JP2023523557A - 間質性肺疾患の治療における使用のためのトレプロスチニル - Google Patents

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Abstract

間質性肺疾患を治療し、間質性肺疾患(ILD)の対象における肺機能低下を軽減し、そしてILDに罹患している対象における努力肺活量(FVC)を増加させる方法が提供され、この方法はトレプロスチニルの投与を含む。

Description

関連出願
本出願は、2020年4月17日に出願された米国仮出願第63/011,810号及び2021年3月12日に出願された米国仮出願第63/160,611号に対する優先権を主張する。
分野
本願は、一般に、プロスタサイクリンで疾患を治療する方法に関し、より具体的には、トレプロスチニルで疾患を治療する方法に関する。
背景
間質性肺疾患(ILD)又はびまん性実質性肺疾患(DPLD)は、間質(肺の気嚢を含む肺胞の周囲の組織及び空間)に影響を与える肺疾患の群である。これは、肺胞上皮、肺毛細血管内皮、基底膜ならびに血管周囲及び外リンパ組織に関係している。これは、肺への損傷が異常な治癒反応を引き起こすときに発生することがある。このような異常な反応は、特発性肺線維症(IPF)を引き起こすことがある。現在、PFの最も一般的な形態であるIPFの治療薬として、ニンテダニブとピルフェニドンの2つの薬剤がFDAによって承認されている。現在、間質性肺疾患患者の平均生存率は3~5年である(Meyerら、2017)。ILDの新しい薬学的治療法を特定する必要性が存在する。
要旨
1つの態様において、慢性肺疾患、低酸素症及びそれらの組み合わせから選ばれる状態に起因する肺高血圧症を治療する方法は、慢性肺疾患、低酸素症及びそれらの組み合わせから選ばれる状態に起因する肺高血圧症の対象に有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む。
1つの態様において、治療を必要とする対象において間質性肺疾患(ILD)を治療する方法であって、治療有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルを対象に投与することを含む、方法が提供される。1つの実施形態において、対象は、ILDに関連する肺高血圧症を患っている。
1つの態様において、ILDの対象における肺機能低下を軽減する方法であって、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルを対象に投与することを含む、方法が提供される。
1つの態様において、ILDに罹患している対象において努力肺活量(FVC)を増加させる方法であって、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルを対象に投与することを含む、方法が提供される。幾つかの実施形態において、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルの投与は、治療開始前のFVCと比較して少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも90%又は少なくとも100%のFVCの増加をもたらすことができる。FVCは、治療開始前及び治療開始後のある間隔でもって評価できる。例えば、治療前のFVCは、治療開始後1週間、4週間、8週間又は16週間で測定されたFVCと比較することができる。
幾つかの実施形態において、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩の投与は、ILD又はIPF及び/又は低酸素症などの慢性肺疾患から選ばれる状態の対象の努力肺活量(FVC)において統計的に有意であることができる改善を提供することができる。例えば、FVCは、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を投与した慢性肺疾患及び/又は低酸素症の患者のサブ集団において、トレプロスチニルの代わりにプラセボを投与した同じ状態の患者のサブ集団と比較して、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間週間、少なくとも15週間、又は少なくとも16週間、又は少なくとも20週間、又は少なくとも24週間、又は少なくとも28週間、又は少なくとも32週間、又は少なくとも36週間、又は少なくとも40週間、又は少なくとも44週間、又は少なくとも48週間又は少なくとも52週間、高くなることができる。例えば、FVC値は、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を投与した慢性肺疾患及び/又は低酸素症の患者のサブ集団において、トレプロスチニルの代わりにプラセボを投与した同じ状態の患者のサブ集団と比較して、投与の少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも15週間又は少なくとも16週間後に、少なくとも10ml又は少なくとも15ml又は少なくとも20ml又は少なくとも25ml又は少なくとも30ml又は少なくとも35ml又は少なくとも40ml又は少なくとも45ml高くなることができる。間質性肺疾患などの慢性肺疾患及び/又は低酸素症の患者において、FVC値は、通常、未治療の場合に時間とともに減少する。したがって、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩又は医薬的に許容可能な塩を投与すると、投与前のFVC値と比較してFVC値が増加するか、投与前のFVC値内で5%、10%又は20%以内にFVC値を維持するか、又は、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩又は医薬的に許容可能な塩を投与しない場合、例えば、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩又は医薬的に許容可能な塩の代わりにプラセボを投与した場合のFVC値の減少と比較して、経時的なFVC値の減少を低減させることができる。
幾つかの実施形態において、ILDは、特発性肺線維症(IPF)、剥離性間質性肺炎(DIP)、急性間質性肺炎(AIP)、非特異性間質性肺炎(NSIP)、呼吸性細気管支炎関連間質性肺疾患(RB-ILD)、特発性器質化肺炎(COP)、リンパ性間質性肺炎(LIP)、サルコイドーシス、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、アンチシンテターゼ症候群、珪肺症、石綿肺症、職業性肺疾患、慢性過敏性肺炎、特発性間質性肺炎(IIP)、自己免疫ILD、リンパ管平滑筋腫症(LAM)、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)、薬物関連ILD、血管炎、肉芽腫症及びベリリウム症のうちの1つ以上を含む。幾つかの実施形態において、ILDはIPFを含む。
幾つかの実施形態において、ILDは、全身性硬化症関連間質性肺疾患(SSc-ILD)を含む。
幾つかの実施形態において、ILDは、抗生物質、化学療法、抗不整脈剤、コロナウイルス病2019(COVID-19)、非定型肺炎、ニューモシスチス肺炎、結核(TB)、クラミジアトラコマチス、呼吸器合胞体ウイルス又はリンパ管癌腫症から誘発されたものである。
幾つかの実施形態において、対象は、サーファクタント-プロテイン-B欠乏症、サーファクタント-プロテイン-C欠乏症、ABCA3-欠乏症、脳肺甲状腺症候群、先天性肺胞タンパク症、肺胞毛細血管異形成、テロメラーゼ逆転写酵素の変異、テロメラーゼRNAコンポーネントの変異、テロメア伸長ヘリカーゼ1のレギュレータの変異及びポリ(A)特異的リボヌクレアーゼの変異のうちの1つ以上を有する。
幾つかの実施形態において、対象は、息切れ、倦怠感、体重減少、空咳、胸痛及び肺出血のうちの1つ以上の症状を有する。幾つかの実施形態において、投与後に、症状は、医学的に認められた技術によって測定して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%又は約100%改善される。幾つかの実施形態において、医学的に認められた技術は、修正医学研究評議会(MMRC)呼吸困難スケール、修正ボルグ呼吸困難スケール(0~10)、カルダー疲労スケール、体重測定スケール、咳のための視覚的アナログスケール(VAS)、キング簡単間質性肺疾患アンケート(King's Brief Interstitial Lung Disease Questionnaire)、レイセスター咳アンケート(Leicester Cough Questionnaire)(LCQ), Living with IPF (L-IPF、Am J Respir Crit Care Med Vol 202, Iss 12, pp 1689-1697、2020 年 12 月 15 日などを参照されたい)、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、X線、多重磁気共鳴画像法(MRI)、肺機能検査(PFT)、スパイロメトリ、肺容量、最大呼吸圧、拡散能力、酸素飽和度低下及び動脈血ガス評価のうちの1つ以上を含む。
幾つかの実施形態において、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルは、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステル及び医薬的に許容可能なキャリア又は賦形剤を含む医薬組成物で投与される。
幾つかの実施形態において、投与は、経口、吸入、皮下、経鼻、静脈内、筋肉内、舌下、頬、直腸、膣及び経皮投与のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態において、投与は吸入を含む。幾つかの実施形態では、1回の吸入投与事象は、1~20回の呼吸を含み、1日当たり少なくとも1回の吸入投与事象が行われる。
幾つかの実施形態において、方法は、ILDを治療するための少なくとも1つの追加の活性剤の投与を含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの追加の活性剤は、コルチコステロイド、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、シクロホスファミド、リツキシマブ、ピルフェニドン又はニンテダニブを含む。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの追加の活性薬剤及びトレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルは、(a)同時に、(b)混合物として、(c)別々にかつ同時的に又は並行的に、及び(d)別々にかつ順番に、からなる群より選ばれる方法によって投与される。
幾つかの実施形態において、投与は、1日1回、2回、3回、4回、5回又は6回である。幾つかの実施形態において、投与は、約1日、約1日~約3日、約3日~約6日、約6日~約9日、約9日~約12日、約12日~約15日、約15日~約18日、約18日~約21日、約21日~約24日、約24日~約27日、約27日~約30日又は約30日以上からなる群より選ばれる期間である。
幾つかの実施形態において、慢性肺疾患、低酸素症及びそれらの組み合わせから選ばれる状態に起因する肺高血圧症を治療する方法は、慢性肺疾患、低酸素症及びその組み合わせから選ばれる状態に起因する肺高血圧症の対象に、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む。
幾つかの実施形態において、対象はヒトである。
図1は、16週間のトレプロスチニル治療期間にわたる肺基礎疾患の増悪までの時間のカプラン・マイヤープロットを示す。CIは信頼区間を表し、HRはハザード比を表す。研究を早期に中止した対象は、最初の臨床的悪化事象までの時間が最後の来院時に打ち切られた時であった。臨床的悪化事象を経験しなかった対象は、最初の臨床的悪化事象までの時間が研究終了日に打ち切られた時であった。(1)P値は、ベースライン6分歩行距離カテゴリによって層別化されたログランク試験で計算された。(2)ハザード比、95%CI及びp値は、説明変数として治療とベースライン6分歩行距離(連続)を使用した比例ハザードモデルで計算された。
図2は、実施例3に示す臨床研究の計画を概説する。適格性についてスクリーニングされた462人の患者のうち、326人の患者は無作為化を受け、割り当てられたトレプロスチニル又はプラセボの少なくとも1回の投与を受けた(治療意図集団及び安全集団に含まれる)。無作為化を受けた患者のうち、トレプロスチニル群の40人の患者及びプラセボ群の38人の患者が、割り当てられたレジメンを時期尚早に中止した。これらの患者は試験から除外されなかったが、第16週まで評価を維持しそして完了するように勧められた。トレプロスチニル群の33人の患者及びプラセボ群の35人の患者が、第16週前に試験への参加を中止した。
図3は、実施例3に示された臨床試験における、第16週までのピーク6分間歩行距離のベースラインからの平均変化を示す。16週間の試用期間にわたるピーク6分間歩行距離のベースライン(破線)からの平均(±SE)変化を示す。示されたデータは、利用可能なデータ(観察された)を持つ患者と、欠損データを説明するために使用される2つの分析方法の結果に関するものである。各データポイントに表示される値は、その時点で評価された患者の数を示す。一次分析は、混合モデル反復測定(MMRM)法を使用し、欠損データはランダムに欠損していると仮定した。このモデルは、ベースラインからピーク6分歩行距離の変化を従属変数として含み、治療、週及び治療ごとの相互作用を固定効果として、そしてベースライン6分間歩行距離を共変数として含んだ。一次終点の感度分析は、マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を使用した多変量正規代入モデルによる多重代入アプローチを使用して実行した。代入モデルは、治療群、予定されたすべての来院、患者の性別、及び、無作為化時の患者の年齢を含んだ。信頼区間は多重度に対して調整されておらず、決定的な治療効果を推測するために使用することはできない。
図4は、第16週までの混合モデル反復測定を使用した6分歩行距離の治療効果を示す。混合モデル反復測定を使用した縦断的データ分析も実施して、第16週でのピーク6分歩行距離の変化における治療差を評価した。混合モデル反復測定は、ピーク6分間歩行距離のベースラインからの変化を従属変数として、治療、週及び週ごとの治療の相互作用を固定効果として、そして、ベースライン6分歩行距離を共変数として含む。非構造化分散/治療群間で共有される共分散構造を使用して、対象内エラーをモデル化した。
図5は、第16週におけるピーク6分歩行距離(メートル)のサブ群分析に関するフォレストプロットを示す。6MWDは6分歩行距離を表し、CIは信頼区間を表し、ILDは間質性肺疾患を表し、PHは肺高血圧症を表し、PVRは肺血管抵抗を表し、LSは平均差及びその95%信頼区間、そしてp値は、混合モデル反復測定からのものである。信頼区間は多重度に対して調整されておらず、決定的な治療効果を推測するために使用することはできない。病因について、「その他」のカテゴリは、慢性過敏性肺炎及び職業性肺疾患を含む。
図6は、第16週までの多重代入法を使用した6分歩行距離の治療効果を示す。多重代入アプローチはマルコフ連鎖モンテカルロ法による多変量正規代入モデルを使用する。P値は、ベースラインからの6分歩行距離の変化を従属変数として、治療を固定効果として、そしてベースライン6分歩行距離測定値を共変数として使用したANCOVAモデルによるマルコフ連鎖モンテカルロ評価を使用して、100の多重代入から取得される。
図7は、研究来院によるNT-proBNPの結果(pg/mL)を示す。CIは信頼区間を表し、IQRは四分位範囲を表し、NT-proBNPは、N-末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチドを表す。上に示したように、吸入トレプロスチニルは、第16週でプラセボと比較してNT-proBNPの42%の減少と関連があった(治療比0.58、95%CI:0.47、0.72、P<0.001)。ベースラインNT-proBNP測定値を有する対象のみがこの分析に含まれる。P値、評価治療比及び関連する95%CI(LS平均差は比として表される)は、NT-proBNPの対数変換データにおけるベースラインからの変化を従属変数として、共分散分析から得られる。信頼区間は多重度に対して調整されておらず、決定的な治療効果を推測するために使用することはできない。
