JP2023516789A - 組換えベクター核酸の統合を定量化するための組成物及び方法 - Google Patents

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Abstract

ある特定の態様では、本開示は、標的細胞のゲノムへの組換えベクター核酸の統合を定量化する方法に関する。本開示はまた、定量化を実施するための、特定のプライマー及びプローブを含む、組成物及びキットを提供する。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年3月9日出願の米国仮出願第62/987,019号、及び2021年2月11日出願の米国仮出願第63/148,300号の利益を主張するものであり、これらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みである、その全体が参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。当該ASCIIコピーは、2021年2月24日に作成され、名称はPRD4079WOPCT1_SL.txtであり、サイズは21,861バイトである。
標的細胞ゲノムへのゲノム材料の送達及び統合の理解における最近の進歩は、標準治療を多様な疾患に合わせて変化させる大きな可能性を有している。キメラ抗原受容体(「Chimeric antigen receptor、CAR」)T細胞療法は、B細胞悪性腫瘍、並びにリンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、肉腫、神経芽腫、及びある特定の固形腫瘍がんなどの他のがんを治療する潜在性を示しており(例えば、Sadelain et al.,Cancer Discovery3:388-398(2013)及びTitov et al.,Cancer12:125-146(2020)を参照されたい)、一般に、CARを発現しているT細胞を生成するためのT細胞をインビトロで修飾することを含む。ヒト用途のために操作されたT細胞の遺伝子操作に対するほとんどのアプローチは、キメラ抗原受容体(CAR)の安定な発現のために、レンチウイルスなどのレトロウイルスを使用している(Jena et al.,2010、Ertl et al.,2011、Kohn et al.,2011)。しかしながら、ウイルスベクター送達を使用する現在の統合技法の課題のうちの1つは、ベクターが細胞に入ったかどうかだけでなく、導入遺伝子が宿主ゲノムに首尾よく組み込まれている(「ウイルス統合」と呼ばれるプロセス)かどうか、及び何回組み込まれたのか(又はウイルスの統合頻度)を決定することである。
サザンブロットは、当初、レトロウイルスベクター配列コピー数の統合を測定するための好ましい技法であったが、必要な手動の労力に起因して遅くかつ高価である。最近、研究者は、形質導入効率及びコピー数を決定するための定量PCR(「quantitative PCR、qPCR」)方法を開発した。いくつかの方法は、遊離した、組み込まれていないベクターを統合されているものから区別せず、したがって、コピー数を推定するのみである。例えば、Charrier et al.Gene Therapy18:479-487(2011)を参照されたい。いくつかの他の方法は、特定の導入遺伝子に特異的なプライマーを使用する。Hum.Gene Ther.14:497-507(2003)を参照されたい。しかしながら、これらの方法は、正確なコピー数を生成しないか、又は各導入遺伝子に特異的な異なるプライマーを設計する必要性に起因して費用がかかるかのいずれかである。
本開示は、標的細胞のゲノムへの組換えベクター核酸(典型的には導入遺伝子を含む)の統合を定量化する方法を提供し、この方法は、任意の特定の導入遺伝子によって限定されず、任意の特定の導入遺伝子に特異的ではない。本開示はまた、定量化を実施するための特定のプライマー及びプローブを含む、組成物及びキットを提供する。
一態様では、本開示は、細胞ゲノムへの組換えベクター核酸の統合を定量化するための方法であって、方法が、(a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、(b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、統合された組換えベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする、増幅することと、(c)ステップ(b)を通じて増幅されたゲノム核酸を定量化することと、を含む。
いくつかの実施形態では、定量化は、コピー数を決定することを含む。いくつかの実施形態では、定量的増幅技法は、定量PCRである。いくつかの実施形態では、定量的増幅技法は、デジタルPCRである。いくつかの実施形態では、定量的増幅技法は、滴デジタルPCRである。いくつかの実施形態では、定量的増幅技法は、エンドポイントPCRである。
ある特定の実施形態では、宿主細胞ゲノムへの組換えベクター核酸の統合を定量化することは、生体試料の統合された組換えベクター配列コピー数を参照ポリヌクレオチド配列と比較することを更に含む。いくつかの実施形態では、参照ポリヌクレオチド配列は、ハウスキーピングタンパク質をコードする。いくつかの実施形態では、ハウスキーピングタンパク質は、アルブミンである。いくつかの実施形態では、統合された組換えベクター配列コピー数及び参照ポリヌクレオチド配列コピー数は、マルチプレックスで測定される。いくつかの実施形態では、統合された組換えベクター配列コピー数及び参照ポリヌクレオチド配列コピー数は、シングルプレックスで測定される。
いくつかの実施形態では、方法は、以下からなる群から選択される1つ以上のアッセイ許容基準を評価することによって、組換えベクター核酸の統合を定量化するためのアッセイの確実性を評価することを更に含む:(a)テンプレートDNAを含有しない対照の全ての複製物におけるプロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルが、決定不可能であること、(b)標準試料を使用する線形回帰によって生成された、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の標準曲線の相関係数が、0.97以上であること、(c)当該標準曲線の勾配からの、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の推定コピー値が、90%~110%のPCR効率を示すこと、(d)標準試料のうちのいずれかの複製物のうちのいずれにおいても、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルが、決定不可能でないこと、(e)塩基標準試料における、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の平均閾値サイクルが、22.0以下であること、(f)各標準試料における、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルの標準偏差が、0.60以下であること、(g)1つ以上の陽性対照試料の参照ポリヌクレオチド配列の平均測定コピーが、公称予想値の30%以内であること、(h)1つ以上の陽性対照試料の測定平均VCN/細胞値が、各対照の公称予想VCN/細胞値の30%以内であること、並びに(i)1つ以上の陽性対照試料のVCN/細胞値の変動係数が、20%以下であること。
いくつかの実施形態では、方法は、以下からなる群から選択される1つ以上の試料許容基準を評価することによって、試料の組換えベクター核酸の統合の定量化の確実性を評価することを更に含む:(a)試料における参照ポリヌクレオチド配列の平均コピー値が、30,303.030コピーの予想値の30%以内であること、(b)試料が0.02μg/μL未満のゲノムDNA(genomic DNA、gDNA)濃度を有する場合、その試料の参照ポリヌクレオチド配列の予想コピーが、反応に実際に充填されたDNAの量から計算されること、(c)試料における平均標的プロウイルスコピー値が、アッセイのコピー値の検証された範囲の間であること、(d)試料における平均標的プロウイルスコピー値が、121,212.121~193.939コピーであること、(e)標的試料の複製物のVCN/細胞値の変動係数が、20%以下であること、並びに、(f)試料における、標的プロウイルス及び標的参照ポリヌクレオチド配列の両方のサイクル閾値の標準偏差が、0.60以下であること。
いくつかの実施形態では、組換えベクターは、導入遺伝子を含有する。いくつかの実施形態では、組換えベクターは、遺伝子療法ベクターである。いくつかの実施形態では、組換えベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換えベクターは、レトロウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクターは、レンチウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターが基づくレンチウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス1(human immunodeficiency virus 1、HIV-1)、又はヒト免疫不全ウイルス2(HIV-2)である。
いくつかの実施形態では、細胞ゲノムへの組換えベクター核酸の統合を定量化する方法は、導入遺伝子の同定のための方法を更に含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子の同定のための方法は、(a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、(b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、導入遺伝子に特異的にハイブリダイズする、を増幅することと、(c)ステップ(b)を通じて増幅されたゲノム核酸を検出及び/又は定量化することと、を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、配列番号19又は21の配列を含む核酸配列によってコードされたポリペプチドである。
いくつかの実施形態では、統合された組換えベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号1、配列番号5、又は配列番号14の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組換えベクター核酸を増幅するための第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号2、配列番号6、又は配列番号15の核酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、統合された組換えベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーは、統合された組換えベクター配列のLTR配列に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーは、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU3領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーは、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU3領域及びR領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーは、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのPBS領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーは、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルに特異的にハイブリダイズする。ある特定の実施形態では、プライマーは、天然に存在するレトロウイルス核酸配列に特異的にハイブリダイズしないであろう。
いくつかの実施形態では、方法は、増幅された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする検出可能な核酸プローブを利用する。いくつかの実施形態では、組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプローブは、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、統合された組換えベクター核酸のプローブは、統合された組換えベクター核酸のLTR配列に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ステップ(b)で使用されるレンチウイルスベクター核酸のプローブは、レンチウイルスの5’LTRのU3領域及びR領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ステップ(b)で使用されるレンチウイルスベクター核酸のプローブは、レンチウイルスの5’LTRのU5領域及びPBS領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ステップ(b)で使用されるレンチウイルスベクター核酸のプローブは、レンチウイルスの5’LTRのPBS領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ステップ(b)で使用されるレンチウイルスベクター核酸のプローブは、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのR領域及びU5領域に特異的にハイブリダイズする。ある特定の実施形態では、ステップ(b)は、インターカレート色素を利用する。いくつかの実施形態では、インターカレート色素は、SYBRグリーンである。
いくつかの実施形態では、生体試料は、細胞試料又は組織試料である。具体的には、いくつかの実施形態では、組織試料は、血液、血漿、血清、唾液、又は組織生検である。いくつかの実施形態では、試料は、対象からのものである。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、組換えベクター核酸配列は、導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、キメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体域は、配列番号18、配列番号20、又は配列番号22のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は、配列番号19又は配列番号21の配列を含む核酸配列によってコードされるポリペピドである。いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は、BCMA、KLK2、又はGPRC5Dを認識する。
