JP2024000686A - プッシュポンプおよび包装容器 - Google Patents

Abstract

【課題】所定量の液体を精度良く吐出することができるプッシュポンプおよび包装容器を提供することを目的とする。【解決手段】プッシュポンプ１のシリンダ機構１０の先端部の吸引口１４に逆止弁４０が設けられている。この逆止弁４０は、筒状の胴体部４１と、胴体部４１の軸方向の上部に設けられた錐状のノズル部４２と、ノズル部４２の軸方向の頂上部に形成された流通口４３とを備える。逆止弁４０は、シリンダ機構１０の先端部の吸引口１４に対してノズル部４２から同一軸上に嵌入され、胴体部４１側からノズル部４２側の一方向に対しては流通口４３が開くことにより液体の通過を許容する一方、ノズル部４２側から胴体部４１側の逆方向に対しては流通口４３が閉じることにより液体の通過を阻止する。【選択図】図２

Description

本発明は、化粧品、せっけん類、パーマ液などの各種液体を収容する包装容器に取り付けられるプッシュポンプに関するものである。

従来より、化粧品、せっけん類、パーマ液などの各種液体を収容する包装容器において、プッシュポンプが取り付けられたものが知られている。一般に、プッシュポンプは、内部に軸方向に延びる流通路を有し、先端部に流通路に連通する吸引口が形成されたシリンダ機構と、該シリンダ機構の上部に設けられ、流通路に連通する吐出口が形成されたプッシュヘッドを備える。そして、このシリンダ機構は、通常、伸縮可能な可動管と固定管から構成され、内部にバネ部材、ピストンおよびボール弁が設けられている（例えば、特許文献１参照）。

これにより、プッシュヘッドを下方に押圧すると、シリンダ機構全体が収縮し、それに伴ってシリンダ機構の流通路内の圧力が発生することによってボール弁が流通路を閉塞するとともに、シリンダ機構の流通路内に収容されている液体がプッシュヘッドの吐出口から押し出されるように吐出する。また、プッシュヘッドの押圧を解除すると、バネ部材によりシリンダ機構全体が伸張し、それに伴ってシリンダ機構の流通路内に負圧が発生することによってボール弁が流通路を開放するとともに、容器本体内の液体がシリンダ機構の流通路内に吸引されるように流入する。

このようにプッシュポンプは簡易な構成にして、プッシュヘッドを押圧する度に所定量の液体を吐出することができるため、様々な種類の包装容器に広く用いられてきた。

特開２００８－７４４０９号公報

しかしながら、特に粘性が高い液体の場合、プッシュヘッドの押圧操作を繰り返すと、包装容器内の空気がシリンダ機構の流通路内に混入して、ボール弁の付近に滞留することがあった。この状態において、粘性が高い液体が付着したボール弁は自重では流通路を閉鎖できず、プッシュヘッドを押圧しても、混入した空気が包装容器へ逆流し、以降はプッシュヘッドの押圧ごとに空気がボール弁の付近を上下に移動するため、その分、所定量の液体を吐出することができないという問題があった。

本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、所定量の液体を精度良く吐出することができるプッシュポンプおよび包装容器を提供することを目的とする。

本発明は、上記目的を達成するために、液体が収容される包装容器に取り付けられるプッシュポンプであって、内部に軸方向に延びる流通路を有し、先端部に前記流通路に連通する吸引口が形成されたシリンダ機構と、前記シリンダ機構の上部に設けられ、前記流通路に連通する吐出口が形成されたプッシュヘッドとを備え、前記プッシュヘッドの押圧操作により前記包装容器に収容された液体を前記シリンダ機構の前記吸引口から吸引し、前記シリンダ機構の前記流通路を介して前記プッシュヘッドの前記吐出口から吐出するプッシュポンプにおいて、前記シリンダ機構の先端部の前記吸引口に逆止弁が設けられ、前記逆止弁は、筒状の胴体部と、前記胴体部の軸方向の上部に設けられた錐状のノズル部と、前記ノズル部の軸方向の頂上部に形成された流通口とを備え、前記シリンダ機構の先端部の吸引口に対して前記ノズル部から同一軸上に嵌入され、前記胴体部側から前記ノズル部側の一方向に対しては前記流通口が開くことにより液体の通過を許容する一方、前記ノズル部側から前記胴体部側の逆方向に対しては前記流通口が閉じることにより液体の通過を阻止することを特徴とする。

