JP2023149895A - 熱交換システム - Google Patents

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宗久 山腰
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    • F28F27/02Control arrangements or safety devices specially adapted for heat-exchange or heat-transfer apparatus for controlling the distribution of heat-exchange media between different channels

Abstract

【課題】低温流体と液体の高温流体との間において熱交換を行う際に、高温流体の凍結を抑制することが可能な熱交換システムを提供する。【解決手段】この熱交換システム100は、低温流体80と高温流体81との間における熱交換を行う第1熱交換部3と、低温流体80間における熱交換を行う第2熱交換部4とを備え、第2熱交換部4は、低温流体80が流入する第1入口4aと、第1入口4aと連通する第1出口4bと、低温流体80が流入する第2入口4cと、第2入口4cと連通する第2出口4dとを含み、第1入口4aから流入した低温流体80と第2入口4cから流入した低温流体80とを熱交換するように構成され、第2入口4cに流入前の低温流体80を加熱する加熱部を備え、第2出口4dは第1熱交換部3と連通しており、第2熱交換部4によって熱交換され第2出口4dから流出した低温流体80は、第1熱交換部3に流入され高温流体81と熱交換される。【選択図】図4

Description

この発明は、熱交換システムに関し、特に、低温の流体である低温流体と、高温の流体である高温流体との間で熱交換を行う熱交換システムに関する。
従来、低温の流体である低温流体と、高温の流体である高温流体との間で熱交換を行う熱交換システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、低温の流体である低温流体と、高温の流体である高温流体との間で熱交換を行う熱交換器が開示されている。上記特許文献1に開示されている熱交換器は、第1流体を流す第1通路と、第2流体を流す第2通路とが交互に積層されて構成されたプレートフィン型の熱交換器である。上記特許文献1に開示されている熱交換器は、流体間の温度差の大きい天然ガスの液化または気化などの用途に特に用いられる。
特開2010-101617号公報
ここで、上記特許文献1に開示されている熱交換器(熱交換システム)では、第1通路と第2通路とが交互に積層されている。したがって、たとえば、低温側の第1流体(低温流体)が極低温の液化ガスで、高温側の第2流体(高温流体)が水や不凍液などの場合、低温流体と液体の高温流体との間において熱交換を行う際に、高温流体が凍結する可能性があるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、低温流体と液体の高温流体との間において熱交換を行う際に、高温流体の凍結を抑制することが可能な熱交換システムを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明による熱交換システムは、低温の流体である低温流と低温流体よりも高温の液体である高温流体との間における熱交換を行う第1熱交換部と、低温流体間における熱交換を行う第2熱交換部と、を備え、第2熱交換部は、低温流体が流入する第1入口と、第1入口と連通し熱交換後の前記第1入口から流入した低温流体が流出する第1出口と、第1出口から流出した低温流体が流入する第2入口と、第2入口と連通し熱交換後の前記第2入口から流入した低温流体が流出する第2出口とを含み、第1入口から流入した低温流体と第2入口から流入した低温流体とを熱交換するように構成され、第1出口と第2入口の間に設けられ、第1出口から流出後、第2入口に流入前の低温流体を加熱する加熱部を備え、第2出口は、第1熱交換部と連通しており、第2熱交換部によって熱交換され、第2出口から流出した低温流体は、第1熱交換部に流入され、高温流体と熱交換される。
この発明による熱交換システムでは、上記のように、低温流体と高温流体との間における熱交換を行う第1熱交換部と、低温流体間における熱交換を行う第2熱交換部と、第1出口から流出後、第2入口に流入前の低温流体を加熱する加熱部と、を備え、第2熱交換部によって熱交換された低温流体は、第1熱交換部に流入され、高温流体と熱交換される。これにより、低温流体が第1熱交換部に流入される前に、第2熱交換部によって低温流体が加熱されるので、第1熱交換部に流入される低温流体を予め加熱することができる。したがって、第2熱交換部を備えない構成と比較して、第1熱交換部に流入される低温流体と液体の高温流体との温度差を小さくすることができる。その結果、低温流体と液体の高温流体との間において熱交換を行う際に、高温流体の凍結を抑制することができる。
上記発明による熱交換システムにおいて、好ましくは、第1熱交換部は、加熱部を兼ねており、第1熱交換部は、低温流体が流入する第1低温側入口と、第1低温側入口と連通する第1低温側出口とを含み、第2熱交換部の第1出口は、第1熱交換部の第1低温側入口と連通しており、第1出口から流出した低温流体は、第1低温側入口から第1熱交換部に流入され、高温流体と熱交換された後、第2入口から第2熱交換部に戻すように流入される。このように構成すれば、第1出口から流出した低温流体を第1熱交換部によって加熱し、第2入口から第2熱交換部に戻すことができる。したがって、第1出口から流出した低温流体を加熱するためのヒーターなどを設けることなく、第2入口から流入する低温流体を加熱することができる。その結果、第1出口から流出した低温流体を加熱するためのヒーターなどを設ける構成と比較して、熱交換システムが大型化することを抑制することができる。
さらにこの場合、第1出口から流出した低温流体は、第1入口から流入する低温流体よりも高温であり、第2出口から流出した低温流体は第1入口から流入する低温流体よりも高温となる。つまり、第1出口から流出し、第1熱交換部に流入する低温流体、および、第2出口から流出し、第1熱交換部に流入する低温流体のいずれにおいても、第1入口から流入する低温流体よりも温度が高い状態で第1熱交換部に流入する。したがって、第2熱交換部を介さずに低温流体を直接第1熱交換部に流入させる構成と比較して、低温流体と高温流体との温度差を小さくすることができる。その結果、第2熱交換部を介さずに低温流体を直接第2熱交換部に流入させる構成と比較して、液体の高温流体が凍結することを抑制することができる。
上記低温流体が第2入口から第2熱交換部に戻すように流入される構成において、好ましくは、第1熱交換部は、第2熱交換部の第2出口と連通する第2低温側入口と、第2低温側入口と連通する第2低温側出口とをさらに含み、第2熱交換部の第2出口から流出した低温流体は、第1熱交換部の第2低温側入口から第1熱交換部に流入され、高温流体と熱交換される。このように構成すれば、第1熱交換部の第2低温側入口と第2熱交換部の第2出口とが連通しているので、第2熱交換部において熱交換を行った低温流体を、第1熱交換部に容易に流入させることができる。その結果、第2熱交換部によって低温流体を予め加熱した状態で、第1熱交換部に流入させることが可能な流体回路を容易に形成することができる。
この場合、好ましくは、第1熱交換部は、高温流体と第1熱交換部の第1低温側入口から流入した低温流体との間における熱交換、および、高温流体と第1熱交換部の第2低温側入口から流入した低温流体との間における熱交換を行うように構成されている。このように構成すれば、第1熱交換部が、高温流体と、第1低温側入口から流入した低温流体と、第2低温側入口から流入した低温流体と、の3流体間によって熱交換を行うことができる。その結果、高温流体と第1低温側入口から流入した低温流体との間で熱交換を行う熱交換部、および、高温流体と第2低温側入口から流入した低温流体との間で熱交を行う熱交換部をそれぞれ備える構成と比較して、部品点数の増加、および、構造の複雑化を抑制することができる。
