以下、本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものではない。これらの方向を示す用語は、特に明示しない限り、誘導加熱調理器を前面側(正面側)から見た場合の方向を意味している。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100がキッチンキャビネット200に取り付けられた状態を示す前面側斜視図である。実施の形態1の誘導加熱調理器100は、本体筐体1がキッチンキャビネット200に形成された据え付け用の開口部に組み込まれた状態で使用されるいわゆるビルトイン型のものである。誘導加熱調理器100の本体筐体1の上部には、筐体上枠5が組み付けられている。本体筐体1と筐体上枠5とが組み合わされて形成される内部空間に、後述する各部品が収容される。筐体上枠5の上面の開口には、鍋等の被加熱物が載置されるトッププレート2が嵌め込まれている。図1に示すように本体筐体1がキッチンキャビネット200に組み込まれると、キッチンキャビネット200の天面に形成された開口から筐体上枠5及びトッププレート2が露出する。
本体筐体1内には、調理室内でグリル加熱やコンベクション加熱を行う加熱庫3が設けられており、キッチンキャビネット200の前面に形成された前面開口から、加熱庫3の前面扉が露出する。なお、本実施の形態では本体筐体1内の左側に加熱庫3を設けた例を示すが、加熱庫3の位置はこれに限定されず、本体筐体1内の右側あるいは中央に設けることもできる。また、加熱庫3を設けなくてもよい。
筐体上枠5の上面の開口に設けられたトッププレート2は、例えば耐熱性ガラスやセラミック等の非金属材料で構成される。トッププレート2には、鍋等の被加熱物が載置される3つの加熱口9a、加熱口9b、加熱口9cが配置されている。トッププレート2の表面又は裏面には、加熱口9a、加熱口9b、加熱口9cのそれぞれに被加熱物を載置する際の目印となる表示が施されている。
本体筐体1の上部であってトッププレート2の手前側には、使用者からの加熱調理に関する操作入力を受け付けるとともに、使用者に加熱調理に関する情報を表示する操作表示部が設けられるが、図1及びそれ以降の図面では操作表示部の図示を省略している。本体筐体1の前面であって加熱庫3の側方に操作表示部を設けることもできる。
トッププレート2の背面側には、排気口カバー8が設けられている。排気口カバー8には、通風可能な開口が形成されており、排気の気流がスムースに通過することができる。排気口カバー8を設けることで、排気口カバー8の下方に設けられた筐体排気口7(図2参照)への異物の侵入を抑制している。
図2は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の本体筐体1から排気口カバー8を外した状態の前面側斜視図である。本体筐体1は、上面を開口した概ね箱状の部材であり、本体筐体1の外郭を形成する。本体筐体1の筐体上枠5の上面後部の左側、すなわち加熱口9aの後方には、筐体排気口7が形成されている。筐体排気口7の下方には、加熱庫3内と連通し、加熱庫3内からの排気を行う加熱庫ダクト18の端部が開口しており、加熱庫3からの排気と本体筐体1内の排気とが筐体排気口7から外部へ排出される。
図3は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の筐体上枠5及びトッププレート2が取り外された状態の背面側斜視図である。本体筐体1の内部には、加熱口9a、9b、9cのそれぞれの下方に、加熱源としての第一加熱コイル13、第二加熱コイル14、及びラジエントヒーター15が設けられている。第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14は、巻線が環状に巻き回されて構成されて被加熱物を誘導加熱により加熱する誘導加熱コイルであり、図示のコイル形状は一例である。第一加熱コイル13と第二加熱コイル14は、左右に並べて配置されており、正面視において重ならない位置に配置されている。ラジエントヒーター15は、抵抗発熱体の発熱により被加熱物を加熱する。ラジエントヒーター15に代えて誘導加熱コイルあるいは他の加熱源を設けてもよく、加熱口9cの加熱源は限定されない。また、加熱口9cを設けない構成であってもよい。
本体筐体1内の加熱庫3の上側には、本体筐体1内を上下に仕切る板状の部材で構成された仕切板10が設けられており、この仕切板10の上に第一加熱コイル13が載置されている。仕切板10は、加熱庫3の上下に通風路を形成するとともに、加熱庫3からの放射等の伝熱を軽減して第一加熱コイル13が温度上昇するのを抑制する。
第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14は、フェライトや防磁リング等とともに概ね円板状のコイルベースに収容され、このコイルベースを介して複数の加熱コイル支持部材16によって下方から支持されている。複数の加熱コイル支持部材16のそれぞれは、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14よりもサイズが小さく、取り付け先の部材によって形状は異なるが、概ね円筒あるいは円柱状であり、コイルベースの脚部として機能する部材である。加熱コイル支持部材16は、例えば金属や耐熱性を有する合成樹脂で構成される。加熱コイル支持部材16と第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14を支持するコイルベースとの間には、コイルバネ等で構成された弾性体17が取り付けられている。第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14が載置されたコイルベースは、弾性体17の弾性力によって上方向に付勢され、トッププレート2の上面から突出した凸部がトッププレート2の下面に押し当てられる。この構成により、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14は、トッププレート2の下面に対して上下方向に位置決めされる。
本体筐体1の背面部分には、筐体吸気口6が形成されている。筐体吸気口6は、本体筐体1内の部品を冷却するための空気を本体筐体1の内部に取り込むための開口であり、本実施の形態では、筐体吸気口6は複数の小孔で構成されている。筐体吸気口6は、本体筐体1において筐体排気口7から左右方向に離れた位置に設けられているのが好ましく、このようにすることで筐体吸気口6から本体筐体1内に吸い込まれた空気が本体筐体1内を循環しやすくなる。図3の例では、筐体吸気口6は、本体筐体1の後壁及び後部側の側壁の両方に設けられているが、筐体吸気口6の具体的配置及び形状は、図示の例に限定されず、例えば筐体上枠5の上面や本体筐体1の底面に筐体吸気口6を設けてもよい。
本体筐体1の内部において、筐体吸気口6が形成された本体筐体1の壁面と第二加熱コイル14との間には、遠心式のファン20及びこれを収容するスクロールケーシング40が設けられている。なお、ファン20、後述する電動機21、及びスクロールケーシング40を、送風機と総称する場合がある。送風機は、本体筐体1内の部品を冷却する冷却風を送出する。
