JP2024001907A - 操舵装置 - Google Patents

操舵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024001907A
JP2024001907A JP2022100763A JP2022100763A JP2024001907A JP 2024001907 A JP2024001907 A JP 2024001907A JP 2022100763 A JP2022100763 A JP 2022100763A JP 2022100763 A JP2022100763 A JP 2022100763A JP 2024001907 A JP2024001907 A JP 2024001907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rack
diameter
housing
ball joint
rack bar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022100763A
Other languages
English (en)
Inventor
茂雄 篠原
Shigeo Shinohara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nsk Steering & Control Inc
Original Assignee
Nsk Steering & Control Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nsk Steering & Control Inc filed Critical Nsk Steering & Control Inc
Priority to JP2022100763A priority Critical patent/JP2024001907A/ja
Priority to PCT/JP2023/029721 priority patent/WO2023249128A1/ja
Publication of JP2024001907A publication Critical patent/JP2024001907A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D3/00Steering gears
    • B62D3/02Steering gears mechanical
    • B62D3/12Steering gears mechanical of rack-and-pinion type

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

【課題】ラックハウジングの軽量化と耐久性の確保とを両立することのできる操舵装置を提供すること。【解決手段】長手方向に直交する方向の最大幅が互いに異なる大径部31と小径部41とを有するラックバー30と、大径貫通孔12が形成される大径ハウジング部11と、大径貫通孔12に連通し大径貫通孔12よりも直径が小さい小径貫通孔22が形成される小径ハウジング部21とを有し、ラックバー30を格納するラックハウジング10と、ラックバー30の両端にそれぞれ配置されるボールジョイント50と、ラックハウジング10よりも縦弾性係数が高く、略円環状に形成されて大径貫通孔12における小径貫通孔22が位置する側の反対側の端部に配置されるストッパリング60と、を備え、大径貫通孔12は、ラックバー30の大径部31を格納し、小径貫通孔22は、ラックバー30の小径部41を格納する。【選択図】図6

Description

本開示は、操舵装置に関する。
操舵装置は、ステアリングホイールを操舵した際の回転トルクにより回転するピニオンギヤと、ピニオンギヤと噛み合うラック歯を有するラックバーと、ラックバーを内側に配置するラックハウジングと、ラックバーの端部に配置されるボールジョイントとを備えている。操舵装置は、運転者の操舵力によってピニオンギヤが回転し、ピニオンギヤの回転に応じてラックバーが直線運動をすることにより、ボールジョイントに連結されるタイロッド及びナックルアームを介してタイヤを動かすことができ、操舵を行うことが可能になっている。また、操舵装置の一例である電動パワーステアリング装置は、操舵力を補助するアシスト力を発生する電動モータを有しており、電動モータで発生したアシスト力は、ラックバーを直線運動させる力として用いられることにより、運転者の操舵力をアシストすることが可能になっている。
操舵時に直線運動を行うラックバーを備える従来の操舵装置の中には、ラックバーの長手方向における場所に応じて、ラックバーの太さが異なって形成されているものがある。例えば、特許文献1に記載された電動パワーステアリング装置では、ラックバーにおいてラック歯が形成される部分と、ラック歯が形成される部分以外の部分とで、ラックバーの直径、或いはラックバーが延びる方向に対して直交する方向におけるラックバーの幅が異なって形成されている。
また、ラックバーを備える従来の操舵装置の中には、ラックバーが直線運動の移動範囲の端部の位置まで移動した際におけるボールジョイントとラックハウジングとの緩衝を行う部材が配置されているものがある。例えば、特許文献2に記載されたステアリング装置では、ボールジョイントにストッパ部材と緩衝部材を配置し、緩衝部材やストップ部材を、ラックハウジングの端部付近に配置した固定部材に当接させることにより、ボールジョイントとラックハウジングとの緩衝を行っている。
特開2006-27313号公報 特開2014-80147号公報
ここで、ラックバーの長手方向における場所に応じてラックバーの太さを異ならせる場合、ラックバーに対してラックハウジングが不必要に大きくなって形成される部分が発生すことを抑制するために、ラックハウジングの大きさもラックバーの太さに応じて異ならせることが考えられる。このため、特許文献1においても、ラックバーの幅が広い部分では、ラックバーの幅が狭い部分よりも、ラックハウジングの径が大きくなっている。
一方で、ラックハウジングの最大径については、操舵装置の軽量化や小型化等の観点より、極力最大径を小さくすることが望まれる。このため、ラックハウジングの径を、ラックハウジングの長手方向における位置で異ならせた場合は、ラックハウジングの大径側の部分では、内径が大きくなって形成される一方で、外径については大きさが制限される。
しかしながら、ラックハウジングの大径側の部分で内径を大きくしつつ、外径を制限した場合、ラックハウジングを形成する部材の径方向における厚みを確保し難くなるため、ラックハウジングの大径側の部分では、ラックハウジングの強度を確保し難くなる。これにより、ラックハウジングの大径側の部分では、ラックバーの端部に配置されるボールジョイントが、ラックハウジングの端部に当接した際における耐久性を確保し難くなる。このため、軽量化や小型化を目的として、ラックハウジングの長手方向における位置によってラックハウジングの径を異ならせる操舵装置では、ラックハウジングの耐久性の観点で改良の余地があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ラックハウジングの軽量化と耐久性の確保とを両立することのできる操舵装置を提供することを目的とする。
本開示の操舵装置は、長手方向に直交する方向の最大幅が互いに異なる大径部と小径部とを有するラックバーと、大径貫通孔が形成される大径ハウジング部と、前記大径貫通孔に連通し前記大径貫通孔よりも直径が小さい小径貫通孔が形成される小径ハウジング部と、を有し、前記大径貫通孔と前記小径貫通孔との内部空間に、前記大径貫通孔及び前記小径貫通孔の軸方向と前記ラックバーの前記長手方向とが一致する向きで前記ラックバーを格納するラックハウジングと、前記ラックバーの両端にそれぞれ配置されるボールジョイントと、前記ラックハウジングよりも縦弾性係数が高く、略円環状に形成されて前記大径貫通孔における前記小径貫通孔が位置する側の反対側の端部に配置されるストッパリングと、を備え、前記ボールジョイントは、前記ラックハウジングまたは前記ストッパリングに当接すると共に、前記ラックハウジングに当接する前記ボールジョイントと前記ストッパリングに当接する前記ボールジョイントとは、当接箇所が同形状であり、前記大径貫通孔は、前記ラックバーの前記大径部を格納し、前記小径貫通孔は、前記ラックバーの前記小径部を格納する。
この構成によれば、大径貫通孔の端部にストッパリングを配置することにより、ラックバーを小径部が位置する方向に移動させた際には、ラックバーの大径部側の端部に配置されるボールジョイントとストッパリングとが当接することによって、ラックバーの移動を規制することができる。このため、直径が大きい大径貫通孔が形成されることによって、ボールジョイントが当接する部分の面積を確保し難く、応力が大きくなり易いラックハウジングの大径ハウジング部において、縦弾性係数が高いストッパリングにボールジョイントを当接させることができる。従って、ボールジョイントをラックハウジングに当接させることによってラックバーの移動を規制する際におけるラックハウジングの耐久性を確保することができる。また、ボールジョイントを当接させるにあたってのラックハウジングの耐久性を確保する際に、大径ハウジング部の外径を大きくすることなく、縦弾性係数が高いストッパリングを配置することによって耐久性を確保するため、ラックハウジングの重量の増加を抑制できる。これらの結果、ラックハウジングの軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
