JP2023161502A - 固体電解質層及び全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電レート特性のバラツキが低減された全固体電池を提供することである。【解決手段】本発明の固体電解質層は、式(1)の固体電解質と金属石鹸又は層状無機材料とを有する;Li3+a-eE1-bGbDcXd-e(1)(EはAl、Sc、Y、Zr、Hf、ランタノイドからなる群から選択される少なくとも1つの元素、Gは、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Si、Al、Ti、Cu、Sc、Y、Zr、Nb、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Au、Biからなる群から選択される少なくとも1つの元素、DはCO3、SO4、BO3、PO4、NO3、SiO3、OH、O2、からなる群から選択される少なくとも一つの基であり、XはF、Cl、Br、Iからなる群から選択される少なくとも1種以上、n=(Eの価数)-(Gの価数)としたときa=nb、0≦b<0.5、0≦c≦5、0<d≦6.1、0≦e≦2である。【選択図】図2

Description

本発明は、固体電解質層及び全固体電池に関する。
近年、エレクトロニクス技術の発達はめざましく、携帯電子機器の小型軽量化、薄型化、多機能化が図られている。それに伴い、電子機器の電源となる電池に対し、小型軽量化、薄型化、信頼性の向上が強く望まれており、電解質として固体電解質を用いる全固体電池が注目されている。
一般に、全固体電池は、薄膜型とバルク型の2種類に分類される。薄膜型全固体電池は、PVD法やゾルゲル法などの薄膜技術により作製する。薄膜型は活物質層を厚くすることや高積層化することが困難であるため、容量が小さくまた製造コストが高いという問題がある。また、バルク型全固体電池の作製方法として、焼結法と粉末成形法とがある。焼結型は、正極層、固体電解質層および負極層を積層したものを焼結して製造するものであり、積層コンデンサの製造方法を応用することができる。焼結型は、チップ型の全固体電池とすることができる。これに対して粉末成形法は、正極層、固体電解質層および負極層を積層したものを成形するだけで、活物質と固体電解質間などに良好な界面を容易に形成できる。粉末成形法に適する固体電解質材料としては、硫化物系固体電解質、LiBH、LiYClなどが知られている。
特開2000-133314号公報 国際公開第2011/074439号 特許第3693827号公報 特許第4729121号公報 特開2001-319635号公報
粉末成形法によって作成された全固体電池は充放電レート特性のバラツキ制御が不十分であることが多い。かかる課題に対して、充放電レート特性のバラツキを低減させる方法(特許文献1、2参照)が開示されている。
しかしながら、上記特許文献に開示されているような方法であっても、全固体電池は充放電レート特性のバラツキを十分に低減させることが困難であり、更なる全固体電池の充放電レート特性のバラツキ低減が求められている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、充放電レート特性のバラツキが低減可能な固体電解質層及びそれを備える全固体電池を提供することである。
本発明の第1態様に係る固体電解質層は、下記式(1)で表される固体電解質と金属石鹸及び層状無機材料の少なくとも一方とを有することを特徴とする固体電解質層;
Li3+a-e1-bd-e・・・(1)
(式中EはAl、Sc、Y、Zr、Hf、ランタノイドからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、
Gは、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Si、Al、Ti、Cu、Sc、Y、Zr、Nb、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Au、Biからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、
Dは、CO、SO、BO、PO、NO、SiO、OH、Oからなる群から選択される少なくとも一つの基であり、
Xは、F、Cl、Br、Iからなる群から選択される少なくとも1種以上であり、n=(Eの価数)-(Gの価数)としたとき、a=nb、0≦b<0.5、0≦c≦5、0<d≦6.1、0≦e≦2である。)
本発明の第2態様に係る全固体電池は、正極及び負極と、上記態様に係る固体電解質層とを有する。
本発明に係る固体電解質層によれば、充放電レートバラツキが低減可能な固体電解質層を提供できる。
本実施形態にかかる全固体電池の斜視図である。 本実施形態にかかる全固体電池の断面図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[全固体電池]
