JP2024005830A - ポリエステル系染色繊維製品の製造方法 - Google Patents

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JP2024005830A
JP2024005830A JP2022106232A JP2022106232A JP2024005830A JP 2024005830 A JP2024005830 A JP 2024005830A JP 2022106232 A JP2022106232 A JP 2022106232A JP 2022106232 A JP2022106232 A JP 2022106232A JP 2024005830 A JP2024005830 A JP 2024005830A
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カイ ユ
Kai Yu
洋平 紙谷
Yohei Kamiya
陽子 寺西
Yoko Teranishi
君之 末定
Kimiyuki Suesada
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Abstract

【課題】1浴2段法によりポリエステル系繊維の染色処理及びソーピング処理を行う場合に、2浴2段法によりポリエステル系繊維の染色処理及びソーピング処理を行う場合と同等に、ポリエステル系染色繊維製品の堅牢度と均染性とを向上させる。
【解決手段】本開示のポリエステル系染色繊維製品の製造方法は、第1処理液による染色処理、及び、第2処理液によるソーピング処理を含む。第1処理液は、下記一般式(1)で表される化合物Aを含む。第2処理液は、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩のうちの一方又は両方を有するポリマーBを含む。染色処理とソーピング処理とは同浴で行われる。

Description

本願はポリエステル系染色繊維製品の製造方法を開示する。
一般的に、ポリエステル系繊維の染色は、染料を含む染色液を使用して約120~135℃で染色処理を行ったあとに染色液を排液し、染色液とは別浴にて、ソーピング剤を含むソーピング液を使用して約60~100℃でソーピング処理を行う、2浴2段法と呼ばれる方法で行われている。しかしながら、近年では、加工コストの低減のほか、節水やCO削減などの環境対応のために、染色処理とソーピング処理とを同浴(1浴)で行うことが増えている。例えば、特許文献1には、ポリエステル系繊維の染色方法として、染色液を用いて130℃で30分染色後、80℃に降温し、排液せずに、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム及び少なくとも1種の水溶性アルコール類を含有しpHが8~12に調製された水溶液からなる液状還元剤を添加してソーピング処理を行う、1浴2段法が開示されている。
特開2001-226660号公報
従来の2浴2段法で使用されている成分をそのまま1浴2段法において使用した場合、ポリエステル系染色繊維製品の堅牢度や均染性が低下し易い。この課題は、特許文献1に開示されているような成分を採用したとしても、解決することは難しい。
本願は上記課題を解決するための手段として、以下の複数の態様を開示する。
(態様1)
第1処理液によってポリエステル系繊維の染色処理を行うこと、及び
第2処理液によって前記ポリエステル系繊維のソーピング処理を行うこと、を含み、
前記第1処理液が、下記一般式(1)で表される化合物Aを含み、
前記第2処理液が、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩のうちの一方又は両方を有するポリマーBを含み、
前記染色処理と前記ソーピング処理とが同浴で行われる、
ポリエステル系染色繊維製品の製造方法。
Figure 2024005830000001
式(1)において、
は炭素数1~4のアルキル基又はアルコキシ基であり、
は単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
は単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
は炭素数1~4のアルキル基又はアルコキシ基であり、
Oは炭素数2~6のアルキレンオキシ基であり、
aは0~3の整数であり、
bは1~10の整数であり、
cは0~1の整数であり、
dは0~3の整数である。
(態様2)
前記染色処理後の前記第1処理液に対して、前記ポリマーBが添加される、態様1の製造方法。
(態様3)
前記染色処理時の前記第1処理液が、前記ポリマーBを含む、態様1又は2の製造方法。
(態様4)
前記第1処理液に含まれる前記化合物Aの量が、0.001g/L以上、40g/L以下であり、前記第2処理液に含まれる前記ポリマーBの量が、0.005g/L以上、2.0g/L以下である、態様1~3のいずれかの製造方法。
本開示の製造方法によれば、ポリエステル系繊維の染色処理とソーピング処理とを同浴(1浴2段)で行うことにより、染色処理とソーピング処理とを別浴で行う場合(2浴2段)と比較して、節水及びエネルギー削減が可能である。また、本開示の製造方法によれば、染色処理及びソーピング処理において所定の成分を含む処理液を用いることで、染色処理とソーピング処理とを別浴で行う場合(2浴2段)と同程度に、ポリエステル系染色繊維製品の堅牢度と均染性とを向上させることが可能である。
