JP2023163426A - 圧力調整弁 - Google Patents

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Yuichiro Toyama
裕正 ▲高▼田
Yasumasa Takata
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Abstract

【課題】流体経路を流れる流体が、弁開ばねへと流れ込むことを抑制することにより、弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音を解消し、弁開動作をスムーズに行わせ得る圧力調整弁を提供することである。【解決手段】圧力調整弁100aであって、内周側に弁室15を画定し、弁座31cの周囲から立設し、径方向連通孔32aを備えるガイド部32と、ガイド部32内に設けられる弁部41と、ガイド部32に案内されるガイド軸部42と、を有する弁部材40と、弁部41を変位させる感圧部材51と、ガイド部32の外周側に設けられ、弁部41を弁開方向に付勢する弁開ばね6と、を有し、弁開ばね6の一側端部が、径方向連通孔32aの他側端部よりも弁ハウジング10の他側に配置される。これにより、弁開ばね6における異物噛み込み及び振動による騒音を解消し、弁開動作をスムーズに行わせることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、感圧部材及び弁開ばねを備える圧力調整弁に関する。
圧力調整弁において、圧力変動に応じて、弁部材に接続された感圧部材を駆動させることにより、弁開度を制御することが行われてきた。しかしながら、この圧力調整弁では、静止した弁部材に働く静止摩擦力、弁部材などの自重、弁部材の異物噛み込みによる弁閉固着力などにより、設定された弁開の圧力条件を満たしたとしても、弁開動作をスムーズに行わせることが難しかった。
そこで、例えば、特許文献1には、従来の圧力調整弁(以下、「従来の圧力調整弁」という)であって、弁座に対して、近接または離間可能な弁部材と、一次側圧力に応じて、弁部材を駆動する感圧部材と、を備えるとともに、弁部材を弁開方向に付勢する弁開ばねを採用するものが記載されている。従来の圧力調整弁においては、弁開ばねが、常時、弁部材を弁開方向に付勢することにより、静止した弁部材に働く静止摩擦力、弁部材などの自重、弁閉固着力などの影響を小さくし、その結果、弁開動作をスムーズに行うものである。
特開2001-116403号公報
しかしながら、従来の圧力調整弁においては、弁開ばねが、流体経路中に配置されているため、弁開ばねの素線間への異物噛み込みや、弁開ばねに生じる振動による騒音(以下、「従来の問題点(弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音)」という)が生じるおそれがあり、この結果、設定された弁開の圧力条件を満たしても、依然として、弁開動作スムーズに行われないおそれがあった。
本発明の目的は、流体経路を流れる流体が、弁開ばねへと流れ込むことを抑制することにより、弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音を解消し、弁開動作をスムーズに行わせ得る圧力調整弁を提供することである。
上記課題を解決するために、圧力調整弁は、軸線を中心とする径方向に設けられる第1ポートと、一側から他側へと順に連通する、第2ポート、弁ポート、前記第1ポートと連通する中間室、及び、感圧部材収容室と、を有する弁ハウジングと、前記中間室に設けられ、前記弁ポートの他側端部に形成される弁座の周囲から立設する円筒形状からなるガイド部であって、内周側に弁室を画定し、前記弁室及び前記中間室の間を、軸線を中心とする径方向に連通する、少なくとも一つの径方向連通孔を備えるガイド部と、前記ガイド部内の前記弁室に設けられ、前記弁座に対して、近接または離間可能な弁部と、他側に延在し、前記ガイド部により摺動可能に案内されるガイド軸部と、を有する弁部材と、前記感圧部材収容室内の圧力に応じて、前記弁部を変位させる感圧部材と、前記ガイド部の外周側に設けられ、前記弁部を弁開方向に付勢する弁開ばねと、を有し、前記弁開ばねの一側端部が、前記径方向連通孔の他側端部よりも、前記弁ハウジングの他側に配置されるものである。
また、上記圧力調整弁であって、前記ガイド部と、前記第2ポート及び前記弁ポートを有する弁座部とが一体形成される弁座部材をさらに備え、前記弁座部材は、前記弁ハウジングの一側端部における軸線方向に貫通する貫通孔に固定されているものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記弁座部材において、前記ガイド部の内周部は、前記ガイド軸部と摺動する摺動部を有し、前記摺動部と前記弁ポートは、同軸加工されるものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記ガイド部の内周部は、前記摺動部の一側に隣接するとともに、前記径方向連通孔の内径部分と連続的に接続する逃がし部をさらに有し、