図1は、本実施形態にかかる全固体電池100の斜視図である。図1に示す全固体電池100は、蓄電素子10と外装体20とを備える。蓄電素子10は、外装体20内の収容空間Kに収容される。図1では、理解を容易にするために、蓄電素子10が外装体20内に収容される直前の状態を図示している。蓄電素子10は、外部と電気的に接続される外部端子12、14を有する。
図2は、本実施形態にかかる全固体電池100の断面図である。全固体電池100は、正極11、負極13、固体電解質層15と、外部端子12、14、収容空間Kとを有する。正極11は、正極集電体11Aと正極活物質層11Bとを有する。負極13は、負極集電体13Aと負極活物質層13Bとを有する。固体電解質層15は、例えば、正極活物質層11Bと負極活物質層13Bとの間にある。
全固体電池100は、正極集電体11Aと負極集電体13Aを介した電子の授受、固体電解質層15を介したリチウムイオンの授受により充電又は放電する。全固体電池100は、正極11、負極13及び固体電解質層15が積層された積層体でも、これらの巻回体でもよい。全固体電池100は、例えば、ラミネート電池、角型電池、円筒型電池、コイン型電池、ボタン型電池等に用いられる。
「正極」
図1に示すように、正極11は、例えば、正極集電体11Aと、正極活物質を含む正極活物質層11Bとを有する。
(正極集電体)
正極集電体11Aは、導電率が高いことが好ましい。例えば、銀、パラジウム、金、プラチナ、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス等の金属およびそれらの合金、または導電性樹脂を用いることができる。正極集電体11Aは、粉体、箔、パンチング、エクスパンドの各形態であっても良い。
(正極活物質層)
正極活物質層11Bは、正極集電体11Aの片面又は両面に形成される。正極活物質層11Bは、正極活物質を含み、導電助剤、結着材を含んでもよい。
正極活物質層11Bは、下記(2)式で表される化合物を有してもよい:
LiNi1-y-zMnCo・・・(2)
(式(2)中、xは0.98≦x≦1.2、yは0<y≦0.5、zは0<z≦0.5を示す。但し、y+z<1.0である。)
(正極活物質)
正極活物質層11Bに含まれる正極活物質は、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属フッ化物、ポリアニオン、遷移金属硫化物、遷移金属オキシフッ化物、遷移金属オキシ硫化物、遷移金属オキシ窒化物である。
正極活物質は、リチウムイオンの放出及び吸蔵、リチウムイオンの脱離及び挿入を可逆的に進行させることが可能であれば、正極活物質として特に限定されず、公知のリチウムイオン二次電池に用いられている正極活物質を使用できる。正極活物質は、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV、Li(PO、LiVOPO)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、V、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素を示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物である。
正極活物質層11Bに用いる正極活物質は、加圧成型を良好に行う観点からアルゴンガスを循環させたグローブボックス内で、加熱真空乾燥などにより脱水しガラス瓶やアルミニウムラミネート袋などを用いて保管すると良い。グローブボックス内の露点は、-30℃以下-90℃以上とすることが好ましい。
また、あらかじめ負極に金属リチウムやリチウムイオンをドープした負極活物質を配置しておけば、電池を放電から開始することで、リチウムを含有していない正極活物質も使用できる。このような正極活物質としては、リチウム非含有金属酸化物(MnO、Vなど)、リチウム非含有金属硫化物(MoSなど)、リチウム非含有フッ化物(FeF、VFなど)などが挙げられる。
(導電助剤)
導電助剤は、正極活物質層11B内の電子伝導性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。導電助剤は、例えば、黒鉛、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ等の炭素系材料や、金、白金、銀、パラジウム、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属、ITOなどの伝導性酸化物、またはこれらの混合物が挙げられる。導電助剤は、粉体、繊維の各形態であっても良い。
(結着材)
結着材は、正極集電体11Aと正極活物質層11B、正極活物質層11Bと固体電解質層15、正極活物質層11Bを構成する各種材料を接合する。
結着材は、正極活物質層11Bの機能を失わない範囲内で用いることができる。結着材は、不要であれば含有させなくてもよい。正極活物質層11B中の結着材の含有量は、例えば、正極活物質層の0.5~30体積%である。結着材の含有量が当該範囲内であれば、正極活物質層11Bの抵抗が十分低くなる。