いくつかの実施形態では、方法は、参照ポリヌクレオチド配列を特異的に増幅する少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマーを同時に利用することを更に含む。
なお別の態様では、本開示は、組換えベクター核酸の形質導入効率を監視するための方法であって、a)組換えベクター核酸によって形質導入されたゲノムDNAを含有する1つ以上の生体試料を提供することであって、組換えベクター核酸の一部分が、ゲノムDNAに統合される、生体試料を提供することと、b)本開示の方法に従って、宿主細胞ゲノムに統合された組換えベクター核酸を定量化することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、生体試料の組換えベクター配列コピー数を参照と比較することを更に含む。
更に別の態様では、本開示は、組換えベクターによって形質導入された細胞製品についてのロットリリース試験の方法であって、各ロットから、組換えベクターによって形質導入されたゲノムDNAを含有する細胞製品の1つ以上の生体試料を提供することと、b)本開示の方法に従って、各生体試料における、宿主細胞ゲノムに統合された組換えベクター核酸を定量化することと、c)ステップ(b)で定量化された生体試料の統合された組換えベクター配列コピー数を、参照と比較することと、d)統合された組換えベクター配列コピー数が所定の基準に合格するロットをリリースすることと、を含む、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、細胞ゲノムへのレトロウイルスベクター核酸の統合を定量化する方法であって、方法が、(a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、(b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、統合されたレトロウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする、を増幅することと、(c)ステップ(b)を通じて増幅されたゲノム核酸を定量化することであって、宿主細胞ゲノムへのレトロウイルスベクター核酸の統合を定量化することが、参照に対する増幅されたレトロウイルスベクター核酸の比を比較することを含む、定量化することと、を含み、レトロウイルスベクター核酸が、レンチウイルスベクター配列であり、オリゴヌクレオチドプライマー対が、それぞれ配列番号1の核酸配列及び配列番号2の核酸配列、又はそれぞれ配列番号5の核酸配列及び配列番号6の核酸配列、又はそれぞれ配列番号14の核酸配列及び配列番号15の核酸配列を含む、方法を提供する。ある特定の実施形態では、定量化は、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含む検出可能なプローブを使用する。別の態様では、本開示は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号14、配列番号15、又は配列番号16の核酸配列を含むオリゴヌクレオチドを提供する。
別の態様では、本開示は、統合された組換えベクター核酸コピー数を測定するためのキットであって、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプライマー対のプライマーであって、プライマー対が、統合された組換えベクター核酸の一部分を特異的に増幅する、プライマーと、増幅された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする検出可能な核酸プローブと、を含む、キットを提供する。
別の態様では、本開示は、統合された組換えベクター核酸配列コピー数を測定するためのキットであって、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする、配列番号1、配列番号5、又は配列番号14の核酸配列を含む順方向プライマーと、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする、配列番号2、配列番号6、又は配列番号15の核酸配列を含む逆方向プライマーと、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含む検出可能なプローブと、を含む、キットを提供する。
本開示は、前述の態様及び実施形態のうちのいずれかの全ての組み合わせ、並びに詳細な説明及び実施例に記載の実施形態のうちのいずれかとの組み合わせを企図する。
本発明を説明する目的で、本開示のある特定の実施形態が図面に図示されている。しかしながら、本開示は、図面に図示された実施形態の精密な配置及び手段に限定されるものでない。
キメラ抗原受容体(CAR)をコードする導入遺伝子を含む、例示的なレンチウイルスベクタートランスファープラスミドを示す。パネル1Aに示されるように、レンチウイルスベクター導入遺伝子は、5’-LTR(部位C)及び3’-LTR(部位D)に隣接するCARをコードする。長方形の黒色のボックスは、例示的なプライマー及び/又はプローブ結合部位を示し、「X」は、定量化可能なアンプリコンを作製するためのプライマー結合部位の欠如を示す。 標的細胞への当該ベクターの一部分の統合後の細胞、及び統合された導入遺伝子の細胞表面での発現を示す。パネル1Bに示されるように、レンチウイルスベクターが細胞のゲノムに組み込まれるとき、5’-LTR領域の一部分(部位A)が、3’-LTR配列のΔU3部分に置き換えられている。長方形の黒色のボックスは、例示的なプライマー及び/又はプローブ結合部位を示し、「X」は、定量化可能なアンプリコンを作製するためのプライマー結合部位の欠如を示す。統合された5’-LTR(部位A)は、ΔU3部位を有し、トランスファープラスミド5’-LTR(部位C)は有さない。 例示的なレンチウイルスベクター配列に対する、本開示の選択されたプライマー及びプローブのアラインメントを示す。以下の配列を示す:例示的なレンチウイルスベクター配列(配列番号13)、5LTR_対1及び2_Fプライマー(配列番号1)、5LTR_対1プローブ(配列番号3)、5LTR_対1及び2_Rプライマー(配列番号2)、5LTR_対2_プローブ(配列番号4)、5LTR_対3_Fプライマー(配列番号5)、5LTR_対3_プローブ(配列番号7)、5LTR_対3_Rプライマー(配列番号6)、5LTR_対4_Fプライマー(配列番号14)、5LTR_対4_Rプライマー(配列番号15)、5LTR_対4_プローブ(配列番号16)。 qPCR(3A)対フローサイトメトリー(3B)の血液中のGPRc5d CAR-T定量化結果を、隣り合わせに示す。 qPCR(3A)対フローサイトメトリー(3B)の血液中のGPRc5d CAR-T定量化結果を、隣り合わせに示す。
概論
本発明は、宿主細胞のゲノムに送達される組換えベクター核酸、したがって導入遺伝子の統合を検出及び/又は定量化するための方法を提供する。CAR-T細胞などの形質導入された細胞における、導入遺伝子配列を送達する組換えベクターの特異的検出及び/又は定量化に対する需要が存在する。この目的のために、発明者らは、CARなどの導入遺伝子をコードする組換えベクター核酸の統合を検出及び/又は定量化するための方法を開発したが、導入遺伝子又は統合されていない組換えベクター核酸配列を送達するために使用された残留プラスミドを検出及び/又は定量化するための方法は開発されていない。細胞へベクターが首尾よく組み込まれているかどうかを、導入遺伝子に依存しない配列を用いて同定する能力は、定量PCR、デジタルPCR、又は他の定量方法を使用して、より正確な、普遍的かつより安価な定量化を可能にする。本開示は、トランスファープラスミドベクターにおける5’-LTRの配列に対する、宿主ゲノムへの統合時の5’-LTRの変化を利用して、組換えベクターを介して送達及び組み込まれた遺伝情報を同定及び定量化する、方法及びキットを提供する。コピー数を含むそのような情報は、トランスフェクション又は形質導入の条件を理解及び最適化するために重要である。本発明の方法は、レンチウイルスベクターの形質導入効率の監視、及びインビボ特徴評価を容易にする。したがって、本開示は、標的細胞のゲノムへの組換えベクター核酸統合を定量化するための改善された方法を提供する。本明細書に記載の例示的な実施形態は、統合されたレトロウイルスベクター核酸の検出に関するが、発明の方法は、宿主ゲノムへの統合時に統合されていない核酸と区別可能である、任意の組換え核酸ベクター配列に適用することができる。
本出願全体を通じて、様々な文書が参照されている。これらの文書の全体の開示が、参照により本出願に組み込まれる。
本明細書で別途定義されない限り、本発明に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者に一般的に理解される意味を有するものとする。更に、文脈によって別途必要とされない限り、単数形の用語は複数を含むものとし、複数形の用語は単数を含むものとする。一般に、本明細書に記載の細胞及び組織培養、分子生物学、細胞及びがん生物学、ウイルス学、免疫学、微生物学、遺伝子及びタンパク質及び核酸化学に関連して使用される命名法、並びにそれらの技術は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用されているものである。本明細書に記載の本発明の各実施形態は、単独で、又は本発明の1つ以上の他の実施形態と組み合わせて理解され得る。
本発明の方法及び技法は、別途示されない限り、一般に、当該技術分野で周知の従来の方法に従って、かつ本明細書全体を通じて引用され論じられる様々な一般的かつより具体的な参考文献に記載されるように、実施される。様々な実施形態の方法及び技法は、別途示されない限り、一般に、当該技術分野で周知の分子生物学、細胞生物学、生化学、マイクロアレイ及び配列決定技術の方法に従って、かつ本明細書全体を通じて引用され論じられる様々な一般的かつより具体的な参考文献に記載されているように、実施される。例えば、Motulsky,「Intuitive Biostatistics」,Oxford University Press,Inc.(1995)、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989)、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates(1992,and Supplements to 2003)、Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1990)、Coffin et al.,Retroviruses,Cold Spring Harbor Laboratory Press; Cold Spring Harbor,N.Y.(1997)、Bast et al.,Cancer Medicine,5th ed.,Frei,Emil,editors,BC Decker Inc.,Hamilton,Canada(2000)、Lodish et al.,Molecular Cell Biology,4th ed.,W.H.Freeman & Co.,New York(2000)、Griffiths et al.,Introduction to Genetic Analysis,7th ed.,W.H.Freeman & Co.,New York(1999)、Gilbert et al.,Developmental Biology,6th ed.,Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA(2000)、及びCooper,The Cell A Molecular Approach,2nd ed.,Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA(2000)を参照されたい。
本明細書で使用される化学用語は、「The McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms」,Parker S.,Ed.,McGraw-Hill,San Francisco,C.A.(1985)によって例示される、当該技術分野における従来の使用法に従って使用される。
本出願において参照される上の全て、並びに任意の他の刊行物、特許、及び公開特許出願は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。矛盾が生じる場合、その特定の定義を含め本明細書が優先される。
定義
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」、「核酸」、及び「核酸分子」という用語は、互換的に使用される。それらは、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態、DNA分子(例えば、cDNA又はゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、DNA-RNAハイブリッド、及びそれらの類似体を指す。核酸分子は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、二本鎖DNA、一本鎖DNA、多鎖DNA、相補的DNA、ゲノムDNA、非コードDNA、メッセンジャーRNA(messenger RNA、mRNA)、マイクロRNA(microRNA、miRNA)、核小体低分子RNA(small nucleolar RNA、snoRNA)、リボソームRNA(ribosomal RNA、rRNA)、トランスファーRNA(transfer RNA、tRNA)、低分子干渉RNA(small interfering RNA、siRNA)、ヘテロ核RNA(heterogeneous nuclear RNA、hnRNA)、又は小ヘアピンRNA(small hairpin RNA、shRNA)であり得る。ある特定の実施形態では、方法は、DNA又はRNA、例えば、ゲノムDNAなどの核酸試料で実施され得る。
ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体などの修飾ヌクレオチドを含み得る。存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、ポリマーの組み立ての前又は後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド構成要素によって中断され得る。ポリヌクレオチドは、標識構成要素とのコンジュゲーションなどによって更に修飾され得る。「組換え」ポリヌクレオチドという用語は、天然に存在しないか、又は非天然配置で別のポリヌクレオチドに連結されているかのいずれかである、ゲノム、cDNA、半合成、又は合成起源のポリヌクレオチドを意味する。ポリヌクレオチドは、遺伝子の発現を調節するヌクレオチド配列を指す「発現制御配列」に操作可能に連結され得る。
「内因性」という用語は、対象の内側の供給源に由来するタンパク質、核酸、細胞、又は別の分子を指す。
