JP2023175371A - 冷凍α化処理済み麺 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、α化処理済み麺類を冷凍保存しても品質劣化を抑制することができる冷凍α化処理済み麺類用の品質劣化抑制剤を提供することを課題とする。【解決手段】α化処理済み麺を冷凍する際に、穀粉類の懸濁液を共に容器に収納して冷凍することにより上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、加熱調理されたα化処理済み麺類を冷凍保存する際に用いる冷凍α化処理済み麺類用品質劣化抑制剤、及び品質劣化抑制剤を用いた冷凍α化処理済み麺に関する。
麺類は、品質維持や調理手順の簡便化のため、製麺し、茹で処理や蒸し処理等のα化処理により可食状態にして急速冷凍された冷凍α化処理済み麺の状態で流通することがある。しかしながら、冷凍α化処理済み麺は、冷凍保存による品質低下が食感に悪影響を及ぼし、加熱解凍しても、α化処理直後の麺類よりも風味や粘弾性が劣り、柔らかく脆い食感になりがちである。
特許文献1は特定の多糖類を含有する水溶液で麺を茹でることにより、保存時の麺の食感劣化を防止する、より具体的には麺を硬くする方法を開示している。
特許文献2は包装ゆでめんを製造する際に、乳清蛋白濃縮物、キサンタンガム及び親水性乳化剤を添加することで、包装ゆでめんの品質を改良する方法を開示している。
特許文献3は冷凍処理した冷凍食品に、天然の多糖類粘質物、オリゴ糖もしくは合成糊料のうちの少なくとも一種類のコーティング剤を噴霧、はけ塗りあるいは浸漬することにより、該冷凍食品の表面に前記コーティング剤の被膜を形成させることで、冷凍食品の長期保存中でも表面の乾燥防止と食品の劣化を防止する方法を開示している。
特許文献4は茹麺表面をゼラチンでコーティング処理することで、茹のびが生じにくくほぐれやすい茹麺になり、冷凍保存性も向上する方法を開示している。
このように冷凍α化処理済み麺の品質維持のために各種試みがされているが、さらなる改良が求められていた。
特開2020-099323号公報 特開平06-141803号公報 特開平03-080068号公報 特開昭63-283547号公報
本発明の目的は、α化処理済み麺類を冷凍保存しても品質劣化を抑制することができる冷凍α化処理済み麺類用の品質劣化抑制剤を提供することである。
本発明者は、α化処理済み麺を冷凍する際に、穀粉類の懸濁液と共に冷凍することで、喫食時、風味や食感の優れた麺となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
〔1〕穀粉類と水分とを含有し、穀粉類の含有量が穀粉類と水分との合計に対して0.1~30質量%である、冷凍α化処理済み麺類用品質劣化抑制剤。
〔2〕前記穀粉類が、蕎麦粉、小麦粉、ライ麦粉及び大豆粉からなる群から選択される1以上である、前記〔1〕に記載の品質劣化抑制剤。
〔3〕更に増粘安定剤を含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の品質劣化抑制剤。
〔4〕前記増粘安定剤が、寒天、ゼラチン及びキサンタンガムからなる群から選択される1以上である、前記〔3〕に記載の品質劣化抑制剤。
〔5〕α化処理済み麺類と、
前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の品質劣化抑制剤と、
前記α化処理済み麺類及び前記品質劣化抑制剤を収納する容器と、
を含む容器入り冷凍α化処理済み麺類であって、
前記品質劣化抑制剤の含有量が、前記α化処理済み麺類100質量部に対して1質量部以上である、前記容器入り冷凍α化処理済み麺類。
〔6〕麺類を加熱調理してα化処理済み麺類を得る工程と、
前記α化処理済み麺類と、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の前記品質劣化抑制剤とを容器に収納して密封して容器入りα化処理済み麺類を得る工程と、
