JP2023523465A - メタクロレインアセタールの酸化的開裂によるヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

メタクロレインアセタールの酸化的開裂によるヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステル、特にヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の製造方法であって、該方法は、第1の反応段階において、(メタ)アクロレインを第1の触媒K1の存在下に少なくとも1つの多価アルコール、特にエチレングリコールと反応させて、環状アセタールを含む第1の反応生成物を得ることと、第2の反応段階において、第1の反応生成物を第2の触媒K2の存在下に酸素と反応させて、少なくとも1つのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルを含む第2の反応生成物を得ることとを含み、第1の反応段階の後に、水および任意にさらなる成分、特に(メタ)アクロレインおよび/または多価アルコール、例えばエチレングリコールを、第1の反応生成物から少なくとも部分的に除去する、方法に関する。

Description

本発明は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステル、特にヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の製造方法であって、該方法は、第1の反応段階において、(メタ)アクロレインを第1の触媒K1の存在下に少なくとも1つの多価アルコール、特にエチレングリコールと反応させて、環状アセタールを含む第1の反応生成物を得ることと、第2の反応段階において、第1の反応生成物を第2の触媒K2の存在下に酸素と反応させて、少なくとも1つのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルを含む第2の反応生成物を得ることとを含み、第1の反応段階の後に、水および任意にさらなる成分、特に(メタ)アクロレインおよび/または多価アルコール、例えばエチレングリコールを、第1の反応生成物から少なくとも部分的に除去する、方法に関する。
メタクリル酸および/またはアクリル酸をベースとするヒドロキシアルキルエステルは、ポリメチル(メタ)アクリレートの製造のための工業的に重要なモノマーまたはコモノマーである。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルおよびそれから製造されるポリマーは、例えば塗料、接着剤、コンタクトレンズ、ポリマー架橋剤および3Dプリント用材料など、様々な用途で用いられている。特に工業的に重要であるのは、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)である。
背景技術
クロム触媒を使用してメタクリル酸および酸化エチレンから出発するHEMAの製造は、例えば国際公開第2012/116870号、特許第5089964号公報および米国特許出願公開第2015/01267670号明細書といった先行技術にしばしば記載されている。多くの場合、非常に反応性の高いヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルモノマーに安定剤が添加される(例えば、欧州特許第1125919号明細書)。
メタクリル酸から出発するHEMAの製造に加えて、例えば酸化プロピレンまたは他の置換オキシランを用いた他のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルの製造も、例えば特表2008-143814号公報や特表2008-127302号公報といった先行技術に記載されている。(メタ)アクリル酸と対応するオキシランとの反応は、通常、均一系触媒を用いて行われ、メタクリル酸の一部またはすべてが、溶解した触媒および安定剤の存在下に装入され、オキシランがガス状または液状で計量供給される。これらの反応において所望のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルを高く一定の生成物品質で得て、ひいては装置を連続的な運転において使用し、容易に洗浄できるようにするためには、計量供給に加えて、反応物および触媒の混合も重要である。これに適した実施形態は、例えば国際公開第2012/1168770号に記載されており、反応器は、インジェクタ混合ノズルおよび循環導管を備えている。反応の終わりに向かって、所望のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルが典型的には高濃度で存在するが、一方で、出発物質であるメタクリル酸は、著しく低減されているかまたはもはや存在しない。
その後のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルの後処理および単離は、しばしば蒸留によって行われ、連続的に運転することができる(例えば、独国特許出願公開第102007056926号明細書および欧州特許出願公開第1090904号明細書に記載)。
市販品は一般に、蒸留によって97%を超える純度まで精製されるが、特別な用途では、酸ベースの二次成分および架橋剤がさらに低減されている。この場合、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルの含有量は、通常は99%を超える。このような精製は、複数の蒸留ステップで行われ、例えば欧州特許第2427421号明細書に記載されている。所望の生成物品質にかかわらず、精製時に少なくとも1つの安定剤を添加することがしばしば必要である。仕様に適合した生成物は、例えば、ヒドロキノンモノメチルエーテルおよび4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル(TEMPOL)または複数の安定剤の組み合わせを含むことが可能である(例えば、国際公開第2010/105894号に記載)。安定剤に加えてヒドロキシエチルアセテートのような反応副生成物も含み、特定の貯蔵安定性を有することが望ましい生成物組成物も記載されている(例えば、欧州特許出願公開第1125919号明細書に記載)。
反応に使用される触媒は、例えば国際公開第2012/116870号、特許第5089964号公報および米国特許出願公開第2015/01267670号明細書に記載されているように、しばしばクロム塩をベースとするものである。クロム触媒に加えて、例えば米国特許第4365081号明細書には、鉄塩をベースとする触媒も記載されている。文献には、様々な対イオンまたはリガンドを有する遷移金属群の多数の他の金属含有可溶性触媒が記載されている。
このような公知慣用の製造方法では、毒性、発癌性、引火性および爆発性の高い化合物である酸化エチレンを使用することが問題である。そのため、こうした方法には、酸化エチレンの取扱い、輸送、貯蔵などに関して高い要求が課せられている。酸化エチレンの輸送および使用は、欧州や他の国々、例えば米国では厳格に規制されているため高コストである。米国に関する情報は、例えば環境保護庁の大気浄化法に記載されている。米国では、2020年に予定されている「有害大気汚染物質排出基準(NESHAP)」の更新により、酸化エチレンの取扱い条件が厳しくなる可能性がある。
したがって、HEMA製造のための設備拡張は、地域の利用可能性および酸化エチレンの規制(例えば、米国環境保護庁の大気浄化法)によりしばしば制限される。
既知の方法では、酸化エチレンが過剰に存在するかまたは定常的に比較的高い濃度で存在する場合、酸化エチレンの使用は特に批判的に評価されなければならない。このことは、先行技術に記載されている方法の大半において該当する。したがって、安全上の予防措置を強化しなければならず、特に、酸化エチレンの混和および定常濃度を、計量供給時間および計量供給速度の設定、ならびに温度制御および反応において生じる熱の放散によって厳密に制御する必要がある。
