JP2023523978A - 水酸化ナトリウムの存在下、メタノール中で、シスチンおよび塩化アセチルからn,n-ジアセチル-l-シスチン二ナトリウム塩を調製する方法 - Google Patents

水酸化ナトリウムの存在下、メタノール中で、シスチンおよび塩化アセチルからn,n-ジアセチル-l-シスチン二ナトリウム塩を調製する方法 Download PDF

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Abstract

N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩を調製する方法であって、(i)5~10℃の温度で、ヒドロキシアルカン(シスチン1モル当たり0.5~100Lの間、好ましくは0.5~10Lの間、より好ましくは1~3Lの間、最も好ましくは1L)をナトリウム塩基(シスチン1モル当たり4.0モル当量)と混合して冷溶液を形成することと;(ii)シスチン(1モル当量)を前記冷溶液に添加し、十分な時間撹拌して、塩基性シスチン溶液を形成することと;(iii)場合により、シスチン溶液を5℃に冷却することと;(iv)温度を3~50℃の間、好ましくは5~35℃の間、より好ましくは10℃未満、最も好ましくは5℃に維持しながら、塩化アセチル(シスチン1モル当たり2モル当量)を少しずつ添加し、それによって、白色懸濁液を得ることと;(v)前記白色懸濁液を撹拌し、前記懸濁液を15℃~50℃、好ましくは20℃~35℃、より好ましくは20℃の室温まで加温させ、それによって、溶液に溶解したN,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物および前記懸濁液中の塩化ナトリウム副産物沈殿固体を得ることとを含む方法。本明細書は、小実験室規模(シスチン抽出物500mg;生成物688mg;収率90%)(16頁;実施例1)での例示的な方法を開示する。

Description

本発明は、アセチル化剤を使用してシスチンから直接N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩(「NDAC二ナトリウム塩」)を調製する効率的な方法に関する。
健康な見た目は、パーソナルケアにつながる普遍的な消費者のニーズである。健康に見える皮膚は、外観(グロー、輝度、色相の均一性、色素沈着斑)、肌理(滑らかさ、絹のような手触り、隆起および細孔の欠如)、および加齢(小じわ、しわ、弾力性、およびたるみ/弛緩)の属性に関して説明することができる。
様々なクラスの化合物が皮膚の外観に対する美容上の利益を主張しているが、システインおよびシスチン誘導体はあまり注目されていない。
β置換システイン/シスチン、シスチンジアミド、シスチンジアルキルエステルおよびN-アルカノイルシステインを含むいくつかのシステイン/シスチン誘導体は、例えば腎結石予防における潜在的な治療上の利益を有する(Zhu,et al.,“Rational Design of Novel Crystal Growth Inhibitors for Treatment of Cystinuria Kidney Stones,”2013 ProQuest Dissertations and Theses;CrystEngComm,2016,18,8587参照)。しかしながら、シスチンの最も単純な誘導体であるN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)でさえ、特に美容およびパーソナルケア分野における産業用途を欠いている。
用途がほとんど知られていない結果として、NDACおよび/またはNDAC塩は、商業規模で実用的に利用可能でない。ここで、NDAC塩がシスチンに分解し、これが生物の細胞内でシステインに還元されること、すなわちシステインの細胞内形成が発見された。システインおよびその二量体シスチンはグルタチオン前駆体である。
グルタチオン(GSH)は、グルタメート、システインおよびグリシンからなるトリペプチドである。GSHは全ての哺乳動物組織に存在する。これは生体内の主要な抗酸化剤であり、活性酸素種をクエンチすることによって細胞を酸化から保護する。GSHは、電離放射線、熱、ある特定の化学物質、および太陽UV放射の細胞傷害性効果から細胞を保護するのに重要な役割を果たすと考えられている。これは、身体の全ての領域に当てはまるが、放射、特にUV放射、および環境汚染物質の損傷効果に曝露される皮膚において特に重要である。皮膚におけるグルタチオンの細胞内濃度の低下は、紫外線放射への曝露によって引き起こされる細胞損傷、炎症、皮膚の黒化、変色、斑点またはそばかす、および全体的な生理学的老化に関連する。
細胞内グルタチオン産生を増強するための組成物が記載されている。例えば、Chibaらの米国特許第7,740,831号明細書、Crumら(米国特許第37934号明細書、米国特許第42645号明細書、国際公開第2016/033183号、および米国特許出願公開第20050271726号明細書);Mammoneの米国特許第6,149,925号明細書およびPerriconeの米国特許出願公開第20060063718号明細書を参照されたい。GSHトリペプチドの細胞取り込みおよび合成のための局所組成物およびその構成アミノ酸(グルタミン酸、システイン、および/またはグリシン、すなわちグルタチオン前駆体)からの皮膚におけるグルタチオンの生成の増強は、例えば、本出願人の米国特許出願公開第20/9034号明細書、米国特許出願公開第20/16059号明細書、および米国特許出願公開第19/328631号明細書で対処された。
