JP2024004292A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導加熱調理器において、加熱コイルユニットを、他の構成要素のレイアウトの自由度の低減を抑制しつつ、トッププレートの下方に配置された筺体内に設ける。【解決手段】誘導加熱調理器10は、トッププレートと、トッププレートの下方に配置された筺体12と、トッププレート上の加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニット22Aと、加熱コイルユニット22Aを二点支持する第1および第2の付勢部材46、48と、トッププレートおよび加熱コイルユニット22Aの一方に設けられ、他方に接触してトッププレートと加熱コイルユニット22Aとの間にスペースを形成する第1および第2の接触部材66、68とを有する。上方視で、第1の付勢部材46と第2の付勢部材48とを結ぶ第1の直線と第1の接触部材66と第2の接触部材68とを結ぶ直線とが加熱コイルユニット22A上で交差するように、第1および第2の接触部材66、68が配置されている。【選択図】図3
Description
本開示は、誘導加熱調理器に関する。
特許文献1には、トッププレート上に載置された調理容器などの加熱対象をそのトッププレートの下方から誘導加熱する加熱コイルユニットを有する誘導加熱調理器が開示されている。加熱コイルユニットは、トッププレートの下方に配置された筺体内に、三点支持された状態で配置されている。
しかしながら、特許文献1の誘導加熱調理器の場合、加熱コイルユニットを三点支持するための支持部材を筺体内に設ける必要がある。その3つの支持部材のために、筺体内における他の構成要素のレイアウトの自由度が低減される。
そこで、本開示は、トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する誘導加熱調理器において、加熱コイルユニットを、他の構成要素のレイアウトの自由度の低減を抑制しつつ、トッププレートの下方に配置された筺体内に設けることを課題とする。
上述の課題を解決するために、本開示の一態様によれば、
トッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された筺体と、
前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、
前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、
前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する第1および第2の接触部材と、を有し、
上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ第1の直線と前記第1の接触部材と前記第2の接触部材とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記第1および第2の接触部材が配置されている、誘導加熱調理器が提供される。
トッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された筺体と、
前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、
前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、
前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する第1および第2の接触部材と、を有し、
上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ第1の直線と前記第1の接触部材と前記第2の接触部材とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記第1および第2の接触部材が配置されている、誘導加熱調理器が提供される。
また、本開示の別態様によれば、
トッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された筺体と、
前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、
前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、
前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する接触部材と、を有し、
上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ直線と前記接触部材と前記加熱コイルユニットの重心とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記接触部材が配置されている、誘導加熱調理器が提供される。
トッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された筺体と、
