JP2023540230A - シロキサン化合物および該化合物を含む配合物 - Google Patents

シロキサン化合物および該化合物を含む配合物 Download PDF

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Abstract

本発明は、シロキサン化合物、その合成方法、その接着剤配合物における成分としての使用、および上記目的のためのパーツキットに関する。

Description

本発明は、シロキサン化合物、その合成方法、上記シロキサン化合物を含む接着剤またはシーラント配合物、該接着剤またはシーラント配合物を配合するためのそれぞれのパーツキット、および上記接着剤またはシーラント配合物を適用する方法に関する。
発明の背景
有機官能性シランは、接着剤およびシーラントを配合するために長年使用されてきた。特にアミノ官能性アルコキシシラン、例えばアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノプロピルトリアルコキシシランは、例えばプラスチックなどの結合が他の点で困難な基材間の結合を形成するための、非反応性および反応性の接着剤およびシーラントの双方において適度に効率的な結合剤であることが分かった。
特に、湿気架橋接着剤およびシーラント、例えばアルコキシシラン末端ポリマー、例えばポリウレタンまたはポリエーテル、またはシリコーンにおいては、アミノ官能性アルコキシシランが、結合剤としてよく使用されている。接着剤およびシーラント中の結合剤は、典型的には接着促進剤であり、したがって、接着剤およびシーラントで処理される異なる表面に対する接着を改善する。さらに、アミノ官能性アルコキシシランは、アミノ官能性のアルカリ性のために助触媒として作用する。これらはさらに、2つの反応性部位を有する共架橋剤として作用し、これによってそれらの反応性部位がポリマーなどの基材の反応性基と反応することができ、最終的な硬化したマトリックスの一部になる。これにより、接着剤およびシーラントの機械的特性を調整することができる。
アミノ官能性アルコキシシランを結合剤として使用した場合、このようなシランを用いない系に比べて結合/シールされた基材との接着性を改善することが可能である。同時に、配合物の反応性(すなわち硬化速度)、および硬化した接着剤およびシーラントの機械的特性、凝集性および弾性は、好ましい影響を受け得る。概してシールすることが困難なまたは結合することが困難な基材、例えばアルミニウムおよび様々なプラスチック、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)およびポリカーボネート(PC)をシール/結合するために、アミノ官能性アルコキシシランが標準として使用されるが、それらは通常、中程度の接着性しか与えない。したがって、様々な用途において、(準備段階において)プライマーを用いて作業する必要がある。この付加的な工程は、プロセスの複雑さを増大させ、シーリング/結合を生成するために必要な時間を長くするため、望ましくない。
接着剤およびシーラント中の結合剤としてよく使用されているアミノプロピルトリアルコキシシランを置き換えるために、従来技術に記載されている様々な試みがあるにもかかわらず、それらのいずれも、産業が規定するすべての要件を満たすことに依然として成功していないことが判明した。
このことは、引用した配合物中の結合剤としてのアミノプロピルトリアルコキシシランが多くの欠点を有するので、さらに一層顕著なままである。例えば、そのような配合物の皮膜形成時間は、しばしば遅すぎるか、または十分に高い反応性を達成するために多量の触媒が要求される。このことは、十分に硬い表面が接着剤またはシーラント上に形成されるまで後続の作業工程を延期する必要があるため、非常に望ましくない。さらに、シーラント/接着剤によって形成されるシーリング/結合の機械的特性は、必ずしも十分ではない。
アミノプロピルトリアルコキシシランの代わりとして、米国特許第6,395,858号明細書には、接着剤およびシーラントにおける、アミノプロピル-およびアルキル-シランをベースとするシロキサンオリゴマーの使用が開示されている。これらのオリゴマーは、(アミノ官能性アルコキシシランと比較して)改善された接着性能を示すが、それらは要求される反応性を欠いている。
上記シランを交換する別の試みは、国際公開第2004/101652号に記載されている。著者らは、接着剤およびシーラントにおけるα-シランをベースとするシロキサンオリゴマーの使用を提案している。これらのオリゴマーを含む提案された接着剤およびシーラントの速い皮膜形成時間にもかかわらず、上記配合物は、アミノ官能性アルコキシシランベース配合物と比較して劣った接着特性を与える。
別の提案は、米国特許出願公開第2015/0284609号明細書において、シラングラフトポリマーおよびアミノシロキサンを使用して公開されている。不利なことに、この解決策は、2つの成分の使用を必要とし、接着剤/シーラントのより複雑な配合物をもたらす。両方の成分の割合を注意深く調節する必要があるが、これは、このアプローチの深刻な欠点である。
従来技術によって提案された解決策のいずれも、十分な機械的特性および接着特性を得ることを可能にしながらも、十分に速い皮膜形成時間を可能にするものではない。
発明の課題
したがって、従来技術の欠点を克服することが本発明の課題である。このように、本発明の課題は、アミノプロピルトリアルコキシシランなどのよく使用される結合剤と比較してより強い結合を達成する、接着剤配合物またはシーラント配合物において結合剤として使用するための化合物を提供することである。
本発明のさらなる課題は、形成される結合の良好な機械的特性を可能にする接着剤配合物またはシーラント配合物を提供することである。そのような望ましい機械的特性には、とりわけ結合の柔軟性が含まれる。
本発明の別のさらなる課題は、優れた接着性能を有する接着剤配合物またはシーラント配合物を適用する方法を提供することである。好ましくは、接着性能は、プライマーを使用しなくても得ることができる。
発明の概要
これらの課題は、式(A)
Figure 2023540230000001
[式中、
は、
Figure 2023540230000002
からなる群から選択され、
ここで、
a1、Ra4、Ra5、Ra6およびRa7は、独立して、アルキル基およびアリール基からなる群から選択され、
a2は、水素およびメチル基から選択され、
各Ra3は、独立して、水素およびメチル基から選択され、
cは、1~40の範囲の整数であり、
d、e、fおよびgは、独立して、2~6の範囲の整数であり、
は、アルキル基であり、
各Rは、独立して、ヒドロキシ基、オキシアルキル基、オキシアルカンジイルオキシアルキル基、オキシアリール基およびオキシアシル基からなる群から選択され、
wは、0および1から選択され、かつ
xは、0、1および2から選択され、
ただし、wとxとの合計は、0~2の範囲である]による少なくとも1つの構成単位と、
式(B)
Figure 2023540230000003
[式中、
は、
Figure 2023540230000004
からなる群から選択され、
ここで、
Lは、C3~C8-アルカンジイル基であり、
b1、Rb2およびRb3は、アルキル基およびアリール基からなる群から選択され、
h、iおよびjは、独立して、2~6の範囲の整数であり、
各Rは、独立して、ヒドロキシ基、オキシアルキル基、オキシアルカンジイルオキシアルキル基、オキシアリール基およびオキシアシル基からなる群から選択され、
は、アルキル基であり、
yは、0、1および2から選択され、
zは、0および1から選択され、
ただし、yとzとの合計は、0~2の範囲である]による少なくとも1つの構成単位と、
を含む接着剤配合物またはシーラント配合物において結合剤として使用するためのシロキサン化合物
またはシロキサン化合物の塩によって解決される。
上記の課題を解決する好ましい実施形態は、以下の説明および従属請求項に特によく記載されている。有利には、本発明は、優れた全体特性を有する接着剤配合物およびシーラント配合物を製造することを可能にする。それらは特別な市場要求を満たすように容易に調整することもできる。
有利には、接着剤またはシーラント配合物に使用される本発明によるシロキサン化合物によって、必要な触媒量の減少が可能になるか、または触媒が完全に余分になり得る。
驚くべきことに、本発明によるシロキサン化合物は、例えば、よく使用される接着剤またはシーラント、例えば、結合剤としてアミノプロピルトリアルコキシシランを含むもの(実施例を参照のこと)と比較した場合、接着剤配合物またはシーラント配合物の皮膜形成時間を大幅に短縮する。
さらに、架橋後(例えば、乾燥後)の接着剤配合物またはシーラント配合物の機械的特性が、技術水準から公知の標準的な接着剤から得られる機械的特性よりも優れていることは、全く予想外であった。特に、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物を使用する場合、高い引張強度および高い破断点伸び、および低い100%弾性率(100%伸びでの引張応力)が得られる。
まとめると、本発明によるシロキサン化合物によって、上記の利点を得ることが可能になるのは非常に驚くべきことである。本発明によるシロキサン化合物を接着剤配合物またはシーラント配合物に使用した場合、非常にバランスの取れた一連の結果(特に、硬化した配合物の優れた接着性能および良好な機械的特性と組み合わせた比較的短い皮膜形成時間)が達成され得る。
発明の詳細な説明
本明細書全体にわたるパーセントは、特に記載がない限り重量パーセント(重量%)である。収率は、理論上の収量のパーセンテージとして示される。本明細書に示される濃度は、特に記載がない限り、溶液または分散液全体の体積または質量を指す。
本発明による「アルキル」という用語は、環状および/または非環状構造要素を含む分枝鎖状または非分枝鎖状のアルキル基を含み、ここで、アルキル基の環状構造要素は、少なくとも3個の炭素原子を必然的に必要とする。本明細書および特許請求の範囲におけるC1~CX-アルキルは、1~X個の炭素原子(Xは整数である)を有するアルキル基を指す。C1~C8-アルキルには、例えば、とりわけ、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、sec-ペンチル、tert-ペンチル、ネオ-ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルが含まれる。置換アルキル基は、理論上、少なくとも1つの水素を官能基で置き換えることによって得ることができる。特に明記しない限り、アルキル基は、接着剤およびシーラント配合物中の他の成分との適合性が向上するため、好ましくは、置換または非置換のC1~C8-アルキル、より好ましくは、置換または非置換のC1~C4-アルキルから選択される。
