JP2007177408A - 二重天井構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】集合住宅等における二重天井構造に関し、軽い天井板を用いることで施工性を改善し、併せて天井懐の狭いかつ遮音性能にも優れた二重天井構造を提供することを課題とする。
【解決手段】天井スラブ2の下方に天井板8を敷設する鉄筋コンクリート造りの集合住宅の二重天井構造において、上記天井スラブ2の両側から垂下する側壁にそれぞれ水平にランナー16を固定し、これらランナー16間に野縁6を水平にかつ中間部を支持しないで架設し、上記野縁6の下部に、面密度が3kg/m2以下の天井板8を取り付け、上記天井スラブ2と上記天井板8との間の空気層の間隔を25mmから300mmの範囲内とした構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、集合住宅等における二重天井構造に関する。
一般に、コンクリート建物の集合住宅等では天井に照明や電源の配線を行うために二重天井構造を採用するが、室内空間を広く確保するためにはできるだけ懐(天井板と天井スラブとの間隔)の狭い二重天井とする必要がある。
例えば、特許文献1に低懐の天井施工方法についての開示がある。この低懐の天井は図10に示すように、側壁30に所定高さに沿って断面略コ字状のランナー32を取り付け、天井壁34に所定の間隔で設けた天井用インサート36に吊りボルト37を取り付け、この吊りボルト37に固定されたランナー受け金具38にそれぞれランナー33を取り付け、上記ランナー32,33間に、これらのランナー32,33に嵌挿できる断面大きさを有する角形スタッド40を架け渡すことによって天井下地を形成し、この天井下地に、石膏ボード、吸音板仕上げボード等の天井パネル42を取り付けた構造である。
また図11に示す二重天井構造が知られており、これは天井に配置される野縁受け44の中間部を天井スラブ46に固定した吊りボルト48で支持し、上記野縁受け44にクリップ49を介して野縁50を取り付け、この野縁50に天井板52を取り付けたものである。この天井構造は、上記野縁受け44を吊りボルト48で支えて、石膏ボードなどの天井板52の荷重に耐えるようにしている。
ここで、社内における重量床衝撃音遮断性能試験では、天井板に石膏ボードを用いた二重天井は中・高音域においては遮音性能は向上するが、低音域(特に重量床衝撃音レベルの決定周波数63Hz)における遮音性能が悪化することが確認されている。この低音域における遮音性能の悪化は、二重天井の空間部の空気のばね部分と石膏ボードのマス部分とが共振現象を起こすためと考えられる。
また、二重天井の懐深さの影響(二重天井無しを基準とした改善量)は63Hz帯域では、懐深さ100mmで−3dB、200mmで約−1dB、300mmで4dBの影響があり、懐を狭くとると低音域(63Hz)に悪影響を及ぼすことが知られている。
通常、天井懐の空気層は一種の弾性体を形成するため、この空気層を挟んだ天井スラブと天井板とは一つの共振系を形成し、天井スラブの振動は上記空気層を伝って天井板を揺さ振り、衝撃音が発生する。このときの共振周波数f(Hz)は、空気層の厚みをd(m)、スラブの面密度をm(kg/m2)、天井板の密度をm(kg/m2)、音速をc(m/s)、空気の密度をρ(kg/m)とすると次の数式1で表わされる。ここで、一般にm<<mとなるので、fは空気層dが小さいと可聴周波数領域に入ってき、重量床衝撃音に悪影響を与える。
Figure 2007177408
このようなことから、従来、遮音効果を高めるためには、(1)天井懐を深くする(懐約300mm以上)、(2)グラスウール等の吸音材を介在する、(3)ランナー部分等のスラブと設置する場所にゴム等を貼り絶縁する、などの措置がとられていた。また、特許文献2には、躯体と仕上材との間の空気層中に吸音体を設け、共鳴透過を抑制する建築構造物の遮音構造が記載されている。特許文献3には、天井スラブに通気材を設けるとともに吸音材を配置した防音天井構造が開示されている。
