以下、本発明をシステムキッチンに組み込まれるビルトインタイプの加熱調理器に適用した一実施例について、図面を参照して説明する。まず、図1には、システムキッチンKに組み込まれた加熱調理器の本体1を示している。加熱調理器の本体1のうち、本体ケース2はシステムキッチンKに形成された収容部K1内に配設されており、システムキッチンKの上面からは後述するトッププレート4が露出している。なお、システムキッチンKのカウンタトップK2の前端は、システムキッチンKにおける本体K3の前面より前方に突出している。図2において、加熱調理器の本体1は、上面が開口した矩形箱状をなす本体ケース2と、この本体ケース2の上面に装着されるトッププレート組立3とを備えている。本体ケース2の前面には、後述するロースタユニット8の引き出しユニット14を引き出すための開口部を有した前板2bが設けられている。トッププレート組立3は、例えばガラス製のトッププレート4と、このトッププレート4を支持したトッププレート枠5とを備えている。トッププレート4の上面には、図示しない調理容器が載置される。
本体ケース2内の一方側である、前方から見て右側には、後述するファン装置6及び電気回路ユニット7(図3〜図6参照)が配設され、他方側となる左側にはロースタユニット8が配設されている。本体ケース2内において、右側のファン装置6及び電気回路ユニット7と左側のロースタユニット8との間には前後方向に延びる仕切板10が設けられていて、この仕切板10により本体ケース2内を左右に仕切っている。
ロースタユニット8は、前面が開口したロースタ用ケーシング11内にロースタ用ヒータ12(図4参照)が配設されているとともに、扉13を有した引き出しユニット14が出し入れ可能に設けられ、その引き出しユニット14に、受け皿14a(図4参照)及び図示しない焼き網が取り付けられるようになっている。ロースタ用ケーシング11の後部には、ロースタ用排気口部15が上向きに設けられている。前記トッププレート枠5の後部には、ロースタ用排気口部15に連通するロースタ用排気口5a(図2に点線で示す)が設けられていて、ロースタ用ケーシング11内の空気が、ロースタ用排気口部15及びロースタ用排気口5aを通して排出されるようになっている。なお、トッププレート枠5の後部には、ロースタ用排気口5aの左側に位置させて本体排気口5b(これも図2に点線で示す)が形成されている。ロースタ用排気口5a及び本体排気口5bは、多数の通気孔を有する排気口カバー9により覆われている。
本体ケース2内の上部には、トッププレート4の下方に位置させて仕切体16が配設されている。この仕切体16は、右側のファン装置6及び電気回路ユニット7と左側のロースタユニット8にまたがった状態で配置されている(図4参照)。仕切体16は、非磁性の導電材料、例えばアルミニウムにより形成されたもので、外周部に立ち上がった側壁16aを枠状に有した浅底の矩形の容器状をなしていて、側壁16aの上端部に全周にわたって設けたパッキン17(図4及び図5参照)を介してトッププレート4の下面に密着させている。ここで、仕切体16は、トッププレート4の下方の空間を上空間18と下空間19とに仕切るように設けられている。また、トッププレート4と仕切体16との間に形成された上空間18は、トッププレート4と仕切体16との間がパッキン17を介して密閉されるような空間とされている。
仕切体16の上面にはダクト20が配置されている。ダクト20は例えば樹脂の1枚のプレートから形成されたもので、その形状は、左右に並べた2個の円形プレート部20a、20bと、これら円形プレート部20a、20bとの間を繋ぐ矩形プレート部20cから構成されている。ダクト20の上面は略平面となっており、円形プレート部20aには複数の孔21aが、円形プレート部20bには、孔21aよりやや大きな複数の孔21bが、冷却風の通風孔として設けられている。また、ダクト20の下面には、立ち下がりのダクト側壁20dが、ダクト20の外周の全周にわたって一定の肉厚で設けられており、ダクト側壁20dの下面と仕切体16の上面とが当接している。これにより、仕切体16の上面とダクト20の下面との間に有する空間により第1の通気路23を形成し、この第1の通気路23内を冷却風が通ることとなる。
仕切体16内の上空間18内におけるダクト20の上面には、複数、この場合2個の誘導加熱用の加熱コイル30、31が配設されている。これら加熱コイル30、31は、トッププレート4上に載置される調理容器を加熱する加熱手段を構成する。これら加熱コイル30、31は、それぞれコイルベース32に支持された状態で、ダクト20の上面に固定されたコイル支柱22の上に配置されている。これにより、加熱コイル30、31とダクト20の上面との間には、それぞれ第2の通気路33、第3の通気路34が形成されている。これら第2の通気路33及び第3の通気路34にはファン装置6からの冷却風が流れ各加熱コイル30、31を冷却する。
また、各加熱コイル30、31のコイルベース32の中央部には、温度センサ35が設けられている。温度センサ35は、トッププレート4上に載置される調理容器の温度を検出するためのものである。
ダクト20の上面には、2個の防磁部材24、25が加熱コイル30、31のそれぞれの外周部に対応して配置されている。防磁部材24、25は、非磁性の導電材料、例えばアルミニウムにより形成されたもので、円環状の薄板の外周に沿って、加熱コイル30、31の厚さと同程度の高さの囲い壁を有しており、その囲い壁により対応する加熱コイル30、31の外周を囲う形態となっている。各防磁部材24、25の囲い壁の一部に、それぞれ開口部24a及び25aが形成されている。開口部24a、25aは、それぞれの上端が開放した切欠き部により形成されていて、対応する加熱コイル30、31の接続線30a、31aが干渉無く通る程度の幅で開口している。また、開口部24a、25aは、加熱コイル30、31の前後方向の中心からそれぞれ前後にずれて位置している。