望ましい形態として、前記ラックバーと前記ラックハウジングとは、前記ラックバーを前記大径部が位置する方向に移動させた際に、前記ラックバーの前記小径部側の端部に配置される前記ボールジョイントと、前記ラックハウジングの前記小径ハウジング部における前記小径貫通孔の端部の位置とが当接することによって、前記大径部が位置する方向への前記ラックバーの移動を規制し、前記ラックバーを前記小径部が位置する方向に移動させた際に、前記ラックバーの前記大径部側の端部に配置される前記ボールジョイントと、前記ストッパリングとが当接することによって、前記小径部が位置する方向への前記ラックバーの移動を規制する。
この構成によれば、ラックハウジングにおける、ボールジョイントが当接する部分の厚みを確保し易い小径ハウジング部側では、ストッパリングを配置することなく、ボールジョイントが当接する部分を確保できるので、ラックハウジングの軽量化を図ることができる。また、ボールジョイントが当接する部分の厚みを確保し難い大径ハウジング部側では、ボールジョイントをストッパリングに当接させることにより、ボールジョイントから受ける衝撃によるラックハウジングの損傷を抑制することができる。これらの結果、ラックハウジングの軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
上記操舵装置において、前記ラックバーの前記大径部側に配置される前記ボールジョイントと前記ストッパリングとが当接した状態での前記ボールジョイントと前記ストッパリングとの対向面積は、前記ラックバーの前記小径部側に配置される前記ボールジョイントと前記ラックハウジングの前記小径ハウジング部の端部とが当接した状態での前記ボールジョイントと前記ラックハウジングとの対向面積よりも小さい。
この構成によれば、ラックバーの大径部側のボールジョイントとストッパリングとが当接した状態でのボールジョイントとストッパリングとの対向面積が小さくなっており、当接した部分の面圧が高くなり易くなるが、大径部側のボールジョイントが当接するストッパリングは、ラックハウジングよりも縦弾性係数が高くなっている。このため、ボールジョイントとの対向面積が小さいことにより、面圧が高くなり易いラックハウジングの大径ハウジング部において、ボールジョイントが当接した際における耐久性を確保することができる。この結果、ラックハウジングの軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
上記操舵装置において、前記ボールジョイントは、前記ストッパリングに当接する部分の形状が、前記軸方向に見た場合において互いに平行な一対の対辺を有する形状になっており、前記ストッパリングの内径は、前記ボールジョイントの一対の前記対辺の二面幅よりも大きく、前記ボールジョイントにおける前記ストッパリングに当接する部分の、前記軸方向に直交する方向の最大幅よりも小さい。
この構成によれば、ボールジョイントがストッパリングに当接した際には、ストッパリングには局所的な応力が発生し易くなっているが、ストッパリングは、ラックハウジングよりも縦弾性係数が高くなっているため、ストッパリングに局所的な応力が発生しても、強度を確保することができる。従って、ストッパリングの耐久性を確保することができ、ラックハウジングの軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
望ましい形態として、前記大径貫通孔には、前記ストッパリングよりも前記小径貫通孔側に、樹脂材料からなり前記ラックバーを支持するラックブッシュが配置され、前記ラックブッシュは、略円筒形の形状で形成され、前記ストッパリングに対して前記軸方向に離隔して配置される。
この構成によれば、ラックブッシュは、ストッパリングに対して軸方向に離隔して配置されるため、ストッパリングにボールジョイントが当接した際に、ボールジョイントからの力が、ラックブッシュに伝わることを抑制できる。これにより、樹脂材料からなることにより、ストッパリングよりも強度が低いラックブッシュが、軸方向に圧縮されて損傷することを抑制できる。この結果、ラックハウジングに配置される部材の耐久性を向上させることができる。
望ましい形態として、前記ラックブッシュは、外周面に径方向における外側に突出した移動止めを有し、前記移動止めが、前記大径貫通孔の内周面に形成される溝部に入り込むことにより、前記ラックハウジングに対する前記軸方向への移動が規制される。
この構成によれば、ラックブッシュ70は、外周面に形成される移動止めによって軸方向への移動が規制されるため、ラックブッシュが、ストッパリングの方向に向かって移動してしまうことを抑制できる。これにより、ボールジョイントからストッパリングに作用する力がストッパリングからラックブッシュに伝わり、ラックブッシュが軸方向に圧縮されて損傷することを抑制できる。この結果、ラックハウジングに配置される部材の耐久性を向上させることができる。
望ましい形態として、前記ストッパリングは、前記大径ハウジング部に圧入される。
この構成によれば、ストッパリングは、大径ハウジング部に圧入されるため、ラックバーとストッパリングとの間のクリアランスを詰めることができる。これにより、ボールジョイントとストッパリングとの間の対向面積を増やすことができ、ボールジョイントとストッパリングとの間の面圧を低くすることができる。従って、ストッパリングの耐久性を確保することができ、ラックハウジングの軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
望ましい形態として、前記ラックハウジングは、前記小径ハウジング部の少なくとも一部の外径が、前記大径ハウジング部の外径よりも小さい。
この構成によれば、ラックハウジングは、小径ハウジング部の少なくとも一部の外径が、大径ハウジング部の外径よりも小さいため、ラックハウジングの小径ハウジング部を軽量化することができる。この結果、ラックハウジングの軽量化を図ることができる。
望ましい形態として、前記ラックハウジングの前記小径貫通孔は、最小径が前記ラックバーの前記大径部の前記最大幅よりも小さい。
この構成によれば、ラックハウジングの小径貫通孔は、最小径がラックバーの大径部の最大幅よりも小さいため、ラックハウジングの小径ハウジング部を軽量化することができる。この結果、ラックハウジングの軽量化を図ることができる。
本開示に係る操舵装置は、ラックハウジングの軽量化と耐久性の確保とを両立することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態の操舵装置を説明するための模式図である。 図2は、実施形態に係る操舵装置の要部斜視図である。 図3は、図2に示すラックバーの平面図であり、操舵ラック歯を正面に見た平面図である。 図4は、図2に示すラックバーの平面図であり、アシストラック歯を正面に見た平面図である。 図5は、図4のA-A断面を含むラックバーの斜視図である。 図6は、操舵装置が有するラックハウジングとラックバーの断面図である。 図7は、図6のB部詳細図である。 図8は、図6のC部詳細図である。 図9は、図6のF-F方向におけるストッパリングとボールジョイントとの形状の比較を示す説明図である。 図10は、ラックバーが、大径部が位置する方向に移動した際において移動が規制される状態を示す説明図である。 図11は、図10のD部詳細図である。 図12は、ラックバーが、小径部が位置する方向に移動した際において移動が規制される状態を示す説明図である。 図13は、図12のE部詳細図である。
以下、本開示につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本開示が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[実施形態]
図1は、実施形態の操舵装置80を説明するための模式図である。図2は、実施形態に係る操舵装置80の要部斜視図である。なお、図2は、ラックバー30を図示するため電動モータ102と第2ピニオンギヤ92の図示は省略している。図1に示すように、操舵装置80は、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール81と、ステアリングシャフト82と、ユニバーサルジョイント84と、インタミシャフト85と、ユニバーサルジョイント86と、スタブシャフト87と、ステアリングギヤ90と、タイロッド93とを備える。また、操舵装置80は、制御装置(以下、ECU(Electronic Control Unit)という。)100と、トルクセンサ101と、電動モータ102を備える。車速センサ103は、車両に備えられ、CAN(Controller Area Network)通信により車速信号VをECU100に出力する。
ステアリングシャフト82は、一方の端部でステアリングホイール81に連結され、他方の端部でユニバーサルジョイント84に連結される。
インタミシャフト85は、一方の端部でユニバーサルジョイント84に連結され、他方の端部でユニバーサルジョイント86に連結される。スタブシャフト87は、一方の端部がユニバーサルジョイント86に連結され、他方の端部でトルクセンサ101に連結される。トルクセンサ101は、一方の端部でスタブシャフト87に連結され、他方の端部でステアリングギヤ90が有する第1ピニオンギヤ91に連結されている。
