JP2023183379A - パーソナルケア製品、パーソナルケア製品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

パーソナルケア製品、パーソナルケア製品の製造方法及び製造装置 Download PDF

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喬大 平野
Takahiro Hirano
翔平 夏井
Shohei Natsui
知之 茂木
Tomoyuki Mogi
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Abstract

【課題】表面に加飾を施したパーソナルケア製品において、加飾のデザインが精緻で高精細であるパーソナルケア製品を提供することにある。【解決手段】パーソナルケア製品は、人体に適用可能なパーソナルケア製品であって、基材を有し、該基材は前記表面から厚み方向に凹む溝部を有し、前記溝部の少なくとも一部に堆積され、立体的模様を形成する堆積体と、を具備し、前記基材の表面と、前記堆積体の表面とは、前記溝部の深さ方向に高低差を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、人体に適用可能なパーソナルケア製品、パーソナルケア製品の製造方法及び製造装置に関する。
アイシャドウやファンデーション等の固形化粧料などのパーソナルケア製品において、互いに区分された複数色の化粧料よりなる多色化粧料が提案されている(特許文献1)。
特許文献1によれば、ドリル9等の切削によって形成された陥没部5に、化粧料6を充填し、これをプレスした後に、化粧料表面をスライスすることにより多色化粧料を製造する方法が開示される(明細書0030段落、図8)。
特開2011-57573号公報
例えば色が異なる等の複数種類の組成物を用いて加飾したパーソナルケア製品を製造するとき、金型を有するプレスヘッドを用いた打型や、ラバーモールドの内部に化粧料を流し込む方法により形状を付与してパーソナルケア製品を製造する方法が知られている。
組成物により構成される基材の平面的な表面に別の組成物で加飾を付すと、加飾部分が脱落しやすい。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、表面に加飾を施したパーソナルケア製品において、加飾部分が基材から脱落するのを防止し、意匠的な品質を向上したパーソナルケア製品を提供することにある。
本発明の一形態に係るパーソナルケア製品は、人体に適用可能なパーソナルケア製品である。
前記パーソナルケア製品は、表面から厚み方向に凹む溝部を有する基材を有することが好ましい。
前記パーソナルケア製品は、前記溝部の少なくとも一部に堆積され、立体的模様を形成する堆積体を有する基材を有することが好ましい。
前記パーソナルケア製品は、前記基材の表面と、前記堆積体の表面とは、前記溝部の深さ方向に高低差を有することが好ましい。
本発明の一形態に係る製造方法は、人体に適用可能なパーソナルケア製品の製造方法である。
前記製造方法は、基材に表面から厚み方向に凹む溝部を形成する溝部形成工程を有することが好ましい。
前記製造方法は、ノズルから前記溝部に堆積用組成物を吐出して、立体的模様を形成する堆積体を堆積する堆積体形成工程を有することが好ましい。
前記溝部形成工程は、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、前記基材原点を基準として前記溝部を形成することが好ましい。
前記堆積体形成工程は、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、前記XY平面と平行な平面上で前記ノズルの先端を原点とする第2の局所座標系を設定し、前記第2の局所座標系の第2の原点のXY座標原点は基材座標系の原点のXY座標原点と一致し、前記第2の局所座標系の前記第2の原点を基準とする前記第2の局所座標系内で、前記堆積体を形成することが好ましい。
本発明の一形態に係る製造方法は、人体に適用可能なパーソナルケア製品の製造方法である。
前記製造方法は、基材の表面に、少なくとも2種以上の堆積用組成物を、複数のノズルから吐出して、立体的模様を形成する堆積体を堆積する堆積体形成工程を有することが好ましい。
前記堆積体形成工程は、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定することが好ましい。
前記堆積体形成工程は、前記XY平面と平行な平面上で前記ノズルの各ノズル先端を原点とする複数の局所座標系を設定し、前記複数の局所座標系の原点のXY座標原点と前記基材原点のXY座標原点とが一致するよう、前記複数の局所座標系の原点を基準とする各局所座標系内で前記堆積体を堆積することが好ましい。
本発明によれば、表面に加飾を施したパーソナルケア製品において、加飾部分が基材から脱落するのを防止し、意匠的な品質を向上したパーソナルケア製品を提供することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本発明中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本発明の一実施形態に係る製造装置を示す。 第1の機械及び第2の機械のスペックの例を示す。 製造方法のフローを示す。 製造方法を模式的に示す平面図である。 製造方法の比較例を模式的に示す。 製造方法の変形例を模式的に示す。 製造方法の変形例を模式的に示す。 製造方法を模式的に示す斜視図である。 パーソナルケア製品の断面を模式的に示す。 パーソナルケア製品の断面を模式的に示す。 第2の機械の例を示す。 ノズル径の例を示す。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
1.製造装置
本発明の一実施形態に係る製造装置1は、人体に適用可能なパーソナルケア製品710の製造装置である。
パーソナルケア製品710は、これを皮膚上に直接塗布したり、あるいは水等の液媒に溶解又は分散させた液体を皮膚上に塗布、散布又は滴下等したりすることで、人体に適用可能なものである。またパーソナルケア製品は、香りを人体に適用するものでもよく、例えば、香りを介して、人体にリラックス効果を与えるアロマキャンドル等であってもよい。
このようなパーソナルケア製品710としては、例えば、化粧品、アロマキャンドル、洗浄剤及び入浴剤から選ばれる1又は2以上を含む。
化粧品は、メークアップ化粧品、基礎化粧品、香水及びヘアケア製品等を含む。
洗浄剤はシャンプー、練り石鹸及び固形石鹸等を含む。
メークアップ化粧品は、化粧料粉末等を含むアイシャドウ及びファンデーション、油剤等を含む口紅等の固形化粧品を含む。
パーソナルケア製品710は、立体的な成形を可能とする観点から、1気圧、20℃において固体であることが好ましい。
製造装置1を用いて製造されるパーソナルケア製品710は、典型的には化粧料粉末等を含むアイシャドウ又はファンデーション等のパウダー化粧品等の粉体を主成分とする固形のパーソナルケア製品710である。
製造装置1は、ワーク700に充填された基材に、1又は2以上の堆積用組成物を導入して堆積体を形成することで、パーソナルケア製品710を製造する。堆積用組成物は典型的には流動性を有する。
流動性を有する堆積用組成物は、液体そのものであるか、液体を含むものであることが好ましい。このような堆積用組成物としては、例えば、化粧料などの粉体と、液体である分散媒とを含む混合物である分散液(いわゆるスラリー)や、化粧料などの各種の化合物を液体の溶媒に溶解させた溶液、あるいは、化粧料又は油剤の単体又は化粧料を含む組成物を加熱溶融させた溶融液などが挙げられる。
製造装置1は、典型的には制御装置と複数(N台)の作業機械を有する。例えば、制御装置300と、第1の機械500と、第2の機械600とを有する。これらを備えた例を図1に示す。