前記容器入りα化処理済み麺類を冷却して容器入り冷凍α化処理済み麺類を得る工程と、
を含む、容器入り冷凍α化処理済み麺類の製造方法であって、
前記品質劣化抑制剤の含有量が、前記α化処理済み麺類100質量部に対して1質量部以上である、前記方法。
本発明によれば、冷凍保存しても、加熱解凍することにより良好な風味や弾力としなやかさのある食感を有するα化処理済み麺類を得ることができる。
本発明は、穀粉類と水分とを含有し、穀粉類の含有量が穀粉類と水分との合計に対して0.1~30質量%である、冷凍α化処理済み麺類用品質劣化抑制剤に関する。
(1)穀粉類
「穀粉類」とは、普通小麦、デュラム小麦、米、蕎麦、ライ麦、大麦、とうもろこし、ひえ、あわ、アマランサス、大豆、えんどう豆等の穀物由来の穀粉;馬鈴薯、里芋、キャッサバあるいは甘藷等の穀物に準ずる主食となる農作物である塊茎粉あるいは塊根粉などをいう。本発明においては、一般に食品用途に使用されている穀粉類であればいずれも好適に使用することができる。好ましくは小麦粉、蕎麦粉、大麦粉、デュラム小麦粉、ライ麦粉、大豆粉であり、より好ましくは小麦粉、蕎麦粉、ライ麦粉及び大豆粉からなる群から選択される1以上である。穀粉類としては、冷凍する麺類の原料として使用されている穀粉と同じものを使用することが好ましい。
(2)水分
本発明において使用する水分は、一般に飲食品に使用される水分であれば何れも好適に使用することができる。好ましくはミネラルウォーター等の飲用水;ショ糖などの糖類、グルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸、酢酸などの有機酸等の可溶性成分(溶質)が溶解している水溶液;食塩、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム等の電解質が溶解している電解水等である。果汁、果菜汁、かつお出汁などの搾り汁や煮汁を用いてもよいが、水不溶性の固形分が含まれないよう十分に濾過や遠心分離等により固液分離を行い、固形分を除去した液体画分を用いることが好ましい。また、タンパク質等の加熱により凝固又は凝集する成分を含む卵液や畜乳等の液体は、凝固物や凝集物が麺類に悪影響を及ぼす可能性があるため、使用しない方が好ましい。水分としては飲用水を使用することがより好ましく、水溶液や電解水を使用する場合には、α化処理済み麺に浸透して味に影響が出ないように、上記可溶性成分又は電解質の量が5質量%以下であるものが好ましい。
(3)冷凍α化処理済み麺類用品質劣化抑制剤
本発明の品質劣化抑制剤は、穀粉類と水分とを含有する。
本発明の品質劣化抑制剤における穀粉類の含有量は、水分と穀粉類との合計に対して0.1~30質量%である。好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは3質量%以上であり、なお好ましくは4質量%以上であり、なお更に好ましくは7質量%以上であり、また、好ましくは28質量%以下であり、より好ましく26質量%以下であり、更に好ましくは24質量%以下であり、なお好ましくは22質量%以下である。前記範囲であれば、α化処理済み麺類を本発明の品質劣化抑制剤と共に冷凍することにより、冷凍による麺類の品質劣化が抑制され、加熱解凍しても、良好な風味や弾力としなやかさのある食感を有するα化処理済み麺類を得ることができ、作業性も良好である。
本発明の品質劣化抑制剤は、穀粉類と水分とを混合したときの粘度が、例えば、1.0~30mPa・sであり、好ましくは1.1~25mPa・sであり、より好ましくは1.3~23mPa・sであり、更に好ましくは1.5~21mPa・sであり、より更に好ましくは2.0~20mPa・sである。
(4)増粘安定剤
本発明において任意に使用する「増粘安定剤」は、一般に食品用途に使用されている増粘安定剤であればいずれも好適に使用することができる。そのような増粘安定剤としてはキサンタンガム、ペクチン、カラギナン、寒天、ガラクトマンナン、アラビアガム、グアーガムなどの増粘多糖類;低分子ゼラチンなどのタンパク質性の増粘安定剤;メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ヒドロキシプロピル澱粉などの変性澱粉等が挙げられる。好ましくは、寒天、ゼラチン、キサンタンガムである。