前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、
前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、
前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する接触部材と、を有し、
上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ直線と前記接触部材と前記加熱コイルユニットの重心とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記接触部材が配置されている、誘導加熱調理器が提供される。
本開示によれば、トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する誘導加熱調理器において、加熱コイルユニットを、他の構成要素のレイアウトの自由度の低減を抑制しつつ、トッププレートの下方に配置された筺体内に設けることができる。
本開示の一態様の加熱調理器は、トッププレートと、前記トッププレートの下方に配置された筺体と、前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する第1および第2の接触部材と、を有し、上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ第1の直線と前記第1の接触部材と前記第2の接触部材とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記第1および第2の接触部材が配置されている。
このような態様によれば、トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する誘導加熱調理器において、加熱コイルユニットを、他の構成要素のレイアウトの自由度の低減を抑制しつつ、トッププレートの下方に配置された筺体内に設けることができる。
例えば前記第1の直線が上方視で前記加熱コイルユニットの中心を通過するように、前記第1および第2の付勢部材が配置されてもよい。
例えば、誘導加熱調理器が、前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する第3および第4の接触部材を、さらに有してもよい。この場合、上方視で、前記第3の接触部材と前記第4の接触部材とを結ぶ第3の直線が前記第1の直線と前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記第3および前記第4の接触部材が配置されている。
例えば、上方視で、前記第3および第4の接触部材が、前記第1および第2の接触部材に比べて前記第1および第2の付勢部材に近い位置に配置されてもよい。
例えば、誘導加熱調理器が、前記第1の付勢部材を支持し、前記筺体の側壁近傍に設けられた第1の付勢部材支持部を、さらに有してもよい。
例えば、誘導加熱調理器が、前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットの下方に配置された基板と、前記筺体内に設けられ、前記基板を支持するインナーケースと、をさらに有してもよい。この場合、前記第1の付勢部材支持部が、前記インナーケースに設けられてもよい。
例えば、誘導加熱調理器が、前記筺体内に外部の空気を吸引するファンと、吸引した空気を前記基板上の発熱部品に案内するダクト部材と、前記ダクト部材の上面に設けられ、前記第2の付勢部材を支持する第2の付勢部材支持部と、をさらに有してもよい。
例えば、前記第2の付勢部材支持部の下方に位置する前記ダクト部材の下面の部分に、リブが設けられてもよい。
また、本開示の別態様の誘導加熱調理器は、トッププレートと、前記トッププレートの下方に配置された筺体と、前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する接触部材と、を有し、上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ直線と前記接触部材と前記加熱コイルユニットの重心とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記接触部材が配置されている。
このような態様によれば、トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する誘導加熱調理器において、加熱コイルユニットを、他の構成要素のレイアウトの自由度の低減を抑制しつつ、トッププレートの下方に配置された筺体内に設けることができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の一実施の形態に係る誘導加熱調理器の斜視図である。また、図2は、筺体内を示す誘導加熱調理器の分解斜視図ある。さらに、図3は、加熱コイルユニットを筺体から取り外した状態を示す分解斜視図である。なお、図に示すX-Y-Z直交座標系は、本開示の実施の形態の理解を容易にするためのものであって、本開示の実施の形態を限定するものではない。X軸方向は誘導加熱調理器の前後方向を示し、Y軸方向は左右方向を示し、Z軸方向は高さ方向を示している。