「アルカンジイル」という用語は、2つの自由原子価(結合部位)を有する対応する基である。当技術分野では「アルキレン」と呼ばれることもある。本発明による上記残基は、環状および/または非環状構造要素を含み、かつ直鎖状および/または分岐状であり得る。C1~C4-アルカンジイルには、例えば、とりわけ、メタン-1,1-ジイル、エタン-1,2-ジイル、エタン-1,1-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ブタン-1,3-ジイル、ブタン-1,2-ジイル、ブタン-1,1-ジイル、ブタン-2,3-ジイルが含まれる。さらに、アルカンジイル化合物に結合された個々の水素原子は、それぞれの場合に、アルキル基について上記で定義したものなどの官能基で置換されていてもよい。特に明記しない限り、アルカンジイル基は、接着剤およびシーラント配合物中の他の成分との適合性が向上するため、好ましくは、置換または非置換のC1~C8-アルカンジイルから、より好ましくは、置換または非置換のC1~C4-アルカンジイルから選択される。
本発明による「アリール」という用語は、環式芳香族炭化水素残基、例えばフェニルまたはナフチル(ここで個々の環炭素原子は、N、Oおよび/またはSで置き換えることができる)、例えばベンゾチアゾリルを指す。好ましくは、シロキサン化合物の製造における望ましくない副反応を回避するために、炭素原子は置換されていない。さらに、アリール基は、それぞれの場合に、水素原子を官能基で置き換えることによって任意選択的に置換される。C5~CX-アリールという用語は、環状の芳香族基中に5~X個の炭素原子(任意にN、Oおよび/またはSで置き換えられる)を有するアリール基を指す(Xは必然的に整数である)。特に明記しない限り、C5~C6-アリールが好ましい。
本発明による「アシル」という用語は、水素を含む炭化水素基、または好ましくは、カルボニル基を介して部分に結合した少なくとも1つのアルキル基を指す。これらは、形式的には、ヒドロキシル基をこれらが結合する部分で置換することによってカルボン酸から誘導される。アシル基の例には、ホルミル(H-CO-)、アセチル(CH-CO-)およびプロピオニル(CH-CH-CO-)が含まれる。
「オキシアルキル基」は、酸素原子をさらに含むアルキル基である。上記酸素原子は、オキシアルキル基の結合部位である。オキシアルキル基の例には、とりわけメトキシ(-O-CH)、エトキシ(-O-CH-CH)、およびn-プロポキシ(-O-CH-CH-CH)が含まれる。同様に、「オキシアリール基」は、その結合部位として酸素原子をさらに含むアリール基、例えば、フェノキシ(-O-C)である。
本発明による「アルカンジイルオキシアルキル基」は、酸素原子によって連結されたアルキル基およびアルカンジイル基を含む。アルカンジイルオキシアルキル基の例には、メトキシメチル(-CH-O-CH)、エトキシメチル(-CH-CH-O-CH)、プロポキシメチル(-CH-CH-CH-O-CH)およびブトキシメチル(-CH-CH-CH-CH-O-CH)が含まれる。
「オキシアルカンジイルオキシアルキル基」は、さらなる酸素原子をその結合部位として有するアルカンジイルオキシアルキル基である。オキシアシル基は、基本的にエステル基の酸部分であり、例は、ホルメエート(formiate)(-O-CO-H)、アセテート(-O-CO-CH)およびプロピオネート(proponiate)(O-CO-CH-CH)である。
2つ以上の残基を所与の群から選択しようとする場合、各残基は、以下で特に明記しない限り、互いに独立して選択されており、それらを上記群の同じメンバーまたは異なるメンバーであるように選択できることを意味する。これには、式(A)および(B)による指定された構成単位が含まれる。本明細書における幾つかの化学式における結合部位は、当該技術分野において通例であるように、波線(“~~~”)により強調され得る。
従属請求項および/または以下の説明に記載された実施形態は、特に除外されない限り、または技術的に不可能でない限り、拘束することなく組み合わせることができる。これは、技術的に実現可能な限り、本発明の様々な態様について説明した実施形態を含む。不必要な繰り返しを避けるために、それらは再び引用されない。
本明細書および特許請求の範囲における「少なくとも1つ」という用語は、「1つ以上」、例えば2つまたは3つを意味する。「接着剤」および「シーラント」という用語は、本明細書および特許請求の範囲において互換的に使用されている。
本発明によるシロキサン化合物
本発明によるシロキサン化合物は、式(A)による少なくとも1つの構成単位と、式(B)による少なくとも1つの構成単位とを含む。
様々な要因、例えば本発明によるシロキサン化合物を含む媒体のpH値に応じて、シロキサン化合物は、上記の式で定義される形で存在するか、または対応する塩の形で存在する。そのような塩は、例示的に酸性の塩、例えば塩酸塩(シロキサン化合物を塩酸で処理することによって得られる)または硫酸塩(シロキサン化合物を硫酸で処理することによって得られる)または塩基性塩、例えばシリカ塩である。後者の場合、ヒドロキシ基、例えば、シロキサン化合物中のケイ素原子によって結合されたものは、任意選択的に、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンなどの適切な対イオンを有する(例えば、-ONaを与える)アニオン性オキソ基に変換される。これは、シロキサン化合物を、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基を含むアルカリ媒体で処理することによって達成され得る。本発明によるシロキサン化合物は、接着剤配合物またはシーラント配合物の配合物を場合により複雑にし得るので、塩ではないことが好ましい。
本発明によるシロキサン化合物は、好ましくは、式(A)による少なくとも1つの構成単位と、式(B)による少なくとも1つの構成単位との間に少なくとも1つの(直接)化学結合を含む。これは、本発明によるシロキサン化合物において、式(A)による構成単位が、式(B)による構成単位に結合していることを意味する。2つの指定された構成単位は、典型的には、構成単位の2つのケイ素原子の間の酸素原子によって互いに結合されている。このように、本発明によるシロキサン化合物は、以下に示す少なくとも1つの部分を含む:
Figure 2023540230000005
上記化学式において、式(A)による構成単位は左側に示され、式(B)による構成単位は右側に示される。式(A)および/または(B)によるさらなる構成単位は、上記式における2つの示されたケイ素原子を橋渡ししていない酸素原子に任意選択的に結合される。
は、好ましくは、
Figure 2023540230000006
からなる群から選択される。Rは、より好ましくは、
Figure 2023540230000007
からなる群から選択される。Rは、さらにより好ましくは、
Figure 2023540230000008
からなる群から選択される。
は、さらにより一層好ましくは、
Figure 2023540230000009
からなる群から選択される。Rは、最も好ましくは、
Figure 2023540230000010
である。
a1およびRa4は、好ましくは独立して、C1~C8-アルキル基、より好ましくはC2~C4-アルキル基である。Ra5、Ra6およびRa7は、好ましくはC1~C8-アルキル基、より好ましくはC1~C4-アルキル基、さらにより好ましくはC2~C4-アルキル基である。Ra2は、好ましくは水素である。Ra3は、好ましくは水素である。cは、好ましくは1~20、より好ましくは1~10の範囲の整数である。好ましくは、d、e、fおよびgは、独立して、2~3の範囲の整数であり、さらにより好ましくは、d、e、fおよびgは、2である。
は、好ましくはC1~C18-アルキル基、より好ましくはC1~C4-アルキル基、最も好ましくはメチル基である。
各Rは、好ましくは独立して、ヒドロキシ基、オキシ-C1~C4-アルキル基、オキシ-C1~C4-アルカンジイルオキシ-C1~C4-アルキル基およびオキシアセチル基からなる群から選択される。より好ましくは、Rは、ヒドロキシ基、メトキシ基およびエトキシ基からなる群から選択される。特に、反応性接着剤配合物またはシーラント配合物の場合、皮膜形成時間が速いため、後者の2つが依然としてさらに好ましい。
好ましくは、wは0である。
本発明によるシロキサン化合物が、式(A)による2つ以上の構成単位を含む場合、xは、平均して好ましくは0.5~2.7、より好ましくは0.7~2、さらにより好ましくは0.9~1.1の範囲である。本発明によるシロキサン化合物の混合物が使用される場合、xは、平均して(上記混合物に対して)好ましくは上記範囲にある。
Lは、好ましくはC3~C6-アルカンジイル基、より好ましくは1,3-プロパンジイル(-CH-CH-CH-)およびイソ-ブタジイル(-CH-CH(CH)-CH-)から選択され、さらにより好ましくは、Lは、1,3-プロパンジイルである。
は、好ましくは、
Figure 2023540230000011
からなる群から選択される。より好ましくは、Rは、
Figure 2023540230000012
からなる群から選択される。
整数h、iおよびjは、互いに独立して、好ましくは2および3から選択され、より好ましくは2である。
が、
Figure 2023540230000013
からなる群から選択されることが特に好ましく、ここで、h、iおよびjは、独立して、2~3の範囲の整数である。
b1、Rb2およびRb3は、好ましくは、C1~C8-アルキル基からなる群から選択され、より好ましくは、C2~C4-アルキル基からなる群から選択される。
