JP2023166640A - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】インピーダンスの経時的な上昇を抑制した電気二重層キャパシタを提供すること【解決手段】少なくとも1つのキャパシタセルを有する電気二重層キャパシタであって、キャパシタセルが、セパレータシートと、セパレートシートを挟んで積層してある一対の内部電極と、セパレータシートと一対の前記内部電極とが浸漬される電解質溶液と、を有する。そして、キャパシタセルの内部に、少なくともNa(ナトリウム),K(カリウム),Si(ケイ素)を含有する無機物質が含まれている。【選択図】図2A

Description

本発明は、電気二重層キャパシタ(EDLC)に関する。
蓄電デバイスの一種として、電気二重層キャパシタが知られている。この電気二重層キャパシタでは、活物質を含む分極性電極の表面にイオンを吸着させて、分極性電極と電解液との界面に電気二重層を形成することで、電荷を蓄えることができる。このような蓄電方式の場合、化学反応により充放電を行う従来の二次電池とは異なり、原理的に無制限の充放電が可能である。ただし、上記のような特徴を有する電気二重層キャパシタであっても、電解液の外部への拡散(揮発等)などにより、インピーダンスが上昇し、経時劣化が発生し得る。
このような問題を踏まえて、特許文献1では、電解液が充填してあるキャパシタセルの封止構造を最適化する技術を開示している。封止構造を最適化することで、電解液の外部への拡散が抑制され、電気二重層キャパシタの長寿命化に貢献することができる。ただし、高速での充放電に対応させるために、電気二重層キャパシタを低容量化した場合には、電解液が拡散すること以外の要因により、インピーダンスの上昇が発生することがある。そのため、インピーダンスの上昇を抑制するための更なる対策が求められている。
特開2019-145755号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、インピーダンスの経時的な上昇を抑制することができる電気二重層キャパシタを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る電気二重層キャパシタは、
少なくとも1つのキャパシタセルを有しており、
前記キャパシタセルが、
セパレータシートと、
前記セパレートシートを挟んで積層してある一対の内部電極と、
前記セパレータシートと一対の前記内部電極とが浸漬される電解質溶液と、を有し、
前記キャパシタセルの内部に、Na(ナトリウム),K(カリウム),およびSi(ケイ素)を含有する無機物質が含まれている。
本発明者等は、鋭意検討した結果、キャパシタセルの内部に所定の特徴を有する無機物質が含まれることで、インピーダンスの上昇が抑制され、デバイスの寿命を長くすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。なお、上記の無機物質の形態は、粒子状、繊維状、箔状、バルク状などとすることができる。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタにおいて、キャパシタセル内に含有してある無機物質の組成は、以下の条件を満たすことが好ましい。すなわち、前記無機物質に含まれるNaの含有率を、NaO換算で、αwt%とし、前記無機物質に含まれるKの含有率を、KO換算で、βwt%とすると、α+βが、好ましくは、1.0wt%以上であり、より好ましくは、7.0wt%以上である。
無機物質には、特にNaおよびKが含まれていることが重要であり、上記の組成を満たすことで、インピーダンスの上昇をより好適に抑制することができる。その結果、電気二重層キャパシタの寿命がより向上する。
また、積層方向からの平面視において、一対の前記内部電極が対向している領域の面積を有効電極面積とすると、単一の前記キャパシタセルにおける前記有効電極面積が、好ましくは、12cm以下であり、より好ましくは、1cm以下である。
本発明の電気二重層キャパシタでは、有効電極面積が小さくなるほど、インピーダンスの上昇抑制効果がより高まる傾向となる。また、有効電極面積を小さくすることで、電気二重層キャパシタを低容量化することができ、本発明に係る電気二重層キャパシタは、特に、高速での充放電に適する蓄電デバイスとして応用することができる。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る電気二重層キャパシタの斜視図である。 図1Bは、図1Aに示す電気二重層キャパシタの変形例を示す斜視図である。 図2Aは、図1AのIIA-IIA線に沿う概略断面図である。 図2Bは、図2Aに示すシール部の要部拡大断面図である。 図2Cは、図1AのIIC-IIC線に沿う要部拡大断面図である。 図2Dは、図1AのIID-IID線に沿う要部拡大断面図である。 図3Aは、図2Aに示す電気二重層キャパシタの製造方法例を示す断面図である。 図3Bは、図3Aの続きの工程を示す斜視図である。 図4Aは、図3Aに対応する製造方法例を示す概略斜視図である。 図4Bは、図4Aの続きの工程を示す斜視図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る電気二重層キャパシタの斜視図である。 図6は、図5のVI-VI線に沿う要部断面図である。 図7は、図1Aに示す電気二重層キャパシタの変形例を示す斜視図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1Aに示すように、本発明の一実施形態に係る電気二重層キャパシタ(EDLC)2は、外装シート4を有する。外装シート4は、表面シート4aおよび裏面シート4bを有しており、これらは、一枚のシートを、折り返し周縁部4cで折り曲げることで形成される。なお、外装シート4は、上記の構成に限定されず、独立した2枚のシートを上下に貼り合わせることで構成してあってもよい。
本実施形態において、外装シート4は、X軸方向の長さL0がY軸方向の長さW0に比較して長い長方形状を有するが、これに限定されず、正方形でも、その他の多角形状、あるいは円形、楕円形、あるいはその他の形状でもよい。本実施形態では、外装シート4の表面シート4aと裏面シート4bとが重なる方向を厚み方向(Z軸方向)とし、それに相互に直交する方向をX軸およびY軸とする。
また、本実施形態のEDLC2では、外装シート4の表面シート4aと裏面シート4bとで覆われた内側の領域に単一のキャパシタセル9が収容してあり、当該キャパシタセル9は、4つのシール部(40,42,44,46)により密封してある。このキャパシタセルは、基本的な構成要素として、素子本体10と電解質溶液とを有する。より具体的に、キャパシタセル9の内部には、素子本体10が内蔵してあり、当該素子本体10が浸漬されるように電解質溶液が充填してある(図2A参照)。
素子本体10は、電解質溶液が染み込んであるセパレータシート11と、一対の内部電極(第1内部電極16、第2内部電極26)とを有している。第1内部電極16と第2内部電極26とは、セパレータシート11を挟むようにZ軸方向に積層してあり、これらのうちの一方が、正極となり、他方が、負極となる。
