JP2023164664A - 感知器、及び自動火災報知システム - Google Patents

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康洋 森
Yasuhiro Mori
裕介 橋本
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Abstract

【課題】熱検知に関する応答性の向上を図ること。【解決手段】感知器1は、基板2と、基板2に実装された少なくとも1つの熱検知素子30と、基板2を収容する筐体5と、気流形成部9と、を備える。筐体5は、その内部空間SP1に設けられて気体が流れる流路6と、流路6と筐体5の外部空間SP2とを繋ぐ開口部7と、筐体5が構造体X1に取り付けられる場合に構造体X1と対向する設置面55と、を有する。開口部7は、筐体5における設置面55とは反対側の外表面53に設けられた流入口7Bを有する。気流形成部9は、流入口7Bから流入した気体が熱検知素子30に向けて流れる気流を形成するように構成される。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に、感知器、及び自動火災報知システムに関し、より詳細には、例えば火災等によって発生する熱を感知する感知器、及び当該感知器を備える自動火災報知システムに関する。
従来例として、特許文献1に記載の加熱試験器を例示する。この加熱試験器は、感熱式の火災感知器を加熱する加熱手段(熱源)を有する本体を、その火災感知器に向けて作動試験を行うための試験器である。作動試験の際には、加熱試験器の本体の頂部に設けられているフードの上端を天井面に当接させて、フードの筒状部の内部に火災感知器を位置させることで、火災感知器の周囲が覆われる。
特開2017-188062号公報
ところで、火災感知器(感知器)には、その筐体の小型化(特に薄型化)の要望がある。一方で、加熱試験器による作動試験の際に、筐体の小型化に伴って、加熱試験器の熱源から、感知器の熱検知素子までの距離が遠くなる可能性があり、応答性が悪化して、作動試験に要する時間(点検時間)が増す可能性がある。
本開示は上記事由に鑑みてなされ、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる感知器、及び自動火災報知システムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る感知器は、基板と、前記基板に実装された少なくとも1つの熱検知素子と、前記基板を収容する筐体と、気流形成部と、を備える。前記筐体は、その内部空間に設けられて気体が流れる流路と、前記流路と前記筐体の外部空間とを繋ぐ開口部と、当該筐体が構造体に取り付けられる場合に前記構造体と対向する設置面と、を有する。前記開口部は、前記筐体における前記設置面とは反対側の外表面に設けられた流入口を有する。前記気流形成部は、前記流入口から流入した気体が前記熱検知素子に向けて流れる気流を形成するように構成される。
本開示の一態様に係る自動火災報知システムは、上記の感知器と、前記感知器と通信する受信機とを備える。
本開示によれば、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる、という利点がある。
図1は、一実施形態に係る感知器の断面図である。 図2は、同上の感知器の下方から見た斜視図である。 図3は、同上の感知器における上方から見た分解斜視図である。 図4は、同上の感知器における下方から見た分解斜視図である。 図5は、同上の感知器において裏カバーが外された状態の上方から見た斜視図である。 図6は、同上の感知器における気流形成部の要部斜視図である。 図7Aは、構造体に設置された同上の感知器に対して、試験器を用いて加熱点検を行う様子を示す図である。図7Bは、同上の感知器が試験器で覆われた状態における、試験器の模式的な断面図である。 図8は、同上の気流形成部より形成される気流を説明するための図である。 図9Aは、同上の感知器における変形例1の下方から見た斜視図である。図9Bは、同上の変形例1において裏カバーが外された状態の上面図である。
(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
本実施形態の感知器1は、例えば火災感知器であり、火災等によって発生する熱を検知する熱検知素子30を備えている。言い換えると、感知器1は、少なくとも熱を検知する機能を有した感知器である。ただし、感知器1は、煙を検知する煙検知部も更に備えた、いわゆる複合火災感知器であってもよい。感知器1は、煙検知部の代わりに、又は煙検知部に加えて、炎、ガス漏れ、又は不完全燃焼によるCO(一酸化炭素)の発生等を検知する検知部を備えてもよい。
感知器1は、図2に示すように、例えば建物の天井又は壁等の造営材である構造体X1(図示例では天井)に設置される。
感知器1は、図1及び図3に示すように、基板2と、少なくとも1つの熱検知素子30と、筐体5と、気流形成部9と、を備える。ここでは一例として、感知器1は、4つの熱検知素子30を備えている。4つの熱検知素子30は、基板2に実装されている。熱検知素子30は、一例として、開口部7から流入した気体の熱を検知するチップサーミスタである。
筐体5は、基板2を収容する。筐体5は、図1に示すように、その内部空間SP1に設けられて気体(熱気)が流れる流路6と、流路6と筐体5の外部空間SP2とを繋ぐ開口部7と、筐体5が構造体X1に取り付けられる場合に構造体X1と対向する設置面55と、を有する。内部空間SP1は、筐体5内の空隙部分に相当する。そしてここでは、内部空間SP1の概ね全体が、気体の流れ得る流路6に相当する。
開口部7は、筐体5における設置面55とは反対側の外表面53に設けられた流入口7B(縦孔)を有している。なお、ここでは、開口部7は、流入口7B以外にも、複数の側面口7A(横孔)及び一対の補助口7C(縦孔)を有している(図2参照)。
気流形成部9は、流入口7Bから流入した気体(熱気)が熱検知素子30に向けて流れる気流を形成するように構成される。
この構成によれば、感知器1が気流形成部9を備えるため、流入口7Bから流入した気体の熱によって熱検知素子30が温められる時間が短縮される。そのため、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる。なお、この応答性の向上は、試験器を用いた作動試験に要する時間(点検時間)の短縮だけでなく、実際に火災が発生した場合において火災を検知するまでに要する時間の短縮にも寄与し得る。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態に係る感知器1の全体構成について詳しく説明する。感知器1は、上述の通り、熱を検知する熱感知器である。また感知器1は、一例として、いわゆるP型(Proprietary-type)の通信方式で火災信号を外部に送信する、P型熱感知器である。