前記逃がし部の内径は、前記摺動部の内径より大きいものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記ガイド部の外周部に、前記弁開ばねの一側端部が支持され、前記ガイド軸部の他側端部に、前記弁開ばねの他側端部が支持されるものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、円環部を有する一側ばね受け部をさらに備え、前記ガイド部の外周部は、一側から他側に縮径する段部を有し、前記一側ばね受け部の前記円環部が、前記ガイド部の前記段部に係合されるとともに、前記弁開ばねの一側端部を支持するものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記一側ばね受け部は、前記円環部の内周側から立設し、前記ガイド部の外周部に係合されるとともに、前記弁開ばねの内径部を案内する円筒部をさらに有するものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記中間室と前記感圧部材収容室とは、前記一側ばね受け部の外周端部と前記中間室の内壁との環状隙間を介して、連通するものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記環状隙間の面積は、前記径方向連通孔における開口面積の総和より小さいものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記第1ポートの中心軸線に対して、前記一側ばね受け部の一側端部は、前記一側ばね受け部の一側端部に対向する前記中間室の内壁よりも、離隔して配置されるものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記第1ポートの中心軸線と、前記第1ポート11に対向する前記径方向連通孔の中心軸線とが共通であるものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記弁ハウジングの内周面に固定され、環形状を有するボール支持部材と、前記ボール支持部材に収容されるボールとを、さらに有し、前記ボールは、前記弁部材と前記感圧部材との間に配置され、前記ボールの直径は、前記弁部材と前記弁ハウジングとの片側隙間より大きいものとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記感圧部材を、感圧用ベローズとしてもよい。
また、上記圧力調整弁であって、前記第1ポートから前記第2ポートへの流れ方向とし、前記弁ポートの口径を、前記感圧用ベローズの平均内径より小さくするものとしてもよい。
本発明によれば、流体経路を流れる流体が、弁開ばねへと流れ込むことを抑制することにより、弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音を解消し、弁開動作をスムーズに行わせ得る圧力調整弁を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る圧力調整弁の弁閉状態を示す断面図である。 図1の圧力調整弁の弁部材側の拡大図である。 第2の実施形態に係る圧力調整弁の弁部材側の拡大図である。 第3の実施形態に係る圧力調整弁の弁部材側の拡大図である。
本発明の実施形態について、図1から図4を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
<用語について>
本明細書の記載において、「上」、「下」、「左」、「右」、とは、図1から図4に示される方向を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「一側」、「他側」とは、「弁座部側」及び「調整ばねユニット側」を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「感圧用ベローズの有効受圧面積」とは、蛇腹形状の最小内径(感圧用ベローズの中心軸側に突出する蛇腹形状における「谷」部の内径)及び最大内径(感圧用ベローズの中心軸側の中心軸から離れる方向に突出する蛇腹形状の「山」部の内径)の平均内径に基づいて算出した近似値としての受圧面積を示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「案内可能」とは、「摺動可能」を含むものを示す。本明細書および特許請求の範囲の記載において、「凹凸係合」とは、軸線方向へと窪む形状及び突出する形状がそれぞれ係合するものを示す。本明細書の記載において、「中間室」とは、「感圧部材収容室及び弁室以外の空間」を示す。本明細書の記載において、「ばねの縦横比」とは、「ばねの自由長さ/ばね平均径」を示す。本明細書の記載において、「ばね平均径」とは、「(ばね内径+ばね外径)/2」を示す。
(第1の実施形態)
<圧力調整弁の構成について>
図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係る圧力調整弁100aについて説明する。圧力調整弁100aは、バルブ本体5、弁座部材30、弁部材40、感圧ユニット50、調整ばねユニット60、下部接続手段70、上部接続手段80から主に構成される。以下、圧力調整弁100aのそれぞれの構成について順に説明する。なお、圧力調整弁100aにおいて、弁座部材30、弁部材40、下部接続手段70、感圧ユニット50、上部接続手段80、調整ばねユニット60の順に、一側から他側へと間接的に係合した状態で、バルブ本体5へと組付けられる。なお、本実施形態においては、説明のために、流体経路の方向を、第1継手管1(第1ポート11)から第2継手管2(第2ポート12)へと流れるものとするが、これに限らず、使用用途に合わせ、例えば、第2継手管2(第2ポート12)から第1継手管1(第1ポート11)へと流れるものであってもよい。ここで、詳細は後述するが、本実施形態において、弁部材40を弁開方向に付勢する弁開ばね6を、流体経路と干渉しない位置に配置させることにより、従来の問題点(弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音)を解消することができる。
<バルブ本体について>
バルブ本体5は、第1継手管1及び第2継手管2に接続される弁ハウジング10と、この弁ハウジング10の他側端部にかしめ等により結合されたばねケース20と、から構成される。このバルブ本体5は、真鍮、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料等、適宜な材質で構成される。
