されている。図2における符号D2は、第2壁部分12の厚さ方向に沿う方向での第2壁部分12と内柱7との間の距離を示している。距離D2は600mm未満であり、図示の例で約580mmである。そのため、作業者は、第2壁部分12と内柱7との間で第2壁部分12の作製作業を行うことが困難である。すなわち、本実施の形態では、折れ曲がるようにして接続される第1壁部分11と第2壁部分12の両方が内柱7の近傍に設けられ、これらの内柱7側からの作製が困難となっている。
一方で、空間S側には、第2壁部分12の近傍には作業員の作業に制約を与える構造物は存在しない。したがって、本実施の形態では、第2壁部分12も、空間S側から面材22などの設置を進める片面張りタイプの間仕切壁になっている。第2壁部分12の構造は第1壁部分11と同様であり、第2壁部分12も、複数のスタッド21と、複数の面材22と、遮音材23とを有する。
図示省略するが、第3壁部分13も片面張りタイプの間仕切壁になっている。本実施の形態では、第3壁部分13で仕切られる空間Sと、その反対側の空間との両方において、第3壁部分13の近傍には第3壁部分13の作製作業に制約を与える構造物は存在しない。したがって、第3壁部分13は、両面張りタイプの間仕切壁でもよい。ただし、第3壁部分13は、第2壁部分12と厚さを揃えて第2壁部分12との接続態様を容易化するために第2壁部分12と同様の片面張りタイプの間仕切壁で構成されている。
以上のような内側間仕切壁3は、第1壁部分11及び第2壁部分12により、居住空間である空間S側とその反対側の非居住空間とを仕切る。詳しくは、図示例では第1壁部分11、一対の第2壁部分12、及び一対の第2壁部分12の第1壁部分11側とは反対側の端部を結ぶ仮想線で仕切られる矩形状の空間が非居住空間である。仮想線は内柱7に交差せず、この非居住空間に内柱7が位置する。したがって、一対の第2壁部分12に跨がる壁を設ければ、内柱7を隠すことができる。当該非居住空間には計器、配線、配管、備品などを設けてもよい。特に第1壁部分11と内柱7との間に計器、配線、配管、備品などを設ければ、デッドスペースを有効活用できる。
次に、図4を用いて上述の耐火遮音構造100の作製方法の一例について説明する。以下では、内側間仕切壁3における第2壁部分12を作製した後、第1壁部分11を作製する例を説明する。第2壁部分12の第1壁部分11に接する端部は、階段状に形成される。第2壁部分12は、4層で重なる面材22を含む。図2も参照し、第2壁部分12の端部を構成する1層目の面材22は、第2壁部分12を構成するスタッド21に固定される。第2壁部分12の端部を構成する2層目の面材22は、その端部が第2壁部分12の端部を構成する1層目の面材22の端部よりも延び出すように設置される。第2壁部分12の端部を構成する3層目の面材22は、その端部が第2壁部分12の端部を構成する2層目の面材22の端部よりも延び出すように設置される。第2壁部分12の端部を構成する4層目の面材22は、その端部が第2壁部分12の端部を構成する3層目の面材22の端部よりも延び出すように設置される。
そして、第1壁部分11の作製では、図4(A)に示すように、まず、第1壁部分11の内柱7側の端を形成する下地部分11Bを形成する。詳しくは、長手状のスタッド21が垂直方向に沿って延びるように、図示しない上側ランナーにスタッド21の一端を固定するとともに、図示しない下側ランナーにスタッド21の他端を固定する。そして、複数のスタッド21が水平方向に並ぶように、複数のスタッド21を上側ランナーと下側ランナーとに固定する作業を繰り返し行う。
その後、図4(B)に示すように、隣り合うスタッド21の間に遮音材23を設ける。遮音材23は、第1壁部分11の厚さ方向におけるスタッド21の両端間に配置される。遮音材23の設置は空間S側から行われるため、容易に隣り合うスタッド21の間に設けられる。
その後、図4(C)に示すように、面材22をスタッド21にスクリューネジ24を介して固定する。スクリューネジ24は、面材22及びスタッド21を貫通する。スクリューネジ24は、各スタッド21に沿って垂直方向に並ぶ面材22における複数の箇所からスタッド21に向けて設けられる。スクリューネジ24は、電動式のドライバーで設けられてもよい。スタッド21に固定された面材22は、第1層L1の面構造物を構成する。
