JP2024000366A - 車両用シート装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートクッションからの立ち上がりを容易にすると共に、サブマリン現象の発生を抑制することができる車両用シート装置を得る。【解決手段】車両用シート装置10は、乗員Pが着座するシートクッション12と、シートクッション12の内部に配設され、車両衝突時又は車両衝突予知時と、乗員Pの立ち上がり時に膨張展開するシートエアバッグ部20と、乗員Pの立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりも膨張展開の速度が遅くなるようにガスの供給速度を制御する制御部と、を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用シート装置に関する。
自動運転機能を備えた車両の一つとして、前席シートと後席シートとを車両前後方向に対面して配置した対面着座車両の開発が進められている。例えば特許文献1には、車両前後方向に対面して配置された車両用シートの間の車両フロアにエアバッグを搭載した乗員保護装置が開示されている。
しかしながら、対面着座車両において、車両前後方向に対面して配置された車両用シートのうち、前向きの後席シートに着座する乗員は、通常車両とは異なり前方に前席シート等の掴まる物がない為、後席シートから立ち上がる際に容易ではない。さらに、後席シートの前方には、前面衝突時に後席シートに着座している乗員の下肢を拘束する、例えばインナパネル等の反力部材がない為、サブマリン現象が発生し易い。
本発明は上記事実を考慮し、シートクッションからの立ち上がりを容易にすると共に、サブマリン現象の発生を抑制することができる車両用シート装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る車両用シート装置は、乗員が着座するシートクッションと、該シートクッションの内部に配設され、車両衝突時又は車両衝突予知時と、乗員の立ち上がり時に膨張展開するシートエアバッグ部と、乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりも前記膨張展開の速度が遅くなるようにガスの供給速度を制御する制御部と、を含む。
請求項1に記載の本発明に係る車両用シート装置では、シートクッションの内部に配設されたシートエアバッグ部が、乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりも膨張展開の速度が遅くなるように、制御部によってガスの供給速度が制御されている。そのため、車両衝突時又は車両衝突予知時には迅速にシートエアバッグ部を膨張展開できる。このようにシートエアバッグ部が迅速に膨張展開することにより、シートクッションを迅速に持ち上げることができるので、シートベルトによる拘束力を上げることができ、サブマリン現象の発生を抑制することができる。また、乗員の立ち上がり時には、車両衝突時又は車両衝突予知時よりもシートエアバッグ部がゆっくりと膨張展開するので、乗員の立ち上がりを安全に補助することができ、乗員はシートクッションからの立ち上がりを容易に行うことができる。
請求項2に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項1に記載の構成において、前記制御部が、前記膨張展開時に、乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりもシート高さ方向の前記シートクッションの高さが高くなるようにガスの供給量を制御する。
請求項2に記載の本発明に係る車両用シート装置では、制御部が、シートエアバッグ部の膨張展開時に、乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりもシート高さ方向のシートクッションの高さが高くなるようにガスの供給量を制御するので、乗員の立ち上がり時のシートクッションの高さがより高くなることにより、乗員はシートクッションからの立ち上がりをより容易に行うことができる。
請求項3に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項1に記載の構成において、前記制御部が、乗員の立ち上がり時には前記シートエアバッグ部に第1ガス供給部からガスが供給され、車両衝突時又は車両衝突予知時には前記シートエアバッグ部に前記第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い第2ガス供給部からガスが供給されるようにガスの供給を制御する。
請求項3に記載の本発明に係る車両用シート装置では、乗員の立ち上がり時には、シートバック部に第2ガス供給部よりもガスの供給速度が遅い第1ガス供給部からガスが供給される。そのため、第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い、例えば瞬間的にガスを供給するインフレータ等を使用する場合とは異なり、第1ガス供給部はシートエアバッグ部に徐々にガスを供給することができる。従って、第1ガス供給部は、シートバック部をゆっくりと膨張展開させることができ、乗員の立ち上がりを安全に補助することができる。
また、請求項3に記載の本発明に係る車両用シート装置では、車両衝突時又は車両衝突予知時にはシートエアバッグ部に第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い第2ガス供給部からガスが供給されるので、シートエアバッグ部に瞬間的にガスを供給することができる。
請求項4に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項1に記載の構成において、前記シートエアバッグ部が、シート前後方向の前方側に配設される前方エアバッグと、後方側に配設される後方エアバッグとを備え、前記制御部は、車両衝突時又は車両衝突予知時に前記前方エアバッグを膨張展開させ、乗員の立ち上がり時に前記後方エアバッグを膨張展開させる。
請求項4に記載の本発明に係る車両用シート装置では、車両衝突時又は車両衝突予知時に、シート前後方向の前方側に配設された前方エアバッグが膨張展開されるので、シートクッションの前方が膨らむことにより、乗員の下肢側を持ち上げることができる。これにより、シートベルトによる拘束力を上げることができ、サブマリン現象の発生を抑制することができる。
