JP2006283599A - 制御弁および容量可変型圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents

制御弁および容量可変型圧縮機および冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】弁体、弁軸、プランジャロッドの各部の接続構造が簡単で、多くの部品点数を必要とせず、それに伴い均圧通路の通路構成を簡素化し、均圧動作の安定性、応答性に関して優れた性能を得ること。
【解決手段】プランジャ34と弁体20とを一本のプランジャロッド35によって連結し、プランジャロッド35の連通孔25によって均圧通路の主要部を構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、制御弁および容量可変型圧縮機および冷凍サイクル装置に関し、特に、容量可変型圧縮機の容量制御弁として使用される制御弁および容量可変型圧縮機および容量可変型圧縮機を含む車載用空気調和装置等に使用される冷凍サイクル装置に関するものである。
車載用空調装置などで使用される冷凍サイクル装置では、エンジン駆動の圧縮機として、斜板式の容量可変型圧縮機が多く使用されている。斜板式の容量可変型圧縮機は、斜板を収容したクランク室の内圧(クランク室圧力)に応じて吐出容量を定量的に変化する。すなわち、クランク室圧力の上昇に応じて斜板傾斜角が小さくなって吐出容量を低減し、これとは逆に、クランク室圧力の低減に応じて斜板傾斜角が大きくなって吐出容量を増大する。この吐出容量の制御は、吐出容量(吐出流量)を検出し、検出された吐出容量に応じてクランク室圧力を制御することにより、フィードバック補償式に行うことができる。
容量可変型圧縮機の吐出流路の上流側と下流側とに所定量離れた2位置の圧力差は、吐出流量に応じた圧力損失と正の相関性を示すから、この圧力差を感知して吐出容量に応じたクランク室圧力制御を行う差圧応動式の容量制御弁がある(例えば、特許文献1)。
また、容量可変型圧縮機の吐出冷媒流の動圧は、吐出流量と正の相関性を示すから、専らこの動圧を感知して吐出容量に応じたクランク室圧力制御を行う動圧感知式の容量制御弁がある(例えば、特許文献2)。
これらの容量制御弁は、圧縮機の吐出圧領域に接続される弁室と圧縮機のクランク室に接続される給気通路との間に設けられた弁ポートを、弁室内に設けた弁体により開閉させるようにしており、更に、電磁コイル装置を有し、弁体による弁ポート開閉の平衡値を電磁コイル装置が発生する電磁力によって可変設定できるようになっている。
電磁コイル装置は、弁室に隣接して固定配置された吸引子と、この吸引子を貫通しその一端にて弁体あるいは弁軸と接続されるプランジャロッドと、吸引子を介して弁室から区画されたプランジャ室においてプランジャロッドの他端に取り付けられるプランジャと、と、通電によりプランジャと吸引子間に電磁力を発生させる電磁コイル部とを有しており、電磁コイル部への通電により発生する電磁力によってプランジャを吸引子側に磁気的に吸引し、弁体による弁ポート開閉の平衡値を変更する構成としている。
従来の容量制御弁では、弁体が弁ポートを閉じている状態では、弁体に作用する弁ポートのクランク室圧を上回る弁室の吐出圧が、吸引子とロッドとの隙間からプランジャ室に導入され、外乱要素として、プランジャに不必要に作用することから、弁体による弁ポート開閉の平衡関係に偏差が生じ、容量制御弁の動作特性が設計値より外れることになる。
このことに対して、先に挙げた動圧感知式の容量制御弁では、弁体や弁軸に形成された連通孔やプランジャロッドとこれを受け入れる孔との間の間隙によって均圧通路を構成し、均圧通路によって弁ポートの圧力(クランク室圧)をプランジャ室に導き、吐出圧がプランジャに不必要に作用しないように考慮している(例えば、特許文献2)。
しかし、従来のものは、弁体、弁軸、プランジャロッドの各部の接続構造が複雑で、多くの部品点数を必要とし、それに伴い均圧通路の通路構成も複雑になり、均圧動作の安定性や応答性に問題を生じる原因となる。
特開2001−107854号公報 特開2004−324882号公報
この発明が解決しようとする課題は、弁体、弁軸、プランジャロッドの各部の接続構造が簡単で、多くの部品点数を必要とせず、それに伴い均圧通路の通路構成を簡素化し、均圧動作の安定性、応答性に関して優れた性能を得ることである。
この発明による制御弁は、弁ハウジングに弁室が形成され、前記弁室内を感知流体が流れるよう前記弁室に感知流体の入口ポートと出口ポートとが開口し、更に前記弁室に被制御流体の出口ポートを兼ねた弁ポートが開口し、前記弁室内に、弁リフト方向の移動によって前記弁ポートの開度を変化する弁体と、前記弁室を流れる感知流体流に応動して変位し前記弁体を弁リフト方向に移動させる受圧板とが配置されており、前記受圧板は、前記弁室を流れる感知流体の前記受圧板の上流側の圧力と下流側の圧力の差圧の影響を受けて前記弁体を弁開方向に移動させる方向に変位する構造になっており、前記弁体を電磁力によって弁閉方向に付勢する電磁手段を有し、前記電磁手段は、プランジャと、前記プランジャを収容する密閉構造のプランジャ室と、前記プランジャ室よりも前記弁体側に固定配置された吸引子とを有し、前記吸引子には中心孔が貫通形成され、当該中心孔に、一端を前記プランジャに接続され他端を前記弁体に直接接続されたプランジャロッドが挿通されており、前記プランジャロッドと前記弁体には、前記弁ポートに向けて開口し当該弁ポートの圧力を前記プランジャ室に導く連通孔による均圧通路が形成されている。