上記第1出口から流出した低温流体、および、第2出口から流出した低温流体が、第1入口から流入する低温流体よりも高温である構成において、好ましくは、第1熱交換部および第2熱交換部は、それぞれ異なる第1熱交換器および第2熱交換器に設けられている。このように構成すれば、第1熱交換部を備えた第1熱交換器と、第2熱交換部を備えた第2熱交換器とを互いに接続することにより、第1熱交換部に流入する低温流体の温度を、第2熱交換部によって予め加熱することが可能な流体回路を容易に形成することができる。その結果、たとえば、第1熱交換部および第2熱交換部の両方を備える単一の熱交換器と比較して、熱交換器の配管の設置が複雑化することを抑制することができる。
上記第1出口から流出した低温流体、および、第2出口から流出した低温流体が、第1入口から流入する低温流体よりも高温である構成において、好ましくは、液体の低温流体を貯蔵する低温流体タンクと、低温流体タンクに貯蔵された低温流体を、低温流体を流通させる低温流路に流通させる低温流体ポンプと、第1熱交換部によって加熱され、気化した低温流体を貯留する低温流体貯留部と、低温流体貯留部に接続され、供給対象に対して気化した低温流体を供給する供給部と、低温流路から分岐して供給部に接続し、低温流体を流通させる分岐流路と、をさらに備え、供給部は、低温流体貯留部から流入する低温流体と、分岐流路から流入し、低温流体貯留部に貯留された低温流体よりも低温の低温流体とを混合するように構成されている。このように構成すれば、低温流体貯留部に貯留された低温流体の温度を低くして供給対象に提供する場合に、低温流体貯留部に貯留された低温流体と、分岐流路から流入した低温流体とを混合することにより、低温流体の温度を容易に低くすることができる。したがって、冷凍機などを用いることなく、貯留部に貯留された低温流体の温度を、提供対象に提供する際の温度まで低下させることができる。その結果、たとえば、低温流体貯留部に貯留された低温流体の温度を下げるための冷凍機などを備える構成と比較して、システムが大規模化することを抑制することができる。
上記発明による熱交換システムにおいて、好ましくは、低温流体は液体水素であり、高温流体は温水である。このように構成すれば、低温流体である液体水素と、高温流体である温水とにおいて熱交換を行う場合に、温水が凍結することを抑制することが可能な熱交換システムを提供することができる。
本発明によれば、上記のように、低温流体と液体の高温流体との間において熱交換を行う際に、高温流体の凍結を抑制することが可能な熱交換システムを提供することができる。
一実施形態による熱交換システムの全体構成を説明するための模式図である。 一実施形態による第1熱交換部を備える第1熱交換器の構成を説明するための模式的な斜視図である。 一実施形態による第2熱交換部を備える第2熱交換器の構成を説明するための模式的な斜視図である。 一実施形態による第1熱交換部と第2熱交換部とが接続される構成、および、低温流体および高温流体の流路を説明するための模式図である。 一実施形態による熱交換システムにおいて、第1流体間における熱交換、および、第1流体と第2流体との熱交換を説明するための模式図である。 変形例による熱交換システムの全体構成を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図5を参照して、一実施形態による熱交換システム100について説明する。
(熱交換システムの構造)
図1に示すように、熱交換システム100は、低温流路1と、高温流路2と、第1熱交換部3と、第2熱交換部4と、加熱部と、を備える。また、本実施形態では、熱交換システム100は、低温流体タンク5と、低温流体ポンプ6と、低温流体貯留部7と、を備える。また、本実施形態では、熱交換システム100は、供給部8と、分岐流路9と、を備える。また、本実施形態では、熱交換システム100は、高温流体タンク30を備える。
低温流路1は、低温の流体である低温流体80を流通させる流路である。低温流路1は、一方側の端部が低温流体ポンプ6に接続され、他方側の端部が低温流体貯留部7に接続される。低温流路1は、たとえば、配管である。なお、低温流体80は、たとえば、液体水素、液体ヘリウム、および、液化天然ガスなどを含む。本実施形態では、低温流体80は、液体水素である。
本実施形態では、低温流路1は、第1低温流路部1a、第2低温流路部1b、第3低温流路部1c、第4低温流路部1d、および、第5低温流路部1eを含む。
第1低温流路部1aは、低温流体ポンプ6と第2熱交換部4とを接続するように構成されている。また、第2低温流路部1bは、第2熱交換部4と第1熱交換部3とを接続するように構成されている。また、第3低温流路部1cは、第1熱交換部3と第2熱交換部4とを接続するように構成されている。また、第4低温流路部1dは、第2熱交換部4と第1熱交換部3とを接続するように構成されている。また、第5低温流路部1eは、第1熱交換部3と低温流体貯留部7とを接続するように構成されている。
したがって、低温流体タンク5に貯留されている低温流体80は、低温流体ポンプ6によって、第1低温流路部1a、第2熱交換部4、第2低温流路部1b、第1熱交換部3、第3低温流路部1c、第2熱交換部4、第4低温流路部1d、第1熱交換部3、および、第5低温流路部1eの順に流通され、低温流体貯留部7に貯留される。本実施形態では、熱交換システム100は、液体水素である液体の低温流体80aを、第1熱交換部3および第2熱交換部4によって熱交換を行うことにより気化させた気体の低温流体80b(水素ガス)を、低温流体貯留部7に貯留するシステムである。
高温流路2は、低温流体80よりも高温の液体である高温流体81を流通させる流路である。高温流路2の途中には、第1熱交換部3が設けられている。高温流路2は、たとえば、配管である。なお、高温流体81は、たとえば、温水、エチレングリコールなどを含む。本実施形態では、高温流体81は、温水である。温水は、好ましくは、40℃~70℃の温度に加熱された水である。温水は、より好ましくは、50℃~60℃の温度に加熱された水である。
本実施形態では、高温流路2は、第1高温流路部2aと、第2高温流路部2bとを含む。
第1高温流路部2aは、高温流体タンク30と、第1熱交換部3とを接続するように構成されている。また、第2高温流路部2bは、第1熱交換部3と高温流体タンク30とを接続するように構成されている。したがって、高温流体タンク30から流出された高温流体81は、第1高温流路部2a、第1熱交換部3、および、第2高温流路部2bを流通され、再び高温流体タンク30に流入される。
第1熱交換部3は、加熱部を兼ねている。第1熱交換部3は、低温流体80と高温流体81との間における熱交換を行うように構成されている。第1熱交換部3は、第1熱交換器10に設けられている。第1熱交換部3および第1熱交換器10の詳細な構成については、後述する。
第2熱交換部4は、低温流体80間における熱交換を行うように構成されている。本実施形態では、第2熱交換部4は、第1熱交換器10と接続された第2熱交換器20に設けられている。すなわち、第1熱交換部3および第2熱交換部4は、それぞれ異なる第1熱交換部3および第2熱交換部4に設けられている。言い換えると、第1熱交換部3と第2熱交換部4とは、別個に設けられている。なお、第2熱交換器20は、低温流路1によって、第1熱交換器10と接続されている。第2熱交換部4および第2熱交換器20の詳細な構成については、後述する。
本実施形態では、図1に示すように、低温流路1のうちの第2熱交換部4と第1熱交換部3とを接続する第2低温流路部1bには、第2流量調整弁32が設けられている。第2流量調整弁32は、低温流路1と分岐流路9とを仕切る位置に設けられている。第2流量調整弁32は、低温流路1に流通される低温流体80の流量と、分岐流路9に流通される低温流体80の流量とを調整可能に構成されている。したがって、第2流量調整弁32が制御されることにより、第2熱交換部4から第1熱交換部3に対して流通される低温流体80の流量と、分岐流路9に流通される低温流体80の流量とが調整される。なお、第2流量調整弁32は、低温流路1に流通させる低温流体80の量と、分岐流路9に流通させる低温流体80の量とを、調整可能なように構成されている。すなわち、第2流量調整弁32は、低温流体80の流量を調整することにより、低温流路1および分岐流路9の両方に低温流体80を流通させることが可能である。また、第2流量調整弁32は、低温流体80の流量を調整することにより、低温流路1のみに低温流体80を流通させることが可能であるとともに、分岐流路9のみに低温流体80を流通させることが可能なように構成されている。また、第2流量調整弁32は、図示しない制御回路などにより電気的に制御(自動制御)されてもよいし、人などによって機械的に制御(手動制御)されてもよい。