第二加熱コイル14の下方には、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14を駆動するインバータを含む駆動装置30が配置されている。
図4は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の筐体上枠5、トッププレート2、第一加熱コイル13、第二加熱コイル14、及びラジエントヒーター15が取り外された状態の前面側斜視図である。駆動装置30は、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14に高周波電力を供給するインバータ回路を含む。駆動装置30は、回路基板31と、この回路基板31に実装されたインバータ回路を構成するIGBT32、ダイオードブリッジ33、及びチョークコイル34を含む。駆動装置30には、放熱部材35が熱的に接続されている。
第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14は、それぞれ、3つの加熱コイル支持部材16で支持される。第一加熱コイル13を支持する3つの加熱コイル支持部材16は、それぞれが個別にネジ等で仕切板10に係合されている。第二加熱コイル14を支持する3つの加熱コイル支持部材16のうちの一つは、送風機のスクロールケーシング40に係合され、加熱コイル支持部材16の一つは本体筐体1の側壁にネジ等で係合され、加熱コイル支持部材16の残りの一つは仕切板10にネジ等で係合されている。このように、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14をそれぞれ支持する複数の加熱コイル支持部材16を個別に配置することで、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14のそれぞれの下方に空間を形成し、冷却風の流れを阻害しないようにして冷却効果を高めている。
また、第二加熱コイル14を支持する3つの加熱コイル支持部材16は、いずれも、回路基板31以外の部材に取り付けられており、かつ、回路基板31の上面よりも高い位置に取り付けられている。回路基板31の実装面に加熱コイル支持部材16を配置しないことで、回路基板31の実装密度が高まり、回路基板31の小型化及び低コスト化を図ることができる。また、複数の加熱コイル支持部材16を設けることで、個々の加熱コイル支持部材16を小型化でき、製造コストを低減できる。第二加熱コイル14を支持するそれぞれの加熱コイル支持部材16は、個別の部材に取り付けられていて、これら複数の加熱コイル支持部材16間を構造的に接続する必要がないので、加熱コイル支持部材16を小型化でき、第二加熱コイル14と駆動装置30との間に形成される冷却風が通過する空間への干渉が少ない。このため、冷却風の通過が阻害されず、第二加熱コイル14及び駆動装置30の冷却効率を高めることができる。冷却効率を高めることができるので、ファン20の負荷が低減され、ファン20の消費電力及び騒音を抑制することができる。また、複数の加熱コイル支持部材16間を構造的に接続する部材を、第二加熱コイル14と回路基板31との間の空間に設けないことで、回路基板31から第一加熱コイル13、第二加熱コイル14、及びラジエントヒーター15に接続される電力線や、図示しない温度検知手段等への接続線の配線が容易になり、誘導加熱調理器100の製造時の組立、清掃、及び修理の際の作業性を高めることができる。したがって、誘導加熱調理器100の製造コスト及びメンテナンスコストを低減する効果がある。
また、加熱コイル支持部材16に取り付けられた弾性体17として、通気性の高い線材で形成されたバネを用いた場合には、弾性体17による通気性の阻害が生じ難いため、第二加熱コイル14と回路基板31との間の空間の通気性をさらに高めることができ、冷却効率の向上に寄与する。
第一加熱コイル13の背面側には、筐体排気口7の下方の空間と第一加熱コイル13の下方の空間との間を前後に仕切る第一隔壁11が設けられている。第一隔壁11は、本実施の形態では、仕切板10の背面側の端部近傍から上に向かって起立する仕切板10と概ね同じ幅の板状部材で構成されている。第一隔壁11には、通風可能な第一通風口12が形成されている。
なお、図示しないが、回路基板31に実装された発熱部品、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14の温度を直接的にあるいは間接的に検出する温度センサが設けられており、この温度センサの検出値は、回路基板31に実装された制御回路に入力される。
図5は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の筐体上枠5、トッププレート2、第一加熱コイル13、第二加熱コイル14、ラジエントヒーター15、及び送風機が取り外された状態の背面側斜視図である。図6は、実施の形態1に係る基板保持部材19の背面側斜視図である。図5に示すように、本体筐体1内には、仕切板10に隣接して、駆動装置30を下方から支持する基板保持部材19が設けられている。基板保持部材19は、駆動装置30の回路基板31の上面が、仕切板10の上面よりも低い位置になるようにして、駆動装置30の回路基板31を支持している。基板保持部材19は、合成樹脂等の電気絶縁性を有する材料で構成されている。
図6に示すように、基板保持部材19は、回路基板31を支持する支持面191と、支持面191から斜め上方に向かって延びる導風面192と、支持面191から下に向かって延びる複数の脚部193とを有する。導風面192は、支持面191の上の回路基板31の上面から、回路基板31の上面よりも高い位置にある仕切板10の上面へ向かって導風するための面であり、後述するように冷却風の気流の形成に寄与する。なお、支持面191は、回路基板31の下面と接する面であればその大きさは限定されず、複数の脚部193に跨がって形成された回路基板31の前面と概ね同じ大きさの一枚の平板面であってもよいし、脚部193のそれぞれの上面に設けられた回路基板31よりも小さい面であってもよい。
図7は、実施の形態1に係る送風機及び吸気風路隔壁22の上面斜視図である。図8は、実施の形態1に係る送風機及び吸気風路隔壁22の下面斜視図である。本実施の形態のファン20は、上面視において時計回りに回転するシロッコファンであり、回転軸が上下方向に向くように配置されている。なお、シロッコファンに代えて、ターボファンやラジアルファン等の他の遠心式のファンを用いてもよく、同様の動作及び効果を得ることができる。
ファン20を収容するスクロールケーシング40は、例えば合成樹脂で構成されている。スクロールケーシング40の側壁43は、巻き始め部431から巻き終わり部432までファン20の外周に沿ってスクロール形状の径が次第に拡大する形状を成している。巻き終わり部432よりも空気流れの下流側に、スクロールケーシング40の吹出口42が形成されている。スクロールケーシング40の側壁43のうち、巻き始め部431からR状に湾曲して吹出口42に連なる壁を第一側壁433と称し、巻き終わり部432から吹出口42に連なる壁を第二側壁434と称する。スクロールケーシング40の上面は平板状に構成され、スクロールケーシング40の下面には吸込口41が形成されている。