以下、一実施形態に係るポリエステル系染色繊維製品の製造方法について説明する。一実施形態に係るポリエステル系染色繊維製品の製造方法は、第1処理液によってポリエステル系繊維の染色処理を行うこと、及び、第2処理液によって前記ポリエステル系繊維のソーピング処理を行うこと、を含む。ここで、前記第1処理液は、下記一般式(1)で表される化合物Aを含み、前記第2処理液は、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩のうちの一方又は両方を有するポリマーBを含み、前記染色処理と前記ソーピング処理とは同浴(1浴)で行われる。
Figure 2024005830000002
式(1)において、
は炭素数1~4のアルキル基又はアルコキシ基であり、
は単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
は単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
は炭素数1~4のアルキル基又はアルコキシ基であり、
Oは炭素数2~6のアルキレンオキシ基であり、
aは0~3の整数であり、
bは1~10の整数であり、
cは0~1の整数であり、
dは0~3の整数である。
1.染色処理
本開示の製造方法は、第1処理液によってポリエステル系繊維の染色処理を行うこと、を含む。
1.1 ポリエステル系繊維
染色処理対象であるポリエステル系繊維は、ポリエステル繊維を含むものであればよい。ポリエステル系繊維は、例えば、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート、及びブチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも1種の単独重合物、又は、それらの共重合物からなるポリエステル繊維;ポリエステル繊維とその他の合成繊維や天然繊維との混紡、交織、及び、交編から選ばれる少なくとも1種の複合繊維;のうちの一方又は両方であってよい。ポリエステル系繊維の形態は、例えば、糸、編み物、織物、及び、不織布から選ばれる少なくとも1種の形態であってよい。ポリエステル系繊維は、精練されていることが好ましい。
1.2 第1処理液
第1処理液は、化合物Aを含む。また、第1処理液は、化合物Aに加えて、化合物A以外の成分を含み得る。
1.2.1 化合物A
化合物Aは、上記式(1)で表されるものである。式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基又はアルコキシ基であり、a及びdは、それぞれ独立に、0~3の整数である。均染性及び染着性により優れるという観点から、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1~3のアルキル基が好ましい。また同様の観点から、a及びdはそれぞれ独立に0又は1が好ましく、0がより好ましい。化合物Aが複数のRを有する場合、当該複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、化合物Aが複数のRを有する場合、当該複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~3のアルキレン基である。均染性及び染着性により優れるという観点から、R及びRは単結合が好ましい。
式(1)中、AOは炭素数2~6のアルキレンオキシ基であり、bは1~10の整数である。均染性及び染着性により優れるという観点から、AOは炭素数2~4のアルキレンオキシ基が好ましい。また同様の観点から、bは1~5の整数が好ましい。化合物Aが複数のAOを有する場合、当該複数のAOは互いに同一であっても異なっていてもよい。
式(1)中、cは0又は1であり、0がより好ましい。
化合物Aは、例えば、成分a1と成分a2とを反応させることにより得ることができる。成分a1は、例えば、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよい芳香族カルボン酸であってよい。成分a2は、例えば、炭素数2~4のアルキレンオキサイドの重合体、炭素数2~6のアルカンジオール、及び、アルキル基又はアルコキシ基を有していてもよいフェノール類、から選ばれる少なくとも1種であってよい。
成分a1としての芳香族カルボン酸は、例えば、安息香酸、炭素数1~4のアルキル基を有する安息香酸、及び、炭素数1~4のアルコキシ基を有する安息香酸、から選ばれる少なくとも1種であってよい。炭素数1~4のアルキル基を有する安息香酸は、例えば、2-メチル安息香酸、4-エチル安息香酸、4-n-プロピル安息香酸、及び、4-t-ブチル安息香酸、から選ばれる少なくとも1種であってよい。炭素数1~4のアルコキシ基を有する安息香酸は、例えば、2-メトキシ安息香酸、及び、4-t-ブトキシ安息香酸、から選ばれる少なくとも1種であってよい。均染性及び染着性により優れるという観点から、成分aとしての芳香族カルボン酸は、安息香酸、及び、炭素数1~4のアルキル基を有する安息香酸、から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
