JP2023546071A - 二重特異性分子およびそれを用いた処置方法 - Google Patents

二重特異性分子およびそれを用いた処置方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023546071A
JP2023546071A JP2023522463A JP2023522463A JP2023546071A JP 2023546071 A JP2023546071 A JP 2023546071A JP 2023522463 A JP2023522463 A JP 2023522463A JP 2023522463 A JP2023522463 A JP 2023522463A JP 2023546071 A JP2023546071 A JP 2023546071A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bispecific
antibody
antigen
binding molecule
ox40l
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023522463A
Other languages
English (en)
Inventor
シャー,エドワルド
ゴンサレス,ビセンテ マルコ ガルシア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Almirall SA
Original Assignee
Almirall SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Almirall SA filed Critical Almirall SA
Publication of JP2023546071A publication Critical patent/JP2023546071A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/46Hybrid immunoglobulins
    • C07K16/468Immunoglobulins having two or more different antigen binding sites, e.g. multifunctional antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/24Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against cytokines, lymphokines or interferons
    • C07K16/244Interleukins [IL]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2866Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against receptors for cytokines, lymphokines, interferons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2875Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the NGF/TNF superfamily, e.g. CD70, CD95L, CD153, CD154
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2878Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the NGF-receptor/TNF-receptor superfamily, e.g. CD27, CD30, CD40, CD95
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/24Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin containing regions, domains or residues from different species, e.g. chimeric, humanized or veneered
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/31Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency multispecific

Abstract

本発明は、(i) IL-13またはIL-13Rおよび(ii) OX40LまたはOX40を標的とした二重特異性抗原結合分子、それを含む医薬組成物、およびそれを用いる処置、例えばアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患または状態の処置の方法に関する。