この発明による制御弁は、好ましくは、前記弁体と前記プランジャロッドとが一体に形成されている。
この発明による制御弁は、好ましくは、前記弁体と前記受圧板とが一体の一部品により構成されている。
この発明による制御弁は、好ましくは、前記受圧板はフランジ状をなしていて弁体側ばねリテーナを兼ねており、前記弁体側ばねリテーナと前記弁ハウジングとの間に、前記弁体を弁開方向に付勢する設定ばねが設けられている。
この発明による制御弁は、クランク室圧力に応じて吐出容量を定量的に変化する容量可変型圧縮機の容量制御弁として使用され、前記感知流体の入口ポートと出口ポートが前記容量可変型圧縮機の吐出流路に接続され、前記弁ポートが前記クランク室に接続される。
この発明による容量可変型圧縮機は、クランク室圧力に応じて吐出容量を定量的に変化する容量可変型圧縮機であって、圧縮機ボディに形成された弁装着用ボアーに上述の発明による制御弁が挿入装着され、前記感知流体の入口ポートにコンプレッサ室より吐出流体を導く吐出流体入口通路と、前記感知流体の出口ポートより吐出流体を取り出す吐出流体出口通路と、前記弁ポートと前記クランク室とを連通するクランク室通路とが、前記圧縮機ボディに形成されている。
この発明による冷凍サイクル装置は、容量可変型圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器と、これらをループ接続する冷媒通路とを有し、上述の発明による制御弁を前記容量可変型圧縮機の容量制御弁として含む。
この発明による制御弁は、プランジャと弁体との接続を一本のプランジャロッドにより行うから、弁体、弁軸、プランジャロッドの各部の接続構造が簡単になり、多くの部品点数を必要とせず、それに伴いプランジャロッド等に設ける均圧通路の通路構成が簡素化し、均圧動作の安定性、応答性に関して優れた性能を示す。
そして、この制御弁が容量可変型圧縮機の容量制御弁として使用されることにより、圧縮機の吐出容量制御を正確に行うことができる。
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
(制御弁の実施形態1)
図1はこの発明による制御弁の実施形態1を示している。
本実施形態の制御弁は、全体を符号10により示されている。制御弁10は弁ハウジング11を有する。弁ハウジング11は、簡単な円筒形状で、下端を弁ハウジング11にかしめ結合された下蓋部材(弁座部材)12により閉じられ、下蓋部材12とにより弁室13を画定している。
弁ハウジング11には、弁室13の下部領域に開口する感知流体入口ポート14と、弁室13の上部領域に開口する感知流体出口ポート15とが各々形成されている。弁室13には感知流体入口ポート14より感知流体が流入する。感知流体は、弁室13内を下側から上側に流れ、感知流体出口ポート15より弁室13外に流出する。
下蓋部材12は、弁室13内に軸線方向(上下方向)に突出した円筒状の突起部16を有している。突起部16には弁室13に開口して被制御流体の出口ポートを兼ねた弁ポート17が上下に貫通形成されており、突起部16の上端面が弁座面18となっている。
弁室13には弁体20が弁室13の軸線方向に移動可能に設けられている。弁体20は、フランジ状の受圧板21を一体に有している。すなわち、弁体20と受圧板21とが一部品によって構成されている。弁体20は、弁座面18に対向し、弁リフト方向(上下方向)の移動によって弁ポート17の開度を増減する。弁体20には、後述する電磁コイル装置30のプランジャロッド35の下端35Aが圧入固定されている。
プランジャロッド35は、弁体20の弁軸(弁棒)を兼ねており、弁ハウジング11の上部に貫通形成された支持孔11Aに摺動可能に嵌合し、弁ハウジング11によって軸線方向に移動可能に支持されている。
受圧板21は、弁室13内にあって弁室13の内周壁との間に充分な間隙23を作る外径とされ、弁室13を流れる感知流体の流れを阻害せず、専ら、弁室13を流れる感知流体流の流れ方向における、受圧板21の上流側の感知流体と下流側の感知流体との差圧に応動して変位する。
すなわち、受圧板21は、弁室13内を流れる感知流体流の上流側の感知流体と下流側の感知流体との差圧を受けて弁室13を流れる感知流体の流量に相関性をもって上昇変位する。なお、間隙23の大きさ(流路断面積)は、システムとして必要とされる最大流量を最低限確保できる大きさに設定されればよい。
この受圧板21の変位によって弁体20が弁リフト方向に移動する。受圧板21と弁体20とは一体部品であるから、受圧板21と弁体20とは一体的に弁リフト方向に移動する。これにより、弁体20は、受圧板21に作用する差圧の増加、すなわち、弁室13を流れる感知流体の流量の増加に応じて弁開方向に移動する。
受圧板21はフランジ状をなしていて弁体側ばねリテーナを兼ねており、この弁体側ばねリテーナ(受圧板21)と下蓋部材12の突起部16の外周に嵌装された下側ばねリテーナ27との間に、設定ばね19が設けられている。設定ばね19は、圧縮コイルばねにより構成されており、弁体20を弁開方向(上向き)に付勢する。突起部16の軸線方向における下側ばねリテーナ27の位置は、下蓋部材12に螺着した調整ねじ28の弁室13内への突出量によって調整することができる。