成分a2としての炭素数2~6のアルカンジオールは、例えば、エタン-1,2-ジオール、1,3-プロパンジオール、及び、1,4-ブタンジオール、から選ばれる少なくとも1種であってよい。
成分a2としてのアルキル基又はアルコキシ基を有していてもよいフェノール類は、例えば、ベンジルアルコールであってよい。
第1処理液に含まれる化合物Aの量は、特に限定されるものではない。均染性及び染着性により優れるという観点から、第1処理液に含まれる化合物Aの量は、好ましくは0.001g/L以上、40g/L以下であり、より好ましくは0.05g/L以上、15g/L以下であり、さらに好ましくは0.06g/L以上、11.0g/L以下であり、さらにより好ましくは0.1g/L以上、8.0g/L以下であり、特に好ましくは0.1g/L以上、5.0g/L以下である。
1.2.2 化合物A以外の成分
第1処理液は、化合物A以外の成分を含み得る。化合物A以外の成分としては、例えば、水、有機溶剤、及び、化合物A以外の界面活性剤等が挙げられる。また、第1処理液は、pH調整のための酸、キレート剤等を含んでいてもよい。さらに、後述するように、染色処理時の第1処理液は、後述のポリマーBを含んでいてもよい。或いは、後述するように、染色処理後の第1処理液に対して、後述のポリマーBが添加されてもよい。
有機溶剤は、例えば、炭素数1~10のアルコールであってよい。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、及び、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、から選ばれる少なくとも1種であってよい。
化合物A以外の界面活性剤は、特に限定されるものではなく、公知の界面活性剤であってよい。例えば、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及び、カチオン界面活性剤、から選ばれる少なくとも1種であってよい。
アニオン界面活性剤は、例えば、
脂肪族アルコール(脂肪族アルコールの炭素数1~22)のアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル、リン酸エステル、又は、それらの塩;
炭素数2~4のアルキレンオキサイドから得られるポリアルキレングリコールの硫酸エステル、リン酸エステル、又は、それらの塩;
モノ又はポリスチレン化フェノールのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル、リン酸エステル、又は、それらの塩;
モノ又はポリスチレン化アルキル(アルキル基の炭素数1~10)フェノールのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル、リン酸エステル、又は、それらの塩;
アルキル(アルキル基の炭素数8~22)ベンゼンスルホン酸、又は、その塩;
アルキル(アルキル基の炭素数8~22)スルホン酸、又は、その塩;
炭素数8~22のα-オレフィンスルホン酸、又は、その塩;及び
α-スルホ脂肪酸アルキルエステル(α-スルホ脂肪酸の炭素数8~22、アルキル基の炭素数1~12)、又は、その塩;
から選ばれる少なくとも1種であってよい。塩は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及び、アルカノールアミン塩から選ばれる少なくとも1種であってよい。
非イオン界面活性剤は、例えば、
脂肪族アルコール(脂肪族アルコールの炭素数1~22)のアルキレンオキサイド付加物、又は、その脂肪酸(脂肪酸の炭素数8~24)エスエル;
炭素数2~4のアルキレンオキサイドから得られるポリアルキレングリコール、又は、その脂肪酸(脂肪酸の炭素数8~24)エステル;
モノ又はポリスチレン化フェノールのアルキレンオキサイド付加物、又は、その脂肪酸(脂肪酸の炭素数8~24)エステル;及び
モノ又はポリスチレン化アルキル(アルキル基の炭素数1~10)フェノールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸(脂肪酸の炭素数8~24)エステル;
から選ばれる少なくとも1種であってよい。
カチオン界面活性剤は、例えば、塩化ベンザルコニウム;長鎖アルキル基を1個又は2個有するトリアルキルアミンと4級化剤との反応物;モノ又はジアルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物と4級化剤との反応物;アルキルピリジニウム塩;から選ばれる少なくとも1種の第4級アンモニウム型界面活性剤であってよい。前記トリアルキルアミンの長鎖アルキル基の炭素数は、例えば、6~24であってよく、前記トリアルキルアミンの残りのアルキル基の炭素数は、例えば、1~5であってよい。前記モノ又はジアルキルアミンのアルキル基の炭素数は、例えば、6~24であってよい。前記アルキレンオキサイドは、例えば、炭素数2~4のアルキレンオキサイドであってよく、それらの付加モル数は、例えば、2~50であってよい。前記4級化剤は、例えば、炭素数1~5のアルキル基を有するアルキルハライド、及び、炭素数1~5のアルキル基を有するジアルキル硫酸、から選ばれる少なくとも1種であってよい。前記アルキルピリジニウム塩のアルキル基の炭素数は、例えば、3~24であってよい。