また、請求項4に記載の本発明に係る車両用シート装置では、乗員の立ち上がり時に、シート前後方向の後方側に配設された後方エアバッグが膨張展開されるので、シートクッションの後方が膨らむことにより、乗員のヒップポイントにより近い箇所を持ち上げることができる。これにより、乗員はシートクッションからの立ち上がりをより容易に行うことができる。
請求項5に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項4に記載の構成において、前記シートクッションの内部において、前記前方エアバッグが前記後方エアバッグよりも高い位置に配設されている。
請求項5に記載の本発明に係る車両用シート装置では、シートクッションの内部において、前方エアバッグが後方エアバッグよりも高い位置に配設されているので、車両衝突時又は車両衝突予知時に、乗員の下肢側をより速く持ち上げることができる。また、シートクッションの内部において、後方エアバッグが前方エアバッグよりも低い位置に配設されているので、シートクッションに着座する乗員の座り心地に対する影響を抑えることができる。
請求項6に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項3に記載の構成において、乗員が前記シートクッションに着座した際に操作可能な位置に設けられた操作スイッチを備え、前記制御部は、前記操作スイッチが操作された場合に前記第1ガス供給部からガスが供給されるように制御する。
請求項6に記載の本発明に係る車両用シート装置では、乗員がシートクッションに着座した際に操作可能な位置に設けられた操作スイッチが操作された場合に、制御部により第1ガス供給部からガスが供給されるように制御されるので、乗員が立ち上がる際に操作スイッチを操作することにより任意のタイミングで乗員の立ち上がりを補助することができる。
請求項7に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項4に記載の構成において、前記後方エアバッグが、前記前方エアバッグよりもシート幅方向の寸法が大きく設定されている。
請求項7に記載の本発明に係る車両用シート装置では、後方エアバッグが、前方エアバッグよりもシート幅方向の寸法が大きく設定されているので、シートクッションに着座している乗員を安定して立ち上がらせることができる。また、前方エアバッグが、後方エアバッグよりもシート幅方向の寸法が小さく設定されているので、サブマリン現象の発生を抑制する効果を発揮しつつ、前方エアバッグの膨張展開をより速めることができる。
請求項8に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項1に記載の構成において、前記シートエアバッグ部が、前記シートクッションの座面の中央部に配設され、第1ガス供給部から供給されるガスと、前記第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い第2ガス供給部から供給されるガスとを選択的に供給可能に構成されている。
請求項8に記載の本発明に係る車両用シート装置では、シートエアバッグ部が、第1ガス供給部から供給されるガスと、第2ガス供給部から供給されるガスとを選択的に供給可能に構成されているので、第1ガス供給部からガスが供給されるエアバッグと、第2ガス供給部からガスが供給されるエアバッグとを別に備える態様と比較して、エアバッグの個数を少なくすることができる。このように、部品点数を少なくできることによりコストを低減することができる。
請求項9に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項1に記載の構成において、シート前後方向の後方領域が他の領域よりも伸び易い表皮材で構成されているシート表皮を備える。
請求項9に記載の本発明に係る車両用シート装置では、シート表皮は、シート前後方向の後方領域が他の領域よりも伸び易い表皮材で構成されているので、シートクッションの後方領域を容易に膨らませることができ、乗員の立ち上がりを容易に補助することができる。
請求項10に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項1に記載の構成において、前記シートクッションが、後席シートのシートクッションである。
請求項10に記載の本発明に係る車両用シート装置のように、前方にインナパネル等の反力部材がない為サブマリン現象が発生し易い後席シートのシートクッションであっても、シートエアバッグ部が迅速に膨張展開することにより、シートベルトによる拘束力を上げることができ、サブマリン現象の発生を抑制することができる。また、乗員の立ち上がり時には、シートエアバッグ部は車両衝突時又は車両衝突予知時よりもゆっくりと膨張展開できるので、乗員の立ち上がりを安全に補助することができ、乗員はシートクッションからの立ち上がりを容易に行うことができる。
請求項11に記載の本発明に係る車両用シート装置は、請求項10に記載の構成において、前席シートと前記後席シートとが対面配置可能とされている。
一般的に対面着座車両において、車両前後方向に対面して配置された車両用シートのうち、前向きの後席シートにおいては、着座する乗員は、通常車両と異なり前方に前席シート等の掴まる物がない為、後席シートから立ち上がる際に容易ではない。さらに、後席シートの前方には、前面衝突時に後席シートに着座している乗員の下肢を拘束する、例えばインナパネル等の反力部材がない為、サブマリン現象が発生し易い。
これに対して、請求項11に記載の本発明に係る車両用シート装置は、車両前後方向に対面して配置された車両用シートのうち、前向きの後席シートのシートエアバッグ部が迅速に膨張展開することにより、シートベルトによる拘束力を上げることができ、サブマリン現象の発生を抑制することができる。また、乗員の立ち上がり時には、前向きの後席シートのシートエアバッグ部が車両衝突時又は車両衝突予知時よりもゆっくりと膨張展開できるので、乗員の立ち上がりを安全に補助することができ、乗員はシートクッションからの立ち上がりを容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用シート装置は、シートクッションからの立ち上がりを容易にすると共に、サブマリン現象の発生を抑制することができる、という優れた効果を有する。