本発明の品質劣化抑制剤における増粘安定剤の含有量は、増粘安定剤の種別により異なるが、懸濁液に粘度が生じればよく、例えば、穀粉類と水分との合計100質量部に対して0.05~5質量部である。好ましくは0.1質量部以上であり、より好ましくは0.2質量部以上であり、更に好ましくは0.3質量部以上であり、また、好ましくは4.5質量部以下であり、より好ましく4質量部以下であり、更に好ましくは3質量部以下である。増粘安定剤を添加した後の品質劣化抑制剤の粘度が、例えば、1.0~30mPa・sの粘度範囲であり、好ましくは1.1~25mPa・sであり、より好ましくは1.3~23mPa・sであり、更に好ましくは1.5~21mPa・sであり、より更に好ましくは2.0~20mPa・sである。前記範囲であれば、α化処理済み麺類を本発明の品質劣化抑制剤と共に冷凍することにより、冷凍による麺類の品質劣化が抑制され、加熱解凍しても、良好な風味や弾力としなやかさのある食感を有するα化処理済み麺類を得ることができ、作業性も良好である。
(5)α化処理済み麺類
「α化処理済み麺類」としては、公知の麺類であればいずれの麺類であってもよく、例えば、中華麺、うどん、冷や麦、素麺、パスタ類等の小麦粉を主原料とする麺類;蕎麦、米粉麺等の小麦粉以外の穀粉を主原料とする麺類等が挙げられる。これらの穀粉は、単独で使用してもよく、蕎麦(蕎麦粉と小麦粉とを穀粉原料として製造されることがある)やパスタ類(小麦粉とデュラム小麦粉とを穀粉原料として製造されることがある)のように複数の穀粉を併用して用いてもよい。穀粉と水分とを混捏し粗生地にした後、複数回の圧延で所望する厚みの麺帯にし、所定の幅及び長さで切り出して麺線を得てもよく、粗生地を押出して麺線を得てもよい。このように得られた生麺は乾燥させ乾麺として用いてもよい。本発明のα化処理済み麺類はそれらを茹で処理したもの、蒸し処理したものをいう。茹で処理としては、例を挙げると、茹で湯の温度が90℃以上なるように調整された茹で槽に生麺を所定時間浸漬させる方法がある。また、蒸し処理としては、例を挙げると、100℃の蒸気で充満させた庫内で生麺を所定時間通過させる方法がある。茹で時間、蒸し時間共に麺線の太さや原料の種別によって適宜調整する。なお、前記生麺とは、乾燥もα化処理もされていない麺線のことである。
(6)容器
「容器」とは袋状や箱状、丼ぶり状の包材をいう。材質は特に限定されず、電子レンジ再加熱に適応する材質であることが好ましく、例えば、樹脂製やポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。形状は特に限定されず、密閉できる任意の形状でよい。
(7)容器入り冷凍α化処理済み麺類
本発明の容器入り冷凍α化処理済み麺類は、α化処理済み麺類と、品質劣化抑制剤とが容器に収容されてなる。容器として樹脂製袋を用いる場合であれば、三方閉じされた樹脂製袋の開口部から適量のα化処理済み麺類と品質劣化抑制剤とを収容し、袋内の空気を抜きつつ開口部を熱溶着して密封する。このような密封に際して、脱気包装機ないしは真空包装機を利用することが望ましい。容器として箱状ないしは丼ぶり状の包材を用いる場合であれば、容器にα化処理済み麺類と品質劣化抑制剤とを収容し、α化処理済み麺類を略均等に品質劣化抑制剤に浸漬させるか、あるいは、容器に収容したα化処理済み麺類に品質劣化抑制剤を満遍なくまぶせばよい。
本発明の容器入り冷凍α化処理済み麺類における品質劣化抑制剤の含有量は、α化処理済み麺類100質量部に対して、1質量部以上であり、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは15質量部以上であり、更に好ましくは20質量部以上であり、より更に好ましくは30質量部以上である。上限は特にないが、効果が頭打ちになること及び費用対効果の観点から、好ましくは85質量部以下であり、より好ましくは80質量部以下であり、更に好ましくは75質量部以下である。この範囲内であれば、α化処理済み麺類を本発明の品質劣化抑制剤と共に冷凍することにより、冷凍による麺類の品質劣化が抑制され、加熱解凍しても、良好な風味や弾力としなやかさのある食感を有するα化処理済み麺類を得ることができる。
