JP2023150837A - 車体の側部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、側突時の衝突エネルギーを効率的に吸収できるピラーの構造を実現することで、車両の側突時の車体支持剛性を効果的に高めることができる車体の側部構造を提供する。【解決手段】センターピラー(70)におけるピラーアウタ(72)の車幅方向の内側においてサイドシル(19)のシルアウタ(19b)の上面に接合される補強部材(75)と、サイドシル(19)にシートベルトの巻取装置(81)を取り付けるためのブラケット(85)と、を備え、ブラケット(85)は、補強部材(75)における車幅方向の内側の面とシルインナ(19a)の上面とに固定されてそれらの間に介在している。【選択図】図1

Description

本発明は、車体の側部構造に関する。
従来、車両の車体の側部にはドアが取り付けられており、ドアの後側には、車体の一部である上方へ延びるピラーが設けられている。そして、特許文献1には、ピラー(センタピラー)の下端部においてピラーの断面内にバルクヘッド(補強部材)を介在させており、このバルクヘッドの下端をサイドシルに結合した構造が開示されている。この特許文献1の構造では、車両の側方からの衝突(側突)の荷重がピラーに入力した場合、当該荷重がバルクヘッドを介してサイドシル及びフロア部材に伝達される。
特開2009-262615号公報
しかしながら、近年、車両に大型のバッテリなどを搭載することで車両の重量が増加する傾向にある。車両の重量が増加すると、その分、側突によって車体に入力される荷重も大きくなる。そのため、このような構造では、ピラーに入力される側突による荷重を十分にフロア部材に伝達しきれないことなどでピラーに過大な荷重がかかると、ピラーやその周辺に変形が発生してしまい、ピラーなど車体の部材の車室内への侵入量が増えてしまうおそれがある。
また、センターピラーの根元部分には、シートベルト用の緊急ロック式の巻取装置(ELR:Emergency Locking Retractor)が設置されることがある。この場合、センターピラーのインナーフレームに当該巻取装置を取り付けるための開口部が形成される。このような構成の場合、側突による荷重がドアビームに加わると、ドアビームの後端部が車幅方向の内側(車室側)へ押し込まれるように変位し、当該ドアビームの後端部がセンターピラーの開口部又はその近傍で支持されることとなる。そのため、車体の支持剛性をより高めるためには、センターピラーの開口部及びその周辺の部材について、車体構造にさらなる改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、側突時の衝突エネルギーを効率的に吸収できるピラーの構造を実現することで、車両の側突時の車体支持剛性を効果的に高めることができる車体の側部構造を提供し、車両による交通の安全性を向上させながら、交通の円滑性の低下を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る車体の側部構造は、車体(10)のフロア部における車幅方向の外側で前後方向に延びるサイドシル(19)と、サイドシル(19)から上方に延びるピラー部(70)と、を備える車体の側部構造であって、サイドシル(19)は、車幅方向の内側を形成するシルインナ(19a)と車幅方向の外側を形成するシルアウタ(19b)とで構成され、ピラー部(70)は、車幅方向の内側と外側それぞれに配置されたピラーインナ(71)とピラーアウタ(72)とで構成され、ピラーアウタ(72)の車幅方向の内側においてシルアウタ(19b)の上面に接合される補強部材(75)と、サイドシル(19)にシートベルトの巻取装置(81)を取り付けるためのブラケット(85)と、を備え、ブラケット(85)は、補強部材(75)における車幅方向の内側の面とシルインナ(19a)の上面とに固定されてそれらの間に介在していることを特徴とする。
本発明の車体の側部構造によれば、補強部材における車幅方向の内側の面とシルインナの上面とに固定されてそれらの間に介在しているブラケットを備えることで、車両の側方からの衝突(側突)による荷重が補強部材に入力した場合、補強部材がシルアウタとの接合点を基点として車幅方向の内側へ倒れ込むように変位することでブラケットを変形させる。これにより、ブラケットがいわゆる圧壊部材として機能するので、車両の側突時の衝突エネルギーを当該ブラケットで効率的に吸収することができる。すなわち、この構成によれば、補強部材がシルアウタとの接合点を中心に車幅方向の内側かつ下側に向けて回転する方向へ変位しながらブラケット(圧壊部材)を変形させるので、ブラケットに車幅方向の変形だけではなく上下方向への変形も加わるようになり、それによってブラケットによる衝撃の吸収量を効率的に増加させることができる。
また、この構成によれば、上記のような補強部材の変位によってブラケットが車幅方向の内側に向かって変形するだけでなく、下側に向かっても変形するので、その分、ブラケットの車幅方向の内側(室内側)への変形量を少なく抑えることができる。したがって、側突の影響が室内側へ及ぶことを効果的に防止できる。
また、上記の本発明では、補強部材(75)は、車幅方向の外側に開口する断面形状を備え、補強部材(75)とピラー部(70)の構成部材(73)とによって閉断面が形成されていてもよい。
この構成によれば、補強部材とピラー部の構成部材とで閉断面が形成されていることで、補強部材の剛性が向上するので、側突による荷重が補強部材に入力した場合に、ブラケットがより変形し易くなるので、それにより、側突の荷重をブラケットでより効果的に吸収することが可能となる。