図1~図3に示すように、本実施の形態に係る誘導加熱調理器10は、筺体12と、筺体12の上方に配置されるトッププレートユニット14とを有する。
図2および図3に示すように、誘導加熱調理器10の筺体12は、上方が開いた金属製の筺体である。筺体12は、トッププレートユニット14の下方に配置され、トッププレートユニット14を下方から支持する。
トッププレートユニット14は、加熱対象、例えば調理容器が載置されるトッププレート16と、トッププレート16を支持するトップフレーム18とを備える。トッププレート16は、例えば耐熱ガラスから作製された板状の部材である。トップフレーム18は、トッププレート16を支持する枠状の部材であって、筺体12に支持される。また、トップフレーム18の前側部分には、操作ユニット20が設けられている。また、トップフレーム18の後側部分には、筺体12内の空気を外部に排出するための排気口18aが設けられている。
また、誘導加熱調理器10は、トッププレートユニット14のトッププレート16上に載置された加熱対象を誘導加熱する複数の加熱コイルユニット22A、22B、24を有する。
加熱コイルユニット22A、22B、24は、筺体12内に配置されている。加熱コイルユニット22A、22B、24それぞれは、その上方のトッププレート16の部分に載置されている加熱対象を誘導加熱する。加熱コイルユニット22A、22Bは、同一のユニットである。加熱コイルユニット24は、サイズが異なる点を除いて、加熱コイルユニット22A、22Bと実質的に同一の構成を備える。
図4は、加熱コイルユニットの分解斜視図である。
図4に示すように、加熱コイルユニット22A、22Bは、複数の構成要素を積層して構成されている。
本実施の形態の場合、加熱コイルユニット22A、22Bは、樹脂材料などから作製されたコイルベース30と、コイルベース30に支持される防磁板32と、防磁板32上に配置される複数のフェライト34と、複数のフェライト34上に配置される絶縁板36と、絶縁板36上に載置される加熱コイル38と、加熱コイル38上に載置される絶縁板40とを含む。また、本実施の形態の場合、加熱コイルユニット22A、22Bは、加熱対象から放射された赤外線を検出する赤外線センサ42と、トッププレート16に接触してトッププレート16の温度を検出する温度センサ44とを備える。誘導加熱調理器10のコントローラ(図示せず)は、赤外線センサ42の検出結果と温度センサ44の検出結果とに基づいて加熱対象の温度を算出し、その算出した温度に基づいて加熱コイル38の出力を調節する。
図3に示すように、筺体12内において、加熱コイルユニット22Aは、2つのコイルスプリング46、48(付勢部材)を介して支持されている。また、加熱コイルユニット22Bも、2つのコイルスプリング50、52を介して支持されている。すなわち、加熱コイルユニット22A、22Bそれぞれは、二点支持されている。
図5は、加熱コイルユニットの下面を示す斜視図である。
図5に示すように、本実施の形態の場合、加熱コイルユニット22A、22Bを二点支持するコイルスプリング46、48、50、および52は、加熱コイルユニット22A、22Bをトッププレート16に向かって付勢する。なお、加熱コイルユニット22A、22Bそれぞれのコイルベース30には、コイルスプリング46、48、50、および52をそれぞれ収容する凹部30aが形成されている。
図3に示すように、複数のコイルスプリング46、48、50、および52それぞれを支持するスプリングリテイナ56b、56c、62a、および62b(付勢部材支持部)が筺体12内に設けられている。
図6は、筺体から内部構成要素を取り外した状態を示している。また、図7は、内部構成要素における冷却ユニットの分解斜視図である。さらに、図8は、冷却ユニットの下方斜視図である。そして、図9は、冷却ユニットの下面図である。
本実施の形態の場合、スプリングリテイナは、筺体12内に収容された内部構成要素の一部分で構成されている。
具体的には、筺体12内には、加熱コイルユニット22A、22Bにおける加熱コイル38、赤外線センサ42、温度センサ44と操作ユニット20とに電気的に接続された基板54が設けられている。基板54は、複数の加熱コイルユニット22A、22B、24の下方に配置されている。また、基板54は、樹脂材料などの絶縁材料から作製されたトレイ状のインナーケース56に支持された状態で、筺体12内に設けられている。基板54を囲んだ状態でトッププレートユニット14に向かって延在するインナーケース56の壁部56aにスプリングリテイナ56b、56cが設けられている。スプリングリテイナは、例えば、コイルスプリング内を通過するシャフト部と、コイルスプリングの端部が着座する着座部とから構成されている。