なお、本実施形態において、「正極」とは、電気二重層キャパシタに電圧を印加した際に、電解質溶液中のアニオンが吸着する電極であり、「負極」とは、電気二重層キャパシタに電圧を印加した際に、電解質溶液中のカチオンが吸着する電極である。第1内部電極16と第2内部電極26のうち、どちらを正極とし、どちらを負極とするかは、印加する電圧の向きに応じて決定される。ただし、電気二重層キャパシタにおいて、一度特定の正負の向きに電圧を印加して充電した場合、その後、再充電する際には、通常最初と同じ向きに充電を行い、逆向きに電圧を印加して充電することは少ない。
第1内部電極16は、第1活性層12と第1集電体層14とで構成してある。第1活性層12は、セパレータシート11と接触するように積層され、第1集電体層は、当該第1活性層に接触するように積層してある。第2内部電極26も、第1内部電極16と同様に、第2活性層22と第2集電体層24とで構成してある。第2活性層22は、第1活性層12の反対側でセパレータシート11に接触するように積層してあり、第2集電体層24は、当該第2活性層22に接触するように積層してある。
ここで、素子本体10を構成する各要素の特徴について詳述しておく。まず、セパレータシート11は、一対の内部電極16,26を電気的に絶縁すると共に、電解質溶液が浸透可能な材質で構成してあり、たとえば電気絶縁性の多孔質シートで構成される。より具体的に、電気絶縁性の多孔質シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体や、積層体、上記樹脂の混合物の延伸膜、あるいは、繊維不織布などが挙げられる。
なお、セパレータシート11を構成する繊維不織布としては、たとえば、セルロース、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリアクリロニトリルなどから選択される少なくとも1種の有機物繊維で構成される有機物系の不織布を使用することができ、その他、ガラス繊維や、炭素繊維などの無機物繊維で構成される無機物系の不織布、および、上述したような無機物繊維と有機物繊維とを両方含む有機-無機複合系の不織布も使用することができる。また、セパレータシート11の厚さは、特に限定されないが、たとえば5~50μm程度とすることができる。
集電体層14,24は、後述する活性層12,22よりも高い導電性を有していればよく、集電体層14,24を構成する材料は、特に限定されない。たとえば、集電体層14,24としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)等の電気抵抗が低い金属材料のシートを用いることが好ましい。この集電体層14,24の平均厚みは、たとえば10~100μm程度とすることができ、好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下であり、さらにまた好ましくは15~80μmであり、特に好ましくは15~60μmである。なお、X-Y平面において、集電体層14,24の寸法は、セパレータシート11の寸法よりも小さいことが好ましく、集電体層14,24は、セパレータシート11のY軸方向の中央に配置されることが好ましい。
活性層12,22は、活物質およびバインダを含み、好ましくは導電助剤を含む。活性層12,22は、それぞれの集電体層14,24を構成するシートの表面に積層して形成される。
活物質としては、電子伝導性を有する種々の多孔体で構成され、たとえば、活性炭、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、メソカーボンファイバー(MCF)、コークス類、ガラス状炭素、有機化合物焼成体等の炭素材料を用いることができる。バインダは、活物質や導電助剤を、集電体層14,24の表面に固定することができる特性を有していればよく、種々の結着剤を使用できる。たとえば、バインダとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)と水溶性高分子(カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、デキストリン、グルテン等)との混合物等を用いることができる。
導電助剤は、活性層12,22の電子伝導性を高めるために添加される材料である。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料および金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
活性層12,22の平均厚みは、たとえば1~100μm程度とすることができる。また、活性層12,22は、セパレータシート11と同等以下の面積で、集電体層14,24の表面に形成することができる。
一方、キャパシタセル9に充填してある電解質溶液としては、電解質を有機溶媒に溶解させたものが使用される。電解質としては、たとえば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEABF4 - )、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMABF4 - )等の4級アンモニウム塩など、アンモニウム塩、アミン塩、或いはアミジン塩などを用いることが好ましい。なお、これらの電解質は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、公知の溶媒を使用することができ、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、スルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリルなどが挙げられ、これらの中でも特に、プロピレンカーボネートを用いることが好ましい。なお、上述した溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
キャパシタセル9を収容している外装シート4は、上記の電解質溶液を透過させないだけでなく、空気や水分などの侵入を防止できる特質を有している必要がある。また、外装シート4は、優れた密封性を有することが好ましく、外装シート4の周縁部同士が熱シールにより一体化可能であることが好ましい。外装シート4は、上記の特質を有していれば、単層シートであってもよいが、図2Aに示すように、金属シート4Aと、内側層4Bと、外側層4Cとを積層した多層シートであることが好ましい。図2Aに示す外装シート4では、金属シート4Aを挟み込むように、内側層4Bと外側層4Cとが積層してあり、外装シート4の内側に、内側層4Bが位置し、外装シート4の外側表面に外側層4Cが位置している。
金属シート4Aは、たとえば、アルミニウム(Al)やステンレスなどで構成してあることが好ましい。内側層4Bは、電気絶縁材で構成してあり、電解質溶液と反応しにくく、かつ、熱シール可能なポリプロピレンで構成してあることが好ましい。また、ポリプロピレン以外に、ポリプロピレンと同等の特質を有する樹脂材料(たとえば、ポリエチレン、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなど)で構成してもよい。一方、外側層4Cは、特に限定されず、たとえば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、フッ素樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などで構成してあることが好ましい。外装シート4全体の平均厚みは、好ましくは、5~150μmである。