図3において、仕切体16の右前部には、ダクト20の右側の円形プレート部20aの下方に位置させて、開口部からなる連通部36が2個形成されている(図3に破線で示す)。また、仕切体16の左後部には、ダクト20の左側の円形プレート部20bの後方に位置させて、開口部からなる排気口37が形成されている。
仕切体16の中央部には、左右の加熱コイル30、31間に位置させて、端子台用開口部38(図4参照)が形成されている。さらに、ダクト20の矩形プレート部20cにおいて、端子台用開口部38と対向する位置に、端子台挿通部21cが開口して形成されている。端子台用開口部38及び端子台挿通部21cには、中継端子台39の上部の一部が挿入されるようになっていて、その端子台用開口部38及び端子台挿通部21cの開口は中継端子台39によって閉鎖される。中継端子台39は、前記仕切板10の上端部にあって、前後方向の中央部に固定されている。この中継端子台39は高さの異なる接続部44a、44bを有した端子板44(図4参照)を備えており、接続部44aと接続部44bとの間は電気的に接続されている。接続部44aは仕切体16より上側の上空間18側に露出し、接続部44bは下側の下空間19に露出させている。ここで、中継端子台39の上側の接続部44aには加熱コイル30、31の接続線30a、31aが接続されており、下側の接続部44bには電気回路ユニット7の接続線43が接続されて、加熱コイル30、31と電気回路ユニット7とを電気的に接続している。
仕切体16の前方には、スイッチからなる操作部40や表示部41などを備えた操作パネルユニット42が設けられている。操作パネルユニット42は、トッププレート枠5の前部に設けられたカバー部42aにてカバーされている。
次に、電気回路ユニット7及びファン装置6側の構成について、図5から図10を参照して説明する。ファン装置6と電気回路ユニット7は、基板ケース45に設けられている。基板ケース45は、本体ケース2の下空間19における仕切板10の右側に配置されており、図9に示すように、下部ケース45aと上部ケース45bの2部材を組み合わせて構成されている。この基板ケース45内の底部には、一枚のプリント基板からなる回路基板46が基板ケース45の底部全体にわたって収容配置されている。この回路基板46に、電気部品100を実装することにより、電気回路ユニット7が構成されている。電気回路ユニット7は、前記加熱コイル30、31に高周波電流を供給するインバータを備えている。回路基板46には、図示はしないが、マイクロコンピュータを含む制御装置(制御手段)も設けられている。
本体ケース2内の右後部には、本体ケース2、仕切体16及び後述するファンケーシング52のそれぞれの面によって冷却風を通すための第1の吸気ダクト47(図2及び図5参照)を形成している。また、本体ケース2の右側背面の下部には、後方に向かって上向きとなる斜面2aが設けられており、この斜面2aには複数の小孔からなる第1の吸気口48が機外と連通して設けられている(図3及び図5参照)。
基板ケース45の後部の上部に、回路基板46の上方に位置させてファン装置6が取り付けられている。このファン装置6は、縦軸型の遠心ファンからなる冷却ファン50と、この冷却ファン50を回転駆動するモータ51と、冷却ファン50を囲繞するファンケーシング52とを備えている。なお、ファンケーシング52の下部は、前記基板ケース45の上部ケース45bに一体に形成されている。モータ51は、ファンケーシング52の上部にねじ52aにより取り付けられていて、回転軸51aを下に向けている。ファンケーシング52の上面と仕切体16の下面との間は離間している。ファンケーシング52の吐出口53は前方に向けられていて、その吐出口53の上部の先端部53aは、上に向けられて、仕切体16の下面に当接している。冷却ファン50は、これの回転軸となるモータ51の回転軸51aが前記第1の吸気口48よりも前方に位置していて、右側の加熱コイル30の下方にまで臨む大きさに構成されている。
ファンケーシング52の上部には、モータ51の外形よりも大きな開口部である上部吸込口54が形成されている。この上部吸込口54は、ファンケーシング52内と、第1の吸気ダクト47とを連通している。ここで、冷却ファン50がモータ51により回転駆動された際に、第1の吸気口48から第1の吸気ダクト47を通して上部吸込口54へ吸い込まれる外気(冷却風)が通る経路を第1の吸気経路55(図5の矢印A1参照)としている。
ファンケーシング52の下部には、上部吸込口54の下方に対応する部位に位置させて下部吸込口56が形成されている。この場合、ファン装置6は、下端部6aが基板ケース45の底部45cに対して上方に離間した状態で基板ケース45に取り付けられていて、ファン装置6の下端部6aと基板ケース45の底部45cとの間に回路基板46が配置された形態となっている。
基板ケース45の前下部の左右方向の中央部には、前後方向に延びる第1の送風ダクト57(図5、図6及び図9参照)が設けられており、基板ケース45の前部の上部には、第1の送風ダクト57の上方に位置させて第2の送風ダクト58(5及び図10参照)が設けられている。このうち、第1の送風ダクト57の後部はファンケーシング52の吐出口53の下部に連通し、前部は開口している。第1の送風ダクト57の後部の下部には、案内板59が設けられている。この案内板59の上部の後端部は、ファンケーシング52の吐出口53の先端部下部に連なり、案内板59の前部の下端部は、回路基板46の上面に当接している。この場合、ファンケーシング52の吐出口53から吐出された冷却風の一部は、第1の送風ダクト57を通って前方へ流れる(図5及び図6の矢印B1参照)。第1の送風ダクト57内には、当該第1の送風ダクト57内を左右に仕切るダクト内仕切部57aが設けられている。
図5及び図6に示すように、回路基板46において、第1の送風ダクト57内に位置する部分には、電気部品100の中でも特に発熱量が多いインバータのスイッチング素子(例えばIGBT)100a及び放熱部材100bが配置されている。したがって、第1の送風ダクト57内を通る冷却風によって、これらスイッチング素子(例えばIGBT)100a及び放熱部材100bが冷却されるようになっている。
