JP2023538180A - サンプル中で所定のrna配列の存在を決定するための等温リアルタイムpcr法 - Google Patents

サンプル中で所定のrna配列の存在を決定するための等温リアルタイムpcr法 Download PDF

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Abstract

本発明は、サンプル中の所定のRNA配列の存在を決定するための方法であって、上記方法は、RNA依存性および/またはDNA依存性のDNAポリメラーゼ活性ならびに鎖置換活性の活性を提供する1またはこれより多くの酵素を、上記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべきサンプルに添加する工程;少なくとも5種のDNAプライマーを、上記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべきサンプルに同時にまたは引き続いて添加する工程であって、ここで少なくとも1種のDNAプライマーは、上記RNA配列にハイブリダイズし得る配列を含み、少なくとも1種のDNAプライマーは、上記RNA配列に逆相補的なDNA配列にハイブリダイズし得る配列を含む工程;前の工程から生じるサンプルを固定温度においてインキュベートする工程;ならびに伸長された2本鎖DNA配列が、上記サンプル中に存在するか否かを決定する工程を包含する。

Description

本発明は、サンプル中の所定のRNA配列の存在を決定するための方法であって、上記方法は、RNA依存性および/またはDNA依存性のDNAポリメラーゼ活性ならびに鎖置換活性の活性を提供する1またはこれより多くの酵素を、上記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべきサンプルに添加する工程;同時にまたは引き続いて、少なくとも5種のDNAプライマーを、上記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべきサンプルに添加する工程であって、ここで少なくとも1種のDNAプライマーは、上記RNA配列にハイブリダイズし得る配列を含み、少なくとも1種のDNAプライマーは、上記RNA配列に対して逆相補的なDNA配列にハイブリダイズし得る配列を含む工程;上記工程から生じるサンプルを固定温度においてインキュベートする工程;ならびに伸長された2本鎖DNA配列が上記サンプル中に存在するか否かを決定する工程であって、ここで上記サンプル中の伸長された2本鎖DNA配列の存在は、上記サンプル中の所定のRNA配列の存在を示す工程を包含し、ここで上記所定のRNA配列は、RNAウイルスの一部であり、F3プライマーは使用されない、方法に関する。
サンプル中のRNA配列の存在を決定することに関する種々の方法が存在する。しかし、公知技術のうちの大部分は、実質的な時間量を必要とする。依然として、いくつかの適用では、時間は律速要因である。例えば、野生動物集団には多くのコロナウイルスが存在するが、SARS-CoV、MERS-CoVおよび新たに出現しているSARS-CoV-2を含むごくわずかが、ヒトに感染する能力を発達させた。それらは全て、重篤な呼吸器、消化器、および中枢神経系の疾患を引き起こし得る。
多くの症例において、コロナウイルス感染は、患者によって認識されないか、または風邪として認識される。さらに、症状が発生する前のコロナウイルスの潜伏期間は、約4日~2週間である。これは、ヘルスケアシステムがウイルスの拡がりを追いかけることを困難にする。
さらに、入手可能な分子ウイルス検査は、信頼性の高い結果を提供するために数時間かかり、中央検査室で行われなければならない。この時間の間に、潜在的に感染した人間が他の人間に既に感染させ、さらにウイルスが拡散している可能性がある。
上記に鑑みて、サンプル中で、RNA、特に、ウイルスRNA、より詳細には、コロナウイルスに由来するRNAの存在に関する迅速でなお信頼性の高い検査が早急に必要である。
上記の技術的課題は、本明細書で提供され、特許請求の範囲の中で特徴づけられるとおりの実施形態によって解決される。
よって、本発明は、以下の実施形態に関する。
1.サンプル中の所定のRNA配列の存在を決定するための方法であって、前記方法は、
(a)RNA依存性および/またはDNA依存性のDNAポリメラーゼ活性ならびに鎖置換活性の活性を提供する1またはこれより多くの酵素を、前記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべきサンプルに添加する工程;
(b)少なくとも5種のDNAプライマーを、前記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべきサンプルに添加する工程であって、ここで少なくとも1種のDNAプライマーは、前記RNA配列にハイブリダイズし得る配列を含み、少なくとも1種のDNAプライマーは、前記RNA配列に対して逆相補的なDNA配列にハイブリダイズし得る配列を含む工程;
(c)前記工程(a)および工程(b)から生じるサンプルを固定温度においてインキュベートする工程;
(d)伸長された2本鎖DNA配列が前記サンプル中に存在するか否かを決定する工程であって、ここで前記サンプル中の伸長された2本鎖DNA配列の存在は、前記サンプル中の所定のRNA配列の存在を示す工程、
を包含し、
ここで前記所定のRNA配列は、RNAウイルスの一部であり、F3プライマーは使用されない、方法。
2.前記少なくとも5種のプライマーのうちの4種は、それぞれ、順方向内側プライマー(FIP)、逆方向内側プライマー(BIP)、ループプライマー順方向(LPF)およびループプライマー逆方向(LPB)である、実施形態1に記載の方法。
3.第5のプライマーは、B3プライマーである、実施形態1および2に記載の方法。
4.RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する前記酵素は、逆転写酵素または逆転写酵素活性、および必要に応じて、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼである、実施形態1~3のいずれか1つに記載の方法。
5.前記RNAウイルスは、1本鎖RNAウイルスである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
6.前記RNAウイルスは、コロナウイルスである、実施形態5に記載の方法。
7.前記コロナウイルス(CoV)は、α-CoV、β-CoV、γ-CoVまたはδ-CoVの属である、実施形態6に記載の方法。
8.前記コロナウイルスは、ヒトコロナウイルスOC43(HCoV-OC43)、ヒトコロナウイルスHKU1(HCoV-HKU1)、ヒトコロナウイルス229E(HCoV-229E)、ヒトコロナウイルスNL63(HCoV-NL63、New Havenコロナウイルス)、中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoVまたは「新型コロナウイルス2012」)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoVまたは「SARS-classic」)、および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2または「新型コロナウイルス2019」)からなる群より選択される、実施形態6または7に記載の方法。
9.前記固定温度は、50~75℃の間である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法。
10.前記工程(c)におけるサンプルは、1~120分間インキュベートされる、実施形態1~9のいずれか1つに記載の方法。