Description

本発明は、(i) IL-13またはIL-13Rおよび(ii) OX40LまたはOX40を標的とした二重特異性抗原結合分子、それを含む医薬組成物、およびそれを用いる処置、例えばアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患または状態の処置の方法に関する。
アトピー性皮膚炎(AD)は、慢性、再発/寛解型で、感染可能性のない、掻痒性の炎症性全身性皮膚疾患である。一般的でますます広まっている疾患であり、先進国では子どものおよそ15-30%、大人の2-10%が発症していると見積もられ、推定20%の人が一生のどこかの時点でADを発症すると考えられている。ADはあらゆる年齢で発生しうるが、典型的には幼児期に始まり、子どもでより一般的になる。多くの人は状態が回復していくが、それでも大人の間で広まっている疾患であり、子どものころからの遷延的な疾患、または成人発症型あるいは再発性ADとして、発生しうる。ADはしばしば血清IgEレベルの上昇と関係しており、患者はしばしばアレルギー性鼻炎、喘息、食物アレルギーなどのアレルギー状態の個人歴または家族歴を持っている(Boguniewicz et al. (2017), J Allergy Clin Immunol Pract 5(6):1519-1531)。ADは感染症リスクおよび虚血性心疾患、虚血性脳卒中および他の循環器疾患などの重篤な臨床状態への進行リスクの増加と関連している。AD患者は、悪性リンパ腫のリスクも増加するが、これはステロイド使用による可能性がある(Boguniewicz et al. (2017))。ADの症状は、紅斑、浮腫、びらん、毛細血管性出血、痂皮形成および苔癬化を含み、この状態の特徴と考えられているかゆみ(むずかゆさ)を伴う(Kirchhof et al. (2018), J Cutan Med Surg., 22(IS) 6S-9S)。
ADの病理は、遺伝的、環境的および免疫学的要因が役割を果たすとされる裏付けのある複雑なものと考えられており、2型炎症経路が中心的な役割であると考えられる(Kirchhof et al. (2018))。Th17によって主に引き起こされる乾癬とは異なり、ADは多因子性の病理を持っており、それゆえ、最適な治療効果を得るには複数の経路を標的とする必要があるかもしれない。
二重特異性体(Bispecifics)は、複数経路を標的とし、ADに対して現在開発されている他のバイオ医薬品と比べて競争的優位をもたらす可能性を提供する。二重特異性体の利点は「一重特異性体(monads)」より優れた有効性を含みうるもので、また二重特異性体は「一重特異性体」と同等または優れたPK価値(投薬頻度)および同等または優れた安全特性を提供しうる。
多数のサイトカインと他の因子がADに関係づけられ、現在、ADに対して、様々な分子にターゲティングする抗体が、治験または開発中である。例としては、抗IL-1a、抗IgE、抗IL-4、抗IL-4Ra、抗IL-5、抗12/23p40、抗IL-13、抗13R、抗17A、抗17C、抗IL-22R、抗IL-23A、抗IL-31、抗IL-31Ra、抗IL-33、抗IL-33R、抗OX40Lおよび抗TSLPの抗体を含む。
2型ヘルパーT細胞(Th2)関連サイトカインは、自然免疫系および適応免疫系において多面的な効果を持っている。腫瘍壊死因子αとのシナジーにおいて、IL-4およびIL-13は、ケラチノサイト内で胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)産生を誘導し、免疫系のTh2傾斜の進行を増大させる。IL-4およびIL-13は、フィラグリン、インボルクリンおよびロリクリンを含むいくつかの構造バリアタンパク質(structural barrier proteins)のmRNA発現およびタンパク質合成を減少させ、皮膚バリアの機能障害およびケラチノサイト媒介免疫活性の増悪を引き起こす。ADのTh2誘導性炎症の特性のため、Th2関連分子は、炎症の減少および負のフィードバックループを破壊するために魅力的な標的となりうる。
しかし、ADの病理は複雑である。2型のメカニズムが支配的ではあるが、多数の免疫経路が疾患に関わっているとの証拠が増えてきている。AD患者では、OX40L陽性の樹状細胞(DC)が非常に増えており、そのパートナーであるOX40も、浸潤リンパ球の炎症部位で増加している。OX40-OX40L経路のブロックは、例えば、AD、喘息、過敏性腸疾患、移植拒絶反応、自己免疫性糖尿病、GVHD、自己免疫性脳脊髄炎などのヒト自己免疫疾患のいくつかの動物モデルにおいて保護的(protective)であることが示されてきた。IL-13とOX-40Lの両方の遮断は、IL-13に引き起こされる2型反応をブロックし、異なるThサブセットを広く阻害する。
多くの医薬および処置が、ADの対応に利用可能である。これらは一般的には、皮膚の炎症およびむずかゆさ(かゆみ)の低減、皮膚バリア機能の回復および健康関連の生活の質(HRQoL)の向上を目的とする。利用可能な治療には、保湿、基礎治療(例えば原因回避(trigger avoidance))、植物療法、外用療法および全身療法が含まれる。AD治療に使用される医薬の例には、かゆみ止めクリーム、抗ヒスタミン薬、ステロイド外用薬(TCS)およびカルシニューリン阻害薬が含まれる。さらに近年では、抗体に基づく治療が開発されてきている。
利用可能な処置方法について、安全性および毒性の懸念、処置への耐性の発生(例えば、TCSまたはカルシニューリン阻害剤への耐性)ならびに患者コンプライアンスの低下へとつながる患者の許容性および利便性を含む、様々な欠点が当該技術分野で報告されている。そのため、ADに対する新規処置方法の開発ニーズが存在する。
ADのほか、IL-13およびOX40Lは他の多くの疾患および状態の重要な因子であると特定され、これらのサイトカインのアンタゴニズムは、従ってこれらの疾患および状態の処置に有用たりうる。
IL-13に関連する疾患および状態の例には以下を含む:
皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、慢性手湿疹、アレルギー性皮膚炎)、喘息、アレルギー性鼻炎、COPD、癌、炎症性腸疾患、線維症、強皮症および好酸球性食道炎(参照例、May R and Fung M. Cytokine 2015;75:89-116, and Gandhi N. et al. Nat. Rev. Drug Discover. 2016;15:35-50)。
OX40Lに関連する疾患および状態の例には以下を含む:
皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、慢性手湿疹、アレルギー性皮膚炎)、胃腸自己免疫疾患(例えば、潰瘍性胃腸炎またはクローン病)、アレルギー性脳炎、移植片対宿主病、増殖性ループス腎炎、関節リウマチ、炎症性筋疾患、血管炎、喘息およびコラーゲン誘導性関節炎(参照例、Murata et al. J Immunol 2002; 169:4628-4636 and Hori, Internat. J. Hematol. 2006; 83:17-22))。
本発明は、
IL-13またはIL-13R抗原結合ドメインである第1の抗原結合ドメイン(B1)およびOX40LまたはOX40抗原結合ドメインである第2の抗原結合ドメイン(B2)を含む二重特異性抗原結合分子であって、(i) IL-13またはIL-13Rおよび(ii) OX40LまたはOX40に特異的に結合する二重特異性抗原結合分子を提供する。
二重特異性抗原結合分子は、IL-13RからのIL-13シグナリングおよびOX40からのOX40Lシグナリングの両方をアンタゴナイズする。シグナリングに対するアンタゴニスト作用は、二重特異性抗原結合分子が各リガンドと各受容体の相互作用を妨げることによりなしうる、または当該分子がリガンド結合に続く受容体の多量体形成を妨げることによりなしうる。
本発明は、本発明の二重特異性抗原結合分子および医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物も提供する。
本発明はさらに医薬として使用するための本発明の二重特異性抗原結合分子を提供する。
患者の疾患または状態を処置する方法であって、前記疾患または状態がIL-13および/またはOX40Lが関連または媒介するものであり、前記方法が本発明の二重特異性抗原結合分子を患者に投与することを含む方法もさらに提供する。
本発明は、患者の疾患または状態を処置する方法における使用のための本発明の二重特異性抗原結合分子であって、前記疾患または状態がIL-13および/またはOX40Lが関連または媒介するものであり、前記方法が本発明の二重特異性抗原結合分子を患者に投与すること含む二重特異性抗原結合分子をさらに提供する。
本発明は、患者の疾患または状態を処置するための医薬の製造における本発明の二重特異性抗原結合分子の使用であって、前記疾患または状態がIL-13および/またはOX40Lが関連または媒介するものである使用も提供する。
発明の詳細な説明
開示される物および方法の様々な応用が、本技術分野特有のニーズに適合しうると解される。本明細書で使用される用語は、本発明の特定の実施形態のみを記載する目的のためであり、限定する意図で使用されるものでない。
加えて、本明細書と添付の請求項で使用される単数形の「a」、「an」および「the」は明確に指示されていないかぎり複数の言及を含む。つまり、例えば「an agent」の用語は、1つの薬への言及だけでなく複数の薬(薬の混合物も含む)への言及も含む。
本明細書で使用される、「約」なる用語は、数値の平均に関して使用され、例えば、数値の±25%、好ましくは±15%、さらに好ましくは±10%、さらにまた好ましくは±5%、もっとも好ましくは±2%または±1%である。必要な場合は、「約」の語は、本発明の定義から省略されてもよい。
「ポリペプチド」なる用語は、本明細書では、その最も広い意味で使用され、2個以上のアミノ酸、アミノ酸類似体、またはペプチド模倣体サブユニットの化合物を意味する。それゆえ、「ポリペプチド」なる用語は、短ペプチド配列、より長いペプチド、およびタンパク質を含む。「アミノ酸」なる用語は、天然および/または非天然または合成アミノ酸のいずれを意味してもよく、DまたはL鏡像異性体の両方、アミノ酸類似体およびペプチド模倣体も含む。
本明細書で使用される「抗体」なる用語は、抗体全体およびあらゆる抗原結合フラグメントを含む。抗体は様々な形態および特性が想定されるが、典型的には、ジスルフィド結合で架橋された少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖またはその抗原結合フラグメントを含む、糖タンパク質のことをいう。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書では、HCVRまたはVHのように略記する)および重鎖定常領域を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書では、LCVRまたはVLのように略記する)および軽鎖定常領域を含む。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。VH領域およびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と名付けられる超可変領域へとさらに細分でき、フレームワーク領域(FR)と名付けられるより保存された領域がその間に存在する。
抗体は、全長重鎖および全長軽鎖またはその抗原結合フラグメントを持つ完全な抗体分子を含みうる、またはからなりうる。抗体の「抗原結合フラグメント」などの用語は、抗原への特異的な結合能力を保持している抗体の一部分への言及を含む。抗体の抗原結合機能は、全長抗体のフラグメントによりなしうることが示されている。抗体およびその抗原結合フラグメントは、Fab、改変Fab、Fab’、改変Fab’、F(ab’)2、Fv、一本鎖抗体(例えば、VHまたはVLまたはVHH)、scFv、二価、三価または四価抗体、Bis-scFv、ダイアボディ(diabodies)、トリアボディ(triabodies)、テトラボディ(tetrabodies)および上記のあらゆるエピトープ結合フラグメントであってもよいが、それらに限定されない(例えば、Holliger and Hudson, 2005, Nature Biotech. 23(9):1126-1136; Adair and Lawson, 2005, Drug Design Reviews - Online 2(3), 209-217を参照のこと)。上記の抗体フラグメントの創造および製造の方法は、周知技術であり(例えば、Verma et al., 1998, Journal of Immunological Methods, 216, 165-181を参照のこと)、そのフラグメントは、完全抗体と同様の手法で効果を検査してもよい。本発明で使用される他の抗体フラグメントは、WO2005/003169、WO2005/003170およびWO2005/003171に記載のFabおよびFab’フラグメント、およびWO2009/040562に記載のFab-dAbフラグメントを含む。多価抗体は、複数の特異性を含んでもよく、または単一特異性(例えば、WO92/22853およびWO05/113605、およびWO2007/024715に記載のDVD-Ig、またはWO2011/030107に記載のいわゆる(FabFv)2Fc、を参照のこと)でもよい。代替の複数特異性抗原結合フラグメントは、2つのscFvsまたはdsscFvsに結合したFabであって、各scFvまたはdsscFvが同一のまたは異なる標的に結合するものを含む(例えば、治療標的に結合する1つのscFvまたはdsscFvと、例えばアルブミンに結合することにより半減期を増大する1つのscFvまたはdsscFv)。このような抗体フラグメントはWO 2015/197772に記載され、本明細書において参照によりその全体を、特に抗体フラグメントの説明に関して、援用する。上記抗体フラグメントは、当業者に周知の従来技術を用いて取得してもよく、そのフラグメントは完全抗体と同様の方法で有用性の検査をしてもよい。