第2の送風ダクト58の後部はファンケーシング52の吐出口53の上部に連通しており、前部は仕切体16の連通部36に連通している。第2の送風ダクト58の底面58aは、後部から連通部36に向けて高くなるような傾斜面とされている。この場合、ファンケーシング52の吐出口53から吐出された冷却風の一部は、第2の送風ダクト58を通って連通部36へ案内される(図5の矢印B2参照)。第1の送風ダクト57と第2の送風ダクト58との間の後部の仕切部分を分流板部60としていて、この分流板部60により、ファンケーシング52の吐出口53から吐出された冷却風を、第1の送風ダクト57側と第2の送風ダクト58側とに分けられるようになっている。
基板ケース45の下部には、図6に示すように、第1の送風ダクト57の右外側に位置させて右側の第2の吸気ダクト67aが設けられているとともに、第1の送風ダクト57の左外側に位置させて、左側の第2の吸気ダクト67bが設けられている。このうち、右側の第2の吸気ダクト67aは、第1の送風ダクト57の右側壁と、基板ケース45の右側壁と、回路基板46と、第2の送風ダクト58の下面とで囲まれていて、後部がファンケーシング52の下部吸込口56に連通している。この右側の第2の吸気ダクト67aの右側の壁となる、基板ケース45における上部ケース45bの右側壁の前部には、3個の開口部からなるケース右面通気口69aが形成されており、基板ケース45における下部ケース45aの右側壁の後部には開口部からなるダクト通気口69cが形成されている。
第1の送風ダクト57の左側に位置する第2の吸気ダクト67bは、第1の送風ダクト57の左側壁と、基板ケース45の左側壁と、回路基板46と、第2の送風ダクト58の下面とで囲まれていて、後部が前記ファンケーシング52の下部吸込口56に連通している。この左側の第2の吸気ダクト67bの前部における基板ケース45(上部ケース45b)の左側壁には、後述する仕切部63aの後に位置させて開口部からなるケース左面通気口69bが形成されている。
ここで、冷却ファン50がモータ51により回転駆動された際に、ケース右面通気口69aから右側の第2の吸気ダクト67aを通り、ファンケーシング52の下部吸込口56へ吸い込まれる外気(冷却風)が通る経路を右側の第2の吸気経路61a(図6の矢印A2参照)とし、ケース左面通気口69bから左側の第2の吸気ダクト67bを通ってファンケーシング52の下部吸込口56へ吸い込まれる経路を左側の第2の吸気経路61b(図6の矢印A4参照)としている。この場合、右側の第2の吸気経路61aと左側の第2の吸気経路61bは、第1の送風ダクト57を中央に位置させて、並行して隣り合って設けられている。
図7及び図8で示すように、本体ケース2の前板2bの右上部には、開口部からなる前面通気口68が設けられている。前板2bの前部の右側には、前板2bの前面を覆うように前面パネル66が取り付けられている。この前面パネル66は、システムキッチンKにおけるカウンタトップK2の前面より後方であるが、本体K3の前面よりは前方に位置させている。前面パネル66の背面と前板2bの前面とでなす空間により吸気路74が形成されている(図5、図7及び図8参照)。吸気路74の下方には、システムキッチンKにおける本体K3の前面より前方に位置させて、前面パネル66に形成された開口部からなる第2の吸気口62が設けられている。吸気路74は第2の吸気口62を通して機外に連通しており、前面通気口68を通して本体ケース2内に連通している。また、前面パネル66の右上部において、第2の吸気口62の上方で、前面通気口68の上方近傍に位置させて、電源スイッチ75が設けられている。電源スイッチ75は、前面パネル66と前板2bとで形成される吸気路74の上方に位置して、前面パネル66の前面から当該電源スイッチ75の操作部が露出する形態で取り付けられている。この電源スイッチ75は、電気回路ユニット7などに流れる主電流の電源スイッチであり、流れる電流が大きく発熱量も多いため、冷却が必要になる。
本体ケース2の右側壁には、基板ケース45の右側壁に設けたケース右面通気口69aとダクト通気口69cとの上方に位置させて、複数の小孔からなる第3の吸気口70が設けられている(図1及び図2参照)。この第3の吸気口70は、ケース右面通気口69aとダクト通気口69cとに対向しない位置に設けることで、本体ケース2の外側から、基板ケース45の開口部であるケース右面通気口69aとダクト通気口69cを見えないように隠している。これにより、例えば複数の小孔からなる第3の吸気口70から異物が本体ケース2内に侵入したとしても、基板ケース45の右側壁によって基板ケース45内に侵入することを防止できる。また、ケース右面通気口69aと第3の吸気口70との間には、基板ケース45の右側壁と本体ケース2の右側壁からなる隙間73が形成されており、この隙間73は第1の吸気経路55を通してファンケーシング52の上部吸込口54に連通している。
基板ケース45の前部と本体ケース2の前部の背面との間には、図2に示すように、上から見てL字形をなす補助板63が、前板2bに設けた前面通気口68の左方に位置して設けられていて、この補助板63と、基板ケース45の前部と、本体ケース2の前壁と、仕切板10の前部とにより補助ダクト64を形成している。補助ダクト64の下部は、第1の送風ダクト57の前面開口部と連通していて、第1の送風ダクト57を通った冷却風がこの補助ダクト64に排出される。仕切板10の前部には、図5に示すように矩形状の孔からなる通気口65が2個形成されていて、補助ダクト64内を通った冷却風が左側のロースタユニット8側へ案内されるようになっている(図3及び図5の矢印B3参照)。なお、補助板63の左部の下部には、図6に示すように仕切部63aが一体に設けられていて、この仕切部63aにより、基板ケース45の左側壁と仕切板10との間の隙間を前後に仕切っている。補助板63と第2の送風ダクト58との間には、左右方向に延びる補助風路71(図2及び図3参照)が形成されている。この補助風路71の右部は、前面通気口68及び第3の吸気口70に連通している。