第1の機械500は、載置台702に載置されたワーク700に充填された基材に溝を形成する手段を有する。溝を形成する手段としては、金型を用いたプレスや切削が挙げられる。切削する手段としては円柱状のロッドやパイプ等でもよく特に限定されないが、切削工具(例えば、エンドミル、ドリル、フライス、レーザ等の加工ツール)を有することが好ましい。以下、切削工具と記述するとき、円柱状のロッドやパイプ等も、広義に包含することを意図する。
第1の機械500が実行する第1の加工工程は、例えば、溝部形成工程であることが好ましい。溝部形成工程は、切削工具及び載置台702に載置されたワーク700の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させながら、切削工具により基材の表面を切削することで、基材の表面に溝部を形成することが好ましい。溝部の平面視した形状は典型的には線状である。
第2の機械600は、流動性を有する堆積用組成物を吐出するノズル(加工ツール)を有するディスペンサであることが好ましい。
第2の機械600が実行する第2の加工工程は、例えば、堆積体形成工程であることが好ましい。堆積体形成工程は、ノズル及び載置台702に載置されたワーク700の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させながら、ノズルから流動性を有する堆積用組成物を吐出することで、堆積体を、基材に形成された溝部の少なくとも一部に堆積することで、基材を加飾することが好ましい。堆積体は、立体的模様を形成する。堆積体の平面視形状は典型的には線状である。この線状は一つに繋がっていてもよく、部分的に線が途切れていてもよい。溝部形成工程及び堆積体形成工程に供されるワーク700は、パーソナルケア製品の前駆体である。溝部形成工程及び堆積体形成工程は、内部に基材を含むワーク700に対して切削又は組成物の堆積を行い、基材に溝部又は堆積体を形成するものである。
加工ツール及び載置台702に載置されたワーク700の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させる、とは、例えば、XYステージ(載置台702)にワーク700を搭載して、加工ツール及び載置台702の何れかを移動させることを意味する。あるいは、磁気浮遊型リニア搬送装置のシャトル(載置台702)にワーク700を搭載して、加工ツール及び載置台702の何れかを移動させることを意味する。本実施形態では、製造装置1は、XYステージ、磁気浮遊型リニア搬送装置又は別の装置の何れにより実現されてもよい。
この様に、本実施形態では、堆積体を、基材にプレスにより形成された溝部内に、もしくは基材の未切削の平面ではなく、基材を切削して形成した溝部内に堆積することで、堆積体が基材から脱落するのを防止し、意匠的な品質を向上する。即ち、本実施形態では、溝部と堆積体のデザインは略同じ形状であることが好ましい。
なお、以下の実施形態において、基材は、粉体と油剤のみを含む基材用組成物からなる乾式打型品であり、ホッパー等から粉体原料である基材用組成物を供給し打型して製造される。一方、堆積用組成物は、製造時にはスラリー(化粧料などの粉体と、液体である分散媒とを含む混合物である分散液)である。一方、出来上がったパーソナルケア製品710においての堆積体は、スラリーに含まれる溶媒が揮発する等して、スラリーとは組成が異なる。本実施形態では、「堆積体」と称するとき、堆積用組成物であるスラリーを基とし、スラリーとは組成が異なる堆積体を意図する。堆積体の材料であるスラリーを、「堆積用組成物」と称する。
なお、別の実施形態において、基材用組成物は前記堆積用組成物と同様に製造時にはスラリーとして供給される形態でもよい。即ち、基材は、乾式打型品に限定されず、湿式打型品でもよい。また、基材用組成物及び堆積用組成物は、加熱して流動化させ、冷却後固化するような油性バルク(口紅等)でもよい。
基材と堆積体とは、同じものでもよいが、典型的には異なる。基材と堆積体が異なるとは、典型的にはその色が異なる。色が異なるとは、具体的には基材と堆積体の明度、彩度、色相、パール等の配合による色及び質感から選ばれる一又は二以上が異なる。基材と堆積体とは、含有する粒子の粒径や配合成分が異なってもよい。色が異なることで、堆積体730の視認性や意匠性が向上する。
立体的模様は、例えばひらがな及びカタカナ等の日本語文字、アルファベット、アラビア数字、ローマ数字、諸外国の文字等の各種文字、直線及び曲線並びにこれらの組み合わせからなる図形や幾何学形状、記号、色、模様又はこれらの組み合わせの形状の模様でよい。
制御装置300は、典型的にはCPUがROMに記録されたコンピュータプログラムをRAMにロードして実行することにより、製造装置1を制御する。ここでいう製造装置1とは典型的には第1の機械500及び第2の機械600を含む。また、製造装置1がXYステージ又は磁気浮遊型リニア搬送装置であり、第1の機械500が切削機能を有し第2の機械600がディスペンサ機能を有する場合を想定する。
制御装置300は、上記の基本コンピュータプログラムのサブルーチンとしてGコードを用いたNCプログラムに基づき、第1の機械500及び第2の機械600を制御することが好ましい。第1の機械500及び第2の機械600のオンオフ及び電流値は、Gコードにより制御される。制御装置300は、複数の異なる第1のプログラムの何れかを実行するように第1の機械500を制御し、複数の異なる第2のプログラムの何れかを実行するように第2の機械600を制御することができる。例えば、制御装置300は、異なる第1のプログラム(NCプログラム)に基づき、第1の機械500に、異なる形状(異なる模様)の溝部を切削加工させることが可能である。制御装置300は、異なる第2のプログラム(NCプログラム)に基づき、第2の機械600に、異なる形状(異なる模様)の堆積体を堆積させることが可能である。なお、第1の機械500及び第2の機械600が固定で載置台702が第1の機械500及び第2の機械600に対して移動する場合、制御装置300は、載置台702が移動するように制御する。
制御装置300は、人体に適用可能なパーソナルケア製品の製造方法を実行する。パーソナルケア製品の製造方法は、ワーク700に溝部を形成する工程と、ワーク700に堆積体を形成する工程とを含んでよい。より具体的には、パーソナルケア製品の製造方法は、切削機械及びワーク700の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させながら、ワーク700内の基材を切削し、溝部を形成する工程と、堆積用組成物をノズルからワーク700に導入しながら、該ノズル及びワーク700の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させて基材に堆積用組成物を堆積させ、立体的模様を形成する堆積体を形成する工程とを含んでよい。溝部形成工程及び堆積体形成工程は、それぞれ、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を原点とする、基材座標系を設定する。それぞれの溝部形成工程及び堆積体形成工程において、XY平面と平行な平面上で切削機械又はノズル(作業機械)の先端を原点とする局所座標系を設定する。溝部形成工程では、局所座標系の原点と基材座標系の原点が一致するよう、切削機械及びワーク700の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させた後、NCプログラムを局所座標系において動作させ、溝部を形成する。堆積体形成工程では、局所座標系の原点と基材座標系の原点が一致するよう、ノズル(作業機械)及びワーク700の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させた後、NCプログラムを局所座標系において動作させ、溝部を形成する。
2.第1の機械及び第2の機械のスペックの例
図2は、第1の機械及び第2の機械のスペックの例を示す。
第1の機械500の切削工具のZ方向の移動幅D2は、特に限定されないが例えば50mmである。移動幅D2は、Z方向の可動範囲(可動ストローク)を意味する。