本出願人は、ここで、NDACの性能が、皮膚細胞内のグルタチオン合成の増強について、シスチンの性能に匹敵するが、NDACはより可溶性であり、皮膚へのより良好な送達を有することができ、それによって、より良好な性能をもたらすことができることを発見した。体内のプロテアーゼは、NDACのN-アセチル結合を切断(または加水分解)して最終的にシスチンを生成することができ、したがって、NDACはシスチンの制御放出代替源としても機能することができる。したがって、NDAC塩材料が必要とされている。
NDACよりも有利でない他のシスチン誘導体の例は、チオール(SH)基を含有するN-アセチルシステイン(「NACys」)およびSH基を含有しないL-シスチンジエチルエステル(「DEC」)である。NACysは、去痰剤として一般的に使用されるチオール薬物である(Cryst.Eng.Comm.,2016,18,8587、その中で「NACe」と呼ばれる)。NACysは不快な硫黄臭を提供し、これは化粧品では許容できない。さらに、硫黄臭(硫化水素またはHSとして監視)は、市販されている化粧品で同様に許容できないNACys分解と一致する。同様に、DECもまた、強い望ましくない硫黄臭を発生させ、配合された化粧品において安定ではない。
NDACは、シスチンのアミド、すなわちN,N’-ジアセチル誘導体である。NDACは、本発明の目的のために、以下の化学構造を有する:
Figure 2023523978000001
NDACの分子量=324.4。
本発明のNDAC立体異性体(窒素原子とカルボン酸部分のカルボニル基との間に位置するアルファ-炭素原子の立体異性を指す)には、R,R(L-シスチン)、R,S、S,RおよびS,S(D-シスチン)が含まれる。好ましくは、L立体異性体が使用され、これは自然界で見られる最も豊富な天然の異性体型である。
NDACは容易に商業的に入手可能ではないが、実験室規模で供給され得る。NDACは、Vandana Rathore et al,Organic Letters,20(19),6274-6278;2018およびScott J.Pye et al,Green Chemistry,20(1),118-124;2018に記載されるようにNACysから直接合成され得る:
Figure 2023523978000002
NDACを生成するためのNACysまたは他のSH含有原料の酸化的二量体化を伴うこのような化学的方法は重大な欠点を被る。第1に、未反応NACyは、所望のNDAC生成物から除去することが困難であり、極性溶媒系を使用したクロマトグラフィーなどの特殊な精製方法を必要とする。第2に、このような精製方法は、非常に大規模(例えば、kg、トン)では非実用的である。第3に、最終的なNDAC生成物中の非常に少量のNACys不純物であっても、配合時にNACysなどのSH含有不純物が望ましくない硫黄臭を発生させるため、これを化粧品に使用できなくする。第4に、NACysのNDACへの酸化中に、NACysの早すぎる酸化およびNDACの望ましくないおよび除去が困難なスルフェン/スルフェン酸、スルホンおよび/またはスルホキシド不純物への過酸化をもたらす可能性がある。したがって、チオール含有原料および/または酸化条件の使用を回避する化学的方法が極めて望ましい。
NDACなどのシスチン誘導体を生成する可能性のあるチオール含有原料の使用を回避する賢明なアプローチは、シスチンまたはシスチン由来原料の使用を伴う。シスチンのNDACへの直接変換を伴う実用的な方法は、主にシスチンの水および有機溶媒への極めて低い溶解度のために(例えば、シスチンの水への溶解度は25℃で0.112mg/mlであり;シスチンは、2未満のpHまたは8超のpHを有する水溶液により可溶性であり;シスチンは、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等などの有機溶媒に実質的に不溶性である)報告されていない。
NDACよりも複雑であり、より高分子量のN,N’-ジアルカノイルシスチンは、シスチンおよびより高分子量の酸塩化物から直接化学的に調製されている(例えば、Journal of Chromatography(1989)483,239-252;Journal of Materials Chemistry B(2015)3,7262-7270;Applied Materials and Interfaces(2016)8,21155-21162;Organic and Biomolecular Chemistry(2017)15,3840-3842;Journal of Dispersion Science and Technology(2014)35,1051-1059;Journal of Medicinal Chemistry(2008)51,684-688;Faming Zhuanli Shenqing,102093468参照)。より高分子量の無水物も試薬として使用される(例えば、Faming Zhuanli Shenqing Gongkai Shuomingshu,1810769参照)。さらに、高分子量活性化カルボン酸を試薬として使用することもできる(例えば、Bioconjugate Chemistry(2015)26,145152;ACS Chemical Biology(2009)4,547-556;米国特許出願公開第20120232120号明細書;Biomacromolecules(2015)16,2436-2443参照)。収率は許容可能であるが、残念ながら、これらの方法のほとんどは、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンおよび/または混合溶媒系(例えば、ショッテン・バウマン条件)などの商業規模で望ましくない有機溶媒を使用する。これらの有機溶媒は毒性および/または可燃性であり、いずれにせよ、反応の最後に除去する必要がある。さらに、既存の方法は、多段階抽出法またはクロマトグラフィーなどによる複雑で労働集約的な除去も必要とする副産物の形成を頻繁にもたらす。