結着材は、上述の接合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂が挙げられる。更に、上記の他に、結着材として、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いてもよい。また、結着材として電子伝導性を有する導電性高分子や、イオン伝導性を有するイオン導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性を有する導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、結着材が導電助剤粒子の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。イオン伝導性を有するイオン導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等を伝導するものを使用することができ、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリフォスファゼン等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤などである。結着材に要求される特性としては、酸化・還元耐性があること、接着性が良いことが挙げられる。
「負極」
図1に示すように、負極13は、負極集電体13Aと、負極活物質を含む負極活物質層13Bとを有する。
(負極集電体)
負極集電体13Aは、導電率が高いことが好ましい。例えば、銀、パラジウム、金、プラチナ、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属およびそれらの合金、または、導電性樹脂を用いることが好ましい。負極集電体13Aは、粉体、箔、パンチング、エクスパンドの各形態であっても良い。
(負極活物質層)
負極活物質層13Bは、負極集電体13Aの片面又は両面に形成される。負極活物質層13Bは、負極活物質を含み、導電助剤、結着材を含んでもよい。
(負極活物質)
負極活物質層13Bに含まれる負極活物質は、可動イオンを吸蔵・放出可能な化合物である。負極活物質は、公知のリチウムイオン二次電池に用いられる負極活物質を使用できる。負極活物質は、例えば、アルカリ金属単体、アルカリ金属合金、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、アルミニウム、シリコン、スズ、ゲルマニウムおよびその合金等のアルカリ金属等の金属と化合することのできる金属、SiO(0<x<2)、酸化鉄、酸化チタン、二酸化スズ等の酸化物、チタン酸リチウム(LiTi12)等のリチウム金属酸化物である。
(導電助剤)
導電助剤は、負極活物質層13Bの電子伝導性を良好にする。導電助剤は、正極活物質層11Bと同様の材料を用いることができる。
(結着材)
結着材は、負極集電体13Aと負極活物質層13B、負極活物質層13Bと固体電解質層15、負極活物質層13Bを構成する各種材料を接合する。結着材は、正極活物質層11Bと同様の材料を用いることができる。結着材の含有比率も、正極活物質層11Bと同様にできる。結着材は不要であれば、含有させなくてもよい。
「固体電解質層」
固体電解質層15は、外部から印加された電場等によってイオンを移動させることができる固体電解質を含む。例えば、固体電解質は、リチウムイオンを伝導し、電子の移動を阻害する。
固体電解質は、例えば、リチウムを含む。固体電解質は、例えば、酸化物系材料、硫化物系材料、ハロゲン化物系材料でもよい。
固体電解質層15は、下記式(1)で表される固体電解質と金属石鹸及び層状無機材料の少なくとも一方とを含む;
Li3+a-e1-bd-e・・・(1)
(式中EはAl、Sc、Y、Zr、Hf、ランタノイドからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、
Gは、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Si、Al、Ti、Cu、Sc、Y、Zr、Nb、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Au、Biからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、
DはCO、SO、BO、PO、NO、SiO、OH、Oからなる群から選択される少なくとも一つの基であり
XはF、Cl、Br、Iからなる群から選択される少なくとも1種以上であり、n=(Eの価数)-(Gの価数)としたとき、a=nb、0≦b<0.5、0≦c≦5、0<d≦6.1、0≦e≦2である。
上記の式(1)中において、Eは3価または4価の元素である。Eは、Al、Sc、Y、Zr、Hf、ランタノイドからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。ランタノイドは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luである。固体電解質がEの元素を含むと、固体電解質の電位窓が広がる。Eは、ScまたはZrを含むことが好ましく、Zrであることが特に好ましい。EがScまたはZrを含むと、固体電解質のイオン伝導度が高まる。