11.前記ウイルスは、コロナウイルスであり、前記プライマーのうちの1またはこれより多くのものは、以下の配列:
(a)FIPプライマー配列: CTT GCT CTT CTT CAG GTT GAC CAA GGT AAA CCT TTG;および/または
(b)BIPプライマー配列: GGT TAG ATG ATG ATA GTC CTG ATT GTC CTC ACT GCC;および/または
(c)LPFプライマー配列: AAG AGC AGC AGA AGT GGC AC;および/または
(d)LPBプライマー配列: CAA ACT GTT GGT CAA CAA G;および/または
(e)B3プライマー配列: GAA CCT CAA CAA TTG TTT GAA TAG、
を含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載の方法。
12.前記サンプル中の伸長された2本鎖DNA配列の存在は、伸長された2本鎖DNA配列にハイブリダイズし得る核酸分子であって、特にここで前記核酸分子は標識される核酸分子を使用するか、前記伸長された2本鎖DNA配列の中にインターカレートする分子を使用するか、または濁度測定を使用することによって決定される、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法。
13.患者の処置における使用のための抗ウイルス化合物であって、ここで前記患者は、実施形態6~12のいずれか1つに記載の方法を使用して、コロナウイルス科(corona family)のウイルスに感染していると予め決定されている、抗ウイルス化合物。
14.前記抗ウイルス化合物は、レムデシビルを含む、実施形態13に記載の抗ウイルス化合物。
よって、第1の局面において、本発明は、サンプル中の所定のRNA配列の存在を決定するための方法であって、上記方法は、RNA依存性および/またはDNA依存性のDNAポリメラーゼ活性ならびに鎖置換活性の活性を提供する1またはこれより多くの酵素を、上記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべきサンプルに添加する工程;同時にまたは引き続いて、少なくとも5種のDNAプライマーを、上記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべきサンプルに添加する工程であって、ここで少なくとも1種のDNAプライマーは、上記RNA配列にハイブリダイズし得る配列を含み、少なくとも1種のDNAプライマーは、上記RNA配列に対して逆相補的なDNA配列にハイブリダイズし得る配列を含む工程;上記工程から生じるサンプルを固定温度においてインキュベートする工程;ならびに伸長された2本鎖DNA配列が上記サンプル中に存在するか否かを決定する工程であって、ここで上記サンプル中の伸長された2本鎖DNA配列の存在は、前記サンプル中の所定のRNA配列の存在を示す工程、を包含し、ここで上記所定のRNA配列は、RNAウイルスの一部であり、F3プライマーは使用されない方法に関する。
用語「所定のRNA配列」とは、本明細書で使用される場合、RNA配列に言及し、ここで当業者は、それがRNAウイルスの一部であることを認識している。特に、上記所定のRNA配列は、本発明内では、本発明の方法を使用して検出可能な配列である。すなわち、当業者に利用可能なRNA配列は、上記配列が、本明細書で提供されるとおりの方法を使用して、サンプル中で検出可能である可能性が高いか否かを当業者が決定することができれば、所定のものである。本発明内では、上記所定のRNA配列は、本発明の方法において使用されるプライマーのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に同一である少なくとも1個のプライマー結合部位を含む。プライマー結合部位は、上記配列が正確に同一である場合に、もしくはそれらが、1つの配列がチミジンの代わりにウラシルを含むという点においてのみ異なる場合に、および/またはそれらが、1つの配列がそれぞれの改変されていないヌクレオチドの代わりに1もしくはこれより多くの改変されたヌクレオチドを含むという点においてのみ異なる場合に、プライマー部位に同一であると考えられる。
用語「DNAプライマー」または「プライマー」とは、本明細書で使用される場合、相補的な核酸配列へのハイブリダイゼーションに際して、例えば、酵素による核酸複製反応を介して伸長され得る3’末端-OH基を含む核酸分子をいう。本発明に従うプライマーセットは、核酸の増幅のために、すなわち、LAMP分析またはRT-LAMP分析のために使用される。上記プライマーの長さの上限および下限の両方は、経験的に決定される。本明細書で記載されるDNAプライマーは、順方向プライマーまたは逆方向プライマー(reverse primer)であり得る。用語「逆方向プライマー(backward primer)」とは、本明細書で使用される場合、DNA配列のアンチセンス鎖をプライミングして、ポリメラーゼが、DNA配列の相補的な鎖に沿って、一方向に伸長することを可能にするプライマーをいう。少なくとも1種の逆方向プライマーはまた、逆転写のためのRTプライマーとして働く。用語「順方向プライマー(forward primer)」とは、本明細書で使用される場合、DNA配列のセンス鎖をプライミングして、ポリメラーゼがDNA配列の一方の鎖に沿って一方向に伸長することを可能にするプライマーをいう。
用語「サンプル」とは、本明細書で使用される場合、所定のRNA配列を潜在的に含む任意の標本をいう。本発明の方法において使用されるとおりのサンプルは、生体(例えば、植物、および/または動物、好ましくは、ヒト(例えば、気管支肺胞洗浄液、気管支洗浄物、咽頭滲出液、気管吸引物、血液、血清、血漿、骨、皮膚、軟組織、腸管標本、生殖路標本、母乳、リンパ、脳脊髄液、胸水、痰、尿、鼻分泌物、涙、胆汁、腹水、膿、滑液、硝子体液、腟分泌物、精液および/または尿道組織)、初代細胞もしくは改変された細胞、組織、細胞培養物、培養培地、添加物、細胞由来生成物、実験装置、バイオ医薬品、微生物ならびに/または例えば、食品、土壌および/もしくは汚水から分離されたサンプルに由来する。
初期サンプルからの所定のRNA配列の単離は、当業者に公知の任意の方法(例えば、界面活性剤での溶解処理、超音波処理、ガラスビーズを使用する振盪撹拌またはフレンチプレス法のような)によって行われ得る。本発明の方法において、内因性ヌクレアーゼが、核酸分子の長さを低減するために使用され得る。本発明の方法において、核酸の精製は、例えば、フェノール抽出、クロマトグラフィー、イオン交換、ゲル電気泳動、密度依存性遠心分離および/または当業者に公知の他の方法によって行われ得る。
RNA依存性およびDNA依存性のDNAポリメラーゼ活性の活性を提供する酵素は、DNA鎖またはRNA鎖から構成されるテンプレートに基づいて、5’→3’方向にDNAを合成し得る。当業者が認識するように、このような酵素は、上記テンプレートの遊離3’-ヒドロキシル基にヌクレオチドを逐次的に付加する。この点において、上記テンプレート鎖は、Watson-Crick塩基対合に基づいて付加されたヌクレオチドの配列を決定する。DNAポリメラーゼの活性は、RNA依存性および/またはDNA依存性であり得る。例示的なポリメラーゼとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Bst DNAポリメラーゼ、Vent DNAポリメラーゼ、Vent(exo-)DNAポリメラーゼ、Deep Vent DNAポリメラーゼ、Deep Vent(exo-)DNAポリメラーゼ、Bca(exo-)DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼI Klenowフラグメント、Φ29ファージDNAポリメラーゼ、Z-TaqTM DNAポリメラーゼ、ThermoPhiポリメラーゼ、9°Nm DNAポリメラーゼ、およびKOD DNAポリメラーゼ。例えば、米国特許第5,814,506号;同第5,210,036号;同第5,500,363号;同第5,352,778号;および同第5,834,285号; Nishioka, M.ら (2001) J. Biotechnol. 88, 141; Takagi, M.ら(1997) Appl. Environ. Microbiol. 63, 4504を参照のこと。