均染性及び染着性により優れるという観点から、第1処理液は、アニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の界面活性剤を含むことが好ましい。
第1処理液に含まれる化合物A以外の界面活性剤の量は、特に限定されるものではない。均染性及び染着性により優れるという観点から、第1処理液に含まれる化合物A以外の界面活性剤の量は、好ましくは0g/L以上、25g/L以下であり、より好ましくは0.015g/L以上、6.0g/L以下である。
1.3 染色処理におけるその他の条件
染色処理におけるその他の条件については、特に限定されるものではなく、上記の第1処理液によって上記のポリエステル系繊維を染色可能な条件が採用される。例えば、以下の条件が挙げられる
1.3.1 染色処理における浴比
ポリエステル系繊維と第1処理液との浴比は、目的とする性能等によって異なるが、例えば、1:3~1:30であってよく、好ましくは1:5~1:25であり、より好ましくは1:5~1:20であり、さらに好ましくは1:5~1:15である。
1.3.2 染料
染料はポリエステル系繊維を染色可能なものであればよい。例えば、分散染料が好適である。染料の使用量は、適宜選択することができる。例えば、0.001%o.w.f.以上、20%o.w.f.以下であってよい。
1.3.3 染色機械
染色処理に用いられる染色機械は、特に限定されるものではなく、従来のものを使用することができる。例えば、液流染色機、ウィンス染色機、ジッガー染色機、ビーム染色機、チーズ染色機、オーバーマイヤー染色機、高圧噴射染色機等が挙げられる。
1.3.4 染色温度及び染色時間
上記の染色機械を用いて上記のポリエステル系繊維を上記の第1処理液に接触させることで染色処理が行われる。染色温度及び染色時間については、従来と同様の条件を採用することができる。例えば、第1処理液を約40~60℃に加温し、通常は約50~80分、早く染色を完了させたい場合は約30~50分かけて徐々に昇温し、120~140℃(好ましくは125~135℃)で約0~90分間、好ましくは30~60分間の高温処理を行う方法が挙げられる。
2.ソーピング処理
本開示の製造方法は、第2処理液によってポリエステル系繊維のソーピング処理を行うこと、を含む。
2.1 第2処理液
第2処理液は、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩のうちの一方又は両方を有するポリマーBを含む。また、第2処理液は、ポリマーBに加えて、ポリマーB以外の成分を含み得る。
2.1.1 ポリマーB
ポリマーBは、カルボキシル基を有するポリマー、カルボキシル基の塩を有するポリマー、又は、これら両者を含むものである。ポリマーBは、例えば、(CHCHで示されるポリマー主鎖に、カルボキシル基(-COOH)及びカルボキシレート基(-COOX)(特に、ソジウムカルボキシレート基(-COONa))のうちの一方又は双方が側鎖として結合しているものであってもよい。Xとしては、Na、K、Mg、プロトン化窒素塩基などを挙げることができ、これらのうちの少なくとも1種であってよい。ポリマーBは、例えば、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、及び、それらの塩、から選ばれる少なくとも1種であってよい。ポリマーBの分子量は、特に限定されるものではないが、例えば、1000~20000の重量平均分子量を有するものが特に好ましい。尚、ポリマーBの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ[東ソー(株)、HLC-8020GPC]を用いて測定し、ポリエチレングリコール換算により算出される。
第2処理液に含まれるポリマーBの量は、特に限定されるものではない。第2処理液に含まれるポリマーBの量は、好ましくは0.005g/L以上、2.0g/L以下であり、より好ましくは0.010g/L以上、1.5g/L以下であり、さらに好ましくは0.015g/L以上、1.0g/L以下であり、さらにより好ましくは0.05g/L以上、1.0g/L以下であり、特に好ましくは0.1g/L以上、1.0g/L以下である。
2.1.2 ポリマーB以外の成分
第2処理液は、ポリマーB以外の成分を含み得る。ポリマーB以外の成分としては、ソーピング処理において使用される公知の成分(アルカリ、還元剤等)が挙げられる。また、第2処理液は、水、有機溶剤、上記化合物A、上記化合物A以外の界面活性剤等を含み得る。これらは、第1処理液に由来するものであってよい。有機溶剤、化合物A、及び、化合物A以外の界面活性剤等の詳細については、上述した通りである。また、第2処理液は、pH調整のための酸、ポリマーB以外のキレート剤等を含んでいてもよい。
アルカリは、例えば、苛性ソーダ、ソーダ灰などのアルカリ性の物質であればいずれでもよいが、ソーピング効果の観点から苛性ソーダが好ましい。
還元剤は、例えば、ハイドロサルファイト、ハイドロサルファイトナトリウム、還元糖類(D-グルコースやD-キシロース等)、及び、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、から選ばれる少なくとも1種であってよい。
