JP2023152715A - フェライト系ステンレス鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐発銹性に優れる高純度フェライト系ステンレス鋼板を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.02%以下、Si:1.00%以下、Mn:1.00%以下、P:0.040%以下、S:0.006%以下、Cr:10~30%、Al:0.01~0.20%、Ti:0.35%以下、Nb:0.70%以下、O:0.0005~0.010%、N:0.050%以下、Ca:0.0030%以下、Mg:0.008×[%Al]~0.003%を含有し、残部Feおよび不純物からなり、鋼板表面において、円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cm2未満であり、かつ、前記円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物のうち、MgO/Al2O3の質量比率が0.40以上である介在物の個数割合が50%以上であることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板。【選択図】図1

Description

本発明は、耐発銹性に優れる高純度フェライト系ステンレス鋼板に関するものである。
ステンレス鋼は一般に塗装等を行わず、無垢のまま実用に供されるものであるため、鋼材の表面に露出したCaSを起点とする発銹が問題になる。CaSの生成機構としては、溶鋼の凝固完了前に晶出するタイプと鋳片加熱時などの凝固完了後にCaOを含む介在物と母材のSが反応して生成するタイプが知られており、これらを抑制する取り組みとしては溶製条件の制御によるものが知られている。例えば、特許文献1は、[Ca]、[S]、[Al]、T.[O]濃度の組み合わせからなる式や鋼中の酸化物系介在物の成分CaO、MgO、Al、SiO、TiOの濃度の組み合わせからなる式を満たすように精錬を行うことでCaS生成を抑制して耐発銹性を高めることを特徴とする。特許文献2では、[Ti]、[N]、[Si]、[Al]、[Mo]、[Cr]濃度の組み合わせからなる式やCaOを含有する酸化物系介在物の表面に存在するTiNの存在割合を満たすように製錬してCaSを抑制して耐発銹性を高めることを特徴とする。
また、発銹にはCaSを含む介在物が鋼材の表面に露出していることが必要となる。介在物の露出形態や個数密度を制御する技術についても開示されている。特許文献3は、[Al]、[Ca]濃度を所定の範囲内で精錬し、鋳片の加熱温度と熱間圧延率を規定することで介在物を微細化し、表面品質に優れることを特徴とする。特許文献4では、鋼板表面に存在する非金属介在物の個数密度や、酸化物系介在物の組成CaO、MgO、CaO-Al、MgO-Alの個数比率、濃度を所定の範囲にするための精錬技術が開示されている。
特開2014-162948号公報 特開2020-164924号公報 特開平07-242824号公報 特開2020-033579号公報
特許文献1ではCaやSの濃度を比較的低めに制御しなければならないため、精錬負荷の増大によるコストアップが問題となる。
特許文献2ではTiの添加コストの増加が問題となる。
特許文献3ではCaSのような発銹起点となる硫化物に関する技術開示がなく、発銹に対して表面に露出した酸化物系介在物のサイズや個数密度の影響は検討されていない。また酸化物系介在物にMgを含まないためMgを含む酸化物系介在物の変形挙動は開示されていない。
特許文献4ではCaSのような発銹起点となる硫化物に関する技術開示がなく、発銹に対して表面に露出した酸化物系介在物のサイズや個数密度の影響は検討されていない。
以上の開示されている技術において溶製段階におけるCaSの生成抑制から、製品におけるCaとSを含む酸化物系介在物(CaとS含有酸化物系介在物)の露出形態や個数密度を制御した耐発銹性に優れる鋼板は検討されていない。本発明は上記現状の問題点に鑑み、耐発銹性に優れる高純度フェライト系ステンレス鋼板を提供することにある。
本課題に対し、発明者らは鋭意検討した結果、CaとSを含有する酸化物系介在物(CaとS含有酸化物系介在物)中に含まれるMgO-Alの生成を抑制することで冷延により表層に露出するCaとS含有酸化物系介在物の個数密度を減少させ、かつサイズも低減させることが耐発銹性に対して重要であると判明した。
その要旨は以下の通りである。