以下では、図2の例の通り、感知器1が天井面(構造体X1の一面)に設置されていることを想定する。感知器1の上下及び左右の方向を、図1に図示されている上下及び左右の矢印を用いて規定して説明する。ここでは基板2の厚み方向は上下方向に一致し、流入口7Bの近傍にある2つの熱検知素子30の並び方向は左右方向に一致する。これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。またこれらの方向は、感知器1の使用方向を限定する趣旨ではない。
感知器1は、上述した4つの熱検知素子30を有する熱検知部3を備えている。また感知器1は、基板2、筐体5、気流形成部9、制御モジュール、及び通信モジュール等を更に備えている。また感知器1は、構造体X1に取り付けるための取付部10を備えている(図1参照)。感知器1は、取付部10を介して、構造体X1に固定された円板状の取付ベースに着脱可能に取り付けられる。
感知器1は、火災を検知したときに、通信モジュールを介して、火災の発生を知らせる信号を外部の警報器等へ送信し、また警報器等からの信号を受信する。感知器1は、商用電源によって電力が供給されてもよいし、筐体5の内部に設けられた電池によって電力が供給されてもよい。
(2.2)筐体
筐体5は、基板2、熱検知部3、制御モジュール及び通信モジュール等を、内部に収容する。気流形成部9は、一例として、筐体5と一体となって形成されている。気流形成部9については、後の「(2.5)気流形成部」の欄で詳しく説明する。
筐体5は、合成樹脂製であり、例えば難燃性ABS樹脂製である。筐体5は、全体として、上下方向にへん平な円筒状に形成されている。筐体5は、図3に示すように、一面(図示例では上面)が開放された円筒状の表カバー51と、円板状の裏カバー52と、を有している。筐体5は、筐体5が構造体X1に取り付けられる場合に、構造体X1と対向する設置面55(図1参照)を有している。ここでは、裏カバー52の一面(上面)が、設置面55に相当する。筐体5は、裏カバー52が表カバー51に対してその開放された一面側から組み付けられることにより構成される。
また筐体5は、上述の通り、その内部空間SP1に設けられて気体が流れる流路6と、流路6と外部空間SP2とを繋ぐ開口部7と、を有している。開口部7は、複数(例えば4つ)の側面口7A(横孔)と、1つの流入口7B(縦孔)と、一対の補助口7C(縦孔)と、を有している。ここでは開口部7が、表カバー51に設けられている。
具体的には、表カバー51は、図1~図3に示すように、上下の両端が開放されたへん平な円筒体510と、円筒体510の下方にある円板状の基部511と、円筒体510及び基部511を繋ぐ複数本(例えば4本)の桟部512と、を含む。
円筒体510、基部511、及び複数本の桟部512は、一体なって形成されている。複数本の桟部512は、基部511の周縁部において周方向に沿って略等間隔に並んでいて、かつ当該周縁部から円筒体510の開放された下縁部に向かって突出している。複数本の桟部512は、円筒体510と基部511との間の距離を規定距離に保つ。複数の側面口7Aは、このように構成された表カバー51の周壁において、その周方向に沿って略等間隔に並んでいる。
各側面口7Aは、表カバー51の周壁を径方向に貫通する略矩形状の貫通孔であり、流路6と外部空間SP2とを繋ぐ口となる。流入口7Bは、基部511を厚み方向に貫通する円形状の貫通孔であり、側面口7Aと同様に、流路6と外部空間SP2とを繋ぐ口となる。流入口7Bは、筐体5における設置面55とは反対側の外表面53(つまり基部511の下面)に設けられている。流入口7Bは、例えば外表面53の正面から見て、その中央に配置される。一対の補助口7Cは、図1に示すように、外表面53における左右両縁近傍に配置される。各補助口7Cは、基部511を厚み方向に貫通する略矩形状の貫通孔であり、各側面口7A及び流入口7Bと同様に、流路6と外部空間SP2とを繋ぐ口となる。
また表カバー51は、基部511の上面に、基板2を位置決めするための複数のリブ54を有している(図3参照)。また基部511の上面には、一対の接続ブロックB1が設けられている。各接続ブロックB1には、基板2上に形成されているパターン配線と電気的に接続された接続端子が組み込まれている。一対の接続ブロックB1は、裏カバー52の下面に設けられた一対の挿入口B2(図4参照)にそれぞれ挿入可能に構成される。各接続ブロックB1が対応する挿入口B2に挿入された状態で、各接続ブロックB1の接続端子は、裏カバー52の上面にある取付部10の孔100(図3参照)から露出する。取付部10が構造体X1側の取付ベースに対して機械的に接続されることで、各接続ブロックB1の接続端子と取付ベースのコンタクト部との電気的な接続も達成される。要するに、取付部10が取付ベースに接続されることで、基板2上に実装された制御モジュール及び通信モジュールは、接続端子及びコンタクト部を介して、構造体X1の裏側にある電線(給電線及び信号線)と電気的に接続される。
さらに表カバー51は、基板2と対向する一面(上面)において、流路6内における気体の流れを制御する、複数の制御板522(図3参照)を有している。各制御板522は、裏カバー52に近づく方向(上方向)に突出している。複数の制御板522は、側面口7A近傍において、表カバー51の周方向に沿って略等間隔に配置されている。複数の制御板522は、側面口7Aから流入した気体が、熱検知素子30に向かってより流れ易くなるように気流を制御(誘導)する。
(2.3)基板
基板2は、プリント基板である。基板2には、熱検知部3、制御モジュール、通信モジュール、及びその他の回路モジュール等が実装されている。
基板2は、図3~図5に示すように、平面視において全体として略菱形状に形成されている。基板2は、図1に示すように、流入口7Bの側にある第1面21(ここでは下面)と、第1面21とは反対側の第2面22(ここでは上面)とを有している。本実施形態では、熱検知部3の4つの熱検知素子30が、基板2の第2面22に表面実装されている。