先行技術の製造方法のさらなる欠点は、しばしば酸化数が+VIである有毒で発癌性のあるクロム塩を使用することである。他の酸化数の第1のクロム塩は、すでにその使用および廃棄に関して危険性があると分類されている(例えば、ドイツ連邦議会の整理記号WD5-3000-044/19およびクロム+VI化合物に関するREACH付属書XVIIを参照)。将来的には、より厳しい労働安全のためのさらなる禁止、要求および規制が続くと予想され、少なくとも追加コストが発生することになる。クロム塩の残留は、確立されたいずれの方法においても、特に後処理時に蒸留の缶出液残渣として発生する。このような缶出液残渣は、クロムが環境中に流出しないようにコストをかけて慎重に廃棄する必要がある。したがって、要約すると、確立された方法は、触媒の使用およびその結果としての触媒残渣の廃棄のための高いコスト、ならびに生産設備に対する高い資本支出および長い反応時間による高い継続的な運転コストに関して欠点を有する。
欧州特許出願公開第0704441号明細書には、固体酸触媒の存在下でのアクロレインとエチレングリコールとの反応による2-ビニル-1,3-ジオキソランの製造方法が記載されている。ここでさらに注目すべき点は、この反応は20℃を下回る低温でより高い選択率を有することである。それより高い温度では、マイケル型反応の意味でアクロレインの4位にアルコールが付加して副生成物が増加することが記載されている。さらに、多価アルコールを使用した場合にはオリゴマー化合物やポリマー化合物の形成が予想され、反応の制御や精製がより困難になると考えられる。この公報には、それについて明確な記載がなされていない。
欧州特許出願公開第0485785号明細書には、特にメタクロレインから出発するα,β-不飽和アセタールの製造方法が記載されており、アルコールとしてメタノールが使用されている。この方法では、メタノールおよびメタクロレインを蒸留によりアセタールから分離し、室温で反応させる。未反応の出発物質は、アセタールとともに塔底の受器に流れ込む。しかし、エチレングリコールなどの二価アルコールは、対応するジオキソランよりも沸点が高いため、こうしたアルコールには該文献に記載の方法を適用することはできない。それに応じて、このような反応については、欧州特許出願公開第0704441号明細書の記述によれば大量の副生成物が予想される。
特開平11-315075号公報には、不均一系触媒、例えばゼオライト、または二酸化ケイ素と酸化アルミニウムとの混合物、およびシクロヘキサンまたはトルエンなどの共沸共留剤を使用したメタクロレインとエチレングリコールとの反応が記載されている。該文献にはバッチ方法のみが記載されており、この方法は、選択された共留剤の性質上、高温で運転する必要がある。
特公昭43-11205号公報には、環状アセタールの酸化的開裂によりアクリレートベースの不飽和ヒドロキシエステルを得ることが記載されている。また、メタクロレインベースの環状アセタールの酸化的開裂により2-ヒドロキシエチルメタクリレートを得ることも同様に記載されている。しかし、この場合には6時間以内に25%の転化率しか得られておらず、空時収率の点で不十分であり、経済的とは言えない。該文献には、環状アセタールの製造については記載されていない。
特開2009-274987号公報には、特殊な不均一系貴金属含有触媒の存在下での環状アセタールの酸化によるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたはヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの製造方法が記載されている。しかし、該文献に記載の方法は特に反応時間が長いため、工業規模での特に連続法での使用には適さない。
さらに、Sawamaら(Org. Lett. 2016, 18, 5604)には、パラジウム触媒を用いたヒドロキシアルキルエステルの生成を伴う酸素による芳香族アセタールの化学選択的酸化が記載されている。非芳香族基材、特にα,β-不飽和化合物の反応については、該文献には記載されていない。Sawamaらによれば、メタノールまたはエチレングリコールが最良の溶媒であると記載されている。
米国特許第9593064号明細書(S.S. Stahlら)には、例えばビスマスやテルルのような2種のドーパントが補われた活性炭担持パラジウム触媒が記載されている。この触媒は、メタノールまたはエタノールの存在下での有機アルコールの直接酸化的エステル化によるエステル製造に使用される。基材としての環状アセタールについては、記載されていない。
したがって、本発明の課題は、先行技術に鑑み、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステル、特にヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の製造方法であって、酸化エチレンに加えて任意にメタクリル酸も、安全かつ安価で世界的に良好に入手可能である別の出発材料で置換されている方法を提供することである。さらに、該製造方法は、特に先行技術の既知の方法に劣らないとともに、従来の方法の上述の欠点を有しないことが望ましい。
本発明のさらなる課題は、純度および副成分の含有量に関する通常の要件を満たすか、または相応する要件を満たすためのさらなる精製を最小限の支出で行うことができるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステル生成物を提供することである。特に、架橋副生成物(2個以上のC-C二重結合を有する化合物)、例えばエチレンジメタクリレートの含有量が最小限であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステル生成物が提供されることが望ましい。
驚くべきことに、本発明による方法によって上述の課題が解決されることが見出された。特に、メタクロレインおよびエチレングリコールをヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の製造の出発材料として使用することができ、その際、最初に、水の脱離下に環状アセタールが形成され、これを次いで酸素により接触酸化させることで選択的にHEMAが得られることが見出された。エチレングリコールや他の多価アルコールは一般に安価であり、世界中で入手可能である。プロピオンアルデヒドおよびホルマリンからのメタクロレインの製造は当業者に知られており、工業規模で実施されている。さらに、メタクロレインは、イソブテンの酸化によって、またはt-ブタノールから出発して得ることができる。メタクロレインの製造方法は、例えば、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2012, Wiley-VCH Verlag GmbH, Weinheim (DOI:10.1002/14356007.a01_149.pub2)に記載されている。
発明の詳細な説明
本発明は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルの製造方法であって、
a. (メタ)アクロレインを、第1の触媒K1の存在下に少なくとも1つの多価アルコールと反応させて、少なくとも1つの環状アセタールを含む第1の反応生成物を得るステップと、
b. 第1の反応生成物から水を少なくとも部分的に除去するステップと、
c. 第1の反応生成物を第2の触媒K2の存在下に酸素と反応させて、少なくとも1つのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルを含む第2の反応生成物を得るステップと
を含む方法に関する。
好ましい一実施形態では、本方法は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルの連続式またはセミバッチ式、好ましくは連続式の製造方法である。
「(メタ)アクリレート」あるいは「(メタ)アクリルエステル」という表記には、本発明の趣意において、アクリレートおよび/またはメタクリレートが包含される。これに対応して、「(メタ)アクロレイン」という表記には、本発明の趣意において、アクロレインおよび/またはメタクロレインが包含される。
好ましい一実施形態では、多価アルコールとしてエチレングリコールが使用される。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルは、好ましくはヒドロキシエチルメタクリルエステル(HEMA)であり、環状アセタールは、特にメタクロレインエチレングリコールアセタール(2-イソプロペニル-1,3-ジオキソラン)である。