低温流体タンク5は、液体の低温流体80を貯蔵するように構成されている。
低温流体ポンプ6は、低温流体タンク5に貯蔵された低温流体80を低温流路1に流通させるように構成されている。低温流体ポンプ6は、低温流体タンク5および低温流路1に接続されており、低温流体貯留部7に貯蔵された低温流体80を、低温流路1に流通させるように構成されている。また、本実施形態では、低温流体ポンプ6は、所定の圧力まで低温流体80を昇圧するように構成されている。所定の圧力は、たとえば、80MPa(メガパスカル)である。なお、低温流体80を所定の圧力に昇圧させたうえで、低温流体80を低温流路1に流通させることが可能であれば、低温流体ポンプ6の種類は問わない。
低温流体貯留部7は、第1熱交換部3によって加熱され、気化した低温流体80を貯留するように構成されている。低温流体貯留部7は、低温流路1、および、後述する供給流路8aと接続されている。低温流体貯留部7は、低温流路1から流入した低温流体80を所定の温度で貯留する。本実施形態では、低温流体貯留部7は、気体の低温流体80bを貯留するように構成されている。また、低温流体貯留部7は、供給流路8aに対して低温流体80(気体の低温流体80b)を流出させるように構成されている。低温流体貯留部7は、たとえば、蓄圧器である。
なお、第1熱交換部3と低温流体貯留部7との間の第5低温流路部1eには、第1流量調整弁31が設けられている。第1流量調整弁31は、低温流路1に流通される低温流体80の流量を調整可能に構成されている。したがって、第1流量調整弁31および第2流量調整弁32が制御されることにより、低温流体貯留部7に流入される低温流体80の流量が調整される。なお、第1流量調整弁31は、図示しない制御回路などにより電気的に制御(自動制御)されてもよいし、人などによって機械的に制御(手動制御)されてもよい。
供給部8は、低温流体貯留部7に接続され、供給対象90に対して気化した低温流体80を供給するように構成されている。供給部8は、供給流路8aと、第1供給バルブ8bと、第2供給バルブ8cとを含む。また、供給部8は、供給対象90に対して低温流体80を供給するためのディスペンサー91と接続されている。たとえば、気化した低温流体80を供給するディスペンサーである。また、供給対象90は、たとえば、自動車である。
第1供給バルブ8bは、低温流体貯留部7から供給流路8aに流通させる低温流体80の流量を調整可能に構成されている。第1供給バルブ8bは、たとえば、流量調整弁である。
第2供給バルブ8cは、供給対象90に供給する低温流体80の流量を調整可能に構成されている。第2供給バルブ8cは、たとえば、流量調整弁である。
分岐流路9は、低温流路1(第2低温流路部1b)から分岐して供給部8に接続し、低温流体80を流通させるように構成されている。分岐流路9は、一方側が、第2流量調整弁32を介して低温流路1(第2低温流路部1b)と接続され、他方側が供給流路8aと接続される。分岐流路9は、低温流路1を流れる低温流体80を、供給流路8aに流通させるための流路である。分岐流路9は、たとえば、配管である。
高温流体タンク30は、高温流体81を貯留するように構成されている。また、高温流体タンク30は、高温流路2によって、第1熱交換部3と接続されている。また、高温流路2の高温流体タンク30と第1熱交換部3との間には、第3流量調整弁33が設けられている。
第3流量調整弁33は、高温流体タンク30から第1熱交換部3に対して流入させる高温流体81の流量を調整可能に構成されている。また、第3流量調整弁33は、熱交換システム100が稼働中は、高温流体81を高温流路2に流通させるように調整される。具体的には、第3流量調整弁33は、熱交換システム100が稼働中には、高温流体81を流し続けるように構成されている。なお、第3流量調整弁33は、図示しない制御回路などにより電気的に制御(自動制御)されてもよいし、人などによって機械的に制御(手動制御)されてもよい。
図1に示すように、低温流体タンク5に貯蔵された低温流体80(液体の低温流体80a)は、低温流路1を介して第2熱交換部4および第1熱交換部3に流入される。そして、低温流体80は、第2熱交換部4および第1熱交換部3において熱交換し、気化された後、気体の低温流体80bとして、低温流体貯留部7に貯留される。また、低温流体貯留部7に貯留された気化後の低温流体80(気体の低温流体80b)は、供給部8を介して、ディスペンサー91によって供給対象90に供給される。
また、高温流体タンク30に貯留された高温流体81は、高温流路2を介して第1熱交換部3に流入される。第1熱交換部3において熱交換を行った後の高温流体81は、図示しないヒーターによって加熱され、高温流体タンク30に流入される。なお、熱交換を行った後の高温流体81は、図示しない流体排出部に排出されてもよい。
(第1熱交換器)
次に、図2を参照して、第1熱交換器10について説明する。図2に示すように、本実施形態による第1熱交換器10は、プレートフィン型の第1熱交換部3を備えている。プレートフィン型の第1熱交換部3は、平面状(層状)の第1流路部11aが設けられた層と、第2流路部11bおよび第3流路部11cが設けられた層とが複数重ねて配列された構造を有する熱交換部である。
第1熱交換部3は、個々の流路(チャンネル)を構成するフィン部12と、フィン部12の外周壁を構成するサイドバー13とを含む平面状(平板状)の構造を有する。また、第2流路部11bおよび第3流路部11cが設けられる層のサイドバー13の中間位置には、中間バー14が設けられている。フィン部12の形状は様々であるが、図2では、フィン部12が波板状のコルゲートフィンである例を示している。
第1流路部11aが設けられる層には、中間バー14が設けられていない。すなわち、第1流路部11aが設けられる層のサイドバー13は、第1流路部11aの入口および出口以外の第1流路部11aの外周部分を閉塞するように設けられている。また、各第1流路部11aが、A方向両側の隔壁であるプレート15によって仕切られている。つまり、第1流路部11aは、フィン部12、サイドバー13、および、プレート15によって仕切られた空間部分である。また、第1流路部11aの入口および出口には、図示しないヘッダなどが取り付けられ、ヘッダを介して各第1流路部11aに流体が出入りする。なお、第1流路部11aの一方側に取り付けられたヘッダが、後述する高温側入口3a(図4参照)と接続される。また、第1流路部11aの他方側に取り付けられたヘッダが、後述する高温側出口3b(図4参照)と接続される。プレート15およびフィン部12は、第1熱交換部3内で熱を伝達する伝熱面として機能する。なお、A方向とは、第1流路部11aと、第2流路部11bおよび第3流路部11cとが積層される方向である。また、A方向と直交する方向をB方向とし、B方向のうちの互いに直交する2方向を、B1方向およびB2方向とする。
サイドバー13および中間バー14は、第2流路部11bの入口および出口以外の第2流路部11bの外周部分を閉塞するように設けられている。また、各第2流路部11bが、A方向両側の隔壁であるプレート15によって仕切られている。つまり、第2流路部11bは、フィン部12、サイドバー13、中間バー14、および、プレート15によって仕切られた空間部分である。また、第2流路部11bの入口および出口には、図示しないヘッダなどが取り付けられ、ヘッダを介して各第2流路部11bに流体が出入りする。なお、第2流路部11bの一方側に取り付けられたヘッダが、後述する第1低温側入口3c(図4参照)と接続される。また、第2流路部11bの他方側に取り付けられたヘッダが、後述する第1低温側出口3d(図4参照)と接続される。