図8は、第16週までの6分歩行距離についての治療効果のホッジス・レーマン評価を示す。死亡のために早期に離脱したか、病気で歩くことができなかった、又は臨床的悪化事象のために6分歩行距離測定がなかった対象について、6分歩行距離を0に設定した。測定なしの他のすべての離脱については、次期繰越された最後の観察を代入のために使用した。P値は、ベースライン6分歩行距離カテゴリに対して調整されたノンパラメトリックANCOVAから取得される。
図9は、トレプロスチニルAUC0-5と、乾燥粉末吸入器によって投与されるトレプロスチニル吸入粉末(TreT)及びTyvaso噴霧器によって投与される噴霧トレプロスチニルの投与量との間の関係を示すプロットである。
図10は、トレプロスチニルCmaxと、乾燥粉末吸入器によって投与されるトレプロスチニル吸入粉末(TreT)及びTyvaso噴霧器によって投与される噴霧トレプロスチニルの投与量との間の関係を示すプロットである。
図11は、トレプロスチニル吸入粉末(TreT)の投与量のカートリッジを有する乾燥粉末吸入器を示す。
図12は、実施例5の研究の設計を示す。任意選択的な延長段階(OEP)の間に、用量滴定が奨励される。TreTの用量は、各対象の最大安定用量を特定するために、臨床的に許容されるように上方に滴定される。
図13は、OEPにおける様々な維持TreT用量についての幾つかの対象を示す。
図14は、TreT治療の持続時間の関数として、ベースライン6分間歩行距離(6MWD)に対する6MWDの変化を示す。
図15は、実施例5の研究の参加者の満足度を報告するプロットである。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるときに、単数形「a」、「an」及び「the」は、関係が明確に別のことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。任意選択的(任意に存在する)要素を除外するように請求項を作成することができることにさらに留意されたい。そのため、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙又は「否定的な」限定の使用に関連して、「単独的に」、「のみ」などの排他的な用語を使用するための前提条件として役立つことが意図されている。
本明細書で使用されるときに、「含む」又は「備える」という用語は、組成物及び方法が列挙された要素を含むが、他の要素を排除しないことを意味することが意図されている。本明細書で規定されるとおりの要素から「本質的になる」組成物又は方法は、特許請求された技術の基本的かつ新規な特性に実質的に影響を与えない他の材料又は工程を排除しない。「からなる」とは、微量を超える他の成分及び実質的な方法工程を除外することを意味するものとする。これらの移行用語のそれぞれによって規定される実施形態は、この技術の範囲内にある。実施形態がこれらの用語の1つ(例えば、「含む」)によって規定されるときに、本開示は、前記実施形態についての「から本質的になる」及び「からなる」などの代替的な実施形態も含むことを理解されたい。
「対象」とは、治療、観察又は実験の対象となった、又は対象となる哺乳動物(ヒトを含む)などの動物を指す。「対象」及び「患者」は、別段の指示がない限り、互換的に使用されうる。本明細書に記載の方法は、ヒトの治療及び/又は獣医学への適用において有用であることができる。幾つかの実施形態において、対象は哺乳動物である。幾つかの実施形態において、対象はヒトである。
「治療有効量」、「有効量」及び「医薬有効量」という用語は互換的に使用され、そのような治療を必要とする患者(例えば、ヒト)に1回以上の投与で投与されるときに、以下に規定されるとおりの治療を行うのに十分な化合物の量を指す。治療有効量は、患者、治療される疾患、患者の体重及び/又は年齢、疾患の重症度、又は、有資格処方者又は介護者によって決定される投与方法に応じて変化する。治療有効量は、投与による用量又は投与頻度のいずれかに関して、開始用量から用量を上方に向けて滴定することによって決定することができる。幾つかの実施形態において、治療有効用量は、個々の対象の最大許容用量が決定されるまで用量を上方に向けて滴定することによって決定される。
「治療」又は「治療する」という用語は、(i)疾患の発症を遅らせる、すなわち、疾患の臨床症状を発症させない又はその発症を遅らせる、(ii)疾患を阻害する、すなわち、臨床症状の発現を阻止する、及び/又は(iii)疾患を緩和する、すなわち、臨床症状又はその重症度の退行を引き起こす、という目的で本明細書に開示される化合物を投与することを意味する。
「肺線維症」という用語は、肺の瘢痕化及び肥厚を特徴とする状態である。症状としては、息切れ、倦怠感、脱力感、慢性的な乾燥、空咳、食欲不振及び胸の不快感などが挙げられる。最終的に、肺の瘢痕は線維性組織に置き換わり、酸素を血液に伝達する肺の能力が失われる。
別段の規定がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本技術が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様又は同等の任意の方法及び材料も本技術の実践又は試験に使用できるが、代表的な例示的な方法及び材料を本明細書に記載する。
範囲を含む、pH、温度、時間、濃度、用量及び分子量などのすべての数値表示は、0.05%、1%、2%、5%、10%又は20%の増分で(+)又は(-)に変動される近似値である。常に明確に述べられているわけではないが、すべての数値指定の前に「約」という用語が付けられているものと理解されるべきである。
値の範囲が提供されているときに、関係上明確に別段の指示がない限り、その範囲の上限値と下限値との間の下限値の単位の10分の1までの各介在する値、及び、その述べられた範囲内の他の任意の記載された又は介在する値は、本技術に包含される。これらのより小さな範囲の上限値及び下限値は、独立してより小さな範囲に含まれることができ、記載された範囲内の任意の特別に除外された限定に従うことを条件として、本技術に包含される。記載された範囲が限度の一方又は両方を含むときに、含まれる限度のいずれか又は両方を除外する範囲も本技術に含まれる。
1つの態様において、本開示は、治療を必要とする対象において間質性肺疾患(ILD)を治療する方法であって、治療有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルを前記対象に投与することを含む、方法を提供する。
トレプロスチニルは、肺動脈性肺高血圧症の治療に使用される。トレプロスチニルは、下記の構造を有するプロスタサイクリン(PGI2)の合成類似体である。
Figure 2023523557000002
Remodulin(登録商標)(トレプロスチニル)注射液、Tyvaso(登録商標)(トレプロスチニル)吸入溶液及びOrenitram(登録商標)(トレプロスチニル) 徐放性錠剤における有効成分であるトレプロスチニルは、米国特許第4,306,075号明細書に記載されている。トレプロスチニル及び他のプロスタサイクリン誘導体を製造する方法は、例えば、MoriartyらのJ. Org. Chem, 2004, 69, 1890-1902, Drug of the Future, 2001, 26(4), 364-374, 米国特許第6,441,245号、同第6,528,688号、同第6,700,025号、同第6,809,223号、同第6,756,117号、同第8,461,393号、同第8,481,782号、同第8,242,305号、同第8,497,393号、同第8,940,930号、同第9,029,607号、同第9,156,786号、同第9,388,154号、同第9,346,738号、米国公開特許出願番号第2012-0197041号、同第2013-0331593号、同第2014-0024856号、同第2015-0299091号、同第2015-0376106号、同第2016-0107973号、同第2015-0315114号、同第2016-0152548号及び同第2016-0175319号、PCT公開番号WO2016/0055819号及びWO2016/081658号明細書に記載されている。
トレプロスチニルの様々な使用及び/又は様々な形態は、例えば、米国特許第5,153,222号、同第5,234,953号、同第6,521,212号、同第6,756,033号、同第6,803,386号、同第7,199,157号、同第6,054,486号、同第7,417,070号、同第7,384,978号、同第7,879,909号、同第8,563,614号、同第8,252,839号、同第8,536,363号、同第8,410,169号、同第8,232,316号、同第8,609,728号、同第8,350,079号、同第8,349,892号、同第7,999,007号、同第8,658,694号、同第8,653,137号、同第9,029,607号、同第8,765,813号、同第9,050,311号、同第9,199,908号、同第9,278,901号、同第8,747,897号、同第9,358,240号、同第9,339,507号、同第9,255,064号、同第9,278,902号、同第9,278,903号、同第9,758,465号、同第9,422,223号、同第9,878,972号、同第9,624,156号、米国公開特許出願番号第2009-0036465号、同第2008-0200449号、同第2008-0280986号、同第2009-0124697号、同第2014-0275616号、同第2014-0275262号、同第2013-0184295号、同第2014-0323567号、同第2016-0030371号、同第2016-0051501号、同第2016-0030355号、同第2016-0143868号、同第2015―0328232号、同第2015-0148414号、同第2016-0045470号、同第2016-0129087号、同第2017-0095432号、同第2018-0153847号及びPCT公開番号第WO00/57701号、同第WO20160105538号、同第WO2016038532号、WO2018/058124号明細書に開示されている。
トレプロスチニルの「プロドラッグ」は、インビボでトレプロスチニル又はその医薬活性な誘導体に転化される化合物、又は、PCT公開番号WO2005/007081号、米国特許第7,384,978号、同第7,417,070号、同第7,544,713号、同第8,252,839号、同第8,410,169号、同第8,536,363号、同第9,050,311号、同第9,199,908号、同第9,278,901号、同第9,422,223号、同第9,624,156号、同第9,878,972号、同第9,371,264号、同第9,394,227号、同第9,505,737号、同第9,758,465号、同第9,643,911号、同第9,701,616号、同第9,776,982号、同第9,845,305号、同第9,957,200号、同第10,494,327号、同第10,053,414号、同第10,246,403号、同第10,344,012号、同第10,450,290号、同第10,464,877号、同第10,464,878号、同第10,703,706号、同第10,752,733号、同第9,255,064号、同第9,469,600号、同第10,010,518号、同第10,343,979号、同第10,526,274号、米国特許出願公開第2018-0153847号及び同第2021-0054009号、2020年6月9日に出願された米国仮特許出願第63/036,561号、及び、2020年12月14日に出願された米国仮特許出願第63/125,145号明細書に記載の化合物を指すことができる。それらの各々の全体を参照により本明細書に取り込む。
プロスタサイクリンは、大血管の拡張、平滑筋の弛緩、平滑筋増殖の阻害、及び、血液凝固プロセスに関与する血小板凝集の阻害を引き起こすことが以前に示されている低分子である。微小血管レベル及び皮膚近くの毛細血管に対するトレプロスチニルによる同様の作用は、皮膚の血流を促進し、強皮症、バージャー病、レイノー病、レイノー現象及びその他の状態に関連する虚血病変又は潰瘍を治癒及び/又は予防するのに役立つと考えられている。
トレプロスチニルの「エステル」は、式:
Figure 2023523557000003
(上式中、R1は、H、任意に置換されたC1~C10アルキル、任意に置換されたC3~C10シクロアルキル、任意に置換されたC2~C10アルケニル、任意に置換されたC2~C10アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、又は、任意に置換されたヘテロシクリルであり、
R2及びR3はそれぞれ独立して-C(O)R4であり、そして
各R4は、独立して、任意に置換されたC1~C10アルキル、任意に置換されたC3~C10シクロアルキル、任意に置換されたC2~C10アルケニル、任意に置換されたC2~C10アルキニル、任意に置換されたアリール、任意に置換されたヘテロアリール、又は、任意に置換されたヘテロシクリルであり、
R1、R2及びR3の少なくとも1つはHではない)の化合物を指すことができる。
「任意に置換された」は、基及びその基の置換形態から選ばれる基を指す。置換基は、以下に規定される基のいずれかを含むことができる。1つの実施形態において、置換基は、C1~C10又はC1~C6アルキル、置換C1~C10又はC1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C6~C10アリール、C3~C8シクロアルキル、C2~C10ヘテロシクリル、C1~C10ヘテロアリール、置換C2~C6アルケニル、置換C2~C6アルキニル、置換C6~C10アリール、置換C3~C8シクロアルキル、置換C2~C10ヘテロシクリル、置換C1~C10ヘテロアリール、ハロ、ニトロ、シアノ、-CO2H又はそのC1~C6アルキルエステルから選ばれる。
「アルキル」は、1~10個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子を有する一価飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語としては、例として、メチル(CH3-)、エチル(CH3CH2-)、n-プロピル(CH3CH2CH2-)、イソプロピル((CH3)2CH-)、n-ブチル(CH3CH2CH2CH2-)、イソブチル((CH3)2CHCH2-)、sec-ブチル((CH3)(CH3CH2)CH-)、t-ブチル((CH3)3C-)、n-ペンチル(CH3CH2CH2CH2CH2 )、ネオペンチル((CH3)3CCH2-)などの直鎖及び分枝ヒドロカルビル基が挙げられる。
「アルケニル」は、2~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子、又は好ましくは2~4個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1~2個の部位のビニル(>C=C<)不飽和を有する一価直鎖又は分枝ヒドロカルビル基を指す。そのような基は、例えば、ビニル、アリル及びブト3-エン-1-イルによって例示される。この用語には、シス及びトランス異性体又はこれらの異性体の混合物が含まれる。
「アルキニル」は、2~10個の炭素原子、好ましくは2~6個の炭素原子、又は好ましくは2~3個の炭素原子を有し、少なくとも1個、好ましくは1~2個の部位のアセチレン(-C≡C-)不飽和を有する直鎖又は分枝一価ヒドロカルビル基を指す。このようなアルキニル基の例としては、アセチレニル(-C≡CH)及びプロパルギル(-CH2C≡CH)が挙げられる。
「置換アルキル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、複素環、置換複素環、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SO3H、置換スルホニル、置換スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ及び置換アルキルチオからなる群より選ばれる1~5個、好ましくは1~3個、又はより好ましくは1~2個の置換基を有するアルキル基を指し、ここで、前記置換基は本明細書で規定されるとおりである。
「置換アルケニル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、複素環、置換複素環、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SO3H、置換スルホニル、置換スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ及び置換アルキルチオからなる群より選ばれる1~3個、好ましくは1~2個の置換基を有するアルケニル基を指し、ここで、前記置換基は本明細書で規定されるとおりであり、ただし、ヒドロキシル又はチオール置換のいずれもがビニル(不飽和)炭素原子に結合していない。