本実施形態の制御弁10による被制御流体の流量制御の必要な範囲は、弁体20の弁リフト範囲のうち全閉〜中間開度であり、この全閉〜中間開度までの弁リフト範囲に弁体20があるときに、受圧板21が設定ばね19に接触し、中間開度〜全開までの弁リフト範囲に弁体20があるときには、受圧板21が設定ばね19から離間するように、設定ばね19の自由長が規定されている。
つまり、全開時に、設定ばね19が自由長の状態にある時に、設定ばね19と受圧板21との間に隙間tが設定され、中間開度〜全開までの弁リフト範囲に弁体20があるときに、受圧板21が設定ばね19から離間する。
また、弁室13には弁体20を弁開方向(上向き)に付勢する補助ばね22が設けられている。補助ばね22は、圧縮コイルばねにより構成され、突起部16の先端部と受圧板21の付根部との間に挟まれている。補助ばね22のばね定数は設定ばね19のばね定数よりも充分小さく、補助ばね22の自由長は、弁体の弁リフト範囲の全体(全閉〜全開)に亘るどの位置に弁体20があっても、突起部16の先端と受圧板21の付根部との双方に両端が常時接触するような寸法に規定されている。つまり、補助ばね22は、予荷重を与えられた状態で取り付けられている。
電磁手段である電磁コイル装置30は、弁ハウジング11の上端にかしめ結合された吸引子31と、吸引子31の上部に固定されて内側にプランジャ室32を画定するプランジャケース33と、プランジャ室32内に設けられたプランジャ34と、プランジャロッド35と、吸引子31の下部に取り付けられた外凾37と、外凾37に固定された蓋部材38と、蓋部材38およびプランジャケース33に取り付けられたコネクタ部39と、ボビン40および電磁コイル部41とを有する。
プランジャロッド35は、吸引子31に貫通形成された中心孔42を遊嵌合状態で軸線方向に移動可能に貫通し、上端35Bをボール43によってボール継手式にプランジャ34に接続されている。換言すると、プランジャロッド35は、吸引子31に貫通形成された中心孔42に挿通され、一端(上端35B)をプランジャ室32内においてボール43を介してプランジャ34に接続され、他端(下端35A)を弁室13内において弁体20に直接接続されている。
電磁コイル装置30は、電磁コイル部41に通電されることにより、コイル電流に応じた電磁力を発生し、吸引子31の円錐凹状の磁気吸着面(上面)31Aにプランジャ34の円錐凸状の下面34Aを磁気的に吸引し、プランジャロッド35を介して弁体20を弁閉方向(下向き)に付勢する。
弁体20とプランジャロッド35には、中心孔としてこれらを軸線方向に貫通した連通孔24、25が貫通形成されている。プランジャロッド35は全体を筒体で構成することができる。弁体20の連通孔24は下端にて弁ポート17に向けて開口している。プランジャ室32内に位置するプランジャロッド35の上端近傍にはプランジャロッド35を径方向に貫通した複数個の連通孔26が形成されている。これにより、プランジャロッド35の連通孔25は連通孔26によってプランジャ室32に連通する。
このように、連通孔24、25、26によって弁ポート17の圧力をプランジャ室32に導く均圧通路が構成される。
なお、弁ポート17の内径とプランジャロッド35の外径とが同一寸法に設定されている。
また、プランジャ34には均圧孔44、45が貫通形成されており、プランジャ34の中央の均圧孔44が、プランジャロッド35の上端を接続するボール43の受けに連なっている。
上述の構成による制御弁10は、弁室13を流れる感知流体の流れ方向における、受圧板21の上流側の感知流体と下流側の感知流体との差圧に応動して受圧板21が変位することによる弁開方向の力と、設定ばね19および補助ばね22による弁開方向のばね力と、電磁コイル装置30による弁閉方向の力との平衡関係によって弁体20の軸線方向位置が決まり、弁ポート17の開度が決まる。この弁ポート17の開度によって計量された流量をもって弁室13内の流体(感知流体)の一部が被制御流体として弁ポート(出口ポート)17より外部へ流れる。
電磁コイル装置30による弁閉方向の力が一定であると、受圧板21に作用する上流側の感知流体と下流側の感知流体との差圧により、弁室13内を感知流体入口ポート14より感知流体出口ポート15へ流れる感知流体の流量(容量)の増加(差圧増加)に応じて弁体20が上昇変位して弁ポート17の開度が増大し、これとは反対に、感知流体の流量(容量)の低減(差圧低減)に応じて弁体20が降下移動して弁ポート17の開度が減少する。そして、図2に示されているように、コイル電流値に応じて電磁コイル装置30が発生する電磁力(吸引力荷重)に応じて弁体20による弁ポート開閉の平衡値が可変設定される。なお、電磁コイル装置30に対する通電が停止されることにより、あるいはコイル電流値が所定値以下になることにより、制御弁10は全開になる。即ち、本実施形態の制御弁10では、専ら受圧板21の上流側と下流側との感知流体の差圧に応動して弁体20による弁ポート17の開度が変動する。
ここで、設定ばね19と補助ばね22の役割について説明する。設定ばね19のばね定数をK1、補助ばね22のばね定数をK2とし、K1>K2の設定であると、弁体20が受けるばね荷重特性は、図3に示されているようになる。
全閉〜中間開度までの弁リフト範囲に弁体20があるときに、受圧板21が設定ばね19に接触し、中間開度〜全開までの弁リフト範囲に弁体20があるときには、受圧板21が設定ばね19から離間する設定であるから、傾きAは補助ばね22のばね定数K2により決まり、傾きBは設定ばね19のばね定数K1と補助ばね22のばね定数K2との合成ばね定数K1+K2により決まる。