制御モジュール及び通信モジュール等を構成する複数の電子部品も、例えば基板2の第2面22に実装されている。なお、制御モジュール及び通信モジュール等を構成する複数の電子部品は、基板2のみに実装されていなくてもよく、例えば、基板2の周辺に別の実装基板が配置されていて、当該実装基板に、それらの一部又は全部が実装されてもよい。
以下、基板2の構造について詳しく説明する。基板2は、図3及び図4に示すように、本体部200と、一対の延出部201と、を有している。本体部200は、その長軸が左右方向に沿っている菱形状となっている。一対の延出部201は、本体部200の左右の両縁において、本体部200の中心から離れる方向に延出している。基板2は、一例として、その中心を軸に180度回転させることで対称となる、二回対称の形状である。
本体部200は、図3及び図4に示すように、その中央において、厚み方向に貫通する孔部25を有している。孔部25は、略円形状の開口を有している。孔部25は、その少なくとも一部が、流入口7Bの正面から見て、流入口7Bと重なるように配置される。ここでは孔部25の概ね全部が、流入口7Bと重なるように配置される。
本体部200は、図3に示すように、孔部25の開口縁において、左右方向に沿って互いに近づくように突出する一対の突起部26を有している。一対の突起部26の先端は、流入口7Bの正面から見て、流入口7Bから露出している。そして、各突起部26の上面に、1つの熱検知素子30(チップサーミスタ)が実装されている。以下、一対の突起部26の先端に配置された一対の熱検知素子30を、一対の「第1熱検知素子30A」と呼ぶこともある。一対の第1熱検知素子30Aは、流入口7Bの正面から見て、流入口7Bの周縁に沿うように基板2の第2面22に実装される。
また基板2の各延出部201の先端付近の上面にも、1つの熱検知素子30が配置されている。以下、一対の延出部201の先端付近に配置された一対の熱検知素子30を、一対の「第2熱検知素子30B」と呼ぶこともある。
また基板2は、各熱検知素子30の近傍において、熱検知素子30における熱が基板2を伝達して、熱検知素子30の温度が低くなってしまうことを抑制するために、貫通孔31を有している。各第1熱検知素子30Aの近傍にある貫通孔31は略三角形状に開口し、第1熱検知素子30Aよりも孔部25とは反対側(外側)に配置される。各第2熱検知素子30Bの近傍にある貫通孔31は略矩形状に開口し、第2熱検知素子30Bよりも側面口7Aとは反対側(内側)に配置される。このような貫通孔31が各熱検知素子30の傍に設けられていることで、熱検知素子30の周囲において基板2が占める領域を減らすことができ、熱検知素子30における熱が基板2を伝達して熱検知素子30の温度が低くなってしまうことを抑制できる。すなわち、貫通孔31によって熱絶縁性が向上される。貫通孔31の開口面積は、熱検知素子30の表面積(例えば基板2の上側から見た表面積)よりも大きいことが望ましい。
(2.4)熱検知部及び制御モジュール
熱検知部3は、上述の通り、基板2の第2面22に実装された4つの熱検知素子30を有している。熱検知素子30の数は、特に限定されず、1つでもよいが、2つ以上であることが好ましい。そして、本実施形態における熱検知素子30は、開口部7から流入した気体の熱を検知するチップサーミスタであり、基板2に表面実装されている。
各第1熱検知素子30Aは、開口部7の流入口7Bの正面から見て、流入口7Bの投影領域内に概ね収まるか位置か、当該投影領域から僅かに外れる程度にずれた位置で、基板2上に実装される(図1参照)。
各第2熱検知素子30Bは、開口部7の複数の側面口7Aのうちのいずれかと対向するように配置されている。また各第2熱検知素子30Bは、開口部7の補助口7Cの正面から見て、補助口7Cの投影領域内に概ね収まる位置で、基板2上に実装される(図1参照)。
熱検知部3は、基板2上に形成されたパターン配線等を介して、制御モジュールと電気的に接続されている。各熱検知素子30は、制御モジュールに電気信号(検知信号)を出力する。言い換えると、制御モジュールは、各熱検知素子30から出力される電気信号を通じて、温度上昇に依存して変化し得る各熱検知素子30の抵抗値を監視している。
熱検知部3は、熱検知素子30以外に、熱検知素子30からの電気信号を増幅する増幅回路、及びアナログ-デジタル変換する変換回路等を更に有してもよいし、あるいは増幅及び変換は、制御モジュール側で行われてもよい。
制御モジュールは、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコントローラにて構成されている。言い換えれば、制御モジュールは、CPU及びメモリを有するコンピュータにて実現されており、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータが制御モジュールとして機能する。プログラムは、ここではメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御モジュールは、通信部モジュール及びその他の回路モジュール(電源回路等)を制御するように構成されている。
また制御モジュールは、熱検知部3からの検知信号を受信し、火災が発生したか否かを判定するように構成されている。具体的には、制御モジュールは、熱検知部3の4つの熱検知素子30からの検知信号を個別に監視し、検知信号に含まれている信号レベル(抵抗値に相当)が閾値を上回る(又は下回る)熱検知素子30が1つでも見つかると、火災が発生した判定する。
制御モジュールは、熱検知に基づいて、火災が発生したと判定すると、通信モジュールを介して、火災の発生を知らせる信号を、自動火災報知システムの受信機及び火災警報器等へ送信する。通信モジュールは、例えば有線により、受信機及び火災警報器等と通信するための通信インターフェイスである。通信モジュールは、構造体X1の裏側に配線されている信号線を介して、受信機及び火災警報器等と通信可能に接続されている。なお、感知器1が、表示部(作動灯)を備えている場合には、制御モジュールは、火災が発生したと判定すると、作動灯の光源を点滅又は点灯させるための制御信号を、点灯回路へ出力してもよい。
(2.5)気流形成部
以下、本実施形態の気流形成部9について説明する。気流形成部9は、開口部7の流入口7Bから流入した気体(熱気)が熱検知素子30に向けて流れる気流を形成するように構成される。ここで言う「気流」は、4つの熱検知素子30のうち、主に一対の第1熱検知素子30Aに向けて流れる気流を指す。ただし、気流形成部9によって形成される「気流」は、一対の第2熱検知素子30Bにも間接的に影響し得る。