具体的には、一方の加熱コイルユニット22Aの左側部分を支持するコイルスプリング46を支持するスプリングリテイナ56bが、筺体12の左側壁近傍に位置するインナーケース56の壁部56aの部分に一体的に設けられている。筐体12の壁部と、スプリングテイナ56bと一体化された壁部56aとは、ネジなどで固定される。これにより、スプリングテイナ56bがコイルスプリング52を介して受けた加熱コイルユニット22Aの荷重を、筐体12で受けることができる。したがって、スプリングテイナ56bの変形を抑制できる。また、他方の加熱コイルユニット22Bの右側部分を支持するコイルスプリング52を支持するスプリングリテイナ56cが、筺体12の右側壁近傍に位置するインナーケース56の壁部56aの部分に一体的に設けられている。これにより、スプリングテイナ56cがコイルスプリング52を介して受けた加熱コイルユニット22Bの荷重を、筐体12で受けることができる。したがって、スプリングテイナ56cの変形を抑制できる。
残りのコイルスプリング48、50を支持するスプリングリテイナは、本実施の形態の場合、冷却ユニット58に設けられている。冷却ユニット58は、基板54上の発熱部品を冷却するユニットである。
冷却ユニット58は、筺体12内に外部の空気を吸引するファン60と、吸引した空気を基板54上の発熱部品に案内するダクト部材62とを含んでいる。筺体12の底面および対向するインナーケース56の部分それぞれには、ファン60によって吸引された空気が通過する貫通穴12a、56dが形成されている。ファン60は、そのインナーケース56の貫通穴56dの上方に、高さ方向(Z軸方向)に延在する回転中心線を中心にして回転可能に配置されている。
冷却ユニット58のダクト部材62は、基板54上に載置され、冷却対象である基板54上の発熱部品を覆う。本実施の形態の場合、複数の発熱部品それぞれには、ヒートシンク64が取り付けられており、ダクト部材62は、そのヒートシンク64を覆う。このダクト部材62により、ファン60からの空気がヒートシンク64に案内され、ヒートシンク64が取り付けられた発熱部品が冷却される。
本実施の形態の場合、冷却ユニット58のダクト部材62の上面に、一方の加熱コイルユニット22Aの右側部分を支持するコイルスプリング48を支持するスプリングリテイナ62aが、一体的に設けられている。また、他方の加熱コイルユニット22Bの左側部分を支持するコイルスプリング50を支持するスプリングリテイナ62bが、ダクト部材62の上面に一体的に設けられている。
なお、スプリングリテイナ62a、62bには、コイルスプリング48、50を介して、加熱コイルユニット22A、22Bの荷重がかかる。その荷重による変形を抑制するために、図8および図9に示すように、ダクト部材62の下面におけるスプリングリテイナ62a、62bの下方に位置する部分には、リブ62c、62dが設けられている。これらのリブ62c、62dにより、加熱コイルユニット22A、22Bの荷重によるダクト部材62の変形が抑制されている。なお、ダクト部材62の変形をさらに抑制するために、リブ62c、62dは、ダクト部材62の下面から基板54まで延在してもよい。また、これらのリブ62c、62dは、ファン60からの空気を基板54上の発熱部品(すなわちヒートシンク64)に案内するガイド板としても機能している。
なお、加熱コイルユニット22A、22Bを支持するコイルスプリング46、48、50、および52を支持するスプリングリテイナの少なくとも一部を、筺体12に直接的に設けてもよい。
このようなコイルスプリング46、48、50、および52により、加熱コイルユニット22A、22Bは、トッププレートユニット14のトッププレート16に接近した状態で維持される。
図10は、トッププレートに接近した状態の加熱コイルユニットを示す側面図である。
図6に示すように、コイルスプリング46、48、50、および52によって付勢されている加熱コイルユニット22A、22Bとトッププレート16との間には、所定の厚さ(高さ方向のサイズ)のスペースSが形成されている。すなわち、スペースSは、空気の断熱層である。このスペースSにより、加熱コイルユニット22A、22Bからトッププレート16への熱の移動が制限されている。また、このスペースSを空気が流れることにより、トッププレート16と加熱コイルユニット22A、22Bが冷却される。
このようなスペースSを形成するために、本実施の形態の場合、トッププレート16と接触する複数の接触部材66、68、70、および72が、加熱コイルユニット22A、22Bそれぞれのコイルベース30に設けられている。複数の接触部材66、68、70、および72は、上方視(Z軸方向視)で、加熱コイル38を囲むように配置されている。また、複数の接触部材66、68、70、および72は、例えば、高い耐熱性を備える樹脂材料から作製されている。
さらに、接触部材66、68、70、および72それぞれは、トッププレート16と接触する頂面66a、68a、70a、および72aが加熱コイルユニット22A、22Bの最頂部(本実施の形態の場合、絶縁板40)に比べて上方に位置するように、コイルベース30に設けられている。したがって、コイルスプリング46、48、50、および52に加熱コイルユニット22A、22Bが付勢されると、接触部材66、68、70、および72の頂面66a、68a、70a、および72aはトッププレート16に接触するが、加熱コイルユニット22A、22Bの最頂部はトッププレート16に接触することができない。その結果として、トッププレート16と加熱コイルユニット22A、22Bとの間に所定の厚さのスペースSが形成される。