また、上記の本発明では、ブラケット(85)は、補強部材(75)から車幅方向の内側へ延びる前側部(85a)及び後側部(85b)と、車幅方向における補強部材(75)の内側で前後方向に延びて前側部(85a)と後側部(85b)とを連結する内側部(85c)と、を備えてもよい。
この構成によれば、ブラケットは、平面視で車幅方向の外側に開口する断面略コ字状(略U字状)に形成されている。このように、圧壊部材として機能するブラケットが平面視で断面略コ字状に形成されることで、側突により補強部材に入力する荷重をより効率的に補強部材からブラケットに伝達させることができるので、ブラケットがさらに変形し易くなる。
また、上記の本発明では、補強部材(75)は、前方に配置される第1補強部材(75A)と、後方に配置される第2補強部材(75B)とで構成され、ブラケット(85)の前側部(85a)は第1補強部材(75A)に連結され、後側部(85b)は第2補強部材(75B)に連結されるようにしてもよい。
この構成によれば、ブラケットの前側部と後側部がそれぞれ第1補強部材と第2補強部材とに連結されることで、側突により補強部材に入力する荷重をより効果的にブラケットに伝達することができるので、ブラケットがさらに変形し易くなる。
また、上記の本発明では、車体(10)の前後方向における第1補強部材(75A)と第2補強部材(75B)との間に設置したカバー部材(90)を備え、カバー部材(90)とシルアウタ(19b)の上面とで閉断面(L)が形成されていてもよい。
この構成によれば、第1補強部材と第2補強部材との間に設置したカバー部材とシルアウタの上面とで閉断面が形成されていることで、ピラー部の下端部に充填される振動・騒音等抑制用の充填剤を当該閉断面内に収容することが可能となる。これにより、充填剤が外部に拡散することを抑制できる。したがって、補強部材とブラケットによって車両の側突時のエネルギー吸収を行いつつ、さらに充填剤の機能でロードノイズなどの異音や路面からの振動の車室側への伝播を効果的に抑制することができる。
また、上記の本発明では、ピラーアウタ(72)は、前側で車幅方向の内側へ延びる前壁(72a)と、後側で車幅方向の内側へ延びる後壁(72b)とを備え、補強部材(75)は、ピラーアウタ(19b)の前壁(72a)に接合される前接合部(83a)と、後壁(72b)に接合される後接合部(83b)と、を備えてもよい。
この構成によれば、補強部材がピラーアウタの前壁と後壁とに接合されることで、側突時にピラーアウタに入力される荷重をピラーアウタの前壁及び後壁を介して効率的に補強部材に伝達させることができる。そのため、補強部材がより確実に車幅方向の内側へ倒れるようになるので、ブラケットの変形をより効果的に促進させることができる。
また、上記の本発明では、補強部材(75)は、その上下方向の途中位置で車幅方向に向けて屈曲する屈曲部(79)と、屈曲部(79)と重なる高さ位置に形成した切欠部(80)と、を備え、ブラケット(85)の前側部(85a)及び後側部(85b)は、屈曲部(79)を上下に跨いで補強部材(75)に連結されていてもよい。
この構成によれば、補強部材に屈曲部と切欠部を備え、ブラケットが屈曲部を上下に跨いで連結されていることで、側突による荷重が補強部材に入力した場合、屈曲部より上側の部分が先行して車幅方向の内側に倒れ込むようになる。この車幅方向の内側に倒れ込む屈曲部より上側の部分でブラケットの下方向への変形が促進されるので、ブラケットの変形量をより大きくすることができる。
また、上記の本発明では、ブラケット(85)の前側部(85a)と後側部(85b)には、前方又は後方へ突出して車幅方向に延在する複数本の長尺状の突出部を含むビード部(87)を備えてもよい。
この構成によれば、ブラケットの前側部と後側部が備えるビード部によって、ブラケットの剛性を向上させることができ、ブラケットの変形時のエネルギー吸収量をより増大させることができる。
また、上記の本発明では、ブラケット(85)の内側部(85c)は、巻取装置(81)を取り付ける取付部(89)と、車幅方向へ突出して前後方向に延在する複数本の長尺状の突出部を含む他のビード部(88)と、を備え、取付部(89)は、内側部(85c)の上側に設けられ、他のビード部(88)は内側部(85c)における取付部(89)の下側に設けられていてもよい。
この構成によれば、ブラケットにおける内側部の上側にシートベルトの巻取装置を取り付ける取付部を配置し、当該取付部の下側に他のビード部を設けることで、側突時にシートベルトの巻取装置を車幅方向の内側かつ下側へ誘導することができるとともに、ブラケットの変形に伴うエネルギー吸収量をより増大させることができる。
また、上記の本発明では、車体(10)の側部に開閉可能に取り付けられたドア(14A)と、ドア(14A)の内部に設置したドアビーム(40)と、を備え、ドア(14A)を閉じた状態で、ドアビーム(40)の少なくとも一部(61c)が車幅方向から見て補強部材(75)及びブラケット(85)と重なる位置に配置されていてもよい。
この構成によれば、補強部材とブラケットが車幅方向から見てドアビームの少なくとも一部と重なる位置に配置されることで、ドアビームに入力される荷重のエネルギーを補強部材とブラケットで効率的に吸収することができ、ドア及びピラー部の車幅方向の内側(車室側)への変形量を抑制することができる。
また、上記の本発明では、ピラーインナ(71)には、巻取装置(81)が配置される開口部(71A)が形成されており、補強部材(75)は、車幅方向から見て開口部(71A)の上端縁よりも低い位置に配置されていてもよい。