ここで、冷却ファン50がモータ51により回転駆動されると、図7の矢印A8で示すように、第2の吸気口62から吸気路74及び前面通気口68を通って本体ケース2内に外気が吸入されるとともに、第3の吸気口70からも本体ケース2内に外気が吸入される。このとき、第2の吸気口62及び第3の吸気口70から吸入された外気の一部は、冷却風として基板ケース45の右側壁に設けたケース右面通気口69aから右側の第2の吸気ダクト67aに入り(図10の矢印A5参照)、右側の第2の吸気経路61aを通ってファンケーシング52の下部吸込口56へ吸い込まれる(図6の矢印A2参照)。また、本体2内に吸入された外気の他の一部は、冷却風として補助風路71を通ってケース左面通気口69bに導かれる。このとき、前面通気口68及び第3の吸気口70から補助風路71を通って左側の第2の吸気口62bに導かれる経路を補助吸気経路72(図2及び図3の矢印A3参照)としている。ケース左面通気口69bに導かれた冷却風は、ケース左面通気口69bから左側の第2の吸気ダクト67bに入り、左側の第2の吸気経路61bを通ってファンケーシング52の下部吸込口56へ吸い込まれる(図6の矢印A4参照)。さらに、第3の吸気口70から本体ケース2内に吸入された外気の一部は、図6及び図10の矢印A6で示すように、ダクト通気口69cから基板ケース45内へ入り、ファンケーシング52の下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれるとともに、基板ケース45の右側壁と本体ケース2の右側壁からなる隙間73を通って第1の吸気ダクト47に入り、第1の吸気経路55を通ってファンケーシング52の上部吸込口54からファンケーシング52内に取り込まれる(図5及び図10の矢印A7参照)。
回路基板46において、第1の送風ダクト57の外側及びファンケーシング52の下方に対応する部分には、電気部品100のうち、発熱量が比較的少ない電気部品100が配置されている。これらの電気部品100は、ファン装置6の駆動時に、外気が第2の吸気経路61a、61bを通り、下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれる冷却風(図6の矢印A2、A4参照)によって冷却されるようになっている。
次に上記構成の作用を説明する。ここでは、特にファン装置6による冷却風の流れを中心に説明する。加熱コイル30、31の一方、または両方を用いて加熱調理を行う場合、トッププレート4上の所定の位置に調理容器を載置した状態で、使用者が操作パネルユニット42の操作部40を操作する。すると、制御装置は、その操作及び予め備えた制御プログラムに基づき、インバータ回路のスイッチング素子100aを制御して加熱コイル30、31を制御するとともに、ファン装置6のモータ51を制御する。このうち、スイッチング素子100aを制御することに基づき加熱コイル30、31に高周波電流が供給されて高周波磁界が発生し、調理容器に電流が誘導されてジュール熱による加熱調理が行なわれる。このとき、各加熱コイル30、31の外周部には防磁部材24、25が設けられているので、加熱コイル30、31から発生する磁力線が防磁部材24、25の外側へ漏れることを極力防止することができる。また、このとき、使用される加熱コイル30、31が発熱するとともに、電気回路ユニット7における回路基板46の電気部品100も発熱するので、これらを冷却する必要がある。
ファン装置6のモータ51により冷却ファン50が回転駆動されると、その冷却ファン50の送風作用により、本体1外の空気(外気)が、本体1の右側背面下部の斜面2aに設けられた第1の吸気口48から第1の吸気ダクト47内へ吸い込まれる(図5の矢印A1参照)とともに、本体ケース2の前板2bの下方に設けた第2の吸気口62から吸気路74を通って、前板2bに設けた前面通気口68から本体ケース2内に吸い込まれる(図7の矢印A8参照)。このとき、電源スイッチ75は吸気路74の上方に位置しているため、吸気路74を通る冷却風によって電源スイッチ75が冷却される。さらに、本体ケース2の右側壁に設けた第3の吸気口70からも本体ケース2内へ吸い込まれる。このうち、第1の吸気口48から第1の吸気ダクト47内へ吸い込まれた外気(冷却風)は、主に図5の矢印A1で示すように第1の吸気経路55を通り、ファンケーシング52の上部吸込口54からファンケーシング52内に吸い込まれる。
一方、第2の吸気口62及び第3の吸気口70から本体ケース2内へ吸い込まれた外気(冷却風)の一部は、図10の矢印A5で示すように、基板ケース45の右側壁に設けたケース右面通気口69aから右側の第2の吸気ダクト67a内へ入り、図6の矢印A2で示すように、右側の第2の吸気経路61aを通って、ファンケーシング52の下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれる。また、第2の吸気口62及び第3の吸気口70から本体ケース2内へ吸い込まれた外気(冷却風)の他の一部は、図2及び図3の矢印A3で示すように、補助吸気経路72を右から左へと流れ、そこから基板ケース45の左側壁と仕切板10との間の隙間を下向きに流れる。この後、図6に矢印A4で示すように、基板ケース45の左側壁前部のケース左面通気口69bから左側の第2の吸気ダクト67b内に入り、左側の第2の吸気経路61bを通って、ファンケーシング52の下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれる。
そして、第3の吸気口70から本体ケース2内へ吸い込まれた外気(冷却風)の一部は、図6及び図10の矢印A6で示すように、ダクト通気口69cから基板ケース45内へ入り、ファンケーシング52の下部吸込口56からファンケーシング52内へ吸い込まれるとともに、他の一部の冷却風は基板ケース45の右側壁と本体ケース2の右側壁からなる隙間73を通って、図5及び図10の矢印A7で示すように、ファンケーシング52の上部吸込口54からファンケーシング52内に取り込まれる。