(1)質量%で、C:0.02%以下、Si:1.00%以下、Mn:1.00%以下、P:0.040%以下、S:0.006%以下、Cr:10~30%、Al:0.01~0.20%、Ti:0.35%以下、Nb:0.70%以下、O:0.0005~0.010%、N:0.050%以下、Ca:0.0030%以下、Mg:0.008×[%Al]~0.003%を含有し、残部Feおよび不純物からなり、鋼板表面において、円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cm未満であり、かつ、前記円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物のうち、MgO/Alの質量比率が0.40以上である介在物の個数割合が50%以上であることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板。
(2)更に、前記Feの一部に替えて質量%で、B:0.0001~0.0020%を含有することを特徴とする(1)に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
(3)更に、前記Feの一部に替えて質量%で、V:1.00%以下、Zr:0.005~0.50%、Ga:0.030%以下、Mo:2.00%以下、REM:0.01%以下、Ta:0.10%以下、Ni:0.10~2.00%、Sn:0.005~0.50%、Cu:2.00%以下、W:1.00%以下、Co:1.00%以下、Sb:0.30%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
CaとS含有酸化物系介在物を起点とした発銹の少ない高純度フェライト系ステンレス鋼を提供することができる。
円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度と発銹面積率の関係を示す図である。
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
まず、本発明を着想するに至った実験について述べる。CaSは鋳片の段階、つまり製鋼段階で生成を抑制したとしても、熱間圧延前の鋳片加熱時に母材中のSと介在物中のCaOが反応してCaSが生成する。CaSは単独では存在せず、CaO-Al、MgO-Alから成る酸化物系介在物の周囲にCaSが生成し、CaとSを含有する酸化物系介在物を構成している。個々の介在物の元素平均組成を評価したとき、CaとSとOを含有し、さらにAl、Mgなどを含有する介在物については、CaO、Al、MgOなどの酸化物系介在物の周囲にCaSが生成していることが観察された。そこで本発明では、個々の介在物の平均組成において、少なくともCa、S、Oを含有している介在物について、「CaとS含有酸化物系介在物」として特定することとした。介在物中のSがCaSを形成して酸化物系介在物の周囲に存在、残余のCaはCaOを形成して酸化物系介在物の一部となり、介在物中のAl、MgはAl、MgOとして酸化物系介在物の一部を構成する。
このCaとS含有酸化物系介在物は当然ながら鋼板表面に露出している場合に発銹起点となる。そこで、鋼板表面で観察されるCaとS含有酸化物系介在物を評価対象とする。
CaとS含有酸化物系介在物が発銹に及ぼす影響を調査した。実機製造設備にて、鋳片を加熱後に熱間圧延し、焼鈍後、酸洗した鋼板(4mmt)を冷間圧延し、仕上げ焼鈍を施した後、酸洗して鋼板(0.5mmt)を製造した。
<CaとS含有酸化物系介在物の組成>
発明者らは冷延工程において、CaとS含有酸化物系介在物が鋼板表面に更に露出すると考え、発銹試験を行った。発銹の判定は塩水噴霧試験後にマイクロスコープを用いて介在物を起点とする円相当径が0.5mm以上のさびを「発銹」とし、発銹面積率が5.0%未満の場合に「合格」とした。発銹起点は、鋼板表面に露出して圧延方向に展伸したCaとS含有酸化物系介在物であった。
さらに調査を進めると熱延焼鈍酸洗板の板厚比で冷延圧下率が50%以上において発銹判定が合格となる場合と不合格となる場合があることも判明した。その差について介在物組成の観点から究明を試みた。介在物の組成は鋼板表面に露出した介在物を無作為に100個抽出し、EDSを用いて分析した。鋼板表面に露出した介在物はCaとSとOを含有し、さらにAl、Mgなどを含有する介在物であって、CaとS含有酸化物系介在物であった。各介在物を16分割し、各分割ブロックにおいてSEM・EDS分析した半定量元素濃度[質量%]から、各分割ブロックでの構成化合物を特定したところ、対象とするCaとS含有酸化物系介在物は、化合物としてCaS、CaO-Al、MgO-Al、MgOを含むものであることが判明した。その鋼板を塩水噴霧試験に供してCaとS含有酸化物系介在物と発銹の関係を調査した。
<円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度:1.0個/cm未満>