この構成によれば、補強部材がピラーインナの開口部の上端よりも低い位置に配置されることで、ピラーインナによって補強部材の車幅方向の内側への倒れ込みが阻害されるおそれがない。そのため、側突時に補強部材に入力する荷重をより確実にブラケットに伝達させることができ、ブラケットの変形を促進させることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における対応する構成要素の図面参照番号を参考のために示すものである。
本発明にかかる車体の側部構造によれば、簡単な構成で、車両の側突時のドアビームの車体支持剛性を効果的に高めることができ、車両による交通の安全性を向上させながら、交通の円滑性の低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る車体の側部構造が適用された車体の側面の一部を示す図である。 ドアビームを上方から見た概略の斜視図である。 図1のX-X矢視断面を示す図である。 ドアビームの後端部及びセンターピラーの下端部を示す図で、図1のY-Y矢視に対応する位置の断面を示す図である。 センターピラーの下端部のみを示す図で、図1のY-Y矢視に対応する位置の断面を示す図である。 図4のA矢視図である。 図4のB矢視図である。 図7のC-C矢視断面を示す概略図である。 図7のD-D矢視断面を示す概略図である。 補強部材とブラケットの概略の平面図である。 センターピラーの根元部分を車幅方向の内側から見た斜視図であり、ブラケットの取付状態を示す図である。 センターピラーの根元部分を車幅方向の内側から見た斜視図であり、ブラケットを取り外した状態を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明で前又は後というときは、後述する車体(車両)の前進方向である前側、又は後進方向である後側を示すものとする。また、左、右というときはそれぞれ車体(車両)の前進方向(前側)を向いた状態での車幅方向の左、右を示すものとする。また、上、下というときは車体(車両)の上下方向(鉛直上下方向)を示すものとする。
図1は、本発明の一実施形態にかかる車体の側部構造が適用された車体の側面の一部を示す図であり、図2は、ドアビームを上方から見た概略の斜視図である。また、図3は、図1のX-X矢視断面を示す図である。これらの図に示すように、本発明の一実施形態に係る車体の側部構造が適用された車両は、車体10の側部に取り付けられたサイドドア14を備えている。サイドドア14は、フロントドア14Aとリヤドア14Bとによって構成されている。また、車体10には、サイドドア14が開閉可能に装着されるドア開口部16が設けられている。ドア開口部16は、フロントドア開口部16Aとリヤドア開口部16Bとを有する。また、車体10におけるフロントドア開口部16Aの前側には、上下方向に延在するフロントピラー17が設けられており、フロントドア開口部16Aの後側には、同じく上下方向に延在するセンターピラー(ピラー部)70が設けられている。なお、以下の説明では、サイドドア14及びドア開口部16のうちフロントドア14Aとフロントドア開口部16Aについてのみ説明し、リヤドア14B及びリヤドア開口部16Bについては説明を省略する。
フロントドア14Aは、フロントドア開口部16Aを開閉する扉体14aによって構成されている。図3に示すように、フロントドア14Aの扉体14aは、車幅方向の内側に設けられるドアインナパネル20と、ドアインナパネル20に対して車幅方向の外側に設けられるドアアウタパネル30と、車幅方向におけるドアインナパネル20とドアアウタパネル30との間に設けられるドアビーム40とを備える。ドアインナパネル20及びドアアウタパネル30は、金属製の板状の部材であり、ドアビーム40は金属製の長尺状の部材である。
ドアビーム40は、フロントドア14Aの扉体14a内に配設され、車体10の前後方向に沿って延びる横ビーム41と、同じく扉体14a内に配設され、車体10の上下方向に沿って延びる縦ビーム42とによって構成されている。
フロントドア14Aのドアインナパネル20は、車幅方向の内側で車体10の前後方向に延びる内側壁(第一壁)21と、当該内側壁21から車幅方向の外側に延びる接続壁(第二壁)22と、車幅方向における接続壁22の外端から車体10の前後方向に延びてドアアウタパネル30と接合する外側壁(第三壁)23とを有している。内側壁21は、ドアインナパネル20における外縁(外周縁)を除く内側を成す部分であり、外側壁23は、ドアインナパネル20における外縁(外周縁)を成す部分であって、これら内側壁21と外側壁23は、それぞれ車幅方向の内側(図3の右側又は室内側)に位置する面内と外側(図3の左側又は室外側)に位置する面内とに配置されている。そして、接続壁22は、これら内側壁21と外側壁23とを車幅方向で互いに段差を有した状態で接続している。
ドアビーム40の横ビーム41は、アーチ形状のビーム本体51と、ビーム本体51の後端部51bの近傍に接続されたステー61とを備えている。ビーム本体51は、その断面が車幅方向の外側に凸となる略コ字状(U字状)の長尺状部材であり、前端部51aと後端部51bがドアインナパネル20(内側壁21)に固定される固定部となっており、前端部51a及び後端部51bの近傍がそれぞれ車幅方向の外側に向かって湾曲する前湾曲部52a及び後湾曲部52bとなっていることで、長手方向の中央部51cが車幅方向の外側に膨らんだ形状となっている。