<第1実施形態>
以下に添付図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る車両用シート装置10について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、各図において適宜示す矢印UP、矢印FR、矢印LH及び矢印RHは、車両に搭載された車両用シート装置10の上方向、前方向、左右方向(シート幅方向)の左側方向及び右側方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両に搭載された車両用シート装置10の前後方向の前後、左右方向(シート幅方向)の左右、上下方向の上下を示すものとする。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る車両用シート装置10について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、各図において適宜示す矢印UP、矢印FR、矢印LH及び矢印RHは、車両に搭載された車両用シート装置10の上方向、前方向、左右方向(シート幅方向)の左側方向及び右側方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両に搭載された車両用シート装置10の前後方向の前後、左右方向(シート幅方向)の左右、上下方向の上下を示すものとする。
(車両用シートの構成)
第1実施形態の車両用シート装置10は、自動運転車であって、自動運転中においては運転者による運転操作を必要としない車両(例えば、自動車、又は電車等)に設置される。本実施形態においては、車両用シート装置10は、一例として、前席シートと後席シートとが対面配置可能とされている車両における後席シート用とされ、さらに具体的には、一例として左側の後席シート用とされる。
第1実施形態の車両用シート装置10は、自動運転車であって、自動運転中においては運転者による運転操作を必要としない車両(例えば、自動車、又は電車等)に設置される。本実施形態においては、車両用シート装置10は、一例として、前席シートと後席シートとが対面配置可能とされている車両における後席シート用とされ、さらに具体的には、一例として左側の後席シート用とされる。
車両用シート装置10は、図1に示されるように、乗員Pが着座する(乗員Pの臀部及び大腿部を支持する)シートクッション12と、乗員Pの背部を支持する、すなわち背もたれを構成するシートバック14と、乗員Pの頭部を支持するヘッドレスト16と、を備えている。
シートクッション12は、車両用シート装置10の座面部分を構成しており、例えば、ポリウレタンフォーム(発泡ポリウレタン)等の弾性を有する合成樹脂材等によって形成されている。乗員Pは、シートクッション12のシート上側(シート表面)に着座する。また、シートクッション12は、その内部にシートエアバッグ部20を備えている。
シートエアバッグ部20は、ガスが供給されることにより、シートクッション12内部にて膨張展開する。本実施形態においては、シートエアバッグ部20は、シート前方側に配設される前方エアバッグ22と、シート後方側に配設される後方エアバッグ24とを備えている。
折り畳まれた状態すなわち膨張展開前の前方エアバッグ22は、図2に示されるように、シート幅方向の寸法は幅W1で形成されている。また、前方エアバッグ22は、図1に示されるように、シートクッション12のシート上下方向の中央よりも上方側に配設されており、後方エアバッグ24よりも高さHだけ高い位置に配設されている。
同様に折り畳まれた状態すなわち膨張展開前の後方エアバッグ24は、図2に示されるように、シート幅方向の寸法は幅W1よりも大きい幅W2で形成されている。また、後方エアバッグ24は、図1に示されるように、シートクッション12のシート上下方向の中央よりも下方側に配設されており、後方エアバッグ24よりも高さHだけ低い位置に配設されている。
本実施形態においては、一例として図1及び図2に示されるように、シートクッション12の右側面の前方側に操作スイッチ26が設けられている。操作スイッチ26は、乗員Pが立ち上がりたいときに操作されるスイッチであり、乗員Pがシートクッション12に着座した際に操作可能な位置に設けられる。操作スイッチ26が操作されると、操作スイッチ26が操作(オン)されたことを示す信号が後述する制御部50に出力される。
また、シートクッション12には、このシートクッション12への乗員P2の着座を検知する着座検知センサ(図示省略)が設けられている。着座検知センサは、具体的には、シートクッション12の座圧を検知するセンサであり、一つ又は複数の感圧センサによって構成されている。
また、車両用シート装置10が搭載された車両には、車両の衝突を検出する衝突センサ(図示省略)及び車両の衝突を予知する衝突予知センサ(図示省略)が設けられている。衝突センサは、加速度センサ又は圧力センサなどを含んで構成されて車両の衝突を検出するセンサであり、この衝突センサからの信号が後述するECU50へ出力されるようになっている。そして、ECU50は、衝突センサからの信号に基づいて車両の衝突を判断する。
また、衝突予知センサは、ミリ波レーダ、レーザレーダ又は車載カメラなどを含んで構成された衝突を予知するプリクラッシュセンサであり、この衝突予知センサからの信号が後述するECU50へ出力されるようになっている。そして、ECU50は、衝突予知センサからの信号に基づいて車両の衝突が不可避であるかどうかについて判断する。なお、本実施形態の衝突センサ及び衝突予知センサにより検知される衝突形態は、例えば前面衝突である。また、本実施形態において、車両には衝突センサと衝突予知センサの両方が搭載されているが、どちらか一方のみが搭載されていてもよい。
また、本実施形態においてシートクッション12は、図2に示すように、上方から見た場合に後方エアバッグ24が配置されている領域、すなわちシート前後方向の後方領域が他の領域よりも伸び易い表皮材で構成されたシート表皮12Aで覆われている。シート表皮12Aは、具体的には、ポリエステルやウールなどで構成された布、ポリエステルで構成された人工皮革、及び本革等で構成される。本実施形態においては、後方領域のシート表皮12Aは、「伸び易い表皮材」の一例としてニットにより構成されている。なお、「伸び易い表皮材」は、例えば後方領域の厚さが他の領域よりも薄い構成の表皮材であってもよいし、後方領域が他の領域よりも伸び易くなるように、異なる表皮材としてもよい。