他方、低分子量酸塩化物(例えば、塩化アセチル)、無水物(例えば、無水酢酸)または他の活性化カルボン酸からN,N’-ジアルカノイルシスチン生成物を化学的に調製する方法は、低収率に悩まされ、複雑な精製方法を必要とする。これは、一部には、低分子量酸塩化物および無水物のより高い反応性(および溶液中でそれらの間の化学反応を達成するためにシスチンを可溶化するのに必要な塩基性水性媒体に曝露した場合のより高い分解の可能性)に起因する。
したがって、低分子量アセチル化剤(例えば、塩化アセチルまたは無水酢酸)を使用してシスチン(1)から直接N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)二ナトリウム塩(2)を特異的に調製する化学的方法が商業的に必要とされている。
Figure 2023523978000003
当技術分野では、「環境に優しい」、または有機副産物も他の有害な副産物も生成することなく、廃棄物も生成せず(または最小量の廃棄物)、方法に使用される試薬/溶媒を回収および再利用することもできる、低分子量酸塩化物または無水物を使用してシスチンから直接NDAC二ナトリウム塩を生成する実用的な化学的方法が必要とされている。
米国特許第7,740,831号明細書 米国特許第37934号明細書 米国特許第42645号明細書 国際公開第2016/033183号 米国特許出願公開第20050271726号明細書 米国特許第6,149,925号明細書 米国特許出願公開第20060063718号明細書 米国特許出願公開第20/9034号明細書 米国特許出願公開第20/16059号明細書 米国特許出願公開第19/328631号明細書 米国特許出願公開第20120232120号明細書
Zhu,et al.,"Rational Design of Novel Crystal Growth Inhibitors for Treatment of Cystinuria Kidney Stones,"2013 ProQuest Dissertations and Theses;CrystEngComm,2016,18,8587 Cryst.Eng.Comm.,2016,18,8587 Vandana Rathore et al,Organic Letters,20(19),6274-6278;2018 Scott J.Pye et al,Green Chemistry,20(1),118-124;2018 Journal of Chromatography (1989)483,239-252 Journal of Materials Chemistry B(2015)3,7262-7270 Applied Materials and Interfaces(2016)8,21155-21162 Organic and Biomolecular Chemistry(2017)15,3840-3842; Journal of Dispersion Science and Technology(2014)35,1051-1059 Journal of Medicinal Chemistry(2008)51,684-688 Faming Zhuanli Shenqing,102093468 Faming Zhuanli Shenqing Gongkai Shuomingshu,1810769 Bioconjugate Chemistry(2015)26,145152 ACS Chemical Biology(2009)4,547-556 Biomacromolecules(2015)16,2436-2443
本発明は、アセチル化剤(例えば、塩化アセチルまたは無水酢酸)を使用してシスチン(1)から直接N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)二ナトリウム塩(2)を特異的に調製する化学的方法を提供することによって、当技術分野における上記の必要性を排除する。
Figure 2023523978000004
本発明の化学的方法は迅速であり、バッチ法を使用する場合、一段階で、単一容器内で実施される。バッチ法または連続法のいずれかで、本発明の反応は、有利にはシスチンから開始し、再利用することができるアルコール系溶媒を使用する。生成される望ましくないシスチン由来副産物はなく、生成されるいずれの副産物も、好都合に濾別および再利用することができる無害な塩(例えば、NaCl)、または少量のシスチン二ナトリウム塩(未反応シスチンから)、N-アセチル-L-シスチンナトリウム塩(シスチンのモノアセチル化から生じる)および酢酸ナトリウムからなる許容可能な副産物からなる。N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)二ナトリウム塩(2)生成物は、精製を必要とせずに溶媒蒸発で単離される。