(8)麺類のα化処理工程
本発明の麺類のα化処理工程は茹で処理、蒸し処理、それらを合わせた処理のいずれの加熱調理によるものでもよい。麺類としては、生麺を使用するのが好ましく、乾麺を使用することもできる。麺の種類や太さに応じて適切な時間加熱することが望ましい。解凍時の加熱を見越して、通常よりやや硬めの食感になるようにα化処理することで、喫食時により好ましい食感となる。α化処理した麺類は、必要に応じて湯切りや冷却を行ってもよく、水洗してから容器に収容してもよい。真空冷却機を用いることにより、α化処理済み麺類の表面に付着する水分の気化熱の作用により効率的かつ迅速な冷却が可能となる。
(9)冷凍α化処理済み麺類用品質劣化抑制剤の調製
本発明の品質劣化抑制剤の調製は、穀粉類と水分とをムラなく混合することができれば特に制限はない。ボウルに穀粉類と水分とを投入し、菜箸や泡だて器を用い、できるだけ空気を抱き込まないようにダマがなくなるまで十分に混合すればよい。食品製造用の各種ミキサーを用いてもよい。増粘安定剤を使用する場合であれば、水分で十分に膨潤させ、ムラがなくなるように混合すればよい。ゼラチン等の加熱溶解性の増粘安定剤であれば、事前に加熱溶解させてから用いてもよく、穀粉類と水分と増粘安定剤とを混合した後に加熱溶解させて用いることもできる。なお、品質劣化抑制剤は、加熱されて穀粉類に含まれる澱粉がα化されていても本発明の効果を損なうものではないが、穀粉類に含まれる澱粉がα化されていない(加熱されていない)ものが好ましい。
(10)容器収容工程
本発明の容器収容工程は特に制限はないが、時間をかけすぎると麺が茹で伸びして食感が損なわれてしまうので素早く収容するか、加熱調理後に真空冷却することが望ましい。先に麺類を容器に入れた後、品質劣化抑制剤を投入してもよく、また、麺類と品質劣化抑制剤とを十分に馴染ませた後にそれらを容器に投入してもよい。
本発明の容器入り冷凍α化処理済み麺類の製造方法において、品質劣化抑制剤の含有量は、α化処理済み麺類100質量部に対して1質量部以上であり、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは15質量部以上であり、更に好ましくは20質量部以上であり、より更に好ましくは30質量部以上である。上限は特にないが、効果が頭打ちになること及び費用対効果の観点から、好ましくは85質量部以下であり、より好ましくは80質量部以下であり、更に好ましくは75質量部以下である。この範囲内であれば、α化処理済み麺類を本発明の品質劣化抑制剤と共に冷凍することにより、冷凍による麺類の品質劣化が抑制され、加熱解凍しても、良好な風味や弾力としなやかさのある食感を有するα化処理済み麺類を得ることができる。
(11)冷凍工程
容器入りα化処理済み麺類を冷凍する方法は特に限定されるものではなく、公知の冷凍方法であれば何れも適用することができる。そのような冷凍方法としては、冷気を媒体としたエアブラスト方式、-10~-35℃の液体を媒体としたリキッド方式、低温の金属板等を媒体としたコンタクト方式、液体窒素や液体炭酸ガスを媒体とした液化ガス方式などが挙げられる。磁石と電磁波に冷風を融合させたプロトン凍結、水の過冷却状態を利用したCAS凍結等であってもよい。急速に冷凍され、α化処理済み麺類中の水分が氷核成長し難い条件で冷凍することが肝要である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<製造例1 冷凍蕎麦の製造>
(1)蕎麦粉(松屋製粉社製、「彩芽」)5質量部と水95質量部とを常温下で混合し、100質量部の蕎麦粉懸濁液(品質劣化抑制剤)を得た。