RNA依存性DNAポリメラーゼ活性の活性を提供する酵素として、任意の適切な逆転写酵素が使用され得る。この点において、使用されるべき酵素は、特に限定されないが、ただしそれは、RNAをテンプレートとして使用してcDNAを合成する活性を有する。さらに、核酸増幅酵素の耐熱性を改善する物質(例えば、トレハロース)が添加され得る。
単に本明細書において「5’末端側」または「3’末端側」として表現される場合、それは、全ての場合においてテンプレートとして考えられる鎖の方向を意味する。また、3’末端側が相補鎖合成の出発点になることが記載される場合、それは、3’末端側の-OH基が、相補鎖合成の出発点であることを意味する。
用語「鎖置換(strand displacement)」とは、本明細書で使用される場合、酵素が、プライマーで開始される合成の間の2本鎖のDNA分子においておよび/または2本鎖のRNA分子において、DNA鎖および/またはRNA鎖を分離する能力に言及する。
用語「ハイブリダイゼーション」とは、本明細書で使用される場合、相補的核酸分子のアニーリングに言及する。2つの核酸が互い「にハイブリダイズする」場合、または1つの核酸が別の核酸「にハイブリダイズする」場合、その2つの核酸分子は、その2つの核酸分子が、特定の反応に利用される特定の条件(例えば、温度、塩および他の緩衝液条件)下で互いにアニールし得る十分数の相補的な核酸塩基を示す。ハイブリダイゼーションの最も一般的な機序は、上記核酸分子の相補的核酸塩基間の水素結合(例えば、Watson-Crick、Hoogsteenまたは逆Hoogsteen水素結合)が関わる。ハイブリダイゼーションは、種々の条件下で起こり得る。ストリンジェントな条件は、配列依存性であり、ハイブリダイズされるべき核酸分子の性質および組成によって決定される。核酸ハイブリダイゼーション技術および条件は、当業者に公知であり、広範囲にわたって記載されている。例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual 第2版. Cold Spring Harbor Press, 1989; Ausubelら, 1987, Current Protocols in Molecular Biology; Greene Publishing and Wiley-Interscience, New York; Tijessen, 1993, Hybridization with Nucleic Acid Probes, Elsevier Science Publishers, B.V.;およびKricka, 1992, Non-Isotopic DNA Probe Techniques, Academic Press, San Diego, Californiaを参照のこと。
用語「F3」とは、本明細書で使用される場合、プライマーセットの外側順方向プライマーをいう。
以前のLAMP法は、増幅プロセスの間にcDNA鎖を放出するためにF3プライマーが必要とされると想定された(例えば、Nagamineら. 2002. Molecular and Cellular Probes 16. 223-229を参照のこと)が、本発明者らは、F3プライマーを省略してもその増幅プロセスが損なわれないことを見出した。
しかし、本発明内では、F3プライマーが省略された5プライマーシステムが所定のRNA配列を検出するのに最も効率的であることが、驚くべきことに見出された。「最も効率的」とは、本明細書で使用される場合、検出が、一般に使用される技術より迅速かつ高感度であるが、信頼性(これは、ウイルス感染を検出するために使用される検査において必要条件である)を維持することを意味する。さらに、標準的なLAMP技術にあるとおりの6種のプライマーの代わりに、5種のプライマーを使用することによって、より短い標的配列が検出され得ることが見出された。
本発明は、所定のRNA配列を含むサンプル、および本発明の少なくとも1種のプライマーが存在する反応システムにおいて、上記サンプル中の所定のRNA配列の増幅反応を行う工程を包含する核酸を増幅するための方法を提供する。本発明のある特定の実施形態において、上記プライマーのうちの少なくとも1つの種は、本発明の核酸増幅反応において使用される。すなわち、本明細書で記載されるDNAプライマーは、他のプライマーと組み合わせて使用され得るか、または本明細書で記載されるDNAプライマーのうちの2種が使用され得る。
本発明内では、5種の異なるプライマーが使用されることが好ましい。いくつかの実施形態において、本発明において使用されるプライマーのうちの少なくとも2種は、ループプライマーである。
用語「ループプライマー(loop primer)」とは、本明細書で使用される場合、所定のRNA配列の増幅生成物のうちの少なくとも1つのループ領域にハイブリダイズし得る配列を含むDNAプライマーに言及する。上記ループ領域は、増幅生成物の鎖をそれ自体にアニールすることによって形成される。代表的には、ループプライマーは、生成されたDNA配列にハイブリダイズし、さらなるDNA伸長プロセスの開始のための出発点の数の増大を提供する。ループプライマーの使用は、増幅プロセスを加速し得る。
本発明内では、少なくとも5種のプライマーのうちの4種が、それぞれ、順方向内側プライマー(FIP)、逆方向内側プライマー(BIP)、ループプライマー順方向(LPF)およびループプライマー逆方向(LPB)であることが好ましい。
用語「FIP」または「順方向内側プライマー(forward inner primer)」とは、本明細書で使用される場合、鎖開始のための配列および同じFIPで開始される鎖にハイブリダイズし得る配列を含む順方向プライマーに言及する。
用語「BIP」または「逆方向内側プライマー(backward inner primer)」とは、本明細書で使用される場合、鎖開始のための配列および同じBIPで開始される鎖にハイブリダイズし得る配列を含む逆方向プライマーに言及する。
用語「ループプライマー順方向(loop primer forward)」または「LPF」とは、本明細書で使用される場合、順方向プライマーであるループプライマーに言及する。
用語「ループプライマー逆方向(loop primer backward)」または「LPB」とは、本明細書で使用される場合、逆方向プライマーであるループプライマーに言及する。
これらの用語は、ループ媒介性等温増幅(LAMP)法(例えば、Nagamineら. 2002. Molecular and Cellular Probes 16. 223-229によって記載されるもの)に関する方法において一般に使用される。
本発明の方法内では、従って、第5のプライマーがB3プライマーであることが好ましい。