本発明は、N-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩(「NDAC二ナトリウム塩」)を調製する一段階方法であって、
L-シスチンを、水酸化ナトリウム(333mg、8.3mmol)を含有するメタノールの冷(約10℃)溶液(5ml)に添加し、5分間撹拌して溶液を形成することと;
溶液を5℃に冷却し、温度を10℃未満に維持しながら、塩化アセチル(0.3ml、4.2mmol)を少しずつ添加し、それによって、白色懸濁液を得ることと;
得られた白色懸濁液を5℃で20分間撹拌し、前記懸濁液を10分間にわたってR.T.(約20℃)まで加温させ、それによって、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物を得ることと
を含む方法を含む。
一態様では、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩を調製する方法が、
10℃の温度で、ヒドロキシアルカン(5ml)をナトリウム塩基(シスチン1mmol当たり4mmol当量)と混合し、冷却して冷溶液を形成することと;
シスチン(1mmol当量)を前記冷(約10℃)溶液に添加し、5分間撹拌して、シスチン塩基性溶液を形成することと;
前記シスチン塩基性溶液を5℃に冷却し、温度を10℃未満に維持しながら、塩化アセチル(シスチン1mmol当たり2.0mmol当量)を少しずつ添加し、それによって、白色懸濁液を得ることと;
前記白色懸濁液を5℃で20分間撹拌し、反応が完了するまで、前記懸濁液を10分間にわたってR.T.(約20℃)まで加温させ、それによって、溶液に溶解したN,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物および前記懸濁液中の塩化ナトリウム副産物沈殿固体を得ることと
を含む。
N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩を調製する大規模代替方法では、本方法が、
(i)5~10℃の温度で、ヒドロキシアルカン(シスチン1モル当たり0.5~100Lの間、好ましくは0.5~10Lの間、より好ましくは1~3Lの間、最も好ましくは1L)をナトリウム塩基(シスチン1モル当たり4.0モル当量)と混合して冷溶液を形成することと;
(ii)シスチン(1モル当量)を前記冷溶液に添加し、十分な時間撹拌して、塩基性シスチン溶液を形成することと;
(iii)場合により、シスチン溶液を5℃に冷却することと;
(iv)温度を3~50℃の間、好ましくは5~35℃の間、より好ましくは10℃未満、最も好ましくは5℃に維持しながら、塩化アセチル(シスチン1モル当たり2モル当量)を少しずつ添加し、それによって、白色懸濁液を得ることと;
(v)前記白色懸濁液を撹拌し、前記懸濁液を15℃~50℃、好ましくは20℃~35℃、より好ましくは20℃の室温まで加温させ、
それによって、溶液に溶解したN,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物および前記懸濁液中の塩化ナトリウム副産物沈殿固体を得ることと
を含む。
さらに、本方法は、反応混合物からNDAC二ナトリウム塩(2)生成物を分離することを含んでもよい。特に、本方法は、
前記塩化ナトリウム副産物沈殿固体を濾別し、それによって、前記沈殿固体を濾液に溶解したN,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物から分離することと、
前記沈殿固体を無水メタノールで洗浄し、前記メタノール濾液を回収することと、
全ての濾液を合わせることと
前記合わせた濾液を減圧下および40℃の温度で蒸発させて、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩(2)生成物を白色固体として収率90%で得ることと
を含んでもよい。
本発明の方法は、迅速であり、有機溶媒または副産物の除去による生成物、NDACの労働集約的な単離も精製も必要とせず、収率および純度が改善されており、副産物および溶媒を再利用および再使用することができる。
N,N’-ジアセチル-L-シスチン塩を調製するための一般的な手順は以下の通りである。
L-シスチン(1モル当量、500mg、2.1mmol)を、5~50℃の間の範囲(好ましくは、5~35℃の間、より好ましくは5~25℃の間、最も好ましくは約10℃未満)の温度で、シスチンに対して4~6モル当量の例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物(好ましくはアルカリ金属水酸化物、最も好ましくは水酸化ナトリウム)、または9~15の範囲(好ましくは10~14の間、最も好ましくは14未満)のpHを有する例えば水酸化カルシウムもしくは酸化カルシウムなどのアルカリ土類水酸化物もしくは酸化物を含有する、L-シスチン1mmol当たりヒドロキシアルカン(またはジヒドロキシアルカンまたはトリヒドロキシアルカン)0.5ml~100mlの間の濃度のヒドロキシアルカンまたはジヒドロキシアルカンまたはトリヒドロキシアルカン、好ましくはヒドロキシアルカンの溶液に添加し、方法の規模、または試薬の量、および均質な溶液/混合物を生成するのに必要な対応する混合時間に応じて、5分間~2時間の間のどこかで撹拌する。