設定ばね19は、電磁コイル装置30に対する通電時の制御流量の設定値を決めるものであり、図2に示されている電磁吸引力特性線の傾きC(単位弁リフト当たりの吸引力変化量N/mm)よりも、全閉〜中間開度までの弁リフト範囲で立った傾きBが得れるばね定数K1とすることで、荷重バランス点における弁リフト量がそのバランス点に安定し易くなり、弁動作の安定性をよくすることができる。
これに対して、傾きBを電磁吸引力特性線の傾きCより緩やかなものに設定すると、荷重バランス点が全開または全閉となってしまい、流量制御ができなくなってしまう。
電磁吸引力特性線の傾きCと傾きBとが同じであると、荷重バランス点での弁体20の位置が安定せず、弁体20が弁開〜中間開度間をふらつくハンチング現象を生じる。
補助ばね22は、ばね定数K2によって決まる傾きAを電磁吸引力特性線の傾きCより緩やかに設定することにより、また、K1>K2であることにより、中間開度から全開にするときに、電磁コイル装置30のコイル電流値をある電流値まで下げると、一気に全開させるように作用する。
また、補助ばね22は、全開時に、弁体20、プランジャロッド35、ボール43、プランジャ34の4部品を保持し、こられ部品のがたつきを防止する。これにより、弁体20が弁座面18に衝突することによるこれらの破損や、プランジャケース33の頂部におけるプランジャ34のがたつきによる破損が回避される。この場合、補助ばね22は、弁体20、プランジャロッド35、ボール43、プランジャ34の4部品の総重量×振動加速度分のばね荷重で、これらを保持する設定になる。
なお、設定ばね19だけであると、全開時のばね荷重として振動防止の最低限のばね荷重(弁体20、プランジャロッド35、ボール43、プランジャ34の4部品の総重量×振動加速度分のばね荷重)が必要であり、これを確保しつつ傾きCより大きい傾きBを得るばね定数とすると、図3に仮想線によって示されているように、全閉時のばね荷重が大きくなる。このため、これに対抗する電磁コイル装置30の電磁吸引力も強くする必要が生じ、電磁コイル装置30を大型化する必要が生じる。このようなことから、必要な弁リフト分(全閉〜中間開度)だけ、設定ばね19のばね荷重を弁体20に与えるようにしている。
また、弱い補助ばね22だけであると、電磁吸引力特性線の傾きCより緩やかな傾きAの設定によって弁体20が全開または全閉となってしまい、流量制御ができなくなってしまう。
上述の如く、中間開度から全開位置まで弁体20をリフトさせるのに必要な電磁コイル部41への通電変化量を、ばね定数の小さい補助ばね22に見合った小さい変化量で済むようにし、その反面、制御弁10による被制御流体の流量制御に使用する中間開度〜全閉の範囲で弁体20を開度調整する際には、電磁コイル部41への通電量を大きく変化させるようにして、制御弁10による被制御流体の流量制御の分解能を高く維持することができる。
なお、下蓋部材12に螺着した調整ねじ28の弁室13内への突出量の調整、つまり、突起部16の軸線方向における下側ばねリテーナ27の位置の調整によって、電磁コイル部41に所定電流で通電した時に設定ばね19によって設定されるばね荷重を微調整することができる。
上述の如く弁動作において、弁体20とプランジャロッド35に形成されている連通孔24、25、26による均圧通路によって弁ポート17の圧力がプランジャ室32に導入される。これにより、弁ポート17の弁閉時に、プランジャ室32の圧力がクランク室圧力と同じ圧力になる。
これにより、たとえば、弁体20に作用する弁ポート17のクランク室圧を上回る弁室13の吐出圧が、外乱要素として、プランジャ34に不必要に作用することが回避され、この外乱によって弁体20による弁ポート開閉の平衡関係に偏差が生じることがなく、制御弁の動作特性が設計値通りに保たれ、感知流体流量に応動した高精度な流量制御が行われるようになる。
プランジャ34と弁体20との接続が一本のプランジャロッド35によって行われる構造であるから、弁軸が不要になり、弁体、弁軸、プランジャロッドの各部の接続構造が簡単になり、多くの部品点数を必要としなくなる。
これに伴い、弁体20、プランジャロッド35に設ける連通孔24、25、26による均圧通路の通路構成が簡素化され、均圧動作の安定性、応答性に関して優れた性能が得られる。
また、本実施形態による制御弁10は、弁体20を収容する弁室13が、受圧板21を収容する差圧感知室を兼ねた構造になっているから、差圧検知等のための別の感圧室が設けられるものに比して小型化が可能になる。また、制御弁10は、感知流体入口ポート14、感知流体出口ポート15、弁ポート(被制御流体出口ポート)17の3ポートだけでよく、このことによっても小型化が可能になり、併せて制御弁10に接続する配管数が削減される。また、弁体20と受圧板21とが一部品で構成され、部品点数の削減が図られる。
(制御弁の実施形態2)
この発明による制御弁の実施形態2を、図4を参照して説明する。なお、図4において、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
実施形態2に係る制御弁10では、実施形態1の制御弁10における、プランジャロッド35の上端をプランジャ34に接続するボール43と、プランジャロッド35の連通孔26とが省略され、プランジャロッド35の上端35Bがプランジャ34の嵌合孔34Bに嵌合し、プランジャ34とプランジャロッド35とが直接固定連結されている。
均圧通路は、プランジャロッド35の中心孔である連通孔25がプランジャロッド35の上端35Bにおいてプランジャ34に形成されている均圧孔44と直接連通することにより、一直線状に構成されている。