上記の式(1)で表される固体電解質において、Gは、必要に応じて含有される元素である。Gは、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Si、Al、Ti、Cu、Sc、Y、Zr、Nb、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Au、Biからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。固体電解質がGの元素を含むと、キャリアイオンであるリチウムイオン量が増減してイオン伝導度が高くなるとともに、還元側の電位窓が広くなる。
式(1)におけるGは、上記のうちNa、K、Rb、Cs、Agから選ばれる1価の元素であってもよい。Gが1価の元素である場合、イオン伝導度が高く還元側の電位窓が広い固体電解質となる。Gは特に、Naおよび/またはCsが好ましい。
式(1)におけるGは、上記のうちMg、Ca、Ba、Sr、Cu、Snから選ばれる2価の元素であってもよい。Gが2価の元素である場合、キャリアイオンが増加しイオン伝導度が高く還元側の電位窓が広い固体電解質となる。Gは特に、Mgおよび/またはCaが好ましい。
式(1)におけるGは、上記のうちAl、Y、In、Au、Biから選ばれる3価であってもよい。Gが3価の元素である場合、キャリアイオンが増加しイオン伝導度の高い固体電解質となる。Gは特に、In、Au、Biからなる群から選択されるいずれかであることが好ましい。
式(1)におけるGは、上記のうち4価の元素であるZr、Hf、Snであってもよい。Gが4価の元素である場合、イオン伝導度の高い固体電解質となる。Gは特に、Hfおよび/またはZrを含むことが好ましい。
式(1)におけるGは、上記のうちNb、Sb、Taから選ばれる5価の元素であってもよい。Gが5価の元素である場合、ホールが形成されキャリアイオンが移動しやすくなるためイオン伝導度の高い固体電解質となる。Gは特に、Sbおよび/またはTaを含むことが好ましい。
式(1)におけるGは、上記のうち6価の元素であるWであってもよい。Gが6価の元素である場合、イオン伝導度の高い固体電解質となる。
式(1)におけるDは、必要に応じて含有される元素である。DはCO、SO、BO、PO、NO、SiO、OH、Oからなる群から選択される少なくとも1種である。固体電解質がDを含むと、固体電解質の還元側の電位窓が広いものとなる。Dは、SO、BO、COからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、特にSOであることが好ましい。DとEとの間の共有結合性が強いと、EとXとの間のイオン結合も強くなる。このため、化合物中のEが還元されにくく、還元側の電位窓が広い化合物になるものと推定される。
式(1)におけるXは、必須の元素である。Xは、F、Cl、Br、Iからなる群から選択される少なくとも1種以上である。Xは、価数当たりのイオン半径が大きい。固体電解質がXを含むことにより、固体電解質内におけるリチウムイオンの電導度が高まる。固体電解質のイオン伝導度を高めるためには、XはClを含むことが好ましい。固体電解質の耐酸化性および耐還元性のバランスを高めるためには、XはFを含むことが好ましい。
固体電解質の還元耐性を高めるためにはXはIを含むことが好ましい。
式(1)において、n=(Eの価数)-(Gの価数)としたときa=nbである。式(1)においてb=0の場合(Gを含まない場合)は、a=0である。式(1)において、aはGの価数に応じて決定される上記の数値である。
式(1)において、bは0以上0.5未満である。式(1)で表される固体電解質は、Eを必須元素として含む一方、Gは含まなくてもよい。bが0.1以上であれば、固体電解質がGを含むことで得られる効果を十分に得られる。またbが0.5未満であると、Gの含有量が多すぎることにより、固体電解質のイオン伝導度が低下することを抑制できる。bは0.45以下であることが好ましい。
式(1)において、cは0以上5以下である。したがって、Dは、固体電解質に含まれていなくてもよい。式(1)で表される化合物にDが含まれている場合、cは0.1以上であることが好ましい。cが0.1以上であると、Dを含むことによるイオン伝導度向上効果が十分に得られる。Dの含有量が多すぎることに起因する固体電解質のイオン伝導度の低下が生じないように、cは5以下であり、2.5以下であることが好ましい。
式(1)において、dは、0より大きく6.1以下である。dが6.1以下であると、Xの含有量が多すぎることにより固体電解質のイオン伝導度が低下することを抑制できる。
式(1)において、eは、0以上2以下である。式(1)が0<eを満たすと、式(1)で表される化合物に含まれるLi含有量およびX含有量が適正となり、固体電解質のイオン伝導度が高まる。式(1)がe≦2を満たすと、式(1)で表される化合物に含まれるLi含有量およびX含有量が不足することにより固体電解質のイオン伝導度が低下することを抑制できる。