第3流路部11cの構成は、第2流路部11bと同様の構成である。すなわち、第3流路部11cは、フィン部12、サイドバー13、中間バー14、および、プレート15によって仕切られた空間部分である。また、第3流路部11cの入口および出口には、図示しないヘッダなどが取り付けられ、ヘッダを介して各第3流路部11cに流体が出入りする。なお、第3流路部11cの一方側に取り付けられたヘッダが、後述する第2低温側入口3e(図4参照)と接続される。また、第3流路部11cの他方側に取り付けられたヘッダが、後述する第2低温側出口3f(図4参照)と接続される。
また、A方向における各流路の最外部(上面および下面)には、一対のエンドプレート16が設けられている。各第1流路部11aは、平面視で矩形状に形成される。また、各第2流路部11bは、平面視で矩形状に形成される。また、各第3流路部11cは、平面視で矩形状に形成される。なお、B2方向における第2流路部11bの長さおよび第3流路部11cの長さの合計は、B1方向における第1流路部11aの長さと等しい。そのため、第1熱交換部3は、全体として矩形箱状(直方体形状)に形成されている。
複数の第1流路部11aは、高温流路2(図1参照)と接続され、高温流体81(図1参照)を流通させる。また、複数の第2流路部11bは、第2低温流路部1b(図1参照)、および、第3低温流路部1cと接続され、低温流体80(図1参照)を流通させる。また、複数の第3流路部11cは、第4低温流路部1d(図1参照)、および、第5低温流路部1eと接続され、第2流路部11bを流通される低温流体80とは異なる温度の低温流体80を流通させる。第1熱交換部3は、第1流路部11aを流れる高温流体81と、第2流路部11bを流れる低温流体80と、第3流路部11cを流れる低温流体80と、の間で熱交換をさせる。なお、本実施形態では、第1熱交換部3は、第1流路部11aを流れる高温流体81が、第2流路部11bを流れる低温流体80、および、第3流路部11cを流れる低温流体80と、1対2の関係で熱交換を行う。図2は、低温流体80(図1参照)の流通方向と高温流体81(図1参照)の流通方向とがB方向において直交する直交流型の熱交換器の例を示している。第1熱交換器10は、低温流体80の流通方向と高温流体81の流通方向とが同じ方向になる並行流型、または低温流体80の流通方向と高温流体81の流通方向とが反対方向になる対向流型であってもよい。
(第2熱交換器)
次に、図3を参照して、第2熱交換器20について説明する。図3に示すように、本実施形態による第2熱交換器20は、プレートフィン型の第2熱交換部4を備えている。プレートフィン型の第2熱交換部4は、平面状(層状)の第1流路部21aが設けられた層と、第2流路部21bが設けられた層とが複数重ねて配列された構造を有する熱交換部である。
第2熱交換部4は、個々の流路(チャンネル)を構成するフィン部22と、フィン部22の外周壁を構成するサイドバー23とを含む平面状(平板状)の構造を有する。フィン部22の形状は様々であるが、図3では、フィン部22が波板状のコルゲートフィンである例を示している。
サイドバー23は、第1流路部21aの入口または出口以外の第1流路部21aの外周部分を閉塞するように設けられている。また、各第1流路部21aが、A方向両側の隔壁であるプレート24によって仕切られている。つまり、第1流路部21aは、フィン部22、サイドバー23、および、プレート24によって仕切られた空間部分である。また、第1流路部21aの入口および出口には、図示しないヘッダなどが取り付けられ、ヘッダを介して各第1流路部21aに流体が出入りする。
また、サイドバー23は、第2流路部21bの入口または出口以外の第2流路部21bの外周部分を閉塞するように設けられている。また、各第2流路部21bが、A方向両側の隔壁であるプレート24によって仕切られている。つまり、第2流路部21bは、フィン部22、サイドバー23、および、プレート24によって仕切られた空間部分である。また、第2流路部21bの入口および出口には、図示しないヘッダなどが取り付けられ、ヘッダを介して各第2流路部21bに流体が出入りする。プレート24およびフィン部22は、第2熱交換部4内で熱を伝達する伝熱面として機能する。
また、A方向における各流路の最外部(上面および下面)には、一対のエンドプレート25が設けられている。各第1流路部21aは、平面視で矩形状に形成される。また、各第2流路部21bは、平面視で矩形状に形成される。そのため、第2熱交換部4は、全体として矩形箱状(直方体形状)に形成されている。
複数の第1流路部21aは、第1低温流路部1a(図1参照)、および、第2低温流路部1bと接続され、低温流体80(図1参照)を流通させる。また、複数の第2流路部21bは、第3低温流路部1c(図1参照)、および、第4低温流路部1dと接続され、第1流路部21aとは温度が異なる低温流体80を流通させる。第2熱交換部4は、第1流路部21aを流れる低温流体80と、第2流路部21bを流れる低温流体80との間で熱交換をさせる。図3は、第1流路部21aが延びる方向と、第2流路部21bが延びる方向とがB方向において直交する直交流型の熱交換器の例を示している。第2熱交換器20は、第1流路部21aが延びる方向と、第2流路部21bが延びる方向とが同じ方向になる並行流型、または、第1流路部21aが延びる方向と、第2流路部21bが延びる方向とが反対方向になる対向流型であってもよい。
ここで、低温流体タンク5(図1参照)には、液体水素である低温流体80(図1参照)が貯蔵されている。液体水素の温度は、略-250℃である。一方、高温流体タンク30(図1参照)に貯留されている高温流体81(図1参照)の温度は、たとえば、50℃~60℃である。したがって、熱交換システム100が加熱部(第1熱交換部3)を備えていない場合には、低温流体タンク5から流出した低温流体80と、高温流体タンク30から流出した高温流体81とによって熱交換を行う場合、液体の高温流体81が凍結する恐れがある。液体の高温流体81が凍結した場合、高温流路2(図1参照)を流通される高温流体81の流量が低下し、低温流体80と高温流体81との熱交換における効率が低下する。
(第1交換部および第2熱交換部における熱交換)
そこで、本実施形態では、第1熱交換部3(図1参照)において低温流体80(図1参照)と高温流体81(図1参照)との熱交換を行う前に、第2熱交換部4において、低温流体80間における熱交換を行うように構成されている。
図4および図5を参照して、第1熱交換部3および第2熱交換部4における各流体の熱交換について説明する。なお、図4に示す例では、第1熱交換部3および第2熱交換部4の各出入口の接続を容易に把握可能にするため、第1熱交換部3および第2熱交換部4の互いに連通する入口および出口に対して、同一の図形を付して図示している。
(第1熱交換部および第2熱交換部の接続)
まず、図4を参照して、第1熱交換部3および第2熱交換部4の接続について説明する。図4に示すように、第2熱交換部4は、低温流体80(図1参照)が流入する第1入口4aと、第1入口4aと連通し熱交換後の第1入口4aから流入した低温流体80が流出する第1出口4bと、第1出口4bから流出した後に第1熱交換器10(第2流路部11b)を経た低温流体80が流入する第2入口4cと、第2入口4cと連通し熱交換後の第2入口4cから流入した低温流体80が流出する第2出口4dとを含む。すなわち、第2熱交換部4は、第1入口4aから流入した低温流体80と第2入口4cから流入した低温流体80とを熱交換するように構成されている。第1入口4aおよび第1出口4bは、第1流路部21aによって接続されている。また、第2入口4cおよび第2出口4dは、第2流路部21bによって接続されている。
なお、図4に示す例では、便宜的に、第1入口4a、第1出口4b、第2入口4c、および、第2出口4dに対して、互いに異なる図形を付して図示している。具体的には、第1入口4aに対して、破線の丸印を付している。また、第1出口4bに対して、実線の丸印を付している。また、第2入口4cに対して、実線の三角印を付している。また、第2出口4dに対して、実線の四角印を付している。