スクロールケーシング40の吹出口42は、互いに異なる方向に開口した第一開口面421及び第二開口面422を有する。第一開口面421は第一側壁433に形成され、第二開口面422は第一側壁433と第二側壁434との間に形成されており、第一開口面421と第二開口面422は、約90度異なる方向に開口している。なお、第一開口面421と第二開口面422とは、水平方向において異なる方向に開口していればよく、方向の違いの角度は90度に限定されない。また、本実施の形態では、第一開口面421と第二開口面422との間を仕切り、スクロールケーシング40の上面と下面とを接続する仕切部423が設けられている。
第一開口面421の上端は、第一側壁433の上端と一致しているが、第一開口面421の下端は第一側壁433の下端よりも高い位置にある。すなわち、第一開口面421は、第一側壁433の高さ方向全体には開口しておらず、第一開口面421の下側は側壁43の一部である導風部44によって閉塞されている。導風部44を設けて第一開口面421の下端をスクロールケーシング40の下端よりも高い位置に設けることで、第一開口面421から吹き出される空気を斜め上方に導風する。なお、第二開口面422は、スクロールケーシング40の高さ方向全体に開口している。
スクロールケーシング40の内壁上面であって、第二開口面422の上流側の部分は、第二開口面422に向かって斜めに下降しており、当該部分を傾斜面45と称する。スクロールケーシング40の傾斜面45と対向する底面は概ね水平であり、空気の流れ方向において、傾斜面45の上流端から下流端に沿ってスクロールケーシング40内の流路断面が縮小している。
図8に示すように、スクロールケーシング40の下面に形成された吸込口41には、ファン20を回転させる電動機21が支持されている。電動機21の回転軸とファン20の回転軸とが係合しており、電動機21が動作することで電動機21の回転軸の回転がファン20の回転軸に伝わり、ファン20が回転して冷却風が送出される。
スクロールケーシング40の下面であって、吸込口41の外周側には、吸気風路隔壁22が取り付けられている。吸気風路隔壁22は、図3に示した本体筐体1の筐体吸気口6と、スクロールケーシング40の吸込口41との間に風路を形成する部材である。吸気風路隔壁22を構成する上下に延びる側壁の上端は、スクロールケーシング40の下面に当接する。スクロールケーシング40及び吸気風路隔壁22が本体筐体1内に取り付けられると、吸気風路隔壁22を構成する上下に延びる側壁の下端が本体筐体1の左右いずれかの側面、背面、及び底面と当接し、吸気風路隔壁22の内側に概ね機密状態の風路が形成される。本実施の形態の吸気風路隔壁22の側壁は、上下方向に略直線的に延びる平板形状であり、このように側壁を構成することで、吸気風路隔壁22内に形成される風路の曲がりをなくして圧力損失を低減することができる。圧力損失を低減することで、送風機の消費電力及び騒音を低減することができる。なお、吸気風路隔壁22は、スクロールケーシング40と一体成形してもよいし、別体で構成してスクロールケーシング40に取り付けてもよい。
図9は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100の排気口カバー8、トッププレート2、及び第二加熱コイル14が取り外された状態の平面図である。回路基板31には、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14を駆動するインバータ回路を構成する部品の一部であるIGBT32及びダイオードブリッジ33という発熱部品が、実装されている。放熱部材35はヒートシンクであり、IGBT32及びダイオードブリッジ33という発熱部品に熱的に接続されて回路基板31に設けられている。より具体的には、本実施の形態では前後方向に並べられた2つの放熱部材35が左右一対、すなわち4つの放熱部材35が設けられており、放熱部材35の左側の外表面及び右側の外表面には、それぞれ、2個のIGBT32及び1個のダイオードブリッジ33が取り付けられている。放熱部材35は、櫛状の冷却フィンを有し、送風機からの冷却風が櫛状の冷却フィンの間を通過すると放熱部材35の表面も冷却することができる。なお、本実施の形態では、4つの放熱部材35が設けられているが、これは複数に分割して設けることで電気的に絶縁するための構成である。複数の放熱部材35を設けるのではなく、一体の放熱部材35と回路素子との間に絶縁シートを挿入して絶縁してもよい。
平面視において、スクロールケーシング40の吹出口42の第二開口面422を、第二開口面422に直交する方向へ延長して形成される領域に、回路基板31の放熱部材35の少なくとも一部が位置するようにして、第二開口面422から吹き出される冷却風の下流側に、放熱部材35が配置されている。なお、以降の説明において、平面視において、第二開口面422を、当該第二開口面422に直交する方向へ延長して形成される領域を、第二開口面422の延長領域と称する場合がある。本実施の形態では、4つの放熱部材35のうちの2つが第二開口面422と対向し、残りの2つの放熱部材35が冷却風のさらに下流側に配置されている。また、回路素子はその種類によって発熱量が異なるが、回路基板31に実装された回路素子のうち、発熱量の大きいものほど、吹出口42の近くに配置されている。IGBT32はダイオードブリッジ33よりも発熱量が大きく、例えばIGBT32の発熱量はダイオードブリッジ33の発熱量の1.8倍以上である。本実施の形態では、IGBT32及びダイオードブリッジ33が放熱部材35に取り付けられているが、IGBT32の方がダイオードブリッジ33よりも冷却風の上流側、すなわち吹出口42の第二開口面422に近い側に配置されている。吹出口42に近いほど、放熱部材35同士の隙間等から冷却風が拡散しにくく流速が速くなり、また、冷却風も低温であるので、吹出口42の近くに発熱量の大きいIGBT32を配置することで、流速が速くかつ低温の冷却風でIGBT32を効率よく冷却することができる。したがって、IGBT32を冷却するための送風機の風量を抑制できてエネルギー消費量を低減できるとともに、ファン20の回転数が抑制されて低騒音化できる。
また、第二加熱コイル14は、図9では図示されていないが、平面視において放熱部材35と少なくとも一部が重なるようにして、放熱部材35の上方に配置される。第二開口面422との関係でみると、平面視における第二開口面422の延長領域と少なくとも一部が重なるようにして、第二加熱コイル14が配置される。
スクロールケーシング40の吹出口42の第二開口面422と放熱部材35の端部との間には、隙間が設けられている。また、第二開口面422の右端から外側へ外れた位置に、放熱部材35の右端が位置している。すなわち、第二開口面422から外側へはみ出た位置に、放熱部材35の一部が配置されている。これらの構成により、吹出口42の第二開口面422から吹き出された冷却風は、対向して配置された放熱部材35の右側の端面に当たって右方向に導かれ、斜め右に向かう流れが形成される。本実施の形態では、放熱部材35の右側に回路基板31に実装された部品の一例であるチョークコイル34が配置されており、第二開口面422からの斜め右に向かう気流によって、チョークコイル34が冷却される。放熱部材35を通過する前の低温の冷却風をチョークコイル34に供給することができるので、効率よくチョークコイル34を冷却することができる。なお、チョークコイル34は発熱部品の一例であり、他の発熱部品を図示されたチョークコイル34の位置に配置してもよい。