「外因性」という用語は、対象の外側の供給源に由来するタンパク質、核酸、細胞、又は別の分子を指す。外因性分子の非限定的な例としては、組換えタンパク質、プラスミド、ウイルス、ドナー対象からの細胞、ドナー対象からの組織、ドナー対象からの臓器、又は合成化学物質が挙げられる。
本明細書全体を通じて、「含む(comprise)」という用語及び「含む(comprises)」又は「含むこと(comprising)」などの変形は、記載される整数又は整数の群を含むが、任意の他の整数又は整数の群を除外するものではないことを意味すると理解されるであろう。
別途文脈が明らかに既定しない限り、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、複数の指示対象を含む。
「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」を意味するために使用される。「含む」及び「含むが、これらに限定されない」は、互換的に使用される。
「対象」又は「個体」は互換的に使用され、イヌ、ネコ、鳥類、家畜、特に哺乳類などの任意の動物、好ましくはヒトを指す。
「組換えベクター核酸」という用語は、天然に存在する配列と比較して少なくとも1つの修飾を含む核酸を送達するためのベクターを含み、形質導入された細胞のゲノムにおいて発現する外因性タンパク質をコードする導入遺伝子を含有し得る核酸配列を指す。
「レトロウイルスベクター核酸」という用語は、天然に存在するレトロウイルス配列への少なくとも1つの修飾を含むレトロウイルスベクターの少なくとも一部分であり、形質導入された細胞のゲノム、例えばレンチウイルスベクタートランスファープラスミドの一部分で発現する外因性タンパク質をコードする導入遺伝子を含有し得る核酸配列を指す。「レトロウイルスベクター核酸配列」は、レトロウイルスベクターに関連しない天然に存在するレトロウイルス核酸を含まない。宿主細胞ゲノムに統合されたレトロウイルスベクター核酸は、時折、「プロウイルス核酸」と称される。
「レトロウイルスベクター」という用語は、主にレトロウイルスに由来する構造的かつ機能的遺伝的要素を含有するベクターを指す。
本明細書で使用される場合、「レトロウイルス」という用語は、線状二本鎖DNAコピーにそのゲノムRNAを逆転写し、その後宿主ゲノムにそのゲノムDNAを共有結合的に統合するRNAウイルスを指す。特定の実施形態での使用に好適な例示的なレトロウイルスとしては、限定されないが、Moloneyマウス白血病ウイルス(Moloney murine leukemia virus、MoMLV)、Moloneyマウス肉腫ウイルス(Moloney murine sarcoma virus、MoMSV)、Harveyマウス肉腫ウイルス(Harvey murine sarcoma virus、HaMuSV)、マウス乳房腫瘍ウイルス(murine mammary tumor virus、MuMTV)、テナガザル白血病ウイルス(gibbon ape leukemia virus、GaLV)、ネコ白血病ウイルス(feline leukemia virus、FLV)、スピューマウイルス、フレンドマウス白血病ウイルス、マウス幹細胞ウイルス(Murine Stem Cell Virus、MSCV)、ラウス肉腫ウイルス(Rous Sarcoma Virus、RSV)、及びレンチウイルスが挙げられる。
「レンチウイルスベクター」という用語は、主にレンチウイルスに由来する構造的及び機能的遺伝的要素を含有するベクターを指すレトロウイルスベクターのサブセットである。ある特定の実施形態では、レンチウイルスベクターは、既知の方法に従って生成される。例えば、Kutner et al,BMC Biotechnol.2009、Kutner et al.,Nat.Protoc.2009を参照されたい。本発明は、細胞に直接形質導入することができる導入遺伝子を発現している、組換え、レトロウイルス、及びレンチウイルスベクター構築物を含む。特定の実施形態では、レンチウイルスベクターを使用して、CARをコードするポリヌクレオチドを細胞に送達する。
本明細書で企図されるある特定の具体的な実施形態によれば、ウイルスベクター骨格配列のうちのほとんど又は全ては、レンチウイルス、例えば、HIV-1に由来する。しかしながら、レトロウイルス配列及び/若しくはレンチウイルス配列の多くの異なる供給源が使用され得るか、又は本明細書に記載の機能を実施するためのトランスファーベクターの能力を損なうことなく、ある特定のレンチウイルス配列における組み合わされた多数の置換及び変更を、対応させることができることが理解されるものである。更に、多様なレンチウイルスベクターが当該技術分野で既知であり、(Naldini et al,(1996a,1996b,and 1998)、Zufferey et al,(1997)、Dull et al,1998、米国特許第6、013、516号、及び同第5、994、136号を参照されたい)、これらのうちの多くを、本明細書で企図されるウイルスベクター又はトランスファープラスミドを生成するように適合させることができる。
「レンチウイルス」は、ゆっくりと発症する疾患を生じるレトロウイルスの群(又は属)を指す。この群内に含まれるウイルスとしては、HIV(ヒト免疫不全ウイルス;HIV1型、及びHIV2型を含む)、ヒト後天性免疫不全症候群(etiologic agent of the human acquired immunodeficiency syndrome、AIDS)の病因物質;ヒツジに脳炎(ビスナ)又は肺炎(マエディ)を引き起こすビスナ-マエディ、ヤギに免疫不全、関節炎、及び脳症を引き起こすカプリン関節炎-脳炎ウイルス;ウマに自己免疫溶血性貧血及び脳症を引き起こすウマ感染性貧血ウイルス;ネコに免疫不全を引き起こすネコ免疫不全ウイルス(feline immunodeficiency virus、FIV);ウシにリンパ節症、リンパ球症、及び場合によっては中枢神経系感染を引き起こすウシ免疫不全ウイルス(bovine immune deficiency virus、BIV);類人猿に免疫不全及び脳症を引き起こす類人猿免疫不全ウイルス(simian immunodeficiency virus、SIV)が挙げられる。これらのウイルスによって引き起こされる疾患は、長いインキュベーション期間及び長い経過を特徴とする。通常、ウイルスは、単球及びマクロファージを急激に感染させ、それから他の細胞に広がる。HIV、FIV、及びSIVはまた、Tリンパ球(すなわち、T細胞)に容易に感染する。様々な実施形態では、本明細書で企図されるレンチウイルスベクターは、1つ以上のLTR、及び以下のアクセサリー要素、すなわち、cPPT/FLAP、プサイ(Ψ)パッケージングシグナル、輸出要素、ポリ(A)配列のうちの1つ以上又は全てを含み、任意選択的に、本明細書の他の箇所で論じられるWPRE又はHPRE、インスレーター要素、選択可能なマーカー、及び細胞自殺遺伝子を含み得る。
レンチウイルスベクターは、好ましくは、LTRを修飾する結果としてのいくつかの安全性向上を含む。「自己不活性化」(Self-inactivating、SIN)ベクターは、複製欠陥ベクターを指す。「自己不活性化ベクター」という用語は、U3領域として知られる右(3’)LTRエンハンサー-プロモーター領域が、ウイルス複製の最初のラウンドを超えるウイルス転写を防止するために(例えば、欠失又は置換によって)修飾されているベクターを指す。ある特定の実施形態では、LTR U3は、ΔU3である。結果的に、ベクターは、宿主ゲノムを感染させ、次いで宿主ゲノムに1回のみ統合することが可能であり、更に受け継がれることができない。これは、右(3’)LTR U3領域が、ウイルス複製中に左(5’)LTR U3領域のテンプレートとして使用され、したがって、ウイルス転写物が、U3エンハンサー-プロモーターを用いずに作製されることができないことが理由である。ウイルス転写物が作製されない場合、ビリオンへと処理又は包装されることができず、したがって、ウイルスの寿命サイクルは終了する。したがって、SINベクターは、右(3’)LTR U3領域が、第1の複製ラウンドを超えるウイルス転写を防止するように修飾されているので、望ましくない複製コンピテントウイルスを作り出すリスクを大幅に低減し、したがって、ウイルスが受け継がれる能力が排除される。更なる安全性向上は、5’LTRのU3領域を異種プロモーターで置き換えてウイルス粒子の生成中にウイルスゲノムの転写を推進することによって提供される。使用することができる異種プロモーターの例としては、例えば、ウイルス性シミアンウイルス40(simian virus、SV40)(例えば、早発性又は遅発性)、サイトメガロウイルス(cytomegalovirus、CMV)(例えば、即時早発性)、Moloneyマウス白血病ウイルス(MoMLV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、及び単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus、HSV)(チミジンキナーゼ)プロモーターが挙げられる。
「長い末端反復(long terminal repeat、LTR)」という用語は、レトロウイルスなどのある特定の組換えDNAの末端に位置する塩基対のドメインを指し、これは、それらの天然配列の文脈において、直接反復であり、U3、R、及びU5領域を含有する。LTRは、一般に、組換え遺伝子の発現(例えば、遺伝子転写物の促進、開始、及びポリアデニル化)及びウイルス複製に基本的な機能を提供する。
「R領域」という用語は、キャッピング基の開始(すなわち、転写開始)位置で始まり、ポリAトラクトの開始位置直前に終了する、組換えLTR内の領域を指す。R領域はまた、U3及びU5領域に隣接するものとして定義される。R領域は、ゲノムの一方の末端から他方への新生DNAの移植を可能にする逆転写中に重要な役割を果たす。「PBS領域」という用語は、tRNALysプライマーのプライマー結合部位(primer binding site、PBS)として機能し、逆転写の開始に必要である、5’-LTRのU5領域の下流の領域を指す。
「統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする」という用語は、宿主細胞のゲノムに統合されている組換えベクター核酸への、核酸、例えば、プライマーの特異的ハイブリダイゼーションを指すが、導入遺伝子又は統合されていない組換えベクター核酸配列を送達するために使用された残留プラスミドは指さない。
試験のためのアッセイ
本開示の組換えベクター核酸の有効性及び特性は、多くの利用可能なインビトロ又はインビボアッセイのうちのいずれかを利用することによって容易に試験することができる。いくつかのそのようなアッセイを以下に記載する。本開示は、開示の任意の組換えベクター核酸が、これらのアッセイのうちのいずれか、並びに当該技術分野で既知の他のものを使用して試験され得ることを企図する。
いくつかの実施形態では、標的細胞のゲノムへの組換えベクター核酸統合を定量化するために、定量ポリメラーゼ連鎖反応(quantitative Polymerase Chain Reaction、qPCR)が用いられる。いくつかの実施形態では、標的細胞のゲノムへの組換えベクター核酸統合を定量化するために、デジタルポリメラーゼ連鎖反応(digital Polymerase Chain Reaction、dPCR)が用いられる。いくつかの実施形態では、標的細胞のゲノムへの組換えベクター核酸統合を定量化するために、滴デジタルポリメラーゼ連鎖反応(droplet digital Polymerase Chain Reaction、ddPCR)が用いられる。これらの実施形態では、統合された組換えベクター核酸のLTR配列に特異的なプライマーを使用するqPCR又はdPCRのための、組換えベクター核酸を発現している細胞(例えば、PBMC細胞)の培養物が採取され、調製される。そのような実験は、形質導入されたCAR-T細胞のゲノムにおけるCARをコードする統合された組換えベクター核酸配列を検出するが、残留する統合されていないトランスファープラスミドは検出しない。
本開示の方法及び使用
本開示は、細胞ゲノムへの組換えベクター核酸の統合を検出及び/又は定量化する方法を提供する。この方法では、ある特定の実施形態では、宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供する。生体材料を提供することは、この分析の目的のために所与の時間に取得された生体材料などの新鮮な生体材料を提供することを含む。生体材料を提供することはまた、この目的若しくは他の目的のために患者の治療中の別の時点で取得された以前に得られた生体材料を使用すること、又はアーカイブされた患者材料を使用することを含む。生体材料は、新たに得られても前もって得られてもよく、前もって得られた場合、使用前に(例えば、室温、冷蔵、又は凍結で)保存されていてもよい。例示的な生体材料としては、限定されないが、全血、血清、血漿、尿、糞便、脳脊髄液、腹水などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、生体材料は、生体試料のゲノムDNAを単離するために、精製されても、又は別の方法で処理されてもよい。そのような処理としては、HPLC、排除クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、親和性クロマトグラフィー、市販のDNA抽出若しくは精製キット、又は他の精製技法を挙げることができる。
生体試料のゲノムDNAを増幅する方法としては、限定されないが、参照により本明細書に組み込まれる以下の参考文献に開示されている、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、線状ポリメラーゼ反応、核酸配列に基づく増幅(nucleic acid sequence-based amplification、NASBA)、ローリングサークル増幅、デジタルPCR(dPCR)、滴デジタルPCR(ddPCR)、エンドポイントPCRなどが挙げられる:Mullis et al、米国特許第4、683、195号、同第4,965,188号、同第4,683,202号、同第4,800,159号(PCR)、Gelfand et al、米国特許第5,210,015号(「TAQMAN商標」プローブを用いるリアルタイムPCR)、Wittwer et al、米国特許第6,174,670号、Kacian et al、米国特許第5,399,491号(「NASBA」)、Lizardi、米国特許第5,854,033号、Aono et al、日本特許出願公開第4-262799号(ローリングサークル増幅)、及び同様物。