切削工具の先端から基材720の表面723までの距離D3は、特に限定されないが、切削工具と基材との接触を抑制するといった観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.15mm以上、更に好ましくは0.2mm以上である。
また、距離D3はZ方向の移動幅D2の範囲内であれば限定されないが、Z方向の移動に要する時間が過剰になることを防ぐ観点から、好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下、更に好ましくは15mm以下である。
切削深さD7、即ち、基材720の表面723から溝部721の底面724までの距離は、陰影による視認性の向上や立体感の向上といった観点から、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上である。
また、D7は、金皿との接触を避ける観点から、ワーク700の基材720の充填高さD5から金皿701の厚みを除いた値以下であればよく、生産性の観点から好ましくは3mm以下、より好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2mm以下である。
例えば、切削工具径は、形成される溝部721が線状の場合その幅に相当する。切削工具径は、微細な溝加工の実現、基材の割れの抑制、生産性といった観点から、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.3mm以上である。
切削工具径の下限は、現実的には5mm以下であり、好ましくは4mm以下、より好ましくは3mm以下である。
切削工具径は、切削工具に設けられる回転刃の刃径をいう。例えば回転刃の形状や種類に応じて設定される径方向の寸法である。例えば回転刃の回転軌跡が円筒状となるスクエア型のエンドミルにおいて回転刃の刃径とは、回転刃の直径である。また、回転刃のうち外周刃の形状がテーパ型のエンドミルにおいて回転刃の刃径とは、回転刃の先端の直径である。また、回転刃の先端がボール型のエンドミルにおいて回転刃の刃径とは、例えばボールの直径である。また、回転刃の先端が錐状に構成されたV溝加工用のエンドミルにおいて回転刃の刃径とは、例えば先端部の大径(回転刃の最大径)である。要するに径が変化する工具に関しては、実際に基材と接触する部分(実切削径)をいう。また切削工具がドリルである場合、回転刃の刃径とは、例えばドリルの直径のことである。
第1の機械500の切削工具がエンドミルの場合、その回転数は、例えば2000rpmである。走査速度は、例えば12mm/sである。
第2の機械600のノズルの塗布距離H1(ノズルの先端から塗布対象である溝部721の底面724までの距離)は、ノズル径D1との比(距離H1/ノズル径D1)が、所定の関係となるように維持した状態で、堆積用組成物を供給することが好ましい。詳細には、ノズル径D1に対する塗布距離H1の比(H1/D1)は、吐出した堆積体をノズルにより潰してしまうことの防止、細い線幅の実現といった観点から、好ましくは0.35以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.7以上とする。
また、ノズルと基材との相対的な移動に対する吐出した堆積体の良好な追従性の観点から、好ましくは3未満、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2以下とする。上述したH1/D1は、塗布の開始から終了までにおいて一定となるように維持されていてもよく、上述の範囲で変化していてもよい。
また、上述した塗布距離H1は上述した範囲とすることができるが、ノズルと基材との接触を抑制するといった観点から、好ましくは0.15mm以上、より好ましくは0.2mm以上、更に好ましくは0.25mm以上である。
また、ノズルと基材との相対的な移動に対する吐出した堆積体の追従性を向上するといった観点から、好ましくは5mm以下、より好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2mm以下である。
例えば、塗布距離が0.4mmであるとき、ノズルの先端から基材720の表面723までの距離D4が0.3mm、基材720の表面723から溝部721の底面724までの距離が0.1mmでよい。第2の機械600のノズルのノズル径D1は、0.01mm以上2mm以下であることが好ましい。
ノズル詰まりの抑制、連続吐出の安定化、圧力損失の防止といった観点から、D1は、内部空間の長さとして表して、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.2mm以上である。
また上述したノズル径D1は、微細な塗布の実現、液垂れ抑制といった観点から、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.6mm以下である。なお、上述したノズル径D1は、ノズルが円形状である場合の内径、すなわちノズルの断面の長さと同義である。
これにより、狭幅で高さのあるようなデザインの立体的模様など、精緻な立体的デザインのパーソナルケア製品を製作可能であり、表面に高精細な模様付けが可能である。
ワーク700の基材720の充填高さD5は、例えば3.55mmである。ワーク700の金皿701と載置台702との間に例えば両面テープやゴムシート等の固定部材711を設けてもよい。固定部材が両面テープである場合、金皿701と載置台702との間の距離D6は、例えば0.1mm以上であり、両面テープに付着した付着物に依存して距離が変動し得る。
3.製造方法
制御装置300は、第1の機械500を制御して溝部形成工程を実行させ、溝部721を形成させることが好ましい。例えば、第1の機械500を制御して複数の異なる第1のプログラムの何れかを実行させることにより、溝部形成工程を実行させ、実行した第1のプログラムに応じた形状を有する溝部721を形成させる(ステップS1)ことが好ましい。溝部形成工程は、パーソナルケア製品を構成する基材720に、表面723から厚み方向に凹む溝部721を形成する工程である。溝部は典型的には線状である。具体的には、溝部形成工程は、XYステージ(載置台702)と平行な平面をXY平面とし、基材720の表面723上の任意の点を基材原点Ob(図8)とする基材座標系を設定し、基材原点Obを基準として溝部721を形成する工程であることが好ましい。このフローの一例を図3に示す。
溝部形成工程は、XY平面(またはXYステージ)と平行な平面で第1の機械500の切削工具の先端を第1の原点Ocとする第1の局所座標系を設定することが好ましい。第1の原点OcのXY座標原点は、基材720の基材原点ObのXY座標原点と一致する。溝部形成工程は、第1の原点Ocを基準とする第1の局所座標系内で溝部721を形成する。
溝部形成工程は、切削により溝部を形成する場合、第1の機械500の切削工具及び基材720の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させながら行う。その際、第1の原点Ocを基準とする第1の局所座標系内で、第1の機械500の切削工具により基材720の表面723を切削する。これにより溝部721を形成する。この一例を図4及び図8に模式的に示す。図4は平面図、図8はその斜視図である。
溝部形成工程(ステップS1)を切削ではなくプレス成型によって実現してもよい。この場合には、溝部形成工程は、XYステージ(載置台702)と平行な平面をXY平面とし、基材720の表面723上の任意の点を基材原点Obとする基材座標系を設定し、基材原点Obを基準としてプレス型510を配置して溝部721を形成すればよい。この一例を図7に模式的に示す。
基材720の基材原点ObのXY座標原点とXY座標原点が一致する第1の原点Ocを基準とする第1の局所座標系内で溝部721を形成することにより、基材720の基材原点Obに対して溝部721が位置ずれするのを抑制することができる。
制御装置300は、第2の機械600を制御して複数の異なる第2のプログラムの何れかを実行させることにより、堆積体形成工程を実行させ、実行した第2のプログラムに応じた形状を有する堆積体730を堆積させる(ステップS2)ことが好ましい。堆積体形成工程は、第2の機械600のノズルから溝部721の少なくとも一部の中にパーソナルケア製品を構成する堆積用組成物を吐出して、立体的模様を形成する堆積体730を堆積し、これにより、基材720を加飾する工程である。