本実施形態においては、前方エアバッグ22は、車両衝突時又は車両衝突予知時、すなわち衝突センサにより車両衝突が検知された場合、又は衝突予知センサにより前面衝突が予知された場合に、膨張展開される。また、後方エアバッグ24は、乗員Pの立ち上がり時、すなわち操作スイッチ26が操作された場合に膨張展開される。
図3に示されるように、前方エアバッグ22は第2ガス供給部としてのコンプレッサ30から配管30Aを介してガスが供給される。また、後方エアバッグ24は第1ガス供給部としてのポンプ40から配管40Aを介してガスが供給される。コンプレッサ30は、羽根車やロータの回転運動又はピストンの往復運動によってガスを圧送する機械であり、瞬間的にガスを供給することができる。一方、ポンプ40は、圧力の作用によってガスを供給する機械であり、コンプレッサ30よりも遅い供給速度で、徐々にガスを供給することができる。
コンプレッサ30及びポンプ40は、各々制御部としてのECU(Electronic Control Unit)50に接続されている。ECU50は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。第1実施形態のECU50は、図示しないCPU(Central Processing Unit:プロセッサ)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びストレージ等を含んで構成されており、各構成は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。CPUは、ROM又はストレージからプログラムを読み出し、RAMを作業領域としてプログラムを実行する。
ECU50には、上述した操作スイッチ26、コンプレッサ30、及びポンプ40の他に図示しない着座検知センサ、衝突センサ、及び衝突予知センサ等が電気的に接続されている。ECU50には、操作スイッチ26、着座検知センサ、衝突センサ、及び衝突予知センサ等から出力された出力値が入力される。また、ECU50は、車両用シート装置10が搭載された車両の自動運転部としても機能する。各機能構成は、ECU50のCPUがROM又はストレージに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
本実施形態においては、ECU50は、乗員Pの立ち上がり時の方が、車両衝突時又は車両衝突予知時よりもシートエアバッグ部20の膨張展開の速度が遅くなるようにガスの供給速度を制御する。具体的には、ECU50は、車両衝突時又は車両衝突予知時、すなわち衝突センサにより車両衝突が検知された場合、又は衝突予知センサにより前面衝突が予知された場合には、コンプレッサ30により前方エアバッグ22にガスを瞬間的に供給させることにより、図4に示されるように、前方エアバッグ22を瞬間的に膨張展開させる。
一方、ECU50は、乗員Pの立ち上がり時、すなわち操作スイッチ26が操作された場合には、ポンプ40により後方エアバッグ24にガスを徐々に供給させることにより、図5に示されるように、後方エアバッグ24をゆっくり膨張展開させる。
本実施形態においては、ECU50は、図5に示される乗員Pの立ち上がり時のシート高さ方向のシートクッション12の高さH2の方が、図4に示される車両衝突時又は車両衝突予知時のシート高さ方向のシートクッション12の高さH1よりも高くなるようにガスの供給量を制御する。
次に、第1実施形態の車両用シート装置10による一連の処理についてフローチャートを示して説明する。本実施形態においては、乗員Pは立ち上がりたい場合に、操作スイッチ26をオンにする操作を行う。
乗員Pの立ち上がり時には、図6に示されるように、ECU50は、操作スイッチ26がオンされたか否かを判断する(ステップS11)。オンされていないと判断した場合(ステップS11;NO)、ECU50は、操作スイッチ26がオンされるまでステップS11の処理を繰り返し行う。
ステップS11にて、ECU50が、操作スイッチ26がオンされたと判断した場合(ステップS11;YES)、ECU50は、ポンプ40を作動させて、ポンプ40から後方エアバッグ24にガスを徐々に供給させる(ステップS12)。
次に、ECU50は、乗員Pが立ち上がったか否かを判断する(ステップS13)。具体的には、ECU50は、着座検知センサにより乗員Pが着座している状態ではない、すなわち乗員Pが着座していないことを検知した場合に、乗員Pが立ち上がったと判断する。
ステップS13にて、乗員Pが立ち上がっていないと判断した場合(ステップS13;NO)、ECU50は、乗員Pが立ち上がるまでステップS13の処理を繰り返し行う。一方、ステップS13にて、乗員Pが立ち上がったと判断した場合(ステップS13;YES)、ECU50は、ポンプ40により、後方エアバッグ24からガスを排出させて(ステップS14)、一連の処理を終了する。
また、車両衝突時又は車両衝突予知時には、図7に示されるように、ECU50は、衝突センサにより車両の衝突が検知されたか、又は衝突予知センサにより車両の衝突が予知されたかを判断する(ステップS21)。車両の衝突が検知も予知もされていないと判断した場合(ステップS21;NO)、ECU50は、車両の衝突が検知されるか、又は車両の衝突が予知されるまでステップS21の処理を繰り返し行う。
ステップS21にて、ECU50が、車両の衝突が検知されたか、又は車両の衝突が予知されたと判断した場合(ステップS21;YES)、ECU50は、コンプレッサ30を作動させて、コンプレッサ30から前方エアバッグ22にガスを瞬間的に供給させて(ステップS22)、一連の処理を終了する。
(第1実施形態の作用及び効果)
次に、以上のように構成された第1実施形態に係る車両用シート装置10の作用及び効果について説明する。
次に、以上のように構成された第1実施形態に係る車両用シート装置10の作用及び効果について説明する。