用語「B3」とは、本明細書で使用される場合、プライマーセットのうちの外側逆方向プライマーに言及する。標的核酸またはその相補的配列に特異的に結合する本明細書で記載されるDNAプライマーは、長さが少なくとも10ヌクレオチド、15ヌクレオチド、または19ヌクレオチド、B3に関しては少なくとも18ヌクレオチド、20ヌクレオチド、22ヌクレオチドまたは24ヌクレオチド、FIPおよびBIPに関しては少なくとも25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、33ヌクレオチド、または36ヌクレオチド、ならびにLPFおよびLPBに関しては少なくとも10ヌクレオチド、15ヌクレオチド、17ヌクレオチド、または19ヌクレオチドであり得る。標的核酸配列に特異的に結合するDNAプライマーは、相当する領域と少なくとも80%相補性、詳細には90%相補性、より詳細には95%相補性、96%相補性、97%相補性、98%相補性、99%相補性または100%相補性の核酸配列を有し得る。
本発明において、F3プライマーは使用されない。これは、B3プライマーの存在下であって、F3プライマーの非存在下であっても、検出がより迅速かつより高感度であることが本発明者らによって驚くべきことに発見されたことが理由である。本発明の方法を使用すると、検出は、10分以内に可能であることが観察され、サンプル中の少数の所定のRNA配列を検出するためにより高感度であった。すなわち、添付の実施例に示されるように、コロナウイルスの所定のRNA配列の陽性検出は、5種のプライマー、特に、FIP、BIP、LPF、LPBおよびB3を使用して、プライマーおよび酵素の添加後10分以内で達成された。よって、本発明の方法は、例えば、ウイルス感染のパンデミック勃発を制御するにあたって重要である、ウイルス感染を検出するための信頼性が高くかつ迅速な方法を初めて提供する。
本発明の方法内では、RNA依存性および/またはDNA依存性のDNAポリメラーゼ活性ならびに鎖置換活性の活性を提供する1またはこれより多くの酵素が使用される。すなわち、全3種の活性が、分析されるべきRNA配列に添加されるべきである。上記活性は、全3種の活性を有する1つの酵素、または各々が上記3種の活性のうちの1またはこれより多くを有するいくつかの酵素によって提供され得る。
本発明の方法内では、所定のRNA配列を含むRNAウイルスがコロナウイルスであることは好ましい。しかし、上記RNAウイルスは、任意の種類のものであり得る。
用語「RNAウイルス」とは、本明細書で使用される場合、その遺伝物質としてRNAを含む任意のウイルスをいう。いくつかにおいて、上記RNAウイルスは、dsRNAウイルス、プラス-センスssRNAウイルスおよびマイナス-センスssRNAウイルスの群から選択されるウイルスであり得る。いくつかの実施形態において、上記RNAウイルスは、以下の群から選択されるウイルスであり得る:Amalgaviridae、Birnaviridae、Chrysoviridae、Cystoviridae、Endornaviridae、Hypoviridae、Megabirnaviridae、Partitiviridae、Picobirnaviridae、Reoviridae、Totiviridae、Quadriviridae、Botybirnavirus、割り当てられていないdsRNAウイルス、Arteriviridae、Coronaviridae(特に、コロナウイルス、SARS-CoVを含む)、Mesoniviridae、Roniviridae、Dicistroviridae、Iflaviridae、Marnaviridae、Picornaviridae、Secoviridae、Alphaflexiviridae、Betaflexiviridae、Gammaflexiviridae、Tymoviridae、Alphatetraviridae、Alvernaviridae、Astroviridae、Barnaviridae、Benyviridae、Botourmiaviridae、Bromoviridae、Caliciviridae、Carmotetraviridae、Closteroviridae、Flaviviridae、Fusariviridae、Hepeviridae、Hypoviridae、Leviviridae、Luteoviridae、Polycipiviridae、Narnaviridae、Nodaviridae、Permutotetraviridae、Potyviridae、Sarthroviridae、Statovirus、Togaviridae、Tombusviridae、Virgaviridae、割り当てられていない属、プラス-センスssRNAウイルス、Qinviridae、Aspiviridae、Chuviridae、Bornaviridae、Filoviridae、Mymonaviridae、Nyamiviridae、Paramyxoviridae、Pneumoviridae、Rhabdoviridae、Sunviridae、Anphevirus、Arlivirus、Chengtivirus、Crustavirus、Wastrivirus、Yueviridae、Arenaviridae、Cruliviridae、Feraviridae、Fimoviridae、Hantaviridae、Jonviridae、Nairoviridae、Peribunyaviridae、Phasmaviridae、Phenuiviridae、Tospoviridae、Tilapineviridae、Amnoonviridae、Orthomyxoviridae、サテライトウイルス(特に、Sarthroviridae、Albetovirus、Aumaivirus、Papanivirus、Virtovirus、ミツバチ慢性麻痺病ウイルス(Chronic bee paralysis virus)を含む)、Retroviridae、Metaviridae、およびPseudoviridae。
本発明内では、上記コロナウイルスは、特に、α-CoV、β-CoV、γ-CoVまたはδ-CoVの属のものであり得る。より詳細には、上記コロナウイルスは、ヒトコロナウイルスOC43(HCoV-OC43)、ヒトコロナウイルスHKU1(HCoV-HKU1)、ヒトコロナウイルス229E(HCoV-229E)、ヒトコロナウイルスNL63(HCoV-NL63、New Havenコロナウイルス)、中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoVまたは「新型コロナウイルス2012」)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoVまたは「SARS-classic」)、および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2または「新型コロナウイルス2019」)からなる群より選択され得る。
いくつかの局面において、本明細書で記載されるRNAウイルスは、本明細書で記載される少なくとも1種のRNAウイルスのウイルスゲノム配列と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%の配列同一性を有するバリアントである。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるSARS-CoV-2は、SARS-CoV-2バリアントである。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるSARS-CoV-2バリアントは、B.1.1.207系統、B.1.1.7系統、Cluster 5、501.V2バリアント、P.1系統、B.1.429/CAL.20C系統、B.1.427系統、B.1.526系統、B.1.525系統、B.1.1.317系統、B.1.1.318系統、B.1.351系統、B.1.617系統およびP.3系統の群から選択されるSARS-CoV-2バリアントである。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるSARS-CoV-2バリアントは、19A、20A、20C、20G、20H、20B、20D、20F、20I、および20Eのグループから選択されるNextstrain cladeによって記載されるSARS-CoV-2バリアントである。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるSARS-CoV-2ウイルスは、D614G、E484K、N501Y、S477G/N、P681H、E484Q、L452RおよびP614Rの群から選択される少なくとも1つの変異を含むSARS-CoV-2バリアントである。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるSARS-CoV-2バリアントは、SARS-CoV-2バリアントまたは本明細書で記載されるバリアントに由来するハイブリッドである。