本実施形態では、外装シート4の耐力は、JIS Z2241において、390~1275N/mm、好ましくは785~980N/mmである。また、外装シート4の硬さは、ピッカース硬さ(Hv)(JIS 2244)において、230~480、好ましくは280~380である。このような観点からは、外装シート4の金属シート4Aとしては、JISで規定するステンレス鋼SUS304(BA)、SUS304(1/2H)、SUS304 H、SUS301 BA、SUS301(1/2H)、SUS301(3/4H)などを用いることが好ましい。
また、本実施形態において、外装シート4は、図1Aおよび図2Bに示すように、サポートタブ4f1,4f2を具備している。具体的に、外装シート4の裏面シート4bにおけるX軸方向の両側先端が、X軸方向に沿って表面シート4aよりも外側に延長してあり、当該延長部分が、サポートタブ4f1,4f2を兼ねている。サポートタブ4f1,4f2の上には、後述するリード端子18,28が配置してあり、当該サポートタブ4f1,4f2により、リード端子18,28を有効に保護することができる。
リード端子18,28は、集電体層14,24に電気的に接続してある略矩形板形状の導電性部材であり、キャパシタセル9の内側から外側に向かってX軸方向に引き出され、サポートタブ4f1,4f2の上に配置してある。このリード端子18,28には、異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)などの接合材料を用いて、図示しない外部端子が接続可能となっており、リード端子18,28は、集電体層14,24に対して電流を入出力するための端子として機能する。
本実施形態において、リード端子18,28は、集電体層14,24と一体化された金属シートにより構成してあり(すなわち集電体層14,24と同一の部材で構成してあり)、集電体層14,24と同程度の厚みを有する。ただし、リード端子18,28は、集電体層14,24とは別の導電性部材で構成し、集電体層14,24に電気的に接続させてもよい。その場合、各リード端子18,28の平均厚みは、集電体層14,24の厚みと異ならせることも可能であり、たとえば10~100μm程度、好ましくは60μm以下、さらに好ましくは20~60μmである。
なお、本実施形態のEDLC2では、第1リード端子18と第2リード端子28とが、EDLC2の長手(X軸方向)方向に沿って反対側に引き出されている。このような構成により、EDLC2のY軸方向幅を小さくすることができる。また、リード端子が引き出されているシール部(40,42)の厚みを必要最小限にすることができ、EDLC2全体の厚みも小さくすることができる。その結果、EDLC2の小型化および薄型化を実現することができる。
また、前述のとおり、リード端子18,28は、サポートタブ4f1,4f2の上に配置してあるが、図2Bに示すように、リード端子18,28とサポートタブ4f1,4f2との間には、さらに絶縁台座シート60が介在してあることが好ましい。この絶縁台座シート60は、熱融着もしくは接着剤などにより、サポートタブ4f1,4f2の内側層4Bに接合されて一体化してある。絶縁台座シート60がリード端子18,28とサポートタブ4f1,4f2との間に具備されることで、リード端子18,28に外部端子を接続する際に、外装シート4の金属シート4Aとリード端子18,28とが短絡することを効果的に防止できる。
絶縁台座シート60は、熱や圧力が印加されても所定の厚みが維持され、結果として絶縁が保たれる材料で構成してあることが好ましい。たとえば、絶縁台座シート60としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートなどを用いることができる。また、ポリウレタンやエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を使用してもよく、上述した各種樹脂材料を複合した材料で構成してもよい。
ただし、上述した樹脂材料のうち、特に、耐熱性が優れる樹脂材料を使用することが好ましい。たとえば、PEやPPを使用する場合は、押出法で製造されたCPE(キャスティングポリエチレン)やCPP(キャスティングポリプロピレン)よりも、延伸されたOPE(延伸ポリエチレン)やOPP(延伸ポリプロピレン)を選択することが好ましい。OPEやOPPは、製造過程において縦横方向に延伸されることで優れた結晶配向性を示すため、CPEやCPPよりも耐熱性が優れる。
また、絶縁台座シート60は、単層構造であっても、多層構造であってもよいが、図2Bに示すような三層構造の樹脂フィルムで構成されることがより好ましい。三層構造の樹脂フィルムでは、積層方向の中心部に耐熱性に優れたPETなどの高融点樹脂が配置され、その表面と裏面にPPなどの低融点樹脂が積層されていることが好ましい。PETなどの高融点樹脂は、ACFやACPを用いてリード端子18,28に外部端子を接続する際にも溶融せず、厚みを保持することができる。一方、表面側および裏面側に配置されるPPは、容易に溶融して、裏面シート4bの内側層4B、および、リード端子18,28の裏面に熱融着することができる。
次に、キャパシタセル9の封止構造について説明する。まず、キャパシタセル9のX軸方向の両端部分は、第1シール部40および第2シール部42で密封してあり、この2つのシール部40,42は、同様の構造を有する。第1シール部40および第2シール部42では、それぞれリード端子18,28が引き出されており、特に密封性が要求される。そのため、第1シール部40および第2シール部42では、図2Dに示すように、表面シート4aの内側層4Bとリード端子18,28との間、および、裏面シート4bの内側層4Bとリード端子18,28との間に、密封用テープ40a(以下同様に、42aを含む場合あり)を介在させて、熱シールしてある。
より具体的に、第1シール部40および第2シール部42は、密封用テープ40a,42aと外装シート4の内側層4Bとが、熱シール時の加熱により一体化されて形成される。すなわち、外装シート4の内周面に形成してある内側層(樹脂)4Bの一部が、密封用テープ40a,42aと共に、リード端子18,28のY軸方向の両側表面に密着して熱溶着部となり、第1シール部40および第2シール部42での密封性を向上させる。
なお、密封用テープ40a,42aは、熱により溶融し、接着可能なテープ材料で構成すればよく、たとえば、内側層4Bと同様に、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどのテープ材料で構成することができる。また、密封用テープ40a、42aは、テープ材料に限定されず、シーラント樹脂などを塗布することで構成してもよい。
一方、リード端子18,28が引き出されていない第3シール部44および第4シール部46は、図2Cに示すように、表面シート4aの内側層4Bと、裏面シート4bの内側層4Bとが、熱シール時の加熱により融着して一体化されることで形成してある。
なお、各シール部40,42,44,46は、一体的に連結してある。具体的に、図1Aに示すように、第1シール部40のY軸方向の両端には、それぞれ第3シール部44および第4シール部46の一端が接続するように連続して形成してあり、これらの第3シール部44および第4シール部46の他端を接続するように、第2シール部42が連続して形成してある。そのため、キャパシタセル9は、4つのシール部によって囲まれて、これらのシール部により良好に密封されている。