抗体の用語は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、単一特異性抗体、および複数特異性(例えば、二重特異性)抗体、ならびにその抗原結合フラグメントを包含する。複数特異性抗体は、少なくとも2つの標的エピトープ、典型的には別々の抗原上の少なくとも2つの標的エピトープ、に結合することができる。本発明の二重特異性抗原結合分子の場合、その二重特異性抗原結合分子は、2つの別の抗原((i) IL-13またはIL-13Rおよび(ii) OX40LまたはOX40)に結合可能である。
抗体の用語は、抗体のいかなるクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAまたはIgY)、またはサブクラス(例えば、IgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4)をも包含する。抗体は、例えば、キメラ抗体、CDRグラフト抗体、ナノボディ、ヒトまたはヒト化抗体、または前記のいずれかの抗原結合フラグメントであってもよい。典型的には、抗体はヒト抗体またはヒト抗体派生物である。「ヒト抗体派生物」などの用語は、ヒト抗体のあらゆる改変形態を含み、例えば、その抗体と別の物質(例えば、薬)または抗体とのコンジュゲートである。完全ヒト型抗体というのは、重鎖および軽鎖の両方の可変領域および定常領域(存在する場合)が、同じ抗体由来である必要はないが、すべてヒト由来、または実質的にヒト由来の配列と特定されるような、抗体である。
「疾患」、「障害」および「状態」なる用語は、本明細書では、文脈で明確に指示がない限り互換的に用いられうる。
本明細書で引用されるすべての出版物、特許および特許出願は、上記また下記に関わらず、本明細書では、その全体が参照により援用される。
IL-13およびOX40L
「標的とする」および「向けられる」などの用語は、本明細書では互換的に使用できる。本発明は、(i) IL-13またはIL-13R、および(ii) OX40LまたはOX40を標的とする二重特異性抗原結合分子を提供する。当該分子は、本発明の方法、例えばADなどの皮膚疾患または状態を処置するための方法に有用である。本発明の分子の一般的クラスは、本明細書では、「抗IL-13/IL-13Rおよび抗OX40L/OX40二重特異性抗原結合分子」と呼ばれうる。
IL-13/IL-13Rを標的とする二重特異性抗原結合分子は、IL-13またはIL-13Rに特異的に結合することができ、OX40L/OX40を標的とする二重特異性抗原結合分子は、特異的にOX40LまたはOX40に結合することができる。つまり、本発明の分子の一般的クラス内で、以下の具体的な実施形態が提供される:
(i) IL-13およびOX40Lに特異的に結合する二重特異性抗原結合分子(場合により、本明細書では「抗IL-13/OX40L二重特異性抗原結合分子」という);
(ii) IL-13およびOX40に特異的に結合する二重特異性抗原結合分子(場合により、本明細書では「抗IL-13/OX40二重特異性抗原結合分子」という);
(iii) 特異的にIL-13RおよびOX40Lに特異的に結合する二重特異性抗原結合分子(場合により、本明細書では「抗IL-13R/OX40L二重特異性抗原結合分子」という); 、および
(iv) 特異的にIL-13RおよびOX40に特異的に結合する二重特異性抗原結合分子(場合により、本明細書では「抗IL-13R/OX40二重特異性抗原結合分子」という)。
選択肢(i)が、特に好ましい。
IL-13/IL-13RおよびOX40L/OX40の相互作用のそれぞれの少なくとも1つのパートナーと結合することにより、二重特異性抗原結合分子はIL-13とOX40Lの両方をアンタゴナイズする。本発明の二重特異性抗原結合分子はそのため、IL-13アンタゴニストであり、OX40Lアンタゴニストでもある。「アンタゴニスト」などの用語は、リガンド分子(例えば、IL-13またはOX40L)の受容体への結合により媒介される細胞内シグナリングなどの、リガンド分子の生物活性の1以上を、阻害または減弱する物質(例えば、本発明の二重特異性抗原結合分子)への言及を含む。アンタゴニストは、リガンドとその受容体との結合または相互作用を、(標的またはその受容体のどちらかに結合することにより)阻害または減弱することができるが、例えば、リガンドの受容体への結合への影響なしに、受容体の二量体形成を阻害することもできる。いくつかの実施形態では、リガンドとその受容体との間の結合は完全にまたは実質的にブロックされる。アンタゴニストは、例えば中和抗体であってもよい。
いくつかの実施形態では、アンタゴニストは、リガンドとその1以上の受容体との結合または相互作用を阻害または減弱することなく、二量体形成または多量体形成を阻害しうる。例えば、IL-13アンタゴニズムの場合、抗原結合分子は、IL-13のIL13Ra1またはIL13Ra2への結合を阻害することなく、IL4Ra/IL13Ra1二量体形成を阻害することにより、IL-13シグナリングを阻害しうる。いくつかの実施形態では、受容体の二量体形成は、完全にまたは実質的に阻害されうる。別の例では、OX40アンタゴニズムの場合、抗原結合分子は、OX40のOX40Lへの結合を阻害することなく、OX40多量体形成を阻害することにより、OX40Lシグナリングを阻害しうる。いくつかの実施形態では、受容体の多量体形成は、完全にまたは実質的に阻害されうる。
本明細書において使用される「IL-13」(インターロイキン-13)の表現は、あらゆる天然の哺乳類のIL-13配列(例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル)、またはマウス)を含み、好ましくはヒトIL-13である。その用語は、全長の、プロセッシングを受けていないIL-13、および細胞プロセッシングの結果生じるあらゆる形態のIL-13を包含する。その用語は、野生型タンパク質、自然発生バリアント、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアント、ならびに他のあらゆるアイソフォームまたは変異型、および前述のいずれかの改変型および非改変型を包含する。IL-13への言及は、例えば組換え的にまたは合成法により生産しうる、自然発生または内在性の哺乳類IL-13と同じアミノ酸配列を持つタンパク質を含む。対応する哺乳類がヒトである場合、そのタンパク質はhIL-13と呼ばれうる。様々な種由来のIL-13のヌクレオチドおよびアミノ酸配列が決定されてきており、公開配列データベースから容易に利用可能である。hIL-13なる用語は、UniProtKB Accession No. P35225でアクセス可能な、または配列番号1および配列番号2(それぞれシグナルペプチド有り、または無し)で定められる例示的なIL-13配列、ならびにその細胞プロセッシングから生じうるその生物学的に活性なフラグメントおよび他のhIL-13配列を包含する。ある例では、IL-13配列は、場合により外因性でありうる、つまり非天然シグナルペプチドであるような、シグナルペプチドを含んでもよい。他の例では、IL-13タンパク質はシグナルペプチドのない成熟タンパク質である。
本明細書で使用される「IL-13R」(インターロイキン-13受容体)の表現は、典型的にはIL-4Rα鎖サブユニットおよびIL-13Rα1鎖サブユニットにより形成される複合体からなる「共有の」IL-4/IL-13受容体のことをいうが、単一のIL-13Rα2鎖サブユニットからなる「個別の」IL-13受容体を含んでもよい。IL-13Rを形成するためのIL-4RαおよびIL-13Rα1のヘテロ二量化は、IL-13の結合により誘導され、ヤヌスキナーゼ(JAK)/シグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)経路の活性化を促進し、STAT6をリン酸化する。STAT6のリン酸化は、多くの遺伝子を活性化する転写因子として作用する。IL-13はまた、IL-13の負の調節因子として機能すると考えられている単鎖IL-13Rα2と強力なアフィニティをもって結合できる。
IL-13Rは典型的には哺乳類(例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル)、またはマウス)、好ましくはヒトのものである。その用語は、全長の、プロセッシングを受けていないサブユニット、ならびに細胞プロセッシングの結果生じるあらゆる形態のサブユニットを包含する。その用語は、野生型タンパク質、自然発生バリアント、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアント、ならびにあらゆる他のアイソフォームおよび変異型、および前述のいずれかの改変型および非改変形型を包含する。IL-13Rへの言及は、例えば組換えまたは合成法で生産しうる、自然発生または内在性の哺乳類IL-13Rサブユニットと同じアミノ酸配列を持つタンパク質を含む。対応する哺乳類がヒトである場合、そのタンパク質はhIL-13Rと呼ばれうる。様々な種由来のIL-13Rサブユニットのヌクレオチドおよびアミノ酸配列が決定されてきており、公開配列データベースから容易に利用可能である。hIL-13Rなる用語は、以下を含む、または以下からなるタンパク質を包含する:
- UniProtKB Accession No P78552でアクセス可能な、または配列番号5で定められる例示的なIL-13Rα1配列;
- UniProtKB Accession No P14627でアクセス可能な、または配列番号6で定められる例示的なIL-13Rα2配列;
- UniProtKB Accession No P24394でアクセス可能な、または配列番号7で定められる例示的なIL-4Rα配列;
ならびに、その細胞プロセッシングから生じうる、生物学的に活性なそのフラグメントおよび他の配列。特定の例では、上記配列は、場合により外因性でありうる、つまり非天然のシグナルペプチドであるような、シグナルペプチドを含んでもよい。他の例では、IL-13Rタンパク質はシグナルペプチドのない成熟タンパク質である。
IL-13シグナリングをアンタゴナイズ可能な様々な結合様式がある。例えば、レブリキズマブは、強力なアフィニティをもってIL-13に結合し、IL-4Rαに結合するIL-13をブロックすることによりIL-13シグナリングを阻害し、一方、トラロキヌマブは、IL-13がIL-13Rα1とIL-13Rα2の両方に結合することを妨げる。両ケースとも、STAT6のリン酸化および続く遺伝子発現の帰結を妨げる。
IL-13のアンタゴニズムを決定するアッセイは公知であり、いずれの好適なアッセイを使用してもよい。好適なアッセイは、IL-13により誘導されるSTAT6経路の活性化を評価するために設計された細胞株の使用を含んでいる。好適な細胞株はSTAT6応答性プロモーターの制御下でレポーター遺伝子を発現しうる。例えば、細胞は、4つのSTAT6結合サイトに結合したIFN-βミニマルプロモーターの制御下で分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)を発現するように改変されてもよい。上記細胞では、STAT6経路の活性化はレポーター遺伝子(例えば、SEAP)の発現を誘導する。レポーターの発現はいずれの公知の方法を用いて検出してもよい。例えば、上清へのSEAPの分泌は、QUANTI-Blue試薬などのSEAP検出試薬を用いて容易に評価できる。アッセイに用いられる細胞株は、十分に活性なSTAT6シグナリング経路を持っていなければならない。それゆえ、細胞株がHEK(例えば、HEK293)の場合、ヒトSTAT6遺伝子は安定に遺伝子導入されなければならない。1つの実施形態では、IL-13アンタゴニズムのためのアッセイに用いられるHEK細胞は、HEK-Blue IL-4/IL-13レポーター細胞(InvivoGen)である。
あるいは、ヒト初代ケラチノサイト(2人のドナー)におけるIL-13誘導STAT6リン酸化アッセイが、IL-L3アンタゴニズムのためのアッセイに用いられてもよい。例えば、初代ケラチノサイト(例えば、NHEK、成人皮膚、Lonza)は、ウシ脳下垂体抽出物(25 μg/ml)および組換え上皮成長因子(EGF) (0.25 ng/ml)添加のケラチノサイト無血清培地(SFM)で培養しうる。ケラチノサイトは、刺激前に成長因子が除かれ、その後、段階希釈したヒト組換えIL-13の刺激を受ける。次いで、10から60回の刺激の後、pSTAT6の細胞内レベルが、例えば、AlphaLISA SureFire Ultra p-STAT6 (Tyr641) Assay Kit (ALSU-PST6-A500, PerkinElmer)を用いて、決定される。