その後、図4(D)に示すように、第2層L2を構成する面材22を、第1層L1を構成する面材22に接着剤及びステープル25を介して固定する。ステープル25は、第2層L2を構成する面材22を貫通して、第1層L1を構成する面材22に至る。ステープル25は、垂直方向及び水平方向のそれぞれで間隔を空けて複数個設けられる。ステープル25は、電動式の工具で設けられてもよい。その後、第3層L3を構成する面材22が、第2層L2を構成する面材22に接着剤及びステープル25を介して固定される。その後、第4層L4を構成する面材22が、第3層L3を構成する面材22に接着剤及びステープル25を介して固定される。
上述の作業過程において、スタッド21の設置作業、スタッド21への面材22の固定作業、及び面材22を重ねて固定する作業はすべて、空間S側から行われる。そのため、作業スペースの制約がない。これにより、各作業を容易に行うことができる。
以上に説明した耐火遮音構造100は、建築物1の一部を構成する構造物である内柱7と、内柱7の近傍に設置される間仕切壁としての第1壁部分11と、を備える。そして、第1壁部分11によって仕切られる内柱7側とは反対側の空間Sにおける第1壁部分11の近傍には、建築物の一部を構成する他の構造物は設けられない。そして、第1壁部分11は、間仕切壁の内柱7側の端を形成する下地部分11Bと、内柱7側を向く下地部分11Bの面よりも内柱7から離れた位置で下地部分11Bに保持される面材22及び遮音材23と、を有する。
このような耐火遮音構造100では、第1壁部分11の設置位置の近傍に位置する内柱7の存在により、内柱7側からの第1壁部分11の作製が困難になり得るが、第1壁部分11の設置位置の内柱7側とは反対側の空間Sにおける第1壁部分11の設置位置近傍には他の構造物が存在しないため、第1壁部分11の作製に制約が生じない。そして、第1壁部分11の内柱7側の端を形成する下地部分11Bに保持される面材22及び遮音材23は、内柱7側を向く下地部分11Bの面よりも内柱7から離れた位置で下地部分11Bに保持される。これにより、面材22及び遮音材23を、内柱7側とは反対側の空間S側から容易に且つ種別、厚さ、数などについて選択自由度高く、下地部分11Bに設けることが可能となる。
したがって、本実施の形態に係る耐火遮音構造100では、両面張りタイプの間仕切壁の採用が困難な状況下において、片面張りタイプの間仕切壁により所望の耐火性及び遮音性を容易に確保できる。具体的には、耐火遮音構造100では第1壁部分11が4枚の面材22を重ねた構造を備え且つ遮音材23を備え、これらの設置に過度な手間がかかっていない。これにより、耐火遮音構造100において所望の耐火性及び遮音性が容易に確保されている。
以下、上述の実施の形態とは他の実施の形態及び変形例について説明する。以下に説明する他の実施の形態及び変形例における上述の実施の形態と同様の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図5は、他の実施の形態にかかる耐火遮音構造の一部を示す図である。本実施の形態にかかる耐火遮音構造は、間仕切壁9と、建築物の一部としての梁30とを備える。間仕切壁9によって仕切られる梁30側とは反対側の空間における間仕切壁9の近傍には、建築物の一部を構成する他の構造物は設けられていない。そして、間仕切壁9は、上述の第1壁部分11と同様の構造であり、下地部分11Bと、梁30側を向く下地部分11Bの面よりも梁30から離れた位置で下地部分11Bに保持される面材22及び遮音材23と、を有する。
図5に示す実施の形態では、面材22及び遮音材23を、間仕切壁9に対して梁30側とは反対側の空間側から容易に且つ種別、厚さ、数などについて選択自由度高く、下地部分11Bに設けることが可能となる。これにより、両面張りタイプの間仕切壁の採用が困難な状況下において、片面張りタイプの間仕切壁9により所望の耐火性及び遮音性を容易に確保できる。具体的には本例でも、間仕切壁9が4枚の面材22を重ねた構造を備え且つ遮音材23を備え、これらの設置に過度な手間がかかっていない。これにより、耐火遮音構造において所望の耐火性及び遮音性が容易に確保されている。
図1で示した実施の形態では建築物の一部が内柱7であり、図5で示した実施の形態では建築物の一部が梁30であるが、本発明において間仕切壁の近傍に位置する建築物の一部は、柱及び梁と異なるものでもよい。
図6(A)及び図6(B)は、図1及び図5に示す耐火遮音構造を構成する間仕切壁(第1壁部分11及び間仕切壁9)の変形例を示す図である。