本発明はさらに、多価アルコールとしてエチレングリコールに代えてアルキル置換グリコールを使用することを含む。本発明は特に、同様にヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、特に2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルエステル(HPMA)の製造にも関し、多価アルコールとして特にプロパンジオール、例えば1,2-プロパンジオールが使用される。
ステップa-環状アセタールへの反応
本発明による方法は、ステップaにおいて、(メタ)アクロレインを、第1の触媒K1の存在下に少なくとも1つの多価アルコールと反応させて、少なくとも1つの環状アセタールを含む第1の反応生成物を得ることを含む。典型的には、アセタール形成のさらなる生成物として水が得られる。
本発明の趣意において、多価アルコールとは、2つ以上のヒドロキシ(-OH)基を含む化合物、特に有機化合物である。多価アルコールは、好ましくは、2~10個の炭素原子、好ましくは2~5個の炭素原子、特に好ましくは2~3つの炭素原子を含み、かつ2つ以上のヒドロキシ基、好ましくは2つまたは3つのヒドロキシ基、特に好ましくは2つのヒドロキシ基を含む少なくとも1つのアルコールである。ヒドロキシ基は、好ましくは、多価アルコール、例えばジオールの構造中の1,2位、1,3位または1,4位に存在することができる。ヒドロキシ基は、特に好ましくは、多価アルコール中の1,2位に存在する。さらに多価アルコールは、さらなる官能基、例えばアルコキシ基、アリール基、ホスホネート基、ホスフェート基、アルケニル基、アルキニル基、マスクされたカルボニル基、またはエステル単位を含むことができる。
少なくとも1つの多価アルコールは、特に好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよび/またはグリセリンから選択される。好ましい一実施形態では、少なくとも1つの多価アルコールは、エチレングリコールである。好ましい一実施形態では、上記のような多価アルコールが1つのみ使用される。
環状アセタールは、好ましくは、式(I)
Figure 2023523465000002
[式中、Yは、C~C10アルキレン基、好ましくはC~Cアルキレン基、特に好ましくはC~Cアルキレン基であり;RおよびRは、互いに独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヒドロキシアルキル、C~C20アルコキシおよびC~C20アリールから選択され;Rは、HまたはC~C20アルキル、好ましくはHまたはメチルであり;RおよびRは、互いに独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヒドロキシアルキルおよびC~C20アリールから選択される]で示される構造を有する。RおよびRは、互いに独立して、好ましくはH、C~Cアルキル、C~CヒドロキシアルキルおよびC~C12アリールから選択される。RおよびRは、互いに独立して、好ましくはH、C~Cアルキル、C~CヒドロキシアルキルおよびC~C12アリールから選択され、特に好ましくはHおよびC~Cアルキルから選択される。RおよびRは、特に好ましくはHである。Rは、特に好ましくはメチルである。
環状アセタールは、特に好ましくは、式(II)
Figure 2023523465000003
[式中、R、R、R、RおよびRは、上記で定義したとおりである]で示される構造を有する。
ステップaにおける(メタ)アクロレインと少なくとも1つの多価アルコールとの反応による環状アセタールの形成は、典型的には平衡反応であり、特に、転化率は10%~75%、好ましくは15%~50%である。連続法での転化率とは、典型的には、ステップaにおける1パス当たりの転化率を指す。
ステップaにおける反応は、好ましくは、特にブレンステッド酸およびルイス酸から選択される、触媒K1としての少なくとも1つの酸性化合物の存在下に行われる。少なくとも1つの触媒K1は、好ましくは、リン酸、硫酸、スルホン酸、カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸)、ランタノイド塩、周期表第3族~第15族の元素の金属塩、ならびにホスホン酸(-P(=O)(OH))、スルホン酸(-S(=O)OH)およびカルボン酸(-COOH)(例えば、酢酸(-CH-CH-C(=O)OH))から選択される少なくとも1つの酸性基を含むイオン交換樹脂からなる群から選択される。少なくとも1つの触媒K1は、特に好ましくは、リン酸、硫酸、スルホン酸、カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸)、ならびにスルホン酸(-S(=O)OH)およびカルボン酸(-COOH)から選択される少なくとも1つの酸性基を含むイオン交換樹脂からなる群から選択される。
さらに、触媒K1として、例えばランタノイド塩および周期表第3族~第15族の元素の金属塩から選択される少なくとも1つのルイス酸を使用することができ、化合物は特に、ハロゲニド、水酸化物、メシラート、トリフラート、カルボキシレートおよび/またはカルコゲニドであってよい。触媒K1として、例えば、アルカリ金属(特に、Li、Na、K)、アルカリ土類金属(特にBe2+、Mg2+、Ca2+)、B3+、Al3+、In3+、Sn2+、Sn4+、Si4+、Sc3+、Ti4+、Pd2+、Ag、Cd2+、Pt2+、Au、Hg2+、In3+、Tl3+、Pb2+のハロゲニド、水酸化物、メシラート、トリフラート、カルボキシレートおよびカルコゲニド(好ましくは、ハロゲニド);ならびにTi4+、Sn4+およびB3+の有機塩、例えばアルコキシド、例えばTi(OH)、B(OR)、Sn(OR)から選択される少なくとも1つのルイス酸を使用することができ、ここで、Rは、C~C10アルキルである。触媒K1として、例えば、好ましくは、BCl、BF、B(OH)、B(CH、AlCl、AlF、TiCl、Ti(OH)、ZnCl、SiBr、SiF、PF、Ti(OR)、B(OR)およびSn(OR)から選択される既知のルイス酸を使用することができ、ここで、Rは、C~C10アルキルである。
触媒K1は、好ましくは5以下、特に好ましくは2以下のpKa値を有する1つ以上のブレンステッド酸である。
触媒K1は、好ましくは、5以下、特に好ましくは2以下のpKa値を有する少なくとも1つの酸性基を含む。
好ましい一実施形態では、ステップaにおける反応は、ブレンステッド酸およびルイス酸から選択される、触媒K1としての少なくとも1つの酸性化合物の存在下に行われ、触媒は、不均一系または均一系の形態で存在する。
触媒K1は、さらに好ましくは、不均一系触媒である。例えば、触媒は、ポリマーマトリックス、複合マトリックスおよび/または酸化物担体材料に担持されていてよい。同様に好ましいのは、不均一系ポリ酸、例えばモリブデン酸塩をベースとする不均一系ポリ酸を使用することである。不均一系触媒K1を使用することの利点は特に、触媒K1および反応混合物をより容易に互いに分離できること、および/または触媒K1をより長い期間にわたって再利用(あるいは一般に操作)できることである。
好ましい一実施形態では、ステップaにおける(メタ)アクロレインと少なくとも1つの多価アルコールとの反応は、(メタ)アクロレインと多価アルコールとのモル比を1:50~50:1、好ましくは1:10~10:1、特に好ましくは1:3~3:1の範囲内として行われる。
ステップaにおける(メタ)アクロレインと多価アルコールとの反応は、好ましくは-50℃~100℃、特に好ましくは-10℃~30℃、殊に好ましくは0℃~20℃の温度範囲内で行われる。ステップaにおける(メタ)アクロレインと多価アルコールとの反応は、好ましくは0.5~10bar(絶対圧)、特に好ましくは1~5bar(絶対圧)の圧力範囲内で行われる。ステップaにおける反応は、特に上記の範囲内の温度および/または圧力で行われる。