ある特定の実施形態では、次いで、定量的増幅技法を使用して、生体試料のゲノムDNAを増幅する。定量的増幅技法は、当業者に既知であり、定量PCR(qPCR)、デジタルPCR、及びエンドポイントPCRが挙げられる。「qPCR」又は「リアルタイム定量PCR」(リアルタイム定量ポリメラーゼ連鎖反応)は、PCRを使用して標的核酸を同時に増幅及び定量化する実験方法を指す。定量化は、複数の測定化学物質(例えば、蛍光染料のSYBR(商標)グリーン又は蛍光レポーターオリゴヌクレオチドプローブのTaqmanプローブを含む)を使用して実施され、リアルタイム定量化は、増幅されたDNAが全ての増幅サイクル後に反応物中に蓄積された状態で実施される。デジタルPCR方法の説明については、例えば、Hindson et al.(2011)Anal.Chem.83(22):8604-8610、Pohl and Shih(2004)Expert Rev.Mol.Diagn.4(1):41-47、Pekin et al.(2011)Lab Chip 11(13):2156-2166、Pinheiro et al.(2012)Anal.Chem.84(2):1003-1011、Day et al.(2013)Methods 59(1):101-107を参照されたく、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「プライマー」という用語は、核酸鎖(テンプレート)に相補的なプライマー伸長生成物の合成を誘導する条件下、すなわち、ヌクレオチド及びDNAポリメラーゼを含む重合混合物の存在下、並びに好適な温度及びpH条件で、合成の開始点として機能することができるオリゴヌクレオチドを意味する。ある特定の実施形態では、プライマーは、デオキシリボヌクレオチドであり、一本鎖である。本発明で使用されるプライマーとしては、天然に存在するdNMP(すなわち、dAMP、dGMP、dCMP、及びdTMP)、修飾ヌクレオチド、又は非天然ヌクレオチドを挙げることができる。加えて、プライマーとしてはまた、リボヌクレオチドを挙げることができる。
プライマーは、重合混合物の存在下で伸長生成物の合成を刺激することが可能なほどに十分に長くなければならない。プライマーの好適な長さは、プライマーの温度、用途、及び供給源などのいくつかの要因によって決定され、典型的には15~30ヌクレオチドである。短いプライマー分子は、一般に、テンプレートと十分に安定なハイブリッド複合体を形成するために、より低い温度を必要とする。
いくつかの実施形態では、増幅生成物(例えば、統合されたレトロウイルス核酸アンプリコン又は対照核酸アンプリコン)に特異的にハイブリダイズする検出可能な核酸プローブは、増幅反応において検出可能なシグナルを生成する。いくつかの実施形態では、検出可能な核酸プローブは、検出可能な薬剤を含む。いくつかの実施形態では、検出可能な核酸プローブは、クエンチャーを含む。検出可能な薬剤及びクエンチャーは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2019/0284610号に開示されているとおりである。
ある特定の実施形態では、蛍光分析は、市販の検出器(例えば、bioradからのDroplet Reader)によって実施され得、各試料の滴蛍光シグナルは装置で検出され得、ポジティブ及びネガティブ滴の数が計数され得、分析は、自動的に完了され得る。
ある特定の実施形態では、「検出可能な核酸プローブ」という用語は、定量PCRに使用されるTaqManプローブを意味する。ある特定の実施形態では、蛍光材料(HEX、VIC、FAM色素)がプローブに結合している。ある特定の実施形態では、3lABkFQは、プローブの3’側のクエンチャーとして使用され得る。TaqManプローブは、それぞれ、5’末端に蛍光物質、3’末端にクエンチャー物質でタグ付けされたオリゴヌクレオチドである。TaqManプローブは、アニーリングステップでテンプレートDNAに特異的にハイブリダイズするが、プローブの3’末端にクエンチャーが存在するので、光が適用された場合でさえも蛍光を呈さない。以下の伸長ステップでは、TaqDNAポリメラーゼの5’から3’へのエキソヌクレアーゼ活性は、テンプレートにハイブリダイズしたTaqManプローブを分解する。次いで、蛍光物質がプローブから分離され、クエンチャーによる阻害が放出される。そのような原理を通じて、PCR反応に起因する蛍光が定量的に示される。
ある特定の実施形態では、本発明によるプローブが、フルオロフォア、並びに標的核酸の非存在下で、かつプローブのTm未満の温度で、蛍光がクエンチングされるような位置にあるクエンチャーを含む、蛍光クエンチングアッセイが使用され得る。本発明によるプローブ及びプライマーには、広範なフルオロフォアが使用され得る。利用可能なフルオロフォアとしては、クマリン、フルオレセイン(FAM)、テトラクロロフルオレセイン、ヘキサクロロフルオレセイン、ルシファーイエロー、ローダミン、BODIPY、テトラメチルローダミン、Cy3、Cy5、Cy7、エオシン、テキサスレッド、及びROXが挙げられる。例えば、Lee et al.(1997),Nucleic Acids Research 25:2816によって記載される、フルオレセイン-ローダミン二量体などの組み合わせたフルオロフォアも好適である。フルオロフォアは、可視スペクトル、又は紫外線若しくは赤外線範囲などの可視スペクトルの外側で吸収及び放出するように選択され得る。当該技術分野で記載の好適なクエンチャーとしては、3lABkFQ、DABCYL、並びにDABSYL、DABMI、及びメチルレッドなどのそれらのバリアントが挙げられる。フルオロフォアはまた、ある特定の他のフルオロフォアの近くにある場合、蛍光をクエンチする傾向があるので、クエンチャーとして使用され得る。いくつかの実施形態では、好ましいクエンチャーは、3lABkFQである。いくつかの実施形態では、好ましいフルオロフォアは、フルオレセイン(FAM)である。いくつかの実施形態では、好ましい内部クエンチャーは、ZENである。いくつかの実施形態では、好ましいフルオロフォアは、VICである。
ある特定の実施形態では、参照ポリヌクレオチド配列を特異的に増幅する少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマーを使用し、かつ第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量PCRを用いて、生体試料のゲノムDNAを同時に増幅し、プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、統合されたレトロウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする。具体的には、図1Bに示されるように、参照ポリヌクレオチド配列を使用して、ゲノム情報を用いて試料中に存在する細胞の数を決定し、したがってコピー数の推定を可能にすることができる。これは、試料における遺伝物質の質量からの変換因子を一般的に使用してコピー数を決定する先行方法の精度を改善することができる。また図1Bに示されるように、ポリヌクレオチドをコードするCARを含むレトロウイルスベクター配列を、宿主細胞のゲノムに組み込むことができる。とりわけ、この組み込まれたレトロウイルスベクター配列は、図1Aに示されるように、組み込まれていないベクターに存在しない5’-LTRデルタU3領域を含む。したがって、図1Bの5’-LTRデルタU3領域のみに相補的なプライマーを含むことによって、方法は、統合されたレトロウイルスベクター配列のみに選択的であり、統合されていないレトロウイルスベクターに選択的ではない。
いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸は、レンチウイルス属のメンバーに基づく。具体的には、レンチウイルスは、強いトランスフェクション効率を示し、遺伝情報を宿主細胞に組み込むための証明されたツールである。いくつかの実施形態では、レンチウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、又はヒト免疫不全ウイルス2(HIV-2)である。いくつかの実施形態では、統合されたレトロウイルスベクター核酸を増幅するためのプライマーは、統合されたレトロウイルスベクター配列のLTR配列に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸を増幅するためのプライマーは、レンチウイルスの5’LTRのU3領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸を増幅するためのプライマーは、レンチウイルスの5’LTRのU3領域及びR領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸を増幅するためのプライマーは、レンチウイルスの5’LTRのPBS領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸を増幅するためのプライマーは、レンチウイルスの5’LTRのPBS領域及びR領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸を増幅するためのプライマーは、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルに特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、組み込まれたレトロウイルスベクター核酸に特異的な配列は、配列番号1、配列番号5又は配列番号14の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、組み込まれたレトロウイルスベクター核酸に特異的な配列は、配列番号2、配列番号6、又は配列番号15の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、増幅されたレトロウイルスベクター核酸に特異的にハイブリダイズする検出可能な核酸プローブを使用する。具体的には、いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプローブは、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含むレトロウイルスベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプローブは、配列の5’末端から測定して、プローブの5’末端、3’末端、及び/又はプローブの第9と第10ヌクレオチドとの間にフルオロフォア又はクエンチャーを更に含む。いくつかの実施形態では、5’末端、3’末端、及び/又は内部にフルオロフォア又はクエンチャーを含むレトロウイルスベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプローブは、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列からなる。特定の実施形態では、内部クエンチャーは、配列の5’末端から測定して、プローブの第9と第10ヌクレオチドとの間にある。いくつかの実施形態では、プローブは、5’末端にフルオロフォア、内部クエンチャー、及び3’末端に第2のクエンチャーを有する。いくつかの実施形態では、好ましいクエンチャーは、3lABkFQである。いくつかの実施形態では、好ましいフルオロフォアは、フルオレセイン(FAM)である。いくつかの実施形態では、好ましい内部クエンチャーは、ZENである。いくつかの実施形態では、好ましいフルオロフォアは、VICである。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプローブは、/FAM/CTTTCAAGT/ZEN/CCCTGTTCGGGCGCC/3lABkFQ/(配列番号12)、又は/56-FAM/TGCCTTGAG/ZEN/TGCTTCAAGTAGTGTGT/3IABkFQ/(配列番号17)である。いくつかの実施形態では、全ての宿主細胞に存在する参照配列を増幅するプライマーは、ハウスキーピングタンパク質をコードする配列の一部分に特異的にハイブリダイズする核酸配列を含む。具体的には、いくつかの実施形態では、ハウスキーピングタンパク質は、アルブミンである。いくつかの実施形態では、アルブミン遺伝子の一部分に特異的にハイブリダイズするプライマー配列は、配列番号8及び/又は9である。いくつかの実施形態では、アルブミン核酸に特異的にハイブリダイズするプローブの配列は、配列番号10である。いくつかの実施形態では、アルブミン核酸に特異的にハイブリダイズするプローブは、/5HEX/AGGGAGA/ZEN/GATTTGTGTGGGCATGAC/3IABkFQ/(配列番号11)である。
この方法では、ある特定の実施形態では、次いで、増幅されたゲノム核酸を検出及び/又は定量化し、参照核酸に対する増幅されたレトロウイルスベクター核酸の比が、細胞ゲノムに統合されたレトロウイルスベクター核酸のコピー数と相関する。具体的には、上に論じられるように、1つのプライマーは、レトロウイルスベクターが宿主細胞ゲノムに組み込まれる場合のみ現れるポリヌクレオチド配列に特異的であるので、qPCRによって計数される配列の数は、試料における、統合されたレトロウイルスベクターの数に正比例する。検出された参照ポリヌクレオチド配列の数によって除算することによって、所与の生体試料のコピー数の直接計算が可能になる。
ある特定の実施形態では、本開示は、対象のゲノムに統合されたレトロウイルスベクター核酸コピー数を決定するための方法を提供する。方法のいくつかの実施形態では、対象のゲノムDNAを含有する生体試料を提供する。方法のいくつかの実施形態では、生体試料における、対象のゲノム内の統合されたレトロウイルスベクター核酸の一部分及び参照ポリヌクレオチド配列を定量PCRによって増幅する。方法のいくつかの実施形態では、(i)レトロウイルスベクター核酸配列を含有する増幅されたポリヌクレオチドの量、及び(ii)参照ポリヌクレオチド配列を含有する増幅されたポリヌクレオチドの量、を決定し、(i)と(ii)との比を決定し、比が、統合されたレトロウイルスベクター核酸コピー数に対応する。
いくつかの実施形態では、増幅は、試料を、統合されたレトロウイルスベクター核酸配列に特異的なプライマー対を含む組成物と組み合わせることと、定量PCRを実行することと、を含む。いくつかの実施形態では、増幅は、試料を、統合されたレトロウイルスベクター核酸配列に特異的なプライマー対を含む組成物と組み合わせることと、定量的増幅技法を実行することと、を含む。いくつかの実施形態では、増幅は、参照ポリヌクレオチド配列に特異的なプライマー対、及び定量的増幅技法を実行することを更に含み、統合されたレトロウイルスベクター核酸配列及び参照ポリヌクレオチドが、実質的に等しい比率で別々に増幅される。いくつかの実施形態では、統合されたレトロウイルスベクター核酸配列のプライマー対の1つのプライマーは、5’LTRに特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸を増幅するためのプライマー対の1つのプライマーは、5’LTRのU3領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、統合されたレトロウイルスベクター核酸配列のプライマー対の1つのプライマーは、5’LTRのU3領域及びR領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸を増幅するためのプライマー対の1つのプライマーは、5’LTRのPBS領域に特異的にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、統合されたレトロウイルスベクター核酸配列は、導入遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、ある特定の標的抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)をコードする。