気流形成部9は、図6に示すように、周壁90を有している。周壁90は、表カバー51の基部511の上面において、例えば基部511と一体となって形成されているが、表カバー51とは別の部材から構成されて、適宜の固定手段(接着、ねじ、圧入等)により基部511に固定されてもよい。周壁90は、流入口7Bの周縁から内部空間SP1に向かって筒状に突出する。ここでは一例として、周壁90は、円筒状に突出する。周壁90の上端側は開放されているため、流入口7Bから流入した気体(熱気)は、周壁90内を通って上昇する。
周壁90は、図6に示すように、2つのスリット91を有している。2つのスリット91は、周壁90の突出方向と交差する方向(ここでは左右方向)に貫通している。各スリット91は、左右方向に沿って見て、略矩形状に下方へ凹んでいる。2つのスリット91は、突出方向と交差する方向(ここでは左右方向)において、互いに対向するように配置される。そのため、流入口7Bから流入した気体(熱気)は、主に周壁90内を通って上昇する一方で、その一部は、2つ(左右一対)のスリット91を通って左右に抜け出る。
また気流形成部9は、図6に示すように、周壁90の左右の各々に一対のガイド片92(合計4つ)を、更に有している。ガイド片92は、基部511の上面において、例えば基部511及び周壁90と一体となって形成されているが、これらとは別の部材から構成されて、適宜の固定手段(接着、ねじ、圧入等)により固定されてもよい。例えば各ガイド片92は、対応するスリット91の縁から、基部511の上面に沿って筐体5の外周に向かって延びている。具体的には、左側の一対のガイド片92は、左側のスリット91の両縁(図6では前後の両縁)から左方に延びている。また右側の一対のガイド片92は、右側のスリット91の両縁(図6では前後の両縁)から右方に延びている。
基部511を上方から見ると、流入口7Bは、左側の一対の2つのガイド片92が並ぶ並び方向において、これらのガイド片92の間にある。同様に、基部511を上方から見ると、流入口7Bは、右側の一対の2つのガイド片92が並ぶ並び方向において、これらのガイド片92の間にある。その結果、基部511を上方から見ると、2つのスリット91を有した周壁90、及び4つのガイド片92によって囲まれた領域は、流入口7Bを中心に、左右方向に沿って帯状に延びている。また基板2を上方から見ると、基板2の孔部25は、左側の一対の2つのガイド片92が並ぶ並び方向において、これらのガイド片92の間にある。同様に、基板2の孔部25は、右側の一対の2つのガイド片92が並ぶ並び方向において、これらのガイド片92の間にある。
ここで周壁90は、その上端面96(図6参照)が基板2の孔部25内に収まるように構成されている。周壁90の上端面96は、例えば、孔部25内に収まった状態で、基板2の第2面22よりも上方に僅かに突出している(図5参照)。これにより、水蒸気等が基板2の第2面22側に進入することを抑制できる。ただし、上端面96は、第2面22と略面一でもよいし、第2面22よりも僅かに下方に位置してもよい。4つのガイド片92の上端面97(図6参照)は、上端面96が孔部25内に収まった状態で、基板2の第1面21に接触している。したがって、周壁90及びガイド片92は、基板2の位置決めの機能も有している。
このように周壁90が設けられていることで、周壁90の突出方向と交差する方向に沿って気流が広がることを抑制できる。
また気流形成部9は、図6に示すように、スロープ93(斜面)を、更に有している。スロープ93は、流入口7Bの周縁から各スリット91の底縁にわたって、周壁90の突出方向に対して、筐体5の外周に向かって傾斜する。スロープ93は、上り斜面である。なお、気流形成部9は、図6に示すように、スロープ93の上端と連続したスロープ98を、更に有している。スロープ98は、下り斜面である。スロープ98の勾配は、スロープ93に比べて緩やかである。
さらに気流形成部9は、図1、図4、及び図8に示すように、ブロック体94を、更に有している。ブロック体94は、構造体X1の側から基板2を覆う裏カバー52(カバー)と一体となって形成されているが、裏カバー52とは別の部材から構成されて、適宜の固定手段(接着、ねじ、圧入等)により固定されてもよい。ブロック体94は、裏カバー52における基板2と対向する一面(下面)から突出する。ブロック体94は、裏カバー52の下面の概ね中央に配置される。筐体5の中心軸A1(図4参照)は、ブロック体94の重心を概ね通る。また、中心軸A1は、基板2の孔部25の中心、及び流入口7Bの中心も概ね通る。ブロック体94は、流入口7Bの正面から見て、一対の第1熱検知素子30Aよりも奥側に配置される。つまり、流入口7B、孔部25、及びブロック体94は、この順で、中心軸A1上に並んでいる。その結果、流入口7Bを正面から見ると、ブロック体94の一部が、孔部25及び流入口7Bを介して露出している。
ブロック体94は、気流の熱を一対の第1熱検知素子30Aの周囲に集めるように構成される。具体的には、ブロック体94は、図4に示すように、全体として左右方向に長尺の、直方体形状である。
ブロック体94は、孔部25及び流入口7Bと対向する対向面940(下面)を有している。対向面940は、基板2の厚み方向に平行で、かつ一対の第1熱検知素子30Aを通る面で切った断面が、略M字形状となっている面である。対向面940は、図8に示すように、第1機能面941と、第2機能面942とから構成されている。
第1機能面941は、流入口7Bから流入した気体(熱気)を、一対の第1熱検知素子30Aに対して振り分ける面である。第1機能面941は、基板2側に向かって突出した断面山形の傾斜面を構成するように、2つの傾斜面(平坦面)からなる。要するに、第1機能面941は、孔部25を間に介して左右に並ぶ一対の第1熱検知素子30Aに対して、周壁90内を通って上昇した熱気を左右に振り分けるように構成される。
第2機能面942は、流入口7Bから流入した気体(熱気)を、一対の第1熱検知素子30Aに向かって跳ね返す面である。第2機能面942は、断面山形の第1機能面941の左右両端から、筐体5の外周に向かうほど基板2に近づくように傾斜している2つの傾斜面(平坦面)からなる。第2機能面942は、一対の第1熱検知素子30A及びその近傍にある貫通孔31と対向するように配置される。第2機能面942は、周壁90内を通って上昇した熱気を、第2機能面942の下にある一対の第1熱検知素子30Aに誘導するように構成される。
このように裏カバー52にブロック体94が配置されることで、気流の熱が第1熱検知素子30Aの周囲に留まりやすくなる。
