JP2011096442A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ファン装置の吸気風量を多く確保して冷却効率の向上を図るとともに、本体内で吸気による結露発生を抑え回路基板の不具合を防止する。
【解決手段】ファン装置は、本体後部からの第1の吸気経路に加え、第1の送風ダクト57の周囲からも冷却風を吸い込む第2の吸気経路61a,61bを備えて、さらに基板ケースの周囲に、第1の吸気口48、第2の吸気口62a、62b、第3の吸気口70を設けているので、ファン装置による吸気風量を多く確保することができ、ファン装置の冷却効率の向上を図ることが可能となる。また、第1の吸気口48、第2の吸気口62a、62b、第3の吸気口70のいずれも本体の上部とは異なる位置に設けて水蒸気を吸気し難くい構成としたため、吸気による結露が生じにくくなり電気回路ユニットの不具合を防止することができる。
【選択図】図5
【解決手段】ファン装置は、本体後部からの第1の吸気経路に加え、第1の送風ダクト57の周囲からも冷却風を吸い込む第2の吸気経路61a,61bを備えて、さらに基板ケースの周囲に、第1の吸気口48、第2の吸気口62a、62b、第3の吸気口70を設けているので、ファン装置による吸気風量を多く確保することができ、ファン装置の冷却効率の向上を図ることが可能となる。また、第1の吸気口48、第2の吸気口62a、62b、第3の吸気口70のいずれも本体の上部とは異なる位置に設けて水蒸気を吸気し難くい構成としたため、吸気による結露が生じにくくなり電気回路ユニットの不具合を防止することができる。
【選択図】図5
Description
本発明は、本体内に、加熱手段と、この加熱手段に高周波電流を供給する電気部品を実装した回路基板と、これらを冷却するファン装置を備えた加熱調理器に関する。
従来、この種の加熱調理器(IHクッキングヒータ)においては、加熱手段としての加熱コイル及びこの加熱コイルに高周波電流を供給する電気回路ユニットの電気部品はともに大きな発熱量があるので、ファン装置により強制冷却するようにしている(例えば特許文献1)。
上記した特許文献1の構成のものでは、電気回路ユニットの回路基板は上下に複数段に配置され、その後方に冷却ファンを有するファン装置を配設していた。このため、冷却ファンはその径方向の寸法(直径寸法)を大きくすることができない事情があり、加熱コイル及び電気回路ユニットの電気部品を冷却するための送風量を確保するためには冷却ファンの回転数を高回転にする必要があり、冷却ファンの回転音が大きく、騒音が大きいという問題があった。
また、ファン装置の吸気は、本体の後上部の1箇所の吸気口からのみおこなっているため、本体上面で鍋などを加熱したときに生じる多量の水蒸気も吸気口から本体内へ吸気してしまい、その水蒸気が本体内で結露して電気回路ユニットの回路基板などに不具合を生じさせる問題もあった。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷却ファンの径方向の寸法(直径寸法)を回路基板の制約を受けずに大きくすることができ、冷却ファンの回転数を高回転にせずにファン装置の吸気風量を多く確保して、騒音を抑えつつ冷却効率の向上を図るとともに、ファン装置の吸気を水蒸気の発生が少ない箇所から行うことで、本体内での結露の発生を抑えて、冷却ファンの吸気によって生じる結露による電気回路ユニットの不具合を極力防止する加熱調理器を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明の加熱調理器は、上部に調理容器が載置される本体と、この本体内に配置され、前記調理容器を加熱する加熱手段と、前記本体内に配置され、前記加熱手段に高周波電流を供給する電気部品を実装した回路基板と、前記本体内に配置され、前記電気部品などを冷却する冷却ファンを有するファン装置と、本体内に吸気する吸気口と、を備え、前記ファン装置の前記冷却ファンは前記回路基板の上方に位置させるとともに、前記吸気口は前記本体の上部と異なる位置に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ファン装置の冷却ファンは回路基板の上方に位置させたので、冷却ファンの径方向の寸法(直径寸法)を、回路基板の制約を受けずに大きくすることができる。これにより、低い回転数で冷却ファンの送風量を確保することが可能になり、冷却ファンの回転に伴い発生する回転音(騒音)を抑えつつ冷却効率の向上を図ることができる。
また、本発明によれば、外気を本体内に吸気するための吸気口を本体の上部とは異なる位置に設ける構成とした。これによれば、本体上面で鍋などを加熱して多量の水蒸気が発生したとしても、ファン装置の吸気を水蒸気の発生が少ない箇所から行うため、水蒸気が吸気口から本体内へ入り難くなり、本体内での結露の発生を極力抑えることができる。このため、冷却ファンの吸気によって生じる結露による電気回路ユニットの不具合を極力防止することができる。
以下、本発明を据え置きタイプの加熱調理器(IHクッキングヒータ)に適用した一実施例について、図1から3を参照して説明する。
図1において、加熱調理器の本体1は、上面が開口した矩形箱状をなす本体ケース2と、この本体ケース2の上面に装着されるトッププレート組立3とを備えている。トッププレート組立3は、例えばガラス製のトッププレート4と、このトッププレート4を支持したトッププレート枠5とを備えている。トッププレート4の上面には、図示しない調理容器が載置される。
図1において、加熱調理器の本体1は、上面が開口した矩形箱状をなす本体ケース2と、この本体ケース2の上面に装着されるトッププレート組立3とを備えている。トッププレート組立3は、例えばガラス製のトッププレート4と、このトッププレート4を支持したトッププレート枠5とを備えている。トッププレート4の上面には、図示しない調理容器が載置される。
本体ケース2内の一方側である、前方から見て右側には、後述するファン装置6及び電気回路ユニット7(図3〜図5参照)が配設され、他方側となる左側にはロースタユニット8が配設されている。本体ケース2内において、右側のファン装置6及び電気回路ユニット7と左側のロースタユニット8との間には前後方向に延びる仕切板10が設けられていて、この仕切板10により本体ケース2内を左右に仕切っている。