ステー61は、その前端部61aから後端部61bまでの長手方向の全体が略直線状に形成された長尺状の部材であり、後端部61bはドアインナパネル20の外側壁23及びドアアウタパネル30に取り付けられる取付部となっており、後端部61bを除く前側の部分が当該後端部61bよりも車幅方向の幅寸法が大きい(太い)本体部(主部)61cとなっている。このステー61は、後端部(取付部)61bが略平板状に形成されており、本体部(主部)61cはその断面が車幅方向の外側に凸となる略コ字状に形成されている。
なお、図3に示すように、ビーム本体51の後端部51bは、ドアインナパネル20の内側壁21に固定されている。ステー61は、その前端部(一方の端部)61aがビーム本体51における後端部51b及び後湾曲部52bよりも前側の位置に固定されており、その後端部(他方の端部)61bがドアインナパネル20の外側壁23及びドアインナパネル20の外側壁23に固定されている。
図4及び図5は、図1のY-Y矢視に対応する位置の断面を示す図で、図4は、ドアビームの後端部及びセンターピラーの下端部を示す図、図5は、センターピラーの下端部のみを示す図である。また、図6は、図4のA矢視図であり、図7は、図4のB矢視図であり、図8は、図7のC-C矢視断面を示す概略図、図9は、図7のD-D矢視断面を示す概略図である。
これらの図に示すように、車体10の一部であるセンターピラー(ピラー部)70は、車幅方向の内側(車室側)に配置されたピラーインナパネル71と、ピラーインナパネル71に対して車幅方向の外側に位置するピラーアウタパネル72と、ピラーインナパネル71及びピラーアウタパネル72の間に設けられるスティフナ(中間パネル)73とで構成されている。そして、センターピラー70の前側の端部には、ピラーインナパネル71及びピラーアウタパネル72とスティフナ73とを溶接によって接合してなる前フランジ部(前接合部)70Aが設けられており、センターピラー70の後側の端部には、ピラーインナパネル71及びピラーアウタパネル72とスティフナ73とを同じく溶接によって接合してなる後フランジ部(後接合部)70Bが設けられている。前フランジ部70A及び後フランジ部70Bはいずれもセンターピラー70の長手方向に沿って上下に延びる部分である。これにより、センターピラー70は、ピラーインナパネル71とピラーアウタパネル72とが前フランジ部70A及び後フランジ部70Bで接合されていることで、これらピラーインナパネル71とピラーアウタパネル72とによって、平面視の断面が閉じられた矩形状の断面(閉断面)構造を有している。また、ピラーインナパネル71とピラーアウタパネル72との間に設けられたスティフナ73は、その前側の端辺が前フランジ部70Aに接合されており、後側の端辺が後フランジ部70Bに接合されている。
そして、センターピラー70におけるピラーインナパネル71の下端部71aには、シートベルトの巻取装置81が配置される開口部71Aが形成されている。この開口部71A内には、補強部材75が設置されている。補強部材75は、本実施形態では、開口部71A内の前側に位置する前側部材75Aと後側に位置する後側部材75Bの二部材に分かれており、それらが開口部71A内で前後に並べて設置されている。補強部材75(前側部材75A及び後側部材75B)は、金属製の板状の部材であって、図6に示すように、根元部75aが車体10のサイドシル19(シルスティフナ19b)に固定されており、そこから上方に向かって延伸しており、根元部75aを除く上側の部分が車幅方向から見て開口部71Aと重なる(オーバーラップする)位置に配置されている。また、補強部材75(前側部材75A及び後側部材75B)の上端部は、開口部71Aの上端縁よりも低い位置に配置されている。なお、サイドシル19は、車体10の下部(フロア部)における車幅方向の両側で車体10の前後方向に延伸する部材で、図8に示すように、車幅方向の内側の壁部を構成するシルインナ19aと車幅方向の外側の壁部を構成するシルスティフナ(シルアウタ)19bとで構成されており、これらシルインナ19aとシルスティフナ19bとで略矩形状の閉断面が形成されている。そして、補強部材75(前側部材75A及び後側部材75B)の根元部75aは、サイドシル19におけるシルスティフナ19bの上面に固定されている。
図5に示すように、センターピラー70内のスティフナ73は、平面視の断面形状において、前フランジ部70A及び後フランジ部70Bに接合される第一面73aと、第一面73aから車幅方向の外側に延びる第二面73bと、車幅方向における第二面73bの外端から前後方向に延びる第三面73cとを備えている。また、補強部材75の前側部材75Aは、スティフナ73の第三面73cに対して車幅方向の内側に離間した位置で後側に延びる第四面77aと、第四面77aから車幅方向の外側に延びる第五面77bと、第五面77bから後側に延びるとともにスティフナ73の第三面73cに接合される第六面77cとを備えている。同様に、補強部材75の後側部材75Bは、スティフナ73の第三面73cに対して車幅方向の内側に離間した位置で前側に延びる第四面77aと、第四面77aから車幅方向の外側に延びる第五面77bと、第五面77bから前側に延びるとともにスティフナ73の第三面73cに接合される第六面77cとを備えている。
なお、前側部材75Aの第六面77cは、前接合部76aが成す面(前接合部76aの面)であり、後側部材75Bの第六面77cは、後接合部76bが成す面(後接合部76bの面)である。したがって、図5に示すように、第一中間フランジ部(第一中間接合部)70Cにおいて、前側部材75Aの前接合部76a(第六面77c)がスティフナ73の第三面73cに溶接により接合されており、かつ、第二中間フランジ部(第二中間接合部)70Dにおいて、後側部材75Bの後接合部76b(第六面77c)がスティフナ73の第三面73cに溶接により接合されている。