図3に示すように、加熱コイルユニット22Aは、2つのコイルスプリング46、48に支持されている。同様に、加熱コイルユニット22Bも、2つのコイルスプリング50、52に支持されている。すなわち、加熱コイルユニット22A、22Bそれぞれは、二点支持されている。そのため、加熱コイルユニット22A、22Bそれぞれは、姿勢が安定せず、揺動しやすい。この揺動は、接触部材66、68、70、および72によって抑制される。なお、二点支持された加熱コイルユニット22A、22Bそれぞれの揺動を抑制する方法は、同じである。したがって、加熱コイルユニット22Aの揺動抑制方法についてのみ説明する。
図11は、加熱コイルユニットの上面図である。
図11に示すように、加熱コイルユニット22Aは、コイルスプリング46、48によって二点支持されている。そのため、加熱コイルユニット22Aは、上方視(Z軸方向視)でコイルスプリング46、48を結ぶ直線L1(第1の直線)を中心にして揺動しやすい。この揺動を抑制するために、複数の接触部材66、68、70、および72が、トッププレート16に接触する。そのために、複数の接触部材66、68、70、および72が、上方視で直線L1を中心とする加熱コイルユニット22Aの揺動を抑制することが可能な位置に配置されている。
例えば、上方視(Z軸方向視)で、複数の接触部材66、68を結ぶ直線L2(第2の直線)が、コイルスプリング46、48を結ぶ直線L1と加熱コイルユニット22A上で交差するように、接触部材66、68が加熱コイルユニット22Aのコイルベース30上に設けられている。また、上方視で、複数の接触部材70、72を結ぶ直線L3(第3の直線)が、直線L1と加熱コイルユニット22A上で交差するように、接触部材70、72がコイルベース30上に設けられている。
このように配置された複数の接触部材66、68、70、および72により、加熱コイルユニット22Aは、直線L1を中心にして実質的に揺動することができない。具体的には、直線L1より後側の部分22Aaがトッププレート16に接近するような加熱コイルユニット22Aの揺動は、接触部材66、70がトッププレート16に接触しているので制限されている。また、直線L1より前側の部分22Abがトッププレート16に接近するような加熱コイルユニット22Aの揺動は、接触部材68、72がトッププレート16に接触しているので制限されている。その結果、直線L1を中心とする加熱コイルユニット22Aの揺動が抑制されている。
なお、接触部材70、72は、直線L1を中心とする加熱コイルユニット22Aの揺動を抑制する目的だけでなく、加熱コイルユニット22Aの変形も抑制している。具体的に説明すると、接触部材66、68がトッププレート16に接触しているので、コイルスプリング46、48にそれぞれ付勢されている部分がトッププレート16に接近するように変位する加熱コイルユニット22Aの経時的な変形が生じうる。これは、接触部材66、68が、直線L1を中心とする加熱コイルユニット22Aの揺動を抑制する目的のために、上方視(Z軸方向視)でコイルスプリング46、48から離れていることによって生じうる。このような加熱コイルユニット22Aの変形を抑制するために、接触部材70、72は、上方視で接触部材66、68に比べてコイルスプリング46、48に近い位置に配置されている。このコイルスプリング46、48に近い接触部材70、72がトッププレート16に接触していることにより、コイルスプリング46、48に付勢されている加熱コイルユニット22Aの部分のトッププレート16に接近する変位が抑制されている。
別の観点から見れば、コイルスプリング46、48から遠い接触部材66、68がトッププレート16に接触している状態の加熱コイルユニット22Aが、コイルスプリング46、48に付勢されても変形しない十分な剛性を備えている場合、接触部材70、72を省略することができる。
なお、図11に示すように、上方視(Z軸方向視)で、コイルスプリング46、48は、直線L1が加熱コイルユニット22Aの中心Cを通過するように配置されているのが好ましい。中心Cは、加熱コイルユニット22Aの形状中心であって、例えば加熱コイルユニット22Aを内含する最小面積の円の中心である。
直線L1が加熱コイルユニット22Aの中心Cから大きく外れると、接触部材66、68、70、および72それぞれのトッププレート16に対する接触圧に大きな差が生じうる。場合によっては、時間の経過により、1つの接触部材とトッププレートとの間に隙間が生じうる。その結果、トッププレート16と加熱コイルユニット22Aとの間のスペースSの厚さ(Z軸方向のサイズ)が一様でなくなり、スペースS(空気層)による断熱効果や、スペースSを流れる空気による冷却効果が低減する可能性がある。または、トッププレート16と加熱コイルユニット22Aとの間のスペースSの厚さが不均一になった場合には、加熱コイルユニット22Aとトッププレート16上の調理容器(例えば鍋)との距離が不均一になるため、調理容器を通る磁束密度が不均一になり、調理容器の加熱ムラが生じる可能性がある。