ロースタユニット8は、前面が開口したロースタ用ケーシング11内にロースタ用ヒータ12(図3参照)が配設されているとともに、扉13を有した引き出しユニット14が出し入れ可能に設けられ、その引き出しユニット14に、受け皿14a(図3参照)及び図示しない焼き網が取り付けられるようになっている。ロースタ用ケーシング11の後部には、ロースタ用排気口部15が上向きに設けられている。前記トッププレート枠5の後部には、ロースタ用排気口部15に連通するロースタ用排気口5a(図1に点線で示す)が設けられていて、ロースタ用ケーシング11内の空気が、ロースタ用排気口部15及びロースタ用排気口5aを通して排出されるようになっている。なお、トッププレート枠5の後部には、ロースタ用排気口5aの左側に位置させて本体排気口5b(これも図1に点線で示す)が形成されている。ロースタ用排気口5a及び本体排気口5bは、多数の通気孔を有する排気口カバー9により覆われている。
本体ケース2内の上部には、トッププレート4の下方に位置させて仕切体16が配設されている。この仕切体16は、右側のファン装置6及び電気回路ユニット7と左側のロースタユニット8にまたがった状態で配置されている(図3参照)。仕切体16は、非磁性の導電材料、例えばアルミニウムにより形成されたもので、外周部に立ち上がった側壁16aを枠状に有した浅底の矩形の容器状をなしていて、側壁16aの上端部に全周にわたって設けたパッキン17(図3及び図4参照)を介してトッププレート4の下面に密着させている。ここで、仕切体16は、トッププレート4の下方の空間を上空間18と下空間19とに仕切るように設けられている。また、トッププレート4と仕切体16との間に形成された上空間18は、トッププレート4と仕切体16との間がパッキン17を介して密閉されるような空間とされている。
仕切体16の上面にはダクト20が配置されている。ダクト20は例えば樹脂の1枚のプレートから形成されたもので、その形状は、左右に並べた2個の円形プレート部20a、20bと、これら円形プレート部20a、20bとの間を繋ぐ矩形プレート部20cから構成されている。ダクト20の上面は略平面となっており、円形プレート部20aには複数の孔21aが、円形プレート部20bには、孔21aよりやや大きな複数の孔21bが、冷却風の通風孔として設けられている。また、ダクト20の下面には、立ち下がりのダクト側壁20dが、ダクト20の外周の全周にわたって一定の肉厚で設けられており、ダクト側壁20dの下面と仕切体16の上面とが当接している。これにより、仕切体16の上面とダクト20の下面との間に有する空間により第1の通気路23を形成し、この第1の通気路23内を冷却風が通ることとなる。
仕切体16内の上空間18内におけるダクト20の上面には、複数、この場合2個の誘導加熱用の加熱コイル30、31が配設されている。これら加熱コイル30、31は、トッププレート4上に載置される調理容器を加熱する加熱手段を構成する。これら加熱コイル30、31は、それぞれコイルベース32に支持された状態で、ダクト20の上面に固定されたコイル支柱22の上に配置されている。これにより、加熱コイル30、31とダクト20の上面との間には、それぞれ第2の通気路33、第3の通気路34が形成されている。これら第2の通気路33及び第3の通気路34にはファン装置6からの冷却風が流れ各加熱コイル30、31を冷却する。
また、各加熱コイル30、31のコイルベース32の中央部には、温度センサ35が設けられている。温度センサ35は、トッププレート4上に載置される調理容器の温度を検出するためのものである。
また、各加熱コイル30、31のコイルベース32の中央部には、温度センサ35が設けられている。温度センサ35は、トッププレート4上に載置される調理容器の温度を検出するためのものである。
ダクト20の上面には、2個の防磁部材24、25が加熱コイル30、31のそれぞれの外周部に対応して配置されている。防磁部材24、25は、非磁性の導電材料、例えばアルミニウムにより形成されたもので、円環状の薄板の外周に沿って、加熱コイル30、31の厚さと同程度の高さの囲い壁を有しており、その囲い壁により対応する加熱コイル30、31の外周を囲う形態となっている。各防磁部材24、25の囲い壁の一部に、それぞれ開口部24a及び25aが形成されている。開口部24a、25aは、それぞれの上端が開放した切欠き部により形成されていて、対応する加熱コイル30、31の接続線30a、31aが干渉無く通る程度の幅で開口している。また、開口部24a、25aは、加熱コイル30、31の前後方向の中心からそれぞれ前後にずれて位置している。
図2において、仕切体16の右前部には、ダクト20の右側の円形プレート部20aの下方に位置させて、開口部からなる連通部36が2個形成されている(図2に破線で示す)。また、仕切体16の左後部には、ダクト20の左側の円形プレート部20bの後方に位置させて、開口部からなる排気口37が形成されている。
仕切体16の中央部には、左右の加熱コイル30、31間に位置させて、端子台用開口部38(図3参照)が形成されている。さらに、ダクト20の矩形プレート部20cにおいて、端子台用開口部38と対向する位置に、端子台挿通部21cが開口して形成されている。端子台用開口部38及び端子台挿通部21cには、中継端子台39の上部の一部が挿入されるようになっていて、その端子台用開口部38及び端子台挿通部21cの開口は中継端子台39によって閉鎖される。中継端子台39は、前記仕切板10の上端部にあって、前後方向の中央部に固定されている。この中継端子台39は高さの異なる接続部44a、44bを有した端子板44(図3参照)を備えており、接続部44aと接続部44bとの間は電気的に接続されている。接続部44aは仕切体16より上側の上空間18側に露出し、接続部44bは下側の下空間19に露出させている。ここで、中継端子台39の上側の接続部44aには加熱コイル30、31の接続線30a、31aが接続されており、下側の接続部44bには電気回路ユニット7の接続線43が接続されて、加熱コイル30、31と電気回路ユニット7とを電気的に接続している。
仕切体16の前方には、スイッチからなる操作部40や表示部41などを備えた操作パネルユニット42が設けられている。操作パネルユニット42は、トッププレート枠5の前部に設けられたカバー部42aにてカバーされている。