このとき、左右両側の第2の吸気ダクト67a、67b内を通る冷却風により、当該第2の吸気ダクト67a、67b内に配設された電気部品100が冷却される。また、両側の第2の吸気ダクト67a、67bを通った冷却風と、ダクト通気口69cから吸気された冷却風とが、ファン装置6の下方において合流し、この合流した冷却風により、ファン装置6の下方に配置された電気部品100が冷却される。
そして、ファンケーシング52内に吸い込まれた空気は、吐出口53から前方に向けて吐出される。吐出口53から吐出された冷却風は、分流板部60により下部側の第1の送風ダクト57側と上部側の第2の送風ダクト58側とに分けられる。このうち、第1の送風ダクト57側に送られた冷却風は、図5に矢印B1で示すように、第1の送風ダクト57内を前方に向けて流れる。この第1の送風ダクト57内を流れる冷却風により、左右両側に配置されたスイッチング素子100a及びこれの放熱部材100bが冷却される。
このとき、第1の送風ダクト57に流れる冷却風の流れ方向(図6の矢印B1参照)に対して並行して左右両側に第2の吸気ダクト67a、67bを設けているので、第1の送風ダクト57内を前方へ向けて流れる冷却風の流れ方向(矢印B1参照)と、第1の送風ダクト57の左右両側に位置する第2の吸気ダクト67a、67bを後方へ向けて流れる冷却風の流れ方向(矢印A2、A4参照)とは逆向きで、対向するような構成となっている。
第1の送風ダクト57を通った冷却風は、補助ダクト64側へ出る。補助ダクト64へ出た冷却風は、仕切板10の前部の通気口65から左側のロースタユニット8側へ流れる(図3及び図5の矢印B3参照)。ロースタ用ケーシング11の上面前部は他の部分よりやや低くなっており、ロースタユニット8側へ流れた冷却風は、図3に矢印B4で示すように、ロースタ用ケーシング11の上面前部と操作パネルユニット42との間を右から左へ向けて流れた後、ロースタ用ケーシング11左側面と本体ケース2の左側壁の内面との間を後方へ向けて流れ、最終的に、トッププレート枠5の後部の本体排気口5bから機外へ排出される(図3の矢印B5参照)。このとき、ロースタ用ケーシング11の周りを冷却風が流れることにより、当該ロースタ用ケーシング11を冷却することができる。また、操作パネルユニット42とロースタ用ケーシング11との間を冷却風が通過することにより、ロースタ用ケーシング11の熱が操作パネルユニット42に悪影響を及ぼすことを極力防止することができる。
また、ファンケーシング52の吐出口53から第2の送風ダクト58側へ吐出された冷却風は、図5の矢印B2で示すように連通部36から、上空間18における仕切体16とダクト20との間に形成された第1の通気路23内に入る。第1の通気路23内に入った冷却風の一部は、図3及び図4の矢印C1で示すように、ダクト20の上流側である円形プレート部20aに設けられた複数の孔21aから、ダクト20の上側の、加熱コイル30とダクト20の円形プレート部20aの間に形成された第2の通気路33内に入る。第2の通気路33内に入った冷却風は、図3及び図4の矢印C2で示すように、加熱コイル30の下面に沿って流れる冷却風と、加熱コイル30の配線の隙間などから加熱コイル30の上面に漏れ出て、加熱コイル30の上面に沿って流れる冷却風とに分かれて流れる。このとき、加熱コイル30の上下面に分かれて流れる冷却風は、冷却風が加熱コイル30の上下面を分かれて流れることによって、加熱コイル30を効率よく冷却することができる。
加熱コイル30の上下面に分かれて流れ、加熱コイル30を冷却した冷却風は、加熱コイル30の周囲を囲うようにして配置した防磁部材24の囲い壁によって周囲への拡散を阻まれながら防磁部材24の囲い壁に沿って流れた後、防磁部材24の囲い壁に設けられた開口部24aから下流側(図3及び図4で左側)へと流れ出る。そして、防磁部材24の囲い壁に設けられた開口部24aから流れ出た冷却風は、加熱コイル30、31の接続線30a、31aを冷却しながら下流側の防磁部材25の囲い壁に設けられた開口部25aから第3の通気路34に入る。
また、第1の通気路23内に入った冷却風の残りは、図3及び図4の矢印C3で示すようにダクト20の下面に沿って、上流側の円形プレート部20aから矩形プレート部20cを経て下流側の円形プレート部20bへと流れる。円形プレート部20bの下面に達した冷却風は、ダクト20の立ち下がりのダクト側壁20dによって周囲への拡散を阻まれるため、円形プレート部20bに設けられた孔21bから、ダクト20の上側である、加熱コイル31とダクト20の円形プレート20bとの間に形成された第3の通気路34内に入る。第3の通気路34内に入った冷却風は、加熱コイル31を冷却しながら、加熱コイル31の隙間などから上方へ抜けて行く。
この場合、ダクト20の円形プレート部20bの孔21bは、円形プレート部20aの孔21aに比べ大きく設けているため、孔21bから加熱コイル31の上方へ抜けていく冷却風はダクト20上面を通る冷却風より多くなる。このため、孔21bから出て加熱コイル31の上方へ向かう冷却風が、防磁部材25の囲い壁に設けられた開口部25aから入ってきた冷却風を引き寄せて流れ、左後部の排気口37から仕切体16の下側へ排出される。
これにより、左側の加熱コイル30も右側の加熱コイル31も効率よく冷却される。さらに、左右の加熱コイル30、31にあって中継端子台39に接続された各接続線30a、31aも、その冷却風によって冷却される。
また、このとき、加熱コイル30、31が収容された上空間18は、トッププレート4と仕切体16との間が密閉されるような空間に構成されているから、加熱コイル30、31を冷却すべく上空間18内に入り込んだ冷却風の漏れを極力防止でき、その冷却風を加熱コイル30、31の冷却に有効に作用させることができる。また、下方の電気回路ユニット7の電気部品100の特にスイッチング素子100a及び放熱部材100bを冷却して熱くなった風が上空間18内に入り込むことも極力防止できる。
仕切体16後部の排気口37から仕切体16の下側へ排出された冷却風は、電気回路ユニット7の電気部品100を冷却した冷却風とともに、本体1後部の本体排気口5bから機外へ排出される(図3の矢印B5参照)。