本開示は、レトロウイルスベクターの形質導入効率を監視するための更に別の方法を提供する。いくつかの実施形態では、レトロウイルスベクター核酸によって形質導入されたゲノムDNAを含有する1つ以上の生体試料を提供し、レトロウイルスベクター核酸の一部分が、ゲノムDNAに統合される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って、各生体試料のゲノムDNAに統合されたレトロウイルスベクター配列コピー数を決定する。いくつかの実施形態では、生体試料のレトロウイルスベクター配列コピー数を参照と比較する。
本開示はまた、レトロウイルスベクターによって形質導入された細胞製品についてのロットリリース試験の方法を提供する。いくつかの実施形態では、各ロットから、レトロウイルスベクターによって形質導入されたゲノムDNAを含有する細胞製品の1つ以上の生体試料を提供する。いくつかの実施形態では、本開示の方法に従って、各生体試料に統合されたレトロウイルスベクター配列コピー数を決定する。いくつかの実施形態では、生体試料のレトロウイルスベクター配列コピー数を参照と比較する。いくつかの実施形態では、統合されたレトロウイルスベクター配列コピー数が所定の基準に合格するロットがリリースされる。ある特定の実施形態では、所定の基準は、コピー数範囲又は対照からの変動パーセントであり得る。
本開示はまた、組換えベクター核酸の統合を定量化するための、アッセイ又は試料の確実性をそれぞれ決定するために使用され得る、アッセイ許容基準及び試料許容基準を提供する。いくつかの実施形態では、組換えベクター核酸配列の統合は、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の測定された量の比の2倍として定義される、細胞(VCN/細胞)値当たりのベクターコピー数を計算することによって決定される。いくつかの実施形態では、プロウイルス又は参照ポリヌクレオチド配列の量は、定量PCR(qPCR)を介して決定される。いくつかの実施形態では、プロウイルス又は参照ポリヌクレオチド配列の量は、qPCR機器によって測定された閾値サイクル(Ct)からの定量PCR(qPCR)によって決定される。閾値サイクル(Ct)は、プロウイルス又は参照ポリヌクレオチド配列のいずれかの各増幅曲線から設定蛍光閾値に達するのに必要なPCRサイクルの数として定義され、それぞれのポリヌクレオチド配列の含有量に相互比例する。
いくつかの実施形態では、アッセイ許容基準又は試料許容基準のうちの1つ以上は、3つ以上の標準試料の3つ以上の複製物を利用する。いくつかの実施形態では、各々3.20VCN/細胞である又は約3.20VCN/細胞である3つ以上の標準試料は、希釈剤として緩衝液を使用して、所定の塩基標準試料から最大4~5倍連続希釈物から調製される。いくつかの実施形態では、塩基標準試料は、121,212.121コピーのプロウイルス及び75,757.576コピーの参照ポリヌクレオチド配列を含有する。いくつかの実施形態では、アッセイ許容基準又は試料許容基準のうちの1つ以上は、1つ以上の陽性対照試料の3つ以上の複製物について、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の測定された量と、既知の濃度のプロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の別々の試料からの当該1つ以上の陽性対照試料の調製中に計算されたプロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の公称量との比較を必要とする。
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のアッセイ許容基準を評価することによって、組換えベクター核酸の統合を定量化するためのアッセイの確実性を評価することを更に含む。いくつかの実施形態では、アッセイは、以下からなる群から選択されるアッセイ許容基準のうちの1つ以上の、又はそれらのうちの全てが満たされる場合、確実である:(a)テンプレートDNAを含有しない対照の全ての複製物におけるプロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルが、決定不可能であること、(b)標準試料を使用する線形回帰によって生成された、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の標準曲線の相関係数が、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、又は0.97以上であること、(c)当該標準曲線の勾配からの推定VCN/細胞値が、80%~120%、82%~118%、84%~116%、86%~114%、88%~116%、又は90%~110%のPCR効率を示すこと、(d)標準試料のうちのいずれかの複製物のうちのいずれにおいても、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルが、決定不可能でないこと、(e)塩基標準試料における、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の平均閾値サイクルが、30.0、28.0、26.0、24.0、又は22.0以下であること、(f)各標準試料における、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルの標準偏差が、0.95、0.90、0.85、0.80、0.75、0.70、0.65、又は0.60以下であること、(g)1つ以上の陽性対照試料の参照ポリヌクレオチド配列の平均測定コピーが、公称予想値の50%、45%、40%、35%、又は30%以内であること、(h)1つ以上の陽性対照試料の測定平均VCN/細胞値が、各対照の公称予想VCN/細胞値の50%、45%、40%、35%、又は30%以内であること、並びに(i)1つ以上の陽性対照試料のVCN/細胞値の変動係数が、50%、45%、40%、35%、30%、25%、又は20%以下であること。
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の試料許容基準を評価することによって、試料の組換えベクター核酸の統合の定量化の確実性を評価することを更に含む。いくつかの実施形態では、試料は、以下からなる群から選択される試料許容基準のうちの1つ以上、又はそれらのうちの全てが満たされる場合、確実である:(a)試料における、参照ポリヌクレオチド配列の平均コピー値が、30,303.030コピーの予想値の50%、45%、40%、35%、又は30%以内であること、(b)試料が0.02μg/μL未満のゲノムDNA(genomic DNA、gDNA)濃度を有する場合、その試料の参照ポリヌクレオチド配列の予想コピーが、反応に実際に充填されたDNAの量から計算されること、(c)試料における平均標的プロウイルスコピー値が、アッセイのコピー値の検証された範囲の間であること、(d)試料における平均標的プロウイルスコピー値が、121,212.121~193.939コピーであること、(e)標的試料の複製物のVCN/細胞値の変動係数が、50%、45%、40%、35%、30%、25%、又は20%以下であること、並びに、(f)試料における、標的プロウイルス及び標的参照ポリヌクレオチド配列の両方のサイクル閾値の標準偏差が、0.95、0.90、0.85、0.80、0.75、0.70、0.65、又は0.60以下であること。
いくつかの実施形態では、細胞ゲノムへの組換えベクター核酸の統合を定量化する方法は、導入遺伝子の同定のための方法を更に含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子の同定のための方法は、(a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、(b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、導入遺伝子に特異的にハイブリダイズする、を増幅することと、(c)ステップ(b)を通じて増幅されたゲノム核酸を検出及び/又は定量化することと、を含む。いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、キメラ抗原受容体をコードする。いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は、配列番号18、配列番号20、又は配列番号22のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は、配列番号19又は配列番号21の配列を含む核酸配列によってコードされるポリペピドである。いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は、BCMA、KLK2、又はGPRC5Dを認識する。
キット
ある特定の実施形態では、本開示はまた、統合された組換えベクター配列コピー数を測定するためのキットを提供する。ある特定の実施形態では、キットは、本開示の1つ以上のプライマーを含み得る。ある特定の実施形態では、キットは、本開示の1つ以上のプローブを含み得る。
本開示はまた、統合された組換えベクター配列コピー数を測定するためのキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプライマー対の1つのプライマー又は両方のプライマーを含み、プライマー対が、統合された組換えベクター核酸の一部分を特異的に増幅する。いくつかの実施形態では、キットは、増幅された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする検出可能な核酸プローブを含む。
本開示はまた、統合された組換えベクター配列コピー数を測定するための別のキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする順方向プライマーを含む。いくつかの実施形態では、キットは、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする順方向プライマーを含み、順方向プライマーが、配列番号1、配列番号5、又は配列番号14の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キットは、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする逆方向プライマーを含む。いくつかの実施形態では、キットは、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする逆方向プライマーを含み、逆方向プライマーが、配列番号2、配列番号6、又は配列番号15の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、キットは、検出可能なプローブを含む。いくつかの実施形態では、キットは、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含む検出可能なプローブを含む。
実施例
本開示は、ここで一般に説明され、本開示のある特定の態様及び実施形態を単に例示する目的のために含まれ、本開示を限定することを意図するものではない、以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるであろう。例えば、本明細書に開示の特定の構築物及び実験設計は、適切な機能を検証するための例示的なツール及び方法を表す。したがって、本開示の特定の構築物及び実験計画のうちのいずれも、本開示の範囲内で置換され得ることが容易に明らかになるであろう。
実施例1:実施例の材料及び方法
Lipofectamine2000(Life Technologies)、及び6ウェルプレートのウェル当たり4×10の細胞密度のプラスミドを用いて、一過性トランスフェクション実験を実施した。24時間後に培地を除去し、新鮮な成長培地と交換した。
qPCRアッセイを実施して、トランスフェクトした細胞のコピー数を決定した。第1に、参照遺伝子及び5’-LTR配列線状化プラスミドの両方の標準物質及び品質対照を、tRNA(酵母tRNA;Invitrogenカタログ番号657491)の存在下で別々に調製した。第2に、1倍のFast Advanced Master Mix(ThermoScientificカタログ番号4444558)中で、順方向プライマー(配列番号8)、逆方向プライマー(配列番号9)、プローブ/5HEX/AGGGAGA/ZEN/GATTTGTGTGGGCATGAC/3IABkFQ/(配列番号11)からなる参照遺伝子マスターミックスを調製した。第3に、1倍のFast Advanced Master Mix(ThermoScientificカタログ番号4444558)中で、順方向プライマー(配列番号5)、逆方向プライマー(配列番号6)、及びプローブ/FAM/CTTTCAAGT/ZEN/CCCTGTTCGGGCGCC/3lABkFQ/(配列番号12)からなる5’-LTRマスターミックスを調製した。
MasterMix、標準物質、QC、及び試料をマルチウェルプレートに添加することによって、qPCRアッセイを準備した。qPCRアッセイは、任意のリアルタイムPCR機器で実行した。qPCRアッセイは、限定されないが、MasterMix、標準物質、QC、及び試料を96ウェルプレートに添加することによる調製を含む。限定されないが、条件:融解に50℃2分、95℃10分、95℃15秒、アニーリング及び伸長に60℃1分を用いる、Quantstudio機器で、qPCRアッセイを実行してもよい。
実施例2:HIV-1によって送達されたT細胞に組み込まれたポリヌクレオチドをコードするCARの定量化
ユニバーサルqPCRアッセイは、形質導入された細胞製品のゲノムへの任意の導入遺伝子をコードする統合されたレトロウイルスベクター配列のみを検出するが、レンチウイルスベクターを生成するために使用された転写プラスミドは検出しない。宿主ゲノムへのレンチウイルスベクター統合の特有の特徴に基づいて、レンチウイルス形質導入細胞のコピー数を定量化することができるが、統合されていないベクターを定量化することができない特定のqPCRアッセイを開発した(図1A及び図1Bを参照されたい)。
細胞ゲノムに統合されているレトロウイルスベクター核酸は、発明の方法を使用して容易に定量化可能である。
(表1による)プライマー及びプローブセット1~5を使用して、実施例1の方法に従って統合されたレンチウイルスベクター配列を増幅した。プライマーセット1~4は、ベクターが統合された細胞試料からレンチウイルス配列を増幅したが、形質導入が実施されなかったがレンチウイルストランスファープラスミドが存在した対照細胞試料では増幅しなかった(図2参照)。対照(セット5)は、細胞を含む全ての試料中でヒトアルブミン(human albumin、hALB)配列を増幅した。