次に、電気回路ユニット7及びファン装置6側の構成について、図4から図6も参照して説明する。ファン装置6と電気回路ユニット7は、基板ケース45に設けられている。基板ケース45は、本体ケース2の下空間19における仕切板10の右側に配置されている。この基板ケース45内の底部には、一枚のプリント基板からなる回路基板46が基板ケース45の底部全体にわたって収容配置されている。この回路基板46に、電気部品100を実装することにより、電気回路ユニット7が構成されている。電気回路ユニット7は、前記加熱コイル30、31に高周波電流を供給するインバータを備えている。回路基板46には、図示はしないが、マイクロコンピュータを含む制御装置(制御手段)も設けられている。
本体ケース2内の右後部には、本体ケース2、仕切体16及び後述するファンケーシング52のそれぞれの面によって冷却風を通すための第1の吸気ダクト47(図1及び図4参照)を形成している。また、本体ケース2の右側背面には、複数の小孔からなる第1の吸気口48が機外と連通して設けられている。
基板ケース45の後部の上部に、回路基板46の上方に位置させてファン装置6が取り付けられている。このファン装置6は、縦軸型の遠心ファンからなる冷却ファン50と、この冷却ファン50を回転駆動するモータ51と、冷却ファン50を囲繞するファンケーシング52とを備えている。モータ51は、ファンケーシング52の上部にねじ52aにより取り付けられていて、回転軸51aを下に向けている。ファンケーシング52の上面と仕切体16の下面との間は離間している。ファンケーシング52の吐出口53は前方に向けられていて、その吐出口53の上部の先端部53aは、上に向けられて、仕切体16の下面に当接している。冷却ファン50は、これの回転軸となるモータ51の回転軸51aが前記第1の吸気口48よりも前方に位置していて、右側の加熱コイル30の下方にまで臨む大きさに構成されている。
ファンケーシング52の上部には、モータ51の外形よりも大きな開口部である上部吸込口54が形成されている。この上部吸込口54は、ファンケーシング52内と、第1の吸気ダクト47とを連通している。ここで、冷却ファン50がモータ51により回転駆動された際に、第1の吸気口48から第1の吸気ダクト47を通して上部吸込口54へ吸い込まれる外気(冷却風)が通る経路を第1の吸気経路55(図4の矢印A1参照)としている。
前記ファンケーシング52の下部には、前記上部吸込口54の下方に対応する部位に位置させて下部吸込口56が形成されている。この場合、ファン装置6は、下端部6aが基板ケース45の底部45aに対して上方に離間した状態で基板ケース45に取り付けられていて、ファン装置6の下端部6aと基板ケース45の底部45aとの間に回路基板46が配置された形態となっている。
基板ケース45の前下部の左右方向の中央部には、前後方向に延びる第1の送風ダクト57(図4〜図6参照)が設けられ、基板ケース45の前部の上部には、第1の送風ダクト57の上方に位置させて第2の送風ダクト58(図1及び図4参照)が設けられている。このうち、第1の送風ダクト57の後部はファンケーシング52の吐出口53の下部に連通し、前部は開口している。第1の送風ダクト57の後部の下部には、案内板59が設けられている。この案内板59の上部の後端部は、ファンケーシング52の吐出口53の先端部下部に連なり、案内板59の前部の下端部は、回路基板46の上面に当接している。この場合、ファンケーシング52の吐出口53から吐出された冷却風の一部は、第1の送風ダクト57を通って前方へ流れる(図4の矢印B1参照)。第1の送風ダクト57内には、当該第1の送風ダクト57内を左右に仕切るダクト内仕切部57aが設けられている。
図4に示すように、回路基板46において、第1の送風ダクト57内に位置する部分には電気部品100の中でも特に発熱量が多いインバータのスイッチング素子(例えばIGBT)100a及び放熱部材100bが配置されている。したがって、第1の送風ダクト57内を通る冷却風によって、これらスイッチング素子(例えばIGBT)100a及び放熱部材100bが冷却されるようになっている。
第2の送風ダクト58の後部はファンケーシング52の吐出口53の上部に連通しており、前部は仕切体16の連通部36に連通している。第2の送風ダクト58の底面58aは、後部から連通部36に向けて高くなるような傾斜面とされている。この場合、ファンケーシング52の吐出口53から吐出された冷却風の一部は、第2の送風ダクト58を通って連通部36へ案内される(図3の矢印B2参照)。第1の送風ダクト57と第2の送風ダクト58との間の後部の仕切部分を分流板部60としていて、この分流板部60により、ファンケーシング52の吐出口53から吐出された冷却風を、第1の送風ダクト57側と第2の送風ダクト58側とに分けられるようになっている。
基板ケース45の下部には、図5に示すように、第1の送風ダクト57の右外側に位置させて右側の第2の吸気ダクト67aが設けられているとともに、第1の送風ダクト57の左外側に位置させて、左側の第2の吸気ダクト67bが設けられている。このうち、右側の第2の吸気ダクト67aは、第1の送風ダクト57の右側壁と、基板ケース45の右側壁と、回路基板46と、第2の送風ダクト58の下面とで囲まれていて、後部がファンケーシング52の下部吸込口56に連通している。この右側の第2の吸気ダクト67aの前部となる基板ケース45の前壁には、開口部からなるケース前面通気口68が形成されている。本体ケース2の底壁部における右前部には、ケース前面通気口68の下方に対応する部位に位置させて、右側の第2の吸気口62aが形成されている。また、基板ケース45の右側壁の前部には3個の開口部からなるケース右面通気口69aが形成されており、基板ケース45の右側壁の後部には開口部からなるダクト通気口69cが形成されている。さらに、本体ケース2の右側壁には複数の小孔からなる第3の吸気口70が形成されている。
ここで、冷却ファン50がモータ51により回転駆動された際に、ケース前面通気口68及びケース右面通気口69aから右側の第2の吸気ダクト67aを通り、ファンケーシング52の下部吸込口56へ吸い込まれる外気(冷却風)が通る経路を右側の第2の吸気経路61a(図5の矢印A2参照)としている。また、ケース右面通気口69aと第3の吸気口70との間には、基板ケース45の右側壁と本体ケース2の右側壁からなる隙間73が形成されており、第3の吸気口70から吸気された外気の一部は、この隙間73を通って第1の吸気ダクト47に入り、ファンケーシング52の上部吸込口54からファンケーシング52内に取り込まれる(図4及び図6の矢印A7参照)。