本明細書において使用される「OX40L」(OX40リガンド、腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー4)の表現は、あらゆる天然の哺乳類のOX40L配列(例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル)、またはマウス)を含み、好ましくはヒトOX40Lである。その用語は、全長の、プロセッシングを受けていないOX40L、および細胞プロセッシングの結果生じるあらゆる形態のOX40Lを包含する。その用語は、野生型タンパク質、自然発生バリアント、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアント、ならびにあらゆる他のアイソフォームおよび変異型、および前述のいずれかの改変型および非改変型を包含する。OX40Lへの言及は、例えば組換え的にまたは合成法により生産しうる、自然発生または内在性の哺乳類OX40Lと同じアミノ酸配列を持つタンパク質を含む。対応する哺乳類がヒトである場合、そのタンパク質はhOX40Lと呼ばれる。様々な種のOX40Lのヌクレオチドおよびアミノ酸配列が決定され、公開配列データベースから容易に利用可能である。hOX40Lなる用語は、例えばUniProtKB Accession No. P43489でアクセス可能な、または配列番号3で定められる、全長の、プロセッシングを受けていないOX40Lの183個のアミノ酸配列、ならびに例えばプロテアーゼまたは選択的スプライシングなどによる細胞プロセッシングの結果生じうる生物学的に活性なフラグメントおよび他のhOX40L配列(例えば、全長hOX40Lタンパク質の51-183残基)を包含する。配列番号3の51-183残基を含む例示的なhOX40Lの配列は、配列番号4に定められる。
本明細書において使用される「OX40」(OX40、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4)の表現は、あらゆる天然の哺乳類のOX40配列(例えば、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、サル)、またはマウス)を含み、好ましくはヒトOX40である。その用語は、全長、プロセッシングを受けていないOX40、ならびに細胞プロセッシングの結果生じるあらゆる形態のOX40を包含する。その用語は、野生型タンパク質、自然発生バリアント、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアント、ならびにあらゆる他のアイソフォームおよび変異型、および前述のいずれかの改変型および非改変型を包含する。OX40への言及は、例えば組換え的にまたは合成法により生産しうる、自然発生または内在性の哺乳類OX40と同じアミノ酸配列を持つタンパク質を含む。
対応する哺乳類がヒトである場合、そのタンパク質はhOX40と呼ばれる。様々な種のOX40のヌクレオチドおよびアミノ酸配列が決定され、公開配列データベースから容易に利用可能である。hOX40なる用語は、UniProtKB Accession No. P43489でアクセス可能な、または配列番号1および配列番号8で定められる例示的なOX40配列、ならびにその細胞プロセッシングから生じうるその生物学的に活性なフラグメントおよび他の配列を含む、またはからなるタンパク質を包含する。特定の例では、OX40配列は、場合により外因性でありうる、つまり非天然のシグナルペプチドであるような、シグナルペプチドを含んでもよい。他の例では、OX40タンパク質はシグナルペプチドのない成熟タンパク質である。
OX40Lは、機能的ホモ三量体の形成を調整する腫瘍壊死因子スーパーファミリーのメンバーである。OX40の3つのコピーがOX40-OX40L複合体を形成するために三量体のリガンドに結合する。受容体のクラスター化がシグナリング経路の十分な活性化に必要とされる。OX40とOX40Lの両方に結合する抗体が、OX40-OX40L複合体形成により誘導される細胞内シグナリングをアンタゴナイズすることができると記載されている(Compaan et al. Structure 2006; Croft et al. Immunol Rev. 2009; Webb et al. Review. Clinic Rev Allerg Immunol. 2016; Guttman-Yassky et al. J Allergy Clin Immunol.)。
OX40Lのアンタゴニズムを決定するアッセイは公知であり、いずれの好適なアッセイを用いてもよい。好適なアッセイは、NF-κBおよびAP-1経路の活性化をモニタリングすることによりOX40Lの生理活性を検出するようにデザインされたアッセイを含む。例えば、そのアッセイは、NF-κB/AP-1応答性のプロモーターの制御下でレポーター遺伝子を発現する細胞株を用いてもよい。上記のアッセイによると、上記細胞の表面にあるホモ三量体OX40受容体へのヒトOX40Lの結合が、NF-κBおよびその後のレポーター遺伝子発現の活性化を導くシグナリングカスケードのトリガーとなる。
あるいは、準最適濃度の抗CD3で処置されたCD3陽性T細胞またはPBMC(2人のドナー由来)におけるOX40L誘導IL2およびIFNγの発現を、OX40L-OX40アンタゴニズムのためのアッセイに用いてもよい。例えば、PBMCをドナーの新鮮なヒト全血から密度勾配遠心で精製してもよい。分離したPBMCは、その後、10%FBS、2mM L-グルタミン、100 U/mL ペニシリン、および100 μg mL ストレプトマイシン添加のRPMI1640に播種し、続いて、その細胞を準最適な濃度の抗CD3および段階希釈されたヒト組換えOX40Lでインキュベートする。細胞を、一晩培養し、その後、培養上清中のIL2およびIFNyレベルを、メーカー説明書に従い、ELISA(R&D Systems, #D2050および#DY285)により測定しうる。
あるいは、OX40L発現細胞におけるOX40バックシグナリングを、OX40L-OX40アンタゴニズムのためのアッセイに用いうる。例えば、THP-1細胞株の細胞をLPSで刺激し、OX40(ECD)および/またはベンチマークおよび特定された抗体の存在下でインキュベートしうる。IL6レベルを、メーカー説明書に従い、ELISA(R&D Systems, #D6050)により測定しうる。OX40Lの内部移行は、例えば、ビオチン標識ヒトOX40タンパク質の段階希釈を用いて、またはビオチン標識抗OX40L抗体およびストレプトアビジン-アロフィコシアニンで染色し、同条件でFACSにより測定してもよい。
本明細書において前述またはその他で記載されるすべてのデータベース記載内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
本明細書で使用されるIL-13、IL-13R、OX40LおよびOX40の語は、典型的には、それぞれhIL-13、hIL-13R、hOX40LおよびhOX40のことをいう。したがって、文脈上特に明記されていない限り、本明細書におけるIL-13、IL-13R、OX40LおよびOX40への言及は、そのヒト型への言及であると解される。
二重特異性抗原結合分子
本明細書で使用される「二重特異性抗原結合分子」なる用語は、2つの異なる抗原/標的(本発明においては、(i) IL-13またはIL-13Rおよび(ii) OX40LまたはOX40)に結合し、好ましくは生物学的機能を中和する能力を持つ、あらゆる抗原結合コンストラクトを包含する。二重特異性抗原結合分子は様々な形態をとることができ、例えば、タンパク質、ポリペプチド、分子複合体であってもよい。二重特異性抗原結合分子は、例えば、1本鎖多機能ポリペプチド、または共有結合または非共有結合により結合した2以上のポリペプチドの多量体であってもよい。例示的な実施形態では、二重特異性抗原結合分子は、二重特異性抗体である。本発明の二重特異性結合分子は、2つの標的とする相互作用のうちの1つにそれぞれ対する単一特異性薬の組み合わせを用いる処置計画よりも、IL-13および/またはOX40Lが関連または媒介する疾患または状態(例えば、AD)の処置において、有利に、高い効力および/または効果を示しうる。
本発明の二重特異性抗原結合分子は、(i) IL-13またはIL-13Rおよび(ii) OX40LまたはOX40に特異的に結合する、抗IL-13/OX40L結合分子を含む。2つの分子が特異的にお互いに結合するかを決定する方法は、当技術分野で周知である。KDを、結合分子とその標的/抗原とのアフィニティの測定に用いてもよい。低いKD値は標的に対する高いアフィニティを示す。本明細書で使用される「特異的に結合する」などの用語は、KD値が≦1μM、≦500 nM、≦250 nM、≦100 nM、≦50 nM、≦25 nM、≦10 nM、≦5 nM、≦2.5 nM、≦2 nM、≦1 nM、≦0.5 nM、≦0.4 nM、≦0.25 nM、≦0.1 nM、≦0.05 nM、≦0.01 nM、≦0.005 nM、または≦0.001 nMであることにより特徴付けられた結合アフィニティがある場合を意味しうる。
したがって、本発明の抗IL-13/OX40L二重特異性抗原結合分子は、KD値が≦1μM、≦500 nM、≦250 nM、≦100 nM、≦50 nM、≦25 nM、≦10 nM、≦5 nM、≦2.5 nM、≦2 nM、≦1 nM、≦0.5 nM、≦0.4 nM、≦0.25 nM、≦0.1 nM、≦0.05 nM、≦0.01 nM、≦0.005 nM、または≦0.001 nMでIL-13またはIL-13Rに特異的に結合しうる、および/またはKD値が≦1μM、≦500 nM、≦250 nM、≦100 nM、≦50 nM、≦25 nM、≦10 nM、≦5 nM、≦2.5 nM、≦2 nM、≦1 nM、≦0.5 nM、≦0.4 nM、≦0.25 nM、≦0.1 nM、≦0.05 nM、≦0.01 nM、≦0.005 nM、または≦0.001 nMでOX40LまたはOX40に特異的に結合しうる。
例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)などの、解離定数KDの値を決定する様々な技法が存在する。本発明の文脈において、KD値は好ましくは、25℃および/または37℃で、表面プラズモン共鳴、例えばBiacore(商標) systemを用いて決定される。
特定の実施形態では、抗IL-13/IL-13Rおよび抗OX40L/OX40二重特異性抗原結合分子は、抗IL-13または抗IL-13R抗体(例えば、ヒトまたはヒト化抗IL-13または抗IL-13R抗体)またはその抗原結合フラグメントを含んでもよく、および/または抗OX40Lまたは抗OX40抗体(例えば、ヒトまたヒト化抗OX40Lまたは抗OX40抗体)またはその抗原結合フラグメントを含んでもよい。いくつかの実施形態では、二重特異性抗原結合分子は、二重特異性抗体であり、例えば、二価、三価または四価の二重特異性抗体である。ある実施形態では、二重特異性抗原結合分子は、DVD-Igフォーマットの抗体であり、および/または抗体の可変領域およびT細胞受容体(TCR)定常領域を含むポリペプチド複合体であり、ここでTCR定常領域は少なくとも1つの非天然型鎖間結合(non-native interchain bond)を含む二量体の形成が可能である(上記タイプの複合体はWO2019057122に記載され、本明細書において、WuXibodyと呼ぶこともある)。
抗原結合ドメインおよび他の構成要素
本発明の二重特異性抗原結合分子は、IL-13またはIL-13R抗原結合ドメインである第1の抗原結合ドメイン(B1)およびOX40LまたはOX40抗原結合ドメインである第2の抗原結合ドメイン(B2)を含む二重特異性抗原結合分子を含む; このような二重特異性抗原結合分子は、本明細書では一般に「抗IL-13/IL-13Rおよび抗OX40L/OX40二重特異性抗原結合分子」と呼ばれる。本発明の分子の上記一般的クラスでは、以下の具体的な実施形態が提供される:
(i) IL-13およびOX40Lに特異的に結合する二重特異性抗原結合分子(場合により、本明細書では「抗IL-13/OX40L二重特異性抗原結合分子」と呼ぶ);
(ii) IL-13およびOX40に特異的に結合する二重特異性抗原結合分子(場合により、本明細書では「抗IL-13/OX40二重特異性抗原結合分子」と呼ぶ);
(iii) IL-13RおよびOX40Lに特異的に結合する二重特異性抗原結合分子(場合により、本明細書では「抗IL-13R/OX40L二重特異性抗原結合分子」と呼ぶ);
(iv) IL-13およびOX40に特異的に結合する二重特異性抗原結合分子(場合により、本明細書では「抗IL-13R/OX40二重特異性抗原結合分子」と呼ぶ)。
換言すると、二重特異性抗原結合分子は以下の分子である:
i) B1がIL-13に特異的に結合し、B2がOX40Lに特異的に結合する;
ii) B1がIL-13Rに特異的に結合し、B2がOX40Lに特異的に結合する;
iii) B1がIL-13に特異的に結合し、B2がOX40に特異的に結合する; または
iv) B1がIL-13Rに特異的に結合し、B2がOX40に特異的に結合する。
選択肢(i)が特に好ましい。
本発明の抗IL-13/IL-13Rおよび抗OX40L/OX40二重特異性抗原結合分子は、1以上のさらなるIL-13またはIL-13R結合ドメインを含んでもよい。つまり、例えば2または3のIL-13結合ドメインがある、または例えば2または3のIL-13R結合ドメインがある実施形態が想定される。1を超えるIL-13結合ドメインがある実施形態では、2以上のIL-13結合ドメインは同一であっても、実質的に同一であっても、互いに異なっていてもよい。1を超えるIL-13R結合ドメインがある実施形態では、2以上のIL-13R結合ドメインは同一であっても、実質的に同一であっても、互いに異なっていてもよい。
本発明の抗IL-13/IL-13Rおよび抗OX40L/OX40二重特異性抗原結合分子は、1以上のさらなるOX40LまたはOX40結合ドメインを含んでもよい。つまり、例えば2または3のOX40L結合ドメインがある、または例えば2または3のOX40結合ドメインがある実施形態が想定される。1を超えるOX40L結合ドメインがある実施形態では、2以上のOX40L結合ドメインは同一であっても、実質的に同一であっても、互いに異なっていてもよい。1を超えるOX40結合ドメインがある実施形態では、2以上のOX40結合ドメインは同一であっても、実質的に同一であっても、互いに異なっていてもよい。