実施例3:血液中の統合されたGPRc5dCAR-Tの定量化
前述の実施例に記載の方法を使用して、GPRc5d CAR-Tを使用するマウス研究において、統合されたCAR導入遺伝子コピー数を定量化した。この研究を実行して、最終クローン/構築物を選択した。
qPCRアッセイを開発し、5つの異なるマウス研究で首尾よく使用した。GPRc5d CAR-T研究における、プロウイルス方法コピー数は、フローデータと相関する(図3A~図3B)。5LTR対3(表1によるセット3)をこれらの実験で使用した。
実施例4:CAR-T生成物に統合された導入遺伝子の定量化
CAR-T生成物における、HIV由来レンチウイルス5’LTR領域(プロウイルス配列標的領域)の細胞ゲノム統合形態を標的とすることによる、統合された導入遺伝子の定量化のための定量リアルタイムPCR(qPCR)アッセイを開発した。標的抗原BCMAを認識する例示的なCAR-T生成物は、配列番号18のアミノ酸配列を有する。アッセイは、シングルプレックス又はマルチプレックスqPCRであり、プロウイルス配列の統合された5’LTR領域、並びにヒトアルブミン(hALB;参照ハウスキーピング遺伝子)を標的とした。この方法を使用することができるが、細胞当たりのベクターコピー数(vector copy number、VCN)として報告される形質導入効率を決定するために事前に配合された凍結CAR-T細胞ペレットに限定されない。
Purelink gDNA単離キットを使用して、事前に配合したCAR-T細胞ペレットからゲノムDNA(gDNA)を抽出した。DNA単離の前に、事前に配合された細胞ペレットを-60℃以下で凍結保存した。単離されたDNAは、-60℃以下で保存し、Qubit4蛍光光度計及び蛍光に基づくQubit dsDNA Broad Rangeアッセイキットを使用して定量化のために後で解凍したか、又は直ちに定量化したかのいずれかであった。Qubit dsDNA Broad Rangeキットで供給される2つの標準物質を使用して、Qubit 4蛍光光度計を較正した。標準物質を調製し、定量されるDNA試料の各セットで実行した。同じQubit作業溶液を使用して、標準物質及びDNA試料反応物を調製した。定量化に続いて、単離されたDNAを0.020μg/μLの作業濃度まで希釈した。
分子グレードの水を使用して希釈した、オリゴヌクレオチド混合物(プロウイルスプライマー、並びに表1による/56-FAM/TGCCTTGAG/ZEN/TGCTTCAAGTAGTGTGT/3IABkFQ/(配列番号17)及びhALBプライマーを含むプローブセット4、並びにプローブセット5を含有する)、及びqPCR TaqPath ProAmp Master Mix溶液を使用して、qPCR反応物を調製した。プロウイルスプライマー及びプローブセット中の3つのオリゴヌクレオチドの各々の最終濃度は、200nMであった。hALB順方向及び逆方向プライマーの各々の最終濃度は、50nMであり、hALBプローブの最終濃度は、200nMであった。
5μLの標準物質番号1が、121、212.121コピーのプラスミドを含有するように、0.05μg/μLのPBMC DNAを線状5’LTRプラスミドでスパイクすることによってプロウイルス標準物質番号1を作製した。緩衝液を使用して、標準物質番号1を段階希釈した。5μLの中間対照が、30,303.030コピーの5’LTRプラスミドを含有するように、0.02μg/μLのPBMC gDNAを線状5’LTRプラスミドでスパイクすることによって、プロウイルスqPCR中間対照を作製した。希釈剤として0.02μg/μLのPBMC gDNAを使用して、中間対照体積を1:10に希釈することによって、プロウイルスqPCR低対照を作製した。これは、5μLの中間対照における2.00VCN/細胞及び5μLの低対照における0.20VCN/細胞の公称ベクターコピー数に等しいが、中間対照及び低対照の各ロットの実際のVCN/細胞値は、試薬定量化中に決定した。
qPCRプレートの指定されたウェルに、マスターミックスを充填した。各希釈標準点の3つの複製物、プロウイルス中間対照、プロウイルス低対照、試験物品DNA、及び低EDTA TE緩衝液(すなわち、テンプレート対照なし又はNTC)を、各々、qPCRプレート中のマスターミックスを含有する指定されたウェルに充填した。qPCRプレートをリアルタイムPCR機器に充填して、qPCR反応を実行した。
qPCR機器によって、各標的(プロウイルス及びhALB)について測定された閾値サイクル(threshold cycle、Ct)を決定した。標準物質のCt及び対数濃度値を使用して、線形回帰によって標準曲線を生成した。標準曲線を使用して、各対照及び試験物品複製物の各標的のコピーを計算した。
以下のように、各試料、中間対照、及び低対照複製物のVCN/細胞を計算した。
Figure 2023516789000001
次いで、xが、集団からの各値であり、
Figure 2023516789000002
が、データセットの平均であり、Nが、集団のサイズである、各試料、中間及び低対照の三重VCN/細胞値の平均、標準偏差、及びCV%を次のように計算した。
Figure 2023516789000003
以下のアッセイ許容基準を使用して、有効なアッセイを得た。
・プロウイルス及びhALB標準曲線の両方の相関係数(R)値が、0.97以上である必要がある。
・標準曲線の勾配が、-3.585~-3.104である必要がある(90.08~109.97%のPCR効率に等しい)
・NTCの全てのCt複製物が、プロウイルス及びhALB導入遺伝子の両方で「未確定」である必要がある。
・標準物質番号1の平均Ctは、プロウイルス及びhALB標的で22.0以下である必要があり、標準物質のうちのいずれのCt複製物のいずれも「未決定」である可能性がなかった。
・プロウイルス及びhALB標的の両方の各標準物質のCt SDが、0.60以下である必要がある。
・中間及び低対照の両方の平均hALBコピーが、30,303.030コピー±30%である必要がある(予想範囲:21,212.121~39,393.939コピー)。
・中間対照及び低対照の平均VCN/細胞結果が、各対照では、適格なVCN/細胞値の-30%以上~+30%以下である必要がある。
・中間及び低対照複製物のVCN/細胞のCV%が、20%以下である必要がある。
以下の全ての許容基準を満たさなかった試料は、無効とみなした。
・プロウイルス及びhALB標的の両方の各試料のCt SDが、0.60以下である必要がある。アッセイ範囲を下回るか又は上回ると決定された試料のCt SDには、アクセスしなかった。
・各試料の平均hALBコピーが、30,303.030コピー±30%である必要がある(予想範囲:21,212.121~39,393.939コピー)。
・試料gDNAの濃度が、0.02μg/μL未満であった場合、実際に反応に充填したDNAの量からその試料のhALBの予想コピーを計算した。
・各試料の平均プロウイルス標的コピー値は、VCN/細胞結果を計算するために、アッセイの検証された範囲に等しいか、又はその間にある必要がある。
・試料の平均プロウイルスコピー値が、121,212.121超であった場合、試料は、アッセイ範囲を上回るとみなした。
・試料の平均プロウイルスコピー値が、193.939コピー未満であった場合、試料は、アッセイ範囲を下回るとみなした。
・試料VCN/細胞複製物のCV%が、20%以下である必要がある。アッセイ範囲を下回るか若しくは上回ると決定された試料、又はhALB許容基準を満たさない試料のCV%には、アクセスしなかった。
・プロウイルス及びhALB標的の両方の各試料のCt SDが、0.60以下である必要がある。アッセイ範囲を下回るか若しくは上回ると決定された試料、又はhALB許容基準を満たさない試料のCV%には、アクセスしなかった。
全ての試料許容基準を満たした任意の試料についての形質導入効率を、平均VCN/細胞結果として、小数点第2位まで正確に報告した。
本方法を使用して試験したBCMA CAR-T生成は、統合されなかったコピー数に対して統合されたコピー数を区別することができないベクターパッケージングシグナル(packaging signal、PSI)を標的とするアッセイよりも、低い統合されたコピー数を示した。試験したBCMA CAR-Tバッチにおいて、PSI法がプラスミド混入をピックアップする潜在性を有したことが、結果によって確認される(表2)。
発展中の例示的なGPRc5d及びKLK2 CAR-T生成物などの他のCAR-T生成物にも、方法を使用した。CARのアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号20及び22を含む。これらの結果のPSI法との比較は、VCNにおいて、方法間にいかなる差も示さなかった(表3)。GPRc5d CAR-T及びKLK2 CAR-Tバッチ生成プロセスに、プラスミド混入がなかったことが、結果によって確認される。
実施例5:他のCAR-T生成物に統合された導入遺伝子の定量化
統合された導入遺伝子の定量化のための定量リアルタイムPCR(qPCR)アッセイはまた、GPRC5Dを標的とするものなどの他のCAR-T生成物においても有用である。実施例3の方法を使用して、GPRc5d CAR-T生成物のマウス血液中の平均VCN/細胞又は導入遺伝子コピー/μg gDNAとして、CAR-T細胞動態をマウス研究で決定した。
実施例6:CAR-T生成物に統合された導入遺伝子の定量化後の導入遺伝子の同定
プロウイルスqPCR方法は、CAR-T導入遺伝子配列と統合された細胞ゲノムのバッチにおいてVCN/細胞を正確に推定するのに有用であるが、導入遺伝子内のヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするプライマーを使用するqPCR方法は、CAR導入遺伝子の同一性を確認するために依然として有用である。これは、プロウイルスqPCR方法が普遍的であり、導入遺伝子特異的ではないことが理由である。
導入遺伝子qPCR方法の設計及び実行は、導入遺伝子標的の順方向プライマー、逆方向プライマー、及びプローブ配列の配列、並びに任意選択的に濃度においてのみが異なるプロウイルスqPCR方法のものと同じである。導入遺伝子標的が、標的抗原BCMAを認識し、配列番号18のアミノ酸配列を含み、配列番号19を含む核酸配列によってコードされるBCMA CAR-T生成物中のCARをコードする場合、CARD導入遺伝子のCD137(4-1BB)及びCD3ζ由来配列に特異的なプライマー/プローブセットを使用した。導入遺伝子順方向及び逆方向プライマーの各々には、100nMの濃度を使用した。両方の方法のヒトアルブミン(hALB)ハウスキーピング遺伝子オリゴヌクレオチドは同じであったが、導入遺伝子方法におけるhALB順方向及び逆方向プライマーの濃度は、75nMであった。
簡単に言えば、導入遺伝子qPCR方法を実行するために、モック形質導入リンパ球細胞株の5ポイント連続希釈を使用して、トランスファープラスミド及びヒトアルブミン(hALB)の両方の標準曲線を生成した。採取後の試料から単離したゲノムDNAを、3回分析した。各3つのDNA試料の導入遺伝子及びhALBの両方のコピーを、それぞれの標準曲線から補間した。hALBの平均コピーを使用して、試料DNAが由来する細胞の数を推定した。試料DNA中に存在する導入遺伝子の平均コピーを、試料DNAが由来する細胞の推定数によって除算して、試料の細胞当たりのベクターコピー数を決定した。
Figure 2023516789000004
Figure 2023516789000005
Figure 2023516789000006
表2-本方法を使用して試験したBCMA CAR-T生成は、統合されなかったコピー数に対して統合されたコピー数を区別することができないベクターパッケージングシグナル(PSI)を標的とするアッセイよりも、低い統合されたコピー数を示した
Figure 2023516789000007
表3-本方法及びPSI法を使用する、KLK2及びGPRC5Dを標的とするCAR T生成物のVCNの比較
Figure 2023516789000008
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発明の有利な実施形態を、以下に付番した段落に記載する。
1.細胞ゲノムへの組換えベクター核酸の統合を定量化するための方法であって、方法が、
(a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、
(b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、統合された組換えベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする、増幅することと、
(c)ステップ(b)を通じて増幅されたゲノム核酸を検出及び/又は定量化することと、を含む、方法。
2.組換えベクターが、導入遺伝子を含有する、段落1に記載の方法。
3.導入遺伝子が、キメラ抗原受容体をコードする、段落2に記載の方法。
4.組換えベクターが、遺伝子療法ベクターである、段落1~3のいずれか1つに記載の方法。
5.遺伝子療法ベクターが、ウイルスベクターである、段落4に記載の方法。
6.生体試料が、細胞試料又は組織試料である、段落1~5のいずれか1つに記載の方法。
7.組織試料が、血液、血漿、血清、唾液、又は組織生検である、段落6に記載の方法。
8.試料が、対象からのものである、段落1~7のいずれか1つに記載の方法。
9.対象が、ヒトである、段落8に記載の方法。
10.組換えベクターが、レトロウイルスベクターである、段落1~9のいずれか1つに記載の方法。
11.レトロウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、段落10に記載の方法。
12.レンチウイルスベクターが基づくレンチウイルスが、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、又はヒト免疫不全ウイルス2(HIV-2)である、段落11に記載の方法。
13.統合された組換えベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーが、統合された組換えベクター配列のLTR配列に特異的にハイブリダイズする、段落1~12のいずれか1つに記載の方法。
14.ステップ(b)の統合された組換えベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーが、配列番号1、配列番号5、又は配列番号14の核酸配列を含む、段落1~13のいずれか1つに記載の方法。
15.ステップ(b)で使用される組換えベクター核酸を増幅するための第2のオリゴヌクレオチドプライマーが、配列番号2、配列番号6、又は配列番号15の核酸配列を含む、段落14に記載の方法。
