JP2023158317A - 歯ブラシ及び歯ブラシの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯間部などの細部への挿入性に優れ、かつ先端側の上記変形が防止され、歯面等の刷掃性にも優れる歯ブラシ、すなわち細部挿入性と刷掃性を両立できる歯ブラシを提供せんとする。【解決手段】ブラシ毛2が、先端に向かって断面積が徐々に減少する第1テーパー部21と、第1テーパー部21の先端位置h1からブラシ毛先端2aに至る領域に形成される第2テーパー部22とを有しており、第2テーパー部22は、第1テーパー部21との境界位置h1で断面積の減少率が非連続的に変化し、当該境界位置h1から先端に向かって断面が第1テーパー部21の減少率よりも大きい減少率で減少していくテーパー形状とされている。【選択図】図2

Description

本発明は、先細のテーパー形状を有するブラシ毛からなる歯ブラシに関する。
この種の歯ブラシとしては、従来から、ブラシ毛を溶解可能な薬剤中に浸漬する化学溶解により、先細のテーパー形状に加工するもの(例えば、特許文献1参照。)や、ブラシ毛の先端部分を研磨ディスクに押し当てる機械研磨(グラインド)により、先細のテーパー形状に加工するもの(例えば、特許文献2参照。)などが提供されている。前者の化学溶解によるものは、後者の機械研磨によるものに比べ、先端側の比較的長い領域をテーパー形状に加工することが容易であり、歯間部などの細部への挿入性により優れたものを提供できる傾向にある。
しかしながら、このように先端側の長い領域にテーパー形状が形成されたものは、とくに先端側が過度に細長い形状となるため、製造後又は使用後に、先端側が曲がった状態に変形(まっすぐに戻らずに曲がった状態を維持する塑性変形)してしまうという問題があった。このように先端が曲がってしまうと、ブラシ毛が歯面に適切に当たらなくなり、刷掃性が低下するといった問題があった。
特公昭57-48661号公報 特開2021-65272号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、歯間部などの細部への挿入性に優れ、かつ先端側の上記変形が防止され、歯面等の刷掃性にも優れる歯ブラシ、すなわち細部挿入性と刷掃性を両立できる歯ブラシを提供する点にある。
本発明者は、かかる現況に鑑み、鋭意検討した結果、従来の化学溶解によるテーパー形状が、その断面積が先端に向かってほぼ一定の割合で減少する傾向にあり、そのために、全体として細部への挿入性に優れる反面、先端付近が過度に細長く、曲がった状態に変形しやすくなっていることに着目し、変形しやすい先端付近のみ、その断面積の減少率が大きくなる形状に変更できれば、優れた細部挿入性を維持しつつ、変形してしまうことを防止し、歯面等の刷掃性を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 植毛台に、複数本のブラシ毛の束で成る毛束が複数植設された歯ブラシであって、前記ブラシ毛として、先端に向かって断面積が徐々に減少する第1テーパー部と、第1テーパー部の先端位置からブラシ毛先端に至る領域に形成され、第1テーパー部との境界位置で断面積の減少率が非連続的に変化するとともに、当該境界位置から先端に向かって断面が前記第1テーパー部よりも大きく減少していく第2テーパー部とを有するブラシ毛を含む、歯ブラシ。ここに、断面積の減少率とは、先端に向かって軸方向単位長さあたりで断面積が減少する割合をいう。
(2) 前記第1テーパー部の外周面は、化学溶解表面である、(1)記載の歯ブラシ。
(3) 前記第2テーパー部は、先端に向かって減少する断面積の当該減少率が、次第に大きくなるテーパー構造である、(1)又は(2)記載の歯ブラシ。
(4) 前記第2テーパー部の外周面は、機械研磨表面である、(1)記載の歯ブラシ。