これによれば、一般のプッシュポンプに設けられているボール弁に加えて、またはボール弁に代えて、シリンダ機構の先端部の吸引口に上述の構造の逆止弁が設けられているため、包装容器の内部の空気が逆止弁を通過してシリンダ機構の流通路に混入しても、プッシュヘッドの押圧操作によって、混入した空気は液体とともに逆止弁の通過を阻止されることにより包装容器側に逆流することがなく、そのままプッシュヘッドの吐出口から外部に排出され、再び所定の流量の液体を精度良く吐出することができる。

また、前記ノズル部は、前記胴体部から上方にかけて互いに近接方向に傾斜しながら延びる山型の第１のフラップ部と第２のフラップ部から構成され、前記第１のフラップ部と前記第２のフラップ部の頂上部の間に開閉可能な流通口が形成されてもよい。これによれば、簡易な構成にして、胴体部側からノズル部側の一方向に対しては流通口が開くことにより液体の通過を確実に許容する一方、ノズル部側から胴体部側の逆方向に対しては流通口が閉じることにより液体の通過を確実に阻止することができ、ひいてはシリンダ機構の流通路に混入した空気の通過も確実に阻止して、プッシュヘッドの吐出口から外部に確実に排出することが可能となる。

また、前記逆止弁は、前記胴体部の径方向内側の変形を規制する規制部材が設けられてもよい。これによれば、規制部材により胴体部の径方向内側の変形を規制するため、プッシュヘッドの押圧操作を繰り返しても、逆止弁が精度良く動作することができる。

また、前記規制部材は、前記胴体部の内周面の一部または全部を支承する筒状部材であってもよい。これによれば、胴体部の径方向内側の変形を簡単かつ確実に規制することができる。

また、前記規制部材は、前記シリンダ機構の先端部に取り付けられるアタッチメント部材の内側に一体的に設けられてもよい。これによれば、アタッチメント部材をシリンダ機構の先端部に取り付けた際、逆止弁の胴体部の径方向内側の変形を簡単かつ確実に規制することができる。

また、前記規制部材は、前記胴体部の周方向に沿って断続的に設けられた複数の規制片から構成されてもよい。これによれば、規制部材を逆止弁の胴体部に嵌め込み易くなる。

また、前記規制部材は、前記胴体部の基端部の外周面に形成されたリブから構成され、前記シリンダ機構の先端部に取り付けられるアタッチメント部材の内側に固定されてもよい。これによれば、逆止弁の胴体部の径方向内側の変形を簡単かつ確実に規制することができる。

また、前記リブは、前記胴体部の基端部の外周面に形成された複数のリブ片を備え、前記アタッチメント部材の内側に形成された差込孔に差し込まれてもよい。これによれば、規制部材としての複数のリブ片がアタッチメント部材の差込孔に差し込まれる簡易な構造によって、逆止弁の胴体部の径方向内側の変形を簡単かつ確実に規制することができる。

また、前記シリンダ機構は、流通路の中途位置において流通を開閉するボール弁が設けられてもよい。これによれば、ボール弁が設けられた汎用のプッシュポンプに対して逆止弁を取り付けることによって、本発明に係るプッシュポンプを簡単に構成することができる。

本発明は、前記プッシュポンプが取り付けられたことを特徴とする包装容器である。

本発明によれば、一般のプッシュポンプに設けられているボール弁に加えて、またはボール弁に代えて、シリンダ機構の先端部の吸引口に逆止弁が設けられるため、シリンダ機構の流通路の内部に空気が混入した場合であっても、プッシュヘッドの押圧操作により所定の流量の液体を精度良く吐出することができる。