2.2 ソーピング処理におけるその他の条件
ソーピング処理におけるその他の条件については、特に限定されるものではなく、上記の第2処理液によって上記のポリエステル系繊維をソーピング可能な条件が採用される。例えば、以下の条件が挙げられる。
2.2.1 ソーピング処理における浴比
ポリエステル系繊維と第2処理液との浴比は、目的とする性能等によって異なるが、例えば、1:3~1:30であってよく、好ましくは1:5~1:25であり、より好ましくは1:5~1:20であり、さらに好ましくは1:5~1:15である。
2.2.2 ソーピング処理温度及びソーピング処理時間
ソーピング処理の温度は、一般の染色加工における処理温度、すなわち60~140℃の範囲であってよいが、繊維製品の諸物性や風合いの低下等を考慮すると、好ましくは70~100℃、より好ましくは70~90℃、さらに好ましくは75~85℃の範囲である。ソーピング時間は、例えば、5~60分間であってよい。十分にソーピングできる観点、繊維製品の諸物性の低下を抑える観点から、10~30分間が好ましい。
3.同浴処理(1浴2段法)
本開示の製造方法においては、上記の染色処理と上記のソーピング処理とが同浴(1浴)で行われる。すなわち、染色処理とソーピング処理とが、1浴2段法により行われる。具体的には、第1処理液による染色処理の後、第1処理液の全量排液を行うことなく第1処理液の一部又は全部を残し、第1処理液に必要成分を添加して第2処理液を調製したうえで、当該第2処理液によるソーピング処理が行われる。このように、第1処理液による染色処理と第2処理液によるソーピング処理とを同浴(1浴)で行うことにより、節水及びエネルギー削減が可能である。
本開示の製造方法においては、第2処理液中に第1処理液に由来する成分(染料等)が残留した状態で、第2処理液によるソーピング処理が行われる。従来においては、このような1浴2段法により染色処理とソーピング処理とを行った場合、ポリエステル系染色繊維製品の堅牢度や均染性が低下し易い、という問題があった。これに対し、本開示の製造方法においては、上述の通り、第1処理液において化合物Aを採用し、且つ、第2処理液においてポリマーBを採用することで、2浴2段法により染色処理及びソーピング処理を行った場合と同等の堅牢度や均染性が確保され得る。
本開示の製造方法においては、例えば、第1処理液の50体積%以上100体積%以下、70体積%以上100体積%以下、又は、90体積%以上100体積%以下が利用されて、第2処理液が調製されてもよい。染色処理後、第1処理液の排液を行わない場合、第1処理液の100体積%が第2処理液として利用されることとなる。
染色処理とソーピング処理とを同浴(1浴)で行う場合の具体的な形態としては、例えば、以下の第1形態や第2形態が挙げられる。尚、本開示の製造方法においては、下記第1形態のように、第1処理液にポリマーBが含まれていたとしても、第1処理液によるポリエステル系繊維の染色処理が適切に行われる。
第1形態:化合物A及びポリマーB等を含む第1処理液によって染色処理を行った後、当該第1処理液に対して(染色浴に対して)アルカリ及び還元剤等を添加して第2処理液(ソーピング浴)を調製し、当該第2処理液によってソーピング処理を行う形態。
第2形態:化合物A等を含む第1処理液によって染色処理を行った後、当該第1処理液に対して(染色浴に対して)ポリマーB、アルカリ及び還元剤等を添加して第2処理液(ソーピング浴)を調製し、当該第2処理液によってソーピング処理を行う形態。
上記第1形態及び第2形態のいずれについても、染色処理後の第1処理液に対してアルカリ及び還元剤等を添加するタイミングは、特に限定されるものではない。中でも、染色処理後の降温時、又は、ソーピング処理を行う温度まで降温後(好ましくはソーピング処理を行う温度まで降温後)に、第1処理液に対してアルカリ及び還元剤等を添加することが好ましい。第2形態においてポリマーBを添加する場合のタイミングについても同様である。尚、第1形態においては、ポリマーBを含む第1処理液によって染色処理後、当該第1処理液に対してさらにポリマーBを添加してもよいし、しなくてもよい。第1形態において、染色処理後の第1処理液に対してさらにポリマーBを添加する場合、そのタイミングは上記と同様であってよい。
4.その他の処理
本開示の製造方法は、第1処理液と第2処理液とを用いて、上記の染色処理と上記のソーピング処理とを同浴(1浴)で行うものであればよく、それ以外の各種処理をさらに含んでいてもよい。例えば、本開示の製造方法においては、上記の染色処理の前に精練を行うことが好ましい。精練は、例えば、精練剤を用いて、ウィンスや液流染色機によるバッチ方式、又は、連続精練装置による連続方式等により行われる。精練剤は、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテル等の非イオン界面活性剤;非イオン界面活性剤と、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族アルコール硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤との配合物;から選ばれる少なくとも1種であってよい。