電位窓が広く、イオン伝導度の高い固体電解質を得るために、式(1)で表される固体電解質は、EがZrでありXがClであることが好ましい。具体的には、式(1)で表される化合物は、イオン伝導度と電位窓のバランスが良好な固体電解質となるため、LiZrClまたはLiZrSOClであることが好ましい。
上記金属石鹸や上記層状無機材料は、潤滑効果を発現して、粉体(粉末)の流動性を向上させ、擦り切るときの引きずられる現象を抑制し、固体電解質層の重量バラつきを低減させる。
上記金属石鹸は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウム、及び、ラウリン酸カドミウムからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であってもよい。
上記層状無機材料は、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、フッ化黒鉛、窒化ホウ素、マイカ、タルクからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であってもよい。上記層状無機材料には、グラファイトやグラフェンなどの炭素のみからなる層状無機材料は含まないものとする。
上記機金属石鹸及び層状無機材料のうち、固体電解質層15に含まれるもの(金属石鹸及び層状無機材料の両方を含む場合はその両方)の重量が固体電解質層15の重量に対して0.1~5.0wt%であることが好ましい。
添加量が0.1wt%以上であると、固体電解質層15の重量のバラつきの抑制効果が大きく、その結果として充放電レート特性のバラつき抑制の効果が大きく、また、5.0wt%以下であると、充放電レート特性に寄与しない添加物の量の増大を抑制できる。
固体電解質層15は、その重量の標準偏差(σ)を固体電解質層15の重量の平均値(μ)で割った比率(S)が0.1以下であることが好ましい。
S値が0.1以下であると、充放電レート特性のバラつきが十分に低減される。
酸化物系材料の固体電解質は、例えば、ペロブスカイト型化合物、リシコン型化合物、ガーネット型化合物、ナシコン型化合物、ガラス化合物、リン酸化合物等がある。
La0.5Li0.5TiOは、ペロブスカイト型化合物の一例である。Li14Zn(GeOは、リシコン型化合物の一例である。Li7LaZr12はガーネット型化合物の一例である。LiZr(PO、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO3、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO、Li1.55Al0.2Zr1.7Si0.259.7512、Li1.4Na0.1Zr1.5Al0.5(PO、Li1.4Ca0.25Er0.3Zr1.7(PO3.2、Li1.4Ca0.25Yb0.3Zr1.7(PO3.2は、ナシコン型化合物の一例である。LiO-V-SiOは、ガラス化合物の一例である。LiPO、Li3.5Si0.50.5、Li2.9PO3.30.46はリン酸化合物の一例である。
硫化物系材料の固体電解質は、例えば、Li3.25Ge0.250.75(結晶)、Li10GeP12(結晶、LGPS)、LiPSCl(結晶、アルジロダイト型)、Li9.54Si1.741.4411.7Cl0.3(結晶)、Li3.250.95(ガラスセラミックス)、Li11(ガラスセラミックス)、70LiS・30P(ガラス)、30LiS・26B・44LiI(ガラス)、50LiS・17P・33LiBH(ガラス)、63LiS・36SiS・LiPO(ガラス)、57LiS・38SiS・5LiSiO(ガラス)である。
ハロゲン化物系材料の固体電解質は、例えば、LiZrCl、LiYCl、LiZrSOCl、LiZr(PO1/3Cl、LiZr(CO1/2Cl、LiZrOClである。またこれらのClを、F、Br、Iと置き換えたものでもよい。
固体電解質層15は、上記固体電解質材料や式(1)で表される固体電解質以外の物質を含んでもよい。例えば、固体電解質層15は、アルカリ金属元素の酸化物又はハロゲン化物、遷移金属元素の酸化物又はハロゲン化物等を含んでもよい。また固体電解質層15は、結着材を有してもよい。結着材は、上述のものと同様である。
正極活物質層11B、負極活物質層13B、固体電解質層15のうち少なくとも1つは、非水電解液、イオン液体、ゲル電解質が含まれてもよい。これらの物質が上記のいずれかに含まれると、電池特性の一つであるレート特性が改善する。
外装体20は、例えば、金属箔と、金属箔22の両面に積層された樹脂層24と、を有する(図2参照)。外装体20は、金属箔を高分子膜(樹脂層)で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムである。金属箔22は、例えばアルミ箔である。樹脂層24は、例えば、ポリプロピレン等の高分子膜である。樹脂層24は、内側と外側とで異なっていてもよい。例えば、外側の樹脂層として、融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)等を用い、内側の樹脂層として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等、耐熱性、耐酸化性、耐還元性の高いものを用いることができる。