上記した実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
本体ケース2の背面下部の斜面2aに第1の吸気口48を設け、前板2bと前面パネル66との間の下方に第2の吸気口62を設け、本体ケース2の右側壁に第3の吸気口70を設けており、本体1の上部には外気を本体ケース2内に吸気するための吸気口を設けない構成とした。このような構成によれば、本体1の上部の外気を本体ケース2内に吸気することがなく、加熱調理がなされて本体1の上部の空気が熱せられても、本体1の上部と異なる位置に設けた第1の吸気口48と、第2の吸気口62と、第3の吸気口70とから新鮮な外気を吸気することができる。したがって、本体1の上部で熱せられた空気を冷却風として吸気口から本体ケース2内に吸気することがないため、熱せられた空気を吸気してしまうことで生じるファン装置の冷却効率の低下を防ぐことができる。さらに、このような構成によれば、本体ケース2の上部のトッププレート4の上面において鍋などが加熱されて多量の水蒸気が生じた場合でも、本体1の上部とは異なる位置に設けた吸気口から本体ケース2内に外気を吸い込むため、水蒸気を吸気し難くなる。これによって、吸気された外気が本体ケース2内で結露するのを極力防止することができ、したがって、結露による水滴によって生じる電気回路ユニット7の不具合を極力防止することができる。
また、第2の吸気口62は、本体ケース2の前面の前板2bと前面パネル66との間に形成される空間の下方に位置しているため、例えば本体1の上部で水などをこぼしたとしても、本体1の前方に位置した第2の吸気口62から水などが本体ケース2内に入る虞は無く、したがって、これらの水滴によって電気回路ユニット7などに不具合を生じさせることも無くなる。
本体ケース2の前面の前板2bと、前板2bの前部に取り付けられた前面パネル66との間に形成された空間からなる吸気路74の下方に、システムキッチンKの本体K3の前面より前方に位置させて、第2の吸気口62を設ける構成とした。これによれば、第2の吸気口62の下方にはシステムキッチンKが存せず、吸気に必要なスペースが空いているため、必要な吸気量を確保することができ、したがって冷却効率の向上を図ることができる。
ちなみに、システムキッチンに組み込むビルトインタイプの加熱調理器では、システムキッチンにより、加熱調理器の本体を設置できるスペースが制限されることがある。このため、加熱調理器の上部と異なる位置に吸気口を設けた場合、システムキッチンとの隙間が小さく、吸気に必要なスペースが確保できない場合がある。この点、本実施形態では第2の吸気口62をシステムキッチンKの前方に位置させているため、吸気口を下方に設けた場合、即ち、加熱調理器の上部と異なる位置に吸気口を設けた場合であっても、吸気口の下方にはシステムキッチンKが存せず、吸気に必要なスペースを確保することができる。したがって、必要な吸気量を確保することができ、ファン装置6の冷却効率の向上を図ることができる。
ここで、ファン装置6の吸気量を確保するために、吸気口を本体ケース2の底面に開口して設けることも考えられる。しかし、一般のシステムキッチンにおいては加熱調理器の下方には収納棚や他の調理器などの製品が配置されているため、本体1の上部で水や油などをこぼした場合に、それらが、本体1の上部の排気口などから本体ケース2内に侵入して本体ケース2の底面に設けた吸気口から漏れてしまい、本体1の下方に配置した他の製品にかかってしまう虞があった。この点、本実施形態によれば、本体ケース2の底面には吸気口を設けていないため、本体ケース2内に水や油が浸入した場合であっても、本体ケース2内から漏れることはないため、本体1の下方に配置した他の製品に水や油がかかることを防止することができる。
さらに、上記の構成によれば、第2の吸気口62は本体ケース2の前板2bと前面パネル66との間の下方に設けられ、システムキッチンKの前方に位置させているため、例えば本体1の前方から水などが掛けられた場合であっても、前面パネル66が水の浸入を防ぐため、本体ケース2内に水が浸入する虞がない。
本体ケース2の前板2bの右上部に、開口部からなる前面通気口68を設け、前板2bと、前板2bの前部に取り付けられた前面パネル66との間に吸気路74を設け、吸気路74の下方に第2の吸気口62を設け、吸気路74の上方に位置して、第2の吸気口62の上方で、前面通気口68の上方近傍に、電源スイッチ75を設ける構成とした。これによれば、ファン装置6が駆動されると、第2の吸気口62を通った外気(冷却風)は、電源スイッチ75の下方にある吸気路74を通って、電源スイッチ75の近傍に位置する前面通気口68から本体ケース2内に吸い込まれる。このとき、電源スイッチ75は、当該電源スイッチ75の下方近傍を通る冷却風によって冷却されるため、電源スイッチ75を冷却することができる。
本体ケース2の背面下部の斜面2aに第1の吸気口48を設け、前板2bと前面パネル66との間の下方に第2の吸気口62を設け、本体ケース2の右側壁に第3の吸気口70を設ける構成とした。これによれば、第1の吸気口48と、第2の吸気口62と、第3の吸気口70とを、本体ケース2の異なる面に複数設けているため、吸気量を増大することができ、冷却効率を向上することができる。
ファン装置6に吸い込まれる冷却風が通る本体1後部側の第1の吸気経路55(第1の吸気ダクト47参照)と、この第1の吸気経路55とは別に第1の送風ダクト57の周囲に設けられ、ファン装置6に吸い込まれる冷却風が通る第2の吸気経路61a、61b(第2の吸気ダクト67a、67b参照)とを備えている。このような構成によれば、第1の吸気経路55に加え、第1の送風ダクト57の周囲からも冷却風を吸い込む第2の吸気経路61a、61bを備えているので、ファン装置6による吸気風量を多く確保することができる。しかも、第1の吸気経路55と第2の吸気経路61a、61bでは、異なった複数の場所の外気を吸い込むことになるので、1箇所のみから吸気する場合とは違い、複数箇所の空気の温度を平均化し、平均化した温度の冷却風を送風することができ、冷却対象の加熱コイル30、31や電気回路ユニット7の電気部品に対する冷却効率の向上を図ることが可能となる。
