JP2023522307A - Gpr52アゴニスト活性を有する置換3-フェノキシアゼチジン-1-イル-ピラジン - Google Patents

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Abstract

本発明は、中枢神経系疾患およびその他の疾患の治療に有用な、GPR52のアゴニストである一般式(I)の置換3-フェノキシアゼチジン-1-イル-ピラジンに関する。また、本発明は、医薬として使用するための一般式(I)の3-フェノキシアゼチジン-1-イル-ピラジン、一般式(I)の3-フェノキシアゼチジン-1-イル-ピラジンを含む医薬組成物および医薬組成物の調製方法、ならびに本発明による化合物の製造方法に関する。

Description

本発明は、中枢神経系疾患およびその他の疾患の治療に有用な、GPR52のアゴニストである一般式(I)の置換3-フェノキシアゼチジン-1-イル-ピラジンに関する。また、本発明は、医薬として使用するための一般式(I)の3-フェノキシアゼチジン-1-イル-ピラジン、一般式(I)の3-フェノキシアゼチジン-1-イル-ピラジンを含む医薬組成物および医薬組成物の調製方法、ならびに本発明による化合物の製造方法に関する。
ヒトGPR52は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)である。ヒトの中枢神経系(CNS)内での最も高い発現レベルは、線条体で見られる(WO2016/176571)。それより低いが、顕著な発現レベルは、皮質など、CNSのその他の多くの構造で見られる。GPR52は、ヒトおよび齧歯類の線条体においてほぼ排他的にD2受容体と共局在し、ヒトおよび齧歯類の皮質においてほぼ排他的にD1受容体と共局在する(WO2016/176571)。
D1受容体は、一般的にGs共役型であるため、セカンドメッセンジャーであるcAMPの産生およびPKAの活性を刺激する。それとは対照的に、D2受容体は、一般的にGi共役型であるため、cAMPの産生を負に制御し、PKAの活性を低下させることになる。
GPR52は皮質においてD1受容体と共局在し、GPR52およびD1受容体は両方ともGs共役型であるため、GPR52アゴニストは、機能的にD1アゴニストに類似しており、したがって、皮質機能および前頭葉機能低下に影響を及ぼすはずである。いくつかの化合物は、皮質においてD1アゴニストとして機能することが知られており、皮質機能を向上させ、前頭葉機能低下を回復させる。
既存の抗精神病薬の有効性は、線条体の中型有棘ニューロン(MSN)に対するD2アンタゴニスト活性によって媒介されると報告されている。しかしながら、D2アンタゴニストは、運動症状や高プロラクチン血症などの副作用を生じる。GPR52は線条体においてほぼ排他的にD2受容体と共局在し、GPR52はGs共役型であり、D2はGi共役型であるため、GPR52アゴニストは、機能的にD2アンタゴニストに類似しており、したがって、抗精神病の有効性を示すはずである。また、D2アンタゴニストに伴う副作用の多くは、D2受容体によって媒介されるため、GPR52アゴニストは、既存のD2アンタゴニストに伴う副作用を回避しうる。
発現パターン、共局在、細胞内シグナル伝達、および機能的特性に基づいて、GPR52は、以下に述べる障害など、いくつかの神経学的障害および精神医学的障害の治療に関連する脳機能の重要な調節因子であることが示唆される。
(1)前頭葉機能低下
前頭前皮質における血流の低下(前頭葉機能低下)は、統合失調症に伴う認知症状および陰性症状、注意欠陥多動性障害(ADHD)、双極性障害、大うつ病性障害、ならびに物質乱用に伴う前頭葉機能低下など、いくつかの神経学的状態の症状である。前頭前皮質におけるドーパミン作動性伝達は、主にD1受容体によって媒介されており、D1機能障害は、統合失調症における認知障害および陰性症状と関連している(Goldman-Rakic PS, Castner SA, Svensson TH, Siever LJ, Williams GV (2004) Targeting the dopamine D1 receptor in schizophrenia: insights for cognitive dysfunction. Psychopharmacology 174, 3-16)。したがって、GPR52アゴニストを用いて前頭前皮質の機能を向上させることは、前頭葉機能低下に伴う症状の治療に有用である。
(2)運動障害
線条体は、運動の制御に関与している。線条体の病態は、過剰な異常不随意運動を特徴とする運動過多障害(運動過多症として知られている)など、運動障害の多くと関連している。運動過多障害としては、例えば、振戦、ジストニア、舞踏病、バリズム、アテトーシス、チック・トゥレット症候群、ハンチントン病、ミオクローヌスおよび驚愕症候群、常同症、ならびにアカシジアなどが挙げられる。
線条体では、GPR52は、線条体の間接路ニューロン上でほぼ排他的に発現される。運動過多症は、この経路の阻害性D2発現ニューロンの機能障害と関連している。この機能障害により、運動を抑制することができなくなり、結果として、チック、舞踏病、発声、振戦およびその他の運動過多症状がもたらされる。例えば、ハンチントン病の初期の運動過多症状は、D2を含む間接路への選択的損傷の結果である(Albin RL, Reiner A, Anderson KD, Penney JB, Young AB. (1990) Striatal and nigral neuron subpopulations in rigid Huntington's disease: implications for the functional anatomy of chorea and rigidity-akinesia. Ann Neurol. 27, 357-365)。さらに、線条体におけるD2受容体結合は、トゥレット症候群の重症度と関連している(Wolf SS, Jones DW, Enable MB, Gorey JG, Lee KS, Hyde TM, Coppola R, Weinberger DR (1996) Tourette syndrome: prediction of phenotypic variation in monozygotic twins by caudate nucleus D2 receptor binding. Science 273, 1225- 1227)。
アゴニストでGPR52を刺激することにより、線条体の間接路が活性化され、運動に対してより抑制的に制御し、運動過多症状を回復させる。したがって、本明細書に開示されるGPR52アゴニストは、そのような症状の治療に有用である。
(3)精神病性障害
統合失調症の精神病性症状は、線条体における過剰なシナプス前ドーパミン活性に起因する(Howes OD, Kapur S (2009) The dopamine hypothesis of schizophrenia: version III-the final common pathway. Schizophr Bull. 35, 549-562)。精神病性症状を治療するための既存の抗精神病薬の臨床有効性は、D2受容体の遮断に依存する。精神病の治療に有効な公知の抗精神病薬はすべて、ドーパミンD2受容体のアンタゴニストまたは部分アゴニストのいずれかである(Remington G, Kapur S (2010) Antipsychotic dosing: how much but also how often? Schizophr Bull. 36, 900-903)。これらの抗精神病薬は、統合失調症の陽性(または精神病性)症状を治療することができる一方で、例えば陰性症状または認知障害など、統合失調症のその他の態様を治療しない。GPR52およびドーパミンD2受容体の共発現に基づけば、GPR52アゴニストは、統合失調症に伴う精神病性症状を治療するはずである。また、GPR52アゴニストの作用機序は、公知のD2受容体に関連する抗精神病薬に特有であるため、GPR52アゴニストは、公知の神経遮断薬の抗精神病有効性を増強すると見込まれる。これにより、抗精神病有効性が向上するだけでなく、抗精神病薬の投与量を減らし、それにより抗精神病薬に伴う副作用を低減するのに使用しうる。血清プロラクチンのレベルが上昇するのは、公知のD2Rアンタゴニスト抗精神病薬の顕著な副作用プロファイルの1つである一方で、GPR52アゴニストは、血清プロラクチンのレベルを下げることが実証されており、したがって、GPR52アゴニストとD2Rアンタゴニスト抗精神病薬との併用は、血清プロラクチンのレベルを正常化し、それにより、D2Rアンタゴニスト抗精神病薬に伴う副作用を低減する可能性がある。また、GPR52アゴニストは、統合失調感情障害、統合失調症型障害、統合失調症様障害、治療抵抗性統合失調症、医薬品誘発性精神障害、双極性障害、自閉症スペクトラム障害、および減弱精神病症候群など、様々な精神医学的徴候に伴う精神病性症状を治療するはずである。さらに、GPR52アゴニストは、パーキンソン病、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症、血管性認知障害、およびレビー小体型認知症など、様々な神経変性の徴候に伴う精神病性症状および神経精神医学的症状を治療するはずである。これらの抗精神病薬は、体重増加、メタボリックシンドローム、糖尿病、高脂血症、高血糖、インスリン抵抗性、錐体外路症状、高プロラクチン血症、および遅発性ジスキネジアなどの重大な副作用プロファイルも伴う。GPR52アゴニストは、機能的にD2アンタゴニストに類似しているはずであるため、本明細書に開示されるGPR52アゴニストは、精神病性障害の治療に有用である。
(4)その他のD1関連障害
いくつかの神経治療薬および精神治療薬は、D1アゴニストとして機能することが公知であり、そのような薬としては、A-86929、ジナプソリン、ドキサントリン、SKF-81297、SKF-82958、SKF-38393、フェノルドパム、6-Br-APB、およびステホロイジンなどが挙げられる。GPR52アゴニストは、機能的にD1アゴニストに類似している(かつ、共局在している)はずであるため、本明細書に開示されるGPR52アゴニストは、D1アゴニストにより治療可能な障害の治療に有用であり、そのような障害としては、嗜癖(例えば、コカイン嗜癖)、高血圧、下肢静止不能症候群、パーキンソン病、およびうつ病などが挙げられるが、これらに限定されない。また、GPR52アゴニストは、その発現パターンおよび機能的共役に基づいて、統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様障害および統合失調症型障害、治療抵抗性統合失調症、減弱精神病症候群および自閉症スペクトラム障害、双極性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭型認知症(ピック病)、レビー小体型認知症、血管性認知症、脳卒中後の認知症、ならびにクロイツフェルト・ヤコブ病などに伴う認知欠損の治療に有用である。
(5)その他のD2関連障害
いくつかの神経治療薬および精神治療薬は、D2アンタゴニストとして機能することが公知であり、そのような薬としては、非定型抗精神病薬(例えば、アリピプラゾール、クロザピン、オランザピン、およびジプラシドン)、ドンペリドン、エチクロプリド、ファルプリド、デスメトキシファルプリド、L-741、626、ラクロプリド、ヒドロキシジン、イトプリド、SV 293、定型抗精神病薬、ヨヒンビン、アミスルプリド、およびUH-232などが挙げられる。GPR52アゴニストは、機能的にD2アンタゴニストに類似しているはずであるため、本明細書に開示されるGPR52アゴニストは、D2アンタゴニストによって治療可能な障害の治療に有用であり、そのような障害としては、精神病性障害、離隔、不安、精神神経症に伴う不安/緊張、急性躁病、激越、双極性障害における躁病、気分変調症、悪心、嘔吐、胃腸疾患、消化不良、および嗜癖(例えば、コカイン嗜癖、アンフェタミン嗜癖など)などが挙げられるが、これらに限定されない。
したがって、GPR52アゴニストは、中枢神経系の疾患を改善する有望な候補であると考えられる。
GPR52を調節する化合物は、WO2009/157196;WO2009/107391、WO2011/078360、WO2011/093352、WO2011/145735、WO2012/020738、およびWO2016/176571に既に開示されている。
本発明の目的
この度、一般式(I)による本発明の化合物がGPR52の有効なアゴニストであることが分かった。
また、本発明の化合物は、GPR52に対するアゴニスト特性およびhERGチャネルの低~中程度の阻害などのその他の特性に加えて、アルデヒド酸化酵素を介した代謝において代謝され、そのことが代謝全体の多様化に寄与し、続いて、シトクロムP450酵素を介した薬物動態学的薬物-薬物相互作用のリスクを低減する結果をもたらすため、医薬として特に有用でもある。