以下、実施例を示しつつ本開示の製造方法についてさらに説明するが、本開示の製造方法は以下の実施例に限定されるものではない。本開示の製造方法においては、その要旨を逸脱せず、その目的を達する限りにおいて、種々の条件が採用され得る。
1.化合物Aの準備
1.1 ジエチレングリコールジベンゾアートの準備
攪拌機、温度計、水分離器付還流冷却器及び窒素ガス導入管を備えた1Lのガラス製反応容器に、ジエチレングリコール106.1g(1.0モル)、安息香酸244.2g(2.0モル)、酸化錫1.22g、キシレン36gを仕込み、窒素を反応液中に吹き込みながら180℃まで昇温し、同温度で8~10時間反応させて、エステル化反応物を得た。反応により生成した水はキシレンとの共沸により反応系外へ除去した。得られたエステル化反応物を5質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和後、温水洗浄し、次いで、1.5kPaの減圧下、120~135℃で、残存成分としてのキシレンを留去し、化合物Aとしてのジエチレングリコールジベンゾアートを得た。
1.2 安息香酸ジベンジルの準備
株式会社伏見製薬所製の安息香酸ジベンジルを用意した。
2.ポリマーBの準備
2.1 ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:20000)の準備
300mLフラスコに、アクリル酸ナトリウム塩60g及び水139.65gを入れ、45℃にて混合攪拌し混合液とした。次いで、アゾビス(イソブチルアミジン)二塩酸塩0.20gを混合液に添加し、窒素雰囲気下で60℃にて6時間ラジカル重合させて、ポリマー濃度30質量%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液には、ポリアクリル酸ナトリウムが含まれ、その重量平均分子量は20000であった。
2.2 ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:1000)の準備
反応系にドデシルメルカプタン0.10gを追加したこと以外は、上記と同じ条件で重合反応を行い、ポリマー濃度30質量%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液には、ポリアクリル酸ナトリウムが含まれ、その重量平均分子量は1000であった。
2.3 ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:7000)の準備
ポリアクリル酸ナトリウムを含むポリマー溶液として、市販品のカヤクリルレジンH-32(日本化薬株式会社製、固形分50%)を使用した。当該ポリアクリル酸ナトリウムの重量平均分子量は7000であった。
3.染色助剤の準備
3.1 染色助剤A-1
混合釜に、化合物A(ジエチレングリコールジベンゾアート)50質量部、PEG脂肪酸ジエステル20質量部、AO付加ポリスチリルフェニルエーテル10.4質量部、AO付加ポリスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩6.1質量部を仕込み、50~60℃で均一に混合した。次いで、水13.5質量部を仕込み、均一に混合し、染色助剤A-1を得た。
3.2 染色助剤A-2~A-9
下記表1に示される成分を使用したこと以外は、染色助剤A-1と同様にして、染色助剤A-2~A-9を得た。
Figure 2024005830000003
4.ソーピング剤の準備
4.1 ソーピング剤B-1
混合釜に、ポリマーB(ポリアクリル酸ナトリウム、Mw:7000)18.8質量部、AO付加ポリスチリルフェニルエーテル9.9質量部、水71.3質量部を仕込み、50~60℃で均一に混合し、ソーピング剤B-1を得た。
4.2 ソーピング剤B-2~B-7
下記表2に示される成分を使用したこと以外は、ソーピング剤B-1と同様にして、ソーピング剤B-2~B-7を得た。尚、下記表2に示されるポリアクリル酸ナトリウムの配合量(質量部)は、上記のポリマー溶液をポリアクリル酸ナトリウム単独での配合量に換算した値である。すなわち、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(Mw:7000)として用いたカヤクリルレジンH-32は固形分50%のものであるが、ソーピング剤B-1では、ポリアクリル酸ナトリウムが18.8質量部となるように、カヤクリルレジンH-32の配合量を調整した。
Figure 2024005830000004
5.染色処理及びソーピング処理
5.1 第1形態(1浴2段法):実施例1~3
第1処理液(染色浴)において染色助剤及びソーピング剤を併用してポリエステル系繊維の染色処理を行い、その後、染色浴に薬剤を投入して第2処理液(ソーピング浴)を調製したうえで、ソーピング処理を行った。
5.1.1 染色処理
試験布としてポリエステル100%織物を用い、試験機器としてミニカラー染色機(Rapid製)を用い、浴比1:15となるように、下記の組成を有する第1処理液(染色浴)に試験布を入れて、130℃で60分間(60℃から2℃/minで昇温)、染色処理を行った。
<第1処理液(染色浴)の組成>
80%酢酸 0.4g/L
染色助剤 1g/L
分散染料Foron Rubine(ARCHROMA製) 4.5%o.w.f.