回路基板31の右端と、本体筐体1の右側の内側壁との間には、隙間が設けられており、吹出口42からの冷却風が、この隙間から回路基板31の下方へ流入できるように構成されている。
第一加熱コイル13は、平面視において、吹出口42の第二開口面422の延長領域と重ならない位置に設けられている。すなわち、第一加熱コイル13と第二開口面422とは、水平方向において異なる方向に設けられている。
スクロールケーシング40の吹出口42の第一開口面421は、第一加熱コイル13に向いた冷却風が吹き出されるように、第一加熱コイル13が配置された方向に開口している。本実施の形態では、具体的には、第一開口面421を含む平面(平面50と称する)と、水平方向において第二開口面422から最も離れた第一開口面421の端部である遠位端を通り第一開口面421と垂直な平面(平面51と称する)と、によって区切られる四つの領域を想定する。第一加熱コイル13の少なくとも一部は、その四つの領域のうち、第一開口面421の下流側であって第一開口面421と対向する領域(以下、領域52と称する)に配置されている。図9では、領域52を網かけ表示している。第一加熱コイル13の領域52に配置された部分には、主に第一開口面421からの冷却風が供給されやすく、第一加熱コイル13が効率的に冷却される。第一開口面421と第一加熱コイル13とを直線的に結ぶ経路上には、駆動装置30の発熱素子及び第二加熱コイル14等の発熱部品は配置されておらず、第一開口面421から吹き出された冷却風は、他の発熱部品に触れることなく、第一加熱コイル13に吹き付けられる。低温の冷却風を第一加熱コイル13に供給することで、効率よく第二加熱コイル14を冷却することができる。
スクロールケーシング40の巻き始め部431(舌部)と第一開口面421とを接続する第一側壁433は、巻き始め部431から離れて冷却風の下流側に進むほど第一加熱コイル13に近づくように、外側に向かって斜めに延びている。第一側壁433と第二側壁434とに挟まれたスクロールケーシング40の流路断面は、冷却風の下流側ほど流路断面が拡大している。スクロールケーシング40の巻き始め部431側は負圧であり、冷却風は第一側壁433に沿って流れるため、第一開口面421から吹き出される冷却風は、水平方向においては第一加熱コイル13がある左側に向かう流れとなる。このため、第一開口面421をこれに直交する方向へ延長した領域に必ずしも第一加熱コイル13が配置されていなくても、第一開口面421から吹き出される冷却風を第一加熱コイル13に向けて供給でき、第一加熱コイル13を効率よく冷却することができる。したがって、送風機の消費電力及び騒音を低減することができる。
本実施の形態では、吹出口42の第二開口面422の開口面積は、第一開口面421の開口面積よりも大きく、第二開口面422から流出する冷却風の風量は、第一開口面421から流出する冷却風の風量よりも大きい。回路基板31に実装された駆動装置30を構成する部品の発熱量は、第一加熱コイル13の発熱量よりも大きいため、回路基板31に主に冷却風を供給する第二開口面422の開口面積を大きくして風量を多くすることで、回路基板31に実装された駆動装置30を適切に冷却できるようにしている。本実施の形態では、第一開口面421に平行な投影面における第一開口面421の開口面積を、第二開口面422に平行な投影面における第二開口面422の開口面積の1/2〜1/10とすることができる。このようにすることで、バランスのよい冷却が行える。
本体筐体1の筐体排気口7は、本体筐体1の左右方向に長い長方形であり、本体筐体1の左右中央よりも左側における開口面積が右側における開口面積よりも広くなるように配置されている。平面視において、筐体排気口7は、少なくとも一部が第一加熱コイル13の外幅の延長線の範囲と重なるように配置されている。筐体排気口7の開口面積のうち、第一加熱コイル13の外幅の延長線の範囲に重なる部分の面積は、第一加熱コイル13の外幅の延長線の範囲と重ならない部分の面積よりも、大きい。
図10は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100のキッチンキャビネット200に取り付けられた状態の正面断面図である。図10は、スクロールケーシング40の吹出口42の第一開口面421を通過する断面で切断した図を示している。仕切板10の上面は、回路基板31の上面よりも高い位置にあり、両者の間には段差がある。このように仕切板10の上面と回路基板31の上面との間の段差によって、回路基板31の基板面を流れる冷却風は上方に向かって導かれ、仕切板10の上の第一加熱コイル13へ冷却風が接触しやすくなり、第一加熱コイル13の冷却効率を高めることができる。さらに本実施の形態では、仕切板10の上面と基板保持部材19の支持面191の上面とを接続する導風面192を設けている。導風面192は、仕切板10の上面に向かうほど高くなる傾斜面であり、基板保持部材19の支持面191の上に載置された回路基板31の上面から仕切板10に向かうように冷却風を整流でき、第一加熱コイル13の冷却効率をさらに高めることができる。
スクロールケーシング40の吹出口42の第一開口面421及び第二開口面422は、いずれも、回路基板31の基板面の上方であって、第二加熱コイル14よりも下方の空間に、開口している。吹出口42からの冷却風は、回路基板31に実装された部品と第二加熱コイル14の発熱部品の双方を冷却できるので、冷却効率がよい。
また、加熱庫3の右側の側壁の外側には、加熱庫3の側壁に沿って起立する板状の部材で構成された第二隔壁23が設けられている。第二隔壁23の下部には、通風可能な開口である第二通風口24が形成されている。第二隔壁23に設けられた第二通風口24の少なくとも一部は、加熱庫3の下面と本体筐体1の底面との間の隙間と重なっており、第二隔壁23と加熱庫3の外壁との間にも通風可能な隙間が設けられている。このため、回路基板31の下側を流れる冷却風は、第二隔壁23の第二通風口24を通過して加熱庫3の下方の空間に流入する。第二通風口24から加熱庫3の下方への冷却風の流れが形成されるので、加熱庫3の側壁への冷却風の接触を抑制して加熱庫3内の加熱効率の低下を抑制しつつ、加熱庫3の下側の本体筐体1の底面の温度上昇を抑制することができる。本体筐体1の底面の温度上昇が抑制されるので、キッチンキャビネット200の劣化及びキッチンキャビネット200の近くに収納される食品等の収納物の温度上昇による劣化を抑制することができる。
図11は、実施の形態1に係る誘導加熱調理器100のキッチンキャビネット200に取り付けられた状態の側面断面図である。図11は、スクロールケーシング40の吹出口42の第二開口面422を通過する断面で切断した図を示している。スクロールケーシング40のうち、吹出口42を形成する外郭の少なくとも一部は、上下方向において第二加熱コイル14と重なる位置に配置されている。すなわち、第二加熱コイル14の下方に、吹出口42の少なくとも一部が開口している。送風機のスクロールケーシング40の吸込口41は、吸気風路隔壁22によって筐体吸気口6と概ね気密に接続されている。このため、送風機のファン20が回転すると、本体筐体1の外部の空気が筐体吸気口6から吸気風路隔壁22の内部を経てスクロールケーシング40の吸込口41からファン20に吸引される。