は、好ましくは、ヒドロキシ基、オキシ-C1~C4-アルキル基、オキシ-C1~C4-アルカンジイルオキシ-C1~C4-アルキル基およびオキシアセチル基からなる群から選択される。より好ましくは、Rは、ヒドロキシ基、メトキシ基およびエトキシ基からなる群から選択される。特に、反応性接着剤配合物またはシーラント配合物の場合、皮膜形成時間が速いため、後者の2つがさらにより一層好ましい。
は、好ましくはC1~C18-アルキル基、より好ましくはC1~C4-アルキル基、最も好ましくはメチル基である。好ましくは、zは、0である。より好ましくは、wおよびzの両方は、0である。
本発明によるシロキサン化合物が、式(B)による2つ以上の構成単位を含む場合、yは、平均して、好ましくは0.5~2.7、より好ましくは0.7~2、さらにより好ましくは0.9~1.1の範囲である。本発明によるシロキサン化合物の混合物が使用される場合、yは、平均して(上記混合物に対して)好ましくは上記範囲にある。
式(B)による構成単位に対する式(A)による構成単位の(数値)比は、好ましくは0.05~10、より好ましくは0.1~3、さらにより好ましくは0.55~2、さらにより一層好ましくは0.9~1.1の範囲である。最も好ましくは、上記比は1.0である。後者の場合、シロキサン化合物は、式(A)および(B)による構成単位を同数含む。式(A)および(B)による構成単位の上記比は、優れた接着特性により、優れた反応性および機械的性能を有利に提供する。
本発明によるシロキサン化合物は、好ましくは、1~50個、より好ましくは1~30個、さらにより好ましくは2~30個、さらにより一層好ましくは3~10個の式(A)による構成単位を含む。本発明によるシロキサン化合物は、好ましくは、1~30個、より好ましくは2~20個、さらにより好ましくは3~10個の式(B)による構成単位を含む。
本発明によるシロキサン化合物中の式(A)および(B)による構成単位の比および数は、当業者に知られており、かつ当業者が容易に利用可能な標準的な分析方法によって測定され得る。例示的に、H-NMRおよび/または29Si-NMRは、この目的のために、例えば、それぞれ、RおよびRのケイ素原子に隣接する炭素原子に結合したα-プロトンのシグナルを比較することによって使用され得る。代替的には、本発明によるシロキサン化合物中のケイ素原子に関して、それぞれ、RおよびRに関するシグナルは、分析目的で使用され得る。
好ましくは、本発明によるシロキサン化合物は、他のポリマー構成単位、特に、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン(当該技術分野ではシリコーンと呼ばれる)、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリブタジエン、前述のもののコポリマーおよび混合物を含まない。特に好ましくは、本発明によるシロキサン化合物は、式(A)および(B)による構成単位からなる。
本発明の一実施形態では、本発明によるシロキサン化合物中のケイ素原子当たりの加水分解性アルコキシ基の平均数は、総加水分解および後続のGC分析またはNMR分析により測定可能な場合、好ましくは0.3~2.0、好ましくは0.5~1.5、より好ましくは0.75~1.25の範囲である。1つ以上の加水分解性アルコキシ基を有するには、Rおよび/またはRの1つ以上が、ヒドロキシ基以外である必要があり、好ましくはアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基およびエトキシ基から選択される必要がある。これは、そのようなシロキサン化合物を含む接着剤配合物またはシーラント配合物の反応性を改善する。特に環境に優しい化合物が望まれる場合、加水分解性アルコキシ基の量は、好ましくは上記最小閾値を下回り、より好ましくは0.1未満、理想的には0である。これは、選択されたRおよび/またはRがヒドロキシ基であることによって(最後の場合、ほとんどまたは完全に)達成され得る。
前述のように、本発明によるシロキサン化合物は、式(A)および(B)による構成単位を含むか、または好ましくは式(A)および(B)による構成単位からなる。指定された構成単位からなるシロキサン化合物は、上記で定義した目的を特によく満たすことが見出された。
シロキサン化合物は、典型的には、直鎖状、分岐状、懸垂状および環状構造のうちの1つ以上を含む。これらの構造体は、典型的には、式(A)および(B)による指定された構成単位によって形成される。
本発明によるシロキサン化合物中の式(A)による構成単位および式(B)による構成単位は、ランダム、勾配、ブロックまたは交互のパターンのうちの1つ以上で配置されている。好ましくは、式(A)による構成単位および式(B)による構成単位は、ランダム、勾配または交互のパターンのうちの1つ以上で配置されている。したがって、本発明によるシロキサン化合物が、個々の構成単位が1つのパターン(例えばランダム)で配置されている実体を含む一方で、同じシロキサン化合物に、個々の構成単位が別のパターン(例えばブロック)で配置されている別の実体が存在することは、本発明の意味において可能なことである。
本発明の好ましい実施形態では、シロキサン化合物は、
- R
Figure 2023540230000014
からなる群から選択され、ここで、Ra5、Ra6およびRa7は、それぞれ独立して、C1~C4-アルキル基、好ましくはC2~C4-アルキル基である、式(A)による少なくとも1つの構成単位、および
- R
Figure 2023540230000015
からなる群から選択され、ここで、h、iおよびjが、独立して2~3の範囲の整数である、式(B)による少なくとも1つの構成単位
を含むか、または好ましくはそれらからなる。このようなシロキサン化合物は、接着剤配合物またはシーラント配合物中の結合剤として使用した場合、優れた特性を示した。この実施形態では、wおよびzが0であることがさらに好ましい。式(A)および(B)による構成単位は、以下のように示すことができる:
Figure 2023540230000016
本発明の一実施形態では、本発明による少なくとも2種のシロキサン化合物の混合物が使用される。本発明によるシロキサン化合物は、二官能性であり、接着剤配合物中またはシーラント配合物中で共架橋剤として作用し得る。本発明によるシロキサン化合物は、有利には、接着剤配合物中またはシーラント配合物中で、例えば、結合剤として使用される。
シロキサン化合物の合成方法
第2の態様では、本発明は、シロキサン化合物、好ましくは本発明によるシロキサン化合物の合成方法に関する。
シロキサン化合物、好ましくは本発明によるシロキサン化合物の合成方法によれば、
式(I)
Figure 2023540230000017
[式中、
は、
Figure 2023540230000018
からなる群から選択され、
ここで、
11、R14、R15、R16およびR17は、アルキル基およびアリール基からなる群から選択され、
12は、水素およびメチル基から選択され、
各R13は、独立して、水素およびメチル基から選択され、
oは、1~40の範囲の整数であり、
p、q、rおよびsは、独立して2~6の範囲の整数であり、
各Rは、独立して、水素、アルキル基、アルカンジイルオキシアルキル基、アリール基およびアシル基からなる群から選択され、
は、アルキル基であり、
αは、0および1から選択される]による少なくとも1種のシランを、
式(II)
Figure 2023540230000019
[式中、
は、アルキル基であり、
は、
Figure 2023540230000020
からなる群から選択され、
ここで、
71、R72およびR73は、独立して、アルキル基およびアリール基からなる群から選択され、
L’は、C3~C8-アルカンジイル基であり、
t、uおよびvは、独立して2~6の範囲の整数であり、
各Rは、独立して、水素、アルキル基、アルカンジイルオキシアルキル基、アリール基およびアシル基からなる群から選択され、
γは、0および1から選択される]による少なくとも1種のシランと反応させる。
式(I)によるシランと式(II)によるシランとの反応は、典型的には縮合反応である。任意選択的に、アルコールまたは酸(アニオン)などの脱離基(それぞれ、実質的にRまたはRから形成される)を、指定されたシランのうちの1種から遊離させる加水分解工程が先行する。この加水分解は、水および/または以下に記載される触媒の一部(特に酸および塩基)によって媒介され得る。
は、好ましくは、
Figure 2023540230000021
からなる群から選択される。より好ましくは、Rは、
Figure 2023540230000022
からなる群から選択される。さらにより好ましくは、Rは、
Figure 2023540230000023
からなる群から選択される。さらにより一層好ましくは、Rは、
Figure 2023540230000024
からなる群から選択される。最も好ましくは、Rは、
Figure 2023540230000025
である。
好ましくは、oは、2~20、より好ましくは2~10の範囲の整数である。
好ましくは、p、q、rおよびsは、独立して、2および3から選択され;より好ましくは、それらは2である。Rは、好ましくは、C1~C4-アルキル基、C1~C4-アルカンジイルオキシ-C1~C4-アルキル基およびアセチル基からなる群から選択される。この選択により、より速い加水分解および/または縮合が可能になり、ひいてはより短い全体的な反応時間が可能になる。より好ましくは、Rは、メチル基およびエチル基からなる群から選択され、後者は、環境上の理由からさらにより一層好ましい。
11およびR14は、好ましくはC1~C8-アルキル基、より好ましくはC1~C4-アルキル基である。R15、R16およびR17は、好ましくはC1~C8-アルキル基、より好ましくはC1~C4-アルキル基、さらにより好ましくはC2~C4-アルキル基である。R12は、好ましくは水素である。R13は、好ましくは水素である。Rは、好ましくはC1~C18-アルキル基、より好ましくはC1~C4-アルキル基、最も好ましくはメチル基である。αは、好ましくは0である。
は、好ましくはC1~C18-アルキル基、より好ましくはC1~C4-アルキル基、最も好ましくはメチル基である。好ましくは、γは0である。より好ましくは、αおよびγは両方とも0である。
L’は、好ましくはC3~C6-アルカンジイル基であり、より好ましくは1,3-プロパンジイル(-CH-CH-CH-)およびイソ-ブタジイル(-CH-CH(CH)-CH-)から選択され、さらにより好ましくは、L’は、1,3-プロパンジイルである。