弁ハウジング10は、中空円筒状の部材で、軸線Lに沿って貫通する貫通孔を有し、この貫通孔には、第2継手管2と接続する第2ポート12、中間室13、及び、ベローズ収容室(感圧部材収容室)16が、互いに連通するように設けられる。この中間室13の内壁には、軸線Lの一側から他側へと拡径する環状の一側ばね受け段部18が設けられる。
また、弁ハウジング10は、ステンレス鋼からなり、中間室13から半径方向へと貫通する貫通孔をさらに有し、この貫通孔には、第1継手管1と接続する第1ポート11が設けられる。これにより、弁閉状態において、中間室13、後述する弁室15及びベローズ収容室16には、第1ポート11を介して一次側圧力P1が導入できるように構成される。
ばねケース20は、軸線Lに沿って貫通する貫通孔を有する中空円筒状の部材で、ばね収容室21が設けられる。また、ばねケース20の他側端部の内周側には、雌ねじ部22が設けられ、調整ねじ部材62の外周側に設けられる雄ねじ部62cと、軸線L方向に移動可能に螺合される。この螺合部を介し、ばね収容室21には常時大気が導入される。
<弁座部材について>
弁座部材30は、ステンレス鋼からなり、軸線Lに沿って貫通する貫通孔を有する中空円筒状の部材で、弁座部31と、ガイド部32との一体形成から構成されており、弁ハウジング10の一側端部における軸線L方向に貫通する貫通孔に圧入された後、ろう付けにより固定される。このように、本実施形態の弁座部材30において、弁座部31とガイド部32とを一体形成にすることにより、低コスト化を図ることができるとともに、部品点数を少なくでき、在庫管理の労力を低減させることができる。
弁座部31は、軸線Lに沿って延在し、他側端部に環状の弁座31cが形成される弁ポート31aと、弁ポート31aより内径が大きく設定されており、第2ポート12を画定する内部通路31bと、を有する。
ガイド部32は、中間室13に設けられ、弁座部31の他側端部の周囲から立設する円筒形状からなり、内周側に弁室15(図2参照)を画定するとともに、弁室15及び中間室13の間を、軸線Lを中心とする径方向に連通するように、周方向に等間隔に配置された4つの径方向連通孔32a(図2参照)を備える。なお、本実施形態における径方向連通孔32aは、周方向に等間隔に4つ配置されているものであるが、これに限らず、径方向連通孔32aの数や配置は、圧力調整弁100aの使用用途に応じて、適宜設定することができる。
ガイド部32の内周部は、図2に示すように、軸線L方向の他側から一側に沿って、ガイド軸部42と摺動する摺動部32bと、摺動部32bに隣接するとともに、径方向連通孔32aの内径部分と連続的に接続する逃がし部32cと、を有する。本実施形態において、逃がし部32cの内径は、摺動部32bの内径より大きく設定されることにより、径方向連通孔32aの弁室15側の開口端部が、弁部材40に物理的に直接干渉することが抑制される。これにより、仮に、径方向連通孔32aの弁室15側の開口端部に加工バリ等が生じていたとしても、逃がし部32cにより、弁部材40との接触は回避され、この結果、弁部材40の作動性を向上させることができる。
本実施形態において、ガイド部32の摺動部32bと、弁座部31の弁ポート31aとは、同軸加工される。これにより、弁部材40は、摺動部32bにより、軸線L方向に安定した状態でガイドされ、軸線L方向からみた、弁部材40と弁座31cとの中心位置は常に一致している。この結果、摺動部32bに対する弁部材40の摺動抵抗が減少し、ヒステリシスを低減させることができるため、低弁漏れ性を担保し、流量不安定を向上させることができる。また、このガイド部32と弁座部31とは、一体形成されていることから、別体である場合に必然的に生じる組付け誤差等のおそれがない。このため、摺動部32bと弁ポート31aとの同軸管理を、比較的容易、かつ、極めて高い精度で行うことができる。
<弁部材について>
弁部材40は、一側に設けられ、略円錐形状からなる弁部41と、軸線L方向の他側へ延在する円筒形状からなるガイド軸部42と、を備え、ガイド軸部42の他側端部以外は、ガイド部32の内周側に配置されている。このガイド軸部42の他側端部における外周面には、環状溝部42aが形成される。ここで、他側ばね受け部7は、内周側に複数の突起を有する環形状の薄板からなり、この複数の突起を介して、環状溝部42aに係合される。
弁部材40のガイド軸部42が、弁座部材30のガイド部32内を軸線L方向に案内可能に配置される。ここで、ガイド軸部42の外径と摺動部32b(図2参照)の内径との間に形成される隙間G1(図2参照)は、比較的小さくなるように設定される。また、弁部材40は、弁部材40の環状溝部42aに係合される他側ばね受け部7と弁ハウジング10の一側ばね受け段部18との間に挟持された弁開ばね6により、常時、弁開方向へと付勢される。
弁部材40の軸線L方向への移動については、詳細は後述するが、一次側圧力P1と二次側圧力P2との圧力差や、弁部材40の他側端部に作用する感圧用ベローズ(感圧部材)51及び調整ばね63の付勢力や、他側ばね受け部7に作用する弁開ばね6の付勢力などにより生じる。これらの外力により、弁部41が弁座31cに対して、近接または離間可能に移動し、弁開度が決まる。ここで、詳細は後述するが、連結棒55の段差部55cがベローズ上蓋53と当接することにより、弁部材40の弁閉状態から最大弁リフト状態となる弁全開状態までの最大弁リフト量が規定される。なお、本実施形態の圧力調整弁100aにおいては、最大弁リフト状態となる弁全開状態とは別に、連結棒55の段差部55cがベローズ上蓋53と当接する手前に、規定の流量が流れる弁開量の状態となる弁全開状態がある。
<感圧ユニットについて>
感圧ユニット50は、感圧部材である感圧用ベローズ51と、ベローズ上蓋53と、軸線Lに沿って延在する一側端部及び他側端部を有する連結棒55と、から構成される。この感圧用ベローズ51は、軸線Lに沿って延在する一側端部及び他側端部を、連結棒55の一側端部及びベローズ上蓋53にそれぞれ接続させる。ここで、感圧用ベローズ51自体の弾性力は、弁部材40を弁閉方向に付勢する。感圧ユニット50は、ステンレス等の金属で構成されており、弁ハウジング10のベローズ収容室16内に収容される。