好ましい一実施形態では、ステップaにおける(メタ)アクロレインと多価アルコール(例えばエチレングリコール)との反応は、溶媒の存在下に行うことができる。典型的には、直鎖状または環状のアルカン(例えば、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、ベンゼン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、クロロホルム、テトラクロロメタン、ヘキサクロロエタン、ヘキサクロロシクロヘキサン、クロロベンゼン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n-ブタノール、tert-ブタノール)、エーテル(例えば、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン)またはこれらの混合物から選択される溶媒を使用することができる。さらに、ステップaによる反応において化学的に不活性に挙動するさらなる極性溶媒は当業者に知られている。ステップaにおける反応は、典型的には、反応混合物全体を基準として1重量%~90重量%、好ましくは5重量%~50重量%の少なくとも1つの溶媒を含む反応混合物中で行われる。
特に好ましい一実施形態では、ステップaにおける反応は、無溶媒で行われる。
ステップb-第1の反応生成物からの水の除去
本発明による方法は、ステップbにおいて、第1の反応生成物から、反応生成物である水を少なくとも部分的に除去することを含む。本発明による方法のステップbは、好ましくはさらに、ステップaで得られた第1の反応生成物から、未反応の多価アルコール、例えばエチレングリコールおよび/または未反応の(メタ)アクロレインを少なくとも部分的に除去することを含む。
水および任意に多価アルコールおよび任意に(メタ)アクロレインの除去は、好ましくは、(特に蒸留塔、例えば塔7および10の形態で)少なくとも1つの蒸留ステップにより行われる。
好ましい一実施形態では、ステップbは、第1の反応生成物から、未反応の(メタ)アクロレインおよび/または未反応の多価アルコールを典型的には水とともに分離除去し、任意に水を分離してステップaにおける反応に返送することを含む。
ステップbは、特に好ましくは、第1の分離ステップ、好ましくは蒸留ステップにおいて、第1の反応生成物から(メタ)アクロレインおよび水の少なくとも一部を分離除去することを含む。特に、この第1の分離ステップにおいて、第1の反応生成物から(メタ)アクロレインおよびその水との共沸混合物が蒸留によって分離される。特に、第1の分離ステップは、蒸留塔(例えば、塔7)において行われる。
ステップbは、さらに好ましくは、少なくとも2つの分離ステップ、好ましくは2つの蒸留ステップにおいて、少なくとも1つの環状アセタールを含む第1の反応生成物から、水、(メタ)アクロレインおよび多価アルコールを分離除去することを含む。
ステップbは、特に好ましくは、(例えば第2の分離ステップにおいて)、好ましくは蒸留ステップ(例えば、塔10)において、反応生成物から、多価アルコールおよび任意に水および任意に高沸点物質を少なくとも部分的に分離除去することを含む。
好ましい一実施形態では、ステップbは、少なくとも2つの分離ステップにおいて、少なくとも1つの環状アセタールを含む第1の反応生成物から、水、未反応の(メタ)アクロレインおよび未反応の多価アルコールを分離除去することを含み、第1の分離ステップにおいて、好ましくは蒸留ステップ(例えば、塔7)において、第1の反応生成物から(メタ)アクロレインおよび水の少なくとも一部(例えば、(メタ)アクロレインおよびその水との共沸混合物)が分離除去され、第2の分離ステップ、好ましくは蒸留ステップ(例えば、塔10)において、第1の反応生成物から多価アルコールおよび任意に水および任意に高沸点物質が少なくとも部分的に分離除去される。
ステップbにおける(メタ)アクロレインの分離除去は、好ましくは、ステップcにおける反応混合物中に含まれる(メタ)アクロレインが、ステップbにおける反応混合物全体を基準として10重量%未満、好ましくは8重量%未満、特に好ましくは5重量%未満となるように行われる。
ステップbにおける水の分離除去は、好ましくは、ステップcにおける反応混合物中に含まれる水が、ステップbにおける反応混合物全体を基準として5重量%未満、好ましくは2重量%未満、特に好ましくは1重量%未満となるように行われる。
ステップbにおける多価アルコールの分離除去は、好ましくは、ステップcにおける反応混合物中に含まれる多価アルコールが、ステップcにおける反応混合物全体を基準として10重量%未満、好ましくは8重量%未満、特に好ましくは5重量%未満となるように行われる。特に好ましくは、ステップbにおいて第1の反応生成物から多価アルコールがほぼ完全に分離除去される。
ステップc-酸化
本発明による方法は、ステップcにおいて、少なくとも1つの環状アセタール(特に2-イソプロペニル-1,3-ジオキソラン)を含む第1の反応生成物を第2の触媒K2の存在下に酸素と反応させて、少なくとも1つのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルを含む第2の反応生成物を得ることを含む。
ステップcは、典型的には、反応ステップaで得られた環状アセタールの酸化的エステル化を含む。典型的には、環状アセタールの酸化的開環により、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルが得られる。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルは、好ましくは、式(III)
Figure 2023523465000004
[式中、Yは、C~C10アルキレン基、好ましくはC~Cアルキレン基、特に好ましくはC~Cアルキレン基であり;RおよびRは、互いに独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヒドロキシアルキル、C~C20アルコキシおよびC~C20アリールから選択され;Rは、HまたはC~C20アルキル、好ましくはHまたはメチルであり;RおよびRは、互いに独立して、H、C~C20アルキル、C~C20ヒドロキシアルキルおよびC~C20アリールから選択される]で示される構造を有する。RおよびRは、互いに独立して、好ましくはH、C~Cアルキル、C~CヒドロキシアルキルおよびC~C12アリールから選択される。RおよびRは、互いに独立して、好ましくはH、C~Cアルキル、C~CヒドロキシアルキルおよびC~C12アリールから選択され、特に好ましくはHおよびC~Cアルキルから選択される。RおよびRは、特に好ましくはHである。Rは、特に好ましくはメチルである。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルは、特に好ましくは、式(IV)
Figure 2023523465000005
[式中、R、R、R、R、Rは、上記で定義したとおりである]で示される構造を有する。
ステップcにおける反応は、好ましくは、触媒K2としての金属含有および/またはメタロイド含有不均一系触媒系、特に好ましくは触媒K2としての貴金属含有不均一系触媒系の存在下に行われる。
本発明の趣意において、貴金属という用語には、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、銀(Ag)、金(Au)およびレニウム(Re)、特に金(Au)、銀(Ag)および白金族金属(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)の元素が包含される。
少なくとも1つの触媒K2は、好ましくは、1つ以上の担体材料と1つ以上の活性成分とを含む不均一系触媒であり、担体材料は、活性炭、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物およびこれらの混合物から選択され、活性成分は、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、金(Au)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、鉄(Fe)、セレン(Se)、テルル(Te)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)および鉛(Pb)から選択される少なくとも1つの元素を含み、ここで、これらの元素は、単体の形態で、合金として、または任意の所望の酸化数でその化合物の形態で(好ましくはその酸化物の形態で)存在することが可能である。
担体材料は、特に二酸化ケイ素および/または酸化アルミニウム、好ましくは酸化アルミニウムである。