は、好ましくは、
Figure 2023540230000026
からなる群から選択される。より好ましくは、Rは、
Figure 2023540230000027
からなる群から選択される。整数t、uおよびvは、互いに独立して、好ましくは2および3から選択され、より好ましくは、それらは2である。Rは、
Figure 2023540230000028
からなる群から選択されることが特に好ましく、ここで、t、uおよびvは、独立して2~3の範囲の整数である。
71、R72およびR73は、好ましくはC1~C8-アルキル基、より好ましくはC2~C4-アルキル基である。
は、好ましくは、C1~C4-アルキル基、C1~C4-アルカンジイルオキシ-C1~C4-アルキル基およびアセチル基からなる群から選択される。この選択により、より速い加水分解および/または縮合が可能になり、ひいてはより短い全体的な反応時間が可能になる。より好ましくは、Rは、メチル基およびエチル基からなる群から選択され、後者は、環境および作業の安全性の理由からさらにより一層好ましい。
式(I)による少なくとも1種のシランと式(II)による少なくとも1種のシランとのモル比は、好ましくは0.05~10、より好ましくは0.1~3、さらにより好ましくは0.55~2、さらにより一層好ましくは0.9~1.1の範囲であり、最も好ましくは、それらは等しく使用される。特定のタイプの2種以上のシラン(式(I)によるシランまたは式(II)によるシランである)が反応に使用される場合、特定のタイプのすべてのシランの物質の累積量が適用される。
好ましくは、反応は触媒を介して行われる。このようなシランの縮合反応に対する適切な触媒およびその効果は、当該技術分野において知られている。好ましい触媒は、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基、フッ化物源、および金属化合物からなる群から選択される。好ましい有機酸は、クエン酸およびリンゴ酸である。好ましい無機酸は、硝酸、塩酸および硫酸である。好ましい無機塩基は、金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。好ましい有機塩基は、トリエチルアミンおよびトリエタノールアミンなどのアルキルアミン、ならびにナトリウムメトキシドなどのアルコキシドである。好ましいフッ化物源は、フッ化水素、フッ化ナトリウムおよびフッ化アンモニウムなどのフッ化物イオンを遊離させることができる塩である。好ましい金属化合物には、特に、チタン塩およびジルコニウム塩、例えば、それぞれのアルコキシド、例えば、チタンテトライソプロポキシドおよびジルコニウムテトライソプロポキシドが含まれる。
触媒の量は、その反応に使用されるシランおよび触媒に依存する。有用な量は、日常的な実験で決定され得る。一般的な指針として、本発明者らは、シランの総量を基準として0.001~0.1、好ましくは0.05~0.05モル当量の触媒量が有用であることを見出した。触媒は、反応の開始時に、または反応が進行している間に添加される。
好ましくは、式(I)によるシランと式(II)によるシランとの反応を促進するために、上記シランに水を添加する。これを上記反応の間に添加するか、シランを上記容器に添加する前に適切な容器に装入することができる。第1の選択肢は、反応制御が容易になるので好ましい。シランに水を添加することにより、目標とする加水分解が達成される。これにより、本発明によるシロキサン化合物の非常に狭い分子量分布が可能となり、その予測可能な特性がより多くもたらされる。
水の量は、好ましくはシランの総量(すなわち、使用されるすべてのシランの物質の累積量)を基準として0.1~10当量の範囲である。より好ましくは、水の量は、シランの総量を基準として0.5~2当量の範囲である。水は、特に水およびシランの両方を溶解することが可能な溶媒が使用されない場合、好ましくは完全に混合しながら添加される。
任意選択的に、式(I)によるシランと式(II)によるシランとの反応は、少なくとも1種の溶媒(水以外)中で行われる。概して、反応の他の成分との十分な相容性を有する任意の溶媒が使用され得る。好ましくは、少なくとも1種の溶媒は、プロトン性溶媒である。より好ましくは、少なくとも1種の溶媒は、メタノール、エタノール、イソ-プロパノール、n-プロパノールおよび前述の混合物からなる群から選択される。
式(I)によるシランと式(II)によるシランとの反応は、通常、式(I)によるシランおよび/または式(II)によるシランが完全にまたはほぼ完全に(例えば90%以上)消費されるまで行われる。これは、ガスクロマトグラフィーまたはNMRなどの標準的な手段により制御することができる。典型的な反応時間は、1分~24時間、好ましくは1~12時間、より好ましくは2~10時間、さらにより好ましくは6~8時間の範囲である。反応は、望ましくない副反応を回避するために、好ましくは不活性雰囲気下で、例えば窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で行われる。
式(I)によるシランと式(II)によるシランとの反応の間に使用される有用な温度は、とりわけ、使用される個々のシランおよび場合により溶媒に依存する。典型的には、式(I)によるシランと式(II)によるシランとの反応の間の温度は、好ましくは10~95℃、より好ましくは50~90℃、さらにより好ましくは60~80℃の範囲である。
式(I)によるシランと式(II)によるシランとの反応は、好ましくは蒸留工程を含む。式(I)によるシランと式(II)によるシランとの反応の後には、より好ましくは蒸留工程が続く。代替的には、蒸留工程は、反応の過程で、そして任意選択的にその完了後に行われる。上記蒸留工程は、溶媒の量を減らし、場合により、それぞれ残基RおよびRから形成されるアルコールなどの遊離した揮発性有機化合物(VOC)の量を減らすことを目的とする。これにより、揮発性有機化合物の量を減少させることができ、さらに有利には、引火点を高めることができる。このように、得られたシロキサン化合物は、換気および防爆または防火対策などの注意事項が少ないので、使用時の取り扱いを容易にすることができる。蒸留工程は、好ましくは減圧を用いて行われる。典型的には、蒸留中に使用される底部温度は、50~120℃の範囲である。圧力はそれに応じて調節することができる。蒸留工程の後、揮発性有機化合物(特にアルコール類)の量は、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。したがって、この方法は、好ましくは、低減された量の揮発性有機化合物(VOC)を遊離させる本発明によるシロキサン化合物を合成するのに適している。VOCの低減は、環境的に有益である。
式(I)によるシランおよび式(II)によるシランと、指定されたシランのうちの1種との反応を水および/または任意選択の触媒を添加することによって開始させること、あるいは2種の指定されたシランの混合物との反応を開始させることが可能である。
本発明の一実施形態では、シロキサン化合物を合成する方法は、以下の合成工程:
A1)式(I)および(II)によるシランを、適切な容器に、好ましくは不活性雰囲気(例えば、窒素)下に装入する工程;
A2)水および任意選択的に少なくとも1種の溶媒(水以外)を、個別にまたは水との混合物として添加する工程;
A3)任意選択的に、触媒を添加する工程;
A4)このように得られた混合物を、シロキサン化合物を形成するのに十分な時間にわたり加熱する工程;ならびに
A5)反応中および/または反応完了後に、蒸留によって反応混合物から揮発性有機化合物を除去する工程
を含む。
方法工程A1~A3の順序は、任意の順序に変更され得る。好ましくは、これらの工程は、上記の順序で行われる。
代替的に、シランが段階的に添加される。この場合、シロキサン化合物を合成する方法は、以下の合成工程:
B1)式(I)および(II)によるシランのうちの1種を、適切な容器に、好ましくは不活性雰囲気(例えば、窒素)中に装入する工程;
B2)水および任意選択的に少なくとも1種の溶媒(水以外)を、個別にまたは水との混合物として添加する工程;
B3)任意選択的に、触媒を添加する工程;
B4)得られた混合物に、式(I)および(II)による他のシランを添加する工程;
B5)このように得られた混合物を、シロキサン化合物を形成するのに十分な時間にわたり加熱する工程;および
B6)反応中および/または反応完了後に、蒸留により反応混合物から揮発性有機化合物を除去する工程
を含む。
方法工程B1~B3の順序は変更されてよい。また、あまり好ましくはないが、方法工程B4の後に方法工程B3を実行することも可能である。後者の場合、方法工程B1およびB2は、方法工程B4およびB3の前に行われる。
シロキサン化合物の合成方法によって得られたシロキサン化合物
第3の態様では、本発明は、前述の方法により(直接)得ることができる、または得られるシロキサン化合物に関する。上記で概説した詳細および優先順位が準用される。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物
第4の態様では、本発明は、接着剤配合物(当該技術分野では接着剤とも呼ばれる)またはシーラント配合物(当該技術分野ではシーラントとも呼ばれる)に関する。本発明による接着剤配合物およびシーラント配合物は、好ましくは反応性であり、特に好ましくは湿気硬化する。反応性接着剤配合物およびシーラント配合物は、本発明の文脈において、好ましくは湿気硬化し、これは、それらが水に供された場合に2つの表面間に結合を生成し得るか、またはシールを生成し得ることを意味する。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、本発明による少なくとも1種のシロキサン化合物を含む。本発明によるシロキサン化合物は、典型的には、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物中で結合剤として使用される。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物中の本発明によるシロキサン化合物の量は、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物の総重量を基準として、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.2~5重量%、さらにより好ましくは0.5~2.5重量%の範囲である。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、任意選択的に少なくとも1種の添加剤を含む。少なくとも1種の任意選択の添加剤は、ポリマー(特にシラン変性ポリマー(SMP))、充填剤、顔料または染料、可塑剤、レオロジー助剤、さらなる接着剤、粘着付与樹脂、乾燥剤、溶媒、消泡剤、UV安定剤、酸化防止剤、シロキサン化合物の架橋反応のための触媒、加水分解安定剤、反応性希釈剤、接着樹脂、難燃剤、接着促進剤、組成物に特定の特性を付与するさらなる添加剤、例えば導電性添加剤または湿潤助剤、ならびに前述の添加剤のうちの2種以上の混合物からなる群から選択される。より好ましくは、少なくとも1種の添加剤は、ポリマー(特にシラン変性ポリマー)、充填剤、粘着付与樹脂、可塑剤およびシロキサン化合物の架橋反応のための触媒、ならびに前述の添加剤のうちの2種以上の混合物からなる群から選択される。