(5) 前記ブラシ毛を複数有し、各ブラシ毛の先端から軸方向に0.1mm離間した位置の毛直径の平均値が、0.04mm以上である、(1)記載の歯ブラシ。
(6) 前記ブラシ毛を複数有し、各ブラシ毛の毛丈(mm)の分散が0.01~0.06である、(1)記載の歯ブラシ。
(7) 前記第1テーパー部及び第2テーパー部を有するブラシ毛は、先端から軸方向に0.5mm離間した外形線上の2点と、先端から軸方向に1mm離間した外形線上の2点について、軸に対して同じ側にある前記0.5mm離間した点と前記1mm離間した点とを結ぶ2本の直線、及び前記1mmの位置の2点を結ぶ線分で囲まれる三角形の面積(A)と、同じく1mm離間した2点を結ぶ線分、及び該線分より先端側の外形線とで囲まれる面積(B)との比(A/B)が、1.2~2.3である、(1)~(4)の何れか1項に記載の歯ブラシ。
(8) 植毛台に、複数本のブラシ毛の束で成る毛束が複数植設された歯ブラシの製造方法であって、前記ブラシ毛として、先端に向かって断面積が徐々に減少するテーパー部を形成し、該テーパー部の先端部分を切断除去し、前記テーパー部の切断後の残部のうち、先端の切断面から途中部までの領域を、断面が該領域より基端側の領域よりもより大きく減少する第2のテーパー部を形成し、前記基端側の領域の第1のテーパー部と前記第2のテーパー部とを有するブラシ毛を形成する歯ブラシの製造方法。
(9) 前記先端部分の切断除去前の前記テーパー部を、化学溶解により形成し、前記第2のテーパー部を、機械研磨により形成する、(8)記載の歯ブラシの製造方法。
以上にしてなる本願発明の歯ブラシは、細部挿入性および刷掃性を両立することができる。
本発明の代表的実施形態にかかる歯ブラシを示す説明図。 (a)は同じく歯ブラシのブラシ毛を示す説明図、(b)は先端部分の拡大図。 同じく歯ブラシのブラシ毛の要部を示す説明図。 同じく歯ブラシのブラシ毛の加工手順を示す説明図。 (a)は実施例1、2、比較例1~3の植毛配列を示す説明図、(b)は比較例4の植毛配列を示す説明図。 ブラッシング後の額模型を撮影した写真の例。 歯面、歯間部のプラーク除去率を示すグラフ。 為害性評価試験の結果を示す写真。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
本発明の歯ブラシ1は、図1に示すように、植毛台10に、複数本のブラシ毛2の束で成る毛束11が複数植設されたものである。本発明では、図2に示すように、ブラシ毛2が、先端に向かって断面積が徐々に減少する第1テーパー部21と、第1テーパー部21の先端位置h1からブラシ毛先端2aに至る領域に形成される第2テーパー部22とを有しており、とくに、第2テーパー部22は、第1テーパー部21との境界位置h1で断面積の減少率が非連続的に変化し、当該境界位置h1から先端に向かって断面が第1テーパー部21の減少率よりも大きい減少率で減少していくテーパー形状とされている。
このような本発明の歯ブラシ1によれば、第1テーパー部21により細部への挿入性に優れたブラシ毛とすることができ、同時に、第1テーパー部21の減少率よりも大きい減少率で減少していく第2テーパー部22を設けたことで、先端側の曲がり変形に対する耐久性が得られ、歯間等の細部への挿入性に加え、歯面等の刷掃性も向上できるものである。
本実施形態では、毛束11が植設された植毛台10を有するヘッド部12とハンドル13と(首部と)が合成樹脂で一体成形された手動の歯ブラシを例示しているが、駆動機構を内蔵する把持部としての本体部の先端側に、ヘッド部及び首部からなる歯ブラシ清掃体が接続される電動の歯ブラシでもよく、その他の形態でも勿論よい。合成樹脂の種類も特に限定されない。
ブラシ毛2の第1テーパー部21は、先端に向かって減少する断面積の減少率が略一定のテーパー構造であることが、優れた細部挿入性を維持できる点で好ましい。このような第1テーパー部21は、化学溶解により容易に得ることができる。