また、図4に示すように、第1熱交換部3は、高温流体81(図1参照)が流入する高温側入口3aと、高温側入口3aと連通する高温側出口3bとを含む。高温側入口3aおよび高温側出口3bは、第1流路部11aによって接続されている。高温流体タンク30(図1参照)から第1熱交換部3に流入される高温流体81は、高温側入口3aを介して第1熱交換部3に流入される。また、第1熱交換部3に流入された高温流体81は、高温側出口3bを介して、第1熱交換部3から流出される。なお、図4に示す例では、便宜的に、高温側入口3aおよび高温側出口3bに対して、実線の二重丸印を付している。
また、第1熱交換部3は、第2熱交換部4の第1出口4bと連通する低温流体80が流入する第1低温側入口3cと、第1低温側入口3cと連通する第1低温側出口3dとを含む。第1低温側入口3cおよび第1低温側出口3dは、第2流路部11bによって接続されている。
また、本実施形態では、第1熱交換部3は、第2熱交換部4の第2出口4dと連通する第2低温側入口3eと、第2低温側入口3eと連通する第2低温側出口3fとを含む。すなわち、第1熱交換部3(加熱部)は、第1出口4bと第2入口4cの間に設けられている。第2低温側入口3eおよび第2低温側出口3fは、第3流路部11cによって接続されている。第1熱交換部3が含む第1低温側入口3c、第1低温側出口3d、第2低温側入口3e、および、第2低温側出口3fには、第2熱交換部4の各出入口のうちの接続される出入口に対応する図形を付している。
破線の丸印で図示した第2熱交換部4の第1入口4aは、低温流路1によって、低温流体タンク5(図1参照)と接続されている。具体的には、第1入口4aは、第1低温流路部1aによって、低温流体タンク5と接続されている。
また、第2熱交換部4の第1出口4bは、第1熱交換部3の第1低温側入口3cと連通している。具体的には、第1出口4bは、第2低温流路部1bによって、第1低温側入口3cと連通している。したがって、第1出口4bから流出した低温流体80は、第1低温側入口3cから第1熱交換部3に流入される。なお、図4に示す例では、第1出口4bおよび第1低温側入口3cに対して、実線の丸印を付している。
また、第1熱交換部3の第1低温側出口3dは、第2熱交換部4の第2入口4cと連通している。具体的には、第1低温側出口3dは、第3低温流路部1cによって、第2入口4cと連通している。したがって、第1低温側出口3dから流出された低温流体80は、第3低温流路部1cを流通され、第2入口4cから再び第2熱交換部4に流入される。なお、図4に示す例では、第1低温側出口3dおよび第2入口4cに対して、実線の三角印を付している。
第2熱交換部4の第2出口4dは、第1熱交換部3の第2低温側入口3eと連通している。具体的には、第2出口4dは、第4低温流路部1dによって、第2低温側入口3eと連通している。したがって、第2熱交換部4の第2出口4dから流出した低温流体80は、第1熱交換部3の第2低温側入口3eから第1熱交換部3に流入される。なお、図4に示す例では、第2出口4dおよび第2低温側入口3eに対して、実線の四角印を付している。
一点鎖線の丸印で図示した第2低温側出口3fは、低温流路1によって、低温流体貯留部7(図1参照)に接続されている。具体的には、第2低温側出口3fは、第5低温流路部1eによって、低温流体貯留部7に接続されている。
したがって、低温流体タンク5(図1参照)に貯留されている低温流体80(図1参照)は、第1低温流路部1a、第1流路部21a、第2低温流路部1b、第2流路部11b、第3低温流路部1c、第2流路部21b、第4低温流路部1d、第3流路部11c、および、第5低温流路部1eの順に流通され、低温流体貯留部7に流入される。
また、高温流体タンク30(図1参照)は、高温流路2を介して、第1熱交換部3と接続されている。具体的には、高温流体タンク30は、第1高温流路部2aによって、第1熱交換部3と接続される。
また、第1熱交換部3の高温側出口3bは、第2高温流路部2bと接続されている。そのため、高温流体タンク30から第1高温流路部2aを流通された高温流体81(図1参照)は、高温側入口3aから流入され、第1流路部11aを流通され、高温側出口3bから流出し、第2高温流路部2bを流通される。
(低温流体の熱交換)
引き続き図4を参照して、低温流体80(図1参照)が、各熱交換部において熱交換を行う構成について説明する。
低温流体タンク5(図1)から低温流路1に流入された低温流体80(図1参照)は、図4に示した丸印で囲んだ1番~3番の順に、熱交換を行う。
1番目(丸印で囲んだ1番)の熱交換は、第2熱交換部4において行われる。低温流体タンク5(図1)から第2熱交換部4に流入された低温流体80(図1参照)は、第1熱交換部3から流出された低温流体80と熱交換を行う。すなわち、1番目の熱交換は、第1流路部21aを流通される低温流体80と、第2流路部21bを流通される低温流体80との間で行われる。言い換えると、1番目の熱交換は、低温流体タンク5から流入された低温流体80と、第2熱交換部4から流出され、自己循環することにより再び第2熱交換部4に流入される低温流体80との間において行われる。第1熱交換部3から流出された低温流体80は、第1熱交換部3において、高温流体81(図1参照)と熱交換している。したがって、第1出口4bから流出した低温流体80は、第1入口4aから流入する低温流体80よりも高温である。
なお、熱交換システム100の起動時には、第2入口4cから第2熱交換部4に流入される低温流体80がない。すなわち、起動時には、略-250℃の液体水素である低温流体80と熱交換を行うために、第1熱交換部3によって加熱された低温流体80が第2熱交換部4に対して流入されない。したがって、熱交換システム100の起動時には、1番目の熱交換として、低温流体80間における熱交換は行われない。なお、熱交換システム100を起動する際には、第2熱交換部4が常温になっている。したがって、熱交換システム100の起動時には、第2熱交換部4の熱容量によって、第1流路部21aを流通される低温流体80が加熱される。この場合、第2熱交換部4と低温流体80との温度差が大きいので、第2熱交換部4に生じる熱応力を抑制するために、第2熱交換部4に流入される低温流体80の流量を小さくする。すなわち、熱交換システム100の起動時には、少量の低温流体80を流通させることにより、第2熱交換部4の熱容量によって低温流体80を加熱する準備モードで熱交換システム100を駆動させる。
次に、低温流体80は、2番目(丸印で囲んだ2番)の熱交換を行う。2番目の熱交換は、第1熱交換部3において行われる。具体的には、2番目の熱交換は、第1流路部11aを流通される高温流体81(図1参照)と、第2流路部11bを流通される低温流体80との間で行われる。すなわち、第2熱交換部4によって熱交換され、第2出口4dから流出した低温流体80は、第1熱交換部3に流入され、高温流体81と熱交換される。言い換えると、第1熱交換部3(加熱部)は、第1出口4bから流出後、第2入口4cに流入前の低温流体80を加熱するように構成されている。
なお、2番目の熱交換を行った低温流体80は、第1低温側出口3dから流出され、第3低温流路部1cを流通され、第2入口4cから再び第2熱交換部4に流入される。言い換えると、第1出口4bから流出された低温流体80は、高温流体81と熱交換された後、第2入口4cから第2熱交換部4に戻すように流入される。そして、第2入口4cから第2熱交換部4に戻すように流入された低温流体80は、1番目の熱交換時において、高温側の流体として、第1流路部21aを流通される低温流体80との熱交換を行う。本実施形態では、第2出口4dから流出した低温流体80は、第1出口4bから流出した低温流体80よりも高温である。なお、第2出口4dから流出する低温流体80と、第1入口4aから流入する低温流体80とにおいて熱交換を行う場合、熱交換後の各低温流体80の温度は、両者の中間温度付近になると考えられる。また、第2出口4dから流出した低温流体80の温度が、第1出口4bから流出した低温流体80よりも低温であってもよい。