「置換アルキニル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミジノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルケニルオキシ、置換シクロアルケニルオキシ、シクロアルケニルチオ、置換シクロアルケニルチオ、グアニジノ、置換グアニジノ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロアリールチオ、複素環、置換複素環、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SO3H、置換スルホニル、置換スルホニルオキシ、チオアシル、チオール、アルキルチオ及び置換アルキルチオからなる群より選ばれる1~3個、好ましくは1~2個の置換基を有するアルキニル基を指し、ここで、前記置換基は本明細書で規定されるとおりであり、但し、ヒドロキシル又はチオール置換のいずれもがアセチレン炭素原子に結合していない。
「アルコキシ」は、基Oアルキルを指し、ここで、アルキルは本明細書で規定されている。アルコキシとしては、例として、メトキシ、エトキシ、nプロポキシ、イソプロポキシ、nブトキシ、tブトキシ、secブトキシ及びnペントキシが挙げられる。
「置換アルコキシ」は基O(置換アルキル)を指し、ここで、置換アルキルは本明細書で規定されている。
「アシル」は、基H-C(O)-、アルキル-C(O)-、置換アルキル-C(O)-、アルケニル-C(O)-、置換アルケニル-C(O)-、アルキニル-C(O)-、置換アルキニル-C(O)―、シクロアルキル-C(O)―、置換シクロアルキル-C(O)-、シクロアルケニル-C(O)-、置換シクロアルケニル-C(O)-、アリール-C(O)-、置換アリール-C(O)-、ヘテロアリール-C(O)-、置換ヘテロアリール-C(O)-、複素環-C(O)-及び置換複素環-C(O)-を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環及び置換複素環は、本明細書で規定されるとおりである。アシルとしては、「アセチル」基CH3C(O)-が挙げられる。
「アシルアミノ」は、基-NR47C(O)アルキル、-NR47C(O)置換アルキル、-NR47C(O)シクロアルキル、-NR47C(O)置換シクロアルキル、-NR47C(O)シクロアルケニル、-NR47C(O)置換シクロアルケニル、-NR47C(O)アルケニル、-NR47C(O)置換アルケニル、-NR47C(O)アルキニル、-NR47C(O)置換アルキニル、-NR47C(O)アリール、-NR47C(O)置換アリール、-NR47C(O)ヘテロアリール、-NR47C(O)置換ヘテロアリール、-NR47C(O)複素環及びNR47C(O)置換複素環を指し、ここで、R47は水素又はアルキルであり、そしてアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環及び置換複素環は、本明細書で規定されるとおりである。
「アシルオキシ」は、基アルキル-C(O)O-、置換アルキル-C(O)O-、アルケニル-C(O)O-、置換アルケニル-C(O)O-、アルキニル-C(O)O-、置換アルキニル-C(O)O-、アリール-C(O)O-、置換アリール-C(O)O-、シクロアルキル-C(O)O-、置換シクロアルキル-C(O)O-、シクロアルケニル-C(O)O-、置換シクロアルケニル-C(O)O-、ヘテロアリール-C(O)O-、置換ヘテロアリール-C(O)O、複素環-C(O)O-及び置換複素環-C(O)O-を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環及び置換複素環は本明細書で規定されるとおりである。
「アミノ」はNH2基を指す。
「置換アミノ」は、基-NR48R49を指し、ここで、R48及びR49は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、SO2アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アルケニル、-SO2-置換アルケニル、-SO2-シクロアルキル、-SO2-置換シクロアルキル、-SO2-シクロアルケニル、―SO2-置換シクロアルケニル、-SO2-アリール、-SO2-置換アリール、-SO2-ヘテロアリール、-SO2-置換ヘテロアリール、-SO2-複素環及びSO2-置換複素環からなる群より独立して選ばれ、ここで、R48及びR49は、任意に、それらに結合された窒素と一緒に結合されて、複素環又は置換複素環を形成し、ただし、R48及びR49は両方ともが水素であることはなく、そしてアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環及び置換複素環は、本明細書で規定されるとおりである。R48が水素でありかつR49がアルキルであるときに、置換アミノ基は、時々、本明細書でアルキルアミノと呼ばれる。R48及びR49がアルキルであるときに、置換アミノ基は、時々、本明細書でジアルキルアミノと呼ばれる。一置換アミノに言及するときに、R48又はR49のいずれかが水素であるが、両方ともが水素であることはないことを意味する。二置換アミノに言及するときに、R48もR49も水素でないことを意味する。
「医薬的に許容可能な塩」は、トレプロスチニルの生理学的に許容される塩、ならびにトレプロスチニルの非生理学的に許容される塩を指すことができる。本明細書に記載の化合物の医薬的に許容可能な塩は、本技術の範囲内であり、所望の薬理学的活性を保持し、生物学的に望ましくないものではない酸又は塩基付加塩を含む(例えば、塩は過度に毒性、アレルギー性又は刺激性でなく、そしてバイオアベイラブルである)。本技術の化合物が、例えばアミノ基などの塩基性基を有するときに、医薬的に許容可能な塩は、無機酸(例えば、塩酸、ヒドロホウ酸、硝酸、硫酸及びリン酸)、有機酸(例えば、アルギン酸、ギ酸、酢酸、安息香酸、グルコン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、pトルエンスルホン酸)又は酸性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸及びグルタミン酸)と形成することができる。本技術の化合物(トレプロスチニル、そのエステル、プロドラッグ又は誘導体)が、例えば、カルボン酸基などの酸性基を有するときに、アルカリ及びアルカリ土類金属(例えば、Na+、Li+、K+、Ca2+、Mg2+、Zn2+)などの金属、アンモニア又は有機アミン(例えば、ジシクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)又は塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン及びオルニチン)と塩を形成することができる。そのような塩は、化合物の分離及び精製中にその場で、又は遊離塩基又は遊離酸形態の精製された化合物をそれぞれ適切な酸又は塩基と別々に反応させ、こうして形成された塩を分離することによって調製することができる。
ILDとしては、特発性肺線維症(IPF)、剥離性間質性肺炎(DIP)、急性間質性肺炎(AIP)、非特異性間質性肺炎(NSIP)、呼吸性細気管支炎関連間質性肺疾患(RB-ILD)、特発性器質化肺炎(COP)、リンパ性間質性肺炎(LIP)、サルコイドーシス、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、アンチシンセターゼ症候群、珪肺症、石綿症、職業性肺疾患、慢性過敏性肺炎、特発性間質性肺炎(IIP)、自己免疫性ILD、リンパ管平滑筋腫症(LAM)、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)、薬物関連ILD、血管炎、肉芽腫症及びベリリウム症が挙げられる。
本明細書で使用されるときに、「肺機能」は、肺が酸素を吸収し、拡張及び収縮する能力を指す。肺機能、その低下、又は低下の軽減は、当業者に知られている医学的に認められたツールを使用して評価することができる。方法としては、肺機能検査(PFT)、スパイロメトリ、肺気量、最大呼吸圧、拡散能力、酸素飽和度低下及び動脈血ガス評価が挙げられる。
本明細書で使用されるときに、「努力肺活量」は、スパイロメトリによって測定して、可能な限り深く息を吸った後に肺から強制的に吐き出すことができる空気の量を指す。
本発明のさらなる態様は、間質性肺疾患又は間質性肺疾患に関連する状態の治療又は予防のための薬剤の製造における、トレプロスチニル又はその誘導体、プロドラッグ、エステル又はその医薬的に許容可能な塩の使用に関する。幾つかの実施形態において、薬剤は吸入用に配合される。吸入により投与するときに、製剤は噴霧化されるか、又は、乾燥粉末吸入器(DPI)用に製剤化されることができる。
方法で必要とされるトレプロスチニル又はその誘導体、又はその医薬的に許容可能な塩の量は、使用される特定の適応症、使用される特定の化合物の性質、投与様式、濃度、ならびに対象の体重及び状態などの多くの要因に依存しうる。ILD又はILDに関連する状態のための対象1人あたりの1日の用量は、体重1キログラムあたり1日あたり25μg~250mg又は7μg~285μgの範囲であることができる。幾つかの実施形態において、1日用量は、1日あたり約150μg~約350μg、1日あたり約200μg~約300μg、又は1日あたり約225μg~約275μgの範囲であることができる。体重1キログラムあたり1日あたり0.5μg~1.5mgの範囲の静脈内用量は、体重1キログラムあたり毎分あたり0.5ng~1.0μgの注入として投与されうる。
トレプロスチニル又はその誘導体、プロドラッグ、エステル、又はその医薬的に許容可能な塩は、任意の適切な治療スケジュールを使用して投与することができる。幾つかの実施形態において、薬物は1日に複数回(1、2、3、4又は5回)投与され、他の実施形態において、薬物は、注入ポンプを使用するなどして連続的に投与することができる。治療期間は、疾患の重症度、治療目標又は個々の状況によって様々である。幾つかの実施形態において、治療期間は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも8週間又は少なくとも16週間である。幾つかの実施形態において、治療期間は無期限であり、例えば、治療は、対象の生涯にわたって、又は疾患の症状が何らかの閾値を下回るまで継続することができる。
トレプロスチニル及び/又はそのプロドラッグ、エステル、誘導体、及び/又はその医薬的に許容可能な塩の、本明細書に記載の又は対象に投与される医薬組成物(以下、「製剤」又は「組成物」と呼ぶ)は、とりわけ、許容されるキャリアと混合されうる。キャリアは、製剤中の任意の他の成分と適合性があり、対象に有害ではないことができる。キャリアは、固体又は液体、又はその両方であることができる。トレプロスチニル又はその誘導体、エステル、プロドラッグ、又はその医薬的に許容可能な塩のうちの1つ以上を、本発明の製剤に組み込むことができる。投与される製剤としては、非経口、経口、吸入、直腸、局所、バッカル及び経皮投与に適したものが挙げられる。
非経口投与される組成物は、意図されたレシピエントの血液と等張であることができる。皮下注射、静脈内、筋肉内又は皮内注射を使用することができる。このような製剤は、化合物を水又はグリシン又はクエン酸緩衝液と混合し、得られた溶液を無菌にし、血液と等張にすることにより、便利に調製することができる。
経口投与に適した製剤は、特定量のトレプロスチニル又はその誘導体、プロドラッグ、エステル、又はその医薬的に許容可能な塩をそれぞれ含む、カプセル、カシェ剤、ロゼンジ又は錠剤として、粉末又は顆粒として、水性又は非水性液体中の溶液又は懸濁液として、又は、水中油又は油中水エマルジョンとして提供されうる。投与できる経口製剤としては、米国特許第7,384,978号及び同第8,747,897号明細書に記載されているもの(市販製品のOrenitram(登録商標)(トレプロスチニル)持続放出錠剤を含む)が挙げられ、これらの開示全体を参照により本明細書に組み込む。一般に、本発明の製剤は、トレプロスチニル、そのエステル、プロドラッグ又は塩を、液体又は細かく分割された固体キャリア、又はその両方と均一かつ緊密に混合し、その後に、必要に応じて、得られた混合物を成形することによって調製される。
バッカル(舌下)投与に適した製剤としては、トレプロスチニル又はその誘導体、プロドラッグ、エステル、又はその医薬的に許容可能な塩を、フレーバーベース、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に含むロゼンジ、及び、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアなどの不活性ベース中に化合物を含むトローチが挙げられる。
直腸投与に適した製剤は、好ましくは単位用量坐剤として提供される。これらは、トレプロスチニル又はその誘導体、プロドラッグ、エステル、又はその医薬的に許容可能な塩を、1つ以上の固体キャリアと混合することによって調製することができる。
局所及び経皮製剤は、軟膏、クリーム、ローション、ペースト、ジェル、スプレー、エアゾール又はオイルであることができる。可能なキャリアとしては、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール及びそれらの組み合わせが挙げられる。
トレプロスチニル、それらのプロドラッグ、エステル及び塩は、米国特許第4,306,075号、同第6,528,688号、同第6,441,245号明細書に記載されている方法と同じ又は類似の方法によって好都合に調製され、それらの開示を参照により本明細書に組み込む。
本方法の幾つかの実施形態において、投与されるトレプロスチニルは、ILDの治療に使用するための使用説明書付きのキットとして提供される。特定のキットの実施形態において、トレプロスチニル又はその誘導体、プロドラッグ、エステル、又はその医薬的に許容可能な塩は、皮下投与、連続皮下注入、静脈内投与又は吸入に適した形態である。対象に投与される皮下製剤は、米国特許第7,999,007号明細書に記載されているもののいずれか(市販製品Remodulin(登録商標)(トレプロスチニル)注射剤を含む)を含むことができ、その全開示を参照により本明細書に組み込む。他のキットの実施形態において、トレプロスチニルもしくはその誘導体、又はその医薬的に許容可能な塩は、錠剤及びカプセルからなる群より選ばれる経口的に利用可能な形態である。
肺線維症(PF)に対する方法の効果は、Bonner JC, Rice AB, Ingram JL, Moomaw CR, Nyska A, Bradbury A, Sessoms AR, Chulada PC, Morgan DL, Zeldin DC及びLangenbach R, Susceptibility of cyclooxygenase-2-deficient mice to pulmonary fibrogenesis, Am J Pathol 161: 459-470, 2002; 23; 及びKeerthisingam CB, Jenkins RG, Harrison NK, Hernandez-Rodriguez NA, Booth H, Laurent GJ, Hart SL, Foster ML及びMcAnulty RJに記載されているように、ブレオマイシン及び五酸化バナジウム(V2O5)モデルなどのPFの動物モデルを介して確認できる。シクロオキシゲナーゼ-2欠乏は、ヒト線維性肺線維芽細胞におけるトランスフォーミング成長31因子ベータに対する抗増殖応答の喪失をもたらし、マウスにおけるブレオマイシン誘発性肺線維症を促進する。Am J Pathol 158: 1411-1422, 2001の全体を参照により本明細書に組み込む。
好ましい実施形態において、トレプロスチニルは吸入によって投与される。トレプロスチニルを含む吸入組成物としては、スプレー、エアロゾル及び乾燥粉末組成物を挙げることができる。前記組成物は、様々な賦形剤を含むことができる。投与される吸入可能な組成物は、米国特許第9,339,507号明細書(市販製品Tyvaso(登録商標)(トレプロスチニル)吸入溶液を含む)、WO2017192993及びWO2014085813明細書に記載されているもののいずれを含むことができ、これらの開示全体を参照により本明細書に組み込む。