感圧用ベローズ51は、連結棒55の一側端部及びベローズ上蓋53のそれぞれと接続されることにより、感圧用ベローズ51の外部空間には、中間室13及びベローズ収容室16を介して、常時、一次側圧力P1が導入される。一方、感圧用ベローズ51の内部空間には、連結棒55の小径部55bとベローズ上蓋53の挿通孔53aとの間に形成された間隙、及び、接続部材83とベローズ上蓋53の接触部53cとの間に形成された間隙を介して、常時大気が導入される。また、この感圧用ベローズ51において、蛇腹形状の山部の外径及び谷部の内径は、弁ハウジング10及び連結棒55のそれぞれと、常時、非接触状態となるように各部の寸法関係が設定される。本実施形態における感圧部材は、感圧用ベローズ51であるが、これに限らず、例えば、ダイヤフラムであってもよい。
連結棒55は、軸線L方向の一側へ延在する略円柱形状の大径部55aと、大径部55aから軸線L方向の他側へ延在する略円柱形状の小径部55bと、を備える。大径部55aの一側端部には、径方向へと突出するとともに、感圧用ベローズ51の一側端部が溶接Wにより接続されるフランジ部55dが形成される。また、大径部55aと小径部55bとの間には、環状の段差部55cが形成される。
ベローズ上蓋53は、軸線L方向に沿って同心上に延在し、連結棒55の小径部55bが挿通する挿通孔53aと、感圧用ベローズ51の他側端部が接続されるベローズ上蓋接合部53bと、軸線L方向に沿って同心上に延在し、挿通孔53aより内径が大きく設定されるとともに、連結棒55の小径部55bが挿通し、接続部材83が摺動する円筒形状の接触部53cと、を備える。ここで、ベローズ上蓋53及び弁ハウジング10の他側端部同士を、互いに溶接等を施すことにより、感圧ユニット50は、バルブ本体5に対して、相対変位不能に固定される。
<調整ばねユニットについて>
調整ばねユニット60は、ばね受け部材61と、調整ねじ部材62と、ばね受け部材61及び調整ねじ部材62の間に挟持され、弁部41を弁閉方向に付勢する調整ばね63と、から構成される。ばね受け部材61及び調整ねじ部材62は、真鍮、鉄、アルミニウム、ステンレス等の金属や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂材料等、適宜な材質で構成されており、ばねケース20のばね収容室21内に収容される。ばね受け部材61は、軸線L方向の他側に延在するボス部61aと、軸線L方向の一側に設けられ、調整ばね63の一側端部が着座する鍔部61bと、を備える。また、調整ねじ部材62は、軸線L方向の一側に延在する環状壁部62aと、他側に設けられ、調整ばね63の他側端部が着座する上面部62bと、を備える。この調整ねじ部材62の外周側には、雄ねじ部62cが設けられる一方、ばねケース20の他側端部の内周側には、雌ねじ部22が設けられる。この雄ねじ部62cと雌ねじ部22とを螺合させ、調整ねじ部材62を軸線L方向に移動させることにより、調整ばね63の付勢力を調整し、弁部材40が弁開する圧力(設定値)を調整することができる。なお、本実施形態においては、調整ばね63として、多重巻型ウェーブスプリングを採用するものであるが、これに限らず、例えば、コイルスプリングであってもよい。
<下部接続手段について>
下部接続手段70は、弁部材40及び感圧ユニット50における軸線L方向対向面に形成される一対の窪み部71,72と、この一対の窪み部71,72の間に、凹凸係合を形成するように挟持されるボール73と、から構成される。この一対の窪み部71,72は、ガイド軸部42の他側端面及び大径部55aの一側端面における軸心部に形成されており、円錐形状の下側窪み部71及び上側窪み部72から構成される。この円錐形状は、軸線Lと同心円に形成された底面と、軸線L上に位置する頂点とを有している。また、ボール73は、ステンレス等の金属で構成される。
これにより、弁部材40のガイド軸部42は、弁座部材30のガイド部32内に、軸線Lに沿って案内可能に配置されるため、下側窪み部71の中心位置は、常時、軸線L上近傍に配置される。また、上側窪み部72の中心位置は、下側窪み部71及びボール73を介して、上側窪み部72に求心作用が働くため、軸線L上近傍に自立的に配置される。
<上部接続手段について>
上部接続手段80は、連結棒55及びばね受け部材61における軸線L方向対向面に形成される一対の係合部81,82と、この一対の係合部81,82の間に、凹凸係合を形成するように挟持され、球形状を有する接続部材83と、から構成される。この一対の係合部81,82は、小径部55bの他側端面及びばね受け部材61の一側端面における軸心部に形成されており、円錐形状の下側係合部81及び上側係合部82から構成される。この円錐形状は、軸線Lと同心円に形成された底面と、軸線L上に位置する頂点とを有している。また、接続部材83は、ステンレス等の金属で構成される。
ここで、軸線L方向からみて、接続部材83における円形状の側部の半径は、接触部53cの半径より僅かに小さく設定されているため、接続部材83の中心位置は、常時、軸線L上近傍に配置される。また、下側係合部81及び上側係合部82の中心位置は、半径方向への移動が規制されている接続部材83を介して、下側係合部81及び上側係合部82にそれぞれ求心作用が働くため、軸線L上近傍に自立的に配置される。さらに、連結棒55の小径部55bは、挿通孔53aに対して、非接触状態で、軸線Lに沿って挿通されるように設定されている。
<弁開ばねの支持手段の詳細について>
従来の圧力調整弁では、弁開ばねが、流体経路中に配置されているため、従来の問題点(弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音)を有しており、この結果、設定された弁開の圧力条件を満たしても、依然として、弁開動作がスムーズに行われないおそれがあった。