堆積体形成工程は、XY平面(またはXYステージ)と平行な平面で第2の機械600のノズルの先端を第2の原点Odとする第2の局所座標系を設定することが好ましい。第2の原点OdのXY座標原点は、基材720の基材原点ObのXY座標原点と一致する。堆積体形成工程は、第2の原点Odを基準とする第2の局所座標系内で堆積体730を堆積する。
具体的には、堆積体形成工程は、第2の機械600のノズルの先端が溝部721の少なくとも一部に沿うように、第2の機械600のノズル及び基材720の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させながら行う。その際、第2の原点Odを基準とする第2の局所座標系内で、第2の機械600のノズルから堆積用組成物を吐出する。
基材720の基材原点ObのXY座標原点とXY座標原点が一致する第2の原点Odを基準とする第2の局所座標系内で堆積体730を堆積することにより、基材720の基材原点Obに対して堆積体730が位置ずれするのを抑制することができる。
この様に、溝部形成工程を実現する第1のプログラムを、XYステージ(載置台702)と平行な平面をXY平面とし、基材720の表面723上の任意の点を基材原点Obとする基材座標系を設定し、基材原点ObのXY座標原点とXY座標原点が一致する第1の原点Ocを基準とする第1の局所座標系で実行することが好ましい。堆積体形成工程を実現する第2のプログラムを、基材原点ObのXY座標原点とXY座標原点が一致する第2の原点Odを基準とする第2の局所座標系で実行することが好ましい。こうすることで、溝の形成および堆積体の形成時に位置ずれするのを抑制することができる。また、座標系の設定変更のみで、共通の動作プログラムを実行可能となりプログラム作成負荷が削減できる。また、同様に第3、第4と追加することで、より複雑なデザイン及び複数の異なる色の加飾等も、位置ズレを抑制した動作で作製可能となる。
図5は、製造方法の比較例を模式的に示す。
局所座標系ではない1個の座標系の原点Oを基準として溝部形成工程を実現する第1のプログラム及び堆積体形成工程を実現する第2のプログラムを実行すると仮定した場合には、デザイン変更や装置構成変更により、原点Oを基準とする第1のプログラム及び第2のプログラムの修正が必要になる。
これに対して、本実施形態では、第1のプログラム及び第2のプログラムそれぞれを、XYステージ(載置台702)と平行な平面をXY平面とし、基材720の表面723上の任意の点を基材原点Obとする基材座標系を設定し、基材原点ObのXY座標原点とXY座標原点が一致する第1の局所座標系及び第2の局所座標系を基準として実行するため、第1のプログラム及び第2のプログラムのXY座標系を共通化できるのでプログラム負荷を低減することができ、原点設定のみの調整で動作可能である。
第1のプログラムの第1の局所座標系の第1の原点及び第2のプログラムの第2の局所座標系の第2の原点を共通とすることができる。この場合、第1の局所座標系の第1の原点Oc及び第2の局所座標系の第2の原点Odは一致する。このため、第1の原点Oc及び第2の原点Odと、基材原点Obとを必ずしも一致させなくてもよい。これにより、第1の局所座標系及び第2のプログラムの第2の局所座標系がそれぞれ異なる場合に比べて、プログラム負荷を低減することができる。この一例を図6に模式的に示す。
4.パーソナルケア製品の具体例
製造装置1により製造されるパーソナルケア製品710は、典型的には基材720と、堆積体730とを有する。
基材720は、典型的には表面732から厚み方向に凹む溝部721を有する。
堆積体は、溝部721の中の少なくとも一部に堆積され、立体的模様を形成することが好ましい。
基材720の表面723と、堆積体730の表面732とは、典型的には溝部721の深さ方向(Z方向)に高低差を有する。堆積体730が溝部721の中の少なくとも一部に形成されることで、堆積体730の基材720に対する接触面積が増加し、堆積体730が脱落しにくくなり、立体感が向上する。
図9及び図10は、パーソナルケア製品の断面を模式的に示す。
溝部721は、該溝部721の幅方向に沿う断面において、少なくとも一部に堆積体730を有していることが好ましい。これに加えて、溝部の他の一部に隙間部722を有していたり、溝部721の隣接部位にはみ出し部731を有していたり、これら両方を有していることが好ましい。
溝部721の幅方向に沿う断面において、一部に堆積体730が配され、堆積体730が堆積されていない他の一部が隙間部722を有してもよい。
溝部721に堆積体730が配され、該溝部721の幅方向における隣接部において、堆積体730の少なくとも一部が基材720の表面723に堆積している部分がはみ出し部731である。
これにより、陰影により堆積体730の境界が視認しやすくなり、立体感が強くなる。特にはみ出し部731があることによりアンカー効果を発現し品質を維持しやすくなる。この一例を図9に示す。
溝部721の深さに対する堆積体730の溝部721の深さ方向の高さの比は、0.01以上100以下であることが好ましい。溝部721の深さに対する堆積体730の溝部721の深さ方向の高さの比は、高低差による陰影の強調、立体感の増強といった観点、並びに、溝部への堆積体の加飾性や生産性、堆積体による加飾部の崩れの抑制といった観点から、好ましくは0.01以上0.99以下及び1.01以上100以下、より好ましくは0.1以上0.9以下及び1.1以上90以下、更に好ましくは0.2以上0.8以下及び2以上50以下である。
溝部721の深さ及び/又は堆積体730の高さにばらつきがあってもよい。堆積体730が溝部721内に埋もれており基材720の表面723より低い位置にあってもよいし、堆積体730が基材720の表面723から盛り上がっていてもよい。この一例を図10に示す。
金型を用いたプレス加工により立体的模様を形成して基材の表面を加飾する場合、金型の製作には時間やコストが掛かるため、初期投資が大きく開発期間が長い。このため、頻繁なデザイン変更やカスタマイズ等による多品種のパーソナルケア製品を製造することが困難である。
これに対して、本発明の製造方法によれば、基材720の溝部721の中の少なくとも一部に、第2の機械600からのノズルからの吐出により堆積体730を形成する。これにより、堆積体の形成に金型を用いないことが可能であるため、金型では困難なデザインも立体的に制作することが可能であり、線の幅などを高精細に変更可能である。金型が不要となり投資削減、開発期間(リードタイム)を短縮可能である。プログラムを変更すればデザイン変更が可能であるため、多品種のパーソナルケア製品を1個から作製可能であり、デザイン変更が容易であり、カスタマイズ等のニーズに容易に対応可能である。表面に加飾を施したパーソナルケア製品710において、加飾のデザインが精緻で高精細であるパーソナルケア製品710を提供することができる。
5.第2の機械の例
第2の機械600は、典型的には、流動性を有する堆積用組成物Lを、ワーク700上に供給する供給部20と、供給部20と連通するように一体的に配置されたノズル21とを備える。堆積用組成物Lは、堆積体の材料である。典型的には、平板状の載置台702がノズル21の下方且つノズル21と対向する位置に配されており、載置台702の上面にワーク700が搭載できる。この一例を図11に示す。
第2の機械600は、供給部20と載置台702とを所定の位置に支持又は保持する。第2の機械600は、ノズル21の位置及び載置台702の位置を、任意の方向に相対的に移動させる。これによって、ノズル21及び載置台702の少なくとも一方を、平面方向、鉛直方向又はその組み合わせの方向に移動させて、ノズル21及び載置台702上のワーク700の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させることができる。