本発明による医薬組成物の1つ以上の賦形剤は、5g/lを超える、しばしば100g/lを超える水溶解度を有することができる。それらは、好ましくは、糖類、塩又はアミノ酸の中から選択され、流体の細胞の結果に対する吸入組成物の影響を最小限に抑えるという二重の機能を有する。固体乾燥形態の組成物に関して、賦形剤はまた、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、エステル、塩、又は誘導体が分散している固体マトリックスを形成する。
組成物は、例えば、ラクトース、コーンスターチなどの賦形剤、ステアリン酸マグネシウムなどの流動促進剤、乳化剤、懸濁剤、安定剤及び等張化剤などを含むことができる。所望ならば、甘味剤及び/又は香味剤を添加することができる。例示的な賦形剤としては、限定するわけではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、水素化ヒマシ油(HCO)、クレモホール、炭水化物、デンプン(例えば、コーンスターチ)、無機塩、抗細菌剤、酸化防止剤、結合剤/充填剤、界面活性剤、潤滑剤(例えば、ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸マグネシウム)、タルクなどの流動促進剤、崩壊剤、希釈剤、緩衝剤、酸、塩基、フィルムコート、それらの組み合わせなどが挙げられる。本発明による組成物に使用できる可溶性賦形剤の他の例は、アリテーム、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、スクラロース、トレロース、キシリトール、クエン酸、酒石酸、シクロデキストリン、デキストリン、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、リンゴ酸、マルチトール、マルトデキストリン、マルトース、ポリデキストロース、酒石酸、重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウム、塩化ナトリウム又は塩化カリウム、クエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、リン脂質、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、天然アミノ酸、アラニン、グリシン、セリン、システイン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、メチオニン、スレオニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、プロリン、それらの塩、及びN-アセチルシステイン、カルボシステインなどのそれらの可能な単純な化学修飾体が挙げられる。
好ましい可溶性賦形剤は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムなどのアルカリ金属塩、及びラクトースなどの糖類である。具体的な炭水化物賦形剤としては、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどの単糖類、ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどの二糖類、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどの多糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ピラノシルソルビトール、ミオイノシトールなどのアルジトール類が挙げられる。
乾燥粉末の粒子の中空形態に関する限り、組成物は、組成物の調製中及び噴霧乾燥中の溶媒蒸発段階の開始時に、高多孔度粒子を生成する粒子の骨格を形成できる可溶性賦形剤、好ましくはラクトースなどの糖類の存在を必要とする。
幾つかの実施形態において、賦形剤は界面活性剤を含む。組成物の界面活性剤は、医薬用途の様々なクラスの界面活性剤の中から選択することができる。
本発明で使用するのに適した界面活性剤は、一般に有機溶媒に容易に溶解するが、水に難溶性又は不溶性である疎水性部分、及び、有機溶媒に難溶性又は不溶性であるが、水に容易に溶解する親水性(又は極性)部分を含む、中分子量又は低分子量を特徴とするすべての物質である。界面活性剤は、その極性部分に従って分類される。したがって、負に帯電した極性部分を有する界面活性剤はアニオン性界面活性剤と呼ばれ、カチオン性界面活性剤は正に帯電した極性部分を有する。帯電していない界面活性剤は一般に非イオン性と呼ばれ、一方、正と負の両方に帯電している界面活性剤は両性イオン性と呼ばれる。アニオン性界面活性剤の例は、脂肪酸の塩(石鹸としてよく知られている)、硫酸塩、硫酸エーテル及びリン酸エステルである。カチオン性界面活性剤は、アミノ基を含む極性基に基づくことが多い。最も一般的な非イオン性界面活性剤は、オリゴ(エチレンオキシド)基を含む極性基に基づく。両性イオン性界面活性剤は、一般に、第四級アミン及び硫酸基又はカルボキシル基によって形成される極性基を特徴とする。
この適用の特定の例は、以下の界面活性剤:塩化ベンザルコニウム、セトリミド、ドキュセートナトリウム、グリセリルモノラウレート、ソルビタンエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、リン脂質、胆汁塩である。
「ポロキサマー」として知られる、ポリソルベート及びポリエチレン及びポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどの非イオン性界面活性剤を使用することができる。ポリソルベートは、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionaryに、ソルビトール及びエチレンオキシドと縮合したソルビトール無水脂肪酸エステルの混合物として記載されている。特に好ましいのは、「Tween(登録商標)」として知られるシリーズの非イオン性界面活性剤、特に「Tween(登録商標) 80」として知られるポリオキシエチレンソルビタンである界面活性剤である。追加の例示的な賦形剤としては、他のポリソルベート、例えば「Tween(登録商標) 20」などの界面活性剤、及びF68及びF88などのプルロニック(登録商標) (どちらもBASF、Mount Olive,N.J.から入手可能)、ソルビタンエステル、脂質(例えば、レシチン及び他のホスファチジルコリンなどのリン脂質、及びホスファチジルエタノールアミン)、脂肪酸及び脂肪エステル、コレステロールなどのステロイド、ならびにEDTA、亜鉛及び他のそのような適切なカチオンなどのキレート剤が挙げられる。
界面活性剤、好ましくはTween(登録商標) 80の存在は、それが存在しない組成物に見られる静電荷を低減するために、粉末の流れ及び初期結晶化を伴わない均一な様式での固体状態の維持のために必要なことがある。本発明によれば、リン脂質は、上記の界面活性剤又は賦形剤の規定に含まれる。
投与される吸入製剤は、湿度に対する感受性を低下させるために疎水性物質を含むことができる。このような疎水性物質は、好ましくはロイシンであり、粒子の脱凝集をより容易にする。
粉末形態の固体製品の製造の場合に、これは製薬業界で十分に確立された様々な技術を使用して行うことができる。噴霧乾燥による微粒子の調製は、本発明による好ましい方法を表す。工業生産の場合に、この技術は間違いなく凍結乾燥よりも好まれる。凍結乾燥は、使用する装置、歩留まり及び生産時間の両方で、現時点で最も高価な乾燥プロセスである。
本発明による医薬組成物は、pH緩衝剤及び保存剤などの他の成分を含むことができる。緩衝剤としては、限定するわけではないが、クエン酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム及びそれらの組み合わせが挙げられる。
さらに、投与される組成物は、任意に、1つ以上の酸又は塩基を含むことができる。使用できる酸の非限定的な例には、塩酸、酢酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、硫酸、フマル酸及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる酸が挙げられる。適切な塩基の非限定的な例としては、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、フマル酸カリウム及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる塩基が挙げられる。
賦形剤は、抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム及びそれらの組み合わせを含むことができる。
本発明の組成物に関する「乾燥粉末」という用語は、粉末、顆粒、錠剤形態の組成物、又は組成物の経時的な化学的安定性を保証する湿度を有する任意の他の固体形態を指す。より正確には、用語「乾燥」は、含水量が10%w/w未満、通常5%未満、好ましくは3%未満の固体組成物を指す。
本発明の乾燥粉末組成物中の任意の賦形剤の量は、広い範囲内で変化することができる。組成物中の任意の個々の賦形剤の量は、賦形剤の役割、活性剤成分の用量要件、及び組成物の特定の必要性に応じて変化する。しかしながら、一般に、賦形剤は、約1質量%~約99質量%、好ましくは約5質量%~約98質量%、より好ましくは約15質量%~約95質量%の賦形剤の量で組成物中に存在する。一般に、本開示の組成物中に存在する賦形剤の量は以下から選択される:質量基準で少なくとも約2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、又はさらには95%。
投与されるトレプロスチニル組成物は、トレプロスチニル又はその誘導体、エステル、プロドラッグ、又はその医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物を含む計量用量吸入器を含むキットとして提供されうる。このようなキットは、トレプロスチニルを吸入するための計量用量吸入器の使用方法に関する説明書をさらに含むことができる。このような説明書は、例えば、患者の呼吸をどのように調整するか、及び吸入器の作動に関する情報を含むことができる。このキットは、トレプロスチニルで治療できるILDに罹患しているヒトなどの対象によって使用することができる。幾つかの場合において、キットはILDを治療するためのキットであり、それは、(i)トレプロスチニルもしくはその誘導体、エステル、プロドラッグ、又はその医薬的に許容可能な塩を含む医薬組成物を含む計量用量吸入器、及び、(ii)肺高血圧症の治療におけるトレプロスチニルを含む計量用量吸入器の使用説明書を含む。
本開示はまた、慢性肺疾患及び/又は低酸素症(低酸素レベル)から選ばれる状態に起因する肺高血圧症を治療する方法であって、そのような肺高血圧症のヒトなどの対象に、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を投与することによる方法を提供する。慢性肺疾患及び/又は低酸素症による肺高血圧症は、世界保健機関(WHO)分類による群3肺高血圧症に属する。
慢性肺疾患としては、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び肺気腫などの、肺の気道が狭くなり、息を吐き出すのを困難にする閉塞性肺疾患、間質性肺疾患又は肺線維症などの、吸入時に肺が拡張するのが困難な時間がある拘束性肺疾患、睡眠時無呼吸症、標高の高い地域における長期間居住、及び、上記の状態の様々な組み合わせを挙げることができる。
幾つかの実施形態において、慢性肺疾患としては、特発性肺線維症、特発性非特異性間質性肺炎、呼吸細気管支炎(例えば、間質性肺疾患に関連する呼吸細気管支炎)、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎などの特発性間質性肺炎、慢性過敏性肺炎、職業性肺疾患、肺線維症、肺気腫、結合組織病、又は上記の状態の任意の組み合わせを挙げることができる。
幾つかの実施形態において、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を投与することにより、慢性肺疾患及び/又は低酸素症から選ばれる状態に起因する肺高血圧症の対象における、ベースライン6分歩行距離(6MWD)値、すなわち投与前の6MWD値と比較した、6分歩行距離(6MWD)の増加がもたらされることができ、その増加は統計的に有意であることができる。例えば、6MWD値は、投与の少なくとも4週間後、少なくとも5週間後、少なくとも6週間後、少なくとも7週間後、少なくとも8週間後、少なくとも9週間後、少なくとも10週間後、少なくとも11週間後、少なくとも12週間後、少なくとも13週間後、少なくとも14週間後、少なくとも15週間後、又は少なくとも16週間後、又は少なくとも20週間後、又は少なくとも24週間後、又は少なくとも28週間後、又は少なくとも32週間後、又は少なくとも36週間後、又は少なくとも40週間後、又は少なくとも44週間後、又は少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に統計的に有意に増加されうる。幾つかの実施形態において、投与は、投与の少なくとも8週間後、少なくとも9週間後、少なくとも10週間後、少なくとも11週間後、少なくとも12週間後、少なくとも13週間後、少なくとも14週間後、少なくとも15週間後、又は少なくとも16週間後、又は少なくとも20週間後、又は少なくとも24週間後、又は少なくとも28週間後、又は少なくとも32週間後、又は少なくとも36週間後、又は少なくとも40週間後、又は少なくとも44週間後、又は少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に、ベースライン6MWD値と比較して、6MWDの少なくとも5m、少なくとも10m又は少なくとも15mの増加をもたらすことができる。幾つかの実施形態において、投与は、投与の少なくとも12週間後、少なくとも13週間後、少なくとも14週間後、少なくとも15週間後、又は少なくとも16週間後の、ベースライン6MWD値と比較して、6MWDの少なくとも5m、少なくとも10m、少なくとも15m、少なくとも18m又は少なくとも20mの増加をもたらすことができる。
幾つかの実施形態において、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を投与することにより、慢性肺疾患及び/又は低酸素症から選ばれる状態に起因する肺高血圧症の対象において、ベースラインNT-proBNP血漿中濃度、すなわち投与前のNT-proBNP血漿中濃度値と比較して、NT-proBNPの血漿中濃度を減少させることができ、その減少は統計学的に有意であることができる。例えば、NT-proBNP血漿中濃度は、投与の少なくとも4週間後、少なくとも5週間後、少なくとも6週間後、少なくとも7週間後、少なくとも8週間後、少なくとも9週間後、少なくとも10週間後、少なくとも11週間後、少なくとも12週間後、少なくとも13週間後、少なくとも14週間後、少なくとも15週間後、又は少なくとも16週間後、又は少なくとも20週間後、又は少なくとも24週間後、又は少なくとも28週間後、又は少なくとも32週間後、又は少なくとも36週間後、又は少なくとも40週間後、又は少なくとも44週間後、又は少なくとも48週間後、又は少なくとも52週間後に統計学的に有意に減少されうる。幾つかの実施形態において、投与は、投与の少なくとも8週間後、少なくとも9週間後、少なくとも10週間後、少なくとも11週間後、少なくとも12週間後、少なくとも13週間後、少なくとも14週間後、少なくとも15週間後、又は少なくとも16週間後に、ベースラインNT-proBNP血漿中濃度値と比較して、NT-proBNP血漿中濃度値に少なくとも50pg/ml、少なくとも100pg/ml、少なくとも150pg/ml、少なくとも200pg/ml、少なくとも250pg/ml、少なくとも300pg/ml又は少なくとも350pg/mlの減少をもたらすことができる。