用語「薬物-薬物相互作用」は、ある薬物が別の薬物に影響を及ぼすことを指し、典型的には、薬物が代謝酵素または輸送体の機能または発現に影響を及ぼす場合に起こる。最も重大な薬物動態学的相互作用は、第2の薬物が第1の薬物のクリアランスを変化させるものである。例えば、ある薬物の代謝を同時投与した薬物が阻害する場合であり、第1の薬物の血漿中濃度が上昇し、その結果、治療反応が臨床的に関連して増加するか、または、毒性が増加することになりうる。
薬物の代謝は、主に肝臓と腸で行われる。これらの臓器は、多種多様な薬物代謝酵素を発現しており、多くの薬物の生体内変換を担っている。第I相の酸化的代謝は、主に、肝小胞体に存在するシトクロムP450(CYP)ファミリーの酵素によって起こるが、アルデヒド酸化酵素などのCYP以外の酵素によっても媒介されうる。これらの官能基化反応に続いて、生体異物の排泄性を高めるために、抱合反応(第II相)が起こることが多い。
シトクロムP450(CYP)酵素は、ほとんどの薬物およびその他の親油性生体異物の酸化的生体内変換(第1相代謝)を触媒することができる主要な酵素ファミリーと考えられており(Zanger UM, Schwab M. (2013) Cytochrome P450 enzymes in drug metabolism: regulation of gene expression, enzyme activities, and impact of genetic variation. Pharmacol Ther. Apr; 138(1): 103-41)、その一方で、市販の医薬品では、アルデヒド酸化酵素を介した代謝は、現在までのところ、依然として稀である(Scerny, MA. (2016) Prevalence of Non-Cytochrome P450-Mediated Metabolism in Food and Drug Administration-Approved Oral and Intravenous Drugs: 2006-2015. Drug Metab. Dispos. 44(8), 1246-1252)。
したがって、例えばアルデヒド酸化酵素を介した代謝など、CYP以外の代謝経路まで薬物の代謝を拡大することは、CYPと相互作用する、はるかに一般的な薬物との有害な薬物-薬物相互作用のリスクを低減するために有利である。
精神科の臨床では、精神疾患や身体疾患を併発した患者を治療したり、特定の薬物の副作用を抑制したり、または薬物効果を増加させるために、併用薬物療法が一般的に用いられる。しかしながら、前記のような多剤併用の手法では、CYPを介した薬物-薬物相互作用のリスクが高くなる。したがって、特に複数の薬物を同時に服用する可能性が高い高齢の患者には、薬物相互作用の可能性が低い薬物の使用が望ましい(Spina E, de Leon, J. (2007) Metabolic Drug Interactions with Newer Antipsychotics: A Comparative Review. Basic Clin. Pharmacol. Toxicol. 100, 4-22)。
したがって、CYP以外に依存する追加の酸化的代謝経路が関与する、すなわちアルデヒド酸化酵素を介して、代謝がより多様化し、続いて、薬物-薬物相互作用のリスクを低減する結果をもたらすのが非常に望ましい。
GPR52に対するアゴニスト特性に加えて、本発明の化合物は、その全体の酸化的代謝の重要な部分として、アルデヒド酸化酵素を介した酸化的生体内変換によって代謝される。その結果として、本発明の化合物は、ヒトの治療に対してより実行可能である。
hERGチャネルの阻害とそれに続く心臓再分極遅延は、特異的な多形性の心室性頻脈性不整脈であるトルサード・ド・ポアントのリスク増加と関連しており、このことは、Sanguinetti et al. (1995, Cell, 81 (2): 299-307)およびその後の証拠によって立証された通りである。このリスクを最小化するために、hERGチャネルの異種発現を用いたin vitro系でのhERGチャネル阻害に対するスクリーニングが一般的な方法であり、ICHガイドラインS 7 B(International Conference on Harmonization (2005): ICH Topic S 7 B; The nonclinical Evaluation of the Potential for delayed Ventricular Repolarization (QT Interval Prolongation) by Human Pharmaceuticals)で推奨されるような後期の前臨床プロファイリングの重要な部分である。したがって、本発明の化合物が示すような低いhERGチャネル阻害または相互作用は、非常に望ましい。その結果として、本発明の化合物は、ヒトの治療に対してより実行可能である。
したがって、本発明の一態様は、GPR52のアゴニストとしての式(I)による化合物またはその塩を指す。
したがって、本発明の一態様は、GPR52のアゴニストとしての式(I)による化合物またはその薬学的に許容される塩を指す。
本発明の別の態様は、CYP以外の酵素に依存する代謝経路を含む代謝をより多様化し、続いて、CYPを介した薬物-薬物相互作用のリスクを低減するGPR52のアゴニストとしての式(I)による化合物またはその薬学的に許容される塩を指す。
本発明の別の態様は、CYP以外の酵素に依存する代謝経路を含む代謝をより多様化し、続いて、CYPを介した薬物-薬物相互作用のリスクを低減し、hERGチャネルを低~中程度に阻害するGPR52のアゴニストとしての式(I)による化合物、またはその薬学的に許容される塩を指す。
さらなる態様では、本発明は、式(I)による少なくとも1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を含み、1種または複数種の不活性担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい、医薬組成物に関する。
本発明のさらなる態様は、GPR52活性が不十分であることに関連する障害の予防および/または治療に使用するための式(I)による化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式(I)による化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関する。
本発明の別の態様は、本発明の化合物の製造方法に関する。
本発明のさらなる態様は、GPR52の活性化によって影響を受けうる疾患または状態の予防および/または治療に使用するための式(I)による化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式(I)による化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関し、そのような疾患または状態としては、例えば、統合失調症;統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様障害および統合失調症型障害、治療抵抗性統合失調症、減弱精神病症候群ならびに自閉症スペクトラム障害に伴う陽性症状;統合失調症に伴う陽性症状の増強治療;統合失調症に伴う陽性症状の治療を改善するため、または抗精神病薬の投与量を減らし、それにより抗精神病薬の副作用を低減するための抗精神病薬の増強;統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様障害および統合失調症型障害、治療抵抗性統合失調症、減弱精神病症候群ならびに自閉症スペクトラム障害に伴う陰性症状;統合失調症(CIAS)、統合失調感情障害、統合失調症様障害および統合失調症型障害、治療抵抗性統合失調症、減弱精神病症候群ならびに自閉症スペクトラム障害に伴う認知障害;治療抵抗性統合失調症;統合失調感情障害;統合失調症様障害;統合失調症型障害;医薬品誘発性精神障害;双極性障害;アルツハイマー病、パーキンソン病、血管性認知症および前頭側頭型認知症に伴う減弱精神病症候群および神経精神医学的症状;自閉症スペクトラム障害(ASD);D2受容体アゴニストによって誘発される衝動制御障害;D2受容体アゴニストによって誘発されるギャンブル障害、トゥレット症候群;アルツハイマー病、パーキンソン病、血管性認知症および前頭側頭型認知症に伴う認知欠損;うつ病;注意欠陥多動性障害;大うつ病性障害;薬物嗜癖;不安;双極性障害における躁病;急性躁病;激越;離隔;ならびに前頭葉機能低下(例えば、薬物乱用に伴う前頭葉機能低下)に伴う症状および/または運動過多症状の治療などが挙げられる。
本発明のその他の目的は、上記および下記の記載から直接的に当業者にとって明らかになる。
第1の態様では、本発明は、一般式(I)の化合物またはその塩
Figure 2023522307000001
(式中、
Aは、
Figure 2023522307000002
からなる群Aaから選択され;
1は、H-およびF-からなる群R1aから選択され;
2は、H-およびF-からなる群R2aから選択され;
3は、ハロゲン、F2HCO-、F3CO-、F2HC-およびF3C-からなる群R3aから選択され;
4は、H-およびC1-3-アルキル-からなる群R4aから選択され、
ここで、上記C1-3-アルキル-基は、フッ素からなる群から独立して選択される1~5つの置換基で置換されていてもよい)
に関する。
別段に明記しない限り、基、残基および置換基、特にA、R1、R2、R3およびR4は、上記および下記の通り定義される。残基、置換基または基が、化合物中に複数回出現する場合、それらは同一のまたは異なる意味を有してもよい。本発明による化合物の基および置換基の好ましい意味のいくつかを、以下に述べる。
本発明のさらなる実施形態では、Aは、
Figure 2023522307000003
からなる群Abから選択される。
本発明のさらなる実施形態では、R3は、F-、Cl-およびF2HC-からなる群R3bから選択される。
本発明のさらなる実施形態では、R3は、F-からなる群R3cから選択される。
本発明のさらなる実施形態では、R4は、H-、C1-2-アルキル-およびF3C-からなる群R4bから選択される。
本発明のさらなる実施形態では、R4は、C1-2-アルキル-からなる群R4cから選択される。
x、R1x、R2x、R3xおよびR4xのそれぞれは、上記の通り、対応する置換基について特徴づけられた個々の実施形態を表す。よって、上記定義が与えられると、本発明の第1の態様の個々の実施形態は、用語(Ax、R1x、R2x、R3xおよびR4x)によって完全に特徴づけられ、ここで、各添え字xについては、「a」からアルファベット順序が最後の上記文字までを範囲とする個々の文字が定められている。上記の定義を参照し、添え字xを完全置換した括弧内の用語によって説明されるすべての個々の実施形態が、本発明を構成するものとする。
以下の表1は、好ましいと考えられる本発明の実施形態E-1~E-18を示す。表1の最後の行の項目で示される実施形態E-18は、最も好ましい実施形態である。
Figure 2023522307000004
したがって、例えば、E-2は、式(I)の化合物またはその塩
(式中、
Aは、
Figure 2023522307000005
からなる群Aaから選択され;
1は、H-およびF-からなる群R1aから選択され;
2は、H-およびF-からなる群R2aから選択され;
3は、ハロゲン、F2HCO-、F3CO-、F2HC-およびF3C-からなる群R3aから選択され;
4は、H-、C1-2-アルキル-およびF3C-からなる群R4bから選択される)
を包含する。
したがって、例えば、E-10は、式(I)の化合物またはその塩
(式中、
Aは、
Figure 2023522307000006
からなる群Abから選択され;
1は、H-およびF-からなる群R1aから選択され;
2は、H-およびF-からなる群R2aから選択され;
3は、ハロゲン、F2HCO-、F3CO-、F2HC-およびF3C-からなる群R3aから選択され;
4は、H-およびC1-3-アルキル-からなる群R4aから選択され、
ここで、上記C1-3-アルキル-基は、フッ素からなる群から独立して選択される1~5つの置換基で置換されていてもよい)
を包含する。
したがって、例えば、E-18は、式(I)の化合物またはその塩
(式中、
Aは、
Figure 2023522307000007
からなる群Abから選択され;
1は、H-およびF-からなる群R1aから選択され;
2は、H-およびF-からなる群R2aから選択され;
3は、F-からなる群R3cから選択され;
4は、C1-2-アルキル-からなる群R4cから選択される)
を包含する。
さらに好ましいのは、表2に示す以下の化合物である。
Figure 2023522307000008