ちなみに、本体後部の1箇所のみから吸気する場合、その吸気する部分の空気の温度が高いと、ファン装置が送風する冷却風の温度も高くなってしまうという問題がある。この点、本実施形態によれば、上記したように、ファン装置6は異なった複数の場所の外気を吸い込むことになるので、複数箇所の空気の温度を平均化し、平均化した温度の冷却風を送風することができる。
ファン装置6は上部吸込口54と下部吸込口56を有し、第1の吸気経路55は上部吸込口54に繋がり、第2の吸気経路61a、61bは、上部吸込口54とは異なる下部吸込口56に繋がっている。第1の吸気経路55の吸込口(上部吸込口54)と第2の吸気経路61a、61bの吸込口(下部吸込口56)を異ならせることで、第1の吸気経路55、第2の吸気経路61a、61bを通してそれぞれスムーズに冷却風を吸い込むことができる。
第1の送風ダクト57と第2の吸気ダクト67a、67b(第2の吸気経路61a、61b)とは単一の基板ケース45内に構成され、この基板ケース45の外側であって本体ケース2の背面下部の斜面2aに第1の吸気経路55に外気を吸い込むための第1の吸気口48を有し、本体ケース2の前板2bと前面パネル66との間の下方に、第2の吸気ダクト67a、67bに外気を吸い込むための第2の吸気口62を有し、本体ケース2の右側の側壁部に、第1の吸気ダクト47及び第2の吸気ダクト67a、67b内に外気を吸い込むための第3の吸気口70を有している。さらに、第1の吸気口48と、第2の吸気口62と、第3の吸気口70との間にファン装置6を配置する構成とした。このような構成によれば、ファン装置6の後方に第1の吸気口48が存し、前方に第2の吸気口62aが存し、右方に第3の吸気口70が存する構成となっていて、ファン装置6は本体1における異なる場所の空気を取り込むことができる。このため、第1の吸気口48が吸い込む位置の空気の温度と、第2の吸気口62と、第3の吸気口70とが吸い込む位置の空気の温度が異なっている場合でも、ファン装置6は、それらの平均的な比較的低い温度の冷却風を送風することができ、1箇所のみの比較的高い温度の空気のみを取り込んでしまうことによって冷却効果が低下してしまうような不具合を防止することができる。
本体ケース2の右側壁には、基板ケース45の右側壁に設けたケース右面通気口69aとダクト通気口69cとの上方に位置して、前記ケース右面通気口69aと前記ダクト通気口69cとに対向しない位置において、複数の小孔からなる第3の吸気口70が設けられている。これによれば、本体ケース2の外側から、基板ケース45の開口部であるケース右面通気口69aとダクト通気口69cを見えないように隠すことができるため、例えば、第3の吸気口70から本体ケース2内に異物が侵入したり、使用者が棒状の物を第3の吸気口70から入れたりしたとしても、基板ケース45の右側壁によって基板ケース45内に侵入することを防止できる。このため、基板ケース45内に異物が侵入して生じる回路ユニット7の不具合や、使用者が本体1の外部から回路ユニット7に触れてしまう事故を防止することができる。
電気回路ユニット7の回路基板46を一枚で構成し、基板ケース45の底部全体にわたって収容配置されていて、回路基板46において第1の送風ダクト57内に位置する部分には電気部品の中でも特に発熱量が多いスイッチング素子100a及び放熱部材100bを配置し、第2の吸気経路61a、61b内には発熱量が比較的少ない電気部品100を配置している。これにより、発熱量が多く冷却風量が特に必要なスイッチング素子100a及び放熱部材100bには、ファン装置6から吐出する冷却風を直接当てて冷却することができ、発熱量が比較的少なく冷却風量をそれほど必要としない電気部品100には、ファン装置6への吸気の流れによって冷却することができる。このため、電気部品の発熱量に対して適切な風量で冷却することができるため、ファン装置6の吐出と吸気による冷却風を効率的に利用でき、ファン装置6による電気回路ユニット7の冷却効率を向上することができる。
また、電気回路ユニット7の回路基板46は一枚にて構成しているため、回路基板を上下方向に複数段に設ける場合に比べ、回路基板46の上方にファン装置6を配置するスペースを多く確保することが可能となり、ファン装置6の上下の吸込口54、56などを確保しやすくできる。
第1の送風ダクト57の外側に位置する回路基板46上にスイッチング素子100a以外の電気部品を配置し、第1の送風ダクト57の外周に、当該第1の送風ダクト57内を流れる冷却風の流れ方向と対向する向きに流れてファン装置6の下部吸込口56に吸い込まれる冷却風が通る第2の吸気ダクト67a、67bを設け、これら第2の吸気ダクト67a、67bを流れる冷却風によりスイッチング素子100a以外の電気部品を冷却する構成とした。このような構成によれば、ファン装置6に吸い込まれる吸気経路を利用して電気回路ユニット7の電気部品を冷却することができるので、電気部品を効率的に冷却することができる。また、第1の送風ダクト57の左右両側に第2の吸気ダクト67a、67bを配置し、第2の吸気ダクト67a、67b内を流れる冷却風の流れ方向を、第1の送風ダクト57内を流れる冷却風の流れ方向と対向する向きとなるように構成しているので、スペースの確保がし易く回路基板46上での電気部品の配置がし易いため、本体1内の狭いスペースを有効に利用することができる。
本体ケース2の背面の斜面2aに第1の吸気口48を設け、前板2bと前面パネル66との間の下方に第2の吸気口62を設け、本体ケース2の右側壁に第3の吸気口70を設け、トッププレート枠5の後部に、ロースタ用排気口5aと、本体ケース2内に連通する本体排気口5bとを設ける構成とした。これによれば、ロースタ用排気口5aと本体排気口5bとは本体1の上部に設けられており、それぞれの吸気口は本体1の上部とは異なる位置に設けられており、ロースタ用排気口5a及び本体排気口5bと、それぞれの吸気口は近接していない。このため、ロースタ用排気口5a及び本体排気口5bとから排気される熱せられた空気を、それぞれの吸気口から吸気する虞が少なく、排気口と吸気口との近接により熱せられた排気を吸気してしまいファン装置の冷却効率が低下する、所謂ショートサーキットを防止することができ、ファン装置6の冷却効率の向上を図ることができる。