次に、低温流体80(図1参照)は、3番目(丸印で囲んだ3番)の熱交換を行う。3番目の熱交換は、第1熱交換部3において行われる。具体的には、3番目の熱交換は、第1流路部11aを流通される高温流体81(図1参照)と、第3流路部11cを流通される低温流体80との間で行われる。すなわち、第2熱交換部4によって熱交換され、第2出口4dから流出した低温流体80は、第1熱交換部3に流入され、高温流体81と熱交換される。
本実施形態では、2番目の熱交換および3番目の熱交換の各々は、第1熱交換部3において行われる。すなわち、第1熱交換部3は、高温流路2の高温流体81と第1熱交換部3の第1低温側入口3cから流入した低温流体80との間における熱交換、および、高温流路2の高温流体81と第1熱交換部3の第2低温側入口3eから流入した低温流体80との間における熱交換を行うように構成されている。言い換えると、第1熱交換部3は、第1流路部11aを流通される高温流体81、第2流路部11bを流通される低温流体80、および、第3流路部11cを流通される低温流体80の3流体間の熱交換を行うように構成されている。
そして、3番目の熱交換を行った後の低温流体80は、第2低温側出口3fから流出され、第5低温流路部1eを流通され、低温流体貯留部7に貯留される。
次に、図5を参照して、各熱交換部における低温流体80(図1参照)および高温流体81(図1参照)の熱交換の詳細について説明する。
図5に示すグラフ70は、横軸が熱量であり、縦軸が温度のグラフである。また、グラフ70における実線の矢印40a~矢印40dは、低温流体80(図1参照)の温度および熱量の変化を示している。具体的には、矢印40aは、第1入口4a(図4参照)に流入され、第1出口4b(図4参照)から流出される低温流体80の温度および熱量の変化を示している。また、矢印40bは、第2入口4c(図4参照)から流入され、第2出口4d(図4参照)から流出される低温流体80の温度および熱量の変化を示している。また、矢印40cは、第1低温側入口3cから流入され、第1低温側出口3dから流出される低温流体80の温度および熱量の変化を示している。また、矢印40dは、第2低温側入口3eから流入され、第2低温側出口3fから流出される低温流体80の温度および熱量の変化を示している。
また、グラフ70における一点鎖線の矢印50aおよび矢印50bは、高温流体81(図1参照)の温度および熱量の変化を示している。具体的には、矢印50aおよび矢印50bの各々は、高温側入口3a(図4参照)から流入され、高温側出口3b(図4参照)から流出される高温流体81(図1参照)の温度および熱量の変化を示している。なお、矢印40a~矢印40d、矢印50a、および、矢印50bは、始点が熱交換の開始時の温度および熱量を示しており、終点が熱交換の終了時の温度および熱量を示している。
また、グラフ70における領域R1は、第2熱交換部4(図4参照)における熱交換を示しており、領域R2および領域R3は、第1熱交換部3(図4参照)における熱交換を示している。なお、領域R1~領域R3における熱交換は、それぞれ、図4に図示した丸印で囲んだ1番目~3番目の熱交換に対応している。
領域R1に示すように、第2熱交換部4(図4参照)では、第1入口4a(図4参照)に流入され、第1出口4b(図4参照)から流出される低温流体80と、第2入口4c(図4参照)から流入され、第2出口4d(図4参照)から流出される低温流体80との間における熱交換が行われる。
これにより、矢印40aに示すように、第1入口4aに流入され、第1出口4bから流出される低温流体80の温度は、温度t1から温度t2まで上昇する。一方、矢印40bに示すように、第2入口4cから流入され、第2出口4dから流出される低温流体80の温度は、温度t3から温度t4まで低下する。
また、領域R2に示すように、第1熱交換部3(図4参照)では、第1低温側入口3cから流入され、第1低温側出口3dから流出される低温流体80と、高温側入口3aから流入され、高温側出口3bから流出される高温流体81との間における熱交換が行われる。その結果、第1低温側入口3cから流入され、第1低温側出口3dから流出される低温流体80の温度は、温度t2から温度t3まで上昇する。一方、高温側入口3aから流入され、高温側出口3bから流出される高温流体81の温度は、温度T1から温度T2まで低下する。
ここで、矢印40aの始点の温度t1と、矢印40cの始点の温度t2とを比較すると、矢印40cの始点の温度t2の方が高いことがわかる。すなわち、矢印40aの始点の温度t1と矢印50aの始点の温度T1との温度差td1よりも、矢印40cの始点の温度t2と矢印50aの始点の温度T1との温度差td2の方が小さくなる。そのため、第2熱交換部4によって予め低温流体80を加熱しない場合と比較して、高温流体81が凍結しづらくなる。
また、領域R3に示すように、第1熱交換部3(図4参照)では、第2低温側入口3eから流入され、第2低温側出口3fから流出される低温流体80と、高温側入口3aから流入され、高温側出口3bから流出される高温流体81との間における熱交換が行われる。その結果、第2低温側入口3eから流入され、第2低温側出口3fから流出される低温流体80の温度は、温度t4から温度t5まで上昇する。なお、高温側入口3aから流入され、高温側出口3bから流出される高温流体81の温度は、温度T1から温度T2まで低下する。
ここで、矢印40aの始点の温度t1と、矢印40dの始点の温度t4とを比較すると、矢印40dの始点の温度t4の方が高いことがわかる。すなわち、矢印40aの始点の温度t1と矢印50bの始点の温度T1との温度差td1よりも、矢印40dの始点の温度t4と矢印50bの始点の温度T1との温度差td3の方が小さくなる。そのため、第2熱交換部4によって予め低温流体80を加熱しない場合と比較して、高温流体81が凍結しづらくなる。
なお、図5に示す例では、矢印50aと矢印50bとを分けて記載したが、高温流体81を流通させる高温流路2(図4参照)を分ける必要はない。高温流路2に流通させる高温流体81の流量は、矢印50aおよび矢印50bに示す熱量を合算した熱量を賄うことが可能な流量に設定すればよい。
ここで、低温流体貯留部7(図1参照)に貯留される低温流体80(図1参照)は、常温(温度t5)の気体の水素(水素ガス)である。また、供給対象90(図1参照)に対して低温流体80を供給する場合、低温流体80の温度が上昇する。供給対象90に供給する際の低温流体80の上限温度は、供給対象90ごとに予め定められている。そのため、供給部8は、供給対象90に応じて、所望の温度の低温流体80を供給可能に構成されている。具体的には、供給部8は、低温流体貯留部7に貯留されている低温流体80の温度とは異なる温度に調整した低温流体80を供給するように構成されている。たとえば、所望の温度が温度t6の場合、供給部8は、低温流体貯留部7に貯留される常温(温度t5)の低温流体80を、所定の温度(温度t6)まで冷却する。なお、常温(温度t5)は、たとえば、10℃であり、温度t6は、たとえば、-40℃である。
供給部8(図1参照)は、低温流体貯留部7(図1参照)から流入する低温流体80(図1参照)と、分岐流路9(図1参照)から流入し、低温流体貯留部7に貯留された低温流体80よりも低温の低温流体80とを混合するように構成されている。具体的には、供給部8は、第1供給バルブ8b(図1参照)および第2供給バルブ8c(図1参照)を調整することにより、供給流路8aから流入する低温流体80の流量と、分岐流路9から流入する低温流体80の流量とを調整し、所定の温度(温度t6)の低温流体80を供給するように構成されている。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、熱交換システム100は、低温の流体である低温流体80と低温流体80よりも高温の液体である高温流体81との間における熱交換を行う第1熱交換部3と、低温流体80間における熱交換を行う第2熱交換部4と、を備え、第2熱交換部4は、低温流体80が流入する第1入口4aと、第1入口4aと連通し熱交換後の第1入口4aから流入した低温流体80が流出する第1出口4bと、第1出口4bから流出した低温流体80が流入する第2入口4cと、第2入口4cと連通し熱交換後の第2入口4cから流入した低温流体80が流出する第2出口4dとを含み、第1入口4aから流入した低温流体80と第2入口4cから流入した低温流体80とを熱交換するように構成され、第1出口4bと第2入口4cの間に設けられ、第1出口4bから流出後、第2入口4cに流入前の低温流体80を加熱する加熱部を備え、第2出口4dは、第1熱交換部3と連通しており、第2熱交換部4によって熱交換され、第2出口4dから流出した低温流体80は、第1熱交換部3に流入され、高温流体81と熱交換される。