基板ケース45の前部と本体ケース2の前部の背面との間には、図1に示すように、上から見てL字形をなす補助板63が設けられていて、この補助板63と、基板ケース45の前部と、本体ケース2の前壁と、仕切板10の前部とにより補助ダクト64を形成している。補助ダクト64の下部は、第1の送風ダクト57の前面開口部と連通していて、第1の送風ダクト57を通った冷却風がこの補助ダクト64に排出される。仕切板10の前部には、図4に示すように矩形状の孔からなる通気口65が2個形成されていて、補助ダクト64内を通った冷却風が左側のロースタユニット8側へ案内されるようになっている(図2及び図4の矢印B3参照)。なお、補助板63の左部の下部には、図5に示すように仕切部63aが一体に設けられていて、この仕切部63aにより、基板ケース45の左側壁と仕切板10との間の隙間を前後に仕切っている。補助板63と第2の送風ダクト58との間には、左右方向に延びる補助風路71(図1及び図2参照)が形成されている。この補助風路71の右下部は、右側の第2の吸気口62aに連通している。
第1の送風ダクト57の左側に位置する第2の吸気ダクト67bは、第1の送風ダクト57の左側壁と、基板ケース45の左側壁と、回路基板46と、第2の送風ダクト58の下面とで囲まれていて、後部が前記ファンケーシング52の下部吸込口56に連通している。この左側の第2の吸気ダクト67bの前部における基板ケース45の左側壁には、仕切部63aの後に位置させて開口部からなるケース左面通気口69bが形成されている。また、基板ケース45の左側壁と仕切板10との間の隙間における、本体ケース2の底壁部の前部には、仕切部63aの後ろで且つケース左面通気口69bの下方に対応する部位に位置させて、左側の第2の吸気口62bが形成されている。このケース左面通気口69bは、左側の第2の吸気口62bを通じて機外に連通しているとともに、基板ケース45の左側壁と仕切板10との間に形成された隙間を通して補助風路71にも連通している。
ここで、冷却ファン50がモータ51により回転駆動された際に、右側の第2の吸気口62aから本体ケース2内に吸気された外気の一部は補助風路71を通ってケース左面通気口69bに導かれるとともに、左側の第2の吸気口62bから吸気された外気と合流して、ケース左面通気口69bから左側の第2の吸気ダクト67bを通ってファンケーシング52の下部吸込口56へ吸い込まれる。このうち、右側の第2の吸気口62aから補助風路71を通って左側の第2の吸気口62bに導かれる経路を補助吸気経路72(図1及び図2の矢印A3参照)とし、ケース左面通気口69bから左側の第2の吸気ダクト67bを通ってファンケーシング52の下部吸込口56へ吸い込まれる経路を左側の第2の吸気経路61b(図5の矢印A4参照)としている。この場合、右側の第2の吸気経路61aと左側の第2の吸気経路61bは、第1の送風ダクト57を中央に位置させて、並行して隣り合って設けられている。
なお、本体ケース2の前面の右部には、化粧カバー66が装着されている。
また、回路基板46において、第1の送風ダクト57の外側及びファンケーシング52の下方に対応する部分には、電気部品100のうち、発熱量が比較的少ない電気部品100が配置されている。これらの電気部品100は、ファン装置6の駆動時に、外気が第2の吸気経路61a、61bを通り、下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれる冷却風(図5の矢印A2、A4参照)によって冷却されるようになっている。
また、回路基板46において、第1の送風ダクト57の外側及びファンケーシング52の下方に対応する部分には、電気部品100のうち、発熱量が比較的少ない電気部品100が配置されている。これらの電気部品100は、ファン装置6の駆動時に、外気が第2の吸気経路61a、61bを通り、下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれる冷却風(図5の矢印A2、A4参照)によって冷却されるようになっている。
次に上記構成の作用を説明する。ここでは、特にファン装置6による冷却風の流れを中心に説明する。加熱コイル30、31の一方、または両方を用いて加熱調理を行う場合、トッププレート4上の所定の位置に調理容器を載置した状態で、使用者が操作パネルユニット42の操作部40を操作する。すると、制御装置は、その操作及び予め備えた制御プログラムに基づき、インバータ回路のスイッチング素子100aを制御して加熱コイル30、31を制御するとともに、ファン装置6のモータ51を制御する。このうち、スイッチング素子100aを制御することに基づき加熱コイル30、31に高周波電流が供給されて高周波磁界が発生し、調理容器に電流が誘導されてジュール熱による加熱調理が行なわれる。このとき、各加熱コイル30、31の外周部には防磁部材24、25が設けられているので、加熱コイル30、31から発生する磁力線が防磁部材24、25の外側へ漏れることを極力防止することができる。また、このとき、使用される加熱コイル30、31が発熱するとともに、電気回路ユニット7における回路基板46の電気部品100も発熱するので、これらを冷却する必要がある。
ファン装置6のモータ51により冷却ファン50が回転駆動されると、その冷却ファン50の送風作用により、本体1外の空気(外気)が、本体1の右側背面に設けられた第1の吸気口48から第1の吸気ダクト47内へ吸い込まれるとともに、本体ケース2の底壁部に設けた左右両側の第2の吸気口62a、62bから第2の吸気ダクト67a、67b内へ吸い込まれて、さらに本体ケース2の右側壁に設けた第3の吸気口70からも本体ケース2内へ吸い込まれる。このうち、第1の吸気口48から第1の吸気ダクト47内へ吸い込まれた外気(冷却風)は、主に図4の矢印A1で示すように第1の吸気経路55を通り、ファンケーシング52の上部吸込口54からファンケーシング52内に吸い込まれる。
一方、右側の第2の吸気口62aから本体ケース2内へ吸い込まれた外気(冷却風)の一部は、図5に矢印A2で示すように、基板ケース45の前面右側に設けたケース前面通気口68から右側の第2の吸気ダクト67a内へ入り、右側の第2の吸気経路61aを通って、ファンケーシング52の下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれる。また、第3の吸気口70から本体ケース2内へ吸い込まれた外気(冷却風)の一部も、図5に矢印A5で示すように、基板ケース45の右側面に設けたケース右面通気口69aから右側の第2の吸気ダクト67a内へ入り、矢印A2で示す流れに合流して右側の第2の吸気経路61aを通って、ファンケーシング52の下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれる。