この実施形態2に係る制御弁10でも、実施形態1に係る制御弁10と同様の効果を得ることができ、その上で、この実施形態2に係る制御弁10では、プランジャロッド35の上端35Bをプランジャ34に直接嵌合してボール43を省略したことにより、さらなる部品点数の削減が図られる。また、これに伴い均圧通路の通路構成が更に簡素化され、均圧動作の安定性、応答性が、更に改善される。
なお、調整ねじ28に代えて、図5に示されているように、調整ピン29の下蓋部材12への圧入量の調整によってその弁室13内への突出量を調整し、突起部16の軸線方向における下側ばねリテーナ27の位置を調整し、設定ばね19のばね荷重を微調整するように構成してもよい。この構成は、何れの実施形態にも適用できる。
また、調整ピン29は、図5に示されているように、単一箇所のみに圧入する構成とする以外に、図6に示されているように、突起部16の周囲の周方向に間隔をおいた複数箇所に各々圧入する構成とすることもできる。
また、図7に示されているように、プランジャロッド35の下端部によって弁体20を直接構成することもできる。この場合、受圧板21は、弁体20(プランジャロッド35)とは別体のプレス成形品により構成し、プランジャロッド35の下端側に嵌着したEリング等の止め輪46により軸線方向位置を規定された態様でプランジャロッド35に取り付けられればよい。この構成も、何れの実施形態にも適用できる。
さらに、止め輪46に代えて、図8に示されているように、プランジャロッド35の下端35A側に形成した段差部35Cにて受圧板21の軸線方向位置を規定する構成とすることもできる。
(制御弁の実施形態3)
この発明による制御弁の実施形態3を、図9を参照して説明する。なお、図9において、図4に対応する部分は、図4に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
実施形態3に係る制御弁10では、設定ばね19の下部巻端19Aが下側ばねリテーナ27にスポット溶接等によって固着されている。また、補助ばね22が受圧板21の付根部と下側ばねリテーナ27の筒部端面との間に設けられ、補助ばね22のばね力によって下側ばねリテーナ27が調整ねじ28に押し付けられる構造になっている。
これにより、設定ばね19と受圧板21との間に間隙tが存在する全開時に、振動が加わっても、設定ばね19や下側ばねリテーナ27が揺れ動くことがなく(がたつくことがなく)、受圧板21や下側ばねリテーナ27が衝撃を受けることが回避され、これらの耐久性が向上する。
なお、これらのこと以外は、実施形態2の制御弁10と同様に構成されているから、その他については、実施形態3に係る制御弁10によっても、実施形態2に係る制御弁10と同様の効果を得ることができる。
(制御弁の実施形態4)
この発明による制御弁の実施形態4を、図10を参照して説明する。なお、図10において、図1、図4に対応する部分は、図1、図4に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
実施形態4では、受圧板21が、弁体20とは別体のプレス成形品によって構成され、弁体20の外周に軸線方向に移動可能に嵌装している。設定ばね19は受圧板21と下側ばねリテーナ27との間に設けられ、受圧板21の上限位置を弁ハウジング11に固定装着されたストッパ部材47によって制限される構造になっている。
これにより、全開時には、弁体20の上部フランジ部20Aが受圧板21より間隙tをもって離れ、設定ばね19の付勢力が弁体20に及ぶ範囲が、実施形態1等と同様に、制御弁10による被制御流体の流量制御の必要な範囲である弁体20のうち全閉〜中間開度の弁リフト範囲に制限される。
実施形態4では、下蓋部材12に螺着した調整ねじ28の弁室13内への突出量の調整、つまり、突起部16の軸線方向における下側ばねリテーナ27の位置の調整では、設定ばね19によるばね荷重の微調整が行われることになる。
実施形態4では、全開時でも、設定ばね19のばね荷重が受圧板21や下側ばねリテーナ27に作用する。これにより、全開時に、振動が加わっても、設定ばね19や下側ばねリテーナ27が揺れ動くことがなく、受圧板21や下側ばねリテーナ27が衝撃を受けることが回避され、これらの耐久性が向上する。
なお、これらのこと以外は、実施形態2の制御弁10と同様に構成されているから、その他については、実施形態4に係る制御弁10によっても、実施形態2に係る制御弁10と同様の効果を得ることができる。
(制御弁の実施形態5)
この発明による制御弁の実施形態5を、図11を参照して説明する。なお、図11においても、図4に対応する部分は、図4に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
実施形態5に係る制御弁10では、受圧板21が、プレス成形品により弁体20とは別体に構成されていて、筒部21Bにて弁体20の外周に軸線方向に摺動可能に嵌合している。
受圧板21の筒部21Bに連なるフランジ部(受圧面部)21Aと下側ばねリテーナ27との間に設定ばね19が設けられ、受圧板21のフランジ部(受圧面部)21Aと弁体20の上部フランジ部20Aとの間に補助ばね22が設けられている。つまり、弁体20の上部フランジ部20Aと下側ばねリテーナ27との間との間に、受圧板21を挟んで補助ばね22と設定ばね19とが直列に設けられている。