スクロールケーシング40の吹出口42の第二開口面422とこれに対向する放熱部材35との間には、冷却風の流れ方向において隙間が設けられており、また、第二開口面422の上端位置は、放熱部材35の上端位置よりも低い。このため、吹出口42の第二開口面422の上端付近から流れ出る冷却風は、対向する放熱部材35の上端部に当たって上方に導かれ、斜め上方に向かって流れる冷却風の気流が形成される。すなわち、第二開口面422と放熱部材35との間を、斜め上方に向かう冷却風が流れる。これにより、第二開口面422から吹き出される冷却風の一部は、放熱部材35からの熱をほとんど受けることなく、第二加熱コイル14に向かうので、第二加熱コイル14を低温の冷却風で効率よく冷却することができる。
第二開口面422からの冷却風の流れ方向でみて、放熱部材35の最も下流側の端部と、本体筐体1の前壁との間には、通風可能な隙間が設けられている。このため、吹出口42の第二開口面422から出た冷却風の多くは、放熱部材35の冷却フィンの間を通過してIGBT32、ダイオードブリッジ33等を冷却した後、放熱部材35の下流側へ流出する。放熱部材35の下流側へ流出した冷却風の一部は、本体筐体1の前壁によって上方に導かれ、トッププレート2の下面に導かれて第二加熱コイル14及び第一加熱コイル13を冷却し、筐体排気口7へ向かって流れる。
第二開口面422からの冷却風の流れ方向でみて、回路基板31の最も下流側の端部又は基板保持部材19の支持面191の最も下流側の端部と、本体筐体1の前壁との間には、通風可能な隙間が設けられている。このため、回路基板31の上面を通過した冷却風の一部は、この隙間から回路基板31の下方へ流入する。回路基板31の下側には、第二回路基板25が配置されており、回路基板31の下方へ流入する冷却風によって第二回路基板25が冷却される。
第二隔壁23に設けられた第二通風口24の少なくとも一部は、第二回路基板25と高さ方向において重なる位置又は第二回路基板25よりも低い位置にある。このため、回路基板31又は基板保持部材19と本体筐体1の前壁との隙間とから、第二隔壁23の第二通風口24へ至る冷却風の流路が形成され、この流路の途中に第二回路基板25が位置する。したがって、回路基板31の下方へ流入した冷却風によって、第二通風口24へ至るまでに第二回路基板25が効率よく冷却される。
次に、本実施の形態に係る誘導加熱調理器100の動作を説明する。誘導加熱調理器100の操作表示部を使用者が操作して、被加熱物が載置された加熱口の火力等の加熱条件及び加熱開始指示が入力されると、回路基板31の制御回路及び駆動装置30が動作する。駆動装置30が動作すると、第一加熱コイル13又は第二加熱コイル14に高周波電流が流れて磁力線が発生し、トッププレート2の上に載置された被加熱物に渦電流が生じて被加熱物自体が発熱する。
回路基板31の駆動装置30及びその他の制御回路が動作すると、駆動装置30及び制御回路を構成する発熱部品、具体的には電源回路を構成するチョークコイル34やインバータ回路を構成するIGBT32やダイオードブリッジ33等の部品は自己発熱し温度上昇する。また、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14のコイル巻線、フェライト、防磁リングも自己発熱し温度が上昇する。ここで、回 路基板31に実装された部品、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14の機能を維持するためには、過度な温度上昇を抑える必要がある。制御回路は、回路基板31、第一加熱コイル13、及び第二加熱コイル14の温度を検出する温度センサ(図示せず)の検出値、及び動作表示部で設定された火力等の加熱条件に基づいて、送風機の電動機21を動作させる。電動機21の動作により、ファン20が回転して冷却風が送風される。
ファン20が回転すると、キッチンキャビネット200と本体筐体1との隙間を、本体筐体1の筐体吸気口6に向かって本体筐体1の外部の空気が流れる。筐体吸気口6から本体筐体1内に流入した空気は、吸気風路隔壁22と本体筐体1の内壁との間に形成される風路を通ってスクロールケーシング40の吸込口41に流入し、ファン20に吸引される。ファン20に吸引された空気は、スクロールケーシング40に集められ、スクロールケーシング40内の流路を吹出口42に向かって流れる。
スクロールケーシング40の吹出口42の第二開口面422から流出した冷却風は、水平方向でみると、放熱部材35及びこれに熱的に接続された回路基板31上の発熱部品に向かって流れてそれらを冷却する。また、吹出口42の第二開口面422から流出した冷却風は、垂直方向でみると回路基板31と第二加熱コイル14との間を向かって流れ、回路基板31上の部品及び第二加熱コイル14を冷却する。
吹出口42の第一開口面421から流出した冷却風は、水平方向でみると、第一加熱コイル13に向かって流れ、第一加熱コイル13を冷却する。第一開口面421から流出する冷却風は、垂直方向でみると、第一開口面421の下側の導風部44によって斜め上方に向かう。第一開口面421から流出した冷却風は、垂直方向でみると、回路基板31の基板面と仕切板10の上面との段差によって、斜め上方に向かう。
このように、本実施の形態では、スクロールケーシング40の吹出口42の第一開口面421及び第二開口面422からの冷却風を水平方向及び垂直方向に整流する構造を備えているので、冷却風が冷却対象と良好に接触し、冷却対象の冷却効率を高めることができる。
スクロールケーシング40の吹出口42の第一開口面421及び第二開口面422から流出した冷却風は、上述のように冷却対象を冷却しながら、筐体排気口7に向かって流れる。筐体排気口7の下方の空間と第一加熱コイル13の下方の空間とを仕切る第一隔壁11が設けられ、この第一隔壁11に第一通風口12が設けられているので、相対的に流路断面積が狭くかつ筐体排気口7に連なる第一通風口12に向かう冷却風の流れ形成される。このように第一通風口12に向かう冷却風の流れが形成されることで、第一通風口12に冷却風が流れる過程において第一加熱コイル13に冷却風がよく接触し、第一加熱コイル13が効率よく冷却される。また、排気に伴う圧力損失を抑制することができる。第一通風口12を通過した冷却風は、加熱庫ダクト18からの冷却風と合流して、本体筐体1から外部へ排気される。
駆動装置30と熱的に接続された放熱部材35は、第二加熱コイル14よりも下側であって、平面視において第二加熱コイルの少なくとも一部と重なる位置に設けられている。そして、スクロールケーシング40の吹出口42は、互いに異なる方向に開口するとともに、高さ方向においては少なくとも一部が重なるように開口した第一開口面421及び第二開口面422を有する。吹出口42からの冷却風が第一開口面421及び第二開口面422からそれぞれ異なる方向に吹き出され、それぞれの吹き出し方向の延長上にある異なる冷却対象を、低温の冷却風で効率よく冷却することができる。
スクロールケーシング40の第二開口面422の延長領域に、駆動装置30の部品と熱的に接続された放熱部材35の少なくとも一部が配置されているので、発熱する駆動装置30の部品を効率よく冷却することができる。また、放熱部材35の上方であって平面視において放熱部材35の少なくとも一部と重なる位置に、第二加熱コイル14が配置されているので、放熱部材35の近傍を流れた冷却風によって第二加熱コイル14を冷却することができる。このような第二開口面422、放熱部材35、及び第二加熱コイル14の配置関係により、複数の冷却対象を、専用のダクトを設けることなく冷却効率の高い状態で過不足なく冷却することができる。圧力損失が少ないので、小風量で冷却対象を冷却でき、送風機の消費電力及び騒音を低減することができる。