上述したような特徴を有する本実施形態のEDLC2は、全体の厚みを1mm以下(好ましくは0.9mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下)と極めて薄くすることが可能であると共に、十分な耐電圧を有する。そのため、EDLC2は、たとえば、ICカードなどの薄型の電子機器に内蔵するための蓄電デバイスとして、好適に用いることができる。
また、本実施形態のEDLC2は、上述した特徴に加えて、さらに、以下に示す特徴を有する。すなわち、EDLC2では、キャパシタセル9の内部に、所定の特徴を有する無機物質が含まれる。当該無機物質は、粒子状、繊維状、箔状、バルク状などの形態を有することができ(好ましくは粒子状または繊維状)、以下に示すような様態でキャパシタセル9の内部に含有してある。
たとえば、無機物質は、無機物粒子として、電解質溶液中に分散して存在することができる。この場合、無機物粒子の一部は、電解質溶液がセパレータシート11に浸みこむことで、セパレータシート11の内部や表面に担持される。
もしくは、粒子状の無機物質を含むスラリーを、セパレータシート11の両側表面(Z軸と垂直な上面および下面)に噴霧し、その後乾燥させることで、セパレータシート11の表面に無機物質を添加することもできる。なお、無機物質を含むスラリーは、セパレータシート11ではなく、セパレータシート11と対向している活性層12,22の表面に噴霧してもよい。このように内部電極16,26の表面に無機物質を添加する場合は、正極と負極の両方に対して、無機物質を含むスラリーを噴霧することが好ましい。
もしくは、無機物質は、セパレータシート11の構成原料の一部として含まれていてもよい。すなわち、有機系または無機系の繊維不織布に、繊維状の無機物質を予め織り込んでおくことで、キャパシタセル9の内部に無機物質を含有させてもよい。
上述した無機物質の含有様態は、あくまでも例示であり、無機物質は、上記以外の様態でキャパシタセル9の内部に含有してあってもよい。ただし、無機物質は、互いに対向している第1活性層12と第2活性層22との間に存在していることが好ましい。
キャパシタセル9に含まれる無機物質は、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、および、ケイ素(Si)を含み、これらの元素を含む酸化物、もしくは、ガラス化した酸化物として存在し得る。また、無機物質には、Na,K,Siの他に、マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),アルミニウム(Al),バリウム(Ba),ホウ素(B),リン(P),亜鉛(Zn)などの元素が酸化物等の化合物の状態で含まれていてもよい。
さらに、無機物質の組成としては、Na,Kが所定の割合で含まれていることが好ましい。具体的に、無機物質に含まれるNaの含有率を、NaO換算で、αwt%とし、無機物質に含まれるKの含有率を、KO換算で、βwt%とすると、α+βは、1.0wt%以上であることが好ましく、7.0wt%以上であることが好ましい。α+βの上限値は、特に限定されないが、たとえば、50wt%以下、より好ましくは30wt%以下とすることができる。また、Naの含有率αは、Kの含有率βよりも多いことが好ましい。
一方、無機物質に含まれるSiの含有率γ(wt%)は、特に限定されないが、たとえば、SiO換算で10wt%~99wt%とすることができ、10wt%~70wt%とすることが好ましい。
なお、上記の各元素の含有率は、蛍光X線分析(XRF:X-Ray Fluorescence)、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP:Inductively Coupled Plasma)、もしくは、電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)などで、無機物質の成分分析を行うことで測定できる。たとえば、XRFで成分分析を実施した場合、検出された全元素(ただし、炭素(C)などの有機物由来の元素を除く)の酸化物換算での含有量を、FP定量法(ファンダメンタル・パラメータ定量法)で算出し、その合計含有量のうちNaO,KO,SiOが占める割合を、含有率α,β,γとして導出すればよい。なお、無機物質中にBなどの軽元素が存在する場合には、ICPにより成分分析を行うことが好ましい。
上記の成分分析において、分析用試料としては、たとえば、セパレータシート11を用いることができる。具体的に、EDLC2を分解し、キャパシタセル9に充填してある電解質溶液を乾燥させた後、乾燥したセパレータシート11を取出し、これを分析用試料として用いればよい。この場合、乾燥したセパレータシート11の内部や表面に存在する無機物質(粒子状や繊維状)を特定し、当該無機物質に対して成分分析を行う。また、ICPを使用する場合は、乾燥したセパレータシート11をフッ酸などの溶媒に溶解させ、当該溶液試料を用いて成分分析を行えばよい。
電解質溶液中に無機物質を分散させた場合、セパレータシート11や活性層12,22に無機物質を噴霧した場合、および、セパレータシート11に無機物質が織り込んである場合には、セパレータシート11の表面や内部に無機物質が添加(または担持)してあるため、上記の方法で分析用の試料を準備すればよい。そして、当該試料に含まれる無機物質に対して成分分析を行うことで、キャパシタセルに含まれる無機物質の組成を特定することができる。また、内部電極側に無機物質を含むスラリーを噴霧した場合は、セパレータシート11に代えて、内部電極16,26を分析用の試料とし、当該内部電極16,26の表面を分析すればよい。
なお、キャパシタセル9に添加してある無機物質が、粒子状である場合、その粒径や粒子形状は特に限定されない。たとえば、セパレータシート11に担持されやすい粒径や形状を選択すればよい。また、繊維状の無機物質がセパレータシート11に織り込んである場合、当該繊維状の無機物質の直径は、特に限定されないが、たとえば、ナノメートルオーダの繊維とすることがより好ましい。
また、キャパシタセル9の内部に含まれる無機物質自体の含有率は、無機物質の添加形態が複数想定し得るため、特定することが必ずしも容易ではない。ただし、たとえば、TG-DTA(熱重量示唆熱分析)により、一対の内部電極16,26の間に介在する無機物質自体の含有率を推定することができる。この場合、完成後のEDLC2から取り出して乾燥させたセパレータシート11を、分析試料として用いる。そして、当該試料を、TG-DTAで、800℃まで加熱し(好ましくは、大気雰囲気で、昇温速度20℃/分)、試料の重量減少率を測定する。一対の内部電極16,26の間に介在する無機物質自体の含有率は、「100wt%-重量減少率」で近似して表すことができる。
電解質溶液中に無機物質を分散させた場合、セパレータシート11などに無機物質を噴霧した場合、および、セパレータシート11に無機物質が織り込んである場合には、上記の方法で、一対の内部電極16,26の間に介在する無機物質自体の含有率を推定することができる。こうして推定される電極間での無機物質自体の含有率は、0.15wt%~45wt%であることが好ましく、1wt%~35wt%であることがより好ましい。
次に、本実施形態のEDLC2の製造方法の一例について説明する。