本発明の方法において、特にその工程(c)において、温度が固定され得る。
用語「固定温度」とは、本明細書で使用される場合、酵素およびプライマーが実質的に機能し得るように、一定またはほぼ一定の温度条件を維持することに言及する。ほぼ一定の温度条件とは、設定温度が正確に維持されるのみならず、その温度におけるわずかな変化が、上記酵素およびプライマーの実質的機能をだめにしないそのような程度の範囲内もまた許容可能であることを意味する。例えば、およそ0~10℃の温度の変化は許容可能である。
固定温度下での核酸増幅反応は、使用されるべき酵素の活性が維持され得るこのようなレベルで温度を保持することによって実施され得る。さらに、上記核酸増幅反応においてプライマーと標的核酸とのアニールをもたらし、例えば、反応温度を設定するために、プライマーのおおよそのTm値の温度またはそれより低い温度に設定され得、プライマーのTm値を考慮に入れることによってストリンジェンシーのレベルにおいてその温度を設定することは好ましい。上記核酸増幅反応において、増幅反応は、上記酵素が不活性化されるかまたはプライマーを含む試薬のうちの1つが使い尽くされるまで、反復され得る。
すなわち、上記1またはこれより多くの酵素、DNAプライマーおよび分析されるべきサンプルは、一定の温度において同じチューブの中でインキュベートされる。上記温度は、好ましくは50~75℃の間である。しかし、上記温度はまた、より低い、例えば、30~75℃の間の場合もある。代替の実施形態において、タッチダウン温度工程が使用される。すなわち、上記温度は、分析の過程の間に下げられ、例えば、70℃の温度で出発し、それは、その後50℃へと下げられる。
本発明の方法において、上記1またはこれより多くの酵素、DNAプライマーおよび分析されるべきサンプルは、1~120分の間、好ましくは1~60分の間、1~45分の間、1~30分の間、または1~15分の間の時間にわたって、同じチューブの中でインキュベートされる。好ましい実施形態において、上記サンプルは、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分、26分、27分、28分、29分または30分にわたってインキュベートされる。
本発明内では、上記ウイルスはコロナウイルスであることが好ましい。本発明のこのような実施形態において、好ましいプライマー配列は、以下に示される:
(a)FIPプライマー配列: CTT GCT CTT CTT CAG GTT GAC CAA GGT AAA CCT TTG(配列番号1);および/または
(b)BIPプライマー配列: GGT TAG ATG ATG ATA GTC CTG ATT GTC CTC ACT GCC(配列番号2);および/または
(c)LPFプライマー配列: AAG AGC AGC AGA AGT GGC AC(配列番号3);および/または
(d)LPBプライマー配列: CAA ACT GTT GGT CAA CAA G (配列番号4);および/または
(e)B3プライマー配列: GAA CCT CAA CAA TTG TTT GAA TAG(配列番号5)。
上記のプライマー配列は、コロナウイルスの配列を標的化する。特に、上記プライマーは、以下の配列を標的化する:
アクセッション番号NC_045512.2の塩基3129~3290に相当する
いくつかの実施形態において、本発明の方法において、特に、コロナウイルスのために使用されるプライマーは、以下の群から選択される少なくとも1つを含む:
a)配列番号1の配列と少なくとも88%、91%、94%、97%または100%の配列同一性を有し、その配列は、プライマー機能性をなおも提供する配列を含むFIPプライマー、
b)配列番号2の配列と少なくとも88%、91%、94%、97%または100%の配列同一性を有し、その配列は、プライマー機能性をなおも提供する配列を含むBIPプライマー、
c)配列番号3の配列と少なくとも85%、90%、95%、または100%の配列同一性を有し、その配列は、プライマー機能性をなおも提供する配列を含むLPFプライマー、
d)配列番号4の配列と少なくとも84%、89%、94%、または100%の配列同一性を有し、その配列は、プライマー機能性をなおも提供する配列を含むLPBプライマー、および
e)配列番号5の配列と少なくとも83%、87%、91%、95%または100%の同一性を有し、その配列は、プライマー機能性をなおも提供する配列を含むB3プライマー。
好ましくは、ここで上記プライマー機能性は、配列番号7におけるプライマー機能性である。
いくつかの実施形態において、本発明の方法において使用されるプライマーは、コロナウイルスゲノムにおいて、特に、SARS-CoV-2ゲノムにおいてプライマー機能性を提供し、以下の群から選択される配列と少なくとも85%、90%、95%、または100%の配列同一性を有する配列を有する少なくとも1種のプライマーを含む:配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55および配列番号56。
いくつかの実施形態において、本発明の方法において使用されるプライマーは、コロナウイルスゲノムにおいて、特に、SARS-CoV-2ゲノムにおいてプライマー機能性を提供し、以下の群から選択される配列と少なくとも85%、90%、95%、または100%の配列同一性を有する配列を有する少なくとも1種のプライマーを含む:
a)配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24または配列番号25、
b)配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30または配列番号31、
c)配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35または配列番号36、
d) 配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号46、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50または配列番号51、ならびに
e)配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55および配列番号56。
参照配列に関する「パーセント(%)配列同一性」とは、配列をアラインメントさせ、必要であればギャップを導入し、最大パーセント配列同一性を達成した後に、上記参照配列中のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のアラインメントは、当該分野の技術範囲内の種々の方法において、例えば、公に入手可能なコンピューターソフトウェア(例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェア)を使用して、達成され得る。当業者は、比較されている配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含め、配列をアラインメントさせるための適切なパラメーターを決定し得る。