第2テーパー部22は、先端に向かって減少する断面積の当該減少率が、次第に大きくなる外凸形状のテーパー構造であることが、曲がり変形をより確実に防止できる点で好ましい例である。このような第2テーパー部22は、機械研磨により容易に得ることができる。
このような第2テーパー部22の領域R2は、好ましくは、先端から軸方向に0.05mm~2.0mmの長さの領域に形成されることが好ましい。ただし、このような第2テーパー部22の領域の長さは、ブラシ毛の全周にわたり同じ長さである必要はなく、たとえば第1テーパー部21との境界が周方向に沿って波状に変動する形態のものでもよい。このように周方向に長さが変動する場合、上記長さの値は全周の平均(具体的には周方向に等間隔の複数位置で算出する長さの平均)で考えることとする。
また、ブラシ毛2の先端側(先端から1mm付近まで)の外形形状は、次のような条件を満たすことが好ましい形状である。すなわち、図3に示すように、ブラシ毛の側方から見た輪郭につき、先端から軸方向に0.5mm離間した外形線上の2点(a1,a2)と、先端から軸方向に1mm離間した外形線上の2点(b1,b2)について、軸に対して同じ側にある0.5mm離間した点と1mm離間した点とを結ぶ2本の直線(a1とb1を結ぶ直線L1,a2とb2を結ぶ直線L2)、及び前記1mmの位置の2点(b1、b2)を結ぶ線分(L3)で囲まれる三角形(図3でドットを付した部分の外形)の面積(A)を算出する。
次に、同じく1mm離間した2点(b1、b2)を結ぶ線分(L3)、及び該線分L3より先端側の外形線とで囲まれる形(図3でハッチングを付した部分の外形)の面積(B)を算出する。これら面積A,Bの比(A/B)が、1.2~2.3となる形状が好ましい。この比(A/B)が1.2より小さいと、先端側が過度に細長い形状となり、毛腰が弱くなり歯面のプラーク除去率が著しく低下し、変形してしまう可能性も高まってしまう。上記比(A/B)が2.3より大きくなると、毛先が太い形状となり、歯間等の細部への挿入性が著しく低下する。
なお、上記面積比(A/B)の条件についても、ブラシ毛の周方向にわたって同じ数値になる必要はなく、上述のように第1テーパー部21との境界が周方向に沿って波状に変動する形態のものでは、外形の輪郭や面積比は周方向の位置によって変動しうる。この場合、上述の第2テーパー部の長さの場合と同様、面積比(A/B)の値は全周の平均(具体的には周方向に等間隔の複数位置の側方から見た各輪郭形状に基づき算出される各面積比(A/B)の平均)で考えることとする。
次に、図4に基づき、ブラシ毛2の加工手順を説明する。まず、(a)に示すストレート状のフィラメント200に対し、(b)に示すように先端に向かって断面積が徐々に減少するテーパー部を形成する。具体的には、好ましくはストレートのフィラメント200を溶解可能な薬剤中に浸漬する化学溶解により、先端側の長い領域R1を、先細のテーパー形状に加工する。
次に、(c)に記載のように、テーパー部の先端部分を切断除去する。切断する位置は、第2テーパー部の先端、すなわちブラシ毛の先端2aとなる位置h2またはその近傍とする。
次に、切断された切断面から途中部までの領域R2を、断面が基端側の領域R3よりもより大きく減少する第2のテーパー部22に加工する。具体的には、好ましくは先端部分(切断した先端2aから第1テーパー部21までの境界となる位置h1までの領域R2)を研磨ディスクに押し当てる機械研磨(グラインド)により、先細の第2テーパー部22を形成する。
このようにして、基端側の領域R3の第1のテーパー部21と第2のテーパー部とを有するブラシ毛を形成することができる。なお、このようなブラシ毛の各テーパー部の加工(たとえば上記化学溶解や機械研磨)は、ヘッド部の植毛面に植毛する前に行うこともできるし、植毛後に行うこともできる。