特開2003−160997号公報 特開2001−152571号公報 特開平10−311106号公報
天井スラブに懐の狭い(約300mm以下)二重天井を形成し、天井板として石膏ボードを施工した場合、懐の空気の影響により共鳴透過現象がおき、重量床衝撃音遮断性能試験(JIS A 1418-2)において低音域(主に63Hz)での遮音性能が悪化するという問題がある。
また、上記天井の施工では、天井板の重量によってスタッド、野縁が撓むこと等がないように、天井スラブに所定の間隔で吊りボルトなどの吊り具を取り付けて野縁(スタッド)を補強する必要がある。このため施工の際、天井用インサート及び吊りボルトの取付け作業が必要となって施工が手間取り、また部品点数が増えてコストの増加を招くという問題がある。
また上記天井構造は、吊りボルトで野縁受けを吊し、この野縁受けで野縁を保持する形態であるため、これら吊りボルト等の設置のために天井の懐は100mm以上は確保する必要があり、懐を狭くするのは困難であるという問題がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、軽い天井板を用いることで施工性を改善し、併せて天井懐の狭いかつ遮音性能にも優れた二重天井構造を提供することを目的とする。
以上の技術的課題を解決するため、本発明は図1に示すように、天井スラブ2の下方に天井板8を敷設する鉄筋コンクリート造りの集合住宅の二重天井構造において、上記天井スラブ2の両側から垂下する側壁にそれぞれ水平にランナー16を固定し、これらランナー16間に野縁6を水平にかつ中間部を支持しないで架設し、上記野縁6の下部に、面密度が3kg/m2以下の天井板8を取り付け、上記天井スラブ2と上記天井板8との間の空気層の間隔を25mmから300mmの範囲内とした構成とした。
本発明に係る二重天井構造において、上記天井板は、厚みが20mm以下の平坦な板材からなるものとした。
本発明に係る二重天井構造は、上記空気層の間隔を25mmから100mmの範囲内とした。
また、本発明に係る二重天井構造は、上記野縁の支持スパンを3000mm以下とし、各野縁を、断面が横40mm、縦20mmで板厚0.5mm程度の断面矩形状の鋼材からなるものとした。
また、本発明に係る二重天井構造は、上記天井板を、不燃性板材からなるものとした。
本発明に係る二重天井構造によれば、ランナー間に野縁材を水平かつ中間部を支持しないで取り付け、この野縁の下部に、面密度が3kg/m2以下の天井板を取り付け、天井スラブと天井板との間の空気層の間隔を25mmから300mmの範囲内とした構成としたから、懐を狭くしても良好な遮音効果が得られ、階上の低音域における重量衝撃音(63Hz近傍)に対する遮音性能に優れ、また野縁を支持する吊り具を用いないため施工性にも優れ、部品点数が少なく経済的であるという効果がある。
本発明に係る二重天井構造によれば、天井板は厚みが20mm以下の平坦な板材からなるものとしたから、実用的形状で良好な遮音効果が得られるという効果がある。また、空気層の間隔を25mmから100mmの範囲内としたから、天井懐が狭く天井の高い室内空間が確保できるという効果がある。
また、本発明に係る二重天井構造によれば、野縁を、断面が横40mm、縦20mmの角パイプ状の鋼材からなるものとしたから、材料の軽量化により作業性が改善され、また材料のコスト削減にも寄与するという効果がある。
本発明に係る二重天井構造によれば、不燃性板材を用いることにより遮音効果に加えて耐火性にも優れるという効果がある。
以下、本発明に係る二重天井構造の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、鉄筋コンクリート造りの集合住宅等の居住空間に採用した上記二重天井構造の分解斜視図を示したものである。この居住空間は、矩形状の天井スラブ2(例えば平面4000mm×3000mm)の両側から垂下し、互いに向かい合せに側壁12,12が形成され、またこれらと交差する側壁14,14が互いに向い合せに形成された空間である。