このばね配置において、全開時には、受圧板21の筒部21Bの上端と弁体20の上部フランジ部20Aとの間に間隙tができ、設定ばね19の付勢力のみが弁体20に及ぶ範囲が、制御弁10による被制御流体の流量制御の必要な範囲である弁体20のうち全閉〜中間開度の弁リフト範囲に設定される。間隙tは調整ねじ28によって適正値に調整設定することができる。
これにより、弁体20が全開〜中間開度までの弁リフト範囲にあるときには、ばね定数の小さい補助ばね22とばね定数の大きい設定ばね19との合成付勢力(補助ばね22のばね定数に近い小さいばね定数による付勢力)が弁体20に対して弁開方向に作用し、弁体20が中間開度〜全閉までの弁リフト範囲にあるときには、間隙tが消滅してばね定数の大きい設定ばね19の付勢力のみが弁体20に対して弁開方向に作用する。
実施形態5では、全開時には設定ばね19のばね荷重が、これと直列配置の補助ばね22と共働して受圧板21や下側ばねリテーナ27に作用する。これにより、全開時に、振動が加わっても、設定ばね19や下側ばねリテーナ27が揺れ動くことがなく、受圧板21や下側ばねリテーナ27が衝撃を受けることが回避され、これらの耐久性が向上する。
なお、これらのこと以外は、実施形態2の制御弁10と実質的に同様に構成されているから、その他については、実施形態5に係る制御弁10によっても、実施形態2に係る制御弁10と実質的に同様の効果を得ることができる。
(制御弁の実施形態6)
この発明による制御弁の実施形態6を、図12、図13を参照して説明する。なお、図12において、図1に対応する部分は、図1に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
実施形態6では、下蓋部材12の内側空間51内に、上側ばねリテーナ52と下側ばねリテーナ53とが配置されている。下側ばねリテーナ53は、下蓋部材12にねじ係合した調整ねじ部材54、調心ボール55によって下蓋部材12より支持されている。なお、調整ねじ部材54には出口ポート用の貫通孔54Aが穿けられている。
上側ばねリテーナ52と下側ばねリテーナ53との間には設定ばね19が所定の予荷重を与えられた状態で設けられている。全開時には上側ばねリテーナ52は内側空間51の天井壁部56に当接し、この状態で、弁体20の先端延長部20Bとの間に間隙tを作る構成になっている。
これにより、設定ばね19の付勢力が弁体20に及ぶ範囲が、実施形態1等と同様に、制御弁10による被制御流体の流量制御の必要な範囲である弁体20のうち全閉〜中間開度の弁リフト範囲に設定され、弁体20が全開〜中間開度までの弁リフト範囲にあるときには、ばね定数の小さい補助ばね22の付勢力が弁体20に対して弁開方向に作用し、弁体20が中間開度〜全閉までの弁リフト範囲にあるときには、間隙tが消滅してばね定数の大きい設定ばね19の付勢力のみが弁体20に対して弁開方向に作用する。
実施形態6では、全開時でも、設定ばね19のばね荷重が上側ばねリテーナ52や下側ばねリテーナ53に作用するから、全開時に、振動が加わっても、設定ばね19等が揺れ動くことがなく、弁体20や上側ばねリテーナ52等が衝撃を受けることが回避され、これらの耐久性が向上する。
実施形態6における均圧通路は、上側ばねリテーナ52に、弁体20の連通孔24に連通する中心貫通孔57や径方向溝58が形成されていることにより確保される。
なお、これらのこと以外は、実施形態1の制御弁10と同様に構成されているから、その他については、実施形態6に係る制御弁10によっても、実施形態1に係る制御弁10と実質的に同様の効果を得ることができる。
(制御弁の実施形態7)
この発明による制御弁の実施形態7を、図14を参照して説明する。なお、図14において、図1、図12に対応する部分は、図1、図12に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
実施形態7では、下蓋部材12の内側空間51内に、ボール59、上側ばねリテーナ63が配置されており、上側ばねリテーナ63と下蓋部材12にねじ係合している調整ねじ部材54との間に設定ばね19が設けられている。
内側空間51にはボールガイドを兼ねたストッパ部材64が固定配置されている。上側ばねリテーナ63とストッパ部材64との間にはボール59が設けられており、ボール59は設定ばね19のばね力によってストッパ部材64に向けて付勢され、全開時には上昇移動を制限される形態でストッパ部材64に当接している。なお、ストッパ部材64には連通孔64Aが貫通形成されている。
これにより、全開時にはボール59と弁体20の先端延長部20Bとの間に間隙tができ、設定ばね19の付勢力が弁体20に及ぶ範囲が、実施形態1等と同様に、制御弁10による被制御流体の流量制御の必要な範囲である弁体20のうち全閉〜中間開度の弁リフト範囲に設定され、弁体20が全開〜中間開度までの弁リフト範囲にあるときには、ばね定数の小さい補助ばね22の付勢力が弁体20に対して弁開方向に作用し、弁体20が中間開度〜全閉までの弁リフト範囲にあるときには、間隙tが消滅してばね定数の大きい設定ばね19の付勢力のみが弁体20に対して弁開方向に作用する。
実施形態6では、全閉から中間位置までの間において設定ばね19が傾くと、その影響で上側ばねリテーナ52が軸中心からずれて天井壁部56に偏心して当接し、弁動作のヒステリシスが大きくなってしまうが、実施形態7では、ボール59及び上側ばねリテーナ63によって設定ばね19の傾きを矯正し、ボール59及び上側ばねリテーナ63の偏心を防いで、弁動作のヒステリシスを低減できる。