(2)蕎麦粉(松屋製粉社製、「彩芽」)60質量部、小麦粉(ニップン社製、「朝霧」)40質量部、バイタルグルテン1質量部、塩0.5質量部、水32質量部をミキサーに投入し、常圧下で高速3分間、低速10分混錬して粗生地を得た。
(3)得られた粗生地を1対の平行なロールに通すことで圧延し、厚さ2.5mmの麺帯を得た。
(4)圧延方向に沿って2枚の麺帯を重ねて複合圧延し、厚さ2.0mmの麺帯を得た。
(5)圧延ロールで段階的に麺帯を薄くし、最終的に厚さ1.5mmの麺帯を得た。
(6)麺帯を切刃#18角刃で切出し、長さ250mmに切断して生蕎麦を得た。
(7)生蕎麦を沸騰湯浴中で1分45秒間茹でた後、2℃の水で30秒間水洗してα化処理済み蕎麦を得た。
(8)α化処理済み蕎麦100gと(1)で得た懸濁液50gとを樹脂製保存パックに投入し、真空シーラーを用いて密封した後にエアブラスト方式で急速冷凍し、家庭用冷蔵冷凍庫の冷凍室で1週間保存した。
(9)1週間後、保存パックから中身を取り出し、沸騰湯浴中で1分間茹でた後、2℃の水で30秒間水洗して蕎麦を得た。
<評価例1 官能評価>
5名の熟練パネラーにより、風味と食感について、以下の評価基準表に従って評価した。なお、製造例1の工程(7)で得られたα化処理済み蕎麦の風味と食感を「5点」とした。製造例1の工程(8)において、蕎麦粉懸濁液を加えずにα化処理済み蕎麦のみを麺類冷凍用コンテナに収容し、解放条件下で急速冷凍した後に樹脂製保存パックに密封包装した従来の冷凍蕎麦を、家庭用冷蔵冷凍庫の冷凍室で1週間保存し、工程(9)と同様に加熱解凍したものの風味と食感を「3点」とした。
評価基準表
Figure 2023175371000001
<試験例1 懸濁液の量の検討>
製造例1の工程(8)においてα化処理済み蕎麦と共に保存パックに封入する蕎麦粉懸濁液の量を表1記載の量にした以外は製造例1に従って製造し、評価例1に従って評価した。参考例1は茹で立ての蕎麦(製造例1の工程(7)で得られるα化処理済み蕎麦)であり、参考例2は製造例1の工程(8)において麺類冷凍用コンテナを用いて冷凍したα化処理済み蕎麦のみをそのまま保存パックに封入した蕎麦(従来の冷凍蕎麦)である。
その結果、参考例2の蕎麦粉懸濁液を加えずに冷凍した蕎麦(コントロール)に対し、蕎麦粉懸濁液と共に冷凍した実施例1~5の蕎麦は風味と弾力、しなやかさがより優れていた。実施例1~4では、保存パックに封入する蕎麦粉懸濁液の量が増えるほど、風味と弾力、しなやかさに優れる傾向が見られた。一方、懸濁液の量が75gの実施例4では保存パック中で蕎麦が完全に懸濁液に浸漬しており、実施例5で量を100gに増やしても実施例4と同様の評価であった。
表1
Figure 2023175371000002
<試験例2 懸濁液の濃度の検討>
製造例1の(1)において懸濁液を得る際に使用する蕎麦粉の量を表2記載の量に変更した以外は製造例1に従って製造し、評価例1に従って評価した。なお、蕎麦粉の量を増減させた際、蕎麦粉懸濁液の総量が100質量部になるように水の量で調節した。蕎麦粉懸濁液の粘度は、SV型粘度計(エー・アンド・デイ社製、Vibroviscometer)を用い、試料温度20℃、ローター回転開始から30秒後の粘度を測定した。
その結果、参考例2に対し、蕎麦粉を含まない水のみを使用した参考例3では、従来の冷凍蕎麦である参考例2よりも若干風味と食感が改善された。実施例3、6、7では、懸濁液中の蕎麦粉の量が増えるほど風味と弾力、しなやかさが優れていた。懸濁液の濃度が20質量部の実施例8の評価は実施例7と同等であったが、蕎麦粉懸濁液の粘度が高くなり、作業性は実施例7の方が良好であった。懸濁液に蕎麦粉を35質量部使用した比較例1では、蕎麦粉懸濁液の粘度が高すぎて麺との馴染みが悪く、樹脂製保存パックへの充填作業が困難であったため、評価しなかった。
表2
Figure 2023175371000003
<試験例3 懸濁液の加熱による影響の検討>
製造例1の(1)において得られた蕎麦粉懸濁液を一煮立ちさせて蕎麦粉に含まれる澱粉をα化させた以外は製造例1に従って製造し、評価例1に従って評価した。