毛束11は、植毛台10の植毛穴に対し、平線とともに打ち込んで植毛するものや、平線を使用せずに融着式やインモールド式などで毛束を立設したものでも勿論よい。ブラシ毛2の材質は、特に限定されず、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂などからなる人工毛でもよく、豚毛などの天然毛でもよい。化学溶解を用いる場合は、化学溶解の薬剤との組み合わせで適宜なものを選択できる。たとえば薬剤として、アルカリ剤を含む薬品を用いる場合はポリブチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートなどを用いることができる。
その他、ブラシ毛2の断面形状なども、公知の形態を広く採用できる。毛束50を構成するブラシ毛2の数や、毛束11の数、配列もとくに限定されない。以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施の例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
次に、本発明の実施例、比較例の歯ブラシのサンプル(実施例1、2、比較例1~4)について、清掃性評価試験を行った結果について説明する。
(実施例1)
ブラシ毛材として、長さ27mm、直径0.190mmの横断面円形のPBT製フィラメントを用いた。また、植毛台として、図5(a)に示す配列となるように、直径1.6mmの複数の植毛穴を形成してなる植毛台を用いた。
上記フィラメントを多数本束にして、化学溶解により両端に基本テーパー部を形成した後、23本ずつに分けて2つ折りにして、平線を用いて各植毛穴に植毛した。
植毛後の各ブラシ毛の毛丈は、ばらつきがあるが平均で10.7mmであった。
各毛の毛丈を揃えるため、約0.5mmほど切断し、毛丈10.2mmに揃えたうえ、機械研磨でさらに先端から0.1mmの領域に(全周にわたり略一定長さとなるように)第2テーパー部を形成した。
機械研磨後のブラシ毛の毛丈は、平均で9.7mmとなった(表1参照)。
(実施例2)
実施例1と同じくフィラメント両端を化学溶解して植毛した後、先端から約1.0mmほど切断して、毛丈9.7mmに揃えたうえ、機械研磨でさらに先端から0.1mmの領域に(全周にわたり略一定長さとなるように)第2テーパー部を形成した。
機械研磨後のブラシ毛の毛丈は、平均で9.6mmとなった。他の条件は実施例1と同じである(表1参照)。
(比較例1)
実施例1と同じくフィラメント両端を化学溶解して植毛した後、毛丈を揃えるための切断や機械研磨を行うことなく、これをブラシ毛とした。
ブラシ毛の毛丈の平均は10.7mmである。他の条件は実施例1と同じである(表1参照)。
(比較例2)
実施例1と同じくフィラメント両端を化学溶解して植毛した後、先端から約0.5mmほど切断して、毛丈10.2mmに揃え、機械研磨を行うことなく、これをブラシ毛とした。よって毛丈は10.2mmである。他の条件は実施例1と同じである(表1参照)。
(比較例3)
実施例1と同じくフィラメント両端を化学溶解して植毛した後、先端から約1.0mmほど切断して、毛丈を9.7mmに揃え、機械研磨を行うことなく、これをブラシ毛とした。よって毛丈は9.7mmである。他の条件は実施例1と同じである(表1参照)。
(比較例4)
ブラシ毛材として、直径0.190mmの横断面円形のナイロン製フィラメントを用いた。植毛台として、図5(b)に示す配列となるように、直径1.7mmの複数の植毛穴を形成してなる植毛台を用いた。
そして、植毛穴に一定長さに裁断した26本のフィラメントを2つ折りにして平線を用いて植設し、ブラシ毛の毛丈を9.5mmに切り揃えた後、機械研磨で先端から0.6mmの領域に(全周にわたり略一定長さとなるように)テーパー部を形成したブラシ毛からなる歯ブラシサンプル(比較例4)を製作した(表1参照)。