「抗原結合ドメイン」および「結合ドメイン」などの用語は、本明細書では互換的に使用しうる。抗原結合ドメインは典型的には、特定の目的抗原(例えば、IL-13、IL-13R、OX40LまたはOX40)に結合することができ、例えば、KD値が≦1μM、≦500 nM、≦250 nM、≦100 nM、≦50 nM、≦25 nM、≦10 nM、≦5 nM、≦2.5 nM、≦2 nM、≦1 nM、≦0.5 nM、≦0.4 nM、≦0.25 nM、≦0.1 nM、≦0.05 nM、≦0.01 nM、≦0.005 nM、または≦0.001 nMで特異的に結合することができる。
本発明で用いられる抗原結合ドメインの例には、免疫グロブリンに基づく抗原結合ドメインおよび免疫グロブリンに基づかない抗原結合が含まれる。つまり、抗原結合ドメインの例には、免疫グロブリンまたは抗体由来の結合ドメイン、または免疫グロブリンまたは抗体以外の供給源由来の結合ドメイン(例えば、免疫グロブリン様結合特性を持つタンパク質性の結合分子)が含まれる。本明細書で使用される、「由来」などの用語は、所定のエンティティ(例えば、抗原結合ドメイン、抗体)が、直接的または間接的に、および場合により1以上の変異を伴うなど1以上の改変を伴い、特定の供給源から得られうる場合を意味する。
抗原結合ドメイン(例えば、IL-13またはIL-13R抗原結合ドメイン、またはOX40LまたはOX40抗原結合ドメイン)は、例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント、例えばFab、scFab、Fv、およびscFv、を含む、またはからなりうる。本発明の実施において用いられうる抗原結合フラグメントの非限定的な例には、Fabフラグメント、F(ab')2フラグメント、Fab’フラグメント、Fdフラグメント、Fvフラグメント、dAbフラグメント、単離された相補性決定領域(CDR)、scFvなどの単鎖抗体、およびVHHおよびラクダ抗体などの重鎖抗体ならびに本明細書中で開示される他の抗原結合フラグメント、を含む。典型的には、抗体の抗原結合フラグメントは、1以上のCDR(例えば、場合により1以上のCDRと組み合わせたHCDR3(例えば、HCVR/LCVRペアの6個のCDRのセット))を含む。
本発明における使用のための抗体は、あらゆる好適な手段で入手しうる。例えば、抗体は、動物、例えば非ヒト動物への、周知の日常的なプロトコルを用いたポリペプチドの投与により入手することができる(例えば、Handbook of Experimental Immunology, D. M. Weir (ed.), Vol 4, Blackwell Scientific Publishers, Oxford, England, 1986を参照のこと)。ウサギ、マウス、ラット、ヒツジ、ウシ、ラクダまたはブタなどの多くの恒温動物を免疫しうる。しかし、マウス、ウサギ、ブタ、およびラットが一般的に最も好適である。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術(Kohler & Milstein, 1975, Nature, 256:495-497)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al., 1983, Immunology Today, 4:72)、およびEBVハイブリドーマ技術(Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, pp77-96, Alan R Liss, Inc., 1985)などのあらゆる周知技術方法により調製しうる。抗体はまた、例えばBabcook, J. et al., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93(15): 7843-7848l; WO 92/02551; WO 2004/051268 and WO 2004/106377に記載の方法である、特異的抗体の生産のために選択された単一のリンパ球から得られた免疫グロブリン可変領域のcDNAのクローニングと発現による単一リンパ球抗体法を用いて生産しうる。抗体はまた、当技術分野で知られる様々なファージディスプレイ法でも生産でき、Brinkmanら(in J. Immunol. Methods, 1995, 182: 41-50)、Amesら(J. Immunol. Methods, 1995, 184:177-186)、Kettleboroughら(Eur. J. Immunol. 1994, 24:952-958)、Persicら(Gene, 1997 187 9-18)、Burtonら(Advances in Immunology, 1994, 57:191-280)、およびWO 90/02809; WO 91/10737; WO 92/01047; WO 92/18619; WO 93/11236; WO 95/15982; WO 95/20401; およびUS 5,698,426; 5,223,409; 5,403,484; 5,580,717; 5,427,908; 5,750,753; 5,821,047; 5,571,698; 5,427,908; 5,516,637; 5,780,225; 5,658,727; 5,733,743および5,969,108により開示された抗体も含みうる。本発明の実施で使用されうる抗体の取得および特定の方法は、ImmunoQure社の特許出願であるWO2013/098419 (「所望の特異性を備えるモノクローナル自己抗体を提供する方法」)、WO2013/098420 (「ヒト抗体の単離方法」)、およびWO2015/001407 (「医薬用途のための抗ヒトサイトカイン抗体を提供する方法」)に記載されている方法も含む。
非抗体抗原結合ドメインも、本発明の実施における使用を考慮されている。したがって、抗原結合ドメイン(例えば、IL-13またはIL-13R抗原結合ドメイン、またはOX40LまたはOX40抗原結合ドメイン)は、例えば、非抗体足場タンパク質、DARPin(designed ankyrin repeat proteins)、アンチカリンまたはリポカリン、アフィボディ、アビマー、アドネクチン、アトリマーまたはエバシンなどに由来しうる、または前記を含みうる、またはからなりうる。
本明細書に記載される、異なるタイプの抗原結合ドメインの組み合わせは、本発明の二重特異性抗原結合分子の中で考慮されている。つまり、例えば、抗原結合ドメインは、それぞれ独立して抗体または抗体の抗原結合フラグメントを含む、またはからなりうる、または非抗体足場タンパク質、DARPin(designed ankyrin repeat proteins)、アンチカリンまたはリポカリン、アフィボディ、アビマー、アドネクチン、アトリマーまたはエバシンなどに由来しうる、または前記を含みうる、またはからなりうる。
ある実施形態では、B1および/またはB2は、抗体(例えば、IgG1またはIgG4などのIgG抗体)を含みうる、またはからなりうる。
ある実施形態では、B1および/またはB2は、抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fvフラグメント(例えばscFv)、Fabフラグメント)を含みうる、またはからなりうる。
ある実施形態では、B1および/またはB2は、非抗体足場タンパク質、DARPin(designed ankyrin repeat proteins)、アンチカリンまたはリポカリン、アフィボディ、アビマー、アドネクチン、アトリマーまたはエバシンなどに由来しうる、または前記を含みうる、またはからなりうる。
ある実施形態では、B1は抗体(例えば、IgG1またはIgG4などのIgG抗体)を含み、またはからなり、B2は抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fvフラグメント(例えばscFv)、Fabフラグメント)を含む、またはからなる。
ある実施形態では、B1は抗体の抗原結合フラグメント(例えば、Fvフラグメント(例えばscFv)、Fabフラグメント)を含み、またはからなり、B2は抗体(例えば、IgG1またはIgG4などのIgG抗体)を含む、またはからなる。
本発明の二重特異性抗原結合分子は、あらゆる好適な手段で生産しうる。例えば、その分子のすべてまたは一部は、当該分子をコードするヌクレオチドを含む細胞により融合タンパク質として発現されてもよい。あるいは、その分子の部分を別々に生産してもよく、例えば、別々のヌクレオチドから、場合により別々の細胞において、発現し、その後結合してもよい。
少なくとも2つの抗原結合ドメインに加えて、二重特異性抗原結合分子は、場合により、1以上のさらなる構成成分を含んでもよい。この1以上のさらなる構成成分は、例えば、抗原結合ドメイン同士の会合または結合を促進しうる。本発明の二重特異性抗原結合分子に組み込まれうる1以上のさらなる構成要素の非限定的な例は、リンカー(例えば、ペプチドリンカーおよびヒンジ領域)およびFcドメインならびに重鎖Fc領域またはCH3ドメインなどのそのフラグメントを含む。つまり、ある実施形態では、本発明の二重特異性抗原結合分子は、Fcドメイン、好ましくはヒトFcドメイン、またはそのフラグメントを含む。ヒトFcドメインは、天然または変異ヒトFcドメインでもよい。
Fcドメインは、2つのペプチド鎖からなり、これらはそれぞれ重鎖Fc領域と呼ばれ、二量体化してFcドメインを形成する。Fcドメインは、天然または変異Fcドメイン(例えば、1以上のアミノ酸挿入、欠損または置換を伴う)でもよい。Fcドメインは、例えば、その薬理学的使用目的に対しより好適にするため、例えば半減期を変更する(例えば、増加する)ため、および/またはエフェクター機能を変えるために、改変または操作してもよい。好ましくは、Fcドメインは、ヒトFcドメインである。Fcドメインまたは領域は、抗体のいずれの好適なクラス由来のものでもよく、例えば、IgA、IgD、IgE、IgG、またはIgM、またはそのサブクラス(例えば、IgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4) 由来のものでもよい。好ましくは、Fcドメインはヒトおよび/またはIgGドメインであり、例えば、IgG1またはIgG4である。天然の抗体では、Fcドメイン内のFc領域は、典型的には同一であるが、本発明の目的のために、Fcドメイン内にある2つのFc領域は、存在する場合は、同じであっても異なっていてもよく、例えば、異なる抗体クラスまたはサブクラス(例えば2つの異なるIgGクラス)のものであってもよい。
本明細書で使用される「リンカー」などの用語は、本発明の二重特異性抗原結合分子の2以上の異なる構成要素をつなぐあらゆる分子またはエンティティへの言及を含む。リンカーの例は、ペプチドリンカーおよびアルブミンなどの非免疫グロブリンポリペプチドを含む(例えば、2以上の抗原結合ドメインがアルブミン(例えば、HSA)にリンクし、それぞれアルブミン分子に結合する2以上の抗原結合ドメインを含む二重特異性抗原結合分子を形成しうる)。ヒンジ領域は、本発明の抗原結合分子の構成要素をリンクして、例えば、抗原結合ドメイン(例えば、Fabフラグメントなどの抗体の抗原結合フラグメントの形態のもの)をFc領域に結合するためにも使用しうる。ヒンジ領域は典型的には、Fc領域のN-末端にある。ヒンジ領域は天然または改変/変異のヒンジ領域であってもよい。
本発明の二重特異性抗原結合分子の構成要素(例えば、B1およびB2)は、あらゆる好適な手段で、互いに結合しうる。構成要素は互いに直接的に結合、または1以上の好適な分子により(例えばリンカーまたはヒンジ領域により)互いに間接的に結合しうる。つまり、例えば、本発明の二重特異性抗原結合分子は、場合によりペプチドリンカーにより結合したB1およびB2を含む融合タンパク質を含みうる、またはからなりうる。直接的および/または間接的手段の様々な組み合わせが本発明の実施で想定され、そのため、様々な直接的および/または間接的手段が、本発明の二重特異性抗原結合分子の構成要素の結合に利用されうる。いくつかの実施形態では、抗原結合ドメインはFcドメインまたはそのフラグメントを通じて互いに連結している。典型的には、Fcドメインはヒンジ領域の使用を必要とし、それゆえ抗原結合ドメインは、例えば、1以上のヒンジ領域を介してFcドメインを通じて連結されうる。
本発明の二重特異性抗原結合分子は、場合によりさらなる成分、例えば治療成分と、直接的にまたは間接的にリンクされうる。つまり、いくつかの実施形態では、二重特異性抗原結合分子(例えば、二重特異性抗体)は、1以上の追加の治療薬とコンジュゲートされる。
二重特異性抗体
本発明の二重特異性抗原結合分子は、二重特異性抗体であってもよい。本発明の抗体は典型的には、モノクローナル抗体である。本発明の抗体は、例えば、キメラ抗体、CDRグラフト抗体、ナノボディ、ヒトまたはヒト化抗体、または前記いずれかの抗原結合フラグメントであってもよい。典型的には、抗体はヒト抗体である。上記で論じたように、抗体は全長の重鎖および軽鎖を持つ完全抗体分子またはその抗原結合フラグメントを含みうる。したがって、本発明の抗体は、全長の重鎖および軽鎖を持つ完全抗体分子を含みうる、またはからなりうる、またはその抗原結合フラグメントを含みうる、またはからなりうる。
本発明の二重特異性抗原結合分子の定常領域は、存在する場合は、提案される抗体分子の機能、特に必要とされうるエフェクター機能を考慮して選択してもよい。例えば、定常領域ドメインは、ヒトIgA、IgD、IgE、IgGまたはIgMでもよい。典型的には、定常領域ドメインはヒトである。特に、ヒトIgG(すなわち、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4)定常領域ドメイン、例えば、ヒトIgG1またはIgG4定常領域を使用しうる。軽鎖定常領域はラムダまたはカッパのいずれでもよい。