全開時、ボール59がストッパ部材64に当接することにより、設定ばね19の傾きをなくす調心作用が得られ、設定ばね19の傾きの影響を解除できるので、弁動作のヒステリシーケンスを低減できる。
弁体20が中間開度〜全閉までの弁リフト範囲にある時には間隙tが消滅して弁体20の先端延長部20Bがボール59に当接する。これにより、ボール59と弁体20の先端延長部20Bとが球面継手式に係合することになり、弁体20を弁ポート17の中心位置に持ってくる求心作用が得られ、弁漏れが低減する。
実施形態7における均圧通路は、弁体20の先端延長部20Bに連通孔24に連通する径方向の連通孔60が穿けられていることにより確保される。
なお、これらのこと以外は、実施形態1の制御弁10と同様に構成されているから、その他については、実施形態7に係る制御弁10によっても、実施形態1に係る制御弁10と実質的に同様の効果を得ることができる。
(制御弁の実施形態8)
この発明による制御弁の実施形態8を、図15を参照して説明する。なお、図15において、図1、図14に対応する部分は、図1、図14に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
実施形態8は、実施形態7の簡易型であり、調整ねじ部材54に代えて下側ばねリテーナ61が弁ハウジング11に圧入装着されている。また、下蓋部材12にボール59のストッパ部62が形成されている。なお、下蓋部材12、下側ばねリテーナ61には連通孔12A、61Aが形成されている。
プランジャロッド35の下端35Aが弁体20を貫通して弁ポート17内に進入しており、全開時には、この下端35Aとボール59との間に間隙tができるようになっている。
したがって、実施形態8の制御弁10でも、実施形態7の制御弁10と同等の効果を得ることができる。
図16は上述した各実施形態の制御弁10を斜板式の容量可変型圧縮機の容量制御弁として組み込んで使用することの可能な冷凍サイクル装置の一つの実施形態を示している。
この冷凍サイクルは、自動車等の車両に搭載される車載用空気調和装置等として用いられるものであり、容量可変型圧縮機150と、凝縮器191と、膨張手段192と、蒸発器193と、これらをループ接続する冷媒通路194〜197とを有する。膨張手段192は、膨張弁や絞り手段等により構成され、冷媒の断熱膨張を行う。
容量可変型圧縮機150は、斜板151の傾斜角によって移動ストロークが決まるピストン152を有し、吸入通路153、吸入弁154よりコンプレッサ室155に冷媒等の流体を吸入し、コンプレッサ室155より吐出弁156、吐出流体入口通路(吐出通路)157に流体を吐出する。容量可変型圧縮機150の吐出容量は、斜板151の傾斜角の増大に応じて増加し、斜板151の傾斜角の低減に応じて減少する。
斜板151はクランク室158内にあって回転軸159に連結され、回転軸159はプーリ160によって回転駆動される。斜板151は、クランク室158の圧力、すなわち、クランク室圧力Pcの上昇に応じて傾斜角を減少し、クランク室圧力Pcの低減に応じて傾斜角を増大する。
吸入通路153、吐出流体入口通路(吐出通路)157は、内部通路として、圧縮機ボディ161に形成されている。また、圧縮機ボディ161にはクランク室158に一定量の吸入圧Psを導入する吸入圧通路162が形成されている。
圧縮機ボディ161には弁装着用ボアー163が形成されている。弁装着用ボアー163には制御弁10が挿入装着され、止めリング164によって抜け止めされている。圧縮機ボディ161には、制御弁10の感知流体入口ポート14にコンプレッサ室155より吐出流体を導く前述の吐出流体入口通路157と、制御弁10の感知流体出口ポート15より吐出流体を取り出す吐出流体出口通路165と、被制御流体の出口ポートである制御弁10の弁ポート17とクランク室158とを連通するクランク室通路166とが内部通路として形成されている。
この容量可変型圧縮機150では、コンプレッサ室155より吐出される流体(冷媒)が吐出流体入口通路157より制御弁10の感知流体入口ポート14へ流れ、感知流体入口ポート14より弁室13内に流入する。弁室13内に流入した冷媒は、弁室13内を流れ、感知流体出口ポート15より吐出流体出口通路165へ流出する。これにより、制御弁10の受圧板21は、弁室13を流れる冷媒の差圧を受ける。
圧縮機回転数の増加によって吐出量が増加すると、それに応じて受圧板21に作用する差圧が増大し、弁体20が弁開方向に移動し、制御弁10の開度が増加する。制御弁10の開度増加に応じてクランク室圧力Pcが高くなり、斜板151の傾斜角が減少する。これにより、容量可変型圧縮機150の吐出量が低減する。
容量可変型圧縮機150の吐出量が低減すると、それに応じて受圧板21に作用する差圧が減少し、弁体20が弁閉方向に移動し、制御弁10の開度が低減する。制御弁10の開度低減に応じてクランク室圧力Pcが低くなり、斜板151の傾斜角が増大する。これにより、容量可変型圧縮機150の吐出量が増加し、受圧板21に作用する差圧が大きくなって制御弁10の開度が増し、設定開度になる。この設定開度は、制御弁10の電磁コイル装置30の電流値により可変設定される。このようにして、容量可変型圧縮機150の吐出量が制御される。
この容量可変型圧縮機150では、制御弁10との接続流路としては、圧縮機ボディ161に、吐出流体入口通路157と、吐出流体出口通路165と、クランク室通路166の3通路を設けるだけでよいから、圧縮機ボディ161の内部通路構成が簡単になり、製造性に優れ、内部通路の設計の自由度が高い。