これに対し、第1の実施形態における弁開ばね6の支持手段では、図2に示すように、弁開ばね6の一側端部は、弁ハウジング10の一側ばね受け段部18に支持されるとともに、弁開ばね6の他側端部は、弁部材40の環状溝部42aに係合される他側ばね受け部7に支持される。この際、軸線L方向から見て、弁開ばね6の他側端部は、全周において、他側ばね受け部7とオーバーラップするように支持される。ここで、径方向連通孔32aの中心軸線Cからみて、弁ハウジング10の一側ばね受け段部18、つまり、弁開ばね6の一側端部が、径方向連通孔32aの他側端部よりも、弁ハウジング10の他側に配置される。このように、第1の実施形態において、弁開ばね6を、流体経路と干渉しない位置に配置させることにより、従来の問題点(弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音)を解消することができる。
また、弁開ばね6において、ばねの縦横比、つまり、自由長さ/ばね平均径が大きくなると、軸線Lを中心とする径方向への座屈を生じやすくなるため、設計荷重を下回るおそれがある。これに対し、第1の実施形態においては、弁ハウジング10の一側ばね受け段部18の外周側から立設する内壁により、弁開ばね6の外径部を案内することにより、座屈を抑制することができる。なお、ばね平均径とは、(ばね内径+ばね外径)/2を示す。
<圧力調整弁の動作について>
図2を用いて、圧力調整弁100aの動作について説明する。ここで、圧力調整弁100aが用いられる対象を冷媒回路として説明するが、これに限らない。圧力調整弁100aにおいて、第1ポート11は、高圧(一次側圧力P1)側の第1継手管1と接続され、第2ポート12は、低圧(二次側圧力P2)側の第2継手管2と接続される。
(一次側圧力P1が設定値よりも低い場合)
一次側圧力P1が設定値よりも低い場合(例えば、圧縮機の吐出圧力が低下した状態など)には、弁部41が弁座31cに着座しており、弁閉状態となっている。その際、一次側圧力P1は、中間室13を介して、ベローズ収容室16である感圧用ベローズ51の外部空間に導入される。
まず、感圧用ベローズ51には、弁部41が弁開する方向に作用する力として、一次側圧力P1×有効受圧面積S1(図2参照)が生じている。ここで、感圧用ベローズ51の有効受圧面積S1とは、蛇腹形状の最小内径及び最大内径の平均内径D1に基づいて算出した受圧面積である。
次に、弁部材40には、弁部41が弁開する方向に作用する力として、二次側圧力P2×受圧面積S2(図2参照)が生じている一方、弁部41が弁閉する方向に作用する力として、一次側圧力P1×受圧面積S2(図2参照)が生じている。ここで、弁部41の受圧面積S2とは、弁ポート31aの口径D2に基づいて算出した受圧面積である。さらに、弁部材40には、弁部41が弁開する方向に作用する力として、弁開ばね6の付勢力F1が負荷される一方、弁部41が弁閉する方向に作用する力として、感圧用ベローズ51自体による付勢力F2及び調整ばね63の付勢力F3が負荷される。
したがって、圧力調整弁100aの弁部材40に作用する外力の釣り合いは以下のように表すことができる。
P1×S1+P2×S2+F1=P1×S2+F2+F3 (式1)
ここで、P1:一次側圧力[N/mm
P2:二次側圧力[N/mm
S1:感圧用ベローズ51の有効受圧面積[mm
S2:弁部41の受圧面積[mm
F1:弁開ばね6の付勢力[N]
F2:感圧用ベローズ51自体による付勢力[N]
F3:調整ばね63の付勢力[N]
(式1)は、P1×S1+F1=(P1-P2)×S2+F2+F3へと整理することができる。
この式の両辺をS1で除算すると、P1+F1/S1=(P1-P2)×S2/S1+(F2+F3)/S1へと変形できる。ここで、感圧用ベローズ51の有効受圧面積S1に対する弁部41の受圧面積S2の比を極めて小さく設定すること(S1>>S2)により、右辺の第1項を無視することができ、この結果、二次側圧力P2の変動による影響を極めて小さくすることができる。具体的には、S2/S1=0.09以下に設定することが好ましい。
ここで、面積は、内径の二乗に比例することから、感圧用ベローズ51の有効受圧面積S1に対する弁部41の受圧面積S2の比を極めて小さく設定するためには、感圧用ベローズ51の平均内径D1に対する弁ポート31aの口径D2の比を小さく設定すればよい。具体的には、D2/D1=0.30以下に設定することが好ましい。
なお、S1>>S2である場合には、上式はさらに、P1×S1=F2+F3-F1となる。よって、圧力調整弁100aは、調整ねじ部材62を軸線L方向に移動させ、調整ばね63の付勢力F3を適切に設定することにより、一次側圧力P1に変動に応じて、開度を可変に制御することができる。なお、蛇腹形状の最小内径及び最大内径の平均内径に基づいて算出した近似値としての受圧面積(有効受圧面積)に限らず、実験を通じて得た実際の受圧面積を用いて圧力調整弁100aの各部の寸法を設定することもできる。このように、本実施形態においては、第1ポート11から第2ポート12への流れ方向とし、弁ポート31aの口径D2を、感圧用ベローズ51の平均内径D1より小さく設定することにより、二次側圧力P2の変動による影響を極めて小さくすることができる。なお、第1の実施形態における圧力調整弁100aが、使用用途として、小流量制御に採用される場合には、全体のサイズは維持したまま、弁ポート31aの口径D2のみを変更することにより対応させることができる。
(一次側圧力P1が設定値よりも高い場合)
一次側圧力P1が設定値((F2+F3-F1)/S1)よりも高い場合(例えば、圧縮機の吐出圧力が上昇した状態など)には、不図示であるが、弁部41が弁座31cから離間しており、弁開状態となっている。この際、一次側圧力P1の上昇にともない弁開度が大きくなる。ここで、本実施形態の圧力調整弁100aは、感圧部材として、感圧用ベローズ51を用いることにより、感圧部材の軸線L方向における変位量(リフト量、ストローク量)、つまり、弁ポート31aを介した流量を大きくすることができる。