しかし、当業者は、サンプル中で検出されるべき標的配列に応じて、代替のまたはさらなるプライマー配列を設計する方法を十分に認識している(例えば、Jia, B.ら, 2019, Frontiers in microbiology, 10, 2860を参照のこと)。
本発明の方法は、伸長された2本鎖DNA配列がサンプル中に存在するか否かを決定する工程を包含し、特にここで上記伸長された2本鎖DNA配列の存在は、上記サンプル中の所定のRNA配列の存在を示す。当業者は、サンプル中の伸長された2本鎖DNA配列の存在を決定するために使用されるために適した方法を十分に認識しており、特にここで検出されるべき配列は、既知である。従って、その目的に関して業者に公知の任意の方法が、本発明内で使用され得る。しかし、伸長された2本鎖DNAの存在が、伸長された2本鎖のDNA配列の中にインターカレートし、それによって特化した装置で検出および定量され得る蛍光を発し始める分子を使用することによって決定されることは、好ましい。伸長された2本鎖DNA配列にハイブリダイズし得る核酸分子であって、特にここで上記核酸分子は標識されるかもしくは表面に結合される核酸分子を使用するか、または酵素反応の濁度測定を使用するような他の方法が、DNAの伸長を決定するために使用され得る。
用語「標識(label)」またはその文法上のバリエーションは、本明細書で使用される場合、任意の検出可能なもしくはシグナルを生成する分子またはレポーター分子に言及する。便利な標識としては、比色、化学発光、色素生成、放射活性および蛍光標識が挙げられるが、酵素(例えば、比色、発光、色素生成)もしくは抗体ベースの標識方法またはシグナル生成システムがまた、使用され得る。従って、用語「標識」とは、本明細書で使用される場合、直接的に検出可能なシグナルを与える部分または受動的な部分のみならず、シグナルを生成するかもしくはシグナル生成反応に関与する、または何らかの方法で間接的に検出され得る任意の部分をも含む。「標識された(labelled)」とは、本明細書で使用される場合、検出可能な標識に接続または連結されていることをいう。伸長された2本鎖のDNA配列が上記サンプル中に存在するか否かを決定する工程は、蛍光報告を介して達成され得る。このようなアプローチのうちの大部分は、インターカレートする色素(例えば、臭化エチジウム、SYBR Green、EvaGreenおよびYO-PRO-I)の使用に基づく(Zhang Xら, 2013, PLoS One 8(12):e82841; Mair Gら. 2013, BMC Veterinary Research 9: 108)。本明細書で使用される場合、「インターカレートする(intercalate)」作用物質または色素とは、核酸の二重らせんにおいてスタックされた塩基対の間での非共有結合的挿入の能力のある作用物質または部分に言及する。伸長された2本鎖のDNA配列がサンプル中に存在するか否かを決定する工程は、Forster共鳴エネルギー移動(FRET)の機序に依拠する蛍光技術によって達成され得る(Chen Qら, 1997, Biochemistry 36(15):4701-11)。本発明のある特定の実施形態において、上記LPBおよび/またはLPFは、5’末端において少なくとも1つの標識および/またはアクセプターフルオロフォアで標識される。
用語「濁度」とは、本明細書で使用される場合、光が散乱または吸収される流体または透明な固体中に懸濁および/または可溶性の粒子の尺度をいう。本発明のある特定の実施形態において、伸長された2本鎖のDNA配列がサンプル中に存在するか否かの間接的な決定は、反応副生成物としてのピロホスフェートの形成に本質的に依拠する。ピロリン酸イオンは、核酸重合の間にデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)をDNA鎖に組み込むことによって放出され得、これらのイオンは、反応ミックス中に存在する二価金属イオン、特にマグネシウムイオンと反応して、Mori Y.ら, 2001(Biochem. Biophys. Res. Commun. 289: 150-154)によって記載されるように白色の不溶性ピロリン酸マグネシウム沈殿物を生成する。この沈殿物は、反応溶液の濁度の漸進的な増大を生じ、ピロホスフェート沈殿物は、濁度に関して定量的に測定され得るか、または遠心分離後にペレットとして裸眼で観察され得る。本発明の代替の実施形態において、伸長された2本鎖のDNA配列がサンプル中に存在するか否かを決定する工程は、反応においてマンガンイオンおよびカルセインの組み込みを通じて達成される。カルセインの蛍光は、マンガンイオンの結合によって自然にクエンチされる。反応副生成物としてのピロホスフェート生成は、沈殿を通じて緩衝液からマンガンイオンを除去し、回復されたカルセイン蛍光と合わさって増大した濁度は、可視光またはUV光のいずれかでの励起の際に容易な視覚的読み取りを可能にする(Tomita N.ら. 2008. Nat. Protoc. 3:877-882)。本発明のさらに別の実施形態において、ピロホスフェートからATPへの酵素による変換(これは、DNA合成の間に生じる)は、伸長された2本鎖のDNA配列がサンプル中に存在するか否かを決定するために、熱安定性ホタルルシフェラーゼによって生成される生体発光を通じてモニタリングされる(Gandelman OA.ら, 2010, PLoS One 5(11): el4155)。
一般に、Becherer, Lisa,ら(「Loop-mediated isothermal amplification (LAMP)-review and classification of methods for sequence-specific detection」. Analytical Methods 12.6 (2020): 717-746)によって記載される全ての方法は、本発明の方法と組み合わせられ得る。
本発明はさらに、コロナウイルス科のウイルス、特に、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染した患者を処置する方法であって、上記方法は、効率的な量の抗ウイルス処置を上記被験体に投与する工程を包含し、ここで上記患者は、本発明の方法を使用して、コロナウイルス科のウイルスに感染していることが予め決定されている方法に関する。抗ウイルス処置が、効率的な量のレムデシビルを上記患者に投与する工程を包含することは、好ましい。
ある特定の実施形態において、本発明は、コロナウイルス科のウイルス、特に、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染した患者を処置する方法であって、上記方法は、効率的な量の抗ウイルス処置を上記被験体に投与する工程を包含し、ここで上記患者は、本発明の方法を使用して、コロナウイルス科のウイルスに感染していることが予め決定されている方法に関する。
ある特定の実施形態において、本発明は、患者の処置における使用のための抗ウイルス化合物であって、ここで上記患者は、本発明の方法を使用して、コロナウイルス科のウイルス、特に、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染していることが予め決定されている抗ウイルス化合物に関する。
用語「抗ウイルス化合物(antiviral compound)」とは、本明細書で使用される場合、ウイルスに対して、および/またはウイルス関連疾患の症状に対して効果を有する化合物をいう。ウイルスに対する効果としては、特に、ウイルスの増殖、生存、複製、機能、および/または伝播(dissemination)を防止する、阻害する、抑制する、低減する、それに悪影響を与える、および/または干渉するという特性が挙げられ得る。いくつかの実施形態において、上記抗ウイルス化合物は、ワクチン、免疫モジュレーター、心血管モジュレーター、肺機能モジュレーターおよびウイルス複製インヒビターの群から選択される。