ファン装置6の冷却ファン50は、縦軸型の遠心ファンにより構成し、電気回路ユニット7における回路基板46の上方に位置させた。この構成により、冷却ファン50の径方向の寸法(直径寸法)を、回路基板46に制約を受けずに大きくすることができ、低い回転数で冷却ファン50の送風量を確保することが可能となり、冷却ファン50の回転に伴い発生する回転音(騒音)を低減することが可能となる。
この理由は、冷却ファンの回転音は、ファンの外周部のスピードに比例して大きくなるものであり、ファンの直径寸法を大きくすることにより、低い回転数でファンの送風量を確保することが可能となり、これに伴いファン外周部のスピードを遅くでき、回転音を低くできるためである。
電気回路ユニット7の回路基板46を収容した基板ケース45にファン装置6を取り付けていて、基板ケース45は、本体ケース2に対して電気回路ユニット7(回路基板46)とファン装置6とを一体的に着脱することが可能な構成となっている。この構成によれば、電気回路ユニット7とファン装置6を、本体ケース2から一緒に取り外すことができ、メンテナンス性に優れている利点がある。
第2の吸気経路61a、61bを通る冷却風は、第1の送風ダクト57の上流に位置するファン装置6の下部吸込口56に吸い込まれる構成としている。この構成によれば、第1の送風ダクト57内を流れる冷却風の流れ方向と、第2の吸気経路61a、61bを流れる冷却風の流れ方向とが逆方向で、対向するようになっているので、本体1内の狭いスペースを有効に利用することができる。
本体1の背面下部の斜面2aに、ファン装置6の冷却ファン50が吸気する第1の吸気口48を設け、冷却ファン50は、冷却ファン50の回転軸51aが第1の吸気口48より前方に位置し、加熱コイル30の下方にまで臨む大きさに構成した。このような構成としたことにより、冷却ファン50の直径寸法を大きくすることができ、回転音を低くすることが可能となる。
ちなみに、従来では、加熱コイルの下方には、回路基板が複数段に設けられており、それら回路基板を覆い内部に送風するための回路基板用ダクトが設けられていたから、冷却ファンは、本体の上部後方に位置する本体吸気口と前記回路基板用ダクトとの間にしか設けることができず、加熱コイルの下方まで臨ませるような径の冷却ファンを設けることができなかった。
この点、本実施形態においては、回路基板46をファン装置6の下方まで広げ、複数段にせず、一枚で構成したことにより、回路基板46の高さ方向の容積を少なくできる。したがって、その回路基板46の上方に空いたスペースを利用してファン装置6を配置することができる。これにより、加熱コイル30の下方に臨む程度の大きな直径を有する冷却ファン50を設置することができ、回転音を低くすることが可能となる。
ファン装置6は、本体1背面部の第1の吸気口49からの冷却風を吸い込む上部吸込口54を有し、その上部吸込口54は、加熱コイル30と冷却ファン50との間に位置させている。この構成によれば、上部吸込口54に吸い込まれる冷却風により、加熱コイル30の下方の空間を効果的に冷却することができ、加熱コイル30の熱を、下方の回路基板46側に影響させ難くすることができる。特に、加熱コイル30、ファン装置6、回路基板46の順に上下方向に配置しているから、加熱コイル30と回路基板46が最も離れるように位置するようになり、回路基板46に対する加熱コイル30の熱の影響を効果的に低減させることができる。
ファン装置6の上方には加熱コイル30、31が配置され、第1の送風ダクト57の上方であって加熱コイル30、31の下方に、ファン装置6から加熱コイル30、31に冷却風を送風する第2の送風ダクト58を設けている。回路基板46を一枚にて構成したからこそ、このように送風ダクト57、58を複数段に構成することができる。そして、第2の送風ダクト58を設けることにより、加熱コイル30、31を冷却する冷却風として、スイッチング素子100a及び放熱部材100bなどの電気部品を冷却した風を加熱コイル30、31側に送る必要がなく、冷却ファン50からの風を直接送ることができ、加熱コイル30、31の冷却効率を向上できる。
第1の送風ダクト57内を流れる冷却風の流れと、当該第1の送風ダクト57の左右両側に位置する第2の吸気経路61a、61b内を流れる冷却風の流れは逆向きで対向するように構成している。この構成によれば、本体1内の狭いスペースを有効に利用することができる。また、第2の吸気経路61a、61bは、第1の送風ダクト57の一部に並行に第2の吸気ダクト67a、67bにより構成していることで、第2の吸気経路61a、61bを容易に形成することができる。
また、ファン装置6の下方に存する回路基板46において、第2の吸気経路61a、61b内であってファン装置6の下方に対応する部分には、放熱部材を有しないスイッチング素子以外の電気部品(例えば、符号を付していないマイクロコンピュータやノイズフィルタ用コイルなど)を配置し、放熱部材100bを必要とするスイッチング素子100aは、ファン装置6の下方とは異なる位置に配置した。これによれば、ファン装置6の下方であって高さ方向に狭い空間に放熱部材を必要としないスイッチング素子以外の電気部品を配置するようにしたので、ファン装置6における冷却ファン50を縦方向に大きくできて、送風量を多くすることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
上記した実施形態では、電源スイッチ75を吸気路74の上方に配置したが、電源スイッチ75の近傍を冷却風が流れる構成とすればよいため、例えば電源スイッチ75を、前面通気口68より下方に位置させて、吸気路74内に設ける構成としても良い。