(第2の実施形態)
図3を用いて、本発明の第2の実施形態に係る圧力調整弁100bについて説明する。第2の実施形態の圧力調整弁100bは、第1の実施形態の圧力調整弁100aと比べ、弁開ばね6の一側端部を、ガイド部32の外周部に形成した段部32dを介して、一側ばね受け部8で支持した点、及び、弁開ばね6の自由長が長いものを採用した点(図2及び図3参照)で、それぞれ相違するが、その他の基本構成は第1の実施形態と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
第1の実施形態の圧力調整弁100aは、静止した弁部材40に働く静止摩擦力、弁部材40などの自重、弁部材40の異物噛み込みによる弁閉固着力などを考慮し、弁開動作をスムーズに行わせるために、使用用途などに応じて、様々な種類(特に、自由長など)の弁開ばね6に柔軟に対応させることが要望されている。しかしながら、特に、弁開ばね6の一側端部が、弁ハウジング10の一側ばね受け段部18に支持されていることから、様々な種類の弁開ばね6に対応させるためには、その都度、ばね受け段部18の位置を上下や左右に変更させた弁ハウジング10を用意する必要があった。このため、第1の実施形態の圧力調整弁100aでは、様々な種類の弁開ばね6に対応させるために、弁ハウジング10の加工コストが比較的高くなるおそれがあった。
また、第1の実施形態の圧力調整弁100aにおいて、図2に示すように、中間室13とベローズ収容室16との間は、連通路を介して、流体連通される。この連通路は、圧力伝達のために設けられていることから、流れの流量自体は、極めて少なくないものの、弁開ばね6の素線間が連通路の一部を構成する。このため、第1の実施形態の圧力調整弁100aでは、弁開ばね6の素線間に、僅かでも異物噛み込みが生じるおそれがあった。
これに対し、第2の実施形態の圧力調整弁100bでは、第1の実施形態の圧力調整弁100aにおける弁ハウジング10に形成された一側ばね受け段部18に代え、図3に示すように、ガイド部32の外周部に形成された段部32dを採用し、一側ばね受け部8をさらに備えるものである。なお、第2の実施形態の圧力調整弁100bでは、様々な種類の弁開ばね6に対応させた一例として、第1の実施形態の圧力調整弁100aと比べ、弁開ばね6の自由長が長いものを採用したものとして説明する。
具体的には、ガイド部32の外周部は、一側から他側に縮径する段部32dが形成される。また、一側ばね受け部8は、円環部8aと、円環部8aの内周側から立設する円筒形状の円筒部8bと、を備える。ここで、弁開ばね6の一側端部は、ガイド部32の段部32dに係合される一側ばね受け部8の円環部8aに支持される。この際、軸線L方向から見て、弁開ばね6の一側端部は、全周において、一側ばね受け部8の円環部8aとオーバーラップするように支持される。この円環部8a及び円筒部8bが、ガイド部32の外周部に対して、軸線L方向に沿って、比較的長い係合領域を有しているため、より堅固な係合とすることができる。なお、本実施形態における一側ばね受け部8の段部32dへの係合は、係止、圧入でもあってもよい。また、弁開ばね6の他側端部は、第1の実施形態と同様に、弁部材40の環状溝部42aに係合される他側ばね受け部7に支持される。
よって、第2の実施形態の圧力調整弁100bにおいては、様々な種類(特に、自由長など)の弁開ばね6を採用する場合には、この弁開ばね6に対応する位置に、段部32dが形成された弁座部材30を用意するだけで、柔軟に対応させ、汎用性を高くすることができる上、第1の実施形態の圧力調整弁100aで懸念された加工コストが高くなることも解消することができる。
この際、弁開ばね6の縦横比が大きくなるため、軸線Lを中心とする径方向への座屈を生じやすくなるが、一側ばね受け部8の円筒部8bの外周面により、弁開ばね6の内径部を案内することにより、座屈を抑制することができる。
なお、段部32dを設ける軸線L方向の位置を調整する際に、径方向連通孔32aの中心軸線Cからみて、ガイド部32の段部32d、つまり、弁開ばね6の一側端部が、径方向連通孔32aの他側端部よりも、弁ハウジング10の他側に配置されるように設定する。これにより、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、弁開ばね6を、流体経路と干渉しない位置に配置させることにより、従来の問題点(弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音)を解消することができる。
また、第2の実施形態の圧力調整弁100bでは、中間室13とベローズ収容室16との間は、一側ばね受け部8の円環部8aの外周端部と中間室13の内壁との環状隙間Gcを介して、流体連通する。このため、中間室13とベローズ収容室16との間の連通路を、弁開ばね6の外径部から離間させることができるため、第1の実施形態の圧力調整弁100aで懸念された弁開ばね6の素線間が連通路の一部となることを解消することができる。
さらに、第2の実施形態の圧力調整弁100bでは、一側ばね受け部8の外周端部と中間室13の内壁との環状隙間Gcの面積は、(例えば、4つの)径方向連通孔32aにおける開口面積の総和より小さく設定される。なお、第2の実施形態の圧力調整弁100bにおいては、説明のために、径方向連通孔32aが4つ配置されているものを例示しているが、径方向連通孔32aの数は、圧力調整弁100aの使用用途に応じて、適宜設定することができる。したがって、環状隙間Gcを介する流路抵抗が、4つの径方向連通孔32aを介する流体抵抗より高いことから、第1ポート11から中間室13に流入した流体は、環状隙間Gcを通過することを回避するように、4つの径方向連通孔32aへと流れる。これにより、第2の実施形態において、流体経路を流れる流体は、弁開ばね6へと積極的に流れないため、第1の実施形態と比べ、従来の問題点(弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音)をより一層解消することができる。