その結果、懸濁液を常温で混合し、澱粉をα化させずに得た実施例3と、懸濁液を加熱しながら混合し、澱粉をα化させて得た実施例9について、風味、弾力、しなやかさのいずれも同等の評価であった。
表3
Figure 2023175371000004
<試験例4 蕎麦粉の種類の検討>
製造例1の(1)において懸濁液を得る際の蕎麦粉の等級を変更した以外は製造例1に従って製造し、評価例1に従って評価した。
その結果、実施例10、11、12、3について、懸濁液を得る際に用いる蕎麦粉の等級を下げるほど、風味と弾力、しなやかさが優れる傾向であった。
表4
Figure 2023175371000005

1番粉:松屋製粉社の「ふよう」
2番粉:松屋製粉社の「ゆめ松」
3番粉:松屋製粉社の「ひかり松 照」
挽きぐるみ:松屋製粉社の「彩芽」
<試験例5 増粘安定剤の種類の検討>
製造例1の(1)において水との置き換えで表5記載の増粘安定剤を添加した蕎麦粉懸濁液を用いた以外は製造例1に従って製造し、評価例1に従って評価した。増粘安定剤は蕎麦粉懸濁液が粘性を得る範囲(試験例2の結果から1.0~20.0mPa・s)で配合し、蕎麦粉と水分との合計100質量部に対して寒天は0.3質量部、ゼラチンは3質量部、キサンタンガムは0.3質量部とした。
その結果、寒天、ゼラチン及びキサンタンガムのいずれも作業性や麺質に悪影響を与えることなく食感を改善することができた。
表5
Figure 2023175371000006
<試験例6 その他穀粉の検討>
製造例1において、工程(1)で使用する蕎麦粉を表6記載の穀粉に変更し、工程(2)で製造する麺を中華麺に配合を変更した以外は製造例1に従って製造し、評価例1に従って評価した。中華麺の配合は、準強力粉100質量部、かんすい1.2質量部、塩1.0質量部、水34質量部とした。なお、参考例4は、従来の冷凍蕎麦同様に、麺類冷凍用コンテナにα化処理済み中華麺のみを収容して急速冷凍した後に樹脂製保存パックに密封包装したものであり、その弾力としなやかさを3点とした。
その結果、実施例15の準強力粉懸濁液と共に冷凍した中華麺の食感が最も良好であり、ライ麦粉、大豆粉の懸濁液を用いても弾力、しなやかさの向上効果を確認できた。
表6
Figure 2023175371000007

*準強力粉:株式会社ニップン、特寿
*ライ麦粉:株式会社ニップン、キリン粉
*大豆粉:マルコメ株式会社、ダイズラボ 大豆粉

Claims (6)

  1. 穀粉類と水分とを含有し、穀粉類の含有量が穀粉類と水分との合計に対して0.1~30質量%である、冷凍α化処理済み麺類用品質劣化抑制剤。
  2. 前記穀粉類が、蕎麦粉、小麦粉、ライ麦粉及び大豆粉からなる群から選択される1以上である、請求項1に記載の品質劣化抑制剤。
  3. 更に増粘安定剤を含有する、請求項1に記載の品質劣化抑制剤。
  4. 前記増粘安定剤が、寒天、ゼラチン及びキサンタンガムからなる群から選択される1以上である、請求項3に記載の品質劣化抑制剤。
  5. α化処理済み麺類と、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の品質劣化抑制剤と、
    前記α化処理済み麺類及び前記品質劣化抑制剤を収納する容器と、
    を含む容器入り冷凍α化処理済み麺類であって、
    前記品質劣化抑制剤の含有量が、前記α化処理済み麺類100質量部に対して1質量部以上である、前記容器入り冷凍α化処理済み麺類。
  6. 麺類を加熱調理してα化処理済み麺類を得る工程と、
    前記α化処理済み麺類と、請求項1~4のいずれか1項に記載の前記品質劣化抑制剤とを容器に収納して密封して容器入りα化処理済み麺類を得る工程と、
    前記容器入りα化処理済み麺類を冷却して容器入り冷凍α化処理済み麺類を得る工程と、
    を含む、容器入り冷凍α化処理済み麺類の製造方法であって、
    前記品質劣化抑制剤の含有量が、前記α化処理済み麺類100質量部に対して1質量部以上である、前記方法。
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