円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度は発銹面積率と相関があり、図1に示す通り、前記円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cm以上の場合、発銹面積率の合格基準とする5.0%を超えるため、前記個数密度を1.0個/cm未満とした。好ましくは0.8個/cm未満、さらに好ましくは0.6個/cm未満、最も好ましくは0.5個/cm未満である。特に円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物を起点とする発銹は介在物一つ当たりに生成するさびの直径が1mm以上と大きく、さび面積率の増加を助長することから発銹面積率抑制には円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度低減が必要となる。
<円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物のうち、MgO/Al質量比率が0.40以上である介在物の割合:50%以上>
円相当径で4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物において、CaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cm未満であることに加え、MgO/Al質量比率が0.4以上の個数割合が50%以上の場合に発銹判定は「合格」であった。発銹の判定は塩水噴霧試験後にマイクロスコープを用いて介在物を起点とする円相当径が0.5mm以上のさびを「発銹」とし、発銹面積率が5.0%未満の場合に「合格」とした。発銹面積率の測定はマイクロスコープで観察した4cmの領域を画像解析してさびの面積を測定し、測定面積で除して算出した。
発銹試験において、鋼板表面に露出したCaとS含有酸化物系介在物に付随しているCaSに容易に塩水が到達し、発銹すると推定される。
円相当径で4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物において、MgO/Al比率が0.4以上の場合、硬質なMgO-Alより軟質なMgOの存在割合が大きく、冷延での破砕を促進し、鋼板表面に露出したとしても、前述の介在物の割合が50%以上の場合、円相当径が4μm未満となるCaとS含有酸化物系介在物が多くなるため、発銹面積率が抑制されると考えられる。MgO/Al比率0.40以上の介在物の割合は好ましくは52%以上、さらに好ましくは53%以上、最も好ましくは55%以上である。
一方、MgO/Al比率が0.4未満の場合、硬質なMgO-Alの存在割合が大きく、冷延で破砕され難いため鋼板表面に露出し、円相当径4μm以上であるCaとS含有酸化物系介在物が鋼板表面に多く残存するため、発銹面積率が増加し易くなると考えられる。
MgO/Al比率の算出方法について説明する。CaとSを含む酸化物系介在物を16分割し、各分割ブロックにおいてSEM・EDS分析した半定量元素濃度[質量%]を平均した介在物ごとのMg、Alの平均組成値からMgOおよびAl濃度へ換算する。このMgO、Al濃度の比からMgO/Al比率を求めた。製鋼段階で形成される酸化物中にはMgO-Alのスピネル、CaO-AlのスピネルもしくはMgOが晶出しており、MgO/Al比率が0.4以上の場合にはCaO-Al、MgO-Alの晶出が抑制され、MgOの晶出が促進された状態であると考えられる。
<鋼成分について>
上述したように本発明は介在物組成制御と介在物のサイズ、個数密度制御を主体とする溶鋼中成分制御に関するもので、一般的に製造されているフェライト系ステンレス鋼に適用可能なものである。以下に好適に用いることができる成分範囲を示す。
C:0.02%以下
Cは鋼板の成形性と耐食性を劣化させるため、その含有量は低く抑える必要があり、その含有量は0.02%以下とした。好ましくは0.015%以下である。さらに好ましくは0.012%、最も好ましくは0.010%以下である。尚、C含有量の過度の低減は精錬コストが増加するため、下限は0.002%以上が好ましい。
Si:1.00%以下
Siは、脱酸剤としても有用であるとともに、耐食性、高温強度および耐酸化性に対して有効な元素である。一方、Siは、加工性および酸洗性を劣化させるため、1.00%以下とした。好ましくは0.75%以下、さらに好ましくは0.60%以下、最も好ましくは0.50%以下である。Siよりも強力な元素であるAlで十分に脱酸が可能なため、添加する必要はないが、Al添加前に予備脱酸として用いる分には添加しても構わない。添加する場合、その効果を発現させるためには0.01%以上にするとよく、好ましくは0.05%以上にするとよい。
Mn:1.00%以下
Mnは脱酸に寄与する元素であるが、加工性を低下させる。加工性の低下を防ぐため、1.00%以下とする。好ましくは0.75%以下、さらに好ましくは0.50%以下、最も好ましくは0.45%以下である。一方、Mnよりも強力な元素であるAlで十分に脱酸が可能なため、添加する必要はないが、Al添加前に予備脱酸として用いる分には添加しても構わない。添加する場合、その効果を発現させるためには0.01%以上にするとよく、好ましくは0.05%以上にするとよい。
P:0.040%以下