供給部20は、流動性を有する堆積用組成物Lをワーク700側に送液する部材である。供給部20は、送液部25と、組成物収容部26とを備えることが好ましい。
送液部25は、流路28を介して組成物収容部26が連通して接続されていることが好ましい。これにより、組成物収容部26から送液部25の内部に供給された堆積用組成物Lをノズル21側に連続的に又は非連続的に供給したり、あるいは供給を停止したりできる。このような送液部25としては、堆積用組成物Lを液滴状に吐出可能なジェットディスペンサー、あるいは堆積用組成物Lを連続的に吐出可能なモーノディスペンサーやスクリューディスペンサーを用いることができる。
組成物収容部26は、その一方がエア等の加圧手段やポンプと接続されており、組成物収容部26に収容されている堆積用組成物Lを、流路28を介して、送液部25側に圧送できるように構成されていることが好ましい。
ノズル21は、典型的には、堆積用組成物Lを供給部20からワーク700に向けて供給する管状の部材である。ノズル21は、その内部に形成された空間である堆積用組成物Lの流路が堆積用組成物Lの流動方向に沿って形成されている。ノズル21は、その一方の端部であるノズル先端が堆積用組成物Lの供給口を構成し、他方の端部は上述した供給部20と連通して接続されている。ノズルの構成材料は特に限定されず、例えば金属やプラスチックなどを採用できる。
6.堆積用組成物の例
特に断りのない限り、以下に説明する物質の状態(三態)は、1気圧、20℃を基準とする。また、組成物は3つ以上用いても良い。
堆積用組成物は、堆積用組成物に含まれる材料の均一分散性を向上し品質を安定化させることや、ノズルから吐出した堆積体の崩れを抑制し形状を安定化させるといった観点から、その粘度が、好ましくは0.1Pa・s以上、より好ましくは0.5Pa・s以上、更に好ましくは1Pa・s以上である。
上記粘度は、吐出性を向上させ、成形性を向上する観点から、好ましくは1000Pa・s以下、より好ましくは500Pa・s以下、更に好ましくは200Pa・s以下である。
上述した堆積用組成物の粘度は、堆積用組成物の温度をノズル21からの供給時の堆積用組成物と同じ温度、すなわち吐出時の温度にした上で測定する。例えば堆積用組成物がスラリーである等といった加熱溶融液以外のものであり、室温(25℃)でノズルから供給する場合には、25℃において、B型粘度計(東機産業株式会社製、デジタル粘度計TVB-10R)を用いて測定された値とする。この場合の測定条件は、ローターをサンプルの粘度範囲に合わせてローターNo.M1、M2、M3、M4、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、T-A、T-B、T-C、T-D及びT-Eのいずれかとし、回転数を3~100rpmとし、測定時間を60秒間とする。堆積用組成物が加熱溶融液である場合、堆積用組成物の温度をノズル21からの供給時の堆積用組成物と同じ温度にした上で、前述の測定条件にて粘度を測定する。
堆積用組成物は、粉体等の固体及び油剤から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
このような固体としては、例えば、着色顔料及び体質顔料などの通常の化粧料成分に用いられる粉体から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
着色顔料及び体質顔料としては、例えば、無機粉体、有機粉体、無機粉体と有機粉体との複合粉体などから選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
無機粉体としては、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、セリサイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、クレー、ベントナイト、雲母、チタン被膜雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、カーボンブラック、チッ化ホウ素これらの複合体等から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
有機粉体としては、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂 、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース、長鎖アルキルリン酸金属塩、N-モノ長鎖アルキルアシル塩基性アミノ酸、これらの複合体等から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
これらの体質顔料や着色顔料は、着色しているか又は非着色(例えば、白色又は本質的に透明)であり、基材又は皮膚に対して、着色、光の回折、油分吸収、半透明性、不透明性、光沢、光沢のない外観、滑らか感などのうちの一つ以上の効果を提供し得る。
溶媒を含む堆積用組成物中における粉体の含有量は、その目的に応じて異なるが、乾燥といった生産性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。
溶媒を含む堆積用組成物中における粉体の含有量は、供給時の流動性といった生産性の観点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
このような範囲であることで、高精細な立体形状を有するパーソナルケア製品を製造しやすくすることができ、また製品を使用したときの良好な使用感を高めることができる。
堆積用組成物中における粉体の平均粒径はノズル詰まりを抑制し連続的に安定した吐出を可能とするといった観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で測定される累積体積50容量%における体積累積粒径D50とする。なお、最終的な製品から粉体の平均粒径を測る場合には、まず製品を水や油に溶解させ、バインダー成分を溶かして溶媒に粒子を分散させる。その後、粒度分布計を用いて固形物としての粒度分布を測定し、得られた結果の体積累積粒径D50を平均粒径とする。
堆積用組成物中における粉体の平均粒径は、ノズルからの安定供給性といった観点から、ノズル21のノズル径D1より小さいことが好ましい。図12は、ノズル径の例を示す。ノズル21の断面が真円でない場合は、ノズル21の流動方向Rと直交する断面においてノズル21の内面に内接する内接円(真円)のうち最大径を持つ内接円C(図12(b)及び(c)参照)の直径D1をノズル径とする。図12(b)には、ノズル21が矩形状である例が示されており、図12(c)には、ノズル21が楕円形状である例が示されている。堆積用組成物中における粉体の平均粒径は、上述の方法で製造された堆積体の平面視における線幅W1を細くし、立体的且つ高精細なデザインを安定的に形成するといった観点から、ノズル21のノズル径D1との比(平均粒径/ノズル径)が、好ましくは1以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.35以下、より一層好ましくは0.3以下である。
平均粒径/ノズル径は小さければ小さいほど好ましいが、現実的には0.001以上である。
堆積用組成物中に含まれ得る油剤は、1気圧、20℃で液体の油(以下、これを液体油ともいう。)、及び1気圧、20℃で固体の油(以下、これを固体油ともいう。)から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
液体油としては、例えば、直鎖又は分岐の炭化水素油、植物油、動物油、エステル油、シリコーン油、高分子アルコールが挙げられる。直鎖又は分岐の炭化水素油としては、流動パラフィン、スクワラン等が挙げられる。植物油としては、ホホバ油、オリーブ油等から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
動物油としては、液状ラノリン等が挙げられる。エステル油としては、モノアルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