まず、キャパシタセル9に添加する無機物質を準備する。以下、例示として、セパレータシート11の表面にスラリーを噴霧して無機物質を添加する方法について詳述する。はじめに、出発原料として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化ケイ素を準備し、これらを所望の組成比となるように秤量する。その後、乳鉢などを用いて、秤量した出発原料を混合する。なお、出発原料は、上記に限定されず、焼成後に酸化物となる化合物、たとえば、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物などを用いることもできる。また、無機物質にNa,K,Si以外の元素を含有させる場合には、当該元素を含む出発原料を、Na,K,Siなどの出発原料と一緒に混ぜ合わせればよい。
出発原料を混合した後、当該混合粉を、白金坩堝などの高温焼成用の坩堝に投入し、焼成する。焼成は、上記の出発原料が互いに反応する条件で実施すればよく、詳細な条件は特に限定されない。たとえば、無機物質をガラス化させる場合には、白金坩堝に投入した混合粉を、100℃/h~500℃/hの速度で昇温し、1200℃~1500℃の温度で1~10時間保持した後、溶融した材料を水中に滴下することでガラス化した無機原料粉を得る。なお、上記の焼成後には、得られた無機原料粉に対して、適宜、粉砕処理や分級処理を施す。
次に、上記の無機原料粉を用いて、スラリーを作製する。溶媒中に無機原料粉末を添加し混ぜ合わせた後、当該混合物に超音波処理を施し、溶媒中に無機原料粉末を十分に分散させる。その後、ボールミルなどの粉砕機を用いて、上記の混合物を粉砕し、無機物質を含むスラリーを得る。なお、上記で使用する溶媒としては、蒸留水などの水系溶媒や、エタノール、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトンなどの各種有機溶媒を用いることができる。
上記で得られたスラリーをセパレータシート11の上面および下面に噴霧することで、セパレータシート11に無機物粒子を添加することができる。なお、スラリーの噴霧は、複数回実施することが好ましい。噴霧回数は、スラリー中に含まれる無機原料粉末の添加量によって適宜決定すればよく、たとえば、無機原料粉末の添加量が20wt%であるスラリーを使用する場合の噴霧回数は、2~10回とすることが好ましく、3~8回とすることがより好ましい。スラリーの噴霧により無機物質を添加する場合、キャパシタセル9内に添加する無機物質の総量は、噴霧回数により調整することができる。なお、噴霧後は、真空乾燥等の手法により、セパレータシート11を十分に乾燥させ、スラリー中に含まれていた溶媒を揮発すればよい。また、セパレータシート11ではなく、内部電極16,26の表面にスラリーを噴霧する場合も、上記と同様の方法で、無機物質を添加すればよい。
また、無機物質を電解質溶液中に添加する場合には、以下に示すような方法で電解質溶液を調製すればよい。まず、上述した方法で得られた無機物質を含むスラリーを、十分に乾燥させて、溶媒を飛ばすことで、無機物粒子を得る。そして、この無機物粒子を、電解質溶液に添加し超音波処理を施すことで、無機物粒子が分散した電解質溶液が得られる。この際、無機物粒子の添加量は、電解質溶液100重量部に対して、0.2重量部~60重量部とすることが好ましく、1重量部~50重量部とすることがより好ましい。
また、無機物質をセパレータシート11に織り込む場合には、繊維状の無機物質をセパレータシート11の原材料に混ぜ合わせ、公知の方法で繊維不織布を製造すればよい。
上記の方法で、キャパシタセル9に添加する無機物質を準備することができる。
続いて、EDLC2の組み立て方法について説明する。まず、図3Aおよび図4Aに示すように、素子本体10を製造する。素子本体10を製造するために、一方の第1内部電極16を準備し、第1内部電極16と第1リード端子18との境界部分に、密封用テープ40aを貼り付ける。また、他方の第2内部電極26を準備し、第2内部電極26と第2リード端子28との境界部分に、密封用テープ42aを貼り付ける。そして、第1内部電極16と第2内部電極18との間にセパレータシート11を配置する。
密封用テープ40a,42aは、それぞれ、第1シール部40および第2シール部42となる位置で、各リード端子18,28の片側表面または両側に接着してある。この際、密封用テープ40a,42aのY軸方向の幅は、リード端子18,28のY軸方向幅よりも長い。
次に、素子本体10の全体を覆うように、外装シート4を折り返し周縁部4cで折り曲げて、シート4の表面シート4aおよび裏面シート4bで素子本体10を覆う。なお、外装シート4は、Y軸方向に予め長く形成してある。外装シート4の表面シート4aにおけるX軸方向の幅は、表面シート4aのX軸方向の先端部4d1,4d2がそれぞれ密封用テープ40a,42aのX軸方向の内側に位置するように調整されている。
次に、図3Bおよび図4Bに示すように、第1シール部40と第2シール部42とを形成するために、表面シート4aおよび裏面シート4bのZ軸方向の外側に熱融着治具50を押し当て、加熱加圧(熱シール)する。より具体的に、熱融着治具50は、密封用テープ40a,42aを表面シート4aと裏面シート4bとで挟み込む位置に押し当てる。その際に、密封用テープ40a,42aは、加圧および加熱により流動する接着用樹脂として、外装シート4の内側層4Bと密着して一体化され、固化後にシール部40,42となる。また、密封用テープ40a,42aの融着時には、密封用テープ40a,42aを構成する樹脂がはみだし、表面シート4aのX軸方向の先端部4d1,4d2に位置する金属シート4Aの露出面を覆うことが好ましい。これにより、表面シート4aの金属シート4Aとリード端子18,28とが、ショートすることを有効に防止することができる。
上記のとおり、第1シール部40は、第1リード端子18に貼着してある密封用テープ40aが、外装シート4の内側層4Bと熱シール(加熱圧着)されて形成される。また、同様に、第2シール部42は、第2リード端子28に貼着してある密封用テープ42aが、外装シート4の内側層4Bと熱シール(加熱圧着)されて形成される。
第1シール部40および第2シール部42を形成する前、もしくは形成した後に、外装シート4の折り返し周縁部4cを加圧加熱し、第3シール部44を形成する。次に、第4シール部46が形成されていない外装シート4の開口端52から電解質溶液を注入し、その後に、最後の第4シール部46を、第3シール部44を形成するための治具と同様な治具を用いて加熱加圧により形成する。その後に、第4シール部46の外側の切断線54に沿って外装シート4を切断し、余分な外装シート4’を除去することで、本実施形態のEDLC2が得られる。
なお、図3Aおよび図3Bに示す絶縁台座シート60は、外装シート4の内部に素子本体10を密封する前に、外装シート4の所定位置に接合しておいてもよいし、密封後に、リード端子18,28とサポートタブ4f1,4f2との間に具備してもよい。
(第1実施形態のまとめ)
本実施形態のEDLC2では、キャパシタセル9の内部に、Na,K,およびSiを含有する無機物質が含まれている。当該特徴を有することで、EDLC2では、インピーダンスの上昇が抑制され、デバイスの寿命を長くすることができる。所定の無機物質によりインピーダンスの上昇を抑制できる理由は、必ずしも明らかではないが、たとえば、以下に示す事由が考えられる。