また気流形成部9は、図1、図3、及び図4に示すように、囲み壁95を、更に有している。囲み壁95は、ブロック体94の周囲を囲むように裏カバー52の一面から突出する。囲み壁95は、その下面が開放された略円筒形状である。囲み壁95の下端は、基板2の第2面22に当接する(図1参照)。すなわち、囲み壁95は、第2面22の中央領域の上方の空間を他の空間と分け隔てるように構成される。その結果、内部空間SP1は、囲み壁95及び基板2によって分け隔てられた2つの空間(第1空間SP11及び第2空間SP12)から構成される。第1空間SP11は、囲み壁95及び第2面22の中央領域で囲まれた空間である。第2空間SP12は、基板2の第1面21と基部511との間の空間、及び囲み壁95の外周空間を含む。
(2.6)加熱点検
ところで、この種の感知器においては、正常に動作するか否かについての定期点検が法令で義務付けられている(例えば半年に1回の点検)。図7Aに示すように、点検作業者600は、所定の(加熱)試験器900を用いて、構造体X1(図示例では天井)に設置されている感知器1の熱検知素子30に対して加熱点検を行う。
試験器900は、図7Bに示すように、ハクキンカイロ等の熱源910と、上面が開放された略円筒形状で内部に熱源910を収容する本体部920と、本体部920を支持する支持棒930と、を有している。点検時には、本体部920は、感知器1の表カバー51の基部511及び開口部7を、下方から覆うように配置される。感知器1は、熱検知素子30等が正常であれば、熱源910からの熱気を受けることで、火災を検知した場合と同様の動作を行うことになる。
なお、感知器1の筐体5は、人の指又は工具等が熱検知素子30に接触してしまう可能性を低減するために、側面口7Aの開口領域の一部を遮る2つの遮蔽部V1(図2参照:図2では1つのみ図示)を有している。各遮蔽部V1は、例えば3本の柱から構成され、そのうち真ん中の柱が、第2熱検知素子30Bと対向するように配置される。つまり、第2熱検知素子30Bと同じ数の遮蔽部V1が設けられている。また筐体5は、外周に沿って配置された複数の凸部W1を有している(図1、図2、及び図7B参照)。複数の凸部W1は、側面口7Aの上縁部から下方に突出する。複数の凸部W1は、桟部512の上部、及び遮蔽部V1における真ん中の柱の上部に一体となって形成されている。各凸部W1は、試験器900が筐体5を覆うように配置された状態で、試験器900の周縁部901(図7B参照)と接触する。したがって、凸部W1が周縁部901と点接触する可能性が高くなり、凸部W1が存在せずに筐体5が周縁部901と面接触する場合に比べて、がたつきが抑制され得る。
以下、試験器900が筐体5を覆うように配置された状態(図7B参照)において、気流形成部9により形成される気流について、図8を参照しながら説明する。図8では、気流の動きを、複数の矢印で模式的に示している。
熱源910からの熱気は、表カバー51の流入口7Bから内部空間SP1に流入する。熱気は、流入口7B以外に、側面口7A及び補助口7Cからも内部空間SP1に流入し得るが、ここではこれらの口から流入した熱気の動きについては説明を省略する。つまり、以下では、流入口7Bと、その近傍に位置する2つの第1熱検知素子30Aとに着目して説明する。
ここで外表面53は、流入口7Bの周囲が基板2に向かって凹むようにテーパ状に形成されているため、流入口7Bへの熱気の流入が促進される。
流入口7Bから流入した熱気は、まず気流形成部9の周壁90内を通る。ここで周壁90が左右一対のスリット91を有しているため、熱気は、主に上昇する(図8の第1気流F1を参照)一方で、熱気の一部は、左右に分流する(図8の第2気流F2を参照)。
第1気流F1は、周壁90内を上昇して、周壁90の上端から抜け出ることで、基板2の孔部25よりも上に抜け出ることになる。つまり、第1気流F1は、第1空間SP11内に進入する。このとき、第1気流F1は、気流形成部9のブロック体94における山形の第1機能面941に衝突する。その結果、第1気流F1は、山形の第1機能面941の頂点を中心に、左右に分流される。そして、第1気流F1は、主に、第2機能面942によって基板2の第2面22に向かって跳ね返る(還流の形成)。そのため、孔部25の左右両縁の近傍にある2つの第1熱検知素子30Aは、第1気流F1によって覆われることになる。つまり、2つの第1熱検知素子30Aが、ブロック体94によって、気流の熱により曝されやすくなる。したがって、第1熱検知素子30Aにおける熱検知に関する応答性がより向上される。
第1気流F1の一部(図8の第3気流F3)は、第1空間SP11における、囲み壁95内でかつブロック体94の周囲の略ドーナツ状の空間SP13に進入する。第3気流F3は、空間SP13内に進入することで、徐々に第1空間SP11が熱気で満たされていく。つまり、第1空間SP11は、熱だまりの空間となる。したがって、第1熱検知素子30Aにおける熱検知に関する応答性がより向上される。特に囲み壁95が設けられていることで、気流の熱が第1熱検知素子30Aの周囲に更に留まりやすくなる。
一方、一対のスリット91によって左右に分流した第2気流F2は、第2空間SP12内に進入する。もしスリット91が設けられていなければ、第1空間SP11が熱気で満たされていくにつれて、第1空間SP11内の圧力が増加し、熱気が連続的に流入しにくくなる可能性がある。一方、本実施形態のようにスリット91が設けられていることで、スリット91から気流の一部を逃がすことができ、内部空間SP1内の圧力のバランスが改善され、熱気が流入口7Bから連続的に流入しやすくなる。特に本実施形態では、2つのスリット91が、左右方向において、互いに対向するように配置されるため、気流の一部が互いに離れる方向へ均等に逃がすことができ、内部空間SP1内の圧力のバランスがより改善される。また上述の通り、スロープ93(斜面)が流入口7Bの周縁から各スリット91の底縁にわたって設けられているため、第2気流F2が、スリット91に向かって這い上がりやすくなり、スリット91からより逃げやすくなっている。
ここで左右に分流した第2気流F2の各々は、一対のガイド片92の間を通ることになる。したがって、各スリット91を通る第2気流F2が広がることを抑制できる。ここでは、一対のガイド片92に沿って流れる第2気流F2の流路の真上に第1熱検知素子30Aが配置されているため、熱検知に関する応答性がより向上される。また基板2の孔部25は、一対のガイド片92の並び方向(図8で言えば紙面に垂直な方向)において、一対のガイド片92の間にあるため、孔部25の周辺において気流が広がることを抑制できる。ここでは、孔部25の周辺に第1熱検知素子30Aが配置されているため、熱検知に関する応答性がより向上される。