適切なヒドロキシアルカンには、例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール(好ましくはメタノール)が含まれる。適切なジヒドロキシアルカンには、例えば、プロピレングリコールが含まれる。適切なトリヒドロキシアルカンには、例えば、グリセロールが含まれる。
溶液を5~25℃の間に冷却し、温度を50℃未満(好ましくは30℃未満、より好ましくは20℃未満、最も好ましくは約10℃未満)に維持しながら、例えば塩化アセチルまたは無水酢酸(好ましくは塩化アセチル、最も好ましくは塩化アセチル)などのアセチル化剤(シスチンに対して2~4モル当量、好ましくは2~3モル当量、最も好ましくは2モル当量)をゆっくりまたは小分けで添加する。一実施形態では、塩化アセチル(AcCl)を約15℃~約20℃の室温(R.T.)で添加する。
全てのシスチンが消費され(典型的には15分間~24時間の間)、所望のN,N’-ジアセチル-L-シスチン塩が生成されるまで、反応混合物を50℃未満(好ましくは30℃未満、より好ましくは20℃未満、最も好ましくは約10℃未満)で撹拌する。
沈殿した固体を濾別し、ヒドロキシアルカン(好ましくはアルコール、最も好ましくはメタノール)で洗浄し、合わせた濾液を蒸発させると、N,N’-ジアセチル-L-シスチン塩が固体として得られる。
本発明による反応スキームを以下に示す:
Figure 2023523978000005
1つの具体的な実施形態では、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩が以下のように調製される。L-シスチン(1)(500mg、2.1mmol)を、水酸化ナトリウム(333mg、8.3mmol)を含有するメタノールの冷(約10℃)溶液(5ml)に添加し、5分間撹拌する。溶液を5℃に冷却し、温度を10℃未満に維持しながら、塩化アセチル(0.3ml、4.2mmol)を少しずつ添加する。得られた白色懸濁液を5℃で20分間撹拌し、10分間にわたってR.T.(室温、約20℃)まで加温させる。この時点で、TLC(3:4:3酢酸エチル:イソプロピルアルコール:水)は主生成物のきれいな形成を示す。沈殿した固体を濾別し、無水メタノール(4×1ml)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下40℃で蒸発させると、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩(2)が白色固体(688mg、収率90%、純度95%超)として得られる。この生成物のTLCおよび1H NMRは、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩参照標準と同一である。
別の態様では、反応混合物から単離されたN,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物が、シスチン二ナトリウム塩、N-アセチル-L-シスチンナトリウム塩もしくは酢酸ナトリウム、またはこれらの混合物を含有する。
実施例を除いて、または明示的に指示しない限り、反応の材料または条件の量、材料および/または使用の物理特性を示す本明細書の全ての数字は、「約」という単語により修飾されるものと理解すべきである。
濃度または量の任意の範囲を指定する際に、任意の特定の上限濃度を任意の特定の下限濃度または量に関連付けることができることに留意すべきである。
疑義を避けるため、「含む(comprising)」という単語は、「含む(including)」を意味するが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「で構成される(composed of)」を意味するわけではないことを意図している。換言すれば、列挙したステップまたは選択肢が網羅的である必要はない。
本発明は、アセチル化剤(例えば、塩化アセチルまたは無水酢酸)を使用してL-シスチン(1)から直接N,N’-ジアセチル-L-シスチン(NDAC)二ナトリウム塩(2)を特異的に調製する化学的方法を提供することによって、先行技術の必要性を排除する。
本発明の化学的方法は迅速であり、バッチ法を使用する場合、一段階で、単一容器内で実施される。バッチ法または連続法のいずれかで、本発明の反応は、有利にはシスチンから開始し、再利用することができるアルコール系溶媒を使用する。生成される望ましくないシスチン由来副産物はなく、生成されるいずれの副産物も、好都合に濾別および再利用することができる無害な塩(例えば、NaCl)、または少量のシスチン二ナトリウム塩(未反応シスチンから)、N-アセチル-L-シスチンナトリウム塩(シスチンのモノアセチル化から生じる)および酢酸ナトリウムからなる許容可能な副産物からなる。N,N’-ジアセチル-L-シスチン(NDAC)二ナトリウム塩(2)生成物は、精製を必要とせずに溶媒蒸発で単離される。
N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩(「NDAC二ナトリウム塩」)
出願人らは、N,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)およびNDAC二ナトリウム塩がパーソナルケア組成物における有用なアミドであることを発見した。皮膚化粧用組成物において、NDACおよびその二ナトリウム塩は、皮膚に施用されると、細胞内でシステインに変換される。次に、システインは、グルタチオン前駆体としてなど、いくつかの化粧品用途を有する。出願人らは、NDAC二ナトリウム塩が、化粧品用途のためのシステインの最終的な送達のための優れた機能的利点を有することを発見した。