上記天井構造は、コンクリートの天井スラブ2から所定の空気層4を隔てた下方に天井の野縁6を配設し、この野縁6の下部に天井板8を取り付けた二重天井構造である。この二重天井の施工では、まず天井スラブ2から所定間隔下方の上記側壁12,12の壁面に、断面コの字形のランナー16,16をそれぞれ水平に配置し、ピンなどの止着具を用いて固定する。これらランナー16,16は、鋼板を断面コの字状に屈曲成形したものである。
そして、上記ランナー16間に天井の野縁6を一定の間隔(例えば303mm、455mm)をおいて水平に架設する。図2に示すように、上記野縁6は角パイプ状で、これは鋼板の両端を屈曲係合しさらに圧着して断面矩形状に屈曲成形したものであり、ここでの野縁6の断面寸法は、横の長さ(w)40mm、縦の長さ(v)20mmで、板厚(t)は0.45mmである。
各野縁6は、ランナー16の溝内に差し込んでビス等で固定し、左右のランナー16間に架設する。そして、上記野縁6の下部に止着具を用いて天井板8を敷設する。ここで、天井スラブ2と天井板8との間の天井懐には、所定の懐間隔(h)の空気層4が形成される。
ここで、上記二重天井構造に関する第一の社内試験について説明する。
この社内試験では、面密度の低い天井板である遮音天井(面密度3.0kg/m2以下)と、面密度の高い天井板である石膏ボード(面密度3.0kg/m2以上)とについて重量床衝撃音遮断性能試験を実施した。この試験では、重量床衝撃音レベルの測定はJIS A 1418-2(建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法−第2部:標準重量衝撃源による方法)に基づき、床衝撃音レベルはJIS A 1419-2(建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−第2部:床衝撃音遮断性能)に基づいて行なった。
試験棟は、二階に音源室、その下の一階に上記二重天井構造の受音室を設けた。この音源室は、100mmの空気層を有する二重床構造とした。また、天井懐の狭い二重天井を想定して所定の仕上げ高さ(k)を設けた。この仕上げ高さ(k)は図2に示すように、上記懐間隔(h)に天井板の板厚(i)を加えた間隔(k=h+i)である。また、試験に用いた天井板として、上記面密度の低い遮音天井板は板厚10mm、面密度1kg/m2のボードからなる。このような面密度の低いボードとして、例えば発泡ウレタン(アキレス社製)、オレフィン系硬質発泡体(ゼットロン、積水化学社製)、フェノールフォーム等がある。上記面密度の高い石膏ボードは、板厚9.5mm、面密度6.4kg/m2である。
音源は、標準重量衝撃源(バングマシン)を使用した。通常、集合住宅の床には遮音二重床が多く敷設されるため、このような二重床が敷設された階下の天井構造についての床衝撃音の遮断性能を測定した。この二重床に衝撃を加え、衝撃源とした。
上記重量床衝撃音試験の結果につき、図3(a)の表は、試験体及び仕上げ高さ(k)の違いにおける衝撃周波数毎の衝撃音の低減量(dB)の比較結果を示したものであり、図3(b)は上記低減量をグラフにしたものである。ここで低減量は、音源室を二重床とし、天井スラブのまま(二重天井を敷設しない)の受音室における衝撃音の測定結果に対する、受音室に二重天井を敷設したときの衝撃音の低減量である。
この結果からすれば、上記遮音天井板を用いた二重天井については、低減量が0.1dBと良好な遮音性能が得られ重量衝撃音遮断性能に影響がないことが検証できた。一方、石膏ボード(面密度6.4kg/m2)を用いた二重天井については、改善量が−4.5dBと低減量は悪化しており、重量衝撃音遮断性能に影響があることが確認できた。
これらから、面密度が1.0kg/m2の材料からなる天井板8を用いた二重天井構造では、重量衝撃音(63Hz以下の低域)に対して低音域欠損の防止が図れた二重天井とすることができ、実用的かつ有効な遮音効果が期待できる。また、上階に二重床が施工されているときにおいても、面密度の低い天井板を用いることは有効である。