したがって、前フランジ部70Aは、ピラーインナパネル71、ピラーアウタパネル72、スティフナ73、前側部材75Aの4部材が接合されており、後フランジ部70Bは、ピラーインナパネル71、ピラーアウタパネル72、スティフナ73、後側部材75Bの4部材が接合されている。一方、第一中間フランジ部70Cは、スティフナ73と前側部材75Aの2部材が接合されており、第二中間フランジ部70Dは、スティフナ73と後側部材75Bの2部材が接合されている。
そして、スティフナ73の第二面73b及び第三面73cと、補強部材75の第四面77a及び第五面77bとで略矩形状に閉じられた断面形状である閉断面78A,78Bが形成されている。詳細には、スティフナ73の第二面73b及び第三面73cと、前側部材75Aの第四面77a及び第五面77bとで前側の閉断面78Aが形成されており、スティフナ73の第二面73b及び第三面73cと、後側部材75Bの第四面77a及び第五面77bとで後側の閉断面78Bが形成されている。
なお、図4及び図5に示すように、補強部材75(前側部材75A及び後側部材75B)の接合部76(前接合部76a及び後接合部76b)は、スティフナ73の内面(車幅方向の内側の面)に接合されている。
図4及び図5に示すように、シートベルトの巻取装置81は、車幅方向における補強部材75の内側に配置されている。この巻取装置81は、ブラケット(圧壊部材)85で補強部材75及びサイドシル19に取り付けられている。
図10は、補強部材とブラケットの概略の平面図である。また、図11及び図12は、センターピラーの根元部分を車幅方向の内側から見た斜視図であり、図11はブラケットの取付状態を示す図、図12は、ブラケットを取り外した状態を示す図である。
ブラケット85は、補強部材75から車幅方向の内側へ延びる前側片(前側部)85a及び後側片(後側部)85bと、車幅方向における補強部材75の内側で前後方向に延びて前側片85aと後側片85bとを連結する内側片(内側部)85cとを備えている。すなわち、ブラケット85は、開口部71A内に配置されて巻取装置81を囲む形状で、その前側片85aと後側片85bがそれぞれ、補強部材75の前側部材75Aと後側部材75Bの内面(車室側の面)に固定されており、かつ、その内側片85cの下端部がサイドシル19のシルインナ19aに固定されている。詳細には、前側片85aが前側部材75Aの第四面77aにボルト86aとナット86bの締結で固定されており、後側片85bが後側部材75Bの第四面77aにボルト86aとナット86bの締結で固定されている。このブラケット85によって巻取装置81が開口部71A内に支持されている。ブラケット85は、補強部材75における車幅方向の内側の面とシルインナ19aの上面とに固定されてそれらの間に介在している。なお、本実施形態では、補強部材75とブラケット85とがボルト86a及びナット86bの締結で固定されている場合を示したが、これ以外にも、補強部材75とブラケット85は溶接によって固定することも可能である。
また、図4及び図5に示すように、ブラケット85は、巻取装置81の右側(室内側)及び前後の一部を囲むように配置され、補強部材75の前側部材75Aは、巻取装置81の左側(室外側)及び前側の一部を囲むように配置され、補強部材75の後側部材75Bは、巻取装置81の左側(室外側)及び後側の一部を囲むように配置されている。したがって、平面視の断面形状において、補強部材75の前側部材75A及び後側部材75Bとブラケット85とで、巻取装置81を囲む位置に閉断面(閉断面78A,78Bとは別の閉断面)が形成されている。
また、図9、10及び図12に示すように、車体10の前後方向における補強部材75の前側部材(第1補強部材)75Aと後側部材(第2補強部材)75Bとの間には、カバー部材90が設置されている。カバー部材90は、平板状の部材を若干湾曲させてなる形状で、前側部材75Aの後端の下端部と後側部材75Bの前端の下端部とを前後方向に(面状に)接続している。そして、図9などに示すように、カバー部材90はシルスティフナ19bの上面との間に間隔を有して設置されており、これにより、カバー部材90とシルスティフナ19bの上面の間に隙間(空間)Lが画成されている。この隙間Lは、カバー部材90とシルスティフナ19bとで形成された閉断面となっている。このカバー部材90とシルスティフナ19bの上面との間に形成された閉断面は、センターピラー70の下端部に充填される振動・騒音等抑制用の充填剤(スプレーフォーム充填)(図示せず)が収容されるスペース(隙間)となる。
また、図12に示すように、ピラーアウタパネル72は、車体10の前後方向における前側で車幅方向の内側へ延びる(内側へ向かって張り出している)前壁72aと、同じく車体10の前後方向の後側で車幅方向の内側へ延びる(内側へ向かって張り出している)後壁72bとを備えている。前壁72aは、その面が車体10の前後方向の後側を向いており、後壁72bは、その面が車体10の前後方向の前側を向いている。そして、補強部材75の前側部材75Aは、ピラーアウタパネル72の前壁72aに接合される前接合部83aを備えており、後側部材75Bは、ピラーアウタパネル72の後壁72bに接合される後接合部83bを備えている。前接合部83a及び後接合部83bはいずれもフランジ状の突出片であり、それらは溶接によって前壁72a及び後壁72bに接合されている。なお、前壁72a及び後壁72bへの前接合部83a及び後接合部83bの固定は、溶接以外にも、ボルト(図示せず)の締結で固定することも可能である。