Figure 2023522307000009

Figure 2023522307000010

Figure 2023522307000011

Figure 2023522307000012

Figure 2023522307000013
本発明のさらなる実施形態は、表2に記載の化合物の薬学的に許容されるそれらの塩の形態を包含する。
さらなる態様では、本発明は、医薬として使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
以下、本発明による化合物を説明するために上記および下記で使用するいくつかの用語について、より詳細に定義する。
本明細書で具体的に定義されていない用語は、本開示およびその文脈を考慮して、当業者がその用語に与えるはずの意味を与えられるべきである。しかしながら、本明細書で使用する場合、別段に明記しない限り、以下の用語は示されている意味を有し、以下の慣例が順守される。
以下に定義する基、ラジカルまたは部分において、炭素原子の数は、多くの場合その基の前に定められており、例えば、C1-6-アルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキル基またはアルキルラジカルを意味する。一般に、2つ以上のサブ基を含む基では、最後に命名されているサブ基がラジカルの付着点であり、例えば、置換基「アリール-C1-3-アルキル-」は、C1-3-アルキル-基に結合しているアリール基であって、その後者のC1-3-アルキル基が、当該置換基が付着しているコア分子または基に結合していることを意味する。
一般に、ある所与の残基が別の基へ付着する部位は、可変であるものとし、すなわち、別段に明記しない限り、この残基内の置換されようとする水素を有する任意の可能な原子が、付着されている基への連結点であってよい。
本発明の化合物が、化学名の形態で、かつ式として表されている場合、何らかの矛盾がある場合は式が優先されるものとする。
点線 ------- は、分子の残りの部分であるコア分子に接続される結合もしくは付着点、または定義の通り結合される置換基に接続される結合もしくは付着点を示すために、サブ式で使用される。
語句「薬学的に許容される」は、本明細書では、健全な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応もしくはその他の問題または合併症を伴わず、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的なベネフィット/リスク比に見合う、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために用いられる。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸塩または塩基塩を生成することにより修飾される開示の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩としては、例えば、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩;などが挙げられるが、これらに限定されない。
そのような塩としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、ゲンチジン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、4-メチル-ベンゼンスルホン酸、リン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸および酒石酸に由来する塩などが挙げられる。
また、薬学的に許容される塩は、アンモニア、L-アルギニン、カルシウム、2,2’-イミノビスエタノール、L-リジン、マグネシウム、N-メチル-D-グルカミン、カリウム、ナトリウムおよびトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタンに由来する陽イオンで生成されうる。
本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、遊離酸形態または遊離塩基形態のこれらの化合物を、水中、または、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールもしくはアセトニトリルもしくはそれらの混合物のような有機希釈剤中で、十分な量の適切な塩基または酸と反応させることにより調製することができる。
例えば、本発明の化合物を精製または単離するのに有用な上記以外の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)も、本発明の一部を構成する。
本明細書で使用する場合、用語「置換されている」は、指定された原子の可能な原子価数を超えず、置換によって安定な化合物が得られる限り、指定された原子/基上の任意の1つまたは複数の水素が、指示された群から選択されるもので置き換えられていることを意味する。
用語「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)を示す。
用語「C1-n-アルキル」(ここで、nは、2~nの整数である)は、単独でまたは別のラジカルと組み合わせてのいずれかで、1~n個のC原子を有する非環式、飽和、分岐鎖または直鎖の炭化水素ラジカルを示す。例えば、用語「C1-5-アルキル」は、H3C-、H3C-CH2-、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH32-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)-、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH32-、H3C-C(CH32-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)-およびH3C-CH2-CH(CH2CH3)-のラジカルを包含する。
上記で定めた用語の多くは、式または基の定義において反復して使用してよく、それぞれの場合において、上記の意味のうちの1つを互いに独立して有してよい。
本発明による化合物は、原則として公知の合成方法を用いて得ることができる。好ましくは、化合物は、本発明による下記の方法によって得られるものであり、その方法を以下でより詳細に説明する。
調製
以下のスキームは、一般的に、本発明の化合物を製造する方法を例として説明するものとする。略されている置換基は、スキームの文脈内で別段に定義しない限り、上記で定義されている通りでよい。
一般的な合成方法
本発明は、式(I)の化合物の製造方法も提供する。別段に明記しない限り、下記式中、R1、R2、R3、R4、環Aは、上記発明の詳細な説明において、式(I)について定義した通りの意味を有するものとする。
最適な反応条件および反応時間は、使用される個々の反応物に応じて異なっていてもよい。別段に明記しない限り、溶媒、温度、圧力、およびその他の反応条件は、当業者が容易に選択することができる。具体的な手順は、合成例の項で示す。通常、反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、所望により液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)によりモニターすることができ、中間体および生成物は、クロマトグラフィーおよび/または再結晶により精製することができる。
以下の実施例は例示であり、当業者が認識するように、特定の試薬または条件は、過度の実験を行うことなく、個々の化合物に対して必要に応じて改変されうる。下記の方法で使用される出発材料および中間体は、市販されているか、または当業者によって市販の材料から容易に調製される。
Figure 2023522307000014
スキーム1は、化合物(I)の合成の中間体としてのアミン(V)の合成を示す。第1ステップでは、適切に保護され(PGは保護基であり、例えば、CO2tBu、CO2Bnである)、適切に活性化された(スルホニルエステル置換基R、例えば、メチル、CF3またはトリル)アゼチジン(II)を、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチル-ピロリジノン、アセトニトリル、DMSO、ジクロロメタン、トルエンなどの適切な溶媒、および、炭酸セシウム、炭酸カリウム、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、N-エチル-ジイソプロピルアミン、ピリジンなどの適切な塩基を用いて、フェノール(III)と反応させて、3-フェノキシアゼチジン(IV)を生成する。この中間体を第2ステップで脱保護し、アミン(V)を得る。脱保護は、BOCで保護された中間体(IV)に対して、例えば塩酸などの鉱酸を用いることにより、またはベンジルオキシカルボニルで保護された中間体(IV)に対して水素雰囲気下でパラジウム炭などの触媒を用いて接触水素化することにより行うことができる。その他の脱保護反応については、'Protective Groups in Organic Synthesis', 3' edition, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience (1999)に記載されている。反応条件やワークアップによっては、アミン(V)が塩として得られる場合がある。
Figure 2023522307000015
スキーム2に示すように、式(V)のアミンを、ジオキサン、THF、DMAまたはDMFなどの適切な溶媒中、カリウムtert-ブトキシドまたはNaHなどの適切な塩基の存在下で、ハロエステル(VI)(X=ハロゲン化物、Rx=アルキル)と芳香族求核置換反応(ステップ1)で反応させることにより、式(VII)のエステル化合物を得る。また、バックワルド-ハートウィッグ(Buchwald-Hartwig)型のクロスカップリング条件を用いて、化合物(VII)を生成することができる。例えば、化合物(IV)(X=Cl、Br、I、Rx=アルキル)を、トルエンなどの適切な溶媒中、酢酸パラジウム(II)などの適切な触媒と、ブチル-ジ-1-アダマンチル-ホスフィンなどの適切な配位子と、炭酸セシウムなどの適切な塩基との存在下で、アミン(V)と反応させて、一般式(VII)の化合物を得ることができる。
あるいは、DMAなどの適切な溶媒中、トリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下で、ハロエステル(VI)をヒドロキシアゼチジンと芳香族求核置換反応で反応させて、一般式(VIII)のアルコール(alkohol)を得ることができる。次のステップでは、「光延」法(例えば、Tet. Lett. 1994, 35, 2819またはSynlett 2005, 18, 2808参照)を用いて、アルコール(alkohol)(VIII)を式(VII)のフェニルエーテル化合物に転化することができる:適切な溶媒(例えば、THFまたはトルエン)中、適切なフェノール(III)の存在下で、トリアルキルホスフィンまたはトリアリールホスフィン(例えば、トリブチルホスフィンもしくはトリフェニルホスフィンなど)またはポリマー結合トリフェニルホスフィンなどの固体に担持させた類似体および適切なジアルキルアザジカルボキシレート(例えば、DIAD、DEAD)を一般式(VIII)の化合物に加えて、一般式(VII)のアリールエーテルを生成する。
Figure 2023522307000016
一般式(I)の化合物の調製をスキーム3に示す。第1ステップでは、カルボン酸エステル(VII)を、アセトン/水、1,4-ジオキサン/水、THF/水などの溶媒/水混合物中、適切な水酸化物塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなど)で加水分解して酸性化すると、対応するカルボン酸(IX)を生成することができる。
当業者にとって公知のペプチドカップリング反応(例えば、M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag参照)を適用して、式(X)のアミンとカルボン酸(IX)を反応させて、一般式(I)の化合物を得ることができる。例えば、アミン(X)およびカルボン酸(IX)を、アセトニトリル、NMP、DMAまたはDMFなどの適切な溶媒中、DIPEAまたは1-メチルイミダゾールなどの適切な塩基の存在下で、カップリング剤2-クロロ-4,5-ジヒドロ-1,3-ジメチル-1H-イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(CIP)、向山試薬、クロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(TCFH)または1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)で処理すると、式(I)の化合物を生成する。
あるいは、カルボン酸(IX)を、DCM、DMFまたはトルエンなどの適切な溶媒中、1-クロロ-N,N-2-トリメチルプロペニルアミン、塩化チオニルまたは塩化オキサリルで処理すると、中間体である酸塩化物が得られ、続いて、これを例えばDCM、THFまたはDMFなどの適切な溶媒中、TEAなどの適切な塩基の存在下、式(X)のアミンで処理して、式(I)の化合物を得る。
あるいは、トリメチルアルミニウムで予め活性化したアミン(X)を、DCM、ジクロロエタン、THFまたはトルエンなどの適切な溶媒中で、カルボン酸エステル(VII)と直接反応させて、一般式(I)のアミドを得ることができる。
Figure 2023522307000017
あるいは、一般式(I)の化合物は、スキーム4に示されるように合成することができる:当業者にとって公知のペプチドカップリング反応(例えば、M. Bodanszky, 1984, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag参照)を第1ステップに適用し、式(X)のアミンをカルボン酸(XI)(X=ハロゲン化物、Y=OH)と反応させて、一般式(XII)(X=ハロゲン化物)のハロアミドを得ることができる。例えば、アミン(X)およびカルボン酸(XI)(X=ハロゲン化物、Y=OH)を、アセトニトリル、NMP、DMAまたはDMFなどの適切な溶媒中、DIPEAまたは1-メチル-イミダゾールなどの適切な塩基の存在下で、カップリング剤である2-クロロ-4,5-ジヒドロ-1,3-ジメチル-1H-イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート(CIP)、向山試薬、クロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(TCFH)または1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)で処理すると、一般式(XII)のハロアミド(X=ハロゲン化物)を生成する。あるいは、カルボン酸(XI)(X=ハロゲン化物、Y=OH)を、DCM、DMFまたはトルエンなどの適切な溶媒中、1-クロロ-N,N-2-トリメチルプロペニルアミン、塩化チオニルまたは塩化オキサリルで処理すると、中間体である酸塩化物(XI)(Y=Cl)が得られ、続いて、これをDCM、THFまたはDMFなどの適切な溶媒中、TEAなどの適切な塩基の存在下、式(X)のアミンで処理して、一般式(XII)のハロアミド(X=ハロゲン化物)を得る。あるいは、トリメチルアルミニウムで予め活性化したアミン(X)を、DCM、ジクロロエタン、THFまたはトルエンなどの適切な溶媒中で、カルボン酸エステル(XI)(X=ハロゲン化物、Y=アルキルオキシ)と直接反応させて、一般式(XII)のハロアミド(X=ハロゲン化物)を得ることができる。
第2ステップでは、式(V)のアミンを、2-プロパノール、ジオキサン、THF、NMP、DMA、DMFまたはトルエン/水混合物などの適切な溶媒中、カリウムtert-ブトキシド、NaH、炭酸カリウム、ピリジン、トリエチルアミンまたはN-エチル-ジイソプロピルアミンなどの適切な塩基の存在下で、ハロアミド(XII)(X=ハロゲン化物)と芳香族求核置換反応で反応させて、一般式(I)の化合物を得る。また、バックワルド・ハートウィッグ(Buchwald-Hartwig)型のクロスカップリング条件を用いて、最終化合物(I)を生成してもよい。例えば、化合物(XII)(X=Cl、Br、I)を、トルエンなどの適切な溶媒中、酢酸パラジウム(II)などの適切な触媒と、ブチル-ジ-1-アダマンチル-ホスフィンなどの適切な配位子と、炭酸セシウムなどの適切な塩基との存在下で、アミン(V)と反応させて、一般式(I)の化合物を得ることができる。
あるいは、ハロアミド(XII)を、DMAなどの適切な溶媒中、トリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下で、ヒドロキシアゼチジンと芳香族求核置換反応で反応させることにより、一般式(XIII)のアルコール(alkohol)を得てもよい。次のステップでは、「光延」法(例えば、Tet. Lett. 1994, 35, 2819またはSynlett 2005, 18, 2808参照)を用いて、アルコール(alkohol)(XIII)を一般式(I)の化合物に転化してもよい:適切な溶媒(例えば、THFまたはトルエン)中、適切なフェノール(III)の存在下で、トリアルキルホスフィンまたはトリアリールホスフィン(トリブチルホスフィンもしくはトリフェニルホスフィンなど)またはポリマー結合トリフェニルホスフィンなどの固体に担持させた類似体および適切なジアルキルアザジカルボキシレート(例えば、DIAD、DEAD)を一般式(XIII)の化合物に加えて、一般式(I)の化合物を生成する。
生物学的実施例
cAMPを直接測定するための均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイ
市販のアッセイキット(cAMP Dynamic 2 Assay Kit;#62AM4PEJ、Cisbio Bioassays、Bedford、MA)を用いて、メーカーの指示書に従って、HTRF cAMPアッセイを行った。組換えヒトGPR52を安定的に発現しているCHO-K1細胞のアリコートを解凍し、細胞緩衝液(1× PBS(w/o Ca2+/Mg2+))にmLあたり4×105個の細胞の密度で再懸濁させる。試験化合物をDMSOに溶解させて10mMのストック溶液とし、6倍希釈を用いてDMSOで段階希釈し、8点用量反応曲線を作成した。その後、これらの段階希釈した試料を化合物希釈緩衝液(1× PBS(w/o Ca2+/Mg2+)、0.5mM IBMX、0.1%BSA含有)で1:50希釈して4×ストックを得た。希釈した化合物を384ウェルのアッセイプレート(Optiplate #6007290、PerkinElmer、Waltham、MA)に二連で移した(ウェルあたり5μL)。陽性対照(基準化合物)と陰性対照(非刺激性の媒体)は両方とも、各アッセイ実行のカラム23に含める。続いて、化合物が1×に希釈されるように、細胞懸濁液を384ウェルのアッセイプレートにウェルあたり15μL(6000個の細胞)で分注した。プレートのカラム24には細胞を入れず、cAMP標準曲線用に確保した。室温で1時間インキュベートした後、各ウェルに10μLのcAMP D2試薬と、次いで10μLのクリプテート試薬(Cisbioのキットに付属)とを加えた。その後、読み取りの前に室温で1時間、プレートをインキュベートした。時間分解蛍光測定は、EnVision(登録商標)HTRFプレートリーダー(PerkinElmer、Waltham、MA)で収集した。プレートリーダーからの計数を各プレートに含まれるcAMP標準曲線にフィットさせて、各試験ウェル中のcAMP量を測定した。対照パーセント(%)は、陽性対照を200%に設定し、陰性対照を100%に設定して算出した。cAMPデータから用量反応曲線を作成し、非線形最小二乗法によるカーブフィッティングのプログラムを用いて解析して、EC50値を取得した。EC50値の平均を表3に示す。
Figure 2023522307000018
in vitro代謝産物プロファイリング
CYPを介した代謝経路に加え、アルデヒド酸化酵素の関与を評価するためのin vitro代謝産物プロファイリングは、初代ヒト肝細胞における酸素化代謝産物の生成および特異的なアルデヒド酸化酵素阻害剤であるヒドララジンの存在下におけるその生成量の減少を半定量的に分析することに基づいている。それぞれのヒドララジン阻害性代謝産物が、いかなる補助因子も存在しない状態でヒト肝細胞質ゾルのインキュベーションにおいても生成される場合、それぞれの化合物の代謝にアルデヒド酸化酵素が関与している可能性が高いと考えられる。
懸濁液中の初代ヒト肝細胞を用いて、特異的なアルデヒド酸化酵素阻害剤であるヒドララジンの存在下または非存在下での試験化合物の代謝変換におけるアルデヒド酸化酵素の関与を調査した。ヒト肝細胞を凍結保存から回復させた後、5%のヒト血清を含む、グルカゴン3.5μg/500ml、インスリン2.5mg/500mlおよびヒドロコルチゾン3.75mg/500mlを補充したダルベッコ改変イーグル培地で、そのヒト肝細胞をインキュベートする。
細胞培養インキュベーター(37℃、10%CO2)において50μMのヒドララジンの存在下または非存在下で30分間プレインキュベートした後、最終細胞密度が細胞1.0×106~4.0×106個/ml(初代ヒト肝細胞で観察される化合物の代謝回転速度に応じて変わる)、最終試験化合物濃度が1μM、かつ最終DMSO濃度が0.05%となるように、試験化合物溶液を肝細胞懸濁液に加える。
細胞を6時間インキュベートし(インキュベーター、水平シェーカー)、代謝回転速度に応じて0、0.5、1、2、4または6時間後にインキュベーターから試料を取り出す。試料はアセトニトリルでクエンチし、遠心分離によりペレット化する。上清を96ディープウェルプレートに移し、窒素下で蒸発させて、推定代謝産物を同定するために液体クロマトグラフィー-高分解能質量分析計による生体分析を行う前に再懸濁させる。
プールしたヒト肝細胞質ゾル画分を用いて、試験化合物の代謝変換にアルデヒド酸化酵素が関与することを37℃で確認する。時点あたりの最終インキュベーション体積60μlで行われるインキュベーションは、リン酸緩衝液(100mM、pH7.4)、塩化マグネシウム(5mM)およびヒト肝細胞質ゾル(5mg/ml)から構成されている。37℃での短いプレインキュベーション期間の後、最終濃度が10μMとなるように試験化合物を加えて反応を開始させる。0分後および60分後、アリコートを有機溶媒に移すことによりインキュベーションを終了させ、その後、遠心分離(10000g、5分)を行う。得られた上清は、推定代謝産物を同定するために、液体クロマトグラフィー-高分解能質量分析計による生体分析に用いる。
Figure 2023522307000019