また、平面視において、スクロールケーシング40の吹出口42の第二開口面422の延長領域と重ならない位置に、第一加熱コイル13が配置されている。そして、第一開口面421を含む平面50と、水平方向において第二開口面422から最も離れた第一開口面421の遠位端を通り第一開口面421と垂直な平面51と、によって区切られる四つの領域のうち、第一開口面421の下流側であって第一開口面421と対向する領域52に、第一加熱コイル13の少なくとも一部が配置されている。このため、放熱部材35や第二加熱コイル14とは異なる位置に配置された第一加熱コイル13を、送風機からの冷却風により冷却することができる。
また、第一加熱コイル13、第二加熱コイル14、及び放熱部材35を含む複数の冷却対象を、それぞれ専用のダクトを設けることなく冷却できるので、部品コスト及び組立コストの上昇を抑制できるとともに、分解及び組立が容易であるのでメンテナンス性を高めることができる。また、専用のダクトが不要であることから、送風機を含む冷却に係る構造の大型化が抑制され、誘導加熱調理器100をコンパクトに構成することができる。また、第一開口面421と第二開口面422は、少なくとも一部が高さ方向に重なるように開口しているので、スクロールケーシング40の高さ寸法の増大が抑制され、スクロールケーシング40を小型化することができる。
また、本実施の形態では、第一開口面421に平行な投影面における第一開口面421の面積を、第二開口面422に平行な投影面における第二開口面422の面積の1/2〜1/10としている。このようにすることで、相対的に冷却負荷の小さい第一加熱コイル13と、相対的に冷却負荷の大きい放熱部材35とにそれぞれ供給される冷却風のバランスがよくなり、冷却対象に適した冷却が行われる。また、吹出口42の第一開口面421及び第二開口面422で生じる圧力損失を少なくできるので、送風機の消費電力及び騒音を低減することができる。
また、スクロールケーシング40の巻き始め部431は、巻き終わり部432よりも第一加熱コイルに近い位置に配置されている。このようにすることで、負圧となる巻き始め部431から第一開口面421に連なる側壁に沿った気流が形成され、冷却対象の一つである第一加熱コイル13に向かう冷却風が供給される。したがって、小風量で第一加熱コイル13を冷却でき、送風機の消費電力及び騒音を低減できる。また、第一側壁433に第一開口面421が形成されており、平面視において、第一側壁433は、巻き始め部431から離れるほど第一加熱コイル13に近づくように傾斜している。このため、第一側壁433に沿って流れる冷却風を、よりスムースに第一加熱コイル13に導くことができる。
また、スクロールケーシング40の吹出口42の第一開口面421の下側に、第一開口面421から吹き出される空気を上方に向かって導風する導風部44を備えた。このため、吹出口42の第一開口面421から、斜め上方に向かう気流を吹き出すことができ、冷却風の進行方向の先に配置された第一加熱コイル13への冷却風の接触率を高めることができる。仮に、水平に流れる冷却風が第一加熱コイル13の下方を流れる場合には、冷却風は第一加熱コイル13の下側の表面を中心に冷却する。一方、本実施の形態のように斜め上方に向かう冷却風を形成することで、第一加熱コイル13の下面に対して斜め上方に吹き付けられた冷却風が、第一加熱コイル13を構成するコイル巻線、フェライト、及び防磁リング等の発熱部の近傍を上に向かって通過し、これら発熱部を冷却することができる。発熱部の周囲の冷却風の流速を速くすることで冷却効率を高めることができるので、冷却風量を少なくできて送風機の消費電力及び騒音を低減することができる。
また、駆動装置30を構成する部品が実装された回路基板31は、第一加熱コイル13の配置面よりも低い位置に配置されており、回路基板31から第一加熱コイル13の配置面に向かって延びる導風面192を有する。このため、吹出口42の第二開口面422から吹き出され、回路基板31の近傍を流れる冷却風は、導風面192に衝突して導かれ、上方にある第一加熱コイル13に向かって流れる。回路基板31の近傍の冷却風を、第一加熱コイル13に向かう上向きの冷却風とすることができるので、第一加熱コイル13の冷却効率を高め、送風機の負荷を低減する効果がある。
なお、導風面192は、回路基板31から第一加熱コイル13の配置面に向かう垂直な面であってもよい。また、導風面192は、回路基板31から第一加熱コイル13の配置面に向かって斜め上方に延びる面であってもよい。導風面192を傾斜面とすることで、より損失の少ない冷却風の流れを形成することができる。
なお、導風面192は、回路基板31を下方から支持する基板保持部材19に一体に設けられていてもよい。このようにすることで、部品点数を削減することができる。また、基板保持部材19の端部に連なる導風面192を設けてもよい。このようにすることで、導風面192と回路基板31との間に不要な隙間が形成されず、回路基板31から第一加熱コイル13に向かう良好な気流が形成される。
また、スクロールケーシング40の下面に吸込口41が形成され、本体筐体1には、底面、背面、及び側面の少なくともいずれかの壁面に、筐体吸気口6が形成されており、スクロールケーシング40の吸込口41と、筐体吸気口6が形成された壁面とを接続する吸気風路隔壁22を備えた。スクロールケーシング40の吸込口41と筐体吸気口6が形成された本体筐体1の壁面とを接続する吸気風路隔壁22を備えたので、本体筐体1の外部の相対的に温度の低い空気を、筐体吸気口6からスクロールケーシング40の吸込口41に直接的に取り込むことができる。スクロールケーシング40の吸込口41に吸い込まれる空気に、相対的に温度の高い本体筐体1内の空気が混じらないので、低温の冷却風を得ることができる。また、本実施の形態の吸気風路隔壁22は、本体筐体1の側面、背面、及び底面の三面と当接しており、当接部分に囲まれた範囲であれば本体筐体1の側面、背面、及び底面のいずれにでも筐体吸気口6を設けることができる。本体筐体1の側面、背面、及び底面の3面に筐体吸気口6を設けることで、筐体吸気口6の開口面積を大きくすることができる。また、本実施の形態の吸気風路隔壁22は、本体筐体1の下方からスクロールケーシング40の下面に形成された吸込口41に向かうほぼ直線状の風路を内部に形成している。曲がりのない風路であると、筐体吸気口6から吸込口41に至る流路における圧力損失が低減され、送風機の消費電力及び騒音を低減することができる。
また、本実施の形態では、本体筐体1の背面側の上面には、本体筐体1内と連通する筐体排気口7が形成されている。そして平面視において、筐体排気口7のうち、第一加熱コイル13の外幅の延長線の範囲に重なる部分の面積は、第一加熱コイル13の外幅の延長線の範囲に重ならない部分の面積よりも大きい。スクロールケーシング40の吹出口42から吹き出された冷却風は、全体として、筐体排気口7に向かって流れる。冷却風が筐体排気口7に向かって流れる過程において、冷却風は第一加熱コイル13の近傍を通過するので、第一加熱コイル13の冷却効率が高まって送風機の負荷を低減することができる。