以上のような本実施の形態によれば、トッププレート16上に載置された加熱対象を誘導加熱する誘導加熱調理器10において、加熱コイルユニット22A、22Bを、他の構成要素のレイアウトの自由度の低減を抑制しつつ、トッププレート16の下方に配置された筺体12内に設けることができる。すなわち、加熱コイルユニット22A、22Bを三点支持する場合に比べて、他の構成要素のレイアウトの自由度が向上する。
以上、上述の実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されない。
例えば、上述の実施の形態の場合、図3に示すように、加熱コイルユニット22A、22Bをトッププレート16に向かって付勢する付勢部材は、コイルスプリング46、48、50、および52であるが、本開示の実施の形態はこれに限らない。すなわち、付勢部材は、加熱コイルユニット22A、22Bの接触部材66、68、70、および72とトッププレート16との接触を維持できるのであれば、コイルスプリングに限定されない。
また、上述の実施の形態の場合、図10に示すように、トッププレート16と加熱コイルユニット22A、22Bとの間にスペースSを形成する接触部材66、68、70、および72は、加熱コイルユニット22A、22Bに設けられている。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。接触部材の少なくとも一部がトッププレートに設けられてもよい。
さらに、上述の実施の形態の場合、図10に示すように、複数の接触部材66、68、70、および72がトッププレート16に接触することにより、加熱コイルユニット22A、22Bの揺動が抑制されている。しかしながら、加熱コイルユニット22A、22Bの揺動を抑制する構成要素は、接触部材に限らない。例えば、図10に示すように、トッププレート16の温度を検出する温度センサ44がトッププレート16に接触している。したがって、温度センサ44を、加熱コイルユニット22A、22Bの揺動を抑制するための接触部材として利用することができる。
さらにまた、上述の実施の形態の場合、図11に示すように、上方視(Z軸方向視)でコイルスプリング46、48を結ぶ直線L1を中心とする加熱コイルユニット22Aの揺動を抑制するために、4つの接触部材66、68、70、および72が使用されている。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。接触部材が1つでも加熱コイルユニットの揺動を抑制することは可能である。
図12は、別の実施の形態に係る誘導加熱調理器における加熱コイルユニットの概略的な上面図である。
図12に示すように、別の実施の形態に係る誘導加熱調理器における加熱コイルユニット122は、上述の実施の形態と同様に、2つのコイルスプリング146、148によって二点支持されている。また、1つの接触部材166が加熱コイルユニット122に設けられている。1つの接触部材166は、上方視(Z軸方向視)でコイルスプリング146、148を結ぶ直線L4と接触部材166と加熱コイルユニット122の重心Gとを結ぶ直線L5とが加熱コイルユニット122上で交差するように配置されている。このように配置された1つの接触部材166によっても、直線L5を中心とする加熱コイルユニット122の揺動を抑制することができる。具体的には、接触部材166がトッププレートに接触していることにより、直線L4より後側の加熱コイルユニット122の部分122aがトッププレートに接近する加熱コイルユニット112の揺動が抑制される。
すなわち、本開示の実施の形態に係る誘導加熱調理器は、広義には、トッププレートと、前記トッププレートの下方に配置された筺体と、前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する第1および第2の接触部材と、を有し、上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ第1の直線と前記第1の接触部材と前記第2の接触部材とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記第1および第2の接触部材が配置されている、誘導加熱調理器である。
また、本開示の別の実施の形態に係る誘導加熱調理器は、広義には、トッププレートと、前記トッププレートの下方に配置された筺体と、前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する接触部材と、を有し、上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ直線と前記接触部材と前記加熱コイルユニットの重心とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記接触部材が配置されている、誘導加熱調理器である。
本開示は、トッププレートの下方に配置され、トッププレート上の調理容器などの加熱対象を誘導加熱する加熱コイルを備える誘導加熱調理器に適用可能である。
10 誘導加熱調理器
12 筺体
22A 加熱コイルユニット
46 第1の付勢部材(コイルスプリング)