Pは母材及び溶接部靭性を損なうため、上限を0.040%とした。好ましくは0.035%、さらに好ましくは0.033%、最も好ましくは0.030%である。一方、ステンレス鋼のP含有量を極度に低下させることは製造コストの上昇を招くため、P含有量の下限は0.010%が好ましい。
S:0.006%以下
SはCaSの生成を促進し、耐食性を劣化させるほか、溶接部の高温割れに悪影響を及ぼす有害な元素であるため、S含有量を0.006%以下とした。好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.0025%以下、最も好ましくは0.0020%以下である。
Cr:10~30%
Crはステンレス鋼に耐食性をもたらす重要な元素で、10%以上の添加が必要であり、好ましくは13%以上、さらに好ましくは15%以上、最も好ましくは17%以上にするとよい。その一方で多量の添加は加工性の低下を招くため、Cr含有量を30%以下とし、好ましくは27%以下、さらに好ましくは25%以下、最も好ましくは23%以下にするとよい。
Al:0.01~0.20%
Alは鋼を脱酸するために必要な元素であり、Sを0.006%以下にするためにも必要な元素である。そのため下限を0.01%とする。Al含有量の下限は、好ましくは0.02%、さらに好ましくは0.03%、最も好ましくは0.04%である。過剰な添加は加工性を低下させるため、その上限を0.20%とする。好ましくは0.15%、さらに好ましくは0.13%、最も好ましくは0.12%である。
Ti:0.35%以下
Tiは、C,N,Sと結合して耐食性、耐粒界腐食性、常温延性や深絞り性を向上させる元素である。Tiを0.35%超で含有させると加工性が著しく劣化するため、Ti含有量の上限を0.35%とした。好ましくは0.33%、さらに好ましくは0.30%、最も好ましくは0.28%である。
Nb:0.70%以下
Nbは成形性や耐食性を高める作用がある。0.70%を超えて添加すると再結晶しにくくなって組織が粗くなるため、上限を0.70%とする。Nb含有量は、好ましくは0.60%以下、さらに好ましくは0.50%以下、最も好ましくは0.45%以下にするとよい。
O:0.0005~0.010%
Oが0.010%を超えて存在すると、酸化物系介在物が多量に生成し、ノズル閉塞などの製造トラブルを招くため、O含有量を0.010%以下とする。好ましくは0.008%以下、さらに好ましくは0.007%以下、最も好ましくは0.006%以下である。但し、過剰な脱酸もまた精錬負荷が増加してコストアップを招くため、下限を0.0005%とする。O含有量は、好ましくは0.0008%以上、さらに好ましくは0.0010%以上、最も好ましくは0.0012%以上である。尚、OはT.Oを意味する。
N:0.050%以下
NはCと同様、成形性と耐食性を劣化させるため、0.050%以下とした。好ましくは0.025%以下、さらに好ましくは0.020%以下、最も好ましくは0.018%以下である。
Ca:0.0030%以下
Caは本発明においては不要な元素である。0.0030%を超えて存在すると、精錬中または鋳造中に直接Sと反応してCaSを生成してしまうため、Ca含有量を0.0030%以下とする。好ましくは0.0028%以下、さらに好ましくは0.0025%以下、最も好ましくは0.0022%以下である。
Mg:0.008×[%Al]~0.003%
MgはMgO-AlスピネルやMgOを構成する元素であるが、介在物の酸化物部分にMgO-Alスピネルが晶出するか、MgOが晶出するかはMg濃度とAl濃度の比率で決定される。[%Mg]が0.008×[%Al]より低い場合はMgO晶出が安定しないため、[%Mg]含有量を0.008×[%Al]以上とする。好ましくは0.010×[%Al]以上、さらに好ましくは0.011×[%Al]以上、最も好ましくは0.012×[%Al]以上である。Mg含有量が0.003%を超えると、溶鋼中でMgとSが直接反応してMgSを生成する。MgSは水溶性介在物であり、耐食性を劣化させるため、Mg含有量の上限を0.003%とする。好ましくは0.002%、さらに好ましくは0.001%である。
上記鋼成分の残部はFe及び不可避的不純物である。ここで不可避的不純物とは、鋼を工業的に製造する際に、鉱石やスクラップ等のような原料をはじめとして、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
また、本実施形態の高純度フェライト系ステンレス鋼は、Feの一部に代えて、更に質量%で、B:0.0001~0.0020%を含んでも良い。
B:0.0001~0.0020%
Bは粒界の強度を高める元素であり、加工性の向上に寄与する。含有する場合、この効果を発現させるためには0.0001%以上含有するとよく、好ましくは0.0003%以上、さらに好ましくは0.0004%以上、最も好ましくは0.0005%以上にするとよい。一方、過剰な添加は却って延びの低下による加工性低下を招くため、B含有量を0.0020%以下とし、好ましくは0.0018%以下、さらに好ましくは0.0015%以下、最も好ましくは0.0010%以下にするとよい。