また、本実施の形態では、本体筐体1内に、筐体排気口7の下方の空間と第一加熱コイル13の下方の空間との間を前後に仕切る第一隔壁11を備え、第一隔壁11には、第一通風口12が形成されている。このように冷却風の流路を絞る第一通風口12を設けることで、スクロールケーシング40の吹出口42から吹き出された冷却風が、第一通風口12に向かうように整流され、冷却風と冷却対象である第一加熱コイル13との接触を良好にして冷却効率を向上させることができるとともに、排気に伴う圧力損失を低減することができる。また、第一隔壁11の下端が加熱庫3の上面に接触し、第一隔壁11の上端がトッププレート2の下面に接触するように設けた場合には、誘導加熱調理器100の筐体の強度を高めることができる。また、仮に筐体排気口7から本体筐体1内に異物が入った場合でも、第一加熱コイル13等が配置された空間側への異物の侵入を第一隔壁11によって抑制することができる。
また、第一隔壁11に形成された第一通風口12の少なくとも一部は、正面視において第一加熱コイル13と重なるように配置されていてもよい。このようにすることで、第一通風口12に向かう気流の経路と同じ高さに、冷却対象である第一加熱コイル13が位置し、第一加熱コイル13への冷却風の接触を良好にして冷却効率を向上させることができる。冷却効率を向上させることで、送風機の負荷を軽減させることができる。
また、本実施の形態では、スクロールケーシング40の内壁上面には傾斜面45が形成されており、この傾斜面45は第二開口面422に向かって下方に傾斜している。そして、第二開口面422の上端は、放熱部材35の上端よりも低い位置にあり、第二開口面422と放熱部材35との間には隙間が設けられている。吹出口42に向かうほど下方に傾斜する傾斜面45をスクロールケーシング40に設けて冷却風の流路断面積を縮小することで、風速を増した冷却風を冷却対象である放熱部材35に供給でき、放熱部材35の冷却効率を向上させることができる。また、吹出口42の第二開口面422の上端付近を流れる冷却風は、放熱部材35と第二開口面422との間の隙間を通過する。この過程において、冷却風は、放熱部材35の上端部分、より具体的には放熱部材35の垂直面の上端部分に当たって上方に導かれ、第二加熱コイル14に向かう。このため、回路基板31の発熱部品等に接触していない相対的に温度の低い冷却風を、第二加熱コイル14に供給でき、第二加熱コイル14の冷却効率を高めて送風機の負荷を低減することができる。また、第二開口面422と放熱部材35との間の隙間の大きさを調整することで、第二加熱コイル14と他の冷却対象とで冷却風の分配を調整でき、冷却ムラが軽減されて過度な冷却による無駄も抑制できるので、送風機の負荷を低減することができる。
また、本実施の形態では、第二開口面422と放熱部材35との間には隙間が設けられている。放熱部材35の一部は、スクロールケーシング40の第二開口面422の延長領域よりも外側にはみ出た位置に配置されており、放熱部材35の一部が第二開口面422の延長領域からはみ出た方向と同じ方向に、発熱する回路部品であるチョークコイル34を備えた。第二開口面422から流出した冷却風の一部は、第二開口面422と放熱部材35との隙間を通り、放熱部材35の第二開口面422の延長領域からはみ出た部分に衝突して向きが変えられ、その下流側にあるチョークコイル34に供給されるので、チョークコイル34を効率的に冷却することができる。第二開口面422と放熱部材35との隙間を調整することで、チョークコイル34とその他の冷却対象とで冷却風の分配を調整でき、冷却村が軽減されて過度な冷却による無駄も抑制できるので、送風機の負荷を低減することができる。
また、本実施の形態では、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14のそれぞれは3つの加熱コイル支持部材16を介して本体筐体1に支持され、3つの加熱コイル支持部材16はそれぞれ別部材であって、個別に本体筐体1等に取り付けられている。3つの加熱コイル支持部材16は個別に本体筐体1等に取り付けられるので、3つの加熱コイル支持部材16を一つに連結する必要がなく、連結に伴う材料が不要であるので低コストに誘導加熱調理器100を製造できる。また、3つの加熱コイル支持部材16によって複数点で第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14を支持するので、大きな部材で支持する場合と比較して、加熱コイル支持部材16は第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14の下方の冷却風の流れを阻害しにくい。このため、第一加熱コイル13及び第二加熱コイル14の冷却効率を高めることができるとともに、圧力損失が低減されて送風機の負荷を低減することができる。なお、加熱コイル支持部材16の数は、安定した支持を実現するために3つ以上であるのが好ましいが、3つに限定されない。
また、本実施の形態では、放熱部材35と熱的に接続された駆動装置30は、複数の発熱素子を備え、複数の発熱素子のうちスクロールケーシング40の吹出口42に近い発熱素子は、遠い発熱素子よりも、発熱量が大きい。より具体的には、相対的に発熱量の大きいIGBT32は、発熱量の小さいダイオードブリッジ33よりも吹出口42に近い位置に配置されている。吹出口42から流出した相対的に低温の冷却風を、より発熱量の大きい発熱素子に供給できるので、冷却効率を高めることができるとともに送風機の負荷を低減することができる。
また、本実施の形態では、駆動装置30及び第二加熱コイル14の下側に設けられた第二回路基板25と、本体筐体1内の第一加熱コイル13の下側に設けられた加熱庫3と、第二回路基板25と加熱庫3との間を仕切る第二隔壁23とを備えた。そして、加熱庫3の底部外面と、本体筐体1の底部内面との間には、隙間が形成され、第二隔壁23には、加熱庫3の底部外面と本体筐体1の底部内面との間の隙間と高さ方向において少なくとも一部が重なる第二通風口24が形成されており、スクロールケーシング40の吹出口42と第二通風口24との間には風路を有する。このため、スクロールケーシング40の吹出口42と第二通風口24との間の風路を冷却風が通過すると、その過程において冷却風は第二回路基板25の近傍を通過して第二回路基板25を冷却することができる。また、第二回路基板25を回路基板31の下方に配置しているので、本体筐体1の水平方向における配置スペースを節約できる。また、第二隔壁23の第二通風口24に向かう冷却風のスムースな流れが形成されるので、第二回路基板25の冷却効率を高めることができる。第二回路基板25の冷却効率を高めることにより、第二回路基板25に発熱量の多い部品を実装して高機能化したり、第二回路基板25の部品の集積密度を高めたりすることも、可能となる。
また、第二隔壁23の第二通風口24は、加熱庫3の底部外面と本体筐体1の底部内面との間の隙間と高さ方向において少なくとも一部が重なるので、第二通風口24を通過した冷却風を加熱庫3の底面に導くことができる。このため、加熱庫3の側壁には冷却風が接触しにくいので加熱庫3の温度低下を抑制できる一方で、加熱庫3の底面側にあるキッチンキャビネット200への伝熱を抑制することができる。
実施の形態2.