ここで、上記面密度の低い天井板8を使用することにより、剛性の小さい野縁6を用いて天井板8を敷設施工するが可能となる。このため、天井に架設した野縁6の中間部に、天井スラブにアンカーを打ち込んで吊り下げる吊り元を設けなくてもよくなり、これにより、面密度の高い石膏ボードを天井板として用いた天井構造よりも懐を狭くすることが可能となる。
このため、社内において天井構造の撓み試験を行った。この試験は、上記図1に示す天井スラブ面が3000mm×4000mmの大きさの部屋に、ランナー16及び野縁6を用いた天井下地を形成し、これに天井板8を取付けて野縁の撓み量を測定するものである。このとき、ランナー16,16に支持される野縁6の支点間の距離(支持スパン)は3000mmである。そして図4に示すように、野縁6同士の間隔(P1)(ピッチ)が455mmの形態(同図(a))と、間隔(P2)が303mmの形態(同図(b))について試験した。
この試験に用いた野縁6は、鋼板を断面矩形状の角パイプ状に成形したものである。ここでは、図5(a)に示す断面寸法が、横(w)40mm、縦(v1)20mmで板厚(t)が0.45mmの野縁(4020角スタッド)と、図5(b)に示す横(w)45mm、縦(v2)40mmで板厚(t)が0.45mmの野縁(4540角スタッド)を用いた。上記野縁6に、面密度の低い天井板8である遮音断熱天井板(面密度1.5kg/m2)を取り付けたもの、及び面密度の高い天井板である石膏ボード(面密度6.7kg/m2)を取り付けたものについて、それぞれの撓み量の試験を実施した。
図6は、上記試験結果を天井板毎に表で示したもので、撓み量が使用可能なものか否かを判断している。ここで、試験結果として撓み量(Ymax)につき、撓み量Ymax<=L/300のものを使用可能(〇)とし、Ymax>L/300のものを使用不可(×)とした。なお、Lはスタッド長さ(3000mm)であり、このためL/300は10mmとなる。
上記試験結果より、面密度の低い遮音断熱天井板(面密度1.5kg/m2)を用いた場合には、天井の下地材として縦(v1)が20mmの野縁(4020角スタッド)でも十分に強度が確保できることが確認できた。このため、野縁6は両端部をランナー16で固定して架設するのみでよく、中間部を吊りボルトなどで補強する必要はなく施工が容易になる。これから、天井スラブ2と天井板8との間の空気層4は、野縁6の縦幅(20mm)に野縁が天井スラブに当たらない隙間を5mmと見込むと、空気層は25mm程度まで狭くすることが可能である。
一方、面密度の高い石膏ボード(面密度6.7kg/m2)を天井板8として使用した場合、剛性の小さい野縁6(4020角スタッド)を使用した場合には撓み量が多く、このため野縁の中間部に吊り元を設ける必要がある。
図7は、上記二重天井構造を採用した場合の照明器具の取付け構造を示すものである。この構造では、天井スラブ2に埋め込みアンカー24を埋設して、これからアンカーボルト25を垂下させ、天井板8に設けた孔を貫通するアンカーボルト25に照明器具26の笠部27を配置し、下方からフランジ付きのナット28を上記アンカーボルト25に螺着して上記ナット28のフランジ部で照明器具を保持固定する。
次に、第二の社内試験について説明する。
この社内試験では、上記二重天井構造に関し、面密度の低い(3.0kg/m2以下)天井板(断熱天井板)と、面密度の高い(3.0kg/m2以上)天井板(石膏ボード)とについて重量床衝撃音遮断性能試験を実施した。この社内試験では、特に断熱材として用いられる面密度の低い断熱天井板を用いた。
試験の内容は上記第一の社内試験と同様、重量床衝撃音レベルの測定はJIS A 1418-2に基づき、床衝撃音レベルはJIS A 1419-2に基づいて行なった。試験棟は、二階に音源室、その下の一階に上記二重天井構造の受音室を設けた。音源は、標準重量衝撃源(バングマシン)を使用した。通常、集合住宅の床には遮音二重床が多く敷設されるため、このような二重床が敷設された階下の天井構造についての床衝撃音の遮断性能を測定した。