更に、Feの一部に代えて、V:1.00%以下、Zr:0.005~0.50%、Ga:0.030%以下、Mo:2.00%以下、REM:0.01%以下、Ta:0.10%以下、Ni:0.10~2.00%、Sn:0.005~0.50%、Cu:2.00%以下、W:1.00%以下、Co:1.00%以下、Sb:0.0.30%以下のうちの1種または2種以上を含んでも良い。
V:1.00%以下
Vは、耐食性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Vを過剰に含有させると、靭性が低下する。また、粗大炭窒化物によって靭性が低下する。このため、V含有量は1.00%以下とし、好ましくは0.80%以下、さらに好ましくは0.60%以下、最も好ましくは0.50%以下にするとよい。
Zr:0.005~0.50%
Zrは耐食性を向上させるために必要に応じて添加させることができ0.005%以上で効果を発現する。Zrは腐食速度を抑制するのに重要な元素であるが、過剰な添加は製造性及びコストを悪化させる。このため、0.005~0.50%とし、好ましくは0.01~0.45%、さらに好ましくは0.02~0.40%、最も好ましくは0.03~0.35%である。
Ga:0.030%以下
Gaは、耐食性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Gaを過剰に含有させると、熱間加工性が低下するため、Ga含有量は0.030%以下とし、好ましくは0.028%以下、さらに好ましくは0.025%以下、最も好ましくは0.25%以下である。
Mo:2.00%以下
Moは、耐食性を向上させる元素であるが、過剰な添加は加工性と耐酸化性を劣化させるとともに、合金コストアップにつながるため、Mo含有量の上限は2.00%とし、製造性および合金コストを考慮すると、好ましくは0.20~1.80%、さらに好ましくは0.40~1.70%、最も好ましくは0.5~1.5%である。
REM:0.001~0.10%
REMは、熱間加工性や鋼の清浄度を向上させ、本発明の耐食性向上に有効な元素であり、必要に応じて添加してもよい。添加する場合は、その効果が発現する0.001%以上とする。しかし、過度の添加は、合金コストの上昇と製造性の低下に繋がるため、上限は0.10%とする。効果と経済性および製造性を考慮して、1種または2種以上で好ましくは0.001~0.08%、さらに好ましくは0.001~0.06%、最も好ましくは0.001~0.05%である。REMは、原子番号57~71に帰属する元素であり、例えば、La,Ce,Ndを例示できる。
Ta:0.10%以下
Taを過剰に含有させると、靭性が低下するため、Ta含有量は0.10%以下が好ましい。また、耐食性を向上させる効果を有するため、必要に応じて0.01%以上含有させてもよく、好ましくは0.03%以上、さらに好ましくは0.04%以上、最も好ましくは0.05%以上である。
Ni:0.10~2.00%
Niは、耐錆性を向上させる元素であり、必要に応じて添加することが出来る。Ni含有量が0.10%未満の場合、耐錆性の向上が見込まれないため、下限は0.10%とする。Ni含有量が2.00%を超えると耐酸化性および加工性が劣化するため、上限は2.0%とする。更に、製造性、耐酸化性、合金コストを考慮すると、好ましくは0.10~1.20%、さらに好ましくは0.10~1.0%、最も好ましくは0.10~0.8%である。
Sn:0.005~0.50%
Snは添加することでステンレス鋼の高い耐食性を更に高める効果があり、この効果を得るために0.005%以上とし、好ましくは0.01%以上、さらに好ましくは0.02%以上、最も好ましくは0.03%以上である。一方、過剰な添加は加工性の低下につながるため、Sn含有量を0.50%以下とし、好ましくは0.40%以下、さらに好ましくは0.35%以下、最も好ましくは0.30%以下である。
Cu:2.00%以下
Cuは2.00%を超えて過剰に添加すると、製造上のコストに見合う性能の向上がなされないため、Cu含有量は2.00%以下とし、好ましくは1.20%以下、さらに好ましくは1.00%以下、最も好ましくは0.80%以下である。一方、Cuは添加することでステンレス鋼の高い耐食性を更に高める作用があり、この効果を得るためにはCu含有量を0.01%以上とし、好ましくは0.03%以上、さらに好ましくは0.05%以上、最も好ましくは0.20%以上である。
W:1.00%以下、
Wは、耐食性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Wを過剰に含有させると、粗大炭窒化物等によって靭性が低下するため、W含有量は1.00%以下とし、好ましくは0.80%以下、さらに好ましくは0.60%以下、最も好ましくは0.50%以下である。