また第1気流F1~第3気流F3を全体として見たときに、熱気が2つの第1熱検知素子30Aを上下で包むように流れる。つまり、気流形成部9は、2つの第1熱検知素子30Aの周囲を覆う熱だまりを形成する構造を有している。また各第1熱検知素子30Aの近傍にある貫通孔31を通じて熱気が上下に行き来することができる。例えば第2機能面942によって基板2の第2面22に向かって跳ね返る第1気流F1の一部は、貫通孔31を通って第2気流F2と合流し得る。
このように感知器1は、流入口7Bから流入した気体が熱検知素子30に向けて流れる気流を形成する気流形成部9を備えていることで、流入口7Bから流入した気体の熱によって熱検知素子30が温められる時間が短縮される。したがって、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる。なお、この応答性の向上は、試験器900を用いた作動試験に要する時間(点検時間)の短縮だけでなく、実際に火災が発生した場合において火災を検知するまでに要する時間の短縮にも寄与し得る。
特に本実施形態の気流形成部9は、流入口7Bから流入した気体の流入方向とは反対方向に沿った還流を形成し、当該還流を熱検知素子30に曝す(第1気流F1参照)。したがって、この還流により内部空間SP1内に熱だまりが形成されやすくなり、熱検知に関する応答性がより向上される。また気流形成部9は、筐体5の外周に向かう広がりを抑制するように気流を形成する。したがって、内部空間SP1内に熱だまりがより形成されやすい。
ところで、本実施形態の熱検知素子30は、チップサーミスタであるが、リードタイプのサーミスタでもよい。ただし、本実施形態のように熱検知素子30がチップサーミスタである方が、感知器1全体としての小型化(特に薄型化)を図ることができる。すなわち、熱検知素子30がチップサーミスタであれば、感知器1全体としての小型化を図りつつ、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる。またリードタイプのサーミスタに比べて、サーミスタ自体のコスト、及びその実装コストについても、安価に抑えることができる。
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
(3.1)変形例1
以下、本変形例(変形例1)の感知器1Aについて、図9A及び9Bを参照しながら説明する。基本例の感知器1と実質的に共通する構成要素については、同じ参照符号を付してそれらの説明を適宜に省略することもある。なお、図9Bは、感知器1Aの、裏カバー52が取り外された状態における上面図である。感知器1Aは、一例として、いわゆるR型(Record-type)の通信方式で火災信号を外部に送信する、R型熱感知器である。
感知器1Aは、熱検知素子30の数が8つである点で、基本例と異なる(基本例では4つ)。8つの熱検知素子30は、基本例と同様に、基板2Aの第2面22(上面)に実装される。
感知器1Aの基板2Aは、図9Bに示すように、円形状の本体部200と、本体部200の縁において、本体部200の中心から離れる方向に延出した複数(図示例では6つ)の延出部201と、を有している。8つの熱検知素子30のうち2つの第1熱検知素子30Aは、基本例と同様に、基板2Aの孔部25の左右の両縁の近傍に配置される。残りの6つの第2熱検知素子30Bは、6つの延出部201に、それぞれ配置される。各延出部201には、熱絶縁性を向上させるために貫通孔31が設けられている。
基板2Aには、2つの光源が作動灯として実装されており、光源から出射された光は、導光レンズ等のガイド部を介して、表カバー51の外表面53に設けられている2つの窓孔533から放出される。感知器1Aは、6つの第2熱検知素子30Bを有しているため、筐体5は、遮蔽部V1も6つ有している(基本例では2つ)。各遮蔽部V1は、側面口7Aの上縁から突出する一対の突起V14と、当該一対の突起の間において側面口7Aの下縁から突出する突起V15とから構成される。
本変形例においても、感知器1Aは、気流形成部9を備えており、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる。
(3.2)その他の変形例
基本例では、基板2は、1枚のプリント基板から構成されている。しかし、基板2は、2枚以上のプリント基板に分割されて構成されてもよい。ただし、分割された複数のプリント基板は、同一平面上に配置されることが望ましい。
基本例では、ブロック体94の対向面940は、断面M字形状である。これは、第1熱検知素子30Aの数が2つであり、それらが孔部25の左右の両縁の近傍に配置されていて、気流を左右の2方向に分流させることに起因する。しかし、例えば、第1熱検知素子30Aの数が3つ以上であって、3つ以上の第1熱検知素子30Aが、孔部25の縁に沿って配置されていれば、ブロック体94の第1機能面941は、三角錐、四角錐等の多角錐形状、又は円錐形状であってもよい。もちろん、基本例と同様に第1熱検知素子30Aの数が2つであっても、第1機能面941は、三角錐、四角錐等の多角錐形状、又は円錐形状であってもよい。
基本例では、感知器1は、火災の発生時に警報音等の音を出力する火災警報器であってもよい。すなわち、感知器1は、警報音等の音を出力するスピーカ、及び音響回路等を備えてもよい。また感知器1は、電池式の火災警報器であってもよい。すなわち、感知器1は、電池、及び電池を収容するための収容空間等を有してもよい。また感知器1は、ユーザから警報音の停止及び動作試験を受け付けるような操作部を備えてもよく、操作部が、表カバー51の外表面53に露出してもよい。
基本例では、第1熱検知素子30Aが基板2の孔部25の左右両縁の近傍に配置されている。しかし、例えば、孔部25の左右両縁を繋ぎ、孔部25を2つの孔に分割するようなブリッジが形成されていて、当該ブリッジの一面に第1熱検知素子30Aが配置されてもよい。
基本例では、全ての熱検知素子30が基板2の第2面22(上面)に実装されている。しかし、複数の熱検知素子30の少なくとも1つが、基板2の第1面21(下面)に実装されてもよい。特に、感知器1が煙検知部を更に備えた複合火災感知器である場合、基板2の第2面22の上側に、煙検知部が配置される可能性が高い。この場合には、複数の熱検知素子30(特に第1熱検知素子30A)が、基板2の第1面21(下面)に実装されてもよい。