また、図8及び図12に示すように、補強部材75は、その上下方向の途中位置で車幅方向に向けて屈曲する屈曲部79(79a,79b)と、屈曲部79の前側及び後側で屈曲部79と重なる高さ位置(略同じ高さ位置)に形成した切欠部80(80a,80b)とを備えている。詳細には、補強部材75の前側部材75Aは、その車幅方向の内側の面に設けた屈曲部79aと前側の端辺に設けた切欠部80aとを備える。屈曲部79aは、車体10の前後方向に沿って直線状に延びており、この屈曲部79aで、前側部材75Aにおける上側の面と下側の面とが略くの字状に若干折れ曲がっている。切欠部80aは、屈曲部79aの前端の位置に形成された横向き略U字型の窪み(切り込み)である。また、補強部材75の後側部材75Bは、その車幅方向の内側の面に設けた屈曲部79bと前側の端辺に設けた切欠部80bとを備える。屈曲部79bは、車体10の前後方向に沿って直線状に延びており、この屈曲部79bで、後側部材75Bにおける上側の面と下側の面とが略くの字状に若干折れ曲がっている。切欠部80bは、屈曲部79bの後端の位置に形成された横向き略U字型の窪み(切り込み)である。
そして、ブラケット85の前側片85a及び後側片85bは、屈曲部79(79a,79b)を上下に跨いで補強部材75に連結されている。すなわち、前側片85a及び後側片85bは、補強部材75の車幅方向の内側の面における屈曲部79の上側と下側の両方に連結(固定)されている。
また、図10及び図11に示すように、ブラケット85の前側片85aと後側片85bには、前方又は後方へ突出して車幅方向に延在する複数本の長尺状の突出部を含むビード部87が形成されている。すなわち、前側片85aと後側片85bのビード部87は、車幅方向から見て、その表面(断面)が複数の凹凸を含む波形状(凹凸状)に形成されている。また、ブラケット85の内側片85cは、その上部にシートベルトの巻取装置81を取り付けるための取付部89を備えており、該取付部89の下側には、車幅方向へ突出して前後方向に延在する複数本の長尺状の突出部を含む他のビード部88が形成されている。この内側片85cの他のビード部88は、前後方向から見てその表面(断面)複数の凹凸を含む波形状(凹凸状)に形成されている。
以上説明したように、本実施形態の車体10の側部構造は、車体10のフロア部における車幅方向の外側で前後方向に延びるサイドシル19と、サイドシル19から上方に延びるセンターピラー(ピラー部)70とを備える車体10の側部構造であって、サイドシル19は、車幅方向の内側を形成するシルインナ19aと車幅方向の外側を形成するシルスティフナ(シルアウタ)19bとで構成され、センターピラー70は、車幅方向の内側と外側それぞれに配置されたピラーインナパネル71とピラーアウタパネル72とで構成され、ピラーアウタ71の車幅方向の内側においてシルアウタ19bの上面に接合される補強部材75と、サイドシル19にシートベルトの巻取装置81を取り付けるためのブラケット85と、を備え、ブラケット85は、補強部材75における車幅方向の内側の面とシルインナ19aの上面とに固定されてそれらの間に介在している。
本実施形態の車体10の側部構造によれば、補強部材75における車幅方向の内側の面とシルインナ19aの上面とに固定されてそれらの間に介在しているブラケット85を備えることで、図8に示すように、車体10の側方からの衝突(側突)による荷重Fが補強部材75に入力した場合、補強部材75がシルスティフナ19bとの接合点(下端部)を基点として車幅方向の内側へ倒れ込むように変位する(同図の矢印Mに示す向きに変位する)ことで、ブラケット85を変形させる。これにより、ブラケット85がいわゆる圧壊部材として機能するので、車両の側突時の衝突エネルギーを当該ブラケット85で効率的に吸収することができる。すなわち、この構成によれば、補強部材75がシルスティフナ19bとの接合点を中心に車幅方向の内側かつ下側に向けて回転する方向へ変位しながらブラケット85を変形させるので、ブラケット85に車幅方向の変形だけではなく上下方向への変形も加わるようになり、それによってブラケット85による衝撃の吸収量を効率的に増加させることができる。
また、この構成によれば、上記のような補強部材75の変位によってブラケット85が車幅方向の内側に向かって変形するだけでなく、下側に向かっても変形するので、その分、ブラケット85の車幅方向の内側(室内側)への変形量を少なく抑えることができる。したがって、側突の影響が室内側へ及ぶことを効果的に防止できる。
また、本実施形態では、補強部材75は、車幅方向の外側に開口する断面形状を備え、補強部材75とセンターピラー70の構成部材であるスティフナ73とによって閉断面が形成されている。
この構成によれば、補強部材75とセンターピラー70の構成部材であるスティフナ73とで閉断面が形成されていることで、補強部材75の剛性が向上するので、側突による荷重が補強部材75に入力した場合に、ブラケット85がより変形し易くなるので、それにより、側突の荷重をブラケット85でより効果的に吸収することが可能となる。
また、本実施形態では、ブラケット85は、補強部材75から車幅方向の内側へ延びる前側片(前側部)85a及び後側片(後側部)85bと、車幅方向における補強部材75の内側で前後方向に延びて前側片85aと後側片85bとを連結する内側片(内側部)85cとを備えている。
この構成によれば、ブラケット85は、平面視で車幅方向の外側に開口する断面略コ字状(略U字状)に形成されている。このように、圧壊部材として機能するブラケット85が平面視で断面略コ字状に形成されることで、側突により補強部材75に入力する荷重をより効率的に補強部材75からブラケット85に伝達させることができるので、ブラケット85がさらに変形し易くなる。