Figure 2023522307000020
hERG(ヒト遅延整流性カリウムイオンチャネル遺伝子)チャネルアッセイ
以下のように、本発明の化合物のhERGチャネル阻害を調査することができる。
細胞:
HEK(ヒト胎児腎)293細胞をhERG cDNAで安定的にトランスフェクトする。パッチクランプ実験に使用するために決定した細胞を抗生物質なしで培養する。
ピペットおよび溶液:
細胞を、NaCl(137)、KCl(4.0)、MgCl2(1.0)、CaCl2(1.8)、グルコース(10)、HEPES(10)(括弧内はmM)を含み、NaOHでpH7.4とした浴液に注ぐ。パッチピペットは、ピペットを用いてホウケイ酸ガラス管から作製し、アスパラギン酸K(130)、MgCl2(5.0)、EGTA(5.0)、K2ATP(4.0)、HEPES(10.0)(括弧内はmM)を含み、KOHでpH7.2としたピペット溶液を充填する。微小電極の抵抗は、通常、2~5MΩの範囲である。
刺激および記録:
EPC-10パッチクランプ増幅器(HEKA Electronics、Lambrecht、FRG)およびPatchMasterソフトウェア(HEKA)を用いて、膜電流を記録する。hERGを介した膜電流の記録は、パッチクランプ技法のホールセル構成を用いて、通常、28℃で行われる。トランスフェクトされたHEK293細胞を-60mVの保持電位でクランプ処理し、固定振幅のパルスパターン(活性化/不活性化:40mVで2000ms;回復:120mVで2ms;2msで40mVまで傾斜させる;不活性化テール電流:40mVで50ms)を用いて、hERGを介した不活性化テール電流を誘発し、15秒間隔で繰り返す。P/nリーク減算手順のため、各パルス間隔の間に、0.2倍に縮小した4個のパルスを記録する。Rs補正は、リンギングを発生させずに安全に記録できるレベル以下で行う。残りの補正していないRsを実際の温度および保持電流と共に記録する。
化合物の調製および適用:
調査した様々な細胞のそれぞれに対して、試験品の濃度を順次適用する。最初の試験品濃度を適用する前に、ベースライン電流の定常レベルを少なくとも5回の掃引の間に測定する。試験品をDMSOに溶解し、最も高い最終濃度の1000倍のストック溶液を得る。さらに、このストックをDMSOで希釈し、残っている最終濃度の1000倍の溶液をストックする。実験を開始する前に、これらのストックからそれぞれ1:1000の希釈ステップで、細胞外緩衝液での最終希釈液を新たに調製する。
データ解析:
ピーク電流の振幅を+40mVへの傾斜の3ms後に測定する。ベースラインと各濃度について、次の濃度を適用する前の最後の3回の掃引のピーク電流を平均化する。残留電流(I/I0)を、実際の平均ピーク電流とベースラインの平均ピーク電流の割合として、各細胞について算出する。電流阻害は、(1-I/I0)×100%で表される。すべての細胞の電流阻害は、平均±標準偏差(SD)として報告される。可能であれば、平均電流阻害のデータから、Hillの式に基づき、最小二乗法を用いてIC50を推定する。
GPR52を活性化し、hERGチャネルを低/中程度に阻害し、かつ、代謝をより多様化し、続いてCYPを介した薬物-薬物相互作用のリスクを低減するという本発明による一般式(I)の化合物の能力を鑑みると、本発明による一般式(I)の化合物、またはその生理学的に許容できる塩は、GPR52の活性化によって影響を受けうるすべての疾患または状態の治療および/または予防的治療に適している。
したがって、本発明による化合物は、その生理学的に許容される塩を含め、疾患の予防または治療に特に適しており、特に、統合失調症;統合失調症に伴う陽性症状;統合失調症に伴う陽性症状の増強治療;統合失調症に伴う陽性症状の治療を改善するため、または抗精神病薬の投与量を減らし、それにより抗精神病薬の副作用を低減するための抗精神病薬の増強;統合失調症に伴う陰性症状;統合失調症に伴う認知障害(CIAS);治療抵抗性統合失調症;統合失調感情障害;統合失調症様障害;統合失調症型障害;医薬品誘発性精神障害;双極性障害;アルツハイマー病、パーキンソン病、血管性認知症および前頭側頭型認知症に伴う減弱精神病症候群および神経精神医学的症状;自閉症スペクトラム障害(ASD);D2受容体アゴニストによって誘発される衝動制御障害;D2受容体アゴニストによって誘発されるギャンブル障害;トゥレット症候群;アルツハイマー病、パーキンソン病、血管性認知症および前頭側頭型認知症に伴う認知欠損;うつ病;注意欠陥多動性障害;大うつ病性障害;薬物嗜癖;不安;双極性障害における躁病;急性躁病;激越;離隔;ならびに前頭葉機能低下(例えば、薬物乱用に伴う前頭葉機能低下)に伴う症状および/または運動過多症状の治療に適している。
また、本発明による化合物は、統合失調症に伴う陽性症状を治療するために現在処方されている神経遮断薬との併用薬として特に適しており、そのため、抗精神病有効性が向上するだけでなく、神経遮断薬の減量と組み合わせて、その関連の副作用、例えば、体重増加、メタボリックシンドローム、糖尿病、錐体外路症状、高プロラクチン血症、インスリン抵抗性、高脂質症、高血糖および遅発性ジスキネジアなどを低減する結果をもたらしうる。特に、血清プロラクチンのレベルが上昇するのは、神経遮断薬の顕著な副作用プロファイルである一方で、GPR52の活性化剤は血清プロラクチンのレベルを下げることが実証されており、したがって、GPR52アゴニストと神経遮断薬との併用は、血清プロラクチンのレベルを正常化するため、神経遮断薬に伴う副作用を低減する可能性がある。
好ましくは、本発明による化合物は、統合失調症;統合失調症に伴う陽性症状;統合失調症に伴う陽性症状の増強治療;統合失調症に伴う陽性症状の治療を改善するため、または抗精神病薬の投与量を減らし、それにより抗精神病薬の副作用を低減するための抗精神病薬の増強;統合失調症に伴う陰性症状;統合失調症に伴う認知障害(CIAS);治療抵抗性統合失調症;統合失調感情障害;統合失調症様障害;統合失調症型障害;医薬品誘発性精神障害;双極性障害;アルツハイマー病、パーキンソン病、血管性認知症および前頭側頭型認知症に伴う減弱精神病症候群および神経精神医学的症状;自閉症スペクトラム障害(ASD);D2受容体アゴニストによって誘発される衝動制御障害;ならびにD2受容体アゴニストによって誘発されるギャンブル障害の予防または治療に適している。
本発明のさらなる態様において、本発明は、上記の疾患および状態の治療方法または予防方法に関し、当該方法は、有効量の一般式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、ヒトに投与することを含む。
一般式(I)の化合物の1日あたりに適用可能な投与量の範囲は、経口で、通常、0.1~1000mg、好ましくは1~500mgであり、それぞれの場合で1日1~4回投与される。1回の投薬単位はそれぞれ、扱いやすいように、0.1~500mg、好ましくは1~100mgを含んでよい。
もちろん、実際の薬学的有効量または治療投与量は、患者の年齢および体重、投与経路、ならびに疾患の重症度など、当業者に公知の要因によって決まる。いずれの場合も、患者特有の状態に基づく薬学的有効量が送達できるような投与量および方法で、その組合せが投与される。
式Iの化合物(その薬学的に許容される塩を含む)を投与するための適した製剤は、当業者にとって明らかであり、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、サシェ剤、注射剤、吸入剤、散剤などが挙げられる。薬学的に活性な化合物の含有量は、組成物全体に対して0.1~95質量%、好ましくは5.0~90質量%の範囲であるべきである。
適切な錠剤は、例えば、式Iによる1種または複数種の化合物を公知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、担体、崩壊剤、補助剤、界面活性剤、結合剤および/または潤滑剤と混合することによって得ることができる。また、錠剤は、複数の層からなっていてもよい。
この目的のため、本発明によって調製される式Iの化合物は、任意にその他の活性物質と一緒に、1種または複数種の従来の不活性担体および/または希釈剤、例えば、コーンスターチ、ラクトース、グルコース、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、クエン酸、酒石酸、水、ポリビニルピロリドン、水/エタノール、水/グリセロール、水/ソルビトール、水/ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール、カルボキシメチルセルロース、もしくは硬脂肪などの脂肪性物質、またはそれらの適切な混合物と一緒に、製剤化することができる。
本発明による化合物はまた、その他の活性物質と組み合わせて、特に上記の疾患および状態の治療および/または予防のために使用することもできる。そのような組合せに適したその他の活性物質としては、例えば、BACE阻害剤;アミロイド凝集阻害剤(例えば、ELND-005);直接的または間接的に作用する神経保護物質および/または疾患修飾物質;抗酸化剤(例えば、ビタミンEもしくはギンコライド);抗炎症物質(例えば、Cox阻害剤、追加的または独占的にアミロイドβ低下特性を有するNSAID);HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン);アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミン);NMDA受容体アンタゴニスト(例えば、メマンチン、ケタミン、エスケタミン、NR2bアンタゴニスト);AMPA受容体アゴニスト;AMPA受容体の正の調節因子、アンパキン(AMPAkine)、モノアミン受容体再取込阻害剤、神経伝達物質の濃度または放出を調節する物質;成長ホルモン分泌誘導物質(例えば、イブタモレンメシル酸塩およびカプロモレリン);CB-1受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト;抗生物質(例えば、ミノサイクリンまたはリファンピシン);PDE2、PDE4、PDE5、PDE9、PDE10阻害剤、GABAA受容体アゴニストまたは正の調節因子、GABAA受容体インバースアゴニスト、GABAA受容体アンタゴニスト、ニコチン受容体アゴニストもしくは部分アゴニストもしくは正の調節因子、α4β2ニコチン受容体アゴニストもしくは部分アゴニストもしくは正の調節因子、α7ニコチン受容体アゴニストもしくは部分アゴニストもしくは正の調節因子;ヒスタミンH3アンタゴニスト、5HT-4アゴニストもしくは部分アゴニスト、5HT-6アンタゴニスト、α2-アドレナリン受容体アンタゴニスト、カルシウムアンタゴニスト、ムスカリン受容体M1アゴニストもしくは部分アゴニストもしくは正の調節因子、ムスカリン受容体M2アンタゴニスト、ムスカリン受容体M4アンタゴニスト、代謝型グルタミン酸受容体1の正の調節因子、代謝型グルタミン酸受容体2の正の調節因子、代謝型グルタミン酸受容体3の正の調節因子、代謝型グルタミン酸受容体5の正の調節因子、グリシントランスポーター1阻害剤、抗うつ剤(例えば、シタロプラム、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリンおよびトラゾドンなど);抗不安薬(例えば、ロラゼパムおよびオキサゼパムなど);抗精神病薬(例えば、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、イロペリドン、ハロペリドール、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドン、ルラシドン、ルマテペロン、ブレクスピプラゾールおよびカリプラジンなど);気分安定薬(例えば、リチウムおよびバルプロ酸塩)、ならびに、本発明による化合物の有効性および/または安全性を増加させるおよび/または望ましくない副作用を減少させるように受容体または酵素を調節するその他の物質などが挙げられる。また本発明による化合物は、上記の疾患および状態の治療のために、免疫療法(例えば、アミロイドβもしくはタウもしくはその部分による能動免疫、またはヒト化抗アミロイドβ抗体もしくは抗タウ抗体もしくはナノボディによる受動免疫)と組み合わせて使用することもできる。
上記組合せのパートナー物質の投与量は、通常推奨される投与量の最低量の1/5~通常推奨される投与量の1/1までが有用である。
したがって、別の態様では、本発明は、GPR52のアゴニストによって影響を受けうる疾患または状態の治療または予防に適した医薬組成物を調製するための、組合せのパートナー物質として上記活性物質の少なくとも1種と組み合わせた、本発明による化合物またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。好ましくは、これらはGPR52活性の不足に関する病態であり、特には、上記で挙げた疾患または病態の1つである。
その他の活性物質と組み合わせた本発明による化合物の使用は、同時に行われてもよく、または時間をずらして行われてもよいが、特に、短い時間内に行われてもよい。同時に投与する場合は、2つの活性物質を一緒に患者に投与する;時間をずらして使用する場合は、2つの活性物質を12時間以下、特に6時間以下の時間内に患者に投与する。
結果として、本発明の別の態様では、本発明は、本発明による化合物またはその薬学的に許容される塩および組合せのパートナー物質として上記活性物質の少なくとも1種を含み、1種または複数種の不活性担体および/または希釈剤を一緒に含んでもよい、医薬組成物に関する。
本発明による化合物は、両方とも1つの製剤(例えば、錠剤またはカプセル剤)に一緒に存在してもよいし、あるいは、2つの同一のもしくは異なる製剤(例えば、いわゆるキット・オブ・パーツ)に別々に存在してもよい。
実験の項
略語のリスト
Figure 2023522307000021
HPLC-方法:
移動相の調製:
移動相「H2O 0.1%TFA」は、1mlの市販のTFA溶液を水999mlに加えることにより調製する。移動相「H2O 0.1%NH3」は、4mlの市販の濃水酸化アンモニウム溶液(25質量%)を水996mlに加えることにより調製する。
方法名:A
機器の説明:DAおよびMSの検出器を備えるWaters Acquity
カラム:XBridge、BEH C18、2.1×30mm、2.5μm
カラムのサプライヤー:Waters
Figure 2023522307000022
方法名:B
機器の説明:DAおよびMSの検出器を備えるWaters Acquity
カラム:XBridge、BEH C18、2.1×30mm、2.5μm
カラムのサプライヤー:Waters
Figure 2023522307000023
方法名:C
機器の説明:DAおよびMSの検出器を備えるWaters Acquity
カラム:BEH C18、1.7μm、2.1×50mm
カラムのサプライヤー:Waters
Figure 2023522307000024
方法名:D
機器の説明:DAおよびMSの検出器を備えるWaters Acquity
カラム:Sunfire、C18、3.0×30mm、2.5μm
カラムのサプライヤー:Waters
Figure 2023522307000025
方法名:E
機器の説明:DAおよびMSの検出器を備えるWaters Acquity
カラム:CSH C18、1.7μm、2.1×50mm
カラムのサプライヤー:Waters
Figure 2023522307000026
方法名:F
機器の説明:ThermoFinnigan HPLC Surveyor DAD、MSQ single quadrupole
カラム:Synergi Hydro RP100A、2.5μm、3×50mm
カラムのサプライヤー:Phenomenex
Figure 2023522307000027
方法名:G
機器の説明:DAおよびMSの検出器を備えるWaters Acquity
カラム:Atlantis T3 3.0μm、4.6×50mm
カラムのサプライヤー:Waters
Figure 2023522307000028
実施例
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、その範囲を限定するものではない。
中間体の調製
中間体A-1:
Figure 2023522307000029
DMA(558mL)中の3,4-ジフルオロ-フェノール(10.0g、76.9mmol)および炭酸セシウム(37.6g、115.3mmol)の混合物を室温で5分間撹拌し、その後tert-ブチル-3-メタンスルホニルオキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(19.3g、76.9mmol)を加える。100℃で5時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮する。水および酢酸エチルを加える。相を分離する。水相を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物をMPLC(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル 9:1)で精製して、生成物A-1を得る。
ESI-MS:286[M+H]+;HPLC(Rt):0.72分(方法A)
中間体A-2:
Figure 2023522307000030
DMA(5mL)中の3,5-ジフルオロ-フェノール(1.0g、8.0mmol)および炭酸セシウム(5.2g、15.9mmol)の混合物を室温で10分間撹拌し、その後tert-ブチル-3-メタンスルホニルオキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(2.0g、8.0mmol)を加える。90℃で16時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加える。相を分離する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物を分取HPLCで精製して、生成物A-2を得る。