ただし、基本例のように、熱検知素子30が基板2の第2面22(上面)に実装されている方が、例えば、熱検知素子30が、流入口7Bから流入する湯気等に曝されて故障する可能性を低減しつつ、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる。
基本例では、スリット91の数は2つであるが、特に限定されず、1つ以下でもよいし、3つ以上でもよい。
また基本例では、ガイド片92の数は4つであるが、特に限定されず、3つ以下でもよいし、5つ以上でもよい。
ところで、基本例では、外表面53の流入口7Bの縁に沿うように第1熱検知素子30Aが基板2上に配置されている。この第1熱検知素子30Aと流入口7Bとの配置構造によっても、熱検知に関する応答性が向上され得る。ただし、第1熱検知素子30Aと流入口7Bとの配置構造にとって、気流形成部9は必須の構成ではない。つまり、感知器1が気流形成部9を備えていなくても、上記の配置構造によって、熱検知に関する応答性は向上される。
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る感知器(1、1A)は、基板(2、2A)と、基板(2、2A)に実装された少なくとも1つの熱検知素子(30)と、基板(2、2A)を収容する筐体(5)と、気流形成部(9)と、を備える。筐体(5)は、その内部空間(SP1)に設けられて気体が流れる流路(6)と、流路(6)と筐体(5)の外部空間(SP2)とを繋ぐ開口部(7)と、筐体(5)が構造体(X1)に取り付けられる場合に構造体(X1)と対向する設置面(55)と、を有する。開口部(7)は、筐体(5)における設置面(55)とは反対側の外表面(53)に設けられた流入口(7B)を有する。気流形成部(9)は、流入口(7B)から流入した気体が熱検知素子(30)に向けて流れる気流を形成するように構成される。第1の態様によれば、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる。
第2の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第1の態様において、熱検知素子(30)は、チップサーミスタである。第2の態様によれば、熱検知素子(30)がチップサーミスタであるため、感知器(1、1A)全体としての小型化を図りつつ、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる。
第3の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第1の態様又は第2の態様において、基板(2、2A)は、流入口(7B)の側にある第1面(21)と、第1面(21)とは反対側の第2面(22)とを有する。熱検知素子(30)は、基板(2、2A)の第2面(22)に実装される。第3の態様によれば、例えば、熱検知素子(30)が流入口(7B)から流入する湯気等に曝されて故障する可能性を低減しつつ、熱検知に関する応答性の向上を図ることができる。
第4の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、気流形成部(9)は、流入口(7B)の周縁から内部空間(SP1)に向かって筒状に突出する周壁(90)を有する。第4の態様によれば、周壁(90)の突出方向と交差する方向に沿って気流が広がることを抑制できる。
第5の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第4の態様において、周壁(90)は、その突出方向と交差する方向に貫通した1つ以上のスリット(91)を有する。第5の態様によれば、スリット(91)から気流の一部を逃がすことができ、内部空間(SP1)内の圧力のバランスが改善され、気体が流入口(7B)から連続的に流入しやすくなる。
第6の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第5の態様において、周壁(90)は、1つ以上のスリット(91)として、2つのスリット(91)を有する。2つのスリット(91)は、突出方向と交差する方向において、互いに対向するように配置される。第6の態様によれば、2つのスリット(91)から、気流の一部が互いに離れる方向へ均等に逃がすことができ、内部空間(SP1)内の圧力のバランスがより改善される。
第7の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第5の態様又は第6の態様において、気流形成部(9)は、1つ以上のスリット(91)の縁から、筐体(5)の外周に向かって延びている1つ以上のガイド片(92)を、更に有する。第7の態様によれば、スリット(91)を通る気流が広がることを抑制できる。
第8の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第5~第7の態様のいずれか1つにおいて、基板(2、2A)は、その厚み方向に貫通した孔部(25)を有する。孔部(25)は、その少なくとも一部が、流入口(7B)の正面から見て、流入口(7B)と重なるように配置される。気流形成部(9)は、1つ以上のガイド片(92)として、2つのガイド片(92)を有する。孔部(25)は、2つのガイド片(92)の間にある。第8の態様によれば、基板(2、2A)の孔部(25)の周辺において気流が広がることを抑制できる。
第9の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第5~第8の態様のいずれか1つにおいて、気流形成部(9)は、流入口(7B)の周縁から1つ以上のスリット(91)の底縁にわたって、突出方向に対して、筐体(5)の外周に向かって傾斜するスロープ(93)を、更に有する。第9の態様によれば、気流の一部がスリット(91)から逃げやすくなる。
第10の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第1~第9の態様のいずれか1つにおいて、筐体(5)は、構造体(X1)の側から基板(2、2A)を覆うカバー(裏カバー52)を有する。気流形成部(9)は、カバー(裏カバー52)における基板(2、2A)と対向する一面から突出し、かつ、気流の熱を熱検知素子(30)の周囲に集めるブロック体(94)を有する。第10の態様によれば、構造体(X1)の側から基板(2、2A)を覆うカバー(裏カバー52)にブロック体(94)が配置されることで、気流の熱が熱検知素子(30)の周囲に留まりやすくなる。