NDAC塩は、N,N-ジアセチルシスチン(N,N’-ジアセチル-L-シスチンまたはNDACとも呼ばれる)の二ナトリウム塩である。NDAC構造を以下に示す(C1016):
Figure 2023523978000006
NDACの分子量=324.4。
本発明の方法に従って調製された、式(2)のN,N’-ジアセチル-L-シスチン(「NDAC」)二ナトリウム塩は、以下の一般構造(C1014Na)を有する:
Figure 2023523978000007
NDAC二ナトリウム塩の分子量=368.3。
NDACまたはその二ナトリウム塩は、大規模で容易に商業的に入手可能ではない。
N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩(「NDAC二ナトリウム塩」)は、本発明の方法に従って調製され得る。本発明の方法は、大量に容易に商業的に入手可能なL-シスチン(1)を使用することによってNDAC二ナトリウム塩の合成に最も有用である。
本発明の方法
本発明の方法によると、N,N’-ジアセチル-L-シスチン塩(NDAC塩)が一段階で調製される。
本方法は、例えばメタノール、エタノールもしくはイソプロパノール(好ましくはメタノール、MeOH)などのヒドロキシアルカン(L-シスチン1mmol当たりヒドロキシアルカン約0.5ml~約100ml)または例えばプロピレングリコールなどのジヒドロキシアルカン、または例えばグリセロールなどのトリヒドロキシアルカンの溶液を分散することから始まる。
本方法は、アルカリ金属水酸化物、またはアルカリ土類水酸化物もしくは酸化物(L-シスチンに対して4~6モル当量)を溶液に添加し、それによって、溶液中でヒドロキシアルカンならびにアルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類水酸化物もしくは酸化物の混合物を生成することを含む。アルカリ土類水酸化物または酸化物には、例えば、第II族アルカリ土類金属、例えば(Mg、CaおよびBa)、好ましくは水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムが含まれる。使用することができる他の塩基は、選択されたI族アルカリ金属(Li、KおよびCsなど)の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩および酸化物である。アルカリ金属水酸化物には、好ましくはハロゲン化物金属水酸化物、最も好ましくは例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが含まれる。水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムは、濾過を介して生成物から容易に分離される溶液中の唯一の副産物として非毒性の塩化ナトリウムを生成するので、特に好ましい。水酸化ナトリウムは、3つの中で最も強い塩基であり、より効率的な反応速度をもたらすので、最も好ましい。
本方法は、シスチン(1モル当量、すなわち500mg、2.1mmol)を溶液混合物に添加することを含む。
本方法は、溶液を3~50℃の間の範囲(好ましくは5~35℃の間、より好ましくは5~25℃の間、さらにより好ましくは約10℃未満、最も好ましくは約5℃)の温度に維持することを含む。この時点で、本方法は、溶液混合物を5分間~2時間の間撹拌することを含む。
その後、本方法は、上記の初期温度に応じて、溶液を約5~25℃の間に冷却することを含む。
次に、本方法は、アセチル化剤を冷却された溶液混合物にゆっくりまたは小分けで添加することを含む。アセチル化剤には、例えば、塩化アセチルまたは無水酢酸(好ましくは塩化アセチル、AcCl)(L-シスチンに対して2~4モル当量)が含まれる。
本方法は、L-シスチンの窒素基での化学変換を達成するために使用されるアセチル化剤の種類に応じて、温度を50℃未満(好ましくは30℃未満、より好ましくは20℃未満、最も好ましくは約10℃未満)に維持することを含む。一実施形態では、塩化アセチル(AcCl)を約15℃~約20℃の室温(R.T.)で添加する。
本方法は、全てのシスチンが消費され(典型的には15分間~24時間の間)、所望のN,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩が生成されるまで、反応混合物を撹拌することを含む。シスチンを塩化アセチルと反応させると、メタノール中水酸化ナトリウムの存在下で、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩、すなわち、式(2)の化合物がメタノール中溶液として得られ、無害な副産物である塩化ナトリウム(「NaCl」)が反応混合物から沈殿する。任意の少量の未反応シスチン、モノアセチル化シスチン(N-アセチル-L-シスチン)または酢酸ナトリウム不純物がメタノール溶液中に残る。