ESI-MS:286[M+H]+;HPLC(Rt):1.02分(方法D)
中間体A-3:
Figure 2023522307000031
DMA(465mL)中の3,4,5-トリフルオロ-フェノール(10.0g、64.2mmol)および炭酸セシウム(31.4g、96.2mmol)の混合物を室温で10分間撹拌し、その後tert-ブチル-3-メタンスルホニルオキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(16.1g、64.2mmol)を加える。100℃で6時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮する。水および酢酸エチルを加える。相を分離する。水相を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物をMPLC(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル 9:1)で精製して、生成物A-3を得る。
ESI-MS:304[M+H]+;HPLC(Rt):0.75分(方法A)
中間体A-4:
Figure 2023522307000032
DMA(15mL)中の3-クロロ-4,5-ジフルオロ-フェノール(1.8g、10.1mmol)および炭酸セシウム(4.9g、15.1mmol)の混合物を室温で10分間撹拌し、その後tert-ブチル-3-メタンスルホニルオキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(2.5g、10.1mmol)を加える。90℃で16時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加える。相を分離し、水相を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物を分取HPLCで精製して、生成物A-4を得る。
ESI-MS:320/322[M+H]+;HPLC(Rt):0.79分(方法A)
中間体A-5:
Figure 2023522307000033
DMA(10mL)中の3-クロロ-4-フルオロ-フェノール(1.5g、10.2mmol)および炭酸セシウム(6.7g、20.5mmol)の混合物を室温で10分間撹拌し、その後tert-ブチル-3-メタンスルホニルオキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(2.6g、10.2mmol)を加える。100℃で16時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却する。水およびDCMを加える。相を分離する。有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物を分取HPLCで精製して、生成物A-5を得る。
ESI-MS:302/304[M+H]+;HPLC(Rt):0.78分(方法A)
中間体A-6:
Figure 2023522307000034
DMF(20mL)中の3-クロロ-5-フルオロ-フェノール(4.8g、33.0mmol)および炭酸セシウム(21.5g、66.1mmol)の混合物を室温で10分間撹拌し、その後tert-ブチル-3-メタンスルホニルオキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(2.5g、10.1mmol)を加える。90℃で16時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加える。相を分離し、水相を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物を分取HPLCで精製して、生成物A-6を得る。
ESI-MS:302/304[M+H]+;HPLC(Rt):0.77分(方法A)
中間体A-7:
Figure 2023522307000035
DMF(30mL)中の3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)-フェノール(0.7g、4.0mmol)、炭酸セシウム(2.6g、8.0mmol)およびtert-ブチル-3-メタンスルホニルオキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(1.0g、4.0mmol)の混合物を90℃で16時間撹拌する。その後、混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈する。有機相を飽和NaHCO3水溶液、ブラインおよび飽和NH4Cl水溶液で連続的に洗浄し、減圧下で濃縮して、生成物A-7を得る。
ESI-MS:336[M+H]+、280[M+H-イソブテン]+;HPLC(Rt):1.44分(方法J)
中間体A-8:
Figure 2023522307000036
DMA(10mL)中の3-フルオロ-5-(ジフルオロメチル)-フェノール(2.5g、10.0mmol)および炭酸セシウム(6.5g、20.0mmol)の混合物を室温で10分間撹拌し、その後tert-ブチル-3-メタンスルホニルオキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート(2.5g、10.0mmol)を加える。90℃で16時間撹拌した後、混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加える。相を分離する。水相を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮する。残留物を分取HPLCで精製して、生成物A-8を得る。
ESI-MS:318[M+H]+、262[M+H-イソブテン]+;HPLC(Rt):1.03分(方法D)
中間体B-1:
Figure 2023522307000037
ジイソプロピルエーテル(200mL)中の中間体A-1(19.0g、66.6mmol)の混合物に、HClのジオキサン溶液(4N、83.3mL、333.0mmol)を加える。室温で16時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮する。沈殿物をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、生成物B-1をHCl塩として得る。
ESI-MS:186[M+H]+;HPLC(Rt):0.38分(方法A)
中間体B-2:
Figure 2023522307000038
中間体A-2(1.85g、6.49mmol)に、HClのジオキサン溶液(4N、15.0mL、60.0mmol)を加える。室温で1時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、生成物B-2をHCl塩として得る。
ESI-MS:186[M+H]+;HPLC(Rt):0.38分(方法D)
中間体B-3:
Figure 2023522307000039
中間体A-3(3.24g、10.68mmol)に、HClのジオキサン溶液(4N、25.0mL、100.0mmol)を加える。室温で1時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、生成物B-3をHCl塩として得る。
ESI-MS:204[M+H]+;HPLC(Rt):0.45分(方法A)
中間体B-4:
Figure 2023522307000040
中間体A-4(2.6g、8.2mmol)に、HClのジオキサン溶液(4N、20.5mL、82.0mmol)を加える。室温で1時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、生成物B-4をHCl塩として得る。
ESI-MS:220/222[M+H]+;HPLC(Rt):0.48分(方法A)
中間体B-5:
Figure 2023522307000041
中間体A-5(2.3g、7.6mmol)に、HClのジオキサン溶液(4N、9.5mL、37.9mmol)を加える。室温で45分間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、生成物B-5をHCl塩として得る。
ESI-MS:202/204[M+H]+;HPLC(Rt):0.51分(方法B)
中間体B-6:
Figure 2023522307000042
中間体A-6(8.3g、27.5mmol)に、HClのジオキサン溶液(4N、34.4mL、137.5mmol)を加える。室温で1時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、生成物B-4をHCl塩として得る。
ESI-MS:202/204[M+H]+;HPLC(Rt):0.52分(方法A)
中間体B-7:
Figure 2023522307000043
中間体A-7(1.3g、3.9mmol)の1,4-ジオキサン(20mL)溶液の混合物に、HClのジオキサン溶液(4N、6.8mL、27.1mmol)を加える。室温で16時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮する。残留物をジエチルエーテルで洗浄して、生成物B-7をHCl塩として得る。
ESI-MS:236[M+H]+;HPLC(Rt):0.63分(方法K)
中間体B-8:
Figure 2023522307000044
中間体A-8(2.6g、8.0mmol)に、HClのジオキサン溶液(4N、12.1mL、48.2mmol)を加える。室温で1時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮して、生成物B-8をHCl塩として得る。
ESI-MS:218[M+H]+;HPLC(Rt):0.45分(方法D)
中間体C-1.1:
Figure 2023522307000045
DMF(40mL)中の5-アミノ-3-クロロピリダジン(1.3g、10.0mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(1.4g、2.0mmol)および塩化リチウム(0.68g、16.00mmol)の混合物に、アルゴン雰囲気下、トリブチル(ビニル)スズ(5.07g、16.00mmol)を加える。115℃で5時間撹拌した後、反応混合物を室温まで冷却し、TFAで酸性化し、メタノール/アセトニトリル(1:1)で希釈する。チオールポリマーを3g加えて、重金属含有物を除去する。混合物を濾過し、ポリマービーズをメタノール/アセトニトリル(1:1)で洗浄し、合わせた濾液を減圧下で濃縮して、メタノールおよびアセトニトリルを除去する。粗生成物を含む残留溶液を分取HPLCで精製して、中間体C-1.1をHCl塩として得る。
ESI-MS:122[M+H]+;HPLC(Rt):1.58分(方法G)
中間体C-1:
Figure 2023522307000046
中間体C-1.1(HCl塩、500.0mg、3.2mmol)を、メタノール(20mL)中、パラジウム炭(10%、50mg)上で室温で3時間水素添加する(3bar水素雰囲気)。反応混合物を濾過し、触媒を水(20mL)で洗浄する。合わせた濾液を塩酸(4N)で酸性化し、減圧下で濃縮して、中間体C-1をHCl塩として得る。
ESI-MS:124[M+H]+;HPLC(Rt):1.53分(方法G)
中間体D-1:
Figure 2023522307000047
DMA(8mL)中のメチル3-フルオロピラジン-2-カルボキシレート(100.0mg、641.0μmol)、中間体B-7(208.8mg、769.0μmol)およびトリエチルアミン(0.27mL、1.9mmol)の混合物を室温で1日撹拌する。反応混合物をアセトニトリル/メタノール(1:1 v/v)で希釈し、分取HPLCで精製して、中間体D-1を得る。
ESI-MS:372[M+H]+;HPLC(Rt):0.72分(方法B)
中間体D-2:
Figure 2023522307000048
DMF(9.2mL)中のメチル3-クロロピラジン-2-カルボキシレート(1.5g、8.7mmol)、中間体B-3(HCl塩、2.5g、10.4mmol)およびTEA(2.93mL、20.86mmol)の混合物を室温で1時間撹拌する。反応混合物を水で希釈する。沈殿物を吸引濾過で収集し、50℃で乾燥して、中間体D-2を得る。
ESI-MS:340[M+H]+;HPLC(Rt):0.63分(方法A)
中間体D-3:
Figure 2023522307000049
DMA(10mL)中のメチル3-クロロピラジン-2-カルボキシレート(1.0g、5.8mmol)、中間体B-1(HCl塩、1.5g、7.0mmol)およびTEA(1.95mL、13.91mmol)の混合物を室温で1時間撹拌する。反応混合物を水で希釈する。沈殿物を吸引濾過で収集し、50℃で乾燥して、中間体D-3を得る。
ESI-MS:322[M+H]+;HPLC(Rt):0.60分(方法A)
中間体D-4:
Figure 2023522307000050
DMA(10mL)中のメチル3-クロロピラジン-2-カルボキシレート(673.9mg、3.9mmol)、中間体B-4(1.0g、3.9mmol)およびトリエチルアミン(1.6mL、11.7mmol)の混合物を室温で2時間撹拌する。反応混合物を水で希釈する。沈殿物を吸引濾過で収集し、乾燥して、中間体D-4を得る。
ESI-MS:356/358[M+H]+;HPLC(Rt):0.68分(方法A)
中間体E-1:
Figure 2023522307000051
アセトン(2mL)中の中間体D-1(210.0mg、566.0μmol)の混合物に、水酸化リチウム水溶液(水2mL中に67.7mg、2.8mmol)を加える。混合物を室温で4時間撹拌する。塩酸水溶液(1N)を中性のpHとなるまで滴下添加し、続いて、混合物を酢酸エチルおよびジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を相分離カートリッジを通過させることにより残留水含有物から分離し、減圧下で濃縮して、中間体E-1を得る。
ESI-MS:358[M+H]+;HPLC(Rt):0.88分(方法D)
中間体E-2:
Figure 2023522307000052
アセトン(40mL)中の中間体D-2(4.15g、12.23mmol)の混合物に、水酸化リチウム水溶液(水40mL中に585.9mg、24.5mmol)を加える。反応混合物を2時間撹拌し、その後水で希釈し、塩酸(4N)でpH4に酸性化する。沈殿物を吸引濾過で収集し、50℃で乾燥して、中間体E-2を得る。
ESI-MS:326[M+H]+;HPLC(Rt):0.31分(方法A)
中間体E-3:
Figure 2023522307000053
アセトン(15mL)中の中間体D-3(1.6g、4.9mmol)の混合物に、水酸化リチウム水溶液(水15mL中に230.0mg、9.8mmol)を加える。反応混合物を室温で1.5時間撹拌し、その後水で希釈し、塩酸(4N)でpH4に酸性化する。沈殿物を吸引濾過で収集し、50℃で乾燥して、中間体E-3を得る。
ESI-MS:308[M+H]+;HPLC(Rt):0.27分(方法A)
中間体E-4:
Figure 2023522307000054
THF(5mL)、メタノール(2.5mL)および水(2.5mL)の混合物中の中間体D-4(1.3g、3.6mmol)の混合物に、水酸化ナトリウム(435.2mg、10.9mmol)を加える。混合物を室温で18時間撹拌し、その後50℃で撹拌してけん化を完了させる。減圧下で濃縮した後、水およびDCMを加え、相を分離させる。水相を塩酸で酸性化し、生成した沈殿物を回収し、乾燥して、中間体E-4を得る。
ESI-MS:342/344[M+H]+;HPLC(Rt):0.32分(方法A)
中間体F-1:
Figure 2023522307000055
DCM(2mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(100.0mg、631.0μmol)、4-アミノピリダジン(60.0mg、631.0μmol)およびトリエチルアミン(0.44mL、3.15mmol)の混合物に、T3P(DMFの50%溶液、0.41mL、694.0μmol)を加える。混合物を室温で30分間撹拌し、直接、分取HPLCで精製して、中間体F-1を得る。
ESI-MS:236/238[M+H]+;HPLC(Rt):0.11分(方法A)
中間体F-2:
Figure 2023522307000056
THF(1mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、4-アミノ-6-メチルピリダジン(HCl塩、45.9mg、315.0μmol)およびトリエチルアミン(0.13mL、946.0μmol)の混合物に、T3P(酢酸エチルの50%溶液、0.21mL、347.0μmol)を加える。混合物を室温で2時間撹拌し、直接、分取HPLCで精製して、中間体F-2を得る。
ESI-MS:250/252[M+H]+;HPLC(Rt):0.32分(方法D)
(実施例1)
Figure 2023522307000057
DMF(3mL)中の中間体E-1(90.0mg、252.0μmol)、HATU(105.4mg、277.0μmol)およびDIPEA(131.0μL、756.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノピリダジン(HCl塩、49.7mg、378.0μmol)を加え、混合物を1日撹拌した後、直接、分取HPLCで精製して、実施例1を得る。