図6(A)に示す間仕切壁は、複数のスタッド21と、複数の面材22と、中間下地部分としての複数の中間スタッド26と、第1遮音材23Aと、第2遮音材23Bとを備える。複数の中間スタッド26はスタッド21に保持された面材22の内柱7側を向く面とは反対側の面と隣り合い、スタッド21が並ぶ方向に間隔を空けて並ぶ。内柱7側を向く中間スタッド26の面とは反対側の面に複数の面材22のうちの一部の面材22が保持されている。複数の面材22は4層の構成であり、2層目の面材22と3層目の面材22との間に中間スタッド26が設けられている。
また、第1遮音材23Aは、隣り合うスタッド21の間に設けられる。第1遮音材23Aは、間仕切壁の厚さ方向におけるスタッド21の両端間に配置されている。第2遮音材23Bは、隣り合う中間スタッド26の間に設けられる。そして、第2遮音材23Bは、間仕切壁の厚さ方向における中間スタッド26の両端間に配置されている。図6(A)に示す間仕切壁の2層目の面材22までの作製手順は、図4(A)~(D)で説明した2層目L2の面材22までの作製手順と同じである。そして、2層目の面材22まで作製された後、中間スタッド26が、例えば上側ランナーに一端を固定され、例えば図示しない下側ランナーに他端を固定される。そして、複数の中間スタッド26が水平方向に並ぶように、複数の中間スタッド26を上側ランナーと下側ランナーとに固定する作業を繰り返し行う。その後、隣り合う中間スタッド26の間に第2遮音材23Bを設ける。その後、3層目の面材22を中間スタッド26にスクリューネジを介して固定する。そして、4層目の面材22を、3層目の面材22に接着剤及びステープルを介して固定する。以上の作業はすべて、図2で示した作業に制約のない空間Sのような空間側から行われる。そのため、作業スペースの制約がない。これにより、各作業を容易に行うことができる。
図6(A)に示す構成では、中間スタッド26の間の空間を有効に活用して耐火遮音壁の機能性を向上できる。例えば中間スタッド26の設置位置で熱伝導性を低下させることができ、遮熱性を向上させることができる。また、中間スタッド26によって厚さ方向に隣り合う面材22の間に空間を形成することで、生活音(250Hz~2000Hzを中心とする周波数帯)での遮音性を特に向上できることを本件発明者は確認している。
次に、図6(B)に示す例では、間仕切壁の下地部分が上側ランナー31’及び下側ランナー32’のみで構成されている。上側ランナー31’及び下側ランナー32’はそれぞれL字になっている。このようなランナーは、Lアングルと呼ばれる場合もある。そして、上側ランナー31’及び下側ランナー32’における柱等の構造物側とは反対側の面に面材22が設けられている。上側ランナー31’及び下側ランナー32’に直接的に接する面材22は、タッピンねじ等で上側ランナー31’及び下側ランナー32’に固定されてもよい。互いに重ねられる面材22は接着剤とステープルにより固定されてもよい。このような構造では、例えばスタッドがないことで作製時間を抑制できる。スタッドがない又は減らせることで、間仕切壁の厚さを抑制できる。図6(B)に示す例の作製作業もすべて、図2で示した作業に制約のない空間Sのような空間側から行われる。そのため、作業スペースの制約がない。これにより、各作業を容易に行うことができる。
また、図7は、さらに他の変形例にかかる間仕切壁を示す。図7では、上側ランナー31’及び下側ランナー32’に三重の面材22が保持される。三重の面材22に対する上側ランナー31’及び下側ランナー32’側とは反対側に、中間スタッド26が設けられる。そして、間仕切壁の厚さ方向における中間スタッド26の両端間に遮音材23が設けられる。そして、中間スタッド26にさらに二重の面材22が保持される。このような構成では、上側ランナー31’及び下側ランナー32’に三重の面材22が保持されることで、間仕切壁全体の厚さを抑えつつ特に耐火性能を向上できる。また、中間スタッド26の設置位置の空きスペースを遮音材23の設置スペースとして活用しつつ、さらに中間スタッド26で面材22を保持することで、遮音性及び耐火性をより向上できる。これにより、高い遮音性及び耐火性を全体的な厚さを極力抑えながら得ることができる。本件発明者らは、上記三重の面材22として厚さ15mmの石膏ボードを使用し、上記二重の面材として厚さ21mmの石膏ボードと9.5mmの石膏ボードを使用し、且つ遮音材としてグラスウールを使用したとき、TL値を54以上確保できたことを確認している。