16.ステップ(b)で使用される統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーが、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU3領域に特異的にハイブリダイズする、段落11に記載の方法。
17.ステップ(b)で使用される統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーが、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU3領域及びR領域に特異的にハイブリダイズする、段落11に記載の方法。
18.ステップ(b)で使用される統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーが、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのPBS領域に特異的にハイブリダイズする、段落11に記載の方法。
19.ステップ(b)で使用される統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーが、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルに特異的にハイブリダイズする、段落11に記載の方法。
20.定量的増幅技法が、qPCRである、段落1~19のいずれか1つに記載の方法。
21.定量的増幅技法が、dPCR又はddPCRである、段落1~19のいずれか1つに記載の方法。
22.定量的増幅技法が、エンドポイントPCRである、段落1~19のいずれか1つに記載の方法。
23.ステップ(b)が、増幅された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする検出可能な核酸プローブを利用する、段落1~22のいずれか1つに記載の方法。
24.組換えベクター核酸が、レンチウイルスベクターである、段落23に記載の方法。
25.統合された組換えベクター核酸のプローブが、統合された組換えベクター配列のLTR配列に特異的にハイブリダイズする、段落23又は段落24に記載の方法。
26.ステップ(b)で使用されるレンチウイルスベクター核酸のプローブが、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU3領域及びR領域に特異的にハイブリダイズする、段落24に記載の方法。
27.ステップ(b)で使用されるレンチウイルスベクター核酸のプローブが、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU5領域及びPBS領域に特異的にハイブリダイズする、段落24に記載の方法。
28.ステップ(b)で使用されるレンチウイルスベクター核酸のプローブが、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのPBS領域に特異的にハイブリダイズする、段落24に記載の方法
29.ステップ(b)で使用されるレンチウイルスベクター核酸のプローブが、レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのR領域及びU5領域に特異的にハイブリダイズする、段落24に記載の方法。
30.組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプローブが、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含む、段落23~25のいずれか1つに記載の方法。
31.組換えベクター核酸の形質導入効率を監視するための方法であって、
a)組換えベクター核酸によって形質導入されたゲノムDNAを含有する1つ以上の生体試料を提供することであって、組換えベクター核酸の一部分が、ゲノムDNAに統合される、を提供することと、
b)段落1~30のいずれか1つに記載の方法に従って、宿主細胞ゲノムに統合された組換えベクター核酸を定量化することと、を含む、方法。
32.ステップ(c)が、生体試料の統合された組換えベクター配列コピー数を参照ポリヌクレオチド配列と比較することを更に含む、段落1~30のいずれか1つに記載の方法。
33.参照ポリヌクレオチド配列が、ハウスキーピングタンパク質をコードする、段落32に記載の方法。
34.ハウスキーピングタンパク質が、ヒトアルブミンである、段落33に記載の方法。
35.参照ポリヌクレオチド配列を特異的に増幅する少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマーを更に含む、段落1~34のいずれか1つに記載の方法。
36.生体試料の統合された組換えベクター配列コピー数を参照と比較することを更に含む、段落31に記載の方法。
37.組換えベクターによって形質導入された細胞製品についてのロットリリース試験の方法であって、
a)各ロットから、組換えベクターによって形質導入されたゲノムDNAを含有する細胞製品の1つ以上の生体試料を提供することと、
b)段落1~35のいずれか1つに記載の方法に従って、各生体試料における、宿主細胞ゲノムに統合された組換えベクター核酸を定量化することと、
c)ステップ(b)で定量化された生体試料の統合された組換えベクター配列コピー数を、参照と比較することと、
d)統合された組換えベクター配列コピー数が、所定の基準に合格するロットをリリースすることと、を含む、方法。
38.細胞ゲノムへのレンチウイルスベクター核酸の統合を定量化する方法であって、方法が、
(a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、
(b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする、を増幅することと、
(c)ステップ(b)を通じて増幅されたゲノム核酸を定量化することであって、宿主細胞ゲノムに統合されたレンチウイルスベクター核酸を定量化することが、参照に対する増幅されたレンチウイルスベクター核酸の比を比較することを含む、定量化することと、を含み、
オリゴヌクレオチドプライマー対が、それぞれ配列番号1の核酸配列及び配列番号2の核酸配列、又はそれぞれ配列番号5の核酸配列及び配列番号6の核酸配列、又はそれぞれ配列番号14の核酸配列及び配列番号15の核酸配列を含む、方法。
39.ステップ(b)が、インターカレート色素を利用する、段落1~38のいずれか1つに記載の方法。
40.インターカレート色素が、SYBRグリーンである、段落39に記載の方法。
41.統合された組換えベクター配列コピー数及び参照ポリヌクレオチド配列コピー数が、マルチプレックスで測定される、段落32~35のいずれか1つに記載の方法。
42.統合された組換えベクター配列コピー数及び参照ポリヌクレオチド配列コピー数が、シングルプレックスで測定される、段落32~35のいずれか1つに記載の方法。
43.キメラ抗原受容体が、配列番号18、20、又は22のアミノ酸配列を含む、段落3に記載の方法。
44.キメラ抗原受容体が、BCMA、KLK2、又はGPRC5Dを認識する、段落3に記載の方法。
45.導入遺伝子の同定のための方法を更に含む、段落2に記載の方法。
46.導入遺伝子の同定のための方法が、
(a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、
(b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、導入遺伝子に特異的にハイブリダイズする、を増幅することと、
(c)ステップ(b)を通じて増幅されたゲノム核酸を検出及び/又は定量化することと、を含む、段落45に記載の方法。
47.以下からなる群から選択される1つ以上のアッセイ許容基準を評価することによって、組換えベクター核酸の統合を定量化するためのアッセイの確実性を評価することを更に含む、段落32~35のいずれか1つに記載の方法:
(a)テンプレートDNAを含有しない対照の全ての複製物における、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルが、決定不可能であること、
(b)標準試料を使用する線形回帰によって生成された、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の標準曲線の相関係数が、0.97以上であること、
(c)当該標準曲線の勾配からの、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の推定コピー値が、90%~110%のPCR効率を示すこと、
(d)標準試料のうちのいずれかの複製物のうちのいずれにおいても、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルが、決定不可能でないこと、
(e)塩基標準試料における、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の平均閾値サイクルが、22.0以下であること、
(f)各標準試料における、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルの標準偏差が、0.60以下であること、
(g)1つ以上の陽性対照試料の参照ポリヌクレオチド配列の平均測定コピーが、公称予想値の30%以内であること、
(h)1つ以上の陽性対照試料の測定された平均VCN/細胞値が、各対照の公称予想VCN/細胞値の30%以内であること、並びに
(i)1つ以上の陽性対照試料のVCN/細胞値の変動係数が、20%以下であること。
48.以下からなる群から選択される1つ以上の試料許容基準を評価することによって、試料の組換えベクター核酸の統合の定量化の確実性を評価することを更に含む、段落32~35のいずれか1つに記載の方法:
(a)試料における参照ポリヌクレオチド配列の平均コピー値が、30,303.030コピーの予想値の30%以内であること、
(b)試料が0.02μg/μL未満のゲノムDNA(gDNA)濃度を有する場合、その試料の参照ポリヌクレオチド配列の予想コピーが、反応に実際に充填されたDNAの量から計算されること、
(c)試料における平均標的プロウイルスコピー値が、アッセイのコピー値の検証された範囲の間であること、
(d)試料における平均標的プロウイルスコピー値が、121,212.121~193.939コピーであること、
(e)標的試料の複製物のVCN/細胞値の変動係数が、20%以下であること、並びに、
(f)試料における、標的プロウイルス及び標的参照ポリヌクレオチド配列の両方のサイクル閾値の標準偏差が、0.60以下であること。
49.キメラ抗原受容体が、配列番号19又は21の配列を含む核酸配列によってコードされたポリペプチドである、段落43又は44に記載の方法。
50.導入遺伝子が、配列番号19又は21の配列を含む核酸配列によってコードされたポリペプチドである、段落45又は46に記載の方法。
51.配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号14、配列番号15、又は配列番号16の核酸配列を含む、オリゴヌクレオチド。
52.統合された組換えベクター核酸配列コピー数を測定するためのキットであって、
統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプライマー対のプライマーであって、プライマー対が、統合された組換えベクター核酸の一部分を特異的に増幅する、プライマーと、
増幅された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする検出可能な核酸プローブと、を含む、キット。
53.統合された組換えベクター核酸配列コピー数を測定するためのキットであって、
統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする、配列番号1、配列番号5、又は配列番号14の核酸配列を含む順方向プライマーと、
統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする、配列番号2、配列番号6、又は配列番号15の核酸配列を含む逆方向プライマーと、
配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含む、検出可能なプローブと、を含む、キット。
参照による組み込み
本明細書において言及される全ての刊行物及び特許出願は、各個々の刊行物又は特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
主題の開示の特定の実施形態について論じてきたが、上の明細書は例示的であり、限定的ではない。本明細書及び以下の特許請求の範囲を考察すると、本開示の多くの変形が当業者には明らかになるであろう。等価物の全範囲と共に特許請求の範囲、及びそのような変形と共に明細書を参照することによって、本開示の全範囲は決定されるべきである。

Claims (53)

  1. 細胞ゲノムへの組換えベクター核酸の統合を定量化するための方法であって、前記方法が、
    (a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、
    (b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、前記生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、前記プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、統合された組換えベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする、増幅することと、
    (c)ステップ(b)を通じて増幅されたゲノム核酸を検出及び/又は定量化することと、を含む、方法。
  2. 前記組換えベクターが、導入遺伝子を含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記導入遺伝子が、キメラ抗原受容体をコードする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記組換えベクターが、遺伝子療法ベクターである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記遺伝子療法ベクターが、ウイルスベクターである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記組換えベクターが、レトロウイルスベクターである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記レトロウイルスベクターが、レンチウイルスベクターである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記レンチウイルスベクターが基づくレンチウイルスが、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、又はヒト免疫不全ウイルス2(HIV-2)である、請求項7に記載の方法。