さらに、左側の第2の吸気口62bから本体ケース2内へ吸い込まれた外気(冷却風)は、図5に矢印A4で示すように、基板ケース45の左側面に設けたケース左面通気口69bから左側の第2の吸気ダクト67b内へ入り、左側の第2の吸気経路61bを通って、ファンケーシング52の下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれる。また、右側の第2の吸気口62aから本体ケース2内へ吸い込まれた外気(冷却風)の一部は、補助板63の右側を上へ向けて流れた後、図1及び図2の矢印A3で示すように、補助吸気経路72を右から左へと流れ、そこから基板ケース45の左側壁と仕切板10との間の隙間を下向きに流れる。この後、図5に矢印A4で示すように、基板ケース45の左側壁前部のケース左面通気口69bから左側の第2の吸気ダクト67b内に入り、左側の第2の吸気経路61bを通って、ファンケーシング52の下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれる。
そして、第3の吸気口70から本体ケース2内へ吸い込まれた外気(冷却風)の一部は、図5の矢印A6で示すように、ダクト通気口69cから基板ケース45内へ入り、ファンケーシング52の下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれるとともに、その他の一部は基板ケース45の右側壁と本体ケース2の右側壁からなる隙間73を通って、図4の矢印A7で示すように、ファンケーシング52の上部吸込口54からファンケーシング52内に取り込まれる。
このとき、左右両側の第2の吸気ダクト67a、67b内を通る冷却風により、当該第2の吸気ダクト67a、67b内に配設された電気部品100が冷却される。また、両側の第2の吸気ダクト67a、67bを通った冷却風と、ダクト通気口69cから吸気された冷却風とが、ファン装置6の下方において合流し、この合流した冷却風により、ファン装置6の下方に配置された電気部品100が冷却される。
そして、ファンケーシング52内に吸い込まれた空気は、吐出口53から前方に向けて吐出される。吐出口53から吐出された冷却風は、分流板部60により下部側の第1の送風ダクト57側と上部側の第2の送風ダクト58側とに分けられる。このうち、第1の送風ダクト57側に送られた冷却風は、図4に矢印B1で示すように、第1の送風ダクト57内を前方に向けて流れる。この第1の送風ダクト57内を流れる冷却風により、左右両側に配置されたスイッチング素子100a及びこれの放熱部材100bが冷却される。
このとき、第1の送風ダクト57に流れる冷却風の流れ方向(図5の矢印B1参照)に対して並行して左右両側に第2の吸気ダクト67a、67bを設けているので、第1の送風ダクト57内を前方へ向けて流れる冷却風の流れ方向(矢印B1参照)と、第1の送風ダクト57の左右両側に位置する第2の吸気ダクト67a、67bを後方へ向けて流れる冷却風の流れ方向(矢印A2、A4参照)とは逆向きで、対向するような構成となっている。
第1の送風ダクト57を通った冷却風は、補助ダクト64側へ出る。補助ダクト64へ出た冷却風は、仕切板10の前部の通気口65から左側のロースタユニット8側へ流れる(図2及び図4の矢印B3参照)。ロースタ用ケーシング11の上面前部は他の部分よりやや低くなっており、ロースタユニット8側へ流れた冷却風は、図2に矢印B4で示すように、ロースタ用ケーシング11の上面前部と操作パネルユニット42との間を右から左へ向けて流れた後、ロースタ用ケーシング11左側面と本体ケース2の左側壁の内面との間を後方へ向けて流れ、最終的に、トッププレート枠5の後部の本体排気口5bから機外へ排出される(図2の矢印B5参照)。このとき、ロースタ用ケーシング11の周りを冷却風が流れることにより、当該ロースタ用ケーシング11を冷却することができる。また、操作パネルユニット42とロースタ用ケーシング11との間を冷却風が通過することにより、ロースタ用ケーシング11の熱が操作パネルユニット42に悪影響を及ぼすことを極力防止することができる。
また、ファンケーシング52の吐出口53から第2の送風ダクト58側へ吐出された冷却風は、図4の矢印B2で示すように連通部36から、上空間18における仕切体16とダクト20との間に形成された第1の通気路23内に入る。第1の通気路23内に入った冷却風の一部は、図2及び図3の矢印C1で示すように、ダクト20の上流側である円形プレート部20aに設けられた複数の孔21aから、ダクト20の上側の、加熱コイル30とダクト20の円形プレート部20aの間に形成された第2の通気路33内に入る。第2の通気路33内に入った冷却風は、図2及び図3の矢印C2で示すように、加熱コイル30の下面に沿って流れる冷却風と、加熱コイル30の配線の隙間などから加熱コイル30の上面に漏れ出て、加熱コイル30の上面に沿って流れる冷却風とに分かれて流れる。このとき、加熱コイル30の上下面に分かれて流れる冷却風は、冷却風が加熱コイル30の上下面を分かれて流れることによって、加熱コイル30を効率よく冷却することができる。
加熱コイル30の上下面に分かれて流れ、加熱コイル30を冷却した冷却風は、加熱コイル30の周囲を囲うようにして配置した防磁部材24の囲い壁によって周囲への拡散を阻まれながら防磁部材24の囲い壁に沿って流れた後、防磁部材24の囲い壁に設けられた開口部24aから下流側(図2及び図3で左側)へと流れ出る。そして、防磁部材24の囲い壁に設けられた開口部24aから流れ出た冷却風は、加熱コイル30、31の接続線30a、31aを冷却しながら下流側の防磁部材25の囲い壁に設けられた開口部25aから第3の通気路34に入る。
また、第1の通気路33内に入った冷却風の残りは、図2及び図3の矢印C3で示すようにダクト20の下面に沿って、上流側の円形プレート部20aから矩形プレート部20cを経て下流側の円形プレート部20bへと流れる。円形プレート部20bの下面に達した冷却風は、ダクト20の立ち下がりのダクト側壁20dによって周囲への拡散を阻まれるため、円形プレート部20bに設けられた孔21bから、ダクト20の上側である、加熱コイル31とダクト20の円形プレート20bとの間に形成された第3の通気路34内に入る。第3の通気路34内に入った冷却風は、加熱コイル31を冷却しながら、加熱コイル31の隙間などから上方へ抜けて行く。