ESI-MS:435[M+H]+;HPLC(Rt):0.63分(方法B)
(実施例2)
Figure 2023522307000058
2-プロパノール(2mL)中の中間体F-1(60.0mg、255.0μmol)、中間体B-6(60.6mg、255.0μmol)およびトリエチルアミン(106.2μL、764.0μmol)の混合物を125℃で3時間撹拌する。室温まで冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮する。残留物をDCMに溶解し、クエン酸(10%)の水溶液で洗浄する。分離カートリッジで相分離した後、有機相を減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を分取HPLCで精製して、実施例2を得る。
ESI-MS:401/403[M+H]+;HPLC(Rt):4.28分(方法F)
(実施例3)
Figure 2023522307000059
2-プロパノール(2mL)中の中間体F-1(60.0mg、255.0μmol)、中間体B-2(56.4mg、255.0μmol)およびトリエチルアミン(106.2μL、764.0μmol)の混合物を125℃で3時間撹拌する。室温まで冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮する。残留物をDCMに溶解し、クエン酸(10%)の水溶液で洗浄する。分離カートリッジで相分離した後、有機相を減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を分取HPLCで精製して、実施例3を得る。
ESI-MS:385[M+H]+;HPLC(Rt):3.99分(方法F)
(実施例4)
Figure 2023522307000060
DMA(8mL)中の中間体E-2(1.5g、3.0mmol)、HATU(1.2g、3.1mmol)およびDIPEA(1.0mL、6.0mmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノピリダジン(285.1mg、300.0μmol)を加え、混合物を1日撹拌し、その後、直接、分取HPLCで精製して、実施例4を得る。
ESI-MS:403[M+H]+;HPLC(Rt):0.60分(方法A)
(実施例5)
Figure 2023522307000061
DMA(2mL)中の中間体E-3(46.1mg、150.0μmol)、HATU(59.9mg、158.0μmol)およびDIPEA(51.6μL、300.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノピリダジン(HCl塩、23.7mg、180.0μmol)を加え、混合物を1.5時間撹拌し、その後、直接、分取HPLCで精製して、実施例5を得る。
ESI-MS:385[M+H]+;HPLC(Rt):0.56分(方法A)
(実施例6)
Figure 2023522307000062
トルエン(2mL)および水(1mL)中の中間体F-1(30.0mg、127.0μmol)、中間体B-8(32.3mg、127.0μmol)および炭酸カリウム(44.0mg、318.0μmol)の混合物を100℃で1日撹拌する。室温まで冷却した後、反応混合物をDCMに溶解する。有機相を分離カートリッジで分離し、分取HPLCで精製して、実施例6を得る。
ESI-MS:417[M+H]+;HPLC(Rt):0.55分(方法B)
(実施例7)
Figure 2023522307000063
DMF(1.5mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)およびT3P(酢酸エチル中50%、0.21mL、347.0μmol)の混合物に、TEA(0.13mL、946.0μmol)および4-アミノピラジン(30.0mg、315.0μmol)を加える。室温で5日間撹拌した後、中間体B-5(88.8mg、347.0μmol)を加え、反応混合物を100℃で4時間撹拌する。室温まで冷却した後、反応混合物を直接、分取HPLCで精製して、実施例7を得る。
ESI-MS:401/403[M+H]+;HPLC(Rt):0.59分(方法B)
(実施例8)
Figure 2023522307000064
THF(2.5mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)およびT3P(酢酸エチル中50%、0.21mL、347.0μmol)の混合物に、TEA(0.13mL、946.0μmol)および4-アミノピリダジン(30.0mg、315.0μmol)を加える。室温で1日撹拌した後、混合物を濾過し、減圧下で濃縮する。残留物をDMF(1.5mL)に溶解し、中間体B-4(88.8mg、347.0μmol)およびTEA(88.6μL、631.0μmol)を加える。反応混合物を室温で3時間撹拌する。室温まで冷却した後、反応混合物を濾過し、直接、分取HPLCで精製して、実施例8を得る。
ESI-MS:417/419[M+H]+;HPLC(Rt):0.62分(方法B)
(実施例9)
Figure 2023522307000065
DMF(3mL)中の中間体E-1(100.0mg、280.0μmol)、HATU(117.1mg、308.0μmol)およびDIPEA(145.3μL、840.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。6-メチルピリダジン-4-アミン(HCl塩、61.1mg、420.0μmol)を加え、混合物を1日撹拌し、その後、直接、分取HPLCで精製して、実施例9を得る。
ESI-MS:449[M+H]+;HPLC(Rt):0.66分(方法B)
(実施例10)
Figure 2023522307000066
トルエン(2mL)中の中間体F-2(50.0mg、純度65%、130.0μmol)、中間体B-6(31.0mg、130.0μmol)および炭酸カリウム(45.0mg、325.0μmol)の混合物に、水(1mL)を加える。反応混合物を100℃で16時間撹拌する。室温まで冷却した後、生成した沈殿物を濾別し、水で洗浄し、50℃で乾燥して、実施例10を得る。
ESI-MS:415/417[M+H]+;HPLC(Rt):0.64分(方法B)
(実施例11)
Figure 2023522307000067
トルエン(2mL)中の中間体F-2(30.0mg、120.0μmol)、中間体B-8(30.5mg、120.0μmol)および炭酸カリウム(41.5mg、300.0μmol)の混合物に、水(1mL)を加える。反応混合物を100℃で16時間撹拌する。室温まで冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮する。その残留物をDCMに溶解する。有機相を分離カートリッジで分離し、減圧下で濃縮する。残留物を分取HPLCで精製して、実施例11を得る。
ESI-MS:431[M+H]+;HPLC(Rt):0.59分(方法B)
(実施例12)
Figure 2023522307000068
DMA(1mL)中の中間体E-3(60.0mg、195.0μmol)、HATU(78.0mg、205.0μmol)およびDIPEA(67.2μL、391.0μmol)の混合物を室温で10分間撹拌する。4-アミノ-6-メチル-ピリダジン(21.3mg、195.0μmol)を加え、混合物を16時間撹拌し、その後、直接、分取HPLCで精製して、実施例12を得る。
ESI-MS:399[M+H]+;HPLC(Rt):0.49分(方法A)
(実施例13)
Figure 2023522307000069
トルエン(10mL)中の中間体F-2(170.0mg、647.0μmol)、中間体B-2(143.4mg、647.0μmol)および炭酸カリウム(223.5mg、1.6mmol)の混合物に、水(5mL)を加える。反応混合物を100℃で16時間撹拌する。室温まで冷却した後、生成した沈殿物を濾別し、水で洗浄し、50℃で乾燥して、実施例13を得る。
ESI-MS:399[M+H]+;HPLC(Rt):0.58分(方法B)
(実施例14)
Figure 2023522307000070
DMA(1.5mL)中の中間体F-2(65.0mg、260.0μmol)、中間体B-4(80.0mg、312.0μmol)およびTEA(73.1μL、521.0μmol)の混合物を100℃で1.5時間撹拌する。室温まで冷却した後、反応混合物を濾過し、直接、分取HPLCで精製して、実施例14を得る。
ESI-MS:433/435[M+H]+;HPLC(Rt):0.65分(方法B)
(実施例15)
Figure 2023522307000071
トルエン(5mL)中の中間体F-2(78.0mg、312.0μmol)、中間体B-3(74.9mg、312.0μmol)および炭酸カリウム(108.0mg、781.0μmol)の混合物に水(2.5mL)を加える。反応混合物を100℃で3時間撹拌する。室温まで冷却した後、生成した沈殿物を濾別し、水で洗浄し、50℃で乾燥して、実施例15を得る。
ESI-MS:417[M+H]+;HPLC(Rt):0.61分(方法B)
(実施例16)
Figure 2023522307000072
THF(2.5mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)およびT3P(酢酸エチル中50%、0.21mL、347.0μmol)の混合物に、TEA(0.13mL、946.0μmol)および4-アミノ-6-メチルピリダジン(HCl塩、88.8mg、347.0μmol)を加える。DMF(2mL)を加える。室温で5日間撹拌した後、中間体B-5(88.8mg、347.0μmol)を加える。反応混合物を100℃で4時間撹拌する。室温まで冷却した後、反応混合物を濾過し、直接、分取HPLCで精製して、実施例16を得る。
ESI-MS:417/419[M+H]+;HPLC(Rt):0.62分(方法B)
(実施例17)
Figure 2023522307000073
NMP(2mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、HATU(79.9mg、210.0μmol)およびDIPEA(103.2μL、600.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。中間体C-1(HCl塩、41.2mg、240.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-7(51.6mg、190.0μmol)および追加のDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を80℃で45分間撹拌した後、室温まで冷却し、直接、分取HPLCで精製して、実施例17を得る。
ESI-MS:463[M+H]+;HPLC(Rt):0.70分(方法B)
(実施例18)
Figure 2023522307000074
NMP(2mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、HATU(79.9mg、210.0μmol)およびDIPEA(103.2μL、600.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。中間体C-1(HCl塩、41.2mg、240.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-6(45.2mg、190.0μmol)および追加のDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を80℃で45分間撹拌した後、室温まで冷却し、直接、分取HPLCで精製して、実施例18を得る。
ESI-MS:429/431[M+H]+;HPLC(Rt):0.68分(方法B)
(実施例19)
Figure 2023522307000075
NMP(2mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、HATU(79.9mg、210.0μmol)およびDIPEA(103.2μL、600.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。中間体C-1(HCl塩、41.2mg、240.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-5(45.2mg、190.0μmol)および追加のDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を80℃で45分間撹拌した後、室温まで冷却し、直接、分取HPLCで精製して、実施例19を得る。
ESI-MS:429/431[M+H]+;HPLC(Rt):0.66分(方法B)
(実施例20)
Figure 2023522307000076
NMP(2mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、HATU(79.9mg、210.0μmol)およびDIPEA(103.2μL、600.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。中間体C-1(HCl塩、41.2mg、240.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-3(47.9mg、190.0μmol)および追加のDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を80℃で45分間撹拌した後、室温まで冷却し、直接、分取HPLCで精製して、実施例20を得る。
ESI-MS:431[M+H]+;HPLC(Rt):0.65分(方法B)
(実施例21)
Figure 2023522307000077
NMP(2mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、HATU(79.9mg、210.0μmol)およびDIPEA(103.2μL、600.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。中間体C-1(HCl塩、41.2mg、240.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-5(42.1mg、190.0μmol)および追加のDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を80℃で45分間撹拌した後、室温まで冷却し、水に注ぐ。沈殿物を収集し、その後、DCMに溶解し、飽和NaHCO3水溶液およびブラインで洗浄する。有機相を炭と混合し、相分離カートリッジで濾過した後、減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。粗生成物を分取HPLCで精製して、実施例21を得る。
ESI-MS:413[M+H]+;HPLC(Rt):0.61分(方法B)
(実施例22)
Figure 2023522307000078
NMP(2mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、HATU(79.9mg、210.0μmol)およびDIPEA(103.2μL、600.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。中間体C-1(HCl塩、41.2mg、240.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-8(48.2mg、190.0μmol)および追加のDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を80℃で45分間撹拌した後、室温まで冷却し、直接、分取HPLCで精製して、実施例22を得る。
ESI-MS:445[M+H]+;HPLC(Rt):0.63分(方法B)
(実施例23)
Figure 2023522307000079
NMP(2mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、HATU(79.9mg、210.0μmol)およびDIPEA(103.2μL、600.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。中間体C-1(HCl塩、41.2mg、240.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-4(48.7mg、190.0μmol)および追加のDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を80℃で45分間撹拌した後、室温まで冷却し、直接、分取HPLCで精製して、実施例23を得る。
ESI-MS:447/449[M+H]+;HPLC(Rt):0.69分(方法B)
(実施例24)
Figure 2023522307000080
NMP(2mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、HATU(79.9mg、210.0μmol)およびDIPEA(103.2μL、600.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。中間体C-1(HCl塩、41.2mg、240.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-2(42.1mg、190.0μmol)およびDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を80℃で45分間撹拌した後、室温まで冷却し、直接、分取HPLCで精製して、実施例24を得る。