「固体電解質の製造方法」
式(1)で表される固体電解質の製造方法について説明する。固体電解質は、目的とする組成となるように所定のモル比で原料粉末を混合、反応させることで得られる。反応させる方法は問わないが、メカノケミカルミリング法、焼結法、溶融法、液相法、固相法などを用いることができる。
固体電解質は、例えばメカノケミカルミリング法により製造できる。
まず、遊星ボールミル装置を準備する。遊星ボールミル装置は、専用容器にメディア(粉砕またはメカノケミカル反応を促進するための硬いボール)と材料を投入し、自転および公転を行い、材料を粉砕または材料同士のメカノケミカル反応を起こさせる装置である。専用容器としてはジルコニア製の容器を、メディアとしてはジルコニアボールを用いることができる。
アルゴンガスを循環させたグローブボックス内で、ジルコニア製の容器に、所定量のジルコニアボールを用意する。目的の化合物を安定して合成する観点からグローブボックス内の露点は、-30℃以下-90℃以上とすることが好ましい。グローブボックス内の酸素濃度は、例えば、1ppmv以下とする。
次いで、目的とする組成となるように、ジルコニア製の容器に、所定のモル比で所定の原材料と、ジルコニアボールとを投入し、ジルコニア製の蓋で密閉する。原材料は粉末であっても液体であっても良い。例えば塩化チタン(TiCl)および塩化すず(SnCl)などは、常温で液体である。次に所定の自転および公転速度において所定時間、メカノケミカルミリングを行うことで、メカノケミカル反応を起こす。この方法により、目的の組成を有する化合物からなる粉末状の固体電解質を得ることができる。
「全固体電池の製造方法」
次いで、本実施形態にかかる全固体電池の製造方法について説明する。本実施形態にかかる全固体電池の蓄電素子10は、粉末成形法を用いて作製される。粉末成形法は、露点が-20℃以下-90℃以上の環境で行う。粉末形成法は、露点が-30℃以下-85℃以上の環境で行うことが好ましい。粉末形成法は、例えば、グローブボックス内の露点を調整して行う。
(粉末成形法)
まず、中央に貫通穴を有する金属ホルダー(例えば、ダイス鋼製)と、下パンチと、上パンチとを用意する。金属ホルダーの代わりに樹脂ホルダーを用いてもよい。金属ホルダーの貫通穴の直径は例えば10mmとし、下パンチ及び上パンチの直径は例えば9.99mmとする。金属ホルダーの貫通穴の下から下パンチを挿入し、金属ホルダーの開口側から、粉末状の固体電解質を投入する。次いで投入した粉末状の固体電解質の上に上パンチを挿入し、プレス機に載置し、プレスする。プレスの圧力は、例えば、373MPaとする。粉末状の固体電解質は、金属ホルダー内で上パンチと下パンチとでプレスされることで、固体電解質層15となる。
次いで、上パンチを一旦取り外し、固体電解質層15の上パンチ側に、正極活物質層の材料を投入する。その後、再度、上パンチを挿入し、プレスする。プレスの圧力は、例えば、373MPaとする。正極活物質層の材料は、プレスにより正極活物質層11Bとなる。
次いで、下パンチを一旦取り外し、固体電解質層15の下パンチ側に、負極活物質層の材料を投入する。例えば、試料を上下逆にして、正極活物質層11Bと対向するように、固体電解質層15上に、負極活物質層の材料を投入する。その後、再度、下パンチを挿入し、プレスする。プレスの圧力は、例えば、373MPaとする。負極活物質層の材料は、プレスにより負極活物質層13Bとなる。
次いで、上パンチを一度取り外し、正極活物質層11Bの上に正極集電体11A、上パンチの順に挿入する。また下パンチを一度取り外し、負極活物質層13Bの上に負極集電体13A、下パンチの順に挿入する。正極集電体11A、負極集電体13Aは例えば直径10mmのアルミニウム箔や銅箔とする。上記手順を経て、正極集電体11A/正極活物質層11B/固体電解質層15/負極活物質層13B/負極集電体13A、本実施形態の蓄電素子10が得られる。
蓄電素子10は、必要に応じて、4か所にねじ穴を有するステンレス製円板およびベークライト製円板で、ステンレス製円板/ベークライト製円板/上パンチ/蓄電素子10/下パンチ/ベークライト製円板/ステンレス製円板の順序で積載し、4か所のネジを締めしてもよい。当該構成とすると、上パンチと正極集電体11A、正極集電体11Aと正極活物質11B、下パンチと負極集電体13A、負極集電体13Aと負極活物質13B、との間のそれぞれの接合性が向上する。蓄電素子10は、保形機能を有する類似した機構であってもよい。
次いで、上パンチ、下パンチそれぞれの側面に設けたネジ穴にネジを差し込み、外部端子12、14を取り付けた外装体の中に挿入し、上パンチ、下パンチ側面に取り付けたそれぞれのネジと外部端子12、14とをリード線等で接続する。その後、外装体20内に収容する。外装体20により全固体電池100の耐候性が向上する。
次いで、外装体20の開口部を一つ残しそれ以外はヒートシールする。その後、残った開口部を外装体20の内部を真空引きしながらヒートシールする。真空引きしながらヒートシールすることで、正極集電体11Aと正極活物質層11Bとの間、または負極集電体13Aと負極活物質13Bとの間に空間が形成されることを抑制した状態で密封できる。