Co:1.00%以下
Coは、鋼材の耐錆性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Coを過剰に含有させると、靭性が低下するため、Co含有量は1.00%以下とし、好ましくは0.80%以下、さらに好ましくは0.60%以下、最も好ましくは0.50%以下である。
Sb:0.005~0.50%
Sbは耐食性を向上させるために必要に応じて添加させることができ0.005%以上で効果を発現する。Sbは腐食速度を抑制するのに重要な元素であるが、過剰な添加は製造性及びコストを悪化させるため、0.005~0.50%とし、好ましくは0.005~0.45%、さらに好ましくは0.005~0.040%、最も好ましくは0.005~0.035%である。
<製造方法>
CaSは鋳片段階(製鋼段階)、熱間圧延前の鋳片加熱時に母材中のSと介在物中のCaOが反応して生成する。そのため、製鋼段階においては、脱硫促進によるCaSの制御、MgOの晶出促進による酸化物系介在物の制御を行い、鋳片加熱段階においては、CaとS含有酸化物系介在物の組成の制御を行った。
[製鋼段階におけるCaSの制御]
製鋼段階においてCaSを抑制する制御方法として、取鍋内の溶鋼段階において脱硫の促進が必要である。
取鍋内の溶鋼段階において、3(CaO)+3[S]+2[Al]→3(CaS)+[Al]のように、精錬スラグとしての液相酸化物の(CaO)と、溶鋼中の[S]、[Al]が反応して、(CaS)が生じ、精錬スラグ中に取り込まれることにより、溶鋼の脱硫が進行すると考えられる。本検討では脱酸元素としてAlを添加して、上記反応過程によって脱硫を促進し、溶鋼中S濃度を十分低下させて0.006%以下にすることで、鋳片加熱時におけるCaSの生成を抑制した。溶鋼中S濃度は好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.0025%以下、最も好ましくは0.0020%以下である。
[製鋼段階における酸化物系介在物の制御]
鋳片段階(製鋼段階)において、酸化物系介在物中にMgOやMgO-Alを晶出させるためには、酸化物系介在物中のMgO濃度を高くすることが必要であり、直接・間接的に溶鋼にMgを添加する必要がある。Mgの直接添加は金属MgやNi-Mgなどの合金による溶鋼中への添加であり、間接添加は精錬スラグ中MgOの還元である。いずれの場合も精錬スラグ中のMgO活量を制御することが酸化物系介在物中のMgO濃度を安定的に高めるためには重要である。MgOやMgO-Alの生成しやすさは他成分の影響もあるため、MgO活量の閾値は一意には決められないが、CaとS含有酸化物系介在物のうち、本発明範囲であるMgO/Al比率0.40以上である介在物の個数割合50%以上を確保するためには、精錬スラグ中のMgO活量が純MgO固体基準で0.9程度以上であれば良い。好ましくは0.91以上、さらに好ましくは0.93以上、最も好ましくは0.93以上である。精錬スラグ中のMgO活量は実測困難であるため、熱力学データ集および商用の熱力学計算ソフトを用いて算出すればよい。精錬スラグ中MgO活量の増加によりMgOが熱力学的に安定となり、MgOの晶出を促進したため、MgO/Alが0.40以上の介在物個数比率増大となったと推定される。
また、鋼板表面において、円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度を1.0個/cm未満かつ、当該介在物のうちMgO/Alの質量比率が0.40以上である介在物の個数割合50%以上を満足するためには、製鋼段階において、スラグ中のMgO活量が純MgO固体基準で0.9以上あるとともに、鋼中のMg含有量(%)がMg:0.010×[%Al]以上を満たすことが必要となる。MgO活量の増加はMgOおよびMgO/Alの比率が0.40以上である介在物の生成を促進する。MgOの生成促進によりMgO-Alの凝集が抑制されて円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が減少し、かつMgO/Alの比率が0.40以上である介在物個数割合が増加すると推定される。
[熱間圧延前の鋳片加熱時におけるCaとS含有酸化物系介在物の組成変化]
鋳片加熱段階においては酸化物系介在物の組成変化はなく、介在物へのCaSの生成反応が生じる。
酸化物系介在物へのCaS生成反応は1200℃×2h程度の熱処理で生じ、3(CaO)+3[S]+2[Al]→3(CaS)+(Al)のように酸化物のCaO-Al中のCaOと鋼中のSが反応してCaSが生成すると考えられる。鋼中のSが拡散してCaSを生成するため、CaO-Alと鋼が接する界面にCaSが生成する。その後の冷間圧延によりCaとS含有酸化物系介在物が破砕され、鋼板表面に露出して腐食起点となるため、硬質なMgO-Alを抑制し、より軟質なMgOへ制御することが重要となる。