詳しくは、第1ピニオンギヤ91は、スタブシャフト87に連結される側の反対側の端部に、後述するラックバー30と噛み合うギヤ91a(図7参照)が形成される軸状の部材になっており、スタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91とは、トーションバー(図示省略)を介して連結されている。トーションバーは、一端がスタブシャフト87に連結され、他端が第1ピニオンギヤ91に連結され、トーションバーは、スタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91との間で回転トルクを伝達する。
トルクセンサ101は、トルクセンサ101に連結されるシャフトに作用するトルクを検出するトルク検出装置になっており、トーションバーを介してスタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91との間で伝達される回転トルクを検出する。即ち、トーションバーを介して連結されるスタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91とは、トルクセンサ101によってトルクを検出する際における検出対象のシャフトになっている。
ステアリングギヤ90は、第1ピニオンギヤ91と、ラックバー30と、第2ピニオンギヤ92とを備える。第1ピニオンギヤ91は、トーションバーを介してスタブシャフト87に連結される。ラックバー30は、操舵ラック歯44(図3参照)が第1ピニオンギヤ91のギヤ91a(図7参照)に噛み合う。また、ラックバー30は、第1ピニオンギヤ91とは異なる位置で第2ピニオンギヤ92に噛み合う。
第2ピニオンギヤ92には、ウォーム減速装置94(図6参照)を介して、電動モータ102が連結されており、第2ピニオンギヤ92は、電動モータ102から伝達される駆動力により回転される。電動モータ102は、ウォーム減速装置94を介して、第2ピニオンギヤ92を回転させる。電動モータ102は、例えばブラシレスモータであるが、ブラシ(摺動子)及びコンミテータ(整流子)を備えるモータであってもよい。
ステアリングギヤ90は、第1ピニオンギヤ91や第2ピニオンギヤ92に伝達された回転運動を、ラックハウジング10の内側に配置されるラックバー30で直進運動に変換する。本実施形態に係る操舵装置80は、ラックバー30が第1ピニオンギヤ91や第2ピニオンギヤ92から伝達される回転運動により直進運動を行うデュアルピニオンアシスト方式である。タイロッド93は、ラックバー30に連結される。すなわち、操舵装置80は、ラックアンドピニオン式の電動パワーステアリング装置である。
トルクセンサ101は、ステアリングホイール81を介してステアリングシャフト82に伝達された運転者の操舵力を操舵トルクとして検出する。車速センサ103は、操舵装置80が搭載される車両の走行速度(車速)を検出する。電動モータ102と、トルクセンサ101と、車速センサ103とがECU100に、電気的に接続される。
ECU100は、電動モータ102の動作を制御する。また、ECU100は、トルクセンサ101及び車速センサ103のそれぞれから信号を取得する。すなわち、ECU100は、トルクセンサ101から操舵トルクTを取得し、かつ車速センサ103から車両の車速信号Vを取得する。ECU100は、イグニッションスイッチ104がオンの状態で、電源装置(例えば車載のバッテリ)105から電力が供給される。ECU100は、操舵トルクTと車速信号Vとに基づいてアシスト指令の補助操舵指令値を算出する。そして、ECU100は、その算出された補助操舵指令値に基づいて電動モータ102へ供給する電力値Xを調節する。ECU100は、電動モータ102から誘起電圧の情報又は電動モータ102に設けられたレゾルバ等の回転検出装置から出力される情報を動作情報Yとして取得する。
ステアリングホイール81に入力された操作者(運転者)の操舵力は、第1ピニオンギヤ91に伝達される。第1ピニオンギヤ91に伝達された操舵力は、ステアリングギヤ90を介してタイロッド93に伝達され、車輪を変位させる。
また、ステアリングホイール81に入力された操作者の操舵力は、ステアリングホイール81から第1ピニオンギヤ91までの操舵力の伝達経路に配置されるトルクセンサ101に伝わる。このとき、ECU100は、操舵トルクTをトルクセンサ101から取得し、かつ車速信号Vを車速センサ103から取得する。そして、ECU100は、電動モータ102の動作を制御する。電動モータ102が作り出した補助操舵トルクは、第2ピニオンギヤ92に伝達される。
第2ピニオンギヤ92に伝達された補助操舵トルクは、ステアリングギヤ90を介してタイロッド93に伝達され、車輪を変位させる。すなわち、操舵装置80は、第1ピニオンギヤ91を介してラックバー30に伝達された操作者の操舵力に加え、第2ピニオンギヤ92を介してラックバー30に伝達された電動モータ102の補助操舵トルクも用いて車輪を変位させる。本実施形態に係る操舵装置80は、このように第2ピニオンギヤ92にアシスト力が付与されるデュアルピニオン方式の電動パワーステアリング装置になっている。
図3は、図2に示すラックバー30の平面図であり、操舵ラック歯44を正面に見た平面図である。図4は、図2に示すラックバー30の平面図であり、アシストラック歯34を正面に見た平面図である。ラックバー30は、ラックバー30の長手方向に直交する方向の最大幅が互いに異なる大径部31と小径部41とを有している。大径部31は、ラックバー30の長手方向に直交する方向の最大幅Waが、ラックバー30の長手方向に直交する方向の小径部41の最大幅Wbよりも大きくなっている。これらの大径部31と小径部41とは、ラックバー30の長手方向において互いに連結されている。大径部31と小径部41とは、例えば、摩擦圧接により接合されている。本実施形態では、大径部31と小径部41とは、ラックバー30の長手方向における長さが同程度の長さになっている。
小径部41には、第1ピニオンギヤ91のギヤ91a(図7参照)に噛み合う操舵ラック歯44が形成されている。小径部41は、丸棒状の小径丸棒部42に、操舵ラック歯44が形成されている。このため、ラックバー30の長手方向に直交する方向の小径部41の最大幅Wbは、小径丸棒部42の直径になっている。
大径部31には、第2ピニオンギヤ92に噛み合うアシストラック歯34が形成されている。大径部31に形成されるアシストラック歯34は、小径部41に形成される操舵ラック歯44とは異なる方向を向いて形成されている。大径部31は、小径丸棒部42よりも直径が大きい丸棒状の大径丸棒部32と、アシストラック歯34が形成されるアシストラック歯形成部33とを有している。大径丸棒部32は、ラックバー30の長手方向におけるアシストラック歯形成部33の両側に配置されている。アシストラック歯形成部33は、大径丸棒部32の軸方向に直交する方向における最大幅Waが、大径丸棒部32の直径よりも大きくなって形成されている。
図5は、図4のA-A断面を含むラックバー30の斜視図である。ラックバー30の大径部31が有するアシストラック歯形成部33は、大径丸棒部32におけるアシストラック歯34が形成される面が、大径丸棒部32の軸方向に直交する方向に潰されることにより形成されている。アシストラック歯34は、このように大径丸棒部32が潰されて平面状になった面に形成されている。
また、アシストラック歯形成部33は、大径丸棒部32が一方向にのみ潰されるため、アシストラック歯形成部33におけるアシストラック歯34が形成される面の反対側の面は、アシストラック歯形成部33の両側に位置する大径丸棒部32から連続する形状で形成されている。つまり、アシストラック歯形成部33におけるアシストラック歯34が形成される面の反対側の面である背面35は、ラックバー30の長手方向に見た場合における形状が、大径丸棒部32の外周面の曲率半径と実質的に同じ大きさの曲率半径となる、円弧状の形状で形成されている。
さらに、アシストラック歯形成部33は、大径丸棒部32が一方向にのみ潰されることにより、大径丸棒部32を潰した方向、即ち、アシストラック歯34が形成される面の法線方向と、ラックバー30の長手方向との双方に直交する方向の幅が、大径丸棒部32の直径よりも大きくなっている。これにより、アシストラック歯形成部33は、大径丸棒部32の軸方向に直交する方向における最大幅Waが、大径丸棒部32の直径よりも大きくなっている。このように形成されるアシストラック歯形成部33の最大幅Waが、大径部31における、ラックバー30の長手方向に直交する方向の最大幅Waになっている。
アシストラック歯34は、このように最大幅Waが大径丸棒部32の直径よりも大きいアシストラック歯形成部33に形成されている。これにより、アシストラック歯34は、大径丸棒部32に直接アシストラック歯34を形成する場合と比較して、アシストラック歯34の長さを長くすることができる。また、アシストラック歯34は、このように大径部31が有するアシストラック歯形成部33に形成されるため、歯の長さが、小径部41に形成される操舵ラック歯44の歯の長さよりも長くなっている。