この発明による制御弁の実施形態1を示す縦断面図である。 実施形態1による制御弁における電磁吸引力に対する弁リフト特性を示すグラフである。 実施形態1による制御弁におけるばね荷重に対する弁リフト特性を示すグラフである。 この発明による制御弁の実施形態2を示す縦断面図である。 この発明による制御弁の他の実施形態を示す要部の縦断面図である。 この発明による制御弁の他の実施形態を示す要部の縦断面図である。 この発明による制御弁の他の実施形態を示す要部の縦断面図である。 この発明による制御弁の他の実施形態を示す要部の縦断面図である。 この発明による制御弁の実施形態3を示す縦断面図である。 この発明による制御弁の実施形態4を示す縦断面図である。 この発明による制御弁の実施形態5を示す縦断面図である。 この発明による制御弁の実施形態6を示す縦断面図である。 実施形態6の制御弁に用いられる上側ばねリテーナの斜視図である。 この発明による制御弁の実施形態7を示す縦断面図である。 この発明による制御弁の実施形態8を示す縦断面図である。 この発明による制御弁を斜板式の容量可変型圧縮機の容量制御弁として含む冷凍サイクル装置の一つの実施形態を示す図である。
符号の説明
10 制御弁
11 弁ハウジング
12 下蓋部材
13 弁室
14 感知流体入口ポート
15 感知流体出口ポート
17 弁ポート
18 弁座面
19 設定ばね
20 弁体
21 受圧板
22 補助ばね
23 間隙
24 25、26 連通孔
27、53、61 下側ばねリテーナ
28 調整ねじ
29 調整ピン
30 電磁コイル装置
31 吸引子
32 プランジャ室
33 プランジャケース
34 プランジャ
35 プランジャロッド
43 ボール
44、45 均圧孔
47 ストッパ部材
52、63 上側ばねリテーナ
58 径方向溝
59 ボール
64 ストッパ部材
150 容量可変型圧縮機
151 斜板
152 ピストン
153 吸入通路
155 コンプレッサ室
157 吐出流体入口通路
158 クランク室
165 吐出流体出口通路
166 クランク室通路
191 凝縮器
192 膨張手段
193 蒸発器
194〜197 冷媒通路

Claims (8)

  1. 弁ハウジングに弁室が形成され、前記弁室内を感知流体が流れるよう前記弁室に感知流体の入口ポートと出口ポートとが開口し、更に前記弁室に被制御流体の出口ポートを兼ねた弁ポートが開口し、
    前記弁室内に、弁リフト方向の移動によって前記弁ポートの開度を変化する弁体と、前記弁室を流れる感知流体流に応動して変位し前記弁体を弁リフト方向に移動させる受圧板とが配置されており、
    前記受圧板は、前記弁室を流れる感知流体の前記受圧板の上流側の圧力と下流側の圧力との差圧の影響を受けて前記弁体を弁開方向に移動させる方向に変位する構造になっており、
    前記弁体を電磁力によって弁閉方向に付勢する電磁手段を有し、
    前記電磁手段は、プランジャと、前記プランジャを収容する密閉構造のプランジャ室と、前記プランジャ室よりも前記弁体側に固定配置された吸引子とを有し、
    前記吸引子には中心孔が貫通形成され、当該中心孔に、一端を前記プランジャに接続され他端を前記弁体に直接接続されたプランジャロッドが挿通されており、
    前記プランジャロッドと前記弁体には、前記弁ポートに向けて開口し当該弁ポートの圧力を前記プランジャ室に導く連通孔による均圧通路が形成されている制御弁。
  2. 前記弁体と前記プランジャロッドとが一体に形成されている請求項1記載の制御弁。
  3. 前記弁体と前記受圧板とが一体の一部品により構成されている請求項1又は2記載の制御弁。
  4. 前記受圧板はフランジ状をなしていて弁体側ばねリテーナを兼ねており、前記弁体側ばねリテーナと前記弁ハウジングとの間に、前記弁体を弁開方向に付勢する設定ばねが設けられている請求項1、2又は3記載の制御弁。
  5. クランク室圧力に応じて吐出容量を定量的に変化する容量可変型圧縮機の容量制御弁として使用され、
    前記感知流体の入口ポートと出口ポートが前記容量可変型圧縮機の吐出流路に接続され、前記弁ポートが前記クランク室に接続されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の制御弁。
  6. クランク室圧力に応じて吐出容量を定量的に変化する容量可変型圧縮機であって、
    圧縮機ボディに形成された弁装着用ボアーに請求項5記載の制御弁が挿入装着され、前記感知流体の入口ポートにコンプレッサ室より吐出流体を導く吐出流体入口通路と、前記感知流体の出口ポートより吐出流体を取り出す吐出流体出口通路と、前記弁ポートと前記クランク室とを連通するクランク室通路とが、前記圧縮機ボディに形成されている容量可変型圧縮機。
  7. 容量可変型圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器と、これらをループ接続する冷媒通路とを有し、
    請求項5記載の制御弁を含む冷凍サイクル装置。
  8. 請求項6記載の容量可変型圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器と、これらをループ接続する冷媒通路とを有する冷凍サイクル装置。
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