ESI-MS:413[M+H]+;HPLC(Rt):0.63分(方法B)
(実施例25)
Figure 2023522307000081
NMP(1mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、1-メチルイミダゾール(40.3μL、500.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(70.1mg、250.0μmol)の混合物を室温で10分間撹拌する。4-アミノ-6-メチルピリミジン(22.9mg、210.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-5(45.2mg、190.0μmol)およびDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で3.5時間撹拌した後、室温まで冷却する。撹拌を室温で20時間続け、混合物を直接、分取HPLCで精製し、実施例25を得る。
ESI-MS:415/417[M+H]+;HPLC(Rt):0.72分(方法B)
(実施例26)
Figure 2023522307000082
アセトニトリル(2mL)中の中間体E-2(100.0mg、307.0μmol)、1-メチルイミダゾール(97.7μL、1230.0μmol)、およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(103.5mg、369.0μmol)および4-アミノ-6-メチルピリミジン(36.9mg、338.0μmol)の混合物を室温で1日撹拌する。反応混合物をアセトニトリル/メタノール(v/v 1:1)で希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例26を得る。
ESI-MS:417[M+H]+;HPLC(Rt):0.71分(方法B)
(実施例27)
Figure 2023522307000083
NMP(1mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、1-メチルイミダゾール(40.3μL、500.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(70.1mg、250.0μmol)の混合物を室温で10分間撹拌する。4-アミノ-6-メチルピリミジン(22.9mg、210.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-8(48.2mg、190.0μmol)およびDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で3.5時間撹拌した後、室温まで冷却する。撹拌を室温で20時間続け、混合物を直接、分取HPLCで精製し、実施例27を得る。
ESI-MS:431[M+H]+;HPLC(Rt):0.69分(方法B)
(実施例28)
Figure 2023522307000084
NMP(1mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、1-メチルイミダゾール(40.3μL、500.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(70.1mg、250.0μmol)の混合物を室温で10分間撹拌する。4-アミノ-6-メチルピリミジン(22.9mg、210.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-2(42.1mg、190.0μmol)およびDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で3.5時間撹拌した後、室温まで冷却する。撹拌を室温で20時間続け、混合物を直接、分取HPLCで精製し、実施例28を得る。
ESI-MS:399[M+H]+;HPLC(Rt):0.70分(方法B)
(実施例29)
Figure 2023522307000085
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノ-6-メチルピリミジン(36.1mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で75分間撹拌する。中間体B-1(73.4mg、331.0μmol)およびDIPEA(300.0μL、1744.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で1時間撹拌した後、室温まで冷却し、水に注ぐ。沈澱物を濾過することにより収集し、水で洗浄し、40℃で2日間乾燥して、実施例29を得る。
ESI-MS:399[M+H]+;HPLC(Rt):0.68分(方法B)
(実施例30)
Figure 2023522307000086
NMP(1mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、1-メチルイミダゾール(40.3μL、500.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(70.1mg、250.0μmol)の混合物を室温で10分間撹拌する。4-アミノ-6-メチルピリミジン(22.9mg、210.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-6(45.2mg、190.0μmol)およびDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で3.5時間撹拌した後、室温まで冷却する。撹拌を室温で20時間続け、混合物を直接、分取HPLCで精製し、実施例30を得る。
ESI-MS:415/417[M+H]+;HPLC(Rt):0.75分(方法B)
(実施例31)
Figure 2023522307000087
NMP(1mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、1-メチルイミダゾール(40.3μL、500.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(70.1mg、250.0μmol)の混合物を室温で10分間撹拌する。4-アミノ-6-メチルピリミジン(22.9mg、210.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-7(51.6mg、190.0μmol)およびDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で4時間撹拌した後、室温まで冷却し、直接、分取HPLCで精製して、実施例31を得る。
ESI-MS:449[M+H]+;HPLC(Rt):0.77分(方法B)
(実施例32)
Figure 2023522307000088
NMP(1mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(31.7mg、200.0μmol)、1-メチルイミダゾール(40.3μL、500.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(70.1mg、250.0μmol)の混合物を室温で10分間撹拌する。4-アミノ-6-メチルピリミジン(22.9mg、210.0μmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌する。中間体B-4(48.7mg、190.0μmol)およびDIPEA(100.0μL、581.0μmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で3.5時間撹拌した後、室温まで冷却する。撹拌を室温で20時間続け、混合物を直接、分取HPLCで精製し、実施例32を得る。
ESI-MS:433/435[M+H]+;HPLC(Rt):0.75分(方法B)
(実施例33)
Figure 2023522307000089
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノ-6-エチルピリミジン(40.8mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-2(73.4mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例33を得る。
ESI-MS:413[M+H]+;HPLC(Rt):0.75分(方法B)
(実施例34)
Figure 2023522307000090
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノ-6-エチルピリミジン(40.8mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-7(90.0mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例34を得る。
ESI-MS:463[M+H]+;HPLC(Rt):0.82分(方法B)
(実施例35)
Figure 2023522307000091
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノ-6-エチルピリミジン(40.8mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-6(78.8mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例35を得る。
ESI-MS:429/431[M+H]+;HPLC(Rt):0.81分(方法B)
(実施例36)
Figure 2023522307000092
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノ-6-エチルピリミジン(40.8mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-3(79.4mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例36を得る。
ESI-MS:431[M+H]+;HPLC(Rt):0.77分(方法B)
(実施例37)
Figure 2023522307000093
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノ-6-エチルピリミジン(40.8mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-1(73.4mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例37を得る。
ESI-MS:413[M+H]+;HPLC(Rt):0.74分(方法B)
(実施例38)
Figure 2023522307000094
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノ-6-エチルピリミジン(40.8mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-4(84.8mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例38を得る。
ESI-MS:447/449[M+H]+;HPLC(Rt):0.81分(方法B)
(実施例39)
Figure 2023522307000095
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノ-6-エチルピリミジン(40.8mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-8(84.0mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例39を得る。
ESI-MS:445[M+H]+;HPLC(Rt):0.75分(方法B)
(実施例40)
Figure 2023522307000096
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノ-6-エチルピリミジン(40.8mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-5(78.8mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例40を得る。
ESI-MS:429/431[M+H]+;HPLC(Rt):0.78分(方法B)
(実施例41)
Figure 2023522307000097
DMA(2mL)中の中間体E-4(50.0mg、146.0μmol)、1-メチルイミダゾール(46.5μL、585.0μmol)、クロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(49.3mg、176.0μmol)および4-アミノピリミジン(15.3mg、161.0μmol)の混合物を室温で3時間撹拌する。水を加えた後、生成した沈殿物を濾過することにより収集する。沈殿物をDCMに溶解し、相分離カートリッジを通過させて残留水を除去する。有機相を減圧下で濃縮し、アセトニトリルに溶解し、凍結乾燥して、粗生成物を得る。粗生成物をアセトニトリル/メタノール(1/1 v/v)およびDMFの混合物でスラリー化し、その後、濾過する。有機相を分取HPLCで精製して、実施例41を得る。
ESI-MS:419/421[M+H]+;HPLC(Rt):0.73分(方法B)
(実施例42)
Figure 2023522307000098
DMA(2mL)中の中間体E-2(50.0mg、154.0μmol)、1-メチルイミダゾール(48.8μL、615.0μmol)、クロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(51.8mg、184.0μmol)および4-アミノピリミジン(16.1mg、169.0μmol)の混合物を室温で3時間撹拌する。水を加えた後、生成した沈殿物を濾過することにより収集する。沈殿物をDCMに溶解し、相分離カートリッジを通過させて残留水を除去する。有機相を減圧下で濃縮し、アセトニトリルに溶解し、凍結乾燥して、粗生成物を得る。粗生成物をMPLC(シリカゲル、勾配DCM/メタノール100→95/5 v/v)で精製する。生成物を含む画分を収集し、減圧下で濃縮する。分取HPLCで再精製することにより、実施例42を得る。
ESI-MS:403[M+H]+;HPLC(Rt):0.89分(方法D)
(実施例43)
Figure 2023522307000099
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノピリミジン(31.5mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-1(73.4mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例43を得る。
ESI-MS:385[M+H]+;HPLC(Rt):0.65分(方法B)
(実施例44)
Figure 2023522307000100
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。4-アミノピリミジン(31.5mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-5(78.8mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例44を得る。
ESI-MS:401/403[M+H]+;HPLC(Rt):0.69分(方法B)
(実施例45)
Figure 2023522307000101
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。5-トリフルオロメチル-4-アミノピリミジン(54.0mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-5(78.8mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、直接、分取HPLCで精製して、実施例45を得る。
ESI-MS:469/471[M+H]+;HPLC(Rt):0.84分(方法B)
(実施例46)
Figure 2023522307000102
NMP(0.7mL)中の3-クロロピラジン-2-カルボン酸(50.0mg、315.0μmol)、1-メチルイミダゾール(63.5μL、788.0μmol)およびクロロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(110.6mg、394.0μmol)の混合物を室温で5分間撹拌する。5-トリフルオロメチル-4-アミノピリミジン(54.0mg、331.0μmol)を加え、混合物を室温で4時間撹拌する。中間体B-1(73.4mg、331.0μmol)およびDIPEA(0.3mL、1.7mmol)を反応混合物に加える。混合物を100℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却する。反応混合物をアセトニトリルで希釈し、分取HPLCで2回精製して、実施例46を得る。
ESI-MS:453[M+H]+;HPLC(Rt):0.79分(方法B)