活性成分は、特に好ましくは、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、金(Au)、ビスマス(Bi)および/またはテルル(Te)から選択される少なくとも1つの元素を含み、ここで、これらの元素は、単体の形態で、合金として、または任意の所望の酸化数でその化合物の形態で(好ましくはその酸化物の形態で)存在することが可能である。触媒K2の活性成分は、特に好ましくはパラジウムを含む。
少なくとも1つの触媒K2は、特に好ましくは、担体材料として二酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムを含み、かつ活性成分としてパラジウム、ビスマスおよびテルルから選択される少なくとも1つの元素を含む不均一系触媒であり、ここで、これらの元素は、単体の形態で、合金として、または任意の所望の酸化数でその化合物の形態で(好ましくはその酸化物の形態で)存在することが可能である。
好ましい一実施形態では、触媒K2の活性成分は、特に金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)およびルテニウム(Ru)から選択される少なくとも1つの貴金属と;特にセレン(Se)、テルル(Te)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)および鉛(Pb)から選択される少なくとも1つのさらなる元素(ドーパント)との組み合わせであり、ここで、これらの元素は、単体の形態で、合金として、または任意の所望の酸化数でその化合物の形態で(好ましくはその酸化物の形態で)存在することが可能である。
特に好ましい一実施形態では、触媒K2の活性成分は、パラジウム(Pd)と、セレン(Se)、テルル(Te)、アンチモン(Sb)およびビスマス(Bi)から選択される少なくとも1つのさらなる元素(ドーパント)との組み合わせであり、ここで、これらの元素は、単体の形態で、合金として、または任意の所望の酸化数でその化合物の形態で(好ましくはその酸化物の形態で)存在することが可能である。
少なくとも1つの触媒K2は、さらに好ましくは、担体材料としての二酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムと活性成分とを含む不均一系触媒であり、活性成分は、パラジウム、ならびにセレン(Se)、テルル(Te)およびビスマス(Bi)から選択される少なくとも1つのさらなる元素(ドーパント)であり、ここで、これらの元素は、単体の形態で、合金として、または任意の所望の酸化数でその化合物の形態で(好ましくはその酸化物の形態で)存在することが可能である。
触媒K2は、好ましくは、触媒材料全体を基準として少なくとも70重量%、好ましくは70重量%~99.9重量%の1つ以上の担体材料と、触媒材料全体を基準として30重量%以下、好ましくは0.1重量%~30重量%の1つ以上の活性成分とを含む。
好ましい一実施形態では、ステップcにおける不均一系の第2の触媒K2は、粉末の形態で使用される。この場合、ステップcにおける反応は、好ましくは、分散された粉末状の触媒K2の存在下に行われる。
ステップcにおける触媒K2の量は、反応混合物の全重量を基準として、典型的には0.1重量%~30重量%、好ましくは1.0重量%~20重量%、特に好ましくは2.0重量%~15重量%である。
代替的な一実施形態では、ステップcは、固定床反応器またはトリクルベッド反応器で実施され、触媒と反応混合物との比率は、当業者に公知のパラメータであるLHSV(Liquid-Hourly-Space-Velocity、液空間速度)により、例えばL液体/(kg触媒・hr)またはkg液体/(kg触媒・hr)単位で表される。LHSVは、典型的には0.05~15、好ましくは0.1~10、特に好ましくは1~5である。
ステップcにおける反応において、好ましくは、第1の反応生成物と第2の触媒K2とを含む反応混合物を酸素含有ガスと接触させる。これは、例えば気泡塔、ガスフラッシュ式撹拌槽反応器およびトリクルベッド反応器など、当業者に公知の反応器または反応器周辺装置で達成することができる。
ステップcにおける反応において、典型的には、反応混合物を酸素含有ガスと接触させることにより、酸素含有オフガスが得られる。酸素含有オフガスは、典型的には、酸素含有オフガス全体を基準として、1体積%~10体積%、好ましくは1体積%~5体積%の範囲内の酸素含有量を有する。
ステップcにおける反応において、典型的には、反応混合物を酸素含有ガスと接触させ、酸素含有ガスは、酸素含有ガス全体を基準として、1体積%~40体積%、好ましくは5体積%~22体積%の範囲内の酸素含有量を有する。好ましくは、ステップcにおける酸素含有ガスとして、空気を使用することができる。
ステップcにおける反応において、特に好ましくは酸素含有オフガスが得られ、酸素含有オフガスは、少なくとも1つの段階で冷却され、酸素含有オフガスは、酸素含有オフガス全体を基準として、1体積%~10体積%、好ましくは1体積%~5体積%の範囲内の酸素含有量を有する。特に、少なくとも1段階の冷却によってオフガス中の有機成分の凝縮および分離除去を達成することが可能であり、これらをその後、好ましくは本方法に返送することが可能である。
好ましい一実施形態では、ステップcにおける反応において、第1の反応生成物と第2の触媒K2とを含む反応混合物が使用され、該反応混合物は、反応混合物を基準として10重量%未満、好ましくは8重量%未満、特に好ましくは5重量%未満の多価アルコールの含有量を有する。
好ましい一実施形態では、ステップcにおける反応において、第1の反応生成物と第2の触媒K2とを含む反応混合物が使用され、該反応混合物は、反応混合物を基準として10重量%未満、好ましくは8重量%未満、特に好ましくは5重量%未満の(メタ)アクロレインの含有量を有する。
ステップcにおける第1の反応生成物と酸素との反応は、好ましくは0℃~120℃、特に好ましくは50℃~120℃、殊に好ましくは60℃~100℃の温度範囲内で行われる。ステップcにおける第1の反応生成物と酸素との反応は、好ましくは0.5~50bar(絶対圧)、特に好ましくは1~50bar(絶対圧)、殊に好ましくは2~30bar(絶対圧)の圧力範囲内で行われる。ステップcにおける反応は、特に上記の範囲内の温度および/または圧力で行われる。
好ましい一実施形態では、ステップcにおける少なくとも1つの環状アセタールを含む第1の反応生成物と酸素との反応は、溶媒の存在下に行うことができる。典型的には、直鎖状または環状のアルカン(例えば、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン)、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、ベンゼン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、クロロホルム、テトラクロロメタン、ヘキサクロロエタン、ヘキサクロロシクロヘキサン、クロロベンゼン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n-ブタノール、tert-ブタノール)、エーテル(例えば、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル)、ニトリル(例えば、アセトニトリル)またはこれらの混合物から選択される溶媒を使用することができる。好ましいエステルは、脂肪族および芳香族C~C20カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸および安息香酸のC~C20アルキルエステル、好ましくはC~C10アルキルエステルである。ステップcにおける反応は、典型的には、反応混合物全体を基準として1重量%~90重量%、好ましくは5重量%~50重量%の少なくとも1つの溶媒を含む反応混合物中で行われる。
ステップcにおける環状アセタールの酸化反応は、典型的には不完全に行われる。本発明による方法は、好ましくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルを含む第2の反応生成物から環状アセタールを少なくとも部分的に分離除去し、任意にステップcにおける反応に返送する後処理ステップdを含む。例えば、第2の反応生成物からの環状アセタールの分離除去は、1つ以上の蒸留ステップ(蒸留塔)で行うことが可能である。