この場合、ダクト20の円形プレート部20bの孔21bは、円形プレート部20aの孔21aに比べ大きく設けているため、孔21bから加熱コイル31の上方へ抜けていく冷却風はダクト20上面を通る冷却風より多くなる。このため、孔21bから出て加熱コイル31の上方へ向かう冷却風が、防磁部材25の囲い壁に設けられた開口部25aから入ってきた冷却風を引き寄せて流れ、左後部の排気口37から仕切体16の下側へ排出される。
これにより、左側の加熱コイル30も右側の加熱コイル31も効率よく冷却される。さらに、左右の加熱コイル30、31にあって中継端子台39に接続された各接続線30a、31aも、その冷却風によって冷却される。
これにより、左側の加熱コイル30も右側の加熱コイル31も効率よく冷却される。さらに、左右の加熱コイル30、31にあって中継端子台39に接続された各接続線30a、31aも、その冷却風によって冷却される。
また、このとき、加熱コイル30、31が収容された上空間18は、トッププレート4と仕切体16との間が密閉されるような空間に構成されているから、加熱コイル30、31を冷却すべく上空間18内に入り込んだ冷却風の漏れを極力防止でき、その冷却風を加熱コイル30、31の冷却に有効に作用させることができる。また、下方の電気回路ユニット7の電気部品100の特にスイッチング素子100a及び放熱部材100bを冷却して熱くなった風が上空間18内に入り込むことも極力防止できる。
仕切体16後部の排気口37から仕切体16の下側へ排出された冷却風は、電気回路ユニット7の電気部品100を冷却した冷却風とともに、本体1後部の本体排気口5bから機外へ排出される(矢印B5参照)。
上記した実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
ファン装置6の冷却ファン50は、縦軸型の遠心ファンにより構成し、電気回路ユニット7における回路基板46の上方に位置させた。この構成により、冷却ファン50の径方向の寸法(直径寸法)を、回路基板46に制約を受けずに大きくすることができ、低い回転数で冷却ファン50の送風量を確保することが可能となり、冷却ファン50の回転に伴い発生する回転音(騒音)を低減することが可能となる。
ファン装置6の冷却ファン50は、縦軸型の遠心ファンにより構成し、電気回路ユニット7における回路基板46の上方に位置させた。この構成により、冷却ファン50の径方向の寸法(直径寸法)を、回路基板46に制約を受けずに大きくすることができ、低い回転数で冷却ファン50の送風量を確保することが可能となり、冷却ファン50の回転に伴い発生する回転音(騒音)を低減することが可能となる。
この理由は、冷却ファンの回転音は、ファンの外周部のスピードに比例して大きくなるものであり、ファンの直径寸法を大きくすることにより、低い回転数でファンの送風量を確保することが可能となり、これに伴いファン外周部のスピードを遅くでき、回転音を低くできるためである。
また、本体ケース2の背面部に第1の吸気経路55に外気を吸い込むための第1の吸気口48を設けて、基板ケース45の前方における本体ケース2の底壁部に、第2の吸気経路61a、61bに外気を吸い込むための右側の第2の吸気口62aを設けて、基板ケース45の左方における本体ケース2の底壁部に、左側の第2の吸気経路61bに外気を吸い込むための左側の第2の吸気口62bを設けて、本体ケース2の右側壁部に第1の吸気経路55及び右側の第2の吸気経路61aに外気を吸い込むための第3の吸気口70を設けており、本体1の上部とは異なる位置に本体ケース2内に外気を吸い込むための吸気口を設ける構成としている。このような構成によれば、本体ケース2の上部のトッププレート4の上面において鍋などが加熱されて多量の水蒸気が生じた場合でも、本体1の上部とは異なる位置に設けた吸気口から本体ケース2内に外気を吸い込むため、水蒸気を吸気し難くなる。これによって、吸気された外気が本体ケース2内で結露するのを極力防止することができ、したがって、結露によって生じる電気回路ユニット7の不具合を極力防止することができる。
さらに、このような構成によれば、第1の吸気口48と、第2の吸気口62a、62bと、第3の吸気口70とを、それぞれ本体1の異なる面に複数設けているため、吸気量を増大することができ、冷却効率を向上することができる。
ファン装置6に吸い込まれる冷却風が通る本体1後部側の第1の吸気経路55(第1の吸気ダクト47参照)と、この第1の吸気経路55とは別に第1の送風ダクト57の周囲に設けられ、ファン装置6に吸い込まれる冷却風が通る第2の吸気経路61a、61b(第2の吸気ダクト67a、67b参照)とを備えている。このような構成によれば、第1の吸気経路55に加え、第1の送風ダクト57の周囲からも冷却風を吸い込む第2の吸気経路61a、61bを備えているので、ファン装置6による吸気風量を多く確保することができる。しかも、第1の吸気経路55と第2の吸気経路61a、61bでは、異なった複数の場所の外気を吸い込むことになるので、1箇所のみから吸気する場合とは違い、複数箇所の空気の温度を平均化し、平均化した温度の冷却風を送風することができ、冷却対象の加熱コイル30、31や電気回路ユニット7の電気部品に対する冷却効率の向上を図ることが可能となる。
ちなみに、本体後部の1箇所のみから吸気する場合、その吸気する部分の空気の温度が高いと、ファン装置が送風する冷却風の温度も高くなってしまうという問題がある。この点、本実施形態によれば、上記したように、ファン装置6は異なった複数の場所の外気を吸い込むことになるので、複数箇所の空気の温度を平均化し、平均化した温度の冷却風を送風することができる。