この音源室は、弾性のある支持脚によって床材を支持し、100mmの空気層を有する二重床構造とした。また、天井懐の狭い二重天井を想定し空気層4としての懐間隔(h)を100mmとした。また、試験には上記面密度の低い断熱天井板として以下の3種類のものを用いた。第一の天井板として板厚20mm、面密度0.54kg/m2のネオマフォーム(朝日化成建材株式会社)、第二の天井板として板厚10mm、面密度0.45kg/m2のアキレスボード(アキレス株式会社)、第三の天井板として板厚10mm、面密度0.9kg/m2のロックセルボード(フジ化成工業株式会社)を用いた。石膏ボードは、板厚9.5mm(面密度6.4kg/m2)と、板厚12.5mm(面密度8.4kg/m2)のものを用いた。
上記重量床衝撃音試験の結果につき、図8(a)の表は、面密度の違いにおける低減量の比較結果を示したものであり、図8(b)は上記改善量をグラフにしたものである。
この結果からすれば、上記断熱天井板を用いた天井については、重量衝撃音(63Hzの低域)に対して低減量が0.0〜−0.4dBと良好な改善結果が得られており、優れた遮音性能が得られ重量衝撃音遮断性能に影響がないことが検証できた。一方、石膏ボードを用いた天井については、改善量が−2.7dB、−4.6dBと改善量は悪化しており、重量衝撃音遮断性能に影響があることが検証できた。
これらから、面密度が1.0kg/m2以下の材料からなる天井板8を用いた二重天井構造では、重量衝撃音(63Hz)に対して、実用的かつ有効な防音効果及び断熱効果が期待できるものと判断できる。
ここで、社内における上記各断熱天井板の断熱性能の試験結果について説明する。
この試験では、天井コンクリートスラブの厚さが150mmの天井に、100mmの空気層を設けて天井板を敷設した二重天井で行った。試験内容としては、この二重天井の熱貫流抵抗値(m2sK/w)を測定した。この結果、上記断熱天井板としてネオマフォームは1.14(m2sK/w)、アキレスボードは0.86(m2sK/w)、ロックセルボードは0.69(m2sK/w)であった。また、石膏ボード(9.5mm)は、0.46(m2sK/w)、石膏ボード(12.5mm)は、0.48(m2sK/w)であった。これから、石膏ボードの天井板に比べて上記断熱天井板の方が、熱貫流抵抗値が高く、断熱性能が優れていることが確認できた。
図9は、上記二重天井構造に関し、社内において面密度の低い(3.0kg/m2以下)天井板(試験体1〜3)と、面密度の高い(3.0kg/m2以上)天井板(石膏ボード)とについて重量床衝撃音遮断性能試験を実施した結果である。この試験では、階上の床をスラブのまま(二重床とせず)とし、このスラブ面に標準重量衝撃源(バングマシン)により衝撃を加えた。
ここで重量床衝撃音レベルの測定はJIS A 1418-2(建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法−第2部:標準重量衝撃源による方法)に基づき、床衝撃音レベルはJIS A 1419-2(建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法−第2部:床衝撃音遮断性能)に基づいて行なった。また、試験体1〜3は板厚20mm〜25mmのグラスウールボードからなる。他に、面密度の低い板材(3.0kg/m2以下)として、硬質ウレタンフォームからなる断熱材、フェノールフォーム、オレフィン系硬質発泡体がある。
重量床衝撃音は、低音域の重量床衝撃音レベルの決定周波数である63Hzとした。天井板8については、面密度の低い(3.0kg/m2以下)試験体1〜3と、面密度が高い(3.0kg/m2以上)石膏ボードとに分けて比較した。また、天井懐の狭い二重天井を想定し空気層4としての懐間隔(h)を100mmとした。
上記面密度は、それぞれ試験体1は1.28kg/m2、試験体2は1.6kg/m2及び試験体3は2.4kg/m2である。また、これと併せて試験した3種の石膏ボードの各面密度は、板厚が7mmの石膏ボードは、4.7kg/m2、9.5mmの石膏ボードは6.4kg/m2及び1.2mmの石膏ボードは8.4kg/m2である。