図6は、操舵装置80が有するラックハウジング10とラックバー30の断面図である。ラックバー30は、ラックハウジング10に格納されている。ラックハウジング10は、大径貫通孔12が形成される大径ハウジング部11と、大径貫通孔12に連通し大径貫通孔12よりも直径が小さい小径貫通孔22が形成される小径ハウジング部21とを有している。大径ハウジング部11と小径ハウジング部21とは、それぞれ略円筒形の形成されており、軸方向において互いに連結して形成されている。
ラックハウジング10に形成される大径貫通孔12と小径貫通孔22とは、直径に僅かなテーパを有して形成されている。具体的には、大径貫通孔12と小径貫通孔22は、双方が接続される部分の径が最も小さく、軸方向において互いに離れる方向に向かうに従って、直径がそれぞれ大きくなるテーパを有している。また、大径貫通孔12と小径貫通孔22とは、双方が接続される部分においても径が異なっており、このため、大径貫通孔12と小径貫通孔22との接続部分には段差が形成されている。
これらのように形成されるラックハウジング10の大径貫通孔12の最小径は、ラックバー30の大径部31の最大幅Waよりも大きくなっている。また、ラックハウジング10の小径貫通孔22の最小径は、ラックバー30の小径部41の最大幅Wbよりも大きくなっている。
直径が異なる大径貫通孔12と小径貫通孔22とがそれぞれ形成されるラックハウジング10の大径ハウジング部11と小径ハウジング部21とは、外径も異なっており、大径ハウジング部11の大部分が、小径ハウジング部21よりも外径が大きくなっている。即ち、ラックハウジング10は、小径ハウジング部21の少なくとも一部の外径が、大径ハウジング部11の外径よりも小さくなっている。
ラックハウジング10は、大径貫通孔12と小径貫通孔22との内部空間に、大径貫通孔12及び小径貫通孔22の軸方向とラックバー30の長手方向とが一致する向きでラックバー30を格納する。また、ラックハウジング10にラックバー30を格納する際におけるラックバー30の向きは、ラックバー30の大径部31側がラックハウジング10の大径ハウジング部11側に位置し、ラックバー30の小径部41側がラックハウジング10の小径ハウジング部21側に位置する向きで格納する。このため、ラックハウジング10の大径貫通孔12は、ラックバー30の大径部31を主に格納し、ラックハウジング10の小径貫通孔22は、ラックバー30の小径部41を主に格納する。
ラックバー30の小径部41を格納するラックハウジング10の小径貫通孔22は、小径貫通孔22の最小径が、ラックバー30の大径部31の最大幅Waよりも小さくなっている。換言すると、ラックバー30は、大径部31の最大幅Waが、ラックハウジング10の小径貫通孔22の最小径よりも大きくなっている。さらに、ラックハウジング10の小径貫通孔22は、小径貫通孔22の最小径が、ラックバー30の大径部31が有する大径丸棒部32の直径よりも小さくなっている。
ラックハウジング10の大径ハウジング部11には、小径ハウジング部21が位置する側の反対側の端部に、ボールジョイント収容部15が形成されている。大径ハウジング部11に形成されるボールジョイント収容部15は、内径が大径貫通孔12の内径より大きく、外径が、大径ハウジング部11における大径貫通孔12が形成される部分の外径よりも大きい、略円筒形の形状で形成されている。このように形成されるボールジョイント収容部15は、大径ハウジング部11における大径貫通孔12が形成される部分よりも、小径ハウジング部21が位置する側の反対側に突出し、軸心が大径貫通孔12の軸心に一致する向きで形成されている。
同様に、ラックハウジング10の小径ハウジング部21には、大径ハウジング部11が位置する側の反対側の端部に、ボールジョイント収容部25が形成されている。小径ハウジング部21に形成されるボールジョイント収容部25は、内径が小径貫通孔22の内径より大きく、外径が、小径ハウジング部21における小径貫通孔22が形成される部分の外径よりも大きい、略円筒形の形状で形成されている。このように形成されるボールジョイント収容部25は、小径ハウジング部21における小径貫通孔22が形成される部分よりも、大径ハウジング部11が位置する側の反対側に突出し、軸心が小径貫通孔22の軸心に一致する向きで形成されている。
ラックハウジング10に格納されるラックバー30の両端には、それぞれ配置されるボールジョイント50が配置されている。即ち、ボールジョイント50は、ラックバー30の大径部31の端部36と、ラックバー30の小径部41の端部46とのそれぞれに配置されている。ボールジョイント50は、おねじにより形成されるねじ部54を有しており、大径部31の端部36にはねじ孔37が形成され、小径部41の端部46にはねじ孔47が形成されている。このため、ボールジョイント50のねじ部54を、大径部31の端部36のねじ孔37と、小径部41の端部46のねじ孔47とにそれぞれ螺合することにより、ボールジョイント50は、ラックハウジング10の大径部31の端部36と小径部41の端部46とにそれぞれ配置される。
このように、ラックバー30の両端に配置されるボールジョイント50は、ラックハウジング10または後述するストッパリング60に当接すると共に、ラックハウジング10に当接するボールジョイント50とストッパリング60に当接するボールジョイント50とは、当接箇所が同形状になっている。詳しくは、ボールジョイント50は、軸方向に直交する方向における最大幅が、ラックバー30における、ボールジョイント50が配置される部分の直径よりも大きくなっている。つまり、ラックバー30の大径部31の端部36に配置されるボールジョイント50は、軸方向に直交する方向における最大幅が、ラックバー30の大径部31の端部36の直径よりも大きくなっている。同様に、ラックバー30の小径部41の端部46に配置されるボールジョイント50は、軸方向に直交する方向における最大幅が、ラックバー30の小径部41の端部46の直径よりも大きくなっている。
さらに、ラックバー30の大径部31の端部36に配置されるボールジョイント50は、軸方向に直交する方向における最大幅が、ラックハウジング10の大径貫通孔12の端部に配置される、後述するストッパリング60の内径よりも大きくなっている。また、ラックバー30の小径部41の端部46に配置されるボールジョイント50は、軸方向に直交する方向における最大幅が、ラックハウジング10の小径貫通孔22の内径よりも大きくなっている。
また、ラックバー30の両端に配置されるボールジョイント50には、ボールジョイント50におけるねじ部54が位置する側の反対側に、ジョイント部51が形成されている。ジョイント部51は、ボールジョイント50におけるねじ部54が位置する側の反対側の部分から凹む、凹部状に形成されている。ジョイント部51には、タイロッド93(図1参照)の端部が入り込むことが可能になっている。これにより、ボールジョイント50には、タイロッド93が連結することが可能になっており、ラックバー30には、ボールジョイント50を介してタイロッド93が連結される。
また、ラックハウジング10の大径ハウジング部11には、ウォーム減速装置94のギヤボックス16が設けられている。ギヤボックス16内には、第2ピニオンギヤ92(図1参照)や、電動モータ102で発生した駆動力を第2ピニオンギヤ92に伝達するウォームホイール95等が配置されている。第2ピニオンギヤ92は、ラックバー30の大径部31のアシストラック歯形成部33に形成されるアシストラック歯34に噛み合って配置されている。これにより、第2ピニオンギヤ92は、電動モータ102で発生してウォームホイール95を介して伝達された駆動力を、アシストラック歯34に伝達することができ、電動モータ102で発生した駆動力を、ラックバー30に伝達することができる。
図7は、図6のB部詳細図である。ラックハウジング10は、小径ハウジング部21側で、ラックバー30の小径部41に形成される操舵ラック歯44に第1ピニオンギヤ91を噛み合わせて支持している。ラックハウジング10の小径ハウジング部21には、ラックバー30の操舵ラック歯44が形成される側の反対側の位置に、貫通孔26が形成されている。貫通孔26には、押圧部材96と、バネ97と、封止部材98とが収容されている。押圧部材96は、ラックバー30における第1ピニオンギヤ91が位置する側の反対側から、ラックバー30に当接している。封止部材98は、貫通孔26の開口部に配置されて開口部を封止している。
バネ97は、圧縮バネからなり、封止部材98と押圧部材96との間で押し縮められた状態で封止部材98と押圧部材96との間に配置されている。このため、押圧部材96は、バネ97からの付勢力によりラックバー30に押し付けられており、ラックバー30は、押圧部材96からの付勢力により、操舵ラック歯44が形成される面が、第1ピニオンギヤ91のギヤ91aに押し付けられている。これにより、ラックバー30は、操舵ラック歯44が第1ピニオンギヤ91のギヤ91aに対して噛み合う状態が維持される。
図8は、図6のC部詳細図である。ラックハウジング10の大径ハウジング部11には、大径貫通孔12における小径貫通孔22が位置する側の反対側の端部13に、ストッパリング60が配置されている。ストッパリング60は、ラックハウジング10の小径ハウジング部21には配置されておらず、大径ハウジング部11にのみ配置されている。ストッパリング60は、略円環状の形状で形成されており、縦弾性係数が、ラックハウジング10よりも縦弾性係数が高くなっている。例えば、ラックハウジング10は、アルミニウムやマグネシウム合金からなり、ストッパリング60は鉄からなる。これにより、ストッパリング60は、ラックハウジング10を形成する材料よりも縦弾性係数が高い材料により形成される。