本発明の第１の実施形態に係るプッシュポンプおよび包装容器の分解状態を示す斜視図である。 図１のプッシュポンプの分解状態を示す一部断面図である。 図１のプッシュポンプの組立状態を示す断面図である。 図１のプッシュポンプの逆止弁の（ａ）閉じた状態、（ｂ）開いた状態を示す斜視図である。 図１のプッシュポンプのアタッチメント部材を示す（ａ）平面図、（ｂ）側面図、（ｃ）斜視図、（ｄ）断面図である。 図１のプッシュポンプの逆止弁とアタッチメント部材の組立状態を示す断面図である。 図１のプッシュポンプにおける（ａ）プッシュヘッドの押圧時、（ｂ）プッシュヘッドの押圧解除時、（ｃ）プッシュヘッドの押圧解除から所定時間経過時の各状態を示す断面図である。 本発明の第２の実施形態に係るプッシュポンプの逆止弁とアタッチメント部材の組立状態を示す断面図である。 本発明の第３の実施形態に係るプッシュポンプの逆止弁とアタッチメント部材の組立状態を示す断面図である。 本発明の第４の実施形態に係るプッシュポンプの逆止弁とアタッチメント部材の組立状態を示す断面図である。 本発明の第５の実施形態に係るプッシュポンプの逆止弁とアタッチメント部材の組立状態を示す断面図である。 本発明の実施例に係るグラフを示す図である。

＜第１の実施形態＞
次に、本発明に係るプッシュポンプの第１の実施形態について図１～図７を参照しつつ説明する。

本プッシュポンプ１は、図１および図２に示すように、包装容器２に取り付けられるものであり、包装容器２の口部２ａに挿入されながら装着されるシリンダ機構１０と、シリンダ機構１０の上部に設けられたプッシュヘッド２０と、シリンダ機構１０の中間部に設けられた蓋体３０と、シリンダ機構１０の包装容器２側の先端部の吸引口１４に設けられる逆止弁４０と、シリンダ機構１０の包装容器２側の先端部に設けられるアタッチメント部材５０とを備える。

前記シリンダ機構１０は、図３に示すように、軸方向の上方に配置された可動管１１と、軸方向の下方に配置された固定管１２とから構成され、内部に軸方向に延びる流通路１３を有し、固定管１２の先端部に流通路１３に連通する吸引口１４が設けられている。

また、前記シリンダ機構１０は、内部に固定管１２に対して可動管１１を上方に付勢するバネ部材１５と、固定管１２の流通路１３の空間を区切るピストン１６と、固定管１２の流通路１３におけるピストン１６の下方に配置されたボール弁１７とがそれぞれ設けられている。このボール弁１７は、シリンダ機構１０の流通路１３の中途に配置され、後述のプッシュヘッド２０の動作に応じて上方に移動した場合には流通路１３を開放する一方、下方に移動した場合には流通路１３を閉塞するものとなされている。なお、これらバネ部材１５、ピストン１６、ボール弁１７については、従来のプッシュポンプ１のシリンダ機構と同一であるため、具体的な説明は省略する。

前記プッシュヘッド２０は、図１～図３に示すように、円柱状のヘッド本体２１と、該ヘッド本体２１の側面に設けられた吐出部２２とから構成され、吐出部２２の先端部に吐出口２３が形成されている。この吐出口２３は、プッシュヘッド２０の内部を介してシリンダ機構１０の流通路１３に連通している。このため、シリンダ機構１０の流通路１３を通過してきた液体は、プッシュヘッド２０の内部を通過したあと、吐出口２３から外部に吐出され得る。

前記蓋体３０は、図１～図３に示すように、シリンダ機構１０の固定管１２に回動可能に設けられる。これにより、シリンダ機構１０の固定管１２を包装容器２の口部２ａから挿入したあと、蓋体３０を包装容器２の口部２ａに螺合することによりプッシュポンプ１が包装容器２に装着される。