Claims (11)

  1. 式(I)の化合物またはその塩。
    Figure 2023522307000103
    (式中、
    Aは、
    Figure 2023522307000104
    からなる群Aaから選択され;
    1は、H-およびF-からなる群R1aから選択され;
    2は、H-およびF-からなる群R2aから選択され;
    3は、ハロゲン、F2HCO-、F3CO-、F2HC-およびF3C-からなる群R3aから選択され;
    4は、H-およびC1-3-アルキル-からなる群R4aから選択され、
    ここで、前記C1-3-アルキル-基は、フッ素からなる群から独立して選択される1~5つの置換基で置換されていてもよい)
  2. Aが、
    Figure 2023522307000105
    からなる群Abから選択される、請求項1に記載の化合物またはその塩。
  3. 3が、F-、Cl-およびF2HC-からなる群R3bから選択される、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
  4. 3が、F-からなる群R3cから選択される、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
  5. 4が、H-、C1-2-アルキル-およびF3C-からなる群R4bから選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
  6. 4が、C1-2-アルキル-からなる群R4cから選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物またはその塩。
  7. Figure 2023522307000106

    Figure 2023522307000107

    Figure 2023522307000108

    Figure 2023522307000109

    Figure 2023522307000110

    Figure 2023522307000111
    からなる群から選択される化合物。
  8. 請求項7に記載の化合物の薬学的に許容される塩。
  9. 医薬として使用するための請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  10. 請求項1~7のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物またはその薬学的に許容される塩を、1種または複数種の薬学的に許容される担体と一緒に含む、医薬組成物。
  11. 統合失調症;統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様障害および統合失調症型障害、治療抵抗性統合失調症、減弱精神病症候群ならびに自閉症スペクトラム障害に伴う陽性症状;統合失調症に伴う陽性症状の増強治療、抗精神病薬の増強;統合失調症、統合失調感情障害、統合失調症様障害および統合失調症型障害、治療抵抗性統合失調症、減弱精神病症候群ならびに自閉症スペクトラム障害に伴う陰性症状;統合失調症(CIAS)、統合失調感情障害、統合失調症様障害および統合失調症型障害、治療抵抗性統合失調症、減弱精神病症候群ならびに自閉症スペクトラム障害に伴う認知障害;治療抵抗性統合失調症;統合失調感情障害;統合失調症様障害;統合失調症型障害;医薬品誘発性精神障害;双極性障害;アルツハイマー病;パーキンソン病;血管性認知症および前頭側頭型認知症に伴う減弱精神病症候群および神経精神医学的症状;自閉症スペクトラム障害(ASD);D2受容体アゴニストによって誘発される衝動制御障害;D2受容体アゴニストによって誘発されるギャンブル障害、トゥレット症候群;アルツハイマー病、パーキンソン病、血管性認知症および前頭側頭型認知症に伴う認知欠損;うつ病;注意欠陥多動性障害;大うつ病性障害;薬物嗜癖;不安;双極性障害における躁病;急性躁病;激越;離隔;ならびに前頭葉機能低下(例えば、薬物乱用に伴う前頭葉機能低下)に伴う症状および/または運動過多症状の予防または治療に使用するための請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または請求項10に記載の医薬組成物。
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