円環状の形状で形成されるストッパリング60は、内径が大径貫通孔12の直径と同程度の大きさになっている。ストッパリング60は、軸方向が大径貫通孔12の軸方向と一致する向きで、ラックハウジング10の大径ハウジング部11における、大径貫通孔12がボールジョイント収容部15の内側に向けて開口する開口部を形成する端部13に接して配置されている。
また、ストッパリング60は、ラックハウジング10の大径ハウジング部11に圧入されている。詳しくは、ラックハウジング10の大径ハウジング部11に形成されるボールジョイント収容部15の内周面には、大径貫通孔12寄りの位置に、内径がストッパリング60の外径と同程度の大きさで形成される部分である嵌合部15aを有している。ストッパリング60は、大径ハウジング部11のボールジョイント収容部15の内周面に形成される嵌合部15aに圧入して嵌合し、大径貫通孔12の開口部を形成する端部13に接触させることにより配置されている。
ラックハウジング10に格納されるラックバー30は、ラックハウジング10に対して軸方向に相対移動することが可能になっており、ストッパリング60には、ラックバー30が軸方向に移動した際に、ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50が当接する部分になっている。ストッパリング60は、円環状の形状で形成されるのに対し、ボールジョイント50におけるストッパリング60に当接する部分は、ボールジョイント50を軸方向に見た場合における形状が、円形とは異なる形状で形成されている。
図9は、図6のF-F方向におけるストッパリング60とボールジョイント50との形状の比較を示す説明図である。図9では、ストッパリング60の形状を実線で示し、ボールジョイント50の外周面52の形状を二点鎖線で示している。ストッパリング60は、円環状の形状で形成されているため、軸方向に見た場合は、図9に示すように、内周面と外周面とのいずれも円形となって形成される。
一方、ボールジョイント50は、ストッパリング60に当接する部分、即ち、ボールジョイント50におけるラックバー30に対して取り付ける面の形状が、軸方向に見た場合において互いに平行な一対の対辺53を有する形状になっている。ボールジョイント50の一対の対辺53は、ラックバー30に対してボールジョイント50を取り付ける際に、工具によって保持する部分になっている。このように、一対の対辺53を有するボールジョイント50の、一対の対辺53の二面幅Jbは、ストッパリング60の内径Sbよりも小さくなっている。つまり、ストッパリング60の内径Sbは、ボールジョイント50の一対の対辺53の二面幅Jbよりも大きくなっている。
また、ストッパリング60の内径Sbは、ボールジョイント50におけるストッパリング60に当接する部分の、軸方向に直交する方向の最大幅Jaよりも小さくなっている。また、ストッパリング60の外径Saは、ボールジョイント50におけるストッパリング60に当接する部分の、軸方向に直交する方向の最大幅Jaよりも大きくなっている。なお、ストッパリング60の内径Sbは、ラックハウジング10の小径ハウジング部21に形成される小径貫通孔22の内径よりも大きくなっている。
つまり、ストッパリング60は、加工コストを安くするために、外周面と内周面との双方が円形で形成されている。一方、ボールジョイント50は、ボールジョイント50のねじ部54をラックバー30のねじ孔37、47に締め付けることによってラックバー30にボールジョイント50を取り付ける際に、ボールジョイント50を工具によって保持することができるように、一対の対辺53が形成されている。ストッパリング60とボールジョイント50とは、これらの制約によって形状が決められており、ボールジョイント50の一対の対辺53の二面幅Jbは、ストッパリング60の内径Sbよりも小さくなっている。また、ボールジョイント50におけるストッパリング60に当接する部分の、軸方向に直交する方向の最大幅Jaは、ストッパリング60の内径Sbよりも大きく、ストッパリング60の外径Saよりも小さくなっている。
さらに、ラックハウジング10の大径貫通孔12には、ラックバー30を支持するラックブッシュ70が配置されている。ラックブッシュ70は、樹脂材料からなり、略円筒形の形状で形成されている。ラックブッシュ70は、大径貫通孔12における、ストッパリング60よりも小径貫通孔22側の位置に、ストッパリング60に対して軸方向に離隔して配置されている。
詳しくは、ラックブッシュ70は、ラックバー30の大径部31に形成されるアシストラック歯形成部33を支持することができるように、周方向における位置によって厚みがことなっており、厚みが相対的に薄い部分を有している。また、ラックブッシュ70は、外周面71に径方向における外側に突出した移動止め72を有している。移動止め72は、ラックブッシュ70の外周面71に、1周に亘って形成されている。
一方、ラックハウジング10の大径貫通孔12は、ボールジョイント収容部15の内側に開口する部分の近傍の部分が、ブッシュ配置部12aとして形成されている。ブッシュ配置部12aは、大径貫通孔12におけるブッシュ配置部12a以外の部分よりも、内径が僅かに大きくなっている。ラックブッシュ70は、大径貫通孔12において内径が僅かに大きくなって形成されるブッシュ配置部12aに配置されている。
大径貫通孔12におけるブッシュ配置部12aの内周面には、内周面から凹んだ溝部14が形成されている。溝部14は、ブッシュ配置部12aの内周面に、1周に亘って形成されている。大径貫通孔12のブッシュ配置部12aに配置されるラックブッシュ70は、外周面71に形成される移動止め72が、ブッシュ配置部12aの内周面に形成される溝部14に入り込んだ状態となって配置される。ラックブッシュ70は、このように移動止め72が、ブッシュ配置部12aに形成される溝部14に入り込むことにより、ラックハウジング10に対する軸方向への移動が規制される。
ラックハウジング10には、小径貫通孔22にも、ラックバー30を支持するラックブッシュ75(図7参照)が配置されている。小径貫通孔22に配置されるラックブッシュ75も樹脂材料からなり、略円筒形の形状で形成されている。一方、ラックハウジング10の小径貫通孔22は、ボールジョイント収容部25の内側に開口する部分の近傍の部分が、ブッシュ配置部22aとして形成されている。ブッシュ配置部22aは、小径貫通孔22におけるブッシュ配置部22a以外の部分よりも、内径が僅かに大きくなっている。小径貫通孔22に配置されるラックブッシュ75は、小径貫通孔22において内径が僅かに大きくなって形成されるブッシュ配置部22aに配置されている。
次に、操舵装置80の作用について説明する。操舵装置80が搭載される車両の運転時に、ステアリングホイール81が操作をされた場合は、ステアリングホイール81に付与された操舵力は、ステアリングホイール81からステアリングシャフト82に伝えられる。ステアリングシャフト82に伝えられた操舵力は、操舵トルクとしてステアリングシャフト82からインタミシャフト85に伝達され、インタミシャフト85からスタブシャフト87を経て第1ピニオンギヤ91に伝達される。これにより、第1ピニオンギヤ91を有するステアリングギヤ90は、第1ピニオンギヤ91から伝達された回転運動を、ラックバー30の直線運動に変換し、タイロッド93を動作させる。
また、本実施形態に係る操舵装置80は、運転者の操舵をアシストする補助操舵トルクを発生させる電動モータ102を有している。電動モータ102は、スタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91と間に亘って配置されるトルクセンサ101により検出した操舵トルクに基づいて補助操舵トルクを発生する。
トルクセンサ101は、スタブシャフト87に付与された操舵トルクを、スタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91とが相対回転した際における相対回転の角度に基づいて検出する。即ち、スタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91とは、トーションバー(図示省略)を介して連結されているため、スタブシャフト87に操舵トルクが付与された際には、スタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91との間では、トーションバーを介して操舵トルクが伝達される。その際に、トーションバーが僅かに捩じれることにより、スタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91とは、相対回転をする。トルクセンサ101は、トーションバーが僅かに捩じれることによるスタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91との相対回転を検出し、電気信号としてECU100に伝達する。