第1の送風ダクト57と第2の吸気ダクト67a、67bとは単一の基板ケース45内に構成され、この基板ケース45の外側であって本体1の背面部に第1の吸気経路55に外気を吸い込むための第1の吸気口48を有し、基板ケース45の前方における本体ケース2の底壁部に、第2の吸気ダクト67a、67bに外気を吸い込むための右側の第2の吸気口62aを有し、基板ケース45の左方における本体ケース2の底壁部に左側の第2の吸気ダクト67bに外気を吸い込むための左側の第2の吸気口62bを有し、本体ケース2の右側の側壁部に、右側の第2の吸気ダクト67a内に外気を吸い込むための第3の吸気口70を有している。さらに、第1の吸気口48と、第2の吸気口62a、62bと、第3の吸気口70との間にファン装置6を配置する構成とした。このような構成によれば、ファン装置6の後方に第1の吸気口48が存し、前方に第2の吸気口62aが存し、左方に左側の第2の吸気口62bが存し、右方に右側の第2の吸気口70が存する構成となっていて、ファン装置6は本体1における前後左右の異なる場所の空気を取り込むことができる。このため、第1の吸気口48が吸い込む位置の空気の温度と、第2の吸気口62a、62bと、第3の吸気口70とが吸い込む位置の空気の温度が異なっている場合でも、ファン装置6は、それらの平均的な比較的低い温度の冷却風を送風することができ、1箇所のみの比較的高い温度の空気のみを取り込んでしまうことによって冷却効果が低下してしまうような不具合を防止することができる。
ファン装置6は上部吸込口54と下部吸込口56を有し、第1の吸気経路55は上部吸込口54に繋がり、第2の吸気経路61a、61bは、上部吸込口54とは異なる下部吸込口56に繋がっている。第1の吸気経路55の吸込口(上部吸込口54)と第2の吸気経路61a、61bの吸込口(下部吸込口56)を異ならせることで、第1の吸気経路55、第2の吸気経路61a、61bを通してそれぞれスムーズに冷却風を吸い込むことができる。
電気回路ユニット7の回路基板46を一枚で構成し、基板ケース45の底部全体にわたって収容配置されていて、回路基板46において第1の送風ダクト57内に位置する部分には電気部品の中でも特に発熱量が多いスイッチング素子100a及び放熱部材100bを配置し、第2の吸気経路61a、61b内には発熱量が比較的少ない電気部品100を配置している。これにより、発熱量が多く冷却風量が特に必要なスイッチング素子100a及び放熱部材100bには、ファン装置6から吐出する冷却風を直接当てて冷却することができ、発熱量が比較的少なく冷却風量をそれほど必要としない電気部品100には、ファン装置6への吸気の流れによって冷却することができる。このため、電気部品の発熱量に対して適切な風量で冷却することができるため、ファン装置6の吐出と吸気による冷却風を効率的に利用でき、ファン装置6による電気回路ユニット7の冷却効率を向上することができる。
また、電気回路ユニット7の回路基板46は一枚にて構成しているため、回路基板を上下方向に複数段に設ける場合に比べ、回路基板46の上方にファン装置6を配置するスペースを多く確保することが可能となり、ファン装置6の上下の吸込口54、56などを確保しやすくできる。
第1の送風ダクト57の外側に位置する回路基板46上にスイッチング素子100a以外の電気部品を配置し、第1の送風ダクト57の外周に、当該第1の送風ダクト57内を流れる冷却風の流れ方向と対向する向きに流れてファン装置6の下部吸込口56に吸い込まれる冷却風が通る第2の吸気ダクト67a、67bを設け、これら第2の吸気ダクト67a、67bを流れる冷却風によりスイッチング素子100a以外の電気部品を冷却する構成とした。このような構成によれば、ファン装置6に吸い込まれる吸気経路を利用して電気回路ユニット7の電気部品を冷却することができるので、電気部品を効率的に冷却することができる。また、第1の送風ダクト57の左右両側に第2の吸気ダクト67a、67bを配置し、第2の吸気ダクト67a、67b内を流れる冷却風の流れ方向を、第1の送風ダクト57内を流れる冷却風の流れ方向と対向する向きとなるように構成しているので、スペースの確保がし易く回路基板46上での電気部品の配置がし易いため、本体1内の狭いスペースを有効に利用することができる。
電気回路ユニット7の回路基板46を収容した基板ケース45にファン装置6を取り付けていて、基板ケース45は、本体ケース2に対して電気回路ユニット7(回路基板46)とファン装置6とを一体的に着脱することが可能な構成となっている。この構成によれば、電気回路ユニット7とファン装置6を、本体ケース2から一緒に取り外すことができ、メンテナンス性に優れている利点がある。
第2の吸気経路61a、61bを通る冷却風は、第1の送風ダクト57の上流に位置するファン装置6の下部吸込口56に吸い込まれる構成としている。この構成によれば、第1の送風ダクト57内を流れる冷却風の流れ方向と、第2の吸気経路61a、61bを流れる冷却風の流れ方向とが逆方向で、対向するようになっているので、本体1内の狭いスペースを有効に利用することができる。
本体1の背面部に、ファン装置6の冷却ファン50が吸気する第1の吸気口48を設け、冷却ファン50は、冷却ファン50の回転軸51aが第1の吸気口48より前方に位置し、加熱コイル30の下方にまで臨む大きさに構成した。このような構成としたことにより、冷却ファン50の直径寸法を大きくすることができ、回転音を低くすることが可能となる。
ちなみに、従来では、加熱コイルの下方には、回路基板が複数段に設けられており、それら回路基板を覆い内部に送風するための回路基板用ダクトが設けられていたから、冷却ファンは、本体の上部後方に位置する本体吸気口と前記回路基板用ダクトとの間にしか設けることができず、加熱コイルの下方まで臨ませるような径の冷却ファンを設けることができなかった。
この点、本実施形態においては、回路基板46をファン装置6の下方まで広げ、複数段にせず、一枚で構成したことにより、回路基板46の高さ方向の容積を少なくできる。したがって、その回路基板46の上方に空いたスペースを利用してファン装置6を配置することができる。これにより、加熱コイル30の下方に臨む程度の大きな直径を有する冷却ファン50を設置することができ、回転音を低くすることが可能となる。
ファン装置6は、本体1背面部の第1の吸気口49からの冷却風を吸い込む上部吸込口54を有し、その上部吸込口54は、加熱コイル30と冷却ファン50との間に位置させている。この構成によれば、上部吸込口54に吸い込まれる冷却風により、加熱コイル30の下方の空間を効果的に冷却することができ、加熱コイル30の熱を、下方の回路基板46側に影響させ難くすることができる。特に、加熱コイル30、ファン装置6、回路基板46の順に上下方向に配置しているから、加熱コイル30と回路基板46が最も離れるように位置するようになり、回路基板46に対する加熱コイル30の熱の影響を効果的に低減させることができる。