図9は、上記重量床衝撃音試験の結果を表にしたものであり、天井スラブ素面(二重天井無し)の天井を基準にした改善量を示す。この結果からすれば、面密度が3.0kg/m2以下の試験体1〜3(面密度1.28kg/m2〜2.4kg/m2)については、試験体1,2は改善量が0.7dB、0.0dBと良好な改善結果が得られており、試験体3についても改善量が−0.3dBと僅かに低下している程度であり、良好な遮音性能が得られ重量衝撃音遮断性能に影響がないことが検証できた。一方、面密度が3.0kg/m2以上の石膏ボード(面密度4.7kg/m2〜8.4kg/m2)については、改善量が−0.8dB〜−2.4dBと改善量は悪化しており、重量衝撃音遮断性能に影響があることが検証できた。
以上の結果からすれば、面密度の軽い面材(3kg/m2以下)の天井板を用いて施工を行えば、重量衝撃音(63Hz以下)に対して重量床衝撃音遮断性能について影響が少なく、実用的かつ有効な遮音効果が期待できるものと判断でき、また耐火性にも優れた天井構造が得られる。また、上階に二重床が施工されているときにおいても、面密度の低い面材料を用いることにより良好な遮音効果が得られる。
従って、上記実施形態に係る天井構造によれば、コンクリート建物の集合住宅の天井懐を狭くしたにもかかわらず、天井板の面密度を3kg/m2以下の軽い天井板を用いたことにより重量衝撃音の遮断性能に優れた二重天井構造を構成することができ、また室内空間が広くとれ耐火性にも優れる。また、野縁に面密度の小さい天井板を取り付けるために、野縁に中間支持部を設けることなく施工が行えて施工性が良く、また天井板にクロス仕上げをすることにより、美観性についても対応することができるものとなった。
本発明の実施の形態に係る二重天井構造の分解斜視図である。 実施の形態に係る二重天井構造の部分図である。 実施の形態に係り、第一の社内試験の結果を示す表(a)、及びそのグラフ(b)である。 天井下地材として野縁の間隔(ピッチ)を示す図(a)(b)である。 野縁の形態を示す図(a)(b)である。 天井の撓み量の試験結果を示す表である。 実施の形態に係る二重天井における照明器具の取付け構造を示す図である。 実施の形態に係り、第二の社内試験の結果を示す表(a)、及びそのグラフ(b)である。 重量床衝撃音試験の結果につき、(a)は面密度の違いにおける改善量の比較結果を示す表であり、(b)は改善量をグラフにしたものである。 従来例に係る天井施工方法の実施例を示す図である。 従来例に係る、二重天井構造を示す図である。
符号の説明
2 天井スラブ
4 空気層
6 野縁
8 天井板
12 側壁
16 ランナー

Claims (5)

  1. 天井スラブの下方に天井板を敷設する鉄筋コンクリート造りの集合住宅の二重天井構造において、
    上記天井スラブの両側から垂下する側壁にそれぞれ水平にランナーを固定し、これらランナー間に野縁を水平にかつ中間部を支持しないで架設し、
    上記野縁の下部に、面密度が3kg/m2以下の天井板を取り付け、
    上記天井スラブと上記天井板との間の空気層の間隔を25mmから300mmの範囲内としたことを特徴とする二重天井構造。
  2. 上記天井板は、厚みが20mm以下の平坦な板材からなることを特徴とする請求項1記載の二重天井構造。
  3. 上記空気層の間隔を25mmから100mmの範囲内としたことを特徴とする請求項1又は2記載の二重天井構造。
  4. 上記野縁の支持スパンを3000mm以下とし、各野縁を、断面が横40mm、縦20mmで板厚0.5mm程度の断面矩形状の鋼材からなるものとしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の二重天井構造。
  5. 上記天井板を、不燃性板材からなるものとしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の二重天井構造。
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