  9. ステップ(b)の統合された組換えベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする前記オリゴヌクレオチドプライマーが、配列番号1、配列番号5、又は配列番号14の核酸配列を含む、請求項1に記載の方法。
  10. ステップ(b)で使用される前記組換えベクター核酸を増幅するための前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーが、配列番号2、配列番号6、又は配列番号15の核酸配列を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記生体試料が、細胞試料又は組織試料である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記組織試料が、血液、血漿、血清、唾液、又は組織生検である、請求項11に記載の方法。
  13. 統合された組換えベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする前記オリゴヌクレオチドプライマーが、前記統合された組換えベクター配列のLTR配列に特異的にハイブリダイズする、請求項1に記載の方法。
  14. ステップ(b)で使用される統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする前記オリゴヌクレオチドプライマーが、前記レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU3領域に特異的にハイブリダイズする、請求項7に記載の方法。
  15. ステップ(b)で使用される統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする前記オリゴヌクレオチドプライマーが、前記レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU3領域及びR領域に特異的にハイブリダイズする、請求項7に記載の方法。
  16. ステップ(b)で使用される統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする前記オリゴヌクレオチドプライマーが、前記レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのPBS領域に特異的にハイブリダイズする、請求項7に記載の方法。
  17. ステップ(c)が、前記生体試料の統合された組換えベクター配列コピー数を参照ポリヌクレオチド配列と比較することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記定量的増幅技法が、qPCRである、請求項1に記載の方法。
  19. 前記定量的増幅技法が、dPCR又はddPCRである、請求項1に記載の方法。
  20. 前記参照ポリヌクレオチド配列が、ハウスキーピングタンパク質をコードする、請求項17に記載の方法。
  21. 前記ハウスキーピングタンパク質が、ヒトアルブミンである、請求項20に記載の方法。
  22. ステップ(b)が、前記増幅された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする検出可能な核酸プローブを利用する、請求項1に記載の方法。
  23. 前記組換えベクター核酸が、レンチウイルスベクターである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする前記プローブが、配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含む、請求項22に記載の方法。
  25. 前記統合された組換えベクター核酸の前記プローブが、前記統合された組換えベクター配列のLTR配列に特異的にハイブリダイズする、請求項22に記載の方法。
  26. ステップ(b)で使用される前記レンチウイルスベクター核酸の前記プローブが、前記レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU3領域及びR領域に特異的にハイブリダイズする、請求項23に記載の方法。
  27. ステップ(b)で使用される前記レンチウイルスベクター核酸の前記プローブが、前記レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのU5領域及びPBS領域に特異的にハイブリダイズする、請求項23に記載の方法。
  28. ステップ(b)で使用される前記レンチウイルスベクター核酸の前記プローブが、前記レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのPBS領域に特異的にハイブリダイズする、請求項23に記載の方法。
  29. ステップ(b)で使用される前記統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする前記オリゴヌクレオチドプライマーが、プサイ(Ψ)パッケージングシグナルに特異的にハイブリダイズする、請求項7に記載の方法。
  30. ステップ(b)で使用される前記レンチウイルスベクター核酸の前記プローブが、前記レンチウイルスベクター核酸配列の5’LTRのR領域及びU5領域に特異的にハイブリダイズする、請求項23に記載の方法。
  31. 前記生体試料が、対象からのものである、請求項1に記載の方法。
  32. 前記対象が、ヒトである、請求項31に記載の方法。
  33. 参照ポリヌクレオチド配列を特異的に増幅する少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマーを更に含む、請求項1に記載の方法。
  34. 組換えベクター核酸の形質導入効率を監視するための方法であって、
    a)組換えベクター核酸によって形質導入されたゲノムDNAを含有する1つ以上の生体試料を提供することであって、前記組換えベクター核酸の一部分が、前記ゲノムDNAに統合される、を提供することと、
    b)請求項1に記載の方法に従って、前記宿主細胞ゲノムに統合された前記組換えベクター核酸を定量化することと、を含む、方法。
  35. 前記生体試料の統合された組換えベクター配列コピー数を参照と比較することを更に含む、請求項34に記載の方法。
  36. 組換えベクターによって形質導入された細胞製品についてのロットリリース試験の方法であって、
    a)各ロットから、組換えベクターによって形質導入されたゲノムDNAを含有する細胞製品の1つ以上の生体試料を提供することと、
    b)請求項1に記載の方法に従って、各生体試料における、前記宿主細胞ゲノムに統合された前記組換えベクター核酸を定量化することと、
    c)ステップ(b)で定量化された前記生体試料の統合された組換えベクター配列コピー数を、参照と比較することと、
    d)前記統合された組換えベクター配列コピー数が、所定の基準に合格するロットをリリースすることと、を含む、方法。
  37. 細胞ゲノムへのレンチウイルスベクター核酸の統合を定量化する方法であって、前記方法が、
    (a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、
    (b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、前記生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、前記プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、統合されたレンチウイルスベクターポリヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする、増幅することと、
    (c)ステップ(b)を通じて増幅されたゲノム核酸を定量化することであって、前記宿主細胞ゲノムに統合された前記レンチウイルスベクター核酸を定量化することが、参照に対する増幅されたレンチウイルスベクター核酸の比を比較することを含む、定量化することと、を含み、
    前記オリゴヌクレオチドプライマー対が、それぞれ配列番号1の核酸配列及び配列番号2の核酸配列、又はそれぞれ配列番号5の核酸配列及び配列番号6の核酸配列、又はそれぞれ配列番号14の核酸配列及び配列番号15の核酸配列を含む、方法。
  38. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号14、配列番号15、又は配列番号16の核酸配列を含む、オリゴヌクレオチド。
  39. 統合された組換えベクター核酸配列コピー数を測定するためのキットであって、
    統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズするプライマー対のプライマーであって、前記プライマー対が、前記統合された組換えベクター核酸の一部分を特異的に増幅する、プライマーと、
    前記増幅された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする検出可能な核酸プローブと、を含む、キット。
  40. 統合された組換えベクター核酸配列コピー数を測定するためのキットであって、
    配列番号1、配列番号5、又は配列番号14の核酸配列を含み、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする、順方向プライマーと、
    配列番号2、配列番号6、又は配列番号15の核酸配列を含み、統合された組換えベクター核酸に特異的にハイブリダイズする、逆方向プライマーと、
    配列番号3、配列番号4、配列番号7、又は配列番号16の核酸配列を含む、検出可能なプローブと、を含む、キット。
  41. 前記キメラ抗原受容体が、配列番号18、20、又は22のアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の方法。
  42. 前記キメラ抗原受容体が、BCMA、KLK2、又はGPRC5Dを認識する、請求項3に記載の方法。
  43. 前記定量的増幅技法が、エンドポイントPCRである、請求項1に記載の方法。
  44. ステップ(b)が、インターカレート色素を利用する、請求項1に記載の方法。
  45. 前記インターカレート色素が、SYBRグリーンである、請求項44に記載の方法。
  46. 前記統合された組換えベクター配列コピー数及び前記参照ポリヌクレオチド配列コピー数が、マルチプレックスで測定される、請求項17に記載の方法。
  47. 前記統合された組換えベクター配列コピー数及び前記参照ポリヌクレオチド配列コピー数が、シングルプレックスで測定される、請求項17に記載の方法。
  48. 前記導入遺伝子の同定のための方法を更に含む、請求項2に記載の方法。
  49. 前記導入遺伝子の同定のための前記方法が、
    (a)宿主細胞ゲノムを含む生体試料を提供することと、
    (b)第1のオリゴヌクレオチドプライマー及び第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含むプライマー対を使用する定量的増幅技法を用いて、前記生体試料のゲノムDNAを増幅することであって、前記プライマー対のうちの少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーが、前記導入遺伝子に特異的にハイブリダイズする、を増幅することと、
    (c)ステップ(b)を通じて増幅された前記ゲノム核酸を検出及び/又は定量化することと、を含む、請求項48に記載の方法。
  50. 以下からなる群から選択される1つ以上のアッセイ許容基準を評価することによって、組換えベクター核酸の前記統合を定量化するためのアッセイの確実性を評価することを更に含む、請求項17に記載の方法:
    (a)テンプレートDNAを含有しない対照の全ての複製物における、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の両方の閾値サイクルが、決定不可能であること、
    (b)標準試料を使用する線形回帰によって生成された、前記プロウイルス及び前記参照ポリヌクレオチド配列の両方の標準曲線の相関係数が、0.97以上であること、
    (c)前記標準曲線の勾配からの、プロウイルス及び参照ポリヌクレオチド配列の推定コピー値が、90%~110%のPCR効率を示すこと、
    (d)前記標準試料のうちのいずれかの複製物のうちのいずれにおいても、前記プロウイルス及び前記参照ポリヌクレオチド配列の両方の前記閾値サイクルが、決定不可能でないこと、
    (e)塩基標準試料における、前記プロウイルス及び前記参照ポリヌクレオチド配列の両方の平均閾値サイクルが、22.0以下であること、
    (f)各標準試料における、前記プロウイルス及び前記参照ポリヌクレオチド配列の両方の前記閾値サイクルの標準偏差が、0.60以下であること、
    (g)1つ以上の陽性対照試料の前記参照ポリヌクレオチド配列の平均測定コピーが、公称予想値の30%以内であること、
    (h)前記1つ以上の陽性対照試料の測定された平均VCN/細胞値が、各対照の公称予想VCN/細胞値の30%以内であること、並びに
    (i)前記1つ以上の陽性対照試料の前記VCN/細胞値の変動係数が、20%以下であること。
  51. 以下からなる群から選択される1つ以上の試料許容基準を評価することによって、試料の組換えベクター核酸の統合の定量化の前記確実性を評価することを更に含む、請求項17に記載の方法:
    (a)前記試料における前記参照ポリヌクレオチド配列の平均コピー値が、30,303.030コピーの予想値の30%以内であること、
    (b)前記試料が0.02μg/μL未満のゲノムDNA(gDNA)濃度を有する場合、その試料の前記参照ポリヌクレオチド配列の予想コピーが、反応に実際に充填されたDNAの量から計算されること、
    (c)前記試料における平均標的プロウイルスコピー値が、前記アッセイの前記コピー値の検証された範囲の間であること、
    (d)前記試料における平均標的プロウイルスコピー値が、121,212.121~193.939コピーであること、
    (e)前記標的試料の前記複製物の前記VCN/細胞値の変動係数が、20%以下であること、並びに、
    (f)前記試料における、前記標的プロウイルス及び標的参照ポリヌクレオチド配列の両方の前記サイクル閾値の標準偏差が、0.60以下であること。
  52. 前記キメラ抗原受容体が、配列番号19又は21の配列を含む核酸配列によってコードされたポリペプチドである、請求項41に記載の方法。
  53. 前記導入遺伝子が、配列番号19又は21の配列を含む核酸配列によってコードされたポリペプチドである、請求項48に記載の方法。
JP2022554283A 2020-03-09 2021-03-08 組換えベクター核酸の統合を定量化するための組成物及び方法 Pending JP2023516789A (ja)

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