鋳片加熱段階においては上述のようにCaSの生成反応が生じるのみであり、酸化物の生成、組成変化、サイズの変化は生じない。そのため円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物のうち、MgO/Alの比率が0.40以上である介在物の個数密度や個数割合も変化しないと推定される。
[冷間圧延]
CaとS含有酸化物系介在物は冷間圧延工程において破砕、分断される。特に冷延圧下率が50%以上の場合、CaとS含有酸化物系介在物が破砕、分断されることにより、円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cm未満となり、耐発銹性を向上させる。同様の効果は素材が高温で軟質な状態の熱延工程において生じにくい。また、硬質な酸化物系介在物を破砕可能なまでに素材の加工硬化が進むためには冷延圧下率50%以上が必要である。
[酸洗工程における電解処理]
ステンレス鋼板の製造工程においては冷延工程の後、焼鈍工程、酸洗工程が必要となる。冷延で表面に露出したCaとS含有酸化物系介在物の減少を指向した電解酸洗方法を検討した。冷延板を大気中で焼きなまし焼鈍したサンプルを用いて種々の電解酸洗液で電解酸洗を行った。電解酸洗液はHCl、NaSO、HSO、NaNO、NaSiFを一種または二種混合した。電解方式はサンプルの極性をプラス、マイナスと交互に変換する交番電解方式で電解処理を行った。一般にステンレス鋼帯の電解酸洗は直接通電におけるコイルと通電ロールのスパーク疵を防止する目的で間接通電である交番電解方式を採用するため、本発明においてもスパーク疵低減の観点から交番電解方式が好ましい。
交番電解による電解酸洗において、MgO-Al自体は溶解せずにその周囲の母材を溶解させてMgO-Alを脱落、除去させることができるため、鋼板表面に露出した円相当径4μm以上の比較的大きなCaとS含有酸化物系介在物の数を減少させるのに有効な手段である。
電解酸洗に際して電流密度と電解時間が母材溶解挙動に影響する。
電解電流密度の増加は、母材の溶解速度を高めて介在物の脱落を促進するが、プラスおよびマイナスの電解電流密度が100mA/cmを超える場合には介在物周囲以外の母材を溶解させてしまい、光沢ムラなどの品質不良を引き起こすため、プラスとマイナスの電流密度の上限をそれぞれ100mA/cmが好ましい。また、プラスおよびマイナスの電流密度が0.1mA/cm未満の場合、母材の溶解速度が遅く、介在物の脱落効果が生じにくいためプラスとマイナスの電流密度の下限をそれぞれ0.1mA/cmが好ましい。
電解時間の増加は、母材の溶解量を高めて介在物の脱落を促進するが、プラスおよびマイナスの総電解時間が120sを超える場合には介在物周囲以外の母材を溶解させてしまい、光沢ムラなどの品質不良を引き起こすため、プラスとマイナスの総電解時間の上限を120sが好ましい。また、プラスおよびマイナスの総電解時間が5s未満の場合、母材の溶解量が不足して介在物の脱落効果が生じにくいためプラスとマイナスの総電解時間の下限を5sとした。
二次精錬においてAl等による脱酸やスラグ調整を行って成分及び介在物量、組成を制御して溶製した表1に示す成分を有する溶鋼を連続鋳造機により鋳造し、得られた鋳片を熱間圧延し、さらに熱延板焼鈍・酸洗を行い、冷間圧延、焼鈍・電解酸洗を行うことで、0.5mm厚の冷延板を製造し、介在物測定と耐銹性の品質評価に供した。表1において、本発明から外れる項目に下線を付している。
尚、スラグ中MgO活量はスラグ組成から市販の熱力学平衡計算ソフトFactSageを用いて算出し、スラグ中MgO活量が純固体MgO基準で0.3以上1.0未満となるようにスラグ組成を制御した。算出したスラグ中MgO活量の値を表3、表4に示している。
表2に熱延前のスラブ加熱条件と冷間圧延における圧下率、電解酸洗条件を示す。表2において、本発明の好適な製造条件から外れる項目に下線を付している。
Figure 2023152715000002
Figure 2023152715000003
介在物測定は鋼板表面に露出した介在物を無作為に100個抽出し、エネルギー分散型X線分析(EDS)を用いて元素分析を行った。各介在物を16分割し、各分割ブロックにおいてSEM・EDS分析した半定量元素濃度[質量%]に基づいて個々の介在物の元素平均組成を評価したとき、CaとSとOを含有するものを、CaとS含有酸化物系介在物であるとした。EDSで分析した各介在物の平均組成において、Ca、S、Oが各1.0%以上含有している場合にCaとS含有酸化物系介在物とした。円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度測定値を表3、表4に示した。また、前記評価した個々の介在物の元素平均組成に基づき、MgOおよびAl濃度へ換算し、このMgO、Al濃度の比からMgO/Al比率が0.40以上である介在物の個数割合を求め、表3、表4に示した。この際、測定面積を記録することで単位面積当たりの個数密度を算出した。