前記逆止弁４０は、図４に示すように、筒状の胴体部４１と、胴体部４１の軸方向の上方に設けられた錐状のノズル部４２と、ノズル部４２の軸方向の頂上部に形成された流通口４３と、胴体部４１の基端部の外周面に設けられた環状のリブ４４とを備える。本実施形態では、このノズル部４２は、胴体部４１から上方にかけて互いに近接方向に傾斜しながら延びる第１のフラップ部４２１と第２のフラップ部４２２から構成され、第１のフラップ部４２１と第２のフラップ部４２２の頂上部の間に開閉可能な流通口４３が形成され、全体として口ばし状の形状に形成されている。

また、前記逆止弁４０は、図３に示すように、シリンダ機構１０の先端部の吸引口１４に対してノズル部４２から同一軸上に嵌入され、胴体部４１の外周面がシリンダ機構１０の流通路１３の内周面に当接するとともに、胴体部４１のリブ４４がシリンダ機構１０の先端部に当接することにより、ノズル部４２の流通口４３がシリンダ機構１０の流通路１３内に臨んだ状態となる。

而して、前記逆止弁４０は、シリンダ機構１０の吸引口１４に嵌入された状態において、図４（ｂ）に示すように、胴体部４１側からノズル部４２側の一方向に対しては第１のフラップ部４２１と第２のフラップ部４２２の頂上部が外方に変形して流通口４３が開くことにより液体の通過を許容する。一方、逆止弁４０は、図４（ａ）に示すように、ノズル部４２側から胴体部４１側の逆方向に対しては第１のフラップ部４２１と第２のフラップ部４２２が内方に変形して流通口４３が閉じることにより液体の通過を阻止する。

前記アタッチメント部材５０は、図５に示すように、上方に設けられた筒状部材５１と、下方に設けられた錐状部材５２とから構成され、錐状部材５２の周面に複数の流入孔５３が形成されている。この流入孔５３は、アタッチメント部材５０の内部を介してシリンダ機構１０の流通路１３に連通している。このため、包装容器２内の液体は、アタッチメント部材５０の流入孔５３からアタッチメント部材５０の内部に流入したあと、シリンダ機構１０の先端部の逆止弁４０に到達して、逆止弁４０の流通口４３を通過することによりシリンダ機構１０の流通路１３に流入し得る。

また、前記アタッチメント部材５０は、筒状部材５１の内側に円筒状の規制部材６０が設けられている。この規制部材６０は、逆止弁４０の胴体部４１の径方向内側の変形を規制するものであって、逆止弁４０の胴体部４１に下方から嵌め込まれることにより、逆止弁４０の胴体部４１の基端部の内周面を支承するものとなされている。

而して、アタッチメント部材５０をシリンダ機構１０の固定管１２の先端部に装着した際、逆止弁４０の胴体部４１の外周面がシリンダ機構１０の固定管１２の流通路１３の内周面に当接する一方、逆止弁４０の胴体部４１の内周面がアタッチメント部材５０の規制部材６０の外周面に当接することによって、逆止弁４０がアタッチメント部材５０とシリンダ機構１０の固定管１２の間に挟持状態に固定される。

次に、本プッシュポンプ１における逆止弁４０の取り付けるための２つの取付方法について説明する。

第１の取付方法としては、図６に示すように、逆止弁４０をアタッチメント部材５０に取り付けたあと、該アタッチメント部材５０をシリンダ機構１０の固定管１２に取り付ける。具体的に説明すると、逆止弁４０の胴体部４１にアタッチメント部材５０の規制部材６０を軸方向に嵌め込んだあと、逆止弁４０をシリンダ機構１０の固定管１２の吸引口１４に軸方向に嵌入しながら、アタッチメント部材５０の筒状部材５１にシリンダ機構１０の固定管１２の先端部を嵌め込む。