これにより、低温流体80が第1熱交換部3に流入される前に、第2熱交換部4によって低温流体80が加熱されるので、第1熱交換部3に流入される低温流体80を予め加熱することができる。したがって、第2熱交換部4を備えない構成と比較して、第1熱交換部3に流入される低温流体80と高温流体81との温度差を小さくすることができる。その結果、第1熱交換部3において、高温流体81が凍結することを抑制することができる。
また、第1熱交換部3は、加熱部を兼ねており、第1熱交換部3は、低温流体80が流入する第1低温側入口3cと、第1低温側入口3cと連通する第1低温側出口3dとを含み、第2熱交換部4の第1出口4bは、第1熱交換部3の第1低温側入口3cと連通しており、第1出口4bから流出した低温流体80は、第1低温側入口3cから第1熱交換部3に流入され、高温流体81と熱交換された後、第2入口4cから第2熱交換部4に戻すように流入される。これにより、第1出口4bから流出した低温流体80を第1熱交換部3によって加熱し、第2入口4cから第2熱交換部4に戻すことができる。したがって、第1出口4bから流出した低温流体80を加熱するためのヒーターなどを設けることなく、第2入口4cから流入する低温流体80を加熱することができる。その結果、第1出口4bから流出した低温流体80を加熱するためのヒーターなどを設ける構成と比較して、熱交換システム100が大型化することを抑制することができる。
さらにこの場合、第1出口4bから流出した低温流体80は、第1入口4aから流入する低温流体80よりも高温であり、第2出口4dから流出した低温流体80は、第1入口4aから流入する低温流体80よりも高温となる。つまり、第1出口4bから流出し、第1熱交換部3に流入する低温流体80、および、第2出口4dから流出し、第1熱交換部3に流入する低温流体80のいずれにおいても、第1入口4aから流入する低温流体80よりも温度が高い状態で第1熱交換部3に流入する。したがって、第2熱交換部4を介さずに低温流体80を直接第1熱交換部3に流入させる構成と比較して、低温流体80と高温流体81との温度差を小さくすることができる。その結果、第2熱交換部4を介さずに低温流体80を直接第2熱交換部4に流入させる構成と比較して、高温流体81が凍結することを抑制することができる。
また、第1熱交換部3は、第2熱交換部4の第2出口4dと連通する第2低温側入口3eと、第2低温側入口3eと連通する第2低温側出口3fとをさらに含み、第2熱交換部4の第2出口4dから流出した低温流体80は、第1熱交換部3の第2低温側入口3eから第1熱交換部3に流入され、高温流体81と熱交換される。これにより、第1熱交換部3の第2低温側入口3eと第2熱交換部4の第2出口4dとが連通しているので、第2熱交換部4において熱交換を行った低温流体80を、第1熱交換部3に容易に流入させることができる。その結果、第2熱交換部4によって低温流体80を予め加熱した状態で、第1熱交換部3に流入させることが可能な流体回路を容易に形成することができる。
また、第1熱交換部3は、高温流路2の高温流体81と第1熱交換部3の第1低温側入口3cから流入した低温流体80との間における熱交換、および、高温流路2の高温流体81と第1熱交換部3の第2低温側入口3eから流入した低温流体80との間における熱交換を行うように構成されている。これにより、第1熱交換部3が、高温流体81と、第1低温側入口3cから流入した低温流体80と、第2低温側入口3eから流入した低温流体80と、の3流体間によって熱交換を行うことができる。その結果、高温流体81と第1低温側入口3cから流入した低温流体80との間で熱交換を行う熱交換部、および、高温流体81と第2低温側入口3eから流入した低温流体80との間で熱交を行う熱交換部をそれぞれ備える構成と比較して、部品点数の増加、および、構造の複雑化を抑制することができる。
また、第1熱交換部3および第2熱交換部4は、それぞれ異なる第1熱交換器10および第2熱交換器20に設けられている。これにより、第1熱交換部3を備えた第1熱交換器10と、第2熱交換部4を備えた第2熱交換器20とを互いに接続することにより、第1熱交換部3に流入する低温流体80の温度を、第2熱交換部4によって予め加熱することが可能な流体回路を容易に形成することができる。その結果、たとえば、第1熱交換部3および第2熱交換部4の両方を備える熱交換器と比較して、熱交換器の配管の設置が複雑化することを抑制することができる。
また、第1入口4aから流入する低温流体80よりも高温である構成において、好ましくは、液体の低温流体80を貯蔵する低温流体タンク5と、低温流体タンク5に貯蔵された低温流体80を、低温流路1に流通させる低温流体ポンプ6と、第1熱交換部3によって加熱され、気化した低温流体80を貯留する低温流体貯留部7と、低温流体貯留部7に接続され、供給対象90に対して気化した低温流体80を供給する供給部8と、低温流路1から分岐して供給部8に接続し、低温流体80を流通させる分岐流路9と、をさらに備え、供給部8は、低温流体貯留部7から流入する低温流体80と、分岐流路9から流入し、低温流体貯留部7に貯留された低温流体80よりも低温の低温流体80とを混合するように構成されている。これにより、低温流体貯留部7に貯留された低温流体80の温度を低くして供給対象90に提供する場合に、低温流体貯留部7に貯留された低温流体80と、分岐流路9から流入した低温流体80とを混合することにより、低温流体80の温度を容易に低くすることができる。したがって、冷凍機などを用いることなく、貯留部に貯留された低温流体80の温度を、提供対象に提供する際の温度まで低下させることができる。その結果、たとえば、低温流体貯留部7に貯留された低温流体80の温度を下げるための冷凍機などを備える構成と比較して、システムが大規模化することを抑制することができる。
また、低温流体80は液体水素であり、高温流体81は温水である。これにより、低温流体80である液体水素と、高温流体81である温水とにおいて熱交換を行う場合に、温水が凍結することを抑制することが可能な熱交換システム100を提供することができる。
(変形例)
なお、今回開示された各実施形態および各変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した各実施形態および各変形例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、第1熱交換部3が第1熱交換器10に設けられ、第2熱交換部4が第2熱交換器20に設けられる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図6に示す変形例による熱交換システム200のように、第1熱交換部3および第2熱交換部4は、単一の熱交換器210に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、熱交換システム100が、低温流体タンク5に貯蔵された低温流体80が低温流体ポンプ6によって所定の圧力に昇圧され、第1熱交換部3および第2熱交換部4によって気化される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、熱交換システムは、第1熱交換部3および第2熱交換部4によって気化した後の低温流体80を所定の圧力まで昇圧させ、低温流体貯留部7に貯留するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第1熱交換部3が加熱部を兼ねる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1出口4bから流出し、第2入口4cに流入する低温流体80は、第1熱交換部3(加熱部)によって加熱されなくてもよい。この場合、低温流路1のうちの第1出口4bと第2入口4cとの間の位置にヒーターなどの加熱装置を設けて、低温流体80を加熱するように構成すればよい。また、第1出口4bから流出され、第2入口4cに流入されるまでに、低温流体80と空気との間で熱交換を行うことにより、第2入口4cに流入される低温流体80を所定の温度まで加熱してもよい。この場合、第1出口4bおよび第2入口4cは、低温流体80を空気によって所定の温度まで加熱することが可能な長さ(流路長)を有する低温流路1によって接続されればよい。しかしながら、第1出口4bと第2入口4cとの間にヒーターなどの加熱装置を設ける場合、システムが大型化する。また、低温流体80と空気との熱交換を行う構成の場合、第1出口4bと第2入口4cとの間の低温流路1の長さ(流路長)が大きくなり、システムが大型化する。したがって、第1熱交換部3が加熱部を兼ねるように構成されることが好ましい。