ECU100は、トルクセンサ101から伝達された電気信号に基づいて電動モータ102を作動させ、電動モータ102に補助操舵トルクを発生させる。つまり、トルクセンサ101からECU100に伝達された電気信号は、スタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91との間で作用する操舵トルクTに基づいて変化する。このため、ECU100は、トルクセンサ101から伝達された電気信号を、スタブシャフト87及び第1ピニオンギヤ91に作用する操舵トルクTによって変化する情報として使用し、トルクセンサ101から伝達される電気信号に基づいて電動モータ102へ供給する電力値Xを調節し、電動モータ102に補助操舵トルクを発生させる。
即ち、ECU100は、トルクセンサ101から操舵トルクTの信号を取得し、車速センサ103から車両の車速信号Vを取得し、さらに、電動モータ102に設けられた回転検出装置から電動モータ102の動作情報Yを取得し、これらの動作情報Yと操舵トルクTと車速信号Vとに基づいて電動モータ102に補助操舵トルクを発生させる。電動モータ102で発生した補助操舵トルクは、第2ピニオンギヤ92に伝達される。第2ピニオンギヤ92を有するステアリングギヤ90は、第2ピニオンギヤ92から伝達された回転運動を、ラックバー30の直線運動に変換する。これにより、運転者がステアリングホイール81に付与した操舵力は、電動モータ102で発生した補助操舵トルクによりアシストされる。
詳しくは、運転者がステアリングホイール81を操舵した際には、スタブシャフト87と第1ピニオンギヤ91とは、操舵力が伝達されることにより回転をする。第1ピニオンギヤ91が回転をした場合、第1ピニオンギヤ91の操舵トルクは、第1ピニオンギヤ91から、第1ピニオンギヤ91に噛み合うラックバー30の操舵ラック歯44に伝達される。これにより、ラックバー30は、ラックハウジング10によって支持されながら軸方向に直線運動をする。
また、電動モータ102で発生した駆動力は、ウォーム減速装置94を介して第2ピニオンギヤ92に伝達され、第2ピニオンギヤ92は電動モータ102で発生した駆動力により回転をする。第2ピニオンギヤ92が回転をした場合、第2ピニオンギヤ92の補助操舵トルクは、第2ピニオンギヤ92から、第2ピニオンギヤ92に噛み合うラックバー30のアシストラック歯34に伝達される。これにより、ラックバー30は、第1ピニオンギヤ91からの操舵トルクによる直線運動が、第2ピニオンギヤ92からの補助操舵トルクによってアシストされながら直線運動をする。
ラックバー30の直線運動は、ラックバー30の両端に配置されるボールジョイント50から、ボールジョイント50の連結されるタイロッド93に伝達され、車輪は、タイロッド93の動きに伴い向きが変えられる。
ラックバー30は、車輪の向きを変える際に、これらのように運転者がステアリングホイール81を操舵することにより、直線運動をするが、ラックバー30の直線運動は、ラックバー30の両端に配置されるボールジョイント50が、ボールジョイント50の移動を規制する部材に当接することにより、移動が規制される。
図10は、ラックバー30が、大径部31が位置する方向に移動した際において移動が規制される状態を示す説明図である。図11は、図10のD部詳細図である。操舵トルクや補助操舵トルクによってラックバー30を直線運動させることにより、ラックバー30を大径部31が位置する方向に移動させた際に、ラックバー30が大きく移動した場合、ラックバー30の小径部41側の端部46に配置されるボールジョイント50が、ラックハウジング10に当接する。つまり、ラックバー30を、軸方向において大径部31が位置する方向に移動させた場合には、ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50は、ラックハウジング10から離れ、ラックバー30の小径部41側の端部46に配置されるボールジョイント50は、ラックハウジング10に近付く。
このため、ラックバー30を大径部31が位置する方向に大きく移動させた際には、ラックバー30の小径部41側の端部46に配置されるボールジョイント50は、ラックハウジング10の小径ハウジング部21における小径貫通孔22の端部23の位置に当接部55が当接する。ラックバー30の小径部41側の端部46に配置されるボールジョイント50では、当接部55は、ボールジョイント50が取り付けられるラックバー30の小径部41の径方向における外側に位置し、軸方向において小径貫通孔22が位置する側に面する部分になっている。ラックバー30を大径部31が位置する方向に大きく移動させた際には、ラックバー30の小径部41側の端部46に配置されるボールジョイント50は、ラックハウジング10の小径ハウジング部21側のボールジョイント収容部25の内側に入り込み、ラックハウジング10の小径ハウジング部21における、小径貫通孔22の端部23の位置に当接部55が当接する。
詳しくは、小径貫通孔22の軸方向における端部で、ボールジョイント50の方向に向かって開口する部分を小径貫通孔22の開口部とする場合に、ボールジョイント50は、ラックハウジング10における小径貫通孔22の開口部の、径方向における外側に位置する部分である端部23に当接部55が当接する。これにより、ラックバー30は、それ以上は大径部31が位置する方向へ移動することが出来なくなり、大径部31が位置する方向へのラックバー30の移動が規制される。つまり、ラックバー30とラックハウジング10とは、ラックバー30を大径部31が位置する方向に移動させた際に、ラックバー30の小径部41側の端部46に配置されるボールジョイント50と、ラックハウジング10の小径ハウジング部21における小径貫通孔22の端部23の位置とが当接することによって、大径部31が位置する方向へのラックバー30の移動を規制する。
図12は、ラックバー30が、小径部41が位置する方向に移動した際において移動が規制される状態を示す説明図である。図13は、図12のE部詳細図である。操舵トルクや補助操舵トルクによってラックバー30を直線運動させることにより、ラックバー30を小径部41が位置する方向に移動させた際に、ラックバー30が大きく移動した場合には、ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50が、ストッパリング60に当接する。
つまり、ラックバー30を、軸方向において小径部41が位置する方向に移動させた場合には、ラックバー30の小径部41側の端部46に配置されるボールジョイント50は、ラックハウジング10から離れ、ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50は、ラックハウジング10に近付く。
このため、ラックバー30を小径部41が位置する方向に大きく移動させた際には、ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50は、ラックハウジング10の大径ハウジング部11に配置されるストッパリング60に当接部55が当接する。ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50では、当接部55は、ボールジョイント50が取り付けられるラックバー30の大径部31の径方向における外側に位置し、軸方向において大径貫通孔12が位置する側に面する部分になっている。ラックバー30を小径部41が位置する方向に大きく移動させた際には、ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50は、ラックハウジング10の大径ハウジング部11側のボールジョイント収容部15の内側に入り込み、ラックハウジング10の大径ハウジング部11に配置されるストッパリング60に当接部55が当接する。
つまり、ストッパリング60の内径Sb(図9参照)は、ボールジョイント50におけるストッパリング60に当接する当接部55の、軸方向に直交する方向の最大幅Ja(図9参照)よりも小さくなっており、ストッパリング60の外径Sa(図9参照)は、当該最大幅Jaよりも大きくなっている。これにより、ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50が、ストッパリング60に当接した際には、ラックバー30は、それ以上は小径部41が位置する方向へ移動することが出来なくなる。このため、ラックバー30は、小径部41が位置する方向へのラックバー30の移動が規制される。即ち、ラックバー30とラックハウジング10とは、ラックバー30を小径部41が位置する方向に移動させた際に、ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50と、ストッパリング60とが当接することによって、小径部41が位置する方向へのラックバー30の移動を規制する。
また、ラックハウジング10の大径ハウジング部11側に配置されるストッパリング60の内径Sbは、ラックハウジング10の小径ハウジング部21に形成される小径貫通孔22の内径よりも大きくなっている。このため、ラックバー30の大径部31側に配置されるボールジョイント50とストッパリング60とが当接した状態での、ボールジョイント50とストッパリング60との対向面積は、ラックバー30の小径部41側に配置されるボールジョイント50とラックハウジング10の小径ハウジング部21の端部とが当接した状態でのボールジョイント50とラックハウジング10との対向面積よりも小さくなっている。