図1、図2、図12〜図18を用いて、実施の形態2を説明する。図1及び図2に示した構成は、実施の形態1と同様である。以下では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図12は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100Aの筐体上枠5及びトッププレート2が取り外された状態の背面側斜視図である。図13は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100Aの筐体上枠5、トッププレート2、第一加熱コイル13、第二加熱コイル14、及びラジエントヒーター15が取り外された状態の前面側斜視図である。本実施の形態では、実施の形態1の第一隔壁11に代えて、第一隔壁11Aが設けられている。第一隔壁11Aは、第一加熱コイル13の下方の空間と筐体排気口7の下方の空間との間を前後に仕切るという点では、実施の形態1と同様であるが、第一隔壁11よりも第一加熱コイル13に近い位置に設けられている。また、第一隔壁11Aには、実施の形態1における第一通風口12に代えて、第一通風口12Aが設けられている。実施の形態1の第一通風口12は、矩形の開口であったが、本実施の形態の第一通風口12Aは、第一隔壁11Aを上部から下側に向かって概ね弧状に切り欠いた形状を有する。第一通風口12Aは、第一隔壁11Aの左右方向でみると、左右端部に対して中心側の方が深く切り欠かれた形状を有している。
図14は、実施の形態2に係る送風機及び吸気風路隔壁22の上面斜視図である。図15は、実施の形態2に係る送風機及び吸気風路隔壁22の下面斜視図である。本実施の形態のファン20Aは、実施の形態と同様に遠心式のファンであり、回転軸が上下方向に向くように配置されている。実施の形態1とは異なり、ファン20Aは、平面視において反時計回りに回転するように配置されている。
ファン20Aを収容するスクロールケーシング40Aは、ファン20Aが反時計回りに回転するように配置されたことに合わせて、実施の形態1とは吹出口42の左右方向の向きが逆に配置される。すなわち、スクロールケーシング40Aの巻き始め部431Aが図14の紙面右側に位置し、巻き終わり部432Aが図14の紙面左側に位置している。また、スクロールケーシング40Aの巻き終わり部432Aと吹出口42Aとを接続する第二側壁434Aは、吹出口42Aに近づく程ファン20Aの外周から離れる方向、すなわち第一加熱コイル13に近づく方向に傾斜しており、第二側壁434Aの内側に形成される流路が拡大されている。
スクロールケーシング40Aの吹出口42Aは、互いに異なる方向に開口した第一開口面421A及び第二開口面422Aを有する。第一開口面421Aは第二側壁434Aに形成され、第二開口面422Aは第一側壁433Aと第二側壁434Aとの間に形成されており、第一開口面421Aと第二開口面422Aは、約90度異なる方向に開口している。なお、第一開口面421Aと第二開口面422Aとは、水平方向において異なる方向に開口していればよく、方向の違いの角度は90度に限定されない。また、本実施の形態では、第一開口面421Aと第二開口面422Aとの間を仕切り、スクロールケーシング40の上面と下面とを接続する仕切部423Aが設けられている。
図16は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100Aの排気口カバー8、トッププレート2、及び第二加熱コイル14が取り外された状態の平面図である。本実施の形態でも、第一開口面421Aを含む平面50Aと、水平方向において第二開口面422Aから最も離れた第一開口面421Aの遠位端を通り第一開口面421Aと垂直な平面51Aと、によって区切られる四つの領域のうち、第一開口面421Aの下流側であって第一開口面421Aと対向する領域52Aに配置されている。図16では、領域52Aを網かけ表示している。第一加熱コイル13の領域52Aに配置された部分には、主に第一開口面421Aからの冷却風が供給されやすく、第一加熱コイル13が効率的に冷却される。スクロールケーシング40Aの第二側壁434Aは、巻き終わり部432Aから下流側に向かって外側に傾いており、第二側壁434Aの内側を通過する冷却風をファン20Aの径方向外側に向かって導き、第一開口面421Aから吹き出される冷却風の向きを、冷却対象である第一加熱コイル13の方向に導いている。このようにすることで、第一開口面421Aからほぼ直線的に第一加熱コイル13に向かう冷却風の流れが形成され、第一加熱コイル13への冷却風の接触を良好にして第一加熱コイル13の冷却効率を高めている。
図17は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100Aのキッチンキャビネット200に取り付けられた状態の正面断面図である。図17は、スクロールケーシング40Aの吹出口42Aの第一開口面421Aを通過する断面で切断した図を示している。第一隔壁11Aの上部を弧状に切り欠いてその上方に形成された第一通風口12Aは、正面視において、第一加熱コイル13と重なっている。このため、スクロールケーシング40の吹出口42Aから吹き出された冷却風は、第一通風口12Aに向かって流れ、その過程において第一加熱コイル13の近傍を通過してこれを冷却する。
筐体排気口7の下方の空間と第一加熱コイル13の下方の空間とを仕切る第一隔壁11Aが設けられ、この第一隔壁11Aに第一通風口12Aが設けられているので、相対的に流路断面積が狭くかつ筐体排気口7に連なる第一通風口12Aに向かう冷却風の流れ形成される。このように第一通風口12Aに向かう冷却風の流れが形成されることで、第一通風口12Aに冷却風が流れる過程において第一加熱コイル13に冷却風がよく接触し、第一加熱コイル13が効率よく冷却される。また、排気に伴う圧力損失を抑制することができる。
図18は、実施の形態2に係る誘導加熱調理器100Aのキッチンキャビネット200に取り付けられた状態の側面断面図である。図18は、スクロールケーシング40Aの吹出口42Aの第二開口面422Aを通過する断面で切断した図を示している。スクロールケーシング40Aの内壁上面であって、第二開口面422Aの上流側の部分は、第二開口面422Aに向かって斜めに上昇しており、当該部分を傾斜面45Aと称する。空気の流れ方向において、傾斜面45Aの上流端から下流端に沿ってスクロールケーシング40A内の流路断面が拡大している。
ファン20Aが動作すると、スクロールケーシング40A内を流れる冷却風は、吹出口42Aに向かうほど上方に傾斜する傾斜面45Aに沿って、斜め上方向に向かって第二開口面422Aから流出する。第二開口面422Aと放熱部材35との間には、実施の形態1と同様に通風可能な隙間が設けられており、第二開口面422Aから流出した冷却風は、その隙間を通って斜め上方に向かい、第二加熱コイル14の下面に吹き付けられる。第二加熱コイル14の下面に吹き付けられた冷却風は、第二加熱コイル14を効率よく冷却することができる。また、実施の形態1と同様に、第二開口面422Aから吹き出された冷却風は、冷却対象である放熱部材35及び回路基板31に実装された各種発熱部品を冷却する。
また、吹出口42Aの第一開口面421Aから流出する冷却風は、巻き終わり部432Aから離れるほど第一加熱コイル13に近づくように構成された第二側壁434Aによって方向付けされ、第一加熱コイル13に向かって流れる。このため、第一加熱コイル13を効率よく冷却することができる。
本実施の形態のように、実施の形態1とはスクロールケーシング40Aの巻き方向を逆にした場合であっても、異なる方向に配置された複数の冷却対象を、一つのスクロールケーシング40Aに設けられた吹出口42からの冷却風で効率よく冷却することができ、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、送風機の変形例について、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を中心に説明する。
図19は、実施の形態3に係る送風機の上面斜視図である。図20は、実施の形態3に係る送風機の他の例を示す上面斜視図である。図19に示す送風機及び図20に示す送風機は、それぞれ、基本的な構成は実施の形態1、2の送風機と同じであるが、仕切部が設けられていないという点において異なる。図19に示すように仕切部がない構成であっても、スクロールケーシング40Bの吹出口42Bの第一開口面421B及び第二開口面422Bは、それぞれ異なる方向に向かって開口しており、第一開口面421Bと第二開口面422Bとが連通している。また、図20に示すスクロールケーシング40Cの吹出口42Cの第一開口面421C及び第二開口面422Cは、それぞれ異なる方向に向かって開口しており、第一開口面421Cと第二開口面422Cとが連通している。
このような構成であっても、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、異なる方向に配置された複数の冷却対象を、一つのスクロールケーシングに設けられた吹出口からの冷却風で効率よく冷却することができる。また、仕切部がないため、第一開口面421と第二開口面422との間から吹き出される冷却風の進行先に配置された冷却対象を冷却することも可能となる。
なお、上記説明では、いわゆるビルトイン型の誘導加熱調理器を例に説明したが、据え置き型の誘導加熱調理器に本発明を適用しても、同様の作用効果を得ることができる。