幾つかの実施形態において、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を、慢性肺疾患に起因する肺高血圧症の対象に投与することは、慢性肺疾患の幾つかの憎悪の軽減をもたらすことができ、その軽減は統計的に有意であることができる。例えば、慢性肺疾患の幾つかの増悪は、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩が少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも15週間、又は少なくとも16週間、又は少なくとも20週間、又は少なくとも24週間、又は少なくとも28週間、又は少なくとも32週間、又は少なくとも36週間、又は少なくとも40週間、又は少なくとも44週間、又は少なくとも48週間、又は少なくとも52週間投与された、慢性肺疾患に起因する肺高血圧症の患者サブ集団において、トレプロスチニルの代わりにプラセボが投与された同じ状態の患者サブ集団と比較して、低下することができる。例えば、幾つかの増悪は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%低下されうる。増悪としては、新たな広範な肺胞異常の証拠を特徴とする急性の臨床的に重大な呼吸器の悪化を挙げることができる。
幾つかの実施形態において、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を、慢性肺疾患及び/又は低酸素症に起因する肺高血圧症の対象に投与することは、幾つかの臨床的悪化事象低下をもたらすことができ、その低下は統計的に有意である。例えば、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩が少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも14週間、又は少なくとも16週間、又は少なくとも20週間、又は少なくとも24週間、又は少なくとも28週間、又は少なくとも32週間、又は少なくとも36週間、又は少なくとも40週間、又は少なくとも44週間、又は少なくとも48週間、又は少なくとも52週間投与された、慢性肺疾患及び/又は低酸素症に起因する肺高血圧症の患者サブ集団において、トレプロスチニルの代わりにプラセボが投与された同じ状態の患者サブ集団と比較して、幾つかの臨床的悪化事象を低下させることができる。例えば、幾つかの臨床的悪化事象は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%低下しうる。臨床的悪化事象には、心肺適応症による入院、ベースライン6MWD値からの15%を超える6MWDの減少、死亡、又は肺移植のうちの1つ以上を挙げることができる。
幾つかの実施形態において、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を投与することは、慢性肺疾患及び/又は低酸素症から選ばれる状態に起因する肺高血圧症の対象の努力肺活量(FVC)において改善をもたたらすことができ、その改善は統計的に有意であることができる。例えば、FVCは、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩が少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも15週間、又は少なくとも16週間、又は少なくとも20週間、又は少なくとも24週間、又は少なくとも28週間、又は少なくとも32週間、又は少なくとも36週間、又は少なくとも40週間、又は少なくとも44週間、又は少なくとも48週間、又は少なくとも52週間投与された、慢性肺疾患及び/又は低酸素症に起因する肺高血圧症の患者サブ集団において、トレプロスチニルの代わりにプラセボを投与した同じ状態の患者サブ集団と比較して、より高くなりうる。例えば、FVC値は、慢性肺疾患及び/又は低酸素症に起因する肺高血圧症の患者サブ集団において、トレプロスチニルの代わりにプラセボを投与した同じ状態の患者サブ集団と比較して、投与の少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも8週間、少なくとも9週間、少なくとも10週間、少なくとも11週間、少なくとも12週間、少なくとも13週間、少なくとも14週間、少なくとも15週間、又は少なくとも16週間後に、少なくとも10ml、又は少なくとも15ml、又は少なくとも20ml、又は少なくとも25ml、又は少なくとも30ml、又は少なくとも35ml、又は少なくとも40ml、又は少なくとも45mlだけ高くなることができる。間質性肺疾患などの慢性肺疾患及び/又は低酸素症の患者において、FVC値は、通常、未治療の場合に、時間とともに減少する。したがって、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又は医薬的に許容可能な塩を投与すると、投与前のFVC値と比較して、FVC値が増加する、投与前のFVC値内でFVC値を5%、10%又は20%以内に維持する、又は、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又は医薬的に許容可能な塩を投与しない場合のFVC値の減少であって、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩又は医薬的に許容可能な塩の代わりにプラセボを投与する場合のFVCのそのような減少と比較して、経時的なFVC値の減少を低減させることができる。
幾つかの実施形態において、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩は、吸入によって投与されることができ、これは、例えば、経口吸入又は鼻吸入であることができる。幾つかの実施形態において、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩は、例えば、計量用量吸入器及び/又はパルス噴霧器などのパルス吸入デバイスであることができる、吸入デバイスによって投与されうる。パルス吸入デバイスは、例えば、米国特許出願公開第20080200449号、米国特許第9,358,240号、同第9,339,507号、同第10,376,525及び同第10,716,793号明細書に開示されており、これらのそれぞれの全体を、参照により本明細書に組み込む。
幾つかの実施形態において、パルス吸入デバイスなどの吸入デバイスは、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を含む溶液又は懸濁液を含むことができる。例えば、そのような溶液又は懸濁液は、噴霧器及び/又は計量用量吸入器などの吸入デバイスによるエアロゾル化又は噴霧化のために使用されうる。溶液の1つの例は、市販製品のTyvaso(登録商標)であることができる。そのような溶液中のトレプロスチニルの濃度は様々であることができる。幾つかの実施形態において、トレプロスチニル濃度は、200μg/ml~2000μg/ml、又は300μg/ml~1500μg/ml、又は400μg/ml~1200μg/ml、又はこれらの範囲内の任意の値もしくは部分範囲であることができる。例えば、特定の実施形態において、トレプロスチニル濃度は600μg/mlであることができる。
幾つかの実施形態において、パルス吸入デバイスなどの吸入デバイスは、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を含む乾燥粉末組成物又は製剤を含むことができる乾燥粉末吸入器であることができる。例えば、乾燥粉末吸入器及びトレプロスチニルを含む乾燥粉末組成物又は製剤は、WO2019/237028明細書に開示されており、参照によりその全体を本明細書に組み込む。幾つかの実施形態において、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩に加えて、乾燥粉末組成物は、(E)-3,6-ビス[4-(N-カルボニル-2-プロペニル)アミドブチル]-2,5-ジケトピペラジン(FDKP)をさらに含むことができる。
トレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩は、対象による限られた回数の呼吸(又は吸入)を伴う可能性がある単一の投与事象での吸入によって投与されうる。例えば、幾つかの実施形態において、単一の投与事象における呼吸の回数は、20回の呼吸(又は吸入)又は19回の呼吸(又は吸入)又は18回の呼吸(又は吸入)又は17回の呼吸(又は吸入)又は16回の呼吸(又は吸入)又は15回の呼吸(又は吸入)又は14回の呼吸(又は吸入)又は13回の呼吸 (又は吸入)又は12回の呼吸(又は吸入)又は11回の呼吸(又は吸入)又は10回の呼吸(又は吸入)又は9回の呼吸(又は呼吸(又は吸入)吸入)又は8回の呼吸(又は吸入)又は7回の呼吸(又は吸入)又は6回の呼吸(又は吸入)又は5回の呼吸(又は吸入)又は4回の呼吸(又は吸入)又は3回の呼吸(又は吸入)又は2回の呼吸(又は吸入)又は1回の呼吸(又は吸入)を超えなくてよい。
トレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩の、単一の投与事象で吸入によって投与される用量は様々であることができる。幾つかの実施形態において、単回投与事象用量は、7.5μg~100μg、又は10μg~100μg、又は15μg~100μg、15μg~90μg、又は15μg~75μg、又は30μg~75μg、又は、これらの範囲内の任意の値又は部分範囲であることができる。
吸入によって投与されるトレプロスチニル、そのプロドラッグ、その医薬的に許容可能な塩、又はそのプロドラッグの医薬的に許容可能な塩を投与するための、1日あたりの単一投与事象は様々であることができる。例えば、1日あたりの単一投与事象の数は、1日あたり1、2、3、4、5又は6であることができる。
以下の表は、乾燥粉末吸入器で使用できる乾燥粉末製剤中のトレプロスチニルの例示的な投与量と、Tyvaso(登録商標)吸入溶液中のトレプロスチニル投与量とどのように比較するかを示している。
Figure 2023523557000004
上で引用したすべての刊行物の開示は、それぞれが個別に参照により組み込まれるように、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
本明細書に記載の実施例は、本発明を例示するものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明に従って、本発明の異なる実施形態を記載してきた。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書で記載及び例示された技術に対して、多くの変更及び変形を行うことができる。したがって、実施例は単に例示のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。
実施例1:吸入トレプロスチニルの肺基礎疾患に対する結果
肺基礎疾患の増悪は、新たな広範な肺胞異常の証拠を特徴とする急性の臨床的に有意な呼吸悪化として規定される(Collardら, 2016)。本実施例は、吸入トレプロスチニルによる治療が、患者の肺基礎疾患の増悪を有意に少なくしたことを示している。
肺基礎疾患を有する対象は、16週間にわたって吸入トレプロスチニルで治療された。対象は、トレプロスチニル又はプラセボの吸入を1日4回、3回の呼吸(18mcg)で(起床時間中)開始した。研究薬剤投与量は、研究を通して最大化された。用量漸増(追加の1回の呼吸を1日4回)は、臨床的に許容されるように、1日4回の9回の呼吸(54mcg)の目標投薬レジメン及び1日4回の12回の呼吸(72mcg)の最大用量で、最大3日ごとに行われることができた。対象は、スクリーニング及びベースライン中に評価され、研究への適格性が判断された。適格性が得られると、第4週、第8週、第12週、第15週及び第16週(最終研究来院)に5回の治療期来院が必要であった。早期終了(ET)来院は、第16週の前に中止した対象に対して実施された。該当する場合に、最後の第16週の来院のために計画されたすべての評価は、ET来院中に実施された。対象は、治験薬、有害事象(AE)及び併用薬の変更に対する耐性を評価するために、電話又は電子メールで少なくとも週1回連絡を受けた。
有効性評価は、6MWD、血漿中NT-proBNP濃度及び臨床的悪化までの時間からなった。探索的終点は、SGRQ、DSPの変化、基礎疾患の増悪までの時間、及び肺機能検査を含んだ。安全性評価は、AEの発生、バイタルサイン、臨床検査パラメータ、ECGパラメータ、心肺疾患適応症による入院、肺基礎疾患の増悪及び酸素負荷からなった。
治療により、16週間の治療期間中に基礎疾患の増悪が有意に少なくなり(トレプロスチニル吸入群で26.4%、プラセボ群で38.7%、p=0.018)、図1に示すように、基礎疾患の増悪のリスクが低下した(ハザード比0.66、すなわち、リスクが34%低下する)。
さらに、本研究から以下のFVC示唆データが得られた。吸入トレプロスチニルで治療された患者の間で、治療意図群からの全体的な結果は次のとおりであった。
全体的なITT
第8週及び第16週にFVCが28.47mL及び44.40mL
第8週(1.79%、p=0.0139)及び第16週(1.80%、p=0.0277)での%予測FVC
サブセットIIPエチオロジー:
第8週及び第16週で46.48mL及び108.18mL(p=0.0229)
第8週(1.95%、p=0.0373)及び第16週(2.88%、p=0.0096) での%予測FVC
サブセットIPFエチオロジー:
第8週及び第16週で84.52mL及び168.52mL(p=0.0108)
第8週(2.54%、p=0.0380)及び第16週(3.50%、p=0.0147) での%予測FVC
ニンテダニブ: IPF第52週で約109mL(予測3.2%)
ピルフェニドン: IPF第52週で約153~193mL
プラセボ補正、低下率(改善ではない)
上に示したILDの既知の治療法(ニンテダニブ及びピルフェニドン)と比較して、吸入トレプロスチニルは、より短い治療期間で同等の効果を達成する。
肺機能検査は、研究中の安全性評価(安全性集団)として最初に実施された。結果は、ほとんどのPFTパラメータは研究の対象で安定したままであったが、吸入トレプロスチニル群では第16週にFVCの顕著な改善(%予測)が観察されたことを示した(プラセボ群での1.0%の低下と比較して1.0%の中央値改善)。その結果、FVCデータの事後MMRM分析をITT集団に対して実行し、以下に示す表1(ITT集団)、表2(IIPのpH ILDエチオロジーによる)及び表3(IPFの対象について)に示している。
Figure 2023523557000005
Figure 2023523557000006
Figure 2023523557000007
吸入トレプロスチニルによる治療により、第8週及び第16週でFVCがそれぞれ28.47mL及び44.40mL改善された。第8週(1.79%、p=0.0139)及び第16週(1.80%、p=0.0277)で%予測FVCとして表した場合に有意であった。
FVCをIIPのpH-ILDエチオロジーによって分析したときに、吸入トレプロスチニルによる治療は、第8週及び第16週でプラセボと比較して、それぞれ46.48mL及び108.18mLの改善をもたらし(p=0.0229)、%予測FVCの群間差は、第8週(1.95%、p=0.0373)及び第16週(2.88%、p=0.0096)で統計的に有意であった。
IPFエチオロジーでの対象のFVCのさらなる分析(ITT集団のIIP対象のみを使用)は、吸入トレプロスチニルによる治療が、第8週及び第16週でプラセボと比較して、それぞれ84.52mL及び168.52mLの改善をもたらすことを示した(p=0.0108)。%予測FVCの群間差は、第8週(2.54%、p=0.0380)及び第16週(3.50%、p=0.0147)で統計的に有意であった。
実施例2
次の予言的な例では、IPF、慢性過敏性肺炎(CHP)及び環境/職業性線維性肺疾患を含む特発性間質性肺炎(IIP)を含む慢性線維性間質性肺疾患(CF-ILD)の治療に適応されるトレプロスチニルの有効性を評価する。
患者は、許容性に基づいて最大15の呼吸QIDの吸入トレプロスチニルで治療されうる。一次有効性終点として、ベースラインから治療の第24週までのFVCの変化(絶対値又は%予測値)が評価される。評価されうるパラメータとしては、肺基礎疾患の増悪までの時間、6メートル歩行距離試験(6MWD)、全死因死亡率/生存率、死亡までの時間、FVCの追加分析(例えば、絶対変化及び相対変化)、SpO2のベースラインからの変化、一酸化炭素に対する肺の拡散能力(DLCO)、NT-proBNP、及び、キング簡単間質性肺疾患アンケート(King's Brief Interstitial Lung Disease Questionnaire)が挙げられる。
参考文献
1.Collard et al., American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Volume 194 Number 3, pg. 265.