また、収容空間Kに存在する気体および水分が少ない状態で、外装体20を密閉できる。
上述した蓄電素子10の製造方法は、粉末成形法を用いた場合を例に挙げて説明したが、樹脂を含有させたシート成型方法で製造してもよい。シート成型方法も、グローブボックス内で作製される。
[実施例1]
アルゴンガスを循環している露点-99℃、酸素濃度1ppmのグローブボックス内で固体電解質の合成および全固体電池の作製を行った。
(1)固体電解質の作製
まず原料粉として、LiSOと、ZrClとをモル比で1:1となるように秤量した。次いで、秤量した原料粉をZr容器内に直径5mmのZrボールとともに入れ、遊星型ボールミルを用いてメカノケミカルミリング処理を行った。処理は、回転数500rpmの条件で、50時間混合し、その後200μmメッシュの篩にかけた。これにより固体電解質としてLiZrClSOの粉末を得た。
さらに、LiZrClSOの重量に対して、0.05重量%のステアリン酸亜鉛(Zn St.)を添加して、めのう乳鉢とめのう乳棒で混合して、固体電解質合剤とした。
(2)正極合剤の作製
コバルト酸リチウム(LiCoO):LiZrClSO:カーボンブラック=77重量部:18重量部:5重量部になるように秤量し、めのう乳鉢とめのう乳棒で混合して、正極合剤とした。
(3)負極合剤の作製
チタン酸リチウム(LiTi12):LiZrClSO:カーボンブラック=72重量部:22重量部:6重量部になるように秤量し、めのう乳鉢とめのう乳棒で混合して、負極合剤とした。
(4)固体電解質成形体の作製及び重量測定
直径10mmの金属ホルダー(材質:ダイス鋼(SKD材))と、直径9.99mmの上パンチおよび下パンチ(材質:ダイス鋼(SKD材))とからなる治具を用いた。金属ホルダーに下パンチを挿入し、下パンチの上に(1)で得た固体電解質合剤を静かに溢れるまで充填した後、金属ホルダーの上端面から盛り上がった部分を摺り切り板で除去した。次いで、固体電解質合剤の上に上パンチを挿入した。この治具をプレス機に載置し、プレスする。プレスの圧力は、例えば、373MPaとした。こうして、固体電解質成形体を作製した。次いで、固体電解質成形体を取り出して重量を測定した。同様にして、10個の固体電解質成形体を作製してそれぞれの重量を測定した。
(5)全固体電池の作製
上記治具の樹脂ホルダーに、樹脂ホルダー貫通穴の下から下パンチを挿入し、樹脂ホルダーの開口側から固体電解質層成形体を投入した。
次いで、樹脂ホルダーの開口側から固体電解質層成形体(上パンチ側)の上に正極合剤を投入し、その上に上パンチを挿入した。このユニットをプレス機に静置し、圧力373MPaで成形した。次にこのユニットを取り出し、上下を逆にして下パンチを取り外した。
次いで固体電解質層成形体(下パンチ側)の上に負極合剤を投入し、その上に下パンチを挿入し、このユニットをプレス機に静置し、圧力373MPaで成形した。
次いで、上パンチを一度取り外し、正極活物質層の上に正極集電体(アルミニウム箔、直径10mm、厚さ20um)、上パンチの順に挿入した。また下パンチを一度取り外し、負極活物質層の上に負極集電体(銅箔、直径10mm、厚さ10um)、下パンチの順に挿入しユニットを得た。このように、正極集電体/正極活物質層/固体電解質層/負極活物質層/負極集電体からなる蓄電素子を作製した。
その後、4か所にねじ穴を有する直径50mm、厚み5mmのステンレス製円板およびベークライト製円板を用意し、次のように電池要素をセットした。ステンレス円板/ベークライト円板/蓄電素子/ベークライト円板/ステンレス円板の順序で積載し、4か所のネジを締めユニットを作製した。なお、上パンチ、下パンチの側面のネジ穴には、外部端子接続用のネジを差し込んだ。
次に、得られた蓄電素子を外装体に収容した。蓄電素子の収容は、露点-50℃のドライルームで行った。
上記ユニットを封入する外装体として、A4サイズのアルミニウムラミネート袋を用意した。アルミラミネート袋の開口部の一辺に、外部端子として、無水マレイン酸をグラフト化したポリプロピレン(PP)を巻き付けたアルミニウム箔(幅4mm、長さ40mm、厚み100μm)と、ニッケル箔(幅4mm、長さ40mm、厚み100μm)とを短絡が生じないように間隔をあけて熱接着した。外部端子を取り付けたアルミラミネート袋の中に、蓄電素子を挿入し、上パンチ側面のネジと外装体内部に伸びたアルミニウム端子、下パンチ側面のネジと外装体内部に伸びたニッケル端子とをリード線で接続した。
(8)評価
固体電解質層重量のS値、放電レート特性のS値の測定結果を表1に示す。
表1において、添加剤種の欄の「St.」はステアリン酸を意味し、また、「Lau.」は、ラウリン酸を意味する。また、添加量は、固体電解質層の重量に対する添加剤重量の割合(wt%)である。なお、実施例及び比較例のそれぞれにおいて、正極及び負極で添加剤重量の割合(wt%)は同じにした。
また、固体電解質層の重量のS値は以下のように計算される;
固体電解質層重量のS値=標準偏差(σ)/固体電解質層の重量の平均値(μ)