ソーピング剤 1g/L
5.1.2 ソーピング処理
上記の染色処理後、第1処理液を約80℃まで冷却し、下記の薬剤を添加して第2処理液(ソーピング浴)を調製したうえで、80℃で20分間、ソーピング処理を行った。ここで、ポリエステル系繊維と第2処理液(ソーピング液)との浴比が1:15のままとなるように、下記の薬剤を各々1g/Lとなるように添加した。その後、水洗、脱水及び乾燥を行い、ポリエステル系染色繊維製品を得た。
<薬剤>
苛性ソーダ48% 1g/L
ハイドロサルファイトナトリウム 1g/L
5.2 第2形態(1浴2段法):実施例4~11及び比較例1~15
第1処理液(染色浴)において染色助剤を用いてポリエステル系繊維の染色処理を行い、その後、染色浴にソーピング剤及び薬剤を投入して第2処理液(ソーピング浴)を調製したうえで、ソーピング処理を行った。
5.2.1 染色処理
試験布としてポリエステル100%織物を用い、試験機器としてミニカラー染色機(Rapid製)を用い、浴比1:15となるように、下記の組成を有する第1処理液(染色浴)に試験布を入れて、130℃で60分間(60℃から2℃/minで昇温)、染色処理を行った。
<第1処理液(染色浴)の組成>
80%酢酸 0.4g/L
染色助剤 1g/L
分散染料Foron Rubine(ARCHROMA製) 4.5%o.w.f.
5.2.2 ソーピング処理
上記の染色処理後、第1処理液を約80℃まで冷却し、下記の薬剤を添加して第2処理液(ソーピング浴)を調製したうえで、80℃で20分間、ソーピング処理を行った。ここで、ポリエステル系繊維と第2処理液(ソーピング液)との浴比が1:15のままとなるように、下記の薬剤を各々1g/Lとなるように添加した。その後、水洗、脱水及び乾燥を行い、ポリエステル系染色繊維製品を得た。
<薬剤>
ソーピング剤 1g/L
苛性ソーダ48% 1g/L
ハイドロサルファイトナトリウム 1g/L
5.3 第3形態(1浴2段法):比較例16
染色処理後の第1処理液(染色浴)に対して、80%酢酸とソーピング剤B-7(液体還元剤、特許文献1に開示されたものに相当)とを添加してソーピング処理を行ったこと以外は、第2形態と同様にして染色処理及びソーピング処理を行った。具体的には以下の通りである。
5.3.1 染色処理
試験布としてポリエステル100%織物を用い、試験機器としてミニカラー染色機(Rapid製)を用い、浴比1:15となるように、下記の組成を有する第1処理液(染色浴)に試験布を入れて、130℃で60分間(60℃から2℃/minで昇温)、染色処理を行った。
<第1処理液(染色浴)の組成>
80%酢酸 0.4g/L
染色助剤 1g/L
分散染料Foron Rubine(ARCHROMA製) 4.5%o.w.f.
5.3.2 ソーピング処理
上記の染色処理後、第1処理液を約80℃まで冷却し、下記の薬剤を添加して第2処理液(ソーピング浴)を調製したうえで、80℃で20分間、ソーピング処理を行った。ここで、ポリエステル系繊維と第2処理液(ソーピング液)との浴比が1:15のままとなるように、下記の薬剤の添加量を下記の通り調整した。その後、水洗、脱水及び乾燥を行い、ポリエステル系染色繊維製品を得た。
<薬剤>
80%酢酸 0.5g/L
ソーピング剤B-7(液体還元剤) 1g/L
5.4 第4形態(2浴2段法):比較例17
ポリエステル系繊維に対して2浴2段法により染色処理とソーピング処理とを行った。
5.4.1 染色処理
試験布としてポリエステル100%織物を用い、試験機器としてミニカラー染色機(Rapid製)を用い、浴比1:15となるように、下記の組成を有する第1処理液(染色浴)に試験布を入れて、130℃で60分間(60℃から2℃/minで昇温)、染色処理を行った。
<第1処理液(染色浴)の組成>
80%酢酸 0.4g/L
染色助剤 1g/L
分散染料Foron Rubine(ARCHROMA製) 4.5%o.w.f.