2.Meyer et al., (2017-04-03). Therapeutics and Clinical Risk Management. 13: 427-437.
実施例3:間質性肺疾患による肺高血圧症における吸入トレプロスチニル
現在、間質性肺疾患患者の肺高血圧症の治療に承認されている治療法はない。この状態の患者に対する吸入トレプロスチニルの安全性及び有効性は不明である。
方法
我々は、間質性肺疾患及び肺高血圧症(右心カテーテル法で証明された)の患者を、多施設、無作為、二重盲検、プラセボ対照、16週間の試験に登録した。患者を1:1の比率で割り当てて、1日4回最大12回の呼吸(合計72μg)で超音波パルスデリバリー噴霧器によって投与される吸入トレプロスチニル、又は、プラセボを受けた。一次有効性終点は、ベースラインから第16週までのピーク6分歩行距離の変化における2つの治療群間の差であった。二次終点は、第16週及び臨床的悪化の時点でのN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)レベルの変化を含んだ。
結果
合計326人の患者が無作為化され、163人が吸入トレプロスチニルに割り当てられ、163人がプラセボに割り当てられた。ベースラインの特性は、2つの群で類似していた。第16週の時点で、6分歩行距離のベースラインからの変化におけるトレプロスチニル群とプラセボ群の最小二乗平均差は31.12m(95% 信頼区間 [CI]、16.85~45.39、P<0.001)であった。ベースラインからNT-proBNPレベルがプラセボでは46%増加したのに対し、吸入トレプロスチニルでは15%減少した(治療比0.58、95% CI 0.47~0.72、P<0.001)。臨床的悪化は、プラセボ群の54人の患者(33.1%)と比較して、トレプロスチニル群の37人の患者 (22.7%)で発生した(ハザード比、0.61、95% CI、0.40~0.92、ログランク検定によるP=0.04)。最も頻繁に報告された有害事象は、咳、頭痛、呼吸困難、めまい、吐き気、倦怠感及び下痢であった。
結論
間質性肺疾患に起因する肺高血圧症の患者では、吸入トレプロスチニルはプラセボと比較して、6分歩行試験を使用して評価して、ベースラインから運動能力を改善した。
前毛細血管性肺高血圧症は、平均肺動脈圧と肺血管抵抗の上昇として規定される1。世界保健機関(WHO)の肺高血圧症の分類において、肺疾患に起因する前毛細血管性肺高血圧症は群3に分類される。群3の肺高血圧症に関連する最も一般的な肺疾患は、慢性閉塞性肺疾患及び間質性肺疾患である。
肺高血圧症は、間質性肺疾患患者の最大86%で報告されており、運動能力の低下、酸素補給の必要性の増大、生活の質の低下及び早期死亡に関連している2-4。間質性肺疾患に起因する肺高血圧症の地球規模の広がり及び不十分な臨床経過にもかかわらず、現在、これらの患者に対する承認された治療法はない。データは限られているが、群1の肺高血圧症 (肺動脈高血圧症)に対して承認された治療法は、群3の肺高血圧症の治療に使用されている5。血管拡張剤療法の以前の研究は、矛盾する結果を示している。これまでで最大の試験は、群3の肺高血圧症の患者集団で可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤リオシグアトを評価し、重大な害のために早期に中止された6。
トレプロスチニルは、プロスタサイクリンの安定した類似体であり、肺及び全身の動脈血管床の直接的な血管拡張を促進し、血小板凝集を阻害する7。トレプロスチニルの吸入製剤は、群1の肺高血圧症患者の12週間の治療後に運動能力を改善することが以前に示された8。以前に完了したパイロット研究のデータは、吸入トレプロスチニルが群3の肺高血圧症患者の血行動態及び機能的能力を改善できることを示唆している9-12。したがって、INCREASE試験の目的は、間質性肺疾患に起因する高血圧症患者における吸入トレプロスチニルの安全性及び有効性を評価することであった。
試験設計及び監督
INCREASEは、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験であった。この試験は、独立したデータ及び安全性監視委員会によって監視され、優良臨床試験基準ガイドラインに従って実施された。
試験集団
試験集団は、無作為化前の6か月以内に実施された胸部のコンピュータ断層撮影(中央判定ではない)でびまん性実質肺疾患の証拠に基づいて間質性肺疾患と診断された18歳以上の患者からなった。無作為化の前の1年以内に、右心カテーテル法による群3の肺高血圧症の確認が要求された。群3の肺高血圧症は、3ウッド単位を超える肺血管抵抗、15mmHg以下の肺毛細血管楔入圧、及び、25mmHg以上の平均肺動脈圧によって規定された。結合組織病に起因する群3の肺高血圧症の患者も、ベースラインの努力肺活量が70%未満である必要があった。適格な患者はまた、6分歩行試験中に少なくとも100m歩く必要があった。肺基礎疾患のために薬物治療(すなわち、ピルフェニドン又はニンテダニブ)を受けている患者は、無作為化を受ける前に少なくとも30日間安定した用量投薬を受けている必要があった。無作為化前の60日以内に肺動脈高血圧症のための承認された治療を受けた患者は、登録の資格がなかった。書面によるインフォームドコンセントをすべての患者から得た。
Figure 2023523557000008
試験手順
スクリーニング後30日以内に、適格な患者を1:1の比率で無作為に割り当て、吸入トレプロスチニル (Tyvaso、United Therapeutics)又はプラセボを二重盲検法で投与した。並べ替えられたブロックに基づく無作為化は、ベースラインの6分歩行距離(≦350m対>350m)によって層別化され、インタラクティブなWeb応答システムを通じて行われた。
吸入トレプロスチニル(1ミリリットルあたり0.6mg)を、超音波、パルスデリバリー噴霧器によって、1回の呼吸あたり6μgで投与した。プラセボを、視覚的に同一の溶液として同様に投与した。治験薬の最初の投与量(3回の呼吸)は診療所で投与され、その後、少なくとも1時間の観察期間が続いた。トレプロスチニル又はプラセボの用量は調整され、用量漸増(1日4回の追加の1回の呼吸)は3日ごとに行われ、目標用量は1日4回で9回の呼吸、最大用量は1日4回で12回の呼吸であった。研究者は、機能改善につながる最大耐用量を達成するために、個々の患者に基づいて用量を調整した。
試験評価
6分歩行試験を実施し、ベースライン、第4、8、12、16週、又はトレプロスチニル又はプラセボの早期中止時に、実験室データを取得した。各6分歩行試験は、活性薬物又はプラセボの最新の投与から10~60分後に実施した。これは、血漿トレプロスチニル暴露のピーク時である。トラフ試験は、第15週に、参加者がトレプロスチニル又はプラセボの用量を受けてから少なくとも4時間後に、そして第16週の試験前の少なくとも24時間に実施された。パルスオキシメトリは、各6分歩行試験の直前、その間及び後に行った。N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)レベルの測定及び肺機能検査は、ベースライン時に、そして患者が6分歩行試験から回復した後の第8週及び第16週(又は早期中止時)に実施された。生活の質の尺度であるセントジョージ呼吸器アンケート(SGRQ)は、ベースライン時及び第16週又は早期中止時に完了した。
結果の測定
試験の一次終点は、ベースラインから第16週までのピーク6分歩行距離の変化における2つの群の間の差であった。二次有効性終点は以下の階層的な試験手順で分析された:ベースラインから第16週までのNT-proBNPの変化、臨床的に悪化するまでの時間、第12週のピーク血漿中トレプロスチニルレベルでの6分歩行距離の変化、及び、第15週のトラフトレプロスチニルレベルでの6分歩行距離の変化。臨床的悪化までの時間は、無作為化の時点から患者が試験から離脱するまで評価され、以下のいずれかの事象が発生するまでの時間として規定された:心肺症状のための入院、2回の連続した来院でかつ少なくとも24時間間隔での研究中の疾患に直接関連する、ベースラインからの15%を超えた6分歩行距離の減少、何らかの原因による死亡、又は肺移植。
探索終点は、第4週と第8週との間のピーク6分歩行距離の変化、第16週でSGRQを使用して測定した生活の質、及び、第16週での距離と飽和の積(6分歩行の間の合計歩行距離に最低酸素飽和測定値をかけて計算される)であった。安全終点は、有害事象、異常な臨床検査結果、パルスオキシメトリ(Spo2)で測定された酸素負荷及び補給酸素要求、肺機能検査結果の変化、心肺症状のための入院、及び、新たな広範な肺胞異常の証拠を特徴とする急性の臨床的に有意な呼吸悪化として規定される、研究者が報告した肺基礎疾患の増悪を含んだ。
統計分析
当初の推定では、266人の患者が1:1の比率で吸入トレプロスチニル又はプラセボに無作為に割り付けられた場合に、この試験は有意水準0.05(両側)で少なくとも90%の検出力を持ち、標準偏差を75mと仮定すると、第16週でのベースラインからのピーク6分歩行距離の変化で30mの群間差異を検出することが示唆された。試験を中止する参加者の約15%を埋め合わせるために、314人の患者を登録する必要がある。
一次有効性解析では、欠損データは無作為に欠損したと仮定して、6分歩行距離の変化を混合モデル反復測定法で解析した。このモデルは、ベースラインからピーク6分歩行距離までの変化を従属変数として、治療、週及び治療ごとの相互作用を固定効果として、ベースライン6分歩行距離を共変数として含んだ。一次終点の感度分析は、マルコフ連鎖モンテカルロ法による多変量正規代入モデルを使用した多重代入アプローチによって実行された。代入モデルは、治療群、予定されたすべての来院、患者の性別、無作為化時の患者の年齢を含んだ。一次有効性終点の結果が有意である場合に、二次有効性終点を、階層的な試験手順に従って評価した。信頼区間は多重度について調整されておらず、二次有効性終点の決定的な治療効果を推測するために使用することはできない。
結果
患者
適格性についてスクリーニングされた462人の患者のうち、326人は93のセンターに登録され、プラセボ(163人の患者)又は吸入トレプロスチニル(163人の患者)を受けるように無作為に割り当てられた(図2)。ベースライン特性は2つの群で類似していた(表4)。患者の平均年齢は66.5歳で、46.9%が女性で、最も一般的な診断は特発性間質性肺炎(44.8%)であった。ベースラインで、平均6分歩行距離は259.6m、平均肺血管抵抗は6.2ウッド単位であり、平均NT-proBNPレベルは1832.9pg/mlであった。
曝露及びフォローアップ
トレプロスチニル群の患者は、第12週に、1日4回のセッションのそれぞれで吸入器から中央値で11回の呼吸(66μg)を行い、第16週に、セッションごとに12回の呼吸(72μg)を行った。セッションごとに10~12回の呼吸(60~72μg)を行ったこの群の患者の百分率は第12週で57.0%、第16週で57.8%であった。プラセボ群の患者は、第12週及び第16週でセッションごとに吸入器から中央値で12回の呼吸を行った。
吸入トレプロスチニルを受けるように割り当てられた40人の患者(24.5%)と、プラセボに割り当てられた38人の患者(23.3%)は、割り当てられたレジメンを早期に中止した。これらの患者は、試験に残り、第16週まで評価を完了するように勧められ、トレプロスチニル群の33人の患者と、プラセボ群の35人の患者が試験への参加を中止した。中止の理由を図2に示す。
一次終点
6分歩行距離の群内平均変化を図2に示す。混合モデル反復測定分析は、ピーク6分歩行距離のベースラインからの変化のトレプロスチニル群とプラセボ群との間の最小二乗平均差が31.12m(95%信頼区間 [CI]、16.85~45.39、P<0.001)であることを示した (表5及び図4)。同様の効果が、疾患の原因と重症度(ベースラインの6分歩行距離で測定)、ベースラインの血行動態及び投与群によって規定されるサブ群を含むサブ群全体で観察された(図5)。さらに、マルコフ連鎖モンテカルロ法による多重代入により分析したときに、第16週でのピーク6分歩行距離のベースラインからの変化の群間差異は有意であった(30.97m、95% CI、16.53~45.41、95% CI、16.53~45.41、P<0.001)(図6)。
Figure 2023523557000009
*特に指定のない限り、プラスマイナスの値は平均±SEである。二次終点については、信頼区間(CI)は多重度に対して調整されておらず、決定的な治療効果を推測するために使用することはできない。NT-proBNPは、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチドを表す。
†プラセボと比較した吸入トレプロスチニルの6分歩行距離の変化に対する効果は、従属変数としてピーク6分歩行距離のベースラインからの変化、固定効果として治療、週、及び治療ごとの相互作用、共変数としてベースライン6分歩行距離、そしてランダム効果として対象を用いた混合モデル反復測定を使用して評価した。結果を図S1及びS3に示す。
‡これは、群の間の最小二乗平均の差異である。
§対数変換されたNT-proBNPの変化に対する吸入トレプロスチニルのプラセボと比較した効果は、従属変数として、対数変換されたNT-proBNPのベースラインからの変化、固定効果として、治療、週、及び治療ごとの相互作用、そして、共変数として、対数変換されたベースラインのNT-proBNPを用いた混合モデル反復測定を使用して評価された。ベースラインに対する比率は、対数変換されたデータのベースラインからの変化の最小二乗平均である。