本発明による方法は、任意に、少なくとも1つのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルを含む第2の反応生成物を後処理および/または精製するためのさらなるステップを含むことができる。さらなる後処理および/または精製ステップは、典型的には、蒸留ステップおよび/または抽出ステップおよび/または晶析ステップを含む。
好ましい一実施形態では、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルを含む粗生成物が、第2の反応生成物から少なくとも1つの蒸留ステップ(例えば、塔16)において得られる。この蒸留ステップにおいて、典型的には、未反応のアセタールおよび任意に溶媒を第2の反応生成物から分離除去し、任意にステップc)による酸化に返送することができる。
好ましい一実施形態では、ステップaにおける反応は、-50℃~100℃、好ましくは-10℃~30℃、特に好ましくは0℃~20℃の温度範囲内で行われ、ステップcにおける反応は、0℃~120℃、好ましくは50℃~120℃、特に好ましくは60℃~100℃の温度範囲内で行われ、ステップaにおける反応は、ステップcにおける反応の温度よりも少なくとも15℃低い温度で行われる。
好ましい一実施形態では、ステップaにおける反応は、0.5~10bar(絶対圧)、好ましくは1~5bar(絶対圧)の圧力範囲内で行われ、ステップcにおける反応は、1~50bar(絶対圧)、好ましくは2~30bar(絶対圧)の圧力範囲内で行われ、ステップcにおける反応は、ステップaにおける反応の圧力よりも少なくとも0.1bar(絶対圧)、好ましくは少なくとも0.5bar(絶対圧)高い圧力で行われる。
本発明による方法は、典型的には、例えば重合禁止剤、ラジカル捕捉剤および酸化防止剤から選択される1つ以上の安定剤、特に欧州特許第1125919号明細書に記載の安定剤の添加を含むことができる。安定剤は、例えば、フェノール、置換フェノール(例えば、4-メトキシフェノール)、ヒドロキノン、アルキル置換ヒドロキノン(例えば、メチルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキノン、2,6-ジ-tert-ブチル-パラヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン);飽和ヒドロキシアルキルカルボキシレート(例えば、酢酸ヒドロキシエチル、プロピオン酸ヒドロキシエチル、イソ酪酸ヒドロキシエチル、酢酸ヒドロキシプロピル)、およびN-オキシル化合物(例えば、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルなどのピペリジンオキシル化合物)から選択されていてよい。
上記のような安定剤の添加は、典型的には、ステップa、bおよび/またはcのうちの1つ以上において行うことができる。同様に、上記のような安定剤の添加は、ステップa、bおよび/またはcのうちの1つの前または後に行うことができる。典型的には、第1の反応生成物に1つ以上の安定剤を添加することができる。安定剤の添加は、例えばステップaにおける反応の後に、例えばステップbにおいて行うことができる。
本発明による方法の可能な概略的な流れ図を例示的に示す図である。
ここで、各符号は、以下の定義を有する:
1 3または7への(メタ)アクロレイン流
2 ジアルコール流
3 反応器、第1の段階、環状アセタールの生成
4 任意の返送流((メタ)アクロレイン)
5 デカンター
6 水分の分離除去
7 蒸留塔、(メタ)アクロレインおよび水の分離除去
8 第1の反応生成物(環状アセタール)の粗製流
9 任意の返送流(ジアルコール)
10 蒸留塔、ジアルコールおよび高沸点物質からのアセタールの分離除去
11 第2の反応段階へのアセタール流、ここでは任意に第2の反応段階への安定剤および溶媒の添加が可能
12 アセタール酸化のための空気の計量供給
13 反応器、第2の段階、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルの生成
14 任意の返送流(アセタールおよび/または溶媒)
15 オフガス導管
16 蒸留塔、アセタールおよび/または溶媒の分離除去
17 第1の反応段階からの高沸点物質の排出
18 第2の反応生成物(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステル)の粗製流
実験の部
実施例1a - 蒸留塔でのメタクロレインおよびエチレングリコール/メタクロレインをベースとする環状アセタール(2-イソプロペニル-1,3-ジオキソラン)の連続的な製造
5kgの量の活性触媒の入った総容積25Lのジャケット付きループ反応器を使用した。触媒(K1)として、Lanxess社製スルホン酸樹脂(K2431)を使用した。反応器を、ジャケット(ARAL Antifreeze冷媒で作動)により内部温度が2~3℃となるように制御した。反応器は、Sulzer DX充填物(HETP 60mm、充填高さ1m当たり約16.6の理論段数)を充填した蒸留塔(DN 150mm、高さ6m)に接続されていた。
エチレングリコール(EG)(15kg/h、242モル/h)にTEMPOL(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル)100ppmを混合し、反応器(3)に直接計量供給し、一方でメタクロレイン(MAL)を反応器流出物とともに蒸留塔(7)に供給した。これにより、メタクロレイン(MAL)と反応生成物との双方を脱水することができ、これは反応制御上有利であった。ここで、塔頂にはメタクロレインと水とのヘテロ共沸混合物が集まり、これは冷却すると2相に分離する。メタクロレインを、デカンター(5)を経由して反応器(3)に返送した。反応器へのメタクロレイン供給量が1時間当たり17.25kg(246モル)となるように、新鮮なメタクロレインの量を調整した。したがって、エチレングリコールに対するメタクロレインのモル比は1.02であり、LHSV(liquid hourly space velocity、液空間速度)は6.4((kg MAL+kg EG)/(kg触媒・hr))であった。
ループ反応器の内容物をポンプで循環させ、内部循環により反応物の良好な混合を保証した。循環流量が少ない場合、2相の形成が認められた。混合を改善するために、スタティックミキサーを触媒床の前に設置した。反応器内の滞留時間は45分弱であり、反応器出口での反応混合物の組成は、メタクロレイン40重量%、エチレングリコール34重量%、アセタール21重量%、水3重量%および副成分2重量%であった。副成分は、特にアセタールにグリコールまたは水が付加した高沸点生成物である。
反応器を3時間かけて始動させ、その後、これらのパラメータで12時間にわたって連続かつ安定的に運転した。メタクロレイン転化率は26%であり、アセタール選択率は92%であった。
実施例1b - 実施例1aの生成物混合物からのメタクロレインおよび水の連続的な分離除去
実施例1aで得られた反応流出物(32.25kg/h)を新鮮なメタクロレインと混合し、Sulzer DX充填物(HETP 60mm、充填高さ1m当たり約16.6の理論段数)が充填された蒸留塔(7)(DN 150mm、高さ6m)に供給した。塔を、圧力90mbar、缶出液温度90℃、留出液温度5℃、還流比1で運転した。塔頂にはデカンター(5)が接続されており、これにより、得られたメタクロレインと水とのヘテロ共沸混合物(MAL98.8重量%および水1.2重量%)を分離した。
デカンターの水相は、水93.9重量%およびメタクロレイン6.1重量%からなっていた。この水相を随時ストリッピングして、メタクロレインを含まない水性缶出液を得た。この缶出液に、生物学的処理または焼却処理を施すことができる。デカンター(5)の有機相を、反応(反応器3)に再循環させた。
蒸留塔(7)の缶出液(18.4kg/h)は、環状アセタール(37重量%)、エチレングリコール(60重量%)および1aで述べた高沸点副生成物(3重量%)からなっていた。
新鮮なメタクロレインを蒸留塔(7)に供給するという運転様式により、塔7の缶出液からメタクロレインと水との共沸混合物をほぼ完全に確実に除去した。これにより、(7からの)底部流出物中のメタクロレインを1000ppm以下のレベルまで低減させた。