第1実施形態に係る車両用シート装置10は、シートクッション12の内部に配設されたシートエアバッグ部20(前方エアバッグ22及び後方エアバッグ24)が、乗員Pの立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりも膨張展開の速度が遅くなるように、ECU50によってガスの供給速度が制御されている。そのため、車両衝突時又は車両衝突予知時には迅速に前方エアバッグ22(シートエアバッグ部20)を膨張展開できる。このように前方エアバッグ22(シートエアバッグ部20)が膨張展開することにより、シートクッション12のシート前方が持ち上がるので、乗員Pの下肢側を持ち上げることができる。これにより、シートベルトによる乗員Pの拘束力を上げることができ、サブマリン現象の発生を抑制することができる。
また、乗員Pの立ち上がり時には、車両衝突時又は車両衝突予知時よりもゆっくりと後方エアバッグ24が膨張展開するので、乗員Pの立ち上がりを安全に補助することができ、乗員Pはシートクッション12からの立ち上がりを容易に行うことができる。また、シートクッション12のシート後方が膨らむことにより、乗員PのヒップポイントHPにより近い箇所を持ち上げることができる。これにより、乗員Pはシートクッションからの立ち上がりをより容易に行うことができる。
また、第1実施形態にかかる車両用シート装置10では、ECU50が、シートエアバッグ部20の膨張展開時に、乗員Pの立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりもシート高さ方向のシートクッション12の高さが高くなるようにガスの供給量を制御する。そのため、シートクッション12のシート後方の高さがより高くなることにより、乗員PのヒップポイントHPをより持ち上げることができるので、乗員Pはシートクッション12からの立ち上がりをより容易に行うことができる。
また、第1実施形態にかかる車両用シート装置10では、乗員Pの立ち上がり時には、後方エアバッグ24にポンプ40からガスが供給されるので、ポンプ40よりもガスの供給速度が速い、例えば瞬間的にガスを供給するインフレータ等を使用する場合とは異なり、何回でも使用することができる。また、瞬間的にガスを供給するインフレータ等とは異なり、ポンプ40は徐々にガスを供給することができるので、後方エアバッグ24をゆっくりと膨張展開させることができ、乗員Pの立ち上がりを安全に補助することができる。
また、第1実施形態にかかる車両用シート装置10では、車両衝突時又は車両衝突予知時には、前方エアバッグ22はポンプ40よりもガスの供給速度が速い瞬間的にガスを供給するコンプレッサ30からガスが供給されるので、前方エアバッグ22に瞬間的にガスを供給することができる。
また、第1実施形態にかかる車両用シート装置10では、シートクッション12の内部において、前方エアバッグ22が後方エアバッグ24よりも高い位置に配設されているので、車両衝突時又は車両衝突予知時に、乗員Pの下肢側をより速く持ち上げることができる。また、シートクッション12の内部において、後方エアバッグ24が前方エアバッグ22よりも低い位置に配設されているので、シートクッション12に着座する乗員Pの座り心地に対する影響を抑えることができる。
また、第1実施形態にかかる車両用シート装置10では、乗員Pがシートクッション12に着座した際に操作可能な位置に設けられた操作スイッチ26が操作された場合に、ECU50によりポンプ40からガスが供給されるように制御されるので、乗員Pが立ち上がる際に操作スイッチ26を操作することにより任意のタイミングで立ち上がりを補助することができる。
また、第1実施形態にかかる車両用シート装置10では、後方エアバッグ24が、前方エアバッグ22よりもシート幅方向の寸法が大きく設定されているので、シートクッション12に着座している乗員Pを安定して立ち上がらせることができる。また、前方エアバッグ22が、後方エアバッグ24よりもシート幅方向の寸法が小さく設定されているので、サブマリン現象の発生を抑制する効果を発揮しつつ、前方エアバッグ22の膨張展開をより速めることができる。
また、第1実施形態にかかる車両用シート装置10では、シート表皮12Aは、シート後方向の後方領域が他の領域よりも伸び易い材質で構成されているので、シートクッション12の後方領域を容易に膨らませることができ、乗員Pの立ち上がりを容易に補助することができる。
また、第1実施形態にかかる車両用シート装置10では、シートクッション12は、後席シートのシートクッションである。このように、前方にインナパネル等の反力部材がない為サブマリン現象が発生し易い後席シートのシートクッション12であっても、前方エアバッグ22が迅速に膨張展開することにより、シートベルトによる拘束力を上げることができ、サブマリン現象の発生を抑制することができる。また、乗員Pの立ち上がり時には、後方エアバッグ24は車両衝突時又は車両衝突予知時よりもゆっくりと膨張展開できるので、乗員Pの立ち上がりを安全に補助することができ、乗員Pはシートクッション12からの立ち上がりを容易に行うことができる。
また、一般的に対面着座車両において、車両前後方向に対面して配置された車両用シートのうち、前向きの後席シートにおいては、着座する乗員Pは、通常車両と異なり前方に前席シート等の掴まる物がない為、後席シートから立ち上がる際に容易ではない。さらに、後席シートの前方には、前面衝突時に後席シートに着座している乗員の下肢を拘束する、例えばインナパネル等の反力部材がない為、サブマリン現象が発生し易い。
これに対して、第1実施形態にかかる車両用シート装置10では、後席シートのシートクッション12の前方エアバッグ22が車両衝突時又は車両衝突予知時に迅速に膨張展開することにより、シートベルトによる拘束力を上げることができ、サブマリン現象の発生を抑制することができる。また、乗員Pの立ち上がり時には、後席シートのシートクッション12の後方エアバッグ24が車両衝突時又は車両衝突予知時よりもゆっくりと膨張展開するので、乗員Pの立ち上がりを安全に補助することができ、乗員Pはシートクッション12からの立ち上がりを容易に行うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用シート装置10Aについて説明する。第2実施形態の車両用シート装置10Aは、上述した第1実施形態の車両用シート装置10とはシートエアバッグ部20の構成が異なっており、そのほかの構成については同様であるためここでは異なる構成についてのみ説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用シート装置10Aについて説明する。第2実施形態の車両用シート装置10Aは、上述した第1実施形態の車両用シート装置10とはシートエアバッグ部20の構成が異なっており、そのほかの構成については同様であるためここでは異なる構成についてのみ説明する。