本発明の二重特異性抗体はヒト抗体でもよい。本明細書で使用される「ヒト抗体」なる用語は、フレームワーク領域とCDR領域の両方がヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列由来である可変領域を持つ抗体を含むことを意図している。さらに、抗体が定常領域を含む場合、その定常領域もまたヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列由来である。ヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列によりコードされていないアミノ酸残基を含んでもよい(例えば、in vitroでのランダムまたは位置特異的な変異誘発、またはin vivoでの体細胞変異による変異導入)。しかし、本明細書で使用する「ヒト抗体」なる用語は、マウスなどの他の哺乳類種の生殖細胞系列由来のCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を含むことを意図していない。
当業者であれば、抗体が多様な翻訳後修飾を受けうることも理解される。これら修飾のタイプと程度は、抗体発現に使用される宿主細胞株ならびに培養条件にしばしば依存する。このような修飾は、糖鎖付加、メチオニン酸化、ジケトピペラジン形成、アスパラギン酸異性化、およびアスパラギン脱アミドにおける変化を含みうる。よくある修飾は、カルボキシペプチダーゼ類の作用によるC末端塩基性残基の欠失(例えば、リシンまたはアルギニン)である(Harris, RJ. Journal of Chromatography 705:129-134, 1995に記載)。
完全ヒト抗体とは、重鎖および軽鎖の両方の可変領域および定常領域(存在する場合)が、すべてヒト起源であるか、ヒト起源の配列と実質的に同一である抗体であるが、それらは同一の抗体からのものである必要はない。完全ヒト抗体の例には、例えば上記のファージディスプレイ法により産生された抗体、および例えばEP 0546073、US 5,545,806、US 5,569,825、US 5,625,126、US 5,633,425、US 5,661,016、US 5,770,429、EP 0438474およびEP 0463151に一般論として記載される、マウス免疫グロブリンの可変領域および場合により定常領域の遺伝子が、そのヒト対応物に置き換わっているマウスにより産生された抗体を含みうる。
「ヒト化抗体」なる用語は、マウスなどの他の哺乳類種の生殖細胞系列由来のCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた、CDRグラフト抗体分子を意味することを意図している。追加のフレームワーク領域の修飾がヒトフレームワーク配列内で行われてもよい。本明細書で使用される「CDRグラフト抗体分子」なる用語は、重鎖および/または軽鎖が、アクセプター抗体(例えば、ヒト抗体)の重鎖および/または軽鎖の可変領域フレームワークにグラフトされたドナー抗体(例えば、マウスまたはラットモノクローナル抗体)からの1以上のCDR(必要に応じて1以上の修飾CDR)を含む抗体分子のことをいう。概説は、Vaughan et al, Nature Biotechnology, 16, 535-539, 1998を参照されたい。1つの実施形態では、CDR全体が移植されるのではなく、いずれか1つのCDRから1以上の特異性決定残基のみがヒト抗体フレームワークに移される(例えば、Kashmiri et al., 2005, Methods, 36, 25-34を参照のこと)。CDRまたは特異性決定残基がグラフトされる場合、CDRが由来するドナー抗体のクラス/タイプを考慮して、マウス、霊長類およびヒトフレームワーク領域を含む、あらゆる適切なアクセプター可変領域フレームワーク配列が使用されうる。好適には、本発明によるCDRグラフト抗体は、ヒトアクセプターフレームワーク領域ならびに1以上のCDRまたは特異性決定残基を含む可変領域を持つ。
本発明の抗体は「単離された」抗体である。単離された抗体とは、異なる抗原特異性を持つ他の抗体が実質的にないということである。
様々な二重特異性抗体のフォーマットおよび生産方法が当技術分野で知られており、あらゆる好適なフォーマットおよび生産方法を本発明の実施に使用しうる。多くの利用可能な二重特異性抗体フォーマットが存在するが、一般的に言って、二重特異性抗体は、IgG様二重特異性抗体と非IgG様二重特異性抗体とに分けることができる。IgG様二重特異性抗体は、Fc領域を含み、さらに対称IgG様二重特異性抗体(例えば、二重可変領域(DVD)-Ig)および非対称IgG様二重特異性抗体へとカテゴライズできる。非IgG様二重特異性抗体は、Fcドメインを欠き、例えば、2つの異なる抗原結合抗体フラグメントと非免疫グロブリンタンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン(HSA))とを融合することにより、2つの抗原結合抗体フラグメントを直接融合することにより、または2つの異なる抗体またはより小さい抗原結合抗体フラグメントの化学結合により、作製しうる。上記のIgG様および非IgG様フォーマットおよび生産技術のいずれも、本発明の実施に使用しうる。本発明の実施で使用しうる例示的な二重特異性抗体フォーマットおよび生産方法(例えば、以下の説明で述べているもの)を含む、二重特異性抗体の概説として、Kontermann and Brinkmann (2017), “The making of bispecific antibodies”, Mabs, Feb-Mar 9(2): 182-199; Kontermann and Brinkmann (July 2015), “Bispecific antibodies”, Drug Discovery Today, 20(7): 838-847; Sedykh et al. (2018), “Bispecific antibodies: design, therapy, perspectives”, Drug Design, Development and Therapy, 12: 195-208; and Fan et al. (2015), “Bispecific antibodies and their applications”, Journal of Hematology and Oncology, 8:130が参考になる。
本発明による例示的な二重特異性抗体および技術には、非限定的ではあるが、非対称IgG様、対称IgG様(例えば2個のFab領域と1個のFcドメインを含む)、非IgG様、クアドローマ、WuXibody、DVD-Ig、ノブ・イントゥ・ホール(knob-into-hole)(kih)法、IgG-scFv融合、ツー・イン・ワン(two-in-one)または二重作用(dual action)Fab(DAF)抗体、半分子交換(half molecule exchange)、κλボディ(κλ-body)、クロスマブ(CrossMab)、クロスFab(CrossFab)、トリオマブ(Triomab)、SEEDボディ(SEED body)、ロイシンジッパー (leucine zipper)、共通L鎖(common light chain)(例えば、kih IgG common LC)、オルソFab IgG(ortho-Fab IgG)、ツー・イン・ワンIgG(2 in 1-IgG)、scFv-Fc、トライアボディ(triabody)、scFvベースまたはダイアボディ(diabody)二重特異性形体、タンデムscFv、単鎖ダイアボディ(single chain diabody)、ナノボディ(nanobody)、ドック・ロック(dock-and-lock)(DNL)法、バイナノボディ(bi-Nanobody)、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE)、タンデムダイアボディ(tandAbs)、化学結合型Fab、二価および三価scFv、デュアルアフィニティリターゲティング(DART)、DART-Fc、scFv-HSA-scFv、およびDNL-Fab3二重特異性抗体が含まれる。
一つの実施形態では、二重特異性抗体は、二重可変領域免疫グロブリン(DVD-Ig)である。DVD-Igは、2つの親mAbから、親mAbの一方由来の2つの可変領域を、もう一方の親mAbの重鎖および軽鎖に、その1つの可変領域の代わりに置くことにより作製でき、四価のIgG様分子が生じる。
本発明の二重特異性抗体は、WuXibodyであってもよい。WuXibodyの詳細な記載はWO 2019/057122 (WuXi Biologics)で確認できる。「WuXibody」なる用語は、抗体の可変領域とT細胞受容体(TCR)定常領域を有する可溶性キメラタンパク質を含む二重特異性抗体を含み、ここで、TCR定常領域は、少なくとも1つの非天然鎖間結合を含む二量体を形成することができ、このようなWuXibodyはその生産方法および様々なWuXibodyフォーマットとともにWO 2019/057122にさらに詳細に記載されている。
さらに具体的には、本明細書で使用するWuXibodyなる用語は、第2の抗原結合部分に関連する第1の抗原結合部分を含む二重特異性ポリペプチド複合体を意味することができ、ここで:
(i) 第1の抗原結合部分は以下を含む: N末端からC末端にかけて、第1のTCR定常領域(C1)と動作可能に連結された第1の抗体の第1の重鎖可変領域(VH)を含む第1のポリペプチド、およびN末端からC末端にかけて、第2のTCR定常領域と動作可能に連結された第1の抗体の第1の軽鎖可変領域(VL)を含む第2のポリペプチド、ここで、C1およびC2は、C1に含まれる第1の変異残基とC2に含まれる第2の変異残基の間に少なくとも1つの非天然の鎖間結合を含む二量体を形成することが可能であり、非天然鎖間結合は二量体を安定化でき、第1の抗体は第1の抗原特異性を持つ;
(ii) 第2の抗原結合部分は第1の特異性とは異なる第2の抗原特異性を持つ、
そして、第1の抗原結合部分および第2の抗原結合部分は、第1と第2の抗原結合部分が天然のFabのカウンターパートである場合よりも誤対合しにくい。
本発明の二重特異性抗体では、WuXibodyの第1の抗原特異性がIL-13またはIL-13Rを対象としてもよく、第2の抗原特異性がOX40LまたはOX40を対象としてもよい。あるいは、第1の抗原特異性はOX40LまたはOX40を対象としてもよく、第2の抗原特異性はIL-13またはIL-13Rを対象としてもよい。
本発明のWuXibodyで使用しうるTCR定常領域の対(C1およびC2)の例には、例えば、アルファ/ベータ、プレ-アルファ/ベータ、およびガンマ/デルタTCR定常領域を含む。TCR定常領域は、TCR定常領域の対が二量体を形成するために互いに関連することができる限り、全長でもフラグメントでもよく、また操作されていてもよい(例えば、1つ以上の変異を含むために)。
本発明のWuXiBodyは、いずれの好適な二重特異性フォーマットで提供されてもよい。二重特異性フォーマットの例には、本明細書に記載される二重特異性形体ならびにWO2019/057122に記載される二重特異性形体が含まれる。WuXiBodyの抗原結合フラグメントは、本発明の範囲に含められ、およびWO2019/057122にも記載される。
医薬組成物
本発明の二重特異性抗原結合分子(例えば、本発明の二重特異性抗体)は、医薬組成物としての投与のために製剤化されてもよい。したがって、本発明の二重特異性抗原結合分子は、二重特異性抗原結合分子および医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物の形体で提供してもよい。
本明細書で使用するとき、「医薬的に許容できる担体」は、生理学的に互換性のある、あらゆるすべての溶媒、分散媒体、コーティング、抗生物質ならびに抗真菌薬、等張薬ならびに吸収遅延薬などを含む。好ましくは、担体は、非経口、例えば、静脈、筋肉内、または皮下投与(例えば、注射または点滴)、局所または経口投与に適している。好ましくは、医薬的に許容できる担体は、水性の担体または希釈液を含む。本発明の組成物で用いられうる好適な水性担体の例には、水、緩衝液、生理食塩水を含む。他の担体の例には、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレン、グリコール、ポリエチレングリコールなど)、ならびにその好ましい混合物、オリーブ油などの植物油、および注射可能なオレイン酸エチルなどの有機エステルを含む。多くの場合、組成物中に、等張薬、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール、または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
医薬組成物は典型的には、無菌であり、かつ製造ならびに貯蔵の条件下で安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、または高薬濃度に適した他の整った構造で製剤化しうる。
本発明の医薬組成物は、二重特異性抗原結合分子だけでなく、1以上の追加の活性成分を含んでもよい。
治療上の使用
本発明のさらなる側面では、医薬として使用するための本発明の二重特異性抗原結合分子が提供される。疾患または状態の処置方法も提供され、これは疾患または状態の処置が必要な対象に本発明の二重特異性抗原結合分子を投与し、それにより前記疾患または状態を処置することを含む。