48 第2の付勢部材(コイルスプリング)
66 第1の接触部材
68 第2の接触部材
S スペース
12 筺体
22A 加熱コイルユニット
46 第1の付勢部材(コイルスプリング)
48 第2の付勢部材(コイルスプリング)
66 第1の接触部材
68 第2の接触部材
S スペース
Claims (9)
- トッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された筺体と、
前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、
前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、
前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する第1および第2の接触部材と、を有し、
上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ第1の直線と前記第1の接触部材と前記第2の接触部材とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記第1および第2の接触部材が配置されている、誘導加熱調理器。
- 前記第1の直線が上方視で前記加熱コイルユニットの中心を通過するように、前記第1および第2の付勢部材が配置されている、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する第3および第4の接触部材を、さらに有し、
上方視で、前記第3の接触部材と前記第4の接触部材とを結ぶ第3の直線が前記第1の直線と前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記第3および前記第4の接触部材が配置されている、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 上方視で、前記第3および第4の接触部材が、前記第1および第2の接触部材に比べて前記第1および第2の付勢部材に近い位置に配置されている、請求項3に記載の誘導加熱調理器。
- 前記第1の付勢部材を支持し、前記筺体の側壁近傍に設けられた第1の付勢部材支持部を、さらに有する、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットの下方に配置された基板と、
前記筺体内に設けられ、前記基板を支持するインナーケースと、をさらに有し、
前記第1の付勢部材支持部が、前記インナーケースに設けられている、請求項5に記載の誘導加熱調理器。
- 前記筺体内に外部の空気を吸引するファンと、
吸引した空気を前記基板上の発熱部品に案内するダクト部材と、
前記ダクト部材の上面に設けられ、前記第2の付勢部材を支持する第2の付勢部材支持部と、をさらに有する、請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記第2の付勢部材支持部の下方に位置する前記ダクト部材の下面の部分に、リブが設けられている、請求項7に記載の誘導加熱調理器。
- トッププレートと、
前記トッププレートの下方に配置された筺体と、
前記筺体内に設けられ、前記トッププレート上に載置された加熱対象を誘導加熱する加熱コイルユニットと、
前記筺体内に設けられ、前記加熱コイルユニットを前記トッププレートに向かって付勢しつつ、二点支持する第1および第2の付勢部材と、
前記トッププレートおよび前記加熱コイルユニットの一方に設けられ、他方に接触して前記トッププレートと前記加熱コイルユニットとの間にスペースを形成する接触部材と、を有し、
上方視で、前記第1の付勢部材と前記第2の付勢部材とを結ぶ直線と前記接触部材と前記加熱コイルユニットの重心とを結ぶ直線とが前記加熱コイルユニット上で交差するように、前記接触部材が配置されている、誘導加熱調理器。
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JP2022103885A JP2024004292A (ja) | 2022-06-28 | 2022-06-28 | 誘導加熱調理器 |
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JP2022103885A JP2024004292A (ja) | 2022-06-28 | 2022-06-28 | 誘導加熱調理器 |
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JP2022103885A Pending JP2024004292A (ja) | 2022-06-28 | 2022-06-28 | 誘導加熱調理器 |
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- 2023-06-26 CN CN202321635964.4U patent/CN220422077U/zh active Active
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