インピーダンスが経時的に上昇する要因として、電解質溶液がキャパシタセルの外部に拡散することが挙げられるが、この要因以外に、内部電極が経時的に劣化することもインピーダンスの上昇の一因になっていると考えられる。通常、内部電極を構成している集電体層としては、CuやAl、Niなどの金属シートが用いられ、当該集電体層の表層には、金属シートの構成元素による酸化被膜が存在する。このように、集電体層の表層に酸化被膜が存在することで、電解質溶液により集電体層が腐食することが抑制されている。ただし、キャパシタセルの内部では、キャパシタセル内に残存した水分と、電解質溶液に含まれるイオンとが反応することで、HFなどのフッ化物が生成されると考えられる。従来のEDLCでは、発生したフッ化物により集電体層の酸化被膜が破壊されることで、内部電極(特に集電体層)の腐食が進行し、インピーダンスが経時的に上昇すると考えられる。
一方、本実施形態のEDLC2では、キャパシタセル9の内部でフッ化物が生成したとしても、所定の特徴を有する無機物質がフッ化物を吸着すると考えられる。その結果、フッ化物が集電体層の酸化被膜を破壊することが阻止され、内部電極16,26の劣化によりインピーダンスが上昇することを抑制できると考えられる。特に、無機物質が、第1活性層12と第2活性層の間(すなわち、電解質溶液が浸みこんだセパレータシート11が位置する箇所)に存在することで、フッ化物が、集電体層14,24から離れた箇所で無機物質に吸着されるため、内部電極16,26の劣化がより好適に抑制できると考えられる。
なお、本実施形態のEDLC2において、無機物質によるインピーダンスの上昇抑制効果は、有効電極面積が小さくなるほど向上する傾向となる。ここで、「有効電極面積」とは、積層方向(Z軸方向)からの平面視において、一対の内部電極16,26が対向している(重複している)領域の面積を意味する。一般的に、有効電極面積を小さくするほど、EDLCが低容量化し、高速での充放電が可能となる。
ただし、従来のEDLCでは、有効電極面積を小さくすると、インピーダンスの経時的な上昇が激化する傾向となる。上述したような、フッ化物による集電体層の腐食は、特に、集電体層の縁辺近傍で生じ易い。そのため、有効電極面積を小さくすると、有効電極面積に対する縁辺の長さの比率が大きくなり、集電体層の腐食が進行し易くなると考えられる。一方、本実施形態のEDLC2では、無機物質によりフッ化物が吸着され、キャパシタセル9の内部におけるフッ化物の自由な遊離が抑制されているため、有効電極面積を小さくしても、インピーダンスの上昇を効果的に抑制することができる。
具体的に、本実施形態のEDLC2において、有効電極面積は、12cm以下とすることが好ましく、1cm以下とすることがより好ましい。このように、有効電極面積を小さくすることで、従来のEDLCよりも、インピーダンスの経時的な上昇率をより低減することができる。また、上記の構成により、本実施形態のEDLC2は、より高速で充放電することが可能となる。
また、本実施形態のEDLC2において、無機物質に含まれるNaの含有率αとKの含有率βとの和(α+β)は、1.0wt%以上であり、より好ましくは、7.0wt%以上である。無機物質には、特にNaおよびKが含まれていることが重要であり、上記の組成を満たすことで、インピーダンスの上昇をより好適に抑制することができる。その結果、EDLC2の寿命をより向上させることができる。
第2実施形態
以下、図5および図6に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。図5および図6に示すように、第2実施形態のEDLC2bでは、外装シート4の内部に、Y軸方向に並んで2つのキャパシタセル9aおよび9bが収容してある。その他は、第1実施形態と同様である。そのため、第2実施形態における第1実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略し、同じ符号を使用する。
第2実施形態では、外装シート4が、表面シート4a1と裏面シート4b1とから成り、図1Aに示す外装シート4に比較して、Y軸方向に略2倍の大きさを有する。外装シート4の内側には、図6に示すように、2つのキャパシタセル9a,9bが収容してあり、これらのキャパシタセル9a,9bは、それぞれ、素子本体10a,10bを有している。この素子本体10a,10bは、いずれも、第1実施形態の素子本体10と同様な構造を有している。
第2実施形態では、各素子本体10a,10bの第2リード端子28,28は、別々に形成してあるが、各素子本体10a,10bの各第1リード端子18aは、連結部18bに一体成形してあり、相互に連続している。すなわち、各素子本体10a,10bは、図5に示すように、第1リード端子18aおよび連結部18bを介して、直列に接続してある。
外装シート4のY軸方向の中央部には、第3シール部44aがX軸方向に沿って形成してあり、2つのキャパシタセル9a,9bの間で、電解質溶液の流通が遮断されるようになっている。キャパシタセル9aは、外装シート4に連続して形成される第1シール部40、第2シール部42、第3シール部44aおよび第4シール部46aにより密封され、内部に電解質溶液が充填してある。同様に、キャパシタセル9bは、外装シート4に連続して形成される第1シール部40、第2シール部42、第3シール部44aおよび第4シール部46bにより密封され、内部に電解質溶液が充填してある。
一般的に、EDLCでは、単一のキャパシタセルにおける耐電圧が、最大で約2.85V程度と定められているが、第2実施形態のEDLC2bに示すように、2つのキャパシタセル9a、9bを直列に接続することで、EDLC2bの耐電圧を高めることが可能である。なお、キャパシタセルの連結数は、特に限定されず、複数のキャパシタセルを連結してEDLCを構成することで、EDLCの用途に応じて最適な耐電圧を確保することができる。また、第2実施形態のEDLC2bでは、2つのキャパシタセル9a、9bを直列に接続しているが、これらを並列に接続してもよい。
なお、第2実施形態のEDLC2bにおいても、各キャパシタセル9a、9bには、それぞれ、第1実施形態と同様の特徴を有する無機物質が含まれており、当該構成により、インピーダンスの上昇を抑制でき、EDLC2bの寿命を向上させることができる。また、キャパシタセル9aと9bとは、有効電極面積が一致していてもよく、相互に異なっていてもよい。EDLC2bのように複数のキャパシタセル9a、9bが存在する場合であっても、単一のキャパシタセルにおける有効電極面積は、それぞれ、12cm以下とすることが好ましく、1cm以下とすることがより好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の範囲内で種々に改変することができる。たとえば、図1Aに示すEDLC2では、外装シート4にサポートタブ4f1,4f2が具備してあるが、このサポートタブ4f1,4f2は、必須の構成要素ではない。図1Bに示すEDLC2aのように、外装シート4がサポートタブ4f1,4f2を具備せずに、表面シート4aと裏面シート4bとが、X軸方向で略同一の長さを有していてもよい。なお、図1Bに示すEDLC2aでも、一枚のシートを折り曲げて外装シート4を構成してもよいし、別々のシートを重ね合わせて外装シート4を構成してもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態では、第1リード端子18と第2リード端子28とが、EDLCの長手方向(X軸方向)に沿って反対側に引き出されているが、図7のEDLC2dに示すように、X軸方向の一方にのみ全てのリード端子が引き出されていてもよい。また、図7に示すように、同一方向にリード端子が引き出される場合には、極性が一致する2以上のリード端子が積層方向で重複するように引き出されていてもよい。