また、第２の取付方法としては、逆止弁４０をシリンダ機構１０の固定管１２に取り付けたあと、アタッチメント部材５０をシリンダ機構１０の固定管１２に取り付ける。具体的に説明すると、シリンダ機構１０の固定管１２の吸引口１４に対して逆止弁４０をノズル部４２から軸方向に嵌入したあと、アタッチメント部材５０の規制部材６０を逆止弁４０の胴体部４１に嵌め込みながら、アタッチメント部材５０の筒状部材５１にシリンダ機構１０の固定管１２の先端部を嵌め込む。

このように第１の取付方法および第２の取付方法のいずれの方法であっても、ボール弁１７が設けられた汎用のプッシュポンプ１に対して逆止弁４０を簡単かつ確実に取り付けることができる。

次に、本プッシュポンプ１を包装容器２に取り付けたあとの使用時の動作について説明する。

まず、図７（ａ）に示すように、プッシュヘッド２０をバネ部材１５の付勢力に抗して下方に押圧すると、シリンダ機構１０全体が収縮し、それに伴ってシリンダ機構１０の流通路１３内の圧力が発生することによって、ボール弁１７が流通路１３を閉塞するとともに、逆止弁４０の流通口４３も閉じる。このため、シリンダ機構１０の流通路１３内に収容されている液体は、プッシュヘッド２０の内部を通過したあと、プッシュヘッド２０の吐出口２３から押し出されるように吐出される。

また、図７（ｂ）に示すように、プッシュヘッド２０の押圧を解除すると、バネ部材１５の付勢力によりシリンダ機構１０全体が伸張し、それに伴ってシリンダ機構１０の流通路１３内に負圧が発生することによって、ボール弁１７が流通路１３を開放するとともに、逆止弁４０の流通口４３も開く。このため、包装容器２内の液体は、アタッチメント部材５０の流入孔５３からアタッチメント部材５０の内部に流入したあと、シリンダ機構１０の先端部の逆止弁４０に到達する。そして、該液体は、逆止弁４０の流通口４３を通過したあと、逆止弁４０の周囲を通過してシリンダ機構１０の流通路１３に吸引されるように流入する。

また、図７（ｃ）に示すように、プッシュヘッド２０の押圧が解除されてから所定時間が経過すると、ボール弁１７が自重により流通路１３を再び閉鎖するとともに、逆止弁４０の流通口４３も元の形状に戻るように閉じる。このため、プッシュポンプ１の流通路１３に流入した液体は、プッシュヘッド２０の次の押圧操作まで流通路１３に滞留した状態となる。

このように、特に粘性が高い液体の場合、プッシュヘッド２０の押圧操作を繰り返すと、包装容器２内の空気がシリンダ機構１０の流通路１３内に混入して、ボール弁１７の付近に滞留することがあった。この状態において、粘性が高い液体が付着したボール弁１７は自重では流通路を閉鎖できず、プッシュヘッド２０を押圧しても、混入した空気が包装容器２へ逆流し、以降はプッシュヘッド２０の押圧ごとに空気がボール弁１７の付近を上下に移動するため、その分、所定量の液体を吐出することができないという問題があった。しかしながら、本発明では、プッシュポンプ１に設けられているボール弁１７に加えて、シリンダ機構１０の先端部の吸引口１４に上述の構造の逆止弁４０が設けられているため、包装容器２の内部の空気が逆止弁４０を通過してシリンダ機構１０の流通路１３に混入しても、プッシュヘッド２０の押圧操作によって、混入した空気も液体とともに逆止弁４０の通過を阻止されることにより包装容器２側に逆流することがなく、そのままプッシュヘッド２０の吐出口２３から外部に排出され、ボール弁１７の弁機能を復元することで再び所定の流量の液体を精度良く吐出することができる。

＜第２の実施形態＞
次に、本発明に係るプッシュポンプ１の第２の実施形態について図８を参照しつつ説明する。なお、以下では上記の実施形態と異なる構成についてのみ説明することとし、同一の構成については説明を省略して同一の符号を付すこととする。

本実施形態では、規制部材６０は、軸方向の長さが長く形成されており、逆止弁４０の胴体部４１の全体の内周面に当接している。これにより、アタッチメント部材５０の規制部材６０を逆止弁４０の胴体部４１に嵌め込んだ状態において、逆止弁４０の径方向内側の変形を確実に規制することができる。