ファン装置6の上方には加熱コイル30、31が配置され、第1の送風ダクト57の上方であって加熱コイル30、31の下方に、ファン装置6から加熱コイル30、31に冷却風を送風する第2の送風ダクト58を設けている。回路基板46を一枚にて構成したからこそ、このように送風ダクト57、58を複数段に構成することができる。そして、第2の送風ダクト58を設けることにより、加熱コイル30、31を冷却する冷却風として、スイッチング素子100a及び放熱部材100bなどの電気部品を冷却した風を加熱コイル30、31側に送る必要がなく、冷却ファン50からの風を直接送ることができ、加熱コイル30、31の冷却効率を向上できる。
第1の送風ダクト57内を流れる冷却風の流れと、当該第1の送風ダクト57の左右両側に位置する第2の吸気経路61a、61b内を流れる冷却風の流れは逆向きで対向するように構成している。この構成によれば、本体1内の狭いスペースを有効に利用することができる。また、第2の吸気経路61a、61bは、第1の送風ダクト57の一部に並行に第2の吸気ダクト67a、67bにより構成していることで、第2の吸気経路61a、61bを容易に形成することができる。
また、ファン装置6の下方に存する回路基板46において、第2の吸気経路61a、61b内であってファン装置6の下方に対応する部分には、放熱部材を有しないスイッチング素子以外の電気部品(例えば、符号を付していないマイクロコンピュータやノイズフィルタ用コイルなど)を配置し、放熱部材100bを必要とするスイッチング素子100aは、ファン装置6の下方とは異なる位置に配置した。これによれば、ファン装置6の下方であって高さ方向に狭い空間に放熱部材を必要としないスイッチング素子以外の電気部品を配置するようにしたので、ファン装置6における冷却ファン50を縦方向に大きくできて、送風量を多くすることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
上記した実施形態では、本発明を据え置きタイプの加熱調理器に適用した場合を例示したが、キッチンに組み込まれる組み込みタイプの加熱調理器にも適用することができる。
本発明は、上記した各実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
上記した実施形態では、本発明を据え置きタイプの加熱調理器に適用した場合を例示したが、キッチンに組み込まれる組み込みタイプの加熱調理器にも適用することができる。
図面中、1は本体、2は本体ケース、6はファン装置、7は電気回路ユニット、30、31は加熱コイル(加熱手段)、45は基板ケース、46は回路基板、47は第1の吸気ダクト、48は第1の吸気口、50は冷却ファン、52はファンケーシング、55は第1の吸気経路、57は第1の送風ダクト(送風ダクト)、61a、61bは第2の吸気経路、62a、62bは第2の吸気口、67a、67bは第2の吸気ダクト、68はケース前面通気口、69aはケース右面通気口、69bはケース左面通気口、69cはダクト通気口、70は第3の吸気口、100は電気部品、100aはスイッチング素子(電気部品)、100bは放熱部材(電気部品)を示す。
Claims (8)
- 上部に調理容器が載置される本体と、
この本体内に配置され、前記調理容器を加熱する加熱手段と、
前記本体内に配置され、前記加熱手段に高周波電流を供給する電気部品を実装した回路基板と、
前記本体内に配置され、前記電気部品などを冷却する冷却ファンを有するファン装置と、
前記本体内に吸気する吸気口と、を備え、
前記ファン装置の前記冷却ファンは前記回路基板の上方に位置させるとともに、前記吸気口は前記本体の上部と異なる位置に設けられていることを特徴とする加熱調理器。 - 前記吸気口は、前記本体の異なる面に複数設けられることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 前記ファン装置から送風される冷却風を案内する送風ダクトと、
前記ファン装置に吸い込まれる冷却風が通る第1の吸気経路と、
この第1の吸気経路とは別に前記前記送風ダクトの周囲に設けられ、前記ファン装置に吸い込まれる冷却風が通る第2の吸気経路と、を備えたことを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。 - 前記送風ダクトと前記第2の吸気経路とは単一のケース内に構成され、このケースの外側であって前記本体の背面に、前記第1の吸気経路に外気を吸い込むための第1の吸気口を有し、
前記本体の前部の底部に、前記第2の吸気経路に外気を吸い込むための第2の吸気口を有し、
前記本体の横側面に、前記第1の吸気経路又は前記第2の吸気経路に外気を吸い込むための第3の吸気口を有し、
前記第1の吸気口と前記第2の吸気口と前記第3の吸気口との間に前記ファン装置を配置したことを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。 - 前記回路基板は、前記送風ダクト及び前記第2の吸気経路にわたって配置されており、前記送風ダクト内及び前記第2の吸気経路に前記電気部品が配置されていることを特徴とする請求項3または4記載の加熱調理器。
- 前記送風ダクト内を流れる冷却風の流れと前記第2の吸気経路内を流れる冷却風の流れは対向するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
- 前記第2の吸気経路は、前記送風ダクトを中央に位置させて並行して隣り合って設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の加熱調理器。
- 前記冷却ファンは、縦軸型の遠心ファンにより構成されていることを特徴とする請求項1から7いずれか一項に記載の加熱調理器。
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JP2013058309A (ja) * | 2011-08-11 | 2013-03-28 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導加熱調理器 |
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JP2016018624A (ja) * | 2014-07-07 | 2016-02-01 | 日立アプライアンス株式会社 | 誘導加熱調理器 |
-
2009
- 2009-10-28 JP JP2009247705A patent/JP2011096442A/ja active Pending
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