添加剤の量は、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物の総重量を基準として、典型的には、1.0~99.5重量%、好ましくは90.0~99.9重量%、より好ましくは97.5~99.5重量%の範囲である。この場合の100重量%までの残分は、典型的には、本発明によるシロキサン化合物である。個々の添加剤の量(2種以上使用する場合)は、標準的な配合または日常的な実験に基づき得る。
本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、好ましくは、少なくとも1種のポリマーを含む。接着剤またはシーラント配合物に使用されるポリマーは、当業者に広く利用可能であり、必要に応じて、それらの既知の特性および日常的な実験に基づいて選択され得る。本発明の文脈では、シラン変性ポリマーが好ましい。シラン変性ポリマーは、シラン基で変性されたポリマーである。シラン変性ポリマーは、好ましくは、ポリマー群、例えば、ポリウレタン、(シリコーンに対応する)ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリアクリレートまたはポリブタジエンに属し、ただし、それらは、ポリマー1分子あたり少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのシラン基を有するものである。シラン基は、ポリマー分子中の異なる部位に結合し得る。それらは、好ましくはポリマーの終端基(=末端基)および/またはポリマーの構造中の非末端基である。シラン基は、アルキルジアルコキシシラン基および/またはトリアルコキシシラン基の群から選択され、特に、メチルジメトキシシラン基および/またはトリメトキシシラン基および/またはメチルジエトキシシラン基および/またはトリエトキシシラン基の群から選択される。変性されたシラン変性ポリマーが末端または非末端アルキルジアルコキシシラン基および/またはトリアルコキシシラン基を有する組成物が非常に特に好ましい。シラン変性ポリマー中のシラン基は、この成分への水分の侵入により架橋反応に入る性質を与える。一般に、水分、例えば空気湿度が侵入すると、シラン基の加水分解性部分(例えば、アルコキシ基)の性質に応じて、アルコール、カルボン酸、オキシムまたはアミンが脱離して、ケイ素-酸素架橋Si-O-Siが形成される。これは概して、異なるポリマーのシラン基で起こり、それによって3次元のネットワークが形成される。
シラン基は、多種多様な様々な方法でポリマー構造に結合し得る。シラン基のケイ素原子は、ポリマー構造に直接に、またはアルカンジイル基などのスペーサー基を介して結合し得る。シラン基は、反応性終端基、例えばポリマーのビニル基、ヒドロキシル基、アミノ基またはイソシアネート基を介して例示的に結合されており、これらはシラン基の対応する反応性基と反応し得る。
例えば、イソシアネート基で終端されたポリウレタンを、アミノアルキルトリアルコキシシランと反応させて、トリアルコキシシラン末端ポリウレタンを得ることが可能である。これらの反応は、当業者に公知であり、対応するポリマーは、例えば、Bayer MaterialScience AG, Momentive Specialty Chemicals Inc.およびEvonik Operations GmbHから市販されている。シラン基で終端されたポリエーテルの例は、Kaneka Corporation製のMSポリマーである。シラン基で終端されたポリアクリレートの例は、Kaneka Corporation製のXMAPポリマーである。シラン基で終端されたポリブタジエンの例は、Kaneka Corporation製のEPIONポリマーである。シラン基で終端されたポリシロキサンの例は、多種多様な異なる製造業者から市販されている湿気架橋ポリシロキサン(RTV 1製品)である。本発明に従って使用されるシラン変性ポリマー中のシラン基の含量は、典型的には1~20個、好ましくは2~10個である。各ポリマー分子について、平均2~10個、好ましくは2~4個のシラン基が存在する。
これらのポリマーは、概して25℃で液体であり、典型的には25℃で5000~1,000,000mPa・sの範囲、好ましくは10,000~50,000mPa・sの範囲の粘度を有する(DIN 53019に従って測定)。特に好ましいシラン変性ポリマーは、シラン基で変性されたポリウレタンであり、25℃で10,000~1,000,000mPas、好ましくは30,000~50,000mPasの粘度(DIN 53019に従って測定)を有する。ポリマーの量は、好ましくは、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物の総重量を基準として、20~98重量%の範囲である。
本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、好ましくは、少なくとも1種の充填剤を含む。有用な充填剤は、多数の材料から選択することができる。例えば、チョーク、天然の粉砕または沈殿した炭酸カルシウム、炭酸カルシウムマグネシウム、アルミニウムマグネシウムカルシウムシリケート型のケイ酸塩、例えばウォラストナイト、または重晶石およびカーボンブラックを使用することが可能である。代替的には、層状ケイ酸塩、例えば葉形の充填剤、例えばバーミキュライト、マイカまたはタルクを使用することが可能である。多くの場合、充填剤の混合物が使用される。例えば、表面コーティングされた形態の天然粉砕チョーク、またはコーティングされていないチョーク、さらには沈殿した表面コーティングされたチョークを使用することが可能である。(1種以上の)充填剤の量は、好ましくは、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物の総重量を基準として、40~65重量%の範囲である。場合により、充填剤を乾燥させる(すなわち、充填剤から水を除去する)ことが有利である。なぜならば、それらは、望ましくない副反応を回避するために、接着剤配合物またはシーラント配合物において、しばしば比較的大量に使用されるからである。この目的のために、例えば、充填剤を適切な乾燥剤の上にあるデシケーター内に十分に長い時間入れて、そこに付着した水を除去すること、または充填剤を高温にさらすことによってそこから水を除去することなどの当業者が利用できる多くの従来の方法が存在する。
本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、好ましくは、少なくとも1種の可塑剤を含む。好ましい可塑剤は、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシルおよびフタル酸ジウンデシルなどのアルキルフタレートである。しかしながら、有機ホスファート、アジペートおよびセバケートの群からの公知の可塑剤、あるいは安息香酸ベンジル、液体ポリブテン、ジベンゾエートまたはジ-もしくはオリゴプロピレングリコール、フェノールもしくはクレゾールのアルキルスルホネート、ジベンジルトルエンまたはジフェニルエーテルまたはジイソノニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシレートも適している。特に優先的に使用される可塑剤の選択基準は、第一に接着剤配合物またはシーラント配合物によって、第二に粘度によって導かれ、さらに所望のレオロジー特性によって導かれる。可塑剤の量は、好ましくは、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物の総重量を基準として、10~50重量%の範囲である。
本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、好ましくは、1種以上の粘着付与樹脂を含み、これは、概して、天然樹脂と合成樹脂とに分けることができる。これらの例には、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、炭化水素樹脂、ならびにロジン、ウッドテレピン油およびトール油などの天然樹脂が含まれる。合成樹脂には、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、クマロン-インデン樹脂、イソシアネート樹脂およびテルペン-フェノール樹脂が含まれる。粘着付与樹脂の量は、好ましくは、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物の総重量を基準として0.1~10.0重量%の範囲である。
本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、好ましくは、少なくとも1種の乾燥剤を含む。適切な乾燥剤は、例えば、アルコキシシラン、例えばビニルトリメトキシシランである。少なくとも1種の乾燥剤の量は、好ましくは、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物の総重量を基準として、0.1~5.0重量%、より好ましくは0.5~2.5重量%の範囲である。