第11の態様に係る感知器(1、1A)は、第10の態様において、少なくとも1つの熱検知素子(30)として、複数の熱検知素子(30)を備える。複数の熱検知素子(30)は、流入口(7B)の正面から見て、流入口(7B)の周縁に沿うように基板(2、2A)に実装される。ブロック体(94)は、流入口(7B)から流入した気体を、複数の熱検知素子(30)に対して振り分ける面(第1機能面941)を有する。第11の態様によれば、複数の熱検知素子(30)における熱検知に関する応答性がより向上される。
第12の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第10の態様又は第11の態様において、ブロック体(94)は、流入口(7B)の正面から見て、熱検知素子(30)よりも奥側に配置される。ブロック体(94)は、流入口(7B)から流入した気体を、熱検知素子(30)に向かって跳ね返す面(第2機能面942)を有する。第12の態様によれば、熱検知素子(30)が気流の熱により曝されやすくなる。
第13の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第10~第12の態様のいずれか1つにおいて、気流形成部(9)は、ブロック体(94)の周囲を囲むようにカバー(裏カバー52)の一面から突出した囲み壁(95)を、更に有する。第13の態様によれば、気流の熱が熱検知素子(30)の周囲に更に留まりやすくなる。
第14の態様に係る感知器(1、1A)に関して、第1~第13の態様のいずれか1つにおいて、気流形成部(9)は、気流として、流入口(7B)から流入した気体の流入方向とは反対方向に沿った還流を形成し、当該還流を熱検知素子(30)に曝す。第14の態様によれば、還流により内部空間(SP1)内に熱だまりが形成されやすくなり、熱検知に関する応答性がより向上される。
第2~14の態様に係る構成については、感知器(1、1A)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1、1A 感知器
2、2A 基板
21 第1面
22 第2面
25 孔部
30 熱検知素子
5 筐体
52 裏カバー(カバー)
53 外表面
55 設置面
6 流路
7 開口部
7B 流入口
9 気流形成部
90 周壁
91 スリット
92 ガイド片
93 スロープ
94 ブロック体
95 囲み壁
SP1 内部空間
SP2 外部空間
X1 構造体

Claims (15)

  1. 基板と、
    前記基板に実装された少なくとも1つの熱検知素子と、
    前記基板を収容する筐体と、
    気流形成部と、
    を備え、
    前記筐体は、
    その内部空間に設けられて気体が流れる流路と、
    前記流路と前記筐体の外部空間とを繋ぐ開口部と、
    当該筐体が構造体に取り付けられる場合に前記構造体と対向する設置面と、
    を有し、
    前記開口部は、前記筐体における前記設置面とは反対側の外表面に設けられた流入口を有し、
    前記気流形成部は、前記流入口から流入した気体が前記熱検知素子に向けて流れる気流を形成するように構成される、
    感知器。
  2. 前記熱検知素子は、チップサーミスタである、
    請求項1に記載の感知器。
  3. 前記基板は、前記流入口の側にある第1面と、前記第1面とは反対側の第2面とを有し、
    前記熱検知素子は、前記基板の前記第2面に実装される、
    請求項1又は2に記載の感知器。
  4. 前記気流形成部は、前記流入口の周縁から前記内部空間に向かって筒状に突出する周壁を有する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の感知器。
  5. 前記周壁は、その突出方向と交差する方向に貫通した1つ以上のスリットを有する、
    請求項4に記載の感知器。
  6. 前記周壁は、前記1つ以上のスリットとして、2つのスリットを有し、
    前記2つのスリットは、前記突出方向と交差する方向において、互いに対向するように配置される、
    請求項5に記載の感知器。
  7. 前記気流形成部は、前記1つ以上のスリットの縁から、前記筐体の外周に向かって延びている1つ以上のガイド片を、更に有する、
    請求項5又は6に記載の感知器。
  8. 前記基板は、その厚み方向に貫通した孔部を有し、
    前記孔部は、その少なくとも一部が、前記流入口の正面から見て、前記流入口と重なるように配置され、
    前記気流形成部は、前記1つ以上のガイド片として、2つのガイド片を有し、
    前記孔部は、前記2つのガイド片の間にある、
    請求項7に記載の感知器。
  9. 前記気流形成部は、前記流入口の周縁から前記1つ以上のスリットの底縁にわたって、前記突出方向に対して、前記筐体の外周に向かって傾斜するスロープを、更に有する、
    請求項5~8のいずれか1項に記載の感知器。
  10. 前記筐体は、前記構造体の側から前記基板を覆うカバーを有し、
    前記気流形成部は、前記カバーにおける前記基板と対向する一面から突出し、かつ、前記気流の熱を前記熱検知素子の周囲に集めるブロック体を有する、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の感知器。
  11. 前記少なくとも1つの熱検知素子として、複数の熱検知素子を備え、
    前記複数の熱検知素子は、前記流入口の正面から見て、前記流入口の周縁に沿うように前記基板に実装され、
    前記ブロック体は、前記流入口から流入した気体を、前記複数の熱検知素子に対して振り分ける面を有する、
    請求項10に記載の感知器。
  12. 前記ブロック体は、前記流入口の正面から見て、前記熱検知素子よりも奥側に配置され、
    前記ブロック体は、前記流入口から流入した気体を、前記熱検知素子に向かって跳ね返す面を有する、
    請求項10又は11に記載の感知器。
  13. 前記気流形成部は、前記ブロック体の周囲を囲むように前記カバーの前記一面から突出した囲み壁を、更に有する、
    請求項10~12のいずれか1項に記載の感知器。
  14. 前記気流形成部は、前記気流として、前記流入口から流入した気体の流入方向とは反対方向に沿った還流を形成し、当該還流を前記熱検知素子に曝す、
    請求項1~13のいずれか1項に記載の感知器。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載の感知器と、前記感知器と通信する受信機とを備える自動火災報知システム。
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