¶第16週までのベースラインからのNT-proBNPの血漿中濃度の変化は、トレプロスチニル群の156人の患者とプラセボ群の160人の患者で評価された。
∥これは治療比であり、2つの治療群の間の比率の比である。
**これはCox比例ハザードモデルから計算されたハザード比である。P値は、ベースラインの6分歩行距離カテゴリによって層別化されたログランク検定を使用して計算した。
††P値は、共分散分析(ANCOVA)モデリングを使用したマルコフ連鎖モンテカルロ推定による100回の多重代入から得られ、従属変数としてピーク6分歩行距離のベースラインからの変化、固定効果として治療、そして共変数としてベースライン6分歩行距離を用いた。
二次及び探索終点
吸入トレプロスチニルに割り当てられた患者は、プラセボに割り当てられた患者と比較して、各二次終点で有意な改善を示した(表5)。NT-proBNPレベルは、第16週でのベースラインレベルに対する対数変換比の最小二乗平均によって評価して、吸入トレプロスチニルではベースラインから15%減少し、プラセボではベースラインから46%増加した(治療比、0.58,95%CI、0.47~0.72、P<0.001)(図 7)。臨床的悪化は、トレプロスチニル群では37人の患者(22.7%)で発生したのに対し、プラセボ群では54人の患者(33.1%)で発生した(ハザード比、0.61、95%CI、0.40~0.92、ログランク試験によりP=0.04)(図1)。12週までのベースラインからのピーク6分歩行距離の最小二乗平均変化は、プラセボ群よりもトレプロスチニル群で31.29m大きく(P<0.001)、第15週までのトラフ6分歩行距離のベースラインからの変化は、トレプロスチニル群で21.99m大きかった(P=0.004)。SGRQで評価された患者報告の生活の質、又は第16週の距離と飽和度の積には、有意な群の間での差異はなかった。
安全終点
Figure 2023523557000010
*P値は、Fisherの直接確率検定を使用して計算した。
‡安全集団のいずれかの群の患者の10%以上で発生した、最も頻繁に発生した有害事象が示されている。これは、無作為化を受け、トレプロスチニル又はプラセボを少なくとも1回投与されたすべての患者を含んでいた。
最も頻繁に報告された有害事象は、咳、頭痛、呼吸困難、めまい、吐き気、倦怠感及び下痢であった(表6)。これらの事象のほとんどは、軽度から中程度の強度であった。
重大な有害事象は、吸入トレプロスチニルを受けた患者の23.3%、プラセボを受けた患者の25.8%で発生した。プラセボ群よりもトレプロスチニル群で有意に頻繁に重大な有害事象が報告されることはなかった。
プラセボ群よりもトレプロスチニル群の患者で、肺基礎疾患の増悪が有意に少なかった (43[26.4%] vs 63[38.7%」、P=0.02、フィッシャー直接検定による)。プラセボ群よりもトレプロスチニル群の患者の方が、心肺症状のための入院を伴う臨床的悪化の最初の発生が少なかった(18[11.0%] vs 24[14.7%]、P=0.41)。吸入トレプロスチニルは、試験中に肺機能の試験変数に悪影響を与えなかった。試験期間中、いずれの群においても、パルスオキシメトリ又は補給酸素の使用に治療関連の有意な変化はなかった。
考察
肺高血圧症は、間質性肺疾患患者の治療を複雑にすることが多く、機能状態の悪化、酸素補給の必要性が高くなること、及び、転帰の悪化に関連する3,13。INCREASE試験において、6分歩行距離の変化によって証明されるように、吸入トレプロスチニルで治療された患者は運動能力に有意な改善があった。吸入トレプロスチニルによる治療は、プラセボを受けた患者よりも臨床的悪化のリスクが低く、16週間の治療期間でNT-proBNPレベルが低下し、肺基礎疾患の悪化が少ないこととも関連していた。この脆弱な患者集団で観察された吸入トレプロスチニルの安全性プロファイルは、以前の研究で報告されたものと同様であった。最も頻繁に報告された有害事象は、咳、頭痛、呼吸困難、めまい、吐き気、倦怠感及び下痢であった。吸入トレプロスチニルの使用は、肺機能の低下とは関連していなかった。
群3の肺高血圧症の患者は、しばしば、全身性肺血管拡張薬で治療されるが、これは現在、群1の肺高血圧症の治療に対してのみ承認されている。しかしながら、そのような薬剤は、群3の肺高血圧症患者の通気-灌流マッチングを悪化させる可能性があるという懸念がある。吸入剤には、優先的に血流を最も通気された肺ユニットに向け直すという利点があり、通気-灌流のミスマッチングのリスクを減らす9,14。実際、群3の肺高血圧症の患者の吸入トレプロスチニルの過去の研究は、このような患者は、末梢酸素飽和度に悪影響を与えることなく機能クラス及び6分歩行距離が改善され、吸入トレプロスチニルで通気-灌流マッチングが変化しない又は改善されるという考えを補強することを示した10。同様に、現在の試験で、酸素負荷が悪化したという証拠はないことを我々は発見した。これにより、通気-灌流ミスマッチングについての懸念はさらに和らぐ。
INCREASE試験には制限がなかったわけではない。試験期間は短く、患者の21%が早期に試験を中止した(第16週の前)。さらに、肺基礎疾患の臨床的悪化及び増悪の事象は研究者が報告したものであり、独立した審査委員会によって裁定されたものではなかった。最後に、吸入トレプロスチニルによる6分歩行距離に対する好ましい治療効果の大きさは、肺疾患患者におけるこの試験の臨床的に重要な最小差の推定値と類似している (Nathan らの研究では21.7~37m及び du Bois らの研究では24~45mである)15,16。
この研究は、間質性肺疾患に起因する肺高血圧症の患者において、吸入トレプロスチニルによる治療が、16週間の治療期間の終わりまでの6分歩行距離の改善によって示されるとおりの運動能力を改善させることを示した。さらに、吸入トレプロスチニルによる治療は、プラセボによる治療よりも臨床的悪化のリスクが低く、NT-proBNPレベルが低下し、肺基礎疾患の悪化が少ないことと関連していた。
補足情報
Figure 2023523557000011
DLCO、肺拡散能力、FEV1、1秒間の強制呼気体積、FVC、努力肺活量、NT-proBNP、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド、TLC、総肺活量
*N=156 吸入トレプロスチニル、N=160 プラセボ
表8. セントジョージ呼吸アンケート結果
セントジョージ呼吸アンケートは、結果範囲が0~100であり、スコアが高いほど障害が大きく、最小の臨床的に重要な差異が4ポイントであることを示す。
Figure 2023523557000012
ANCOVA、共分散分析、CI、信頼区間、LS 平均、最小二乗平均、SD、標準偏差、SE、標準誤差
合計スコア及び3つのドメインスコアのそれぞれのベースラインからの変化は、欠損データの代入なしにパラメトリックANCOVAによって分析された。
信頼区間は多重度に対して調整されておらず、決定的な治療効果を推測するために使用することはできない。
Figure 2023523557000013
ANCOVA、共分散分析、CI、信頼区間、LS 平均、最小二乗平均、SD、標準偏差、SE、標準誤差、SpO2、末梢毛細血管酸素負荷の飽和
距離と飽和の積の変化は、6分歩行試験中に記録された歩行距離と最小SpO2の積である7。距離と飽和の積における第16週までのベースラインからの変化は、欠損している距離と飽和の積の値の代入なしにパラメトリックANCOVAによって分析された。
信頼区間は多重度に対して調整されておらず、決定的な治療効果を推測するために使用することはできない。
Figure 2023523557000014
Figure 2023523557000015
Figure 2023523557000016
Figure 2023523557000017
CI、信頼区間、DLCO、一酸化炭素に対する肺の拡散能力、FEV1、1秒間の強制呼気体積、FVC、努力肺活量、TLC、総肺活量、LS 平均、最小二乗平均、SE、標準誤差、TLC、総肺活量
LS 平均 (SE)、P 値、推定差 (SE)及び関連する 95% CI は混合モデル反復測定からのものであり、従属変数として肺機能検査パラメータのベースラインからの変化、固定効果として治療、週、週ごとの治療の交互作用、共変数としてベースライン測定、そしてランダム効果として対象を用いる。非構造化分散/治療群の間で共有される共分散構造を使用して、対象内エラーをモデル化した。
信頼区間及びp値は多重度に対して調整されておらず、決定的な治療効果を推測するために使用することはできない。
Figure 2023523557000018
SD、標準偏差、SpO2、末梢毛細血管酸素負荷の飽和
*P 値は、歩行前からの変化を従属変数、治療を固定効果、ベースラインSpO2を共変数とする共分散分析から計算される。
Figure 2023523557000019
酸素補給を使用しなかった対象は、要約で0としてコード化された。
ベースラインの6分歩行試験中に酸素補給を受けた対象は、その後のすべての6分間歩行試験評価で同じ流速を受け取り続けた。
*P 値は、ベースラインからの変化を従属変数、治療を固定効果、ベースライン酸素使用量を共変数とする共分散分析から計算される。
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実施例4.エアロゾル化及び粉末吸入トレプロスチニル
36人の健康なボランティアを対象に無作為化した、6つの治療、6つの期間、6つのシーケンスのクロスオーバー研究(6x6ウィリアムズ設計)を実施し、Tyvaso(登録商標)噴霧器によって投与された噴霧器吸入トレプロスチニルと、乾燥粉末吸入器を介して投与されたトレプロスチニル吸入粉末(TreT)を比較した(米国特許出願公開第 20190321290号明細書)。4人の対象が研究を早期に中止した(COVID-19、n=2、対象による離脱、n=1、研究要件の不遵守、n=1)。
Figure 2023523557000020
Figure 2023523557000021
Figure 2023523557000022
結論
AUC0-5は、TreT及びTyvasoの各用量レベルで概ね同等であった。TreTのCmax値は、用量比較全体でTyvasoのCmax値よりわずかに高かった。AEプロファイルは、既知のプロスタサイクリン効果及びTyvasoの以前の研究と一致している。AUC0-5とCmaxの両方の対象間変動は、Tyvasoと比較してTreTでは約2分の1であった。TreT及びTyvasoの AUC0-5及びCmaxは、ほぼ用量比例的に増加した。中央値Tmax: TreTで約10分であり、Tyvasoで約10~15分である。
実施例5.エアロゾル化及び粉末吸入トレプロスチニル、安全性評価
一次的な目的:
現在Tyvaso(登録商標)(噴霧器を介して投与されるトレプロスチニル吸入溶液)で治療されている肺動脈高血圧症(PAH)の対象において、図11に示されるもののような乾燥粉末吸入器によって投与されるトレプロスチニル吸入粉末(TreT)の安全性及び許容性を評価すること。
二次的な目的:
Tyvaso(登録商標)及びTreTとしてデリバリーされた場合のPAHの対象において、トレプロスチニルの全身暴露及び薬物動態(PK)を評価すること。試験開始時及びTreTによる3週間の治療後の6分歩行距離(6MWD)を評価すること。吸入トレプロスチニルデバイスの嗜好アンケート(PQ-ITD)を使用して、TreTに対する対象の満足度及び嗜好性を評価すること。患者から報告されたPAHの症状と影響をPAH-症状及び影響アンケート(PAH-SYMPACT)を用いて評価すること。
適格基準:
WHO群I PAHの診断
対象は、ベースラインの3か月以上前にTyvasoを開始し、Tyvasoの安定したレジメン(ベースライン来院の30日以内に用量の変化がない)(QIDで6~12回の呼吸)で開始しなければならなかった。
PAHのバックグラウンド療法(例えば、エンドセリン受容体アンタゴニスト又はホスホジエステラーゼ-5-阻害剤又はその両方)、スクリーニング前の最低30日間の安定した用量。他のプロスタサイクリン類似体又はアゴニスト(セレキシパグ、エポプロステノール、イロプロスト又はベラプロスト)を除外する。
スクリーニング時にWHO機能分類IVの対象を除外する。
対象は、吸気訓練基準を満たす吸入操作を行うことができない。
歩行又は6MWTを完了する能力を制限する条件を除外する(ベースライン6MWD>150m)。
ベースライン来院前の12週間以内の肺リハビリテーションの開始を除外する。
図12は、研究の設計を示す。表16は、Tret及びTyvaso用量に関する情報を提示する。
Figure 2023523557000023
Figure 2023523557000024
Figure 2023523557000025
Figure 2023523557000026
登録された51人の対象のうち、3週間の治療期間に割り当てられたTreT用量は、2人の対象で32μg、27人の対象で48μg、22人の対象で64μgであった。登録された49人の対象が任意選択的な延長段階(OEP)に入った。図13は、OEPにおける様々な維持TRET用量についての幾つかの対象を示す。
図14は、TreT治療の持続時間の関数として、ベースライン6分歩行距離(6MWD)に対する6MWDの変化を示す。TreT全体の6MWDのベースラインからの変化は、第3週で有意な改善を示した(11.5mの増加、p=0.0217)。TreT全体の6MWDの改善は任意選択的な延長段階に維持した。
患者が報告した転帰指標
PQ-ITDは、吸入トレプロスチニルデバイスに対する対象の満足度及び好みを評価するための患者が報告した転帰アンケートである。PQ-ITDは、Tyvaso吸入システムを評価するためにベースラインで、TreT吸入器を評価するために第3週で与えられた。