(第3の実施形態)
図4を用いて、本発明の第3の実施形態に係る圧力調整弁100cについて説明する。第3の実施形態の圧力調整弁100cは、第2の実施形態の圧力調整弁100bと比べ、弁開ばね6の自由長が短いものを採用した点(図3及び図4参照)、一側ばね受け部8’が円筒部8bを有さない点、及び、環形状を有するボール支持部材9を設けた点で、それぞれ相違するが、その他の基本構成は第2の実施形態と同一である。ここで、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
第2の実施形態において、例えば、自由長が長い弁開ばね6に対応するために、段部32dを設ける位置を軸線L方向の一側へとずらした場合には、弁開ばね6の一側端部が、流体経路中に配置されていなくても、流体経路に近接することにより、流体の脈動などの影響を受けるおそれがあった。
これに対し、第3の実施形態の圧力調整弁100cでは、弁開ばね6の素線の材質などを工夫し、自由長の短いものを採用することにより、第2の実施形態の圧力調整弁100bと比べ、段部32dを設ける位置を軸線L方向の他側に配置にすることができる。この際、この弁開ばね6の自由長は短く、座屈を抑制する必要がないため、一側ばね受け部8’は、円筒部8bを省略することができる。
具体的には、一側ばね受け部8’の一側端部から第1ポート11の中心軸線Cへの垂線の長さl1は、一側ばね受け部8’の一側端部に対向する中間室13の内壁19から第1ポート11の中心軸線Cへの垂線の長さl2よりも長く設定される。
よって、第3の実施形態の圧力調整弁100cにおいては、一側ばね受け部8’の一側端部、及び、一側ばね受け部8’の一側端部に対向する中間室13の内壁19から、第1ポート11の中心軸線Cへのそれぞれの垂線の長さl1,l2が、l1>l2となるように設定されているため、第1ポート11の中心軸線Cに対して、一側ばね受け部8’の一側端部は、一側ばね受け部8’の一側端部に対向する中間室13の内壁19よりも、離隔して配置される。つまり、第1ポート11から中間室13へと流入した流体は、一側ばね受け部8’の一側端部、つまり、弁開ばね6の一側端部へと流れ難くなる。これにより、第3の実施形態において、第2の実施形態の圧力調整弁100bで懸念された弁開ばね6の一側端部が、流体経路に近接することを解消することができるとともに、流体経路を流れる流体は、弁開ばね6へと積極的に流れないため、第2の実施形態と比べ、従来の問題点(弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音)を確実に解消することができる。
さらに、第3の実施形態の圧力調整弁100cにおいては、第1ポート11と、第1ポート11に対向する径方向連通孔32aとは、共通の中心軸線Cを有する。これにより、第1ポート11から中間室13へと流入した流体は、第1ポート11と共通の中心軸線Cを有する径方向連通孔32aへとスムーズに流れる一方、弁開ばね6へと積極的に流れないため、第2の実施形態と比べ、従来の問題点(弁開ばねにおける異物噛み込み及び振動による騒音)を確実に解消することができる。
また、第3の実施形態の圧力調整弁100cにおいて、弁ハウジング10の内周面には、一側から他側に縮径する段付き部17が形成され、この段付き部17に、環形状を有するボール支持部材9が係合される。このボール支持部材9は、下部接続手段70のボール73を収容するように配置される。
具体的には、ガイド軸部42と摺動部32bとの間に形成される隙間G1は、ボール支持部材9とボール73との間の隙間G2よりも小さく設定される。よって、ガイド軸部42は、摺動部32bとの間に、比較的狭い隙間G1(<G2)を有しており、ボール73の中心位置は、このガイド軸部42に形成される下側窪み部71を介して、ボール73に求心作用が働くことにより、軸線L上近傍に自立的に配置される。これに加え、ボール支持部材9とボール73との間に、隙間G2を有することにより、外部から何らかの衝撃などが加わった場合でも、ボール支持部材9により、ボール73の軸線Lを中心とする径方向への移動を規制することができる。
よって、第3の実施形態の圧力調整弁100cにおいては、感圧用ベローズ51及び調整ばね63により生じる軸線Lに沿わない付勢力が、ボール73を介して、弁部材40へと伝達されることを抑制できる。このため、摺動部32bに対する弁部材40の摺動抵抗が減少し、ヒステリシスを低減させることができるため、弁開き始め圧力(一次側圧力P1が設定値((F2+F3-F1)/S)より僅かに小さい場合においても、低弁漏れ性を担保することができる。
また、第3の実施形態の圧力調整弁100cにおいて、ボール73の直径Dbは、弁部材40と弁ハウジング10との片側隙間Goより大きく設定される。ここで、下部接続手段70は、弁部材40、ボール73、ボール支持部材9の順で、弁ハウジング10の軸線Lに沿って貫通する貫通孔を介して、他側から一側に向かって、弁ハウジング10に組付ける。この際、ボール73が、例えば、小さい直径Dbを有し、ガイド軸部42に形成される下側窪み部71から外れた位置に配置されたとしても、片側隙間Goへの落下は防止されることから、円滑に組付け作業を行うことができる。
<その他>
本実施形態の圧力調整弁100a、100b、100cは、例示する冷媒回路だけでなく、あらゆる流体装置及び流体回路に適用可能であることは言うまでもない。また、本発明は、上述した各形態や、各実施形態、随所に述べた変形例に限られることなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、適宜の変更や変形が可能である。
100a,100b,100c 圧力調整弁
1 第1継手管
2 第2継手管
5 バルブ本体
6 弁開ばね
7 他側ばね受け部
8,8’ 一側ばね受け部
8a 円環部
8b 円筒部
9 ボール支持部材
10 弁ハウジング