本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、好ましくは、シロキサン化合物と、任意選択的に、ポリマー、好ましくはシラン変性ポリマーとの架橋反応のための少なくとも1種の触媒を含む。当業者は、そのような触媒を認識している。そのような触媒は、シロキサン化合物の分子間および/または分子内架橋を可能にし得る。これらの例は、スズ触媒、例えばスズ錯体、例えばジオクチルスズジアセトネートまたはジアルキルスズカルボキシレート、例えばジブチルスズジラウレートまたはジブチルスズジステアレートである。他の例は、アミン(例えば、DABCO)、およびチタン化合物、亜鉛化合物、ビスマス化合物またはジルコニウム化合物(例えば、チタン酸塩またはジルコン酸塩)である。シロキサン化合物の架橋反応のための触媒の量は、好ましくは、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物の総重量を基準として、0.01~3.0重量%、好ましくは0.01~0.5重量%、より好ましくは0.01~0.2重量%の範囲である。有利には、シロキサン化合物の架橋反応のための触媒の量は、先行技術の溶液と比較して、いかなる悪影響も与えることなく減少させることができる。
加えて、本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、任意選択的に、少なくとも1種の溶媒を含む。少なくとも1種の溶媒は、好ましくはペンタン、ヘキサンおよびこれらの混合物から選択される液体炭化水素(20℃で液体、常圧)である。
任意選択的に、本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、少なくとも1種の顔料または染料を含む。無機または有機のものが市販されており、この目的のために多くの着色化合物が使用され得る(ただし、これは配合物との適合性がある)。顔料の好ましい例は、二酸化チタンまたはカーボンブラックである。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、任意選択的に、少なくとも1種の消泡剤を含む。少なくとも1種の消泡剤の例には、脂肪アルコール系またはシリコーン系の消泡剤が含まれる。
加えて、本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、任意選択的に、少なくとも1種の酸化防止剤を含む。少なくとも1種の酸化防止剤の例は、フェノール、特に立体障害フェノール、多官能性フェノール、硫黄またはリン含有フェノール、アミン、特にHALS型(ヒンダードアミン光安定剤)である。
任意選択的に、本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、任意選択的に、少なくとも1種のレオロジー助剤を含む。好ましいレオロジー助剤は、チキソトロピー剤、例えばヒュームドおよび沈降シリカ、ベントナイト、尿素誘導体、ポリアミドワックス、フィブリル化短繊維または短パルプ繊維である。
さらに、本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、任意選択的に、少なくとも1種のさらなる結合剤(本発明によるシロキサン化合物以外)を含む。炭化水素樹脂、フェノール樹脂、テルペン-フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂またはその誘導体、変性または非変性樹脂酸またはそのエステル(例えばアビエチン酸誘導体)、ポリアミン、ポリアミンアミド、無水物または無水物含有コポリマーに基づくさらなる結合剤を使用することが好ましい。好ましくは、本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、その配合を容易にするさらなる結合剤を含まない。
本発明による接着剤組成物またはシーラント配合物は、任意選択的に少なくとも1種の紫外線安定剤を含む。適切な紫外線安定剤は、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンメチルエーテル、2,3-(ジ-tert-ブチル)ヒドロキノン、1,3,5-トリメチル-2,3,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノール)プロピオネート、n-オクタデシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4-チオビス(6-tert-ブチル-o-クレゾール)、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、6-(4-ヒドロキシフェノキシ)-2,4-ビス(n-オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン、ジ-n-オクタセシル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、2-(n-オクチルチオ)エチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ソルビトールヘキサ[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、p-ヒドロキシジフェニルアミン、N,N’-ジフェニレンジアミンまたはフェノチアジンである。代替的に、二酸化チタン、酸化鉄、または酸化亜鉛などの無機化合物を使用することができる。上記無機化合物は、好ましくはそれらのナノ粒子の形で(すなわち、光散乱によって測定して、100nm以下のd50を有する)使用される。
本発明の好ましい実施形態では、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、
- 少なくとも1種のシロキサン化合物、好ましくは本発明による、典型的には結合剤としてのシロキサン化合物(好ましくは0.1~10重量%の量);
- 少なくとも1種のポリマー、好ましくは少なくとも1種のシラン変性ポリマー(好ましくは、20~98重量%の量);
- 任意選択的に、少なくとも1種の粘着付与樹脂(好ましくは0.1~10重量%の量);
- 任意選択的に、少なくとも1種の可塑剤(好ましくは10~50重量%の量);
- 任意選択的に、少なくとも1種の充填剤(好ましくは40~65重量%の量);
- 任意選択的に、少なくとも1種の乾燥剤(好ましくは、0.1~5.0重量%の量)、および
- 任意選択的に、シロキサン化合物の架橋反応のための少なくとも1種の触媒(好ましくは0.01~3.0重量%の量)
を含むか(またはそれらからなる)。この実施形態では、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物が、指定された任意選択の化合物を含むか(またはそれらからなる)ことが好ましい。
概して、接着剤配合物またはシーラント配合物は、前述の個々の成分を混合することによって調製することができる。当業者は、成分を混合する方法および手段を知っており、一般的な知識に基づいて配合プロセスを適合させることができる。また、本発明の手段の範囲内で、標準的な接着剤またはシーラント配合物(すなわち、本発明によるシロキサン化合物を含まない接着剤またはシーラント)を使用し、本発明によるシロキサン化合物を添加することも可能である。
好ましくは、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、個々の成分を、水分を排除して混合することによって製造される。これは当業者に公知であり、混合は、例えば、当該技術分野で通例である遊星ミキサーおよび溶解機において行うことができる。この文脈において、減圧下または窒素雰囲気下で作動することが好ましい。
製造後、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、好ましくは、気密性の容器、例えばカートリッジ内またはプラスチックバッグ内に分配され、好ましくは、これらの容器内で、保護ガス(例えば窒素)により少なくとも部分的に覆われる。本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、手動でまたは計量装置を用いて容器から適用することができる。当業者は、接着剤配合物またはシーラント配合物の処理の個々の変形例を認識している。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、特に水分を排除して貯蔵された場合、非常に良好な貯蔵安定性を有する。結合されるべき基材に適用した後、それらは、好ましくは反応性配合物である水分の影響下で硬化する(上記参照)。一般に、空気湿度は、本発明による反応性接着剤配合物またはシーラント配合物の架橋をもたらすのに十分である。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、非常に良好な加工性を有し、単純な方法で加工され得る。基材への適用後、皮膜が形成される。23℃および相対湿度50%では、皮膜は、典型的には1~120分以内に形成される(配合物に依存する)。完全硬化までの時間は、所望の接着結合の厚さを含む様々な要因に依存する。典型的には、1~5mmの層の完全硬化は、24時間以内に進行する。
本発明により生成した結合は、優れた機械的特性および優れた付着性で顕著である。完全硬化結合は、典型的には、100%伸びでの引張応力が0.1~10N/mmであり、引張強度が1~15N/mm、破断点伸びが100%~2000%、ショアA硬度が20~90である。
パーツキット
第5の態様では、本発明は、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物を提供するためのパーツキットに関する。
上記パーツキットは、少なくとも成分C1および成分C2を含み、ここで、成分C1は、本発明による少なくとも1種のシロキサン化合物と、任意選択的に、充填剤、顔料、染料、可塑剤、レオロジー助剤、結合剤、粘着付与樹脂、乾燥剤、溶媒、消泡剤、UV安定剤、酸化防止剤、シロキサン化合物の架橋反応のための触媒、加水分解安定剤、反応性希釈剤、接着樹脂、難燃剤、接着促進剤、組成物に特定の特性を付与するさらなる添加剤、例えば、導電性添加剤または湿潤助剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤、および前述の添加剤の2種以上の混合物と、を含み;
成分C2は、水を含む。