さらに、図4Aなどに示す密封用テープ40a,42aは、単一層の樹脂テープに限らず、多層構造の樹脂テープであってもよい。たとえば積層方向の中心部に高融点樹脂(たとえばPP)層があり、その両面に低融点樹脂(たとえばPP)層がある三層積層構造のテープを用いてもよい。このような構成のテープ40a,42aを用いることにより、シール部40,42での密封性がさらに向上すると共に、リード端子18,28にバリが生じていたとしても、高融点樹脂層によりそのバリが外装シート4の内側層4Bを突抜することを防止できる。したがって、シール部40,42での短絡不良をより効果的に防止できると共に、熱圧着時におけるリード端子の破断などを有効に防止することができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実験1
実験1では、電解質溶液中に無機物粒子を添加して、図1Aに示す構造のEDLC試料を作製した。特に実験1では、無機物粒子の組成や添加量を変更した複数の実施例試料(1~11)を作製し、各実施例試料の寿命特性を評価した。以下、各実施例における実験条件を説明する。
(実施例1)
まず、無機物粒子の出発原料として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酸化ケイ素を準備し、これらを所定の割合で秤量したのち、メノウ乳鉢を用いて混合した。この際、上記の出発原料の他に、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ホウ酸、酸化亜鉛、炭酸バリウムなども適量加え、上記の出発原料と一緒に混合した。
次に、得られた混合粉末を白金坩堝に投入し、昇温・高温速度の制御が可能な電気炉にて焼成した。焼成の条件は、昇温速度を300℃/h、保持温度を1200℃~1500℃、保持時間を2時間として、当該保持時間を経過した後に、溶融した原料を水中に滴下し、ガラス化した無機原料粉を得た。焼成後、この無機原料粉を、メノウ乳鉢により粗く粉砕した。
次に、有機溶媒であるヘキサン100重量部に対して、上記工程で得られた無機原料粉を10重量部、添加した。そして、この溶液を、30分間、超音波処理することで、ヘキサン中に無機原料粉を分散させた。その後、ヘキサンに添加した無機原料粉を、ボールミルを用いて48時間粉砕し、無機物粒子を含むスラリーを得た。さらに、当該スラリーを100℃~140℃で12時間乾燥させて、溶媒を揮発させることで、実施例1で使用する無機物粒子を得た。なお、当該工程で得られた無機物粒子の組成を、XRFやICPにより分析したところ、実施例1の無機物粒子では、Na,K,およびSiが、表1に示す組成比で含まれていることが確認できた。
次に、上記で得られた無機物粒子を、電解質溶液中に添加し、その後、約30分間、超音波処理することで、電解質溶液中に無機物粒子を分散させた。この際、無機物粒子の添加量は、電解質溶液100重量部に対して、20重量部とした。
最後に、上記の電解質溶液を用いて、実施例1に係るEDLC試料を製造した。EDLCの製造にあたって、集電体層14,24としてAlの金属シートを用い、活性層12,22の活物質として活性炭を用い、セパレータシート11としてセルロース系の繊維不織布を用い、第1実施形態で述べた方法(図3A~図4B)でEDLCを組み立てた。また、内部電極の有効電極面積は、0.21cmとした。当該方法で得られたEDLC試料の容量を測定したところ、10mFであった。
(実施例2~7)
実施例2~7では、実施例1とは組成が異なる無機物粒子を準備し、当該無機物粒子を用いてEDLC試料を作製した。具体的に、実施例2~7において、無機物粒子の組成は、出発原料の配合比を調整することで制御しており、実施例2~5では、主にNa,Kの含有率α,βを変更し、実施例6~7では、主にSiの含有率γを変更した。各実施例2~7における無機物粒子の組成(XRFの成分分析結果)を表1に示す。なお、実施例2~7では、無機物粒子の組成を変更した以外は、実施例1と同様にして、各実施例に係るEDLC試料を製造した。
(実施例8~11)
実施例8~11では、実施例1とは無機物粒子の添加量が異なる電解質溶液を準備し、当該電解質溶液を用いてEDLC試料を作製した。各実施例8~11における、無機物粒子の添加量(電解質溶液100重量部に対する無機物粒子の重量割合)を、表1に示す。なお、実施例8~11では、無機物粒子の添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、各実施例に係るEDLC試料を製造した。
(比較例1)
比較例1では、上記の実施例とは異なり、キャパシタセル内に無機物粒子を添加することなく、EDLC試料を作製した。無機物粒子を使用しなかったこと以外の条件は、実施例1と同様である。
(比較例2)
比較例2では、電解質溶液に無機物粒子を添加したが、比較例2で使用した無機物粒子は、純度の高いSiO粒子(ガラス)であり、NaやKが含まれていなかった。比較例2では、上記以外の実験条件は、実施例1と同様にして、比較例2に係るEDLC試料を得た。
(特性評価:耐久試験)
上述した各実施例および各比較例の寿命特性を評価するために、耐久試験を実施した。耐久試験では、作製したEDLC試料を、温度85°Cの環境下に1000時間保管し、試験前後でのインピーダンスの上昇率を測定した。インピーダンスの上昇率は、200%以下を合格と判定し、上昇率が低いほど信頼性が高く、高寿命であると判断する。各実施例および各比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2023166640000002
表1に示すように、キャパシタセル内に無機物粒子を添加しなかった比較例1では、試験後のインピーダンスが約500%程度まで上昇しており、目的とする寿命特性を満足できなかった。また、NaやKを含まないSiO粒子を添加した比較例2でも、インピーダンスの上昇率が、比較例1と同程度であり、目的とする寿命特性を満足できなかった。この比較例2の結果から、Siの酸化物粒子のみでは、インピーダンスの上昇を抑制する効果が得られないことがわかった。
これに対して、Na,K,Siを含む無機物粒子を添加した実施例1~11では、いずれも、インピーダンスの上昇率が200%以下となっており、基準値を満足した。この結果から、所定の元素を含む無機物粒子をキャパシタセル内に添加することで、インピーダンスの上昇を抑制でき、EDLCの寿命が向上することが確認できた。
また、実施例1~5を比較すると、NaとKの含有率の和(α+β)が多くなるほど、インピーダンスの上昇を抑制できることが確認できる。また、実施例6~7と実施例1との結果を比較すると、無機物粒子に含まれるSiの含有率γを少なくして、他の無機物成分の割合を高くすると、初期のインピーダンスが高くなる傾向が確認できる。