上記で説明したように、IL-13およびOX40Lは様々な疾患および状態で重要な因子であると特定され、本発明の二重特異性抗原結合分子はそのような疾患および状態の処置に使用しうる。したがって、本発明の1つの側面は、患者のIL-13および/またはOX40Lが関連または媒介する疾患または状態を処置する方法を提供し、その方法は本発明の抗IL-13/IL-13Rおよび抗OX40L/OX40二重特異性抗原結合分子(例えば、二重特異性抗体)を患者に投与することを含む。本発明はまた、IL-13および/またはOX40Lが関連または媒介する疾患または状態を処置する方法における使用のための本発明の抗IL-13/IL-13Rおよび抗OX40L/OX40二重特異性抗原結合分子も提供する。本発明はまた、IL-13および/またはOX40Lが関連または媒介する疾患または状態を処置するための医薬の製造における使用のための本発明の抗IL-13/IL-13Rおよび抗OX40L/OX40二重特異性抗原結合分子も提供する。
特定のサイトカイン(本明細書ではIL-13またはOX40L)に関する「関連または媒介する疾患または状態」などのフレーズは、サイトカインの発現、シグナリング、または活性が関連または媒介する、またはサイトカインのアンタゴニズムによって、例えばサイトカインとサイトカインのリガンドとの間の相互作用をブロックすることによって、またはそうでなければサイトカインの活性および/またはシグナリングを阻害することによって処置可能である、疾患または状態への言及を含む。IL-13および/またはOX40Lが関連または媒介する疾患または状態の例には、皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、慢性手湿疹、アレルギー性皮膚炎、乾癬、扁平苔癬、化膿性汗腺炎)、喘息、アレルギー性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎)、循環器系疾患(例えば、心筋梗塞、心肥大関連疾患)、粥状動脈硬化、筋骨格系疾患(関節リウマチ)、COPD、加齢性黄斑変性症、歯周炎ぶどう膜炎、がん、炎症性腸疾患、線維症、強皮症、または好酸球性食道炎を含む。
本発明の二重特異性抗原結合分子は、皮膚疾患または状態、例えば、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、慢性手湿疹、アレルギー性皮膚炎、乾癬、扁平苔癬、または化膿性汗腺炎の処置に有用でありうる。したがって、本発明は、患者の皮膚疾患または状態を処置する方法であって、本発明の二重特異性抗原結合分子(例えば、二重特異性抗体)を患者に投与することを含む方法を提供する。本発明はまた、皮膚疾患または状態を処置する方法における使用のための本発明の二重特異性抗原結合分子も提供する。本発明はまた、皮膚疾患または状態を処置するための医薬の製造のための使用における本発明の二重特異性抗原結合分子も提供する。
本発明では、処置は疾患または状態にある患者についてなされてもよく、または疾患または状態になりやすい、またはそのリスクがある患者など、障害を予防すべき患者についてなされてもよい。つまり、本明細書で使用される「処置」などの用語は、治療的および予防的な処置を包含する。「処置」なる用語は、例えば、疾患または状態の発生を予防すること、疾患またはその1つ以上の症状の発生を遅らせること、患者の疾患または医学的状態を退縮させること、疾患または医学的状態を抑制すること(例えば、疾患または医学的状態の進行を緩慢にすること、または炎症の重症度および/または頻度を低減させること)、または患者の疾患または医学的状態の症状の1つ以上をある程度緩和することを意味しうる。ADの場合は、症状は、かゆみ、紅斑、浮腫、びらん、毛細血管性出血、痂皮形成ならびに苔癬化、皮膚バリア障害、および発赤を含む。「処置」などの用語は、必ずしも完全な処置または予防を伴わず、その用語はそれゆえ処置または予防の程度に変動を含んでもよい。
治療的適用では、すでに疾患や状態を患う対象に対して投与がなされる。このような治療的処置は、例えば、疾患または状態またはその症状の1つ以上の治癒、緩和または部分的な抑止をしうる。したがって、治療的投与は、症状の重症度の減少または症状の無い時期の頻度または期間の増加という結果でもよい。治療的に有用な効果を得るために十分な量は、「治療有効量」と呼んでもよい。
予防的適用では、疾患または状態の症状の現れが、まだない、または現在ない対象に対して投与がなされる。このような予防処置は、例えば、疾患または状態またはその症状の1つ以上の進行を、予防する、遅らせる、重症度を減少させうる。予防的に有用な効果を得るために十分な量は、「予防有効量」と呼んでもよい。対象は、あらゆる好適な手段で疾患または状態の進行リスクにさらされているか特定しうる。患者は、疾患または状態になりやすいもの、またはそのリスクがあるものでもよく(例えば、疾患または状態の家族歴または個人歴のある患者)、または障害が予防すべきものでもよい。
治療有効量および予防有効量は、疾患または状態の重症度ならびに対象の体重および一般容体に依る。適切な用量の決定は、値のマトリクス(matrix of values)を構築し、マトリクスの異なる点をテストすることにより、日常的な実験を使用して達成され得ることが理解され、これはすべて訓練を受けた医師の通常の技能の範囲内である。
本明細書で使用される「処置」なる用語は、疾患または状態の重症度、または生活の質(QoL)を改善することを意味しうる。様々な試験手法およびスコアリングシステムが疾患の重症度(例えば、軽症、中等症、中等症から重症、または重症)ならびに生活の質を評価するために使用でき、いずれの1つ以上の好適な手段を使用してもよい。ADの疾患重症度および生活の質の測定の概要については、例えば、Rehal and Armstrong (2011), Plos ONE 6(4):e17520, およびGooderham et al. (2018), J Cutan Med Surg., 22(IS) 10S-16S)で確認しうる。AD患者の疾患重症度の一般的な測定法の1つはEASI(Eczema Area Severity Index)である。ADに対する好適な疾患重症度およびQoLの測定法の他の例には以下を含む: SCORAD (SCORing Atopic Dermatitis)、BSA (Body Surface Area)評価、PGA (Physician’s Global Assessments)、IGA (Investigator Global Assessment)、ADSI (Dermatitis Severity Index)、Six Area、SASSAD (Six Sign Atopic Dermatitis)、IGADA (Investigators’ Global Atopic Dermatitis Assessment)、Pruritus-VAS (Pruritus - Visual Analogue Scale)、5-D Itch (Pruritus) Scale、DLQI (Dermatology Life Quality Index)、CDLQI (Children’s Dermatology Life Quality Index)、DFI (Dermatitis Family Impact)、およびIDQOL (Infant’s Dermatology, and Quality of Life)、およびMOSS (the Medical Outcome Sleep Study)。
本発明の二重特異性抗原結合分子は、例えば、急性または慢性のADを処置するために使用しうる。本発明の二重特異性抗原結合分子は、軽症、中等症、中等症から重症、または重症のADの処置に使用しうる。疾患の重症度は、例えば、上記で述べたADに対する疾患重症度または生活の質の測定方法の1つ以上、例えばEASIを使用する標準的な試験手順を用いて当業者により容易に決定できる。
「患者」および「対象」なる用語は、本明細書では互換的に使用され、およびその用語はあらゆるヒトまたは非ヒトの動物(好ましくは哺乳類)への言及を含む。本明細書で使用される「哺乳類」なる用語は、哺乳綱分類のいずれのメンバーをも意味し、非限定的には、ヒト、ならびにチンパンジーおよび他の類人猿およびサル種などの非ヒト霊長類; ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマなどの家畜; イヌおよびネコなどの家庭/伴侶動物; およびウサギならびにマウス、ラット、およびモルモットなどの齧歯類を含む。典型的には、本発明はヒト患者への投与に関する。ヒト患者は大人の患者(18歳またはそれ以上)であってもよい。あるいは、ヒト患者は、小児患者(18歳未満)であってもよい。いくつかの実施例では、ヒト患者は12歳未満でありうる。ある実施形態では、対象は、本発明の二重特異性抗原結合分子に応答しそうな障害または状態を持つものと特定されたヒト患者であった。
投与
本発明の二重特異性抗原結合分子および医薬組成物は、当技術分野で知られる様々な方法の1つ以上を使用して、1つ以上の投与経路で投与しうる。当業者には理解されるように、投与の経路および/または様式は、望ましい結果により変化する。投与経路は、静脈、筋肉内、皮膚内、腹腔内、皮下、または他の非経口的な投与経路、例えば、注射または点滴を含みうる。本明細書で使用される「非経口投与」は、腸内および局所投与以外の投与様式を意味し、たいていは注射による投与様式を意味する。いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性抗原結合分子(例えば、本発明の二重特異性抗体)は、注射により患者に投与され、好ましくは皮下または静脈内注射により投与される。あるいは、本発明の二重特異性抗原結合分子は、居所または経口投与などの非-非経口経路で投与しうる。
本発明の二重特異性抗原結合分子の好適な用量は、技能を有する臨床医により決定されうる。本発明の医薬組成物の活性成分の実際の用量レベルは、特定の患者、組成物、および投与様式で、患者に有毒でなく、望ましい治療応答を達成するに有効である活性成分の量を得るために、変動しうる。選択した用量レベルは、使用される特定の二重特異性抗原結合分子の活性、投与経路、投与時間、二重特異性抗原結合分子の排出速度、処置期間、他の薬、使用される特定の組成物と組み合わせて使用される化合物および/または材料、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、健康全般、および以前の医療履歴、医療分野で周知の同様の要因など、様々な薬物動態的な要因に依る。
本発明の二重特異性抗原結合分子の好適な1回用量は、例えば、処置を受ける患者の約0.1μg/kgから約100mg/kg体重の範囲であってもよい。例えば、好適な用量は、1日あたり、約1μg/kgから10mg/kg体重、または約10 g/kgから5 mg/kg体重であってもよい。
初回の用量に続いて、2回目またはその後の複数回目の用量の投与があってもよい。2回目およびその後の用量は適切な期間を空けてもよい。用量および頻度は、患者内での二重特異性抗原結合分子の半減期および所望の処置期間に依り変動してもよい。その投与の用量および頻度はまた、処置が予防的であるか治療的のであるかに依って変動してもよい。予防的適用では、相対的に低い用量を、長期間にわたって相対的に低頻度の間隔で投与してもよい。治療的適用では、相対的に高い用量を、例えば、患者が症状の寛解を部分的にまたは完全に示すまで、投与してもよい。
追加の医薬品/分離処置方法
本発明の二重特異性抗原結合分子は、疾患または状態の予防または処置のため、追加の医薬および/または処置方法と組み合わせて投与してもよい。2以上の薬を組み合わせた投与は、多くの異なる方法で実施しうる。ある実施形態では、二重特異性抗原結合分子およびその他の薬を、単一の組成物で一緒に投与しうる。別の実施形態では、二重特異性抗原結合分子およびその他の薬を、組み合わせ治療の一部として別々の組成物で投与しうる。別々の組成物は、同じ経路で投与しても異なる経路で投与してもよい。
好適な医薬および/または処置の例は当技術分野において記載されている。例えば、ADに関しては、例えばDhadwal et al. (2018), J Cutan Med Surg., 22(IS) 21S-29S)を参照されたい。ADの場合では、例には局所処置(局所コルチコステロイド、および局所カルシニューリン阻害薬など)、光線療法、および全身処置(全身コルチコステロイド、メトトレキセート、シクロスポリンA、ミコフェノール酸、およびアザチオプリンなど)を含む。
配列表の簡単な説明
配列番号1は、シグナルペプチドを含む例示的なヒトIL-13配列のアミノ酸配列である(Swiss-Prot Accession No. P35225に対応)。
配列番号2は、配列番号1のアミノ酸残基1から35のシグナルペプチドがない例示的なヒトIL-13のアミノ酸配列である。
配列番号3は、例示的な全長の、プロセッシングされていないヒトOX40L配列のアミノ酸配列である(UniProtKB accession number P43489に対応)。
配列番号4は、配列番号3の残基51-183に対応する例示的なヒトOX40Lのアミノ酸配列である。
配列番号5は、例示的なヒトIL-13Rα1配列のアミノ酸配列である(UniProtKB accession number P78552に対応)。
配列番号6は、例示的なヒトIL-13Rα2配列のアミノ酸配列である(UniProtKB accession number Q14627に対応)。
配列番号7は、例示的なヒトIL-4Rα配列のアミノ酸配列である(UniProtKB accession number P24394に対応)。
配列番号8は、例示的なヒトOX40配列のアミノ酸配列である(UniProtKB accession number P43489に対応)。