Figure 2023158317000002
実施例1、2、比較例1~4の各歯ブラシサンプルのブラシ毛の毛丈の平均(mm)、毛丈の分散、先端から0.1mmの毛直径の平均(mm)は、上記表1のとおりである。測定は、試験前に、各サンプルをマイクロスコープ(株式会社キーエンス社製VHX-6000)の測定台上に毛丈の全長が見えるように置き、20倍の倍率で各ブラシ毛の長さ、上記直径をブラシ毛全数について測定した。
(面積比(A/B)の測定)
また、試験後、実施例1、2、比較例1~4の各歯ブラシサンプルについて、ブラシ毛の上述の面積比(A/B)を測定した。測定は、まず各サンプルからブラシ毛を5本引き抜き、1本ずつ測定台に置いて、毛先にマイクロスコープ(株式会社キーエンス社製VHX-6000)(倍率:100倍)のピントを合わせて撮影した。そして、撮影した各ブラシ毛の画像について、図3のとおり、ブラシ毛の側方から見た輪郭につき先端から軸方向に0.5mm離間した外形線上の2点(a1,a2)と先端から軸方向に1mm離間した外形線上の2点(b1,b2)を特定し、上述のとおり直線、線分を設定して三角形の面積(A)、線分(L3)と該線分L3より先端側の外形線とで囲まれる面積(B)、及びその比(A/B)を算出し、5本の平均値を求めた。測定結果は上記表1に示す。
(清掃性評価試験)
歯ブラシのブラッシング圧及び移動速度を一定に保ちながら、固定した顎模型(株式会社ニッシン製D15-500H)の歯をブラッシングできるように設計されたブラッシングシミュレータを用いた。顎模型の上顎左側第一大臼歯に擬似プラークを塗布し、実施例、比較例それぞれブラッシングシミュレータにセットして、ブラッシング圧:150gf、ブラッシング速度:150rpm、ストローク幅:20mmにて、ブラッシング(歯並び方向への往復ブラッシング(横磨き))を行った。
ブラッシング後、顎模型を側方より撮影し、歯面および歯間における擬似プラーク除去率を画像解析にて算出した。図6は、実施例1でブラッシングした後の撮影結果である。解析した結果を表2および図7のグラフに示す。
Figure 2023158317000003
これら結果からわかるように、本発明にかかる実施例1、2の歯ブラシでは、歯面、歯間ともに優れた清掃性を有することがわかる。とくに、実施例1に比べて実施例2は、歯間部の除去率が向上した。これは、実施例2の方が面積比(A/B)が大きく、且つ先端から0.1mmの毛直径平均も高く、毛先の腰がより高いためと考えられる。
これに対し、従来からの化学溶解したブラシ毛である比較例1では、先端がカール変形してしまい、歯面に適切にあたりにくく、また歯間に挿入されにくくなり、清掃性が悪化した。上記面積比(A/B)は1.16であり、先端側が著しく細く、カールしやすいことがわかる。先端から0.1mmの毛直径平均も小さく、毛先の腰が十分でなく、歯面の清掃性が低い一因であると考えられる。また、毛丈の分散も0.089と高く、毛丈が不揃いであることが、歯面のプラーク除去性能の低下に影響したと考えられる。
化学溶解後に先端をカットし、機械研磨は行わなかった比較例2、3では、比較例1に比べ、歯面のプラーク除去性能が向上している。これは、上記面積比(A/B)が大きく、先端から0.1mmの毛直径平均も大きく、毛先の腰が維持されていることが一因であると考えられる。また、毛丈の分散が小さく毛丈が揃っていることも原因と考えられる。ただし、歯面の清掃性は実施例1、2に比べて低い。これは先端をカットしただけであるので、歯面と線接触してしまうことが原因と考えられる。歯間の清掃性については、比較例1に比べ、先端のカールが防止できる点で向上するが、実施例1、2に比べ、先端をカットしているだけであるため細部への挿入性が著しく低下してしまうことがわかる。