つまり、ラックバー30の大径部31側に配置されるボールジョイント50とストッパリング60との対向面積は、ボールジョイント50とストッパリング60とが上述した制約によって形状が決められることにより、ラックバー30の小径部41側に配置されるボールジョイント50とラックハウジング10との対向面積よりも小さくなっている。鉄製のストッパリング60は、このようにボールジョイント50が当接した状態でのボールジョイント50との対向面積が、ラックバー30の小径部41側のボールジョイント50がラックハウジング10に当接した状態でのボールジョイント50とラックハウジング10との対向面積よりも小さい状態で、ラックバー30の移動を規制する。
また、ラックバー30の大径部31側の端部36に配置されるボールジョイント50が、ストッパリング60に当接するまでラックバー30が小径部41側に移動をした場合でも、ラックバー30の大径部31は、ラックハウジング10の小径貫通孔22の位置までは移動しない。つまり、ラックバー30が、小径部41が位置する側に移動をした際には、ボールジョイント50がストッパリング60に当接してラックバー30の移動が規制されることにより、ラックバー30の大径部31がラックハウジング10の小径貫通孔22の位置に移動することが規制される。
以上のように、本実施形態に係る操舵装置80は、ラックハウジング10が、大径貫通孔12が形成される大径ハウジング部11と、小径貫通孔22が形成される小径ハウジング部21とを有し、大径貫通孔12における小径貫通孔22が位置する側の反対側の端部に、ラックハウジング10よりも縦弾性係数が高いストッパリング60が配置される。これにより、ラックバー30を小径部41が位置する方向に移動させた際には、ラックバー30の大径部31側の端部に配置されるボールジョイント50と、ストッパリング60とが当接することによって、小径部41が位置する方向へのラックバー30の移動を規制することができる。
このため、直径が大きい大径貫通孔12が形成されることによって、ボールジョイント50が当接する部分の面積を確保し難く、応力が大きくなり易いラックハウジング10の大径ハウジング部11において、縦弾性係数が高いストッパリング60にボールジョイント50を当接させることができる。従って、ボールジョイント50をラックハウジング10に当接させることによってラックバー30の移動を規制する際におけるラックハウジング10の耐久性を確保することができる。また、ボールジョイント50を当接させるにあたってのラックハウジング10の耐久性を確保する際に、大径ハウジング部11の外径を大きくすることなく、縦弾性係数が高いストッパリング60を配置することによって耐久性を確保するため、ラックハウジング10の重量の増加を抑制できる。これらの結果、ラックハウジング10の軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
また、ラックバー30とラックハウジング10とは、ラックバー30を大径部31が位置する方向に移動させた際には、ラックハウジング10の小径貫通孔22の端部23の位置とボールジョイント50とが当接することによってラックバー30の移動を規制する。これにより、ラックハウジング10における、ボールジョイント50が当接する部分の厚みを確保し易い小径ハウジング部21側では、ストッパリング60を配置することなく、ボールジョイント50が当接する部分を確保できるので、ラックハウジング10の軽量化を図ることができる。また、ラックバー30とラックハウジング10とは、ラックバー30を小径部41が位置する方向に移動させた際には、ボールジョイント50とストッパリング60とが当接することによってラックバー30の移動を規制する。これにより、ボールジョイント50が当接する部分の厚みを確保し難い大径ハウジング部11側では、ボールジョイント50をストッパリング60に当接させることにより、ボールジョイント50から受ける衝撃によるラックハウジング10の損傷を抑制することができる。これらの結果、ラックハウジング10の軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
また、ラックバー30の大径部31側のボールジョイント50とストッパリング60とが当接した状態でのボールジョイント50とストッパリング60との対向面積は、上述したボールジョイント50とストッパリング60との形状的な制約により、小径部41側のボールジョイント50とラックハウジング10の小径ハウジング部21の端部とが当接した状態でのボールジョイント50とラックハウジング10との対向面積よりも小さくなっている。このため、ラックバー30の大径部31側のボールジョイント50は、当接した部分との面圧が高くなり易くなるが、大径部31側のボールジョイント50が当接するストッパリング60は、ラックハウジング10よりも縦弾性係数が高くなっている。従って、ボールジョイント50との対向面積が小さいことにより、面圧が高くなり易いラックハウジング10の大径ハウジング部11において、ボールジョイント50が当接した際における耐久性を確保することができる。この結果、ラックハウジング10の軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
また、ボールジョイント50は、工具によってボールジョイント50を保持する際に用いる一対の対辺53を有しており、ストッパリング60の内径Sbは、ボールジョイント50の一対の対辺53の二面幅Jbよりも大きくなっている。このため、ボールジョイント50がストッパリング60に当接した際には、ボールジョイント50におけるストッパリング60に当接する部分が円形で形成される場合と比較して、局所的な応力が発生し易くなっている。これに対し、本実施形態では、ストッパリング60は、ラックハウジング10よりも縦弾性係数が高くなっているため、ストッパリング60に局所的な応力が発生しても、強度を確保することができ、耐久性を確保することができる。この結果、ラックハウジング10の軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
また、大径貫通孔12には、ストッパリング60よりも小径貫通孔22側に、樹脂材料からなりラックバー30を支持するラックブッシュ70が配置され、ラックブッシュ70は、ストッパリング60に対して軸方向に離隔して配置される。このため、ストッパリング60にボールジョイント50が当接した際に、ボールジョイント50からの力が、ラックブッシュ70に伝わることを抑制できる。これにより、樹脂材料からなることにより、ストッパリング60よりも強度が低いラックブッシュ70が、軸方向に圧縮されて損傷することを抑制できる。この結果、ラックハウジング10に配置される部材の耐久性を向上させることができる。
また、ラックブッシュ70は、外周面71に移動止め72を有し、移動止め72が、大径貫通孔12に形成される溝部14に入り込むことにより、ラックハウジング10に対する軸方向への移動が規制されるため、ラックブッシュ70が、ストッパリング60の方向に向かって移動してしまうことを抑制できる。これにより、ボールジョイント50からストッパリング60に作用する力がストッパリング60からラックブッシュ70に伝わり、ラックブッシュ70が軸方向に圧縮されて損傷することを抑制できる。この結果、ラックハウジング10に配置される部材の耐久性を向上させることができる。
また、ストッパリング60は、大径ハウジング部11に圧入されるため、ラックバー30とストッパリング60との間のクリアランスを詰めることができる。これにより、ボールジョイント50とストッパリング60との間の対向面積を増やすことができ、ボールジョイント50とストッパリング60との間の面圧を低くすることができる。従って、ストッパリング60の耐久性を確保することができる。この結果、ラックハウジング10の軽量化と耐久性の確保とを両立することができる。
また、ラックハウジング10は、小径ハウジング部21の少なくとも一部の外径が、大径ハウジング部11の外径よりも小さいため、ラックハウジング10の小径ハウジング部21を軽量化することができる。この結果、ラックハウジング10の軽量化を図ることができる。
また、ラックハウジング10の小径貫通孔22は、最小径がラックバー30の大径部31の最大幅よりも小さいため、ラックハウジング10の小径ハウジング部21を軽量化することができる。この結果、ラックハウジング10の軽量化を図ることができる。
以上、本開示の好適な実施形態を説明したが、本開示は上記の実施形態に記載されたものに限定されない。実施形態や変形例として説明した構成は、適宜組み合わせてもよい。
10 ラックハウジング
11 大径ハウジング部
12 大径貫通孔
13、23 端部
14 溝部
15、25 ボールジョイント収容部
21 小径ハウジング部
22 小径貫通孔
30 ラックバー
31 大径部
32 大径丸棒部
33 アシストラック歯形成部
34 アシストラック歯
35 背面
36、46 端部
41 小径部
42 小径丸棒部
44 操舵ラック歯
50 ボールジョイント
52 外周面
53 対辺
60 ストッパリング
70、75 ラックブッシュ
72 移動止め
80 操舵装置
81 ステアリングホイール
82 ステアリングシャフト
84、86 ユニバーサルジョイント
85 インタミシャフト
87 スタブシャフト
90 ステアリングギヤ
91 第1ピニオンギヤ
92 第2ピニオンギヤ
93 タイロッド
94 ウォーム減速装置
100 ECU
101 トルクセンサ
102 電動モータ
103 車速センサ
104 イグニッションスイッチ
105 電源装置

Claims (9)