高分子アルコールとしては、ポリエチレングリコール等から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
固体油としては、例えば、ワセリン、セタノール、ステアリルアルコール、セラミド等から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
堆積用組成物は、液媒を更に含むことも好ましい。液媒は、化粧料を溶解又は分散させる溶媒又は分散媒として使用することができる液体である。堆積用組成物をスラリーの形態とする場合、堆積用組成物は、粉体及び液媒を少なくとも含む混合物であることが好ましい。堆積用組成物を化粧料スラリーの形態とする場合には、堆積用組成物は、上述した顔料を含む粉体、油剤及び液媒を少なくとも含む混合物であることが好ましい。
上述した液体(液媒)としては、例えば、液体の状態において揮発性を有する物質(揮発性溶媒)を含むことが好ましい。
具体的には液体(液媒)としては、水、アルコール、ケトン及び炭化水素等から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
アルコールとしては、例えば一価の炭素数1~6の鎖式脂肪族アルコールや、一価の炭素数3~6の環式脂肪族アルコールや、一価の芳香族アルコールから選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
それらの具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、フェニルエチルアルコール、プロパノール、ペンタノールなどから選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
ケトンとしては例えば炭素数3~6の鎖式脂肪族ケトンや、炭素数3~6の環式脂肪族ケトンや、炭素数8~10の芳香族ケトンから選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
それらの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどから選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
炭化水素としては、例えばイソパラフィン系炭化水素から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
その具体例としては、IPソルベントを含むことが好ましい。
堆積用組成物に液媒を含む場合、堆積用組成物中における液媒の含有量は、その目的に応じて異なるが、総量として、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、更に好ましくは30質量%以上である。
堆積用組成物中における液媒の含有量は、総量として、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
このような範囲であることで、堆積用組成物の構成材料の均一分散性を高めつつ、取り扱い性を高めることができる。
基材又は堆積体中における粉体の平均粒径は、着色力や明度、彩度等の光学的性質の調整といった観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上である。
基材又は堆積体中における油剤の含有量は、その目的に応じて異なるが、総量として、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、更に好ましくは1.5質量%以上である。
基材又は堆積体中における油剤の含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
このような範囲であることで、パーソナルケア製品としての良好な発色性や感触を高めることができる。
基材又は堆積体は、目的とするパーソナルケア製品の種類に応じて、増粘剤、皮膜剤、界面活性剤、糖、多価アルコール、水溶性高分子、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、アミノ酸、有機アミン、pH調整剤、皮膚コンディショニング剤、ビタミン、酸化防止剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤等から選ばれる一種又は二種以上の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましい。
ベンゾフェノン誘導体としては、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸塩、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸塩から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
メトキシ桂皮酸誘導体としては、メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル等から選ばれる一種又は二種以上を含むことが好ましい。
紫外線散乱剤としては、例えば平均粒径が0.1μm以下の微粒子を含むことが好ましい。
紫外線散乱剤としては、酸化亜鉛、酸化チタン及びシリカ等から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましい。
基材又は堆積体は、パウダー化粧品等の粉体を主成分とするパーソナルケア製品を製造する観点から、その固形分として、粉体を好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上含むことが好ましい。
基材又は堆積体は、成形性といった観点から、その固形分として、粉体を好ましくは99質量%以下含むことが好ましい。
堆積体をこのような構成とするためには、例えば基材用組成物又は堆積用組成物Lに粉体を上述の固形分の範囲で含有させたり、あるいは、液媒及び粉体を含む基材用組成物又は堆積用組成物Lを用いて対象物70上に供給した後、固化工程を行って液媒を除去したりすることで達成することができる。
本発明は、以下の各構成を有してもよい。
<1>
人体に適用可能なパーソナルケア製品であって、
表面から厚み方向に凹む溝部を有する基材と、
前記溝部の少なくとも一部に堆積され、立体的模様を形成する堆積体と、
を具備し、
前記基材の表面と、前記堆積体の表面とは、前記溝部の深さ方向に高低差を有する
パーソナルケア製品。
<2>
前記溝部は、該溝部の幅方向において、一部に前記堆積体が堆積され、一部において前記堆積体が堆積されていない隙間部を有する
上記<1>に記載のパーソナルケア製品。
<3>
前記堆積体が堆積された前記溝部の幅方向における隣接部位において、前記堆積体の一部が前記基材の表面に堆積する
上記<1>又は<2>に記載のパーソナルケア製品。
<4>
前記溝部の深さに対する前記堆積体の前記溝部の深さ方向の高さの比は、0.01以上100以下である
上記<1>乃至<3>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<5>
前記比は、0.01以上0.99以下及び1.01以上100以下、好ましくは0.1以上0.9以下及び1.1以上90以下、より好ましくは0.2以上0.8以下及び2以上50以下である
上記<4>に記載のパーソナルケア製品。
<6>
前記基材と前記堆積体の色が異なる
上記<1>乃至<5>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<7>
前記パーソナルケア製品は、1気圧、20℃において固体である
上記<1>乃至<6>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<8>
前記パーソナルケア製品は、パウダー化粧品の粉体を主成分とする固形のパーソナルケア製品である
上記<1>乃至<7>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<9>