従来の機械研磨したブラシ毛である比較例4では、歯間清掃性はかなり低く、歯面清掃性も低かった。面積比(A/B)が3.73とかなり大きく、また先端から0.1mmの毛直径平均も0.09mmと大きく、毛先が太くなることで歯間への挿入性が著しく低下したことがわかる。
次に、上記実施例1、比較例1、2について、為害性評価試験を行った結果について説明する。
(為害性評価試験)
人の歯肉に見立てたゆでたまご(茹で時間:中火で10分)の白身部分の表面に、各歯ブラシのブラシを当て、一定の力(50g)をかけながら刷掃運動を行った。刷掃運動の条は50g前後の力にて1ストロークとした。
刷掃後の表面に、アクリル絵の具を塗り、3分時間を置いて水洗後、マイクロスコープ(株式会社キーエンス社製VHX-6000)にて撮影した。結果の写真を図8に示す。写真からわかるように、比較例2は歯や歯茎等に対する為害性がかなり高くなる。
1 歯ブラシ
2 ブラシ毛
2a 先端
10 植毛台
11 毛束
12 ヘッド部
13 ハンドル
21 第1のテーパー部
22 第2のテーパー部
50 毛束
200 フィラメント

Claims (9)

  1. 植毛台に、複数本のブラシ毛の束で成る毛束が複数植設された歯ブラシであって、
    前記ブラシ毛として、
    先端に向かって断面積が徐々に減少する第1テーパー部と、
    第1テーパー部の先端位置からブラシ毛先端に至る領域に形成され、第1テーパー部との境界位置で断面積の減少率が非連続的に変化するとともに、当該境界位置から先端に向かって断面が前記第1テーパー部よりも大きく減少していく第2テーパー部とを有するブラシ毛を含む、
    歯ブラシ。
  2. 前記第1テーパー部の外周面は、化学溶解表面である、請求項1記載の歯ブラシ。
  3. 前記第2テーパー部は、先端に向かって減少する断面積の当該減少率が、次第に大きくなるテーパー構造である、請求項1又は2記載の歯ブラシ。
  4. 前記第2テーパー部の外周面は、機械研磨表面である、請求項1記載の歯ブラシ。
  5. 前記ブラシ毛を複数有し、各ブラシ毛の先端から軸方向に0.1mm離間した位置の毛直径の平均値が、0.04mm以上である、請求項1記載の歯ブラシ。
  6. 前記ブラシ毛を複数有し、各ブラシ毛の毛丈(mm)の分散が0.01~0.06である、請求項1記載の歯ブラシ。
  7. 前記第1テーパー部及び第2テーパー部を有するブラシ毛は、
    先端から軸方向に0.5mm離間した外形線上の2点と、先端から軸方向に1mm離間した外形線上の2点について、軸に対して同じ側にある前記0.5mm離間した点と前記1mm離間した点とを結ぶ2本の直線、及び前記1mmの位置の2点を結ぶ線分で囲まれる三角形の面積(A)と、
    同じく1mm離間した2点を結ぶ線分、及び該線分より先端側の外形線とで囲まれる面積(B)との比(A/B)が、1.2~2.3である、
    請求項1記載の歯ブラシ。
  8. 植毛台に、複数本のブラシ毛の束で成る毛束が複数植設された歯ブラシの製造方法であって、
    前記ブラシ毛として、
    先端に向かって断面積が徐々に減少するテーパー部を形成し、
    該テーパー部の先端部分を切断除去し、
    前記テーパー部の切断後の残部のうち、先端の切断面から途中部までの領域を、断面が該領域より基端側の領域よりもより大きく減少する第2のテーパー部を形成し、
    前記基端側の領域の第1のテーパー部と前記第2のテーパー部とを有するブラシ毛を形成する
    歯ブラシの製造方法。
  9. 前記先端部分の切断除去前の前記テーパー部を、化学溶解により形成し、
    前記第2のテーパー部を、機械研磨により形成する、請求項8記載の歯ブラシの製造方法。
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