また、本実施形態では、補強部材75は、前方に配置される前側部材(第1補強部材)75Aと、後方に配置される後側部材(第2補強部材)75Bとで構成され、ブラケット85の前側片85aは前側部材75Aに連結され、後側片85bは後側部材75Bに連結されている。
この構成によれば、ブラケット85の前側片85aと後側片85bがそれぞれ補強部材75の前側部材75Aと後側部材75Bとに連結されることで、側突により補強部材75に入力する荷重をより効果的にブラケット85に伝達することができるので、ブラケット85がさらに変形し易くなる。
また、本実施形態では、前後方向における前側部材75Aと後側部材75Bとの間に設置したカバー部材90を備え、カバー部材90とシルスティフナ19bの上面とで閉断面Lが形成されている。
この構成によれば、センターピラー70の下端部70aに充填される振動・騒音等抑制用の充填剤を当該閉断面L内に収容することが可能となる。これにより、充填剤が外部に拡散することを抑制できる。したがって、補強部材75とブラケット85によって車両の側突時のエネルギー吸収を行いつつ、さらに充填剤の機能でロードノイズなどの異音や路面からの振動の車室側への伝播を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、センターピラー70のピラーアウタ72は、前側で車幅方向の内側へ延びる前壁72aと、後側で車幅方向の内側へ延びる後壁72bとを備え、補強部材75は、ピラーアウタ72の前壁72aに接合される前接合部83aと、後壁72bに接合される後接合部83bとを備えている。
この構成によれば、補強部材75がピラーアウタパネル72の前壁72aと後壁72bとに接合されることで、側突時にピラーアウタパネル72に入力される荷重をピラーアウタパネル72の前壁72a及び後壁72bを介して効率的に補強部材75に伝達させることができる。そのため、補強部材75がより確実に車幅方向の内側へ倒れるようになるので、ブラケット85の変形をより効果的に促進させることができる。
また、本実施形態では、補強部材75は、その上下方向の途中位置で車幅方向に向けて屈曲する屈曲部79と、屈曲部79と重なる高さ位置に形成した切欠部80と、を備え、ブラケット85の前側片85a及び後側片85bは、屈曲部79を上下に跨いで補強部材75に連結されている。
この構成によれば、補強部材75に屈曲部79と切欠部80とを備え、ブラケット85が屈曲部79を上下に跨いで連結されていることで、側突による荷重が補強部材75に入力した場合、屈曲部79より上側の部分が先行して車幅方向の内側に倒れ込むようになる。この車幅方向の内側に倒れ込む屈曲部79より上側の部分でブラケット85の下方向への変形が促進されるので、ブラケット85の変形量をより大きくすることができる。
また、本実施形態では、ブラケット85の前側片85aと後側片85bには、前方又は後方へ突出して車幅方向に延在する複数本の長尺状の突出部を含むビード部87が設けられている。
この構成によれば、ブラケット85の前側片85aと後側片85bが備えるビード部87によって、ブラケット85の剛性を向上させることができ、ブラケット85の変形時のエネルギー吸収量をより増大させることができる。
また、本実施形態では、ブラケット85の内側片85cは、巻取装置81を取り付ける取付部89と、車幅方向へ突出して前後方向に延在する複数本の長尺状の突出部を含む他のビード部88と、を備え、取付部89は、内側片85cの上側に設けられ、他のビード部88は内側片85cにおける取付部89の下側に設けられている。
この構成によれば、ブラケット85における内側片85cの上側にシートベルトの巻取装置81を取り付ける取付部89を配置し、当該取付部89の下側に他のビード部88を設けることで、側突時にシートベルトの巻取装置81を車幅方向の内側かつ下側へ誘導することができるとともに、ブラケット85の変形に伴うエネルギー吸収量をより増大させることができる。
また、本実施形態では、車体10の側部に開閉可能に取り付けられたフロントドア14Aと、フロントドア14Aの内部に設置したドアビーム40と、を備え、フロントドア14Aを閉じた状態で、ドアビーム40の後端部が車幅方向から見て補強部材75及びブラケット85と重なる位置に配置される。
この構成によれば、ドアビーム40に入力される側突による荷重のエネルギーを補強部材75とブラケット85で効率的に吸収することができ、ドア40及びセンターピラー70の車幅方向の内側(車室側)への変形量を抑制することができる。
また、本実施形態では、センターピラー70のピラーインナパネル71には、巻取装置81が配置される開口部71Aが形成されており、補強部材75は、車幅方向から見て開口部71Aの上端縁よりも低い位置に配置されている。
この構成によれば、補強部材75がピラーインナパネル71の開口部71Aの上端縁よりも低い位置に配置されることで、ピラーインナパネル71によって補強部材75の車幅方向の内側への倒れ込みが阻害されるおそれがない。そのため、側突時に補強部材75に入力する荷重をより確実にブラケット85に伝達させることができ、ブラケット85の変形を促進させることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変更が可能である。
10 車体
14 サイドドア
14A フロントドア
14B リヤドア
14a 扉体
16 ドア開口部
16A フロントドア開口部
16B リヤドア開口部
17 フロントピラー
19 サイドシル
19aシルインナ
19b シルスティフナ(シルアウタ)
20 ドアインナパネル
21 内側壁
22 接続壁
23 外側壁
30 ドアアウタパネル
40 ドアビーム
41 横ビーム
42 縦ビーム