反応が完了したら、本方法は、沈殿したNaCl固体を濾別し、これをヒドロキシアルカン(好ましくはアルコール、最も好ましくはメタノール)で洗浄し、引き続いて合わせた濾液を蒸発させて、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩を固体として得ることを含む。N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩中に存在し得る少量の不純物には、シスチン二ナトリウム塩、N-アセチル-L-シスチンナトリウム塩および酢酸ナトリウムが含まれる。
本発明の方法に適した全ての試薬は、商業的供給源から入手可能である。
シスチンおよび塩基の相対量は、反応完了時に過剰な出発成分も副産物塩も有さないようなものである。本発明の方法によると、約0.9~1モル当量のシスチン対4~6モル当量の塩基、好ましくは1.0モル当量のシスチン対4モル当量の塩基が好ましい。
十分なヒドロキシアルカンおよび塩基を本発明の方法で使用して、9~15の間の見かけのpHを有する[前記ヒドロキシアルカン/塩基溶液のアリコート(2部)を水(8部)と共に使用して調製した溶液のpHを測定することによって決定される]塩基性溶液を生成する。十分な当量の塩基を添加して、1)シスチンのアミン基を脱プロトン化し、それによって、これを塩化アセチルと反応させるのに十分に求核性にし、2)アミンと塩化アセチルの反応から生成されるHClを中和する。塩基が強いほど、pHが高くなり、反応時間が速くなる。
本方法の最後から2番目のステップでは、沈殿した副産物塩(例えば、「NaCl」)を、遠心分離または濾過、好ましくは濾過によって、NDAC二ナトリウム塩生成物を含有する濾液から分離および単離する。単離された副産物塩をさらなるヒドロキシアルカンで洗浄してもよく、NDAC二ナトリウム塩生成物を含有する全ての濾液を合わせる。
本方法の最後のステップでは、合わせた濾液を蒸発させ、所望のNDAC二ナトリウム塩生成物を純粋な形態の固体として残す。好ましくは、本発明の方法は、合わせた濾液から蒸発させたアルコール/メタノール溶媒を凝縮し、再使用し、単離された副産物塩を再利用するさらなるステップも含む。
本発明の方法は、少なくとも業界で使用されている他の溶媒と比較してより環境に優しい溶媒を使用して、これらの特定の種類の反応物を使用してアミド化を行い、望ましくないシスチン由来副産物をもたらさず、再利用または許容可能な副産物(シスチン二ナトリウム塩、N-アセチル-L-シスチンナトリウム塩および酢酸ナトリウム)であり得る無害な副産物塩(NaCl)のみをもたらし、溶媒を完全に再使用することができ、比較的速いので有利である。本発明の方法はまた、90%~99%、好ましくは95%~99%、最も好ましくは少なくとも98%~99%の改善された純度、および85%~99%、好ましくは90%~99%、最も好ましくは少なくとも95%~99%の改善された収率をもたらす。
[実施例]
実験方法
全ての試薬および溶媒は商業的供給源から入手し、さらに精製することなく使用した。L-シスチン(98%超)、塩化アセチル(98%超)、水酸化ナトリウム(97%)および無水メタノール(99.8%)は、Sigmaから購入した。N,N’-ジアセチル-L-シスチン(NDAC;95%)は、CombiBlocksから購入した。
反応監視方法
反応監視は、酢酸エチル、イソプロピルアルコールおよび水の混合物を使用したシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)を使用して実施した。TLCプレートをエタノール中2%ニンヒドリンに供し、引き続いて加熱することによって、TLCプレートの可視化を実施した。1H核磁気共鳴法(1H NMR)および液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)を使用して、反応生成物の定性分析および確認を実施した。TLC、1H NMRおよびLCMSの組み合わせを使用して、純粋な真正標準の比較を介して、反応生成物の純度を評価した。1H NMR、TLCおよびLCMSを使用して、真正NDAC二ナトリウム塩参照標準との比較を介して、生成物純度を確認した。NDAC二ナトリウム塩の参照標準は、NDAC(100mg、0.3mmol)を水(1ml)に溶解し、重炭酸ナトリウム(51mg、0.6mmol)を添加し、10分間撹拌することによって調製した。溶媒を減圧下50℃で除去して、純粋なNDAC二ナトリウム塩を白色粉末として得た(111mg、98%、純度95%超)。
[実施例1]
本発明の範囲内の方法の例を実施した。化学反応スキームを以下に示す。
Figure 2023523978000008
以下のように、具体的な実験手順を一段階で行ってN,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩を調製した。
シスチン(1)(500mg、2.1mmol)を、水酸化ナトリウム(333mg、8.3mmol)を含有するメタノールの冷(約10℃)溶液(5ml)に添加し、5分間撹拌した。
溶液を5℃に冷却し、温度を10℃未満に維持しながら、塩化アセチル(0.3ml、4.2mmol)を少しずつ添加した。
得られた白色懸濁液を5℃で20分間撹拌し、10分間にわたってR.T.(約20℃)まで加温させた。
この時点で、TLC(3:4:3酢酸エチル:イソプロピルアルコール:水)は主生成物のきれいな形成を示した。
沈殿した固体を濾別し、無水メタノール(4×1 ml)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下40℃で蒸発させると、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩(2)が白色固体(688mg、収率90%)として得られた。