前記基材又は前記堆積体中における粉体の平均粒径は、0.1μm以上、好ましくは1μm以上である
上記<1>乃至<8>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<10>
前記基材又は前記堆積体中における粉体の平均粒径は、300μm以下、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下である
上記<1>乃至<9>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<11>
前記基材又は前記堆積体中における油剤の含有量は、総量として、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは1.5質量%以上である
上記<1>乃至<10>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<12>
前記基材又は前記堆積体中における油剤の含有量は、30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である
上記<1>乃至<11>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<13>
前記基材又は前記堆積体は、粉体を70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上含む
上記<1>乃至<12>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<14>
前記基材又は前記堆積体は、粉体を99質量%以下含む
上記<1>乃至<13>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
<15>
人体に適用可能なパーソナルケア製品の製造方法であって、
基材の表面に、少なくとも2種以上の堆積用組成物を、複数のノズルから吐出して、立体的模様を形成する堆積体を堆積する堆積体形成工程
を具備し、
前記堆積体形成工程は、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、
前記XY平面と平行な平面上で前記ノズルの各ノズル先端を原点とする複数の局所座標系を設定し、前記複数の局所座標系の原点のXY座標原点と前記基材原点のXY座標原点とが一致するよう、前記複数の局所座標系の原点を基準とする各局所座標系内で前記堆積体を堆積する
製造方法。
<16>
人体に適用可能なパーソナルケア製品の製造方法であって、
基材に、表面から厚み方向に凹む溝部を形成する溝部形成工程と、
ノズルから前記溝部の少なくとも一部に堆積用組成物を吐出して、立体的模様を形成する堆積体を堆積する堆積体形成工程と、
を具備し、
前記溝部形成工程は、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、前記基材原点を基準として前記溝部を形成し、
前記堆積体形成工程は、
ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、
前記XY平面と平行な平面上で前記ノズルの先端を原点とする第2の局所座標系を設定し、前記第2の局所座標系の第2の原点のXY座標原点は基材座標系の原点のXY座標原点と一致し、
前記第2の局所座標系の前記第2の原点を基準とする前記第2の局所座標系内で、前記堆積体を形成する
製造方法。
<17>
前記堆積体形成工程の後、更に1種以上の堆積用組成物を吐出して、更に1種以上の堆積体を形成する工程を有する、
上記<15>又は<16>に記載の製造方法。
<18>
前記堆積体形成工程は、前記ノズルの先端が前記溝部の少なくとも一部に沿うように、前記ノズル及び前記基材の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させながら、前記基材原点のXY座標原点と一致する前記第2の原点のXY座標原点を基準とする前記第2の局所座標系内で、前記ノズルから前記堆積用組成物を吐出する
上記<15>乃至<17>のいずれか一項に記載の製造方法。
<19>
前記溝部形成工程は、
切削工具の先端を第1の原点とする第1の局所座標系を設定し、前記第1の原点のXY座標原点と前記基材原点のXY座標原点とが一致するよう、前記切削工具及び前記基材の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させた後、前記第1の原点を基準とする前記第1の局所座標系内で、前記切削工具により基材の表面を切削することで、前記溝部を形成する
上記<15>乃至<18>のいずれか一項に記載の製造方法。
<20>
前記溝部形成工程は、前記切削工具及び前記基材の少なくとも一方を他方に対して前記第1の局所座標系内で相対的に移動させながら、前記切削工具により基材の表面を切削するための第1のプログラムを前記第1の原点を基準として制御装置が実行することで、前記溝部を形成し、
前記堆積体形成工程は、前記ノズル及び前記基材の少なくとも一方を他方に対して前記第2の局所座標系内で相対的に移動させながら、前記ノズルから前記堆積用組成物を吐出するための第2のプログラムを前記第2の原点を基準として前記制御装置が実行することで、前記堆積体を堆積し、
前記第1の原点および前記第2の原点のXY座標原点を前記基材原点のXY座標原点と一致させることで、前記第1のプログラムおよび前記第2のプログラム実行時の基材に対するXY座標系が共通となる
上記<19>に記載の製造方法。
<21>
前記ノズルのノズル径が、0.01mm以上2mm以下である
上記<15>乃至<20>のいずれか一項に記載の製造方法。
<22>
前記堆積体形成工程において、前記ノズルの前記堆積用組成物の流動方向と直交する断面における前記堆積用組成物の流路の最大長さに対する、前記ノズルの先端と前記溝部の底面との距離の比(距離/長さ)が、0.35以上3未満である
上記<15>乃至<21>のいずれか一項に記載の製造方法。
<23>
切削工具の先端から前記基材の表面までの距離である切削深さは、0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上である
上記<15>乃至<22>のいずれか一項に記載の製造方法。
<24>
切削工具の先端から前記基材の表面までの距離である切削深さは、3mm以下、好ましくは2.5mm以下、より好ましくは2mm以下である
上記<15>乃至<23>のいずれか一項に記載の製造方法。
<25>
切削工具径は、0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上である
上記<15>乃至<24>のいずれか一項に記載の製造方法。
<26>
切削工具径の下限は、5mm以下であり、好ましくは4mm以下、より好ましくは3mm以下である
上記<15>乃至<25>のいずれか一項に記載の製造方法。
<27>
前記ノズル径D1に対する塗布距離H1の比(H1/D1)は、0.5以上、好ましくは0.7以上である
上記<15>乃至<26>のいずれか一項に記載の製造方法。
<28>
前記ノズル径D1に対する塗布距離H1の比(H1/D1)は、2.5以下、好ましくは2以下である
上記<15>乃至<27>のいずれか一項に記載の製造方法。
<29>
前記ノズル径D1は、0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上である
上記<15>乃至<28>のいずれか一項に記載の製造方法。
<30>
前記ノズル径D1は、1mm以下、好ましくは0.6mm以下である
上記<15>乃至<29>のいずれか一項に記載の製造方法。
<31>
人体に適用可能なパーソナルケア製品の製造装置であって、
基材に、表面から厚み方向に凹む溝部を形成する第1の機械と、
ノズルから前記溝部に堆積用組成物を吐出して、立体的模様を形成する堆積体を堆積する第2の機械と、
前記第1の機械及び前記第2の機械を制御する制御装置と、
を具備し、
前記制御装置は、