いくつかの実施形態において、上記抗ウイルス化合物は、ダルナビル、オセルタミビル、ウミフェノビル、ファビピラビル、リバビリン、ナファモスタットメシル酸塩、カモスタットメシル酸塩、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、テイコプラニン、アジスロマイシン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、サリドマイド、ベバシズマブ、トシリズマブ、サリルマブ、アナキンラ、インターフェロン(α、β、X)、ロサルタン、コルチコステロイド(例えば、メチルプレドニゾロン)、イベルメクチン、ニタゾキサニド、エメチン、ファモチジン、ヘパリン、EIDD-2801およびジピリダモールの群から選択される少なくとも1種の化合物である。
ウイルス疾患におけるこれらの化合物の使用および投与量は、当業者に公知である(例えば、Tarighi, P.ら, 2021, European Journal of Pharmacology, 173890ならびにその中で引用される治験の文書および試験プロトコールを参照のこと)。
用語「処置」(および「処置する」または「処置すること」のようなその文法上のバリエーション)は、本明細書で使用される場合、処置されている個体の自然経過を変化させようとする試みにおける臨床上の介入に言及し、予防のために、または臨床病理の経過の間に、いずれかで行われ得る。処置の所望の効果としては、疾患の発生もしくは再発の防止、症状の軽減、疾患の任意の直接的もしくは間接的な病理学的結論の減弱、転移の防止、疾患の進行速度の低下、疾患状態の改善もしくは緩和、ならびに寛解または予後の改善が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「患者」とは、本明細書で使用される場合、動物(哺乳動物、好ましくはヒトを含む)に言及する。いくつかの実施形態において、本明細書で記載される患者は、ウイルス感染に際して有害な疾患の進行のリスクを増大させる素因を有する。いくつかの実施形態において、ウイルス感染に際して有害な疾患の進行のリスクを増大させる素因は、がん、慢性腎疾患、慢性肺疾患(例えば、COPD、喘息、間質性肺疾患、嚢胞性線維症、および肺高血圧、気腫、慢性気管支炎、損傷したもしくは瘢痕化した肺組織、間質性肺疾患)、肺高血圧、神経学的状態(例えば、認知症、アルツハイマー)、糖尿病、ダウン症候群、心臓の状態(例えば、心不全、冠動脈疾患、心筋症または高血圧)、HIV感染、免疫不全状態、肝臓疾患、過体重、肥満症、妊娠、鎌状赤血球症、サラセミア、喫煙、固形器官移植、血液幹細胞移植、脳卒中、脳血管疾患および物質使用障害の群から選択される状態である。
用語「レムデシビル(Remdesivir)」とは、本明細書で使用される場合、上記薬物自体に言及するのみならず、上記薬物の活性代謝産物およびその任意の薬学的組成物にも言及する。本発明の好ましい実施形態において、レムデシビルは、注射および/または吸入され得る。
従って、本発明の方法を使用してコロナウイルス科のウイルスに感染したことが予め決定されている患者は、早期処置から、例えば、(重篤な)症状の発生前の防止的処置から利益を受け得る。
ある特定の実施形態において、本発明は、患者の処置における使用のための抗ウイルス化合物であって、ここで上記患者は、本発明の方法を使用してコロナウイルス科のウイルスに感染していないことが予め決定されており、好ましくはここで上記抗ウイルス化合物はワクチンである抗ウイルス化合物に関する。
本発明の方法は、病原体を効率的に決定し得、早期検出、スクリーニング、モニタリングおよび/または過去の感染の確認を容易にする。この容易にされた検出は、感染の処置を改善し得る、病原体の拡がりを低減し得る、および/または疾患の進行を回避し得る。
従って、本発明は、特に抗ウイルス処置から利益を受ける被験体の決定および抗ウイルス処置の改善を可能にする。
本発明の方法を行うために、キットが、必要な試薬を集めることによって準備され得る。さらなる実施形態において、本発明は、キットに、特に、サンプル中のウイルスRNAを検出することにおける使用のためのキットに関する。上記キットは、所定のRNA配列を検出するための1またはこれより多くの、好ましくは全5種または6種のプライマーを含む。本発明のある特定の実施形態において、上記キットは、RNAおよび/またはDNAポリメラーゼ活性ならびに鎖置換活性を提供する酵素、核酸シンターゼ、dNTP、緩衝液、融解温度調節薬剤、反応容器および仕様書を含み得る。このようなキットの使用によって、単に、サンプルを上述の反応容器に添加し、上記反応容器をある特定の温度に保持することによって、核酸増幅反応を実施することが可能になる。
上記キットはまた、例えば、クエンチャー-フルオロフォア二重鎖領域を含むプライマーを使用することによる(Tanner NA, Zhang Y, Evans TC Jr. Simultaneous multiple target detection in real-time loop-mediated isothermal amplification. Biotechniques. 2012;53(2):81-89)、同じRNAウイルスの異なる配列を標的化する1種より多くのプライマーシステム、特に、2種またはこれより多くのプライマーシステムを含み得る。このようなキットは、いくつかの医学的状態の同時検出ならびに/またはいくつかのRNAウイルスもしくはいくつかのウイルスバリアントの検出によって特に有用であり得る。この点において、低減されたプライマーの数が、低減されたプライマー干渉に起因して、1種より多くのプライマーシステムの改善された有用性をもたらすことが驚くべきことに見出された。
本発明の特に好ましい実施形態において、本発明の(文脈において調製されるべき)キットまたは本発明の方法および使用は、取扱説明書をさらに含み得るか、またはこれとともに提供され得る。例えば、上記取扱説明書は、当業者が本明細書で提供される診断上の使用においておよび本発明に従って、本発明のキットを(どのようにして)使用するかをガイドし得る。詳細には、上記取扱説明書は、本明細書で提供される方法または使用を使用するまたは適用するためのガイダンスを含み得る。
別段定義されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が関する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で記載されるものに類似のまたは等価な方法および材料は、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料は以下に記載される。矛盾する場合、定義を含め、本明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は、例証に過ぎず、限定することは意図されない。
本明細書で記載される一般的方法および技術は、別段示されなければ、当該分野で周知の、ならびに本明細書全体を通じて引用および考察される種々の一般的およびより科学的な参考文献に記載されるとおりの従来法に従って行われ得る。例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)およびAusubelら, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates (1992)、ならびにHarlow and Lane Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1990)を参照のこと。