PQ-ITDの各質問に対する回答の分布は、ベースライン(Tyvaso噴霧器)及び第3週(TreT 吸入器)の間で有意に改善された(p≦0.0003)。TreT 吸入器の全体的な満足度は、図14のベースラインでのTyvaso噴霧器の満足度と比較して、第3週で有意に改善された (95.7%、p<0.0001)。
PAH SYMPACT:
PAH-SYMPACTは、PAHの症状及び効果を評価するために与えられた、十分に検証された患者報告転帰アンケートである。PAH-SYMPACTは4つのドメイン(心肺症状、心血管症状、身体的影響、認知/感情的影響)を含み、ベースライン、第3週、第11週で与えられた。
患者から報告されたPAH SYMPACTデータの分析により、TreTを受けた対象の第3週と第11週の両方で改善の傾向が明らかになった。
ベースラインからの平均変化は、両方の週でPAH-SYMPACTのすべてのドメインスコアで低く(範囲: -0.05~-0.22)、第3週で身体的影響(範囲: -1.1~1.0、p=0.0438)及び認知/感情的影響(範囲:-1.3~0.5、p=0.0048)が有意に改善された。
Figure 2023523557000027
Figure 2023523557000028
Figure 2023523557000029
結論
TyvasoからTreTへの移行はこの研究では安全で、許容性が良好であった。ほとんどの有害作用(AE)の重症度は軽度から中等度であり、PAH患者における他の吸入トレプロスチニル研究で見られたものと一致する重症度及び頻度で発生した。
3週間のTreT投与後に、TyvasoからTreTに切り替えた対象は次のことを示した。
第3週での6MWDの有意な改善(8.0mの増加、p=0.0217)。2020年12月23日(データカットオフ日)の時点で、Tret全体の6MWDの改善は、TreT吸入器の使用が好ましいこととともにOEP有意満足度が維持された(PQ-ITD)。
PAH影響スコアの有意な改善、及びPAH症状スコア(PAH SYMPACT)の改善傾向があった。
追加の実施形態
1.必要とする対象において間質性肺疾患(ILD)又は肺線維症を治療する方法であって、治療有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルを前記対象に投与することを含む、方法。
2.間質性肺疾患(ILD)又は肺線維症の対象における肺機能低下を軽減する方法であって、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルを前記対象に投与することを含む、方法。
3.ILD又は肺線維症に罹患している対象において努力肺活量(FVC)を増加させる方法であって、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルを前記対象に投与することを含む、方法。
4.ILDは、特発性肺線維症(IPF)、剥離性間質性肺炎(DIP)、急性間質性肺炎(AIP)、非特異性間質性肺炎(NSIP)、呼吸性細気管支炎関連間質性肺疾患(RB-ILD)、特発性器質化肺炎(COP)、リンパ性間質性肺炎(LIP)、サルコイドーシス、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症、多発性筋炎、皮膚筋炎、抗シンテターゼ症候群、珪肺症、石綿肺症、職業性肺疾患、慢性過敏性肺炎、特発性間質性肺炎(IIP)、自己免疫性ILD、リンパ管平滑筋腫症(LAM)、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)、薬物関連ILD、血管炎、肉芽腫症及びベリリウム症のうちの1つ以上を含む、実施形態1~3のいずれか1項記載の方法。
5.ILDはIPFを含む、実施形態4記載の方法。
6.ILDは全身性硬化症関連間質性肺疾患(SSc-ILD)を含む、実施形態1~5のいずれか1項記載の方法。
7.ILDは、抗生物質、化学療法、抗不整脈薬、コロナウイルス病2019、非定型肺炎、ニューモシスチス肺炎、結核(TB)、クラミジアトラコマチス、呼吸器合胞体ウイルス又はリンパ管癌腫症から誘発された、実施形態1~6のいずれか1項記載の方法。
8.前記対象は、サーファクタントプロテイン-B欠乏症、サーファクタントプロテイン-C欠乏症、ABCA3-欠乏症、脳肺甲状腺症候群、先天性肺胞タンパク症、肺胞毛細血管異形成、テロメラーゼ逆転写酵素の変異、テロメラーゼRNAコンポーネントの変異、テロメア伸長ヘリカーゼ1の調節因子の変異、及びポリ(A)特異的リボヌクレアーゼの変異のうちの1つ以上を有する、実施形態1~7のいずれか1項記載の方法。
9.前記対象は、息切れ、倦怠感、体重減少、空咳、胸痛及び肺出血のうちの1つ以上の症状を有する、実施形態1~8のいずれか1項記載の方法。
10.投与後、症状は、医学的に承認さられた技術により測定して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%又は約100%改善される、実施形態9記載の方法。
11.医学的に承認された技術は、修正医学研究評議会(MMRC)呼吸困難スケール、修正ボルグ呼吸困難スケール(0~10)、カルダー倦怠感スケール、体重測定スケール、咳の視覚的アナログスケール(VAS)、キング簡単間質性肺疾患アンケート(King's Brief Interstitial Lung Disease Questionnaire)、レイセスター咳アンケート(Leicester Cough Questionnaire) (LCQ)、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、X線、多重磁気共鳴画像法(MRI)、肺機能検査(PFT)、スパイロメトリ、肺容量、最大呼吸圧、拡散能力、酸素飽和度の低下及び動脈血ガスの評価のうちの1つ以上を含む、実施形態10記載の方法。
12.トレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルは、トレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルと、医薬的に許容可能なキャリア又は賦形剤とを含む医薬組成物で投与される、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
13.前記投与は、経口、吸入、皮下、経鼻、静脈内、筋肉内、舌下、バッカル、直腸、膣及び経皮投与のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~12のいずれか1項記載の方法。
14.前記投与は吸入を含む、実施形態1~13のいずれか1項記載の方法。
15.少なくとも1回の吸入投与事象は1~20回の呼吸を含む、実施形態1~14のいずれか1項の方法。
16.ILDを治療するために少なくとも1つの追加の活性剤を投与することを含む、実施形態1~15のいずれか1項記載の方法。
17.前記少なくとも1つの追加の活性薬剤は、コルチコステロイド、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、シクロホスファミド、リツキシマブ、ピルフェニドン又はニンテダニブを含む、実施形態16記載の方法。
18.前記少なくとも1つの追加の活性剤及びトレプロスチニル、そのプロドラッグ、塩又はエステルは、
(a)同時に、
(b)混合物として、
(c)別々にかつ同時的に又は並行的に、及び、
(d)別々にかつ順番に、
からなる群より選ばれる方法により投与される、実施形態16又は17記載の方法。
19.投与は、1日1回、2回、3回、4回、5回又は6回である、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
20.投与は、約1日、約1日~約3日、約3日~約6日、約6日~約9日、約9日~約12日、約12日~約15日、約15日~約18日、約18日~約21日、約21日~約24日、約24日~約27日、約27日~約30日、又は約30日以上からなる群より選ばれる期間である、実施形態1~19のいずれか1項記載の方法。
21.前記対象はヒトである、実施形態1~20のいずれか1項記載の方法。
22.前記方法は、投与開始時又は投与開始前のFVCと比較して増加したFVCをもたらす、実施形態1~21のいずれか1項記載の方法。
23.前記投与は、投与開始時又は投与開始前のFVCと比較して、投与開始後16週間で増加したFVCをもたらす、実施形態22記載の方法。
24.FVCの増加は少なくとも20%である、実施形態22~23のいずれか1項記載の方法。
25.FVCの増加は少なくとも75%である、実施形態24記載の方法。
上記は特定の好ましい実施形態に言及しているが、本発明はそのように限定されないことが理解されるであろう。当業者であれば、開示された実施形態に対して様々な変更を加えることができ、そのような変更は本発明の範囲内にあることが意図されていることに気付くであろう。
本明細書で引用されたすべての刊行物、特許出願及び特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (23)

  1. 慢性肺疾患、低酸素症及びそれらの組み合わせから選ばれる状態による肺高血圧症を治療する方法であって、慢性肺疾患、低酸素症及びそれらの組み合わせから選ばれる状態による肺高血圧症の対象に、有効量のトレプロスチニル、そのプロドラッグ又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む、方法。
  2. 前記対象における肺高血圧症は、慢性肺疾患による肺高血圧症である、請求項1記載の方法。
  3. 前記慢性肺疾患は、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、間質性肺疾患、肺線維症及びそれらの組み合わせを含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記肺高血圧症は間質性肺疾患に関連する肺高血圧症である、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記慢性肺疾患は、特発性間質性肺炎、慢性過敏性肺炎、職業性肺疾患、肺線維症、肺気腫、結合組織病又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記慢性肺疾患は特発性間質性肺炎を含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記特発性間質性肺炎は、特発性肺線維症、特発性非特異性間質性肺炎、呼吸細気管支炎、剥離性間質性肺炎から選ばれる、請求項6記載の方法。
  8. 前記投与は、投与の8週間、12週間又は16週間後に対象における6分歩行距離の統計的に有意な増加を提供する、請求項1~7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記投与は、投与の8週間、12週間又は16週間後に、6分歩行距離を少なくとも10m増加させる、請求項1~7のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記投与は、投与の8週間、12週間又は16週間後に、前記対象におけるNT-proBNPの血漿濃度の統計的に有意な減少を提供する、請求項1~9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記投与は、投与の8週間後、12週間後又は16週間後に、前記対象におけるNT-proBNPの血漿濃度を少なくとも200pg/ml減少させる、請求項1~9のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記投与は、特定数の慢性肺疾患増悪の統計的に有意な減少を提供する、請求項1~11のいずれか1項記載の方法。
  13. 前記投与は、慢性肺疾患による臨床的悪化事象の統計的に有意な減少を提供する、請求項1~12のいずれか1項記載の方法。
  14. 前記臨床的悪化事象は、心肺適応症のための入院及び投与前のベースラインの6分歩行距離と比較して15%を超える6分歩行距離の減少のうちの少なくとも1つを含む、請求項13記載の方法。
  15. 前記投与は、投与の8週間後、12週間後又は16週間後に、前記対象の努力肺活量(FVC)の統計的に有意な改善を提供する、請求項1~14のいずれか1項記載の方法。
  16. 前記投与は、投与の8週間後、12週間後又は16週間後に、前記対象の努力肺活量(FVC)を少なくとも20ml改善する、請求項15記載の方法。
  17. 前記投与は吸入によって行われる、請求項1~16のいずれか1項記載の方法。
  18. 前記投与はパルス吸入デバイスによって行われる、請求項17記載の方法。
  19. 前記パルス吸入デバイスは、トレプロスチニル又はその医薬的に許容可能な塩を含む吸入溶液を含む、請求項18記載の方法。
  20. 前記パルス吸入デバイスは噴霧器である、請求項18又は19記載の方法。
  21. 前記パルス吸入デバイスは、トレプロスチニル又はその医薬的に許容可能な塩を含む乾燥粉末を含む乾燥粉末吸入器である、請求項18記載の方法。
  22. 単回吸入投与事象で前記対象に投与されるトレプロスチニル又は医薬的に許容可能な塩の有効量は15μg~100μgである、請求項17~22のいずれか1項記載の方法。
  23. 単回吸入投与事象は前記対象による15回の呼吸を超えない、請求項22記載の方法。
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