上記三重の面材22では、上側ランナー31’及び下側ランナー32’に固定された1層目の面材22に対して、2層目の面材22を接着剤及びステープルを介して固定し、2層目の面材22に対して、3層目の面材22を接着剤、ステープル及びビスを介して固定する。その後、中間スタッド26が、例えば上側ランナーに一端を固定され、例えば図示しない下側ランナーに他端を固定される。そして、複数の中間スタッド26が水平方向に並ぶように、複数の中間スタッド26を上側ランナーと下側ランナーとに固定する作業を繰り返し行う。その後、隣り合う中間スタッド26の間に遮音材23を設ける。その後、上記二重の面材22のうちの一方を中間スタッド26にスクリューネジを介して固定する。そして、他方の面材22を、上記一方の面材22に接着剤及びステープルを介して固定する。以上の作製作業もすべて、図2で示した作業に制約のない空間Sのような空間側から行われる。そのため、作業スペースの制約がない。これにより、各作業を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施の形態及びその変形例を説明したが、本発明は上述の実施の形態及び変形例の構成に限定されるものではなく、上述の実施の形態及び変形例においては種々の変更をさらに加えることができる。例えば、上述各実施の形態で説明した間仕切壁(第1壁部分11及び間仕切壁9)にALC(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)壁が組み込まれてもよい。なお、ALC壁は一般に厚く硬いため、石膏ボードのように柔軟に切断等ができない。そのため、例えば図2で示したような壁部分に階段状の端部を形成したい場合には、実施形態のように面材22を重ねる構造が有利であり、面材22の厚みや重ねられる面材22の枚数によっては、ALC壁と同等以上の耐火性が確保され得る。
100…耐火遮音構造、1…建築物、2…外壁、3…内側間仕切壁、4…第1側方間仕切壁、5…第2側方間仕切壁、6…外柱、7…内柱、9…間仕切壁、R…部屋、10…室内区画、11…第1壁部分、11B…下地部分、12…第2壁部分、13…第3壁部分、14…スペーサ、21…スタッド、22…面材、23…遮音材、24…スクリューネジ、25…ステープル、26…中間スタッド、30…梁

Claims (7)

  1. 建築物の一部を構成する構造物と、
    前記構造物の近傍に設置される間仕切壁と、を備え、
    前記間仕切壁によって仕切られる前記構造物側とは反対側の空間における前記間仕切壁の近傍には、前記建築物の一部を構成する他の構造物は設けられず、
    前記間仕切壁は、前記間仕切壁の前記構造物側の端を形成する下地部分と、前記構造物側を向く前記下地部分の面よりも前記構造物から離れた位置で前記下地部分に保持される面材及び遮音材と、を有する、耐火遮音構造。
  2. 前記間仕切壁は、その少なくとも一部から前記構造物までの距離が600mm未満となるように設置される、請求項1に記載の耐火遮音構造。
  3. 前記下地部分は、間隔を空けて並ぶように設置される複数のスタッドを有し、
    前記遮音材は、前記間仕切壁の厚さ方向における前記スタッドの両端間に配置される、請求項1に記載の耐火遮音構造。
  4. 前記間仕切壁は複数の前記面材を有し、各前記面材は石膏ボードであり、
    複数の前記面材は、前記間仕切壁の厚さ方向に並ぶ、請求項1に記載の耐火遮音構造。
  5. 前記間仕切壁は、前記構造物側を向く前記面材の面とは反対側の面と隣り合う中間下地部分と、前記構造物側を向く前記中間下地部分の面とは反対側の面に保持される他の面材と、をさらに有する、請求項1に記載の耐火遮音構造。
  6. 前記構造物は、柱又は梁である、請求項1に記載の耐火遮音構造。
  7. 建築物の一部を構成する構造物の近傍に設置される間仕切壁によって空間を仕切る耐火遮音構造の作製方法であって、
    前記間仕切壁の前記構造物側の端を形成する下地部分を形成する工程と、
    前記下地部分に、前記構造物側とは反対側から面材及び遮音材を保持する工程と、を備え、
    前記面材及び前記遮音材を、前記構造物側を向く前記下地部分の面よりも前記構造物から離れた位置に設け、前記下地部分、前記面材及び前記遮音材により前記間仕切壁を形成する、耐火遮音構造の作製方法。
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