ここで、固体電解質層重量はプレスによって作製された固体電解質層成形体の重量である。固体電解質層の重量の平均値(μ)及び標準偏差(σ)は、プレスによって作製された10個の固体電解質層成形体の重量の平均値及び標準偏差である。
また、放電レート特性のS値は以下のように計算される;
まず、全固体電池を4.2Vまで、0.1C定電流充電にて行い、定電圧後、0.05C相当の電流になるまで充電した。次いで、2.8Vまで0.1Cの定電流で放電した。
次に、全固体電池を4.2Vまで、0.1C定電流充電にて行い、定電圧後、0.05C相当の電流になるまで充電した。次いで、2.8Vまで0.1Cの定電流で放電し、0.1C放電容量を得た。次に、全固体電池を4.2Vまで、0.1C定電流充電にて行い、定電圧後、0.05C相当の電流になるまで充電した。次いで、2.8Vまで1.0Cの定電流で放電し、1.0C放電容量を得た。0.1C放電容量に対する1C放電容量の比率(1C放電容量/0.1C放電容量の維持率)を放電レート特性として算出した。
放電レート特性のS値=標準偏差(σ)/放電レート特性の平均値(μ)
放電レート特性のS値は、プレスによって作製された10個の固体電解質成形体を用いて作製されたそれぞれの全固体電池で得られた放電レート特性の平均値(μ)及び標準偏差(σ)から得られる。
Figure 2023161502000002
[実施例2~7]
実施例2~7は、添加剤の量が異なる以外は実施例1と同様の条件で作製したものであり、その結果を表1に示す。
[実施例8~23]
実施例8~23は、添加剤の種類及び添加剤の量が異なる以外は実施例1と同様の条件で作製したものであり、その結果を表1に示す。
[比較例]
比較例は、添加剤を含まない以外は実施例1と同様の条件で作製したものであり、その結果を表1に示す。
表1からわかるように、重量のS値は放電レート特性のS値とよく一致していた。従って、重量のS値が小さくなる条件によって全固体電池を作製することによって、放電レート特性のバラつきを低減することができることがわかった。
添加剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム及び二硫化モリブデンが最も放電レート特性のバラつきが抑制できることがわかった。
添加剤の量は、0.1~0.5wt%のときに高い放電レート特性のバラつき抑制効果が得られることがわかった。
重量のS値が0.1以下であるときに、十分な放電レート特性バラつき抑制効果が得られることがわかった。
11…正極、11A…正極集電体、11B…正極活物質層、12…外部端子、13…負極、13A…負極集電体、13B…負極活物質層、14…外部端子、15…固体電解質層、10…蓄電素子、20…外装体、22…金属箔、24…樹脂層24、K…収容空間、100…全固体電池

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される固体電解質と金属石鹸及び層状無機材料の少なくとも一方とを有することを特徴とする固体電解質層;
    Li3+a-e1-bd-e・・・(1)
    (式中EはAl、Sc、Y、Zr、Hf、ランタノイドからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、
    Gは、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、B、Si、Al、Ti、Cu、Sc、Y、Zr、Nb、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Au、Biからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、
    Dは、CO、SO、BO、PO、NO、SiO、OH、Oからなる群から選択される少なくとも一つの基であり、
    Xは、F、Cl、Br、Iからなる群から選択される少なくとも1種以上であり、n=(Eの価数)-(Gの価数)としたとき、a=nb、0≦b<0.5、0≦c≦5、0<d≦6.1、0≦e≦2である。)
  2. 前記金属石鹸は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カドミウムから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質層。
  3. 前記金属石鹸または層状無機材料の重量が前記固体電解質層の重量に対して0.1~5.0wt%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質層。
  4. 前記固体電解質層の重量の標準偏差(σ)を前記固体電解質層の重量の平均値(μ)で割った比率(S)が0.1以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質層。
  5. 正極及び負極と、請求項1又は2に記載の固体電解質層とを有する全固体電池。
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