51 ビーム本体
51a 前端部
51b 後端部
51c 中央部
52a 前湾曲部
52b 後湾曲部
61 ステー
61a 前端部
61b 後端部(取付部)
61c 本体部(主部)
70 センターピラー(ピラー部)
70A 前フランジ部(前接合部)
70B 後フランジ部(後接合部)
70C 第一中間フランジ部(第一中間接合部)
70D 第二中間フランジ部(第二中間接合部)
70a 下端部
71 ピラーインナパネル(ピラーインナ)
71A 開口部
71a 下端部
72 ピラーアウタパネル(ピラーアウタ)
73 スティフナ(中間パネル)
73a 第一面
73b 第二面
73c 第三面
75 補強部材
75A 前側部材(第1補強部材)
75B 後側部材(第2補強部材)
75a 根元部
76 接合部
76a 前接合部
76b 後接合部
77a 第四面
77b 第五面
77c 第六面
78A,78B 閉断面
79a 屈曲部
79b 屈曲部
80a 切欠部
80b 切欠部
81 (シートベルトの)巻取装置
85 ブラケット(圧壊部材)
85a 前側片(前側部)
85b 後側片(後側部)
85c 内側片(内側部)
86a ボルト(締結具)
86b ナット(締結具)
87 ビード部(本発明のビード部)
88 ビード部(本発明の他のビード部)
90 カバー部材
L 隙間(閉断面)

Claims (11)

  1. 車体のフロア部における車幅方向の外側で前後方向に延びるサイドシルと、
    前記サイドシルから上方に延びるピラー部と、を備える車体の側部構造であって、
    前記サイドシルは、車幅方向の内側を形成するシルインナと車幅方向の外側を形成するシルアウタとで構成され、
    前記ピラー部は、車幅方向の内側と外側それぞれに配置されたピラーインナとピラーアウタとで構成され、
    前記ピラーアウタの車幅方向の内側において前記シルアウタの上面に接合される補強部材と、
    前記サイドシルにシートベルトの巻取装置を取り付けるためのブラケットと、を備え、
    前記ブラケットは、前記補強部材における車幅方向の内側の面と前記シルインナの上面とに固定されてそれらの間に介在している
    ことを特徴とする車体の側部構造。
  2. 前記補強部材は、車幅方向の外側に開口する断面形状を備え、
    前記補強部材と前記ピラー部の構成部材とによって閉断面が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車体の側部構造。
  3. 前記ブラケットは、前記補強部材から車幅方向の内側へ延びる前側部及び後側部と、車幅方向における前記補強部材の内側で前後方向に延びて前記前側部と前記後側部とを連結する内側部と、を備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の車体の側部構造。
  4. 前記補強部材は、前方に配置される第1補強部材と、後方に配置される第2補強部材とで構成され、
    前記ブラケットの前記前側部は前記第1補強部材に連結され、前記後側部は前記第2補強部材に連結される
    ことを特徴とする請求項3に記載の車体の側部構造。
  5. 車体の前後方向における前記第1補強部材と前記第2補強部材との間に設置したカバー部材を備え、
    前記カバー部材と前記シルアウタの上面とで閉断面が形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の車体の側部構造。
  6. 前記ピラーアウタは、前側で車幅方向の内側へ延びる前壁と、後側で車幅方向の内側へ延びる後壁とを備え、
    前記補強部材は、前記ピラーアウタの前記前壁に接合される前接合部と、前記後壁に接合される後接合部と、を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の車体の側部構造。
  7. 前記補強部材は、その上下方向の途中位置で車幅方向に向けて屈曲する屈曲部と、前記屈曲部と重なる高さ位置に形成した切欠部と、を備え、
    前記ブラケットの前記前側部及び前記後側部は、前記屈曲部を上下に跨いで前記補強部材に連結されている
    ことを特徴とする請求項6に記載の車体の側部構造。
  8. 前記ブラケットの前記前側部と前記後側部には、前方又は後方へ突出して車幅方向に延在する複数本の長尺状の突出部を含むビード部を備える
    ことを特徴とする請求項3に記載の車体の側部構造。
  9. 前記ブラケットの前記内側部は、
    前記巻取装置を取り付ける取付部と、
    車幅方向へ突出して前後方向に延在する複数本の長尺状の突出部を含む他のビード部と、を備え、
    前記取付部は、前記内側部の上側に設けられ、前記他のビード部は前記内側部における前記取付部の下側に設けられる
    ことを特徴とする請求項3に記載の車体の側部構造。
  10. 前記車体の側部に開閉可能に取り付けられたドアと、
    前記ドアの内部に設置したドアビームと、を備え、
    前記ドアを閉じた状態で、前記ドアビームの少なくとも一部が車幅方向から見て前記補強部材及び前記ブラケットと重なる位置に配置される
    ことを特徴とする請求項3に記載の車体の側部構造。
  11. 前記ピラーインナには、前記巻取装置が配置される開口部が形成されており、
    前記補強部材は、車幅方向から見て前記開口部の上端縁よりも低い位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の車体の側部構造。
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