＜第３の実施形態＞
次に、本発明に係るプッシュポンプ１の第３の実施形態について図９を参照しつつ説明する。

本実施形態では、規制部材６０は、胴体部４１の周方向に沿って断続的に設けられた複数の規制片６０ａからなる。これにより、アタッチメント部材５０の規制部材６０を逆止弁４０の胴体部４１に嵌め込んだ状態において、逆止弁４０の径方向内側の変形を規制することができるとともに、規制部材６０を逆止弁４０に嵌め込み易くなる。

＜第４の実施形態＞
次に、本発明に係るプッシュポンプ１の第４の実施形態について図１０を参照しつつ説明する。

本実施形態では、規制部材６０は、胴体部４１の基端部のリブ４４の外周面に形成された複数のリブ片６０ｂであって、該リブ片６０ｂがアタッチメント部材５０の差込孔５０ａに差し込まれる。これにより、規制部材６０としての複数のリブ片６０ｂがアタッチメント部材５０の差込孔５０ａに差し込まれる簡易な構造によって、逆止弁４０の胴体部４１の径方向内側の変形を簡単かつ確実に規制することができる。

＜第５の実施形態＞
次に、本発明に係るプッシュポンプ１の第５の実施形態について図１１を参照しつつ説明する。

本実施形態では、規制部材６０は、逆止弁４０の胴体部４１に嵌め込み可能な円筒状に形成されるとともに、アタッチメント部材５０とは別体に構成されている。これにより、規制部材６０を逆止弁４０の胴体部４１に個別に嵌め込むことができる。

なお、以上の実施形態では、シリンダ機構１０の先端部にアタッチメント部材５０を設けるものとしたが、アタッチメント部材５０を設けなくてもよい。

また、逆止弁４０に規制部材６０を設けるものとしたが、逆止弁４０の胴体部４１の径方向内側の変形を規制できる素材であれば、特に規制部材６０を設けなくてもよい。

また、逆止弁４０のノズル部４２を第１のフラップ部４２１と第２のフラップ部４２２からなる錐状に形成したが、３個の以上のフラップ部からなる錐状に形成してもよいし、あるいは１個のフラップ部からなる円錐状に形成してもよい。

また、シリンダ機構１０の内部に通常のボール弁１７を設けるものとしたが、ボール弁１７を設けなくてもよい。

また、本プッシュポンプ１は、液体の種類を限定するものではないが、特に粘性の高い液体（Ｂ型粘度計で１２ＲＰＭでの測定値が１０，０００ｍＰａｓ～３００，０００ｍＰａｓ）に好適に用いられる。

以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。

次に、本発明の第１の実施形態に係る構成のプッシュポンプ１について、粘性の高い下記実験液を対象とした実証実験を行い、図１２に示すように、プッシュヘッド２０の押圧操作１０回を１サイクルとし、横軸にサイクル数、縦軸に吐出量のグラフを作成した。

＜実験液＞
粘度＝１８６，７００ｍＰａｓ
（Ｂ型粘度計で測定－スピンドルＮｏ．９５／回転数１２ＲＰＭ／液温＝６．５度）
実験中の液温＝６．５度
実験開始前の包装容器内の液量＝１７６ｇ

而して、１回目と最終回のサイクルを除くすべてのサイクルにおいて、１サイクル当たり１０ｇ前後の吐出量で吐出することができ、プッシュポンプ１の押圧操作１回当たりでは平均１．１０ｇの吐出量（本発明に係る逆止弁４０が設けられていない従来品の空気が混入しない状態での能力値は平均１．１１ｇ）で吐出することができた。

なお、１回目のサイクルで吐出量が少ないのは、プッシュポンプ１で容器内の液体を吸引するのにプッシュポンプ１の複数回の押圧操作が必要であるからであり、最終回のサイクルで吐出量が少ないのは、容器内の液体の残量が少なくなるからである。