さらに、実施例8~11の結果から、Na,K,Siを含有する無機物粒子が、電解質溶液中に少量(添加量0.2重量部)でも含まれていれば、インピーダンスの上昇を抑制する効果があることが確認できた。そして、電解質溶液中に無機物粒子を分散させる場合は、電解質溶液に対する無機物粒子の添加量は、0.2重量部~60重量部とすることが好ましく、1重量部~50重量部とすることがより好ましいことがわかった。
実験2
実験2では、EDLCの容量を変更した複数の試料を作製し、有効電極面積とインピーダンスの上昇率との関係性を調査した。以下、実験2で作製した各試料について説明する。
(実施例12~14)
実施例12~14では、実験1の実施例1とは有効電極面積が異なる素子本体を準備し、当該素子本体を用いてEDLC試料を作製した。具体的に、各試料における有効電極面積は、実施例12で0.84cm、実施例13で4.2cm、実施例14で14cmとした。なお、実施例12~14において、有効電極面積以外の製造条件は、実施例1と同様であり、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(実施例15)
実施例15では、有効電極面積を実施例14と同様に14cmとしたうえで、さらに、実施例14よりも活性層12,24を厚くすることで、容量を大きくした。実施例15では、上記以外の実験条件は、実施例1と同様にして、EDLC試料を製造し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例3~6)
比較例3~6では、上記の実施例12~15と同様にして、有効電極面積や容量を変えて、EDLC試料を作製した。なお、比較例3~6において、有効電極面積や容量以外の製造条件は、比較例1と同様である。評価結果を表2に示す。
Figure 2023166640000003
表2の比較例1,3~6の評価結果から、有効電極面積を小さくすると、インピーダンスの上昇率がより高くなり、寿命特性が悪化し易いことが確認できる。一方、本発明の実施例1,12~15では、有効電極面積を小さくしても、インピーダンスの上昇を抑制できている。
また、表2に示す結果から、有効電極面積が小さいほど、無機物粒子による寿命改善効果が高くなることが確認できる。有効電極面積が14cmである比較例5と実施例15とを対比すると、実施例15の上昇率が比較例5の1/2程度に抑えられている。これに対して、有効電極面積が0.21cmである比較例1と実施例1とを対比すると、実施例1の上昇率が、比較例1の1/4程度にまで低減できている。つまり、有効電極面積が小さいほど、インピーダンスの上昇抑制効果が高くなっていることがわかる。当該効果を鑑みると、有効電極面積は、14cm未満であることが好ましく、1cm以下であることがより好ましいことが確認できた。
実験3
実験3では、無機物粒子の添加方法を変更して実施例21~23に係るEDLC試料を製造した。具体的に、実験3の各実施例では、実験1および実験2と同様の方法で、無機物粒子(添加量20wt%)を含むスラリーを作製した後、当該スラリーを、活性層のセパレータシートに対向する表面に噴霧した。この際、スラリーは、第1内部電極の第1活性層と、第2内部電極の第2活性層との両方に噴霧した。また、噴霧回数は、第1および第2活性層に対して、それぞれ、実施例21では1回(合計2回)、実施例22では3回(合計6回)、実施例23では5回(合計10回)とした。
そして、スラリーの噴霧後、真空乾燥によりスラリー中の有機溶媒を揮発させることで、第1および第2活性層の表面に無機物粒子を添加した。なお、無機物粒子の組成は、実験1と同様に、XRFやICPによる成分分析を行うことで確認した。
実験3の各実施例では、上記のセパレータシートを用いて、EDLCを製造し、実施例1と同様の評価を行った。なお、実験3の各実施例における、上記以外の実験条件は、実施例1と同様である。実験3の評価結果を表3に示す。
Figure 2023166640000004
表3に示すように、無機物粒子の添加方法を変えた場合であっても、インピーダンスの上昇を抑制できることが確認できた。また、スラリーを噴霧する方法で無機物粒子を添加する場合には、合計噴霧回数は、2~10回であることが好ましく、6回程度であることがより好ましいことが確認できた。
なお、実験1~3では、製造過程の無機物粒子を測定試料として、XRFやICPなどによる成分分析を実施したが、製造後のEDLC試料でも、無機物粒子の組成を分析した。つまり、製造したEDLC試料を解体し、キャパシタセルの内部に充填してある電解質溶液を乾燥した後、セパレータシートの内部や表面、もしくは内部電極の表面に存在する無機物粒子を特定し、XRFおよびICPで成分分析することで、無機物粒子の組成を測定した。その結果、表1~3で示した組成と同等の成分分析結果が得られた。
2,2a,2b,2d… 電気二重層キャパシタ(EDLC)
4… 外装シート
4a,4a1,4a2… 表面シート
4b,4b1,4b2… 裏面シート
4c… 折り返し周縁部
4d1,4d2… 先端部
4f1,4f2… サポートタブ
4A… 金属シート
4B… 内側層
4C… 外側層
10… 素子本体
11… セパレータシート
12… 第1活性層
14… 第1集電体層
16… 第1内部電極
18… 第1リード端子
22… 第2活性層
24… 第2集電体層
26… 第2内部電極
28… 第2リード端子
40… 第1シール部
42… 第2シール部
44… 第3シール部
46… 第4シール部
50… 熱融着治具
60… 絶縁台座シート

Claims (5)

  1. 少なくとも1つのキャパシタセルを有する電気二重層キャパシタであって、
    前記キャパシタセルが、
    セパレータシートと、
    前記セパレートシートを挟んで積層してある一対の内部電極と、
    前記セパレータシートと一対の前記内部電極とが浸漬される電解質溶液と、を有し、
    前記キャパシタセルの内部に、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、およびSi(ケイ素)を含有する無機物質が含まれている電気二重層キャパシタ。
  2. 前記無機物質に含まれるNaの含有率を、NaO換算で、αwt%とし、
    前記無機物質に含まれるKの含有率を、KO換算で、βwt%として、
    α+βが、1.0wt%以上である請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 前記無機物質に含まれるNaの含有率を、NaO換算で、αwt%とし、
    前記無機物質に含まれるKの含有率を、KO換算で、βwt%として、
    α+βが、7.0wt%以上である請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 積層方向からの平面視において、一対の前記内部電極が対向している領域の面積を有効電極面積として、
    単一の前記キャパシタセルにおける前記有効電極面積が、12cm以下である請求項1~3のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
  5. 積層方向からの平面視において、一対の前記内部電極が対向している領域の面積を有効電極面積として、
    単一の前記キャパシタセルにおける前記有効電極面積が、1cm以下である請求項1~3のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
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