図8に示されるように、第2実施形態に係る車両用シート装置10Aのシートエアバッグ部20は、単一エアバッグ28により構成されている。折り畳まれた状態すなわち膨張展開前の単一エアバッグ28は、図8及び図9に示されるように、シートクッション12の座面の中央部に配設されている。一例として、単一エアバッグ28は、乗員Pがシートクッション12に着座した際に、乗員PのヒップポイントHP及び下肢側に対応する領域に配置されている。
図10に示されるように、本実施形態において単一エアバッグ28は、コンプレッサ30から配管60を介して供給されるガスと、ポンプ40から配管60を介して供給されるガスとを選択的に供給可能に構成されている。コンプレッサ30及びポンプ40は、各々ECU50に接続されており、ECU50は、乗員Pの立ち上がり時の方が、車両衝突時又は車両衝突予知時よりも単一エアバッグ28の膨張展開の速度が遅くなるようにガスの供給速度を制御する。
具体的には、ECU50は、車両衝突時又は車両衝突予知時、すなわち衝突センサにより車両衝突が検知された場合、又は衝突予知センサにより前面衝突が予知された場合には、コンプレッサ30により単一エアバッグ28にガスを瞬間的に供給させることにより、図11に示されるように、単一エアバッグ28をシート高さ方向の高さが高さH3となるように瞬間的に膨張展開させる。
一方、ECU50は、乗員Pの立ち上がり時、すなわち操作スイッチ26が操作された場合には、ポンプ40により単一エアバッグ28にガスを徐々に供給させることにより、図12に示されるように、単一エアバッグ28をシート高さ方向の高さが高さH3よりも高い高さH4となるように徐々に膨張展開させる。
すなわち本実施形態においては、ECU50は、図12に示される乗員Pの立ち上がり時のシート高さ方向のシートクッション12の高さH4の方が、図11に示される車両衝突時又は車両衝突予知時のシート高さ方向のシートクッション12の高さH3よりも高くなるようにガスの供給量を制御する。
次に、第2実施形態の車両用シート装置10Aによる一連の処理についてフローチャートを示して説明する。本実施形態においては、乗員Pは立ち上がりたい場合に、操作スイッチ26をオンにする操作を行う。
乗員Pの立ち上がり時には、図13に示されるように、ECU50は、操作スイッチ26がオンされたか否かを判断する(ステップS31)。オンされていないと判断した場合(ステップS31;NO)、ECU50は、操作スイッチ26がオンされるまでステップS31の処理を繰り返し行う。
ステップS31にて、ECU50が、操作スイッチ26がオンされたと判断した場合(ステップS31;YES)、ECU50は、ポンプ40を作動させて、ポンプ40から単一エアバッグ28にガスを徐々に供給させる(ステップS32)。
次に、ECU50は、乗員Pが立ち上がったか否かを判断する(ステップS33)。具体的には、ECU50は、着座検知センサにより乗員Pが着座している状態ではない、すなわち乗員Pが着座していないことを検知した場合に、乗員Pが立ち上がったと判断する。
ステップS33にて、乗員Pが立ち上がっていないと判断した場合(ステップS33;NO)、ECU50は、乗員Pが立ち上がるまでステップS33の処理を繰り返し行う。一方、ステップS33にて、乗員Pが立ち上がったと判断した場合(ステップS33;YES)、ECU50は、ポンプ40により、単一エアバッグ28からガスを排出させて(ステップS34)、一連の処理を終了する。
また、車両衝突時又は車両衝突予知時には、図14に示されるように、ECU50は、衝突センサにより車両の衝突が検知されたか、又は衝突予知センサにより車両の衝突が予知されたかを判断する(ステップS41)。車両の衝突が検知も予知もされていないと判断した場合(ステップS41;NO)、ECU50は、車両の衝突が検知されるか、又は車両の衝突が予知されるまでステップS41の処理を繰り返し行う。
ステップS41にて、ECU50が、車両の衝突が検知されたか、又は車両の衝突が予知されたと判断した場合(ステップS41;YES)、ECU50は、コンプレッサ30を作動させて、コンプレッサ30から単一エアバッグ28にガスを瞬間的に供給させて(ステップS42)、一連の処理を終了する。
(第2実施形態の作用及び効果)
次に、以上のように構成された第2実施形態に係る車両用シート装置10Aの作用及び効果について説明する。
次に、以上のように構成された第2実施形態に係る車両用シート装置10Aの作用及び効果について説明する。
第2実施形態に係る車両用シート装置10Aは、シートクッション12の座面の中央部に配設されたシートエアバッグ部20すなわち単一エアバッグ28が、ポンプ40から供給されるガスと、ポンプ40よりもガスの供給速度が速いコンプレッサ30から供給されるガスとを選択的に供給可能に構成されている。そのため、ポンプ40からガスが供給されるエアバッグと、コンプレッサ30からガスが供給されるエアバッグとを別に備える態様と比較して、エアバッグの個数が少ないので、部品点数を少なくできることによりコストを低減することができる。
また、第2実施形態に係る車両用シート装置10Aでは、シートクッション12の内部に配設された単一エアバッグ28の膨張展開が、乗員Pの立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりも膨張展開の速度が遅くなるように、ECU50によってガスの供給速度が制御されている。そのため、車両衝突時又は車両衝突予知時には迅速に単一エアバッグ28を膨張展開できる。このように単一エアバッグ28が迅速に膨張展開することにより、シートクッション12を迅速に持ち上げることができるので、シートベルトによる拘束力を上げることができ、サブマリン現象の発生を抑制することができる。また、乗員Pの立ち上がり時には、車両衝突時又は車両衝突予知時よりも単一エアバッグ28がゆっくりと膨張展開するので、乗員Pの立ち上がりを安全に補助することができ、乗員Pはシートクッションからの立ち上がりを容易に行うことができる。
また、第2実施形態に係る車両用シート装置10Aでは、ECU50が、膨張展開時に、乗員Pの立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりもシート高さ方向のシートクッション12の高さが高くなるようにガスの供給量を制御するので、乗員Pの立ち上がり時のシートクッションの高さがより高くなることにより、乗員Pはシートクッションからの立ち上がりをより容易に行うことができる。