5.4.2 ソーピング処理
上記の染色処理後、第1処理液を約80℃まで冷却したうえで、排液した。新たに、下記の組成を有する第2処理液(ソーピング浴)を準備したうえで、浴比1:15で、80℃で20分間、ソーピング処理を行った。その後、水洗、脱水及び乾燥を行い、ポリエステル系染色繊維製品を得た。
<第2処理液(ソーピング浴)の組成>
ソーピング剤 1g/L
苛性ソーダ48% 1g/L
ハイドロサルファイトナトリウム 1g/L
6.ポリエステル系染色繊維製品の評価
6.1 染着率の評価
得られたポリエステル系染色繊維製品について、分光測色計(CM-3600d、コニカミノルタセンシング(株)製)を用いて400~700nmの10nm毎のK/S値を求め、その積分値を算出した。当該積分値をポリエステル系染色繊維製品のK/S値として染着率を評価した。尚、「染着率」は、比較例4のポリエステル系染色繊維製品のK/S値を100とし、実施例1~11、比較例1~3、5~17のポリエステル系染色繊維製品のK/S値を相対化して評価した。すなわち、下記式に基づいて、各実施例及び比較例の「染着率」を算出した。染着率が高いほど、濃く染色できていること、すなわち、染着静に優れているといえる。
(染着率)=([各ポリエステル系染色繊維製品のK/S値]/[比較例4のポリエステル系染色繊維製品のK/S値])×100
6.2 均染性の評価
得られたポリエステル系染色繊維製品について、ランダムに3ヶ所を測色し、そのうちの1ヶ所に対する残りの2ヶ所のΔEの平均値を測定した。ΔEは、JIS Z 8781-4:2013に準拠して測定した。ΔEが小さいほど、均染性に優れているといえる。
6.3 乾燥及び湿潤摩擦堅牢度の評価
堅牢度は、JIS L0849:2013の摩擦試験機II形(学振形)法により摩擦堅牢度試験を行うことで評価した。評価の級数が大きいほど、堅牢度に優れているといえる。
7.評価結果
評価結果を下記表3及び4に示す。
Figure 2024005830000005
Figure 2024005830000006
表3及び4に示される結果から、以下のことが分かる。
(1)比較例1~4は、第1処理液において化合物Aを使用せず、それに替えてその他の化合物を使用した例である。この場合、ポリエステル系染色繊維製品が均染性に劣るものとなった。また、比較例3、4については、ポリエステル系染色繊維製品が染着性にも劣るものとなった。
(2)比較例5~14及び16は、第2処理液においてポリマーBを使用せず、それに替えてその他の化合物を使用した例である。この場合、ポリエステル系染色繊維製品が堅牢度に劣るものとなった。
(3)比較例15は、第1処理液において化合物Aを使用せず、それに替えてその他の化合物を使用し、且つ、第2処理液においてポリマーBを使用せず、それに替えてその他の化合物を使用した例である。この場合、ポリエステル系染色繊維製品が均染性及び堅牢度の双方について劣るものとなり、染着性にも劣るものとなった。
(4)比較例17は、2浴2段法により染色処理及びソーピング処理を行った例である。この場合、比較例1~16とは異なり、ポリエステル系染色繊維製品が均染性及び堅牢度に優れるものとなった。ただし、十分な染着性は得られなかった。
(5)これに対し、実施例1~11のように、第1処理液において化合物Aを使用し、且つ、第2処理液においてポリマーBを使用することで、ポリエステル系染色繊維製品が均染性及び堅牢度に優れるものとなり、また、染着性にも優れるものとなった。
以上の結果から、以下の方法によれば、均染性及び堅牢度に優れるポリエステル系染色繊維製品を1浴2段法により製造することができるといえる。すなわち、本開示のポリエステル系染色繊維製品の製造方法は、
第1処理液によってポリエステル系繊維の染色処理を行うこと、及び
第2処理液によって前記ポリエステル系繊維のソーピング処理を行うこと、を含み、
前記第1処理液が、下記一般式(1)で表される化合物Aを含み、
前記第2処理液が、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩のうちの一方又は両方を有するポリマーBを含み、
前記染色処理と前記ソーピング処理とが同浴で行われるものである。
Figure 2024005830000007
式(1)において、
は炭素数1~4のアルキル基又はアルコキシ基であり、
は単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
は単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
は炭素数1~4のアルキル基又はアルコキシ基であり、
Oは炭素数2~6のアルキレンオキシ基であり、
aは0~3の整数であり、
bは1~10の整数であり、
cは0~1の整数であり、
dは0~3の整数である。

Claims (4)

  1. 第1処理液によってポリエステル系繊維の染色処理を行うこと、及び
    第2処理液によって前記ポリエステル系繊維のソーピング処理を行うこと、を含み、
    前記第1処理液が、下記一般式(1)で表される化合物Aを含み、
    前記第2処理液が、カルボキシル基及びカルボキシル基の塩のうちの一方又は両方を有するポリマーBを含み、
    前記染色処理と前記ソーピング処理とが同浴で行われる、
    ポリエステル系染色繊維製品の製造方法。
    Figure 2024005830000008
    式(1)において、
    は炭素数1~4のアルキル基又はアルコキシ基であり、
    は単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
    は単結合又は炭素数1~3のアルキレン基であり、
    は炭素数1~4のアルキル基又はアルコキシ基であり、
    Oは炭素数2~6のアルキレンオキシ基であり、
    aは0~3の整数であり、
    bは1~10の整数であり、
    cは0~1の整数であり、
    dは0~3の整数である。
  2. 前記染色処理後の前記第1処理液に対して、前記ポリマーBが添加される、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記染色処理時の前記第1処理液が、前記ポリマーBを含む、
    請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記第1処理液に含まれる前記化合物Aの量が、0.001g/L以上、40g/L以下であり、
    前記第2処理液に含まれる前記ポリマーBの量が、0.005g/L以上、2.0g/L以下である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
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