前記第1の機械を制御して、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、前記基材原点を基準として前記溝部を形成し、
前記第2の機械を制御して、
ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、
前記XY平面と平行な平面上で前記ノズルの先端を原点とする第2の局所座標系を設定し、前記第2の局所座標系の第2の原点のXY座標原点は基材座標系の原点のXY座標原点と一致し、
前記第2の局所座標系の前記第2の原点を基準とする前記第2の局所座標系内で、前記堆積体を形成する
製造装置。
<32>
人体に適用可能なパーソナルケア製品の製造装置であって、
基材の表面に、
少なくとも2種以上の堆積用組成物を、複数のノズルから吐出して、立体的模様を形成する堆積体を堆積する複数の作業機械と、
前記複数の作業機械を制御する制御装置と、
を具備し、
前記制御装置は、
前記複数の作業機械を制御して、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、
前記XY平面と平行な平面上で前記ノズルの各ノズル先端を原点とする複数の局所座標系を設定し、前記複数の局所座標系の原点のXY座標原点と前記基材原点のXY座標原点とが一致するよう、前記複数の局所座標系の原点を基準とする各局所座標系内で前記堆積体を堆積する、
製造装置。
<33>
前記パーソナルケア製品は、化粧品、アロマキャンドル、洗浄剤及び入浴剤から選ばれる1又は2以上を含む
上記<1>乃至<14>のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
710 パーソナルケア製品
720 基材
721 溝部
730 堆積体

Claims (13)

  1. 人体に適用可能なパーソナルケア製品であって、
    表面から厚み方向に凹む溝部を有する基材と、
    前記溝部の少なくとも一部に堆積され、立体的模様を形成する堆積体と、
    を具備し、
    前記基材の表面と、前記堆積体の表面とは、前記溝部の深さ方向に高低差を有する
    パーソナルケア製品。
  2. 前記溝部は、該溝部の幅方向において、一部に前記堆積体が堆積され、一部において前記堆積体が堆積されていない隙間部を有する
    請求項1に記載のパーソナルケア製品。
  3. 前記堆積体が堆積された前記溝部の幅方向における隣接部位において、前記堆積体の一部が前記基材の表面に堆積する
    請求項1又は2に記載のパーソナルケア製品。
  4. 前記溝部の深さに対する前記堆積体の前記溝部の深さ方向の高さの比は、0.01以上100以下である
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
  5. 前記基材と前記堆積体の色が異なる
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のパーソナルケア製品。
  6. 人体に適用可能なパーソナルケア製品の製造方法であって、
    基材に表面から厚み方向に凹む溝部を形成する溝部形成工程と、
    ノズルから前記溝部の少なくとも一部に堆積用組成物を吐出して、立体的模様を形成する堆積体を堆積する堆積体形成工程と、
    を具備し、
    前記溝部形成工程は、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、前記基材原点を基準として前記溝部を形成し、
    前記堆積体形成工程は、
    ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、
    前記XY平面と平行な平面上で前記ノズルの先端を原点とする第2の局所座標系を設定し、前記第2の局所座標系の第2の原点のXY座標原点は基材座標系の原点のXY座標原点と一致し、
    前記第2の局所座標系の前記第2の原点を基準とする前記第2の局所座標系内で、前記堆積体を形成する
    製造方法。
  7. 前記堆積体形成工程の後、更に1種以上の堆積用組成物を吐出して、更に1種以上の堆積体を形成する工程を有する、
    請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記堆積体形成工程は、前記ノズルの先端が前記溝部の少なくとも一部に沿うように、前記ノズル及び前記基材の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させながら、前記基材原点のXY座標原点と一致する前記第2の原点のXY座標原点を基準とする前記第2の局所座標系内で、前記ノズルから前記堆積用組成物を吐出する
    請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記溝部形成工程は、
    切削工具の先端を第1の原点とする第1の局所座標系を設定し、前記第1の原点のXY座標原点と前記基材原点のXY座標原点とが一致するよう、前記切削工具及び前記基材の少なくとも一方を他方に対して相対的に移動させた後、前記第1の原点を基準とする前記第1の局所座標系内で、前記切削工具により基材の表面を切削することで、前記溝部を形成する
    請求項6乃至8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記溝部形成工程は、前記切削工具及び前記基材の少なくとも一方を他方に対して前記第1の局所座標系内で相対的に移動させながら、前記切削工具により基材の表面を切削するための第1のプログラムを前記第1の原点を基準として制御装置が実行することで、前記溝部を形成し、
    前記堆積体形成工程は、前記ノズル及び前記基材の少なくとも一方を他方に対して前記第2の局所座標系内で相対的に移動させながら、前記ノズルから前記堆積用組成物を吐出するための第2のプログラムを前記第2の原点を基準として前記制御装置が実行することで、前記堆積体を堆積し、
    前記第1の原点および前記第2の原点のXY座標原点を前記基材原点のXY座標原点と一致させることで、前記第1のプログラムおよび前記第2のプログラム実行時の基材に対するXY座標系が共通となる
    請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記ノズルのノズル径が、0.01mm以上2mm以下である
    請求項6乃至10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記堆積体形成工程において、前記ノズルの前記堆積用組成物の流動方向と直交する断面における前記堆積用組成物の流路の最大長さに対する、前記ノズルの先端と前記溝部の底面との距離の比(距離/長さ)が、0.35以上3未満である
    請求項6乃至11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 人体に適用可能なパーソナルケア製品の製造装置であって、
    基材に表面から厚み方向に凹む溝部を形成する第1の機械と、
    ノズルから前記溝部に堆積用組成物を吐出して、立体的模様を形成する堆積体を堆積する第2の機械と、
    前記第1の機械及び前記第2の機械を制御する制御装置と、
    を具備し、
    前記制御装置は、
    前記第1の機械を制御して、ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、前記基材原点を基準として前記溝部を形成し、
    前記第2の機械を制御して、
    ステージと平行な平面をXY平面とし、基材表面上の任意の点を基材原点とする、基材座標系を設定し、
    前記XY平面と平行な平面上で前記ノズルの先端を原点とする第2の局所座標系を設定し、前記第2の局所座標系の第2の原点のXY座標原点は基材座標系の原点のXY座標原点と一致し、
    前記第2の局所座標系の前記第2の原点を基準とする前記第2の局所座標系内で、前記堆積体を形成する
    製造装置。
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