また、第2実施形態に係る車両用シート装置10Aでは、乗員Pの立ち上がり時には、単一エアバッグ28にコンプレッサ30よりもガスの供給速度が遅いポンプ40からガスが供給されるので、ポンプ40よりもガスの供給速度が速い、例えば瞬間的にガスを供給するインフレータ等を使用する場合とは異なり、何回でも使用することができる。また、瞬間的にガスを供給するインフレータ等とは異なり、ポンプ40は徐々にガスを供給することができるので、単一エアバッグ28をゆっくりと膨張展開させることができ、乗員Pの立ち上がりを安全に補助することができる。
また、車両衝突時又は車両衝突予知時には単一エアバッグ28にポンプ40よりもガスの供給速度が速い瞬間的にガスを供給するコンプレッサ30からガスが供給されるので、単一エアバッグ28に瞬間的にガスを供給することができる。
なお、上述した実施形態においては、車両衝突時又は車両衝突予知時は、衝突センサ(衝突予知センサ)により検出したが本発明はこれに限られない。例えば上記衝突センサ(衝突予知センサ)の検知により動作する自動ブレーキが作動した場合を、車両衝突時又は車両衝突予知時としてもよい。
また、上述した実施形態においては、操作スイッチ26をシートクッション12の右側面の前方側に設けたが、本発明はこれに限られない。シートクッション12に着座した乗員Pが操作可能な位置であれば何れに設けてもよい。
また、上述した実施形態においては、第2ガス供給部としてコンプレッサ30を使用したが本発明はこれに限られない。例えばインフレータを使用してもよい。この場合、前方エアバッグ22又は単一エアバッグ28は、一回しか使用することができない。
また、上述した実施形態においては、車両用シート装置10、10Aは、一例として、前席シートと後席シートとが対面配置可能とされている車両における後席シート用とされ、さらに具体的には、一例として左側の後席シート用とされているが、本発明はこれに限られない。例えば車両用シート装置10、10Aは、右側の後席シート用であってもよいし、前席シート用であってもよい。また、対面配置不可能な車両に搭載されていてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
<付記>
(第1の態様)
乗員が着座するシートクッションと、
該シートクッションの内部に配設され、車両衝突時又は車両衝突予知時と、乗員の立ち上がり時に膨張展開するシートエアバッグ部と、
乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりも前記膨張展開の速度が遅くなるようにガスの供給速度を制御する制御部と、
を含む車両用シート装置。
(第2の態様)
前記制御部は、前記膨張展開時に、乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりもシート高さ方向の前記シートクッションの高さが高くなるようにガスの供給量を制御する第1の態様に記載の車両用シート装置。
(第3の態様)
前記制御部は、乗員の立ち上がり時には前記シートエアバッグ部に第1ガス供給部からガスが供給され、車両衝突時又は車両衝突予知時には前記シートエアバッグ部に前記第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い第2ガス供給部からガスが供給されるようにガスの供給を制御する第1の態様又は第2の態様に記載の車両用シート装置。
(第4の態様)
前記シートエアバッグ部は、シート前後方向の前方側に配設される前方エアバッグと、後方側に配設される後方エアバッグとを備え、
前記制御部は、車両衝突時又は車両衝突予知時に前記前方エアバッグを膨張展開させ、乗員の立ち上がり時に前記後方エアバッグを膨張展開させる第1の態様~第3の態様の何れかの態様に記載の車両用シート装置。
(第5の態様)
前記シートクッションの内部において、前記前方エアバッグが前記後方エアバッグよりも高い位置に配設されている第4の態様に記載の車両用シート装置。
(第6の態様)
乗員が前記シートクッションに着座した際に操作可能な位置に設けられた操作スイッチを備え、
前記制御部は、前記操作スイッチが操作された場合に前記第1ガス供給部からガスが供給されるように制御する第3の態様に記載の車両用シート装置。
(第7の態様)
前記後方エアバッグは、前記前方エアバッグよりもシート幅方向の寸法が大きく設定されている第4の態様又は第5の態様に記載の車両用シート装置。
(第8の態様)
前記シートエアバッグ部は、前記シートクッションの座面の中央部に配設され、第1ガス供給部から供給されるガスと、前記第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い第2ガス供給部から供給されるガスとを選択的に供給可能に構成されている第1の態様~第3の態様の何れかの態様に記載の車両用シート装置。
(第9の態様)
シート前後方向の後方領域が他の領域よりも伸び易い表皮材で構成されているシート表皮を備える第1の態様~第8の態様の何れかの態様に記載の車両用シート装置。
(第10の態様)
前記シートクッションは、後席シートのシートクッションである第1の態様~第9の態様の何れかの態様に記載の車両用シート装置。
(第11の態様)
前席シートと前記後席シートとが対面配置可能とされている第10の態様に記載の車両用シート装置。
(第1の態様)
乗員が着座するシートクッションと、
該シートクッションの内部に配設され、車両衝突時又は車両衝突予知時と、乗員の立ち上がり時に膨張展開するシートエアバッグ部と、
乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりも前記膨張展開の速度が遅くなるようにガスの供給速度を制御する制御部と、
を含む車両用シート装置。
(第2の態様)
前記制御部は、前記膨張展開時に、乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりもシート高さ方向の前記シートクッションの高さが高くなるようにガスの供給量を制御する第1の態様に記載の車両用シート装置。
(第3の態様)