上記の添加剤は、任意選択的に成分C1およびC2のうちの1種に添加される。好ましくは、成分C1は、上記添加剤の成分C2中に存在する水との望ましくない反応を避けるために、シロキサン化合物の架橋反応のために、ポリマー、乾燥剤および触媒を含む。成分C1は、好ましくは水不含である。
成分C2は、水(例えば99.0重量%の水)であるか、または好ましくは、架橋に必要な水を含むペーストである。上記ペーストは、水および1種以上の充填剤、レオロジー助剤、好ましくは増粘剤、可塑剤、任意選択的に、必要に応じて、ペーストのpH値を調整するための酸および/または塩基を含むペーストであり得る。好ましくは、ペーストは、所望の使用に適した粘度に調整される。ペースト中の水の量は、好ましくは0.5~99.9重量%、より好ましくは1~10重量%の範囲である。
2つのパーツは、使用前に、例えばスタティックミキサで混合されなければならない。2つの成分は、空にする間に(例えば、押し出すことによって)混合するためのスタティックミキサを備えたツインカートリッジに充填されることが多い。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物を適用するための方法
第6の態様では、本発明は、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物を少なくとも1つの表面の少なくとも一部に適用する方法であって、所定の順序で方法工程
a)少なくとも1つの表面を提供する工程;および
b)上記少なくとも1つの表面を、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物で処理する工程
を含む方法に関する。
それにより、処理された表面が得られる。
少なくとも1つの表面は、好ましくは、木材、ガラス、金属、プラスチック、鉱物および前述のものの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含むかまたはそれらからなる。表面は、任意選択的に、1つ以上の塗料層によって覆われている。
本発明の文脈における好ましいプラスチックは、ポリオレフィン、例えばポリプロピレンおよびポリエチレン(好ましくは、例えばコロナ処理またはプラズマ処理によって、または機械的特性をさらに改善するために表面の火炎処理によって前処理された)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンおよびABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンターポリマー)などの前述のものの混合物またはブレンドである。より好ましいのは、ポリエステル(PET)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)である。好ましい金属はアルミニウムである。
少なくとも1つの表面は、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物で処理される。そのために、接着剤配合物またはシーラント配合物は、上記少なくとも1つの表面上にもたらされる。表面は、接着剤配合物により完全に覆われているか、または部分的にのみ覆われている。例えば、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、少なくとも1つの表面上に散布されるか、またはカートリッジから適用される。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物を適用するための方法は、好ましくは、少なくとも1つの表面をプライマーで処理する工程を含まない。プライマーとは、結合の他の不十分な接着強度を改善するための前準備工程のことである。よく使用されるプライマーの例は、シラン(例えば、適切な溶媒中で希釈)である。本発明によるシロキサン化合物が二官能性であり、結合剤およびプライマーとして作用するため、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物を使用する場合、この工程はもはや必要ではない。有利には、本発明によるシロキサン化合物自体によって接着性が十分に改善され、その結果、さらなるプライマーはもはや必要とされない。これはさらに補助架橋剤として作用する。
好ましくは、本発明による接着剤配合物を適用する方法は、方法工程b)の後にさらなる方法工程:
c)処理された少なくとも1つの表面と、さらなる表面との結合を形成する工程
を含む。
さらなる表面は、好ましくは上記の少なくとも1つの表面について定義された群から選択される。さらなる表面は、少なくとも1つの表面およびその上の接着剤配合物と接触される。これは、表面を互いに押し付けることによって、または他の任意の手段によって達成することができる。
さらなる表面および少なくとも1つの表面の両方が、少なくとも1つの表面上で接着剤配合物と接触することが必須である。これにより、2つの表面は、本発明による接着剤配合物によって互いに結合される。本発明による接着剤配合物上に皮膜が形成される前に、例えば、その適用(方法工程b))後の最初の5分以内、10分以内または30分以内に、方法工程c)を実施することが好ましい。
好ましくは、接着剤配合物は、本発明によるパーツキットから適用される。さらにより好ましくは、これは、本発明によるパーツキットを含むツインカートリッジから適用される。上記のツインカートリッジにおけるパーツキットの個々のパーツは、スタティックミキサを用いてパーツキットの成分を押し出すことによって混合され得る。
本発明はさらに、本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物を少なくとも1つの表面に適用することによって、または本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物を適用するための方法を使用することによって形成された結合またはシールに関する。結合は、本発明による接着剤配合物を使用する場合に形成され、シールは、本発明によるシーラント配合物を使用する場合に形成される。
本発明はさらに、そのような結合またはシールを含む物品、例えば本明細書に記載された物品に関する。
前述の表面の結合を生成するために、上記の接着剤配合物を使用することが好ましい。特に、金属パーツとプラスチックパーツとの結合、2つ以上のプラスチックパーツの結合、木材パーツとプラスチックパーツとの結合、ガラスパーツおよび金属パーツおよび/またはプラスチックパーツの結合、無機基材および金属および/またはプラスチックパーツの結合が関連する。
さらなる好ましい使用は、特に自動車構造、コンテナ構造、機器製造および造船における用途、不動産、ファサードクラッディング、ルーフシール等の内装取り付けにおける用途、ならびに窓およびドア構造における用途のための、室内および室外での結合の生成に関する。最も好ましくは、結合は、保護グレージング、サンドイッチボンド、照明カバー、ランプホルダ、スイッチパーツおよび制御ノブの製造、ならびに窓構造において生成される。
本発明による接着剤配合物は、木材、ガラス、金属、プラスチックおよび無機基材など互いに結合することが困難なものもある多種多様な異なる材料を、屋内外で張力補償接着結合するために優れた適性を有している。
本発明による接着剤配合物またはシーラント配合物は、好ましくは、自動車建設、コンテナ建設、家電製品製造および造船における用途に使用することができるが、「自分でやる(DIY)」用途を含む不動産の内装取り付け、ならびに窓およびドア構造にも使用することができる。
アルミニウムとの結合の使用例は、屋根要素の結合、金属ライニング、例えば、ガレージ構造における冷却コンテナ構造および断熱におけるアルミニウム、断熱材およびプラスチックのサンドイッチ結合であり、さらには換気ダクトの互いのシーリングおよび結合である。ポリカーボネートとの結合の使用例は、スカイライト、エンクロージャ、例えば自転車ラック、シェルター、特定のフロントガラス、温室、ディスプレイおよびコンピュータモニタの結合である。ポリメチルメタクリレート(「PMMA」)との接着結合の使用例には、保護ガラスと機械との結合だけでなく、銀行および現金輸送車両における防弾ガラスとの結合も挙げられる。スイッチボード、照明カバー、ランプホルダ、スイッチパーツおよび制御ノブ、ならびに窓構造、例えば、移動住宅用窓のためのサンドイッチ結合(例えば、アルミフレーム中のPMMA)等である。
本発明はここで以下の非限定的な実施例を参照して説明されることになる。
実施例
市販製品は、以下で特に明記しない限り、本明細書の提出日に利用可能な技術データシートに記載されているように使用した。特に明記しない限り、引用した標準の最新の取得可能なバージョンを使用した。
ポリマー ST 77およびDynasylan(登録商標)AMEO(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)を、Evonik Operation GmbHから入手した。フタレート可塑剤を、Merck KGaAから入手した。
合成例I
49.89g(0.2モル)のジエチルアミノメチルトリエトキシシラン(式(I)によるシラン)、44.27g(0.2モル)のDynasylan(登録商標)AMEO(式(II)によるシラン)および37.7gのエタノールを、窒素雰囲気中で滴下漏斗および還流冷却器を備えた250mlの四ツ口反応装置で混合した。次に、pH7.2の脱イオン水と21.6gのエタノールとの混合物を、10分間かけて滴加した。溶媒-水混合物を完全に添加した後、反応混合物を、還流下で6時間加熱した。0.13gのナトリウムメトキシド溶液(メタノール中40重量%)を添加する前に、反応混合物の温度をわずかに(約5~10℃)低下させた。その後、反応混合物を還流下でさらに2時間加熱し、減圧下での蒸留によりすべての揮発性有機化合物を除去した。62.3gの目的とするシロキサン化合物が得られた。
合成例II