真正NDAC二ナトリウム塩参照標準との比較を介して、1H NMR、TLCおよびLCMSによって、生成物の同一性および純度(95%超)を確認した。

Claims (15)

  1. N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩を調製する方法であって、
    (i)5~10℃の温度で、ヒドロキシアルカン(シスチン1モル当たり0.5~100Lの間)をナトリウム塩基(シスチン1モル当たり4.0モル当量)と混合して冷溶液を形成することと;
    (ii)シスチン(1モル当量)を前記冷溶液に添加し、十分な時間撹拌して、塩基性シスチン溶液を形成することと;
    (iii)場合により、前記シスチン溶液を5℃に冷却することと;
    (iv)温度を3~50℃の間に維持しながら、塩化アセチル(シスチン1モル当たり2モル当量)を少しずつ添加し、それによって、白色懸濁液を得ることと;
    (v)前記白色懸濁液を撹拌し、前記懸濁液を15℃~50℃の室温まで加温させ、
    それによって、溶液に溶解したN,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物および前記懸濁液中の塩化ナトリウム副産物沈殿固体を得ることと
    を含む方法。
  2. 前記N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物を反応混合物から分離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記塩化ナトリウム副産物沈殿固体を濾別することによって、前記沈殿固体を濾液に溶解したN,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物から分離することと、
    前記沈殿固体を無水メタノールで洗浄し、前記メタノール濾液を回収することと、
    全ての濾液を合わせることと
    前記合わせた濾液を減圧下および40℃の温度で蒸発させて、N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物を白色固体として収率90%で得ることと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ヒドロキシアルカンが、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール、好ましくはメタノールである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記塩基が、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、およびこれらの混合物;好ましくは水酸化ナトリウムからなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記十分な時間の溶液中でのシスチンの前記撹拌が5分間~1時間、好ましくは5分間かかる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記白色懸濁液の撹拌が10分間~24時間、好ましくは15分間~24時間、より好ましくは20分間かかる、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記白色懸濁液の室温までの加温が10分間~30分間、好ましくは10分間かかる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 全反応完了が15分間~25時間、好ましくは35分間かかる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  10. N-N’-ジ-アセチル-シスチン二ナトリウム塩(「NDAC塩」)を調製する化学的方法であって、
    水酸化ナトリウムの存在下、アルコール溶媒中で、シスチンから出発して、反応混合物を形成するステップと;
    アセチル化剤を用いて前記シスチンをアセチル化するステップと;
    前記反応混合物から前記N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物を単離するステップと
    を含む方法。
  11. 前記アルコール系溶媒を再利用するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記溶媒がメタノールである、請求項10に記載の方法。
  13. 前記アセチル化剤が塩化アセチルまたは無水酢酸である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記アセチル化剤が、前記シスチンに対して2~4モル当量の量で使用される、請求項10に記載の方法。
  15. 前記反応混合物から単離された前記N,N’-ジアセチル-L-シスチン二ナトリウム塩生成物が、シスチン二ナトリウム塩、N-アセチル-L-シスチンナトリウム塩もしくは酢酸ナトリウム、またはこれらの混合物を含有する、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
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