耐銹性試験は鋼板を塩水噴霧試験(SST)に供した。SSTはJIS Z 2371に準拠して24時間の連続噴霧試験を行い、50cmを試験面積とした。耐発銹性の評価はマイクロスコープを用いてSST後の鋼板表面の4cmの範囲を観察し、介在物を起点とするさびを「発銹」として画像解析により発銹面積率を算出した。発銹面積率が5.0%未満の場合に「合格」とした。
表3のC1~C18が本発明例、表4のc1~c22が比較例である。
表3に示すように、符号C1~C18は、鋼成分が本発明範囲であり、円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cm未満で、かつ、円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物のうち、MgO/Alの比率が0.40以上である介在物の個数割合が50%以上であるため、SST試験における耐発銹性が良好であった。
Figure 2023152715000004
Figure 2023152715000005
表4のc1はスラグ中MgO活量が低く、c2~c17は鋼の成分組成が外れるとともにスラグ中MgO活量が低かった。その結果、c1~5、c7~17は円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cmを超えているため多くの発銹が生じた。c6(鋼No.a5)は円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cmを超えていることに加えてSが高く、円相当径4μm未満のCaとS含有酸化物系介在物から多数の発銹が生じた。
c18は製法No.s1を用いており、電解電流密度が低く、CaとS含有酸化物系介在物の脱落が抑制されて円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cmを超えて多数の発銹が生じた。
c19は製法No.s3を用いており、冷延圧下率が低く、介在物の破砕が不十分となり、円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cmを超えて多数の発銹が生じた。
c20は製法No.s2を用いており、電解時間が短く、CaとS含有酸化物系介在物の脱落が抑制されて円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cmを超えて多数の発銹が生じた。
c21は製法No.s4を用いており、電解方式が直接通電であり、CaとS含有酸化物系介在物の脱落が不十分となり円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cmを超えて多数の発銹が生じた。
c22は製法No.s5を用いており、電解処理がなく、CaとS含有酸化物系介在物の脱落が不十分となり円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cmを超えて多数の発銹が生じた。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.02%以下、Si:1.00%以下、Mn:1.00%以下、P:0.040%以下、S:0.006%以下、Cr:10~30%、Al:0.01~0.20%、Ti:0.35%以下、Nb:0.70%以下、O:0.0005~0.010%、N:0.050%以下、Ca:0.0030%以下、Mg:0.008×[%Al]~0.003%を含有し、残部Feおよび不純物からなり、
    鋼板表面において、円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物の個数密度が1.0個/cm未満であり、
    かつ、前記円相当径4μm以上のCaとS含有酸化物系介在物のうち、MgO/Alの質量比率が0.40以上である介在物の個数割合が50%以上である
    ことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼板。
  2. 更に、前記Feの一部に替えて質量%で、B:0.0001~0.0020%を含有することを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
  3. 更に、前記Feの一部に替えて質量%で、V:1.00%以下、Zr:0.005~0.50%、Ga:0.030%以下、Mo:2.00%以下、REM:0.01%以下、Ta:0.10%以下、Ni:0.10~2.00%、Sn:0.005~0.50%、Cu:2.00%以下、W:1.00%以下、Co:1.00%以下、Sb:0.30%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフェライト系ステンレス鋼板。
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