93.5g(0.375モル)のジエチルアミノメチルトリエトキシシラン(式(I)によるシラン)、99.2g(0.375モル)のDAEO(2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、式(II)によるシラン)および77.1gのエタノールを、窒素雰囲気中で滴下漏斗および還流器を備えた500mlの四つ口反応装置で混合した。次に、pH13.5の脱イオン水と40.5gのエタノールとの混合物を、10分間かけて滴加した。溶媒-水混合物を完全に添加した後、反応混合物を、還流下で6時間加熱した。0.27gのナトリウムメトキシド溶液(メタノール中40重量%)を添加する前に、反応混合物の温度をわずかに(約5~10℃)低下させた。その後、反応混合物を還流下でさらに2時間加熱し、減圧下での蒸留によりすべての揮発性有機化合物を除去した。126.0gの目的とするシロキサン化合物が得られた。
接着剤配合物I(本発明による)
以下に列挙された成分を含む以下の接着剤配合物を、列挙された成分を以下に記載される水を除外して混合することによって調製した。
Figure 2023540230000029
回転ミキサー(高速ミキサーDAC 400 FVZ)内で、シラン変性ポリマーと可塑剤とを一緒に、2500rpmで20秒間混合した。その後、充填剤(105℃のオーブンで乾燥)を、スピードミキサーを用いて、2000rpmで1分以内にこの混合物に混合し、容器の壁に存在する混合物を容器の内部に手作業で移した後に、2000rpmで1分間混合した。次いで、この予備混合物を、室温で30分間冷却した。乾燥剤、接着促進剤および触媒を添加した後に、この混合物を、スピードミキサーを用いて2000rpmで1分間混合し、容器壁に存在する混合物を、容器の内部に手作業で移した後に、これを2000rpmで1分間混合した。こうして調製された接着剤配合物を、カートリッジに移した。性能試験をカートリッジから行った。
接着剤配合物II(本発明による)
接着剤配合物を、接着剤配合物Iについて上記したように調製したが、合成例Iのシロキサン化合物を、合成例IIのシロキサン化合物で置き換えた。
比較の接着剤配合物1
比較の接着剤配合物を、接着剤配合物Iについて上記したように調製したが、合成例Iのシロキサン化合物を、Dynasylan(登録商標)AMEOで置き換えた。
性能試験
接着剤配合物を、DIN EN ISO 527:2019およびDIN EN 1465:2009(引裂強度、破断点伸び、100%伸びでの引張応力、重ねせん断強度)に従って試験した。皮膜形成時間を、DIN 52460:2015に従って測定した。
Figure 2023540230000030
上記の実験は、接着剤配合物における従来技術の溶液と比較して、本発明によるシロキサン化合物の優位性を示した。シロキサン化合物は、接着剤配合物で使用した場合に改善された機械的特性を得ることを可能にした。これにより、基材、特にPMMAなどのプラスチック基材への結合強度がさらに向上した。
本発明によるシロキサン化合物の別の顕著な利点は、先行技術と比較して皮膜形成時間が著しく短縮されることであり、これにより、実行者は、より短い時間で後続の作業工程を続けることができ、全体的なコストが削減される。
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察または本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかであろう。明細書および実施例は例示としてのみ考慮されることを意図しており、本発明の真の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ定義される。

Claims (15)

  1. 式(A)
    Figure 2023540230000031
    [式中、
    は、
    Figure 2023540230000032
    からなる群から選択され、
    ここで、
    a1、Ra4、Ra5、Ra6およびRa7は、独立して、アルキル基およびアリール基からなる群から選択され、
    a2は、水素およびメチル基から選択され、
    各Ra3は、独立して、水素およびメチル基から選択され、
    cは、1~40の範囲の整数であり、
    d、e、fおよびgは、独立して、2~6の範囲の整数であり、
    は、アルキル基であり、
    各Rは、独立して、ヒドロキシ基、オキシアルキル基、オキシアルカンジイルオキシアルキル基、オキシアリール基およびオキシアシル基からなる群から選択され、
    wは、0および1から選択され、かつ
    xは、0、1および2から選択され、
    ただし、wとxとの合計は、0~2の範囲である]による少なくとも1つの構成単位と、
    式(B)
    Figure 2023540230000033
    [式中、
    は、
    Figure 2023540230000034
    からなる群から選択され、
    ここで、
    Lは、C3~C8-アルカンジイル基であり、
    b1、Rb2およびRb3は、アルキル基およびアリール基からなる群から選択され、
    h、iおよびjは、独立して、2~6の範囲の整数であり、
    各Rは、独立して、ヒドロキシ基、オキシアルキル基、オキシアルカンジイルオキシアルキル基、オキシアリール基およびオキシアシル基からなる群から選択され、
    は、アルキル基であり、
    yは、0、1および2から選択され、
    zは、0および1から選択され、
    ただし、yとzとの合計は、0~2の範囲である]による少なくとも1つの構成単位と、
    を含む接着剤配合物またはシーラント配合物において結合剤として使用するためのシロキサン化合物
    または前記シロキサン化合物の塩。
  2. wが0である、請求項1記載のシロキサン化合物。
  3. zが0である、請求項1または2記載のシロキサン化合物。
  4. が、
    Figure 2023540230000035
    からなる群から選択され、ここで、h、iおよびjは、独立して、2~3の範囲の整数である、請求項1から3までのいずれか1項記載のシロキサン化合物。
  5. が、
    Figure 2023540230000036
    からなる群から選択される、請求項1から4までのいずれか1項記載のシロキサン化合物。
  6. が、
    Figure 2023540230000037
    からなる群から選択される、請求項5記載のシロキサン化合物。
  7. 式(B)による構成単位に対する式(A)による構成単位の比が、0.05~10、より好ましくは0.1~3、さらにより好ましくは0.55~2、さらにより一層好ましくは0.9~1.1の範囲であり、最も好ましくは、前記比が1である、請求項1から6までのいずれか1項記載のシロキサン化合物。
  8. 前記シロキサン化合物が、式(A)による1~50個の構成単位と、式(B)による1~30個の構成単位とを含む、請求項1から7までのいずれか1項記載のシロキサン化合物。
  9. シロキサン化合物、好ましくは請求項1から8までのいずれか1項記載のシロキサン化合物の合成方法であって、
    式(I)
    Figure 2023540230000038
    [式中、
    は、
    Figure 2023540230000039
    からなる群から選択され、
    ここで、
    11、R14、R15、R16およびR17は、アルキル基およびアリール基からなる群から選択され、
    12は、水素およびメチル基から選択され、
    各R13は、独立して、水素およびメチル基から選択され、
    oは、1~40の範囲の整数であり、
    p、q、rおよびsは、独立して2~6の範囲の整数であり、
    各Rは、独立して、水素、アルキル基、アルカンジイルオキシアルキル基、アリール基およびアシル基からなる群から選択され、
    は、アルキル基であり、
    αは、0および1から選択される]による少なくとも1種のシランを、
    式(II)
    Figure 2023540230000040
    [式中、
    は、アルキル基であり、
    は、
    Figure 2023540230000041
    からなる群から選択され、
    ここで、
    71、R72およびR73は、独立して、アルキル基およびアリール基からなる群から選択され、
    L’は、C3~C8-アルカンジイル基であり、
    t、uおよびvは、独立して2~6の範囲の整数であり、
    各Rは、独立して、水素、アルキル基、アルカンジイルオキシアルキル基、アリール基およびアシル基からなる群から選択され、
    γは、0および1から選択される]による少なくとも1種のシランと反応させる、方法。
  10. 蒸留工程を含む、請求項9記載の方法。
  11. 請求項9から10までのいずれか1項記載の方法により得られるシロキサン化合物。
  12. 請求項1から8までのいずれか1項または請求項11記載の少なくとも1種のシロキサン化合物を含む、接着剤配合物またはシーラント配合物。
  13. 請求項12記載の接着剤配合物またはシーラント配合物を提供するためのパーツキットであって、前記パーツキットは、少なくとも成分C1および成分C2を含み、ここで、
    成分C1は、請求項1から8までのいずれか1項または請求項11記載の少なくとも1種のシロキサン化合物と、任意選択的に、充填剤、顔料、染料、可塑剤、レオロジー助剤、結合剤、粘着付与樹脂、乾燥剤、溶媒、消泡剤、UV安定剤、酸化防止剤、シロキサン化合物の架橋反応のための触媒、加水分解安定剤、反応性希釈剤、接着樹脂、難燃剤、接着促進剤、組成物に特定の特性を付与するさらなる添加剤、例えば、導電性添加剤または湿潤助剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤、および前述の添加剤の2種以上の混合物と、を含み;
    成分C2は、水を含む、パーツキット。
  14. 請求項12記載の接着剤配合物またはシーラント配合物を少なくとも1つの表面の少なくとも一部に適用する方法であって、所定の順序で方法工程
    a)少なくとも1つの表面を提供する工程;および
    b)前記少なくとも1つの表面を、請求項12記載の接着剤配合物またはシーラント配合物で処理する工程
    を含む、方法。
  15. 請求項12記載の接着剤配合物またはシーラント配合物を少なくとも1つの表面に適用することによって、または請求項14記載の方法を使用することによって形成された、結合またはシール。
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