実施例1c - 反応器におけるメタクロレインおよびエチレングリコール/メタクロレインをベースとする環状アセタール(2-イソプロペニル-1,3-ジオキソラン)の連続的な製造
5kgの量の活性触媒の入った総容積25Lのジャケット付きループ反応器を使用した。触媒(K1)として、Lanxess社製スルホン酸樹脂(K2431)を使用した。反応器を、ジャケット(ARAL Antifreeze冷媒で作動)により内部温度が2~3℃となるように制御した。
エチレングリコール(15kg/h、242モル/h)およびメタクロレイン(17.25kg/h、246モル/h)を、100ppmのTEMPOLとともに反応器(3)に計量供給した。したがって、エチレングリコールに対するメタクロレインのモル比は1.02であり、LHSVは6.4((kg MAL+kg EG)/(kg触媒・hr))であった。ループ反応器の内容物をポンプで循環させ、内部循環により反応物の良好な混合を保証した。循環流量が少ない場合、2相の形成が認められた。混合を改善するために、スタティックミキサーを触媒床の前に設置した。
反応器(3)での滞留時間は45分弱であり、出口での反応混合物の組成は、メタクロレイン40重量%、エチレングリコール34重量%、アセタール21重量%、水3重量%および副成分2重量%であった。副成分は、特にアセタールにグリコールまたは水が付加した高沸点生成物である。
反応器を3時間かけて始動させ、その後、これらのパラメータで12時間にわたって連続かつ安定的に運転した。メタクロレイン転化率は26%であり、アセタール選択率は92%であった。
実施例1d - 実施例1cの生成物混合物からのメタクロレインおよび水の連続的な除去
実施例1cで得られた反応流出物(32.25kg/h)を、Sulzer DX充填物(HETP 60mm、充填高さ1m当たり約16.6の理論段数)が充填された蒸留塔(7)(DN 150mm、高さ6m)に供給した。塔を、圧力85mbar、缶出液温度88℃、留出液温度5℃、還流比2.5で運転した。塔頂にはデカンター(5)が接続されており、これにより、得られたメタクロレインと水とのヘテロ共沸混合物(MAL98.8重量%および水1.2重量%)を分離した。
デカンターの水相は、水93.5重量%、メタクロレイン6.1重量%およびアセタール0.4重量%からなっていた。この水相を随時ストリッピングして、メタクロレインを含まない水性缶出液を得た。この缶出液に、生物学的処理または焼却処理を施すことができる。デカンターの有機相を反応(3)に再循環させ、これには2.3重量%のアセタールが含まれていた。
蒸留塔(7)の缶出液(18.4kg/h)は、環状アセタール(36重量%)、エチレングリコール(61重量%)および1aで述べた高沸点副生成物(3重量%)からなっていた。缶出液中のメタクロレインおよび水は1000ppm以下に減少したものの、デカンター(5)ではアセタールの一部が損失した。
実施例1e - メタクロレインおよびエチレングリコールをベースとする環状アセタール(2-イソプロペニル-1,3-ジオキソラン)のバッチ式製造/不活性共沸共留剤を使用
ディーン・スターク装置を備えたガラス器具に、メタクロレイン315g(4.5モル)、エチレングリコール279g(4.5モル)、ヘキサン500gおよびリン酸5.2g(1モル%)を装入した。この反応混合物を、TEMPOL 0.4gおよび4-メトキシフェノール0.4gでそれぞれ安定化させた。この混合物を6時間にわたって80℃に加熱して、反応時に放出された水を共留剤としてのヘキサンにより除去した。さらに、ディーン・スターク装置の分離部において、水に富む留分が集まり、ヘキサンとメタクロレインとからなる凝縮有機留分を反応部に連続的に返送した。6時間後に反応を停止させた。
メタクロレイン転化率は約70%であり、選択率は約48%であった。反応開始後間もなく、反応容器内でメタクロレイン/ヘキサンとエチレングリコールとの相境界部に暗色の混濁が生じ、これは反応の進行に伴って増加した。ここで、この混濁は特に、メタクロレインおよびグリコールから生成する高沸点ポリマー、あるいはメタクロレインまたはそのアセタールの4位にグリコールが付加した生成物に起因するものであった。触媒量の増加や反応のスケールアップにより、これらの高沸点物質の生成は大幅に加速した。
基本的に、この方法様式で得られたアセタール収率は、特に空時収率に関して満足できるものではなかった。しかし、共留剤による、およびメタクロレインと水との共沸混合物の分離除去による水の分離除去の原理は、機能的である。
実施例2 - 2-イソプロペニル-1,3-ジオキソランの酸化によりヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を生成するための触媒(K2)の合成
実施例2a
ガラス器具において、硝酸ビスマス五水和物0.90gおよびテルル酸0.36gを撹拌しながら懸濁させた。HNO(60%)を、すべてが溶解して不安定な亜酸化物の形成が阻止されるまで滴下して加えた。これにアルミナ担持パラジウム20.0g(Pd 5重量%)を加え、この懸濁液を60℃に加熱した。この温度に達した後に、1時間撹拌した。これにヒドラジン一水和物溶液10.0gを滴下して加えた。この懸濁液を90℃に加熱し、さらに1時間撹拌した。室温まで冷却した後、黒色の固形物を濾別し、各100mLの蒸留水4回分で洗浄した。最後の洗浄溶液の導電率は100μS/cm以下であり、これは、ドーパントが準定量的に取り込まれたことを示していた。
この固形物を105℃で10時間乾燥させ、最終的な触媒を得た。化学量論は、Pd1.00Bi0.20Te0.17@Alであった。
実施例2b
合成を、実施例2aと同様に、ただしテルル酸を加えずに行った。
実施例2c
合成を、実施例2aと同様に、ただし硝酸ビスマス五水和物を加えずに行った。
実施例2d
合成を、実施例2aと同様に、ただし2倍量のテルル酸を加えて行った。
実施例2e
合成を、実施例2aと同様に、ただし2倍の量の硝酸ビスマス五水和物を加えて行った。
実施例2f
合成を、実施例2aと同様に、ただし2倍の量の硝酸ビスマス五水和物およびテルル酸を加えて行った。
実施例3 - 2-イソプロペニル-1,3-ジオキソランの酸化によるヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)の生成
実施例3a
撹拌機構を備えた130mLスチール製オートクレーブに、実施例2aで得られた触媒(K2)400mgと、200ppmのTEMPOLで安定化させた2-イソプロペニル-1,3-ジオキサンの25重量%トルエン溶液をはかり入れた。このオートクレーブを閉じ、窒素中7%の酸素で37barに加圧し(アセタール1当量当たり0.6当量の酸素)、70℃で予備調温済みの油浴中に置いた。反応物を4時間撹拌した後、ドライアイスで冷却して反応を停止させた。このオートクレーブを注意深く放圧し、反応混合物をガスクロマトグラフィー(GC)で分析した。
転化率は54%であり、2-ヒドロキシエチルメタクリレート選択率は84%であった。これは、3.8モル HEMA/(kg触媒・hr)の空時収率に相当する。エチレンジメタクリレートは、ガスクロマトグラフィー(GC)により検出できなかった。
実施例3b
酸化を、実施例3aと同様に、ただし溶媒として酢酸エチルを用いて行った。2時間の反応時間後に、転化率は91%、選択率は88%であり、空時収率は19.6モル HEMA/(kg触媒・hr)であった。エチレンジメタクリレートは、ガスクロマトグラフィーにより検出できなかった。
実施例3c
酸化を、実施例3aと同様に、ただし実施例2bで得られた触媒を使用して行った。転化率は12%であり、選択率は79%であった。
実施例3d
酸化を、実施例3aと同様に、ただし実施例2cで得られた触媒を用いて行った。転化率は73%、選択率は78%であり、空時収率は7.1モル HEMA/(kg触媒・hr)であった。
実施例3e
酸化を、実施例3aと同様に、ただし実施例2dで得られた触媒を用いて行った。転化率は20%、選択率は84%であり、空時収率は2.1モル HEMA/(kg触媒・hr)であった。
実施例3f
酸化を、実施例3aと同様に、ただし実施例2eで得られた触媒を用いて行った。転化率は83%、選択率は59%であり、空時収率は6.1モル HEMA/(kg触媒・hr)であった。
実施例3g
酸化を、実施例3aと同様に、ただし実施例2fで得られた触媒を用いて行った。転化率は59%、選択率は71%であり、空時収率は5.3モル HEMA/(kg触媒・hr)であった。