  1. 長手方向に直交する方向の最大幅が互いに異なる大径部と小径部とを有するラックバーと、
    大径貫通孔が形成される大径ハウジング部と、前記大径貫通孔に連通し前記大径貫通孔よりも直径が小さい小径貫通孔が形成される小径ハウジング部と、を有し、前記大径貫通孔と前記小径貫通孔との内部空間に、前記大径貫通孔及び前記小径貫通孔の軸方向と前記ラックバーの前記長手方向とが一致する向きで前記ラックバーを格納するラックハウジングと、
    前記ラックバーの両端にそれぞれ配置されるボールジョイントと、
    前記ラックハウジングよりも縦弾性係数が高く、略円環状に形成されて前記大径貫通孔における前記小径貫通孔が位置する側の反対側の端部に配置されるストッパリングと、
    を備え、
    前記ボールジョイントは、前記ラックハウジングまたは前記ストッパリングに当接すると共に、前記ラックハウジングに当接する前記ボールジョイントと前記ストッパリングに当接する前記ボールジョイントとは、当接箇所が同形状であり、
    前記大径貫通孔は、前記ラックバーの前記大径部を格納し、
    前記小径貫通孔は、前記ラックバーの前記小径部を格納する操舵装置。
  2. 前記ラックバーと前記ラックハウジングとは、
    前記ラックバーを前記大径部が位置する方向に移動させた際に、前記ラックバーの前記小径部側の端部に配置される前記ボールジョイントと、前記ラックハウジングの前記小径ハウジング部における前記小径貫通孔の端部の位置とが当接することによって、前記大径部が位置する方向への前記ラックバーの移動を規制し、
    前記ラックバーを前記小径部が位置する方向に移動させた際に、前記ラックバーの前記大径部側の端部に配置される前記ボールジョイントと、前記ストッパリングとが当接することによって、前記小径部が位置する方向への前記ラックバーの移動を規制する請求項1に記載の操舵装置。
  3. 前記ラックバーの前記大径部側に配置される前記ボールジョイントと前記ストッパリングとが当接した状態での前記ボールジョイントと前記ストッパリングとの対向面積は、
    前記ラックバーの前記小径部側に配置される前記ボールジョイントと前記ラックハウジングの前記小径ハウジング部の端部とが当接した状態での前記ボールジョイントと前記ラックハウジングとの対向面積よりも小さい請求項2に記載の操舵装置。
  4. 前記ボールジョイントは、前記ストッパリングに当接する部分の形状が、前記軸方向に見た場合において互いに平行な一対の対辺を有する形状になっており、
    前記ストッパリングの内径は、前記ボールジョイントの一対の前記対辺の二面幅よりも大きく、前記ボールジョイントにおける前記ストッパリングに当接する部分の、前記軸方向に直交する方向の最大幅よりも小さい請求項3に記載の操舵装置。
  5. 前記大径貫通孔には、前記ストッパリングよりも前記小径貫通孔側に、樹脂材料からなり前記ラックバーを支持するラックブッシュが配置され、
    前記ラックブッシュは、略円筒形の形状で形成され、前記ストッパリングに対して前記軸方向に離隔して配置される請求項1から4のいずれか1項に記載の操舵装置。
  6. 前記ラックブッシュは、外周面に径方向における外側に突出した移動止めを有し、前記移動止めが、前記大径貫通孔の内周面に形成される溝部に入り込むことにより、前記ラックハウジングに対する前記軸方向への移動が規制される請求項5に記載の操舵装置。
  7. 前記ストッパリングは、前記大径ハウジング部に圧入される請求項1から4のいずれか1項に記載の操舵装置。
  8. 前記ラックハウジングは、前記小径ハウジング部の少なくとも一部の外径が、前記大径ハウジング部の外径よりも小さい請求項1から4のいずれか1項に記載の操舵装置。
  9. 前記ラックハウジングの前記小径貫通孔は、最小径が前記ラックバーの前記大径部の前記最大幅よりも小さい請求項1から4のいずれか1項に記載の操舵装置。
JP2022100763A 2022-06-23 2022-06-23 操舵装置 Pending JP2024001907A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022100763A JP2024001907A (ja) 2022-06-23 2022-06-23 操舵装置
PCT/JP2023/029721 WO2023249128A1 (ja) 2022-06-23 2023-08-17 操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022100763A JP2024001907A (ja) 2022-06-23 2022-06-23 操舵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024001907A true JP2024001907A (ja) 2024-01-11

Family

ID=89380114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022100763A Pending JP2024001907A (ja) 2022-06-23 2022-06-23 操舵装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024001907A (ja)
WO (1) WO2023249128A1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001163228A (ja) * 1999-12-07 2001-06-19 Honda Motor Co Ltd 電動パワーステアリング装置
JP4234867B2 (ja) * 1999-11-19 2009-03-04 本田技研工業株式会社 電動パワーステアリング装置
JP5632345B2 (ja) * 2011-09-20 2014-11-26 日立オートモティブシステムズステアリング株式会社 電動パワーステアリング装置
JP2018177019A (ja) * 2017-04-14 2018-11-15 株式会社ジェイテクト ステアリング装置
CN212195628U (zh) * 2020-04-27 2020-12-22 蜂巢智能转向科技河北有限公司 用于转向器齿条轴末端的支撑机构和具有其的转向器

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023249128A1 (ja) 2023-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4828353B2 (ja) ステアリング装置
JP4726522B2 (ja) 車両の電動パワーステアリング装置の取付構造
US20070095600A1 (en) Belt-type transmission and electric power steering apparatus having the same
US7458593B2 (en) Support structure of motor-driven steering assist apparatus
US9193384B1 (en) Steering apparatus
US7370724B2 (en) Motor-driven steering assist apparatus
WO2011081076A1 (ja) 電動パワーステアリング装置
US10378639B2 (en) Reducer of electric power steering apparatus
US7748742B2 (en) Energy absorbing steering system
JP5123025B2 (ja) 自在継手用ヨーク、自在継手および車両用操舵装置
WO2020095705A1 (ja) ステアリング装置
WO2023249128A1 (ja) 操舵装置
JP6616670B2 (ja) パワーステアリング装置及びこれを備えるステアリング装置
JPWO2019031100A1 (ja) ステアリング装置
JP4075751B2 (ja) アクティブスタビライザ装置
US7780176B2 (en) Center take-off rack-and-pinion steering apparatus
WO2012093712A1 (ja) ステアリング装置
JPWO2019220603A1 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2007302110A (ja) 車両用操舵装置
JP2006205886A (ja) 電動舵取補助装置の支持構造
JP4085802B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP7447713B2 (ja) 連結構造、ヨーク及びインターミディエートシャフト
JP7003836B2 (ja) 緩衝ジョイント及びステアリング装置
KR100646442B1 (ko) 자동차의 전기식 동력 보조 조향 장치
JP2023177531A (ja) ステアリング装置用中間シャフト

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20230816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20230816