また、上記実施形態では、第2出口4dから流出した低温流体80が、第1入口4aから流入する低温流体80よりも高温であり、かつ、第1出口4bから流出する低温流体80よりも高温である例を示したが、本発明はこれに限られない。第2出口4dから流出する低温流体80の温度が、第1入口4aから流入する低温流体80の温度よりも高ければ、第1出口4bから流出する低温流体80の温度より高温であっても低温であってもよい。
また、上記実施形態では、第1熱交換部3が、第2低温側入口3eおよび第2低温側出口3fを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1熱交換部3は、第2低温側入口3eおよび第2低温側出口3fを含んでいなくてもよい。すなわち、第1熱交換部3は、高温流体81と第1低温側入口3cから流入した低温流体80との間における熱交換、および、高温流体81と第2低温側入口3eから流入した低温流体80との間における熱交換の両方を行うように構成されていなくてもよい。この場合、第2出口4dを流出された低温流体80と高温流体81との間で熱交換を行う熱交換器を別途設ければよい。しかしながら、第1熱交換部3が、第2低温側入口3eおよび第2低温側出口3fを含んでいない構成の場合、第2出口4dを流出された低温流体80と高温流体81との間で熱交換を行う熱交換器を設けることになるため、システムが大型化する。したがって、第1熱交換部3は、第2低温側入口3eおよび第2低温側出口3fを含んでいることが好ましい。
また、上記実施形態では、熱交換システム100が、低温流体貯留部7を備える構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、熱交換システム100は、予め設定された供給対象90に対する低温流体80の供給量を供給可能な性能の低温流体ポンプ6を備えていれば、熱交換システム100は、低温流体貯留部7を備えていなくてもよい。
また、上記実施形態では、低温流体80が液体水素であり、高温流体81が温水である例を示したが、本発明はこれに限られない。低温流体80は、液体ヘリウムであってもよいし、液化天然ガスであってもよい。また、高温流体81は、エチレングリコールであってもよい。
また、上記実施形態では、第1熱交換部3および第2熱交換部4が、プレートフィン型の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1熱交換部3および第2熱交換部4は、どのようなタイプの熱交換部であってもよい。第1熱交換部3および第2熱交換部4は、たとえば、溝状の流路が形成された複数の伝熱版が積層され、拡散接合された拡散接合型の熱交換部であってもよい。
また、上記実施形態では、分岐流路9が、第2低温流路部1bから分岐する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。分岐流路9は、低温流体貯留部7に貯留される低温流体80よりも低温の低温流体80が流通する流路部であれば、低温流路1のどこから分岐してもよい。すなわち、分岐流路9は、第5低温流路部1e以外から分岐していれば、低温流路1のどこから分岐してもよい。
1 低温流路
2 高温流路
3 第1熱交換部(加熱部)
3c 第1低温側入口
3d 第1低温側出口
3e 第2低温側入口
3f 第2低温側出口
4 第2熱交換部
4a 第1入口
4b 第1出口
4c 第2入口
4d 第2出口
5 低温流体タンク
6 低温流体ポンプ
7 低温流体貯留部
8 供給部
9 分岐流路
10 第1熱交換器
20 第2熱交換器
80 低温流体
81 高温流体
90 供給対象
100、200 熱交換システム

Claims (7)

  1. 低温の流体である低温流体と前記低温流体よりも高温である高温流体との間における熱交換を行う第1熱交換部と、
    前記低温流体間における熱交換を行う第2熱交換部と、を備え、
    前記第2熱交換部は、前記低温流体が流入する第1入口と、前記第1入口と連通し熱交換後の前記第1入口から流入した前記低温流体が流出する第1出口と、前記第1出口から流出した前記低温流体が流入する第2入口と、前記第2入口と連通し熱交換後の前記第2入口から流入した前記低温流体が流出する第2出口とを含み、前記第1入口から流入した前記低温流体と前記第2入口から流入した前記低温流体とを熱交換するように構成され、
    前記第1出口と前記第2入口の間に設けられ、前記第1出口から流出後、前記第2入口に流入前の前記低温流体を加熱する加熱部を備え、
    前記第2出口は、前記第1熱交換部と連通しており、
    前記第2熱交換部によって熱交換され、前記第2出口から流出した前記低温流体は、前記第1熱交換部に流入され、前記高温流体と熱交換される、熱交換システム。
  2. 前記第1熱交換部は、前記加熱部を兼ねており、
    前記第1熱交換部は、前記低温流体が流入する第1低温側入口と、前記第1低温側入口と連通する第1低温側出口とを含み、
    前記第2熱交換部の前記第1出口は、前記第1熱交換部の前記第1低温側入口と連通しており、
    前記第1出口から流出した前記低温流体は、前記第1低温側入口から前記第1熱交換部に流入され、前記高温流体と熱交換された後、前記第2入口から前記第2熱交換部に戻すように流入される、請求項1に記載の熱交換システム。
  3. 前記第1熱交換部は、前記第2熱交換部の前記第2出口と連通する第2低温側入口と、前記第2低温側入口と連通する第2低温側出口とをさらに含み、
    前記第2熱交換部の前記第2出口から流出した前記低温流体は、前記第1熱交換部の前記第2低温側入口から前記第1熱交換部に流入され、前記高温流体と熱交換される、請求項2に記載の熱交換システム。
  4. 前記第1熱交換部は、前記高温流体と前記第1熱交換部の前記第1低温側入口から流入した前記低温流体との間における熱交換、および、前記高温流体と前記第1熱交換部の前記第2低温側入口から流入した前記低温流体との間における熱交換を行うように構成されている、請求項3に記載の熱交換システム。
  5. 前記第1熱交換部および前記第2熱交換部は、それぞれ異なる第1熱交換器および第2熱交換器に設けられている、請求項3または4に記載の熱交換システム。
  6. 液体の前記低温流体を貯蔵する低温流体タンクと、
    前記低温流体タンクに貯蔵された前記低温流体を、前記低温流体を流通させる低温流路に流通させる低温流体ポンプと、
    前記第1熱交換部によって加熱され、気化した前記低温流体を貯留する低温流体貯留部と、
    前記低温流体貯留部に接続され、供給対象に対して気化した前記低温流体を供給する供給部と、
    前記低温流路から分岐して前記供給部に接続し、前記低温流体を流通させる分岐流路と、をさらに備え、
    前記供給部は、前記低温流体貯留部から流入する前記低温流体と、前記分岐流路から流入し、前記低温流体貯留部に貯留された前記低温流体よりも低温の前記低温流体とを混合するように構成されている、請求項5に記載の熱交換システム。
  7. 前記低温流体は液体水素であり、
    前記高温流体は温水である、請求項1~6のいずれか1項に記載の熱交換システム。
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