また、５回目のサイクルにおいて、１サイクル当たりの吐出量が１０ｇを下回っているのは、このときに容器内の空気がシリンダ機構１０の流通路１３に混入し、外部に排出したためであると考えられるが、このあとの６回目以降のサイクルでは再び１サイクルあたりの吐出量が１０ｇに戻っていることからも（従来品は、ボール弁１７の付近に空気が滞留して、液体を十分に吐出できなくなる）、本発明に係る逆止弁４０が機能していることが確認できる。

１…プッシュポンプ
１０…シリンダ機構
１１…可動管
１２…固定管
１３…流通路
１４…吸引口
１５…バネ部材
１６…ピストン
１７…ボール弁
２０…プッシュヘッド
２１…ヘッド本体
２２…吐出部
２３…吐出口
３０…蓋体
４０…逆止弁
４１…胴体部
４２…ノズル部
４２１…第１のフラップ部
４２２…第２のフラップ部
４３…流通口
４４…リブ
５０…アタッチメント部材
５１…筒状部材
５２…錐状部材
５３…流入孔
６０…規制部材
２…包装容器
２ａ…口部

Claims (10)

1. 液体が収容される包装容器に取り付けられるプッシュポンプであって、
   内部に軸方向に延びる流通路を有し、先端部に前記流通路に連通する吸引口が形成されたシリンダ機構と、前記シリンダ機構の上部に設けられ、前記流通路に連通する吐出口が形成されたプッシュヘッドとを備え、前記プッシュヘッドの押圧操作により前記包装容器に収容された液体を前記シリンダ機構の前記吸引口から吸引し、前記シリンダ機構の前記流通路を介して前記プッシュヘッドの前記吐出口から吐出するプッシュポンプにおいて、
   前記シリンダ機構の先端部の前記吸引口に逆止弁が設けられ、
   前記逆止弁は、筒状の胴体部と、前記胴体部の軸方向の上部に設けられた錐状のノズル部と、前記ノズル部の軸方向の頂上部に形成された流通口とを備え、
   前記シリンダ機構の先端部の吸引口に対して前記ノズル部から同一軸上に嵌入され、前記胴体部側から前記ノズル部側の一方向に対しては前記流通口が開くことにより液体の通過を許容する一方、前記ノズル部側から前記胴体部側の逆方向に対しては前記流通口が閉じることにより液体の通過を阻止することを特徴とするプッシュポンプ。
2. 前記ノズル部は、前記胴体部から上方にかけて互いに近接方向に傾斜しながら延びる山型の第１のフラップ部と第２のフラップ部から構成され、前記第１のフラップ部と前記第２のフラップ部の頂上部の間に開閉可能な流通口が形成されている請求項１に記載のプッシュポンプ。
3. 前記逆止弁は、前記胴体部の径方向内側の変形を規制する規制部材が設けられる請求項１または請求項２に記載のプッシュポンプ。
4. 前記規制部材は、前記胴体部の内周面の一部または全部を支承する筒状部材である請求項３に記載のプッシュポンプ。
5. 前記規制部材は、前記シリンダ機構の先端部に取り付けられるアタッチメント部材の内側に一体的に設けられる請求項４に記載のプッシュポンプ。
6. 前記規制部材は、前記胴体部の周方向に沿って断続的に設けられた複数の規制片から構成される請求項４に記載のプッシュポンプ。
7. 前記規制部材は、前記胴体部の基端部の外周面に形成されたリブから構成され、前記シリンダ機構の先端部に取り付けられるアタッチメント部材の内側に固定される請求項３に記載のプッシュポンプ。
8. 前記リブは、前記胴体部の基端部の外周面に形成された複数のリブ片を備え、前記アタッチメント部材の内側に形成された差込孔に差し込まれる請求項７に記載のプッシュポンプ。
9. 前記シリンダ機構は、流通路の中途位置において流通を開閉するボール弁が設けられている請求項１に記載のプッシュポンプ。
10. 請求項１に記載の前記プッシュポンプが取り付けられたことを特徴とする包装容器。