実施例3h
酸化を、実施例3aと同様に、ただし溶媒としてエチレングリコールを用いて行った。2時間の反応時間後に、転化率は99%、選択率は55%であり、空時収率は7.06モル HEMA/(kg触媒・hr)であった。
主な副反応として、2-ヒドロキシエチルメタクリレートの水素化が認められた。この反応の選択率は、30%であった。この例は、反応制御のために、そして高い選択率および収率を達成するためには、アルコール(第1の段階の出発材料)の濃度を制御して減少させることが有利であることを実証している。なぜならば、さもなくば副反応による望ましくない水素化副生成物の生成が増大し得るためである。
実施例3i
酸化を実施例3aと同様に行ったが、ただし、反応を大気圧で行い、かつガス量を酸素の過剰が続くように選択した。4時間の反応時間後には、ほとんど転化が見られなかった。反応時間を48時間まで延長したところ、約50%の転化率が認められ、選択率は83%であった。
このことから、低圧での反応は可能であるが、経済的に引き合わないことがわかる。
実施例3j
酸化を実施例3aと同様に行ったが、ただし反応を50℃で行った。4時間の反応時間後に、転化率は29%、選択率は83%であった。温度を下げると、反応速度がほぼ線形的に低下することが認められた。
このことから、低温での反応は可能であるが、経済的に引き合わないことがわかる。

Claims (16)

  1. ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルの製造方法であって、
    a. (メタ)アクロレインを、第1の触媒K1の存在下に少なくとも1つの多価アルコールと反応させて、少なくとも1つの環状アセタールを含む第1の反応生成物を得るステップと、
    b. 前記第1の反応生成物から水を少なくとも部分的に除去するステップと、
    c. 前記第1の反応生成物を第2の触媒K2の存在下に酸素と反応させて、少なくとも1つのヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルを含む第2の反応生成物を得るステップと
    を含む、方法。
  2. 前記方法は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルエステルの連続式の製造方法である、請求項1記載の方法。
  3. 前記ステップaにおける反応を、ブレンステッド酸およびルイス酸から選択される、触媒K1としての少なくとも1つの酸性化合物の存在下に行い、前記触媒K1は、不均一系または均一系の形態で存在しており、かつ5以下のpKa値を有する少なくとも1つの酸性基を含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの触媒K1は、リン酸、硫酸、スルホン酸、カルボン酸、ならびにスルホン酸およびカルボン酸から選択される少なくとも1つの酸性基を含むイオン交換樹脂からなる群から選択される、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記ステップaにおける反応を、(メタ)アクロレインと多価アルコールとのモル比を1:50~50:1、好ましくは1:10~10:1、特に好ましくは1:3~3:1の範囲内として行う、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. ステップbにおいて、前記第1の反応生成物から、未反応の(メタ)アクロレインおよび/または未反応の多価アルコールを分離除去して前記ステップaによる反応に返送する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. ステップbにおいて、第1の分離ステップで、前記第1の反応生成物から(メタ)アクロレインおよび水の少なくとも一部を分離除去する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. ステップbにおいて、少なくとも2つの分離ステップで、少なくとも1つの環状アセタールを含む前記第1の反応生成物から、水、未反応の(メタ)アクロレインおよび未反応の多価アルコールを分離除去する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記ステップcにおける反応を、触媒K2としての金属含有および/またはメタロイド含有不均一系触媒系の存在下に行う、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つの触媒K2は、1つ以上の担体材料と1つ以上の活性成分とを含む不均一系触媒であり、前記担体材料は、活性炭、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物およびこれらの混合物から選択され、前記活性成分は、パラジウム、白金、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、金、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、鉄、セレン、テルル、ヒ素、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズおよび鉛から選択される少なくとも1つの元素を含み、前記元素は、単体の形態で、合金として、または任意の酸化数でその化合物の形態で存在することが可能である、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つの触媒K2は、担体材料として二酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムを含み、かつ活性成分としてパラジウム、ビスマスおよびテルルから選択される少なくとも1つの元素を含む不均一系触媒であり、前記元素は、単体の形態で、合金として、または任意の酸化数でその化合物の形態で存在することが可能である、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記少なくとも1つの触媒K2は、担体材料としての二酸化ケイ素および/または酸化アルミニウムと活性成分とを含む不均一系触媒であり、前記活性成分は、パラジウム、ならびにセレン、テルルおよびビスマスから選択される少なくとも1つのさらなる元素であり、前記元素は、単体の形態で、合金として、または任意の酸化数でその酸化物の形態で存在することが可能である、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 前記ステップcにおける反応において、前記第1の反応生成物と前記第2の触媒K2とを含む反応混合物を酸素含有ガスと接触させ、ステップcにおいて酸素含有オフガスが得られ、前記酸素含有オフガスを少なくとも1つの段階で冷却し、前記酸素含有オフガスは、前記酸素含有オフガス全体を基準として1体積%~10体積%の範囲内の酸素含有量を有する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 前記ステップcにおける反応において、前記第1の反応生成物と前記第2の触媒K2とを含む反応混合物を使用し、前記反応混合物は、ステップcの前記反応混合物を基準として10重量%未満の多価アルコールの含有量を有する、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 前記ステップaにおける反応を、-50℃~100℃の温度範囲内で行い、前記ステップcにおける反応を、0℃~120℃の温度範囲内で行い、前記ステップaにおける反応を、前記ステップcにおける反応の温度よりも少なくとも15℃低い温度で行う、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 前記ステップaにおける反応を、0.5~10barの圧力範囲内で行い、前記ステップcにおける反応を、1~50barの圧力範囲内で行い、前記ステップcにおける反応を、前記ステップaにおける反応の圧力よりも少なくとも0.1bar高い圧力で行う、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
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