前記制御部は、乗員の立ち上がり時には前記シートエアバッグ部に第1ガス供給部からガスが供給され、車両衝突時又は車両衝突予知時には前記シートエアバッグ部に前記第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い第2ガス供給部からガスが供給されるようにガスの供給を制御する第1の態様又は第2の態様に記載の車両用シート装置。
(第4の態様)
前記シートエアバッグ部は、シート前後方向の前方側に配設される前方エアバッグと、後方側に配設される後方エアバッグとを備え、
前記制御部は、車両衝突時又は車両衝突予知時に前記前方エアバッグを膨張展開させ、乗員の立ち上がり時に前記後方エアバッグを膨張展開させる第1の態様~第3の態様の何れかの態様に記載の車両用シート装置。
(第5の態様)
前記シートクッションの内部において、前記前方エアバッグが前記後方エアバッグよりも高い位置に配設されている第4の態様に記載の車両用シート装置。
(第6の態様)
乗員が前記シートクッションに着座した際に操作可能な位置に設けられた操作スイッチを備え、
前記制御部は、前記操作スイッチが操作された場合に前記第1ガス供給部からガスが供給されるように制御する第3の態様に記載の車両用シート装置。
(第7の態様)
前記後方エアバッグは、前記前方エアバッグよりもシート幅方向の寸法が大きく設定されている第4の態様又は第5の態様に記載の車両用シート装置。
(第8の態様)
前記シートエアバッグ部は、前記シートクッションの座面の中央部に配設され、第1ガス供給部から供給されるガスと、前記第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い第2ガス供給部から供給されるガスとを選択的に供給可能に構成されている第1の態様~第3の態様の何れかの態様に記載の車両用シート装置。
(第9の態様)
シート前後方向の後方領域が他の領域よりも伸び易い表皮材で構成されているシート表皮を備える第1の態様~第8の態様の何れかの態様に記載の車両用シート装置。
(第10の態様)
前記シートクッションは、後席シートのシートクッションである第1の態様~第9の態様の何れかの態様に記載の車両用シート装置。
(第11の態様)
前席シートと前記後席シートとが対面配置可能とされている第10の態様に記載の車両用シート装置。
10 車両用シート装置
10A 車両用シート装置
12 シートクッション
12A シート表皮
20 シートエアバッグ部
22 前方エアバッグ
24 後方エアバッグ
26 操作スイッチ
28 単一エアバッグ
30 コンプレッサ(第2ガス供給部)
40 ポンプ(第1ガス供給部)
P 乗員
10A 車両用シート装置
12 シートクッション
12A シート表皮
20 シートエアバッグ部
22 前方エアバッグ
24 後方エアバッグ
26 操作スイッチ
28 単一エアバッグ
30 コンプレッサ(第2ガス供給部)
40 ポンプ(第1ガス供給部)
P 乗員
Claims (11)
- 乗員が着座するシートクッションと、
該シートクッションの内部に配設され、車両衝突時又は車両衝突予知時と、乗員の立ち上がり時に膨張展開するシートエアバッグ部と、
乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりも前記膨張展開の速度が遅くなるようにガスの供給速度を制御する制御部と、
を含む車両用シート装置。 - 前記制御部は、前記膨張展開時に、乗員の立ち上がり時の方が車両衝突時又は車両衝突予知時よりもシート高さ方向の前記シートクッションの高さが高くなるようにガスの供給量を制御する請求項1に記載の車両用シート装置。
- 前記制御部は、乗員の立ち上がり時には前記シートエアバッグ部に第1ガス供給部からガスが供給され、車両衝突時又は車両衝突予知時には前記シートエアバッグ部に前記第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い第2ガス供給部からガスが供給されるようにガスの供給を制御する請求項1に記載の車両用シート装置。
- 前記シートエアバッグ部は、シート前後方向の前方側に配設される前方エアバッグと、後方側に配設される後方エアバッグとを備え、
前記制御部は、車両衝突時又は車両衝突予知時に前記前方エアバッグを膨張展開させ、乗員の立ち上がり時に前記後方エアバッグを膨張展開させる請求項1に記載の車両用シート装置。 - 前記シートクッションの内部において、前記前方エアバッグが前記後方エアバッグよりも高い位置に配設されている請求項4に記載の車両用シート装置。
- 乗員が前記シートクッションに着座した際に操作可能な位置に設けられた操作スイッチを備え、
前記制御部は、前記操作スイッチが操作された場合に前記第1ガス供給部からガスが供給されるように制御する請求項3に記載の車両用シート装置。 - 前記後方エアバッグは、前記前方エアバッグよりもシート幅方向の寸法が大きく設定されている請求項4に記載の車両用シート装置。
- 前記シートエアバッグ部は、前記シートクッションの座面の中央部に配設され、第1ガス供給部から供給されるガスと、前記第1ガス供給部よりもガスの供給速度が速い第2ガス供給部から供給されるガスとを選択的に供給可能に構成されている請求項1に記載の車両用シート装置。
- シート前後方向の後方領域が他の領域よりも伸び易い表皮材で構成されているシート表皮を備える請求項1に記載の車両用シート装置。
- 前記シートクッションは、後席シートのシートクッションである請求項1に記載の車両用シート装置。
- 前席シートと前記後席シートとが対面配置されている請求項10に記載の車両用シート装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022099112A JP2024000366A (ja) | 2022-06-20 | 2022-06-20 | 車両用シート装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP2022099112A Pending JP2024000366A (ja) | 2022-06-20 | 2022-06-20 | 車両用シート装置 |
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- 2022-06-20 JP JP2022099112A patent/JP2024000366A/ja active Pending
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