非公式の配列表
Figure 2023546071000001

Figure 2023546071000002

Claims (16)

  1. IL-13またはIL-13R抗原結合ドメインである第1の抗原結合ドメイン(B1)およびOX40LまたはOX40抗原結合ドメインである第2の抗原結合ドメイン(B2)を含む二重特異性抗原結合分子であって、(i) IL-13またはIL-13Rおよび(ii) OX40LまたはOX40の両方に特異的に結合する、二重特異性抗原結合分子。
  2. IL-13RからのIL-13シグナリングおよびOX40からのOX40Rシグナリングの両方をアンタゴナイズする、請求項1に記載の二重特異性抗原結合分子。
  3. v) B1がIL-13に特異的に結合し、B2がOX40Lに特異的に結合する;
    vi) B1がIL-13Rに特異的に結合し、B2がOX40Lに特異的に結合する;
    vii) B1がIL-13に特異的に結合し、B2がOX40に特異的に結合する; または
    viii) B1がIL-13Rに特異的に結合し、B2がOX40に特異的に結合する、
    請求項1または2に記載の二重特異性抗原結合分子。
  4. IL-13またはIL-13R抗原結合ドメインが、抗体またはその抗原結合フラグメントを含み、またはからなり、抗体が好ましくはキメラ、ヒト化またはヒト抗体である、先行する請求項のいずれかに記載の二重特異性抗原結合分子。
  5. OX40LまたはOX40抗原結合ドメインが、抗体またはその抗原結合フラグメントを含み、またはからなり、抗体が好ましくはキメラ、ヒト化またはヒト抗体である、先行する請求項のいずれかに記載の二重特異性抗原結合分子。
  6. 二重特異性抗原結合分子が、二重特異性抗体またはその抗原結合フラグメントであり、場合により二重特異性抗体がモノクローナル抗体および/またはキメラ、ヒト化またはヒト抗体である、先行する請求項のいずれかに記載の二重特異性抗原結合分子。
  7. (a) 二重特異性抗体が、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4の定常領域を含み、場合によりヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4の定常領域を含む; および/または
    (b) 二重特異性抗体が:
    i) IgG様二重特異性抗体; または
    ii) 非IgG様二重特異性抗体である、
    請求項6に記載の二重特異性抗原結合分子。
  8. IgG様二重特異性抗体が:
    i) 対称IgG様二重特異性抗体(例えばDVD-Ig二重特異性抗体); または
    ii) 非対称IgG様二重特異性抗体である、
    請求項7に記載の二重特異性抗原結合分子。
  9. 二重特異性抗体が抗体の可変領域およびT細胞受容体(TCR)定常領域を含み、そのTCR定常領域が少なくとも1つの非天然鎖間結合を含む二量体を形成可能である、
    請求項6に記載の二重特異性抗原結合分子。
  10. 請求項1から9のいずれに記載の二重特異性抗原結合分子および医薬的に許容できる担体を含む、医薬組成物。
  11. 患者の疾患または状態を処置する方法であって、(i) 前記疾患または状態がIL-13および/またはOX40Lが関連または媒介するものであり、前記方法が請求項1から9のいずれかに記載の二重特異性抗原結合分子または請求項9に記載の二重特異性抗原結合分子を含む医薬組成物を患者へ投与することを含む、方法。
  12. 疾患または状態が、以下よりなる群から選択される、請求項11に記載の方法:
    皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、慢性手湿疹、アレルギー性皮膚炎、乾癬、扁平苔癬、化膿性汗腺炎)、喘息、アレルギー性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎)、循環器系疾患(例えば、心筋梗塞、心肥大関連疾患)、粥状動脈硬化、筋骨格系疾患(関節リウマチ)、COPD、加齢性黄斑変性症、歯周炎ぶどう膜炎、がん、炎症性腸疾患、線維症、強皮症、および好酸球性食道炎。
  13. (i) 疾患または状態がアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患である;
    (ii) 二重特異性抗原結合分子が注射により、場合により皮下注射により、患者に投与される; および/または
    (iii) 患者がヒト患者である、
    請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記疾患または状態の処置のためのさらなる薬の投与および/または別の処置法の平行実施をさらに含む、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
  15. 患者の疾患または状態を処置する方法における使用のための請求項1から9のいずれかに記載の二重特異性抗原結合分子であって、前記疾患または状態がIL-13および/またはOX40Lが関連または媒介するものである、二重特異性抗原結合分子。
  16. 疾患または状態を処置する方法における使用のための医薬の製造のための二重特異性抗原結合分子の使用であって、該二重特異性抗原結合分子および該方法が請求項1から14のいずれかに定義されている、使用。
JP2023522463A 2020-10-13 2021-10-12 二重特異性分子およびそれを用いた処置方法 Pending JP2023546071A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20382897.5 2020-10-13
EP20382897 2020-10-13
PCT/EP2021/078195 WO2022079036A1 (en) 2020-10-13 2021-10-12 Bispecific molecules and methods of treatment using the same

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023546071A true JP2023546071A (ja) 2023-11-01

Family

ID=73030037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023522463A Pending JP2023546071A (ja) 2020-10-13 2021-10-12 二重特異性分子およびそれを用いた処置方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20230374158A1 (ja)
EP (1) EP4229085A1 (ja)
JP (1) JP2023546071A (ja)
CN (1) CN116348494A (ja)
AU (1) AU2021361083A1 (ja)
CA (1) CA3191403A1 (ja)
WO (1) WO2022079036A1 (ja)

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8823869D0 (en) 1988-10-12 1988-11-16 Medical Res Council Production of antibodies
DE69120146T2 (de) 1990-01-12 1996-12-12 Cell Genesys Inc Erzeugung xenogener antikörper
CA2090126C (en) 1990-08-02 2002-10-22 John W. Schrader Methods for the production of proteins with a desired function
US5661016A (en) 1990-08-29 1997-08-26 Genpharm International Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies of various isotypes
ES2246502T3 (es) 1990-08-29 2006-02-16 Genpharm International, Inc. Animales no humanos transgenicos capaces de producir anticuerpos heterologos.
US5625126A (en) 1990-08-29 1997-04-29 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
US5770429A (en) 1990-08-29 1998-06-23 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies
US5545806A (en) 1990-08-29 1996-08-13 Genpharm International, Inc. Ransgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
US5633425A (en) 1990-08-29 1997-05-27 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies
GB9113120D0 (en) 1991-06-18 1991-08-07 Kodak Ltd Photographic processing apparatus
JP4603894B2 (ja) 2002-12-03 2010-12-22 ユセベ ファルマ ソシエテ アノニム 抗体産生細胞を同定するためのアッセイ
GB0312481D0 (en) 2003-05-30 2003-07-09 Celltech R&D Ltd Antibodies
GB0315450D0 (en) 2003-07-01 2003-08-06 Celltech R&D Ltd Biological products
GB0315457D0 (en) 2003-07-01 2003-08-06 Celltech R&D Ltd Biological products
WO2005003169A2 (en) 2003-07-01 2005-01-13 Celltech R & D Limited Modified antibody fab fragments
GB0411186D0 (en) 2004-05-19 2004-06-23 Celltech R&D Ltd Biological products
RU2515108C2 (ru) 2005-08-19 2014-05-10 Эббви Инк Иммуноглобулин с двойными вариабельными доменами и его применения
EP2195341B1 (en) 2007-09-26 2017-03-22 UCB Biopharma SPRL Dual specificity antibody fusions
EP2475682B1 (en) 2009-09-10 2018-01-31 UCB Biopharma SPRL Multivalent antibodies
WO2012015696A1 (en) * 2010-07-26 2012-02-02 Baylor Research Institute Thymic stromal lymphopoietin (tslp) and ox40 ligand in cancer
BR112016018980A2 (pt) * 2014-02-21 2017-10-10 Genentech Inc método de tratamento de um distúrbio, anticorpo multiespecífico, ácido nucleico isolado, célula hospedeira, métodos de produzir um anticorpo, de produção de uma metade de anticorpo ou de um anticorpo multiespecífico e de produção de um anticorpo multiespecífico, imunoconjugado e formulação farmacêutica
EP3632934A1 (en) * 2014-03-31 2020-04-08 F. Hoffmann-La Roche AG Anti-ox40 antibodies and methods of use
GB201411320D0 (en) 2014-06-25 2014-08-06 Ucb Biopharma Sprl Antibody construct
AU2018334886A1 (en) 2017-09-22 2020-04-09 WuXi Biologics Ireland Limited Novel bispecific polypeptide complexes

Also Published As

Publication number Publication date
CA3191403A1 (en) 2022-04-21
AU2021361083A1 (en) 2023-05-11
WO2022079036A1 (en) 2022-04-21
CN116348494A (zh) 2023-06-27
EP4229085A1 (en) 2023-08-23
US20230374158A1 (en) 2023-11-23
AU2021361083A9 (en) 2023-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7387780B2 (ja) 抗cd38抗体および使用方法
TW202005982A (zh) 拮抗cd73之抗體
KR102546611B1 (ko) Il-21에 특이적인 결합 분자 및 이들 용도
TW202128757A (zh) 具有改善之特性的 PD-1 標靶 IL-15/IL-15Rα FC 融合蛋白
JP2023517345A (ja) 抗インターロイキン-33抗体及びその使用
AU2022259766A1 (en) Multispecific heavy chain antibodies with modified heavy chain constant regions
JP2024501811A (ja) Il-4r及びil-31に対する特異性を有する多重特異性抗体
TW202304994A (zh) 促效性抗il-2r抗體及使用方法
JP2019162119A (ja) Il−17cに対する抗体
KR20230048439A (ko) 항-par-2 항체 및 이의 사용 방법
CN111133007A (zh) 与胞外酶结合的重链抗体
KR20230110303A (ko) 폴레이트 수용체 알파에 결합하는 중쇄 항체
IL303922A (en) Anti-IL1RAP antibody
KR20230037042A (ko) 항조직 인자 항체를 사용하는 염증성 질환 치료
EP4292611A1 (en) Anti-cd112r antibody and use thereof
EP4108683A1 (en) Anti-il-2 antibody, and antigen-binding fragment thereof and medical use thereof
JP2023546071A (ja) 二重特異性分子およびそれを用いた処置方法
CN114867751A (zh) 4-1bb和ox40结合蛋白及相关组合物和方法、抗-4-1bb抗体、抗-ox40抗体
RU2795625C2 (ru) Антигенсвязывающие белки против gitr и способы их применения
KR20240026959A (ko) 항-trem-1 항체
TW202342517A (zh) 使用抗組織因子抗體之炎性疾病治療
KR20240004949A (ko) B7h4 및 cd3에 결합하는 이중특이적 항체를 포함하는 제약 조성물
CN117136198A (zh) 激动性抗il-2r抗体及其使用方法
CN117964758A (zh) 抗cd38抗体及与抗cd3和抗cd28抗体的组合