本発明の局面は、図面および前述の説明において詳細に例証および記載されるが、このような例証および記載は、例証または例示であって、限定ではないと見做されるべきである。変更および改変が、以下の特許請求の範囲および趣旨の範囲内で当業者によって行われ得ることは、理解される。特に、本発明は、上記または下記で記載される異なる実施形態からの特徴の任意の組み合わせを有するさらなる実施形態を網羅する。
さらに、特許請求の範囲において、文言「含む、包含する(comprising)」とは、他の要素または工程を排除せず、不定冠詞「a(1つの、ある)」または「an(1つの、ある)」は、複数を排除しない。1つのユニットは、特許請求の範囲の中で記載されるいくつかの特徴の機能を満たし得る。属性または特に値に関連する用語「本質的に(essentially)」、「約(about)」、「およそ(approximately)」などはまた、それぞれ、上記属性を正確にまたは上記値を正確に定義する。特許請求の範囲における任意の引用符合は、範囲を限定するとして解釈されるべきではない。
図1は、低コピー数のSARS-CoV-2 RNAを有するサンプルに対して、本発明の5プライマーシステムと、6プライマーシステムとの間で比較した感度を示す。
図2は、シグナルが5プライマーシステムと6プライマーシステムを使用して決定される時間を示す。
以下は、本発明の方法および組成物の例である。上記で提供される一般的な記載を考慮すれば、種々の他の実施形態が実施され得ることが理解される。
F3なしの新規な5プライマーシステムは、F3ありの6プライマーシステムと同程度に効率的にSARS-CoV2 RNAを増幅する
1反応あたり17.0μl PEMを添加する。
テンプレート添加
8.0μl 抽出RNAを添加する。
8.0μl RNase非含有HOを陰性アッセイコントロールとして添加する。

Claims (14)

  1. サンプル中の所定のRNA配列の存在を決定するための方法であって、前記方法は、
    (a)RNA依存性および/またはDNA依存性のDNAポリメラーゼ活性ならびに鎖置換活性の活性を提供する1またはこれより多くの酵素を、前記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべき前記サンプルに添加する工程;
    (b)工程(a)と同時にまたはそれに引き続いて、少なくとも5種のDNAプライマーを、前記所定のRNA配列の存在に関して分析されるべき前記サンプルに添加する工程であって、ここで少なくとも1種のDNAプライマーは、前記RNA配列にハイブリダイズし得る配列を含み、少なくとも1種のDNAプライマーは、前記RNA配列に対して逆相補的なDNA配列にハイブリダイズし得る配列を含む、工程;
    (c)工程(a)および工程(b)から生じる前記サンプルを固定温度においてインキュベートする工程;
    (d)伸長された2本鎖DNA配列が前記サンプル中に存在するか否かを決定する工程であって、ここで前記サンプル中の前記伸長された2本鎖DNA配列の存在は、前記サンプル中の前記所定のRNA配列の存在を示す、工程、
    を包含し、
    ここで前記所定のRNA配列は、RNAウイルスの一部であり、F3プライマーは使用されない、方法。
  2. 前記少なくとも5種のプライマーのうちの4種は、それぞれ、順方向内側プライマー(FIP)、逆方向内側プライマー(BIP)、ループプライマー順方向(LPF)およびループプライマー逆方向(LPB)である、請求項1に記載の方法。
  3. 第5のプライマーは、B3プライマーである、請求項1および2に記載の方法。
  4. RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する前記酵素は、逆転写酵素および/または逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記RNAウイルスは、1本鎖RNAウイルスである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記RNAウイルスは、コロナウイルスである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記コロナウイルスは、α-CoV、β-CoV、γ-CoVまたはδ-CoVの属である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記コロナウイルスは、ヒトコロナウイルスOC43(HCoV-OC43)、ヒトコロナウイルスHKU1(HCoV-HKU1)、ヒトコロナウイルス229E(HCoV-229E)、ヒトコロナウイルスNL63(HCoV-NL63、New Havenコロナウイルス)、中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoVまたは「新型コロナウイルス2012」)、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoVまたは「SARS-classic」)、および重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2または「新型コロナウイルス2019」)からなる群より選択される、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記固定温度は、50~75℃の間である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 工程(c)における前記サンプルは、1~120分間インキュベートされる、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記ウイルスは、コロナウイルスであり、前記プライマーのうちの1またはこれより多くのものは、以下の配列:
    (f)FIPプライマー配列: CTT GCT CTT CTT CAG GTT GAC CAA GGT AAA CCT TTG;および/または
    (g)BIPプライマー配列: GGT TAG ATG ATG ATA GTC CTG ATT GTC CTC ACT GCC;および/または
    (h)LPFプライマー配列: AAG AGC AGC AGA AGT GGC AC;および/または
    (i)LPBプライマー配列: CAA ACT GTT GGT CAA CAA G;および/または
    (j)B3プライマー配列: GAA CCT CAA CAA TTG TTT GAA TAG、
    を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記サンプル中の前記伸長された2本鎖DNA配列の存在は、前記伸長された2本鎖DNA配列にハイブリダイズし得る核酸分子であって、特にここで前記核酸分子は標識される、核酸分子を使用するか、前記伸長された2本鎖DNA配列の中にインターカレートする分子を使用するか、または濁度測定を使用することによって決定される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 患者の処置における使用のための抗ウイルス化合物であって、ここで前記患者は、請求項6~12のいずれか1項に記載の方法を使用して、コロナウイルス科のウイルスに感染していると予め決定されている、抗ウイルス化合物。
  14. 前記抗ウイルス化合物は、レムデシビルを含む、請求項13に記載の抗ウイルス化合物。
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