11 第1ポート
12 第2ポート
13 中間室
15 弁室
16 ベローズ収容室(感圧部材収容室)
17 段付き部
18 一側ばね受け段部
19 一側ばね受け部の一側端部に対向する中間室の内壁
20 ばねケース
30 弁座部材
31 弁座部
31a 弁ポート
31b 内部通路
31c 弁座
32 ガイド部
32a 径方向連通孔
32b 摺動部
32c 逃がし部
32d 段部
40 弁部材
41 弁部
42 ガイド軸部
42a 環状溝部
50 感圧ユニット
51 感圧用ベローズ(感圧部材)
53 ベローズ上蓋
55 連結棒
60 調整ばねユニット
61 ばね受け部材
62 調整ねじ部材
63 調整ばね
70 下部接続手段
71 下側窪み部
72 上側窪み部
73 ボール
80 上部接続手段

C 中心軸線
D1 弁ポートの口径
D2 感圧用ベローズの平均内径
Db ボールの直径
F1 弁開ばねの付勢力
F2 感圧用ベローズ自体による付勢力
F3 調整ばねの付勢力
G1 ガイド軸部の外径と摺動部の内径との間に形成される隙間
G2 ボール支持部材とボールとの間の隙間
Gc 一側ばね受け部の円環部の外周端部と中間室の内壁との環状隙間
Go 弁部材と弁ハウジングとの片側隙間
l1 一側ばね受け部の一側端部から第1ポートの中心軸線への垂線の長さ
l2 中間室の内壁から第1ポートの中心軸線への垂線の長さ
L 軸線
P1 一次側圧力
P2 二次側圧力
S1 感圧用ベローズの有効受圧面積
S2 弁部の受圧面積

Claims (14)

  1. 軸線を中心とする径方向に設けられる第1ポートと、一側から他側へと順に連通する、第2ポート、弁ポート、前記第1ポートと連通する中間室、及び、感圧部材収容室と、を有する弁ハウジングと、
    前記中間室に設けられ、前記弁ポートの他側端部に形成される弁座の周囲から立設する円筒形状からなるガイド部であって、内周側に弁室を画定し、前記弁室及び前記中間室の間を、軸線を中心とする径方向に連通する、少なくとも一つの径方向連通孔を備えるガイド部と、
    前記ガイド部内の前記弁室に設けられ、前記弁座に対して、近接または離間可能な弁部と、他側に延在し、前記ガイド部により摺動可能に案内されるガイド軸部と、を有する弁部材と、
    前記感圧部材収容室内の圧力に応じて、前記弁部を変位させる感圧部材と、
    前記ガイド部の外周側に設けられ、前記弁部を弁開方向に付勢する弁開ばねと、
    を有し、
    前記弁開ばねの一側端部が、前記径方向連通孔の他側端部よりも、前記弁ハウジングの他側に配置されることを特徴とする圧力調整弁。
  2. 前記ガイド部と、前記第2ポート及び前記弁ポートを有する弁座部とが一体形成される弁座部材をさらに備え、
    前記弁座部材は、前記弁ハウジングの一側端部における軸線方向に貫通する貫通孔に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整弁。
  3. 前記弁座部材において、前記ガイド部の内周部は、前記ガイド軸部と摺動する摺動部を有し、前記摺動部と前記弁ポートは、同軸加工されることを特徴とする請求項2に記載の圧力調整弁。
  4. 前記ガイド部の内周部は、前記摺動部の一側に隣接するとともに、前記径方向連通孔の内径部分と連続的に接続する逃がし部をさらに有し、
    前記逃がし部の内径は、前記摺動部の内径より大きいことを特徴とする請求項3に記載の圧力調整弁。
  5. 前記ガイド部の外周部に、前記弁開ばねの一側端部が支持され、
    前記ガイド軸部の他側端部に、前記弁開ばねの他側端部が支持されることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整弁。
  6. 円環部を有する一側ばね受け部をさらに備え、
    前記ガイド部の外周部は、一側から他側に縮径する段部を有し、
    前記一側ばね受け部の前記円環部が、前記ガイド部の前記段部に係合されるとともに、前記弁開ばねの一側端部を支持することを特徴とする請求項5に記載の圧力調整弁。
  7. 前記一側ばね受け部は、前記円環部の内周側から立設し、前記ガイド部の外周部に係合されるとともに、前記弁開ばねの内径部を案内する円筒部をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の圧力調整弁。
  8. 前記中間室と前記感圧部材収容室とは、前記一側ばね受け部の外周端部と前記中間室の内壁との環状隙間を介して、連通することを特徴とする請求項6に記載の圧力調整弁。
  9. 前記環状隙間の面積は、前記径方向連通孔における開口面積の総和より小さいことを特徴とする請求項8に記載の圧力調整弁。
  10. 前記第1ポートの中心軸線に対して、前記一側ばね受け部の一側端部は、前記一側ばね受け部の一側端部に対向する前記中間室の内壁よりも、離隔して配置されることを特徴とする請求項9に記載の圧力調整弁。
  11. 前記第1ポートの中心軸線と、前記第1ポートに対向する前記径方向連通孔の中心軸線とが共通であることを特徴とする請求項10に記載の圧力調整弁。
  12. 前記弁ハウジングの内周面に固定され、環形状を有するボール支持部材と、前記ボール支持部材に収容されるボールとを、さらに有し、
    前記ボールは、前記弁部材と前記感圧部材との間に配置され、前記ボールの直径は、前記弁部材と前記弁ハウジングとの片側隙間より大きいことを特徴とする請求項11に記載の圧力調整弁。
  13. 前記感圧部材を、感圧用ベローズとすることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の圧力調整弁。
  14. 前記第1ポートから前記第2ポートへの流れ方向とし、
    前記弁ポートの口径を、前記感圧用ベローズの平均内径より小さくすることを特徴とする請求項13に記載の圧力調整弁。
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